JP4704534B2 - 水産練製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、尿素を配合した安定な組織を有する水産練製品に関する。
本発明の水産練製品は、ゲル強度や弾力性等の品質にかかわる物性が優れており、また、凍結耐性も優れている安定な組織を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水産練製品を製造する際には、増量剤として、あるいは弾力性等の品質にかかわる物性の向上を目的として、澱粉、卵白、グルテン、大豆タンパク質、ホエータンパク質等の素材が使用されている。しかしながら、澱粉を水産練製品に添加すると、粉っぽさや澱粉自体の経時的な老化による硬化、あるいは離水といった品質の低下を引き起こす要因となる。また、卵白、グルテン、大豆タンパク質、ホエータンパク質等のタンパク質を水産練製品に添加すると、タンパク質特有の風味によって水産練製品本来の風味が損なわれるので、その使用量は制限され、実質的に好ましい効果が得られないという問題がある。
また、近年、水産練製品は大手メーカーの大型工場で量産されるようになり、凍結保存や凍結流通を行う傾向が強まってきている。このため、水産練製品の凍結変性による弾力性の低下等、品質の劣化が起こり易いという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、ゲル強度や弾力性等に優れた安定な組織を有する水産練製品を提供するべく、鋭意研究を進めてきたところ、水産練製品を製造する際に尿素を配合することにより、ゲル強度や弾力性等に優れた安定な組織を有する水産練製品が得られることを見出した。そして、この水産練製品のゲル強度や弾力性等に優れた安定な組織は、水産練製品を凍結してもその組織が維持されていることを確認し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、尿素を配合することにより、ゲル強度や弾力性等の品質にかかわる物性が優れており、かつ凍結耐性も優れている安定な組織を有する水産練製品を提供することを課題とする。
なお、本発明でいう「安定な組織」とは、ゲル強度及び弾力性が高く、かつ凍結耐性も有する水産練製品として好ましい製品の組織を指す。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明では、製品中に 0.005〜 0.1重量%の尿素を含有するように尿素を配合して、水産練製品を製造する。このようにして尿素を配合することにより、ゲル強度や弾力性等の品質にかかわる物性が優れており、かつ凍結耐性も優れている安定な組織を有する水産練製品を得ることができる。
なお、製品中に含有する尿素が 0.005重量%未満であると、安定な組織を有する水産練製品を得ることができず、また、製品中に含有する尿素が 0.1重量%を越えると、安定な組織を有する水産練製品を得ることはできるが、風味に影響するので好ましくない。
本発明で使用する尿素としては、化成品の尿素を使用しても良いし、また、脱脂乳やホエー等の乳素材を逆浸透(RO)膜で処理する際に得られる非タンパク態窒素を含有するパーミエート、あるいは脱脂乳やホエー等の乳素材を限外濾過(UF)膜やナノフィルトレーション(NF)膜等の膜で処理して乳タンパク質や乳糖を除去した後、電気透析(ED)やイオン交換樹脂で処理して脱イオン化することにより得られる尿素含有組成物等を利用することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では、スケソウダラ、グチ、サメ、ヒラメ、ホッケ、イカ、エビ等を原料として調製したすり身に食塩を添加し、さらに、氷水と澱粉、卵白、味りん、砂糖等の副原料と共に尿素を添加して配合し、製品中に 0.005〜 0.1重量%の尿素を含有するようにし、常法に従って、蒲鉾や竹輪等の水産練製品を製造することができる。
本発明で得られる尿素を配合した水産練製品は、高いゲル強度及び弾力性を示し、好ましい食感を有するものである。また、本発明の尿素を配合した水産練製品は、凍結保存後、解凍しても、その優れた物性や食感を維持しており、高い保存性及び流通性を有するものである。
次に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
【0006】
【参考例1】
11.0mg/100mlの割合で尿素を含有する脱脂乳 50 l について、食塩阻止率が50%のNF膜(Desal-5;Desalination社製) を使用し、 2.5倍濃縮を行なった。
なお、膜処理は、操作温度50℃、圧力1.3MPaの条件で行った。このNF膜での処理により透過液を分離、回収した後、この透過液を凍結乾燥して、乳由来の尿素含有組成物粉末 50gを得た。なお、この乳由来の尿素含有組成物については、全固形中9%の尿素が含まれていた。
【0007】
【実施例1】
特級すり身2kgをサイレントカッターで5分間粉砕し、食塩 60gを添加して5分間混練した後、氷水と、副原料として、澱粉、卵白、味りん、砂糖及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成物を表1に示した配合で添加し、さらに5分間混練した。
【0008】
【表1】
【0009】
上記表1の乳由来の尿素含有組成物を添加した混合物をチューブに充填し、坐り処理として5℃で一夜静置した後、90℃で15分間蒸煮してケーシング蒲鉾を製造し、本発明品1〜3とした。 また、同様にして、乳由来の尿素含有組成物を添加していないケーシング蒲鉾を製造し、対照品とした。
【0010】
【試験例1】
実施例1で製造した本発明品1〜3と対照品とをそれぞれ冷蔵群と冷凍群に分けて、それぞれの物性及び食感を調べた。冷蔵群は4℃で24時間保存後に、また、冷凍群は−40℃のフリーザーで急速凍結して2日間保存後に、それぞれ室温に2時間静置して試料とした。
そして、各試料を2cm角に切り、レオメーター(プランジャー速度:5mm/s、プランジャー径:8mm) でゲル強度を測定した。
冷蔵群の結果を表2に、また、冷凍群の結果を表3にそれぞれ示す。
【0011】
【表2】
【0012】
冷蔵群では、対照品と比べて、本発明品1〜3で破断強度及び50%ひずみ応力が高く、良好な組織を有しており、尿素を配合することにより蒲鉾に優れた物性を付与できることがわかった。
【0013】
【表3】
冷凍群では、対照品の場合、冷凍保存したことにより、冷蔵保存したときと比べて顕著な物性の劣化が認められたが、本発明品1〜3の場合、冷凍保存しても、冷蔵保存したときと比べて殆ど物性の劣化が認められなかった。したがって、尿素を配合することにより蒲鉾に凍結耐性を付与できることもわかった。
なお、官能的な評価においても、本発明品1〜3は対照品よりも好ましいという評価であった。
【0014】
【発明の効果】
本発明によると、蒲鉾や竹輪等の水産練製品に尿素を配合することにより、高いゲル強度及び弾力性を付与し、好ましい食感を与えるものである。また、本発明によると、蒲鉾や竹輪等の水産練製品に尿素を配合することにより、凍結保存による影響を抑制し、さらに、凍結保存後、解凍しても、その優れた物性や食感を維持し、高い保存性及び流通性を与えるものである。
Claims (1)
- 製品中に 0.005〜 0.1重量%の尿素を含有するように尿素を配合したゲル強度及び弾力性が高く、かつ凍結耐性も有する水産練製品。
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