JP2001321101A - 小麦粉製品 - Google Patents
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Abstract
良好で、さらに凍結耐性を有する小麦粉製品の提供。 【解決手段】 製品中に尿素を0.005〜0.1重量
%含有するように添加して小麦粉製品を調製する。
Description
子、シュウマイ、ワンタン等に用いる皮類、うどん、ラ
ーメン、パスタ等の麺類といった小麦粉加工品に尿素を
含有させ、品質を改良した小麦粉製品に関する。本発明
の小麦粉製品は、「コシ」があり、しなやかで、喉ごし
が良好で、さらに凍結耐性を有するものである。
イ、ワンタン等に用いる皮類、うどん、ラーメン、パス
タ等の麺類を製造する際に、粘りや弾力性といったいわ
ゆる「コシ」を改良する目的で、増粘安定剤、乳化剤等
の品質改良剤が添加されている。これら品質改良剤を添
加して製造される皮類や麺類は、「コシ」があり、食べ
た時に好ましい歯ごたえが感じられるようになるが、一
方で品質改良剤に由来するガム様の食感やネチャツキ感
が感じられ、好ましくない。また、皮類や麺類の「コ
シ」を改良する目的で、大豆タンパク質等の植物性タン
パク質や乳タンパク質、卵白等の動物性タンパク質等も
添加されている。これらのタンパク質を添加して製造さ
れる皮類や麺類も「コシ」があり、食べた時に好ましい
歯ごたえが感じられるようになるが、一方で硬くなりす
ぎて、しなやかさが感じられなくなるのと、風味が悪く
なるため好ましくない。また、近年、餃子、シュウマ
イ、ラーメン、うどん等の冷凍食品が市場に多く流通し
ており、その需要も伸長傾向にあるが、これら小麦粉を
主原料とする皮類、麺類等の小麦粉製品は、凍結により
変性しやすく、特に冷凍保存又は流通中の温度変化によ
り粘りや弾力性が低下し、「コシ」がなくなるといった
問題がある。
シ」があり、しなやかで、喉ごしが良好で、さらに凍結
耐性を有する皮類、麺類といった小麦粉製品を得るべく
鋭意研究を進めたところ、小麦粉製品の製造時に尿素を
配合し、尿素を一定量含有させることにより、「コシ」
があり、しなやかで、喉ごしが良好で、さらに凍結耐性
を有する小麦粉製品が得られることを見出し、本発明を
完成させるに至った。したがって本発明は、「コシ」が
あり、しなやかで、喉ごしが良好で、さらに凍結耐性を
有する小麦粉製品を提供することを課題とする。本発明
において、「コシ」があるとは、皮類、麺類等の小麦粉
製品に粘りや弾力性があり、食べた時に歯ごたえを感じ
る性状のことをいう。本発明において、皮類とは、例え
ば、餃子、シュウマイ、ワンタン等に用いる皮のことを
いい、麺類とは、例えば、ラーメン、うどん、パスタ等
のことをいい、いずれも小麦粉を主原料として調製され
るものであり、これらを総称して小麦粉製品という。本
発明において、凍結耐性とは、本発明の小麦粉製品にお
いて冷凍保存又は流通中の温度変化による粘りや弾力性
の低下がほとんどなく、製造直後の「コシ」を維持して
いることをいう。
0.005〜0.1重量%の尿素を含有するように尿素
を配合して小麦粉製品を製造する。このようにして、尿
素を小麦粉製品に配合することにより、「コシ」があ
り、しなやかで、喉ごしが良好で、さらに凍結耐性を有
する小麦粉製品を得ることができる。なお、製品中の尿
素の含有量が0.005重量%未満であると、「コ
シ」、しなやかさ、喉ごしの良さ、凍結耐性を付与する
ことができないため好ましくなく、また製品中の尿素含
量が0.1重量%を超えると、「コシ」、しなやかさ、
喉ごしの良さ、凍結耐性を有する小麦粉製品が得られる
ものの、風味が低下するため好ましくない。本発明にお
いて、尿素としては、化成品の尿素を用いてもよく、ま
た、脱脂乳、ホエー等の乳素材を逆浸透(RO)膜で処
理した際に生成する非タンパク態窒素を含有する透過液
(パーミエート)、あるいは、脱脂乳、ホエー等の乳素
材を限外濾過(UF)膜、ナノフィルトレーション(N
F)膜等の膜で処理して、乳タンパク質、乳糖等を除去
した後、電気透析膜やイオン交換樹脂で処理して脱イオ
ン化することにより得られる尿素含有組成物等を用いて
もよい。
法に従って行うことができ、例えば、主原料である小麦
粉に尿素、水、必要に応じて食塩を加えて捏ねた生地を
所定の形状に成形すればよい。麺類の場合は、食する際
に熱湯で所定時間茹でればよく、皮類の場合は、餃子、
シュウマイ、ワンタン等目的に応じて調理し、フライパ
ン等で焼成したり、熱湯で茹でたり、あるいは蒸し器で
蒸してもよい。なお、主原料である小麦粉は、目的とす
る製品に応じて、薄力粉、中力粉、強力粉を適当な割合
で混合して用いればよい。このようにして得られる本発
明の尿素を含有する小麦粉製品は、凍結耐性を有するた
め、冷凍食品として用いることもできる。
乳50lについて、食塩阻止率が50%のNF膜(Desa
l-5;Desalination社製)を用いて、2.5倍に濃縮し
た。なお、膜処理は操作温度50℃、圧力1.3Mpa
の条件で行った。このNF膜処理により生成した透過液
を分離、回収した後、凍結乾燥して、乳由来の尿素含有
組成物粉末50gを得た。粉末中の尿素含量は9.0重
量%であった。実施例1 表1の配合に従い、麺帯(A〜D)を製造した。小麦粉
(強力粉+薄力粉)、参考例1で得られた乳由来の尿素
含有組成物、水を混合し、ミキサー(CF28E、関東
混合機工業社製)を用いて 中高速で10分間混
練して生地を調製した。次いで圧延機を用いて生地を1
mmの厚さのシート状に圧延し、10×10cmの大き
さに成形して麺帯を製造した。なお、得られた麺帯の尿
素含量を表2に示す。
た後、破断応力及び破断距離の測定と官能評価を行っ
た。破断応力及び破断距離の測定は、各試料を20×5
0×1mmの大きさとし、レオナー(山電社製)を用い
て、プランジャー速度5mm/sで引っ張った時の破断
応力(g)及び破断距離(mm)を測定した。なお、破
断応力及び破断距離は製品の硬さと伸びの指標となり、
本発明においては破断応力が50g以上、破断距離が2
0mm以上であるとき、「コシ」があり小麦粉製品とし
て好ましい食感であるといえる。官能評価は、20名の
パネラーに麺帯A〜Dを食してもらい、歯ごたえ及び歯
ごたえの好ましさについて、尿素含有組成物無添加の麺
帯Dと比較して、次の5段階で評価した。5点:麺帯D
に比べて大変優れている、4点:麺帯Dに比べて優れて
いる、3点:麺帯Dとほぼ同等、2点:麺帯Dに比べて
劣っている、1点:麺帯Dに比べて大変劣っている、と
し、この平均点で示した。結果を表3及び表4に示す。
おいて、尿素を含有しない麺帯Dを上回っていた。ま
た、官能評価においても尿素を含有する麺帯A〜Cは、
尿素を含有しない麺帯Dに比べて、歯ごたえがあり、そ
の歯ごたえが好ましいとの評価を得た。試験例2 実施例1で製造した麺帯A〜Dについて、冷蔵耐性及び
冷凍耐性を調べるために保存試験を行った。冷蔵耐性
は、各麺帯を冷蔵(4℃)で1週間保存した。冷凍耐性
は、各麺帯を急速凍結機で凍結(−20℃)させた後、
プログラムインキュベーター中に保存し、5℃まで昇温
させ、その後同様にして−20℃で凍結させ、5℃まで
昇温させた。これを1サイクルとし、この操作を1日4
サイクル行いながら、1週間保存した。冷蔵保存後及び
冷凍保存後の各麺帯について、それぞれ室温に2時間放
置後、試験例1と同様の方法で破断応力及び破断距離の
測定と官能評価を行った。結果を表5及び6に示す。
ても、破断応力及び破断距離の低下はみられなかった。
これにより尿素を配合することで、麺帯の冷蔵又は冷凍
における保存性を向上させ、凍結耐性を付与できること
がわかった。実施例2 強力粉400gと薄力粉100gを混合し、これに参考
例1で得られた乳由来の尿素含有組成物2g、水220
gを混合し、ミキサーを用いて中高速で10分間混練
し、圧延機を用いて厚さ1mmのシート状に圧延した
後、直径7cmの餃子の皮を得た。白菜3枚を茹で、み
じん切りにして水気を切り、豚肉100gと混ぜ合わ
せ、酒5g、ゴマ油8g、醤油23g、砂糖5g、塩5
gを加えてさらに良くまぜ、餃子の中種を調製した。先
に調製した餃子の皮で中種を5gずつ包み餃子とした。
この餃子を急速凍結機で凍結(−20℃)し、2週間保
存した。2週間保存後の餃子をフライパンで焼成して食
したところ、「コシ」があり、歯ごたえも好ましく、全
体的に美味しいものであった。実施例3 強力粉500gに参考例1で得られた乳由来の尿素含有
組成物0.2g、10%食塩水230gを混合し、ミキ
サーを用いて中高速で10分間混練し、圧延機を用いて
厚さ2.6mmのシート状に圧延した後、幅3.75m
mとなるように切り出し、うどんを得た。このうどんを
急速凍結機で凍結(−20℃)し、2週間保存した。2
週間保存後のうどんを熱湯で12分間茹で、別に調製し
た汁とともに食したところ、「コシ」があり、歯ごたえ
も好ましく、しなやかで喉ごしも良く全体的に美味しい
ものであった。
やかで、喉ごしが良好で、さらに凍結耐性を有する小麦
粉製品を提供することができる。本発明の小麦粉製品は
凍結耐性を有するため、冷凍で流通又は保存中の温度変
化による品質の劣化が抑制されるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 製品中に0.005〜0.1重量%の尿
素を含有することを特徴とする小麦粉製品。
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Cited By (1)
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JP2015089365A (ja) * | 2013-11-07 | 2015-05-11 | 株式会社Adeka | 塩味強化剤 |
-
2000
- 2000-05-19 JP JP2000147188A patent/JP4679692B2/ja not_active Expired - Fee Related
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