JP7293773B2 - 減塩パンまたは無塩パンの製造方法および製造用添加剤、ならびに減塩パンまたは無塩パン - Google Patents
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近年、わが国において、パンの消費量は増大しているが、パンには通常0.5重量%~2重量%の食塩が添加されており、米飯に代わる主食として食される食パンでは、小麦粉含有量の2重量%程度の食塩が含有される。食塩は、パンにおけるグルテンの生成に関与するため、パンにおける食塩添加量を低減させると、塩味等呈味が低下するのみでなく、焼成後のパンの食感に影響を与えることが報告されている。
それゆえ、食塩代替品として、グルコン酸ナトリウムやグルコン酸カリウムの使用(特許文献1)や、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸等の有機酸のアルカリ金属塩の使用が提案されている(特許文献2)。
たとえば、グルコースオキシダーゼとα-アミラーゼを含有する製菓・製パン用改良剤(特許文献3)、アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを添加して、テクスチャーの改良された小麦粉製品を製造する方法(特許文献4)等が開示されている。
それゆえ、食塩摂取量の低減の要請に応じることができ、かつ、食感の良好な減塩パンまたは無塩パンの提供が望まれている。
[1]食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを、パン生地の調製時に添加することを含む、減塩パンまたは無塩パンの製造方法。
[2]食塩代替塩が、無機化合物のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩、ならびに有機酸のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩からなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の製造方法。
[3]食塩代替塩が、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の製造方法。
[4]食塩代替塩の添加量が、穀物粉の全量に対して0.01重量%以上2.5重量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]植物性タンパク質の加水分解物が、小麦タンパク質の加水分解物および大豆タンパク質の加水分解物からなる群より選択される1種以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、穀物粉の全量に対して0.01重量%以上1重量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを含有する、減塩パンまたは無塩パンの製造用添加剤。
[8]食塩代替塩が、無機化合物のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩、ならびに有機酸のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩からなる群より選択される1種以上である、[7]に記載の添加剤。
[9]食塩代替塩が、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上である、[7]に記載の添加剤。
[10]固形状の形態である、[7]~[9]のいずれかに記載の添加剤。
[11]穀物粉の全量に対する食塩代替塩の添加量が、0.01重量%以上2.5重量%以下となるように添加される、[7]~[10]のいずれかに記載の添加剤。
[12]植物性タンパク質の加水分解物が、小麦タンパク質の加水分解物および大豆タンパク質の加水分解物からなる群より選択される1種以上である、[7]~[11]のいずれかに記載の添加剤。
[13]穀物粉の全量に対する植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、0.01重量%以上1重量%以下となるように添加される、[7]~[12]のいずれかに記載の添加剤。
[14]食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを含有する、減塩パンまたは無塩パン。
[15]食塩代替塩が、無機化合物のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩、ならびに有機酸のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩からなる群より選択される1種以である、[14]に記載のパン。
[16]食塩代替塩が、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上である、[14]に記載のパン。
[17]植物性タンパク質の加水分解物が、小麦タンパク質の加水分解物および大豆タンパク質の加水分解物からなる群より選択される1種以上である、[14]~[16]のいずれかに記載のパン。
また、本発明において、減塩パンまたは無塩パンの食感の改善は、これらの呈味に悪影響を及ぼすことなく達成される。
すなわち、本発明により、減塩パンまたは無塩パンの食感の改善において、従来問題となっていた好ましくない呈味の出現も低減され得る。
本発明の製造方法は、食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを、パン生地の調製時に添加することを含む。
また、本発明において、「無塩パン」とは、食塩を含有しないパンをいう。
また、本発明における「パン」は、小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、麦芽粉、トウモロコシ粉、エンバク粉、米粉、片栗粉、くず粉、タピオカ粉、緑豆粉等の穀物粉を主原料として調製されるパンであれば特に限定されない。しかし、食塩がグルテンの形成に関与するため、小麦粉を主原料とするパンの製造において、食塩含有量の低減または食塩を添加しないことによる影響が最も顕著に表れるので、本発明の製造方法は、小麦粉を主原料とする減塩パンまたは無塩パンの製造に最も好ましく適用される。
食塩代替塩として、好ましくは、無機化合物のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩、ならびに有機酸のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
無機化合物のアルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩およびカルシウム塩が好ましく、塩化マグネシウム等が挙げられる。
有機酸のカリウム塩としては、クエン酸二水素カリウム、クエン酸三カリウム、グルコン酸カリウム、グルタミン酸カリウム、酒石酸水素カリウム、乳酸カリウム等が挙げられ、グルコン酸カリウムが好ましく用いられる。
有機酸のアルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩およびカルシウム塩が好ましく、クエン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸マグネシウム、乳酸カルシウム等が挙げられる。
本発明において、上記した食塩代替塩は、1種を選択して単独で用いてもよく、または2種以上を選択し、組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、食塩代替塩として、無機化合物のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩、ならびに有機酸のカリウム塩およびアルカリ土類金属塩からなる群より選択される1種以上を用いることが好ましく、塩化カリウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上を用いることがより好ましく、塩化カリウムがさらに好ましく用いられる。
一方、減塩パンまたは無塩パンの食感の改善効果の観点からは、食塩代替塩の添加量は、穀物粉の全量に対して0.01重量%以上とすることが好ましく、0.1重量%以上とすることがより好ましい。
たとえば、大豆、エンドウ豆、ソラマメ等の豆類、アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツ等の野菜類、小麦、トウモロコシ、ソバ等の穀物、アボカド、バナナ等の果実に含まれるタンパク質の加水分解物を挙げることができ、大豆タンパク質および小麦タンパク質の加水分解物が好ましく用いられる。
また、植物性タンパク質の加水分解物は、上記した植物に含まれるタンパク質を常法に従って加水分解したものを用いることができ、たとえば、塩酸等の酸による加水分解物、各種プロテアーゼ等酵素による加水分解物等を好適に用いることができる。
さらにまた、本発明の製造方法においては、たとえば、酵素により短時間(たとえば、30℃~40℃にて20時間~40時間程度)加水分解処理したもの、および長時間(たとえば、30℃~40℃にて10日間~15日間程度)加水分解処理したもの等、植物性タンパク質の加水分解の程度は特に限定されないが、グルタミン酸量/全窒素量により算出される加水分解の程度が10%程度のものが好ましく用いられる。
本発明の製造方法においては、植物性タンパク質の加水分解物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法における植物性タンパク質の加水分解物の添加量は、パンの呈味や食感に及ぼす影響等を考慮すると、穀物粉の全量に対して1重量%以下とすることが好ましく、0.5重量%以下とすることがより好ましい。
一方、パンの食感の改善効果の観点からは、穀物粉の全量に対して0.01重量%以上とすることが好ましく、0.1重量%以上とすることがより好ましい。
また、食塩代替塩と植物性タンパク質の加水分解物は、粉末もしくは顆粒状の形態で添加してもよく、水に溶解または分散して水溶液または水分散液として添加してもよい。あるいは、後述する減塩パンまたは無塩パンの製造用添加剤として添加することもできる。
ここで、「パン生地」とは、パンを調製するために用いられる生地をいい、通常、穀物粉に水、酵母、その他の原材料を加えて、混捏して調製される。
また、本発明の製造方法により、パンの呈味に悪影響を及ぼすことなく、パンの食感を改善することができる。すなわち、従来の製造方法で製造された減塩パンまたは無塩パンにおいて、見られた好ましくない呈味の出現が低減される。
本発明の添加剤は、食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを含有する。
食塩代替塩および植物性タンパク質の加水分解物は、これらを混合し、そのまま本発明の添加剤とすることができ、水等の溶媒に溶解もしくは分散させ、または食品や製剤の分野で一般的に用いられる添加物を加えて、食品や製剤の分野における一般的な手段により、製剤化することもできる。
水としては、蒸留水、イオン交換水等の精製水、水道水等、食品製造用水として適合する水が用いられる。
本発明の添加剤は、粉末状、顆粒状、タブレット状等の固形状の形態、ゲル状、クリーム状、ペースト状等の半固形状の形態、溶液状、乳濁液状、懸濁液状、分散液状等、液状の形態とすることができる。
また、本発明の添加剤は、使用時に、パンの製造に用いられる水の一部または全部に溶解または分散して用いることもできる。
本発明の添加剤は、減塩パンまたは無塩パンの原料である穀物粉の全量に対し、食塩代替塩および植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、それぞれ本発明の製造方法において上記した量となるように、添加される。
本発明の添加剤を添加してパン生地を調製し、焼成した減塩パンまたは無塩パンは、パンの咀嚼時のまとまりやすさおよび噛みごたえにおいて、通常濃度の食塩を含有するパンと同等の食感を有する。
本発明のパンは、食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを含有する。
本発明のパンにおける食塩代替塩の含有量は、穀物粉の含有量に対し、好ましくは0.01重量%~2.5重量%であり、より好ましくは0.1重量%~2重量%である。
また、本発明のパンにおける植物性タンパク質の加水分解物の含有量は、穀物粉の含有量に対し、好ましくは0.01重量%~1重量%であり、より好ましくは0.1重量%~0.5重量%である。
また、本発明の無塩パンは、食塩を含有しない。
さらに、本発明のパンは、本発明の特徴を損なわない範囲で、アスコルビン酸等の酸化防止剤;ジアセチル酒石酸モノグリセリド、レシチン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤;臭化水素酸カリウム等の改良剤;ソルビン酸等の保存剤;メタリン酸ナトリウム等の結着剤等、パンの製造に通常用いられる添加物を含有することができる。これら添加物は、必要に応じて、1種または2種以上が含有され得る。
また、従来、減塩パンまたは無塩パンの食感の改善において問題とされてきた、好ましくない呈味の出現も低減される。
表1に示す組成にて、本発明の実施例1に係る減塩パンと、比較例1および2に係る減塩パンをそれぞれ製造した。また、通常濃度の食塩を含有するパン(対照品1)、および食塩含有量が50%に低減されたパン(対照品2)を製造した。
製造方法は、下記の通りである。
表1中、油脂以外の材料を縦型ミキサーに加え、前記ミキサーのL(低速)にて5分間、M(中速)にて5分間、およびH(高速)にて2分間20℃で混練し、油脂を加えてさらに、L(低速)にて5分間、M(中速)にて5分間、H(高速)にて1分間混捏して生地を調製した。調製した生地を番重に取り出し、5分間醗酵させた(フロアタイム)後、80gに分割し、丸形に一時成形を行った。次いで、5分間の回復時間(ベンチタイム)を取って生地を回復させた後、生地をモルダーに通して円柱状にし、その後ロール型に成形した。
次いで、35℃、相対湿度=75%にて60分間発酵させた。その後、電気式3段オーブンにて200℃で10分間焼成した。
(i)小麦粉(強力粉);「イーグル」(日本製粉株式会社)
(ii)酵母;「オリエンタルイーストFD-1」(オリエンタル酵母工業株式会社)
(iii)改良剤;「ジョーカー・キモ」(ピュラトスジャパン株式会社)
(iv)食塩;「ナクル」(ナイカイ塩業株式会社)
(v)塩化カリウム;「スーパーカリ」(東亜合成株式会社)
(vi)グルコースオキシダーゼ;「スミチームPGO」(新日本化学株式会社)(力価=0.24U/小麦粉1g)
(vii)小麦タンパク質の酵素による加水分解物;「コウジ・アジS」(味の素株式会社)
(viii)砂糖;「グラニュー糖」(伊藤忠製糖株式会社)
(ix)脱脂粉乳;「スキムミルク」(森永乳業株式会社)
(x)油脂;「雪印バター(食塩不使用)」(雪印乳業株式会社)
(xi)水;水道水(3℃)
上記において調製した食塩を通常濃度含有するパン(対照品1)、食塩含有量が50%に低減された減塩パン(対照品2)ならびに、実施例1および比較例1、2のパンについて、呈味、風味および食感を評価した。
各パンの呈味、風味および食感について、表2に示す評価項目および表3に示す評価基準にて、28才~42才の専門パネル4名により評価させ、各評価項目について、4名の評価点の平均値を求めた。
評価結果を表4に示した。
食塩含有量を50%に低減し、食塩代替塩として塩化カリウムを含有する比較例1のパンでは、塩味ならびに食感(まとまりやすさおよび噛みごたえ)についての評価は、対照品2に比べて若干よくなったものの、対照品1における評価には及ばないものであった。また、食塩含有量を50%に低減し、グルコースオキシダーゼを添加して調製したパン生地を用いて製造した比較例2のパンでは、噛みごたえについて、対照品1と同程度の評価が得られたものの、塩味およびまとまりやすさについて、十分な改善は認められなかった。
一方、食塩含有量を50%に低減し、食塩代替塩としての塩化カリウムと、さらに小麦タンパク質の加水分解物を含有する実施例1のパンでは、対照品2、比較例1および2の各パンに比べて、塩味についての評価が向上しており、まとまりやすさおよび噛みごたえについては、対照品1と同程度の評価が得られた。また、実施例1のパンについては、好ましくない呈味や風味は、顕著には認められなかった。
表5に示す組成にて、上記対照品1、2および実施例1等の場合と同様の方法で、食塩を小麦粉含有量に対し2.0重量%含有するパン(対照品3)、食塩を含有しないパン(対照品4)、食塩を小麦粉含有量に対し0.4重量%含有するパン(対照品3より80%減塩)(対照品5)、食塩を小麦粉に対し1.0重量%含有するパン(対照品3より50%減塩)(対照品6)、ならびに、対照品4~6において、低減された食塩含有量と同量の塩化カリウムと、小麦タンパク質の加水分解物とを含有するパン(実施例2~4)を製造した。
なお、ドライイーストとしては、「サフドライイースト」(ルサッフル(Lesaffre)(サフ)社)を、小麦タンパク質の加水分解物としては、「コウジ・アジS」(酵素による加水分解物)(味の素株式会社)を、バターとしては、「雪印バター(食塩不使用)」(雪印乳業株式会社)を用いた。
製造した対照品3~6および実施例2~4の各パンについて、試験例1と同様に、呈味および食感の官能評価を行い、パンの塩味、ならびにパンのまとまりやすさおよび噛みごたえについての専門パネルの評価点の平均値を図1に示した。
これに対し、低減した食塩含有量と同量の塩化カリウムと、小麦タンパク質の加水分解物とを含有する実施例2~4のパンでは、それぞれ対照品4~6のパンに比べて塩味が向上し、パンのまとまりやすさおよび噛みごたえの評価も、明らかに改善されることが認められた。
特に、食塩含有量を対照品3のパンの50%に低減し、低減した食塩の代わりに塩化カリウムを含有し、さらに小麦タンパク質の加水分解物を含有する実施例4の減塩パンでは、パンのまとまりやすさおよび噛みごたえは、対照品3と同程度まで改善されたことが認められた。
表6に示す組成にて、上記対照品1、2および実施例1等の場合と同様の方法で、食塩を小麦粉含有量に対し2.0重量%含有するパン(対照品7)、食塩を小麦粉に対し1.0重量%含有するパン(対照品7より50%減塩)(対照品8)、ならびに、対照品8において、減塩分(小麦粉に対し1.0重量%)の塩化カリウムと、小麦タンパク質および大豆タンパク質のそれぞれの加水分解物を含有するパン(実施例5~9)を製造した。
実施例5~9の減塩パンの製造に用いたタンパク質の加水分解物については、表7に示す通りである。
対照品7および8の各パン、ならびに実施例5~9の各パンについて、試験例1と同様に官能評価を行い、パンの塩味、ならびにパンのまとまりやすさおよび噛みごたえについての専門パネルの評価点の平均値を図2に示した。
これに対し、対照品8のパンにおいて低減した食塩含有量と同量の塩化カリウムと、小麦または大豆のタンパク質の加水分解物を添加した実施例5~9では、いずれにおいてもパンの塩味が向上し、パンのまとまりやすさおよび噛みごたえが、対照品7のパンとほぼ同程度にまで改善されたことが認められた。
また、実施例5~9のパンにおけるパンの食感の改善効果に対し、植物性タンパク質の加水分解物を調製する際のタンパク質の基原植物の種類や、加水分解の条件および方法の相違による影響は認められなかった。
Claims (10)
- 食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを、パン生地の調製時に添加することを含む、減塩パンまたは無塩パンの製造方法であって、食塩代替塩が、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上であり、植物性タンパク質の加水分解物が、小麦タンパク質の加水分解物および大豆タンパク質の加水分解物からなる群より選択される1種以上であり、食塩代替塩および植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、それぞれ穀物粉の全量に対して0.01重量%以上2.5重量%以下、および0.01重量%以上1重量%以下である、減塩パンまたは無塩パンの製造方法。
- 食塩代替塩の添加量が、穀物粉の全量に対して0.1重量%以上2重量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
- 植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、穀物粉の全量に対して0.1重量%以上0.5重量%以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを含有する、減塩パンまたは無塩パンの製造用添加剤であって、食塩代替塩が、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上であり、植物性タンパク質の加水分解物が、小麦タンパク質の加水分解物および大豆タンパク質の加水分解物からなる群より選択される1種以上であり、穀物粉の全量に対する食塩代替塩および植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、それぞれ0.01重量%以上2.5重量%以下、および0.01重量%以上1重量%以下となるように添加される、減塩パンまたは無塩パンの製造用添加剤。
- 固形状の形態である、請求項4に記載の添加剤。
- 穀物粉の全量に対する食塩代替塩の添加量が、0.1重量%以上2重量%以下となるように添加される、請求項4または5に記載の添加剤。
- 穀物粉の全量に対する植物性タンパク質の加水分解物の添加量が、0.1重量%以上0.5重量%以下となるように添加される、請求項4~6のいずれか1項に記載の添加剤。
- 食塩代替塩と、植物性タンパク質の加水分解物とを含有する、減塩パンまたは無塩パンであって、食塩代替塩が、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸カリウムからなる群より選択される1種以上であり、植物性タンパク質の加水分解物が、小麦タンパク質の加水分解物および大豆タンパク質の加水分解物からなる群より選択される1種以上であり、食塩代替塩および植物性タンパク質の加水分解物の含有量が、それぞれ穀物粉の含有量に対し0.01重量%~2.5重量%、および0.01重量%~1重量%である、減塩パンまたは無塩パン。
- 食塩代替塩の含有量が、穀物粉の含有量に対し0.1重量%~2重量%である、請求項8に記載のパン。
- 植物性タンパク質の加水分解物の含有量が、穀物粉の含有量に対し0.1重量%~0.5重量%である、請求項8または9に記載のパン。
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竹内信子, 近藤栄昭,文献抄録 市販食塩代替塩味料の食塩代替効果について,食品と科学,第26巻第4号,1984年,第34頁 |
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