以下、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法およびキャリアテープ作製用シートの製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法およびキャリアテープ作製用シートの製造方法を説明するのに先立って、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法およびキャリアテープ作製用シートの製造方法を適用して製造された包装体について説明する。
<包装体>
<<第1構成例>>
図1は、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法により製造された包装体の第1構成例を示す部分斜視図、図2は、図1の線A−Aに沿った断面図、図3は、図1の線B−Bに沿った断面図、図4は、図1の包装体が備える電子部品収納用キャリアテープを示す平面図である。なお、以下の説明では、図1〜3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1では、包装体が備えるキャリアテープの第1凹部内に収納された電子部品を示すために、包装体が備える任意のカバーテープが部分的に取り外されている。第1凹部の内部をよりはっきり示すために、電子部品は先頭のポケットから省かれている。
包装体100は、電子部品40を収納する第1凹部(電子部品収納用凹部;ポケット)12を備える電子部品収納用キャリアテープ(以下、単に「キャリアテープ」とも言う。)1と、キャリアテープ1の第1凹部12の開口を封止するトップカバーテープ(以下、単に「カバーテープ」とも言う。)20とを有している。
図1〜3に示すキャリアテープ1は、帯状のシート10からなる樹脂製のものであり、このキャリアテープ1の上側の第1面15に、その長手方向に沿って1列に配置された複数の第1凹部12と、複数の第1凹部12に平行となるように1列に配置された複数の送り穴11とを有している。
また、本実施形態では、キャリアテープ1における第1面15の反対側(下側)の第2面13は、ほぼ平坦となっている。
換言すれば、本実施形態では、キャリアテープ1は、第1面15に開放する有底の第1凹部12と、第1面15および第2面13に貫通する送り穴11とを有し、第2面13は、第1凹部12の底部およびその外周部付近に実質的に段差がない面で構成されている。
複数の第1凹部12は、図1に示すように、帯状のシート10の長手方向に沿って、第1面15に1列に並ぶように等間隔で設けられている。これらの第1凹部12には、それぞれ電子部品40を収納可能になっている。
また、複数の送り穴11は、図1に示すように、シート10の長手方向に沿って、第1面15に1列に並ぶように等間隔で設けられている。ただし、電子部品の表面実装機へのフィードを、送り穴を用いることなく実施する場合には、この送り穴11の形成を省略するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、電子部品40は、図1、2に示すように、その全体形状が直方体状をなしており、電子部品40を収納する第1凹部12の形状も、これに対応するように直方体状をなしている。したがって、第1凹部12の平面視形状は、長方形状をなしているが、収納すべき電子部品40の形状に対応して、三角形、五角形、六角形のような多角形状や、円形状等をなしていても良い。
また、第1凹部12の内周面には、電子部品吸着ノズルのピックアップ性等を考慮して、キャリアテープ1の厚さ方向に沿って、凸条または凹条が形成されていても良い。
さらに、第1凹部12の底面には、段差が設けられていても良い。これにより、例えば、電子部品40の底面に端子等が形成されている場合には、この端子が第1凹部12の底面に接触するのを防止することができるようになるため、キャリアテープ1の輸送時等に、端子等が破損してしまうのを的確に防止することができる。
複数の送り穴11は、図1、2に示すように、複数の第1凹部12に平行となるように、1列に並んで等間隔に設けられている。これら送り穴11は、第1凹部12に収納された電子部品40を、表面実装機にフィードする際に用いられる。
また、送り穴11のサイズは、キャリアテープ1の短手方向の幅が8mmの場合、その平均内径が、好ましくはΦ1.5〜1.6mm程度に設定され、より好ましくはΦ1.5〜1.55mm程度に設定され、キャリアテープ1の短手方向の幅が4mmの場合、その平均内径が、好ましくはΦ0.76〜0.84mm程度に設定され、より好ましくはΦ0.78〜0.82mm程度に設定される。これにより、表面実装機による送り穴11を用いた包装体100のフィードを確実に実施することができる。
なお、複数の第1凹部12と、複数の送り穴11は、ともに、シート10の長手方向に沿って、1列に並ぶように設けられているが、それぞれが配置される間隔は、特に限定されず、例えば、図4(a)、(b)に示すように、前記長手方向において、2つの送り穴11の間に2つ以上の第1凹部12が配置されているものであってもよいし、図4(c)に示すように、2つの送り穴11の間に1つの第1凹部12が配置されているものであってもよい。
なお、図4(a)の構成とする場合、キャリアテープ1の短手方向の幅を8mm、各送り穴11の長手方向の間隔を4mm、第1凹部12の間隔を2mmとする構成(a1)と、キャリアテープ1の短手方向の幅を8mm、各送り穴11の長手方向の間隔を2mm、第1凹部12の間隔を1mmとする構成(a2)と、キャリアテープ1の短手方向の幅を4mm、各送り穴11の長手方向の間隔を2mm、第1凹部12の間隔を1mmとする構成(a3)とが挙げられ、各構成(a1)、(a2)および(a3)におけるF1は、好ましくは0±0.05mm、より好ましくは0±0.03mmに設定され、各構成(a1)、(a2)および(a3)におけるF2は、それぞれ、好ましくは2±0.05mm、1±0.05mmおよび1±0.05mm、より好ましくは2±0.03mm、1±0.03mmおよび1±0.03mmに設定され、各構成(a1)、(a2)および(a3)におけるGは、それぞれ、好ましくは3.5±0.05mm、3.5±0.05mmおよび1.8±0.05mm、より好ましくは3.5±0.03mm、3.5±0.03mmおよび1.8±0.03mmに設定される。
また、図4(b)の構成とする場合、キャリアテープ1の短手方向の幅を8mm、各送り穴11の長手方向の間隔を4mm、第1凹部12の間隔を1mmとする構成(b)が挙げられ、かかる構成(b)において、F1は、好ましくは0±0.05mm、より好ましくは0±0.03mmに設定され、F2は、好ましくは1±0.05mm、より好ましくは1±0.03mmに設定され、F3は、好ましくは2±0.05mm、より好ましくは2±0.03mmに設定され、F4は、好ましくは3±0.05mm、より好ましくは3±0.03mmに設定され、Gは、好ましくは3.5±0.05mm、より好ましくは3.5±0.03mmに設定される。
さらに、図4(c)の構成とする場合、キャリアテープ1の短手方向の幅を8mm、各送り穴11の長手方向の間隔を4mm、第1凹部12の間隔を4mmとする構成(c)が挙げられ、かかる構成(c)において、F2は、好ましくは2±0.05mm、より好ましくは2±0.03mmに設定され、Gは、好ましくは3.5±0.05mm、より好ましくは3.5±0.03mmに設定される。
なお、これらの中でも、構成(a1)または構成(a3)とするのが好ましい。これにより、表面実装機による送り穴11を用いた包装体100のフィードをより確実に実施することができる。
また、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法で製造されるキャリアテープ1は、樹脂製である。樹脂製であることにより、電子部品を表面実装機へフィードする際、紙粉のような微粉がキャリアテープ1自体から発生することがなく、電子部品のはんだ接合不良や電子部品吸着ノズルの詰まりの発生を防止することができる。また、第1凹部12内のケバ立ちや、吸湿による第1凹部12の寸法変化を防止することができる。さらに、実装時にカバーテープ20を剥離する際に発生する静電気の帯電を防止することで、電子部品吸着ノズルのピックアップ性を向上させることができる。これにより、クリーン化に十分に対応し、テーピングおよび表面実装の安定性の向上、生産性の向上を図ることができる。
また、樹脂製であることにより、シート10の強度が上昇する。これにより、高さの小さい電子部品40を収納するために、シート10の厚さを小さくする場合であっても、テーピング時や実装時にキャリアテープ1を送る際、キャリアテープ1の送り穴11が変形することや、キャリアテープ1の破断等を防ぐことができる。これにより、送り不良を十分に抑制し、テーピング時の収納安定性や実装時のピックアップ性を向上させることができ、テーピングおよび表面実装の安定性の向上、生産性の向上を図ることができる。
また、キャリアテープ1を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタールのような各種樹脂(各種熱可塑性樹脂)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合せて用いることができる。また、必要に応じて、これらの樹脂に、カーボンブラック、グラファイト、カーボン繊維等の導電性フィラーが混合される。これにより、キャリアテープ1に導電性を付与し、帯電が防止されるため、静電気による電子部品40の破壊をより防ぐことができる。また、必要に応じて、発泡剤や滑剤等の各種添加剤を添加してもよい。さらに、キャリアテープ1の表面には、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等からなる剥離剤や、導電性を有する被膜等が成膜されていてもよい。また、キャリアテープ1のシート10の層構成は、これらの要件を満たした単層あるいは多層にしてもよい。
また、本実施形態では、第1凹部12がキャリアテープ1の第1面15に形成され、キャリアテープ1における第1面15の反対側の第2面13は、ほぼ平坦である。すなわち、第2面13は、第1凹部12の底部およびその外周部付近には実質的に段差がない面で構成されている。このため、キャリアテープ1は、パンチキャリアテープやプレスキャリアテープ用のテーピング機および実装機を用いて、パンチキャリアテープやプレスキャリアテープと同様に使用することができる。これにより、新たな設備投資等が不要となり、価格競争力を向上させることができる。また、前記キャリアテープ1をリールに巻いて輸送する際、第2面13がほぼ平坦であることにより、巻き崩れや巻き緩みを防止することができる。これにより第1凹部12の変形や、カバーテープ20のキズを防ぐことができる。
また、このような構造により、より薄型化された電子部品に対応したキャリアテープを提供することができる。つまり、こういうことである。第1凹部12の深さは、包装する電子部品40の大きさにより適切な深さが決められることがある。つまり、電子部品40は、キャリアテープ1とカバーテープ20との間に形成された内部空間中に収納されるところ、保管時や輸送時の衝撃、汚染等から電子部品40を保護するには、電子部品40の高さにわずかなクリアランス(例えば、0〜0.3mm)を設けて第1凹部12を設計することが好ましい。このため、昨今の電子部品の薄型化により、パンチキャリアテープの場合は、シート自体も薄型化させる必要があり、それにより強度が不十分となり、破断等のおそれがあった。しかし、キャリアテープ1は、包装する電子部品40に合わせて第1凹部12の深さを浅くしても、シート10自体の厚みは薄型化する必要がないため、充分な強度を有したまま、薄型化された電子部品に対応することができる。
また、第1凹部12は、その深さをA(mm)とし、キャリアテープ1における第1凹部12の底部の厚さをB(mm)として、キャリアテープ1における前記凹部以外の部分の厚みをC(mm)としたとき、A+B=Cをほぼ満たすことが好ましい。A+B=Cをほぼ満たすとは、例えば、−0.1<C−(A+B)<0.1を満たすことが好ましく、−0.05<C−(A+B)<0.05を満たすことがより好ましい。前記式を満たすことで、第2面13がより平坦となり、キャリアテープ1をリールに巻いて保管する時や輸送する際の巻き崩れや巻き緩みを防止することができる。
また、第1凹部12の深さAは、包装する電子部品40の高さにより決められるが、電子部品40の高さをZ(mm)としたとき、0≦A−Z≦0.3を満たすことが好ましく、0.05≦A−Z≦0.15がより好ましい。前記好ましい範囲にあることにより、テーピング時の収納安定性や実装時のピックアップ性を向上させることができ、キャリアテープ1の保管時や輸送時の衝撃、汚染等から電子部品40の破損を防止することができる。また、キャリアテープ1における前記凹部以外の部分の厚みCは、キャリアテープ1のシート10の厚みとほぼ変わらない。ここで、Cの厚みは、0.1mm以上1.0mm以下が好ましく、0.2mm以上0.5mm以下がより好ましい。前記好ましい範囲にあることにより、キャリアテープ1の生産性が向上し、また、キャリアテープ1の送り穴11が変形することや、キャリアテープ1の破断等を防止することができる。
また、第1凹部12のサイズは、包装する電子部品40のサイズにより決められるが、第1凹部12のサイズをD(mm)、E(mm)、D≦Eとし、電子部品40のサイズをX(mm)、Y(mm)、X≦Yとしたとき、0<D−X≦0.3、0<E−Y≦0.3を満たすことが好ましく、0.05≦D−X≦0.15、0.05≦E−Y≦0.15がより好ましい。前記好ましい範囲にあることにより、テーピング時の収納安定性や実装時のピックアップ性を向上させることができ、キャリアテープ1の保管時や輸送時の衝撃、汚染等から電子部品40の破損を防止することができる。
また、キャリアテープ1は、第2面13をリール(芯材)側にして、巻回した状態で保管・輸送されることがあるが、この際に用いられるリールは、その直径が5〜300mm程度であるのが好ましく、30〜250mm程度であるのがより好ましい。
ここで、第1凹部12に収納する電子部品40を、図2に示すように長方形状のものとしたとき、電子部品40の平面視におけるサイズは、前述したY(mm)×X(mm)で記載すると、通常、0.6mm×0.5mm、0.6mm×0.3mm、0.4mm×0.2mmのものが知られ、さらに、将来的には0.3mm×0.15mm、0.2mm×0.1mmのものが用いられるようになると言われている。したがって、Y(mm)が0.2〜0.6mm程度、X(mm)が0.1〜0.5mm程度の電子部品40が第1凹部12に収納される。
また、このような電子部品40の高さZ(mm)は、通常、0.1〜0.35mm程度に設定されている。
ところで、キャリアテープ1を巻回するリールの直径φをF(mm)とし、巻回した際に、第1凹部12の開口部側、すなわちカバーテープ20側が平坦化されると仮定した場合、第1凹部12の深さAの変化量G(mm)は、本発明者の検討の結果、下記式(1)で表し得ることが判っている。この場合、変化量G(mm)は、第1凹部12の深さAが小さくなるように作用することから、第1凹部12の実質的な深さは、A−G(mm)となる。
また、巻回した際に、第1凹部12の底部側が平坦化されると仮定した場合、第1凹部12の深さAの変化量H(mm)を、下記式(2)で表すことができる。この場合、変化量H(mm)は、第1凹部12の深さAが大きくなるように作用することから、第1凹部12の実質的な深さは、A+H(mm)となる。
そこで、上記式(1)および式(2)を用いて、上述したようなサイズの電子部品40を第1凹部12内に収納した状態で、直径が5〜300mmのリールに巻回した際の変化量Gおよび変化量Hを求めると、変化量Gおよび変化量Hは、それぞれ、2.0×10−5〜1.33×10−2mm、および、2.0×10−5〜1.46×10−2mmの範囲内となる。
なお、第1凹部12の平面視における大きさが電子部品40の平面視における大きさよりも、縦および横ともに0.05mmずつ大きく、第1凹部12の底部の厚さが0.1mmであり、第1凹部12の深さと電子部品40の高さの差(A−Z)が0.15mmである場合を代表に、前記変化量Gおよび変化量Hを求めている。
したがって、第1凹部12の深さと電子部品40の高さの差(A−Z)を、上述したように、より好ましい範囲である0.05≦A−Z≦0.15程度に設定することにより、(A−Z)と比較して、変化量Gおよび変化量Hは、ともに小さいものであると言うことができる。よって、キャリアテープ1を、上述したような直径のリールに巻回したとしても、電子部品40によりカバーテープ20が突き破られたり、カバーテープ20に巻皺が生じたりするのを的確に抑制または防止することができる。さらに、キャリアテープ1のリールに対する巻回をより強固に行うことができるようになるため、巻き崩れや巻き緩みの発生を確実に防止することができる。
また、前記第1凹部12の内側の縁部14は、曲率半径が0.2mm以下で湾曲していることが好ましく、より好ましくは、0.1mm以下である。第1凹部12がこのような構成をとることにより、薄型の電子部品40を包装する場合であっても、第1凹部12の底面と直交する側壁面の直線部を大きくすることができる。これにより、凹部の側壁面が、底部から縁部にかけて広がることを防止できるため、電子部品40の収納安定性を向上させることができる。
図1、2に示すカバーテープ20は、帯状をなし、キャリアテープ1の第1凹部12内に電子部品40を収納した状態で、キャリアテープ1の第1面15に貼り合わされる。
かかる構成とすることで、第1凹部12の開口が封止され、その結果、キャリアテープ1とカバーテープ20とを備える包装体100において、第1凹部12に電子部品40が収納される。
このカバーテープ20は、キャリアテープ1と同様に樹脂で構成することができ、この樹脂としては、キャリアテープ1で挙げたものと同様のものを用いることができる。
これらキャリアテープ1とカバーテープ20とは、例えば、ヒートシールによって接着される。ヒートシールは、シール機を用いて、カバーテープ20の長辺の各縁に沿って行われる。なお、キャリアテープ1とカバーテープ20とは、ヒートシールに代えて、接着剤を用いて接着されてもよい。
このような包装体100は、カバーテープ20を包装体100の長手方向に引っ張ることで、キャリアテープ1からカバーテープ20が剥離され、これにより、電子部品40が取り出される。
また、この包装体100は、第2面13をリール(芯材)側にして巻回して、保管および輸送される。これにより、包装体100の保管時および輸送時における省スペース化が図られる。
<キャリアテープ作製用シート>
以上のような構成をなす包装体100は、前述の通り、キャリアテープ1とカバーテープ20とを貼り合わせることにより得られるが、この包装体100が有する、第1凹部12と送り穴11とを備えるキャリアテープ1は、キャリアテープ作製用シート155を、その長手方向に沿ってそれぞれ1列に配置された複数の第1凹部12と複数の送り穴11とが含まれるように所定の幅でスリット(切断)することにより製造される。
<<第1形態例>>
以下、このキャリアテープ作製用シート155の第1形態例について説明する。
図5は、キャリアテープ作製用シートの第1形態例を示す部分斜視図、図6は、図5の線A−Aに沿った断面図である。なお、以下の説明では、図5、6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図5、6に示すキャリアテープ作製用シート(以下、単に「作製用シート」とも言う。)155は、帯状のシート151からなる樹脂製のものであり、この作製用シート155の第1面15に、その長手方向に沿って配置された複数の第1凹部12と、複数の第1凹部12に平行に配置された複数の送り穴11とを有している。
また、本実施形態では、キャリアテープ1における第1面15の反対側の第2面13は、ほぼ平坦となっている。
複数の第1凹部12は、本実施形態では、図5に示すように、帯状のシート151の長手方向に沿って、第1面15に1列に並ぶように等間隔で設けられ、さらに、1列に並んだ複数の第1凹部12が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って2列設けられている。また、複数の送り穴11は、図5に示すように、複数の第1凹部12に平行となるように、第1面15に1列に並ぶように等間隔に設けられ、さらに、1列に並んだ複数の送り穴11が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って2列設けられている。
さらに、前記長手方向に沿って1列に並んだ複数の第1凹部12と、前記長手方向に沿って1列に並んだ複数の送り穴11とは、それぞれ、互いに平行となるように、作製用シート155の短手方向において交互に配置されている。
かかる構成の作製用シート155を、1列に並んだ複数の第1凹部12と1列に並んだ複数の送り穴11とが1対で含まれるようにして、作製用シート155の長手方向に沿って、所定の幅で作製用シート155をスリットすることにより、2つのキャリアテープ1が得られる。すなわち、図5中に示す想像線に沿って作製用シート155をスリット(切断)することで、1列に並んだ複数の第1凹部12と1列に並んだ複数の送り穴11とを1対で備えるキャリアテープ1を2つ製造することができる。
この作製用シート155は、第1面15または第2面13をリール(芯材)側にして巻回して、保管および輸送することで、作製用シート155の保管時および輸送時における省スペース化が図られる。また、この際に用いられるリールは、その直径が5〜300mm程度であるのが好ましく、30〜250mm程度であるのがより好ましい。これにより、作製用シート155の保管時および輸送時における省スペース化を図ることができるとともに、この巻回により、第1凹部12および送り穴11が不用意に変形してしまうのを的確に抑制または防止することができる。
なお、本実施形態では、作製用シート155において、1列に並んだ複数の第1凹部12が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って2列設けられ、さらに、1列に並んだ複数の送り穴11が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って2列設けられ、この作製用シート155から2つのキャリアテープ1が製造される作製用シート155を一例に説明したが、作製用シート155はかかる構成のものに限定されず、例えば、1列に並んだ複数の第1凹部12が1つ設けられ、さらに、1列に並んだ複数の送り穴11が1つ設けられ、この作製用シート155から1つのキャリアテープ1が製造されるものであってもよい。さらに、1列に並んだ複数の第1凹部12が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って3列以上設けられ、さらに、1列に並んだ複数の送り穴11が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って3列以上設けられ、この作製用シート155から3つ以上のキャリアテープ1が製造されるものであってもよい。
<キャリアテープ作製用シート製造装置>
<<第1実施形態>>
以上のような構成の作製用シート155は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法を適用することで製造することができるが、以下では、まず、このキャリアテープ作製用シートの製造方法に用いられるキャリアテープ作製用シート製造装置について説明する。
以下、このキャリアテープ作製用シート製造装置の第1実施形態について説明する。
図7は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第1実施形態を示す斜視図、図8は、図7のC矢視図である。なお、以下の説明では、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図7、8に示すキャリアテープ作製用シート製造装置500は、シート供給部700と、成形部800とを有している。
シート供給部700は、ローラ(ロール)156と、ヘッド600とを有している。
ローラ156は、帯状のシート151を送り出す送出手段であり、このローラ156には、シート151が巻回されている。ローラ156は、図示しないモータ(駆動手段)により、回転するよう構成されており、ローラ156の回転により、ローラ156からシート151が、タッチロール110と冷却ロール120との間に、連続的に送り出されるようになっている。
なお、本実施形態では、ローラ156に巻回された帯状(長尺状)をなすシート151が、タッチロール110と冷却ロール120との間に送り出されることとしたが、送り出されるシート151は、かかる構成のものに限定されず、例えば、帯状をなすシート151を短冊状に予め裁断したものであってもよく、この短冊状をなすシート151をタッチロール110と冷却ロール120との間に送り出すようにしてもよい。
ヘッド600は、その開口部601から加熱した熱風を吹き出す加熱手段であり、ローラ156と冷却ロール120との間に配置され、ローラ156から送り出されたシート151の第1面15に、加熱した熱風を吹き付けることで、シート151の少なくとも第1面15側を溶融または軟化し得るよう構成されている。
なお、ヘッド600は、図7、8のように、開口部601から加熱した熱風を第1面15に吹き付ける構成のものに限らず、例えば、加熱した熱板を第1面15に当て付ける構成のものであってもよい。すなわち、加熱手段は、シート151を加熱して、その少なくとも第1面15側を溶融または軟化し得るものであれば、如何なる構成のものであってもよい。
成形部800は、タッチロール110と、冷却ロール120と、後段冷却ロール130、140とを有している。これらのロールは、それぞれ図示しないモータ(駆動手段)により、それぞれ単独回転するように構成されており、これらのロールの回転により、シート151が連続的に送り出されるようになっている。この成形部800に、シート151の少なくとも第1面15側が溶融または軟化された溶融シート150を連続的に送り込むことにより、溶融シート150の第1面15に第1凹部12が成形されるとともに、溶融シート150の第2面13が平坦化される。
冷却ロール(第1ロール)120は、シート151の少なくとも第1面15側が溶融または軟化された溶融シート150を冷却する冷却手段を備えるとともに、その外周面に、第1凹部12を成形するための突起物201を有する第1金型部200を備えている。本実施形態では、この第1金型部200は、複数の突起物201を有し、これらの突起物201は、冷却ロール120の外周面の周方向に等間隔で設けられている。かかる構成の第1金型部200が、冷却ロール120の外周面に、2つ設けられている。このような冷却ロール120に対して、溶融シート150を押し当てることにより、その第1面15に第1凹部12が形成されるとともに、溶融シート150が冷却される。
本実施形態では、複数の突起物201を有する第1金型部200により成形金型220が構成される。
タッチロール(第2ロール)110は、外周面が平滑性を有するロールであり、冷却ロール120に対向配置されている。このようなタッチロール110と冷却ロール120との間に、溶融シート150を供給することで、溶融シート150の第2面13が平坦化される。
後段冷却ロール130、140は、ともに、溶融シート150を冷却する冷却手段を備え、タッチロール110および冷却ロール120の後段に配置されている。また、本実施形態において、後段冷却ロール130と後段冷却ロール140とでは、後段冷却ロール140が後段冷却ロール130よりも後段に配置されている。このような後段冷却ロール130、140に、溶融シート150を供給することにより、溶融シート150をより確実に冷却することができる。
なお、本実施形態では、タッチロール110、冷却ロール120および後段冷却ロール130、140は、これらのロールの中心が一直線上に乗るように配置されている。このような配置により、冷却ロール120には溶融シート150の第1面15が冷却ロール120を180°回転させるまで当接し、後段冷却ロール130には溶融シート150の第2面13が後段冷却ロール130を180°回転させるまで当接し、後段冷却ロール140には溶融シート150の第1面15が後段冷却ロール140を90°回転させるまで当接する。よって、各冷却ロール120、130、140に、溶融シート150の第1面15および第2面13が交互に当接した状態で、溶融シート150が冷却されることとなるため、第1面15または第2面13側に反りが生じた状態で溶融シート150が冷却されてしまうのを確実に防止することができる。
<キャリアテープ作製用シートの製造方法>
以上のようなキャリアテープ作製用シート製造装置500を用いた、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法により、第1形態例の作製用シート155が製造される。
本発明のキャリアテープ作製用シート(電子部品収納用キャリアテープ)の製造方法は、帯状のシート151を加熱してシート151の少なくとも第1面15側を溶融または軟化させる加熱工程と、シート151の第1面15に第1凹部12を成形する成形工程とを有している。
以下、作製用シート155を製造するための各工程について詳述する。
[A]まず、帯状のシート151を加熱してシート151の少なくとも第1面15側を溶融または軟化させる(加熱工程)。
[A−1]まず、図示しないモータの駆動により、ローラ156を回転させて、ローラ156に巻回されたシート151を、タッチロール110と冷却ロール120との間に連続的に送り出す(供給する)。
[A−2]次いで、ローラ156と冷却ロール120との途中で、シート151の第1面15に、ヘッド600の開口部601から、加熱した熱風を吹き付ける。
これにより、シート151の少なくとも第1面15側が溶融または軟化され、その結果、シート151は、タッチロール110と冷却ロール120との間に、少なくとも第1面15側が溶融または軟化された状態の溶融シート150として送り出される。
なお、シート151への熱風を吹き付ける程度、すなわちシート151の加熱の程度は、次工程[B]において、第1金型部200を押し付けた際に、シート151の第1面15に第1凹部12が形成される程度に、第1面15側が軟化していればよく、必ずしも第1面15側が溶融している必要はない。さらに、第2面13側まで全体が軟化または溶融している必要もない。
[B]次に、シート151の第1面15に第1凹部12を成形する(成形工程)。
この成形工程は、タッチロール110と冷却ロール120との間に、溶融シート150を供給することにより行われる。
この際、冷却ロール120の外周面(外周)は、複数の突起物201を有するロール状をなす第1金型部200を備えており、その突起物201は、冷却ロール120の周方向に沿って等間隔に並ぶように配設されている。そのため、溶融シート150の第1面15には、突起物201の形状に対応した第1凹部12がシート151の供給方向すなわちシート151の長手方向に沿って複数、等間隔で形成される。
このように、本工程[B]において、冷却ロール120が備える突起物201を有する第1金型部200は、第1凹部12を成形するために用いられる。
さらに、第2面13側も軟化または溶融した状態である場合には、タッチロール110の外周面が平滑性を有するロール状をなしているため、溶融シート150の第2面13は、平滑性を有する外周面に押し当てられることにより、平坦化される。
このように、本工程[B]において、タッチロール110は、第2面13を平坦化するために用いられる。
[C]次に、シート151を冷却する(冷却工程)。
この冷却工程は、溶融シート150を、冷却ロール120と後段冷却ロール130との間に供給し、その後、後段冷却ロール130と後段冷却ロール140との間に供給することにより行われる。
これにより、溶融シート150は、冷却ロール120に、冷却ロール120が180°回転するまで溶融シート150の第1面15が当接し、後段冷却ロール130に、後段冷却ロール130が180°回転するまで溶融シート150の第2面13が当接し、後段冷却ロール140に、後段冷却ロール140が90°回転するまで溶融シート150の第1面15が当接する。
ここで、本実施形態では、冷却ロール120、後段冷却ロール130および後段冷却ロール140のいずれもが冷却手段を備えている。そのため、上記のような、溶融シート150の各ロール120、130、140との当接(接触)により、第1面15に第1凹部12が形成された溶融シート150が冷却され、その結果、第1面15に第1凹部12が成形されたシート151が得られる。
なお、本実施形態では、各冷却ロール120、130、140に、溶融シート150の第1面15および第2面13が交互に当接した状態で、溶融シート150が冷却される。そのため、第1面15または第2面13側に反りが生じた状態で溶融シート150が冷却されてしまうのを確実に防止することができる。
以上のように、本工程[C]において、冷却手段を備える各冷却ロール120、130、140は、溶融シート150を冷却するために用いられる。
[D]次に、第1凹部12が成形されたシート151に対して、送り穴11を形成する(送り穴形成工程)。
これにより、第1凹部12と送り穴11とを備える作製用シート155を得ることができる。
なお、このような送り穴11の形成は、例えば、シート151の送り穴11を形成すべき位置を、送り穴11の形状に対応したヘッドを有する打ち抜き機を用いて打ち抜くことで行うことができる。
また、送り穴11の形成は、本工程[D]のように、第1凹部12の成形の後に行う必要はなく、例えば、前記成形工程[B]において、第1凹部12の成形に併せて行うようにしてもよい。
さらに、電子部品の表面実装機へのフィードを、送り穴を用いることなく実施する場合には、この送り穴11の形成工程を省略することができる。
[E]次に、得られた作製用シート155を、第1面15または第2面13をリール(芯材)側にして巻回する(巻回工程)。
このように作製用シート155をリールに巻回することで、作製用シート155の保管時および輸送時における省スペース化に寄与する。
なお、保管時および輸送時の作製用シート155の形態は、リールに巻回する場合に限らず、例えば、帯状をなす作製用シート155を、その途中で幅方向に沿って裁断して短冊状のものとし、短冊状とされた作製用シート155を重ねた状態で、保管および輸送するようにしてもよい。
以上のようにして、作製用シート155がリールに巻回された状態で製造される。
なお、本工程[E]に先立って、得られた作製用シート155を、1列に並んだ複数の第1凹部12と1列に並んだ複数の送り穴11とが1対で含まれるようにして、作製用シート155の長手方向に沿って、所定の幅で作製用シート155をスリット(切断)するようにしてもよい(本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法)。これにより、2つのキャリアテープ1を得ることができ、本工程[E]において、リールに巻回された状態のキャリアテープ1を2つ製造することができる。
<包装体のその他の構成例>
また、包装体100は、上述したような第1構成例のものの他、例えば、以下のような構成のものであってもよい。
<<第2構成例>>
まず、包装体の第2構成例について説明する。
図15は、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法により製造された包装体の第2構成例を示す部分斜視図、図16は、図15の線H−Hに沿った断面図、図17は図15の線J−Jに沿った断面図である。なお、以下の説明では、図15〜17中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図15では、包装体が備えるキャリアテープの第1凹部内に収納された電子部品を示すために、包装体が備える任意のカバーテープが部分的に取り外されている。第1凹部の内部をよりはっきり示すために、電子部品は先頭のポケットから省かれている。
第2構成例における包装体100が備えるキャリアテープ1は、帯状のシートの長手方向に沿って配置された複数の第1凹部12を有する樹脂製の電子部品収納用キャリアテープであって、第1凹部12は、キャリアテープ1の第1面15に形成され、キャリアテープ1における第1面15の反対側の第2面13は、ほぼ平坦であるが、第2構成例のように、第1凹部12の底部およびその外周部付近において、第2面13がやや凹んでいてもよい。
<<第3構成例>>
次に、包装体の第3構成例について説明する。
図18は、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法により製造された包装体の第3構成例を示す部分斜視図、図19は、図18の線K−Kに沿った断面図、図20は図18の線L−Lに沿った断面図である。なお、以下の説明では、図18〜20中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図18では、包装体が備えるキャリアテープの第1凹部内に収納された電子部品を示すために、包装体が備える任意のカバーテープが部分的に取り外されている。第1凹部の内部をよりはっきり示すために、電子部品は先頭のポケットから省かれている。
第3構成例における包装体100が備えるキャリアテープ1は、帯状のシートの長手方向に沿って配置された複数の第1凹部12を有する樹脂製の電子部品収納用キャリアテープであって、第1凹部12は、キャリアテープ1の第1面15に形成され、キャリアテープ1における第1面15の反対側の第2面13は、ほぼ平坦であるが、第3構成例のように、第1凹部12の底部およびその外周部付近において、第2面13がやや膨らんでいてもよい。
<キャリアテープ作製用シート製造装置>
また、キャリアテープ1を製造するために用いられるキャリアテープ作製用シート製造装置は、上述したような第1実施形態のものに限定されず、例えば、以下のような構成のものであってもよい。
<<第2実施形態>>
まず、第2実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図21は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第2実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、後段冷却ロール130および後段冷却ロール140の配置が省略されている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、冷却ロール120に、溶融シート150の第1面15が冷却ロール120を90°回転させるまで当接する。
<<第3実施形態>>
次に、第3実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図22は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第3実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、後段冷却ロール140の配置が省略されている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、冷却ロール120に、溶融シート150の第1面15が冷却ロール120を180°回転させるまで当接し、後段冷却ロール130に、溶融シート150の第2面13が後段冷却ロール130を90°回転させるまで当接する。
<<第4実施形態>>
次に、第4実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図23は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第4実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第4実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、後段冷却ロール130、140を配置する位置が異なり、後段冷却ロール130が冷却ロール120の下側に位置している。
すなわち、タッチロール110の中心と冷却ロール120の中心とを結ぶ線分、および、後段冷却ロール130の中心と後段冷却ロール140の中心とを結ぶ線分と、冷却ロール120の中心と後段冷却ロール130の中心とを結ぶ線分とが、それぞれ、直交している。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、冷却ロール120に、溶融シート150の第1面15が冷却ロール120を90°回転させるまで当接し、後段冷却ロール130に、溶融シート150の第2面13が後段冷却ロール130を90°回転させるまで当接し、後段冷却ロール140に、溶融シート150の第1面15が後段冷却ロール140を90°回転させるまで当接する。
<<第5実施形態>>
次に、第5実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図24は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第5実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第4実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第5実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、冷却ロール120が第1金型部200を備えておらず、後段冷却ロール130が第1金型部200を備えている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、タッチロール110と冷却ロール120とにより、第1面15と第2面13との双方の平坦化が行われた後に、第1面15に第1凹部12が形成される。
<<第6実施形態>>
次に、第6実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図25は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第6実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第6実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、冷却ロール120が第1金型部200を備えておらず、タッチロール110が第1金型部200を備えている。
<<第7〜第10実施形態>>
次に、第7〜第10実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図26〜29は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第7〜第10実施形態を示す縦断面図である。
この第7〜第10実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、それぞれ、第1〜第3、第6実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500に対して、さらにタッチロール170を、第2面13に当接するように配置する構成となっている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、タッチロール110とタッチロール170との双方で第2面13の平坦化が行われるため、第2面13の平坦性をより向上させることができる。
<<第11実施形態>>
次に、第11実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図30は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第11実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第11実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、複数のタッチロール110、170、およびテンションロール190に平坦なシームレスベルト300が装着された構成となっている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、平坦なシームレスベルト300に当接する距離が、タッチロール110に当接させる距離よりも長くなるため、第2面13のさらなる平坦化を図ることができる。
<<第12実施形態>>
次に、第12実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図31は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第12実施形態を示す縦断面図である。
以下、前述した第6実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500との相違点を説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第12実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、複数のタッチロール110、170、およびテンションロール190に、複数の突起物201を備える第1金型部200が形成されたシームレスベルト310が装着された構成となっている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、金型が形成されたシームレスベルト310に当接する距離が、金型を備えるタッチロール110に当接させる距離よりも長くなるため、第1凹部12の成形性を確実に向上させることができる。
<<第13実施形態>>
次に、第13実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500について説明する。
図32は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第13実施形態を示す縦断面図である。
この第13実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、複数のタッチロール110、170、180、およびテンションロール190に平坦なシームレスベルト300が装着され、金型を有しない複数の冷却ロール120、130に、第1金型部200が形成されたシームレスベルト310が装着された構成となっている。
かかる構成のキャリアテープ作製用シート製造装置500では、各シームレスベルト300、310に当接する距離が長くなるため、第2面13のさらなる平坦化が図られるとともに、第1凹部12の成形性を確実に向上させることができる。
なお、各実施形態におけるタッチロールや冷却ロールは、隣接するタッチロールや冷却ロール等に対して、90度または180度の位置にあるだけでなく、可動式として、隣接するタッチロールや冷却ロールに対して、様々な角度で配置することもできる。
<キャリアテープ作製用シートの他の形態例>
また、キャリアテープ作製用シート155は、上述したような第1形態例の他、例えば、以下のような第2形態例のものによってもキャリアテープ1を作製することができる。
<<第2形態例>>
以下、このキャリアテープ作製用シート155の第2形態例について説明する。
図33は、キャリアテープ作製用シートの第2形態例を示す部分斜視図、図34は、図33の線A−Aに沿った断面図、図35は、図33の線B−Bに沿った断面図である。なお、以下の説明では、図33〜35中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図33〜35に示す本形態例のキャリアテープ作製用シート155は、帯状のシート151からなる樹脂製のものであり、この作製用シート155の第1面15に、その長手方向に沿って配置された複数の第1凹部12と、複数の第1凹部12に平行に配置された複数の送り穴11と、複数の第1凹部12に平行に配置された複数の第2凹部(位置補正用凹部)16とを有している。
すなわち、本形態例のキャリアテープ作製用シート155は、前記第1形態例のキャリアテープ作製用シート155と比較して、第1凹部12および送り穴11の他に、さらに、複数の第1凹部12に平行に配置された複数の第2凹部16を有している。
複数の第2凹部16は、図33に示すように、複数の第1凹部12に平行となるように、第1面15に1列に並ぶように等間隔に設けられ、さらに、1列に並んだ複数の第2凹部16が、互いに平行となるように前記長手方向に沿って2列設けられている。
このように長手方向に沿って1列に並んだ複数の第2凹部16は、前記長手方向に沿って1列に並んだ複数の第1凹部12および前記長手方向に沿って1列に並んだ複数の送り穴11を挟むように、作製用シート155の短手方向の端部側に、それぞれ、前記長手方向に沿って1列に並んだ複数の第1凹部12と平行となるように配置されている。
かかる構成の本形態例の作製用シート155を、1列に並んだ複数の第1凹部12と1列に並んだ複数の送り穴11とが1対で含まれ、かつ、1列に並んだ複数の第2凹部16が除かれるようにして、作製用シート155の長手方向に沿って、所定の幅で作製用シート155をスリットすることにより、2つのキャリアテープ1が得られる。すなわち、図33中に示す想像線に沿って作製用シート155をスリットすることで、1列に並んだ複数の第1凹部12と1列に並んだ複数の送り穴11とを1対で備えるキャリアテープ1を2つ製造することができる。
このような作製用シート155において、本形態例では、第2凹部(位置補正用凹部)16を備える点で、第1形態例の作製用シート155と異なるが、この第2凹部16は、後述する作製用シート155の製造方法において、複数の送り穴11を、複数の第1凹部12に対して平行となるように設けるために用いられる。すなわち、送り穴11を、第1凹部12に対して優れた位置精度で設けるために用いられる。
この第2凹部16は、その深さをJ(mm)とし、作製用シート155における第2凹部16の底部の厚さをK(mm)として、作製用シート155における前記第1凹部および第2凹部以外の部分の厚みをC(mm)としたとき、J+K=Cをほぼ満たすことが好ましい。J+K=Cをほぼ満たすとは、例えば、−0.1<C−(J+K)<0.1を満たすことが好ましく、−0.05<C−(J+K)<0.05を満たすことがより好ましい。前記式を満たすことで、第2面13がより平坦となり、作製用シート155をリールに巻いて保管する時や輸送する際の巻き崩れや巻き緩みを防止することができる。
また、第2凹部16の深さJは、作製用シート155における前記第1凹部および第2凹部以外の部分の厚みCにより変化するが、C−0.15≦J≦C−0.05を満たすことが好ましく、C−0.13≦J≦C−0.07がより好ましい。前記好ましい範囲にあることにより、作製用シート155の製造方法において、後述する位置補正用パイロットおよび位置出し用パイロットを第2凹部16に収納させることができるとともに、これらの収納時に第2凹部16が破断されるのを確実に防止することができる。
また、前記第2凹部16の内側の縁部18は、曲率半径が0.2mm以下で湾曲していることが好ましく、より好ましくは、0.1mm以下である。第2凹部16がこのような構成をとることにより、第2凹部16の底面と直交する側壁面の直線部を大きくすることができる。これにより、第2凹部16の側壁面が、底部から縁部にかけて広がることを防止できるため、位置補正用パイロットおよび位置出し用パイロットを確実に第2凹部16内に収納させることができるようになる。
<キャリアテープ作製用シート製造装置>
<<第14実施形態>>
以上のような第2形態例の作製用シート155は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法を適用することで製造することができるが、以下では、まず、このキャリアテープ作製用シートの製造方法に用いられる第14実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置について説明する。
図36は、本発明のキャリアテープ作製用シートの製造方法が適用されたキャリアテープ作製用シート製造装置の第14実施形態を示す斜視図、図37は、図36のC矢視図である。なお、以下の説明では、図36中の上側を「上」、下側を「下」と言う。さらに、図37では、説明の便宜上、キャリアテープ作製用シート製造装置が備える打抜金型を図36中D−D線断面図で示す。
図36、37に示すキャリアテープ作製用シート製造装置500は、シート供給部700と、成形部800と、打抜金型900を備える打抜部とを有している。
シート供給部700は、ローラ(ロール)156と、ヘッド600とを有しており、前記第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500が備えるシート供給部700と同様の構成をなすものである。
成形部800は、タッチロール110と、冷却ロール120と、後段冷却ロール130、140とを有している。これらのロールは、それぞれ図示しないモータ(駆動手段)により、それぞれ単独回転するように構成されており、これらのロールの回転により、シート151が連続的に送り出されるようになっている。この成形部800に、溶融シート150を連続的に送り込むことにより、溶融シート150の第1面15に第1凹部12および第2凹部16が成形されるとともに、溶融シート150の第2面13が平坦化される。
冷却ロール(第1ロール)120は、シート供給部700から供給された溶融状態とされた溶融シート150を冷却する冷却手段を備えるとともに、その外周面に、第1凹部12を成形するための突起物201を有する第1金型部200と、第2凹部16を成形するための突起物211を有する第2金型部210とを備える成形金型220を有している。
本実施形態では、成形金型220が備える第1金型部200は、複数の突起物201を有し、これらの突起物201は、冷却ロール120の外周面に配置され、その周方向に等間隔で設けられている。また、成形金型220が備える第2金型部210は、複数の突起物211を有し、これらの突起物211は、冷却ロール120の外周面に配置され、その周方向に等間隔で設けられている。かかる構成の第1金型部200および第2金型部210は、それぞれ、冷却ロール120の外周面に、2つずつ設けられており、2つの第1金型部200が中心部側に、2つの第2金型部210を縁部側にして、2つの第1金型部200を2つの第2金型部210で挟むように配置されている。このような冷却ロール120に対して、溶融シート150を押し当てることにより、その第1面15に第1凹部12および第2凹部16が形成されるとともに、溶融シート150が冷却される。
すなわち、本実施形態では、成形金型220は、突起物201を有する第1金型部200の他に、突起物211を有する第2金型部210を備え、この第2金型部210が有する突起物211に対応して第2凹部16が形成される。
タッチロール(第2ロール)110、および後段冷却ロール130、140は、前記第1実施形態のキャリアテープ作製用シート製造装置500が備えるタッチロール110、および後段冷却ロール130、140と同様の構成をなすものである。
このような成形部800において、冷却ロール120と、タッチロール110との間に、溶融シート150を供給することにより、第1面15に第1凹部12および第2凹部16が形成され、第2面13が平坦化される。
また、冷却ロール120と、タッチロール110との間を通過した溶融シート150を、冷却ロール120と後段冷却ロール130との間に供給し、その後、後段冷却ロール130と後段冷却ロール140との間に供給することにより、溶融シート150が冷却される。
打抜部は、図示しないプレス機と図示しないシート搬送装置および打抜金型900で構成され、この打抜金型900は、成形部800から供給されたシート151を支持(載置)する支持台950と、シート151を打ち抜くことでシート151に送り穴11を形成する打抜ヘッド910とを有している。この打抜金型900に、シート151を送り込むことにより、シート151の第1面15と第2面13とを貫通する送り穴11が優れた位置精度で形成される。
打抜ヘッド910は、第1基体920と、第1基体920の上側に配置される第2基体930と、第1基体920の下側に配置される押さえ板(ストリッパ)940と、シート151が備える第2凹部16に先端部を挿入する位置出し用パイロット923および位置補正用パイロット932と、シート151に形成された送り穴11を先端部で位置規制するパイロットピン931と、シート151に送り穴11を形成する打抜工具921とを有している。
第1基体920は、その全体形状が直方体状をなし、その中央部には上下方向(厚さ方向)に貫通する貫通孔が設けられ、さらに、その長手方向における両端部にはそれぞれ上下方向に貫通する貫通孔が設けられている。この第1基体920は、その長手方向がシート151の搬送方向(進行方向)に一致するように配置され、さらに、複数の貫通孔のうち、中央部の貫通孔には、打抜工具921が配置され、両端部の貫通孔には、それぞれ、位置出し用パイロット923が挿通されている。
第2基体930は、第1基体920の上側に配置され、その全体形状が直方体状をなしており、下面に開口する複数の穴部が設けられている。これらの穴部には、それぞれ、パイロットピン931および位置補正用パイロット932が、その先端部を突出するようにして挿通されている。なお、これらの穴部内において、パイロットピン931および位置補正用パイロット932は、それぞれ、それらの基端部がバネ材933で付勢された状態で挿通されている。
打抜工具921は、複数の突起物922と、上下方向に貫通する複数の貫通孔とを有している。複数の突起物922は、打抜工具921の下面から突出するように格子状(本実施形態では縦に2つ、横に6つずつ)に設けられている。また、複数の貫通孔には、それぞれ、位置補正用パイロット932およびパイロットピン931の先端側が挿通されている。このような打抜工具921で、突起物922を用いてシート151を打ち抜くことにより、その第1面15と第2面13とを貫通する送り穴11が形成される。
押さえ板940は、第1基体920の下側に配置され、その全体形状が帯状をなす板材で構成され、上下方向に貫通する複数の貫通孔が設けられている。これらの貫通孔には、それぞれ、位置補正用パイロット932、パイロットピン931および突起物922が、それらの先端部が突出し得るように挿通されている。このような押さえ板940で、支持台950上に供給されたシート151を押さえることで、打抜工具921でシート151を打ち抜く際に、シート151が位置ズレするのを確実に防止することができる。
位置出し用パイロット923は、その全体形状が四角柱状をなす棒状体で構成され、第1基体920の両端部に設けられた貫通孔に挿通されており、その先端部が第1基体920の下面から突出している。このような位置出し用パイロット923を用いて、その先端部を、支持台950上に供給(搬送)されたシート151が備える第2凹部16に挿入することで、位置補正用パイロット932でシート151が備える第2凹部16を位置規制させるのに先立って、シート151の位置規制を行うことができ、シート151に設ける送り穴11の位置精度を確実に向上させることができる。
パイロットピン931は、基端側から先端側に向かって縮径する棒状体で構成され、その基端部がバネ材933で付勢された状態で、第2基体930の穴部、打抜工具921の貫通孔および押さえ板940の貫通孔に挿通されており、その先端部が押さえ板940の下面から突出している。このようなパイロットピン931を用いて、その先端部で、支持台950上に供給されたシート151に形成された送り穴11を挿通することで、シート151の位置規制を行うことができ、シート151に設ける送り穴11の位置精度を確実に向上させることができる。
位置補正用パイロット932は、基端側から先端側に向かって縮径する棒状体で構成され、その基端部がバネ材933で付勢された状態で、第2基体930の穴部、打抜工具921の貫通孔および押さえ板940の貫通孔に挿通されており、その先端部が押さえ板940の下面から突出している。このような位置補正用パイロット932を用いて、その先端部を、支持台950上に供給されたシート151が備える第2凹部16に挿入することで、押さえ板940でシート151の第1面15を押さえるのに先立って、シート151の位置規制を行うことができ、シート151に設ける送り穴11の位置精度を確実に向上させることができる。
これら位置出し用パイロット923、パイロットピン931および位置補正用パイロット932のうち、パイロットピン931は、打抜工具921が有する突起物922に対してシート151の搬送方向(進行方向)の下流側(出口側)に位置しており、本実施形態では、2つのパイロットピン931が、シート151の短手方向で対向する送り穴11にそれぞれ挿通されるように2組、すなわち合計4つのパイロットピン931が設けられている。
また、位置補正用パイロット932は、打抜工具921が有する突起物922に対してシート151の搬送方向の下流側および上流側の双方の外側に位置しており、本実施形態では、前記上流側において、2つの位置補正用パイロット932が、シート151の短手方向で対向する第2凹部16にそれぞれ挿入されるように設けられ、前記下流側において、2つの位置補正用パイロット932が、シート151の短手方向で対向する第2凹部16にそれぞれ挿入されるように設けられている。
さらに、位置出し用パイロット923は、パイロットピン931および位置補正用パイロット932に対してシート151の搬送方向の下流側および上流側の双方の外側、すなわち打抜工具921が有する突起物922に対してシート151の搬送方向の下流側および上流側の双方の外側に位置しており、本実施形態では、前記上流側において、2つの位置出し用パイロット923が、シート151の短手方向で対向する第2凹部16にそれぞれ挿入されるように設けられ、前記下流側において、2つの位置出し用パイロット923が、シート151の短手方向で対向する第2凹部16にそれぞれ挿入されるように設けられている。
なお、本実施形態では、これら位置出し用パイロット923と、パイロットピン931と、位置補正用パイロット932とにより、作製用シート155が有する第1凹部12と送り穴11との位置精度を保つための位置補正機構が構成される。
支持台950は、凹部を備える第3基体951と、この凹部内に配置される受け板952とを有している。
第3基体951は、その全体形状が直方体状をなし、その中央部には上下方向(厚さ方向)に貫通する貫通孔に連通する凹部が設けられている。この凹部内には、受け板952が配置されている。
受け板952は、上下方向に貫通する複数の貫通孔を有している。複数の貫通孔は、それぞれ、これらの上側に位置する打抜工具921が有する突起物922およびパイロットピン931に対応する位置に設けられ、シート151を打ち抜く際に、これら突起物922およびパイロットピン931が挿入される。
なお、本実施形態では、打抜工具921の下面から格子状に突出する突起物922が縦に2つ、横に6つずつ設けられているものを一例に説明したが、この突起物の数は、この場合に限定されず、作製用シート155に設ける複数の送り穴11の列数等に応じて任意の数に設定される。
<キャリアテープ作製用シートの製造方法>
以上のようなキャリアテープ作製用シート製造装置500を用いたキャリアテープ作製用シートの製造方法により、前述した第2形態例の作製用シート155が製造される。
図38は、図36に示すキャリアテープ作製用シート製造装置が備える各部材とシートとの位置関係を示す平面図、図39は、図36に示すキャリアテープ作製用シート製造装置を用いてキャリアテープ作製用シートの製造方法を説明するための平面図、図40〜43は、図36に示すキャリアテープ作製用シート製造装置を用いたキャリアテープ作製用シートの製造方法を説明するための断面図、図44は、位置出し用パイロットと第2凹部との位置関係を示す断面図、図45は、位置補正用パイロットと第2凹部との位置関係を示す断面図、図46は、パイロットピンと送り穴との位置関係を示す断面図、図47は、図36に示すキャリアテープ作製用シート製造装置が備える各部材とシートとの位置関係を示す平面図、図48は、パイロットピンと送り穴との位置関係を示す平面図、図49は、送り穴と第1凹部との位置関係を示す平面図、図50は、位置補正用パイロットと第2凹部との位置関係を示す平面図である。なお、以下の説明では、図40〜43中の上側を「上」、下側を「下」と言う。さらに、図40〜43の断面図は、図38中におけるA−A線断面図を示し、図40(b)では位置出し用パイロット923の先端部付近を拡大して示し、それ以外では、打抜工具921が備える突起物922の先端部付近を拡大して示す。
電子部品収納用キャリアテープの製造方法は、本実施形態では、帯状のシート151を加熱してシート151の少なくとも第1面15側を溶融または軟化させる加熱工程と、シート151の第1面15に第1凹部12を成形する成形工程と、シート151を冷却する冷却工程と、シート151に送り穴11を加工する打抜工程とを有している。
以下、各工程について詳述する。
[A]まず、帯状のシート151を加熱してシート151の少なくとも第1面15側を溶融または軟化させる(加熱工程)。
[A−1]まず、図示しないモータの駆動により、ローラ156を回転させて、ローラ156に巻回されたシート151を、タッチロール110と冷却ロール120との間に連続的に送り出す(供給する)。
[A−2]次いで、ローラ156と冷却ロール120との途中で、シート151の第1面15に、ヘッド600の開口部601から、加熱した熱風を吹き付ける。
これにより、シート151の少なくとも第1面15側が溶融または軟化され、その結果、シート151は、タッチロール110と冷却ロール120との間に、少なくとも第1面15側が溶融または軟化された状態の溶融シート150として送り出される。
[B]次に、シート151の第1面15に第1凹部12および第2凹部16を成形する(成形工程)。
この成形工程は、タッチロール110と冷却ロール120との間に、溶融シート150を供給することにより行われる。
この際、冷却ロール120の外周面(外周)は、複数の突起物201を有するロール状をなす第1金型部200と、複数の突起物211を有するロール状をなす第2金型部210とを有する成形金型220を備えており、複数の突起物201は、冷却ロール120の周方向に沿って等間隔に並ぶように配設され、さらに、複数の突起物211は、シート151の短手方向において複数の突起物201に対して平行となるように、冷却ロール120の周方向に沿って等間隔に並ぶように配設されている。そのため、溶融シート150の第1面15には、突起物201の形状に対応した第1凹部12がシート151の供給方向すなわちシート151の長手方向に沿って複数、等間隔で形成され、さらに、シート151の短手方向において複数の第1凹部12に対して平行となるように、突起物211の形状に対応した第2凹部16がシート151の長手方向に沿って複数、等間隔で形成される。
このように、本工程[B]において、冷却ロール120が備える突起物201を有する第1金型部200は、第1凹部12を成形するために用いられ、突起物211を有する第2金型部210は、第2凹部16を成形するために用いられる。
さらに、タッチロール110の外周面が平滑性を有するロール状をなしているため、溶融シート150の第2面13は、平滑性を有する外周面に押し当てられることにより、平坦化される。
このように、本工程[B]において、タッチロール110は、第2面13を平坦化するために用いられる。
[C]次に、シート151を冷却する(冷却工程)。
この冷却工程は、溶融シート150を、冷却ロール120と後段冷却ロール130との間に供給し、その後、後段冷却ロール130と後段冷却ロール140との間に供給することにより行われる。
これにより、溶融シート150は、冷却ロール120に、冷却ロール120が180°回転するまで溶融シート150の第1面15が当接し、後段冷却ロール130に、後段冷却ロール130が180°回転するまで溶融シート150の第2面13が当接し、後段冷却ロール140に、後段冷却ロール140が90°回転するまで溶融シート150の第1面15が当接する。
ここで、本実施形態では、冷却ロール120、後段冷却ロール130および後段冷却ロール140のいずれもが冷却手段を備えているため、上記のような、溶融シート150の各ロール120、130、140との当接(接触)により、第1面15に第1凹部12および第2凹部16が形成された溶融シート150が冷却される。その結果、第1面15に第1凹部12および第2凹部16が成形されたシート151が得られる。
なお、本実施形態では、各冷却ロール120、130、140に、溶融シート150の第1面15および第2面13が交互に当接した状態で、溶融シート150が冷却される。そのため、第1面15または第2面13側に反りが生じた状態で溶融シート150が冷却されてしまうのを確実に防止することができる。
以上のように、本工程[C]において、冷却手段を備える各冷却ロール120、130、140は、溶融シート150を冷却するために用いられる。
[D]次に、第1凹部12および第2凹部16が成形されたシート151に対して、送り穴11を加工する(打抜工程)。
この送り穴11のシート151に対する加工(打抜き)に、キャリアテープ作製用シート製造装置500が有する打抜金型900が用いられる。
その際、打抜金型900によるシート151に対する送り穴11の1度目の打抜きと、2度目以降の打抜きとでは、打抜金型900が備える各部の用途が異なる。そのため、以下では、まず、打抜金型900による1度目の打抜きについて説明し、次いで、2度目の打抜きについて説明する。
<<1度目の打抜き>>
まず、打抜金型900によるシート151に対する送り穴11の1度目の打抜き、すなわち打抜工具921を用いてシート151をプレスする最初の1ショット目では、打抜金型900が備える各部は、第1凹部12および第2凹部16が成形されたシート151の各部に対応して、以下のようにして配置される。
すなわち、図38(a)に示すように、シート151をその上側から視たとき、位置補正用パイロット932は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向入口側と出口側とのそれぞれ外側において、第2凹部16に対応するようにして、その先端部が第2凹部16内に挿入される。
また、位置出し用パイロット923は、位置補正用パイロット932のシート151の進行方向入口側と出口側とのそれぞれ外側、すなわち、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向入口側と出口側とのそれぞれ外側において、第2凹部16に対応するようにして、その先端部が第2凹部16内に挿入される。
さらに、パイロットピン931は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向出口側において、シート151の2度目以降の打抜きで送り穴11が形成される位置に対応するようにして、その先端部がシート151に当接される。
以下、このように各部が配置される打抜金型900を用いて、送り穴11を形成する方法について順次説明する。
[D−1a]まず、図39(a)に示すような第1凹部12および第2凹部16が形成されたシート151を、シート151の進行方向(搬送方向)の入口側(上流側)から出口側(下流側)に向かって搬送することにより、支持台950上、すなわち、支持台950と打抜ヘッド910との間に、シート151を搬送(供給)する(図40(a)参照)。
[D−2a]次いで、打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、位置出し用パイロット923を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、位置出し用パイロット923の先端部を第2凹部16内に挿入する(図40(b)参照)。
これにより、第2凹部16が位置出し用パイロット923で位置規制される。
ここで、本工程では、位置出し用パイロット923の先端部が第2凹部16に挿入されるが、位置出し用パイロット923の先端部の形状と、第2凹部16の形状とは、例えば、以下のような関係のものが挙げられる。
すなわち、まず、図44(A1)に示すように、位置出し用パイロット923の先端部の長さをP(mm)とし、先端部の幅をQ(mm)としたとき、先端部の幅Qが基端から先端に向かって一定となっている形状を先端部がなし、この形状に対応するように、第2凹部16の深さをJ(mm)とし、底部の厚さをK(mm)とし、幅をL(mm)とし、第1凹部および第2凹部以外の部分の厚みをC(mm)としたとき、第2凹部16の幅Lが深さ(厚さ)方向において一定となっている形状を第2凹部16がなしているものが挙げられる。
この場合、J<Pを満たし、0<L−Q≦0.06を満たすことが好ましく、0<L−Q≦0.03を満たすことがより好ましい。
さらに、V=(L−Q)/2とし、後述するように、第2凹部16を位置補正用パイロット932で位置規制させる最大量をU(mm)とし、位置補正用パイロット932の先端部の先端側の幅をN(mm)とし、U=(L−N)/2としたとき、V<Uを満たし、(L−Q)/2<(L−N)/2を満たし、さらに、Q>Nを満たすことが好ましい。
このような関係を満足することで、図44(A2)、(A3)に示すように、第2凹部16内に、その形状に対応した位置出し用パイロット923の先端部を、挿入することで、後述するように第2凹部16内に、その形状に対応した位置補正用パイロット932の先端部を、位置ズレさせることなく、より優れた精度で収納させることができる。
また、図44(B1)に示すように、位置出し用パイロット923の先端部の長さをP(mm)とし、先端部の幅をQ(mm)としたとき、先端部の幅Qが基端から先端に向かって短く(小さく)なっている形状を先端部がなし、この形状に対応するように、第2凹部16の深さをJ(mm)とし、底部の厚さをK(mm)とし、幅をL(mm)とし、第1凹部および第2凹部以外の部分の厚みをC(mm)としたとき、第2凹部16の幅Lが深さ(厚さ)方向において底部側に向かって短くなっている形状を第2凹部16がなしているものが挙げられる。
この場合、先端部の中心軸と先端部の側面とがなす角度をβ(°)とし、シート151の厚さ方向と第2凹部16の内周面とがなす角度をθ(°)としたとき、β=θ、10°≦θ≦30°を満たし、L≦Qを満たすことが好ましい。
また、図44(B2)に示すように、シート151の厚さ方向において、位置出し用パイロット923の先端部がシート151の第1面15と一致した際に、先端部の中心軸と、第2凹部16の先端部との位置ズレの大きさをV(mm)としたとき、V=L/2+J×Tanθ−Q/2=J×Tanθ−(Q−L)/2で表すことができ、0.03<V<0.5を満たすことが好ましい。
さらに、図44(B3)に示すように、位置出し用パイロット923の先端部を第2凹部16に対応するように挿入した際に、第2凹部16内に挿入される先端部の深さ(大きさ)をδ(mm)としたとき、δ=J−(Q−L)/(2×Tanθ)で表すことができ、δ≧0.15を満たすことが好ましい。また、この際に、第2凹部16の中心軸と、位置出し用パイロット923の中心軸との位置ズレの大きさをV(mm)としたとき、V=0で表わすことができる。
このような関係を満足することで、図44(B2)、(B3)に示すように、第2凹部16内に、その形状に対応した位置出し用パイロット923の先端部を、挿入することで、後述するように第2凹部16内に、その形状に対応した位置補正用パイロット932の先端部を、位置ズレさせることなく、より優れた精度で収納させることができる。
[D−3a]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、パイロットピン931を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、パイロットピン931の先端部をシート151の第1面15に当接させる(図40(c)参照)。
この際、パイロットピン931は、その基端側部をバネ材933で付勢されているため、シート151の第1面15の突き破りを防止する。
[D−4a]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、位置補正用パイロット932を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、位置補正用パイロット932の先端部を第2凹部16内に挿入する(図40(d)参照)。
これにより、第2凹部16が位置補正用パイロット932で位置規制される。
なお、このような順序で実施する位置出し用パイロット923および位置補正用パイロット932による位置規制では、第2凹部16を位置補正用パイロット932で位置規制させる最大量、すなわち、シート151の厚さ方向において、位置補正用パイロット932の先端部がシート151の第1面15と一致した際に、先端部の中心軸と、第2凹部16の先端部との位置ズレの大きさをU(mm)とし、第2凹部16の中心軸と位置出し用パイロット923の中心軸との位置ズレの最大量をV(mm)としたとき、V≦Uを満たしており、0≦U−V≦0.5を満たしているのが好ましい。かかる関係を満足することにより、位置出し用パイロット923による位置規制の後に、位置補正用パイロット932による位置規制を実施する構成とすることで、後工程[D−6a]において、送り穴11をより優れた位置精度でシート151に形成することができる。
ここで、本工程では、位置補正用パイロット932の先端部が第2凹部16に挿入されるが、位置補正用パイロット932の先端部の形状と、第2凹部16の形状とは、例えば、以下のような関係のものが挙げられる。
すなわち、まず、図45(A1)に示すように、位置補正用パイロット932の先端部の長さをM(mm)とし、先端部の先端側の幅をN(mm)としたとき、先端部の幅Nが基端から先端に向かって短く(小さく)なっている形状を先端部がなし、これに対して、第2凹部16の深さをJ(mm)とし、底部の厚さをK(mm)とし、幅をL(mm)とし、第1凹部および第2凹部以外の部分の厚みをC(mm)としたとき、第2凹部16の幅Lが深さ(厚さ)方向において一定となっている形状を第2凹部16がなしているものが挙げられる。
この場合、M=Jを満たし、N<Lを満たすことが好ましい。
また、U=(L−N)/2とし、後述するように、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさをW(mm)とし、送り穴11の内径をR(mm)とし、パイロットピン931の基端部側の外径をS(mm)とし、W=(R−S)/2としたとき、U>Wを満たし、(L−N)/2>(R−S)/2を満たし、さらに、L−N>R−Sを満たすことが好ましい。
さらに、先端部の基端側の幅は、先端部の中心軸と先端部の側面とがなす角度をα(°)としたとき、N+2×M×Tanαで表すことができ、L+0.04≦N+2×M×Tanα≦L+0.1を満たすことが好ましい。
このような関係を満足することで、図45(A2)、(A3)に示すように、第2凹部16内に、これに対応する位置補正用パイロット932の先端部を、位置ズレさせることなく、より優れた精度で収納させることができる。
また、図45(B1)に示すように、位置補正用パイロット932の先端部の長さをM(mm)とし、先端部の幅をN(mm)としたとき、先端部の幅Nが基端から先端に向かって短く(小さく)なっている形状を先端部がなし、この形状に対応するように、第2凹部16の深さをJ(mm)とし、底部の厚さをK(mm)とし、幅をL(mm)とし、第1凹部および第2凹部以外の部分の厚みをC(mm)としたとき、第2凹部16の幅Lが深さ(厚さ)方向において底部側に向かって短くなっている形状を第2凹部16がなしているものが挙げられる。
この場合、先端部の中心軸と先端部の側面とがなす角度をα(°)とし、シート151の厚さ方向と第2凹部16の内周面とがなす角度をθ(°)としたとき、α=θ、10°≦θ≦30°を満たし、L≦Nを満たすことが好ましい。
また、図45(B2)に示すように、シート151の厚さ方向において、位置補正用パイロット932の先端部がシート151の第1面15と一致した際に、先端部の中心軸と、第2凹部16の先端部との位置ズレの大きさ、すなわち、第2凹部16を位置補正用パイロット932で位置規制させる最大量をU(mm)としたとき、U=L/2+J×Tanθ−N/2=J×Tanθ−(N−L)/2で表すことができ、0.03<U<0.5を満たすことが好ましい。
さらに、図45(B3)に示すように、位置補正用パイロット932の先端部を第2凹部16に対応するように挿入した際に、第2凹部16内に挿入される先端部の深さ(大きさ)をγ(mm)としたとき、γ=J−(N−L)/(2×Tanθ)で表すことができ、γ≧0.15を満たすことが好ましい。また、この際に、第2凹部16の中心軸と、位置補正用パイロット932の中心軸との位置ズレの大きさUV(mm)としたとき、U=0で表わすことができる。
このような関係を満足することで、図45(B2)、(B3)に示すように、第2凹部16内に、その形状に対応した位置補正用パイロット932の先端部を、位置ズレさせることなく、より優れた精度で収納させることができる。
[D−5a]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、位置出し用パイロット923および位置補正用パイロット932による位置規制を維持した状態で、押さえ板(ストリッパ)940を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、押さえ板940の下面をシート151の第1面15に当接させる(図41(a)参照)。
これにより、シート151の第1面15が押さえ板940の下面で押さえられ、その結果、シート151が押さえ板940で位置規制される。
[D−6a]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、位置出し用パイロット923、位置補正用パイロット932および押さえ板940による位置規制を維持した状態で、打抜工具921を、シート151の厚さ方向に対して下側に、その突起物922が、受け板952が備える貫通孔内に達するまで移動させる(図41(b)参照)。
これにより、シート151の突起物922が当接した位置に対応する部分が打抜物17として打ち抜かれ、その結果、図39(b)に示すように、シート151に送り穴11が形成される。
このようにして打抜工具921でシート151を打ち抜く際に、位置出し用パイロット923、位置補正用パイロット932および押さえ板940で、シート151が位置規制されているため、シート151が位置ズレするのを確実に防止することができる。そのため、第1凹部12に対して優れた位置精度で送り穴11を形成することができる。
[D−7a]次いで、打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して上側に移動、すなわち、位置出し用パイロット923、パイロットピン931、位置補正用パイロット932および押さえ板940を、シート151の厚さ方向に対して上側に移動させることにより、これらによるシート151の位置規制を解除する(図41(c)参照)。
そして、このシート151を、シート151の進行方向の入口側から出口側に向かって搬送することにより、シート151が2度目の送り穴11の打ち抜きに供される。
以上のような工程により、送り穴11の1度目の打抜きが実施される。
<<2度目の打抜き>>
次に、打抜金型900によるシート151に対する送り穴11の2度目の打抜き、すなわち打抜工具921を用いてシート151をプレスする2ショット目では、打抜金型900が備える各部は、第1凹部12、第2凹部16および1ショット目の送り穴11が形成されたシート151の各部に対応して、以下のようにして配置される。
すなわち、図38(b)に示すように、シート151をその上側から視たとき、位置補正用パイロット932は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向入口側と出口側とのそれぞれ外側において、第2凹部16に対応するようにして、その先端部が第2凹部16内に挿入される。
また、パイロットピン931は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向出口側において、1度目の打抜きで形成された送り穴11に対応するようにして、その先端部が送り穴11に挿通される。
以下、このように各部が配置される打抜金型900を用いて、送り穴11を形成する方法について順次説明する。
[D−1b]まず、図39(b)に示すような、第1凹部12、第2凹部16および1度目の打抜きで送り穴11が形成されたシート151を、シート151の進行方向の入口側から出口側に向かって搬送することにより、支持台950上に、シート151を搬送する(図42(a)参照)。
[D−2b]次いで、打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、パイロットピン931を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、パイロットピン931の先端部を1度目の打ち抜きで形成された送り穴11内に挿通する(図42(b)参照)。
これにより、1度目の打ち抜きで形成された送り穴11がパイロットピン931で位置規制される。
ここで、本工程では、パイロットピン931の先端部が送り穴11に挿通されるが、パイロットピン931の先端部の形状としては、例えば、以下のような構成のものが挙げられる。
すなわち、まず、図46(A1)に示すように、パイロットピン931の基端部側の外径をS(mm)とし、先端側の外径をT(mm)とし、送り穴11の内径をR(mm)としたとき、パイロットピン931が、その基端から先端に向かう途中で縮径し、さらに、その先端部が平坦面で構成される形状をなしているものが挙げられる。
この場合、図46(A1)に示すように、シート151の厚さ方向において、パイロットピン931の先端の平坦面がシート151の第1面15と一致した際には、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさ、すなわち、送り穴11をパイロットピン931で位置規制させる最大量をε(mm)としたとき、ε=(R−T)/2で表すことができ、ε≧0.2を満たすことが好ましい。
また、図46(A2)に示すように、シート151の厚さ方向において、パイロットピン931の先端の縮径する部分がシート151の第2面13から突出するようにパイロットピン931をシート151に挿通した際には、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさをW(mm)としたとき、W=(R−S)/2で表すことができ、0<W≦0.015を満たすことが好ましい。
このように、図46(A1)、(A2)に示すように、送り穴11にパイロットピン931が挿通されるが、この場合、パイロットピン931の中心軸とパイロットピン931の先端部(縮径部)の側面とがなす角度をλ(°)としたとき、0<R−S≦0.03、0≦T≦S−0.4を満たし、10°≦λ≦30°を満たすことが好ましい。
このような関係を満足することで、図46(A1)、(A2)に示すように、送り穴11内に、これに対応するパイロットピン931を、挿通することで、後述するように第2凹部16内に、その形状に対応した位置補正用パイロット932の先端部を、位置ズレさせることなく、より優れた精度で収納させることができる。
また、図46(B1)に示すように、パイロットピン931の基端部側の外径をS(mm)とし、送り穴11の内径をR(mm)としたとき、パイロットピン931が、その基端から先端に向かう途中から縮径し、その先端部が針状なす形状で構成されているものが挙げられる。
この場合、図46(B1)に示すように、シート151の厚さ方向において、針状をなすパイロットピン931の先端がシート151の第1面15と一致した際には、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさ、すなわち、送り穴11をパイロットピン931で位置規制させる最大量をε(mm)としたとき、ε=R/2で表すことができる。
また、図46(B2)に示すように、シート151の厚さ方向において、パイロットピン931の先端の縮径する部分がシート151の第2面13から突出するようにパイロットピン931をシート151に挿通した際には、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさをW(mm)としたとき、W=(R−S)/2で表すことができ、0<W≦0.015を満たすことが好ましい。
このように、図46(B1)、(B2)に示すように、送り穴11にパイロットピン931が挿通されるが、この場合、0<R−S≦0.03を満たすことが好ましい。
このような関係を満足することで、図46(B1)、(B2)に示すように、送り穴11内に、これに対応するパイロットピン931を、挿通することで、後述するように第2凹部16内に、その形状に対応した位置補正用パイロット932の先端部を、位置ズレさせることなく、より優れた精度で収納させることができる。
[D−3b]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、位置補正用パイロット932を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、位置補正用パイロット932の先端部を第2凹部16内に挿入する(図42(c)参照)。
これにより、第2凹部16が位置補正用パイロット932で位置規制される。
ここで、本工程では、位置補正用パイロット932を用いて、第2凹部16が位置規制されるが、この位置規制を優れた位置精度で実施するには、前記工程[D−2b]における、パイロットピン931を用いた、1度目の打ち抜きで形成された送り穴11における位置規制とともに、以下に示すように、これらの位置規制が実施されることが求められる。
まず、図47に示すように、シート151をその上側から視たとき、4つの位置補正用パイロット932は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向入口側と出口側とのそれぞれ外側において、4つの第2凹部16に対応するようにして、その先端部が第2凹部16内に挿入される。この際、4つの位置補正用パイロット932を、それぞれ、PR1、PR2、PR3、PR4とすると、それぞれの、X、Y方向における中心座標は、(Xr1、Yr1)、(Xr2、Yr2)、(Xr3、Yr3)、(Xr4、Yr4)で表すことができる。
また、4つのパイロットピン931は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向出口側において、1度目の打抜きで形成された4つの送り穴11に対応するようにして、その先端部が送り穴11に挿通される。この際、4つのパイロットピン931を、それぞれ、PP1、PP2、PP3、PP4とすると、それぞれの、X、Y方向における中心座標は、(Xp1、Yp1)、(Xp2、Yp2)、(Xp3、Yp3)、(Xp4、Yp4)で表すことができる。
さらに、2度目の打抜きでは打抜工具921が有する格子状に配置された突起物922により送り穴11がこれに対応して格子状(本実施形態では縦に2つ横に6つずつ)に打ち抜かれる。この際、格子状に形成される送り穴11のうち4角の送り穴11を、それぞれ、PS1、PS2、PS3、PS4とすると、それぞれの、X、Y方向における中心座標は、(Xs1、Ys1)、(Xs2、Ys2)、(Xs3、Ys3)、(Xs4、Ys4)で表すことができる。
また、4つの位置出し用パイロット923は、打抜工具921が有する突起物922のシート151の進行方向入口側と出口側とのそれぞれ外側において、4つの第2凹部16に対応するようにして、その先端部が第2凹部16内に挿入される。この際、4つの位置出し用パイロット923を、それぞれ、PQ1、PQ2、PQ3、PQ4とすると、それぞれの、X、Y方向における中心座標は、(Xq1、Yq1)、(Xq2、Yq2)、(Xq3、Yq3)、(Xq4、Yq4)で表すことができる。
以上のように定義した場合、まず、4つのパイロットピン931(PP1、PP2、PP3、PP4)を、その中心をPC1として通過する円を円935とし、中心PC1の座標を(Xc1、Yc1)とすると、円935の半径R1を下記式(3)で、中心PC1とPP4とを結ぶ線分がX方向に対してなす角度ψpを下記式(4)で表すことができる。
そして、図48に示すように、中心をパイロットピン931の中心軸として、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさを半径R2とする円を円936としたとき、R2=W=(R−S)/2で表すことができる。この場合、シート151が中心PC1を中心として回転すると仮定すると、送り穴11の回転角度ωpを下記式(5−1)、(5−2)で表すことができる。なお、円935と、円936との交点を、それぞれ、PP41、PP42とし、その交点座標を、それぞれ、(Xp41、Yp41)、(Xp42、Yp42)としたとき、それらの交点座標は、それぞれ、下記式(6)、(7)で表すことができる。
また、形成すべきキャリアテープ1を図4(a)に示すような構成のものとする場合、図49(a)に示すように、点PC1を中心とした際の第1凹部12の中心点PK1を通過する円を円pk1とし、円pk1の中心PC1の座標を(Xc1、Yc1)とし、第1凹部12の中心PK1の座標を(Xk1、Yk1)としたとき、円pk1の半径Rk1を下記式(8)で表すことができ、中心PK1のX方向に対する角度ψk1を下記式(9)で表すことができる。
そして、この場合、シート151が点PC1を中心としてωp°回転したと仮定すると、第1凹部12の中心座標は、座標PK11(Xk11、Yk11)または座標PK12(Xk12、Yk12)にまで位置ズレすることとなるが、これらを、それぞれ、下記式(10)、(11)で表すことができる。
そのため、第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt11、Yt11、Xt12、Yt12)を下記式(12)で表すことができる。
これらの第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt11、Yt11、Xt12、Yt12)は、それぞれ、−0.05〜0.05mmを満たすことが好ましく、−0.03〜0.03mmがより好ましい。この場合、R1を大きくし、R2を小さく、すなわち、4つのパイロットピン931の対角線の距離を大きく、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさWを小さくすることで、第1凹部12の位置ズレの大きさを前記好ましい範囲に設定することができる。
さらに、形成すべきキャリアテープ1を図4(a)に示すような構成のものとする場合、図49(b)に示すように、点PC1を中心とした際の第1凹部12の中心点PK2を通過する円を円pk2とし、円pk2の中心PC1の座標を(Xc1、Yc1)とし、第1凹部12の中心PK2の座標を(Xk2、Yk2)としたとき、円pk2の半径Rk2を下記式(13)で表すことができ、中心PK2のX方向に対する角度ψk2を下記式(14)で表すことができる。
そして、この場合、シート151が点PC1を中心としてωp°回転したと仮定すると、第1凹部12の中心座標は、座標PK21(Xk21、Yk21)または座標PK22(Xk22、Yk22)にまで位置ズレすることとなるが、これらを、それぞれ、下記式(15)、(16)で表すことができる。
そのため、第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt21、Yt21、Xt22、Yt22)を下記式(17)で表すことができる。
これらの第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt21、Yt21、Xt22、Yt22)は、それぞれ、−0.05〜0.05mmを満たすことが好ましく、−0.03〜0.03mmがより好ましい。この場合、R1を大きくし、R2を小さく、すなわち、4つのパイロットピン931の対角線の距離を大きく、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさWを小さくすることで、第1凹部12の位置ズレを前記好ましい範囲に設定することができる。
また、形成すべきキャリアテープ1を図4(a)に示すような構成のものとする場合、図49(c)に示すように、点PC1を中心とした際の第1凹部12の中心点PK3を通過する円を円pk3とし、円pk3の中心PC1の座標を(Xc1、Yc1)とし、第1凹部12の中心PK3の座標を(Xk3、Yk3)としたとき、円pk3の半径Rk3を下記式(18)で表すことができ、中心PK3のX方向に対する角度ψk3を下記式(19)で表すことができる。
そして、この場合、シート151が点PC1を中心としてωp°回転したと仮定すると、第1凹部12の中心座標は、座標PK31(Xk31、Yk31)または座標PK32(Xk32、Yk32)にまで位置ズレすることとなるが、これらを、それぞれ、下記式(20)、(21)で表すことができる。
そのため、第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt31、Yt31、Xt32、Yt32)を下記式(22)で表すことができる。
これらの第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt31、Yt31、Xt32、Yt32)は、それぞれ、−0.05〜0.05mmを満たすことが好ましく、−0.03〜0.03mmがより好ましい。この場合、R1を大きくし、R2を小さく、すなわち、4つのパイロットピン931の対角線の距離を大きく、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさWを小さくすることで、第1凹部12の位置ズレを前記好ましい範囲に設定することができる。
さらに、形成すべきキャリアテープ1を図4(a)に示すような構成のものとする場合、図49(d)に示すように、点PC1を中心とした際の第1凹部12の中心点PK4を通過する円を円pk4とし、円pk4の中心PC1の座標を(Xc1、Yc1)とし、第1凹部12の中心PK4の座標を(Xk4、Yk4)としたとき、円pk4の半径Rk4を下記式(23)で表すことができ、中心PK4のX方向に対する角度ψk4を下記式(24)で表すことができる。
そして、この場合、シート151が点PC1を中心としてωp°回転したと仮定すると、第1凹部12の中心座標は、座標PK41(Xk41、Yk41)または座標PK42(Xk42、Yk42)にまで位置ズレすることとなるが、これらを、それぞれ、下記式(25)、(26)で表すことができる。
そのため、第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt41、Yt41、Xt42、Yt42)を下記式(27)で表すことができる。
これらの第1凹部12の位置ズレの大きさ(Xt41、Yt41、Xt42、Yt42)は、それぞれ、−0.05〜0.05mmを満たすことが好ましく、−0.03〜0.03mmがより好ましい。この場合、R1を大きくし、R2を小さく、すなわち、4つのパイロットピン931の対角線の距離を大きく、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさWを小さくすることで、第1凹部12の位置ズレを前記好ましい範囲に設定することができる。
さらに、図50に示すように、点PC1を中心とした際の位置補正用パイロット932(PR1)の角部、点PR11〜14をそれぞれ通過する円を円pr11〜14とし、円pr11〜14の中心PC1の座標を(Xc1、Yc1)とし、位置補正用パイロット932の角部の座標PR11、PR12、PR13、PR14をそれぞれ、(Xr11、Yr11)、(Xr12、Yr12)、(Xr12、Yr12)、(Xr12、Yr12)としたとき、円pr11〜14の半径Rr11〜14をそれぞれ下記式(28)で表すことができ、角部の座標PR11〜14のX方向に対する角度ψr11〜14をそれぞれ下記式(29)で表すことができる。
そして、この場合、シート151が点PC1を中心として回転すると仮定すると、第2凹部16は、位置補正用パイロット932の角部が第2凹部16の側壁面に当接する角度ωr11〜14°にまで回転することができるが、その際の円pr11〜14と第2凹部16の側壁面の交点座標を、それぞれ、座標PR11’(Xr11’、Yr11’)、座標PR12’(Xr12’、Yr12’)、座標PR13’(Xr13’、Yr13’)、座標PR14’(Xr14’、Yr14’)とすると、これらを、それぞれ、下記式(30)〜(33)で表すことができる。
そのため、第2凹部16の幅(長さ)をL(mm)、位置補正用パイロット932の先端部の先端側の幅(長さ)をN(mm)としたとき、第2凹部16を位置補正用パイロット932で位置規制させる最大量をU(mm)を下記式(34)〜(37)で表すことができる。
そのため、ωr11〜14≧ωpの関係を満足するときには、位置補正用パイロット932で第2凹部16を位置規制することができると言うことができ、ωr11〜14<ωpの関係となるときには、位置補正用パイロット932で第2凹部16を位置規制することができると言うことができない。
なお、上述したような順序で実施するパイロットピン931および位置補正用パイロット932による位置規制では、第2凹部16を位置補正用パイロット932で位置規制させる最大量をU(mm)とし、シート151の厚さ方向において、パイロットピン931の先端の縮径する部分がシート151の第2面13から突出するようにパイロットピン931をシート151に挿通した際には、パイロットピン931の中心軸と、送り穴11の中心軸との位置ズレの大きさをW(mm)としたとき、W≦Uを満たしており、0.015≦U−W≦0.5を満たしているのが好ましい。かかる関係を満足することにより、パイロットピン931による位置規制の後に、位置補正用パイロット932による位置規制を実施する構成とすることで、後工程[D−5b]において、送り穴11をより優れた位置精度でシート151に形成することができる。
[D−4b]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、パイロットピン931および位置補正用パイロット932による位置規制を維持した状態で、押さえ板(ストリッパ)940を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動させることにより、押さえ板940の下面をシート151の第1面15に当接させる(図42(d)参照)。
これにより、シート151の第1面15が押さえ板940の下面で押さえられ、その結果、シート151が押さえ板940で位置規制される。
[D−5b]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して下側に移動、すなわち、パイロットピン931、位置補正用パイロット932および押さえ板940による位置規制を維持した状態で、打抜工具921を、シート151の厚さ方向に対して下側に、その突起物922が、受け板952が備える貫通孔内に達するまで移動させる(図43(a)参照)。
これにより、シート151の突起物922が当接した位置に対応する部分が打抜物17として打ち抜かれ、その結果、図39(c)に示すように、シート151に送り穴11が形成される。
このようにして打抜工具921でシート151を打ち抜く際に、パイロットピン931、位置補正用パイロット932および押さえ板940で、シート151が位置規制されているため、シート151が位置ズレするのを確実に防止することができる。そのため、第1凹部12に対して優れた位置精度で送り穴11を形成することができる。
[D−6b]次いで、さらに打抜ヘッド910を、シート151の厚さ方向に対して上側に移動、すなわち、パイロットピン931、位置補正用パイロット932および押さえ板940を、シート151の厚さ方向に対して上側に移動させることにより、これらによるシート151の位置規制を解除する(図43(b)参照)。
そして、このシート151を、シート151の進行方向の入口側から出口側に向かって搬送することにより、シート151が3度目の送り穴11の打ち抜きに供される。
以上のような工程により、送り穴11の2度目の打抜きが実施される。そして、この2度目の打抜きを繰り返して実施すること、すなわち、2度目以降の打抜きを順次実施することにより、複数の送り穴11が形成され、その結果、シート151に第1凹部12、第2凹部16および送り穴11を備える作製用シート155が製造される。
[E]次に、得られた作製用シート155を、第1面15または第2面13をリール(芯材)側にして巻回する(巻回工程)。
このように作製用シート155をリールに巻回することで、作製用シート155の保管時および輸送時における省スペース化に寄与する。
以上のようにして、作製用シート155がリールに巻回された状態で製造される。
なお、本工程[E]に先立って、得られた作製用シート155を、1列に並んだ複数の第1凹部12と1列に並んだ複数の送り穴11とが1対で含まれ、かつ、1列に並んだ複数の第2凹部16が除かれるようにして、作製用シート155の長手方向に沿って、所定の幅で作製用シート155をスリット(切断)するようにしてもよい(本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法)。これにより、2つのキャリアテープ1を得ることができ、本工程[E]において、リールに巻回された状態のキャリアテープ1を2つ製造することができる。
以上、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法およびキャリアテープ作製用シートの製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法およびキャリアテープ作製用シートの製造方法では、必要に応じて、1以上の任意の目的の工程を追加してもよい。
また、本発明の電子部品収納用キャリアテープの製造方法およびキャリアテープ作製用シートの製造方法に用いられるキャリアテープ作製用シート製造装置の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、または、任意の構成のものを付加することもできる。
さらに、前記実施形態では、キャリアテープ作製用シート製造装置において、成形金型が備える第1金型部は、複数の突起物を備えるものとしたが、この突起物の数は、キャリアテープに成形すべき第1凹部の数に応じて適宜設定され、この第1凹部の数によっては、1つであってもよい。すなわち、第1金型部は、1つ以上の突起物を有するものであればよい。