JP2006324219A - 床暖房シートヒータ製造方法及びそれを用いた床暖房シートヒータ - Google Patents

床暖房シートヒータ製造方法及びそれを用いた床暖房シートヒータ Download PDF

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Abstract

【課題】蛇行する発熱体2がばらけたりしないようにすると共にラミネート材に対する位置合わせを不要にする。
【解決手段】発熱体シートに、矩形状の第1開口を該発熱体シートの幅方向及び長手方向に等間隔で複数形成する第1開口工程(ステップS1)と、該第1開口工程が終了した発熱体シートの表裏面にラミネート材を被覆する第1ラミネート工程(ステップS2)と、該第1ラミネート工程が終了した発熱体シートに対し、第1開口と同じ手順での矩形状の第2開口を等間隔に複数形成し、その際に該第2開口が発熱体シートの長手方向に列設する第1開口を連通させる第2開口工程(ステップS3)と、該第2開口工程が終了した発熱体シートを所定寸法に裁断する裁断工程(ステップS4)と、裁断された発熱体シートの表裏面にラミネート材を被覆する第2ラミネート工程(ステップS5)とを経て製造する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、蛇行した発熱体を形成する際に、当該発熱体の位置保持を行いながら製造できるようにした床暖房シートヒータ製造方法及びそれを用いた床暖房シートヒータに関する。
従来、床暖房として電気ヒータを用いた床暖房用ヒータが知られている。例えば、特開平5−121149号公報においては、図11に示すような床暖房用ヒータの製造方法が提案されている。
同公報における床暖房パネルは、表面に粘着層102を有するラミネートシート101を一定方向に搬送し、この搬送方向に直交して往復する回転ヘッド104を設けて、該回転ヘッド104の先端に設けられたローラ107から発熱体106を繰出し粘着層102に接着させている。そして、その後に当該発熱体を挟むように別のラミネートシート101で被覆する方法である。図12は、このようにして製造された床暖房用ヒータを示している。
なお、発熱体106がワイヤの場合には、床面を平らにするために例えばウレタンシートを床暖房用ヒータの上下面に宛ったり、発熱体106を収納する溝を設けたりして、当該発熱体106の厚みを吸収する構成が必要になると共に、かかる厚み吸収のための構成による床面の高さ変化を吸収する構成が必要となる不都合がある。
このような観点からシート状の発熱体を用いる方法も提案されている。図13はこのような床暖房用ヒータの上面図を示した図で、複数の帯状発熱体110が、その端部で連結体111により連結されて、蛇行した一体の床暖房用ヒータを形成している。なお、床暖房用ヒータの表裏面には、ラミネートシート112等が貼付られている。
特開平5−121149号公報
しかしながら、図13に示すような床暖房用ヒータの場合には、複数の発熱体110を連結体111で連結しただけでは、各発熱体110は位置保持ができず、ばらけたりして取扱いが悪く、また発熱体110同士が擦れ合ったりして傷ついたりする。従って、各発熱体110をラミネートシート112等に貼付けて位置保持する必要があるが、このとき各発熱体110の位置合せに多くの工数が必要になってしまう問題がある。
また、連結体111と発熱体110との重なり部分で厚みが倍になるため、この厚みを吸収して床面が平坦になるように連結体111が填る溝等の機構を別途設ける必要が生じ、その工数及び費用が必要になる問題がある。
さらに、連結体111と発熱体110との連結はスポット溶接等により行われるが、溶接箇所113が多いため溶接不良の発生確率が高くなってしまう。溶接不良の場所では電流が流れなくなり又は流れ難くなるため、異常発熱等の安全性に問題があった。
そこで、本発明は、発熱体の位置合わせを不要にし、また厚み変化が生じないようにすると共に、安全性の高い安価で、かつ、施工性の優れた床暖房用ヒータ製造方法及びそれを用いた床暖房用ヒータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る床暖房シートヒータ製造方法は、発熱体シートに、矩形状の第1開口を当該発熱体シートの幅方向及び長手方向に等間隔で複数形成する第1開口工程と、該第1開口工程が終了した発熱体シートの表裏面に第1ラミネート材を被覆する第1ラミネート工程と、該第1ラミネート工程が終了した発熱体シートに対し、第1開口と同じ手順で矩形状の第2開口を等間隔に複数形成し、その際に当該第2開口が発熱体シートの長手方向に列設する第1開口を連通させることにより、帯状の開口残部分を形成し、該開口残部分が発熱体をなすようにする第2開口工程と、該第2開口工程が終了した発熱体シートの表裏面に、第2ラミネート材を被覆する第2ラミネート工程とを行うことを特徴とする。
これにより、第1開口工程で形成された第1開口を覆うラミネート材が、第2開口工程後にも残るため、当該第2開口工程により形成される帯状で蛇行した発熱体の相互の位置保持が行えるようになって、発熱体相互の位置合わせが不要になり、また厚み変化が生じないようになると共に、安全性の高い安価で、かつ施工性の高い床暖房用ヒータを製造することが可能になる。
また、請求項2に係る床暖房シートヒータ製造方法は、第2開口工程の前又は後に、発熱体シートを所定寸法に裁断する裁断工程を行うことを特徴とする。
また、請求項3に係る床暖房シートヒータ製造方法は、第1開口工程及び第2開口工程は、発熱体シートをその長手方向に所定づつ繰出しながら雄型と雌型とからなるパンチ金型により形成し、かつ、第2開口工程に用いるパンチ金型の発熱体シート幅方向の寸法が、第1開口工程に用いるパンチ金型の当該幅方向の寸法より所定量大きい寸法に設定され、又は所定量小さい寸法に設定されていることを特徴とする。
また、請求項4に係る床暖房シートヒータ製造方法は、発熱体シートがステンレス鋼シートであることを特徴とする。
また、請求項5に係る床暖房シートヒータ製造方法は、第1ラミネート材及び第2ラミネート材が、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの2層構造に形成されて融着されることを特徴とする。
また、請求項6に係る床暖房シートヒータ製造方法は、第2ラミネート材が、列設する発熱体の隣接間隔の半分に相当する量だけ発熱体シートからはみ出して設けることを特徴とする。
さらに、請求項7に係る床暖房シートヒータは、請求項1乃至6いずれか1項記載の床暖房シートヒータ製造方法により形成されてなることを特徴とする。
これにより、製造作業工数が削減できて安価になると共に、施工性が向上して施工費用の削減が可能になる。
本発明にかかる床暖房シートヒータ製造方法によれば、発熱体シートに、矩形状の第1開口を当該発熱体シートの幅方向及び長手方向に等間隔で複数形成する第1開口工程と、該第1開口工程が終了した発熱体シートの表裏面に第1ラミネート材を被覆する第1ラミネート工程と、該第1ラミネート工程が終了した発熱体シートに対し、第1開口と同じ手順で矩形状の第2開口を等間隔に複数形成し、その際に当該第2開口が発熱体シートの長手方向に列設する第1開口を連通させることにより、帯状の開口残部分を形成し、該開口残部分が発熱体をなすようにする第2開口工程と、該第2開口工程が終了した発熱体シートの表裏面に、第2ラミネート材を被覆する第2ラミネート工程とを行うので、第1開口工程で形成された第1開口を覆うラミネート材が、第2開口工程後にも残り、当該第2開口工程により形成される帯状で蛇行した発熱体の相互の位置保持が可能になる。従って、発熱体相互の位置合わせが不要になり、また厚み変化が生じないようになると共に、安全性の高い安価で、かつ施工性の高い床暖房用ヒータを製造することが可能になる。
また、このような床暖房シートヒータ製造方法により床暖房シートヒータを製造するので、製造作業工数が削減できて安価になると共に、施工性が向上して施工費用の削減が可能になる。
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明に係る床暖房シートヒータの構成を示す図で、当該床暖房シートヒータ1は薄い金属シート(以下、発熱体シートという)をパンチング加工して、帯状で蛇行した発熱体2を形成すると共に、その表裏面にラミネート材3をラミネートした構成となっている。
図1(a)は床暖房シートヒータ1の上面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視断面図である。
なお、図1等の以下に示す各図においては、発熱体2を容易に識別できるように当該発熱体2(発熱体シート10)の上面図をクロスハッチングにより示している。
この床暖房シートヒータ1の概略製造方法は、第1開口工程、第1ラミネート工程、第2開口工程、第2ラミネート工程を主要工程とし、製造開始時において発熱体シートはコイル巻きされて供給され、その幅は例えば30cmであり、厚みは例えば0.1〜0.3mmの耐食性の高いステンレス鋼シートである。そこで、本明細書において幅方向と記載するときは、発熱体シートの幅方向を言い、長手方向と記載するときは発熱体シートの長手方向を言うものとする。
このような床暖房シートヒータ1の製造装置7を図2に示す。この製造装置7は、図2(a)に示すパンチング装置8と、図2(b)に示すラミネート装置9とにより構成されている。
パンチング装置8は、コイル巻きされた発熱体シート10を供給する開口用シート供給部12、発熱体シート10を挟持して繰出す2の繰出ローラ対13、この繰出ローラ対13の間に配設された金型14、パンチングされた発熱体シート10を巻取る開口済シート巻取部15を主要構成としている。
開口用シート供給部12は、コイル巻きされた発熱体シート10を回動自在に支持すると共に、適度にブレーキをかけて当該発熱体シート10の繰出し過ぎを防止できるようになっている。
また、開口済シート巻取部15は、パンチングされた発熱体シート10をコイル巻きして巻き取るものである。
金型14は、第1開口工程において用いられる第1開口用金型及び、第2開口工程において用いられる第2開口用金型から構成されている。但し、第1開口用金型と第2開口用金型とは、そのサイズのみが異なりその他の構成は同じであるので、これらを総称して金型14と記載して説明する。
また、金型14は、雌型部18及び雄型部19を有し、その一方が固定され他方が上下動し、その動作は図示しない制御部により繰出ローラ対13の動きに同期して上下動するように制御されている。
本実施の形態においては、雌型部18が固定され、雄型部19が上下動する場合を例に説明する。
図3は雌型部18の斜視図で、図3(a)は第1開口用金型14の雌型部18aを示し、図3(b)は第2開口用金型14の雌型部18bを示している。
雌型部18(18a,18b)は、複数の雌型21(21a,21b)が幅方向に等間隔で列設されてなる第1雌型群22(22a,22b)と第2雌型群23(23a,23b)とを備え、これらが長手方向に2列に列設されて形成されている。
また、雌型部18に対応した雄型部19も当該雌型部18と同様に第1雄型群25a及び第2雄型群26aにより構成されている。
雄型部19は雌型部18と互いに挿嵌し合う構成なので、以下の説明においては、雌型部18を例に説明する。
雌型21a(21)は幅寸法W1,長手寸法L1,隣接間隔D1であり、雌型21b(21)は幅寸法W2,長手寸法L2,隣接間隔D2の矩形状である。そして、W2=W1+δW、D2=D1−δW(またはW2=W1−δW、D2=D1+δW)に設定され、第2雌型群23aは第1雌型群22aに対して長手方向に寸法Sずれている(S=W1+δS)。雌型21aの幅寸法W1及び隣接間隔D1は、最終形成される蛇行した発熱体2の全抵抗値から決定されるものである。また、δW,δSは加工マージン等を考慮して設定される値で、詳細は後述する。
2の繰出ローラ対13は、同期して回転し、それらのニップ部で発熱体シート10を把持して繰出すようになっている。
ラミネート装置9は、発熱体シート10を供給するラミネート用シート供給部16、発熱体シート10を巻取るラミネート済シート巻取部17、発熱体シート10の表面及び裏面に貼付るラミネート材3を供給するラミネート材供給部25、表裏面のラミネート材3を融着させる融着ローラ対26を有している。
融着ローラ対26は、表面が適宜弾性変形すると共に内部に図示しない加熱源が配設されたローラ対で、発熱体シート10の表面や裏面にラミネート材3を融着させて貼付るようになっている。
なお、このようなラミネート材3としては、摩耗性や耐水性が優れ、工業的にも広く利用されて安価なポリエチレンテレフタレート(PET)が適用可能である。但し、後述するように、本発明ではパンチングを2度行い、その都度ラミネート材3の貼付けを行うため、PET間の粘着を仲立ちするようにポリエチレン(PC)が積層されたPETとPCとの積層体を用いている。
このため発熱体シート10の表裏面におけるラミネート材3は互いにPC層が対面するようにラミネート装置9にセットされる。
次に、このような製造装置7を用いて床暖房シートヒータ1を製造する際の手順を図4に示すフローチャート及び図5に示す各工程における発熱体シート10の構成図を参照して説明する。なお、図5(a)〜図5(d)において、左側の図は各工程における発熱体シート10の上面図であり、右側の図はB−B〜E−E断面図である。
先ず、ステップS1の第1開口工程を行う。この第1開口工程は、第1開口用金型14を用いて新規の発熱体シート10に1回目の開口群を形成する工程で、発熱体シート10は開口用シート供給部12から繰出ローラ対13により所定量(L:以下繰出量と言う)づつ繰出されるたびに雄型部19が上下動して、幅方向及び長手方向に等間隔で列設されてなる複数の開口(第1開口)27が形成される(図5(a))。
第1開口27が形成された発熱体シート10は、開口済シート巻取部15で巻き取られ、コイル状の形態で次の工程に供される。
次に、ステップS2の第1ラミネート工程が行われる。第1開口27が形成された発熱体シート10は、ラミネート用シート供給部16から融着ローラ対26を介してラミネート済シート巻取部17で巻き取られる。
また、ラミネート材供給部25から第1ラミネート材3a(3)が供給されて融着ローラ対26により発熱体シート10の表裏面に宛われる。
この融着ローラ対26には図示しないヒータが内設されているので、融着ローラ対26のニップ部でラミネート材3aは加熱されて軟化し、表裏面における第1ラミネート材3aのPC層が融着する(図5(b))。
このとき、第1ラミネート材3aは発熱体シート10の表裏面に貼付られるので、第1開口27では融着した表裏面の第1ラミネート材3aにおけるPC層が融着した状態となっており、後述するように第2開口工程で2回目の開口を行って第1開口27を連通して帯状で蛇行した発熱体2が支持を失い、ばらけてしまう(位置保持力を失う)不都合を防止する作用をなしている。
なお、第1ラミネート材3aの幅方向のサイズは、発熱体シート10の幅方向のサイズより所定量εだけ小さい寸法となっている。従って、第1ラミネート材3aは発熱体シート10の幅方向にははみ出さない構成となっている。この理由については後述する。
次に、ステップS3の第2開口工程を行う。この第2開口工程は、第2開口用金型14を用いて第1開口27が形成された発熱体シート10に2回目の開口群を形成する工程で、発熱体シート10を所定量づつ繰出すたびに雄型部19が上下動して幅方向及び長手方向に等間隔で列設されてなる複数の開口(第2開口)28が形成される(図5(c))。
第1開口工程及び第1ラミネート工程は、実際にどのような寸法の床暖房シートヒータ1が要求されるかに関わらず事前に行われてコイル巻きされて保管される工程であるが、第2開口工程以降は、床暖房シートヒータ1のサイズが明らかになってから行われる工程である。
従って、第1開口工程における第1開口27の形成回数には制限は設けられないが、第2開口工程における第2開口28の形成回数は、床暖房シートヒータ1のサイズに応じて決定され、図6に示すように第2開口28により第1開口27を連通した1本の開口Pが複数並設されるようになる。
このとき、第2開口用金型14における雌型(雄型)の長手寸法L2は、第1開口工程における発熱体シート10の繰出量Lより適宜大きい寸法(L2=L+δL)に設定されているので、長手方向に隣接する第1開口27は第2開口28により連通する。
なお、δLは、第2開口28を形成する際の第1開口27に対する長手方向の位置ずれを考慮したもので、予想される位置ずれ量より大きいことが要件となっている。
第2開口用金型14における雌型(雄型)の幅寸法W2は、第1開口用金型14における雌型(雄型)の幅寸法W1より適宜短い寸法(W2=W1−δW)又は大きな寸法(W2=W1+δW)に設定されている。
このような幅寸法にしたのは、第1開口27に対する第2開口28の形成位置の位置ずれを考慮したためである。
即ち、第2開口工程における第2開口28の幅方向に対する位置合わせは、第1開口27に対して行うが、この開口縁を一致させるようにするには高精度の位置合わせが要求されて、パンチング装置のコストアップによる床暖房シートヒータのコストアップをもたらす。
従って、現実にはある程度の位置合わせ誤差を許容しなければならない。このような場合には図7に示すように、バリ29が発生するおそれがある。
なお、図7(a)は第1開口27に対して微少量位置ずれして第2開口28を形成する際の上面図であり、図7(b)は図7(a)におけるF−F矢視断面図である。
図7(a)に示す第1開口27と第2開口28との重なり領域Q(斜線領域)の端縁Kは支持されていないため、当該重なり領域が小さいと第2開口28の形成時に雄型により雌型方向に押し曲げられるようになり図7(b)に示すようなバリ29が発生する。
このバリ29は小さくても、安全性を損い又ラミネート材3の破損を招く要因となることから除去することが望まれるが、かかるバリ除去処理を新たに設けるとコストアップを招いてしまう。
そこで、本発明は、第2開口28が第1開口27に対して位置ずれしても微少な重なり領域Qができないようにしてバリ29の発生を防止すべく第2開口28の幅寸法W2が第1開口27の幅寸法W1とW2=W1±δWの関係を満たすように設定されている。図8は、このような寸法関係に設定された時の第1開口27と第2開口28との寸法関係を示した図で、図8(a)はW1>W2の場合、図8(b)はW1<W2の場合を示している。
従って、δWは第1開口27に対する第2開口28の予想される位置ずれ量より適宜大きな寸法であり、かつ、バリ29が発生しないような寸法である。バリ29は、発熱体シート10の剛性や脆性等の材料特性に依存するため、第2開口28の位置ずれ量及び発熱体シート10の材質を勘案して寸法を設定する必要がある。
第2開口工程が終了するとステップS4の裁断工程が行われる。裁断工程は、図示しないカッタにより第1ラミネート材3aが融着された発熱体シート10を裁断する工程で、この裁断工程後には発熱体シート10は1枚ものとなる。
なお、本実施例では、裁断工程を第2開口工程の後に行う場合について説明するが、第2開口工程の前に行うことも可能である。
図6における点線は裁断位置を示している。裁断位置は、図6において最右端及び最左端の第1開口27の一部を切落す位置であり、発熱体2のUターン部Gの寸法がW1となり、切り落とされる部分の寸法がδSとなる位置である。
第2開口工程以降は、実際にどのような寸法の床暖房シートヒータ1が要求されるかが明らかになったときに開始されるため、最終製品としての床暖房シートヒータ1のサイズ(長手方向のサイズ)に応じて長さ調整ができ、かかる個別の要求に対して短時間に要求に応じることが可能となっている。
一般に施工場所は不定形サイズである。従って、従来のように施工場所の大きさ(サイズ)に関係なく、事前に定形サイズの床暖房シートヒータを生産する方法では、暖房したい場所があってもサイズが合わないため施工できなかったり、不要な場所にも施工しなければならない不都合が生じていたが、本発明による床暖房シートヒータ製造方法は第2開口工程以降は、要求されるサイズに応じて開始されるのでかかる不都合が防止できるようになる利点がある。
裁断工程が完了すると、ステップS5の第2ラミネート処理を行う。この第2ラミネート工程は第1ラミネート工程と同じ手順で行われ、ラミネートする発熱体シート10は既に1枚ものとなっているので1枚毎にラミネート処理及び第2ラミネート材3b(3)の裁断処理が行われる(図5(d))。
この第2ラミネート材3bは、生活防水を目的としたもので、第2開口28の内周縁や発熱体シート10の裁断縁を覆うことにより、例えば利用者が水を零しても電気的短絡(ショート)等を起こしたりしないようにしている。
なお、ステップS4の裁断工程を第2ラミネート工程の後に行うことも考えられるが、この場合には、第2ラミネート工程における第2ラミネート材3bが発熱体シート10と同時に裁断されてしまうため、当該発熱体シート10の裁断縁をラミネートする事ができない。
そこで、本発明では、裁断工程の後に第2ラミネート工程を行い、これにより発熱体シート10が完全に第2ラミネート材3bで覆われるようにしている。
ラミネート材3のPC層は、発熱体シート10及びPET層と融着しないため、ラミネート材3aは発熱体シート10より寸法εだけ小さくし、第2ラミネート材3bは発熱体シート10より寸法D1/2だけ大きな寸法にして発熱体シート10からはみ出した周辺部でもPC層を融着させている。これにより発熱体シート10を包み込むように被覆される。
次に、ステップS6の連結端子孔開口工程において、この床暖房シートヒータ1の電極端子取付用の連結端子孔4を形成する。この連結端子孔4は、蛇行する発熱体2の両端部におけるラミネート材3を除去することにより行われる。
上述したように、ラミネート材3としてPETとPCとの積層体を用いたが、これらはステンレス鋼と融着しないため、カッタナイフ等により連結端子孔4における領域のラミネート材3を切ることにより容易に除去することができる。
このようにして製造された複数の床暖房シートヒータ1を施工現場に合わせて図9及び図10に例示するように連設する。なお、図10は、施工現場にタンス等の置物がある場合を想定したときの連設図である。
複数の床暖房シートヒータ1の連設は、各床暖房シートヒータ1の端縁を突き合わせてテープ30で止めることにより行い、その裏面には両面テープ31を貼り付ける。
床暖房において温度分布はできるだけ少ない方が良いことは言うまでもないが、床暖房シートヒータ1の隣接間隔を位置合わせするようにすると手間が掛かり、また間隔により温度分布が大きくなってしまう不都合がある。
このような場合でも、第2ラミネート材3bを床暖房シートヒータ1より適宜広く形成し、かつ、その寸法を発熱体2の隣接間隔D1の半分とするならば、隣接する床暖房シートヒータ1を第2ラミネート材3bで突合わせて並べるだけで、発熱体2の間隔を同じ寸法とすることが可能になる。
各床暖房シートヒータ1の連結端子孔4には連結材5により連結して電気接続を行い、各連結端子孔4に絶縁テープ6を貼り付けて絶縁を行う。
このような状態で、施工現場に運び床面に展開し、裏面の両面テープで固定する。従って、施工現場での作業工数が少なくなり施工性が向上する。
本発明を実施するための最良の形態の説明に適用される床暖房シートヒータの構成を示す図である。 床暖房シートヒータの製造装置の例を示す図である。 雌型部の上面図を示す図である。 床暖房シートヒータの製造手順を示す図である。 図4の製造手順に対応して示した床暖房シートヒータの製造過程における構成図である。 第2開口工程が終了したときの、発熱体シートの上面図である。 第1開口に対して第2開口が位置ずれした場合の不都合を説明する図である。 第1開口に対する第2開口の寸法を説明するための図である。 施工状況を例示した図である。 施工場所にタンス等がある場合の施工状況を例示した図である。 従来の技術の説明に適用される床暖房シートヒータの製造手順を示す図である。 図11の方法により製造された床暖房シートヒータの構成を示す図である。 図11に代わる従来の技術の説明に適用される床暖房シートヒータの構成を示す図である。
符号の説明
1 床暖房シートヒータ
2 発熱体
3a(3) 第1ラミネート材
3b(3) 第2ラミネート材
4 連結端子孔
5 連結材
6 絶縁テープ
7 製造装置
8 パンチング装置
9 ラミネート装置
10 発熱体シート
12 開口用シート供給部
13 繰出ローラ対
14 金型(第1開口用金型,第2開口用金型)
15 開口済シート巻取部
16 ラミネート用シート供給部
17 ラミネート済シート巻取部
18(18a,18b) 雌型部
19 雄型部
21(21a,21b) 雌型
22(22a,22b) 第1雌型群
23(23a,23b) 第2雌型群
25a,26a 第2雄型群
25 ラミネート材供給部
26 融着ローラ対
27 第1開口
28 第2開口
29 バリ
30 テープ
31 両面テープ

Claims (7)

  1. 発熱体シートに、矩形状の第1開口を当該発熱体シートの幅方向及び長手方向に等間隔で複数形成する第1開口工程と、
    該第1開口工程が終了した前記発熱体シートの表裏面に第1ラミネート材を被覆する第1ラミネート工程と、
    該第1ラミネート工程が終了した前記発熱体シートに対し、前記第1開口と同じ手順で矩形状の第2開口を等間隔に複数形成し、その際に当該第2開口が前記発熱体シートの長手方向に列設する前記第1開口を連通させることにより、帯状の開口残部分を形成し、該開口残部分が発熱体をなすようにする第2開口工程と、
    該第2開口工程が終了した前記発熱体シートの表裏面に、第2ラミネート材を被覆する第2ラミネート工程とを行うことを特徴とする床暖房シートヒータ製造方法。
  2. 前記第2開口工程の前又は後に、前記発熱体シートを所定寸法に裁断する裁断工程を行うことを特徴とする請求項1記載の床暖房シートヒータ製造方法。
  3. 前記第1開口工程及び第2開口工程は、前記発熱体シートをその長手方向に所定づつ繰出しながら雄型と雌型とからなるパンチ金型により形成し、かつ、前記第2開口工程に用いる前記パンチ金型の前記発熱体シート幅方向の寸法が、前記第1開口工程に用いる前記パンチ金型の当該幅方向の寸法より所定量大きい寸法に設定され、又は所定量小さい寸法に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の床暖房シートヒータ製造方法。
  4. 前記発熱体シートがステンレス鋼シートであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の床暖房シートヒータ製造方法。
  5. 前記第1ラミネート材及び第2ラミネート材が、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの2層構造に形成されて融着されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の床暖房シートヒータを製造方法。
  6. 前記第2ラミネート材が、列設する前記発熱体の隣接間隔の半分に相当する量だけ前記発熱体シートからはみ出して設けることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1記載の床暖房シートヒータ製造方法。
  7. 請求項1乃至6いずれか1項記載の床暖房シートヒータ製造方法により形成されてなることを特徴とする床暖房シートヒータ。
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