JP6217170B2 - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置、例えばインクジェット記録装置が知られている。
液体吐出ヘッドとしては、液滴を吐出させる圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電アクチュエータを用いたもの、発熱抵抗体などで構成されるサーマルアクチュエータを用いたもの、静電アクチュエータを用いたものなどが知られている。
液体吐出ヘッドは、ノズルが形成されるノズル基材の液滴吐出側表面(これを、「吐出面」あるいは「ノズル形成面」ともいう。)の表面特性が滴吐出特性に大きな影響を与える。例えば、ノズルの周辺部に液体が付着すると、液滴吐出方向が定まらないほか、付着した液体が固化してノズル径が縮小して液滴吐出量(液滴の大きさ)が減少し、あるいは液滴吐出速度が不安定になる等の不具合が生じる。そのため、一般に、ノズル形成面の表面に撥液層(撥水層、撥インク層などともいう。)を形成することにより液滴吐出特性を向上することが行われている。
従来、ノズル基材の吐出面にSiO2などの下地膜となる表面処理膜(中間膜)を成膜して、下地膜上に樹脂膜などの有機撥液膜を成膜したものなどがある(特許文献1)。
また、ノズル基材の表面に、シリコーン材料のプラズマ重合膜等の下地膜と、下地膜表面に金属アルコキシドが重合した分子膜等の撥液膜とを設け、下地膜は、基材に応じて、シリコーン材料のプラズマ重合膜以外に、SiO、ZnO、NiO、SnO、Al、ZrO、酸化銅、酸化銀、酸化クロム、酸化鉄のいずれかを含む構成としたものが知られている(特許文献2)
特開2009−214338号公報 特開2004−351923号公報
ところで、有機撥液膜は有機物の薄膜であるため水分を透過することから、表面処理膜が耐液性(例えば耐インク信頼性)を持たない場合、表面処理膜が腐食されて有機撥液膜が剥離することになる。
そこで、上述したように、一般的には、特許文献1に開示されているように、水分を透過しないSiOをはじめとするSiON、SiN、SiC、SiCN、TiO、TiNなどからなる表面処理膜が下地膜として使用される。
しかしながら、SiOをはじめとする表面処理膜は、強いアルカリ性の液体には、表面処理膜が水酸化物に変化し、イオン化されやすくなり、液体中に溶出する。このような表面処理膜の溶出が発生すると、撥液膜の剥離が生じることになる。
また、特許文献2に開示されているように複数の酸化物等が混在する構成をとったとしても、耐液性の弱い材料の部分から下地膜の溶出が発生し、撥液膜の剥離を防ぐことができない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、有機撥液膜とノズル基材との界面の耐インク信頼性の向上を図ることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出するノズル部材を有する液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズル部材は、ノズル基材の表面に表面処理膜が形成され、
前記表面処理膜は、Siを含む酸化膜であり、
前記酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含み、前記Siと前記遷移金属とがOを介して結合された膜であり、
前記表面処理膜上に有機撥液膜が形成されている
構成とした。
本発明によれば、有機撥液膜とノズル基材との界面の耐インク信頼性の向上を図ることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態の説明に供する断面説明図である。 図1のA部の一例を示す拡大断面説明図である。 有機撥液膜の反応基の説明に供する説明図である。 ALD法による凹凸がある部材に対する成膜の説明に供する説明図である。 スパッタ法による凹凸がある部材に対する成膜の説明に供する説明図である。 Zr含有SiO膜での劣化試験前後における接触角の変化の一例の説明に供する説明図である。 Ta含有SiO膜での劣化試験前後における接触角の変化の一例の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態の一例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(ノズル基材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 同実施形態の他の例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(有機撥液膜)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 本発明の第3実施形態の一例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(ノズル基材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 同じく他の例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(ノズル基材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す機構部の側面説明図である。 同機構部の要部平面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は同ヘッドの断面説明図である。
この液体吐出ヘッド100は、液滴を吐出するノズル101が形成されたノズル部材であるノズル板102と、ノズル101が通じる流路(圧力室)103を形成する流路板104と、圧力室103の壁面の形成する振動板105とが積層されている。ここで、ノズル板102、流路板104、振動板105は、接着剤接合されて流路を形成する流路形成部材となっている。
そして、振動板105の圧力室103と反対側の面に電気機械変換素子140からなる圧電アクチュエータが設けられている。
電気機械変換素子140は、振動板105上に、密着層としての酸化物電極141、第1の電極(下部電極)142、電気機械変換膜144、第2の電極(上部電極)145を順次積層形成したものである。
第1の電極142、第2の電極145は、例えば、Pt、Au等の導電性の高い材料で形成している。電気機械変換膜144はPZTで形成している。流路板104はシリコンで形成している。
ノズル板102と流路板104とは接着剤113によって接合されている。
次に、この液体吐出ヘッドのノズル板の詳細について図2を参照して説明する。図2は図1のA部の拡大断面説明図である。
ノズル板102は、ノズル101を形成したノズル基材110を有し、ノズル基材110の表面には表面処理膜120が成膜され、表面処理膜120の表面に有機撥液膜121が形成されている。
表面処理膜120は、Siと酸素を介して結合した不動態膜を形成する遷移金属を含んでいる。
ここで、表面処理膜120は、耐インク信頼性が高く、有機撥液膜121との密着性を向上させる不動態膜を形成する遷移金属種とSiの複合酸化膜となっている。
ノズル板102の有機撥液膜121は、有機物の薄膜であるため、水分を透過する。そのため、表面処理膜120が耐インク信頼性を持たない場合、インクが有機撥液膜121から浸透することで、表面処理膜120が腐食され、有機撥液膜121が表面処理膜ごと剥離し、有機撥液膜121が存在しない箇所が生じるおそれがある。
表面処理膜120の表面に成膜された有機撥液膜121が有する反応基150(図3参照)、例えばメトキシ基(Si−OCH)やエトキシ基(Si−OC)を、加水分解させることにより、シラノール基(S−iOH)を生成させる。前記加水分解は、有機撥液膜121の成膜前に実施しても良いし、成膜中に実施しても良い。
前記シラノール基は表面処理膜120の表面のOH基と水素結合により結合する。
その後、常温での放置、もしくは加熱によって前記水素結合部分が脱水縮合反応することで、前記水素結合部分はシロキサン結合(Si−O−Si)により結合する。
シロキサン結合は共有結合であるため結合エネルギーが高く、表面処理膜120と有機撥液膜121との密着性を向上させる。
したがって、表面処理膜120と有機撥液膜121との密着性を向上させるためには、表面処理膜120の表面にOH基が生成されている必要があり、表面にシラノール基(Si−OH)を有するSiOを含むことで表面処理膜120の表面のOH基数も増加する。
また上記遷移金属種は、安定した酸化物を形成することができるので、水溶液中でも安定した状態を保てることで、インクに対して耐性を持つことができる。
このように、ノズル板102のノズル基材110の表面には、表面処理膜120が形成され、表面処理膜120は、Siを含む酸化膜であり、酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含んでいる構成とすることで、表面処理膜120と有機撥液膜121との界面の密着性の向上及び耐インク信頼性の向上の両立を図ることができる。
つまり、表面処理膜120は、SiOを含むことで、ノズル基材110との密着性が高く、かつ有機撥液膜121との密着性も高くすることができる。また、不動態膜を形成することで、表面処理膜120は、表面に安定した耐腐食性膜が形成されるため、液体に触れても、長期的に安定する。
また、遷移金属は、d軌道ないしf軌道などの内殻軌道に空位の軌道を持つことで、複数の酸化数を取ることができる。そのため、表面処理膜120に遷移金属種を含むことにより、膜全体の酸化数への対応性が増すことで酸素原子の過不足への許容幅が広くなり、膜中の酸素数の欠損や過剰に対して高い安定性を示す。
遷移金属を含まない場合には、酸素原子の過不足による表面処理膜120の欠陥が生じ、欠陥はエネルギー状態が高いため溶解が起こり易くなる。
これに対し、遷移金属を含むことで、表面処理膜120の欠陥を低減でき、酸化膜の安定度が上昇し、液体への溶解性を低減することができる。
このような遷移金属の中でも、バルブメタルのような不動態膜を形成する金属を用いると、表面処理膜120の溶解性をより低減させることができる。
不動態膜を形成する金属としては、酸化数への対応性が高い遷移金属であるタンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タングステンが好ましい。
また、ハフニウム、タンタル、ジルコニウム、ニオブは、接触する液体のpHが酸性、アルカリ性に関わらず、非常に安定した酸化膜を形成するので、酸性、アルカリ性によらず状態を保つことができるという利点がある。
言い換えれば、表面処理膜120は、不動態膜を形成する第4族及び第5族遷移金属を含んでいることが好ましい。不動態膜を形成する第4族及び第5族遷移金属は第4族であるSiと似た電子軌道を持っており、SiO膜に導入することで、Siと前記金属種とがOを介して強く結合することができ、膜の充填性が向上し密な膜を形成できる。
そして、充填性向上に加えて、Si−O結合によって、強固な結合を表面処理膜120中に存在させることで、液体に接触した際の腐食反応を抑制することができる。
これにより、液体に耐性をもった酸化膜を形成でき、十分な耐性を確保し、ヘッドの信頼性を向上できる。
この場合、不動態膜を形成する第4族及び第5族遷移金属としては、Hf、Ta、Zrのうち、少なくとも1種以上を含んでいることが好ましい。
Hf、Ta、Zrのうち、少なくとも1種以上をSiO膜に導入することで、遷移金属種は非常に強くOと結合し、不動態膜を形成する。このとき、膜の充填性向上に加えて、不動態膜の機能を表面処理膜120中に存在させることで、酸性、アルカリ性両方の液体に接触した際の腐食反応を強く抑制することができる。これにより、酸性やアルカリ性の液体に耐性をもった酸化膜を形成できる。
また、表面処理膜120は、完全に酸化されていることが好ましい。これにより、表面処理膜の結晶構造がアモルファスになり、液体に晒された際に、腐食が発生しやすい結晶の粒界が殆ど存在せず、液体に対して高い耐性を示すことができる。
また、表面処理膜120において、Siが膜中に17at%以上含まれていることが好ましい。表面処理膜120中にSiが17at%以上含まれていることで、完全な透明膜を作ることができる。好ましくは20%以上である。
これにより、アモルファス状態であって、金属種の偏在の少ない均一な膜を成膜することができ、部分的に結晶等が存在することを避けられ、液体に対して局所的に弱い部分を低減することができる。膜中のSiの含有量が少ない場合、他の金属種が凝集、結晶化し、膜質に偏りが生まれてしまう。偏りがあると、液体に触れた際にSiと他の金属種間で電池効果が生まれ、腐食反応が起きる場合がある。
ここで、表面処理膜120を形成する合金膜が完全に酸化されているかは、膜がアモルファス状態であるため、可視光を透過できるかで判別することができる。例えば、多波長タイプのエリプソメータを用いて、波長400〜800nmの範囲で減衰係数(k)が少なくとも0.1以下、好ましくは0.03以下であるとき完全に酸化されていると判断することができる。
また、表面処理膜120において、遷移金属は膜中に2at%以上含まれていることが好ましい。これにより、表面処理膜120の密度が確実に向上し、液体への耐性が向上する。より好ましくは、3.5at%以上でかつ13.5at%以下である。これにより、表面処理膜120は欠陥が少なく、かつ充填率の高い構造をとることができ、もって、インクへの耐性を得やすくすることができる。
膜の状態確認の方法としては、エリプソメータを用いて、屈折率が一定値であることで確認することができる。例えば、単膜での屈折率については、SiO膜で1.4、TaO膜では2.1であるので、表面処理膜120は、完全に酸化されている場合、屈折率は1.4から2.1の間の値になる。ただし、表面処理膜120中の金属種が完全に酸化されていない場合、透過率は低下し屈折率は上昇するので、屈折率と透過率の両方を管理することで所望の膜質を得ることができる。
つまり、表面処理膜120を構成する各金属酸化膜の屈折率が異なる場合には、合金の比率を屈折率で管理することが可能になる。これにより、非破壊、かつ、大気下での高速測定が可能になり、実際の量産工程においても、表面処理膜120の条件管理が容易になる。
次に、表面処理膜120を成膜する工法として、蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の薄膜形成が容易な工法を使用できる。特に、ノズル基材110が加熱処理で変形するような材料で形成されているときには、スパッタ法や160℃以下、好ましくは120℃以下でのALD法で成膜することが好ましい。
特に、ALD法は、原子1層毎に成膜反応を完了させる形式であるので、通常のCVD法や蒸着法に比べて、非常に緻密で欠陥の少ない膜を作ることができる。また、部材へのガスの吸着が可能な箇所には成膜が可能なため、凹凸があるパターンの隔壁の側壁部分にも均一に成膜することができる。
また、スパッタ(PVD)法は、ターゲットの金属種をArイオンでたたき出すので、不純物が少ない膜を作成することができる。また、イオンを真空中でたたき出して成膜するので、基板との密着性も高い膜を成膜できる。更には、反応に熱を利用していないので、部材を冷却することも可能で、室温に近い温度でも成膜することができる。したがって、温度を上げることが困難な材料をノズル基材110に使用するときでも、液体への耐性を得ることができる。
また、ノズル101内及び圧力室103側の液体に接する面も表面処理膜120でコーティングすることが好ましい。
この場合、表面処理膜120の膜厚は、最も薄い部分で、少なくとも10nm以上、好ましくは25nm以上であることが好ましい。膜厚が薄くなりすぎると、ノズル基板110に欠陥があった場合、欠陥部を覆うことが困難になる。
また、ノズル101内にも表面処理膜120を成膜するとき、ノズル101の内径(ノズル径)を大きく変化させるほどの厚い膜であることは好ましくない。したがって、表面処理膜120は、少なくとも200nm以下、特に50nm以下であることが好ましい。
上述した膜厚の表面処理膜120をノズル基材110の表面に成膜する場合、上述したように、160℃以下、好ましくは120℃以下でのALD法で成膜することが好ましい。
ALD法は、単分子層レベルでの制御が可能で、表面反応による成膜のため、図4に示すように垂直壁や傾斜面がある部材に対しても非常に均一な膜を成膜することができる。
また、利用するソースガスの種類によって、反応性は異なり、160℃以下での成膜の場合、金属の周りに配位する官能基が、−C、−Cl、−(N(CH)等が挙げられる。低温での反応性は−(N(CH)等のアミノ系ガスが優れている場合が多い。
また、反応させるガスとしては、一般にOプラズマ、HOが挙げられる。Oプラズマの場合、反応性は高いが、プラズマ中に形成されるOがソースガスを分解するため、副生成物が発生しやすい。160℃以下の低温処理の場合、前記副生成物が装置のチャンバ内や部品基板に再付着しやすく、パーティクルの発生を招き、歩留まりを低下させる要因となりうる。
これに対し、HOは、反応は加水分解のみなので、副生成物の発生を抑制することができる。また、反応時には、表面処理膜の表面にOH基が生成されやすく、次の成膜サイクルでソースガスが導入された際に、基板へのソースガスの付着を促すことができるので、低温成膜には特に有利である。ソースガスにペンタジメチルアミドタンタル(PDMA−Ta)を利用した場合、80℃でも均一な成膜が可能である。ただし、成膜速度は遅いので、量産時は複数の部品を同時に処理するバッチ処理で実施するのが好ましい。
また、ALD法は、原子層レベルでの成膜制御が可能な工法である。良好な条件で成膜すれば、均一な単原子層を形成することも可能となる。
次に、表面処理膜120を成膜する工法として、スパッタ法を用いた場合であるが、この場合は、図5に示すように、垂直壁やエッジ部への成膜では膜厚に偏りが生じる。
厚く成膜されるのが好ましくないノズル101の内側表面(壁面)には相対的に薄く成膜することができ、インクと触れ続けるノズル板102の液室部品側表面に合わせて膜厚を設定したとしても、ノズル径が変動することを抑制することができる。
また、スパッタ法は、金属ターゲットにArイオンを打ち込み、同時にOガスを導入することで金属を酸化させる反応性スパッタ法を用いることから、表面処理膜120中に不純物が取り込まれづらい。したがって、不純物量の少ない純粋な酸化膜を成膜することができる。
次に、有機撥液膜121と表面処理膜120に関して、以下のような試験で評価した。
<有機撥液膜の製造方法>
インクを構成する成分として、親水性有機溶剤や水分が有機撥液膜121と表面処理膜120の界面に浸透することで剥離を促進し密着強度を低下させる原因となっている。そのため、有機撥液膜121と表面処理膜120の界面へインクの浸透を抑えることが重要となる。
インクの浸透を抑制するには有機撥液膜121の撥液性を向上させインクの付着・浸透を抑えこむことが必要となる。
ここでは、蒸着装置を用いてノズル部材102の表面(表面処理膜120の表面)に有機撥液膜121を形成する。ただし、成膜方法としては蒸着に限るものではなく、同じ気相成膜法であるスパッタに代表されるPVD、CVD、液相成膜法であるディッピング、スピンコート、ディスペンサー等を用いてもよい。
有機撥液膜材料としては、シリコーン系やフッ素系材料がよく知られているが、ここでは、フッ素系材料を用いた。本発明に使用できる含フッ素有機物質は、平均して1個以上のフッ素原子を含む単位モノマーの重合体又は共重合体であって、被膜形成能のある有機高分子であれば使用できる。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、トリフルオロクロロエチレン重合体、トリフルオロクロロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライドフルオロポリエーテル重合体、ポリフルオロシリコーン、脂肪族環構造を有するパーフルオロ重合体等を挙げることができる。
上記含フッ素有機物質の中で、パーフルオロ系高分子が好ましく、更に少なくとも1個の二重結合もしくは三重結合炭素、−COOH基、OH基、または、−Si(OR)基を分子内に含むことが好ましい。Rは炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
このパーフルオロ系高分子を用いることにより、表面処理膜120との密着性に優れる。
好適に用いられる含フッ素有機物質として、主鎖末端に−Si(OR)基を有するフルオロアルキルシランTSL8257(商標、GE東芝シリコーン社製)、主鎖に脂肪族環構造を有するアモルファスパーフルオロ重合体であるサイトップ(商標、旭硝子社製)が挙げられる。
次に、蒸着法を用いた含フッ素薄膜を有する基材(表面処理膜120を成膜しているノズル基材110)の製造方法について説明する。
(1)被膜基材の脱脂洗浄:被膜基材を予め洗浄する。洗浄はアセトンなどによる有機溶剤による洗浄、イソプロピルアルコール(IPA)などによるブラシ洗浄、その他超音波洗浄などを基材の種類に応じて行なう。
(2)ターゲットおよび被膜基材のセッティング:含フッ素有機物質をアルミナ被覆バスケット型蒸着ボートに充填し、ノズル板102のノズル形成面側を上にして装着する。
(3)成膜装置の排気:装置内圧が10−2〜10−4Paとなるまで排気する。装置内圧は 5×10−3Pa以下とすることが好ましい。
(4)含フッ素薄膜の形成:蒸着ボート電流を5Aに設定し,50℃まで加熱し溶剤を除去し、次に電流を10Aに上げ、400℃に昇温し、3分間保持する。
薄膜として実用的な範囲は、50〜2000nmであり、好ましくは、100〜200nm である。
ここでは、有機撥液膜121は、真空蒸着により成膜している。
フッ素系撥液材料としては、ここではパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)を5nm〜20nm厚に蒸着することで必要な撥液性を得ている。
有機撥液材料の蒸着後、蒸着チャンバーより取り出すと、空気中水蒸気によりフッ素系撥液剤と表面処理膜120とが、空気中の水分により加水分解がなされ。化学的結合し、フッ素系有機撥液膜121が形成される。
<表面処理膜について>
前記有機撥液膜121の成膜の前に行う部品への表面処理としては、OH基若しくはシラノール基を有するものに対しては、SiO、SiTaOx、SiZrOx、SiHfOx等、シリコンを含んだ酸化膜が非常に有効であり、工法としては蒸着法、スパッタ法、CVD法、ALD法等の薄膜形成が容易な処理が効果的である。
<インクに関して>
インクは、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤及び着色剤を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
・水溶性有機溶剤
インクとして、水溶性有機溶剤に水溶性アミド化合物を含有し、必要応じて下記に記載する水溶性有機溶剤を混合して用いることができる。
水溶性アミド化合物は多くの有機化合物や無機塩を溶解することが可能な極性溶媒となっており、水から有機溶剤へ幅広く混合することが可能である。そのためメディアに対する濡れ性や溶解性、他の成分の混和安定性などを向上させる効果が得られる。
このような水溶性アミド化合物としては、例えば環状アミド化合物として、2−ピロリドン(bp250℃)、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)、γ−ブチロラクトン(bp204―205℃)など、非環状アミド化合物として、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176―177℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(bp165℃)などが挙げられる。
また非環状アミド化合物の一種である下記一般式で示されるアミド化合物も含まれる。
Figure 0006217170
上記一般式のアミド化合物は、アルキル基の長さによって親水性が異なっており、水や有機溶媒への混和性が異なってくる。
アルキル基がメチル基のアミド化合物は、沸点が216℃と高く、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量も39.2wt%高く、しかも液粘度が25℃環境で1.48mPa・sと非常に低い。さらに、水溶性有機溶剤及び水に非常に溶解し易いので、インクが低粘度化可能となり、インクに用いる水溶性有機溶剤としては非常に好ましい。このアミド化合物を含有させたインクは、保存安定性、吐出安定性が良好なインク、且つ、維持回復装置に優しいインクとなる。
また、アルキル基がブチル基のアミド化合物は、水へ自在に溶解し流動パラフィンやn−ヘキサンの溶解性があり、沸点が252℃と高く、インクへの浸透向上剤や可溶化剤として添加することが可能である。
これらのアミド化合物は何れも溶解性が高く、従来の接着剤に対しても溶解性が高いためインクへの添加量を増やすことが困難であった。そのため積層型ヘッドのような接着剤を用いているヘッドでは、使用するインクへのアミド化合物の添加量は10重量%以下であり、多量の添加は積層間の接着剤を攻撃してしまい十分な強度が得られない問題点があった。
前記接着剤を用いたヘッドの場合は、前記インク中におけるアミド化合物の含有量は、20重量%以上添加することが可能となる。
このようなアミド化合物の添加量は、印字画像のベタ均一性の面から20重量%以上が好ましく、60重量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
また、上記アミド化合物と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上である多価アルコールを少なくとも1種類以上を含み、例えば前記のように、平衡水分量及び沸点がかなり高い湿潤剤A(湿潤剤Aは、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上、沸点が250℃以上のもの。湿潤剤Aの平衡水分量は、40wt%以上であることが好ましい)、および、平衡水分量は高いが沸点が比較低い湿潤剤B(湿潤剤Bは、23℃、80%での平衡水分量が30wt%以上で、沸点が140℃〜250℃のもの)を含有することが好ましい。
該多価アルコール中、常圧で沸点250℃を越える湿潤剤Aとしては、1,2,3−ブタントリオール(bp175℃/33hPa、38wt%)、1,2,4−ブタントリオール(bp190−191℃/24hPa、41wt%)、グリセリン(bp290℃、49wt%)、ジグリセリン(bp270℃/20hPa、38wt%)、トリエチレングリコール(bp285℃、39wt%)、テトラエチレングリコール(bp324―330℃、37wt%)等が挙げられ、沸点140−250℃の湿潤剤Bとしてはジエチレングリコール(bp245℃、43wt%)、1,3-ブタンジオール(bp203−204℃、35wt%)等が挙げられる。
これら湿潤剤A、湿潤剤Bは、いずれも、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上の吸湿性が高い材料であり、ただ、湿潤剤Bは、湿潤剤Aよりも、蒸発性が比較的高いことも事実である。特に好ましくはグリセリン、1,3−ブタンジオールからなる群から選択されたものが挙げられる。
湿潤剤Aと湿潤剤Bの組合せを用いる場合、湿潤剤Aと湿潤剤Bとの含有量比B/A(質量比)は、他の添加剤の種類や量にも少なからず依存するので、一概に云えないが、例えば10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。
平衡水分量は、塩化カリウム/塩化ナトリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度を温度23±1℃、相対湿度80±3%に保ち、このデシケーター内に各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを保管し、飽和する水分量を求めたものである。
飽和水分量(%)=(有機溶剤に吸収した水分量/有機溶剤+有機溶剤に吸収した水分量)×100
上記多価アルコールを水溶性有機溶剤全体の50wt%以上用いた場合が吐出安定性確保やインク吐出装置の維持装置での廃インク固着防止に優れている。
また、インクには、上記湿潤剤A、B以外にも、必要に応じて湿潤剤A、Bの一部に代えて、または湿潤剤A、Bに加えて、その余の有機溶剤を併用することができる。
併用可能な有機溶剤としては、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性有機溶剤が含まれる。
前記多価アルコール類としては、例えば、ジプロピレングリコール(bp232℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、プロピレングリコール(bp187℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、エチレングリコール(bp196−198℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、ポリエチレングリコール(粘調液体 0固体)、ポリプロピレングリコール(bp187℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253−260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、トリメチロールエタン(固体、mp199−201℃)、トリメチロールプロパン(固体、mp61℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(BP194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp197℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N,N-ジメチルモノエタノールアミン(bp139℃)、N-メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N-メチルエタノールアミン(bp159℃)、N-フェニルエタノールアミン(bp282−287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
その他の固体湿潤剤としては、糖類などが好ましい。
該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。
これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
・着色剤
着色剤については、耐候性の面から主として顔料が用いられるが、色調調整の目的で同時に染料を、耐候性を劣化させない範囲内で含有しても構わない。
無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロ-、カドミウムレッド、クロムイエロ-に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、特に、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。
これらの顔料のうち、好ましい形態としては、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。そのためには、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいはまた、次亜ハロゲン酸および/またはその塩を用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。なかでも好ましい形態は、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散されている形態である。これも顔料が表面改質されカルボキシル基が結合しているために、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。
またこの形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行えるようになる。またこの自己分散型の顔料は、後述する界面活性剤及び浸透剤と組み合わせた時に、特に相乗効果が大きく、より信頼性の高い、高品位な画像を得ることが可能となる。
上記形態の顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することも可能である。顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、及び/またはポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入及び/または吸着している必要はなく、該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーである。
また、顔料のみでなく、水溶性染料を併用することも可能であり、特に好ましいのは、酸性染料及び直接性染料である。
インク中の着色剤の添加量は、1〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜12重量%程度である。
・界面活性剤
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体例として以下に挙げるものが好適に使用されるが、これらに限定されるわけではない。ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
また、アセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル-4-オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)をもちいることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーおよびこの硫酸エステル塩、フッ素系脂肪族系ポリマーエステルが挙げられる。
このようなフッ素系界面活性剤として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、FT−110、250、251、400S(ネオス社製)、ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(Dupont社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(OMNOVA社製)などがある。
前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、単独で用いても、複数のものを混合して用いてもよい。単独では記録液中で容易に溶解しない場合も、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
界面活性剤総量として浸透性の効果を発揮するためには0.01〜5重量%含有していることが望ましい。界面活性剤総量が0.01重量%未満では添加した効果は無く、5.0重量%より多い添加では記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生する。多くの物性の普通紙に対応するためにも0.5〜2重量%がより好ましい。
・浸透剤
浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2重量%以上5.0重量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
このようなポリオ−ルのうち、脂肪族ジオ−ルとしては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオ−ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオ−ル、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオ−ル、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオ−ル、5−ヘキセン−1,2−ジオ−ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ルなどが、具体例として挙げられる。
これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ル及びまたは2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオ−ルである。
その他の併用できる浸透剤として、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類などが挙げられるが、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば、これらに限らない。
浸透剤として水への溶解度が低いものであっても、前述のアミド化合物にて可溶化されてインクから析出しないものであれば、浸透剤として利用可能である。従来のインクではアミド化合物の添加量が少なかったため可溶化効果が少なかったが、上述したインクではアミド化合物を多く添加できるため、従来では使用できなかった難溶性有機物も添加することができる。そのため浸透が困難であった印刷用コート紙などにも浸透させることが可能となる。
浸透剤の添加量としては0.1〜4.0%の範囲が望ましい。添加量が0.1%よりも少ないと、速乾性が得られず滲んだ画像となる。逆に添加量が4.0%よりも多いと着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生する。
・水分散性樹脂
水分散性樹脂としては、縮合系合成樹脂(ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂など)や付加系合成樹脂(ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂など)、天然高分子(セルロース類、ロジン類、天然ゴムなど)を用いることができ、樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用して複合系樹脂として用いても良く、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンの何れのものも使用できる。水分散性樹脂としては、樹脂自身に親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。特にポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化および懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合、不飽和単量体、重合開始剤、及び界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、pH調整剤などを添加した水にて反応を行い樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。使用可能な不飽和単量体としては不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独および複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
不飽和単量体を単独および複数組み合わせて用い、重合開始剤にて樹脂化することで柔軟に水分散性樹脂の性質を改質することが可能である。またこのような水分散性樹脂は強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が望ましい。特に水分散着色剤との混和性からpHが6〜11が好ましく、pHが7〜9がより好ましい。
水分散性樹脂の粒径は分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径は50nm以上が望ましい。また、粒径が数十μになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル径より小さくとも、粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させることは知られている。インク吐出性を阻害させないために平均粒子径は500nm以下が好ましく、特に150nm以下が好ましい。
水分散性樹脂は水分散着色剤を紙面に定着させる働きを持ち、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが望まれている。そのためには最低造膜温度(MFT)が常温以下であることが好ましく20℃以下であることが望ましい。しかしガラス転移点が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移点が−30℃以上の水分散性樹脂であることが望ましい。
その他インクに添加する添加剤としては、防腐紡黴剤やpH調整剤、キレート剤、防錆剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
pH調整剤としては、調合される記録液に悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、消泡剤などが挙げられる。
・pH調整剤
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
・防腐防かび剤
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
・キレート剤
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
・防錆剤
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
・消泡剤
消泡剤としては、シリコーン消泡剤、ポリエーテル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤などが挙げられる。また一般的な消泡剤を併用し、破泡効果を高める観点から無機微粒子を多量に含有するものを使用する場合、該消泡剤を用いた前記記録用インクが、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が1個数%以下である必要があることから、前記無機微粒子を必要に応じて適宜除去等すればよい。
・インクについて
インクは、着色剤、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、界面活性剤、浸透剤、水分散性樹脂及び水、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は3〜20mPa・sが好ましい。
インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
インクの表面張力としては、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。前記表面張力が、35mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。
これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
次に、本発明の具体的実施例について、評価実験を行った。サンプルの作製方法、評価方法を以下に説明する。
(表面処理膜の製造例)
剥離試験用のサンプル、インク溶解性試験用のサンプルに表面処理を施した。表面処理膜としては、SiO2膜にAl、Zr、Ta、Ti、及びWを導入したもので、SiとAl、Zr、Ta、Ti及びWの元素比率を振って、評価を行った。成膜方法は、多元スパッタ法を用い、SiとAl、Zr、Ta、Ti及びWのターゲットをセットし、各ターゲットのパワーを変更することで元素比率を調整して、配合比の異なる部材を作製した。表1に、表面処理膜の組成(酸化膜中の各元素比率)を示している。
Figure 0006217170
(インクジェットインクの製造例)
<ポリマー溶液Aの調整>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
<顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調整>
ポリマー溶液A28gとC.I.ピグメントブルー15:3を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料分20%のシアンポリマー微粒子の水分散体を得た。
<顔料樹脂分散液の調整>
ジョンクリル679(BASF製、分子量7000、酸価200)を7.7g、トリエタノールアミン22.5g、2−プロパノール0.8gと水331gと攪拌し溶解した均一な状態とする。そこにC.I.ピグメントブルー15:3を155gを撹拌しながら混合して、ビーズミルにて顔料を2時間分散する。純水483gを添加して超遠心分離機で粗大粒子を除去して、顔料分15.5%の青色顔料分散液を得た。
インクの製造は以下の手順で行ったが、これに限定されるものではない。まず、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、水を混合し一時間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して色材、消泡剤を添加し、一時間攪拌する。この分散液を0.8μセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して評価に用いるインクを得た。
インク組成を表2に示している。上記方法で調合し、評価用インクとした。
Figure 0006217170
(有機撥液膜の製造例)
有機撥液膜121は真空蒸着により成膜する。ここでは、有機撥液膜121の有機撥液材料としてフッ素系撥液材料を用いた。
フッ素系撥液材料としては、ここではパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)を5nm〜20nm厚に蒸着することで必要な撥液性を得ている。
有機撥液材料の蒸着後、蒸着チャンバーより取り出すと、空気中水蒸気によりフッ素系撥液剤と表面処理膜120とが、空気中の水分により加水分解がなされ化学的結合し、フッ素系有機撥液膜121が形成される。
(表面処理膜の評価方法)
なお、成膜条件などは各実施例、比較例に記載した。
・後退接触角測定方法
後退接触角は、拡張収縮法を用いて測定する。例として、以下のように行う。
まず、ガラス製1mlのシリンジに評価用液体を充填し、シリンジ及びニードル内の気泡を排出する。
次に、マイクロメータを用いてシリンジを150μm押し込み、ニードル先端に約4.2μlの液滴を形成する。
さらに、シリンジ(ニードル)を下降させ、ニードル先端の液滴をノズル板表面に接触させる。
その後、マイクロメータを用いてシリンジを50μm押し込み、約1.4μlの評価用液体を供給する。
この時、インク滴が膨らみ、インク接触径が拡張する。
拡張後、マイクロメータを用いて、約10μm/sの速度で、インク接触径が縮み始めるまでインクを吸引する。
インク滴の接触径が縮み始めた時点で、インクの吸引を止め、ノズル板とインクの接触角を求める。
・ワイピング試験
有機撥液膜121の耐久性については、ワイピング試験により求める。
ワイピング試験は以下のように行う。
ノズル板有機撥液膜表面に評価用液体を25μl滴下する。
次に、液体を滴下した箇所に、ゴムのパッドを3Nの押し圧にて押し付ける。
次に、ゴムパッドを押し付けたまま、ノズル板を100mm/sで300回往復運動させることで、有機撥液膜表面を擦傷する。
その後、ノズル板を取り出し、表面の評価用液体を除去する。
ノズル板の擦傷した箇所に対して上記記載の後退接触角測定を行う。
(i)初期密着性:ワイピング試験後の後退接触角試験にて評価した。
実施例の表面処理膜120上に有機撥液膜121を成膜したサンプルに対して、ワイピング試験よって擦負荷を与えた後、接触角計((株)協和界面製)にて後退接触角を測定し、擦負荷後の撥液性を評価することで、表面処理膜120と有機撥液膜121の初期密着性を評価した。
評価結果は、A:35°以上、B:30°以上、C:25°以上、D:25°未満とし、25°以上(A〜C)を要求仕様とした。
(ii)密着信頼性:初期密着性評価後のサンプルで耐インク試験(インク浸漬、60℃、2ヶ月)を実施し、その後(i)と同様にワイピング試験と後退接触角試験を行い、表面処理膜120と有機撥液膜121の密着信頼性を評価した。
評価結果は、A:35°以上、B:30°以上、C:25°以上、D:25°未満とし、25°以上(A〜C)を要求仕様とした。
(iii)インク溶解性:比較例、実施例の表面処理膜を50nm成膜したシリコン基板を1cm×5cmに切断し、浸漬用サンプルとした。
前記サンプルをインクに浸漬した(60℃ 2か月)。
評価結果は、残存膜厚が、A:45nm以上、B:25nm以上、C:25nm未満とした。実際のインクジェットヘッドにおいては、表面処理膜上に有機撥液膜が形成された状態でインクに接触し、直接表面処理膜がインクに接触するわけではないため、この評価結果については参考値として扱った。
(インクジェットヘッド吐出評価)
インクジェットヘッドに関しては、上記説明に準じたヘッドを実施例の表面処理膜を用いて評価用のインクジェットヘッドとした。作製したインクジェットヘッドは、表3、表4に示すインクと表面処理膜の組合せに応じて評価を行った。インクジェットヘッドの評価内容と評価結果を以下に示す。
(a)インク充填性
インクジェットヘッドに対して、ヘッドにインクを供給できるように配管し、ノズル面側から50kPa、1分間吸引後、ヘッド面をメンテナンスし適切な負圧を形成して吐出させたときの、吐出率(吐出ノズル数/全ノズル数×100)を評価した。評価結果は、吐出率が98%以上をA、吐出率が90%以上をB、吐出率が90%未満をCとし、98%以上(A)を要求仕様とした。
(b)耐インク信頼性
インクを充填したインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月間放置し、放置後の吐出速度の状態を評価した。評価結果は、全ノズルの吐出速度が放置前の平均に対して±5%未満を満たす場合をA、±10%未満を満たす場合をB、それ以上の場合をCとし、±10%未満(A〜B)を要求仕様とした。
組成例1から組成例14まで表面処理膜の組成を変化させた場合として、実施例1から12の評価結果を表3に示している。また、組成例12に対して、耐インク試験をインク例16から18のインクを用いて行った場合として、実施例13から15の評価結果を表4に示している。
Figure 0006217170
Figure 0006217170
また、Zr又はTa含有SiO膜での、劣化試験前後における接触角の変化を図6及び図7に示している。
以上の結果から、比較例1、2では、初期密着性は仕様を満足するが、密着信頼性が低く、耐インク信頼性も要求仕様を満たさない。これは、インク溶解性の結果からも明らかなように、表面処理膜120のインク溶解により、表面処理膜120と有機説液膜121との界面が腐食されることで、密着性が低下若しくは消失し、樹脂撥液膜が剥がれた結果、撥液性が低下したためである。
また、前記の密着性の低下により、ノズル部分の撥液性が低下し、ノズル詰まりの原因となったり、吐出される液滴の起動を変化させる可能性があるため、ヘッドの吐出信頼性も大きく劣化する。
これに対し、実施例1、2、3、10に示すように、SiO膜にTiやW、Zr、Taを少量導入するだけで、密着信頼性、耐インク信頼性は比較例1の状態から大きく改善する。
これに対し、実施例3から7において、Zrを配合した場合の密着信頼性(劣化後接触角)の数値を図6に示す。前述の通り、Zrを5at%程度配合するだけで、密着信頼性、耐インク信頼性は大きく改善するが、図6からは劣化後接触角の数値が、Zr配合比の変化に伴いあるピークを有することがわかる。これは実施例6、7から明らかなように、Zrは密着性がSiOよりも低いことから、Zrの配合比が多くなると初期密着性の段階で接触角の数値が下がってしまい、結果的に劣化後接触角も低くなるためである。Zrの場合、初期密着性と密着信頼性とを兼ね備え、より耐インク信頼性を高めるためには、5at%〜13at%程度の割合の配合が好ましい。
また、実施例8から13では、Taを配合した場合の密着信頼性(劣化後接触角)の数値を図7に示す。前述の通り、Taをわずか2at%程度配合するだけで、密着信頼性、耐インク信頼性は大きく改善するが、図7からは劣化後接触角の数値が、Ta配合比の変化に伴いあるピークを有することがわかる。これはZrと同じ理由による。
Taは、ZrよりもOと強固に結びつき、安定な不動態膜を形成できるので、インクによる溶解への耐性が大変高く、少なくとも5at%以上では、2ヶ月の劣化試験後も全く溶解していない。
ただし、Taは安定な不動態膜を形成するので、配合比を増すと初期密着性が低下してしまうことが図7から見てとれる。Taの場合、初期密着性と密着信頼性とを確保するには2at%〜13at%程度の割合の配合が好ましい。
ところで、図6及び図7において、Ta,Zrとも含有量が2at%以下の表面処理膜120の方が5at%以上の表面処理膜120よりも初期密着性の接触角の数値は大きくなっており、SiO膜により近い組成の方が数値が大きくなっている。これはSiO膜により近い組成の方が密着性を確保できることを示す。ただし、インクに対する耐性は低くなる。
次に、上記の密着性と耐インク信頼性のトレードオフ関係を解消する本発明の第2実施形態について説明する。
まず、第1例として、表面処理膜120の有機撥液膜121と接する最表面側(有機撥液膜121との界面)においてのみSiの配合比を高く構成する。そして、表面処理膜120の内部は、最表面と比べてTa又はZrの配合比を高くする。つまり、表面処理膜120は、遷移金属に対するSiの配合比が、表面処理膜120の有機撥液膜121側の表面において、表面処理膜120の内部よりも高い構成とする。
ここで、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、表面処理膜120の最表面からノズル基材110方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果の一例を図8に示している。なお、ここでは、Zrのみ一例として示すが、他の金属も同様である。
この図8に示すように、表面処理膜120の最表面のみ、Siの配合比率が高く構成されている。
このような表面処理膜120を成膜する工法で有用な工法として、ALD法やスパッタ法(PVD)がある。ALDの場合、SiOとTaOx、またはZrOxを数ステップ毎に交互に成膜する方式を取るので、ステップ数の割合を変更することで、膜質を容易に制御できる。また、スパッタ法(PVD)の場合、SiとZr、Taの複数ターゲットを用いることがあるが、各ターゲットに掛けるパワーを変更することで膜質を制御できる。
このように、表面処理膜120は、遷移金属に対するSiの配合比が、表面処理膜120の有機撥液膜121側(有機撥液膜121との界面)において、表面処理膜120内部よりも高い構成とする。これにより、界面におけるSiOの存在比率を向上することができる。Si−O結合が増えることで、Si−OH基の生成や、有機撥液膜121に対するぬれ性が向上する。特に、Si−OX(XはCHまたはC)基を末端に持った撥液材料やOH基を末端に持った撥液材料との密着性が向上し、かつ、耐インク信頼性を有することができる。
次に、第2例として、同様に密着性と耐インク信頼性のトレードオフ関係を解消する膜構成として、表面処理膜120の有機撥液膜121側(有機撥液膜121との界面)においてのみOの配合比を高く構成する。
ここで、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、表面処理膜120の最表面から下部材(有機撥液膜121)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を図9に示している。なお、Zrのみ一例として示すが、他の金属も同様である。
この図9に示すように、表面処理膜120の最表面のみ、Oの配合比率が高く構成されている。
このような表面処理膜120を成膜する工法で有用な工法としても、ALD法がある。ソースガスを反応させるガスとしては、一般にOプラズマ、HOが挙げられる。この反応ガスの量を制御することにより、最表面においてのみOの比率を高くすることができる。
Oの配合比を高くすることで、最表面がより酸化膜になり水素結合濃度が高くなり、接合強度が向上する。
このように、表面処理膜120は、遷移金属に対するOの配合比が、表面処理膜120の有機撥液膜121側の表面側(有機撥液膜121との界面)において、表面処理膜120内部よりも高い構成とすることで、有機撥液膜121側の表面処理膜120の表面のOH基濃度が高くなり、水素結合による密着性の向上が期待できる。また、表面処理膜120内部における配合比率は、最表面と比較すると金属の比率が高くなっているので、同時に耐インク信頼性も確保することができる。
次に、表面処理膜120とノズル基材110との密着性の向上を図る本発明の第3実施形態について説明する。
まず、第1例として、表面処理膜120のノズル基材110側(ノズル基材110との界面)での組成を変更し、ノズル基材110側でSiの比率を高める。
ここで、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、表面処理膜120の最表面からノズル基材110方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を図10に示している。なお、Zrのみ一例として示すが、他の金属も同様である。
これにより、Si基板をはじめとして、Siとの相溶性の高い金属類、Si基板のほかには、Ni電鋳基板やSUS部材等との密着性を高めることができる。
このように、表面処理膜120は、遷移金属に対するSiの配合比が、表面処理膜120のノズル基材110側(ノズル基材110との界面)において、表面処理膜120内部よりも高い構成とする。これにより、Siがノズル基材110と中間層を形成しやすくなり、界面でノズル基材110と混ざり合うことにより、特に、Si基板、さらにはSiと相溶性の高い金属類を含んだSUS部材、Ni電鋳部材等の金属部材との密着性を向上させつつ、耐インク信頼性を持たせることができる。
次に、第2例として、表面処理膜120のノズル基材110側(ノズル基材110との界面)での組成を変更し、ノズル基材110側でOの比率を低下させる。
ここで、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、表面処理膜120の最表面からノズル基材110方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を図11に示している。なお、Zrのみ一例として示すが、他の金属も同様である。
これにより、Si基板をはじめとした、Siとの相溶性の高い金属類、Si基板の他には、Ni電鋳部材やSUS部材等との密着性を高めることができる。
このように、表面処理膜120は、遷移金属に対するSiの配合比が、表面処理膜120のノズル基材110側(ノズル基材110との界面)において、表面処理膜120内部と比べて高い構成とすることで、Siがノズル基材110と中間層を形成しやすくなり、界面でノズル基材110と混ざり合うことにより、特にSi基板、更にはSiと相溶性の高い金属種を含んだSUS部材、Ni電鋳部材等の金属部材との密着性を向上させつつ、耐インク信頼性を有することができる。
また、液体吐出ヘッドのノズル基材110の表面に表面処理膜120が形成され、表面処理膜120は、Siを含む酸化膜であり、酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含んでおり、表面処理膜上に有機撥液膜121を形成し、遷移金属に対するSiの配合比を、表面処理膜120の有機撥液膜121側の表面において、表面処理膜120の内部よりも大きく、ノズル基材110側の表面においては小さくし、遷移金属に対するOの配合比を表面処理膜120の有機撥液膜121側の表面において表面処理膜120の内部よりも大きく、ノズル基材110側の表面においても大きくすることで、インク浸漬前後のワイピング試験後の後退接触角を確認した結果、初期、及びインク浸漬後で高い後退接触角を得ることができた。
次に、表面処理膜の膜厚について説明する。
膜厚が厚くなると、膜の残留応力が増大し、膜中の結晶粒が大きくなることで欠陥が増加し、表面処理膜120のインクへの溶解性が上がってしまうため、インク浸漬による劣化が起こり、劣化後に密着性が低下し、撥液性の低下を引き起し、ヘッドの吐出信頼性に影響を及ぼすことになる。
したがって、表面処理膜の膜厚は200nm以下とすることが好ましい。
次に、本発明に係る画像形成装置の一例について図12及び図13を参照して説明する。図12は同装置の機構部の側面説明図、図13は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置である。左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持している。そして、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234を搭載している。記録ヘッド234は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する。そして、一方の記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、それぞれ吐出する。また、他方の記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、1ヘッド当たり4ノズル列配置とし、1個のヘッドで4色の各色を吐出させることもできる。
また、記録ヘッド234のヘッドタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニットによって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部を備えている。給紙部は、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備えている。分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備える。それとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)を備えている。また、維持回復機構281は、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置している。この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙される。そして、用紙242は、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送される。さらに、用紙242は、先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対して交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。この帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えるので、高画質画像を安定して形成することができる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味である。被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
100 液体吐出ヘッド
101 ノズル
102 ノズル板
103 圧力室
104 流路板
105 振動板
110 ノズル基材
120 表面処理膜
121 有機撥液膜
140 電気機械変換素子
233 キャリッジ
234a、234b 記録ヘッド

Claims (10)

  1. 液滴を吐出するノズル部材を有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズル部材は、ノズル基材の表面に表面処理膜が形成され、
    前記表面処理膜は、Siを含む酸化膜であり、
    前記酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含み、前記Siと前記遷移金属とがOを介して結合された膜であり、
    前記表面処理膜上に有機撥液膜が形成されている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するSiの配合比が、前記表面処理膜の前記有機撥液膜側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するOの配合比が、前記表面処理膜の前記有機撥液膜側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも高い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するSiの配合比が、前記ノズル基材側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも高い
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するOの配合比が、前記ノズル基材側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも低い
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記表面処理膜は、第4族又は第5族から選ばれる遷移金属を少なくとも一種以上含んでいることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記表面処理膜は、Hf、Ta、Zrのうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記表面処理膜は、膜中にSiを17at%以上含んでいることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記表面処理膜は、膜中に前記遷移金属種を2at%以上含んでいることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  10. 請求項1ないし9の記載のいずれか液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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