JP6194767B2 - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置、例えばインクジェット記録装置が知られている。
液体吐出ヘッドにおいて、液体の流路(インク流路)は、流路を形成する部品(以下、「流路形成部材」という。)を接着剤で接合して形成される。この場合、接着界面(接合界面)は、微小領域ではあるが、インクに暴露されているので、インクと接触している接液状態においても、流路形成部材同士が剥がれることなく、接着機能を満足させる必要がある。
また、流路形成部材のようにインクに接触する部材が、例えば、インクによって溶出、膨張すると、滴噴射特性が大きく変化し、画像品質を良好に保てなくなる。
そこで、流路形成部材の表面に接着性を向上させることができる表面処理膜を形成したり、プラズマ照射によって流路形成部材の表面を活性化させたりすることが行われている。
例えば、ポリイミドやポリパラキシレン等の有機膜を表面処理膜として形成するもの(特許文献1)、SiO2膜を表面処理膜として形成するもの(特許文献2)などが知られている。
また、基板(基材)と接合膜とを有し、対向基板(他の被着体)に対して接合可能な部材であって、接合膜は、金属原子と、金属原子と結合する酸素原子とを含み、その表面付近に、金属原子および酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基が導入され、紫外線の照射により、表面付近に存在する脱離基が、金属原子および酸素原子の少なくとも一方から脱離して、接合膜の表面に対向基板との接着性が発現し得る膜としたものが知られている(特許文献3)。
特開2012−91381号公報 特開2004−98310号公報 特開2009−46541号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、表面処理膜として有機膜を使用した場合、有機膜では水分の透過を完全には遮断できないため、インクなどに腐食され難い材料を流路形成部材として使用しなければならないという課題がある。
また、表面処理膜としてSiO2膜は、強いアルカリ性の液体に対して水酸化物に変化し、イオン化されやすくなって、液体中に溶けだしてしまい、結果として流路形成部材が損傷するという課題がある。
なお、Ni、Tiなどの金属やSUSなどの合金材を表面処理膜に利用する場合もあるが、金属膜は酸性の液体に触れると酸化され、イオン化されやすくなることが多く、SUSのように溶解しづらい材料の場合、接着剤との接着機能が損なわれるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、接着剤との接着性の向上と耐液性の向上との両立を図ることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液体の流路を形成する流路形成部材を接着剤で接合した液体吐出ヘッドにおいて、
前記流路形成部材の表面には、表面処理膜が形成され、
前記表面処理膜は、Siを含む酸化膜であり、
前記酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含んでいる
構成とした。
本発明によれば、接着剤との接着性の向上と耐液性の向上との両立を図ることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態の説明に供する断面説明図である。 図1のA部の一例を示す拡大断面説明図である。 図1のA部の他の例を示す拡大断面説明図である。 ALD法による凹凸がある部材に対する成膜の説明に供する説明図である。 流路パターンをエッチングで形成したSi基板にALD法でSiO2にTaを導入した表面処理膜を成膜したサンプルの断面観察写真の一例を示す説明図である。 スパッタ法による凹凸がある部材に対する成膜の説明に供する説明図である。 Si基板にスパッタ法で成膜した表面処理膜の不純物の比較をXPSで実施した結果の一例を示す説明図である。 Si基板にALD法で成膜した表面処理膜の不純物の比較をXPSで実施した結果の一例を示す説明図である。 Zr含有SiO2膜での劣化試験前後における接着強度の変化の一例の説明に供する説明図である。 Ta含有SiO2膜での劣化試験前後における接着強度の変化の一例の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態の一例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(流路形成部材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 同実施形態の他の例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(流路形成部材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 本発明の第3実施形態の一例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(流路形成部材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 同じく他の例の説明に供する表面処理膜の最表面から下部材(流路形成部材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す機構部の側面説明図である。 同機構部の要部平面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は同ヘッドの断面説明図である。
この液体吐出ヘッド100は、液滴を吐出するノズル101が形成されたノズル板102と、ノズル101が連通する流路(圧力室)103を形成する流路板104と、圧力室103の壁面の形成する振動板105とが積層されている。ここで、ノズル板102、流路板104、振動板105は、接着剤接合されて流路を形成する流路形成部材である。
そして、振動板105の圧力室103と反対側の面に電気機械変換素子140からなる圧電アクチュエータが設けられている。
電気機械変換素子140は、振動板105上に、密着層としての酸化物電極141、第1の電極(下部電極)142、電気機械変換膜144、第2の電極(上部電極)145を順次積層形成したものである。
第1の電極142、第2の電極145は、例えば、Pt、Au等の導電性の高い材料で形成している。電気機械変換膜144はPZTで形成している。流路板104はシリコンで、ノズル板102はSUS、ニッケル或いはポリイミドなどにより形成している。
次に、この液体吐出ヘッドの接着剤接合部分の詳細について図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3は異なる例を示す図1のA部の拡大断面説明図である。
ノズル板102と流路板104とは接着剤113によって接合されている。
ここで、ノズル板102、流路板104の接着剤113による接着面を含めて表面には、それぞれ表面処理膜112が成膜されている。なお、図2は接着剤113の露出面に表面処理膜112が形成されていない例、図3は接着剤113の露出面に表面処理膜112が形成されている例である。図3の形態は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の表面反応を用いて、ノズル板102の接着後に、表面処理膜112を成膜することで得られる。
表面処理膜112は、Siを含む酸化膜であり、酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含んでいる。
ここで、表面処理膜112は、耐インク信頼性が高く、不動態膜を形成する遷移金属種と接着剤113との接着性を向上させるSiの複合酸化膜となっている。
接着剤113は、有機物の薄膜であるため、水分を透過する。そのため、表面処理膜112が耐インク信頼性を持たない場合、インクが接着剤113を介して、表面処理膜112を腐食させてしまい、接着剤113ごと剥離してしまう。
しかし、上記遷移金属種は、安定した酸化物を形成することができるので、水溶液中でも安定した状態を保てることで、インクに対して耐性を持つことができる。
また、Siを含む酸化膜は、接着剤113中に含まれるアニオン系の硬化剤、シランカップリング剤と相性が良く、表面処理膜112と接着剤113との接着性を向上させる。
このように、流路形成部材の表面には、表面処理膜が形成され、表面処理膜は、Siを含む酸化膜であり、酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含んでいる構成とすることで、表面処理膜112と接着剤113との界面の接着性の向上及び耐インク信頼性の向上の両立を図ることができる。
つまり、SiO2を含むことで、部材との密着性が高く、かつ接着剤との接着性も、アミン系硬化剤やシランカップリング剤を用いることで耐水性の高い接着力を確保できる。また、不動態膜を形成することで、表面処理膜112は、表面に安定した耐腐食性膜が形成されるため、液体に触れても、長期的に安定する。
また、遷移金属は、d軌道ないしf軌道などの内殻軌道に空位の軌道を持つことで、複数の酸化数を取ることができる。そのため、表面処理膜112に遷移金属種を含むことにより、膜全体の酸化数への対応性が増すことで酸素原子の過不足への許容幅が広くなり、膜中の酸素数の欠損や過剰に対して高い安定性を示す。
遷移金属を含まない場合には、酸素原子の過不足による表面処理膜112の欠陥が生じ、欠陥はエネルギー状態が高いため溶解が起こり易くなる。これに対し、遷移金属を含むことで、表面処理膜の欠陥を低減でき、酸化膜の安定度が上昇し、液体への溶解性を低減することができる。
このような遷移金属の中でも、バルブメタルのような不動態膜を形成する金属を用いると、表面処理膜112の溶解性をより低減させることができる。
不動態膜を形成する金属としては、酸化数への対応性が高い遷移金属であるのタンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タングステンが好ましい。
また、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウムは、接触する液体のpHが酸性、アルカリ性に関わらず、非常に安定した酸化膜を形成するので、酸性、アルカリ性によらず状態を保つことができるという利点がある。
言い換えれば、表面処理膜112は、不動態膜を形成する第4族及び第5族属遷移金属を含んでいることが好ましい。不動態膜を形成する第4族及び第5族遷移金属は第4族であるSiと似た電子軌道を持っており、SiO2膜に導入することで、第4属であるSiと似た電子軌道を持っており、Siと前記金属種とがOを介して、強く結合することができ、膜の充填性が向上し密な膜を形成できる。
そして、充填性向上に加えて、Si−O結合によって、強固な結合を表面処理膜中に存在させることで、液体に接触した際の腐食反応を抑制することができる。これにより、液体に耐性をもった酸化膜を形成でき、十分な耐性を確保し、ヘッドの信頼性を向上できる。
この場合、不動態膜を形成する第4族及び第5族遷移金属としては、Hf、Ta、Zrのうち、少なくとも1種以上を含んでいることが好ましい。
Hf、Ta、Zrのうち、少なくとも1種以上をSiO2膜に導入することで、遷移金属種は非常に強くOと結合し、不動態膜を形成する。この時、膜の充填性向上に加えて、不動態膜の機能を表面処理膜112中に存在させることで、酸性、アルカリ性両方の液体に接触した際の腐食反応を強く抑制することができる。これにより、酸性やアルカリ性の液体に耐性をもった酸化膜を形成できる。
また、表面処理膜112は、完全に酸化されていることが好ましい。これにより、表面処理膜112の結晶構造がアモルファスになり、液体に晒された際に、腐食が発生しやすい結晶の粒界が殆ど存在せず、液体に対して高い耐性を示すことができる。
また、表面処理膜112において、Siが膜中に17at%以上含まれていることが好ましい。表面処理膜112中にSiが17at%以上含まれていることで、完全な透明膜を作ることができる。好ましくは20%以上である。
これにより、アモルファス状態であって、金属種の偏在が少ない均一な膜を成膜することができ、部分的に結晶等が存在することを避けられ、液体に対して局所的に弱い部分を低減することができる。膜中のSiの含有量が少ない場合、他の金属種が凝集、結晶化し、膜質に偏りが生まれてしまう。偏りがあると、液体に触れた際にSiと他の金属種間で電池効果が生まれ、腐食反応が起きる場合がある。
ここで、表面処理膜112を形成する合金膜が完全に酸化されているかは、膜がアモルファス状態であるため、可視光を透過できるかで判別することができる。例えば、多波長タイプのエリプソメータを用いて、波長400〜800nmの範囲で減衰係数(k)が少なくとも0.1以下、好ましくは0.03以下であるとき完全に酸化されていると判断することができる。
また、表面処理膜112において、遷移金属は膜中に2at%以上含まれていることが好ましい。これにより、表面処理膜112の密度が確実に向上し、液体への耐性が向上する。より好ましくは、3.5at%以上でかつ13.5at%以下である。これにより、表面処理膜112は欠陥が少なく、かつ充填率の高い構造をとることができ、もって、インクへの耐性を得やすくすることができる。
膜の状態確認の方法としては、エリプソメータを用いて、屈折率が一定値であることで確認することができる。例えば、単膜での屈折率については、SiO2膜で1.4、Ta2O5膜では2.1であるので、表面処理膜112は、完全に酸化されている場合、屈折率は1.4から2.1の間の値になる。ただし、表面処理膜112中の金属種が完全に酸化されていない場合、透過率は低下し、屈折率は、上昇するので、屈折率と透過率の両方を管理することで所望の膜質を得ることができる。
つまり、表面処理膜112を構成する各金属酸化膜の屈折率が異なる場合には、合金の比率を屈折率で管理することが可能になる。これにより、非破壊、かつ、大気下での高速測定が可能になり、実際の量産工程においても、表面処理膜112の条件管理が容易になる。
次に、表面処理膜112を成膜する工法として、蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の薄膜形成が容易な工法を使用できる。特に、流路形成部材が加熱処理で変形するような材料で形成されているときには、スパッタ法や160℃以下、好ましくは120℃以下でのALD法で成膜することが好ましい。
特に、ALD法は、原子1層毎に成膜反応を完了させる形式であるので、通常のCVD法や蒸着法に比べて、非常に緻密で欠陥の少ない膜を作ることができる。また、部材へのガスの吸着が可能な箇所には成膜が可能なため、垂直壁やエッジ部がある部材にも均一に成膜することができる。
また、スパッタ(PVD)法は、ターゲットの金属種をArイオンでたたき出すので、不純物が少ない膜を作成することができる。また、イオンを真空中でたたき出して成膜するので、基板との接着性も高い膜を成膜できる。更には、反応に熱を利用していないので、部材を冷却することも可能で、室温に近い温度でも成膜することができる。したがって、温度を上げることが困難な材料を流路形成部材に使用するときでも、液体への耐性を得ることができる。
また、流路形成部材は、接合面以外の液体に接する面も表面処理膜112でコーティングすることが好ましい。このような構成にすることによって、耐接液性の低い部品や接着性向上材料は溶出しにくくなり、よって信頼性の高い構成を提供することができる。
この場合、表面処理膜112の膜厚は、最も薄い部分で、少なくとも10nm以上、好ましくは25nm以上であることが好ましい。膜厚が薄くなりすぎると、流路形成部材に欠陥があった場合、欠陥部を覆うことが困難になる。
また、流路形成部材としての振動板105の表面に表面処理膜112を成膜するとき、振動板105の動作特性に影響を与えるような厚い膜であることは好ましくない。したがって、表面処理膜112は、少なくとも200nm以下、好ましくは50nm以下であることが好ましい。
上述した膜厚の表面処理膜112を流路形成部材の流路壁面となる表面に成膜する場合、上述したように、160℃以下、好ましくは120℃以下でのALD法で成膜することが好ましい。ALD法は、単分子層レベルでの制御が可能で、表面反応による成膜のため、図4に示すように垂直壁や斜面壁がある部材に対しても非常に均一な膜を成膜することができる。
実際に流路パターンをエッチングで形成したSi基板にALD法で、SiO2にTaを導入した表面処理膜112を成膜したサンプルの断面観察の一例を図5に示している。この図5から分かるように、エッチングされたパターンの側壁部にも均一に成膜されていることが確認された。
また、利用するソースガスの種類によって、反応性は異なり、160℃以下での成膜の場合、金属の周りに配位する官能基が、−C2H5、−Cl、−(N(CH3)2)等が挙げられる。低温での反応性は−(N(CH3)2)等のアミノ系ガスが優れている場合が多い。
また、反応させるガスとしては、一般にO2プラズマ、H2Oが挙げられる。O2プラズマの場合、反応性は高いが、プラズマ中に形成されるO3がソースガスを分解するため、副生成物が発生しやすい。160℃以下の低温処理の場合、前記副生成物が装置のチャンバ内や部品基板に再付着しやすく、パーティクルの発生を招き、歩留まりを低下させる要因となりうる。
これに対し、H2Oは、反応は加水分解のみなので、副生成物の発生を抑制することができる。また、反応時には、表面処理膜の表面にOH基が生成されやすく、次の成膜サイクルでソースガスが導入された際に、基板へのソースガスの付着を促すことができるので、低温成膜には特に有利である。ソースガスにペンタジメチルアミドタンタル(PDMA−Ta)を利用した場合、80℃でも均一な成膜が可能である。ただし、成膜速度は遅いので、量産時は複数の部品を同時に処理するバッチ処理で実施するのが好ましい。
低温処理を行うことで、接着後の部分でも、接着層にダメージを与えることなく、表面処理膜112を成膜することが可能になる。
次に、表面処理膜112を成膜する工法として、スパッタ法を用いた場合であるが、この場合は、図6に示すように、垂直壁やエッジ部のある部材への成膜では膜厚に偏りが生じる。
また、スパッタ法は、金属ターゲットにArイオンを打ち込み、同時にO2ガスを導入することで金属を酸化させる反応性スパッタ法を用いることから、表面処理膜112中に不純物が取り込まれづらい。したがって、不純物量の少ない純粋な酸化膜を成膜することができる。
ここで、Si基板にスパッタ法とALD法(温度は100℃)で成膜した表面処理膜112の不純物の比較をXPSで実施した結果を図7(スパッタ法)及び図8(ALD法)に示している。
ALD法による場合には、5〜10at%程度の炭素が検出された。一方、スパッタ法による場合には、膜中では全く不純物が検出されなかった。不純物は、結晶の粒界に集まりやすいことから、液体によってエッチングが起きる場合、不純物が凝集した部分が起点になる可能性がある。不純物量が少ない膜は、より高い耐インク信頼性を得られるので、より薄い膜厚でも腐食耐性を確保できる。
次に、エポキシ接着剤及びインク、ヘッドについて説明する。以下において、「部」と「%」は重量基準である。なお、得られたインクジェットヘッドは以下のような試験で評価した。
<接着剤に関して>
インクを構成する成分として、親水性有機溶剤や水分が接着剤113や接着界面に浸透することで剥離を促進し接着強度を低下させる原因となっている。そのため、接着剤113へインクの
浸透を押さえることが重要となる。インクの浸透を抑制するには硬化後の構造面からは接着剤113の密度を向上させ接着剤113の膨潤を押さえ込むことと、化学面からはインクと合い交えない組成とし浸透を防ぐ事が必要となる。
エポキシ接着剤は複数のエポキシ基が3次元架橋を行うことで接着するため、他の接着剤113に比べて架橋密度が高く膨潤しにくいことが特徴となっている。そのため従来の水系インクに対して効果的な接着剤113となっている。
さらに、接着剤113の膜厚を3.0μm以下、好ましくは2μm以下に規定し、インク浸透
の経路を狭めることで、接着剤へのインクの浸透を制限でき、十分な製品寿命を確保する
ことができる。
また、3μm以下での接着剤膜厚での接着のため、界面強度を高めるためにカップリング剤が多量に必要となる。逆に添加量が少ないと接着剤の撥インク性が低くなってしまい、接着剤113へのインク浸透が引き起こされ接着強度が低下してしまう。
接着強度を高めるために、接着界面にアンカー剤を作用させてイオン結合や共有結合によって強固に接着剤113と部材を固定することが効果的である。接着部材が金属である場合、油性インクにおいては水素結合性にて強固に固定されるが、水性インクに対しては接着界面に浸透した水によって水素結合が切られてしまい接着強度が著しく低下してしまう。そのためにも共有結合を接着剤と部材間で持たせることが望ましい。
金属とエポキシ接着剤を共有結合で結合させるには、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤を使用することが効果的である。接着される金属部材表面にカップリング剤を直接処理しても良いし、またカップリング剤の結合性を高める表面処理を行ってからカップリング剤処理をしても強固な結合が得られる。
これらに用いるカップリング剤の例を以下に示す。
・シランカップリング剤
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランN−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(1,3−ジメチル−ブチリデン)−プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、N−(2−(ビニルベンジンアミノ)エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、1,2−エタンジアミン,N−{3−(トリメトキシシリル)プロピル)−,N−{(エテニルフェニル)メチル)誘導体・塩酸塩3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランシランカップリング剤の有機性基に関してはエポキシ樹脂と反応する官能基を有するものが好ましく、上記のカップリング剤はその一例である。
・チタネート系、アルミネート系カップリング剤
テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ポリ(ジ−i−プロポキシ・オキシチタン)、ポリ(ジ−n−ブトキシ・オキシチタン)、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(トリエタノールアミネート)チタン、イソプロピルトリ(N―アミドエチル・アミノエチル)チタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートチタネート系、アルミネート系カップリング剤は無機表面に高分子有機被膜を形成することで接着剤113の濡れ性を向上させて接着強度を向上させる。上記はチタネート系カップリング剤の一例であり限定されるものではない。
何れのカップリング剤であっても利用可能であるが、接着剤113、または表面処理膜112との相溶性から、好ましくはエポキシ基、もしくはアミノ基をもつカップリング剤のどちらか、もしくは併用が好ましい。
エポキシ接着剤を構成するエポキシ樹脂については、エポキシ基を有する多官能化合物を使用することで、三次元架橋を構成した硬化物が得られる。エポキシ樹脂としてはグリシジル基の結合部位によって、グリシジルエ−テル系、グリジルエステル系、グリシジルアミン系などと分けることができ、また結合母体となる化合物によっても幅広く化合物が得られている。接着剤に用いるエポキシ樹脂の種類は特に制限されず、結合材料とインクの特性に応じて最適なものを選択することが可能である。
インクに対して浸透性を抑制し膨潤することを無くすためには、エポキシ樹脂の親水性を低減させて三次元架橋を増やす必要がある。そのため膨潤に対してはグリシジルアミン系のような多官能エポキシや、ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化合物などが好ましい。ただし部材への濡れ性や吸着性の面を考慮する必要があり、複数の混合物としても良い。また金属への水素結合性からビスフェノールAのグリシジルエーテルが好ましく、分子量も大きいほど弾性に富む樹脂構成となり得るが、インクに対する膨潤や水素結合の切断もあるため、適切に混合して使用することが可能である。
エポキシ接着剤としては無溶剤で有って良いし、適度な粘度になるように希釈溶剤で希釈することも可能である。希釈溶剤としてはエポキシ基と反応性がある活性水素のある溶剤より活性水素のない溶剤が接着剤の保存性の面から好ましいが、部材への濡れ性や乾燥速度、粘度等の面から自由に選択することが可能であり、完全に溶解した状態ではなく分散した状態であっても乾燥時に接着剤層が形成されるなら、問題なく使用可能である。 溶剤の乾燥に関しては室温や、反応しない範囲での加温も可能である。また減圧乾燥を行うことも可能であり、減圧乾燥を行うことで高沸点の溶剤を使用してもエポキシ樹脂を反応させずに乾燥させることは可能である。
使用可能な溶剤はエポキシ樹脂、硬化剤、その他添加剤に応じて自由に選択することができるが、硬化反応を安定的に進めるためにも不純物が管理された溶剤が望ましい。
エポキシ接着剤には上記のエポキシ樹脂や硬化剤、溶剤、カップリング剤以外に、フィラーやその他のバインダー樹脂、粘度調整剤などを含んでもよい。フィラーとしてはシリカやアルミナのような無機粒子で有っても、メラミン樹脂やアクリル樹脂の樹脂微粒子で有っても良い。また粘度調整剤として高級脂肪酸アマイドなどを添加して、接着剤113の塗工にて適した粘度に調整することも可能である。また塗膜に泡による塗布斑が発生しないために抑泡剤や消泡剤を添加しても良い。
また、通常、上記のような高い架橋密度のエポキシ構造物は、ヤング率が大変高くなり、接着膜厚を薄くした場合に十分な接着力を得られることが困難であった。インク流路部の積層板における接着剤の膜厚を0.5μm以上、好ましくは1.0μm以上とすると規定することで、必要な接着力を確保することができる。膜厚を管理するためには、ギャップ剤、例えば粒径の管理されたシリカフィラーや樹脂を重合させたフィラーを利用することで、可能になる。
<表面処理膜について>
前記接着剤113塗布の前に行う部品への表面処理としては、シランカップリング剤に対しては、SiO2、SiTaOx、SiZrOx、SiHfOx等、シリコンを含んだ酸化膜が非常に有効であり、工法としては蒸着法、スパッタ法、CVD法、ALD法等の薄膜形成が容易な処理が効果的である。
<インクに関して>
インクとしては、水を主溶剤に用いている水性インク、反応性有機化合物を溶剤として構成しているUVインク、200℃以下で揮発しない溶剤を主溶剤に用いている油性インク、揮発性溶剤を主溶剤に用いているソルベントインクのいずれでも利用可能である。
<インクに関して>
インクとしては、水を主溶剤に用いている水性インク、反応性有機化合物を溶剤として構成しているUVインク、200℃以下で揮発しない溶剤を主溶剤に用いている油性インク、揮発性溶剤を主溶剤に用いているソルベントインクのいずれでも利用可能である。
≪水性インク≫
インクは、水、水溶性有機溶剤を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
・水溶性有機溶剤
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。また下記の固体湿潤剤も水溶性有機溶剤の一種として利用可能である。
これらの中でも、平衡水分量の高さから、炭素数が4以下のトリオール、炭素数が4以下のトリオールのポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコール類、及び1,3−プロパンジオールから選択される少なくとも1種の水溶性有機溶剤がこのましく、該水溶性有機溶剤の含有量が水溶性有機溶剤全体の20質量%以上が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。
前記含有量が、20質量%未満であると、インクの保湿力が少なくなるため乾燥しやすくなり、ヘッドメニスカス部にて乾燥によるインク中の溶解成分の析出、分散成分の凝集が引き起こされ、吐出不良となることがある。
前記炭素数が4以下のトリオールとしては、例えば、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリンなどが挙げられる。
前記炭素数が4以下のトリオールのポリエチレングリコールエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレン−1,2,3−ブタントリオールエーテル、ポリオキシエチレン−1,2,4−ブタントリオールエーテル、などが挙げられる。
前記ポリエチレングリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、PEG200、などが挙げられる。
これらの中でも、グリセリンは23℃、80%環境中の平衡水分量が49質量%と非常に高く、インクの乾燥を抑制し易く、水分を含んだときの粘度低下が大きいことから、ヘッドからの吐出安定性確保やヘッドの維持装置の廃インクの増粘抑制、維持装置への廃インク固着防止に優れるため好ましい。
このような平衡水分量が高く保湿性に優れた溶剤以外にも、必要に応じて、その他水溶性の溶剤を使用することができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、環状エーテル類、アミン類、アミド類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の有機溶剤などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、プロピルプロピレンジグリコール、などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記環状エーテル類としては、例えば、エポキシ類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、クラウンエーテルなどが挙げられる。
これらの中でも、オキセタン類、テトラヒドロフラン類が好ましく、水溶性の面からオキセタン類がより好ましい。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。
前記アミド化合物類としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
水溶性アミド化合物は多くの有機化合物や無機塩を溶解することが可能な極性溶媒となっており、水から有機溶剤へ幅広く混合することが可能である。そのためメディアに対する濡れ性や溶解性、他の成分の混和安定性などを向上させる効果が得られる。
また非環状アミド化合物の一種である下記一般式で示されるアミド化合物も含まれる。
Figure 0006194767
上記一般式のアミド化合物は、アルキル基の長さによって親水性が異なっており、水や有機溶媒への混和性が異なってくる。
アルキル基がメチル基のアミド化合物は、沸点が216℃と高く、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量も39.2wt%高く、しかも液粘度が25℃環境で1.48mPa・sと非常に低い。さらに、水溶性有機溶剤及び水に非常に溶解し易いので、インクが低粘度化可能となり、インクに用いる水溶性有機溶剤としては非常に好ましい。このアミド化合物を含有させたインクは、保存安定性、吐出安定性が良好なインク、且つ、維持回復装置に優しいインクとなる。
また、アルキル基がブチル基のアミド化合物は、水へ自在に溶解し流動パラフィンやn−ヘキサンの溶解性があり、沸点が252℃と高く、インクへの浸透向上剤や可溶化剤として添加することが可能である。
これらのアミド化合物は何れも溶解性が高く、従来の接着剤に対しても溶解性が高いためインクへの添加量を増やすことが困難であった。そのため積層型ヘッドのような接着剤を用いているヘッドでは、使用するインクへのアミド化合物の添加量は10重量%以下であり、多量の添加は積層間の接着界面を攻撃してしまい十分な強度が得られない問題点があった。
本発明の表面処理膜を用いたヘッドの場合は、前記インク中におけるアミド化合物の含有量は、20重量%以上添加することが可能となる。
このようなアミド化合物の添加量は、印字画像のベタ均一性の面から20重量%以上が好ましく、60重量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
また固体湿潤剤としては、糖類などが好ましい。
該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。
これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
前記有機溶剤のインク中における総含有量は、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜40質量%がより好ましい。前記総含有量が、15質量%未満であると、吐出安定性が低下する可能性がある。一方、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り乾燥定着に時間が掛かることがある。
・着色剤
被記録媒体を着色するために着色剤をインクに含んでも良い。着色成分を添加して調色することも可能である。使用する色材は顔料、染料共に使用可能であるが、光褪色の面から顔料を用いることが好ましいが、染料も使用可能である。
前記顔料としては、有機顔料、又は無機顔料を用いることができる。また色調調整の目的で同時に染料を含有しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが可能である。耐候性の面から主として顔料が好ましく用いられるが、色調調整の目的で同時に染料を、耐候性を劣化させない範囲内で含有しても構わない。
無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロ-、カドミウムレッド、クロムイエロ-に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、特に、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。
これらの顔料のうち、好ましい形態としては、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。そのためには、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいはまた、次亜ハロゲン酸および/またはその塩を用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。なかでも好ましい形態は、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散されている形態である。これも顔料が表面改質されカルボキシル基が結合しているために、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。
また、この形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行えるようになる。またこの自己分散型の顔料は、後述する界面活性剤及び浸透剤と組み合わせた時に、特に相乗効果が大きく、より信頼性の高い、高品位な画像を得ることが可能となる。
上記形態の顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することも可能である。顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、及び/またはポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入及び/または吸着している必要はなく、該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーである。
また、顔料のみでなく、水溶性染料を併用することも可能であり、特に好ましいのは、酸性染料及び直接性染料である。
インク中の着色剤の添加量は、1〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜12重量%程度である。
・界面活性剤
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体例として以下に挙げるものが好適に使用されるが、これらに限定されるわけではない。ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
また、アセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル-4-オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)をもちいることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーおよびこの硫酸エステル塩、フッ素系脂肪族系ポリマーエステルが挙げられる。
このようなフッ素系界面活性剤として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、FT−110、250、251、400S(ネオス社製)、ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(Dupont社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(OMNOVA社製)などがある。
前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、単独で用いても、複数のものを混合して用いてもよい。単独では記録液中で容易に溶解しない場合も、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
界面活性剤総量として浸透性の効果を発揮するためには0.01〜5重量%含有していることが望ましい。界面活性剤総量が0.01重量%未満では添加した効果は無く、5.0重量%より多い添加では記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生する。多くの物性の普通紙に対応するためにも0.5〜2重量%がより好ましい。
・浸透剤
浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2重量%以上5.0重量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
このようなポリオ−ルのうち、脂肪族ジオ−ルとしては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオ−ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオ−ル、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオ−ル、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオ−ル、5−ヘキセン−1,2−ジオ−ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ルなどが、具体例として挙げられる。
これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ル及びまたは2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオ−ルである。
その他の併用できる浸透剤として、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類などが挙げられるが、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば、これらに限らない。
浸透剤として水への溶解度が低いものであっても、前述のアミド化合物にて可溶化されてインクから析出しないものであれば、浸透剤として利用可能である。従来のインクではアミド化合物の添加量が少なかったため可溶化効果が少なかったが、上述したインクではアミド化合物を多く添加できるため、従来では使用できなかった難溶性有機物も添加することができる。そのため浸透が困難であった印刷用コート紙などにも浸透させることが可能となる。
浸透剤の添加量としては0.1〜4.0%の範囲が望ましい。添加量が0.1%よりも少ないと、速乾性が得られず滲んだ画像となる。逆に添加量が4.0%よりも多いと着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生する。
また、浸透剤は疎水性の強い有機物のため、ヘッドの接着層の接着剤に対しても親和性が高く浸透しやすい。積層型ヘッドのような接着剤を用いているヘッドでは、浸透剤の多量の添加は積層間の接着剤を通じて接着界面を攻撃してしまい十分な強度が得られない問題点があった。
本発明の表面処理膜を用いたヘッドの場合は接着界面の耐久力を向上させるため、多量の浸透剤を添加することが可能となる。
・水分散性樹脂
水分散性樹脂としては、縮合系合成樹脂(ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂など)や付加系合成樹脂(ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂など)、天然高分子(セルロース類、ロジン類、天然ゴムなど)を用いることができ、樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用して複合系樹脂として用いても良く、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンの何れのものも使用できる。水分散性樹脂としては、樹脂自身に親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。特にポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化および懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合、不飽和単量体、重合開始剤、及び界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、pH調整剤などを添加した水にて反応を行い樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。使用可能な不飽和単量体としては不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独および複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
不飽和単量体を単独および複数組み合わせて用い、重合開始剤にて樹脂化することで柔軟に水分散性樹脂の性質を改質することが可能である。またこのような水分散性樹脂は強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が望ましい。特に水分散着色剤との混和性からpHが6〜11が好ましく、pHが7〜9がより好ましい。
水分散性樹脂の粒径は分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径は50nm以上が望ましい。また、粒径が数十μになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル径より小さくとも、粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させることは知られている。インク吐出性を阻害させないために平均粒子径は500nm以下が好ましく、特に150nm以下が好ましい。
水分散性樹脂は水分散着色剤を紙面に定着させる働きを持ち、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが望まれている。そのためには最低造膜温度(MFT)が常温以下であることが好ましく20℃以下であることが望ましい。しかしガラス転移点が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移点が−30℃以上の水分散性樹脂であることが望ましい。
その他インクに添加する添加剤としては、防腐紡黴剤やpH調整剤、キレート剤、防錆剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
pH調整剤としては、調合される記録液に悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、消泡剤などが挙げられる。
・pH調整剤
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
・防腐防かび剤
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
・キレート剤
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
・防錆剤
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
・消泡剤
消泡剤としては、シリコーン消泡剤、ポリエーテル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤などが挙げられる。また一般的な消泡剤を併用し、破泡効果を高める観点から無機微粒子を多量に含有するものを使用する場合、該消泡剤を用いた前記記録用インクが、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が1個数%以下である必要があることから、前記無機微粒子を必要に応じて適宜除去等すればよい。
・インクについて
インクは、着色剤、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、界面活性剤、浸透剤、水分散性樹脂及び水、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は3〜20mPa・sが好ましい。
インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
インクの表面張力としては、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。前記表面張力が、35mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
次に、非水系インクの種類としては、以下のようなものが挙げられる。
≪UVインク≫
光硬化性インクは、インク組成物中に10〜70重量パーセントを占めるが、光硬化反応はによって使用できる化合物が異なる。光ラジカル発生開始剤を用いるラジカル重合系と、光酸発生開始剤を用いるカチオン重合系に分けられる。
またラジカル重合系とカチオン重合系を混合して利用することも可能であり、硬化特性や密着強度、作像プロセスに応じて任意に設計することができる。
(ラジカル重合系)
ラジカル重合系の光硬化性化合物は、反応性官能基として不飽和炭化水素鎖を有する化合物があげられるが、好ましくはビニル基、イソプロペニル基、アリル基、メタリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオロイル基、マレオイル基を有する化合物である。
例えば、
(単官能基)
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート
(二官能基)
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1.3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1.4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1.9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート
(多官能基)
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、トリアリルイソシアネート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル
(オリゴマー)
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド樹脂、エーテル系樹脂、多価アルコール等のアクリレート、メタアクリレート
(硬化性ポリマー)
重合性官能基を有する水溶性樹脂、エマルジョンタイプの光硬化型樹脂
などが挙げられる。
上記ラジカル重合系の光硬化性化合物の中から選ばれる少なくとも1種、または2種以上を混合して用いることができる。
光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型光重合開始剤や水素引抜き型光重合開始剤がある。
分子開裂型光重合開始剤の例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、フェニルグリオキシックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン−〔4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノンなどが挙げられる。
水素引抜き型光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエイト、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、フェニルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物や、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物が挙げられる。
また重合促進剤としてアミン化合物を併用することもできる。
その例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチルなどが挙げられる。
(カチオン重合系)
カチオン重合系の光硬化性化合物は、主にビニル芳香族類、ビニルエーテル類、N-ビニルアミド類、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物である。
例えば、
(ビニル芳香族類)
スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン
(ビニルエーテル類)
イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、プロピレングリコールのプロペニルエーテル
(N-ビニルアミド類)
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール
(エポキシ基を有する化合物)
水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−4−エポキシエチルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、また、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン
(オキセタニル基を有する化合物)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3'−(1,3− (2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン(メタ)アクリレート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス{〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン 、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)] メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン
(その他カチオン重合性化合物)
テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランなどのオキソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタンなどの環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンなどの環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド、チオエピクロルヒドリンなどのチイラン化合物、1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタンなどのチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体などの環状チオエーテル化合物、
エポキシ化合物とラクトンの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物
上記カチオン重合系の光硬化性化合物の中から選ばれる少なくとも1種、または2種以上を混合して用いることができる。
(カチオン系光重合開始剤)
光重合開始剤としては、一般的に光カチオン重合に使用される光酸発生剤を用いることができる。一例としてルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、またはその誘導体を上げることができる。
オニウム塩の一例としては、S,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団に対し有機基(そのうち少なくとも一つ以上が芳香環を有する)が結合した陽イオンと、テトラフルオロボレート(BF4)-、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(B(C6F5)4)-、ヘキサフルオロホスフェート(PF6)-、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6)-、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6)-、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6)-のいずれかの陰イオンからなる塩が挙げられる。
またスルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体も光カチオン重合開始剤として利用できる。
必要に応じて、インクに着色剤を含むことができる。インクの着色剤としては公知の無機顔料や有機顔料を使用することができる。顔料は水系と同じ構造の物質を使用することができる。
顔料は水性インクとは異なり、油性に分散し、顔料の分散性を向上するため、顔料分散剤を使用する。
顔料分散剤としては、ポリアミド系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。 顔料分散剤は数平均分子量が700〜15000であるポリエステルポリアミド樹脂を用いることが好ましい。 また顔料分散剤の配合量は、インク組成物中0.1〜15質量%が好ましく、更には0.5〜10質量%であることが、より顔料分散性を向上するのに好ましい。
このような分散剤としては、例えば、ルーブリゾール社製のソルスパース32000、ソルスパース32500、ソルスパース32600、ソルスパース33500、ソルスパース34750、ソルスパース35100、ソルスパース37500等や、ビックケミー社製のBYK9077等を挙げることができる。
さらに、必要に応じて、4−メトキシ−1−ナフトール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチルジフェニルアミン、フェノチアジン、9,10−ジ−n−ブトキシシアントラセン、4,4′−〔1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイルビス(オキシ)〕ビス〔2,2,6,6−テトラメチル〕−1−ピペリジニルオキシなどの重合禁止剤や、高級脂肪酸系、シリコーン系、フッ素系などの界面活性剤や、極性基含有高分子顔料分散剤などを用いることができる。
インクとして上記、光重合開始剤、モノマー、着色剤等を配合した時、粘度が高すぎて、インクジェットインクとして吐出が困難な場合がある。その場合、溶剤を用いて希釈するとよい。
希釈溶剤としては、沸点が160〜190℃の範囲にあるものが良い。沸点が200℃を超えると硬化性を阻害してしまい、沸点が150℃以下だと、乾燥してしまい、例えばインクジェットのノズル内でインクが固まってしまうことがある。
例えば、エーテル、ケトン、芳香族、キシレン、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、モノエチルエーテル、γ−ブチルラクトン、乳酸エチル、シクロヘキサンメチルエチルケトン、トルエン、エチルエトキシプロピオネート、ポリメタアクリレートまたはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の公知の各種の溶剤が含まれる。
本発明のエネルギー線硬化型インク組成物は、以上の構成からなり、インク組成物全体の粘度が、25℃において3〜40mPa・s、特に好ましくは3〜35mPa・sの範囲にある。または、60℃において、7〜15mPa・s、特に好ましくは10〜12mPa・sの範囲にある。
25℃及び60℃粘度は、東機産業社製コーンプレート型回転粘度計、VISCOMETER TV−22により、恒温循環水の温度を25℃及び60℃に設定して測定した。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いた。25℃という温度は一般的な室温環境を想定したものであって、60℃という温度は、例えばリコープリンティングシステムズ社製GEN4など、加温可能な市販のインクジェット吐出ヘッドの仕様を想定したものである。
また、このインク組成物の25℃における静的表面張力は、通常20〜40mN/mの範囲にあり、特に好ましくは28〜35mN/mの範囲にある。静的表面張力は、静的表面張力計(協和界面科学社製、CBVP−Z型)を使用し、25℃で測定した。この静的表面張力は、例えばリコープリンティングシステムズ社製GEN4など、市販のインクジェット吐出ヘッドの仕様を想定したものである。
さらに、着色剤が無機顔料や有機顔料からなる場合、顔料粒子の平均一次粒径は20〜200nmの範囲、特に好ましくは50〜160nmの範囲にある。平均一次粒径が20nm未満では粒子が細かいために印字物の耐光性に欠けるおそれがあり、200nmを超えると印字物の精細さに欠ける場合がある。平均一次粒径は、電子顕微鏡(日本電子社製JEM−2010)を用いて測定した値である。
≪油性インク≫
油性インクは、有機溶剤、顔料、分散剤、その他添加剤からなり、顔料や分散剤はUVインクのものを利用することが可能である。
有機溶剤はエステル溶剤、アルコール溶剤に限定されず、例えば、炭化水素溶剤、高級脂肪酸溶剤、エーテル等の有機溶剤も使用することができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エステル溶剤としては、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリル等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。 高級脂肪酸溶剤としては、イソノナン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素系溶剤としては、新日本石油社製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」(いずれも商品名)、新日本石油化学社製「日石アイソゾール、ナフテゾール」(いずれも商品名)、エクソンモービル社製「IsoparG、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxolD40、ExxolD80、ExxolD100、ExxolD140、ExxolD140」(いずれも商品名)等が挙げられる。
高級脂肪酸溶剤としては、ノナン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。
有機溶剤の添加量は、インク全量の60質量%以上、より好ましくは、70〜98質量%であることが望ましい。
≪ソルベントインク≫
ソルベントインクは、有機溶剤、顔料、顔料分散剤、バインダー樹脂、添加剤などから構成されており、有機溶剤には通常の溶剤系インクに用いられる揮発性のある有機溶媒を使用する。
有機溶媒としては、例えば、
アルコール類:メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等、
グリコール類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等、
グリコールエーテル類:エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、1,4−ブチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,5−ペンタンジオールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等、
エステル類:酢酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等、
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール等、
芳香族化合物:トルエン、キシレン等、
含窒素化合物:アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等
これらは、印刷時のヘッドノズルの特性への適合性、安全性、乾燥性の観点から種々の溶剤が選択され、必要に応じて複数の溶剤を混合して用いることができる。
非水系インクジェット用インク組成物は、有機溶媒としてグリコールエーテル類を含むことが好ましい。
中でも、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートは、プリンタヘッド部分でのインクの再溶解性及びプラスチック等の非吸収性基材へのインクの密着性、乾燥性に優れるため好ましい。
ソルベントインクに用いるバインダー樹脂は、通常のインク組成物に普通に用いられているバインダー用樹脂でよく、特には限定されない。
例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、メラミン、ベンゾグアナミン等のアミノ樹脂、ポリアミド樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ニトロセルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアンエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボシキエチルセルロース、アミノエチルセルロース等のセルロースエーテル樹脂等であり、好ましくポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂を含むことが、印字したときの基材との密着性が向上するため好ましい。
ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル樹脂の両方を用いることができる。 ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応により得られる。ポリエステル樹脂の数平均分子量は1000〜50000の範囲が好ましく、更には2000〜20000の範囲がより好ましい。
アクリル樹脂としては、通常用いられるラジカル重合性単量体を共重合させたものを用いることができる。
ラジカル重合性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等、
ビニル類:スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等、
α−オレフィン類:エチレン、プロピレン等、
カルボキシル基含有単量体:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノn−ブチル、イタコン酸モノn−ブチル、クロトン酸等、
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類:(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸(2−ヒドロキシメチル)エチル、アクリル酸(2−ヒドロキシメチル)ブチル、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等、
アミド基含有単量体類:アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、ジアセトンアクリルアミド等、
グリシジル基含有単量体:メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等、
シアノ基含有単量体:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、
ジエン類:ブタジエン、イソプレン等、
水酸基含有アリル化合物:アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等、
3級アミノ基含有単量体:メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等、
アルコキシシリル基含有単量体類:ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等、
が挙げられる。
また、1分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体類、例えば、フタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、アクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリメタクリレートも使用できる。
これらの単量体は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせても使用できる。
塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル、マレイン酸等の他のモノマーとの共重合樹脂を挙げることができる。
好ましくは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂であり、分子量30,000以下の共重合樹脂である。
これら樹脂は、併用して用いることができ、樹脂の含有量は、1〜20質量%が好ましく、更には1〜10質量%がより好ましい。
インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。
これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
次に、本発明の具体的実施例について、評価実験を行った。サンプルの作製方法、評価方法を以下に説明する。
(表面処理膜の製造例)
剥離試験用のサンプル、インク溶解性試験用のサンプルに表面処理を施した。表面処理膜としては、SiO膜にAl、Zr、Ta、Ti、及びWを導入したもので、SiとAl、Zr、Ta、Ti及びWの元素比率を振って、評価を行った。成膜方法は、多元スパッタ法を用い、SiとAl、Zr、Ta、Ti及びWのターゲットをセットし、各ターゲットのパワーを変更することで元素比率を調整して、配合比の異なる部材を作製した。表1に、表面処理膜の組成(酸化膜中の各元素比率)を示している。
Figure 0006194767
(インクジェットインクの製造例)
<ポリマー溶液Aの調整>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
<顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調整>
ポリマー溶液A28gとC.I.ピグメントブルー15:3を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料分20%のシアンポリマー微粒子の水分散体を得た。
<顔料樹脂分散液の調整>
ジョンクリル679(BASF製、分子量7000、酸価200)を7.7g、トリエタノールアミン22.5g、2−プロパノール0.8gと水331gと攪拌し溶解した均一な状態とする。そこにC.I.ピグメントブルー15:3を155gを撹拌しながら混合して、ビーズミルにて顔料を2時間分散する。純水483gを添加して超遠心分離機で粗大粒子を除去して、顔料分15.5%の青色顔料分散液を得た。
インクの製造は以下の手順で行ったが、これに限定されるものではない。まず、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、水を混合し一時間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して色材、消泡剤を添加し、一時間攪拌する。この分散液を0.8μセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して評価に用いるインクを得た。
インク組成を表2に示している。上記方法で調合し、評価用インクとした。
Figure 0006194767
(エポキシ接着剤の製造例)
主剤として、室温で液状のビスフェノールAを20部と、3官能アミノフェノール型エポキシ樹脂30部と、ジシクロペンタジエン構造を含んだエポキシ樹脂(HP7200、DIC製)50部に対して、硬化剤として変性脂肪族アミンを40部、チキソ付与剤としてシリカフィラーを10部を加えたものを低温で混練し、少量ずつ小分けして冷凍保存したものを、使用毎に解凍し利用した。
(表面処理膜の評価方法)
なお、接着条件等は各実施例、比較例に記載した。
(i)初期接着性
剥離強度試験で行った。
剥離試験:幅140μm、長さ2000μmのスリットを150dpiピッチで形成し、このスリット群が4列に配列して、スリット位置が42.3μmピッチでずらして配置された、幅17mm、厚み400μmの単結晶Siを加工し、比較例、実施例の表面処理膜を成膜した部品(接着面積率は64.7%)に、接着面に対してエポキシ接着剤を塗布膜厚で2.5μmになるように塗布し、SUS304の幅19mm、厚み20μmの圧延SUS平板に比較例、実施例の表面処理膜を成膜したサンプルと重ね合わせて10cN・mで加圧しつつ加熱し、80℃、3hで接着硬化させた。接着したサンプルを卓上型材料試験機((株)オリエンテック製、テンシロンSTA−1150)にて90°方向剥離強度測定1mm/minの速度で5mm剥離させたときの平均剥離強度を測定した。
評価結果は、A:1.2N以上、B:1.0〜1.2N、C:0.5〜1.0N、D:0.5N未満とし、0.5N以上(A〜C)を要求仕様とした。
(ii)接着信頼性
剥離強度試験後のサンプルを、耐インク試験(インク浸漬、60℃、2ヶ月)を実施後、剥離試験及び引っ張り強度試験を行った。
90°方向剥離強度測定1mm/minの速度で5mm剥離させたときの平均剥離強度を測定した。
評価結果は、A:1.2N以上、B:1.0〜1.2N、C:0.5〜1.0N、D:0.5N未満とし、0.5N以上(A〜C)を要求仕様とした。
(iii)インク溶解性
比較例、実施例の表面処理膜112を5.0nm成膜したシリコン基板を1cm×5cmに切断し、浸漬用サンプルとした。前記サンプルをインクに浸漬した(60℃−2か月)。
評価結果は、残存膜厚が、A:45nm以上、B:25nm以上、C:25nm未満とした。実際のインクジェットヘッドにおいては、表面処理膜上112に接着剤が形成された状態でインクに接触し、直接、表面処理膜112がインクに接触するわけではないため、この評価結果については参考値として扱った。
(インクジェットヘッド吐出評価)
インクジェットヘッドに関しては、上記説明に準じたヘッドを実施例の表面処理膜112を用いて流路板とノズル板とを接合して、評価用のインクジェットヘッドとした。作製したインクジェットヘッドは、表3、表4に示すインクと表面処理膜112の組合せに応じて評価を行った。インクジェットヘッドの評価内容と評価結果を以下に示す。
(a)インク充填性
インクジェットヘッドに対して、ヘッドにインクを供給できるように配管し、ノズル面側から50kPa、1分間吸引後、ヘッド面をメンテナンスし適切な負圧を形成して吐出させたときの、吐出率(吐出ノズル数/全ノズル数×100)を評価した。評価結果は、吐出率が98%以上をA、吐出率が90%以上をB、吐出率が90%未満をCとし、98%以上(A)を要求仕様とした。
(b)耐インク信頼性
インクを充填したインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月間放置し、放置後の吐出速度の状態を評価した。評価結果は、全ノズルの吐出速度が放置前の平均に対して±5%未満を満たす場合をA、±10%未満を満たす場合をB、それ以上の場合をCとし、±10%未満(A〜B)を要求仕様とした。
組成例1から組成例14までの表面処理膜112の組成を変化させた場合として、実施例1から12の評価結果を表3に示している。また、組成例11に対して、耐インク試験をインク例16から18のインクを用いて行った場合として、実施例13から15の評価結果を表4に示している。
Figure 0006194767
Figure 0006194767
また、Zr又はTa含有SiO2膜での、劣化試験前後における接着強度の変化を図9及び図10に示している。
以上の結果から、比較例1、2では、初期接着性は仕様を満足するが、接着信頼性が低く、耐インク信頼性も要求仕様を満たさない。これは、インク溶解性の結果からも明らかなように、表面処理膜112のインク溶解により、Si部品の隔壁部における接着部の界面が腐食されることで、有効な接着部分が減少、もしくは消失し、強度を大きく低下させているためである。
また、前記の接着部の減少により、流路部の剛性が低下し、インクを流す流路の圧力も大きく低下してしまうため、ヘッドの吐出信頼性も大きく劣化する。
また、実施例1、2に示すように、SiO2膜にTiやWを少量導入するだけで、接着信頼性、耐インク信頼性は、比較例1からは改善が見られる。
これに対し、実施例3から7において、Zrを配合した場合の接着信頼性(劣化後接着強度)の数値を図9に示す。前述の通り、Zrを5%程度配合するだけで、接着信頼性、耐インク信頼性は大きく改善するが、図9からは劣化後の接着強度の数値が、Zr配合比の変化に伴いあるピークを有することがわかる。
これは、実施例6,7から明らかなように、Zrは接着性がSiO2よりも低いことから、Zrの配合比が多くなると初期接着性の段階で接着強度の数値が下がってしまい、結果的に劣化後接着強度も低くなるためである。
Zrの場合、初期接着性と接着信頼性を兼ね備え、より耐インク信頼性を高めるためには、5at%〜10at%程度の割合の配合が好ましい。
また、実施例8から12では、Taを配合した場合の接着信頼性(劣化後接着強度)の数値を図10に示す。前述の通り、Taをわずか2at%程度配合するだけで、接着信頼性、耐インク信頼性は大きく改善するが、図10からは劣化後の接着強度の数値が、Ta配合比の変化に伴いあるピークを有することがわかる。これはZrと同じ理由によるものである。
Taは、ZrよりもOと強固に結びつき、安定な不動態膜を形成できるので、インクによる溶解への耐性が大変高く、少なくとも2at%以上では、2ヶ月の劣化試験後も全く溶解していない。
ただし、Taは安定な不動態膜を形成するので、接着性がSiO2やZrよりも低いことから、初期強度も配合比を増すと減ってしまう。Taの場合、接液後の接合強度を確保するには2at%〜10at%程度の割合の配合が好ましい。
ところで、図9及び図10において、Ta,Zrとも含有量が2at%の表面処理膜112の方が5at%以上の表面処理膜112よりも初期接着性の接着強度の数値が大きくなっており、SiO膜により近い組成の方が数値が大きくなっている。これは、SiO膜により近い組成の方が接着性を確保できることを示す。ただし、インクに対する耐性は低くなる。
次に、上記の接着性と耐インク信頼性のトレードオフ関係を解消する本発明の第2実施形態について説明する。
まず、第1例として、表面処理膜112の接着剤113と接する最表面側(接着剤との界面)においてのみSiの配合比を高く構成する。そして、表面処理膜112の内部は、最表面と比べてTa又はZrの配合比を高くする。
ここで、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、表面処理膜112の最表面から下部材(流路形成部材)方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果の一例を図11に示している。なお、ここでは、Zrのみ一例として示すが、他の金属も同様である。
この図11に示すように、表面処理膜112の最表面のみ、Siの配合比率が高く構成されている。
このような表面処理膜112を成膜する工法で有用な工法として、ALD法やスパッタ法(PVD)がある。ALDの場合、SiO2とTaOx、またはZrOxを数ステップ毎に交互に成膜する方式を取るので、ステップ数の割合を変更することで、膜質を容易に制御できる。また、スパッタ法(PVD)の場合、SiとZr、Taの複数ターゲットを用いることがあるが、各ターゲットに掛けるパワーを変更することで膜質を制御できる。
このように、表面処理膜は、遷移金属に対するSiの配合比が、表面処理膜112の接着剤113と接する最表面側(接着剤との界面)において、表面処理膜内部よりも高い構成とすることで、界面におけるSiO2の存在比率を向上することができる。Si−O結合が増えることで、Si−OH基の生成や、接着剤113に対するぬれ性が向上し、接着剤、特にシランカップリング剤やアミン系の硬化剤を用いた接着剤113との接着性が向上し、かつ、耐インク信頼性を有することができる。
次に、第2例として、同様に接着性と耐インク信頼性のトレードオフ関係を解消する膜構成として、表面処理膜112の最表面側(接着剤との界面)においてのみOの配合比を高く構成する。
ここで、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、表面処理膜112の最表面から下部材方向にデプスプロファイルで元素組成を測定した結果を図12に示している。なお、Zrのみ一例として示すが、他の金属も同様である。
この図12に示すように、表面処理膜112の最表面のみ、Oの配合比率が高く構成されている。
このような表面処理膜112を成膜する工法で有用な工法としても、ALD法がある。ソースガスを反応させるガスとしては、一般にO2プラズマ、H2Oが挙げられる。この反応ガスの量を制御することにより、最表面においてのみOの比率を高くすることができる。
Oの配合比を高くすることで、最表面がより酸化膜になり水素結合濃度が高くなり、接合強度が向上する。
このように、表面処理膜112は、遷移金属に対するOの配合比が、表面処理膜112の接着剤113側の表面側(接着剤との界面)において、表面処理膜112内部よりも高い構成とすることで、接着剤113側の表面処理膜表面のOH基濃度が高くなり、水素結合による接着性の向上が期待できる。また、表面処理膜112内部における配合比率は、最表面と比較すると金属の比率が高くなっているので、同時に耐インク信頼性も確保することができる。
次に、表面処理膜112と流路形成部材との接着性の向上を図る本発明の第3実施形態について説明する。
まず、第1例として、表面処理膜112の流路形成部材側の表面(部材側)での組成を変更し、例えば、図13に示すように、部材側でOの比率を低下させる。
これにより、Oと結合性の高い遷移金属種が流路形成部材側からOを引き抜くことによって、中間層を形成することができ、高い接着強度を得ることができる。
このように、表面処理膜112は、遷移金属に対するOの配合比が、表面処理膜112の最底面側(部材との界面)において、表面処理膜112内部よりも低い構成とすることで、Oとの結合性の高い遷移金属種が基材となる流路形成部材からOを引き抜き、中間層を形成することにより、金属部材との接着性を向上させつつ、耐インク信頼性を持たせることができる。
次に、第2例として、表面処理膜112の流路形成部材側の表面(部材側)での組成を変更し、例えば、図14に示すように、部材側でSiの比率を高める。
これにより、Si基板をはじめとした、Siとの相溶性の高い金属類、Si基板の他には、Ni電鋳部材やSUS部材等との接着性を高めることができる。
このように、表面処理膜112は、遷移金属に対するSiの配合比が、表面処理膜112の最底面側(部材との界面)において、表面処理膜112内部と比べて高い構成とすることで、Siが部材と中間層を形成しやすくなり、界面で部材と混ざり合うことにより、特にSi基板、更にはSiと相溶性の高い金属種を含んだSUS部材、Ni電鋳部材等の金属部材との接着性を向上させつつ、耐インク信頼性を持たせることができる。
次に、本発明に係る画像形成装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。図15は同装置の機構部の側面説明図、図16は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置である。左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持している。そして、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234を搭載している。記録ヘッド234は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する。そして、一方の記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、それぞれ吐出する。また、他方の記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、1ヘッド当たり4ノズル列配置とし、1個のヘッドで4色の各色を吐出させることもできる。
また、記録ヘッド234のヘッドタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニットによって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部を備えている。給紙部は、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備えている。分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備える。それとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)を備えている。また、維持回復機構281は、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置している。この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙される。そして、用紙242は、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送される。さらに、用紙242は、先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対して交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。この帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えるので、高画質画像を安定して形成することができる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味である。被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
100 液体吐出ヘッド
101 ノズル
102 ノズル板(流路形成部材)
103 圧力室
104 流路板(流路形成部材)
105 振動板(流路形成部材)
140 電気機械変換素子
112 表面処理膜
113 接着剤
233 キャリッジ
234a、234b 記録ヘッド

Claims (13)

  1. 液体の流路を形成する流路形成部材を接着剤で接合した液体吐出ヘッドにおいて、
    前記流路形成部材の表面には、表面処理膜が形成され、
    前記表面処理膜は、Siを含む酸化膜であり、
    前記酸化膜は、不動態膜を形成する遷移金属を含んでいる
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するSiの配合比が、前記表面処理膜の前記接着剤側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するOの配合比が、前記表面処理膜の前記接着剤側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも高い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するSiの配合比が、前記表面処理膜の前記流路形成部材側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも高い
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するOの配合比が、前記表面処理膜の前記流路形成部材側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも低い
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記表面処理膜は、前記遷移金属に対するSiの配合比が、前記表面処理膜の前記流路形成部材側の表面において、前記表面処理膜の内部よりも低い
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記表面処理膜は、第4族又は第5族から選ばれる遷移金属を少なくとも一種以上含んでいることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記表面処理膜は、Hf、Ta、Zrのうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記表面処理膜は、膜中にSiを17at%以上含んでいることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記表面処理膜は、膜中に前記遷移金属種を2at%以上含んでいることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記表面処理膜は、ALD(Atomic Layer Deposition)法で成膜された膜であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記表面処理膜は、スパッタ(Physical Vapor Deposition)法で成膜された膜であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  13. 請求項1ないし12の記載のいずれか液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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