JP5446159B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクの経時変化に対応して画質を調整することができるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、記録ヘッドから紙等の記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、作像プロセスが単純なため装置が簡易化しやすく、加熱プロセスを経ないため省エネルギーで環境に優しく、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である等の利点を有している。インクジェット記録装置は、このため、オフィス用途だけではなく、家庭用途にも広く利用されている。このようなインクジェット記録に用いられるインクは、水を主成分とし、着色剤、グリセリン等の湿潤剤、界面活性剤、及びその他の添加剤を含有した水系インクが、一般的である。しかし、家庭で印刷する場合には、インクを使い切るのに時間を要する場合があり、その間のインクの吐出安定性、及び長期保存性等の信頼性などが低下したり、一般的に普通紙を用いることからインクの滲みを生じやすく、普通紙上の文字品位などが問題となる。
例えば、特許文献1には、インク中の溶媒の蒸発によるインクの増粘をタイマー等の経時手段を用いて検知し、対応するインク滴吐出力を調整することが提案されている。しかし、この提案では、経時手段がインク容器の着脱を検出しているため、水分蒸発による粘度の経時変化以外には対応しておらず、記録媒体に対する濡れ性や浸透性の経時変化に対応した画質の調整方法については開示されていない。
また、特許文献2には、温度の変化により比重に変化が生じても比重値を誤認することを防ぐことができるインクタンクへの溶媒等の補充方法が提案されている。この提案は、温度による比重の変化を補償するものであるが、その他のインク物性の経時変化に対応していない。
また、特許文献3には、着色インクと反応液で構成される反応性インク2液を別途調製して、分離保存することが提案されている。この提案によれば、反応性インクの保存性を改善することはできるが、インク物性の経時変化に対応して画質を調整することは開示されていない。
また、特許文献4には、普通紙、及び水吸収能力の低いプラスチックシート等の記録媒体にも印字可能な水性インクが提案されている。この提案には、濡れ性、浸透性の高いフッ素系界面活性剤、あるいはシリコーン系界面活性剤を含有したインクについて記載されている。しかし、フッ素系界面活性剤は安定な化合物で分解性が低いため、生物への蓄積が問題となる可能性がある。また、シリコーン系界面活性剤は、インク中の含有量が数質量%と少量であるため、インクの保存安定性が悪く、高い濡れ性、及び浸透性のインクを安定的に保つことが困難である。
したがって、現在までのところインクの経時変化に対応して、画質の調整を行うことができるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置は提供されていないのが現状である。
特開平9−141869号公報 特許第3557376号公報 特開2005−81816号公報 特開2007−230021号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、普通紙上での文字品位や印刷グロス紙での乾燥性に優れ、かつ長期保存性や吐出安定性などの信頼性を確保できる水性インクを用い、インクの経時変化に対応して画質を調整することができるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも着色剤、浸透剤、及び水を含有するインクの動的表面張力を検知する検知工程と、
検知結果に基づいて、初期のインクの動的表面張力に対する使用時のインクの動的表面張力の上昇割合である動的表面張力の上昇率が5%未満の場合には、前記使用時のインクに刺激を印加し、該インクを吐出させて画像を記録し、
前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、前記使用時のインクの吐出量を増加させて画像を記録し、
前記上昇率が20%以上の場合には、前記浸透剤を使用時のインクに添加し、該使用時のインクの動的表面張力が初期のインクの動的表面張力の±1%になるように調整したインクを吐出させて画像を記録するインク吐出工程と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<2> 浸透剤が、シリコーン系界面活性剤を含有する前記<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3> 刺激が、熱、圧力、振動、及び光から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<4> インクの動的表面張力が、最大泡圧法により泡寿命が10msec〜2000msecの条件で測定される前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<5> 少なくとも着色剤、浸透剤、及び水を含有するインクの動的表面張力を検知する検知手段と、
検知結果に基づいて、初期のインクの動的表面張力に対する使用時のインクの動的表面張力の上昇割合である動的表面張力の上昇率が5%未満の場合には、前記使用時のインクに刺激を印加し、該インクを吐出させて画像を記録し、
前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、前記使用時のインクの吐出量を増加させて画像を記録し、
前記上昇率が20%以上の場合には、前記浸透剤を使用時のインクに添加し、該使用時のインクの動的表面張力が初期のインクの動的表面張力の±1%になるように調整したインクを吐出させて画像を記録するインク吐出手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、普通紙上での文字品位や印刷グロス紙での乾燥性に優れ、かつ長期保存性や吐出安定性などの信頼性を確保できる水性インクを用い、インクの経時変化に対応して画質を調整することができるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
(インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法は、検知工程と、インク吐出工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、制御工程等を含んでなる。
本発明のインクジェット記録装置は、検知手段と、インク吐出手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記検知工程は前記検知手段により行うことができ、前記インク吐出工程は前記インク吐出手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<検知工程及び検知手段>
前記検知工程は、少なくとも着色剤、浸透剤、及び水を含有するインクの動的表面張力を検知する工程であり、該検知手段により行うことができる。
−インクの動的表面張力の検知−
インクの動的表面張力を検知する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「ぬれ技術ハンドブック 〜基礎・測定評価・データ〜 (株式会社テクノシステム発行)」の第1章、7節「液体の表面張力測定法」に記載の様々な測定法がある。また、動的表面張力の測定法としては、例えば、最大泡圧法、振動ジェット法、液滴振動法などが挙げられる。これらの中でも、インクジェット記録装置内に装備できるという観点から、測定部が小さくシンプルな最大泡圧法が特に好ましい。最大泡圧法による動的表面張力の測定は、泡寿命10msec〜2,000msecの条件が、記録媒体への高い濡れ性や浸透性を管理する上で好ましく、100msec〜250mseの条件がより好ましい。前記泡寿命が、10msec未満であると、測定自体が困難であり、値もばらつきやすいため、画像調整又はインク調整に使用する検知手段としては管理が困難であり、2,000msecを超えると、(1)測定値が安定しなく、(2)浸透性が変化しても、測定値が変化しなくなる。また、記録媒体への高い濡れ性、浸透性とインク滴の吐出安定性を確保するため、泡寿命が10msec〜2000msecでの動的表面張力は25℃において、20mN/m〜30mN/mが好ましく、24mN/m〜28mN/mがより好ましい。また、動的表面張力の経時による変動が10%以内であることが好ましく、5%以内であることがより好ましい。
前記最大泡圧法による動的表面張力は、例えば、最大泡圧法動的表面張力計(BP−2、クルス社製)、最大泡圧法動的表面張力測定装置(MPT2、ラウダ社製)、又はポータブル表面張力計(Dyno Tester、シータ社製)を用いて測定することができる。
前記検知手段としては、インクジェット記録装置内に配置する点から、インクカートリッジ、又は流路中のインク中に測定部のキャピラリ先端を浸漬することで測定が可能となるものが好ましい。また、キャピラリと同時にインク温度を測定するセンサーを設けることが、測定値の温度補正の観点から好ましい。測定により生成するインク中の気泡は、減圧等により脱泡することが好ましい。
−インク−
前記インクは、少なくとも着色剤、浸透剤、及び水を含有してなり、更に必要に応じて水分散性樹脂や湿潤剤等のその他の成分を含有してなる。
−着色剤−
前記着色剤としては、水分散性であり、顔料を含む水分散性着色剤が特に好ましい。
前記水分散性着色剤としては、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョン、界面活性剤及び重量平均分子量50,000以下の水溶性高分子化合物のいずれかにより分散された顔料などが挙げられる。この中でも、特に低湿潤剤濃度でも比較的安定して噴射が可能なのは、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである。
この顔料は乾燥性をよくするために湿潤剤濃度を10%以下と低くしたインクにおいても、印写中のノズル抜けを起こすことなく安定に印写可能であることが特徴である。
前記の水分散性着色剤で、色材を含有したポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、及びポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものの少なくともいずれかである(必ずしも顔料でなく水不溶性の染料でもよい)。この場合、全ての顔料が封入、及び吸着の少なくともいずれかである必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。
前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。
前記着色剤の色としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類;銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類;アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38;C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。例えば、ブラック用の顔料はカーボンブラックであることが好ましい。ブラックインクとしてカーボンブラックは色調に優れるとともに、耐水性、退光性、分散安定性に優れ、かつ安価である。
その他顔料(例えば、カーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えば、カーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであってもよい。
前記着色剤のインクにおける含有量は、5質量%〜15質量%が好ましく、6質量%〜11質量%がより好ましい。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、特に制限はなく、着色剤の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤の中から目的に応じて適宜選択することができる。また、レベリング性がよく、濡れ性を向上させるためには、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。前記浸透剤は普通紙にも印字可能なインクとして共通化する場合には必要とされる。また、ポリエステルシートのようなプラスチック表面シートに印字する際にも、浸透剤で表面張力を低くしておくと、媒体面への濡れ性、レベリング性が向上し、乾燥性、画質均一性に良好な影響を与える。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基が用いられているものが水系界面活性剤として好ましい。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(1)で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
ただし、前記構造式(1)中、m、n、a、及びbは整数を表す。R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもDuPont社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点からFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス製)及びPF−151N(オムノバ社製)が特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、下記構造式で表されるものが好ましい。
(1)アニオン性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式(2)中、Rfは、下記構造式(3)で表されるフッ素含有疎水基の混合物を表す。Aは、−SOX、−COOX、又は−POX(ただし、Xは対アニオンであり、具体的には、水素原子、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、又はNH(CHCHOH)が挙げられる)を表す。
ただし、前記構造式(4)中、Rf’は下記構造式(5)で表されるフッ素含有基を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。nは1又は2の整数、mは2−nを表す。
ただし、nは3〜10の整数を表す。
ただし、前記構造式(6)中、Rf’及びXは、上記と同じ意味を表す。
ただし、前記構造式(7)中、Rf’及びXは、上記と同じ意味を表す。
(2)ノニオン性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式(8)中、Rfは、上記と同じ意味を表す。nは5〜20の整数を表す。
ただし、前記構造式(9)中、Rf’は、上記と同じ意味を表す。nは1〜40の整数を表す。
(3)両性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式(10)中、Rfは、上記と同じ意味を表す。
(4)オリゴマー型フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式(11)中、Rf”は、下記構造式(12)で表されるフッ素含有基を表す。lは0〜10の整数を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。
ただし、nは1〜4の整数を表す。
ただし、Rf”は、上記と同じ意味を表す。lは0〜10の整数、mは0〜10の整数、nは0〜10の整数をそれぞれ表す。
また、前記シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外にも、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アセチレングリコール系の界面活性剤などを用いることができる。
前記アセチレングリコール系の界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えばサーフィノール104、82、465、485、TG(いずれもエアープロダクツ社製)などが挙げられる。
前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。単独では記録液中で容易に溶解しない場合も、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
前記浸透剤の含有量は、0.1質量%〜2.0質量%が好ましく、0.5質量%〜2.0質量%がより好ましい。
−水−
本発明に使用される水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水などが挙げられる。
−浸潤剤−
前記湿潤剤としては特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記湿潤剤の前記インクにおける含有量は、プラスチック表面フィルムなど非多孔質基材に印写する場合は、なるべく少ないほうが乾燥性に有利であり、該湿潤剤の前記インクにおける含有量は、30質量%以下であることが好ましい。前記含有量が、30質量%を超えると、乾燥性がかなり悪くなる。また、前記湿潤剤の前記インクにおける含有量は、20質量%以下がより好ましく、15%質量以下が更に好ましく、10質量%以下特に好ましくは、最も好ましくは5質量%以下である。ただし、乾燥に加熱・送風手段など補助手段を設ける場合はその限りでない。また、1日以上放置乾燥あるいは加熱乾燥が可能な使用方法であれば30質量%くらいまでは使用可能である。
一方、湿潤剤が10質量%よりも少ないと、長時間キャリッジ動作して他の色を印字中にその色のノズルだけ印字が行われない場合は、印字しない色のノズル部が乾燥することによりノズル抜けを起こすことがある。このときは、記録媒体以外の場所に空吐出を頻繁に行うことが必要であり、少なくともA4サイズ印字する毎に1回は行う。できれば1ライン印字毎に空吐出を行うことが好ましい。また、長期停止時にノズル部を覆うキャップ内に水を供給するのもノズル部の乾燥を防止する一つの手段である。
このように湿潤剤の少ないインクは機械的に維持機構を充実させることにより噴射の信頼性を維持させる方が好ましい。
ただし、本発明で使用した着色剤であるポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンは低湿潤剤濃度でも比較的噴射が安定しており、必ずしも上記のような特別な維持機構は必要としない。
−水分散性樹脂−
前記水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物、などが挙げられる。 前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用してもよく、また、コポリマーにして複合系樹脂として使用してもよく、単相構造型、コアシェル型、及びパワーフィード型エマルジョンのいずれにして使用してもよい。
前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身
は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョン、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂エマルジョンが特に好ましい。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、pH調整剤などを添加した水で反応を行うため、容易に水分散性樹脂を得ることができる。
前記不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸などが挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
前記ビニルシアン化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマーなどが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、pHは7〜9が特に好ましい。
前記水分散性樹脂の粒径は分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させることが知られている。そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径は500nm以下がより好ましく、200nm以下が特に好ましい。
特に高樹脂微粒子濃度として、非多孔質媒体で高画質を得るには、樹脂微粒子粒径は50〜200nmであることが好ましい。
前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を、プラスチック性の記録媒体表面で流動化させず(画像濃度の偏り(ビーディング)を防ぎ)、かつ、媒体表面に定着させる働き又は定着補助する働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は常温以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクにおける含有量は、着色剤を包んでいる樹脂も含めて全固形分中60質量%〜95質量%が好ましい。
前記着色剤及び水分散性樹脂のインクにおける合計含有量は、固形分で10質量%〜40質量%が好ましく、15質量%〜30質量%がより好ましい。前記合計含有量が、10質量%未満であると、高画質化のためインクを高粘度化するために湿潤剤量を多くしなければならず、結果として乾燥性が悪くなり、40質量%を超えると、ノズル面での乾燥性が高くなるため、吐出不良が起こりやすくなることがある。
また、同じ着色剤量で比較した場合、着色剤濃度のみが上昇するとインクジェットにて媒体に定着させた後に着色剤同士が強く凝集して色相を大きく変化させてしまう。そこで、着色剤に対する水不溶性樹脂の比率が多いほど着色剤間の凝集を抑制し、着色剤の発色性が向上し、また、水不溶性樹脂の比率が多いほど記録媒体に対する着色剤の定着性も向上する。したがって、前記インクにおける固形分含有量に対する樹脂の割合は60質量%〜95質量%が好ましい。ここでの樹脂とは、別に添加する樹脂単独のエマルジョンなどの他、もともと着色剤分散体の中に存在する着色剤を包んでいる樹脂も含める。全固形分中樹脂比率が60質量%未満だと定着性、色調が劣り、95質量%を超えると画像濃度が充分でなくなる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなどが挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、プラスチック材料及びゴム材料のための劣化防止剤を用いることができ、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)などが挙げられる。
インクの粘度は、湿潤剤が少ない場合、粘度が低くてもよい。液体成分の蒸発乾燥が速く、液偏りなどを発生しにくい。また、該インクの粘度は、湿潤剤が多く、液体成分の蒸発しにくい場合、低粘度だと液偏りが発生し易いため5mPa・s以上が好ましい。前記インクの粘度は、粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
前記インクは、各種分野において好適に使用することができ、インクジェット記録方式による画像形成装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、印字又は印字前後に被記録用紙及び前記インクを50℃〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するもののプリンタ等に使用することもでき、以下の本発明のインクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。
<インク吐出工程>
前記インクの吐出工程は、検知結果に基づいて、初期のインクの動的表面張力に対する使用時のインクの動的表面張力の上昇割合である動的表面張力の上昇率が5%未満の場合には、前記使用時のインクに刺激を印加し、該インクを吐出させて画像を記録し、前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、前記使用時のインクの吐出量を増加させて画像を記録し、前記上昇率が20%以上の場合には、前記浸透剤を使用時のインクに添加し、該使用時のインクの動的表面張力が初期のインクの動的表面張力の±1%になるように調整したインクを吐出させて画像を記録する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−動的表面張力の上昇率−
前記動的表面張力の上昇率とは、初期のインクの動的表面張力に対する使用時のインクの動的表面張力の上昇割合である。
前記動的表面張力の上昇率は、下記式(2)により求めることができる。
X=(A−B)/B×100・・・(2)
ただし、前記式(2)中、Xは動的表面張力の上昇率、Aは使用時のインクの動的表面張力、Bは初期のインクの動的表面張力をそれぞれ表す。
前記上昇率が5%未満の場合には、使用時のインクに刺激を印加し、インクを吐出させて画像を記録する。次に、前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、使用時のインクの吐出量を増加させて画像を記録する。インク吐出量の増加方法としては、例えば、インクに印加させる刺激を変化させることで吐出するインク滴体積を調整する方法、個々のインク滴体積は固定し、インクの打ち込み回数を増減することで、インクの吐出量を調整する方法などが挙げられる。例えば、浸透剤の分解等で前記上昇率が5%以上の場合には、浸透性が低下しているため、インクの打ち込み回数を増加することで、ベタ画像の埋まりや中間調のドット面積率が初期と同様になるよう調整することができる。
前記上昇率が20%以上の場合には、浸透剤を使用時のインクに添加し、該使用時のインクの動的表面張力が初期のインクの動的表面張力の±1%になるように調整したインクを吐出させて画像を記録する。浸透剤の添加方法としては、例えば、浸透剤単独又は浸透剤溶液等をインクカートリッジとは別の浸透剤カートリッジに備え、浸透剤カートリッジよりインク中に添加する方法などが挙げられる。
インクジェット記録装置内において、浸透剤を添加してインクの動的表面張力を調整するためには、原液、又は高濃度の浸透剤を別途用意しておき、所望の動的表面張力になるように浸透剤を添加していく方法が挙げられる。特にインクのような浸透剤が少量の溶液中では、経時変化により浸透剤の分解などが起こると動的表面張力が変化しやすいので有効である。
前記インク吐出手段は、例えば、インク吐出用の各種のノズルなどが用いて行われる。インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
吐出させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、2pl〜40plが好ましく、その吐出噴射の速度としては6m/s〜20m/sが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上が好ましく、その解像度としては300dpi以上が好ましい。
また、ノズル近傍での水分蒸発が30%を超える前に、印字領域及び非印字領域のいずれかにインクを吐出させることが好ましい。
インクに印加する刺激は、例えば、刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が特に好ましい。
例えば、前記刺激が「熱」の場合には、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱刺激をサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱刺激により前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合には、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図面に基づいて本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置について詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、インクの動的表面張力の検知手段と、前記検知手段に基づいて、インク調整し、インクを吐出するインク吐出手段を備えるが、これらを説明する模式図を図1に示す。ただし実線矢印は、インク又は浸透剤等の流れを示し、破線矢印は、制御信号の流れを示す。インク吐出手段としては、吐出インクカートリッジ200からサブタンク135へインクを送るインク流路250の間にインクの動的表面張力検知部300を有し、前記検知部での検知結果に基づいて2通りの調整方法を有する。するインク吐出量を調整する場合には、前記検知部300の検知結果に基づいて、インク吐出量制御部302にて、記録ヘッド134で吐出するインク量を調整する。また、浸透剤の含有量を調整する場合には、検知部300の検知結果に基づいて、浸透剤カートリッジ400から所定量の浸透剤を供給し、インク流路250の間に設けた浸透剤調整部401にて、インクを調整する。
ここで、図2に示したインクジェット記録装置は、装置本体101と、該装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。この給紙トレイ102を使用してポリエステルシートなどプラスチックシートの給紙が可能であった。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図3及び図4に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図4で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等をインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
ここで、搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア剤で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。更に、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103を備えている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱可能に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、インクカートリッジ200中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ200における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ200は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ200の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
(記録媒体)
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばプラスチックフィルムシート、プラスチックフィルムラミネート紙、プラスチック表面シート、ガラス、金属などの非多孔質基材が選ばれる。通常の水性インクジェット記録専用紙が有する水吸収能力を有しない媒体である。例えば、ポリエステルフィルム及びシート、ポリオレフィンフィルム及びシートなどプラスチックフィルムが対象媒体として含まれる。ここで、例えば、PETフィルムは、通常、約10%内外の無機微粒子フィラーを混練したものであり、したがって、プラスチック表面フィルムは、必ずしも、プラスチック材料で形成されたものでないのは勿論である。更に、本発明で用いことができるプラスチック表面シートは、プラスチックフィルムラミネート紙、プラスチック材料で塗工処理又は含浸処理されて紙質表面がプラスチック材料で覆われた樹脂加工紙などのプラスチック性表面を有するフィルムシートであってもよい。
一般のインクジェット用OHPシートには吸水性材料が塗布されているが、本発明はそのようなコーティングはなされていない非吸水性のシートへの印字が可能なものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、下記実施例及び比較例において、各インクの粘度測定は、粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
(調製例1)
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、前記フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、前記フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、前記フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g調製した。
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
ポリマー溶液Aを28g、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去して、顔料を15質量%含有し、固形分が20質量%のマゼンタポリマー微粒子の水分散体を作製した。
(調製例2)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、C.I.ピグメントレッド122を銅フタロシアニン顔料に変更し、更に顔料12質量%含有し、固形分を20質量%とした以外は、調製例1と同様にして、シアンポリマー微粒子の水分散体を調製した。
(調製例3)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、C.I.ピグメントレッド122をC.I.ピグメントイエロー74に変更し、顔料12質量%含有、固形分20質量%とした以外は、調製例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子の水分散体を調製した。
(調製例4)
−表面処理ブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3,000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌してブラック顔料分散液を得た。この顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ103nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例5)
−ポリマー微粒子分散体(アクリルシリコーンエマルジョン)の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、ラテムルS−180 8.0g、イオン交換水350gを加え混合し、65℃に昇温した。昇温後、反応開始剤であるt−ブチルパーオキソベンゾエート3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを加え、5分後にメタクリル酸メチル45g、メタクリル酸2エチルヘキシル160g、アクリル酸5g、メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シクロヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g、ラテムルS−180 8.0g、及びイオン交換水340gを混合し、3時間かけて滴下を行った。その後、80℃で2時間加熱熟成を行った後、常温まで冷却し水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整した。エバポレータを用いてエタノールを留去し、水分調節をして、固形分40質量%のポリマー分散体溶液730gを作製した。樹脂微粒子の粒径はおよそ130nmであった(23℃測定)。粒径の測定にはマイクロトラック社製の粒度分布測定器UPA150を使用し、希釈倍率500倍で測定した。
(製造例1)
各インクの製造を以下の手順で行い、マゼンタインク1、シアンインク1、イエローインク1、及びブラックインク1からなるインクセット1を作製した。
−マゼンタインク1の作製−
下記組成物を混合し、孔径0.45μmのテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過し、してマゼンタインク1を作製した。
・調製例1のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%)・・・32質量%
・調製例4のアクリルシリコーンエマルジョン(固形分40%)・・・36質量%
・グリセリン・・・3質量%
・浸透剤(フッ素系界面活性剤、DuPont社製、FS−300)・・・2.0質量%
・防腐防カビ剤(ゼネカ社製、プロキセルLV)・・・0.05質量%
・アミン系pH調整剤・・・0.6質量%
・シリコーン系消泡剤・・・0.1質量%
・水(イオン交換水)・・・残量
得られたマゼンタインク1は、粘度が3.03mPa・s(25℃)であった。
−シアンインク1の作製−
マゼンタインク1において、調製例1のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散体を調製例2の銅フタロシアン顔料含有ポリマー微粒子分散体に変更した以外は、マゼンタインク1と同様にして、シアンインク1を作製した。
得られたシアンインク1は、粘度が2.78mPa・s(25℃)であった。
−イエローインク1の作製−
マゼンタインク1において、調製例1のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散体を調製例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体に変更した以外はマゼンタインク1と同様にしてイエローインク1を作製した。
得られたイエローインク1は、粘度が2.85mPa・s(25℃)であった。
−ブラックインク1の作製−
下記組成物を混合し、孔径0.45μmのテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過し、ブラックインク1を作製した。
・調製例5の表面処理ブラック顔料分散液・・・26.0質量%
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン(固形分40%)・・・12.5質量%
・ジプロピレングリコール・・・20.0質量%
・グリセロール・・・10.0質量%
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・浸透剤(フッ素系界面活性剤、DuPont社製、FS−300)・・・2.0質量%
・デヒドロ酢酸ナトリウム・・・0.2%
・水(イオン交換水)・・・残量
得られたブラックインク1は、粘度が7.80mPa・s(25℃)であった。
(製造例2)
インクセット1と同様にして、各インクの製造を以下の手順で行い、マゼンタインク2、シアンインク2、イエローインク2、及びブラックインク2からなるインクセット2を作製した。
−マゼンタインク2の作製−
マゼンタインク1において、浸透剤としてのフッ素系界面活性剤(DuPont社製、FS−300)2.0質量%を、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、KF−643)1.0質量%に変更した以外は、マゼンタインク1と同様にして、マゼンタインク2を作製した。
得られたマゼンタインク2は、粘度が3.10mPa・s(25℃)であった。
−シアンインク2の作製−
シアンインク1において、浸透剤としてのフッ素系界面活性剤(DuPont社製、FS−300)2.0質量%を、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、KF−643)1.0質量%に変更した以外は、シアンインク1と同様にして、シアンインク2を作製した。
得られたシアンインク2は、粘度が2.85mPa・s(25℃)であった。
−イエローインク2の作製−
イエローインク1において、浸透剤としてのフッ素系界面活性剤(DuPont社製、FS−300)2.0質量%を、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、KF−643)1.0質量%に変更した以外は、イエローインク1と同様にして、イエローインク2を作製した。
得られたイエローインク2は、粘度が2.91mPa・s(25℃)であった。
−ブラックインク2の作製−
ブラックインク1において、浸透剤としてのフッ素系界面活性剤(DuPont社製、FS−300)2.0質量%を、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、KF−643)1.0質量%に変更した以外は、ブラックインク1と同様にして、ブラックインク2を作製した。
得られたブラックインク2は、粘度が2.91mPa・s(25℃)であった。
次に、各インクセットと、下記のインクジェット記録装置1及び2を用いて、画像記録を行い、下記評価を行った。
<インクジェット記録装置1>
サーマルインクジェット方式の各色ノズル径18μm、600dpiピッチの300個のノズルを有し、図1に示す動的表面張力検知手段及び調整手段を有するインクジェットプリンターを用いた。
−動的表面張力検知手段−
ここで、動的表面張力検知手段としては、インクカートリッジからヘッドまでのインク流路にSITA社製DynoTesterの検出部を設置することにより最大泡圧法により泡寿命が150msec、25℃の条件で測定し、下記式(2)から動的表面張力の上昇率を求めた。
動的表面張力の上昇率=(A−B)/B×100 ・・・ (2)
ただし、前記式(3)中、Aは使用時のインクの動的表面張力、Bは初期のインクの動的表面張力をそれぞれ表す。
−調整手段−
調整手段としては、前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、ヒーターにかける電圧及び時間を変えて、インク吐出量を増加させる手段と、前記上昇率が20%以上の場合には、浸透剤のインク中の含有量をインクカートリッジからヘッドまでのインク流路間に設置した浸透剤調整部により増加させたインクを吐出させる手段とがある。
<インクジェット記録装置2>
積層PZTを液室流路の加圧に使用した各色ノズル径28μm、200dpiピッチの300ノズルを有し、図1に示す動的表面張力検知手段及び調整手段を有するインクジェットプリンターを用いた。
−動的表面張力検知手段−
ここで、動的表面張力検知手段としては、インクジェット記録装置1と同じである。
−調整手段−
調整手段としては、前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、積層PZTにかける電圧を変えて、インク吐出量を増加させる手段と、前記上昇率が20%以上の場合には、浸透剤のインク中の含有量をインクカートリッジからヘッドまでのインク流路間に設置した浸透剤調整部により増加させたインクを吐出させる手段とがある。
(実施例1)
−初期−
インクセット1を搭載したインクジェット記録装置1を用いて、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、26.3mN/m〜27.0mN/mであった(初期の動的表面張力)。
インク吐出量15plで印字を行い、以下のようにして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−1ヶ月保存後−
次に、インクセット1を搭載したインクジェット記録装置1を50℃で1ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、27.9mN/m〜28.6mN/mであり、動的表面張力の上昇率が5.5%〜6.0%となったので、調整手段によりインク吐出量を3%増加させて、印字を行い、以下のようにして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−3ヶ月保存後−
次に、インクセット1を搭載したインクジェット記録装置1を50℃で3ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、29.9mN/m〜32.0mN/mであり、動的表面張力の上昇率が11.9%〜18.5%となったので、調整手段によりインク吐出量を5%増加させて、印字を行い、以下のようにして印字評価を行った。結果を表2に示す。
<印字評価>
黒文字品位、2色重ね部境界の滲み、色調、濃度、及び乾燥性について、以下のようにして、評価し下記基準により5段階で評価した。なお、印字用紙としては、市販の再生紙、上質紙、ボンド紙、及び印刷用グロス紙を用いた。
−黒文字品位−
ブラックインクによりMS明朝5ポイントで「轟」文字を印字し、文字の潰れ具合を目視で評価した。
−2色重ね部境界の滲み−
イエローインクにより印字したベタ画像上に、ブラックインクによりMS明朝24ポイントにて「A」文字を印字し、2色重ね部境界の滲み具合を目視で評価した。
−色調−
RGBの二次色の鮮やかさを目視で評価した。
−濃度−
グロス紙上にブラックインクで印字したときの画像濃度が1.50以上であるものを画像濃度が高いとした。
〔評価基準〕
ランク5:紙種によらず黒文字品位が高く、2色重ね部境界のにじみがなく、画像濃度が高く、鮮明性、色再現性が高いもの
ランク4:紙種によらず黒文字品位が高く、2色重ね部境界のにじみはないが、画像濃度がやや低く、鮮明性、色再現性がやや低いもの
ランク3:色境界滲みは少ないが紙種により文字品位が劣るもの
ランク2:紙種により色境界滲みが発生するもの
ランク1:紙種により色境界滲みが発生し、画像濃度も低く鮮明性に劣るもの
(実施例2)
−初期−
インクセット1を搭載したインクジェット記録装置2を用いて、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、26.3mN/m〜27.0mN/mであった(初期の動的表面張力)。
インク吐出量30plで印字を行い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−1ヶ月保存後−
次に、インクセット1を搭載したインクジェット記録装置2を50℃で1ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、27.9mN/m〜28.6mN/mであり、動的表面張力の上昇率が5.5%〜6.0%となったので、調整手段によりインク吐出量を3%増加させて、印字を行い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−3ヶ月保存後−
次に、インクセット1を搭載したインクジェット記録装置2を50℃で3ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、30.8mN/m〜32.0mN/mであり、動的表面張力の上昇率が11.9%〜18.5%となったので、調整手段によりインク吐出量を5%増加させて、印字を行い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
−初期−
インクセット2を搭載したインクジェット記録装置1を用いて、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、25.3mN/m〜25.6mN/mであった(初期の動的表面張力)。
インク吐出量15plで印字を行い、以下のようにして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−1ヶ月保存後−
次に、インクセット2を搭載したインクジェット記録装置1を50℃で1ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、28.0mN/m〜28.6mN/mであり、動的表面張力の上昇率が10.6%〜12.6%となったので、調整手段によりインク吐出量を3%増加させて、印字を行い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−3ヶ月保存後−
次に、インクセット2を搭載したインクジェット記録装置1を50℃で3ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、31.3mN/m〜33.2mN/mであり、動的表面張力の上昇率が23.7%〜31.2%となったので、調整手段によりシリコーン系界面活性剤を添加し、インクの動的表面張力を初期のインクの動的表面張力の±1%になるよう調整したインクを用い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
−初期−
インクセット2を搭載したインクジェット記録装置2を用いて、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、25.3mN/m〜25.6mN/mであった(初期の動的表面張力)。
インク吐出量30plで印字を行い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−1ヶ月保存後−
次に、インクセット2を搭載したインクジェット記録装置2を50℃で1ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、28.0mN/m〜28.6mN/mであり、動的表面張力の上昇率が10.6%〜12.6%となったので、調整手段によりインク吐出量を5%増加させて、印字を行い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
−3ヶ月保存後−
次に、インクセット2を搭載したインクジェット記録装置2を50℃で3ヵ月保存後、動的表面張力検知手段により動的表面張力を測定したところ、31.3mN/m〜33.2mN/mであり、動的表面張力の上昇率が23.7%〜31.2%となったので、調整手段によりシリコーン系界面活性剤を添加し、インクの動的表面張力を初期のインクの動的表面張力の±1%になるよう調整したインクを用い、実施例1と同様にして印字評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、1ヵ月保存後、及び3ヶ月保存後にインク吐出量の調整を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、印字を行った。該印字について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例4において、1ヵ月保存後にインク吐出量の調整を行わず、及び3ヶ月保存後に浸透剤量の調整を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、印字を行った。該印字について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
表1にインクセット1及び2の初期、50℃保存1ヵ月、及び50℃保存3ヵ月の動的表面張力の上昇率をまとめて記載した。なお、動的表面張力は、泡寿命150msec、25℃で測定した値である。
本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
図1は、本発明のインクの動的表面張力の検知手段を備えたインクジェット記録装置の一例を説明する模式図である。 図2は、本発明のインクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の一例を示す斜視説明図である。 図3は、本発明のインクジェット記録装置の全体構成の一例を説明する概略構成図である。 図4は、本発明のインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
250 インク流路
300 動的表面張力検知部
301 浸透剤含有量制御部
302 インク吐出量制御部
400 浸透剤カートリッジ
401 浸透剤調整部

Claims (5)

  1. 少なくとも着色剤、浸透剤、及び水を含有するインクの動的表面張力を検知する検知工程と、
    検知結果に基づいて、前記インクをインクジェット記録装置に搭載して吐出させる前の未使用時の初期のインクの動的表面張力に対する使用時のインクの動的表面張力の上昇割合である動的表面張力の上昇率が5%未満の場合には、前記使用時のインクに刺激を印加し、該インクを吐出させて画像を記録し、
    前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、前記使用時のインクの吐出量を増加させて画像を記録し、
    前記上昇率が20%以上の場合には、前記浸透剤を使用時のインクに添加し、該使用時のインクの動的表面張力が前記初期のインクの動的表面張力の±1%になるように調整したインクを吐出させて画像を記録するインク吐出工程と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 浸透剤が、シリコーン系界面活性剤を含有する請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 刺激が、熱、圧力、振動、及び光から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  4. インクの動的表面張力が、最大泡圧法により泡寿命が10msec〜2000msecの条件で測定される請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 少なくとも着色剤、浸透剤、及び水を含有するインクの動的表面張力を検知する検知手段と、
    検知結果に基づいて、前記インクをインクジェット記録装置に搭載して吐出させる前の未使用時の初期のインクの動的表面張力に対する使用時のインクの動的表面張力の上昇割合である動的表面張力の上昇率が5%未満の場合には、前記使用時のインクに刺激を印加し、該インクを吐出させて画像を記録し、
    前記上昇率が5%以上20%未満の場合には、前記使用時のインクの吐出量を増加させて画像を記録し、
    前記上昇率が20%以上の場合には、前記浸透剤を使用時のインクに添加し、該使用時のインクの動的表面張力が前記初期のインクの動的表面張力の±1%になるように調整したインクを吐出させて画像を記録するインク吐出手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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