JP6175899B2 - 吐出検知方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出検知方法及びインクジェット記録装置に関する。
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録方法はカラー化が容易であり装置を小型にすることができるため、近年普及してきている。
このようなインクジェット記録方法では、記録ヘッドのノズルがごみや乾燥したインク等によって目詰まりを起こすことがあり、インクが正常に吐出されない場合がある。その場合、画像の劣化等が起こり、高画質な画像を得ることができない。
そのため、インクジェット記録方法において、インクが記録ヘッドから正常に吐出できているかどうかを確認することが高画質な画像を得るために特に重要である。
また、従来のカラーインクとは別に、印字画像の品質を向上させるために、無色のインクを使用することがあり、無色のインクは、画像を印字した後に画像部の耐擦過性等を向上させるために用いられる。その際、無色のインクが正常に吐出されているかどうかを確認することは非常に困難であった。
特許文献1では、透明のインク(無色のインク)について、表面に蛍光体を含有したインク受容層を有する記録媒体にテストパターンを記録した後、紫外線を照射して蛍光体が発する蛍光を検知することにより、テストパターンを検出する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1では、蛍光体を含有したインク受容層を有する被記録媒体を用いる必要があり、また蛍光体が発する蛍光を検知する必要があるため、実用が困難である。
一方、インクジェット記録方法に用いられるインクは、これまでに様々な報告がなされてきており、例えば、特許文献2では、インクの吸収性に乏しい記録用メディアにも好適に用いられるインクの報告がなされており、水溶性有機溶剤として一般式(I)で示される化合物を用いた有色のインクを用いている。
本発明は上記従来技術を鑑みてなされたものであり、即ち、無色のインクの吐出検知を従来の方法より容易にできる吐出検知方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、インクの吐出検知方法において、特定の無色のインクを用い、紫外線を照射することにより、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち本発明は、無色のインクを記録媒体上に印字する印字工程と、前記無色のインクが印字された記録媒体に紫外線を照射して前記無色のインクの吐出を検知する検知工程とを有する吐出検知方法であって、前記無色のインクは、水、紫外線吸収剤、水分散性樹脂、界面活性剤及び水溶性有機溶剤を含み、前記水溶性有機溶剤は、下記構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする吐出検知方法である。
本発明によれば、無色のインクの吐出検知を従来の方法より容易にできる吐出検知方法を提供することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施の形態における構成を示す概略図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の一実施の形態における構成を示す他の概略図である。 本発明に係るインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドの一実施の形態を示す概略拡大図である。
以下、本発明に係る吐出検知方法及びインクジェット記録装置について説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明に係る吐出検知方法は、無色のインクを記録媒体上に印字する印字工程と、前記無色のインクが印字された記録媒体に紫外線を照射して前記無色のインクの吐出を検知する検知工程とを有する吐出検知方法であって、前記無色のインクは、水、紫外線吸収剤、水分散性樹脂、界面活性剤及び水溶性有機溶剤を含み、前記水溶性有機溶剤は、下記構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする。
ここで、前記無色のインクが紫外線吸収剤を含んでいるために、記録媒体に印字した後、紫外線を照射すると、インクが吐出した領域は紫外線を吸収するため発光しないので吐出の有無を確認することができる。すなわち、一般的な紙は蛍光剤が含まれているため紫外線を照射すると発光するが、前記無色のインクが吐出した領域は発光しないため吐出の有無を確認することができる。
また、前記無色のインクに少なくとも前記構造式(1)で表されている化合物又は前記構造式(2)で表される化合物が含まれていることで、記録媒体に吐出したインクのドット径を大きくすることができ、吐出の有無を確認しやすくすることができる。その理由の一つとしては、前記構造式(1)又は構造式(2)で示される化合物を含むインクは紙に対する濡れ性が良好であるためと推測される。
本発明における無色のインクは、水、紫外線吸収剤、水分散性樹脂、界面活性剤及び水溶性有機溶剤(湿潤剤)を含み、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
<水溶性有機溶剤(湿潤剤)>
本発明では、ヘッド内部でのインクの乾燥を抑制して吐出を安定させるために水溶性有機溶剤を使用することができる。
−構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物−
本発明で用いられる水溶性有機溶剤は、前記構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種を含んでいる。なお、本発明のインクにおいては、前記構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物の両方が含まれていもよい。
前記構造式(1)で表されるアミド化合物は、沸点が216℃と高く、温度23℃、相対湿度80%RH環境中の平衡水分量も39.2質量%高く、しかも液粘度が25℃環境で1.48mPa・sと非常に低い。更に、湿潤剤及び水に非常に溶解し易いので、インクジェット用インクが低粘度化可能となり、インクジェット用インクに用いる湿潤剤としては非常に好ましい。
また、前記構造式(2)で表されるアミド化合物も同様に液粘度が低く、前記構造式(1)および構造式(2)で表されるアミド化合物を含有させたインクジェット用インクは、保存安定性、吐出安定性が良好なインク、かつインク吐出装置の維持装置に優しいインクとなる。
さらに、前記構造式(1)又は構造式(2)で表されるアミド化合物を含有させたインクジェット用インクは紙に滴下後に紙面の水平方向への濡れ性が良好となり、滴下ドットの拡がりが大きくなる。
前記構造式(1)又は構造式(2)で表されるアミド化合物の合計含有量は、インク中、1重量%以上25重量%未満であることが好ましい。1重量%未満だと紫外線を十分に吸収できずに、インクの吐出検知ができないことがある。また、25重量%以上だと、インク粘度が高くなり吐出が不安定になることがある。
−その他の水溶性有機溶剤−
その他の水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等が挙げられる。
これらの中でも、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、2−ピロリドンが好ましい。
その他の水溶性有機溶剤の添加量としては、インク中、10重量%以上40重量%未満であることが好ましい。10重量%未満だとインクの乾燥を抑制する効果が少なくなることがあり、また40重量%以上だと、インク粘度が高くなり吐出が不安定になることがある。
<水>
本発明に用いられる水としては、特に制限はなく、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。インクジェット記録用インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<紫外線吸収剤>
前記紫外線吸収剤としては市販品を適宜使用することができるが、紫外線を吸収する最大波長(λmax)が400nm以下であることが好ましい。さらに、360nm以上に吸収領域を有さないことが無色のインクに使用する点で好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、一種又は二種以上を用いることができ、紫外線吸収剤はインク中に、0.05質量%〜1質量%含まれていることが好ましく、0.1質量%〜1質量%含まれていることがさらに好ましい。
<水分散性樹脂>
本発明において、水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えるのに有用である。
前記水分散性樹脂としては、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が特に好ましい。また、水分散性樹脂は一種又は二種以上を用いることができる。
前記フッ素系樹脂としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
前記フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、前記フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合してなる交互共重合体が好ましい。
このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーして使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させ樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。
これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
前記水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、7〜9が更に好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。
また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。
そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
前記水分散性樹脂としては、市販品を使用することができ、該市販品としては、例えば、J−450、J−734、J−7600、J−352、J−390、J−7100、J−741、J74J、J−511、J−840、J−775、HRC−1645、HPD−71(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、いずれも、ジョンソンポリマー社製)、UVA383MA(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、BASF社製)、ポリゾールROY6312、AP−4710(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、昭和高分子株式会社製)、SF460、SF460S、SF420、SF110、SF300、SF361(ポリウレタン系樹脂エマルジョン、いずれも日本ユニカー株式会社製)、タケラックW5025、タケラックW5661(三井化学ポリウレタン株式会社製)などが挙げられる。
<界面活性剤>
前記界面活性剤として、顔料の種類や水溶性有機溶剤の組み合わせによって分散安定性を損なわず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。これら界面活性剤は、1種を単独、又は2種以上を混合して用いることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。前記フッ素置換した炭素数が2未満であると、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。さらに好ましくは、下記で表されるフッ素系界面活性剤である。
ただし、前記一般式(3)中、mは0〜10の整数を表す。nは1〜40の整数を表す。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−151N(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
また、前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、下記に表されるものが好適である。例えば、下記の式(a1)〜(a9)で表されるものが好ましく用いられる。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式(a1)中、Rfは、下記構造式(b1)で表されるフッ素含有疎水基の混合物を表す。Aは、−SO3X、−COOX、又は−PO3X(ただし、Xは対アニオンであり、具体的には、水素原子、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、又はNH(CH2CH2OH)3、等が挙げられる)を表す。
ただし、前記一般式(a2)中、Rf’は下記一般式(b2)で表されるフッ素含有基を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。nは1又は2の整数、mは0又は2の整数を表す。
ただし、前記一般式(b2)中、nは3〜10の整数を表す。
ただし、前記構造式(a3)中、Rf’及びXは、上記と同じ意味を表す。
ただし、前記構造式(a4)中、Rf’及びXは、上記と同じ意味を表す。
(2)ノニオン系フッ素系界面活性剤
ただし、前記一般式(a5)中、Rfは、上記と同じ意味を表す。nは5〜20の整数を表す。
ただし、前記一般式(a6)中、Rf’は、上記と同じ意味を表す。nは1〜40の整数を表す。
(3)両性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式(a7)中、Rfは、上記と同じ意味を表す。
(4)オリゴマー型フッ素系界面活性剤
ただし、前記一般式(a8)中、Rf”は、下記一般式(b3)で表されるフッ素含有基を表す。nは1〜10の整数を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。
ただし、前記一般式(b3)中、nは1〜4の整数を表す。
ただし、前記一般式(a9)中、Rf”は、上記と同じ意味を表す。lは0〜10の整数、mは0〜10の整数、nは0〜10の整数をそれぞれ表す。なお、lとnが同時に0になることはない。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(c1)で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
ただし、前記一般式(c1)中、m、n、a及びbは整数を表す。R及びR’はアルキル基又はアルキレン基を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
前記界面活性剤の前記記録用インク中における含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
前記含有量が0.01質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
<その他の成分>
本発明に用いられるインクは、必要に応じて、浸透剤、着色剤、消泡剤、防腐防黴剤等を含有していてもよい。
−浸透剤−
本発明に用いられるインクは、浸透剤として、炭素数8〜11のポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。
浸透剤は、前記湿潤剤は別のものであり、浸透剤も湿潤性が全くない訳ではないが、前記湿潤剤よりも比較的少ないので、非湿潤剤性ものということができるが、ここで、非湿潤剤性とはこのような意味である。
これらは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤のインクにおける含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなることがある。また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
−着色剤−
前記着色剤としては、顔料又は染料などが挙げられ、前記顔料としては、無機顔料又は有機顔料を用いることができる。なお、色調調整の目的で同時に染料を含有していてもよく、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが可能である。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
−消泡剤−
本発明においては、消泡剤をインクの泡立ち防止のために加えることができる。消泡剤としては市販品を用いることができ、例えば、KS−508、KS−531、KM−72、KM−72F、KM−90、KM−98(信越化学工業社製)、SF−8427、SF−8428、SH−3749、SH−8400、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2118、FZ−2203、FZ−2207(東レ・ダウコーニング社製)、BYK−345、BYK−346、BYK−348(ビッグケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
消泡剤の添加量は、インク中、0.05〜1重量%が好ましく、0.1〜0.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では消泡効果が小さいことがあり、1重量%より多いとインクの保存安定性、吐出安定性に問題を生じることがある。
−防腐防黴剤−
防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢
酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
防腐防黴剤の添加量は、インク中、0.01〜1重量%が好ましく、0.05〜0.5重量%がより好ましい。
<インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録装置は、少なくとも無色のインクを用いて印字する印字手段と、印字された記録媒体に紫外線を照射して前記無色のインクの吐出を検知する検知手段とを有する。前記印字手段としては、インク飛翔手段が挙げられる。また、必要に応じて、その他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有していてもよい。
なお、本発明のインクジェット記録装置によれば、インクジェット記録方法を提供することができ、前記インクジェット記録方法は、無色のインクを用いて印字する印字工程と、印字された記録媒体に紫外線を照射して前記無色のインクの吐出を検知する検知工程とを有する。前記印字工程としては、インク飛翔工程が挙げられる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、前記本発明における記録用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、該記録用インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明における記録用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、該記録用インクを飛翔させて記録用媒体に画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、前記インクジェット装置におけるヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン又はニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。また、前記インクジェット装置におけるノズル直径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmがより好ましい。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動及び光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激を発生させる手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3×10−15〜40×10−15(3〜40pL)とするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、シリアル型インクジェット記録装置により、本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。図1に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装填され画像が形成(記録)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図2及び図3に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図3で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
本発明にて無色のインクを充填する場合、他の色のヘッドにインクを充填すればよく、例えばシアンの記録用ヘッドに無色のインクを充填することができる。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ201からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚み40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニヤエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋241だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
<紫外線照射>
本発明で記録媒体に照射して吐出の有無を確認する紫外線の照射は市販の装置を使用することができ、400nm以下の波長の光を照射できれば特に制限はない。
<記録媒体>
本発明の吐出検知方法に用いられる記録媒体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。これらの記録媒体は記録媒体中に蛍光剤が含まれているものであれば、そのまま使用することができ、蛍光剤が含まれていない場合は、蛍光剤を表面に塗布することで使用できる。また、前記記録媒体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<無色のインクの印字方法>
本発明において、無色のインクを印字する場合は、無色のインクについて所定のテストパターンを印字する方法を用いることができる。本発明で吐出の有無を確認するテストパターンとしては、既存のものを適宜使用することができ、例えば格子パターンを使用することができる。前記テストパターンは画像部、または非画像部どの領域にも印字することができるが、非画像部に印字するほうが目視で吐出の有無を確認しやすい点で好ましい。
また、本発明においては、無色のインクを印字する前に、水、着色剤及び水溶性有機溶剤を含有するインクを用いて画像を形成させた後、該インクによって形成された画像部分に無色のインクを印字させ、紫外線を照射し、無色のインクの吐出有無を検知することもできる。着色剤等を含有するインクを用いて画像を形成させた後に、無色のインクを印字することにより、耐擦過性を向上させることができる。また、この場合は、着色剤等を含有するインクを用いて形成された画像部分に無色のインクを印字すればよく、前記画像部分以外の部分(非画像部)にテストパターンを印字してもよいし、しなくてもよい。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等が挙げられる。また、前記無色のインクで用いることのできる水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
<検知手段>
本発明において用いられる無色のインクは、所定の紫外線吸収剤を有しているため、記録媒体に印字した後、紫外線を照射すると印字した領域は紫外線を吸収し発光しないので吐出の有無を確認することができる。
吐出の有無を確認する方法としては、特に制限はないが、目視により行なうようにしてもよいし、公知の検出方法、例えば、フォトダイオード等の光センサーやCCD等の画像センサーを用いて行なうようにしてもよい。目視により行う場合は、機材等の準備が不要であるため実施が容易であり、一方、光センサーや画像センサーを用いて行なう場合は、印字から検知までを自動で行い得る。
また、一般的な紙は蛍光剤が含まれているため紫外線を照射すると発光するが、前記無色のインクを印字した領域は発光しないため吐出の有無を確認することができる。従って、特殊な記録媒体を用意する必要がなく、また、目視により吐出の有無を確認できるため、従来の吐出検知方法よりも容易に検知することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
−マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
<ポリマー溶液Aの調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
<顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。得られたマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ127nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
−記録用マゼンタインクの作製−
マゼンタインクの製造は、以下の手順で行った。まず、下記水溶性有機溶剤(湿潤剤)、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散液、消泡剤を添加し、1時間攪拌する。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、各記録用インクを作製した。
−無色インクの作製−
各インクの製造は、以下の手順で行った。まず、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、紫外線吸収剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、消泡剤を添加し、1時間攪拌する。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、無色のインクを作製した。
表1中の略号などは下記の意味を表す。
※1)アクリルシリコン系水分散性樹脂(1):ポリゾールROY6312;固形分37.2重量%、昭和高分子株式会社製
※2)アクリルシリコン系水分散性樹脂(2):AP−4710;固形分50重量%、昭和高分子株式会社製
※3)ウレタン系水分散性樹脂:タケラックW5661;三井化学ポリウレタン社製
※4)紫外線吸収剤(1):SEESORB 101S(シプロ化成株式会社製)2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid trihydrate
※5)紫外線吸収剤(2):TINUVIN 5050(BASF社製)
※6)ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40質量%)
ここで、ゾニールFS−300は前記一般式(3)で表される。なお、ゾニールFS−300は混合物になっているため、m、nの値に幅があるものと考えられる。
※7)EP−7025:ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(日本触媒社製)
※8)Proxel GXL:1,2-benzisothiazolin-3-oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
※9)KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分100質量%)
次に、実施例及び比較例で得られたインクを用いて、下記の評価を行なった。
−粘度−
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃の粘度を測定した。
−印字−
インクジェットプリンタIPSIO GX5000(リコー製)に、下記記録用紙をセットして、5cm角のマゼンタ色べた画像を解像度600dpiで印字した。印字後に画像を乾燥させるため1晩静置した。その後、インクジェットプリンタIPSIO GX5000(リコー製)のシアンカートリッジに無色のインクを充填して上記べた画像を印字した記録用紙に無色のインクを印字した。その際、非画像部に格子状のテストパターンを印字して、画像部は全面に無色のインクを印字した。印字後に乾燥させるため1晩放置した。
記録用紙としては次の1〜4を用いた。
・記録用紙1;マイペーパー(リコー製)
・記録用紙2;HAMMERMILL FORE MP(INTERNATIONAL PAPER製)
・記録用紙3;リサイクルペーパー100(大王製紙製)
・記録用紙4;ビジネスコートグロス100(リコー製)
−吐出の有無確認−
上記にて印字したテストパターンに紫外線を照射して吐出の有無が確認できるかどうかを下記基準により評価した。紫外線照射装置は、ハンディーUVランプ(SLUV−8 アズワン製)を使用した。
〔評価基準〕
○:吐出の有無が目視で確認できる
△:吐出の有無が10倍ルーペで確認できる
×:吐出の有無が10倍ルーペで確認できない
−耐擦過性−
上記にて印字した記録用紙について、綿布で印字部を10回擦り、綿布への顔料転写具合を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:綿布への顔料転写は殆どみられない
△:若干の顔料転写が見られる
×:明らかに顔料が転写している
比較例1は無色のインクが一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物を含んでいないため、記録媒体に吐出したテストパターンのドットが小さく、吐出の有無を確認できなかった。また、比較例2は水分散性樹脂を含んでいないため、耐擦過性が充分ではなく、比較例3は紫外線吸収剤を含んでいないため、吐出の有無を確認できなかった。
以上より、無色のインクの吐出検知を容易にできる吐出検知方法が得られることがわかる。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特許4561296号公報 特開2013−31990号公報

Claims (5)

  1. 無色のインクを記録媒体上に印字する印字工程と、前記無色のインクが印字された記録媒体に紫外線を照射して前記無色のインクの吐出を検知する検知工程とを有する吐出検知方法であって、
    前記無色のインクは、水、紫外線吸収剤、水分散性樹脂、界面活性剤及び水溶性有機溶剤を含み、
    前記水溶性有機溶剤は、下記構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする吐出検知方法。
  2. 前記水分散性樹脂が、アクリル系の水分散性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の吐出検知方法。
  3. 前記界面活性剤が、フッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吐出検知方法。
  4. 前記印字工程の前に、水、着色剤及び水溶性有機溶剤を含有するインクを用いて画像を形成する画像形成工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検知方法。
  5. 無色のインクと、
    前記無色のインクを記録媒体上に印字する印字手段と
    前記無色のインクが印字された記録媒体に紫外線を照射して前記無色のインクの吐出を検知する検知手段と
    を有するインクジェット記録装置であって、
    前記無色のインクは、水、紫外線吸収剤、水分散性樹脂、界面活性剤及び水溶性有機溶剤を含み、
    前記水溶性有機溶剤は、下記構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種を含むことを特徴とするインクジェット記録装置。
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