JP2007196466A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッドと、メインタンクと、サブタンクと、前記メインタンクから前記サブタンクに供給チューブを通じてインクを供給するインク供給手段とを少なくとも有するインクジェット記録装置であって、メインタンク、サブタンク、供給チューブ、及びインク供給手段は、それぞれ23℃、50%RHでの透湿度が0.015g/day以下であり、かつインクは、50℃、10%RHの環境下での蒸発試験を行った際の粘度上昇度が、インク蒸発量が30質量%未満までは50mPa・s以下であり、インク蒸発量が30質量%以上45質量%以下では、前記粘度上昇度が100mPa・sを超える点を有するインクジェット記録装置である。
【選択図】図8
Description
これらの課題を解決するため、メインタンクと、記録ヘッドに直結したサブタンクとの2つのインクタンクを設け、必要に応じてメインタンクからサブタンクに供給チューブを通じてインクを供給することが行われており、種々の改良が試みられている。例えば、供給チューブの構成を内側、中間、及び外側の3層構造とし、内側チューブに耐インク性を持たせ、中間チューブ及び外側チューブに、ガス透気性、透湿性などの機能をそれぞれ持たせることによって、チューブ内でインクが詰まることがなく、かつ耐屈曲性に優れたチューブが提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。また、異なる材質を用いた2層構造のチューブを用いることで、より耐久性が向上することが提案されている(特許文献3参照)。
<1> 多数のノズルを有する少なくとも1つの記録ヘッドと、
インクを内部に収容するメインタンクと、
前記記録ヘッドに直結して配置され、該記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに供給チューブを通じてインクを供給するインク供給手段と、を少なくとも有するインクジェット記録装置であって、
前記メインタンク、前記サブタンク、前記供給チューブ、及び前記インク供給手段は、それぞれ23℃、50%RHでの透湿度が0.015g/day以下であり、かつ
前記インクは、50℃、10%RHの環境下での蒸発試験を行った際の粘度上昇度が、インク蒸発量が30質量%未満までは50mPa・s以下であり、インク蒸発量が30質量%以上45質量%以下では、前記粘度上昇度が100mPa・sを超える点を有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<2> 蒸発試験を行う前の25℃でのインクの初期粘度が、7.5mPa・s以上である前記<1>に記載のインクジェット記録装置である。
<3> インクが湿潤剤を含有し、かつ該湿潤剤が少なくとも2種の多価アルコールを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<4> 湿潤剤のインクにおける合計含有量が、10〜40質量%である前記<3>に記載のインクジェット記録装置である。
<5> 維持回復手段を有し、かつ該維持回復手段は、印字休止時間に応じてインクジェット記録装置の電源ON時、及び記録中止後の記録開始直前の少なくともいずれかに作動する前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<6> 維持回復手段が、ノズル孔内部のインクを非印字領域に吐出させる手段である前記<5>に記載のインクジェット記録装置である。
<7> 維持回復手段が、記録ヘッドのノズル孔内のインクを吸引する手段である前記<5>から<6>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<8> 維持回復手段が、記録ヘッドのノズル面をワイパーで拭き取る手段である前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用い、インクに刺激を印加し、記録ヘッドのノズルから該インクを吐出させて画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<10> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<9>に記載のインクジェット記録方法である。
インクを内部に収容するメインタンクと、
前記記録ヘッドに直結して配置され、該記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに供給チューブを通じてインクを供給するインク供給手段と、を少なくとも有してなり、
前記メインタンク、前記サブタンク、前記供給チューブ、及び前記インク供給手段は、それぞれ23℃、50%RHでの透湿度が0.015g/day以下であり、かつ
前記インクは、50℃、10%RHの環境下での蒸発試験を行った際の粘度上昇度が、インク蒸発量が30質量%未満までは50mPa・s以下であり、インク蒸発量が30質量%以上45質量%以下では、前記粘度上昇度が100mPa・sを超える点を有する。
本発明のインクジェット記録装置によれば、特定の高画質が得られる高粘度のインクと、メインタンクとインクを送液するポンプを含むインク供給手段とヘッドに取り付けられたサブタンクとを有する特定の透湿度を持つインク供給機構とを組み合わせることによって、長期にわたる吐出安定性に優れ、高品位画像を記録することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッドと、メインタンクと、サブタンクと、インク供給手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて制御手段等のその他の手段を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インクジェット記録装置を用い、インクに刺激を印加し、記録ヘッドのノズルから該インクを吐出させて画像を記録する。
以下、本発明のインクジェット記録装置の説明を通じて、本発明のインクジェット記録方法の詳細についても明らかにする。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
また、前記記録ヘッドは、液室部と、流体抵抗部と、振動板と、ノズル部材とを有してなり、かつ前記記録ヘッドの少なくとも一部がシリコン及びニッケルのいずれかを含有する材料から形成されていることが好ましい。
前記記録ヘッドのノズル径は35μm以下が好ましく、24μm以下がより好ましい。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で
形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
前記インクカートリッジは、前記インク(又はインクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができる。
前記インク供給手段は、前記メインタンクから前記サブタンクに供給チューブを通じてインクを供給する手段であり、例えば、各種ポンプ、などが挙げられる。
ここで、前記透湿度は、例えばJIS Z0208又はASTM試験法(D895−94)に基づいて測定することができる。
前記供給チューブとしては、印字時のキャリッジのスキャン動作に伴い、耐屈曲性を持たせる必要もあり、特にエチレン−メタクリル酸共重合樹脂、アイオノマー樹脂などが好ましく用いられる。
本発明で用いるインクは、インク蒸発量が30質量%を超えると急速に増粘するので、インク蒸発量が30質量%を超える前に印字又は非印字領域にインクを吐出させることにより、より安定した高品位な画像記録を行うことができる。
前記維持回復手段としては、(1)ノズル孔内部のインクを非印字領域に吐出させる手段、(2)記録ヘッドのノズル孔内のインクを吸引する手段、(3)記録ヘッドのノズル面をワイパーで拭き取る手段、などが挙げられる。これらを単独で用いたり、組み合わせることで、インクの消費量を抑え、かつ印字開始時の吐出が安定に行われることになる。
また、吐出されたインクを受けるインク受けを設ける1例としては、記録媒体を搬送するベルトの外側に、インクジェット記録装置の構造上許容される範囲で設けることができる。このようにして、ある一定スキャン回数を超えた際に、非印字領域に設けられたインク受けに対し、一定量のインクを吐出させる記録方法を用いることで、より吐出安定性の確保された記録装置の提供が可能となる。また、より安定した吐出性を確保するために、ヘッド内の吐出のないノズルに対し、一定時間毎にインクが吐出しない程度の微振動を与えるインクジェット記録方法も有効である。
前記インクは、50℃、10%RHの環境下での蒸発試験を行った際の粘度上昇度が、インク蒸発量が30質量%未満までは50mPa・s以下であり、インク蒸発量が30質量%以上45質量%以下では、前記粘度上昇度が100mPa・sを超える点を有するものである。このように前記インクは、インク蒸発量が30質量%を超えると、急激に増粘するものであり、従来の低粘度インクと異なり、高解像度化に伴う液滴量の微小化においても高画像濃度を確保することができ、高速印字を行っても高画質を確保することが容易である。
ここで、前記インク上昇度とは、蒸発試験において、一定量蒸発後の粘度から初期のインクの粘度を引いた値を意味する。
ここで、前記粘度は、例えば、東機産業株式会社製の粘度計RL−500を用いて測定することができる。また、前記インク蒸発量は、下記数式で示すように、一定時間蒸発させた前後の質量変化から算出することができる。
インク蒸発量(質量%)=〔蒸発前後の質量変化(g)/初期のインク質量(g)〕×100
以下、それぞれの成分について詳細に説明するが、これらに限定されるわけではない。
前記着色剤としては、水分散性であり、顔料を含む水分散性着色剤が好適である。
前記水分散性着色剤としては、(1)表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料、(2)ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョン、(3)界面活性剤及び重量平均分子量50,000以下の水溶性高分子化合物のいずれかにより分散された顔料、などが挙げられる。
前記(1)は、一般的に、自己分散顔料と言われ、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたものである。
前記(2)は、一般的に、カプセル顔料と言われ、親水性水不溶性の樹脂で顔料を被覆してやり、顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水に分散するようにしたものである。
前記(3)は、一般的に、界面活性剤分散顔料、樹脂分散顔料と呼ばれ、界面活性能を持つ化合物(ここでは界面活性剤や水溶性高分子化合物)により、顔料と水との界面を取り持つことで、顔料の分散を行っているものである。前記(2)との違いは、樹脂が水に溶けているか否かの点であり、顔料分散体の耐溶剤性や発色性に影響を与えている。
また、この形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行えるようになる。またこの自己分散型の顔料は、後述する界面活性剤及び浸透剤と組み合わせた時に、特に相乗効果が大きく、より信頼性の高い、高品位な画像を得ることが可能となる。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NH2、−SO2NHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SO3Mがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマー等が挙げられる。これらの中でも、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。
前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
このような界面活性剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、日本油脂株式会社、日光ケミカルズ株式会社、日本エマルジョン株式会社、日本触媒株式会社、第一工業製薬株式会社、東邦化学株式会社、花王株式会社、アデカ株式会社、ライオン株式会社、青木油脂株式会社、三洋化成工業株式会社などから容易に入手できる。
これら水溶性高分子化合物の重量平均分子量は3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000更に好ましい。
該市販品としては、例えば、ジョンソンポリマー株式会社、ナガセケムテックス株式会社、東亞合成株式会社、三菱レーヨン株式会社、住友精化株式会社、JSR株式会社、昭和高分子株式会社、荒川化学工業株式会社、日本触媒株式会社、日本合成化学株式会社、株式会社クラレなどから容易に入手できる。
前記分散剤の添加量は、前記顔料を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣添加することができ、両者の混合質量比(顔料:分散剤)は1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:3の範囲がより好ましい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
その他顔料(例えば、カーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えば、カーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであってもよい。
前記酸性染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、食用染料として知られているものなどが挙げられ、例えば、C.I.アシッド・イエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッド・レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッド・ブルー9、29、45、92、249;C.I.アシッド・ブラック1、2、7、24、26、94;C.I.フード・イエロー2、3、4;C.I.フード・レッド7、9、14;C.I.フード・ブラック1、2、などが挙げられる。
これら染料の中でも、酸性染料、直接性染料が特に好ましい。
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、水素結合しやすく、単独では粘度が高いものであり、かつ平衡水分量が高く、水分の存在下では粘度が低下するものであれば目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコールなどが挙げられる。
前記湿潤剤としてのグリセリンの含有量は、湿潤剤全体の20〜80質量%であることが好ましい。
前記グリセリンと併用される湿潤剤としては、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールが特に好ましい。前記1,3−ブタンジオール及び3−メチル−1,3−ブタンジオールは、グリセリン同様に平衡水分量が高く、信頼性が高いうえに、インクが紙に着弾した際の画素の広がりを均一にし、更には着色剤を紙表面にとどめる効果も高い。グリセリンは信頼性向上効果が高いが、多量に添加すると画質が悪くなり、また、水分蒸発後の粘度上昇度が大きくなりすぎて、吐出安定性も悪くなる場合があるため、これらの混合質量比(ブタンジオール:グリセリン)は1:4〜4:1が好ましく、1:3〜3:1がより好ましく、1:1〜3:1が更に好ましい。
前記界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、着色剤の分散安定性と画像品質との関係から、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリエキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド添加物等のノニオン系の界面活性剤が好適である。また、処方によってはフッ素系の界面活性剤やシリコーン系の界面活性剤を併用(もしくは単独使用)することも可能である。
R−O−(C2H4O)m−H ・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を示し、mは正数を示す。なお、画質の面から、Rは炭素数10〜14のアルキル基が好ましく、mは7〜9の範囲が好ましい。
ただし、前記一般式(2)中、mは0〜10を表す。nは1〜40の整数を表す。
前記一般式(1)で表される界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、日光ケミカルズ株式会社より入手可能なBTシリーズ、日本触媒株式会社より入手可能なソフタノールシリーズ、日本油脂株式会社より入手可能なディスパノールなどが挙げられる。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子株式会社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム株式会社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、信頼性と発色性の向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(いずれもデュポン社製)が特に好ましい。
このような界面活性剤としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2〜5.0質量%のポリオール化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。このようなポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが特に好ましい。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類;エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、などが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)などが挙げられる。
前記インクにおける、25℃、1000msec付近の静的な表面張力は20〜35mN/mが好ましく、22〜28mN/mがより好ましい。
前記インクのpHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等をインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示を省略している供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填されたインクカートリッジ201から、インクが供給されて補充される。
搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配設されている。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ201から供給チューブを通じて所要量のインクがサブタンク135に補給される。
図6は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの要素拡大図、図7は、同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、インク供給口(不図示)と、共通液室1bとなる彫り込みを形成したフレーム10と、流体抵抗部2aと、加圧液室2bとなる彫り込みと、ノズル3aに連通する連通口2cを形成した流路板20と、ノズル3aを形成するノズル板と、凸部6a、ダイヤフラム部6b及びインク流入口6cを有する振動板60と、該振動板60に接着層70を介して接合された積層圧電素子50と、該積層圧電素子50を固定しているベース40と、を備えている。
積層圧電素子50は、厚み10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚みが数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層している。この内部電極層は両端で外部電極に接続する。
積層圧電素子50はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部5f及び支持部5g(非駆動部)として使用する。外部電極の外側はハーフカットのダイシング加工により分割されるように、切り欠き等の加工によって長さを制限しており、これらは複数の個別電極となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており共通電極となる。
駆動部の個別電極にはFPC8が半田接合されている。また、共通電極は積層圧電素子50の端部に電極層を設けて回し込んでFPC8のGnd電極に接合している。FPC8にはドライバIC(不図示)が実装されている。これにより、駆動部5fへの駆動電圧印加を制御している。
この振動板60の島状凸部6aと、積層圧電素子50の駆動部5fと、振動板50と、フレーム10との結合は、ギャップ材を含有する接着層70をパターニングして接着している。
エッチングで残された部分が加圧液室2bの隔壁2dとなる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部2aとした。
ノズルプレート30は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル3aを多数形成している。このノズル3aの内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成している。また、このノズル3aの径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmである。また、各列のノズルピッチは150dpiとした。
このノズルプレート30のインク吐出面(ノズル表面側)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層3bを設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質が得られるようにしている。また、これらの中でも、例えば、フッ素系樹脂としては、色々な材料が知られているが、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業株式会社製、商品名:オプツールDSX)を厚みが30〜100Åとなるように蒸着することで良好な撥水性を得ることができる。
インク供給口及び共通液室1bとなる彫り込みを形成するフレーム10は、樹脂成形により作製される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室2b内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室2b内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室1bに流入し、共通液室1bからインク流入口6cを経て流体抵抗部2aを通り、加圧液室2b内に充填される。
流体抵抗部2aは、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部2aを適宜に選択することにより、残留圧力の減衰とリフィル時間とのバランスが取れ、次のインク滴の吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くすることができる。
前記インク記録物は、記録媒体上に、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された画像を有してなる。前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
−ブラックインクの作製−
下記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行い、製造例1のブラックインクを作製した。
<インク組成>
・KM−9051(東洋インキ製造株式会社製、自己分散型カーボンブラック)・・・50質量%
・湿潤剤としてのグリセリン・・・10質量%
・湿潤剤としての1,3−ブタンジオール・・・15質量%
・湿潤剤としての2−ピロリドン・・・2質量%
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2質量%
・界面活性剤(C13H27O(C2H4O)9H)・・・1質量%
・シリコーン消泡剤(信越化学工業株式会社製、KS531)・・・0.1質量%
・イオン交換水・・・残量
<イエローインクの作製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。次に、65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
得られたポリマー溶液Aを28g、C.I.ピグメントイエロー97を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを充分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、イエローポリマー微粒子の水分散体を調製した。
下記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行い、製造例2のイエローインクを作製した。
・上記調製したイエローポリマー微粒子分散体・・・40質量%
・湿潤剤としてのグリセリン・・・8質量%
・湿潤剤としての1,3−ブタンジオール・・・20質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量%
・界面活性剤(C13H27O(C2H4O)7H)・・・1.5質量%
・シリコーン消泡剤(信越化学工業株式会社製、KS508)・・・0.1質量%
・イオン交換水・・・残量
<マゼンタインクの作製>
−顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
製造例2の顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製において、顔料としてのC.I.ピグメントイエロー97を、C.I.ピグメントレッド122に変えた以外は、製造例2と同様にして、マゼンタポリマー微粒子の水分散体を調製した。
下記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行い、製造例3のマゼンタインクを作製した。
・上記調製したマゼンタポリマー微粒子の分散体・・・50質量%
・湿潤剤としてのグリセリン・・・10質量%
・湿潤剤としての1,3−ブタンジオール・・・18質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量%
・界面活性剤(C13H27O(C2H4O)7H)・・・1.5質量%
・シリコーン消泡剤(KS508、信越化学工業株式会社製)・・・0.1質量%
・イオン交換水・・・残量
<シアンインクの作製>
−顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
製造例2の顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製において、顔料としてのC.I.ピグメントイエロー97を、C.I.ピグメントブルー15:3に変えた以外は、製造例2と同様にして、シアンポリマー微粒子の水分散体を調製した。
下記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行い、製造例4のシアンインクを作製した。
・上記シアンポリマー微粒子分散体・・・40質量%
・湿潤剤としてのグリセリン・・・8質量%
・湿潤剤としての1,3−ブタンジオール・・・20質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量%
・界面活性剤(C13H27O(C2H4O)7H)・・・1.5質量%
・シリコーン消泡剤(KS508、信越化学工業株式会社製)・・・0.1質量%
・イオン交換水・・・残量
Epson社製市販品(PXインク)のイエローインクカートリッジから抜き取ったインクを、比較製造例1のイエローインクとした。このインクの25℃での初期粘度は3.1mPa・sであった。
Epson社製市販品(PXインク)のマゼンタインクカートリッジから抜き取ったインクを、比較製造例2のマゼンタインクとした。このインクの25℃での初期粘度は3.5mPa・sであった。
Epson社製市販品(PXインク)のシアンインクカートリッジから抜き取ったインクを、比較製造例3のシアンインクとした。このインクの25℃での初期粘度は3.3mPa・sであった。
Epson社製市販品(PXインク)のブラックインクカートリッジから抜き取ったインクを、比較製造例4のブラックインクとした。このインクの25℃での初期粘度は3.4mPa・sであった。
<評価(1):水分蒸発に伴う粘度上昇度の測定>
製造例1〜4の各インク及び比較製造例1〜4の各インクの一定量を、50℃、10%RHの環境下で放置し、所定時間経過後のインク粘度及びインク蒸発量を測定した。結果を図8に示す。
前記インクの粘度の測定は、東機産業株式会社製の粘度計RL−500を用いて行った。また、前記インク蒸発量は、下記数式で示すように、一定時間蒸発させた前後の質量変化から算出することができる。
インク蒸発量(質量%)=〔蒸発前後の質量変化(g)/初期のインク質量(g)〕×100
また、製造例1のインクの初期粘度は、25℃で、7.6mPa・s、製造例2のインクの初期粘度は、25℃で、7.7mPa・s、製造例3のインクの初期粘度は、25℃で、8.1mPa・s、製造例4のインクの初期粘度は、25℃で、7.9mPa・sであり、いずれも7.5mPa・sを超えていた。
<インク供給機構の改造>
−メインタンクの改造−
メインタンクとしては、厚み60μmのポリエチレンフィルムにアルミニウムを厚み10μmとなるように蒸着したインク袋の一端部に、高密度ポリエチレンからなるインク供給口を設け、該インク供給口の先端にシリコーンゴムからなるシール部を貼り付けて、メインタンクを作製した。
ポンプとしては、ポリアセタール樹脂からなるシリンダ部と、シリコーンゴムからなるシール部とから構成されているポンプを用いた。
サブタンクとしては、高密度ポリエチレンからなる容量6mlのケースの一方の面を、インクに接する側にポリエチレンフィルムを、インクと接しない側にシリカを蒸着させたナイロンフィルムを張り合わせたフィルムを溶着させたインクケースと、インク供給口部材としてシリコーンゴムを用いた構成とした。
供給チューブとしては、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂からなる内層と、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂の分子間を金属架橋してなるアイオノマー樹脂からなる外層との2層構造からなるチューブを用いた。
<インク供給機構の改造>
製造例5において、供給チューブ及びサブタンクを以下のように変えた以外は、製造例5と同様にして、インクジェット記録装置を作製した。
サブタンクとしては、製造例5におけるサブタンクの材質を高密度ポリエチレンから低密度ポリエチレンに変えた以外は、製造例5と同様にして、比較製造例5のサブタンクを作製した。
供給チューブとしては、製造例5における供給チューブの材質を低密度ポリエチレンに変えた以外は、製造例5と同様にして、比較製造例5の供給チューブを作製した。
製造例5及び比較製造例5のメインタンク、ポンプ、サブタンク、及び供給チューブの各部材に製造例4のシアンインクを充填し、23℃、50%RHの環境下、1ヶ月放置し、各部材全体の質量変化から各部材の透湿度を評価した。また、放置後の各部材からインクを抜き取り、インクの粘度を測定し、初期粘度との粘度上昇率を求めた。結果を表2に示す。
実施例1は、製造例5の各部材を搭載したインクジェット記録装置(株式会社リコー製、G707)に、製造例1〜4の各インクを充填した。
比較例1は、比較製造例5の各部材を搭載したインクジェット記録装置(株式会社リコー製、G707)に、比較製造例1〜4の各インクを充填した。
比較例2は、比較製造例5の各部材を搭載したインクジェット記録装置(株式会社リコー製、G707)に、製造例1〜4の各インクを充填した。
×:ほとんどのノズルが吐出しない
△:半数以上のノズルが吐出しない
○:半数以上のノズルが吐出する
◎:全てのノズルが吐出する
20 流路板
30 ノズルプレート
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
Claims (10)
- 多数のノズルを有する少なくとも1つの記録ヘッドと、
インクを内部に収容するメインタンクと、
前記記録ヘッドに直結して配置され、該記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに供給チューブを通じてインクを供給するインク供給手段と、を少なくとも有するインクジェット記録装置であって、
前記メインタンク、前記サブタンク、前記供給チューブ、及び前記インク供給手段は、それぞれ23℃、50%RHでの透湿度が0.015g/day以下であり、かつ
前記インクは、50℃、10%RHの環境下での蒸発試験を行った際の粘度上昇度が、インク蒸発量が30質量%未満までは50mPa・s以下であり、インク蒸発量が30質量%以上45質量%以下では、前記粘度上昇度が100mPa・sを超える点を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 蒸発試験を行う前の25℃でのインクの初期粘度が、7.5mPa・s以上である請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- インクが湿潤剤を含有し、かつ該湿潤剤が少なくとも2種の多価アルコールを含む請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 湿潤剤のインクにおける合計含有量が、10〜40質量%である請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 維持回復手段を有し、かつ該維持回復手段は、印字休止時間に応じてインクジェット記録装置の電源ON時、及び記録中止後の記録開始直前の少なくともいずれかに作動する請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 維持回復手段が、ノズル孔内部のインクを非印字領域に吐出させる手段である請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 維持回復手段が、記録ヘッドのノズル孔内のインクを吸引する手段である請求項5から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 維持回復手段が、記録ヘッドのノズル面をワイパーで拭き取る手段である請求項5から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用い、インクに刺激を印加し、記録ヘッドのノズルから該インクを吐出させて画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項9に記載のインクジェット記録方法。
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