JP6177259B2 - ステントおよびステントグラフト - Google Patents

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Description

本発明は、消化管などの体内の管状器官に留置することにより、管状器官の狭窄や閉塞を防止するためのステントおよびステントグラフトに関する。
消化管に留置されるステント(消化管ステント)は、腫瘍により狭窄した消化管の内腔を押し開けるために使用される。
かかる消化管ステントには、狭窄部を十分に押し広げるために高い拡径力を有すること、デリバリーシースへスムーズに挿入できるように縮径性が良好であること、消化管の湾曲形状に対する追従性が良好であることが要求される。
ところで、消化管ステントの留置後において、腫瘍の成長によって腫瘍組織がステントの網目から消化管ステントの内腔に侵入して、消化管を再狭窄することがある。
このような消化管の再狭窄を防止するためには、ステントの網目を、できるだけ細かく(網目を形成する線材の隙間を狭く)することが望ましい。
しかしながら、ステントの網目を細かく形成すると、周方向および軸方向に配列する網目の数が増加し、これに伴って、線材の連結部(例えば、線材の屈曲部どうしの連結部である掛け合い部)の数が増加する。
ここに、同一軸方向位置において周方向に配列される連結部(掛け合い部)が増加することにより、ステントの縮径性が損なわれる傾向がある。
また、同一周方向位置において軸方向に配列される連結部(掛け合い部)が増加することにより、管状器官の湾曲形状に対する追従性が損なわれる傾向がある。
また、下記特許文献1には、線材(第1部材)により第1筒状格子構造を形成した後、線材(第2部材)により、第1筒状格子構造から周方向に1/4ピッチずらして、同一形状の第2格子構造体を形成してなるステントが開示されている。
このようなステントによれば、一方の筒状格子構造による網目の面積を、他方の筒状格子構造を構成する線材によって4分割することができ、ステントの網目を細かくすることができる(特許文献1の図13参照)。
特表2009−501049
しかしながら、上記特許文献1に記載されたステントにおいては、第1筒状格子構造のみからなるステントと比較して、いくつかの同一周方向位置(例えば、同文献の図13のy1,y3,y7,y9およびy13)において軸方向に沿って配列する掛け合い部の数が2倍となり、いくつかの同一軸方向位置(例えば、同文献の図13のx1およびx9)において周方向に沿って配列する掛け合い部の数が2倍となる。
このため、上記特許文献1に記載されたステントは、湾曲形状に対する追従性に劣るものであり、縮径性にも劣るものである。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、ステントに要求される縮径性および湾曲形状に対する追従性が損なわれることなく網目を細かくすることができ、管状器官に留置した後に、腫瘍組織が内腔に侵入して再狭窄することを防止することができるステントを提供することにある。
(1)本発明のステントは、1本以上の線材を編み組んで、筒状に形成してなるステントにおいて、
前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第1ループと、この第1ループに対して位相が1/2ピッチずれるように前記第1ループに連続して前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第2ループとによって形成される、複数の網目が周方向に沿って配列された周方向単位が、軸方向に沿って複数設けられてなる第1織構造体と、
前記第1織構造体の周方向単位と同じピッチ長さで、かつ、前記第1織構造体の周方向単位よりも小さい振幅で、前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第1ループと、この第1ループに対して位相が1/2ピッチずれるように前記第1ループに連続して前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第2ループとにより形成される、複数の網目が周方向に沿って配列された周方向単位が、前記第1織構造体の周方向単位に対応して、軸方向に沿って複数設けられてなる第2織構造体とにより構成され、
前記第1織構造体の周方向単位どうしが重なる部分において、一方の周方向単位の屈曲部と、他方の周方向単位の屈曲部または線材交差部とが連結しており、
前記第2織構造体の周方向単位は、対応する前記第1織構造体の周方向単位に対して周方向に1/4ピッチずれていて、対応する前記第1織構造体の周方向単位に編み組まれており、
前記第2織構造体の隣り合う周方向単位どうしにおいて、一方の周方向単位の屈曲部は、他方の周方向単位の屈曲部および線材交差部の何れとも連結しておらず、
前記第1織構造体は、周方向単位を形成するループの端部を屈曲させずにそのまま直進させて、この周方向単位に対して軸方向にずれた位置で次の周方向単位を形成することにより、複数の周方向単位が軸方向に沿って設けられてなり、
前記第2織構造体は、周方向単位を形成するループの端部を屈曲させずにそのまま直進させて、この周方向単位に対して、前記第1織構造体において隣り合う周方向単位間のずれ量と同じだけ軸方向にずれた位置で次の周方向単位を形成することにより、複数の周方向単位が軸方向に沿って設けられてなることを特徴とする。
このような構成のステントによれば、第2織構造体の周方向単位がこれと対応する第1織構造体の周方向単位に対して周方向に1/4ピッチずれていることにより、第1織構造体における網目の面積を第2織構造体を構成する線材によって4分割することができるので、当該ステントの網目を細かくすることができる。
また、第2織構造体の周方向単位がこれと対応する第1織構造体の周方向単位に対して周方向に1/4ピッチずれていることにより、第1織構造体の周方向単位の屈曲部による連結部と、第2織構造体の周方向単位の屈曲部による連結部とが同一周方向位置において軸方向に沿って配列されることがないので、同一周方向位置に配列する連結部の数が2倍に増加して湾曲形状に対する追従性が損なわれるようなことを回避することができる。
また、第2織構造体の周方向単位の振幅が第1織構造体の周方向単位の振幅より小さいことにより、第1織構造体の周方向単位の屈曲部による連結部と、第2織構造体の周方向単位の屈曲部による連結部とが同一軸方向位置において周方向に沿って配列されることがないので、同一軸方向位置に配列する連結部の数が2倍に増加して縮径性が損なわれることを回避することができる。
また、第2織構造体の隣り合う周方向単位どうしにおいて、一方の周方向単位の屈曲部は、他方の周方向単位の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していないことにより、連結している場合と比較して、湾曲形状に対する追従性や縮径性を良好なものとすることができる。
また、第1織構造体が、周方向単位を形成するループの端部を屈曲させずにそのまま直進させて、この周方向単位に対して軸方向にずれた位置で次の周方向単位を形成することにより、複数の周方向単位が軸方向に沿って設けられてなり、
第2織構造体が、周方向単位を形成するループの端部を屈曲させずにそのまま直進させて、この周方向単位に対して、第1織構造体において隣り合う周方向単位間のずれ量と同じだけ軸方向にずれた位置で次の周方向単位を形成することにより、複数の周方向単位が軸方向に沿って設けられてなることにより、第2織構造体の周方向単位のすべてが、第1織構造体の周方向単位と対応することになる。
(2)本発明のステントにおいて、前記第2織構造体の周方向単位の振幅は、前記第1織構造体の周方向単位の振幅の25〜95%であることが好ましい。
(3)本発明のステントにおいて、前記第1織構造体の周方向単位は、前の周方向単位に対して軸方向にほぼ1/2ピッチ(振幅の1/2)ずれるとともに、周方向にほぼ1/4ピッチずれており、前記第1織構造体の周方向単位どうしが重なる部分において、一方の周方向単位の屈曲部と、他方の周方向単位の線材交差部とが連結していることが好ましい。
(4)上記(3)のステントにおいて、前記第2織構造体の周方向単位の屈曲部は、対応する前記第1織構造体の周方向単位に隣り合う前記第1織構造体の周方向単位の屈曲部と連結されていないことが好ましい。
(5)本発明のステントグラフトは、本発明のステントと、このステントの内周および/または外周を覆うグラフトとを備えてなることを特徴とする。
本発明のステントによれば、要求される縮径性および管状器官の湾曲形状に対する追従性が損なわれることなく網目を細かくすることができ、管状器官に留置した後に腫瘍組織が内腔に侵入して再狭窄することを防止することができる。
本発明のステントの構成の一部を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係るステントの要部を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 図2に示したステントの形成過程を示す展開図である。 本発明の第2実施形態に係るステントの要部を示す展開図である。 図4に示した第2実施形態に係るステントについて、図2に示した第1実施形態に係るステントとの相違点を説明するための展開図である。 本発明の第3実施形態に係るステントの要部を示す展開図である。 本発明の第4実施形態に係るステントの要部を示す展開図である。
<基本構造>
以下、本発明のステントの基本構造について詳細に説明する。
図1は、本発明のステントを構成する第1織構造体の周方向単位1と、第2織構造体の周方向単位2とが編み込まれている状態を模式的に示している。
図1に示すように、周方向単位1および周方向単位2は、それぞれのピッチ長さ(周方向のピッチ長さP1およびP2)が同じであるが、位相が1/4ピッチずれており、互いの振幅(A1およびA2)も異なっている。
ここに、周方向単位1および周方向単位2のピッチ長さ(P1およびP2)としては、例えば12〜48mmとされ、好ましくは18〜36mmとされる。
また、周方向単位1の振幅(A1)としては、例えば8〜24mmとされ、好ましくは12〜20mmとされる。
第1織構造体の周方向単位1は、線材W1により形成された屈曲部と直線部とからなり、線材W1で囲まれた空間である複数(5つ)の網目が周方向(矢印Xで示す方向)に沿って配列されてなる。
この周方向単位1は、線材W1を一定の振幅A1で左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された第1ループ1aと、第1ループ1aに対して位相が1/2ピッチずれるように、当該第1ループ1aに連続して線材W1を振幅A1で左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された第2ループ1bとにより形成されている。
第2ループ1bは、第1ループ1aの直線部において十字に交差し、第1ループ1aの上下を交互に通過するように(すなわち、第1ループ1aと織りを形成するように)進行している。
また、第2織構造体の周方向単位2は、線材W2により形成された屈曲部と直線部とからなり、線材W2で囲まれた空間である複数(5つ)の網目が周方向に沿って配列されてなる。
この周方向単位2は、線材W2を一定の振幅A2(但し、A2<A1である)で左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された第1ループ2aと、第1ループ2aに対して位相が1/2ピッチずれるように、当該第1ループ2aに連続して線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された第2ループ2bとによって形成されている。
本発明のステントを構成する線材(線材W1,W2)の構成材料としては金属が好ましく、特に、熱処理による形状記憶効果および超弾性が付与される形状記憶合金が好ましい。ただし、用途によってはステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、Wなどを用いてもよい
図1に示すように、周方向単位1のピッチ長さP1と周方向単位2のピッチ長さP2が同じで、周方向単位1と周方向単位2の位相が1/4ピッチずれていることにより、第1織構造体(周方向単位1)の網目の面積を、第2織構造体(周方向単位2)を構成する線材W2によって4分割することができるので、第1織構造体のみからなるステントと比較して網目を細かくすることができる。
また、図1に示すように、第2織構造体の周方向単位2が第1織構造体の周方向単位1に対して周方向に1/4ピッチずれていて、周方向単位1の屈曲部と周方向単位2の屈曲部とが同一周方向位置になく、周方向単位1の屈曲部による連結部と、周方向単位2の屈曲部による連結部とが同一周方向位置に配列される(密集する)ことがないので、管状器官の湾曲形状に対する追従性が損なわれることを回避することができる。
また、図1に示すように、第2織構造体の周方向単位2の振幅(A2)が第1織構造体の周方向単位1の振幅(A1)より小さいことにより、周方向単位1の屈曲部による連結部と、周方向単位2の屈曲部による連結部とが同一軸方向位置に配列される(密集する)ことがないので、ステントの縮径性が損なわれるを回避することができる。
ここに、周方向単位1の振幅A1に対する周方向単位2の振幅A2の比(A2/A1)としては25〜95%であることが好ましく、更に好ましくは40〜80%、好適な一例を示せば75%である。
比(A2/A1)の値が過小である場合には、一方の織構造体における網目の面積を他方の織構造体を構成する線材によって4分割する際に、比較的小さい2つの網目とともに、腫瘍組織を通過させてしまう程度の比較的大きな2つの網目が形成されてしまい、本発明の目的を達成することが困難となる。
一方、比(A2/A1)の値が100%に近い場合には、第1織構造体の周方向単位における屈曲部の軸方向位置と、第2織構造体の周方向単位における屈曲部の軸方向位置との離間距離が短くなり、ステントの縮径性が損なわれることがある。
<第1実施形態>
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
図2に示す本実施形態のステント100は、第1段目の周方向単位11と第2段目の周方向単位12と第3段目の周方向単位13とが、隣り合う周方向単位どうしで重なり合う部分を有しながら、軸方向に沿って設けられてなる第1織構造体10と、第1段目の周方向単位21と第2段目の周方向単位22と第3段目の周方向単位23とが、隣り合う周方向単位どうしで重なり合うことなく、軸方向に沿って設けられてなる第2織構造体20とにより構成されている。
第1織構造体10を構成する第1段目の周方向単位11は、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第1ループ11aと、この第1ループ11aに連続して、第1ループ11aに対して位相が1/2ピッチずれるように、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第2ループ11bとにより形成されている。
第2ループ11bは、第1ループ11aの直線部において十字に交差し、第1ループ11aの上下を交互に通過するように進行している。
第1織構造体10を構成する第2段目の周方向単位12は、第1段目の周方向単位11に対して軸方向に1/2ピッチ(周方向単位11の軸方向長さに相当する振幅の1/2)ずれるとともに、周方向に1/4ピッチずれている。
この周方向単位12は、第1段目の周方向単位11の第2ループ11bに連続して、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第1ループ12aと、この第1ループ12aに連続して、第1ループ12aに対して位相が1/2ピッチずれるように、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第2ループ12bとにより形成されている。
第2ループ12bは、第1ループ12aの直線部において十字に交差し、第1ループ12aの上下を交互に通過するように進行している。
第1段目の周方向単位11に対して軸方向に1/2ピッチずれている第2段目の周方向単位12は、周方向単位11と重なる部分を有する。
また、第1段目の周方向単位11に対して周方向に1/4ピッチずれている周方向単位12の屈曲部は周方向単位11の線材交差部と連結しており、周方向単位12の線材交差部は周方向単位11の屈曲部と連結している。
第1織構造体10を構成する第3段目の周方向単位13は、第2段目の周方向単位12に対して軸方向に1/2ピッチずれるとともに、周方向に1/4ピッチずれている。
この周方向単位13は、第2段目の周方向単位12の第2ループ12bに連続して、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第1ループ13aと、この第1ループ13aに連続して、第1ループ13aに対して位相が1/2ピッチずれるように、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第2ループ13bとにより形成されている。
第2ループ13bは、第1ループ13aの直線部において十字に交差し、第1ループ13aの上下を交互に通過するように進行している。
第2段目の周方向単位12に対して軸方向に1/2ピッチずれている第3段目の周方向単位13は、周方向単位12と重なる部分を有する。
また、第2段目の周方向単位12に対して周方向に1/4ピッチずれている周方向単位13の屈曲部は周方向単位12の線材交差部と連結しており、周方向単位13の線材交差部は周方向単位12の屈曲部と連結している。
第2織構造体20を構成する第1段目の周方向単位21は、これと対応する第1織構造体10の周方向単位11と同じピッチ長さ、対応する周方向単位11よりも小さい振幅、対応する周方向単位11に対して周方向に1/4ピッチずらした状態で、線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第1ループ21aと、この第1ループ21aに連続して、第1ループ21aに対して位相が1/2ピッチずれるように、線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第2ループ21bとにより形成されている。
第2ループ21bは、第1ループ21aの直線部において十字に交差し、第1ループ21aの上下を交互に通過するように進行している。
この周方向単位21は、対応する第1織構造体10の周方向単位11に編み組まれている。また、この周方向単位21の屈曲部は、第1織構造体10の周方向単位12の屈曲部と連結(掛け合い)している。
第2織構造体20を構成する第2段目の周方向単位22は、これと対応する第1織構造体10の周方向単位12と同じピッチ長さ、対応する周方向単位12よりも小さい振幅、対応する周方向単位12に対して周方向に1/4ピッチずらした状態で、線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第1ループ22aと、この第1ループ22aに連続して、第1ループ22aに対して位相が1/2ピッチずれるように、線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第2ループ22bとにより形成されている。
第2ループ22bは、第1ループ22aの直線部において十字に交差し、第1ループ22aの上下を交互に通過するように進行している。
この周方向単位22は、対応する第1織構造体10の周方向単位12に編み組まれている。また、この周方向単位22の屈曲部は、第1織構造体10の周方向単位11の屈曲部と連結(掛け合い)しているとともに、第1織構造体10の周方向単位13の屈曲部とも連結(掛け合い)している。
なお、周方向単位22と周方向単位21とは重なり合う部分がなく、周方向単位22の屈曲部は、第1段目の周方向単位21の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
第2織構造体20を構成する第3段目の周方向単位23は、これと対応する第1織構造体10の周方向単位13と同じピッチ長さ、対応する周方向単位13よりも小さい振幅、対応する周方向単位13に対して周方向に1/4ピッチずらした状態で、線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第1ループ23aと、この第1ループ23aに連続して、第1ループ23aに対して位相が1/2ピッチずれるように、線材W2を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成した第2ループ23bとにより形成されている。
第2ループ23bは、第1ループ23aの直線部において十字に交差し、第1ループ23aの上下を交互に通過するように進行している。
この周方向単位23は、対応する第1織構造体10の周方向単位13に編み組まれている。また、この周方向単位23の屈曲部は、第1織構造体10の周方向単位12の屈曲部と連結(掛け合い)している。
なお、周方向単位23と周方向単位22とは重なり合う部分がなく、周方向単位23の屈曲部は、第2段目の周方向単位22の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
本実施形態のステント100は、線材W1および線材W2を、例えば下記のような手順で編むことにより形成することができる。
なお、この編み作業は、通常、マンドレルの外周に所定のパターンで線材を巻き付けることにより行う。
(1)線材W1を、一定の振幅で左右に折り返しながら周方向に沿って進行させることにより第1ループ11aを形成し(図3A参照)、線材W1を一周させた後、第1ループ11aに対して位相を1/2ピッチずらして第1ループ11aと織りを形成するように、第1ループ11aに連続して同じ振幅で線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させることにより第2ループ11bを形成する。これにより、複数の網目が周方向に沿って配列された第1段目の周方向単位11が形成される(図3B参照)。
(2)次に、周方向単位11を形成する第2ループ11bの端部を屈曲させずに軸方向に1/2ピッチ(振幅の1/2)、周方向に1/4ピッチ進行させた後、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させることにより第1ループ12aを形成し(図3C参照)、線材W1を一周させた後、第1ループ12aに対して位相を1/2ピッチずらして第1ループ12aと織りを形成するように、第1ループ12aに連続して線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させることにより第2ループ12bを形成する。これにより、複数の網目が周方向に沿って配列された第2段目の周方向単位12が形成される(図3D参照)。
(3)次に、周方向単位12を形成する第2ループ12bの端部を屈曲させずに軸方向に1/2ピッチ、周方向に1/4ピッチ進行させた後、線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させることにより第1ループ13aを形成し(図3E参照)、線材W1を一周させた後、第1ループ13aに対して位相を1/2ピッチずらして第1ループ13aと織りを形成するように、第1ループ13aに連続して線材W1を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させることにより第2ループ13bを形成する。これにより、複数の網目が周方向に沿って配列された第3段目の周方向単位13を形成される(図3F参照)。
このようにして、第1段目の周方向単位11と、第2段目の周方向単位12と、第3段目の周方向単位13とが、隣り合う周方向単位どうしで重なり合う部分を有しながら、軸方向に沿って設けられてなる第1織構造体10が形成される(図3G参照)。
(4)次に、第1織構造体10の周方向単位13と同じピッチ長さで、かつ、周方向単位13よりも小さい振幅で、線材W2を左右に折り返しながら周方向単位13と織りを形成するように周方向に沿って進行させて第2ループ23bを形成し(図3H参照)、線材W2を一周させた後、第2ループ23bに対して位相を1/2ピッチずらして、第2ループ23bに連続して、線材W2を左右に折り返しながら、第2ループ23bおよび周方向単位13と織りを形成するように周方向に沿って進行させて第1ループ23aを形成する。これにより、複数の網目が周方向に沿って配列され、第1織構造体10の周方向単位13に対して周方向に1/4ピッチずれていて、当該周方向単位13に編み組まれた(周方向単位13に対応する)第3段目の周方向単位23が形成される(図3I参照)。
(5)次に、周方向単位23を形成する第1ループ23aの端部を屈曲させずに軸方向に第1織構造体10の周方向単位の1/2ピッチ相当量(第1織構造体10において隣り合う周方向単位間のずれ量と同じ)、周方向に1/4ピッチ進行させた後、第1織構造体10の周方向単位12と同じピッチ長さで、かつ、周方向単位12よりも小さい振幅で、線材W2を左右に折り返しながら周方向単位12と織りを形成するように周方向に沿って進行させて第2ループ22bを形成し(図3J参照)、線材W2を一周させた後、第2ループ22bに対して位相を1/2ピッチずらして、第2ループ22bに連続して、線材W2を左右に折り返しながら、第2ループ22bおよび周方向単位12と織りを形成するように周方向に沿って進行させて第1ループ22aを形成する。これにより、複数の網目が周方向に沿って配列され、第1織構造体10の周方向単位12に対して周方向に1/4ピッチずれていて、当該周方向単位12に編み組まれた(周方向単位12に対応する)第2段目の周方向単位22が形成される(図3K参照)。
(6)次に、周方向単位22を形成する第1ループ22aの端部を屈曲させずに軸方向に第1織構造体10の周方向単位の1/2ピッチ相当量(第1織構造体10において隣り合う周方向単位間のずれ量と同じ)、周方向に1/4ピッチ進行させた後、第1織構造体10の周方向単位11と同じピッチ長さで、かつ、周方向単位11よりも小さい振幅で、線材W2を左右に折り返しながら周方向単位11と織りを形成するように周方向に沿って進行させて第2ループ21bを形成し(図3L参照)、線材W2を一周させた後、第2ループ21bに対して位相を1/2ピッチずらして、第2ループ21bに連続して、線材W2を左右に折り返しながら、第2ループ21bおよび周方向単位11と織りを形成するように周方向に沿って進行させて第1ループ21aを形成する。これにより、複数の網目が周方向に沿って配列され、第1織構造体10の周方向単位11に対して周方向に1/4ピッチずれていて、当該周方向単位11に編み組まれた(周方向単位11に対応する)第1段目の周方向単位21が形成される(図3M参照)。
このようにして、第1段目の周方向単位21と、第2段目の周方向単位22と、第3段目の周方向単位23とが軸方向に沿って設けられてなる第2織構造体20が形成され、図2に示した本実施形態のステント100が構成される。
この実施形態のステント100によれば、第1織構造体10の周方向単位11〜13の各々と、第2織構造体20の周方向単位21〜23の各々とが、互いに同じピッチ長さを有し、位相が1/4ピッチずれていることにより、第1織構造体10の周方向単位11〜13の各々における網目の面積を、第2織構造体20の周方向単位21〜23の各々を構成する線材W2によって4分割することができるので、第1織構造体10のみから形成されるステントと比較して網目を細かくすることができる。
また、第2織構造体20の周方向単位21〜23の各々が、第1織構造体10の周方向単位11〜13の各々に対して周方向に1/4ピッチずれていて、周方向単位11〜13の屈曲部と、周方向単位21〜23の屈曲部とが同一周方向位置になく、第1織構造体10の周方向単位11〜13の屈曲部による連結部(周方向単位11〜13の屈曲部と、他の周方向単位の屈曲部または線材交差部との連結部)と、第2織構造体20の周方向単位21〜23の屈曲部による連結部(周方向単位21〜23の屈曲部と、他の周方向単位の屈曲部または線材交差部との連結部)とが同一周方向位置に配列されることがないので、管状器官の湾曲形状に対する追従性が損なわれることを回避することができる。
また、第2織構造体20の周方向単位21〜23の各々の振幅が、第1織構造体10の周方向単位11〜13の各々の振幅より小さいことにより、周方向単位11〜13の屈曲部と、周方向単位21〜23の屈曲部とが同一軸方向位置になく、第1織構造体10の周方向単位11〜13の屈曲部による連結部(周方向単位11〜13の屈曲部と、他の周方向単位の屈曲部または線材交差部との連結部)と、第2織構造体20の周方向単位21〜23の屈曲部による連結部(周方向単位21〜23の屈曲部と、他の周方向単位の屈曲部または線材交差部との連結部)とが同一軸方向位置に配列されることがないので、ステントの縮径性が損なわれるを回避することができる。
<第2実施形態>
図4および図5に示す本実施形態のステント200は、第1実施形態のステント100と同様に、第1段目の周方向単位11’と第2段目の周方向単位12’と第3段目の周方向単位13’とが軸方向に沿って設けられてなる第1織構造体10’と、第1段目の周方向単位21’と第2段目の周方向単位22’と第3段目の周方向単位23’とが軸方向に沿って設けられてなる第2織構造体20’とにより構成されている。
なお、図5は、図4に示した構造において、図2に示した構造と相違する箇所(第1織構造体を構成する線材W1と、第2織構造体を構成する線材W2との交差部分において、線材W1および線材W2の前後関係が、図2で示される構造と逆である箇所)を「○」で囲んで示している。
本実施形態のステント200を構成する第1織構造体10’は、第1実施形態のステント100を構成する第1織構造体10と同じ構造である。
また、ステント200を構成する第2織構造体20’は、第1実施形態のステント100を構成する第2織構造体20と同様の構造であるが、第1織構造体10’との編み組み方が、ステント100の第2織構造体20における第1織構造体10との編み組み方と異なっている。
図4(図5)に示すように、本実施形態のステント200において、第2織構造体20’の周方向単位21’の屈曲部と、第1織構造体10’の周方向単位12’の屈曲部とは、重なり合っているが、掛け合ってはいない。
また、第2織構造体20’の周方向単位22’の屈曲部と、第1織構造体10’の周方向単位11’の屈曲部とは、重なり合っているが、掛け合ってはいない。
また、第2織構造体20’の周方向単位22’の屈曲部と、第1織構造体10’の周方向単位13’の屈曲部とは、重なり合っているが、掛け合ってはいない。
更に、第2織構造体20’の周方向単位23’の屈曲部と、第1織構造体10’の周方向単位12’の屈曲部とは、重なり合っているが、掛け合ってはいない。
この実施形態のステント200によれば、第1実施形態のステント100と同様の効果を奏する。
しかも、上記のように、第2織構造体20’の周方向単位(21’,22’,23’)の屈曲部と、当該周方向単位(21’,22’,23’)が対応する第1織構造体10’の周方向単位(11’,12’,13’)に隣り合う周方向単位(12’,11’および13’,12’)の屈曲部とが掛け合いされていないことによって、第1織構造体10’、延いてはステント200を十分に伸ばす(縮径させる)ことが可能となり、そのような掛け合い部を有する第1実施形態のステント100と比較して、縮径性のさらなる向上を図ることができる。
<第3実施形態>
図6に示す本実施形態のステント300は、第1段目の周方向単位61と第2段目の周方向単位62とが軸方向に沿って設けられている第1織構造体60と、第1段目の周方向単位71と第2段目の周方向単位72とが軸方向に沿って設けられている第2織構造体70とにより構成されている。
それぞれの周方向単位(61,62,71,72)は、2つのループから構成され、当該2つのループは、各々の直線部において十字に交差し、一方のループは、他方のループの上下を交互に通過するように進行している。
図6に示すように、第1織構造体60を構成する第1段目の周方向単位61と第2段目の周方向単位62とは軸方向に1ピッチ(振幅)ずれていて、周方向単位61の屈曲部と周方向単位62の屈曲部とは連結(掛け合い)している。
第2織構造体70を構成する第1段目の周方向単位71は、これと対応する第1織構造体60の周方向単位61と同じピッチ長さ、この周方向単位61よりも小さい振幅で形成され、周方向単位61に対して周方向に1/4ピッチずれている状態で、この周方向単位61に編み組まれている。
なお、周方向単位71は、第1織構造体60の周方向単位62と重なり合う部分がなく、周方向単位71の屈曲部は、周方向単位62の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
第2織構造体70を構成する第2段目の周方向単位72は、これと対応する第1織構造体60の周方向単位62と同じピッチ長さ、この周方向単位62よりも小さい振幅で、周方向単位71の端部に連続して形成され、周方向単位62に対して周方向に1/4ピッチずれている状態で、この周方向単位62に編み組まれている。
なお、周方向単位72は、第1織構造体60の周方向単位61と重なり合う部分がなく、周方向単位72の屈曲部は、周方向単位61の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
また、周方向単位72は、第2織構造体70の周方向単位71と重なり合う部分がなく、周方向単位72の屈曲部は、周方向単位71の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
この実施形態のステント300によれば、第1織構造体60の周方向単位61および62の各々と、第2織構造体70の周方向単位71および72の各々とが、互いに同じピッチ長さを有し、位相が1/4ピッチずれていることにより、第1織構造体60の周方向単位61および62の各々における網目の面積を、第2織構造体70の周方向単位71および72の各々を構成する線材W2によって4分割することができるので、第1織構造体60のみから形成されるステントと比較して網目を細かくすることができる。
また、周方向単位71および72の各々が、第1織構造体60の周方向単位61および62の各々に対して周方向に1/4ピッチずれていて、周方向単位61および62の屈曲部と、周方向単位71および72の屈曲部とが同一周方向位置になく、周方向単位61および62の屈曲部による連結部と、周方向単位71および72の屈曲部による連結部とが同一周方向位置に配列されることがないので、管状器官の湾曲形状に対する追従性が損なわれることを回避することができる。
また、周方向単位71および72の各々の振幅が、第1織構造体60の周方向単位61および62の各々の振幅より小さいことにより、周方向単位61および62の屈曲部と、周方向単位71および72の屈曲部とが同一軸方向位置になく、周方向単位61および62の屈曲部による連結部と、周方向単位71および72の屈曲部による連結部とが同一軸方向位置に配列されることがないので、ステントの縮径性が損なわれるを回避することができる。
<第4実施形態>
図7に示す本実施形態のステント400は、第1段目の周方向単位61’と第2段目の周方向単位62’とが軸方向に沿って設けられている第1織構造体60’と、周方向単位71’と周方向単位73’と周方向単位72’とが軸方向に沿って設けられている第2織構造体70’とにより構成されている。
このステント400は、第2織構造体70’において、第1織構造体60’の周方向単位61’および62’の何れにも対応していない周方向単位(周方向単位73’)が形成されている点に特徴を有する。
本実施形態のステント400を構成する第1織構造体60’は、第3実施形態のステント300を構成する第1織構造体60と同じ構造である。
第2織構造体70’を構成する周方向単位71’は、これと対応する第1織構造体60’の周方向単位61’と同じピッチ長さ、この周方向単位61’よりも小さい振幅で形成され、周方向単位61’に対して周方向に1/4ピッチずれている状態で、この周方向単位61’に編み組まれている。
なお、周方向単位71’は、第1織構造体60’の周方向単位62’と重なり合う部分がなく、周方向単位71’の屈曲部は、周方向単位62’の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
第2織構造体70’を構成する周方向単位72’は、これと対応する第1織構造体60’の周方向単位62’と同じピッチ長さ、この周方向単位62’よりも小さい振幅で形成され、周方向単位62’に対して周方向に1/4ピッチずれている状態で、この周方向単位62’に編み組まれている。
なお、周方向単位72’は、第1織構造体60’の周方向単位61’と重なり合う部分がなく、周方向単位72’の屈曲部は、周方向単位61’の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
第2織構造体70’を構成する周方向単位73’は、周方向単位71’および72’と同じピッチ長さ、同じ振幅(周方向単位61’および62’よりも小さい振幅)で、周方向単位71’と周方向単位72’との間に形成され、周方向単位61’および周方向単位62’に編み組まれている。
周方向単位73’の屈曲部は、第1織構造体60’の周方向単位61’の屈曲部と連結(掛け合い)しているとともに、第1織構造体60’の周方向単位62’の屈曲部とも連結(掛け合い)している。
なお、周方向単位73’は、周方向単位71’と重なり合う部分がなく、周方向単位73’の屈曲部は、周方向単位71’の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。また、周方向単位73’は、周方向単位72’と重なり合う部分がなく、周方向単位73’の屈曲部は、周方向単位72’の屈曲部および線材交差部の何れとも連結していない。
この実施形態のステント400によれば、第3実施形態のステント300と同様の効果を奏する。
しかも、第1織構造体60’の周方向単位61’と周方向単位62’とにより囲まれた網目の面積を、第2織構造体70’の周方向単位73’を構成する線材W2によって分割することができるので、周方向単位73’を有しない第3実施形態のステント300と比較して網目を更に細かくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものでなく、種々の変更が可能である。
例えば、第1織構造体において、軸方向に沿って形成される周方向単位の数は、3個(図2および図3)や2個(図6および図7)ではなく、2〜20個程度とされる。
本発明のステントは、その内周および/または外周の少なくとも一部をグラフトで被覆することにより、ステントグラフトとして使用することができる。
ここに、グラフトとしては、従来公知のステントグラフトを構成するものをすべて使用することができ、例えば、熱可塑性樹脂を、押出成形、ブロー成形などの成形方法で加工して円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可撓性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。また、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。
100,200,300,400 ステント
10,10’ 第1織構造体
11,11’ 周方向単位(第1段目)
11a 第1ループ
11b 第2ループ
12,12’ 周方向単位(第2段目)
12a 第1ループ
12b 第2ループ
13,13’ 周方向単位(第3段目)
13a 第1ループ
13b 第2ループ
20,20’ 第2織構造体
21,21’ 周方向単位(第1段目)
21a 第1ループ
21b 第2ループ
22,22’ 周方向単位(第2段目)
22a 第1ループ
22b 第2ループ
23,23’ 周方向単位(第3段目)
23a 第1ループ
23b 第2ループ
60,60’ 第1織構造体
61,61’ 周方向単位
62,62’ 周方向単位
70,70’ 第2織構造体
71,71’ 周方向単位
72,72’ 周方向単位
73’ 周方向単位
W1,W2 線材
P1,P2 ピッチ長さ
A1,A2 振幅

Claims (5)

  1. 1本以上の線材を編み組んで、筒状に形成してなるステントにおいて、
    前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第1ループと、この第1ループに対して位相が1/2ピッチずれるように前記第1ループに連続して前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第2ループとによって形成される、複数の網目が周方向に沿って配列された周方向単位が、軸方向に沿って複数設けられてなる第1織構造体と、
    前記第1織構造体の周方向単位と同じピッチ長さで、かつ、前記第1織構造体の周方向単位よりも小さい振幅で、前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第1ループと、この第1ループに対して位相が1/2ピッチずれるように前記第1ループに連続して前記線材を左右に折り返しながら周方向に沿って進行させて形成された屈曲部と直線部とからなる第2ループとにより形成される、複数の網目が周方向に沿って配列された周方向単位が、前記第1織構造体の周方向単位に対応して、軸方向に沿って複数設けられてなる第2織構造体とにより構成され、
    前記第1織構造体の周方向単位どうしが重なる部分において、一方の周方向単位の屈曲部と、他方の周方向単位の屈曲部または線材交差部とが連結しており、
    前記第2織構造体の周方向単位は、対応する前記第1織構造体の周方向単位に対して周方向に1/4ピッチずれていて、対応する前記第1織構造体の周方向単位に編み組まれており、
    前記第2織構造体の隣り合う周方向単位どうしにおいて、一方の周方向単位の屈曲部は、他方の周方向単位の屈曲部および線材交差部の何れとも連結しておらず、
    前記第1織構造体は、周方向単位を形成するループの端部を屈曲させずにそのまま直進させて、この周方向単位に対して軸方向にずれた位置で次の周方向単位を形成することにより、複数の周方向単位が軸方向に沿って設けられてなり、
    前記第2織構造体は、周方向単位を形成するループの端部を屈曲させずにそのまま直進させて、この周方向単位に対して、前記第1織構造体において隣り合う周方向単位間のずれ量と同じだけ軸方向にずれた位置で次の周方向単位を形成することにより、複数の周方向単位が軸方向に沿って設けられてなることを特徴とするステント。
  2. 前記第2織構造体の周方向単位の振幅は、前記第1織構造体の周方向単位の振幅の25〜95%であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
  3. 前記第1織構造体の周方向単位は、前の周方向単位に対して軸方向にほぼ1/2ピッチずれるとともに、周方向にほぼ1/4ピッチずれており、前記第1織構造体の周方向単位どうしが重なる部分において、一方の周方向単位の屈曲部と、他方の周方向単位の線材交差部とが連結していることを特徴とする請求項1または2に記載のステント。
  4. 前記第2織構造体の周方向単位の屈曲部は、対応する前記第1織構造体の周方向単位に隣り合う前記第1織構造体の周方向単位の屈曲部と連結されていないことを特徴とする請求項3に記載のステント。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のステントと、このステントの内周および/または外周を覆うグラフトとを備えてなることを特徴とするステントグラフト。
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