JP6079178B2 - 光書き込み制御装置、画像形成装置及び光書き込み装置の制御方法 - Google Patents

光書き込み制御装置、画像形成装置及び光書き込み装置の制御方法 Download PDF

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Description

光書き込み制御装置、画像形成装置及び光書き込み装置の制御方法に関し、特に、画像の描画位置補正のために描画されるパターンの構成に関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
このような画像処理装置のうち、電子化された書類の出力に用いられる画像形成装置においては、電子写真方式の画像形成装置が広く用いられている。電子写真方式の画像形成装置においては、感光体を露光することにより静電潜像を形成し、トナー等の顕色剤を用いてその静電潜像を現像してトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写することによって紙出力を行う。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、感光体を露光して静電潜像を描画するタイミングと用紙の搬送タイミングとを合わせることにより、用紙の正しい範囲に画像が形成されるように調整が行われる。また、複数の感光体を用いてカラー画像を形成するタンデム式の画像形成装置においては、各色の感光体において現像された画像が正確に重ね合わされるように、各色の感光体における露光タイミングの調整が行われる。以降、これらの調整処理を総じて位置ずれ補正とする。
上述したような位置ずれ補正を実現するための具体的な方法としては、感光体を露光する光源と感光体との配置関係を調整する機械的な調整方法と、出力するべき画像を位置ずれに応じて調整することにより最終的に好適な位置に画像が形成されるようにする画像処理による方法とがある。この画像処理による方法の場合、補正用のパターンを描画してそれを読み取ることにより、設計上定まるタイミングと実際にパターンが読み取られたタイミングとの差異に基づいて補正が行われ、所望の位置に画像が形成されるようにする。
また、上述した画像処理による方法においては、補正用のパターンを読み取るセンサによる読み取り精度の向上のための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、読取センサによる読み取り範囲に対して余裕を持って描画された補正用パターン、即ち、位置ずれが発生していても読み取りに支障のないように大きめに描画された補正用パターンに基づいて補正を行った後、読取センサによる読み取り範囲に応じた大きさで描画された補正用パターンを描画して再度補正処理を行う。これにより、再度実行される補正処理においては、余分に描画された部分からの拡散反射光の影響を排除することができ、高精度な補正処理が可能となる。
特許文献1に開示されている技術の場合、読取センサによる読み取り範囲に対して余裕を持って描画された補正用パターンに基づいて補正が行われた後、読取センサによる読み取り範囲に応じた大きさで描画された補正用パターンに基づいて補正を行うまでの間に位置ずれが生ずると、読み取り範囲に対するマージンが小さい状態で描画されたパターンの読み取りが好適に実行されない。その結果、読取センサによる読み取り範囲に応じた大きさで描画された補正用パターンに基づく補正が正確に実施されず、装置動作の正確性が損なわれる。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、補正用パターンの描画に係るトナー消費量の低減と装置動作の正確性とのバランスをとることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、感光体の主走査方向に配列された複数の光源の発光を制御し、当該光源により前記感光体を露光して、当該感光体に静電潜像を形成させる光書き込み制御装置であって、画像形成出力するべき画像を構成する画素の情報に基づいて異なる色毎に設けられた複数の前記光源を夫々発光制御し、異なる色毎に設けられた複数の前記感光体を露光させる発光制御部と、前記感光体に形成された静電潜像が現像されたトナー像が転写されて搬送される搬送経路において前記トナー像を検知するセンサと、前記センサ前記トナー像の転写位置を補正するための補正用パターン検知したことによる検知信号に基づき、前記転写位置を補正するための補正値を算出する補正値算出部と、含み、前記発光制御部は、前記補正用パターンとして、走査方向の幅が前記センサの検知範囲の主走査方向の幅に応じた幅で構成された狭幅パターンと、前記狭幅パターンの主走査方向の幅よりも広い幅で構成された広幅パターンとの2つのパターンを形成するように前記光源を夫々発光制御し、前記広幅パターンの検知信号による前記補正値の算出が適正に完了した以降は、前記狭幅パターン描画して前記転写位置を補正する動作を行う、ことを特徴とする。
本発明の他の態様は、画像形成装置であって、上述した光書き込み制御装置を含むことを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様は、感光体の主走査方向に配列された複数の光源の発光を制御し、当該光源により前記感光体を露光して、当該感光体に静電潜像を形成させる光書き込み装置の制御方法であって、前記光書込み装置は、画像形成出力するべき画像を構成する画素の情報に基づいて異なる色毎に設けられた複数の前記光源を夫々発光制御し、異なる色毎に設けられた複数の前記感光体を露光させる発光制御部と、前記感光体に形成された静電潜像が現像されたトナー像が転写されて搬送される搬送経路において前記トナー像を検知するセンサと、前記センサ前記トナー像の転写位置を補正するための補正用パターン検知したことによる検知信号に基づき、前記転写位置を補正するための補正値を算出する補正値算出部と、含み、前記補正用パターンとして、走査方向の幅が前記センサの検知範囲の主走査方向の幅に応じた幅で構成された狭幅パターンよりも主走査方向の幅の広い広幅パターンが形成するように前記光源を夫々発光制御し、前記広幅パターン記検知信号に基づき、前記転写位置を補正するための補正値を算出し、前記広幅パターンの検知信号に基づく前記補正値の算出が適正に完了した以降は、前記狭幅パターン描画して前記転写位置を補正する動作を行う、ことを特徴とする。
本発明によれば、補正用パターンの描画に係るトナー消費量の低減と装置動作の正確性とのバランスをとることが可能となる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るプリントエンジンの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る光書き込み制御部及びLEDAの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る第一位置ずれ補正用パターンの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る第二位置ずれ補正用パターンの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る濃度補正用パターンの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る位置ずれ補正用マークの切り替え条件を示す図である。 本発明の実施形態に係る位置ずれ補正用マークの形成に係るパラメータを示す図である。 本発明の実施形態に係る位置ずれ補正用マークの形成に係るパラメータを示す図である。 本発明の実施形態に係る信号検知態様を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)としての画像形成装置を例として説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式による画像形成装置であり、感光体の露光タイミングを補正するための位置ずれ補正動作において用いられるパターンが2種類あり、その2種類のパターンの使い分けに特徴を有する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、エンジン13、HDD(Hard Disk Drive)14及びI/F15がバス18を介して接続されている。また、I/F15にはLCD(Liquid Crystal Display)16及び操作部17が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM11は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン13は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F15は、バス18と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD16は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部17は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM12やHDD14若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM11に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ20、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)110、スキャナユニット22、排紙トレイ23、ディスプレイパネル24、給紙テーブル25、プリントエンジン26、排紙トレイ27及びネットワークI/F28を有する。
また、コントローラ20は、主制御部30、エンジン制御部31、入出力制御部32、画像処理部33及び操作表示制御部34を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット22、プリントエンジン26を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル24は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F28は、画像形成装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
コントローラ20は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM12や不揮発性メモリ並びにHDD14や光学ディスク等の不揮発性記録媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM11等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、それらのプログラムに従ったCPU10の演算によって構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ20が構成される。コントローラ20は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部30は、コントローラ20に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ20の各部に命令を与える。エンジン制御部31は、プリントエンジン26やスキャナユニット22等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部32は、ネットワークI/F28を介して入力される信号や命令を主制御部30に入力する。また、主制御部30は、入出力制御部32を制御し、ネットワークI/F28を介して他の機器にアクセスする。
画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン26が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された画像情報である。操作表示制御部34は、ディスプレイパネル24に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル24を介して入力された情報を主制御部30に通知する。
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部32がネットワークI/F28を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部32は、受信した印刷ジョブを主制御部30に転送する。主制御部30は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部33を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成させる。
画像処理部33によって描画情報が生成されると、エンジン制御部31は、生成された描画情報に基づいてプリントエンジン26を制御し、給紙テーブル25から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン26が画像形成部として機能する。プリントエンジン26によって画像形成が施された文書は排紙トレイ27に排紙される。
画像形成装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル24の操作若しくはネットワークI/F28を介して外部のPC等から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部34若しくは入出力制御部32が主制御部30にスキャン実行信号を転送する。主制御部30は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部31を制御する。
エンジン制御部31は、ADF21を駆動し、ADF21にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット22に搬送する。また、エンジン制御部31は、スキャナユニット22を駆動し、ADF21から搬送される原稿を撮像する。また、ADF21に原稿がセットされておらず、スキャナユニット22に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット22は、エンジン制御部31の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット22が撮像部として動作する。
撮像動作においては、スキャナユニット22に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部31は、スキャナユニット22が生成した撮像情報を画像処理部33に転送する。画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、エンジン制御部31から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部33が生成した画像情報はHDD40等の画像形成装置1に装着された記憶媒体に保存される。即ち、スキャナユニット22、エンジン制御部31及び画像処理部33が連動して、原稿読み取り部として機能する。
画像処理部33によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくは入出力制御部32及びネットワークI/F28を介して外部の装置に送信される。即ち、ADF21及びエンジン制御部31が画像入力部として機能する。
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部31がスキャナユニット22から受信した撮像情報若しくは画像処理部33が生成した画像情報に基づき、画像処理部33が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部31がプリントエンジン26を駆動する。
次に、本実施形態に係るプリントエンジン26の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るプリントエンジン26は、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って各色の画像形成部106が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ101から給紙ローラ102により分離給紙される用紙(記録媒体の一例)104に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト105に沿って、この搬送ベルト105の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106Y、106M、106C、106K(以降、総じて画像形成部106とする)が配列されている。
また、給紙トレイ101から給紙された用紙104は、レジストローラ103によって一度止められ、画像形成部106における画像形成のタイミングに応じて搬送ベルト105からの画像の転写位置に送り出される。
複数の画像形成部106Y、106M、106C、106Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106Kはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、画像形成部106Yについて具体的に説明するが、他の画像形成部106M、106C、106Kは画像形成部106Yと同様であるので、その画像形成部106M、106C、106Kの各構成要素については、画像形成部106Yの各構成要素に付したYに替えて、M、C、Kによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト105に対して、最初の画像形成部106Yが、ブラックのトナー画像を転写する。画像形成部106Yは、感光体としての感光体ドラム109Y、この感光体ドラム109Yの周囲に配置された帯電器110Y、光書き込み装置200、現像器112Y、感光体クリーナ(図示せず)、除電器113Y等から構成されている。光書き込み装置200は、夫々の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K(以降、総じて「感光体ドラム109」という)に対して光を照射するように構成されている。
画像形成に際し、感光体ドラム109Yの外周面は、暗中にて帯電器110Yにより一様に帯電された後、光書き込み装置200からのイエロー画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器112Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム109Y上にイエローのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム109Yと搬送ベルト105とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器115Yの働きにより搬送ベルト105上に転写される。この転写により、搬送ベルト105上にイエローのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109Yは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナにより払拭された後、除電器113Yにより除電され、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、画像形成部106Yにより搬送ベルト105上に転写されたイエローのトナー画像は、搬送ベルト105のローラ駆動により次の画像形成部106Mに搬送される。画像形成部106Mでは、画像形成部106Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト105上に転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部106C、106Kに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム109K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト105上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
給紙トレイ101に収納された用紙104は最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト105と接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト105上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙104の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙104は更に搬送され、定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。
また、このような画像形成装置1においては、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの軸間距離の誤差、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの平行度誤差、光書き込み装置111内でのLEDA130の設置誤差、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kへの静電潜像の書き込みタイミング誤差、装置内温度変化や経時劣化による搬送ベルトの伸縮等により、本来重ならなければならない位置に各色のトナー画像が重ならず、各色間で位置ずれが生ずることがある。
また、同様の原因により、転写対象である用紙において本来画像が転写される範囲から外れた範囲に画像が転写されることがある。このような位置ずれの成分としては、主にスキュー、副走査方向のレジストずれ等が知られている。
このような位置ずれを補正するため、パターン検知センサ117が設けられている。パターン検知センサ117は、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kによって搬送ベルト105上に転写された位置ずれ補正用パターン、及び濃度補正用パターンを読み取るための光学センサであり、搬送ベルト105の表面に描画されたパターンを照射するための発光素子及び補正用パターンからの反射光を受光するための受光素子を含む。図3に示すように、パターン検知センサ117は、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの下流側において、搬送ベルト105の搬送方向と直行する方向に沿って同一の基板上に支持されている。
また、画像形成装置1においては、画像形成部106Y、106M、106C、106Kの状態変化や、光書き込み装置111の状態変化により、用紙104上に転写される画像の濃度が変動する可能性がある。このような濃度変動を補正するため、所定のルールに従って形成された濃度補正用パターンを検知し、その検知結果に基づいて画像形成部106Y、106M、106C、106Kの駆動パラメータや光書込み装置111の駆動パラメータを補正する濃度補正が実行される。
パターン検知センサ117は、上述した位置ずれ補正用パターンを検知することによる位置ずれ補正動作の他、濃度補正用パターンの検知にも用いられる。パターン検知センサ117の詳細及び位置ずれ補正、濃度補正の態様については、後に詳述する。
このような描画パラメータ補正において搬送ベルト105上に描画された補正用パターンのトナーを除去し、搬送ベルト105によって搬送される用紙が汚れないようにするため、ベルトクリーナ118が設けられている。ベルトクリーナ118は、図3に示すように、駆動ローラ107の下流側であって、感光体ドラム109よりも上流側において搬送ベルト105に押し当てられたクリーニングブレードであり、搬送ベルト105の表面に付着したトナーを掻きとる顕色剤除去部である。
次に、本実施形態に係る光書き込み装置111について説明する。図4は、本実施形態に係る光書き込み装置111と感光体ドラム109との配置関係を示す図である。図4に示すように、各色の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K夫々に照射される照射光は、光源であるLEDA(Light‐emitting diode Array)130Y、130M、130C、130K(以降、総じてLEDA130とする)から照射される。
LEDA130は、発光素子であるLEDが、感光体ドラム109の主走査方向に並べられて構成されている。光書き込み装置111に含まれる制御部は、主走査方向に並べられている夫々のLEDの点灯/消灯状態を、コントローラ20から入力された描画情報に基づいて主走査ライン毎に制御することにより、感光体ドラム109の表面を選択的に露光し、静電潜像を形成する。
次に、本実施形態に係る光書き込み装置111の制御ブロックについて、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る光書き込み装置111を制御する光書き込み装置制御部120の機能構成と、LEDA130及びパターン検知センサ117との接続関係を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係る光書き込み装置制御部120は、発光制御部121、カウント部122、センサ制御部123、補正値算出部124、基準値記憶部125及び補正値記憶部126を含む。尚、本実施形態に係る光書き込み装置111は、図1において説明したようなCPU10、RAM11、ROM12及びHDD14等の情報処理機構を含み、図5に示すような光書き込み装置制御部120は、画像形成装置1のコントローラ20と同様に、ROM12若しくはHDD14に記憶されている制御プログラムがRAM11にロードされ、CPU10の制御に従って動作することにより構成される。
発光制御部121は、コントローラ20のエンジン制御部31から入力される画像情報に基づいてLEDA130を制御する光源制御部である。即ち、発光制御部121が、画素情報取得部としても機能する。発光制御部121は、所定のライン周期でLEDA130を発光させることにより、感光体ドラム109への光書き込みを実現する。
発光制御部121がLEDA130を発光制御するライン周期は画像形成装置1の出力解像度によって定まるが、上述したように用紙の搬送速度との比率に応じて副走査方向に変倍を行う場合、発光制御部121がライン周期を調整することによって副走査方向の変倍を行う。
また、発光制御部121は、エンジン制御部31から入力される描画情報に基づいてLEDA130を駆動する他、上述した描画パラメータ補正の処理において補正用のパターンを描画するために、LEDA130を発光制御する。
図4において説明したように、LEDA130は夫々の色に対応して複数設けられる。従って、図5に示すように、発光制御部121も、複数のLEDA130夫々に対応するように複数設けられる。描画パラメータ補正処理のうち位置ずれ補正処理の結果生成される補正値は、図5に示す補正値記憶部126に位置ずれ補正値として記憶される。発光制御部121は、この補正値記憶部126に記憶されている位置ずれ補正値に基づき、LEDA130を駆動するタイミングを補正する。
発光制御部121によるLEDA130の駆動タイミングの補正は、具体的には、エンジン制御部31から入力された描画情報に基づいてLEDA130を発光駆動するタイミングをライン周期単位で遅らせる、即ちラインをシフトさせることによって実現される。これに対して、エンジン制御部31からは、所定の周期に従って次々に描画情報が入力されるため、ラインをシフトさせて発光タイミングを遅らせるためには、入力された描画情報を保持しておき、読み出すタイミングを遅らせる必要がある。
そのため、発光制御部121は、主走査ライン毎に入力される描画情報を保持するための記憶媒体であるラインメモリを有し、エンジン制御部31から入力された描画情報をラインメモリに記憶させることによって保持する。
カウント部122は、上記位置ずれ補正処理において、発光制御部121がLEDA130を制御して感光体ドラム109Kの露光を開始すると同時にカウントを開始する。カウント部122は、センサ制御部123が、パターン検知センサ117の出力信号に基づいて位置ずれ補正用パターンを検知することにより出力する検知信号を取得する。また、カウント部122は、検知信号を取得したタイミングにおけるカウント値を補正値算出部124に入力する。即ち、カウント部122がパターンの検知タイミングを取得する検知タイミング取得部として機能する。
センサ制御部123は、パターン検知センサ117を制御する制御部であり、上述したように、パターン検知センサ117の出力信号に基づき、搬送ベルト105上に形成された位置ずれ補正用パターンが、パターン検知センサ117の位置にまで到達したことを判断して検知信号を出力する。即ち、センサ制御部123が、パターン検知センサ117によるパターンの検知信号を取得する検知信号取得部として機能する。
また、センサ制御部123は、濃度補正用パターンによる濃度補正に際しては、パターン検知センサ117の出力信号の信号強度を取得し、補正値算出部124に入力する。更にセンサ制御部123は、位置ずれ補正用パターンの検知結果に応じて、濃度補正用パターンの検知タイミングを調整する。
補正値算出部124は、カウント部122から取得したカウント値や、センサ制御部123から取得した濃度補正用パターンの検知結果の信号強度に基づき、基準値記憶部125に記憶された位置ずれ補正用及び濃度補正用の基準値に基づいて補正値を算出する。即ち、補正値算出部124が、基準値取得部及び補正値算出部として機能する。基準値記憶部125には、このような計算に用いるための基準値が格納されている。
次に、位置ずれ補正用パターンを用いた位置ずれ補正動作について説明する。先ず、本実施形態に係る位置ずれ補正動作において描画され得る2種類の補正用パターンについて夫々説明する。図6は、本実施形態に係る位置ずれ補正動作において描画され得る補正用パターンのうちの一種類であり、発光制御部121によって制御されたLEDA130によって搬送ベルト105上に描画されるマーク(以降、「第一位置ずれ補正用マーク」とする)を示す図である。
図6に示すように、第一位置ずれ補正用マーク400は、副走査方向に様々なパターンが並べられている位置ずれ補正用パターン列401が、主走査方向に複数(本実施形態においては2つ)並べられて構成されている。尚、図6において、実線が感光体ドラム109K、点線は感光体ドラム109Y、破線は感光体ドラム109C、一点鎖線は感光体ドラム109Mによって夫々描画されたパターンを示す。
図6に示すように、パターン検知センサ117は、主走査方向に複数(本実施形態においては2つ)のセンサ素子170を有し、夫々の位置ずれ補正用パターン列401は、夫々のセンサ素子170に対応した位置に描画されている。これにより、光書き込み制御部120は、主走査方向の複数の位置でパターンの検出を行うことが可能となり、描画される画像のスキューを補正することが可能となる。また、複数のセンサ素子170に基づく検知結果を平均することにより、補正精度を向上することができる。
図6に示すように、位置ずれ補正用パターン列401は、全体位置補正用パターン411とドラム間隔補正用パターン412を含む。また、図6に示すように、ドラム間隔補正用パターン412は、繰り返し描画されている。
従来技術に係る全体位置補正用パターン411は、図6に示すように、感光体ドラム109Yによって描画された線であって主走査方向に平行な線である。全体位置補正用パターン411は、画像の全体の副走査方向のずれ、即ち用紙に対する画像の転写位置を補正するためのカウント値を得るために描画されるパターンである。また、全体位置補正用パターン411は、センサ制御部123が、ドラム間隔補正用パターン412や、後述する濃度補正用のパターンを検知する際の検知タイミングを補正するためにも用いられる。
全体位置補正用パターン411を用いた全体位置補正においては、光書き込み装置制御部120が、パターン検知センサ117による全体位置補正用パターン411の読取信号に基づき、書き込み開始タイミングの補正動作を行う。
ドラム間隔補正用パターン412は、各色の感光体ドラム109における描画タイミングのずれ、即ち、各色の画像が重ね合わせられる重ね合わせ位置を補正するためのカウント値を得るために描画されるパターンである。図6に示すように、ドラム間隔補正用パターン412は、副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414を含む。図6に示すように、ドラム間隔補正用パターン412は、CMYK各色のパターンが一組となって構成される副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414が繰り返されることによって構成される。
光書き込み装置制御部120は、パターン検知センサ117による、副走査方向補正用パターン413の読取信号に基づき、感光体ドラム109K、109M、109C、109Y夫々の副走査方向の位置ずれ補正を行い、主走査方向補正用パターン414の読取信号に基づき、上記各感光体ドラムの主走査方向の位置ずれ補正を行う。
図7は、本実施形態に係る位置ずれ補正動作において描画され得る補正用パターンのうちの他の一種類であり、発光制御部121によって制御されたLEDA130によって搬送ベルト105上に描画されるもう一種類のマーク(以降、「第二位置ずれ補正用マーク」とする)を示す図である。
第一位置ずれ補正用マーク400及び第二位置ずれ補正用マーク450は、所定のタイミングにおいて繰り返し実行される位置ずれ補正動作においていずれか一方が毎回描画されるため、可能な限り描画範囲を小さくしてトナー消費を低減することが求められる。そのため、図7に示す第二位置ずれ補正用マーク450のように、夫々のパターンの主走査方向の幅を、センサ素子170の検知範囲に応じた幅とすることが理想的な状態となる。
このように、本実施形態においては、図7に示す第二位置ずれ補正用マーク450が、狭幅パターンとして用いられ、図6に示す第一位置ずれ補正用マーク400が広幅パターンとして用いられる。しかしながら、描画されるパターンは実際には主走査方向にずれることがあり得る。そのため、図7に示すようにセンサ素子170の検知範囲に対して主走査方向のマージンが少ない状態でパターンが描画された場合、パターンが主走査方向にずれると、センサ素子170によって読み取られた際のセンサ出力のS/N比が低下し、検知ミスとなる場合もあり得る。
このように第一位置ずれ補正用マーク400及び第二位置ずれ補正用マーク450の描画を可能とし、位置ずれが発生していると予想され得るタイミングでの位置ずれ補正動作時には第一位置ずれ補正用マーク400を、そうでは無いタイミングでの位置ずれ補正動作時には第二位置ずれ補正用マーク450を夫々描画して位置ずれ補正動作を行うことが本実施形態に係る要旨である。
この際、図6及び図7に示すように、発光制御部121は、第一位置ずれ補正用マーク400に含まれる夫々のパターンの主走査方向の中心の位置と、第二位置ずれ補正用マーク450に含まれる夫々のパターンの主走査方向の中心の位置とが同一となるように、LEDA130を制御して夫々のマークを描画する。これにより、第一位置ずれ補正用マーク400によって位置ずれ補正が実行された状態であれば、第二位置ずれ補正用マーク450に含まれる各パターンがパターン検知センサ117によって検知される状態となる。
尚、図7に示すように、第二位置ずれ補正用マーク450であっても、全体位置補正用パターン411は第一位置ずれ補正用マーク400と同様の幅で描画される。これは、全体位置補正用パターン411は、画像全体の位置ずれ補正の他、他のパターンの検知タイミングの補正にも用いられる重要なパターンであることに対して、繰り返し描画されるものではないため、描画幅を狭くした場合に得られるデメリットが大きく、トナー消費削減のメリットが小さいためである。
次に、本実施形態に係る濃度補正動作について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る濃度補正動作において、発光制御部121によって制御されたLEDA130によって搬送ベルト105上に描画されるマーク(以降、濃度補正用マークとする)を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る濃度補正用マーク500は、ブラック階調パターン501、シアン階調パターン502、マゼンタ階調パターン503及びイエロー階調パターン504を含む。
濃度補正用マーク500に含まれる各色の階調パターンは、本実施形態においては濃度の異なる4つの方形状のパターンによって構成されており、この方形状のパターンが、濃度の順に副走査方向に並べられて構成されている。そして、各色の階調パターンは、ブラック及びマゼンタと、シアン及びイエローとで左右に分けて描画されている。図8においては、各方形状のパターンに施されているハッチングの数によって、各パターンの濃度が示されている。
図8に示す濃度補正用マーク500を用いた濃度補正においては、補正値算出部124が、パターン検知センサ117による各色の階調パターンの読み取り信号の強度に基づいた濃度を示す情報をセンサ制御部123から取得し、現像バイアスの補正動作を行う。即ち、基準値記憶部125に記憶される基準値のうち、濃度補正に用いられる基準値は、各色の階調パターンに含まれる濃度の異なる4つのパターン夫々の濃度の基準となる値である。
次に、図6に示す第一位置ずれ補正用マーク400と第二位置ずれ補正用マーク450との使い分けの処理について図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置1において検知され得る各種の“現象”と、夫々の現象が検知された際に、次に位置ずれ補正動作を実行する場合に描画するべき“位置ずれ補正用マーク”と、夫々の現象の検知がどのような“タイミング”において実行されるが関連付けて示されている図である。
例えば、コントローラ20の主制御部30は、通常モードの位置ずれ補正が完了した際にその補正結果を確認し、補正が成功していれば、その後に実行される位置ずれ補正動作においては、第一位置ずれ補正用マーク400を描画するように、光書き込み装置制御部120を制御する。これが本実施形態に係る要旨の1つであり、通常の位置ずれ補正が成功した場合には、各色のパターンが理想的な位置に描画されることが期待されるため、その後の位置ずれ補正動作においては第二位置ずれ補正用マーク450による位置ずれ補正が可能であることを判断する。
他方、通常モードの位置ずれ補正が失敗していた場合、各色のパターンが理想的な位置に描画されない可能性が高いため、その後の位置ずれ補正動作においては第二位置ずれ補正用マーク450による位置ずれ補正が困難であるため、主制御部30は、第一位置ずれ補正用マーク400による位置ずれ補正が必要であることを判断する。
従来技術においても、広幅パターンに対応するような主走査方向の幅の広いパターンの後に、狭幅パターンに対応するような主走査方向の幅の狭いパターンを描画することは提案されているが、夫々のパターンの切り替えによる装置制御の効率化については更に検討の余地があった。本実施形態に係る光書き込み装置111においては、広幅パターンによる位置ずれ補正が適正に完了した場合にのみ、狭幅パターンによる位置ずれ補正を許可するように制御する。
また、本実施形態に係る光書込み装置111においては、広幅パターンによる位置ずれ補正が適正に完了した後は、特に条件が満たされない限り、狭幅パターンによる位置ずれ補正を継続する。これにより、無駄なトナー消費を抑えることが可能となる。
本実施形態に係る画像形成装置1の位置ずれ補正動作には、通常モードの他、工程モード、モノクロモードと呼ばれる位置ずれ補正動作がある。工程モードの位置ずれ補正は、FC(Full Color)優先モード及びBk(Black)優先モードにおける初期調整の際に補正量に異常が生じた場合に、メンテナンスとして実行される位置ずれ補正である。
工程モードにおいては、既に格納されている補正量を反映することなく位置ずれ補正を行うため、誤った補正量が格納されていた場合であっても、その影響を受けることなく補正値を求めることが可能である。そして、工程モードによる位置ずれ補正は、その後に実行される通常モードでの位置ずれ補正を成功させることを趣旨として実行される。
そのため、主制御部30は、工程モードによる位置ずれ補正が成功した場合であっても失敗した場合であっても、その後に実行される位置ずれ補正においては第一位置ずれ補正用マーク400による位置ずれ補正が必要であることを判断する。
モノクロモードの位置ずれ補正は、Bk優先モード及びカラー禁止モードにおいて実行される位置ずれ補正である。モノクロモードにおいては、感光体ドラム109Kのみが用いられ、各色間のずれ量が無い。そのため、モノクロモードの位置ずれ補正においては、図6において説明した第一位置ずれ補正用マーク400に替えて、全体位置補正用パターン411と同様のパターンが感光体ドラム109Kによって描画されると共に、その後に図8に示すブラック階調パターン501のみが描画される。
従って、モノクロモードの位置ずれ補正が成功した場合であっても、感光体ドラム109K以外の感光体ドラムについては位置ずれ補正が実行されておらず、トナー像の転写位置が正確であることが確認されていないため、主制御部30は、その後に実行される位置ずれ補正においては第一位置ずれ補正用マーク400による位置ずれ補正が必要であることを判断する。
他方、主制御部30は、電源投入時、ライトディテクトやスリープモードからの復帰時、装置カバーの閉鎖検知時等には、各色の感光体ユニットや中間転写ユニットの交換の有無を検知し、交換が検知された場合、その後に実行される位置ずれ補正動作においては、第一位置ずれ補正用マーク400が描画される。
これは、夫々のユニットの取り付け機構には機械的な余裕が設けられていることが多く、ユニットの交換を行った場合には機械的な余裕分のずれが生じることがあるため、そのままでは各色のパターンが理想的な位置に描画されない可能性があるという理由による。
このように、本実施形態に係る光書き込み装置制御部120は、通常の位置ずれ補正動作による補正値の算出が適正に完了した後は、図7に示す第二位置ずれ補正用マーク450による位置ずれ補正を実行する。但し、通常の位置ずれ補正動作による補正値の算出が完了した後であっても、感光体を含むユニットの交換が検知された場合や、その後に実行された位置ずれ補正が失敗した場合、位置ずれが発生している可能性が高いことが予測される条件が満たされた場合には、図6に示す第一位置ずれ補正用マーク400による位置ずれ補正を実行する。これにより、補正用パターンの描画に係るトナー消費量の低減と装置動作の正確性とのバランスをとっている。
次に、図6に示す第一位置ずれ補正用マーク400と、図7に示す第二位置ずれ補正用マーク450とを切り替える際の具体的な態様について説明する。図6及び図7に示すようなパターンを描画するためには、通常の画像形成出力と同様に第一位置ずれ補正用マーク400及び第二位置ずれ補正用マーク450夫々の画像を用意し、通常の画像形成出力と同様に光書込み装置制御部120にLEDA130を制御させれば可能である。
しかしながら、その場合にはそれぞれの画像を格納するための記憶媒体を用意する必要があり、光書込み装置制御部120のコストアップの要因となる。画像形成装置1のコントローラ20側であれば比較的記憶領域に余裕があるが、位置ずれ補正動作をコントローラ20から独立した動作として光書き込み装置制御部120によって実現するためには、コントローラ20側の機能を用いるべきではない。
そのため、本実施形態に係る光書き込み装置制御部120においては、第一位置ずれ補正用マーク400及び第二位置ずれ補正用マーク450に含まれるパターンを形成するための書込み開始の位置や書き込み範囲等を、パラメータとして特定することにより、第一位置ずれ補正用マーク400及び第二位置ずれ補正用マーク450の描画を可能としている。これにより、第一位置ずれ補正用マーク400及び第二位置ずれ補正用マーク450夫々の画像を格納するための記憶領域を設ける必要がなく、光書込み装置制御部120のコストを抑えることができる。
図10は、図6に示す第一位置ずれ補正用マーク400のドラム間隔補正用パターン412を描画するための各パラメータを示す図である。図10に示すように、ドラム間隔補正用パターン412の描画起点は、主走査開始位置hs(horizontal scanning)start、副走査開始位置vs(virtical scanning)startによって決定される。
そして、副走査方向補正用パターン413を描画するためには、図10に示すように、横線パターン主オフセットclh(cross line horizontal)OFF、横線パターン主走査幅clhwide、横線パターン主走査周期clhcyc、横線パターン副オフセットclv(cross line virtical)OFF、横線パターン副走査幅clvwide、横線パターン副走査遅延clvdelayというパラメータが用いられる。
また、主走査方向補正用パターン414を描画するためには、図10に示すように、斜線パターン主オフセットslh(slant line horizontal)OFF、斜線パターン主走査幅slhwide、斜線パターン主走査周期slhcyc、斜線パターン副オフセットslv(slant line virtical)OFF、斜線パターン副走査幅slvwide、斜線パターン副走査遅延slvdelayというパラメータが用いられる。
また、図11は、図7に示す第二位置ずれ補正用マーク450のドラム間隔補正用パターン412を描画するための各パラメータを示す図である。図11に示すように、第二位置ずれ補正用マーク450においても、主走査開始位置hsstart、副走査開始位置vsstartが起点として用いられるのは同様である。
そして、図11に示すように、第二位置ずれ補正用マーク450において副走査方向補正用パターン413を描画するためには、横線パターン主オフセットclhOFF´、横線パターン主走査幅clhwide´が、横線パターン主オフセットclhOFF、横線パターン主走査幅clhwideに替えて用いられる。
また、図11に示すように、第二位置ずれ補正用マーク450において主走査方向補正用パターン414を描画するためには、斜線パターン主オフセットslhOFF´、斜線パターン主走査幅slhwide´、斜線パターン副オフセットslvOFF´が、斜線パターン主オフセットslhOFF、斜線パターン主走査幅slhwide´、斜線パターン副オフセットslvOFFに替えて用いられる。
図11に示すような第二位置ずれ補正用マーク450の描画に際して、横線パターン主走査幅clhwide´及び斜線パターン主走査幅slhwide´は、任意の値が指定される。そして、横線パターン主オフセットclhOFF´、斜線パターン主オフセットslhOFF´、斜線パターン副オフセットslvOFF´は、夫々以下の式(1)〜(3)によって求められる。
Figure 0006079178
Figure 0006079178
Figure 0006079178
ここで、式(1)、(2)に示す“Lhsens”は、図10に示すように、主走査方向の描画起点からセンサ素子170の主走査方向の中心位置までの間隔である。また、式(3)に示す“α”は、主走査方向の間隔を、主走査方向補正用パターン414の傾きに応じて副走査方向の間隔に変換する係数である。尚、本実施形態においては、主走査方向補正用パターン414の傾きは45°であるため、α=1である。
このように、本実施形態に係る光書込み装置111においては、図6、図7に示すような第一位置ずれ補正用マーク400、第二位置ずれ補正用マーク450の描画に際して、夫々のマークの画像を用いて発光制御部121にLEDA130を発光駆動させるのではなく、図10、図11に示すような各部の寸法を示すパラメータを用意し、夫々のパラメータに従って発光制御部121がLEDA130を発光駆動するため、第一位置ずれ補正用マーク400、第二位置ずれ補正用マーク450に対応する画像を格納するための記憶領域を用意する必要がなく、光書込み装置制御部120のコストアップを回避することが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1に搭載される光書込み装置111においては、図9において説明したように、所定のタイミングにおいて装置の所定の現象を検知することにより、そのタイミングにおいて補正値記憶部126に格納されている補正値では位置ずれが大きいことを検知する。
そして、位置ずれが大きいことが検知されなければ、図7に示す第二位置ずれ補正用マーク450を描画して位置ずれ補正を実行することにより、トナー消費量を削減する。また、位置ずれが大きいことが検知された場合には、図6に示す第一位置ずれ補正用マーク400を描画し、位置ずれ補正が確実に成功するパターンで位置ずれ補正を実行する。このような処理により、補正用パターンの描画に係るトナー消費量の低減と装置動作の正確性とのバランスをとることが可能となる。
尚、図9において説明したように、通常の位置ずれ補正が失敗した場合には、主制御部30は、第一位置ずれ補正用マーク400による位置ずれ補正が必要であることを判断する。ここで、位置ずれ補正が失敗であると判断する要因について説明する。
図12(a)〜(c)は、位置ずれ補正動作におけるパターン検知センサ117の検知信号によるパターン検知のメカニズムを模式的に示す図であり、図12(a)は、パターンが正常に検知された場合を示す図である。図12(a)〜(c)に示すように、パターン検知に際して、センサ制御部123は、パターン検知センサ117の検知信号が所定のスレッシュレベルと交差したことを検知する。
図12(a)の場合、正常にパターンが検知されているため、センサ制御部123は、1つのパターンの検知に際して、所定の間隔で2回のスレッシュレベルとの交差を検知する。このスレッシュレベルとの交差タイミングが2回の検知タイミングの期間等に基づき、そのパターンの検知タイミングが決定される。
図12(b)は、パターンが正常に検知されなかった場合の一態様であり、検知信号の信号強度が弱過ぎてスレッシュレベルに到達しなかった場合の例を示す図である。この場合、信号がスレッシュレベルと交差しないため、センサ制御部123は、検地を行わない。即ち、光書き込み装置制御部120においては、検知されるべき信号が検知されないことにより、位置ずれ補正の失敗を判断することができる。
図12(c)は、パターンが正常に検知さなかった場合の他の態様であり、検知信号の信号強度がスレッシュレベルに到達はしたものの、振動強度が弱いため、2回のスレッシュレベルとの交差検知のタイミング期間が短かった場合を示す図である。この場合、光書き込み装置制御部120においては、2回の検知タイミングの期間が所定の期間よりも短いことにより、位置ずれ補正の失敗を判断することができる。
この他、込み装置制御部120が位置ずれ補正の失敗を判断する方法としては、補正値算出部124によって算出された補正値に基づく判断が可能である。即ち、光書き込み装置制御部120においては、算出された補正値が予め定められた所定の許容範囲を超えた場合に、位置ずれ補正の失敗を判断することができる。
1 画像形成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 エンジン
14 HDD
15 I/F
16 LCD
17 操作部
18 バス
20 コントローラ
21 ADF
22 スキャナユニット
23 排紙トレイ
24 ディスプレイパネル
25 給紙テーブル
26 プリントエンジン
27 排紙トレイ
28 ネットワークI/F
30 主制御部
31 エンジン制御部
32 入出力制御部
33 画像処理部
34 操作表示制御部
101 給紙トレイ
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 用紙
105 搬送ベルト
106K、106C、106M、106Y 画像形成部
107 駆動ローラ
108 従動ローラ
109K、109C、109M、109Y 感光体ドラム
110K 帯電器
111光書き込み装置
112K、112C、112M、112Y 現像器
113K、113C、113M、113Y 除電器
115K、115C、115M、115Y 転写器
116 定着器
117 パターン検知センサ
120 光書き込み装置制御部
121 発光制御部
122 カウント部
123 センサ制御部
124 補正値算出部
125 基準値記憶部
126 補正値記憶部
130、130K、130C、130M、130Y LEDA
170 センサ素子
特開2004−069767号公報

Claims (8)

  1. 感光体の主走査方向に配列された複数の光源の発光を制御し、当該光源により前記感光体を露光して、当該感光体に静電潜像を形成させる光書き込み制御装置であって、
    画像形成出力するべき画像を構成する画素の情報に基づいて異なる色毎に設けられた複数の前記光源を夫々発光制御し、異なる色毎に設けられた複数の前記感光体を露光させる発光制御部と、
    前記感光体に形成された静電潜像が現像されたトナー像が転写されて搬送される搬送経路において前記トナー像を検知するセンサと、
    前記センサ前記トナー像の転写位置を補正するための補正用パターン検知したことによる検知信号に基づき、前記転写位置を補正するための補正値を算出する補正値算出部と、
    含み、
    前記発光制御部は、
    記補正用パターンとして、走査方向の幅が前記センサの検知範囲の主走査方向の幅に応じた幅で構成された狭幅パターンと、前記狭幅パターンの主走査方向の幅よりも広い幅で構成された広幅パターンとの2つのパターンを形成するように前記光源を夫々発光制御し、
    前記広幅パターンの検知信号による前記補正値の算出が適正に完了した以降は、前記狭幅パターン描画して前記転写位置を補正する動作を行う、ことを特徴とする光書き込み制御装置。
  2. 前記発光制御部は、前記広幅パターンの検知信号に基づく前記補正値の算出が適正に完了した後であっても、予め定められた所定の条件が満たされた場合には、前記補正値の算出に際して前記広幅パターンが描画されるように前記光源を発光制御することを特徴とする請求項1に記載の光書き込み制御装置。
  3. 前記発光制御部は、前記広幅パターンの検知信号に基づく前記補正値の算出が適正に完了した後であっても、前記感光体を含むユニットの交換が検知された場合には、前記補正値の算出に際して前記広幅パターンが描画されるように前記光源を発光制御することを特徴とする請求項2に記載の光書き込み制御装置。
  4. 前記発光制御部は、前記広幅パターンの検知信号に基づく前記補正値の算出が適正に完了した後であっても、前記トナー像の転写に係る構成を含むユニットの交換が検知された場合には、前記補正値の算出に際して前記広幅パターンが描画されるように前記光源を発光制御することを特徴とする請求項2に記載の光書き込み制御装置。
  5. 前記発光制御部は、装置への電源投入、省電力状態からの復帰、装置の筐体を構成するカバーの開閉のうち少なくとも1つが検知されたタイミングにおいて、前記交換が検知された場合に、前記補正値の算出に際して前記広幅パターンが描画されるように前記光源を発光制御することを特徴とする請求項3または4に記載の光書き込み制御装置。
  6. 前記発光制御部は、前記静電潜像の描画面における前記広幅パターン及び前記狭幅パターンの描画位置を示すパラメータの情報に基づき、前記広幅パターン及び前記狭幅パターンに対応する静電潜像を形成するように前記光源を発光制御することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の光書き込み制御装置。
  7. 請求項1乃至6いずれか1項に記載の光書き込み制御装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
  8. 感光体の主走査方向に配列された複数の光源の発光を制御し、当該光源により前記感光体を露光して、当該感光体に静電潜像を形成させる光書き込み装置の制御方法であって、
    前記光書込み装置は、
    画像形成出力するべき画像を構成する画素の情報に基づいて異なる色毎に設けられた複数の前記光源を夫々発光制御し、異なる色毎に設けられた複数の前記感光体を露光させる発光制御部と、
    前記感光体に形成された静電潜像が現像されたトナー像が転写されて搬送される搬送経路において前記トナー像を検知するセンサと、
    前記センサ前記トナー像の転写位置を補正するための補正用パターン検知したことによる検知信号に基づき、前記転写位置を補正するための補正値を算出する補正値算出部と、
    含み、
    記補正用パターンとして、走査方向の幅が前記センサの検知範囲の主走査方向の幅に応じた幅で構成された狭幅パターンよりも主走査方向の幅の広い広幅パターンが形成するように前記光源を夫々発光制御し、
    前記広幅パターン記検知信号に基づき、前記転写位置を補正するための補正値を算出し、
    前記広幅パターンの検知信号に基づく前記補正値の算出が適正に完了した以降は、前記狭幅パターン描画して前記転写位置を補正する動作を行う、ことを特徴とする光書き込み装置の制御方法。
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