JP5998956B2 - 光書き込み制御装置、画像形成装置及び光書き込み制御方法 - Google Patents
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Description
光書き込み制御装置、画像形成装置及び光書き込み制御方法に関し、特に、作像機構の調整のために要する期間の短縮。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
このような画像処理装置のうち、電子化された書類の出力に用いられる画像形成装置においては、電子写真方式の画像形成装置が広く用いられている。電子写真方式の画像形成装置においては、感光体を露光することにより静電潜像を形成し、トナー等の顕色剤を用いてその静電潜像を現像してトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写することによって紙出力を行う。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、感光体を露光して静電潜像を描画するタイミングと用紙の搬送タイミングとを合わせることにより、用紙の正しい範囲に画像が形成されるように調整が行われる。また、複数の感光体を用いてカラー画像を形成するタンデム式の画像形成装置においては、各色の感光体において現像された画像が正確に重ね合わされるように、各色の感光体における露光タイミングの調整が行われる。以降、これらの調整処理を総じて位置ずれ補正とする。
上述したような位置ずれ補正を実現するための具体的な方法としては、感光体を露光する光源と感光体との配置関係を調整する機械的な調整方法と、出力するべき画像を位置ずれに応じて調整することにより最終的に好適な位置に画像が形成されるようにする画像処理による方法とがある。この画像処理による方法の場合、出力するべき画像をシフトさせることにより、所望の位置に画像が形成されるようにする。
また、電子写真方式の画像形成装置においては、上述した位置ずれ補正に加えて、出力される画像の濃度が所望の濃度となるように、感光体を露光する際の露光強度や、静電潜像を現像する際の現像バイアス等を調整するための調整値を求める濃度補正が行われる。
このような画像処理による補正の方法として、感光体の露光、現像、転写という通常の画像形成出力と同様のプロセスによって補正用のパターンを描画し、そのパターンの読取結果に基づいて画像の位置や濃度を補正する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述したような補正動作においては、補正用のパターンを描画してそれを読み取る必要があるため、パターンの描画及びその読み取りを実行している期間は装置のダウンタイム、即ち画像形成出力を行うことができない期間となってしまう。また、補正用のパターンの検知は、補正用のパターンを描画するための感光体の露光が開始されてから、その露光によって形成された静電潜像が現像され、現像されたパターンがパターン検知用のセンサの検知位置まで搬送されることによって実現される。
ここで、先頭のパターンのための露光が開始されてから先頭のパターンがセンサの検知位置に到達するまでの間は、他の処理の無い単純な待機期間となってしまうが、装置のダウンタイム低減のためには、このような期間を短縮することが求められる。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、電子写真方式の画像形成装置において、作像機構の調整に要する期間を短縮することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、搬送経路に沿って順番に配置された複数の感光体を露光する複数の光源を制御して前記複数の感光体上に夫々静電潜像を形成させる光書き込み制御装置であって、画像形成出力するべき画像を構成する画素の情報に基づいて前記光源を発光制御し、前記複数の感光体を露光させる発光制御部と、前記感光体上に形成された静電潜像が現像された画像が転写されて搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサの検知信号を取得する検知信号取得部と、前記発光制御部による前記複数の光源の発光制御に用いられるパラメータの補正用のために前記複数の感光体夫々を露光することによって描画される補正用パターンを前記センサが検知して出力する検知信号に基づき、前記パラメータの補正値を算出する補正値算出部とを含み、前記発光制御部は、前記補正用パターンの描画開始に際して、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の下流側に配置されている感光体上に現像される画像の濃度を補正するための下流側濃度補正用パターンの書き込みを開始し、前記現像された画像が用紙に対して転写される位置を補正するための転写位置補正用パターンの書き込みを、前記下流側濃度補正用パターンの書き込みの開始に応じたタイミングで、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の最上流側に配置されている感光体を露光させることにより開始することを特徴とする。
本発明の他の態様は、画像形成装置であって、上記光書き込み制御装置を含むことを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様は、搬送経路に沿って順番に配置された複数の感光体を露光する複数の光源を制御して前記複数の感光体上に夫々静電潜像を形成させる光書き込み制御方法であって、前記複数の光源の発光制御に用いられるパラメータの補正用のための補正用パターンを、前記複数の感光体夫々を露光することによって描画し、前記感光体上に形成された静電潜像が現像された画像が転写されて搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサが、前記補正用パターンを検知して出力する検知信号に基づき、前記パラメータの補正値を算出し、前記補正用パターンの描画開始に際して、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の下流側に配置されている感光体上に現像される画像の濃度を補正するための下流側濃度補正用パターンの書き込みを開始し、前記現像された画像が用紙に対して転写される位置を補正するための転写位置補正用パターンの書き込みを、前記下流側濃度補正用パターンの書き込みの開始に応じたタイミングで、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の最上流側に配置されている感光体を露光させることにより開始することを特徴とする。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置において、作像機構の調整に要する期間を短縮することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)としての画像形成装置を例として説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式による画像形成装置であり、感光体上に現像されたトナー像が転写される位置の調整やトナー像の濃度の調整のために描画されるパターンの描画についての詳細な処理がその要旨である。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、エンジン13、HDD(Hard Disk Drive)14及びI/F15がバス18を介して接続されている。また、I/F15にはLCD(Liquid Crystal Display)16及び操作部17が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM11は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン13は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F15は、バス18と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD16は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部17は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM12やHDD14若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM11に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ20、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)110、スキャナユニット22、排紙トレイ23、ディスプレイパネル24、給紙テーブル25、プリントエンジン26、排紙トレイ27及びネットワークI/F28を有する。
また、コントローラ20は、主制御部30、エンジン制御部31、入出力制御部32、画像処理部33及び操作表示制御部34を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット22、プリントエンジン26を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル24は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F28は、画像形成装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
コントローラ20は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM12や不揮発性メモリ並びにHDD14や光学ディスク等の不揮発性記録媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM11等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、それらのプログラムに従ったCPU10の演算によって構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ20が構成される。コントローラ20は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部30は、コントローラ20に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ20の各部に命令を与える。エンジン制御部31は、プリントエンジン26やスキャナユニット22等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部32は、ネットワークI/F28を介して入力される信号や命令を主制御部30に入力する。また、主制御部30は、入出力制御部32を制御し、ネットワークI/F28を介して他の機器にアクセスする。
画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン26が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された画像情報である。操作表示制御部34は、ディスプレイパネル24に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル24を介して入力された情報を主制御部30に通知する。
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部32がネットワークI/F28を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部32は、受信した印刷ジョブを主制御部30に転送する。主制御部30は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部33を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成させる。
画像処理部33によって描画情報が生成されると、エンジン制御部31は、生成された描画情報に基づいてプリントエンジン26を制御し、給紙テーブル25から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン26が画像形成部として機能する。プリントエンジン26によって画像形成が施された文書は排紙トレイ27に排紙される。
画像形成装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル24の操作若しくはネットワークI/F28を介して外部のPC等から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部34若しくは入出力制御部32が主制御部30にスキャン実行信号を転送する。主制御部30は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部31を制御する。
エンジン制御部31は、ADF21を駆動し、ADF21にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット22に搬送する。また、エンジン制御部31は、スキャナユニット22を駆動し、ADF21から搬送される原稿を撮像する。また、ADF21に原稿がセットされておらず、スキャナユニット22に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット22は、エンジン制御部31の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット22が撮像部として動作する。
撮像動作においては、スキャナユニット22に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部31は、スキャナユニット22が生成した撮像情報を画像処理部33に転送する。画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、エンジン制御部31から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部33が生成した画像情報はHDD14等の画像形成装置1に装着された記憶媒体に保存される。即ち、スキャナユニット22、エンジン制御部31及び画像処理部33が連動して、原稿読み取り部として機能する。
画像処理部33によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD14等に格納され若しくは入出力制御部32及びネットワークI/F28を介して外部の装置に送信される。即ち、ADF21及びエンジン制御部31が画像入力部として機能する。
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部31がスキャナユニット22から受信した撮像情報若しくは画像処理部33が生成した画像情報に基づき、画像処理部33が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部31がプリントエンジン26を駆動する。
次に、本実施形態に係るプリントエンジン26の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るプリントエンジン26は、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って各色の画像形成部106が順番に並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ101から給紙ローラ102により分離給紙される用紙(記録媒体の一例)104に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト105に沿って、この搬送ベルト105の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106Y、106M、106C、106K(以降、総じて画像形成部106とする)が配列されている。
また、給紙トレイ101から給紙された用紙104は、レジストローラ103によって一度止められ、画像形成部106における画像形成のタイミングに応じて搬送ベルト105からの画像の転写位置に送り出される。
複数の画像形成部106Y、106M、106C、106Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106Kはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、画像形成部106Yについて具体的に説明するが、他の画像形成部106M、106C、106Kは画像形成部106Yと同様であるので、その画像形成部106M、106C、106Kの各構成要素については、画像形成部106Yの各構成要素に付したYに替えて、M、C、Kによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト105に対して、最初の画像形成部106Yが、ブラックのトナー画像を転写する。画像形成部106Yは、感光体としての感光体ドラム109Y、この感光体ドラム109Yの周囲に配置された帯電器110Y、光書き込み装置200、現像器112Y、感光体クリーナ(図示せず)、除電器113Y等から構成されている。光書き込み装置200は、夫々の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K(以降、総じて「感光体ドラム109」という)に対して光を照射するように構成されている。
画像形成に際し、感光体ドラム109Yの外周面は、暗中にて帯電器110Yにより一様に帯電された後、光書き込み装置200からのブラック画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器112Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム109Y上にイエローのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム109Yと搬送ベルト105とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器115Yの働きにより搬送ベルト105上に転写される。この転写により、搬送ベルト105上にイエローのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109Yは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナにより払拭された後、除電器113Yにより除電され、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、画像形成部106Yにより搬送ベルト105上に転写されたイエローのトナー画像は、搬送ベルト105のローラ駆動により次の画像形成部106Mに搬送される。画像形成部106Mでは、画像形成部106Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト105上に転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部106C、106Kに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム109K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト105上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
給紙トレイ101に収納された用紙104は最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト105と接触する位置若しくは最も接近する位置において、用紙面に対して搬送ベルト105とは反対側に配置された二次転写ローラ119の作用により搬送ベルト105上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙104の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙104は更に搬送され、定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。
また、このような画像形成装置1においては、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの軸間距離の誤差、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの平行度誤差、光書き込み装置111内でのLEDA130の設置誤差、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kへの静電潜像の書き込みタイミング誤差等により、本来重ならなければならない位置に各色のトナー画像が重ならず、各色間で位置ずれが生ずることがある。
また、同様の原因により、転写対象である用紙において本来画像が転写される範囲から外れた範囲に画像が転写されることがある。このような位置ずれの成分としては、主にスキュー、副走査方向のレジストずれ等が知られている。また、装置内温度変化や経時劣化による搬送ベルトの伸縮が知られている。
このような位置ずれを補正するため、パターン検知センサ117が設けられている。パターン検知センサ117は、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kによって搬送ベルト105上に転写された位置ずれ補正用パターンを読み取るための光学センサであり、搬送ベルト105の表面に描画されたパターンを照射するための発光素子及び補正用パターンからの反射光を受光するための受光素子を含む。図3に示すように、パターン検知センサ117は、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの下流側において、搬送ベルト105の搬送方向と直行する方向に沿って同一の基板上に支持されている。
また、画像形成装置1においては、画像形成部106Y、106M、106C、106Kの状態変化や、光書込み装置111の状態変化により、用紙104上に転写される画像の濃度が変動する可能性がある。このような濃度変動を補正するため、所定のルールに従って形成された濃度補正用パターンを検知し、その検知結果に基づいて画像形成部106Y、106M、106C、106Kの駆動パラメータや光書込み装置111の駆動パラメータを補正する濃度補正が実行される。
パターン検知センサ117は、上述した位置ずれ補正用パターンを検知することによる位置ずれ補正動作の他、濃度補正用パターンの検知にも用いられる。パターン検知センサ117の詳細及び位置ずれ補正、濃度補正の態様については、後に詳述する。
このような描画パラメータ補正において搬送ベルト105上に描画された補正用パターンのトナーを除去し、搬送ベルト105によって搬送される用紙が汚れないようにするため、ベルトクリーナ118が設けられている。ベルトクリーナ118は、図3に示すように、用紙104へのトナー像の転写位置である二次転写ローラ119の下流側であって、感光体ドラム109よりも上流側において搬送ベルト105に押し当てられたクリーニングブレードであり、搬送ベルト105の表面に付着したトナーを掻きとる顕色剤除去部である。
次に、本実施形態に係る光書き込み装置111について説明する。図4は、本実施形態に係る光書き込み装置111と感光体ドラム109との配置関係を示す図である。図4に示すように、各色の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K夫々に照射される照射光は、光源であるLEDA(Light‐emitting diode Array)130Y、130M、130C、130K(以降、総じてLEDA130とする)から照射される。
LEDA130は、発光素子であるLEDが、感光体ドラム109の主走査方向に並べられて構成されている。光書き込み装置111に含まれる制御部は、主走査方向に並べられている夫々のLEDの点灯/消灯状態を、コントローラ20から入力された描画情報に基づいて主走査ライン毎に制御することにより、感光体ドラム109の表面を選択的に露光し、静電潜像を形成する。
次に、本実施形態に係る光書き込み装置111の制御ブロックについて、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る光書き込み装置111を制御する光書き込み装置制御部120の機能構成と、LEDA130及びパターン検知センサ117との接続関係を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係る光書き込み装置制御部120は、発光制御部121、カウント部122、センサ制御部123、補正値算出部124、基準値記憶部125及び補正値記憶部126を含む。尚、本実施形態に係る光書き込み装置111は、図1において説明したようなCPU10、RAM11、ROM12及びHDD14等の情報処理機構を含み、図5に示すような光書き込み装置制御部120は、画像形成装置1のコントローラ20と同様に、ROM12若しくはHDD14に記憶されている制御プログラムがRAM11にロードされ、CPU10の制御に従って動作することにより構成される。光書き込み装置制御部120が、光書き込み制御装置として用いられる。
発光制御部121は、コントローラ20のエンジン制御部31から入力される画像情報に基づいてLEDA130を制御する光源制御部である。即ち、発光制御部121が、画素情報取得部としても機能する。発光制御部121は、所定のライン周期でLEDA130を発光させることにより、感光体ドラム109への光書き込みを実現する。
また、発光制御部121は、エンジン制御部31から入力される描画情報に基づいてLEDA130を駆動する他、上述した描画パラメータ補正の処理において補正用のパターンを描画するために、LEDA130を発光制御する。
図4において説明したように、LEDA130は夫々の色に対応して複数設けられる。従って、図5に示すように、発光制御部121も、複数のLEDA130夫々に対応するように複数設けられる。描画パラメータ補正処理のうち、位置ずれ補正処理の結果生成される補正値は、図5に示す補正値記憶部126に位置ずれ補正値として記憶される。発光制御部121は、この補正値記憶部126に記憶されている位置ずれ補正値に基づき、LEDA130を駆動するタイミングを補正する。
発光制御部121によるLEDA130の駆動タイミングの補正は、具体的には、エンジン制御部31から入力された描画情報に基づいてLEDA130を発光駆動するタイミングをライン周期単位で遅らせる、即ちラインをシフトさせることによって実現される。これに対して、エンジン制御部31からは、所定の周期に従って次々に描画情報が入力されるため、ラインをシフトさせて発光タイミングを遅らせるためには、入力された描画情報を保持しておき、読み出すタイミングを遅らせる必要がある。
そのため、発光制御部121は、主走査ライン毎に入力される描画情報を保持するための記憶媒体であるラインメモリを有し、エンジン制御部31から入力された描画情報をラインメモリに記憶させることによって保持する。
カウント部122は、上記位置ずれ補正処理において、発光制御部121がLEDA130を制御して感光体ドラム109Kの露光を開始するタイミングに応じてカウントを開始する。このカウントの開始タイミングは、露光を開始するタイミングと同時とする場合の他、所定の遅延時間が経過した後のタイミング等が用いられる。
カウント部122は、センサ制御部123が、パターン検知センサ117の出力信号に基づいて位置ずれ補正用パターンを検知することにより出力する検知信号を取得する。また、センサ制御部123は、検知信号を取得したタイミングにおけるカウント値を補正値算出部124に入力する。
センサ制御部123は、パターン検知センサ117を制御する制御部であり、上述したように、パターン検知センサ117の出力信号に基づき、搬送ベルト105上に形成された位置ずれ補正用パターンが、パターン検知センサ117の位置にまで到達したことを判断して検知信号を出力する。また、センサ制御部123は、濃度補正用パターンによる濃度補正に際しては、パターン検知センサ117の出力信号の信号強度を取得し、補正値算出部124に入力する。センサ制御部123が、パターン検知センサ117の検知信号を取得する検知信号取得部として機能する。
補正値算出部124は、カウント部122から取得したカウント値や、センサ制御部123から取得した濃度補正用パターンの検知結果の信号強度に基づき、基準値記憶部125に記憶された位置ずれ補正用及び濃度補正用の基準値に基づいて補正値を算出する。基準値記憶部125には、このような計算に用いるための基準値が格納されている。
次に、本実施形態に係る位置ずれ補正動作について説明する。図6は、本実施形態に係る位置ずれ補正動作において、発光制御部121によって制御されたLEDA130によって搬送ベルト105上に描画されるマーク(以降、位置ずれ補正用マークとする)、並びに位置ずれ補正用マークとパターン検知センサ117との位置関係を示す図である。
図6に示すように、本実施形態に係る位置ずれ補正用マーク400は、副走査方向に様々なパターンが並べられている位置ずれ補正用パターン列401が、主走査方向に複数(本実施形態においては2つ)並べられて構成されている。尚、図6において、実線が感光体ドラム109K、点線は感光体ドラム109Y、破線は感光体ドラム109M、一点鎖線は感光体ドラム109Cによって夫々描画されたパターンを示す。
図6に示すように、パターン検知センサ117は、主走査方向に複数(本実施形態においては2つ)のセンサ素子170を有し、夫々の位置ずれ補正用パターン列401は、夫々のセンサ素子170に対応した位置に描画されている。これにより、光書き込み制御部120は、主走査方向の複数の位置でパターンの検出を行うことが可能となり、描画される画像のスキューを補正することが可能となる。
図6に示すように、位置ずれ補正用パターン列401は、開始位置補正用パターン411とドラム間隔補正用パターン412を含む。また、図6に示すように、ドラム間隔補正用パターン412は、繰り返し描画されている。
本実施形態に係る開始位置補正用パターン411は、図6に示すように、感光体ドラム109Yによって描画された線であって主走査方向に平行な線である。開始位置補正用パターン411は、画像の全体の副走査方向のずれ、即ち、用紙に対する画像の転写位置を補正するためのカウント値を得るために描画されるパターンである。即ち、開始位置補正用パターン411が、転写位置補正用パターンとして用いられる。また、開始位置補正用パターン411は、センサ制御部123が、ドラム間隔補正用パターン412を検知する際の検知タイミングを補正するためにも用いられる。
開始位置補正用パターン411を用いた転写位置補正においては、光書き込み装置制御部120が、パターン検知センサ117による開始位置補正用パターン411の読取信号に基づき、書き込み開始タイミングの補正動作を行う。
ドラム間隔補正用パターン412は、各色の感光体ドラム109における描画タイミングのずれを補正するためのカウント値を得るために描画されるパターンである。図6に示すように、ドラム間隔補正用パターン412は、副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414を含む。図6に示すように、ドラム間隔補正用パターン412は、CMYK各色のパターンが一組となって構成される副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414が繰り返されることによって構成される。
光書き込み装置制御部120は、パターン検知センサ117による、副走査方向補正用パターン413の読取信号に基づき、感光体ドラム109K、109M、109C、109Y夫々の副走査方向の位置ずれ補正を行い、主走査方向補正用パターン414の読取信号に基づき、上記各感光体ドラムの主走査方向の位置ずれ補正を行う。
次に、本実施形態に係る濃度補正動作について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る濃度補正動作において、発光制御部121によって制御されたLEDA130によって搬送ベルト105上に描画されるマーク(以降、濃度補正用マークとする)を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る濃度補正用マーク500は、ブラック階調パターン501、シアン階調パターン502、マゼンタ階調パターン503及びイエロー階調パターン504を含む。
濃度補正用マーク500に含まれる各色の階調パターンは、本実施形態においては濃度の異なる4つの方形状のパターンによって構成されており、この方形状のパターンが、濃度の順に副走査方向に並べられて構成されている。そして、各色の階調パターンは、ブラック及びマゼンタと、シアン及びイエローとで左右に分けて描画されている。図7においては、各方形状のパターンに施されているハッチングの数によって、各パターンの濃度が示されている。
図7に示す濃度補正用マーク500を用いた濃度補正においては、補正値算出部124が、パターン検知センサ117による各色の階調パターンの読み取り信号の強度に基づいた濃度を示す情報をセンサ制御部123から取得し、現像バイアスの補正動作を行う。即ち、基準値記憶部125に記憶される基準値のうち、濃度補正に用いられる基準値は、各色の階調パターンに含まれる濃度の異なる4つのパターン夫々の濃度の基準となる値である。
尚、本実施形態においては、ブラック階調パターン501及びシアン階調パターン502を前半階調パターン500aとし、マゼンタ階調パターン503及びイエロー階調パターン504を後半階調パターン500bとする。本実施形態においては、図3、図4において説明したように、感光体ドラム109K、109Cが搬送方向の下流側に配置されており、感光体ドラム109M、109Yが搬送方向の上流側に配置されている。従って、前半階調パターン500aが、下流側濃度補正用パターンとして用いられ、後半階調パターン500bが、上流側濃度補正用パターンとして用いられる。
ここで、基準値記憶部125に記憶されている各色タイミング基準値について説明する。図8は、開始位置補正用パターン411及びドラム間隔補正用パターン412の検知タイミングを示す図である。図8に示すように、開始位置補正用パターン411の検知期間tY0は、感光体ドラム109Yによって描画された夫々の線が読み取られる手前のタイミングである検知開始タイミングt0からの検知期間である。
また、ドラム間隔補正用パターン412に含まれる副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414の検知期間tY、tK、tM、tCは、一組のパターンが読み取られる手前のタイミングである検知開始タイミングt1、t2からの検知期間である。
基準値記憶部125には、図8に示す開始位置補正用パターン411の検知期間tY0や、副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414の検知期間tY、tK、tM、tCに対する基準値である。換言すると、基準値記憶部125には、画像形成装置各部の詳細な構成が設計通りである場合の開始位置補正用パターン411の検知期間tY0や、副走査方向補正用パターン413及び主走査方向補正用パターン414の検知期間tY、tK、tM、tCの理論値が基準値として格納されている。
即ち、補正値算出部124は、基準値記憶部125に記憶されている夫々の基準値と、図8に示す検知期間tY0、tY、tK、tM、tCとの差異を計算することにより、自身が搭載されている画像形成装置の設計値からのずれを求め、そのずれに基づいてLEDA130の発光タイミングを補正するための補正値を算出する。
また、開始位置補正用パターン411の検知期間tY0に対する基準値は、図8に示す検知開始タイミングt1、t2のタイミングを補正するためにも用いられる。即ち、補正値算出部124は、開始位置補正用パターン411の検知期間tY0と、それに対する基準値との差異に基づき、図8に示す検知開始タイミングt1、t2のタイミングを補正するための補正値を算出する。これにより、ドラム間隔補正用パターン412の検知期間の精度を向上することが可能である。
尚、図8に示す検知開始タイミングt0は、書き込み開始タイミングtstartからのカウント期間に基づいて判断される。書き込み開始タイミングtstartは、開始位置補正用パターン411の先頭の線の描画のための光書き込み、即ち感光体ドラム109Yの露光が開始されたタイミングである。この書き込み開始タイミングtstartからt0を経て開始位置補正用パターン411の先頭の線が検知されるまでの期間TYにおいて、補正値算出部124はセンサ制御部123からの検知信号を待っているのみであり、他の処理を行っていない。このような待機期間を短縮して効率的な処理を実現し、パラメータ補正に要する期間を短縮することが本実施形態に係る要旨の1つである。
図9は、濃度補正用マーク500の書き込み開始及び検知タイミングを示す図である。図7において説明したような位置関係の濃度補正用マーク500を、図3、図4において説明したような感光体ドラム109の配置関係において描画するため、図9に示すように、まずは前半階調パターン500aのための露光、即ち、感光体ドラム109C及び感光体ドラム109Kに対する露光が開始される。
図3、図4において説明したように、感光体ドラム109Kが感光体ドラム109Cよりも下流側にあるため、ブラック階調パターン501及びシアン階調パターン502を副走査方向において同じ位置に描画するため、感光体ドラム109Cの露光が感光体ドラム109Kの露光よりも先に開始される。続いて、後半階調パターン500bのための露光、即ち、感光体ドラム109Y及び感光体ドラム109Mに対する露光が開始される。
後半階調パターン500bのための露光においても、感光体ドラム109Yと感光体ドラム109Mとの位置関係の違いが考慮され、感光体ドラム109Yの露光が感光体ドラム109Mの露光よりも先に開始される。このようにして夫々の感光体ドラム109が露光されることにより各色の階調パターンが生成されて搬送ベルト105上に転写され、搬送ベルト105によって搬送されることにより、パターン検知センサ117によって読み取られる。
ここで、図9に示すように、各色の階調パターンの描画を開始してから、夫々のパターンの検知信号が得られるまでの期間TY、TM、TC、TKは、図3、図4において説明したような、各色の感光体ドラム109の配置によって定まる。本実施形態においては、図9に示すように、TY、TM、TC、TKの順で期間が短くなる。
即ち、搬送ベルト105の搬送方向において、より下流側にある感光体ドラム程、搬送ベルト105の搬送上、パターン検知センサ117の近くに配置されていることになるため、より下流側にある感光体ドラムから転写されたパターンほど、上述した待機期間が短くなる。
他方、書き込み開始タイミングtstartは、上述したように検知開始タイミングt0の基準ともなるため、全ての感光体ドラム夫々に対応した基準値を設定するためには、最も上流側に配置された感光体ドラム、即ち、本実施形態においては、感光体ドラム109Yの書き込み開始タイミングに合わせることが好ましい。
他方、感光体ドラム109Yの書き込み開始タイミングに応じたカウントを行いながらも、感光体ドラム109Yよりも下流側に配置された感光体ドラム上に現像される画像が補正用パターンの先頭に配置されるように構成することも可能である。その場合、下流側に配置された感光体ドラムから転写されたパターンの待機期間は、上流側に配置された感光体ドラムから転写されるパターンの待機期間よりも短いため、全体として補正用パターンの描画及び読み取りに要する時間を短縮することができる。
本実施形態においては、このような感光体ドラム109の配置関係を利用し、従来と同様のパラメータ補正動作を実現しながら、パラメータ補正に要する時間の短縮を可能とすることが、その要旨の1つである。以下、本実施形態に係るパラメータ補正の詳細について説明する。
図10は、本実施形態に係る補正用パターンの描画順を示す図である。図10に示すように、本実施形態に係るパラメータ補正動作においては、まず、図7において説明した前半階調パターン500aが描画され、続いて位置ずれ補正用マーク400が描画された後に、後半階調パターン500bが描画される。
図11は、本実施形態に係るパラメータ補正動作において描画される図10に示すようなパターンの、描画開始及び読み取りタイミングを示す図である。図11に示すように、まずは前半階調パターン500aの描画が開始される。前半階調パターン500aの描画開始及び読み取りタイミングは、図9において説明したタイミングと同様である。
図9において説明したように、前半階調パターン500aを構成するブラック及びシアンの画像のための感光体ドラム109K、109Cは、イエローの感光体ドラム109Yよりも搬送ベルト105の搬送方向下流側にある。そのため、書き込み開始タイミングtstart´から読み取りタイミングまでの期間である待機期間は、図8において説明した開始位置補正用パターン411についての待機期間よりも短くなる。
図10において説明したとおり、本実施形態においては、前半階調パターン500aに続いて位置ずれ補正用マーク400が描画される。そのため、図8において説明した開始位置補正用パターン411の先頭パターンの書き込み開始タイミングtstartは、前半階調パターン500aの読み取り期間中に発生する。この書き込み開始タイミングtstartは、例えば前半階調パターン500aの書き込み開始タイミングtstart´からの所定期間のカウントによって判断される。
その後、図7において説明した態様と同様に位置ずれ補正用マーク400の描画及び読み取りが実行され、その後に後半階調パターン500bの描画及び読み取りが実行されて、パラメータ補正動作が完了する。
図12(a)、(b)は、パラメータ補正動作に要する時間の変化を示す図である。図12(a)は、本実施形態に係るパラメータ補正動作に要する時間を示す図である。他方、図12(b)は、比較例として、位置ずれ補正用マーク400の描画の後に濃度補正用マーク500が描画される場合に要する時間を示す図である。
図12(a)、(b)に示すように、本実施形態に係るパラメータ補正動作によれば、上述したように開始位置補正用パターン411の描画によるパラメータ補正に際しての待機期間が短縮されているため、パラメータ補正動作全体に要する期間が短縮されることとなる。これにより、画像処理装置1のダウンタイムが低減され、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
尚、上記実施形態においては、図10において説明したように、前半階調パターン500aの描画の後、位置ずれ補正用マーク400すべてを描画してから、後半階調パターン500bが描画される場合を例として説明した。しかしながら、上記実施形態の要旨は、位置ずれ補正用マーク400に含まれる開始位置補正用パターン411の描画のための感光体ドラム109Yの露光開始に際して、それより下流側に配置された感光体ドラム109K、109Cの露光を同時に開始することにある。従って、位置ずれ補正用マーク400全体の描画を完了する前に、後半階調パターンを先に描画することも可能である。そのような例について、図13を参照して説明する。
図13の例においては、図10と同様に、開始位置補正用パターン411の描画のための感光体ドラム109Yの露光と同時に感光体ドラム109K、109Cの露光が開始され、前半階調パターン500aの後に開始位置補正用パターン411が描画される。しかしながら、発光制御部121は、位置ずれ補正用マーク400全体を描画するのではなく、開始位置補正用パターン411の後に後半階調パターン500bを描画し、その後ドラム間隔補正用パターン412を描画する。
図13の態様であっても、図10の場合と同様に、よりパターン検知センサ117に近い位置に配置されている感光体ドラム上に現像されたパターンを先頭とすることにより、書き込み開始から読み取りまでの待機期間を低減し、開始位置補正用パターン411の描画に際して発生する待機期間を前半階調パターン500aの読み取り期間に重ねることが可能である。従って、上記と同様の効果を得ることが可能である。
また、図13の態様の場合、搬送ベルト105のクリーニングにおいて有利な効果がある。上述したように、搬送ベルト105上に転写されたトナー像は、通常の画像形成出力であれば二次転写ローラ119において用紙に転写される。これに対して、パラメータ補正動作の場合には用紙への転写は行われないため、補正用パターンがすべて二次転写ローラを過ぎてベルトクリーナ118に搬送される。
ベルトクリーナ118においては、搬送ベルト105上のトナー像が除去されるが、用紙に二次転写されて残ったトナーではなく、二次転写されることなく搬送されたトナー像であるため、通常の画像形成出力よりも除去するべきトナー量が多い。特に、濃度補正用マーク500の高濃度部分はトナー量が多いため、除去するべきトナー量が多くなる。
ここで、ドラム間隔補正用パターン412は、一般的に搬送ベルト105の一周分程度にわたって描画され、補正値算出部124による補正値の計算が繰り返し実行される。従って、図13に示すような補正用パターンの並び順の場合、搬送ベルト105の部分のうち、前半階調パターン500a及び後半階調パターン500bが転写された部分は、ドラム間隔補正用パターン412の後端部分が転写される部分としても用いられ、その結果、ベルトクリーナ118を2回通過することとなる。従って、濃度補正用マーク500のためのトナーを確実に除去することができる。
また、上記実施形態においては、図11、図13において説明したように、前半階調パターン500aの書き込み開始タイミングtstart´の後に、書き込み開始タイミングtstartが発生して、開始位置補正用パターン411の書き込みが開始される場合を例として説明した。しかしながら、感光体ドラム109Yよりも下流側に配置された感光体ドラムであれば、感光体ドラム109Yに対する書き込み開始と同じタイミングで書き込みを開始したとしても、その配置関係上、感光体ドラム109Yから転写されるトナー像よりも下流側、即ち、パターン検知センサ117に近い位置に転写されることとなる。
そして、前半階調パターン500aの副走査方向の範囲が、図11、図13において説明した例よりも短ければ、開始位置補正用パターン411の描画のための感光体ドラム109Yに対する書き込み開始タイミングと、前半階調パターン500aの描画のための感光体ドラム109C、109Kに対する書き込み開始タイミングとを同時にすることも可能である。そのような例について、図14を参照して説明する。
図14は、開始位置補正用パターン411の描画のための感光体ドラム109Yに対する書き込み開始タイミングと、前半階調パターン500aの描画のための感光体ドラム109C、109Kに対する書き込み開始タイミングとを同時にする場合の、書き込み開始及び読み取り開始タイミングを示す図である。
図14に示すように、前半階調パターン500aの読み取り期間が短ければ、開始位置補正用パターン411の描画のための感光体ドラム109Yに対する書き込み開始タイミングと、前半階調パターン500aの描画のための感光体ドラム109C、109Kに対する書き込み開始タイミングとを同時にすることが可能であり、光書き込み装置制御部120による補正用パターンの描画及び読み取りのための処理を簡略化することが可能である。
尚、図14に示すように、前半階調パターン500aの読み取り期間を短くするためには、図7において説明したような各パターンの副走査方向の寸法を短くする態様や、パターン検知センサ117に含まれるセンサ素子170の数を増やし、パターンを副走査方向ではなく主走査方向に配列する態様等、様々な態様が考えられる。
また、上記実施形態においては、LEDA111を用いる光書き込み装置200を例として説明したが、本実施形態に係る要旨は、タンデム型の画像形成装置であれば同様に適用可能である。従って、LEDA111に限らず、有機EL(Electro Luminescence)ヘッド、LD(Laser Diode)アレイヘッド、面発光レーザー等の個体走査系書き込みヘッドであれば同様に適用可能である。
1 画像形成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 エンジン
14 HDD
15 I/F
16 LCD
17 操作部
18 バス
20 コントローラ
21 ADF
22 スキャナユニット
23 排紙トレイ
24 ディスプレイパネル
25 給紙テーブル
26 プリントエンジン
27 排紙トレイ
28 ネットワークI/F
30 主制御部
31 エンジン制御部
32 入出力制御部
33 画像処理部
34 操作表示制御部
101 給紙トレイ
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 用紙
105 搬送ベルト
106K、106C、106M、106Y 画像形成部
107 駆動ローラ
108 従動ローラ
109K、109C、109M、109Y 感光体ドラム
110K 帯電器
111光書き込み装置
112K、112C、112M、112Y 現像器
113K、113C、113M、113Y 除電器
115K、115C、115M、115Y 転写器
116 定着器
117 パターン検知センサ
118 ベルトクリーナ
119 二次転写ローラ
120 光書き込み装置制御部
121 発光制御部
122 カウント部
123 センサ制御部
124 補正値算出部
125 基準値記憶部
126 補正値記憶部
130、130K、130C、130M、130Y LEDA
170 センサ素子
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 エンジン
14 HDD
15 I/F
16 LCD
17 操作部
18 バス
20 コントローラ
21 ADF
22 スキャナユニット
23 排紙トレイ
24 ディスプレイパネル
25 給紙テーブル
26 プリントエンジン
27 排紙トレイ
28 ネットワークI/F
30 主制御部
31 エンジン制御部
32 入出力制御部
33 画像処理部
34 操作表示制御部
101 給紙トレイ
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 用紙
105 搬送ベルト
106K、106C、106M、106Y 画像形成部
107 駆動ローラ
108 従動ローラ
109K、109C、109M、109Y 感光体ドラム
110K 帯電器
111光書き込み装置
112K、112C、112M、112Y 現像器
113K、113C、113M、113Y 除電器
115K、115C、115M、115Y 転写器
116 定着器
117 パターン検知センサ
118 ベルトクリーナ
119 二次転写ローラ
120 光書き込み装置制御部
121 発光制御部
122 カウント部
123 センサ制御部
124 補正値算出部
125 基準値記憶部
126 補正値記憶部
130、130K、130C、130M、130Y LEDA
170 センサ素子
Claims (5)
- 搬送経路に沿って順番に配置された複数の感光体を露光する複数の光源を制御して前記複数の感光体上に夫々静電潜像を形成させる光書き込み制御装置であって、
画像形成出力するべき画像を構成する画素の情報に基づいて前記光源を発光制御し、前記複数の感光体を露光させる発光制御部と、
前記感光体上に形成された静電潜像が現像された画像が転写されて搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサの検知信号を取得する検知信号取得部と、
前記発光制御部による前記複数の光源の発光制御に用いられるパラメータの補正用のために前記複数の感光体夫々を露光することによって描画される補正用パターンを前記センサが検知して出力する検知信号に基づき、前記パラメータの補正値を算出する補正値算出部とを含み、
前記発光制御部は、
前記補正用パターンの描画開始に際して、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の下流側に配置されている感光体上に現像される画像の濃度を補正するための下流側濃度補正用パターンの書き込みを開始し、
前記現像された画像が用紙に対して転写される位置を補正するための転写位置補正用パターンの書き込みを、前記下流側濃度補正用パターンの書き込みの開始に応じたタイミングで、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の最上流側に配置されている感光体を露光させることにより開始することを特徴とする光書き込み制御装置。 - 前記発光制御部は、前記転写位置補正用パターンに続いて、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の上流側に配置されている感光体上に現像される画像の濃度を補正するための上流側濃度補正用パターンの書き込みを開始することを特徴とする請求項1に記載の光書き込み制御装置。
- 前記発光制御部は、前記下流側濃度補正用パターンの書き込みの開始と同時に、前記現像された画像が用紙に対して転写される位置を補正するための転写位置補正用パターンの書き込みを開始することを特徴とする請求項1または2に記載の光書き込み制御装置。
- 請求項1乃至3いずれか1項に記載の光書き込み制御装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
- 搬送経路に沿って順番に配置された複数の感光体を露光する複数の光源を制御して前記複数の感光体上に夫々静電潜像を形成させる光書き込み制御方法であって、
前記複数の光源の発光制御に用いられるパラメータの補正用のための補正用パターンを、前記複数の感光体夫々を露光することによって描画し、
前記感光体上に形成された静電潜像が現像された画像が転写されて搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサが、前記補正用パターンを検知して出力する検知信号に基づき、前記パラメータの補正値を算出し、
前記補正用パターンの描画開始に際して、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の下流側に配置されている感光体上に現像される画像の濃度を補正するための下流側濃度補正用パターンの書き込みを開始し、
前記現像された画像が用紙に対して転写される位置を補正するための転写位置補正用パターンの書き込みを、前記下流側濃度補正用パターンの書き込みの開始に応じたタイミングで、前記複数の感光体のうち前記搬送経路の最上流側に配置されている感光体を露光させることにより開始することを特徴とする光書き込み制御方法。
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JP2014145862A (ja) | 2014-08-14 |
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