JP6015160B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真法は、複写機やプリンター等に幅広く利用されている。
近年、電子写真法を利用した画像形成装置に使用される電子写真感光体(以下、「感光体」と称す場合がある)に関し、該感光体の感光層表面に表面層(保護層)を設ける技術が検討されている。
例えば、有機感光体上に、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)や非晶質窒化炭素(CN)、非晶質窒化珪素、酸化アルミ、酸化ガリウムのような硬質な膜を表面保護層として形成することが行われている(例えば、特許文献1〜8等参照)。
特開平9−101625号公報 特開2003−27238号公報 特開昭58−80647号公報 特開昭58−59454号公報 特開2008−268266号公報 特開平07−181705号公報 特開平07−239565号公報 特開2011−197571号公報
本発明の課題は、画像がぼやける現象(以下、「画像ボケ」と称する)及び残留電位の発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた有機感光層と、
前記有機感光層上に設けられた無機保護層であって、前記有機感光層側から、第1層、第2層、及び第3層をこの順で有し、前記第1層の厚さが0.1μmを超え1.0μm以下であり、且つ下記式(1)の関係を満たす無機保護層と、
を備えた電子写真感光体。
・式(1):ρ3≦ρ1<ρ2
(式(1)中、ρ1は前記第1層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ2は前記第2層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ3は前記第3層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。)
請求項2に係る発明は、
前記有機感光層がp型の電荷輸送性有機材料を含んで構成され、前記無機保護層がn型又はi型の電荷輸送性無機材料を含んで構成される請求項1に記載の電子写真感光体。
請求項3に係る発明は、
前記第1層の膜厚が、0.1μmを超え0.4μm以下である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
請求項4に係る発明は、
前記無機保護層の膜厚が、0.4μm以上5.0μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
請求項5に係る発明は、
前記無機保護層が、金属酸化物を含んで構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
請求項6に係る発明は、
前記無機保護層が、少なくともガリウムと酸素とを含んで構成される請求項1〜4のいずいれか1項に記載の電子写真感光体。
請求項7に係る発明は、
前記無機保護層が、下記式(2)の関係を満たす請求項6に記載の電子写真感光体。
・式(2):C3≦C1<C2
(式(2)中、C1は前記第1層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。C2は前記第2層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。C3は前記第3層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。)
請求項8に係る発明は、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
請求項9に係る発明は、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備えた画像形成装置。
請求項1、2に係る発明によれば、無機保護層が式(1)を満たさない場合に比べ、画像ボケ及び残留電位の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、第1層の膜厚が上記範囲外の場合に比べ、画像ボケ及び残留電位の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、無機保護層が式(1)を満たさない場合に比べ、画像ボケが発生し易い上記範囲の膜厚を持つ無機保護層を有していても、画像ボケの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項5に係る発明によれば、無機保護層が金属酸化物以外の無機材料を含んで構成される場合に比べ、高い機械的強度を持つ無機保護層を有する電子写真感光体が提供される。
請求項6、7に係る発明によれば、無機保護層がガリウム及び酸素以外の元素で構成された無機材料を含んで構成された場合に比べ、高い機械的強度及び化学的安定性を持つ無機保護層を有する電子写真感光体が提供される。
請求項8、9に係る発明によれば、無機保護層が式(1)を満たさない電子写真感光体を備える場合に比べ、画像ボケ及び残留電位に起因する画像欠陥が抑制された画像が得られるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置が提供される。
本実施形態の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の無機保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態の電子写真感光体の無機保護層の形成に用いるプラズマ発生装置の例を示す概略模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
(電子写真感光体)
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた有機感光層と、有機感光層上に設けられた無機保護層と、を備える。
そして、無機保護層は、有機感光層側から、第1層(以下、「界面層」と称する)、第2層(以下、「中間層」と称する)、及び第3層(以下、「最表層」と称する)をこの順で有し、且つ下記式(1)の関係を満たしている。
・式(1):ρ3≦ρ1<ρ2
(式(1)中、ρ1は界面層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ2は中間層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ3は最表層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。)
なお、無機保護層は、界面層、中間層、及び最表層が互いの層間に明確な界面を有して積層されていてもよいし、明確な界面が存在しない状態で積層されていてもよい。
本実施形態に係る電子写真感光体では、上記構成により、画像ボケ及び残留電位の発生が抑制される。
この理由は、定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
従来、有機感光層上に無機保護層を設ける技術が知られている。有機感光層に含まれる電荷輸送性有機材料としてはp型のものが多く知られており、有機感光層の伝導性はp型を示すものが多い。一方、無機保護層を構成する電荷輸送性無機材料はn型又はi型のものが多く、無機保護層の伝導性はn型又はi型を示すものが多い。
p型の有機感光層上にn型又はi型の無機保護層が形成された電子写真感光体は、負帯電型の電子写真感光体と呼ばれている。
上記のようにp型の有機感光層とn型又はi型の無機保護層を有する負帯電型の電子写真感光体では、表面が帯電されると、帯電から露光の間において、帯電電荷である負電荷(電子)が無機保護層の表面から導電性基体側に向かう方向(無機保護層の面直方向)の力を受けると考えられる。そして、負電荷は、無機保護層の表面からの注入性、無機保護層の伝導性に依存して、有機感光層と無機保護層との界面に向かって移動すると考えられる。
次に、負帯電型の電子写真感光体が露光されると、露光から現像の間において、露光部では光により生成した正電荷(ホール)が有機感光層中を移動して、有機感光層の表面(無機保護層との界面)まで到達することで、電子写真感光体の表面電位が低下し、露光部と非露光部との電位差が生じる。これにより、潜像が形成されることになる。そして、その後、現像が行われる。
このような動作で現像が行われる負帯電型の電子写真感光体では、有機感光層と無機保護層との界面に到達した正電荷(ホール)は、n型又はi型の無機保護層へ注入して、無機保護層内を流れる(移動する)ことが困難であり、当該界面(有機感光層側の界面)に留まると考えられる。
一方で、負帯電型の電子写真感光体では、帯電による負電荷(電子)注入性を考慮して、無機保護層に欠陥や不純物を導入して低抵抗化すると、欠陥や不純物が作る準位の影響により無機保護層中で負電荷が散乱されたり捕獲されたりして流れにくくなり、一部は滞留してゆくと考えられる。負電荷が有機感光層と無機保護層との界面に滞留すると、当該界面に留まった正電荷との間の電位差が大きくなり、残留電位が発生すると考えられる。
このため、帯電による負電荷(電子)注入性を考慮しつつ、残留電位の発生を抑えるためには、表面側の層(最表層)を低抵抗化し、有機感光層側に接する側の下層(有機感光層と界面を形成する層)を高抵抗化した2層構造の無機保護層とすることがよい。これは、有機感光層側に接する側の下層を欠陥や不純物を抑制して高抵抗化することにより、欠陥や不純物が作る準位の影響が抑制され、負電荷が無機保護層内で流れ易くなり、無機保護層中に負帯電が滞留し難くなると考えられるからである。
しかし、露光後における負帯電型の電子写真感光体では、面内方向(無機保護層の厚み方向に交差する方向)にも電界が加わることから、非露光部の負電荷(電子)は導電性基体側に向かう方向(無機保護層層の面直方向)の力のみならず、面内方向に向かう方向の力を受けると考えられる。
つまり、上記2層構成の無機保護層において、有機感光層側に接する側の下層(有機感光層と界面を形成する層)を欠陥や不純物を抑制して高抵抗化すると、非露光部の負電荷(電子)が面内方向に流れ易くなり、潜像にズレや広がりが生じ、画像ボケが発生すると考えられる。
そこで、上記2層構成の無機保護層において、高抵抗の下層と有機感光層との間に、当該高抵抗の下層よりも欠陥や不純物を導入して抵抗が低い層を界面層として介在させ、高抵抗の下層を中間層とする。つまり、無機保護層を、式(1)を満たす抵抗関係で、有機感光層側から、界面層、中間層、及び最表層をこの順で有する無機保護層とする。
これにより、無機保護層全体としては、中間層によって負電荷が流れ易くなる一方で、界面層によって有機感光層と無機保護層の界面の近くにおいて負電荷が一時的に面内方向に流れ難くなると考えられる。このため、残留電位の発生を抑えつつ、画像ボケの発生も抑えられると考えられる。
なお、有機感光層及び無機保護層における伝導性の関係が逆の関係なる正帯電型の電子写真感光体(つまり、n型又はi型の有機感光層上にp型の無機保護層が形成された正帯電型の電子写真感光体)でも、同様であると考えられる。
以上から、本実施形態に係る電子写真感光体では、式(1)を満たす抵抗関係で、界面層、中間層、及び最表層で構成された無機保護層が有機感光層上を有することで、画像ボケ及び残留電位の発生が抑制されると考えられる。
なお、残留電位は、表面保護層(その全体)が厚膜化(例えば0.4μm以上5.0μm以下)したときに顕著に生じるが、本実施形態では、これが改善される。
また、画像ボケは、例えば、100lpi(lpi=lines/inch)から600lpiの網点スクリーン線数で出力する条件(例えば上記範囲のlpiのドットでの網点(クラスタードット)を出力する条件)で画像を形成するときに顕著に生じるが、本実施形態では、これが改善される。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る電子写真用感光体の一例を示す模式断面図である。図2乃至図3はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、電荷輸送層3、及び無機保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により有機感光層が構成されている。
そして、有機感光層(電荷輸送層3)側から、界面層5A、中間層5B、及び最表層5Cがこの順で積層されて無機保護層5が構成されている。
図2に示す電子写真感光体7Bは、図1に示す電子写真感光体7Aと同様に電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された機能分離型感光体である。また、図3に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送性有機材料とを同一の層(単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷輸送層3、電荷発生層2、及び無機保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3及び電荷発生層2により有機感光層が構成されている。
そして、有機感光層(電荷発生層2)側から、界面層5A、中間層5B、及び最表層5Cがこの順で積層されて無機保護層5が構成されている。
図3に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型有機感光層6、無機保護層5が順次形成された構造を有するものである。
そして、有機感光層(単層型有機感光層6)側から、界面層5A、中間層5B、及び最表層5Cがこの順で積層されて無機保護層5が構成されている。
なお、図1乃至図3に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
以下、代表例として図1に示す電子写真感光体7Aに基づいて、各要素について説明する。
−導電性基体−
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。基体の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
なお、導電性基体は、例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満の導電性を有するものがよい。
導電性基体として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
−下引層−
下引層は、導電性基体表面における光反射の防止、導電性基体から有機感光層への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。
下引層は、例えば、結着樹脂と、必要に応じてその他添加物とを含んで構成される。
下引層に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
下引層には、シリコーン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物等の金属化合物等を含有してもよい。
金属化合物と結着樹脂との比率は、特に制限されず、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で設定される。
下引層には、表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂粒子等が挙げられる。なお、表面粗さ調整のために下引層を形成後、その表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が用いられる。
ここで、下引層の構成として、結着樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する構成が挙げられる。なお、導電性粒子は、例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満の導電性を有するものがよい。
導電性粒子としては、例えば、金属粒子(アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの粒子)、導電性金属酸化物粒子(酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの粒子)、導電性物質粒子(カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末の粒子)等が挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物粒子が好適である。導電性粒子は、2種以上混合して用いてもよい。
また、導電性粒子は、疎水化処理剤(例えばカップリング剤)等により表面処理を施して、抵抗調整して用いてもよい。
導電性粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが望ましく、より望ましくは40質量%以上80質量%以下である。
下引層の膜厚は、15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下がより望ましい。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
なお、下引層形成用塗布液中に粒子を分散させる場合、その分散方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。ここで、高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
ここで、図示は省略するが、下引層と有機感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いてもよい。中でも、ジルコニウムもしくはケイ素を含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど点から好適である。
なお、中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引起こすことがある。したがって、中間層を形成する場合には、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定することがよい。また、この場合の中間層を下引層として使用してもよい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行われる。
中間層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
−電荷発生層−
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂中とを含んで構成される。なお、電荷発生層は、例えば、電荷発生材料の蒸着膜で構成されていてもよい。
電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比(質量比)は、例えば10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層の膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
なお、電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
−電荷輸送層−
電荷輸送層は、電荷輸送有機材料と、必要に応じて結着樹脂と、を含んで構成される。
電荷輸送性有機材料は、周知のものが挙げられるが、無機保護層の伝導型に応じて、p型の電荷輸送性有機材料、n型の電荷輸送性有機材料が選択される。但し、電荷輸送性及び入手性等の観点から、p型の電荷輸送性有機材料が好適である(つまり、無機保護層の伝導型はn型又はi型がよい)。
p型の電荷輸送性有機材料(正孔輸送性有機材料)としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体;、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン、トリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物;、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物;、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体;、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、4−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1−ジ−(4,4’−メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β−ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体;、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体;、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体;、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、及びその誘導体等の正孔輸送物質、並びに、これら正孔輸送物質からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。
これらの電荷輸送性有機材料は、単独又は2種以上を組み合せて使用してもよい。
n型の電荷輸送性有機材料(電子輸送性有機材料等)としては、例えば、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。
これらの電荷輸送性有機材料は、単独又は2種以上を組み合せて使用してもよい。
電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、電荷輸送性有機材料と結着樹脂との配合比(質量比)は、例えば10:1乃至1:5が望ましい。
電荷輸送層の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
なお、電荷輸送層形成用塗布液中に粒子(例えばフッ素樹脂粒子)を分散させる場合、その分散方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
−無機保護層−
無機保護層は、有機感光層側から、界面層、中間層、及び最表層をこの順で有し、且つ下記式(1)の関係(望ましくは下記式(1−2)の関係)を満たしている。
・式(1) :ρ3≦ρ1<ρ2
・式(1−2):ρ3<ρ1<ρ2
(式(1)、(1−2)中、ρ1は界面層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ2は中間層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ3は最表層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。)
なお、中間層は、体積抵抗率が異なる複数の層で構成されていてもよく、その場合、中間層の体積抵抗率とは当該複数の層全体の体積抵抗率を意味する。
界面層の体積抵抗率ρ1は、例えば、10Ωcmを超える範囲がよく、望ましくは5×10Ωcm以上5×1010Ωcm以下、より望ましくは1×1010Ωcm以上3×1010Ωcm以下である。
界面層の体積抵抗率ρ1を上記範囲とすると、画像ボケの発生が抑制され易くなる。
中間層の体積抵抗率ρ2は、例えば、3×1010Ωcm以上がよく、望ましくは4×1010Ωcm以上である。
中間層の体積抵抗率ρ2を上記範囲とすると、残留電位の発生が抑制され易くなる。
最表層の体積抵抗率ρ3は、例えば、5×10Ωcm以上3×1010Ωcm以下がよく、望ましくは1×10Ωcm以上1×1010Ωcm以下、である。
最表層の体積抵抗率ρ3を上記範囲とすると、無機保護層の電荷注入性が向上し、また残留電位の発生が抑制され易くなる。
ここで、界面層の体積抵抗率ρ1と中間層の体積抵抗率ρ2との比ρ2/ρ1(相対値)は、2以上がよい。
この差(絶対値)を上記範囲とすると、画像ボケと残留電位が抑制され易くなる。
なお、無機保護層を構成する各層の体積抵抗率は、例えば、無機材料の組成比(化合物の化学量論比からのずれ)、添加不純物元素(ドーパント)等の欠陥、結晶構造等により制御される。一般に、12族や13族を含む金属酸化物では酸素欠損を導入することで、12族や13族を含む金属窒化物であれば窒素欠損を導入することでn型の導電性が発現する。また、後述するように水素を導入することで抵抗を調整してもよい。
無機保護層の各層の体積抵抗率は、nF社製LCRメーターZM2371を用いて、測定環境23℃55%RH、周波数1kHz、電圧1Vの条件にて測定した抵抗値から、電極面積S、試料厚みdに基づき算出して求められる。
具体的には、nF社製LCRメーターZM2371から測定される交流抵抗値Rac[Ω]から、下記式に基づき、体積抵抗率ρv[Ωcm]を算出する。
・式:ρv=Rac×S/d
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の各層の成膜時の同条件でアルミ基材上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層の各層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
・無機保護層の組成
無機保護層(界面層、中間層及び最表層)は、無機材料を含んで構成された層である。
ここで、界面層、中間層及び最表層は、体積抵抗率が異なれば、その組成には制限はなく、全ての層が組成比が異なる同じ無機材料で構成されていてもよく、少なくとも1層が異なる組成の無機材料で構成されていてもよい。
無機材料としては、周知のものが挙げられるが、有機感光層(電荷輸送層)の伝導型に応じて、p型の電荷輸送性無機材料、n型又はi型の電荷輸送性無機材料が選択される。但し、電荷輸送性及び入手性等の観点から、n型又はi型の電荷輸送性無機材料が好適である(つまり、有機感光層(電荷輸送層)の伝導型はp型がよい)。
なお、無機材料の伝導型は、その結晶構造や、各伝導型のドーパントのドーピング等により制御される。
無機材料としては、保護層としての機械的強度、透光性を有するという観点から、例えば、酸化物系、窒化物系、炭素系、珪素系の無機材料が挙げられる。
酸化物系の無機材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
窒化物系の無機材料としては、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化亜鉛、窒化チタン、窒化インジウム、窒化錫、窒化ホウ素等の金属窒化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
炭素系及び珪素系の無機材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)、水素・フッ素化アモルファスカーボン(a−C:H)、アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC)、水素化アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC:H)等が挙げられる。
なお、無機材料は、酸化物系及び窒化物系の無機材料の混晶であってもよい。
これらの中でも、無機材料としては、機械的強度、透光性に優れ、特にn型の伝導性を有し、その導電制御性に優れるという観点から、金属酸化物、特に、化学的安定性の観点から、第13族元素の酸化物(望ましくは酸化ガリウム)が望ましい。
つまり、無機保護層は、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成されることがよく、必要応じて、水素を含んで構成されていてもよい。水素を含むことで、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成された無機保護層の諸物性が容易に制御され易くなる。例えば、ガリウム、酸素、及び水素を含む無機保護層(水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層)において、組成比[O]/[Ga]を1.0から1.5と変化させることで、10Ω・cm以上1014Ω・cmの範囲で体積抵抗率の制御が実現され易くなる。
無機保護層には、上記無機材料の他、導電型の制御のために、不純物元素を含んでもよい。例えば、第13族元素を含む窒化物や酸化物の材料をn型にする場合、C、Si、Ge、Snから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。また、例えば、第13族元素を含む材料をp型にする場合、N、Be、Mg、Ca、Srから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。
ここで、無機保護層(各層)が、少なくともガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成された場合、上記式(1)の関係を満たし易い観点から、下記式(2)の関係(望ましくは(2−2)の関係)を満たすことがよい。
・式(2) :C3≦C1<C2
・式(2−2):C3<C1<C2
(式(2)、(2−2)中、C1は界面層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。C2は中間層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。C3は最表層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。
界面層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕は、例えば、1.1以上1.5以下がよく、望ましくは1.2以上1.4以下である。
界面層の水素の元素構成比率は、例えば、界面層の全構成元素に対して、1原子%以上30原子%以下であることがよく、望ましくは5原子%以上25原子%以下、より望ましくは10原子%以上20原子%以下である。
中間層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕は、例えば、1.4以上1.6以下がよく、望ましくは1.45以上1.55以下である。
中間層の水素の元素構成比率は、例えば、中間層の全構成元素に対して、1原子%以上30原子%以下であることがよく、望ましくは5原子%以上25原子%以下、より望ましくは10原子%以上20原子%以下である。
最表層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕は、例えば、1.0以上1.4以下がよく、望ましくは1.1以上1.3以下である。
最表層の水素の元素構成比率は、例えば、最表層の全構成元素に対して、1原子%以上30原子%以下であることがよく、望ましくは5原子%以上25原子%以下、より望ましくは10原子%以上20原子%以下である。
ここで、界面層、中間層、及び最表層ともに、ガリウム、酸素、及び水素の合計の元素構成比率が各層の全構成元素に対して85原子%以上がよく、望ましくは90原子%以上である。
各層のガリウム、酸素、及び水素の合計の元素構成比率を上記範囲とした上で、各層のガリウム及び酸素の原子数比率を上記範囲にすると、抵抗制御が実現され易くなる。
なお、無機保護層として、具体的に好適な層構成は以下のものである。
1)界面層、中間層、及び最表層の全層が、少なくとも少なくともガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成された態様
2)界面層及び中間層が少なくとも少なくともガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成され、最表層がガリウムと亜鉛と酸素を含んで構成された態様
3)中間層及び最表層が少なくとも少なくともガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成され、界面層がガリウムと亜鉛と酸素を含んで構成された態様
ここで、無機保護層の各層における各元素の元素構成比率、原子数比等は、厚み方向の分布も含めてラザフォードバックスキャタリング(以下、「RBS」と称する)により求められる
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは約109°とする。
RBS測定は、具体的には以下のように行う
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、水素の元素構成比率は、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(以下、「HFS」と称する)により求められる。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
HFS測定は、He++イオンビームに対して検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。この時検出器をアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによって行う。参照用試料としてSi中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
・無機保護層の特性
無機保護層の各層は、微結晶膜、多結晶膜、非晶質膜などの非単結晶膜であることが望ましい。これらの中でも、非晶質は表面の平滑性で特に望ましいが、微結晶膜は硬度の点でより望ましい。
無機保護層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
無機保護層の各層の弾性率は、50GPa以上150GPa以下であることがよく、望ましくは60GPa以上120GPa以下である。
この弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件で基材上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層の各層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
無機保護層の膜厚は、例えば、0.2μm以上10.0μm以下であることがよく、望ましくは0.4μm以上5.0μm以下である。この膜厚を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
ここで、界面層の膜厚は、例えば、0.05μm以上1.0μm以下がよく、特に、像ボケ及び残留電位の発生が抑制され易くなる観点から、望ましくは0.1μmを超え0.4μm以下、より望ましくは0.15μm以上0.3μm以下である。
中間層の膜厚は、例えば、例えば、0.05μm以上4.5μm以下がよく、特に、像ボケ及び残留電位の発生が抑制され易くなる観点から、望ましくは0.1μm以上4.0μm以下である。
最表層の膜厚は、例えば、例えば、0.05μm以上2.0μm以下がよく、特に、摩耗による削り及び残留電位の発生が抑制の観点から、望ましくは0.2μm以上1.5μm以下、より望ましくは0.5μm以上1.0μm以下である。
・無機保護層の形成
無機保護層の各層の形成(以下、単に「無機保護層の形成」と称する)には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
以下、無機保護層の形成について、成膜装置の一例を図面に示しつつ具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明は、ガリウム、酸素、及び水素を含んで構成された無機保護層の各層の形成方法について示すが、これに限られず、目的とする無機保護層の組成に応じて、周知の形成方法を適用すればよい。
図4は、本実施形態に係る電子写真感光体の無機保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図4(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図4(B)は、図4(A)に示す成膜装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図4中、210は成膜室、211は排気口、212は基体回転部、213は基体支持部材、214は基体、215はガス導入管、216はガス導入管215から導入したガスを噴射する開口を有するシャワーノズル、217はプラズマ拡散部、218は高周波電力供給部、219は平板電極、220はガス導入管、221は高周波放電管部である。
図4に示す成膜装置において、成膜室210の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口211が設けられており、成膜室210の排気口211が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部218、平板電極219及び高周波放電管部221からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図4に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図5に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図5は、図4に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。図5中、222が高周波コイル、223が石英管を表し、220は、図4中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管223と、石英管223の外周面沿って設けられた高周波コイル222とからなり、石英管223の一方の端は成膜室210(図5中、不図示)と接続されている。また、石英管223のもう一方の端には、石英管223内にガスを導入するためのガス導入管220が接続されている。
図4において、平板電極219の放電面側には、放電面に沿って延びる棒状のシャワーノズル216が接続されており、シャワーノズル216の一端は、ガス導入管215と接続されており、このガス導入管215は成膜室210外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
無機保護層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管215、活性化手段である平板電極219の下流側に位置するシャワーノズル216を介して成膜室210に導入することによって、基体214表面にガリウムと酸素と水素とを含む非単結晶膜を成膜する。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
無機保護層の成膜時の基体214表面の温度は、有機感光層を有する有機感光体を用いるので、150℃以下が望ましく、100℃以下がより望ましく、30℃以上100℃以下が特に望ましい。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱及び/又は冷却手段(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
また、トリメチルガリウムガスの代わりにアルミニウムを含む有機金属化合物やジボラン等の水素化物を用いることもでき、これらを2種類以上混合してもよい。
例えば、無機保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
また、成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH,SnHを、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を表面層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機保護層を得る。
図4及び図5を用いて説明した成膜装置では、放電エネルギーにより形成される活性窒素又は活性水素を、活性装置を複数設けて独立に制御してもよいし、NHなど、窒素原子と水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらにHを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いてもよい。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機保護層)が形成される。
図4及び図5に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いたり、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが望ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図4に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、例えば、ガス導入管215を介して、シャワーノズル216に高周波電圧を印加して、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる。あるいは、シャワーノズル216を電極として利用する代わりに、成膜室210内の基体214と平板電極219との間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、成膜室210内に放電を起こさせる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
無機保護層の形成は、例えば、成膜室210に基体上に有機感光層を形成した基体214を設置し、各々組成の異なる混合ガスを導入して、無機保護層を形成する。
また、成膜条件としては、例えば高周波放電により放電する場合、低温で良質な成膜を行うには、周波数として10kHz以上50MHz以下の範囲とすることが望ましい。また、出力は基体214の大きさに依存するが、基体の表面積に対して0.01W/cm以上0.2W/cm以下の範囲とすることが望ましい。基体214の回転速度は0.1rpm以上500rpm以下の範囲が望ましい。
なお、無機保護層の形成において、各層は、その目的とする体積抵抗率に応じて、各々組成の異なる混合ガスを導入して、連続的に形成してもよいし、別個独立に行ってもよい。また、各層は、その目的とする体積抵抗率に応じて、成膜条件を選択する。
以上、電子写真感光体として機能分離型の例を説明したが、図3に示される単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層)中の電荷発生材料の含有量は、10質量%以上85質量%以下程度、望ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、電荷輸送性有機材料の含有量は5質量%以上50質量%以下とすることが望ましい。単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層)の形成方法は、電荷発生層2や電荷輸送層3の形成方法と同様である。単層型有機感光層(電荷発生/電荷輸送層)6の膜厚は5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下とするのが更に望ましい。
(プロセスカートリッジ及び画像形成装置)
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置101は、図6に示すように、例えば、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する電子写真感光体10(上記本実施形態に係る電子写真感光体)と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して、静電潜像を形成する露光装置30(静電潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(現像手段の一例)と、電子写真感光体10に接触しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、電子写真感光体10の表面に形成されたトナー像を転写するベルト状の中間転写体50と、電子写真感光体10の表面をクリーニングするクリーニング装置70(クリーニング手段の一例)とを備える。
帯電装置20、露光装置30、現像装置40、中間転写体50、潤滑剤供給装置60及びクリーニング装置70は、電子写真感光体10を囲む円周上に、時計周り方向に配設されている。なお、本実施形態では、クリーニング装置70内部に、潤滑剤供給装置60が配置された形態を説明するが、これに限られるわけではなく、クリーニング装置70とは別途、潤滑剤供給装置60を配置した形態であってもよい。また、潤滑剤供給装置を有していないものであってもよい。
中間転写体50は、内側から、支持ローラ50A、50B、背面ローラ50C、及び駆動ローラ50Dによって張力を付与されつつ保持されるとともに、駆動ローラ50Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写体50の内側における電子写真感光体10に相対する位置には、中間転写体50をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて中間転写体50の外側の面に電子写真感光体10上のトナーを吸着させる一次転写装置51が設けられている。中間転写体50の下方における外側には、記録紙P(記録媒体の一例)をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて、中間転写体50に形成されたトナー像を記録紙P上に転写する二次転写装置52が背面ローラ50Cに対向して設けられている。なお、これら、電子写真感光体10に形成されたトナー像を記録紙Pへ転写するための部材が転写手段の一例に相当する。
中間転写体50の下方には、さらに、二次転写装置52に記録紙Pを供給する記録紙供給装置53と、二次転写装置52においてトナー像が形成された記録紙Pを搬送しつつ、トナー像を定着させる定着装置80とが設けられている。
記録紙供給装置53は、1対の搬送ローラ53Aと、搬送ローラ53Aで搬送される記録紙Pを二次転写装置52に向かって誘導する誘導スロープ53Bと、を備える。一方、定着装置80は、二次転写装置52によってトナー像が転写された記録紙Pを加熱・押圧することにより、トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ81と、定着ローラ81に向かって記録紙Pを搬送する搬送コンベア82とを有する。
記録紙Pは、記録紙供給装置53と二次転写装置52と定着装置80とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
中間転写体50には、さらに、二次転写装置52において記録紙Pにトナー像を転写した後に中間転写体50に残ったトナーを除去するクリーニングブレードを有する中間転写体クリーニング装置54が設けられている。
以下、本実施形態に係る画像形成装置101における主な構成部材の詳細について説明する。
−帯電装置−
帯電装置20としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が挙げられる。また、帯電装置20としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。帯電装置20としては、接触型帯電器がよい。
−露光装置−
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体10の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、露光装置30としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置40は、例えば、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置されており、例えば、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を収容する現像容器41(現像装置本体)と、補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47と、を有している。現像容器41は、現像容器本体41Aとその上端を塞ぐ現像容器カバー41Bとを有している。
現像容器本体41Aは、例えば、その内側に、現像ロール42を収容する現像ロール室42Aを有しており、現像ロール室42Aに隣接して、第1攪拌室43Aと第1攪拌室43Aに隣接する第2攪拌室44Aとを有している。また、現像ロール室42A内には、例えば、現像容器カバー41Bが現像容器本体41Aに装着された時に現像ロール42表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材45が設けられている。
第1攪拌室43Aと第2攪拌室44Aとの間は例えば仕切り壁41Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aは仕切り壁41Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部に開口部が設けられて通じており、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aによって循環攪拌室(43A+44A)を構成している。
そして、現像ロール室42Aには、電子写真感光体10と対向するように現像ロール42が配置されている。現像ロール42は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室43Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール42の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール42はそのロール軸が現像容器本体41Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール42と電子写真感光体10とは、同方向に回転し、対向部において、現像ロール42の表面上に吸着された現像剤は、電子写真感光体10の進行方向とは逆方向から現像領域に搬送するようにしている。
また、現像ロール42のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、現像バイアスが印加されるようになっている(本実施形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(AC)に交流成分(DC)を重畳したバイアスを印加)。
第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材43(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材44(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材43は、現像ロール42の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第2攪拌部材44も、同様に、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像容器本体41Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材43及び第2攪拌部材44は、その回転によって、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
そして、第2攪拌室44Aの長手方向一端側には、補給用トナー及び補給用キャリアを含む補給用現像剤を第2攪拌室44Aへ供給するための補給搬送路46の一端が連結されており、補給搬送路46の他端には、補給用現像剤を収容している補給用現像剤収納容器47が連結されている。
このように現像装置40は、補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47から補給搬送路46を経て補給用現像剤を現像装置40(第2攪拌室44A)へ供給する。
なお、現像装置40に使用される現像剤は、例えば、トナー単独で含む一成分現像剤、又は、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤等の周知の現像剤が採用される。
−転写装置−
一次転写装置51、及び二次転写装置52としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、導電剤を含んだポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等のベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外に円筒状のものが用いられる。
−クリーニング装置−
クリーニング装置70は、筐体71と、筐体71から突出するように配設されるクリーニングブレード72と、クリーニングブレード72の電子写真感光体10回転方向下流側に配置される潤滑剤供給装置60と、を含んで構成されている。
なお、クリーニングブレード72は、筐体71の端部で支持された形態であってもよし、別途、支持部材(ホルダー)により支持される形態であってもよいが、本実施形態では、筐体71の端部で支持された形態を示している。
まず、クリーニングブレード72について説明する。
クリーニングブレード72(上記クリーニング層72A及び背面層72B)を構成する材料としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ウレタンゴムがよい。
ウレタンゴム(ポリウレタン)は、例えば、通常ポリウレタンの形成に用いられるものであれば特に限定されないが、例えばポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどのポリエステルポリオールなどのポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートとからなるウレタンプレポリマー及びたとえば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの架橋剤を原料とするものよい。
次に、潤滑剤供給装置60について説明する。
潤滑剤供給装置60は、例えば、クリーニング装置70の内部であって、クリーニングブレード72よりも電子写真感光体10の回転方向上流側に設けられている。
潤滑剤供給装置60としては、例えば、電子写真感光体10と接触して配置される回転ブラシ61と、回転ブラシ61に接触して配置される固形状の潤滑剤62と、で構成されている。潤滑剤供給装置60では、固形状の潤滑剤62と接触した状態で回転ブラシ61を回転させることで、回転ブラシ61に潤滑剤62が付着すると共に、その付着した潤滑剤62が電子写真感光体10の表面に供給され、当該潤滑剤62の皮膜が形成される。
なお、潤滑剤供給装置60は、上記形態に限られず、例えば、回転ブラシ61に代わりにゴムローラを採用した形態であってもよい。
−画像形成装置の動作−
次に、本実施形態に係る画像形成装置101の動作について説明する。まず、電子写真感光体10が矢印aで示される方向に沿って回転すると同時に、帯電装置20により負に帯電する。
帯電装置20によって表面が負に帯電した電子写真感光体10は、露光装置30により露光され、表面に潜像が形成される。
電子写真感光体10における潜像の形成された部分が現像装置40に近づくと、現像装置40(現像ロール42)により、潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。
トナー像が形成された電子写真感光体10が矢印aに方向にさらに回転すると、トナー像は中間転写体50の外側の面に転写する。
トナー像が中間転写体50に転写されたら、記録紙供給装置53により、二次転写装置52に記録紙Pが供給され、中間転写体50に転写されたトナー像が二次転写装置52により、記録紙P上に転写される。これにより、記録紙Pにトナー像が形成される。
画像が形成された記録紙Pは、定着装置80でトナー像が定着される。
ここで、トナー像が中間転写体50に転写された後、電子写真感光体10は、転写後、潤滑剤供給装置60により潤滑剤62が電子写真感光体10の表面へ供給されて、当該電子写真感光体10の表面に潤滑剤62の皮膜が形成される。その後、クリーニング装置70のクリーニングブレード72により、表面に残ったトナーや放電生成物が除去される。そして、クリーニング装置70において、転写残のトナーや放電生成物が除去された電子写真感光体10は、帯電装置20により、再び帯電され、露光装置30において露光されて潜像が形成される。
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、例えば、図7に示すように、筐体11内に、電子写真感光体10、帯電装置20、現像装置40、潤滑剤供給装置60、及びクリーニング装置70を一体に収容させたプロセスカートリッジ101Aを備えた形態であってもよい。このプロセスカートリッジ101Aは、複数の部材を一体的に収容し、画像形成装置101に脱着させるものである。なお、図7に示す画像形成装置101では、現像装置40には、補給用現像剤収納容器47を設けない形態が示されている。
プロセスカートリッジ101Aの構成は、これに限られず、例えば、少なくとも、電子写真感光体10を備えてえればよく、その他、例えば、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、一次転写装置51、潤滑剤供給装置60及びクリーング装置70から選択される少なくとも一つを備えていてもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体10の周囲であって、一次転写装置51よりも電子写真感光体10の回転方向下流側でクリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置20よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体10の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、電子写真感光体10に形成したトナー像を直接、記録紙Pに転写する方式を採用してもよいし、タンデム方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。ただし、実施例5は参考例に該当する。なお、以下の実施例において「部」は質量部を意味する。
[実施例1]
−下引層の形成−
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(商品名:KBM603、信越化学社製)1.5質量部を添加して2時間攪拌した。その後、減圧蒸留によりトルエンを留去し、150℃で2時間焼き付けを行った。
このようにして表面処理を施した酸化亜鉛60質量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート、商品名:スミジュールBL3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部及びブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部に、メチルエチルケトン25質量部を混合して被処理液を得た。
次に、水平型メディアミル分散機(KDL−PILOT型、ダイノーミル、シンマルエンタープライゼス社製)を用いて以下の手順で分散処理を行った。分散機のシリンダー及び撹拌ミルはジルコニアを主成分としたセラミックスで構成されている。このシリンダーに直径1mmのガラスビーズ(ハイビーD20、株式会社オハラ製)をかさ充填率80%で投入し、攪拌ミルの周速を8m/分、被処理液の流量を1000mL/分として、循環方式により分散処理を行った。被処理液の送液にはマグネットギヤポンプを用いた。
上記分散処理において、所定時間経過後に被処理液の一部をサンプリングし、成膜時の透過率を測定した。すなわち、被処理液をガラスプレート上に膜厚20μmとなるように塗布し、150℃で2時間の硬化処理を行って塗膜を形成させた後、分光光度計(U−2000、日立社製)を用いて波長950nmの透過率を求めた。そして、この透過率(膜厚20nmに対する値)が70%を超えた時点で分散処理を終了した。
このようにして得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部及びシリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01質量部を添加し、下引層用塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ410mm、肉厚1mmのアルミニウム基体上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い、膜厚20μmの下引層を形成させた。
−有機感光層の形成−
次に、下引層上に感光層を形成した。
まず、電荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有する塩化ガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。得られた分散液を下引層上に浸漬塗布し、乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成させた。
さらに、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40000)6質量部をクロルベンゼン80質量部に加えて溶解して電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、130℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電荷輸送層を形成させ、有機感光体(ノンコート感光体(1))を得た。
−無機保護層の形成−
・界面層の形成
ノンコート感光体(1)表面への第3の層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート感光体(1)を、成膜装置の成膜室210内の基体支持部材213に載せ、排気口211を介して成膜室210内を、圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、He希釈40%酸素ガス(3.5sccm)、及びHガス(100sccm)を、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(5sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は10Paであった。
この状態で、ノンコート感光体(1)を100rpmの速度で回転させながら15分間成膜し、ノンコート感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚0.21μmの界面層を形成した。
・中間層の形成
次に、高周波放電を停止し、He希釈40%酸素ガス(10sccm)に変更した後、再び高周波放電を開始した。
この状態で、界面層を形成したノンコート感光体(1)100rpmの速度で回転させながら60分間成膜し、界面層上に、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
・最表層の形成
次に、高周波放電を停止し、成膜室210内の圧力(5Pa)、He希釈40%酸素ガス(2.2sccm)、Hガス(300sccm)トリメチルガリウムガス(3.2sccm)に変更した後、再び高周波放電を開始した。
この状態で、界面層及び中間層を順次形成したノンコート感光体(1)を100rpmの速度で回転させながら55分間成膜し、中間層上に、膜厚0.52μmの最表面層を形成した。
以上の工程を経て、導電性基体上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、無機保護層が順次形成された電子写真感光体を得た。
[実施例2〜7、比較例1〜3]
表1〜表2に従って、He希釈40%酸素ガス(O/Heと表記)、水素ガス(Hと表記)、トリメチルガリウムガス(TMGと表記)、ジメチル亜鉛(DMZnと表記)のガス供給量に加え、高周波電力(rf電力と表記)、成膜室210内の圧力(成膜圧力と表記)、成膜時間等の成膜条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、ノンコート感光体(1)上に、界面層、中間層、及び最表層を順次成膜し、無機保護層を形成して、電子写真感光体を得た。
[評価]
(特性評価)
−無機保護層の各層の体積抵抗率の測定−
測定対象となる無機保護層の各層(界面層、中間層、及び最表面層)の体積抵抗率は、各層を各例の電子写真感光体の作製時と同じ条件でアルミ蒸着PETフィルム上に成膜し、真空蒸着により金電極を形成した測定試料を作製し、これを用いて既述の方法に従って測定した。
−無機保護層の各層の組成−
測定対象となる無機保護層の各層(界面層、中間層、及び最表面層)の組成をラザフォード・バック・スキャタリング(RBS)とハイドロジェン・フォワードスキャタリング(HFS)とEDS(エネルギー分散型X線分析法)とを用いて、ガリウムと酸素の原子数比〔O/Ga〕を測定した。
なお、組成の測定は、無機保護層のうち、最表面層については得られた電子写真感光体の外周面に対して測定を行い、界面層及び中間層については得られた電子写真感光体の外周面を切削し、露出した各層に対して測定を行った。
ここで、表3及び表4中、[Ga]+[O]+[H]欄は、各層中における、ガリウム(Ga)、酸素(O)、及び水素(H)の合計の元素構成比率(全構成元素に対する比率)を示す。そして、値「1」が100原子%に対応する。
また、[Ga]+[Zn]+[O]+[H]欄は、各層中における、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)、及び水素(H)の合計の元素構成比率(全構成元素に対する比率)を示す。そして、値「1」が100原子%に対応する。
(実機評価)
-画像ボケ-
各例で得られた電子写真感光体を、DocuCenter Color a450に装着し、200lpiの網点スクリーン線数で、画像濃度Cin30%のハーフトーン画像をA3用紙に1000枚出力した。
得られた画像を、顕微鏡によりハーフトーンドットの観察をした。これを出力画像の1枚目と1000枚目で評価した。それぞれ結果を表2に示した。
評価基準を以下に示す。
A:ハーフトーンドットが確認され異常はみられない
B: ハーフトーンドットが確認されるが、一部ドットに欠け、太りなどの異常を含んでいる(実使用には問題ないレベル)
C: ハーフトーンドットが、確認される部分と消失している部分がある(実使用において問題があるレベル)
D:ハーフトーンドットが全く確認されない。
−残留電位−
各例で得られた電子写真感光体の残留電位について、次のようにして評価した。
まず、電子写真感光体に対して、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長:780nm、出力:5mW)を、スコロトロン帯電器により−700Vに帯電させた状態で40rpmで回転させている電子写真感光体の表面に走査しながら照射した。その後、電子写真感光体の電位を表面電位計(モデル344、トレックジャパン社製)により測定し、電子写真感光体における電位状態(残留電位)を調べた。これを100サイクル繰り返し、100回目の残留電位を測定した。
評価基準を以下に示す(但し、数値は絶対値を表す。)。
A:20V未満
B:20V以上60V未満
C:60V以上100V未満
D:100V以上
以下、各例の評価結果を表3〜表4に一覧にして示す。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、画像ボケ、残留電位の評価について、共に良好な結果が得られていることがわかる。
210 成膜室、211 排気口、212 基体回転部、213 基体支持部材、214 基体、215、220 ガス導入管、216 シャワーノズル、217 プラズマ拡散部、218 高周波電力供給部、219 平板電極、221 高周波放電管部、222 高周波コイル、223 石英管、10 電子写真感光体、10A 電子写真感光体、10B 電子写真感光体、20 帯電装置、30 露光装置、40 現像装置、41 現像容器、41A 現像容器本体、41B 現像容器カバー、41C 壁、42 現像ロール、42A 現像ロール室、43 攪拌部材、43A 攪拌室、44 攪拌部材、44A 攪拌室、45 層厚規制部材、46 補給搬送路、47 補給用現像剤収納容器、50 中間転写体、50A 支持ローラ、50B 支持ローラ、50C 背面ローラ、50D 駆動ローラ、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 記録紙供給装置、53A 搬送ローラ、53B 誘導スロープ、54 中間転写体クリーニング装置、70 クリーニング装置、71 筐体、72 クリーニングブレード、80 定着装置、81 定着ローラ、82 搬送コンベア、101 画像形成装置、101A プロセスカートリッジ、

Claims (9)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた有機感光層と、
    前記有機感光層上に設けられた無機保護層であって、前記有機感光層側から、第1層、第2層、及び第3層をこの順で有し、前記第1層の厚さが0.1μmを超え1.0μm以下であり、且つ下記式(1)の関係を満たす無機保護層と、
    を備えた電子写真感光体。
    ・式(1):ρ3≦ρ1<ρ2
    (式(1)中、ρ1は前記第1層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ2は前記第2層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ3は前記第3層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。)
  2. 前記有機感光層がp型の電荷輸送性有機材料を含んで構成され、前記無機保護層がn型又はi型の電荷輸送性無機材料を含んで構成される請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記第1層の膜厚が、0.1μmを超え0.4μm以下である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記無機保護層の膜厚が、0.4μm以上5.0μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記無機保護層が、金属酸化物を含んで構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記無機保護層が、少なくともガリウムと酸素とを含んで構成される請求項1〜4のいずいれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記無機保護層が、下記式(2)の関係を満たす請求項6に記載の電子写真感光体。
    ・式(2):C3≦C1<C2
    (式(2)中、C1は前記第1層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。C2は前記第2層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。C3は前記第3層のガリウム及び酸素の原子数比〔酸素/ガリウム〕を示す。)
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    を備えた画像形成装置。
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