JPH07239565A - 電子写真複写方法 - Google Patents

電子写真複写方法

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JPH07239565A
JPH07239565A JP5269094A JP5269094A JPH07239565A JP H07239565 A JPH07239565 A JP H07239565A JP 5269094 A JP5269094 A JP 5269094A JP 5269094 A JP5269094 A JP 5269094A JP H07239565 A JPH07239565 A JP H07239565A
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JP
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protective layer
layer
film
photoreceptor
potential
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JP5269094A
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Inventor
Hiroshi Nagame
宏 永目
Shigeto Kojima
成人 小島
Hiroshi Ikuno
弘 生野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主帯電装置とクリーニング装置との間に主帯
電装置とは逆極性の電荷を感光体に与える帯電装置を配
した電子写真装置を用いて多数枚の複写を得る複写方法
において、DLC膜を保護層とする有機感光体を繰返し
使用した際に発生する残留電位の蓄積と帯電電位の低下
を実用上問題のないレベルにする。 【構成】 有機系感光層の上にさらに炭素または炭素を
主成分として形成される薄膜(以下DLC膜)を保護層
として有する電子写真感光体に、主帯電に先立って主帯
電とは逆極性の帯電および露光を行う電子写真複写方法
において、上記保護層が2層または2層以上からなり、
上記感光層と接する第一保護層が電荷注入阻止性のDL
C膜(ブロッキング層)からなり、該第一保護層上に設
ける第二保護層または第二保護層以上の保護層が第一保
護層より電気抵抗が低く設定されている電子写真複写方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はDLC膜をオーバーコー
トした感光体を使用して画像形成する電子写真複写方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近多くの画像形成装置で使用されてい
る有機系電子写真感光体は帯電特性や感度といった電子
写真特性では従来のものを凌ぐ品質を有するが、機械的
特性は未だ十分でなく、大量複写を行う場合は早期に感
光体の交換を余儀なくされている。これは感光層に使用
される樹脂材料の機械的特性に起因するもので、例え
ば、ビッカース硬度が20〜40kg/mm2と小さく
脆いため画像形成装置内では現像剤やクリーニングブレ
ードによって感光層が削られるからである。
【0003】この欠点を改良する方法として従来より感
光層の最表面に高硬度の保護層を形成する方法が知られ
ている。その好適な例は炭素または炭素を主成分として
構成される薄膜、中でもダイヤモンド、グラファイトお
よびポリマーの各構造が混在したダイヤモンド状カーボ
ン膜(DLC膜)である。これはメタン、エタン、プロ
パン、ブタジエン等の炭化水素系のガス、必要に応じ水
素、フッ素(NF3)、窒素(N2)、硼素(BF3)ガ
スなどを流入しつつ、プラズマCVD法、光CVD法、
スパッタリング法などの真空製膜法で作製される。
【0004】この膜は作製条件により物理特性が大きく
変化する性質を有する。例えばヌープ硬度は10〜20
00kg/mm2、電気抵抗が106〜1016Ω・cm、
光透過率は不純物などで茶褐色に着色することもあり、
780nmでは80〜100%であるが、短波長では数
%〜80%と低くなる。
【0005】感光体の保護層として満足する特性として
は、例えば、半導体レーザを光源とする複写機などで使
用する場合、ヌープ硬度で約300kg/mm2以上、
電気抵抗で1011〜1015Ω・cm、780nmの光透
過率で80%以上などである。ただ、これらの特性は複
写システムやプロセスで当然変える必要があり、その装
置に即した特性を選ぶことが重要であるが、上記特性は
製膜の際独立して変化するので総ての特性を最適設定す
ることは必ずしも容易なこととはいえない。
【0006】また、保護層をオーバ−コートした感光体
を連続使用した場合、しばしば残留電位の蓄積が問題に
なる。残留電位が蓄積すると、画像形成に要する電位差
が小さくなるため、使用される複写プロセスによっては
画像濃度が低下したり、階調が損なわれたり、低コント
ラストの画像が消失したり、濃度センサーを用いて画像
濃度をコントロールしている複写機ではトナーの過剰補
給が行なわれ機内を汚す原因になる。したがって残留電
位の蓄積は極力抑える必要があるが、前記したように保
護層の特性は独立して動くので耐久性を上げようとする
とどうしても光透過性の低下や電気抵抗の上昇を招きや
すく、残留電位の原因になりやすい。そのため保護層を
単層でなく、それぞれ特性の異なった膜を多層(2層も
しくはそれ以上)に構成することにより一応目的を達成
することができるが、連続して多数枚複写する場合は残
留電位が問題になる。
【0007】本発明者等はこの問題に関して検討し、残
留電位を低減する方法として、複写機のクリーニング装
置と主帯電装置との間に主帯電とは逆極性の電荷を与え
る帯電装置と露光装置を配し、主帯電に先立ち逆極性の
電荷を与えると同時もしくはその前後に露光を感光体に
与え、その後通常の複写プロセスを行う方法を提案した
(特願平4−361334、同5−22154、同5−
169767、同5−211591)。この複写プロセ
スによれば、残留電位が多少高い感光体であっても使用
することができる。しかし、保護層の層構成によっては
逆極性の電荷を与えると同時に露光を与えることによる
繰返し帯電電位の低下問題が発生することがある。ま
た、感光体の残留電位は蓄積しても暗放置により自然回
復して元の電位レベルに戻る傾向があるが、逆電荷と露
光を与えるとさらに電位レベルが低下し、待機後1枚目
の残留電位が低くなり過ぎる傾向が認められる。この傾
向は特に逆電位が高いほど強い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような点
に鑑みてなされたもので、主帯電装置とクリーニング装
置との間に主帯電装置とは逆極性の電荷を感光体に与え
る帯電装置(逆電荷付与装置)を配した電子写真装置を
用いて多数枚の複写を得る複写プロセスにおいて、DL
C膜を保護層とする有機電子写真感光体を繰り返し使用
した際に発生する残留電位の蓄積と帯電電位の低下を実
用上問題のないレベルにすることおよび複写第1枚目と
第2枚目の電位差を抑え、長期にわたって機械的耐久性
と画像品質を維持することができる電子写真方法を得る
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、有機系感光層の上にさらに炭素または炭素を主成分
として形成される薄膜(以下DLC膜)を保護層として
有する電子写真感光体に、主帯電に先立って主帯電とは
逆極性の帯電および露光を行う電子写真複写方法におい
て、上記保護層が2層または2層以上からなり、上記感
光層と接する第一保護層が電荷注入阻止性のDLC膜
(ブロッキング層)からなり、該第一保護層上に設ける
第二保護層または第二保護層以上の保護層が第一保護層
より電気抵抗が低く設定されている電子写真複写方法が
提供される。
【0010】第二に、上記第一に記載した電子写真複写
方法において、第一保護層の膜厚が100〜1000
Å、電気抵抗が1×1014〜1×1016Ω・cm、第二
保護層または第二保護層以上の保護層の総膜厚が0.5
〜5μm、電気抵抗が1×1011〜1×1015Ω・cm
に設定されている電子写真複写方法が提供される。
【0011】第三に、複写第2枚目より上記第一に記載
した電子写真複写方法を使用して複写を行う電子写真複
写方法が提供される。
【0012】以下本発明の複写方法を図1および図2に
より詳細に説明する。図1に本発明で使用される画像形
成装置の概略を示す。図の如く逆電荷付与装置8と露光
装置9が主帯電装置2とクリーニング装置7の間に設置
されている。まず、保護層をオーバーコートした有機系
感光体1に逆電荷付与装置8によりプラス400〜12
00ボルト程度帯電すると同時もしくはこれと相前後し
て赤もしくは緑系のLED等による露光装置9により露
光した後、主帯電装置2でマイナス600〜900ボル
トの帯電を施す。次に画像露光3で感光体1に潜像を形
成する。潜像が形成された感光体は現像装置4によりト
ナー像が形成され、次いで転写・分離装置5により被転
写体11が分離され、感光体1より被転写体11が分離
される。被転写体11を分離後の感光体はトナーのクリ
ーニング性を上げるために除電装置6で表面電荷を0ボ
ルト近くまで除電された後、ゴムブレード方式のクリー
ニング装置7で感光体表面のトナーが除去される。一
方、被転写体11上のコピー像は定着装置10で熱定着
され、ハードコピーとなり、一連の複写プロセスは終了
する。
【0013】図2(a)、(b)は本発明で使用される
DLC膜をオーバーコートした有機系感光体の構成を示
すもので、図2(a)は感光層上の保護層が2層タイプ
であり、図2(b)は3層タイプを示す。
【0014】DLC膜の第1層目25は主としてCとH
で形成された薄膜であり、電気抵抗1014〜1016Ω・
cmのオーダー、膜厚としては100〜1000Å程度
が好ましい。この層は長期にわたってコロナ放電の作用
を受けても特性劣化の少ない層であり、感光層上に直接
形成することにより感光層への電荷の注入およびコロナ
放電によるコロナ生成物の侵入を阻止し、また帯電電位
の安定に寄与するものである。特に通常のプロセスにさ
らに逆電荷および露光を与えることにより感光体は余計
に負荷がかかることになるため、ブロッキング層の役割
を持つ層(以下ブロッキング層)を挿入した方が長期に
わたって使用する場合、帯電電位の安定性の面で必要に
なって来る。この膜が薄過ぎると膜にピンホールが生じ
易くなり、画像品質上問題が出て来るが、厚い場合には
残留電位や感度劣化の一因となる。
【0015】図2(a)の第2層目(保護層1)24は
第1層目(ブロッキング層)25より1〜2桁電気抵抗
を低下させたDLC膜で、膜厚は第1層も含めた膜厚で
約0.5〜5μm、単独での好適な範囲は1〜3μmで
ある。電気抵抗を低下させる方法としては、O2、N2
NF3、BF3等のガスを原料ガスとともに真空装置内に
流入することにより、保護層内に不純物元素として取り
込み、電気抵抗を変化させる。電気抵抗が低過ぎると解
像性の低下や低コントラスト画像の再現性の低下を来し
やすく、電気抵抗が高いと残留電位の増加を起こす。し
たがって電気抵抗は1011〜1015Ω・cmの範囲、好
ましくは1013〜1015Ω・cmである。ヌープ硬度は
300kg/mm2以上で数値が大きいほど機械的耐久
性は良好である。通常は300〜800kg/mm2
度である。
【0016】図2(b)は第1層25の上に第1層より
2〜3桁程度電気抵抗の低い膜(保護層1)24−1を
形成し、さらにその上に第2層より1〜2桁高い電気抵
抗の膜(保護層2)24−2を形成した場合を示す。こ
れは機能分離的な意味を持つもので、第2層(保護層
1)24−1は機械的耐久性をもたすために少し厚目と
するが、厚くした分、残留電位が生じやすくなるので、
電気抵抗を低くする。第3層目(保護層2)24−2は
帯電性維持のためと機械的耐久性をさらに高めるため
に、電気抵抗を高く設定してヌープ硬度を上げた膜とす
る。具体的には保護層1(24−1)の電気抵抗の範囲
が1011〜1014Ω・cm、ヌープ硬度が300kg/
mm2以上、膜厚0.3〜3μm、保護層2(24−
2)の電気抵抗の範囲が1013〜1015Ω・cm、ヌー
プ硬度が350kg/mm2以上、膜厚0.2〜2μm
である。保護層1(24−1)、保護層2(24−2)
は、感光体の長期使用の際、特性を左右するのでブロッ
キング層25以上に重要である。保護層1と保護層2の
総膜厚は0.5〜5μmで特に好適には1〜3μmであ
る。厚さが薄いと耐久性の面で、また、厚さが厚いと残
留電位の面で問題が生じる。なお、残留電位の蓄積を抑
えるには各DLC膜間には明確な界面を形成しない方が
得策である。
【0017】DLC膜の製膜は有機系感光層からなる感
光体にプラズマCVD装置等の真空製膜装置をセット
し、真空排気した後、その感光体にバイアス電圧を印加
し、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブタジエンな
どの炭化水素系のガスおよび水素ガスを流入し、反応
圧、RF電力、バイアス電圧等の製膜条件をコントロー
ルしDLC膜を形成する。さらにDLC膜を抵抗制御を
する場合にはその目的に応じてO2、N2、NF3、BF3
等のガスを要求する特性に応じて適性量、上記原料ガス
とともに流入し製膜する。
【0018】図3は従来のDLC保護層を設けた感光体
の構成を示し、図2の感光体より第1層(ブロッキング
層)25が省れた構成となっている。
【0019】
【作用】上記第一、第二の複写方法においては、主帯電
に先立って主帯電とは逆極性の帯電および露光を行う電
子写真複写方法において、感光層上にDLCからなるブ
ロッキング層とブロッキング層より電気抵抗の低い保護
層を設けた有機系感光体を用いることにより、残留電位
の蓄積と帯電電位の低下が低く押えられる。これはブロ
ッキング層を含む保護層において保護層の電気抵抗およ
び膜厚が適正化されたことにより、感光層と保護層間の
界面近傍に移動する正孔数が抑えられ、また、表面電荷
が滞留する時間が短くなること、および適正な静電容量
により残留電位の蓄積および繰返し使用による帯電電位
の低下が抑制されること、また、ブロッキング層を設け
たことにより長期にわたるコロナ放電等による保護層の
物理特性の変化による容易な電荷注入性が阻止され、帯
電特性等の劣化が防止されることによるものと思われ
る。
【0020】また、上記第三の複写方法においては、複
写2枚目より上記第一、第二の複写方法で複写すること
により複写1枚目と複写2枚目以降の画像品質が是正さ
れる。これは感光体は使用することにより疲労し残留電
位の蓄積が生じても休息すると元のレベルに復帰する性
質を有する。そのため複写1枚目から逆電荷と露光を与
えると待機後1枚目の残留電位が低くなり過ぎ、それに
伴って画像部電位の低下も起きるため複写1枚目の画像
濃度が高くなり2枚目との差がでる。従って複写2枚目
から上記複写方法を使用すればその差が小さくなる。上
記「保護層の物理特性の変化」とは、コロナ放電による
コロナ生成物やコピー用紙の紙粉、さらには大気中の水
分に曝されると発生する保護層の物理特性の変化を意味
する。
【0021】
【実施例】以下実施例および比較例により本発明をさら
に具体的に説明する。 〔実施例1〕直径80mm、長さ340mmのアルミニ
ウムドラム20の表面にTiO2(石原産業社製)の超
微粒子を分散したポリアミド樹脂を約2μm塗工して下
引き層21を、その上にトリスアゾ顔料をポリエステル
樹脂に分散して約0.1μmの電荷発生層(CGL)2
2、さらに、スチルベン系化合物をポリカーボネート樹
脂(帝人化成社製、パンライトC1400)に分散して
約28μmの電荷輸送層(CTL)23を順次塗工し、
加熱乾燥して機能分離型の有機系感光体を作製した。こ
の有機系感光体をプラズマCVD装置にセットし原料ガ
スとしてC24/H2の混合ガス、RF電力(13.5
6MH2)100W、自己バイアス30W、反応圧0.
01Torr、製膜時間3分の成膜条件でDLC膜(約
220Å)からなるブロッキング層を形成した。ついで
原料ガスをC24/H2/NF3(流量比90/210/
40sccm)とし、RF電力100W、自己バイアス
電力5W、反応圧0.02Torr、製膜時間80分の
条件で保護層24(厚さ約2.2μm)を製膜し、DL
C2層構成のサンプルとした。なお、ブロッキング層2
5の電気抵抗は約3×1015Ω・cm、保護層は約2×
1014Ω・cmであった。また、ヌープ硬度は約520
kg/mm2である。効果確認用の装置として除電ラン
プの位置に逆電荷用の帯電装置と560nm(緑)のL
EDアレイを取り付けた複写機(リコー社製イマジオ4
20、現像バイアスを−600ボルトに設定)を用意し
た。条件は露光量約10μW/cm2、逆電荷付与後の
感光体表面電位+850〜+900ボルト、主帯電後の
表面電位は−730〜−750ボルトとした。また、ス
タート1枚目には逆電荷付与装置は動作しないようにし
た。評価方法はA−3サイズのコピー用紙で1000枚
終了後、5分放置を5回繰り返し、1日5000枚を1
0日、計5万枚の通紙複写を行い、帯電電位および画像
部位の電位推移、標準原稿による画像品質評価を行っ
た。表面電位の推移を図4に示す。グラフ中の1つの実
線は1枚目と995〜1000枚目の電位の変化を表
す。
【0022】〔比較例1〕実施例1と同等の有機系感光
体をプラズマCVD装置にセットし、原料ガスとしてC
24/H2/NF3(流量比90/210/35scc
m)を用い、RF出力100W、反応圧0.02Tor
r、自己バイアス5W、製膜時間92分にセットし、約
2μmのDLC膜を形成した。ヌープ硬度は全層で約4
80kg/mm2である。このサンプルを評価機にセッ
トし、実施例1と同様な評価を行った。表面電位の推移
を図4に示す。グラフ中の1つの点線の意味は上述と同
じである。ブロッキング層を形成した感光体(実施例
1)では帯電電位の推移が良好であるが比較例1のサン
プルでは帯電電位の低下傾向が少し大きい傾向がみられ
る。また、画像部電位の電位変動が比較例に比して抑え
られる傾向がある。画像品質はテスト範囲内ではいずれ
も良好であるが、比較例1の場合、さらに継続すると、
現像バイアス値との余裕が無くなり、SN比で問題が生
じる可能性がある。
【0023】〔実施例2〕有機系感光体およびブロッキ
ング層25を作製するところまでは実施例1と同じと
し、第2層以上を次の作製条件で製膜した。まず原料ガ
スにC24/H2/NF3(流量比90/210/50s
ccm)を用い、RF出力90W、反応圧0.04To
rr、自己バイアス5W、製膜時間54分セットし、約
1.2μmの保護層1(24−1)を製膜した。次いで
材料ガス種は同じとし、流量比を90/210/40s
ccmとしてRF出力100W、反応圧0.01Tor
r、自己バイアス5W、製膜時間45分にセットし、約
0.9μmの保護層2(24−2)を製膜してサンプル
を完成した。保護層1(24−1)の電気抵抗は約6×
1011Ω・cm、第3層(保護層2)の電気抵抗は約8
×1013Ω・cm相当である。また、ヌープ硬度は全層
で約560kg/mm2である。評価法は実施例1と同
じである。結果を表1に示す。
【0024】〔比較例2〕実施例2のサンプルより第1
のブロッキング層を省いたDLC膜をオーバーコートし
た感光体を作製しサンプルとした。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 (注)V0:スタート電位 V1:1000枚目電位 V2:1枚目と5枚目の電位差(−は低下を示す) 判定:○は問題なし、×は問題ありを示す。
【0026】〔実施例3、4、5、6〕実施例1と同等
の有機系感光体をプラズマCVD装置にセットし、第1
層のブロッキング層25の原料ガスであるC24ガスと
2ガスの比率をC24/C24+H2=0.2〜0.6
(C24ガスの流量120sccm)、反応圧0.01
〜0.05Torrの範囲で、RF電力(13.56M
2)100W、自己バイアス30W、製膜時間1〜5
分の条件でコントロールし、第1層25を製膜した。次
いで原料ガスとしてC24/H2/NF3の流量比を90
/210/30〜50sccm、反応圧0.01〜0.
05、RF出力100W、自己バイアス5W、製膜時間
75〜112分の条件でコントロールし、保護層24を
製膜し、感光体サンプルを作製した。表2に製膜したD
LC膜の電気抵抗と膜厚を示す。感光体の評価方法は実
施例1と同じであり、結果を表4に示す。
【0027】
【表2】
【0028】〔比較例3、4、5、6〕有機系感光体に
電気抵抗約1.6および4.2×1016Ω・cmのブロ
ッキング層(膜厚約70Å、1500Å)を成膜した
後、実施例3〜実施例6に示す条件のうち反応圧を0.
005〜0.05Torr、製膜時間を80〜155分
にした以外は実施例3〜実施例6の条件でDLC膜を製
膜し感光体サンプルとした。表3に製膜したDLC膜の
電気抵抗と膜厚を示す。感光体の評価方法は実施例1と
同じであり、結果を表4に示す。
【0029】
【表3】 (以下余白)
【0030】
【表4】
【0031】表4から明らかなように、第1、第2の保
護層の電気抵抗および膜厚が適正ならば、電気特性、画
像品質も実用上問題の無い範囲で推移するが、どちらか
の特性が適正でないと電気特性あるいは画像品質が何ら
かの問題を生じ、数値上では現れていないが、感光体の
円周方向の電位の乱れや連続複写の途中で電位の上昇や
低下が起こりやすい。表中の記号は表1と同じである。
【0032】〔比較例7〕実施例1および比較例1に記
載したものと同じ感光体および評価装置を用い、スター
ト1枚目より逆電荷付与装置が動作するようにして実施
例1と同様の評価を行った。結果を実施例1のものと併
せて表5に示す。
【0033】
【表5】 (注)表中、画像部電位のV2は連続複写中の最大値を
示す。
【0034】表5より1枚目より逆電荷を動作させる
と、どうしても1枚目の電位が低くなるので電位の変動
が大きくなり、画像品質、例えば濃度の変化に影響が出
て来るので2枚目より逆電荷を動作させた方が良いこと
がわかる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、有機系
感光層上に電荷注入阻止性のブロッキング層と該ブロッ
キング層より電気抵抗の低い保護層を設けた感光体、ま
た、さらに該ブロッキング層および該保護層の電気抵抗
と厚さを特定した感光体を主帯電に先立って逆電荷と露
光を与える複写方法で使用することにより、従来問題で
あった残留電位の蓄積、繰返し電位の変化および帯電電
位の低下を問題のないレベルにすることができる。ま
た、複写第2枚目より上記複写方法を使用して複写する
ことにより、第1枚目と第2枚目の画像部電位の電位差
を抑え、長期にわたって機械的耐久性と画像品質の優れ
た複写物の得られる電子写真複写方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用される画像形成装置の概略
図である。
【図2】本発明で使用される有機系光体の断面の模式図
である。
【図3】従来の有機系光体の断面の模式図である。
【図4】本法と従来法における機内電位の推移を比較し
て示す図である。
【符号の説明】
1 有機系感光体 2 主帯電装置 3 画像露光 4 現像装置 5 転写・分離装置 6 除電装置 7 クリーニング装置 8 逆電荷付与装置 9 露光装置 10 定着装置 11 非転写体 20 導電性支持体 21 下引き層 22 電荷発生層(CGL) 23 電荷輸送層(CTL) 24 DLC膜保護層 24−1 保護層1 24−2 保護層2 25 ブロッキング層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機系感光層の上にさらに炭素または炭
    素を主成分として形成される薄膜(以下DLC膜)を保
    護層として有する電子写真感光体に、主帯電に先立って
    主帯電とは逆極性の帯電および露光を行う電子写真複写
    方法において、上記保護層が2層または2層以上からな
    り、上記感光層と接する第一保護層が電荷注入阻止性の
    DLC膜(ブロッキング層)からなり、該第一保護層上
    に設ける第二保護層または第二保護層以上の保護層が第
    一保護層より電気抵抗が低く設定されている電子写真複
    写方法。
  2. 【請求項2】 上記請求項1において、第一保護層の膜
    厚が100〜1000Å、電気抵抗が1×1014〜1×
    1016Ω・cm、第二保護層または第二保護層以上の保
    護層の総膜厚が0.5〜5μm、電気抵抗が1×1011
    〜1×1015Ω・cmに設定されている電子写真複写方
    法。
  3. 【請求項3】 複写第2枚目より上記請求項1に記載の
    電子写真複写方法を使用して複写を行う電子写真複写方
    法。
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