JP5509764B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
近年、電子写真法を利用した画像形成装置に使用される電子写真感光体において、基体上に下引層と感光層とを形成する技術が検討されている。
請求項1に係る発明は、
基体と、該基体側から順に、酸素およびガリウムを含み且つ該ガリウムの含有率が28原子%以上40原子%以下の蒸着膜である下引層と、感光層と、を有する電子写真感光体である。
前記下引層が更に亜鉛を含む請求項1に記載の電子写真感光体である。
請求項3に係る発明は、
前記下引層における前記酸素と前記ガリウムとの原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.0以上1.7以下である請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体である。
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置から選択された少なくとも1つと、を備えたプロセスカートリッジである。
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下単に「感光体」と称す場合がある)は、基体と、該基体側から順に、酸素およびガリウムを含み且つ該ガリウムの含有率が28原子%以上40原子%以下の蒸着膜である下引層と、感光層と、を有することを特徴とする。
以下、本実施形態の感光体の構成について、図1および図2を参照して説明するが、本実施形態は図1および図2によって限定されることはない。
図1は、本実施形態の感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。
図1中、1は基体、2は感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、4は下引層を表す。
図1に示す感光体は、基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成される。
図2に示す感光体は、基体1上に、下引層4、感光層6がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図1に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層である。
また、図1および図2に示す感光体のいずれにおいても、更に最表面に保護層を有する態様や、基体1と下引層4との間あるいは下引層4と電荷発生層2Aまたは感光層6との間に中間層を有する態様等であってもよい。
本実施形態における下引層は、前述のとおり、酸素(O)およびガリウム(Ga)を含有する層であり、基体と感光層との間に設けられる層である。
下引層において亜鉛を含有する場合の含有量は、0.001原子%以上0.18原子%以下であることが望ましく、0.001原子%以上0.15原子%以下であることがより望ましく、0.001原子%以上0.13原子%以下であることが特に望ましい。尚、下引層における亜鉛の含有量とは、下引層がガリウムと酸素と亜鉛とからなる場合には、これらの合計の原子数に対する亜鉛の原子数の割合(%)である。
更に、下引層における亜鉛とガリウムとの原子数比〔亜鉛/ガリウム〕は、0.6以下であることが望ましく、0.001以上0.55以下であることがより望ましく、0.001以上0.5以下であることが特に望ましい。
これらの中で非晶質は特に望ましく、また微結晶膜もより望ましい。
さらに、下引層の成長断面は柱状構造をとっていてもよいが、非晶質が望ましい。
下引層中における「水素およびハロゲン元素の少なくとも1種」の含有量は、5原子%以上25原子%以下であることが望ましく、10原子%以上25原子%以下であることがより望ましい。
HFSは、加速器としてNEC社の3SDH Pelletronを用い、エンドステーションとしてCE&A社のRBS−400を用い、システムとしてCE&A社の3S−R10を用いる。
解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。
He++イオンビームエネルギー:2.275eV
検出角度160°入射ビームに対してGrazing Angle30°である。
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
次に、前述した下引層の形成方法について説明する。
下引層の形成には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部21と、高周波放電管部21内に配置され、放電面が排気口11側に設けられた平板電極19と、高周波放電管部21外に配置され、平板電極19の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部18とから構成されたものである。なお、高周波放電管部21には、高周波放電管部21内にガスを供給するためのガス導入管20が接続されており、このガス導入管20のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
また、成膜室10内には、基体回転部12が設けられており、円筒状の基体14が、シャワーノズルの長手方向と基体14の軸方向とが略平行に対面するよう基体支持部材13を介して基体回転部12に取りつけられる構成となっている。成膜に際しては、基体回転部12が回転することによって、基体14が周方向に回転する。なお、本実施形態においては該基体14として、例えば、基体、中間層が設けられた基体等が用いられる。
まず、酸素ガス(または、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、および必要に応じ水素(H2)ガスを、ガス導入管20から高周波放電管部21内に導入すると共に、高周波電力供給部18から平板電極19に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極19の放電面側から排気口11側へと放射状に広がるようプラズマ拡散部17が形成される。ここで、ガス導入管20から導入されたガスは成膜室10を平板電極19側から排気口11側へと流れる。平板電極19は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管15、活性化手段である平板電極19の下流側に位置するシャワーノズル16を介して成膜室10に導入することによって、基体14表面にガリウムと酸素とを含む非単結晶膜を成膜する。
また、下引層として、亜鉛を含む形態の下引層を成膜する際には、ガス導入管15から導入するガスとして、例えば、トリメチルガリウムガスと有機亜鉛(例えば、ジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛)ガスとを用いる。このとき、トリメチルガリウムと、有機亜鉛と、は別々の容器から気体としてガス導入管15に導入する。
基体14表面の温度は加熱および/または冷却手段(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体14を加熱する場合にはヒータを基体14の外側や内側に設置してもよい。基体14を冷却する場合には基体14の内側に冷却用の気体または液体を循環させてもよい。
放電による基体14表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体14表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を調整する。
例えば、下引層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管15、シャワーノズル16を介して成膜室10内に導入することにより、基体14上に窒素とインジウムとを含む膜が成膜される。
成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH3,SnH4を、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を下引層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管15、シャワーノズル16を介して成膜室10内に導入することによって、n型、p型等の導電型の下引層を得る。
こうすることで、基体14表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在し、三次元的な結合を構成する硬質膜(下引層)が形成される。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体14表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を防止する装置を設けてもよい。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーが大きく変えられ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
感光層は、本実施形態の電子写真感光体において、下引層上に設けられる層である。
本実施形態の電子写真感光体は、その層構成が、基体上に下引層と感光層とがこの順に積層されたものであれば特に限定されず、基体と下引層との間あるいは下引層と感光層との間に必要に応じて中間層等を設けてもよい。また、感光層は、2層以上であってもよく、更に、機能分離型であってもよい。さらに、本実施形態の電子写真感光体は、感光層がシリコン原子を含むいわゆるアモルファスシリコン感光体であってもよい。
感光層を形成する有機高分子化合物は熱可塑性であっても熱硬化性のものであっても、また2種類の分子を反応させて形成するものでもよい。
アモルファスシリコン感光体は、正帯電用でも負帯電用の感光体でもよい。
例えば、基体上に、下引層と、光導電層と、電荷注入阻止表面層と、をこの順に設けたものが使用される。
基体としては、導電性基体が用いられる。
なお、本明細書中において「導電性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm未満である性質を指し、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上である性質を指す。
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基体上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基体に蒸着したもの;金属箔を上記基体にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基体に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、基体の形状は、円筒形であることが望ましい。
まず、基体として純アルミ系あるいはアルミニウム合金(例えば、JISH4080に規定されている合金番号1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金)を用意する。次に陽極酸化処理を行う。陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行うが、硫酸浴による処理がよく用いられる。陽極酸化処理は、例えば、硫酸濃度:10質量%以上20質量%以下、浴温:5℃以上25℃以下、電流密度:1A/dm2以上4A/dm2以下、電解電圧:5V以上30V以下、処理時間:5分以上60分以下の条件で行われるが、これに限定するものではない。
次に、感光層について、電荷輸送層と電荷発生層とに分けてこの順に以下に説明する。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料としては、下記に示すものが例示される。即ち2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、4−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1−ジ−(4,4’−メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β−ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質が用いられる。あるいは、上記化合物を含む基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独または2種以上を組み合せて使用する。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンまたはそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
また電荷輸送層形成用塗布液には、レベリング剤としてシリコーンオイルを添加してもよい。
電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は、質量比で10:1乃至1:5の範囲内が望ましい。また電荷輸送層の層厚は一般に5μm以上50μm以下の範囲内であることが望ましく、10μm以上40μm以下の範囲であることがより望ましい。
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着法により蒸着させて形成するか、有機溶剤および結着樹脂を含む溶液を塗布することにより形成される。
また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的に応じこれらのいずれの結晶型で用いてもよい。
更にフタロシアニン化合物の中でも、下記(1)から(3)までに示すフタロシアニンがより望ましい。すなわち、
(1)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型のヒドロキシガリウムフタロシアニン。
(2)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.3°,16.5°,25.4°,28.1°の位置に回折ピークを有する結晶型のクロルガリウムフタロシアニン。
(3)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5°,24.2°,27.3°の位置に回折ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン。
即ち、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂およびその共重合体、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどである。
電荷発生層を形成する為の塗布液の溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
次に、基体と下引層との間あるいは下引層と感光層との間に形成してもよい、中間層について説明する。
中間層を構成する材料としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いる。これらの中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物が望ましく使用される。また、有機金属化合物は、これを単独または2種以上を混合して用いてもよいし、さらに上述の結着樹脂と混合して用いてもよい。
次に、本実施形態の電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置について説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジは、本実施形態の電子写真感光体を用いたものであれば特に限定されないが、具体的には、本実施形態の電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置から選択された少なくとも1つとを一体として有するものであり、画像形成装置本体に脱着自在である構成を有するものであることが望ましい。
図5に示すプロセスカートリッジ100は、電子写真感光体107とともに、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部105、および除電器114を取り付け、ケース101、取り付けレール103を用いて組み合せて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ100は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とを含む画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図6に示す画像形成装置200は、電子写真感光体207と、電子写真感光体207を接触方式により帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光する露光装置210と、露光装置210により露光された部分を現像する現像装置211と、現像装置211により電子写真感光体207に現像された像を転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。
アルミニウム基体に下引層と電荷発生層と電荷輸送層とが形成された有機感光体を作製した。
まず、ホーニング加工したアルミニウム製の円筒基体を図3に示す基体支持部材13に載せ、排気口11を介して成膜室10内を真空排気した。He希釈20質量%酸素ガスを10sccmとHeガスを100sccm、H2ガス500sccmをガス導入管20より直径50mmの平板電極19に導入し、高周波電力供給部18を介して13.56MHzのラジオ波を出力50Wにセットしチューナでマッチングを取り放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
トリメチルガリウム3.0sccmをガス導入管15のシャワーノズル16からリモートプラズマ中に導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は40Paであった。
尚、基体の加熱は行わず、この状態で30分間成膜してこの基体上に成膜することにより、酸素およびガリウムを含み水素を含む非晶質酸化ガリウム膜の下引層を形成した。下引層の膜厚は1.0μmであった。
感光体とは別に、上記下引層を同条件で厚さ300μmの結晶Si基板に成膜を行い、組成分析、結晶性分析を行った。
Si基板に成膜した膜のRBSとHFS元素分析から、下引層はGaとOとの比が1.0:1.5であり、また水素は膜中にGaとOとHの総元素数に対して14原子%含まれていた。RHEEDでの回折像にはまったく点や線がみられず非晶質であることがわかった。
次に電荷発生材料としてクロロガリウムフタロシアニン1部を、ポリビニルブチラール(商品名:積水化学社製エスレックBM−S)1部および酢酸n−ブチル100部と混合し、その混合物をガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散し、電荷発生層形成用分散液を得た。この分散液を浸漬法により下引層の上に塗布し100℃10分乾燥して、0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に下記構造式(1)で表される化合物2部、および下記構造式(2)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3部をクロロベンゼン20部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬法で上記電荷発生層上に塗布し、110℃で40分間加熱して膜厚20μmの電荷輸送層を得た。こうして実施例1に係る感光体を得た。
実施例1において、下引層の形成を以下の方法に変更した以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製した。
実施例1において、ガス導入管15のシャワーノズル16からリモートプラズマ中に導入するトリメチルガリウムの量を2.0sccmに変更すると共に、更にジメチル亜鉛0.7sccmをガス導入管15のシャワーノズル16からリモートプラズマ中に導入したこと以外、実施例1に記載の方法により下引層を形成した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は40Paであった。
尚、基体の加熱は行わず、この状態で30分間成膜してこの基体上に成膜することにより、酸素、ガリウムおよび亜鉛を含み水素を含む非晶質酸化ガリウム膜の下引層を形成した。下引層の膜厚は1.0μmであった。
感光体とは別に、上記下引層を同条件で厚さ300μmの結晶Si基板に成膜を行い、組成分析、結晶性分析を行った。
Si基板に成膜した膜のRBSとHFS元素分析から、下引層はZnとGaの比(Zn/Ga)は0.3であり、Zn/(Ga+Zn+O)は0.1、また水素は膜中にGaとOとHの総元素数に対して18原子%含まれていた。RHEEDでの回折像にはまったく点や線がみられず非晶質であることがわかった。
実施例1において、下引層の形成を以下の方法に変更した以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製した。
下引層はジルコニウム化合物(商品名:マツモト製薬社製オルガノチックスZC540)20部、シラン化合物(商品名:日本ユニカー社製A1100)2.5部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:積水化学社製、エスレックBM−S)10部およびブタノール45部を攪拌混合した塗布液を、アルミニウム基体上に塗布し、150℃10分間加熱乾燥することにより1.0μmの下引層とした。
実施例1において、下引層の形成を以下の方法に変更した以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製した。
下引層として、円筒型プラズマCVD装置によって、a−SiN膜を作製した。シランを100sccm、アンモニアガスを50sccm、水素を500sccmで、圧力50Pa、高周波電力100Wとして、アルミニウム基体上に1時間成膜を行い0.5μmの下引層とした。
−帯電と除電とを繰り返した前後での残留電位の上昇−
上記実施例および比較例にて得られた感光体を、高温高湿環境(28℃、80%RH)下で、スコロトロンにより−700Vで帯電し、且つ露光による除電(残留電位)を40rpmで100万回繰り返して行い、一回目と100万回目の残留電位の電位差をΔVとした。尚、具体的には、富士ゼロックス社製DocuCentre Color 500に取り付けて、連続2万枚のプリントテストを行い、以下の評価を行った。
次に、上記画質評価における2万枚のプリントテスト後の感光体について、波長780nmにおける残留電位(V1)を測定した。
これらの結果に基づき、繰り返し使用時の残留電位の増加(増加率(%)=(V1−V0/V0)×100)を測定した。結果を下記表1に示す。
Claims (5)
- 基体と、該基体側から順に、酸素およびガリウムを含み且つ該ガリウムの含有率が28原子%以上40原子%以下の蒸着膜である下引層と、感光層と、を有する電子写真感光体。
- 前記下引層が更に亜鉛を含む請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記下引層における前記酸素と前記ガリウムとの原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.0以上1.7以下である請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置から選択された少なくとも1つと、を備えたプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置。
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JP2009219449A JP5509764B2 (ja) | 2009-09-24 | 2009-09-24 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 |
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