JP2023142264A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体の提供。【解決手段】基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域と、を有する保護層と、を備え、前記各領域において吸収係数が1×106(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(1-1)を満たす電子写真感光体。関係式(1-1):1.6eV<FE2-FE1【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、「基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域と、を有する保護層と、を備え、前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2、前記第3の領域における光吸収端エネルギーをFE3としたとき、下記関係式(1)~(3)を満たす電子写真感光体。
関係式(1):0.5eV≦FE2-FE1≦1.5eV
関係式(2):0.5eV≦FE2-FE3≦1.5eV
関係式(3):FE3≧FE1」が提案されている。
特許文献2には、「導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた有機感光層と、前記有機感光層上に設けられた無機保護層であって、前記有機感光層側から、第1層、第2層、及び第3層をこの順で有し、且つ下記式(1)の関係を満たす無機保護層と、を備えた電子写真感光体。
・式(1):ρ3≦ρ1<ρ2
(式(1)中、ρ1は前記第1層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ2は前記第2層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。ρ3は前記第3層の体積抵抗率(Ωcm)を示す。)」が提案されている。
特許文献3には、「基体と、感光層と、酸素及びガリウムを含有し、外周面側に存在する第1の領域、及び前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域を有する保護層と、をこの順に有する電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体の表面と接触する面に導電性繊維部材を有し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段と、を備えた画像形成装置。」が提案されている。
特開2011-197571号公報 特開2014-006351号公報 特開2011-064876号公報
従来、基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域と、を有する保護層と、を備える電子写真感光体(以下「特定感光体」とも称する)が知られている。
本発明の課題は、特定感光体において、前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(C1-1)を満たす場合、前記第1の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20未満、若しくは1.40を超える場合、前記第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.50未満、若しくは1.80を超える場合、前記第3の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20未満、若しくは1.40を超える場合、又は、前記第2の領域の光透過率LT2が90%未満である場合、と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体を提供することである。
関係式(C1-1):1.6eV≧FE2-FE1
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち
<1> 基体と、
前記基体上に設けられた感光層と、
前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域と、を有する保護層と、
を備え、
前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(1-1)を満たす電子写真感光体。
関係式(1-1):1.6eV<FE2-FE1
<2> 前記第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が、1.50以上1.80以下である<1>に記載の電子写真感光体。
<3> 前記第1の領域の原子数〔酸素/ガリウム〕が、1.20以上1.40以下である<1>に記載の電子写真感光体。
<4> 前記第3の領域における光吸収端エネルギーをFE3としたとき、下記関係式(1-2)を満たす<1>~<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
関係式(1-2):0.0eV≦FE2-FE3≦2.7eV
<5> 下記関係式(1-3)を満たす<1>~<4>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
関係式(1-3):-1.9eV≦FE1-FE3≦0.8eV
<6> 前記第2の領域の光透過率LT2が90%以上98%以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<7> 前記第1の領域の光透過率LT1が70%以上95%以下である<6>に記載の電子写真感光体。
<8> 前記保護層の厚さが3μm以上10μm以下である<1>~<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<9> 前記第2の領域が亜鉛を含有する<1>~<8>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<10> 基体と、
前記基体上に設けられた感光層と、
前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20以上1.40以下である第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.50以上1.80以下である第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20以上1.40以下である第3の領域と、を有する保護層と、
を備え、
前記第2の領域の光透過率LT2が90%以上である電子写真感光体。
<11> <1>~<10>のいずれか1つに記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<12> <1>~<10>のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、特定感光体において、前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(C1-1)を満たす場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
関係式(C1-1):1.6eV≧FE2-FE1
<2>に係る発明によれば、前記第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が、1.50未満、又は1.80を超える場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<3>に係る発明によれば、前記第1の領域の原子数〔酸素/ガリウム〕が、1.20未満、又は1.40を超える場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記第3の領域における光吸収端エネルギーをFE3としたとき、下記関係式(C1-2)を満たす場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
関係式(C1-2):0.0eV>FE2-FE3、又はFE2-FE3>2.7eV
<5>に係る発明によれば、関係式(C1-3)を満たす場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
関係式(1-3):-1.9eV>FE1-FE3、又はFE1-FE3>0.8eV
<6>に係る発明によれば、前記第2の領域の光透過率LT2が90%未満、又は98%を超える場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<7>に係る発明によれば、前記第1の領域の光透過率LT1が70%未満、又は95%を超える場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<8>に係る発明によれば、保護層の厚さが10μmを超える場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<9>に係る発明によれば、前記第2の領域が亜鉛を含有しない場合と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<10>に係る発明によれば、特定感光体において、前記第1の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20未満、若しくは1.40を超える場合、前記第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.50未満、若しくは1.80を超える場合、前記第3の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20未満、若しくは1.40を超える場合、又は、前記第2の領域の光透過率LT2が90%未満である場合、と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
<11>又は<12>に係る発明によれば、特定感光体において、前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、上記関係式(C1-1)を満たす場合、前記第1の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20未満、若しくは1.40を超える場合、前記第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.50未満、若しくは1.80を超える場合、前記第3の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20未満、若しくは1.40を超える場合、又は、前記第2の領域の光透過率LT2が90%未満である場合、と比較して残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態の電子写真感光体の保護層の形成に用いるプラズマ発生装置の例を示す概略模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<電子写真感光体>
第一実施形態に係る電子写真感光体(以下「感光体」ともいう)は、基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域と、を有する保護層と、を備える。
また、第一実施形態に係る感光体は、前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(1-1)を満たす。
関係式(1-1):1.6eV<FE2-FE1
第一実施形態に係る感光体は、上記構成により、残留電位の上昇を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
従来、特定感光体は残留電位が上昇することがあった。
ところが、今回検討した結果、特定感光体において前記FE1、及び前記FE2が上記関係式(1-1)を満たすことで、残留電位の上昇を抑制することが明らかとなった。
上記関係式(1-1)を満たすことで、第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕の値が大きくなり、それに伴い第2の領域の透明性が向上する。そうすると、帯電された感光体を除電するために、感光体外部から光を照射した際、照射された光が効率よく感光層に到達する。そのため、より効率よく感光体が除電されやすくなる。
そのため、第一実施形態に係る感光体は、残留電位の上昇を抑制すると推測される。
第二実施形態に係る感光体は、基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20以上1.40以下である第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.50以上1.80以下である第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20以上1.40以下である第3の領域と、を有する保護層と、を備え、前記第2の領域の光透過率LT2が90%以上である。
第二実施形態に係る感光体は、上記構成により、残留電位の上昇を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
第1の領域、第2の領域、及び第3の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕を上記数値範囲内とすることで、第1の領域が電荷注入領域としての機能を有し、第2の領域が電荷輸送領域としての機能を有し、第3の領域が感光層との界面で電荷をトラップする機能を有すると推測される。
また、第2の領域の光透過率LT2を90%以上とすることで、帯電された感光体を除電するために、感光体外部から光を照射した際、照射された光が効率よく感光層に到達する。そのため、より効率よく感光体が除電されやすくなる。
そのため、第二実施形態に係る感光体は、残留電位の上昇を抑制すると推測される。
各領域において、原子数比〔酸素/ガリウム〕、吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギー、及び光透過率は、各領域の成膜における材料ガス(例えば、トリメチルガリウムガス)、又はプロセスガス(例えば水素ガス、酸素ガス)の流量により制御される。
以下、第一又は第二実施形態に係る感光体のいずれにも該当する感光体について詳細に説明する。ただし、本発明の感光体の一例は、第一又は第二実施形態に係る感光体のいずれか一つに該当する感光体であればよい。
本実施形態に係る電子写真感光体において、第1の領域、第2の領域、及び第3の領域は、それぞれ、隣接する領域との界面が明確であっても、隣接する領域との界面が不明確であってもよい。
以下、隣接する領域との界面が明確である場合の第1の領域を「第1の層」といい、隣接する領域との界面が明確である場合の第2の領域を「第2の層」といい、隣接する領域との界面が明確である場合の第3の領域を「第3の層」という。
即ち、保護層は、外周面側に存在する第1の層と、第1の層よりも基体に近い側に存在し、第1の層に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の層と、第2の層に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の層と、を有する形態であってもよい。
また、第1の層と第2の層との間に、原子数比〔酸素/ガリウム〕が、第1の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以上であり第2の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以下である中間層を有する形態であってもよい。
中間層を有する形態によれば、保護層形成による残留電位増加及び感度の低下がより低減される。この原因は、第1の層から第2の層への電荷の輸送がより効果的に行われるためと推定される。但し、本形態はこの原因によって限定されることはない。
本実施形態に係る電子写真感光体において、保護層の組成や、原子数比〔酸素/ガリウム〕は、層厚方向の分布も含め、例えば、ラザフォードバックスキャタリング(RBS)により求める。
RBSは、例えば、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS-400、システムとして3S-R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは109°である。
RBS測定は、具体的には以下のようにして行う。
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素により決まる。
測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて層厚を算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、本実施形態のように感光層上に、第3の領域と第2の領域と第1の領域とが連続して形成されている場合でも、上記測定方法により表層部分(第1の領域や第2の領域)の破壊を抑制しつつ、第1の領域、第2の領域、第3の領域の各々の元素組成が測定される。
また、保護層全体中における各元素の含有量については、例えば、SIMS(二次イオン質量分析法)やXPS(X線光電子分光法)、EDS(エネルギー分散型X線分析法)などで測定する。
(電子写真感光体の構成)
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の構成について、図1乃至図3を参照して説明するが、本実施形態は図1乃至図3によって限定されることはない。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。
図1中、1は基体、2は感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、3は保護層、3Aは第1の領域、3Bは第2の領域、3Cは第3の領域を表す。4は下引層である。
図1に示す感光体は、基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2B、保護層3がこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2A及び電荷輸送層2Bの2層から構成される。
保護層3は、外周面側に存在する第1の領域3Aと、第1の領域3Aよりも基体1に近い側に存在する第2の領域3Bと、第2の領域3Bよりも基体1に近い側に存在する第3の領域3Cと、を有して構成されている。
図1では、図示の都合上、第1の領域3Aと第2の領域3Bとの境界、第2の領域3Bと第3の領域3Cとの境界が明確となっている(即ち、第1の領域3Aが第1の層であり、第2の領域3Bが第2の層であり、第3の領域3Cが第3の層である形態となっている)が、この境界は明確であることに限定されない。下記、図2及び図3中の第1の領域3Aと第2の領域3Bとの境界、第2の領域3Bと第3の領域3Cとの境界についても同様である。
図2は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図2中、6は感光層を表し、他は、図1中に示したものと同様である。
図2に示す感光体は、基体1上に、下引層4、感光層6、保護層3がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図1に示す電荷発生層2A及び電荷輸送層2Bの機能が一体となった層である。
なお、感光層2及び感光層6は、有機高分子から形成されたものでもよいし、無機材料から形成されたものでもよいし、それらが組み合わされたものでもよい。
図3は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図3中、3は保護層を、3Dは第1の層を、3Eは第2の層を、3Fを第3の層、3Gは中間層を、それぞれ表し、他は、図1中に示したものと同様である。
図3に示す感光体は、基体1上に、下引層4、感光層2、第3の層3F、第2の層3E、中間層3F、第1の層3Dがこの順に積層された層構成を有している。
保護層3は、外周面側に存在する第1の層3D、第1の層3Dよりも基体1に近い側に存在する第2の層3E、第2の層3Eよりも基体1に近い側に存在する第3の層3F、第1の層3Dと第2の層3Eとの間に存在する中間層3Gを有して構成されている。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の構成要素である、保護層、感光層、基体について説明する。
-保護層-
本実施形態における保護層は、前述のとおり、酸素(O)及びガリウム(Ga)を含有する層であり、基体上に設けられた感光層の更に上に設けられる層である。
保護層は、例えば、電子写真感光体の表面の傷を抑制すること、研磨バラツキを抑制すること、窒素酸化物などの吸着を抑制すること、オゾンや窒素酸化物による酸化雰囲気に対する耐性を向上すること、等の目的で設けられる層である。保護層は、透明性が高く緻密で硬度に優れた膜であることが好ましい。
本実施形態における保護層は、表面電荷を表面にトラップしても、また内部にトラップするものでもよい。また表面電荷を積極的に注入させるものでもよい。保護層の内部に電荷を注入する場合には有機感光層との界面に電荷がトラップする構成を有することが好ましい。また、負帯電で表面層が電子を注入する場合には正孔輸送層の表面が電荷トラップの機能を果たしてもよいし、電荷注入阻止とトラップのための層を設けてもよい。正帯電性の場合にも同様に構成される。
保護層は、酸素(O)及びガリウム(Ga)を含有する、微結晶膜、多結晶膜、非晶質膜などの非単結晶膜であることが好ましい。
これらの中で非晶質は表面の平滑性で特に好ましいが、微結晶膜は硬度の点でより好ましい。
さらに、保護層の成長断面は柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が好ましく、非晶質が好ましい。
感光層との密着性を高めつつ、表面の滑りを良くするためには、感光層との界面側の領域(例えば、第2の領域)を微結晶膜とし、表面側の領域(例えば、第1の領域)を非晶質膜としてもよい。
保護層中には、さらに導電型の制御のために、例えば、n型の場合、C、Si、Ge、Snから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。また、例えば、p型の場合、N、Be、Mg、Ca、Srから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。
また、保護層は、酸素(O)及びガリウム(Ga)以外に、水素及びハロゲン元素の少なくとも1種を含んでいてもよい。
保護層の厚さは3μm以上10μm以下であることが好ましく、4μm以上9μm以下であることがより好ましく、5μm以上8μm以下であることが更に好ましい。
保護層の厚さを3μm以上とすることで保護層の機械的強度が向上する。
保護層の厚さを10μm以下とすることで保護層の透明性の低下が抑制され、より効率よく感光体が除電されやすくなる。
-第1の領域-
第1の領域は、保護層のうち、膜厚方向において、外周面側(支持体から離れた側)に存在する領域である。
第1の領域の組成には特に限定はないが、例えば、ガリウム及び酸素を含有する組成が挙げられる。
第1の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕(以下、原子数比〔O/Ga〕とも称する)は、1.20以上1.40以下であることが好ましく、1.25以上1.35以下であることがより好ましく、1.30以上1.35以下であることが更に好ましい。
第1の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕を1.20以上1.40以下とすることで、第1の領域の電荷注入領域としての機能がより向上する。そのため、より残留電位の上昇を抑制する感光体となる。
また、第1の領域は、水素を含んでいてもよい。
その他、第1の領域の好ましい形態は、保護層の好ましい形態として前述したとおりである。
第1の領域は、前述のとおり、導電型の制御のためにn型の元素やp型の元素を含むことがあるが、この場合、第1の領域を、電荷注入阻止層としてもよいし、電荷注入層としてもよい。電荷注入層とした場合には、第2の領域や感光層表面で電荷がトラップされる。
負帯電の場合、n型層は電荷注入層として機能し、p型層は電荷注入阻止層として機能する。正帯電の場合、n型層は電荷注入阻止層として機能し、p型層は電荷注入層として機能する。
第1の領域の厚みは、例えば、0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.7μm以上1.3μm以下であることが更に好ましい。
第1の領域の厚みは、耐摩耗性向上の観点から、0.5μm以上であることが好ましい。
第1の領域の光透過率LT1は、70%以上95%以下であることが好ましく、75%以上90%以下であることがより好ましく、80%以上90%以下であることが更に好ましい。
第1の領域の光透過率LT1を70%以上とすることで、第1の領域の透明性がより向上しより効率よく感光体が除電されやすくなる。
また第1の領域の光透過率LT1を95%以下とすることで、膜中の電荷の輸送が効果的に行われ効率よく感光体が帯電される。
第1の領域の光透過率LT1は、紫外可視(UV-vis)分光光度計により測定される値である。
紫外可視分光光度計としては、株式会社島津製作所製、品名UV-2600が使用可能である。
第1の領域の光透過率LT1の測定は以下の通り行う。
ポリカーボネートシート(厚さ0.5mm、品名カーボグラスC110C、AGC株式会社製)上に、第1の領域と同一組成及び同膜厚のサンプルを製膜しこれを測定対象とする。そして、測定対象を紫外可視分光光度計に入れ、測定対象の厚さ方向における、波長730nm以上830nm以下の領域の光透過率を測定し、平均値を透過率として算出する。なお、測定の際には事前に同一のポリカーボネートシートをリファレンスとしてベースラインを作成することで、成膜したサンプル由来の透過率のみを測定した。
-第2の領域-
第2の領域は、保護層のうち、第1の領域よりも基体に近い側に存在し、第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい領域である。
第2の領域の組成は、前述の通り、ガリウム及び酸素(及び、必要に応じ亜鉛)を含有する組成である。
第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕は、1.50以上1.80以下であることが好ましく、1.55以上1.80以下であることがより好ましく、1.60以上1.80以下であることが更に好ましく、1.70以上1.80以下であることが特に好ましい。
第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕を1.50以上とすることで、第2の領域の透明性がより向上する。そのため、より効率よく感光体が除電されやすくなる。
また、第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕を1.80以下とすることで、層中の電荷の輸送がより効果的に行われ効率よく感光体が帯電される。
また、第2の領域は、更に、亜鉛(Zn)を含有することが好ましい。
第2の領域が亜鉛を含有することにより、残留電位が更に抑制される。
この原因については、第2の領域に亜鉛を含有させることにより、該第2の領域の電荷輸送性が向上するためと推測される。ただし、本実施形態はこの原因によって限定されない。
残留電位抑制の観点から、第2の領域における亜鉛の含有量は、0.4原子%以上25原子%以下であることが好ましく、0.5原子%以上20原子%以下であることがより好ましく、10原子%以上20原子%以下であることが特に好ましい。
ここで、第2の領域における亜鉛の含有量は、第2の領域が、ガリウムと酸素と亜鉛とからなる場合には、これらの合計の原子数に対する亜鉛の原子数の割合(%)である。
また、残留電位の上昇を抑制する観点から、第2の領域における原子数比〔酸素/(ガリウム+亜鉛)〕は、1.00以上1.40以下であることが好ましい。
また、残留電位の上昇を抑制する観点から、第2の領域における原子数比〔亜鉛/ガリウム〕は、1.00以下であることが好ましく、0.01以上0.50以下であることがより好ましく、0.20以上0.50以下であることが特に好ましい。
残留電位の上昇を抑制する観点から、第2の領域における亜鉛の含有量は、0.4原子%以上25原子%以下であることが好ましく、0.5原子%以上20原子%以下であることがより好ましく、1原子%以上15原子%以下であることが特に好ましい。
第2の領域の厚みは、例えば、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上7μm以下であることがより好ましく、より好ましくは3μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
第2の領域の光透過率LT2は、90%以上98%以下であることが好ましく、92%以上98%以下であることが好ましく、94%以上98%以下であることがより好ましく、96%以上98%以下であることが更に好ましい。
第2の領域の光透過率LT2を90%以上とすることで、第2の領域の透明性がより向上しより効率よく感光体が除電されやすくなる。
また第2の領域の光透過率LT2を98%以下とすることで、層中の電荷の輸送がより効果的に行われ効率よく感光体が帯電される。
第2の領域の光透過率LT2の測定は、第1の領域の光透過率LT1の測定と同一の手順にて行う。
第2の領域は、更に、水素を含んでいてもよい。
その他、第2の領域の好ましい形態は、保護層の好ましい形態として前述したとおりである。
-第3の領域-
第3の領域は、第2の領域よりも基体に近い側に(好ましくは感光層と接して)存在する領域であり、第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい領域である。
第3の領域の組成には特に限定はないが、例えば、ガリウム及び酸素を含有する組成が挙げられる。
第3の領域がガリウム及び酸素を含有する場合、原子数比〔O/Ga〕は、1.25以上1.40以下であることが好ましく、1.30以上1.40以下であることがより好ましい。
第3の領域の厚みは、例えば、0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.7μm以上1.7μm以下であることが更に好ましい。
残留電位の上昇を抑制する観点から、第3の領域の光透過率LT3は75%以上90%以下であることが好ましく、80%以上90%以下であることがより好ましい。
第3の領域の光透過率LT3の測定は、第1の領域の光透過率LT1の測定と同一の手順にて行う。
また、第3の領域は、水素を含んでいてもよい。
その他、第3の領域の好ましい形態は、保護層の好ましい形態として前述したとおりである。
-各領域の光吸収端エネルギー-
本実施形態に係る感光体は、吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(1-1)を満たす。
関係式(1-1):1.6eV<FE2-FE1
残留電位の上昇を抑制する観点から、前記FE1及び前記FE2は、下記関係式(1-1’)を満たすことが好ましく、下記関係式(1-1’’)を満たすことがより好ましい。
関係式(1-1’):1.8eV≦FE2-FE1≦2.3eV
関係式(1-1’’):2.0eV≦FE2-FE1≦2.3eV
第3の領域における光吸収端エネルギーをFE3としたとき、下記関係式(1-2)を満たすことが好ましく、下記関係式(1-2’)を満たすことがより好ましく、下記関係式(1-2’’)を満たすことが更に好ましく、下記関係式(1-2’’’)を満たすことが特に好ましい。
関係式(1-2):0.0eV≦FE2-FE3≦2.7eV
関係式(1-2’):1.8eV≦FE2-FE3≦2.5eV
関係式(1-2’’):1.9eV≦FE2-FE3≦2.4eV
関係式(1-2’’’):2.0eV≦FE2-FE3≦2.3eV
上記関係式(1-2)を満たすことで、より残留電位の上昇を抑制する感光体となる。その理由については以下の通り推測される。
上記関係式(1-2)を満たすことで、第2の領域の電荷輸送領域としての機能がより向上し、第3の領域の感光層との界面で電荷をトラップする機能がより向上する。
そのため、上記関係式(1-2)を満たすことで、より残留電位の上昇を抑制する感光体となると推測される。
前記FE1、及び前記FE3が下記関係式(1-3)を満たすことが好ましく、下記関係式(1-3’)を満たすことがより好ましく、下記関係式(1-3’’)を満たすことが更に好ましく、下記関係式(1-3’’’)を満たすことが特に好ましい。
関係式(1-3):-1.9eV≦FE1-FE3≦0.8eV
関係式(1-3’):-0.7eV≦FE1-FE3≦0.7eV
関係式(1-3’’):-0.5eV≦FE1-FE3≦0.5eV
関係式(1-3’’’):-0.3eV≦FE1-FE3≦0.3eV
上記関係式(1-3)を満たすことで、より残留電位の上昇を抑制する感光体となる。その理由については以下の通り推測される。
上記関係式(1-3)を満たすことで、第1の領域の電荷注入領域としての機能がより向上し、第3の領域の感光層との界面で電荷をトラップする機能がより向上する。
そのため、上記関係式(1-3)を満たすことで、より残留電位の上昇を抑制する感光体となると推測される。
残留電位の上昇を抑制する観点から、前記FE2は4.0eV以上4.4eV以下であることが好ましく、4.2eV以上4.3eV以下であることがより好ましい。
各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーは、次のようにして求められる。
分光スペクトルにおいて吸収係数が1×10(m-1)となる波長を光吸収端波長として、その波長をエネルギー(eV)に換算する。
-中間層-
中間層は、保護層中、必要に応じて設けられる層であり、保護層が第1の層と第2の層とを有する場合において、第1の層と第2の層との間に、原子数比〔酸素/ガリウム〕が第1の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以上であり第2の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以下である組成で設けられる層である。
中間層の組成は、ガリウム及び酸素(及び、必要に応じ亜鉛)を含有する組成である。
中間層は、更に、感光体の感度の低下をより効果的に低減する観点から、水素を含んでいてもよい。
その他、中間層の好ましい形態は、保護層の好ましい形態として前述したとおりである。
保護層は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、中間層以外にも、必要に応じ、その他の層又は領域を有していてもよい。
-保護層の形成方法-
次に、前述した保護層の形成方法について説明する。
保護層の形成には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
図4は、本実施形態に係る電子写真感光体の保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図4(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図4(B)は、図4(A)に示す成膜装置のA1-A2間における模式断面図を表す。図4中、210は成膜室、211は排気口、212は基体回転部、213は基体支持部材、214は基体、215はガス導入管、216はガス導入管215から導入したガスを噴射する開口を有するシャワーノズル、217はプラズマ拡散部、218は高周波電力供給部、219は平板電極、220はガス導入管、221は高周波放電管部である。
図4に示す成膜装置において、成膜室210の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口211が設けられており、成膜室210の排気口211が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部218、平板電極219及び高周波放電管部221からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図4に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図5に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図5は、図4に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。図5中、222が高周波コイル、223が石英管を表し、220は、図4中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管223と、石英管223の外周面沿って設けられた高周波コイル222とからなり、石英管223の一方の端は成膜室210(図5中、不図示)と接続されている。また、石英管223のもう一方の端には、石英管223内にガスを導入するためのガス導入管220が接続されている。
図4において、平板電極219の放電面側には、放電面に沿って延びる棒状のシャワーノズル216が接続されており、シャワーノズル216の一端は、ガス導入管215と接続されており、このガス導入管215は成膜室210外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め感光層まで積層された感光体、感光層上に第2の領域までが積層された感光体、感光層上に第3の領域までが積層された感光体、等が用いられる。
保護層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、水素(H)ガス、及び必要に応じヘリウム(He)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管215、活性化手段である平板電極219の下流側に位置するシャワーノズル216を介して成膜室210に導入することによって、基体214表面にガリウムと酸素とを含む非単結晶膜を成膜する。
基体214としては、例えば、感光層が形成された基体を用いる。
また、第2の領域として、亜鉛を含む形態の第2の領域を成膜する際には、ガス導入管215から導入するガスとして、例えば、トリメチルガリウムガスと有機亜鉛(例えば、ジメチル亜鉛又はジエチル亜鉛)ガスとを用いる。このとき、トリメチルガリウムと、有機亜鉛と、は別々の容器から気体としてガス導入管215に導入する。
保護層の成膜時の基体214表面の温度は、有機感光層を有する有機感光体を用いる場合には、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、30℃以上100℃以下が特に好ましい。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが好ましい。
また、アモルファスシリコン感光体を用いる場合には、保護層の成膜時の基体214表面の温度は、例えば、30℃以上350℃以下とされる。
基体214表面の温度は加熱及び/又は冷却手段(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
また、トリメチルガリウムガスの代わりにアルミニウムを含む有機金属化合物やジボラン等の水素化物を用いることもでき、これらを2種類以上混合してもよい。
例えば、保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による感光層へのダメージが抑制される。
また、保護層には、その導電型を制御するためにドーパントを添加してもよい。
成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH,SnHを、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を保護層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の保護層を得る。
図4及び図5を用いて説明した成膜装置では、放電エネルギーにより形成される活性窒素又は活性水素を、活性装置を複数設けて独立に制御してもよいし、NHなど、窒素原子と水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらにHを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いてもよい。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(保護層)が形成される。
図4及び図5に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いたり、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が好ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが好ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図4に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、例えば、ガス導入管215を介して、シャワーノズル216に高周波電圧を印加して、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる。あるいは、シャワーノズル216を電極として利用する代わりに、成膜室210内の基体214と平板電極219との間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、成膜室210内に放電を起こさせる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが好ましい。
なお、保護層等の形成に際しては、上述した方法以外にも、通常の有機金属気相成長法や分子線エピタキシー法が使用されるが、これらの方法による成膜に際しても、活性窒素及び/又は活性水素、活性酸素を使用することは低温化に有効である。この場合、窒素原料としてはN,NH,NF,N、メチルヒドラジンなどの気体、液体を気化したり、あるいは、キャリアガスでバブリングしたものが利用される。酸素原料としては酸素、HO,CO,CO,NO,NOなどが使用される。
本実施形態における保護層の形成は、例えば、成膜室210に基体上に感光層を形成した基体214を設置し、各々組成の異なる混合ガスを導入して、第3の領域、第2の領域、第1の領域を連続的に形成する。また、必要に応じ、第2の領域と第1の領域との間に中間層を形成する。
また、各領域(又は各層)の形成を別個独立に行ってもよい。
また、成膜条件としては、例えば高周波放電により放電する場合、低温で良質な成膜を行うには、周波数として10kHz以上50MHz以下の範囲とすることが好ましい。また、出力は基体の大きさに依存するが、基体の表面積に対して0.05W/cm以上0.5W/cm以下の範囲とすることが好ましい。基体の回転速度は10rpm以上1000rpm以下の範囲が好ましい。
各領域(又は各層)の成膜条件は同一としてもよいが、例えば、第2の領域の形成を低温で行うため出力を低めとし、第1の領域の形成を出力を高めにして行ってもよい。
-基体及び感光層-
感光層は、電子写真感光体において、基体と保護層との間に設けられる層である。
本実施形態に係る電子写真感光体は、その層構成が、基体上に感光層と保護層とがこの順に積層されたものであれば特に限定されず、基体と感光層の間に必要に応じて下引層等を設けてもよい。また、感光層は、2層以上であってもよく、更に、機能分離型であってもよい。さらに、本実施形態に係る電子写真感光体は、感光層がシリコン原子を含むいわゆるアモルファスシリコン感光体であってもよい。
アモルファスシリコン感光体の場合には、表層部として本実施形態における保護層を用いれば、残留電位の上昇が抑制され、耐久性と残留電位の上昇の抑制とが両立される。
特に、感光層が、有機感光材料等の有機材料を含むいわゆる有機感光体であることが好ましい。有機感光体の場合、磨耗が起こりやすいが、表層部に本実施形態における保護層を用いれば、磨耗が抑制される。
まず、電子写真感光体が、有機感光体である場合の好ましい構成について、その概要を説明する。
感光層を形成する有機高分子化合物は熱可塑性であっても熱硬化性のものであっても、また2種類の分子を反応させて形成するものでもよい。感光層と第1の領域との間に設けられる第2の領域は、硬度や膨張係数、弾力性の調整、密着性の向上などの観点から、第1の領域の物性及び感光層(機能分離型の場合は電荷輸送層)の物性の両者に対して、中間的な特性を示すものが好適である。また、第2の領域は、電荷をトラップする領域として機能してもよい。
有機感光体の場合には、感光層は、図1、及び図3に示すように電荷発生層と電荷輸送層に分かれた機能分離型でもよいし、図2に示すように機能一体型であってもよい。機能分離型の場合には感光体の表面側に電荷発生層を設けたものでもよいし、表面側に電荷輸送層を設けたものでもよい。
感光層上に、前述の方法により保護層を形成する場合、熱以外の短波長電磁波の照射により感光層が分解したりすることを防ぐため、感光層表面には、保護層を形成する前に紫外線などの短波長光吸収層を予め設けてもよい。また、短波長光が感光層に照射されないように、保護層を形成する初期の段階で、バンドギャップの小さい層を最初に形成してもよい。感光層側に設けられるバンドギャップの小さい層の組成としては、例えば、Inを含んだ13族元素比はGaIn(1-X)(0≦X≦0.99)が好適である。
また、紫外線吸収剤を含む層(例えば、高分子樹脂に分散させた層を塗布等を利用して形成される層)を感光層表面に設けてもよい。
このように、保護層を形成する前に感光体表面に紫外線吸収剤を含む層を設けることで、保護層を形成するときの紫外線や、画像形成装置内で感光体が使用された場合のコロナ放電や各種の光源からの紫外線などの短波長光による感光層への影響が低減される。
次に、電子写真感光体が、アモルファスシリコン感光体である場合の好ましい構成について、その概要を説明する。
アモルファスシリコン感光体は、正帯電用でも負帯電用の感光体でもよい。
例えば、基体上に、電荷注入阻止層(下引層)と、光導電層と、電荷注入阻止表面層と、をこの順に設けたものが使用される。
本実施形態における保護層は、電荷注入阻止表面層上に形成される。
また、感光層の最上層(保護層側の層)としては、例えば、p型アモルファスシリコン層、n型アモルファスシリコン層、Si1-X:H層、Si1-X:H層、Si1-X:H層、アモルファスカーボン層、などが用いられる。
次に、電子写真感光体を構成する基体及び感光層の詳細や、必要に応じて設けられる下引層の詳細について、電子写真感光体が機能分離型の感光層を有する有機感光体である場合について説明する。
-基体-
基体としては、導電性基体が用いられる。
なお、本明細書中において「導電性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm未満である性質を指し、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上である性質を指す。
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基体上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル-クロム、ステンレス鋼、銅-インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基体に蒸着したもの;金属箔を上記基体にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ-酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基体に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、基体の形状は、円筒形であることが好ましい。
また、導電性基体として金属製パイプ基体を用いる場合、当該金属製パイプ基体の表面は素管のままのものであってもよいが、予め表面処理により基体表面を粗面化しておいてもよい。かかる粗面化により、露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度ムラが抑制される。表面処理の方法としては、鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング等が挙げられる。
特に、感光層との密着性向上や成膜性向上の点で、アルミニウム基体の表面に陽極酸化処理を施したものを導電性基体として用いることが好ましい。
以下、表面に陽極酸化処理を施した導電性基体の製造方法について説明する。
まず、基体として純アルミ系あるいはアルミニウム合金(例えば、JISH4080に規定されている合金番号1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金)を用意する。次に陽極酸化処理を行う。陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行うが、硫酸浴による処理がよく用いられる。陽極酸化処理は、例えば、硫酸濃度:10質量%以上20質量%以下、浴温:5℃以上25℃以下、電流密度:1A/dm以上4A/dm以下、電解電圧:5V以上30V以下、処理時間:5分以上60分以下程度の条件で行われるが、これに限定するものではない。
このようにしてアルミニウム基体上に成膜された陽極酸化皮膜は、多孔質であり、又絶縁性が高く、表面が非常に不安定であるため、皮膜形成後にその物性値が経時的に変化しやすくなっている。この物性値の変化を抑制するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが行われる。封孔処理の方法には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。これらの方法のうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最もよく用いられる。
このようにして封孔処理が行われた陽極酸化皮膜の表面には、封孔処理により付着した金属塩等が過剰に残留している。金属塩等が基体の陽極酸化皮膜上に過剰に残存すると、陽極酸化皮膜上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまう傾向にあるため、この基体を感光体に用いて画像を形成した場合に地汚れの発生原因になる。
そこで、封孔処理に引き続き、封孔処理により付着した金属塩等を除去するために陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。洗浄処理は純水により基体の洗浄を1回行うことでも構わないが、多段階の洗浄工程により基体の洗浄を行うのが好ましい。この際、最終の洗浄工程における洗浄液としては、例えば、脱イオンされた洗浄液を用いる。また、多段階の洗浄工程のうち、いずれか1工程において、ブラシ等の接触部材を用いた物理的なこすり洗浄を施すことがよりさらに好ましい。
以上のようにして形成される導電性基体表面の陽極酸化皮膜の膜厚は、3μm以上15μm以下程度の範囲内であることが好ましい。陽極酸化皮膜上には多孔質陽極酸化膜のポーラスな形状の極表面に沿ってバリア層といわれる層が存在する。バリア層の膜厚は本実施形態に係る電子写真感光体においては1nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。以上のようにして、陽極酸化処理された導電性基体が得られる。
このように得られた導電性基体は、陽極酸化処理により基体上に成膜された陽極酸化皮膜が高いキャリアブロッキング性を有している。そのため、この導電性基体を用いた感光体を画像形成装置に装着して反転現像(ネガ・ポジ現像)を行う場合に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)が抑制されるとともに、接触帯電時に生じやすい接触帯電器からの電流リーク現象が抑制される。また、陽極酸化皮膜に封孔処理を施すことにより、陽極酸化皮膜の作製後における物性値の経時変化が抑制される。また、封孔処理後に導電性基体の洗浄を行うことにより、封孔処理により導電性基体表面に付着した金属塩等が除去され、この導電性基体を用いて作製した感光体を備えた画像形成装置により画像を形成した場合に地汚れの発生が抑制される。
-下引層-
次に、下引層について説明する。下引層を構成する材料としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いる。これらの中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないため好ましく使用される。また、有機金属化合物は、これを単独又は2種以上を混合して用いてもよいし、さらに上述の結着樹脂と混合して用いてもよい。
有機シラン化合物(シリコン原子を含有する有機金属化合物)としては、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシシラン)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が好ましく使用される。
その他、下引層としては、公知の下引層が用いられる。
-感光層:電荷輸送層-
次に、感光層について、電荷輸送層と電荷発生層とに分けてこの順に以下に説明する。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料としては、下記に示すものが例示される。即ち2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5-トリフェニル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-(p-ジエチルアミノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p-メチル)フェニルアミン、N,N-ビス(3,4-ジメチルフェニル)ビフェニル-4-アミン、ジベンジルアニリン、9,9-ジメチル-N,N-ジ(p-トリル)フルオレノン-2-アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3-(4’-ジメチルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4’-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジンなどの1,2,4-トリアジン誘導体、4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン、4-ジフェニルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン、[p-(ジエチルアミノ)フェニル](1-ナフチル)フェニルヒドラゾン、1-ピレンジフェニルヒドラゾン、9-エチル-3-[(2メチル-1-インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、4-(2-メチル-1-インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9-メチル-3-カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1-ジ-(4,4’-メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β-ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2-フェニル-4-スチリル-キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メトキシフェニル)-ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p-(2,2-ジフェニルビニル)-N,N-ジフェニルアニリンなどのα-スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N-エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質が用いられる。あるいは、上記化合物を含む基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独又は2種以上を組み合せて使用する。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては特に限定はないが、結着樹脂は、特に電荷輸送材料と相溶性を有し適当な強度を有するものであることが好ましい。
この結着樹脂の例として、ビスフェノールAやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェノールTPなどを含む各種のポリカーボネート樹脂やその共重合体、ポリアリレート樹脂やその共重合体、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アクリル共重合体樹脂、アチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは2種以上の混合物として使用する。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂の分子量は、感光層の層厚や溶剤などの成膜条件によって選択されるが、通常は粘度平均分子量で3000以上30万以下の範囲内が好ましく、2万以上20万以下の範囲内がより好ましい。
電荷輸送層は、上記電荷輸送材料及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し乾燥することによって形成される。電荷輸送層形成用塗布液の形成に使用される溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル、あるいはこれらの混合溶剤などが用いられる。電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5の範囲内が好ましい。また電荷輸送層の層厚は一般に5μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、10μm以上40μm以下の範囲であることがより好ましい。
電荷輸送層及び/又は後述する電荷発生層は、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を抑制する目的で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を含んでもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン又はそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
電荷輸送層は、例えば、上記に示した電荷輸送材料及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し、乾燥させることによって形成する。電荷輸送層形成用塗布液の調整に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2ーブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或るいは直鎖状エーテル等、あるいはこれらの混合溶媒を用いる。
また電荷輸送層形成用塗布液には、塗布形成される塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを添加してもよい。
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1乃至1:5であることが好ましい。また電荷輸送層の層厚は一般には5μm以上50μm以下の範囲内とすることが好ましく、10μm以上30μm以下の範囲内がより好ましい。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布は、感光体の形状や用途に応じて、浸漬塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法などの塗布法を用いて行う。乾燥は、室温(例えば、20℃以上30℃以下)での指触乾燥の後に加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥は、30℃以上200℃以下の温度域で5分以上2時間の範囲の時間で行うことが好ましい。
その他、電荷輸送層としては、公知の電荷輸送層を用いる。
-感光層:電荷発生層-
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着法により蒸着させて形成するか、有機溶剤及び結着樹脂を含む溶液を塗布することにより形成される。
電荷発生材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン、セレン-テルル合金、セレン-ヒ素合金、その他のセレン化合物;セレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体;又はこれらを色素増感したもの、無金属フタロシアニン,チタニルフタロシアニン,銅フタロシアニン,錫フタロシアニン,ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン化合物;スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料;又は染料が用いられる。
また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型で用いてもよい。
なお、上述した電荷発生材料の中でも、フタロシアニン化合物が好ましい。この場合、感光層に光が照射されると、感光層に含まれるフタロシアニン化合物がフォトンを吸収してキャリアを発生させる。このとき、フタロシアニン化合物は、高い量子効率を有するため、吸収したフォトンを効率よく吸収してキャリアを発生させる。
更にフタロシアニン化合物の中でも、下記(1)から(3)までに示すフタロシアニンがより好ましい。すなわち、
(1)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型のヒドロキシガリウムフタロシアニン。
(2)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.3°,16.5°,25.4°,28.1°の位置に回折ピークを有する結晶型のクロルガリウムフタロシアニン。
(3)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5°,24.2°,27.3°の位置に回折ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン。
これらのフタロシアニン化合物は、特に、光感度が高いだけでなく、その光感度の安定性も高いため、これらフタロシアニン化合物を含む感光層を有する感光体は、高速な画像形成及び繰り返し再現性が要求されるカラー画像形成装置の感光体として好適である。
なお、結晶の形状や測定方法によりこれらのピーク強度や位置が微妙にこれらの値から外れることも有るが、X線回折パターンが基本的に一致しているものであれば同じ結晶型であると判断される。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、以下のものが例示される。
即ち、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂及びその共重合体、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン-アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾールなどである。
これらの結着樹脂は、単独であるいは2種以上混合して用いる。電荷発生材料と結着樹脂との配合比(電荷発生材料:結着樹脂)は、質量比で、10:1乃至1:10の範囲が好ましい。また電荷発生層の厚みは、一般には0.01μm以上5μm以下の範囲内であることが好ましく0.05μm以上2.0μm以下の範囲内であることがより好ましい。
また電荷発生層は、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有してもよい。電荷発生層に用いられる電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピークリン酸、o-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、フタル酸などが挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
電荷発生材料を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法が用いられる。
電荷発生層を形成する為の塗布液の溶媒として公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2-ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いる。2種類以上の溶媒を混合して用いる場合には、例えば、混合溶媒として結着樹脂を溶かす溶媒を使用する。但し、感光層が、導電性基体側から、電荷輸送層と電荷発生層とをこの順に形成した層構成を有する場合に、浸漬塗布のように下層を溶解しやすい塗布方法を利用して電荷発生層を形成する際には、電荷輸送層等の下層を溶解しない溶媒を用いることが好ましい。また、比較的下層の侵食性の少ないスプレー塗布法やリング塗布法を利用して電荷発生層を形成する場合には溶媒の選択範囲が広がる。
<画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)>
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図6に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図6におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図6には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-中間転写体-
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図7に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<実施例1>
(電子写真感光体の作製)
まず、以下に説明する手順により、アルミニウム(Al)基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機感光体を作製した。
-下引層の形成-
ジルコニウム化合物(商品名:マツモト製薬社製オルガノチックスZC540)20質量部、シラン化合物(商品名:日本ユニカー社製A1100)2.5質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:積水化学社製エスレックBM-S)10質量部及びブタノール45質量部を攪拌混合して得た溶液を、外径84mmのAl製基体表面に塗布し、150℃10分間加熱乾燥することにより、層厚1.0μmの下引層を形成した。
-電荷発生層の形成-
次に、電荷発生材料としてクロロガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(商品名:積水化学社製エスレックBM-S)1質量部及び酢酸n-ブチル100質量部と混合して得られた混合物をガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散し、電荷発生層形成用分散液を得た。
この分散液を浸漬法により下引層の上に塗布した後、100℃で10分間乾燥させ、層厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
-電荷輸送層の形成-
次に、下記構造式(1)で表される化合物を2質量部、及び、繰り返し単位が下記構造式(2)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部をクロロベンゼン20質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を得た。
この塗布液を、浸漬法により電荷発生層上に塗布し、110℃で40分間加熱して層厚20μmの電荷輸送層を形成し、Al基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機感光体(以下、「ノンコート感光体(1)」と称す場合がある)を得た。
(保護層の形成)
-第3の層の形成-
ノンコート感光体(1)表面への第3の層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート感光体(1)を、成膜装置の成膜室210内の基体支持部材213に載せ、排気口211を介して成膜室210内を、圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、He希釈20%酸素ガス(6.0sccm)、及びHガス(1000sccm)を、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力(以下、ラジオ波の出力を「高周波電力」とも称する)500Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(7.5sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は50Paであった。
この状態で、ノンコート感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら120分間成膜し、ノンコート感光体(1)の電荷輸送層表面に層厚1.0μmの第3の層を形成した。
-第2の層の形成-
次に、高周波放電を停止し、He希釈20%酸素ガス(24sccm)に変更した後、高周波電力(500W)で、再び高周波放電を開始した。
この状態で、第3の層を形成したノンコート感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら360分間(以下、第2層の形成において成膜に要した時間を「成膜時間」とも称する)成膜し、第3の層上に、層厚4.0μmの第2の層を形成した。
-第1の層の形成-
次に、高周波放電を停止し、He希釈20%酸素ガス(6.0sccm)に変更した後、高周波電力(500W)で、再び高周波放電を開始した。
この状態で、第3の層及び第2の層を順次形成したノンコート感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら120分間成膜し、第2の層上に、層厚1.0μmの第1の層を形成した。
以上により、ノンコート感光体(1)の電荷輸送層上に、保護層として、第3の層、第2の層及び第1の層をこの順に有する電子写真感光体(保護層付き電子写真感光体)を得た。
なお、保護層(第3の層、第2の層及び第1の層)の成膜に際しては、ノンコート感光体(1)の加熱処理は行わなかった。また、成膜時の温度をモニターするために、成膜前に予めノンコート感光体の表面に貼り付けておいた温度測定用ステッカー(Wahl社製、テンプ・プレート P/N101)の色を、第1の層の成膜後に確認したところ、45℃であった。
また、第1の層の層厚、第2の層、及び第3の層の層厚は、以下の分析用試料膜を用いて、触針段差測定によって求めた。
分析用試料膜を形成する基板としては、5mm×10mmにカットされた厚さ400μmのSiウェハーを用いた。
Siウェハー表面の一部にポリイミド製粘着テープを貼り付け、該粘着テープを貼り付けた側の面に、第1の層の成膜と同条件にて、第1の層の分析用試料膜を形成した。
次に、粘着テープを剥がし、Siウェハー表面に、非着膜部(粘着テープを貼り付けた箇所)と、着膜部(粘着テープを貼り付けていない箇所)と、を設けた。
次に、非着膜部と着膜部との段差を、触針段差測定器(東京精密社製サーフコム550A)により測定し、第1の層の層厚を求めた。
第2の層、第3の層の層厚も、第1の層の層厚と同様の方法によって求めた。
<実施例2~26(25を除く)、比較例1~6>
-第3の層の形成-におけるHe希釈20%酸素ガスの流量、-第2の層の形成-におけるHe希釈20%酸素ガスの流量、及び成膜時間、並びに-第1の層の形成-におけるHe希釈20%酸素ガスの流量を表1の通りに変更したこと以外は、実施例1と同一の手順にて保護層付き電子写真感光体を得た。
<実施例25>
(第2の層の形成)において、ジメチル亜鉛ガス(1.0sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入したこと以外は、実施例1と同一の手順にて保護層付き電子写真感光体を得た。
<評価>
上記で作製した、保護層付き電子写真感光体について以下の評価を行った。
評価結果を表2に示す。
(残留電位)
上述の保護層付き電子写真感光体に対して、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長780nm、出力5mW)を用い、感光体の表面を走査しながら40rpmで回転させながら、スコロトロン帯電器により-700Vに負帯電させた状態で照射した後の、表面の残留電位を測定した。そして、測定した残留電位の結果を基に、下記評価基準によって残留電位上昇の抑制効果の優良を評価した。なお、C以上を合格とした。
-評価基準-
A:残留電位が-15Vを超える
B:残留電位が-15V以下-30Vを超える
C:残留電位が-30V以下-40Vを超える
D:残留電位が-40V以下
表2中、「総膜厚(μm)」は保護層の厚さを意味する。
表2中、「亜鉛の含有量(原子%)」は第2の領域における亜鉛の含有量を意味する。
表2中、「残留電位」の結果におけるかっこ内の数値は、測定された残留電位の値を示す。
ここで、第2の領域における亜鉛の含有量は、以下の通り測定した。
ラザフォードバックスキャタリング(RBS)によって測定した。なお、測定条件は原子数比〔酸素/ガリウム〕を算出する条件と同一とした。RBS測定によって、第2の領域における、ガリウム、酸素、及び亜鉛の原子数を算出し、ガリウム、酸素、及び亜鉛の合計の原子数に対する亜鉛の原子数の割合(原子%)を算出した。
上記結果から、本実施例の感光体は、残留電位の上昇を抑制することがわかる。
1 基体、2 感光層、2A 電荷発生層、2B 電荷輸送層、3 保護層、4 下引層、210 成膜室、211 排気口、212 基体回転部、213 基体支持部材、214 基体、215、220 ガス導入管、216 シャワーノズル、217 プラズマ拡散部、218 高周波電力供給部、219 平板電極、221 高周波放電管部、222 高周波コイル、223 石英管、3A 第1の領域、3B 第2の領域、3C 第3の領域、3D 第1の層、3E 第2の層、3F 第3の層、3G 中間層、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑剤、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (12)

  1. 基体と、
    前記基体上に設けられた感光層と、
    前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域と、を有する保護層と、
    を備え、
    前記各領域において吸収係数が1×10(m-1)となる波長から得られる各光吸収端エネルギーとして、前記第1の領域における光吸収端エネルギーをFE1、前記第2の領域における光吸収端エネルギーをFE2としたとき、下記関係式(1-1)を満たす電子写真感光体。
    関係式(1-1):1.6eV<FE2-FE1
  2. 前記第2の領域の原子数比〔酸素/ガリウム〕が、1.50以上1.80以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記第1の領域の原子数〔酸素/ガリウム〕が、1.20以上1.40以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記第3の領域における光吸収端エネルギーをFE3としたとき、下記関係式(1-2)を満たす請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    関係式(1-2):0.0eV≦FE2-FE3≦2.7eV
  5. 下記関係式(1-3)を満たす請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    関係式(1-3):-1.9eV≦FE1-FE3≦0.8eV
  6. 前記第2の領域の光透過率LT2が90%以上98%以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記第1の領域の光透過率LT1が70%以上95%以下である請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記保護層の厚さが3μm以上10μm以下である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記第2の領域が亜鉛を含有する請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 基体と、
    前記基体上に設けられた感光層と、
    前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外周面側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20以上1.40以下である第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.50以上1.80以下である第2の領域と、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、原子数比〔酸素/ガリウム〕が1.20以上1.40以下である第3の領域と、を有する保護層と、
    を備え、
    前記第2の領域の光透過率LT2が90%以上である電子写真感光体。
  11. 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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