JP2019191256A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】無機保護層の打痕の発生が抑制される電子写真感光体を提供すること。【解決手段】導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型感光層と、単層型感光層上に設けられた無機保護層と、を有し、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚が10μm以上25μm以下である電子写真感光体。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、導電性基体と、導電性基体上に設けられた有機感光層であって、無機保護層と接する面側の領域に少なくとも電荷輸送材料及び体積平均粒径が20nm以上200nm以下であるシリカ粒子を含む有機感光層と、有機感光層上にその表面に接して設けられた無機保護層と、を備えた電子写真感光体が記載されている。
特許文献2には、基体と、基体側から順に、酸素及びガリウムを含み且つガリウムの含有率が28原子%以上40原子%以下の蒸着膜である下引層と、感光層と、を有する電子写真感光体が記載されている。
特許第5994708号公報 特許第5509764号公報
例えば、無機保護層を備える電子写真感光体は、キャリア等の硬質物が電子写真感光体の表面に移行して、電子写真感光体と電子写真感光体に接触する部材との間に介在することで、無機保護層に打痕が生じることがある。
本発明の課題は、単層型感光層及び無機保護層を備える電子写真感光体において、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚が25μm超えの場合に比べ、無機保護層の打痕の発生が抑制される電子写真感光体を提供することである。
ここで、無機保護層に発生する「打痕」とは、円形状又は楕円状の凹部であり、その大きさは最大径で50μm以下である。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型感光層と
前記単層型感光層上に設けられた無機保護層と、
を有し、
前記導電性基体及び前記無機保護層の間に介在する層の総膜厚が10μm以上25μm以下である電子写真感光体。
<2> 前記単層型感光層が、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びシリカ粒子を含む<1>に記載の電子写真感光体。
<3> 前記単層型感光層に対する前記シリカ粒子の含有量が40質量%以上70質量%以下である<2>に記載の電子写真感光体。
<4> 前記無機保護層の膜厚Aと、前記導電性基体及び前記無機保護層の間に介在する層の総膜厚Bとの比(A/B)が、0.12以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の電子写真感光体。
<5> 前記無機保護層が、第13族元素及び酸素を含む金属酸化物層からなる無機保護層である<1>〜<4>のいずれか1に記載の電子写真感光体。
<6> 前記金属酸化物層が、酸化ガリウムを含む金属酸化物層である<5>に記載の電子写真感光体。
<7> <1>〜<6>のいずれか1に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
<8> <1>〜<6>のいずれか1に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<1>、<5>、又は<6>に係る発明によれば、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚が25μm超えの場合に比べ、無機保護層の打痕の発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<2>又は<3>に係る発明によれば、単層型感光層がシリカ粒子を含まない場合に比べ、無機保護層の打痕の発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記比A/Bが0.12未満の場合に比べ、無機保護層の打痕の発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<7>又は<8>に係る発明によれば、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚が25μm超えの場合に比べ、無機保護層の打痕の発生が抑制される電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の無機保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態の電子写真感光体の無機保護層の形成に用いるプラズマ発生装置の例を示す概略模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書において、「電子写真感光体」は単に「感光体」と称することがある。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型感光層と、単層型感光層上に設けられた無機保護層と、を有し、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚が10μm以上25μm以下である電子写真感光体である。
ここで、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層とは、単層型感光層の他、導電性基体及び無機保護層との間に、下引層、中間層などの任意の層が設けられている場合には、その任意の層をも含む。
また、単層型感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送能及び電子輸送能を有する、単一の層からなる感光層である。
ここで、従来、有機感光層上に、無機保護層を形成する技術が知られている。
有機感光層は柔軟性を有し、変形し易い傾向がある一方で、無機保護層は硬質ではあるが靭性に劣る傾向がある。そのため、無機保護層に打痕が発生することがある。
例えば、現像工程において、現像手段からキャリアが飛散し、飛散したキャリアが電子写真感光体に付着した場合、電子写真感光体に付着したままキャリアが転写位置に到達する。そして、転写位置では、キャリアが電子写真感光体と転写手段と間に挟まった状態で、押圧力を受ける。このため、例えば、電子写真感光体と転写手段との間でキャリアが無機保護層に押し付けられ、無機保護層には打痕(凹み)が生じる。
そこで、本発明者らは、無機保護層の打痕の発生を抑制することについて検討を行い、以下の構成の電子写真感光体を見出した。
即ち、導電性基体上に、単層型感光層及び無機保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚が10μm以上25μm以下である電子写真感光体である。
導電性基体及び無機保護層は、材質に由来して比較的硬度が高く(例えば、膜弾性率にて30GPa以上)、それに対して導電性基体及び無機保護層の間に介在する層は、単層型感光層を含め、有機化合物を含むために硬度が低い。
本実施形態に係る電子写真感光体では、硬度が高い導電性基体及び無機保護層に挟まれた硬度の低い層の膜厚を小さくすることで、無機保護層にキャリア等により局所的に応力が掛かった場合であっても、導電性基体の硬度にて応力を受け止め易くなり、無機保護層の打痕の発生を抑制しうるものと考えられる。
つまり、導電性基体上に設けられている層のうち、無機保護層の打痕の発生に影響を及ぼしている、単層型感光層等の硬度の低い層の割合を少なくすることで、無機保護層の打痕の発生を抑制し得る。
以上から、本実施形態に係る電子写真感光体では、上記構成により、打痕の発生が抑制されると推測される。
本実施形態に係る電子写真感光体において、単層型感光層が、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びシリカ粒子を含むことが好ましい。
シリカ粒子は、単層型感光層において補強材として機能し、単層型感光層の膜弾性率を向上させうる。そして、下層である単層型感光層の硬度が高まることから、無機保護層における打痕の発生を効果的に抑制させうる。
ここで、単層型感光層に対するシリカ粒子の含有量は、40質量%以上70質量%以下が好ましく、45質量%以上70質量%以下がより好ましく、50質量%以上65質量%以下が更に好ましい。
また、本実施形態に係る電子写真感光体において、無機保護層における打痕の発生を効果的に抑制する点から、無機保護層の膜厚Aは厚く、無機保護層の間に介在する層の総膜厚Bは薄いことが望ましく、無機保護層の膜厚Aと、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚Bとの比(A/B)が、0.12以上であることが好ましく、0.16以上であることがより好ましく、0.2以上であることが更に好ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体において、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚B中に占める単層型感光層の膜厚の割合は、50%〜100%が好ましく、90%〜100%が更に好ましい。
ここで、導電性基体上に設けられた各層の膜厚の測定方法について説明する。
電子写真感光体の断面を切り出し、その断面を光学顕微鏡(キーエンス社製、型番:VHX100)にて撮影し、得られた断面画像から測定する。
断面画像から測定対象について任意の5点の膜厚を測定し、その平均値を求め、これを膜厚とする。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図1及び図2は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。
図1に示す感光体7Aは、導電性基体1上に、単層型感光層3及び無機保護層4がこの順で設けられている。
また、図2に示す感光体7Bは、導電性基体1上に、下引層2、単層型感光層3、及び無機保護層4がこの順で設けられている。
なお、図1における導電性基体1と単層型感光層3との間又は図2における導電性基体1と下引層2との間には、任意の層として、中間層が設けられていてもよい。
そして、本実施形態では、図1に示す感光体7Aの場合、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚、即ち、単層型感光層3の膜厚が10μm以上25μm以下である。
また、図2に示す感光体7Bの場合、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚、即ち、下引層2と単層型感光層3との総膜厚が10μm以上25μm以下である。
以下、電子写真感光体を構成する各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する場合がある。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これを更にアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(単層型感光層)
単層型感光層は、単一の層で、電荷発生能と共に、正孔輸送能及び電子輸送能を有する層であればよく、好ましくは、例えば、結着樹脂、電荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料を含む感光層であり、より好ましくは、結着樹脂、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及びシリカ粒子を含む感光層である。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上混合して用いてもよい。
これら結着樹脂の中でも、単層型感光層の機械的強度等の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。
また、単層型感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂、及び粘度平均分子量30000以上80000以下のポリアリレート樹脂の少なくとも1種を用いることがよい。
なお、粘度平均分子量は、下記の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cmに溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、比粘度ηspを測定する。そして、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕cの関係式(但しcは濃度(g/cm))から極限粘度〔η〕(cm/g)を求め、H.Schnellによって与えられている関係式〔η〕=1.23×10−4Mv0.83から粘度平均分子量Mvを求める。
単層型感光層におけるシリカ粒子を除く全固形分に対する結着樹脂の含有量は、例えば、35質量%以上60質量%以下、望ましくは40質量%以上55質量%以下である。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、例えば、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることがよい。具体的には、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン;クロロガリウムフタロシアニン;ジクロロスズフタロシアニン;チタニルフタロシアニンが挙げられる。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;ビスアゾ顔料等を用いることがよい。
すなわち、電荷発生材料としては、例えば380nm以上500nm以下の露光波長の光源を用いる場合には無機顔料を用いることがよく、700nm以上800nm以下の露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料を用いことがよい。
中でも、電荷発生材料としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種を用いることが望ましい。これらの電荷発生材料としては、単独又は2種以上混合して用いてもよい。感光体の高感度化の点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
なお、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料を併用する場合には、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とクロロガリウムフタロシアニン顔料との比率は、質量比で、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:クロロガリウムフタロシアニン顔料=9:1乃至3:7(好ましくは9:1乃至6:4)であることがよい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積は45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが更に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径であり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所LA−700)にて測定した値である。BET比表面積は、流動式比表面積自動測定装置(島津製作所フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒径の最大値)は、1.2μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下であり、且つ、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、単層型感光層の感度の点から、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に回折ピークを有する化合物が好ましい。クロロガリウムフタロシアニン顔料の最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及びBET比表面積の好ましい範囲は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
電荷発生材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
単層型感光層におけるシリカ粒子を除く全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、画像形成初期の濃度ムラ抑制の観点から、0.8質量%以上5質量%以下が好ましく、0.8質量%以上4質量%以下がより好ましく、0.8質量%以上3質量%以下が更に好ましい。
−正孔輸送材料−
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送材料の具体例としては、例えば、下記一般式(HT1)で示される化合物及び下記一般式(HT2)で示される化合物が挙げられる。更に、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、電荷移動度の観点から、下記一般式(1)で表される化合物が適用されることが好ましい。
一般式(HT1)中、RH1は、水素原子又はメチル基を示す。n11は1又は2を示す。ArH1及びArH2は各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RH3)=C(RH4)(RH5)、又は−C−CH=CH−CH=C(RH6)(RH7)を示し、RH3乃至RH7はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
一般式(H2)中、RH81及びRH82は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RH91、RH92、RH101、及びRH102は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RH11)=C(RH12)(RH13)、又は−CH=CH−CH=C(RH14)(RH15)を示し、RH11乃至RH15は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。m12、m13、n12及びn13は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
ここで、一般式(HT1)で示される化合物及び一般式(HT2)で示される化合物のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RH6)(RH7)」を有する一般式(HT1)で示される化合物、及び「−CH=CH−CH=C(RH14)(RH15)」を有する一般式(HT2)で示される化合物が好ましい。
以下、一般式(HT1)で示される化合物及び一般式(HT2)で示される化合物の具体例として、下記構造式(HT−A)〜(HT−G)を挙げるが、正孔輸送材料は、これらに限られるものではない。
次に、一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。m及びnは、各々独立に、0又は1を示す。
一般式(1)中、R〜Rが示す低級アルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
これらの中でも、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(1)中、R〜Rが示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R〜Rが示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)中、R〜Rが示すフェニル基としては、例えば、未置換のフェニル基;p−トリル基、2,4−ジメチルフェニル基等の低級アルキル基置換のフェニル基;p−メトキシフェニル基等の低級アルコキシ基置換のフェニル基;p−クロロフェニル基等のハロゲン原子置換のフェニル基等が挙げられる。
なお、フェニル基に置換し得る置換基としては、例えば、R〜Rが示す低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の中でも、高感度化の点から、m及びnが1を示す正孔輸送材料が好ましく、R〜Rが各々独立に、水素原子、炭素数1以上4以下の低級アルキル基、又はアルコキシ基を示し、m及びnが1を示す正孔輸送材料がより好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の例示として化合物(1−1)〜(1−64)を挙げるが、これに限定されるわけではない。置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示す。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・4−Me:フェニル基の4−位に置換するメチル基
・3−Me:フェニル基の3−位に置換するメチル基
・4−Cl:フェニル基の4−位に置換する塩素原子
・4−MeO:フェニル基の4−位に置換するメトキシ基
・4−F:フェニル基の4−位に置換するフッ素原子
・4−Pr:フェニル基の4−位に置換するプロピル基
・4−PhO:フェニル基の4−位に置換するフェノキシ基
<電子輸送材料>
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル等のフルオレノン系化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン系化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル−ジナフトキノン等のジナフトキノン系化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン系化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送材料としては、高感度の点から、下記の一般式(2)で表される化合物が好ましい。
一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を表す。
一般式(2)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。これらの中でも、R11〜R17が示すアリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示す−L19−O−R20で示される基は、L19がアルキレン基を示し、R20は、アルキル基を示す。
19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
20が示すアルキル基としては、上記R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
なお、R18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアラルキル基としては、−L21−Arで示される基が挙げられる。但し、L21は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
21が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(2)の電子輸送材料としては、高感度化の点から、R18が炭素数5以上10以下のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましく、特に、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数5以上10以下のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。
以下、一般式(2)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(2−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(2−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・Ph:フェニル基
電子輸送材料の具体例としては、一般式(2)で表される電子輸送材料の他に、その他の電子輸送材料として、例えば、下記構造式(ET−A)〜(ET−E)で示される化合物も挙げられる。
一般式(2)の電子輸送材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、一般式(2)で表される電子輸送材料を用いる場合、一般式(2)で表される電子輸送材料と、一般式(2)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料(例えば、上記の構造式(ET−A)〜(ET−E)で示される化合物の電子輸送材料)とを併用してもよい。
なお、一般式(2)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料を含有させる場合の含有量としては、電子輸送材料全体に対し、10質量%以下の範囲であることが好ましい。
単層型感光層におけるシリカ粒子を除く全固形分に対する全電子輸送材料の含有量は、4質量%以上30質量%以下がよく、好ましくは6質量%以上20質量%以下である。
−正孔輸送材料と電子輸送材料との質量比−
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が好ましく、60/40以上80/20以下がより好ましい。
−シリカ粒子−
シリカ粒子としては、例えば、乾式シリカ粒子、湿式シリカ粒子が挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカが挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、残留電位の発生、その他電気特性の低下による画像欠陥の抑制(細線再現性の低下の抑制)の観点から、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子を用いることがよい。
シリカ粒子の体積平均粒径は、例えば、20nm以上200nm以下であることがよい。シリカ粒子の体積平均粒径の下限は、40nm以上であってもよく、50nm以上あってもよい。シリカ粒子の体積平均粒径の下限は、150nm以下であってもよく、120nm以下であってもよく、110nm以下であってもよい。
シリカ粒子の体積平均粒径は、層中からシリカ粒子を分離し、このシリカ粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これをシリカ粒子の体積平均粒径として測定する。
シリカ粒子は、その表面が疎水化処理剤で表面処理されていることがよい。これにより、シリカ粒子の表面のシラノール基が低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、残留電位の発生を抑制し易くする観点から、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が好ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
疎水化処理されたシリカ粒子の縮合率(シリカ粒子中のSiO−の結合におけるSi−O−Siの率:以下「疎水化処理剤の縮合率」とも称する)は、例えば、シリカ粒子の表面のシラノール基に対して90%以上がよく、91%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基がより低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
疎水化処理剤の縮合率は、NMRで検出した縮合部のケイ素の全結合可能サイトに対して、縮合したケイ素の割合を示しており、次のようにして測定する。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)(0−Si)−)、3置換(Si(OH)(0−Si)−)、4置換(Si(0−Si)−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
シリカ粒子の体積抵抗率は、例えば、1011Ωcm以上がよく、1012Ωcm以上が好ましく、1013Ωcm以上がより好ましい。
シリカ粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、電気特性の低下が抑制される。
シリカ粒子の体積抵抗率は、次のようにして測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。そして、20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離したシリカ粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、シリカ粒子層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せシリカ粒子層を挟み込む。シリカ粒子間の空隙をなくすため、シリカ粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからシリカ粒子層の厚み(cm)を測定する。シリカ粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、シリカ粒子の体積抵抗率(Ωcm)を計算する。シリカ粒子の体積抵抗率(Ωcm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρはシリカ粒子の体積抵抗率(Ωcm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはシリカ粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I)/L
単層型感光層に含まれるシリカ粒子は、1種であってもよく、2種以上を混合してモノであってもよい。
単層型感光層の全固形分に対するシリカ粒子の含有量は、前述した通りである。
−その他添加剤−
単層型感光層は、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
−単層型感光層の膜弾性率−
単層型感光層の膜弾性率は、無機保護層における打痕の発生を抑制する点から、5GPa以上であることが好ましく、8GPa以上であることがより好ましい。
なお、単層型感光層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子の粒径及び含有量を調整する方法、シリカ粒子以外の各成分の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
単層型感光層の膜弾性率の測定方法については、後述する。
−単層型感光層の膜厚−
単層型感光層の厚さは、好ましくは10μm以上25μm以下、より好ましくは15μm以上25μm以下、更に好ましくは20μm以上25μm以下の範囲に設定される。
−単層型感光層の形成−
単層型感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えばシリカ粒子及び電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
(無機保護層)
無機保護層は、無機材料を含む層であればよく、機械的強度の点から、金属酸化物層からなることが好ましい。
ここで、金属酸化物層とは、金属酸化物の層状物(例えば、金属酸化物のCVD膜、金属酸化物の蒸着膜、金属酸化物のスパッタ膜等)を指し、金属酸化物粒子の凝集体又は集合体は除かれる。
−無機保護層の組成−
金属酸化物層からなる無機保護層としては、機械的強度、透光性、及び導電性に優れることから、第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物からなる金属酸化物層が好ましい。
第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
これらの中でも、第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物としては、機械的強度、透光性に優れ、特にn型導電性を有し、その導電制御性に優れるという観点から、特に酸化ガリウムが好ましい。
つまり、無機保護層は、酸化ガリウムを含む金属酸化物層からなる無機保護層であることが好ましい。
金属酸化物層からなる無機保護層は、例えば、第13族元素(好ましくはガリウム)及び酸素を含んで構成されていればよく、必要に応じて、水素及び炭素を含んで構成されていてもよい。
金属酸化物層からなる無機保護層は、水素を含むことで、第13族元素(好ましくはガリウム)及び酸素を含んで構成された、金属酸化物層からなる無機保護層の諸物性が容易に制御され易くなる。例えば、ガリウム、酸素、及び水素を含む、金属酸化物層からなる無機保護層(例えば、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層)において、組成比[O]/[Ga]を1.0から1.5と変化させることで、10Ω・cm以上1014Ω・cmの範囲で体積抵抗率の制御が実現され易くなる。
特に、金属酸化物層からなる無機保護層は、第13族元素、酸素、及び水素を含有し、無機保護層を構成する全元素に対する、第13族元素、酸素、及び水素の元素構成比率の和が90原子%以上であることが好ましい。
また、酸素及び第13族元素の元素組成比(酸素/第13族元素)を変えることで、膜弾性率の制御が容易に行われる。酸素及び第13族元素の元素組成比(酸素/第13族元素)において、酸素組成比が高いほど、膜弾性率は高くなる傾向にあり、例えば、1.0以上1.5未満であることが好ましく、1.03以上1.47以下がより好ましく、1.05以上1.45以下が更に好ましく、1.10以上1.40以下が特に好ましい。
金属酸化物層からなる無機保護層を構成する材料の元素組成比(酸素/第13族元素)が、上記範囲であると、感光体の表面における傷に起因する画像欠陥が抑制され、また感光体表面に供給された脂肪酸金属塩との親和性が向上し脂肪酸金属塩による装置内の汚染が抑制される。同様の点で、第13族元素はガリウムであることが好ましい。
また、金属酸化物層からなる無機保護層を構成する全元素に対する、第13族元素(特にガリウム)、酸素、及び水素の元素構成比率の和は、90原子%以上であることで、例えば、N,P,Asなどの第15族元素などが混入した場合、これらが第13族元素(特にガリウム)と結合する影響などが抑制され、無機保護層の硬度や電気特性を向上させ得る酸素及び第13族元素(特にガリウム)組成比(酸素/第13族元素(特にガリウム))の適正範囲を見出しやすくなる。上記元素構成比率の和は、上記の観点で、95原子%以上が好ましく、96原子%以上がより好ましく、97原子%以上が更に好ましい。
金属酸化物層からなる無機保護層には、上記した第13族元素、酸素、水素及び炭素の他、導電型の制御のために、他の元素を含んでいてもよい。
金属酸化物層からなる無機保護層は、導電型の制御のために、n型の場合、C、Si、Ge、Snから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよく、p型の場合、N、Be、Mg、Ca、Srから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。
ここで、金属酸化物層からなる無機保護層が、ガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成された場合、機械的強度、透光性、柔軟性に優れ、その導電制御性に優れるという観点から、好適な元素構成比率は以下の通りである。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることが好ましく、20原子%以上40原子%以下であることがより好ましく、20原子%以上30原子%以下であることが更に好ましい。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることが好ましく、40原子%以上60原子%以下であることがより好ましく、45原子%以上55原子%以下であることが更に好ましい。
水素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることが好ましく、15原子%以上35原子%以下であることがより好ましく、20原子%以上30原子%以下であることが更に好ましい。
ここで、無機保護層における各元素の確認、元素構成比率、原子数比等は、厚み方向の分布も含めてラザフォードバックスキャタリング(以下、「RBS」と称する)により求められる
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは約109°とする。
RBS測定は、具体的には以下のように行う
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、水素の元素構成比率は、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(以下、「HFS」と称する)により求められる。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
HFS測定は、He++イオンビームに対して検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。この時検出器をアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによって行う。参照用試料としてSi中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
なお、金属酸化物層からなる金属酸化物層からなる無機保護層は、目的に応じて、厚み方向に組成比に分布を有していてもよいし、多層構成からなるものであってもよい。
−無機保護層の物性−
金属酸化物層からなる無機保護層の外周面(すなわち、電子写真感光体7A又は7Bの表面)における表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、例えば、5nm以下が挙げられ、好ましくは4.5nm以下、より好ましくは4nm以下である。
この表面粗さRaを上記範囲とすることで、帯電ムラが抑制される。
なお、表面粗さRaを上記範囲とするには、例えば、電荷輸送層における無機保護層側の表面の表面粗さRaを前述の範囲とする等の方法が挙げられる
また、無機保護層の外周面における表面粗さRaの測定は、無機保護層の外周面について直接測定すること以外は、前述の電荷輸送層における無機保護層側の表面の表面粗さRaの測定方法と同様である。
金属酸化物層からなる無機保護層の体積抵抗率は、5.0×10Ωcm以上1.0×1012Ωcm未満が好ましい。無機保護層の体積抵抗率は、像流れの発生をより抑制し易くし、感光体の表面における傷に起因する画像欠陥をより抑制し易くする点で、8.0×10Ωcm以上7.0×1011Ωcm以下がより好ましく、1.0×10Ωcm以上5.0×1011Ωcm以下が更に好ましく、5.0×10Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下が特に好ましい。
この体積抵抗率は、nF社製LCRメーターZM2371を用いて、周波数1kHz、電圧1Vの条件にて測定した抵抗値から、電極面積、試料厚みに基づき算出して求められる。
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件でアルミ基体上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
金属酸化物層からなる無機保護層は、微結晶膜、多結晶膜、非晶質膜などの非単結晶膜であることが好ましい。これらの中でも、非晶質は表面の平滑性で特に好ましいが、微結晶膜は硬度の点でより好ましい。
無機保護層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは、平坦性の高い構造が好ましく、非晶質が好ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
金属酸化物層からなる無機保護層の膜弾性率は、30GPa以上80GPa以下であることがより好ましく、40GPa以上65GPa以下であることが更に好ましい。
この弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(傷)の発生、剥れ及び割れが抑制され易くなる。
金属酸化物層からなる無機保護層の膜弾性率の測定方法は、後述する。
無機保護層の膜厚は、例えば、1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以上10μm以下がより好ましい。
この膜厚を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(傷)の発生、剥れ及び割れが抑制され易くなる。
−無機保護層の形成−
保護層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
以下、無機保護層の形成について、成膜装置の一例を図面に示しつつ具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明は、ガリウム、酸素、及び水素を含んで構成された無機保護層の形成方法について示すが、これに限られず、目的とする無機保護層の組成に応じて、周知の形成方法を適用すればよい。
図3は、本実施形態に係る電子写真感光体の無機保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図3(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図3(B)は、図3(A)に示す成膜装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図3中、210は成膜室、211は排気口、212は基体回転部、213は基体支持部材、214は基体、215はガス導入管、216はガス導入管215から導入したガスを噴射する開口を有するシャワーノズル、217はプラズマ拡散部、218は高周波電力供給部、219は平板電極、220はガス導入管、221は高周波放電管部である。
図3に示す成膜装置において、成膜室210の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口211が設けられており、成膜室210の排気口211が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部218、平板電極219及び高周波放電管部221からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図3に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図4に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図4は、図3に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。図4中、222が高周波コイル、223が石英管を表し、220は、図3中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管223と、石英管223の外周面沿って設けられた高周波コイル222とからなり、石英管223の一方の端は成膜室210(図4中、不図示)と接続されている。また、石英管223のもう一方の端には、石英管223内にガスを導入するためのガス導入管220が接続されている。
図3において、平板電極219の放電面側には、放電面に沿って延びる棒状のシャワーノズル216が接続されており、シャワーノズル216の一端は、ガス導入管215と接続されており、このガス導入管215は成膜室210外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、単層型感光層が形成された感光体製造用の積層体が用いられる。
無機保護層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管215、活性化手段である平板電極219の下流側に位置するシャワーノズル216を介して成膜室210に導入することによって、基体214表面にガリウムと酸素と水素とを含む非単結晶膜を成膜する。
基体214としては、単層型感光層が形成された感光体製造用の積層体を用いる。
無機保護層の成膜時の基体214表面の温度は、単層型感光層を有するため、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、30℃以上100℃以下が更に好ましい。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には単層型感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが好ましい。
基体214表面の温度は加熱手段及び冷却手段の少なくとも一方(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
また、トリメチルガリウムガスの代わりにアルミニウムを含む有機金属化合物やジボラン等の水素化物を用いることもでき、これらを2種類以上混合してもよい。
例えば、無機保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、単層型感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による単層型感光層へのダメージが抑制される。
また、成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH,SnHを、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を表面層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機保護層を得る。
図3及び図4を用いて説明した成膜装置では、放電エネルギーにより形成される活性窒素又は活性水素を、活性装置を複数設けて独立に制御してもよいし、NHなど、窒素原子と水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。更にHを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いてもよい。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機保護層)が形成される。
図3及び図4に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いてもよいし、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
更に、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が好ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが好ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図3に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、例えば、ガス導入管215を介して、シャワーノズル216に高周波電圧を印加して、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる。又は、シャワーノズル216を電極として利用する代わりに、成膜室210内の基体214と平板電極219との間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、成膜室210内に放電を起こさせる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが好ましい。
無機保護層の形成は、例えば、成膜室210に、電荷輸送層まで積層された感光体製造用の積層体である基体214を設置し、各々組成の異なる混合ガスを導入して、無機保護層を形成する。
また、成膜条件としては、例えば高周波放電により放電する場合、低温で良質な成膜を行うには、周波数として10kHz以上50MHz以下の範囲とすることが好ましい。また、出力は基体214の大きさに依存するが、基体の表面積に対して0.01W/cm以上0.2W/cm以下の範囲とすることが好ましい。基体214の回転速度は0.1rpm以上500rpm以下の範囲が好ましい。
(下引層)
下引層は、導電性基体と単層型感光層との間に設けられる層である。
下引層としては、特に限定されず、例えば、結着樹脂と電荷輸送材料(例えば上述した正孔輸送材料等)とを含む層、結着樹脂と無機粒子(例えば金属酸化物粒子)とを含む層、結着樹脂と樹脂粒子を含む層、硬化膜(架橋膜)で形成された層、硬化膜に種々の粒子を含む層等が挙げられる。
下引層に含まれる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物が挙げられる。
また、下引層に含まれる無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。この抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
下引層の形成は、例えば、下引層形成用塗布液を用い、浸漬塗布法にて導電性基体上に塗布し、乾燥させることで行うことが好ましい。
下引層の膜弾性率としては、5GPa以上であることが好ましく、10GPa以上がより好ましい。
また、下引層の膜厚としては、例えば、0.1μm以上20μm以下の範囲が挙げられる。
ここで、単層型感光層、無機保護層、及び下引層の膜弾性率の測定方法について説明する。
各層の膜弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許第4848141号)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ100nmから300nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる単層型感光層、無機保護層、及び下引層の成膜時の同条件で基体上に成膜した試料であってもよい。
また、測定試料は、作製後の電子写真感光体から単層型感光層、無機保護層、及び下引層を取り出した試料であってもよい。
なお、作製後の電子写真感光体から単層型感光層、無機保護層、及び下引層の膜弾性率を測定する場合、以下のようにして行う。
まず、作製後の感光体を2cm角に切り出す。無機保護層の膜弾性率を測定し、その後、無機保護層をサンドペーパー等によって削る。そして、露出した単層型感光層の膜弾性率を測定し、測定後、単層型感光層(必要に応じて中間層も)をサンドペーパー等により削る。続いて、露出した下引層の膜弾性率を測定する。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図5に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。なお、画像形成装置100において、制御装置60(制御手段の一例)は、画像形成装置100内の各装置及び各部材の動作を制御する装置であり、各装置及び各部材と接続されて配置されている。
図5におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図5には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
−制御装置−
制御装置60は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御装置60は、例えば、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶する不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を備えている。CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/Oの各々は、バスを介して接続されている。そして、I/Oには、電子写真感光体7(駆動モータ30を含む)、帯電装置8、露光装置9、現像装置11、転写装置40等の画像形成装置100の各部が接続されている。
なお、CPUは、例えば、ROMや不揮発性メモリに記憶されているプログラム(例えば、画像形成シーケンスや回復シーケンス等)の制御プログラム)実行し、画像形成装置100の各部の動作を制御する。RAMは、ワークメモリとして使用される。ROMや不揮発性メモリには、例えば、CPUが実行するプログラムやCPUの処理に必要なデータ等が記憶されている。なお、制御プログラムや各種データは、記憶部等の他の記憶装置に記憶されていてもよいし、通信部を介して外部から取得されてもよい。
また、制御装置60には、各種ドライブが接続されていてもよい。各種ドライブとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータ読み取り可能な可搬性の記録媒体からデータを読み込んだり、記録媒体に対してデータを書き込んだりする装置が挙げられる。各種ドライブを備える場合には、可搬性の記録媒体に制御プログラムを記録しておいて、これを対応するドライブで読み込んで実行してもよい。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図6に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体7の周囲であって、転写装置40よりも電子写真感光体7の回転方向下流側でクリーニング装置13よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置13よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置8よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体7の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、周知の構成、例えば、電子写真感光体7に形成したトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例において「部」は質量部を意味する。
[シリカ粒子の準備]
−シリカ粒子(1)−
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50(アエロジル社製)」100質量部に、疎水化処理剤として1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(東京化成工業社製)30質量部を添加し、24時間反応させ、その後、濾取し疎水化処理されたシリカ粒子(1)を得た。
このシリカ粒子(1)の縮合率は93%であり、表面にトリメチルシリル基を有していた。また、このシリカ粒子(1)の体積平均粒径は40nmであった。
<実施例1>
−単層型感光層の形成−
電荷発生材料としてCuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:2質量部(単層型感光層に対して2質量%となる量)と、一般式(2)で表される電子輸送材料の例示化合物(2−2):8質量部と、構造式(HT−D)で表される正孔輸送材料:14質量部と、一般式(1)で表される正孔輸送材料の例示化合物(1−1):22質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4.5万):54質量部と、シリカ粒子(1):100質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン400質量部と、を混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散処理を行い、感光層形成用塗布液を得た。
アルミニウム製基体(直径30mm、長さ244.5mm、肉厚0.7mmの管状)を用意した。このアルミニウム製基体を、pH8.1の水を入れた水槽に浸してアルミニウム製基体の洗浄を行った。水槽から出したアルミニウム製基体を乾燥させた後、感光層形成用塗布液をアルミニウム製基体に浸漬塗布し、125℃で24分間の乾燥を行い、膜厚25μmの単層型感光層を形成した。
以上の工程を経て、アルミニウム基体上に、単層型感光層のみが形成された有機感光体(1)を得た。
−無機保護層の形成−
次に、有機感光体(1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層を形成した。この無機保護層の形成は、図3に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、有機感光体(1)を成膜装置の成膜室210内の基体支持部材213に載せ、排気口211を介して成膜室210内を圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量1.6sccm)と水素ガス(流量50sccm)とを、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図5中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量1.9sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、有機感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら25時間成膜し、有機感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚5μmの無機保護層を形成した。
無機保護層の外周面における表面粗さRaは、1.9nmであった。
無機保護層における、酸素とガリウムとの元素組成比(酸素/ガリウム)は1.25であった。
以上の工程を経て、導電性基体上に単層型感光層及び無機保護層が順次形成された、実施例1の電子写真感光体を得た。
<実施例2>
成膜装置での成膜時間を20時間に変更して膜厚4μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を得た。
<実施例3>
成膜装置での成膜時間を15時間に変更して膜厚3μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体を得た。
<実施例4>
成膜装置での成膜時間を5時間に変更して膜厚1μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を得た。
<実施例5>
実施例1における単層型感光層の形成にて、単層型感光層の膜厚を10μmにして有機感光体(2)を得た。
続いて、有機感光体(2)を用い、成膜装置での成膜時間を15時間に変更して膜厚3μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体を得た。
<実施例6>
実施例1における単層型感光層の形成において、シリカ粒子(1)を含まず、且つ、テトラヒドロフラン250質量部に変更して得られた感光層形成用塗布溶液を用い、更に、膜厚10μmの単層型感光層を形成し、有機感光体(3)を得た。
続いて、有機感光体(3)を用い、成膜装置での成膜時間を15時間に変更して膜厚3μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体を得た。
<実施例7>
−下引層の形成−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
得られた表面処理を施した酸化亜鉛(シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛)110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、更に60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部と、メチルエチルケトン85質量部と、を混合した混合液を得た。この混合液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部と、を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウム基体上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、膜厚15μmの下引層を形成した。
−単層型感光層及び無機保護層の形成−
得られた下引層上に、膜厚を10μmにした以外は、実施例1と同様にして、単層型感光層を形成し、有機感光体(4)を得た。
続いて、有機感光体(4)を用い、成膜装置での成膜時間を20時間に変更して膜厚4μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の電子写真感光体を得た。
<比較例1>
実施例1における単層型感光層の形成にて、単層型感光層の膜厚を28μmにして有機感光体(5)を得た。
続いて、有機感光体(5)を用い、成膜装置での成膜時間を15時間に変更して膜厚3μmの無機保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を得た。
(測定及び評価)
−膜弾性率及び膜厚の測定−
各例で得られた電子写真感光体における、下引層、単層型感光層、及び無機保護層の膜弾性率について既述の方法で測定した。
また、各例で得られた電子写真感光体における、下引層、単層型感光層、及び無機保護層の膜厚についても既述の方法で測定し、導電性基体及び無機保護層の間に介在する層の総膜厚を算出した。結果を表1に示す。
−打痕の評価−
各例で得られた電子写真感光体を、画像形成装置(富士ゼロックス社製 DocuCentre−V C7775)に組み込み、以下の評価を行った。
温度20℃湿度40%RHの環境下で、画像濃度30%の全面ハーフトーン画像をA4用紙に連続10000枚出力した後、電子写真感光体の表面(すなわち、無機保護層の表面)を光学顕微鏡(キーエンス社製、型番:VHX−100)により、倍率450倍で10視野測定し、打痕(凹み)の数を数え、単位面積(1mm×1mm)あたりの打痕の数(以下「打痕数」ともいう)を算出した。
評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
−評価基準−
A:打痕数が5個以下
B:打痕数が5個を超え10個以下
C:打痕数が10個を超え15個以下
D:打痕数が15個を超え20個以下
E:打痕数が20個を超える
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、打痕の発生が抑制されていることが分かる。
1 導電性基体、2 下引層、3 単層型感光層、4 無機保護層、7A,7B,7 電子写真感光体(感光体)、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、30 駆動モータ、40 転写装置、50 中間転写体、60 制御装置、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ、210 成膜室、211 排気口、212 基体回転部、213 基体支持部材、214 基体、215、220 ガス導入管、216 シャワーノズル、217 プラズマ拡散部、218 高周波電力供給部、219 平板電極、221 高周波放電管部、222 高周波コイル、223 石英管

Claims (8)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた単層型感光層と
    前記単層型感光層上に設けられた無機保護層と、
    を有し、
    前記導電性基体及び前記無機保護層の間に介在する層の総膜厚が10μm以上25μm以下である電子写真感光体。
  2. 前記単層型感光層が、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びシリカ粒子を含む請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記単層型感光層に対する前記シリカ粒子の含有量が40質量%以上70質量%以下である請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記無機保護層の膜厚Aと、前記導電性基体及び前記無機保護層の間に介在する層の総膜厚Bとの比(A/B)が、0.12以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記無機保護層が、第13族元素及び酸素を含む金属酸化物層からなる無機保護層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記金属酸化物層が、酸化ガリウムを含む金属酸化物層である請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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