JP2019061155A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
導電性支持体と、
前記導電性支持体上に設けられ、無機粒子が表面処理された表面処理粒子であって相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%以下である表面処理粒子を含有する粒子含有層の単層体、又は前記粒子含有層を少なくとも含む積層体で構成された感光層と、
有する電子写真感光体。
前記表面処理粒子は、相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.1質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
前記表面処理粒子は、前記粒子含有層の固形分に対する含有率が30質量%以上80質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
前記無機粒子は、シリカ粒子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
前記粒子含有層は、無機粒子がシラン化合物により表面処理された粒子である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
前記粒子含有層は、さらに電荷輸送性材料を含有する電荷輸送層である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
前記粒子含有層は、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂、及びポリアリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
さらに前記感光層上に設けられた無機表面層を有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項2に係る発明によれば、表面処理粒子の相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.1質量%超えである場合に比べ、電荷漏れの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ、無機粒子として相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%超えである表面処理粒子のみを含有する粒子含有層の単層体、又は前記粒子含有層を少なくとも含む積層体で構成された感光層と、有する電子写真感光体に比べ、粒子含有層での表面処理粒子の含有率が30質量%以上であっても、電荷漏れの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下単に「感光体」とも称す)は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられた感光層と、有する。
そして、感光層は、無機粒子が表面処理された表面処理粒子であって相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%以下である表面処理粒子を含有する粒子含有層の単層体、又は粒子含有層を少なくとも含む積層体で構成された感光層である。
しかし、この感光体の表面を帯電し、かつ露光によって静電潜像を形成する際、帯電により発生した電荷が想定した位置よりもずれた位置に輸送される、いわゆる電荷漏れ(電荷リーク)が生じることがあり、想定した静電潜像が形成されないことがあった。そして、その結果形成される画像において黒点等の画像欠陥が生じることがあった。
その理由は、以下のように推察される。
しかし、本実施形態では、感光層中の少なくとも1層を構成する粒子含有層に、無機粒子が表面処理された表面処理粒子であって相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%以下である表面処理粒子を含有する。つまり、水分を吸湿し難い無機粒子が含まれており、これにより無機粒子における吸湿自体が抑制され、無機粒子の抵抗低下に伴う電荷漏れ(電荷リーク)の発生が抑制される。そして、形成される画像における黒点等の画像欠陥の発生が抑制される。
感光層中の少なくとも1層を構成する粒子含有層に含有される無機粒子は、表面処理された表面処理粒子であり、その相対湿度90%の環境下での水分吸着率は、0.15質量%以下である。水分吸着率は0.1質量%以下がより好ましく、0質量%に近いほど好ましい。
感光層は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の感光層に含有して機能を一体化した単層型感光層でもよく、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能が分離された積層型感光層でもよい。感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層と電荷輸送層との順序は特に限定されないが、感光体は、導電性基体上に、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する構成が好ましく、さらに最表面層として無機表面層を有する構成がより好ましい。また、感光体は、これらの層以外の層を含んでいてもよい。
ただし、感光層において最外表面を構成する層であることが好ましく、具体的には単層型感光層、又は積層型感光層において最外表面を構成する電荷輸送層であることがより好ましい。
また、図2は、本実施形態に係る画像形成装置における感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。図2に示す感光体107Bは、導電性基体104上に、下引層101が設けられ、感光層105及び無機表面層106が順次形成された構造を有する。感光体107Bにおいては、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の感光層105に含有して機能を一体化した単層型感光層が構成されている。そして、図2に示す感光体107Bでは、単層型の感光層105が粒子含有層である。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
また、同様の点で、ポリカーボネート樹脂の中でも、ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂を含むことがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送材料及び結着樹脂のほかに、無機粒子が表面処理された表面処理粒子を含む。なお、この表面処理粒子として、少なくとも相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%以下である表面処理粒子を含む。
電荷輸送層(粒子含有層)が表面処理粒子を含むことで、無機表面層の割れが抑制される。具体的には、有機感光層の表面を構成する層に無機粒子を含有させることにより、無機粒子が有機感光層の補強材としての機能を果すことで、有機感光層が変形し難くなり、無機表面層の割れが抑制されると考えられる。また、電荷輸送層(すなわち有機感光層)が無機粒子を含むことで、電界強度が高くなっても電荷輸送層(すなわち有機感光層)の絶縁破壊が起こりにくくなる。
無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、誘電損率が高く、感光体の電気特性を低減させ難い点、また、無機表面層の割れの発生を抑制する観点から、シリカ粒子が特に好ましい。
以下、電荷輸送層に好適なシリカ粒子について詳細に説明する。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカ等が挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子等)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子等)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン等)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、残留電位の発生、その他電気特性の悪化による画像欠陥の抑制(細線再現性の悪化の抑制)の観点から、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子が望ましい。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、残留電位の発生を抑制し易くする観点及び感光体表面の帯電ムラに起因する画像濃度ムラを抑制する観点から、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が望ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物(トリメチルシラン化合物)としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物(デシルシラン化合物)としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物(フェニルシラン化合物)としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
なお、相対湿度90%の環境下での水分吸着率を前述の範囲に制御する観点から、疎水化処理剤等の表面処理剤との反応時間は長い方が好ましい。また、表面処理剤との反応が促進されやすい環境(例えば、より高温な温度環境等)で行うことが好ましい。
気相法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌(例えばせん断力の大きなミキサ等で攪拌)しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた疎水化処理剤を滴下する、又は乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧して、疎水化処理剤を無機粒子の表面に付着させる方法が挙げられる。疎水化処理剤を滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。疎水化処理剤を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基がより低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)2(0−Si)2−)、3置換(Si(OH)(0−Si)3−)、4置換(Si(0−Si)4−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
シリカ粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、電気特性の低下が抑制される。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離したシリカ粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、シリカ粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せシリカ粒子層を挟み込む。シリカ粒子間の空隙をなくすため、シリカ粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからシリカ粒子層の厚み(cm)を測定する。シリカ粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρはシリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはシリカ粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
体積平均粒径が上記範囲であることで、無機表面層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
シリカ粒子の体積平均粒径は、層中からシリカ粒子を分離し、このシリカ粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これをシリカ粒子の体積平均粒径として測定する。
また、無機粒子の含有量の上限値は特に限定されないが、電荷輸送層の特性を確保する等の点から、80質量%以下がよく、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
また、無機粒子の含有量は、電荷輸送材料の含有量よりも多いことが好ましく、例えば電荷輸送層全体(固形分)に対し30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層における無機表面層側の表面の表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、例えば、0.06μm以下が挙げられ、好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.02μm以下である。
この表面粗さRaを上記範囲とすると、無機表面層の平滑性が上がり、クリーニング性が向上する。
なお、表面粗さRaを上記範囲とするには、例えば、層の厚みを厚くする等の方法が挙げられる
まず、無機表面層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、触針式表面粗さ測定機(サーフコム1400A:東京精密社製等)を使用して測定する。その測定条件としては、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
電荷輸送層の弾性率を上記範囲とすると、無機表面層の割れが抑制され易くなる。
なお、電荷輸送層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子の粒径及び含有量を調整する方法、電荷輸送材料の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
まず、無機表面層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いて測定する。
電荷輸送層の膜厚を上記範囲にすると、無機表面層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
保護層としては、有機表面層(例えば架橋膜で構成された層)、無機表面層が挙げられ、中でも無機表面層を備えることが好ましい。
無機表面層は、第13族元素及び酸素を含有する無機材料を含んで構成された層である。
第13族元素及び酸素を含有する無機材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
そして、酸素及び第13族元素の元素組成比(酸素/第13族元素)が1.0以上1.5未満であることが好ましく、1.03以上1.47以下がより好ましく、1.05以上1.45以下がさらに好ましく、1.10以上1.40以下が特に好ましい。
無機表面層を構成する材料の元素組成比(酸素/第13族元素)が、上記範囲であると、感光体の表面における傷に起因する画像欠陥が抑制される。同様の点で、第13族元素はガリウムであることが望ましい。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることがよく、望ましくは20原子%以上40原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることがよく、望ましくは40原子%以上60原子%以下、より望ましくは45原子%以上55原子%以下である。
水素の元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることがよく、望ましくは15原子%以上35原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは約109°とする。
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
無機表面層の外周面(すなわち、電子写真感光体7の表面)における表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、例えば、5nm以下が挙げられ、好ましくは4.5nm以下、より好ましくは4nm以下である。
この表面粗さRaを上記範囲とすることで、帯電ムラが抑制される。
なお、表面粗さRaを上記範囲とするには、例えば、電荷輸送層における無機表面層側の表面の表面粗さRaを前述の範囲とする等の方法が挙げられる
また、無機表面層の外周面における表面粗さRaの測定は、無機表面層の外周面について直接測定すること以外は、前述の電荷輸送層における無機表面層側の表面の表面粗さRaの測定方法と同様である。
なお、測定試料は、測定対象となる無機表面層の成膜時の同条件でアルミ基体上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機表面層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
無機表面層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
この弾性率を上記範囲とすると、無機表面層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機表面層の成膜時の同条件で基体上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機表面層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
この膜厚を上記範囲とすると、無機表面層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
保護層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H2)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱手段及び冷却手段の少なくとも一方(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
例えば、無機表面層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機表面層を得る。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機表面層)が形成される。
更に、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
また、単層型感光層は、相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%以下である表面処理粒子を含有する粒子含有層で構成される。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成を詳しく説明する。
なお、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、感光体の表面を清掃する清掃手段等をさらに備えていてもよい。
そして、感光体として、前述の本実施形態に係る感光体を備える。
中間転写方式の装置の場合、転写装置は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、感光体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写装置と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写装置と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置10には、図5に示すように、例えば、感光体12が設けられている。感光体12は、円柱状とされ、モータ等の駆動部27にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動部27により、黒点で示す回転軸の周りに回転駆動される。図5に示す例では、矢印A方向に回転駆動される。
なお、感光体12は、前述の本実施形態に係る感光体が用いられる。
帯電装置15は、感光体12の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体12表面に接触または非接触で設けられ、感光体12の表面を帯電する帯電部材14、及び帯電部材14に帯電電圧を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を備えている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
静電荷像形成装置16は、帯電された感光体12の表面に静電荷像を形成する。具体的には、例えば、静電荷像形成装置16は、帯電部材14により帯電された感光体12の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを照射して、感光体12上に画像情報の画像に応じた静電荷像を形成する。
現像装置18は、例えば、静電荷像形成装置16による光Lの照射位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。この収容部には、トナーを有する静電荷像現像剤が収容されている。トナーは、例えば、現像装置18内で帯電された状態で収容されている。
転写装置31は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。転写装置31は、例えば、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30Aへ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30と、を備えている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、感光体12との間で記録媒体30Aを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
クリーニング装置22は、転写領域32Aより感光体12の回転方向下流側に設けられている。クリーニング装置22は、トナー画像を記録媒体30Aに転写した後に、感光体12に付着した残留トナーをクリーニング(清掃)する。クリーニング装置22では、残留トナー以外にも、紙粉等の付着物をクリーニングする。
図6は、図5に示すクリーニング装置22におけるクリーニングブレード22Aの設置態様を示す概略構成図である。
図6に示すように、クリーニングブレード22Aの先端は、感光体12の回転方向(矢印方向)と対向する方向を向いており、この状態で感光体12の表面に接触している。
また、クリーニングブレード22Aの感光体12に対する押し付け圧Nは、0.6gf/mm2以上6.0gf/mm2以下に設定されることが好ましい。
ここで、上記角度θとは、具体的には、図6に示すように、クリーニングブレード22Aの先端と感光体12との接触部における接線(図6中の一点鎖線)とクリーニングブレード22Aの非変形部とでなす角の角度を指す。
また、上記押し付け圧Nとは、図6に示すように、クリーニングブレード22Aが感光体12に接触する位置において感光体12の中心に向けて押し付ける圧力(gf/mm2)である。
クリーニング装置は、クリーニングブレード22Aとこれを支持する支持部材以外にも公知の部材を含んでいてもよい。
除電装置24は、例えば、クリーニング装置22より感光体12の回転方向下流側に設けられている。除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体12の表面を露光して除電する。具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、感光体12の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
定着装置26は、例えば、転写領域32Aより記録媒体30Aの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。定着装置26は、定着部材26Aと、定着部材26Aに接触して配置される加圧部材26Bと、を有し、定着部材26Aと加圧部材26Bとの接触部で記録媒体30A上に転写されたトナー画像を定着する。具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、記録媒体30A上に転写されたトナー画像を熱及び圧力によって記録媒体30Aに定着する。
具体的には、例えば、定着装置26は、定着部材26Aとして、定着ロール又は定着ベルトと、加圧部材26Bとして、加圧ロール又は加圧ベルトとを備える周知の定着装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置10の動作の一例について説明する。なお、画像形成装置10の各種動作は、制御装置36において実行する制御プログラムにより行われる。
まず、感光体12の表面が帯電装置15により帯電される。静電荷像形成装置16は、帯電された感光体12の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、感光体12上に画像情報に応じた静電荷像が形成される。現像装置18では、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電荷像が現像される。これにより、感光体12の表面に、トナー画像が形成される。
転写装置31では、感光体12の表面に形成されたトナー画像が記録媒体30Aへ転写される。記録媒体30Aに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。
一方、トナー画像を転写した後の感光体12の表面が、クリーニング装置22におけるクリーニングブレード22Aによりクリーニング(清掃)される、その後除電装置24により除電される。
[表面処理シリカ粒子(A1)の作製/乾式法(気相法)により作製]
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50、アエロジル社製、体積平均粒径:40nm」100質量部を反応容器に入れ、攪拌しながら、30質量部の疎水化処理剤(トリメチルシラン化合物(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(東京化成社製))を噴霧して添加した。その後、300℃で120分反応させることで、疎水化処理された表面処理シリカ粒子(A1)を得た。
表面処理シリカ粒子(A1)の作製において、反応時間を150分に変更したこと以外は、同様にして疎水化処理された表面処理シリカ粒子(A2)を得た。
溶媒(テトラヒドロフラン)中に、未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50、アエロジル社製、体積平均粒径:40nm」100質量部、及び疎水化処理剤(トリメチルシラン化合物(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(東京化成社製))30質量部を添加し、12時間反応させ、その後濾取することで、疎水化処理された表面処理シリカ粒子(A3)を得た。
表面処理シリカ粒子(A1)の作製において、反応時間を60分に変更したこと以外は、同様にして疎水化処理された表面処理シリカ粒子(B1)を得た。
表面処理シリカ粒子(A1)の作製において、反応時間を45分に変更したこと以外は、同様にして疎水化処理された表面処理シリカ粒子(B2)を得た。
得られた各表面処理シリカ粒子について、相対湿度90%の環境下での水分吸着率を前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
−下引層の作製−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VMCH、株式会社NUC製)10質量部と、n−酢酸ブチル200質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に、n−酢酸ブチル175質量部とメチルエチルケトン180質量部とを添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
表面処理シリカ粒子(A1)20質量部に、テトラヒドロフラン95質量部を入れ、20℃の液温に保ちながら電荷輸送材料として(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,4’−ジアミン10質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZ型−ビフェノール型ポリカーボネート共重合体樹脂(粘度平均分子量:50,000)10質量部と、を加え、12時間攪拌混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
なお、電荷輸送層全体(固形分)に対するシリカ粒子の含有率は50質量%であった。
次に、有機感光体(A1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機表面層を形成した。この無機表面層の形成は、図3に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量1.6sccm)と水素ガス(流量50sccm)とを、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図3中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量1.9sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、有機感光体(A1)を500rpmの速度で回転させながら68分間成膜し、有機感光体(A1)の電荷輸送層表面に膜厚1.5μmの無機表面層を形成した。
無機表面層の外周面における表面粗さRaは、1.9nmであった。
電子写真感光体(A1)の作製において、電荷輸送層に用いる表面処理シリカ粒子(A1)を、下記表1に示す表面処理シリカ粒子に変更したこと以外は、同様にして電子写真感光体を得た。
各例で得られた電子写真感光体に対して、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長:780nm、出力:5mW)を、スコロトロン帯電器により−700Vに帯電させた状態で167rpmで回転させている電子写真感光体の表面に走査しながら照射した。その後、電子写真感光体の電位を表面電位計(モデル344、トレックジャパン社製)により測定し、電子写真感光体における電位状態を調べた。I−V特性から得られるQleak値に基づき、以下の基準によって評価した。
−評価基準−
A:Qleakが70V以下
B:Qleakが80V超え110V以下
C:Qleakが110V超え
12 感光体
14 帯電部材
15 帯電装置
16 静電荷像形成装置
18 現像装置
20 転写部材
22 クリーニング装置
22A クリーニングブレード
24 除電装置
26 定着装置
30A 記録媒体
31 転写装置
36 制御装置
101 下引層
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 導電性基体
105 感光層
106 無機表面層
107A、107B 電子写真感光体(感光体)
210 成膜室
211 排気口
212 基体回転部
213 基体支持部材
214 基体
215 ガス導入管
216 シャワーノズル
217 プラズマ拡散部
218 高周波電力供給部
219 平板電極
220 ガス導入管
221 高周波放電管部
222 高周波コイル
223 石英管
Claims (10)
- 導電性支持体と、
前記導電性支持体上に設けられ、無機粒子が表面処理された表面処理粒子であって相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.15質量%以下である表面処理粒子を含有する粒子含有層の単層体、又は前記粒子含有層を少なくとも含む積層体で構成された感光層と、
有する電子写真感光体。 - 前記表面処理粒子は、相対湿度90%の環境下での水分吸着率が0.1質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面処理粒子は、前記粒子含有層の固形分に対する含有率が30質量%以上80質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記無機粒子は、シリカ粒子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記粒子含有層は、無機粒子がシラン化合物により表面処理された粒子である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記粒子含有層は、さらに電荷輸送性材料を含有する電荷輸送層である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記粒子含有層は、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂、及びポリアリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- さらに前記感光層上に設けられた無機表面層を有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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