JP5911510B2 - メソイオン性ピリド[1,2−a]ピリミジン有害生物防除剤 - Google Patents

メソイオン性ピリド[1,2−a]ピリミジン有害生物防除剤 Download PDF

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Description

本発明は、一定のピリミジニウム化合物、農学的用途および非農学的用途に好適なその組成物、ならびに、農学的環境および非農学的環境の両方における節足動物などの有害無脊椎生物を制御するためのその使用方法に関する。
高い作物効率を達成するために、有害無脊椎生物の防除はきわめて重要である。栽培されているおよび貯蔵されている農作物に対する有害無脊椎生物による損害は、生産性を著しく低下させ、これにより、消費者に対するコストを増加させてしまう可能性がある。森林、温室作物、観賞用植物、苗床作物、貯蔵食品および繊維製品、家畜、家庭、芝生、木材製品、ならびに、公衆衛生における有害無脊椎生物の防除もまた重要である。多くの製品がこれらの目的のために市販されているが、より効果的であり、より安価であり、より無毒性であり、環境に対してより安全であり、または、異なる作用部位を有する新規化合物に対する要求が継続して存在している。
特許文献1には式iの一定のメソイオン性ピリミジニウム化合物が殺虫剤として開示されており、
Figure 0005911510
式中、とりわけ、XおよびYはOであり、Rは置換フェニルであり、RはCHQであると共にQは場合により置換されている5員または6員芳香族複素環であり、ならびに、RおよびRは一緒になって場合により置換されている6員環を形成している。
国際公開第09/099929号パンフレット
本発明は、式1の化合物、これを含有する組成物、および、有害無脊椎生物を防除するためのその使用に関する。
Figure 0005911510
(式中、
は、各々が、QおよびRから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルまたはピリジニルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、シアノ、SF、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cハロアルキルチオであり;ならびに
Qは、各々が、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルまたはピリジニルである。)
本発明は、式1の化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む組成物を提供する。一実施形態においては、本発明はまた、式1の化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む有害無脊椎生物を防除するための組成物を提供し、前記組成物は、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤をさらに含む。
本発明はまた、有害無脊椎生物またはその環境に、生物学的に有効な量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させるステップを含む、有害無脊椎生物を防除する方法を提供する。本発明はまた、有害無脊椎生物またはその環境に、生物学的に有効な量の式1の化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む組成物が接触させられる方法に関し、前記組成物は、場合により、生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤をさらに含む。
本発明はまた、有害無脊椎生物またはその環境に、生物学的に有効な量の前述の組成物のいずれかを接触させるステップを含む有害無脊椎生物を防除する方法を提供し、ここで、環境は植物である。
本発明はまた、有害無脊椎生物またはその環境に、生物学的に有効な量の前述の組成物のいずれかを接触させるステップを含む有害無脊椎生物を防除する方法を提供し、ここで、環境は種子である。
本発明はまた、種子に、生物学的に有効な量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させるステップを含む種子を有害無脊椎生物から保護する方法を提供する。本発明はまた、処理された種子(すなわち、式1の化合物と接触させた種子)に関する。
本発明はまた、作物植物、作物植物が発育する種子、または、作物植物の場所(例えば、栽培培地)に、生物学的に有効な量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させるステップを含む作物植物の成長力を高める方法を提供する。
本明細書において用いられるところ、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「により特徴付けられる」、または、これらのいずれかの他の変形形態は、明示的に示されている任意の限定を条件として、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、プロセスまたは方法は、必ずしもこれらの要素に限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、または、このような組成物、混合物、プロセスまたは方法に固有である他の要素が包含されていてもよい。
「からなる(consisting of)」という移行句は、特定されていない任意の要素、ステップまたは成分を除外する。特許請求の範囲中にある場合、このような句は、特許請求の範囲を、通常これに関連する不純物を除き、言及されたもの以外の材料の包含を限定するであろう。「からなる(consisting of)」という句が、プリアンブルの直後ではなく特許請求の範囲の本文の一文節中にある場合、これは、その文節中に規定されている要素のみを限定し;他の要素は、特許請求の範囲からは、全体としては除外されない。
「基本的にからなる(consisting essentially of)」という移行句は、文字通り開示されているものに追加して、材料、ステップ、機構、成分、または、要素を包含する組成物または方法を定義するために用いられているが、ただし、これらの追加の材料、ステップ、機構、成分、または、要素は、特許請求された発明の基本的なおよび新規な特徴に著しく影響しない。「基本的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、「を含んでいる(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との間の中間点を構成する。
出願人らが、「を含んでいる(comprising)」などのオープンエンド形式の用語で発明またはその一部分を定義している場合、その記載は(他に明記されていない限りにおいて)、「基本的にからなる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という用語を用いてこのような発明を記載しているとも解釈されるべきであると、直ちに理解されるべきである。
さらに、反する記載が明白にされていない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない);Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する);ならびに、AおよびBの両方が真である(または存在する)。
また、本発明の要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の事例(すなわち、存在)の数に関して比制限的であることが意図される。従って、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つ、を含むと読解されるべきであり、要素または成分の単数形の語形は、その数が明らかに単数を意味しない限りにおいては複数をも包含する。
本開示において言及されるところ、「有害無脊椎生物」という用語は、有害生物として
経済的に重要な節足動物、腹足類、線虫および蠕虫を含む。「節足動物」という用語は、昆虫、ダニ、クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、ワラジムシおよびコムカデを含む。「腹足類」という用語は、カタツムリ、ナメクジおよび他の柄眼目を含む。「線虫」という用語は、植食性線虫および動物に寄生する蠕虫線虫などの線形動物門のメンバーを含む。「蠕虫」という用語は、回虫(線形動物門)、イヌ糸状虫(線形動物門、双線綱)、吸虫(扁形動物門、吸虫綱)、鈎頭虫(鉤頭虫門)および条虫(扁形動物門、条虫綱)などの寄生性の虫のすべてを含む。
本開示の文脈において、「有害無脊椎生物防除」とは、有害無脊椎生物の発生の阻害(死亡率、摂食低減、および/または、交尾撹乱を含む)を意味し、関連する表記も同様に定義される。
「農学的」という用語は、食品および繊維用のものなどの農作物の生産を指し、トウモロコシまたはコーン、ダイズおよび他のマメ科植物、イネ、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦およびイネ)、葉野菜(例えば、レタス、キャベツおよび他のキャベツ作物)、結果野菜(例えば、トマト、コショウ、ナス、十字花科植物およびウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、樹果(例えば、仁果、石果および柑橘類)、小果実(例えば、液果類およびサクランボ)、ならびに、他の特別な作物(例えば、アブラナ、ヒマワリおよびオリーヴ)の栽培を含む。
「非農学的」という用語は、園芸用作物(例えば、野原で栽培されていない、温室、苗種または観賞用植物)、住居用、農業用、商業用および工業用構造、芝生(例えば、芝農地、牧草地、ゴルフ場、芝地、運動場等)、木製品、貯蔵製品、混農林業および植生管理、公衆衛生(すなわち、ヒト)および動物の健康(例えば、ペット、家畜および家禽などの家畜動物、野生生物などの飼い慣らされていない動物)用途などの農作物以外を指す。
「作物成長力」という用語は、作物植物の生育またはバイオマスの蓄積割合を指す。「成長力を高める」とは、未処理の対照作物植物に対する、作物植物における生育またはバイオマスの蓄積における高まりを指す。「作物収量」という用語は、作物植物の収穫後に得られる、量および質の両方の観点における作物材料の回収を指す。「作物収量を高める」とは、未処理の対照作物植物に対する作物収量の高まりを指す。
「生物学的に有効な量」という用語は、有害無脊椎生物による被害から植物を保護するため、もしくは、他の所望される効果(例えば、植物の成長力を高める)のため、防除されるべき有害無脊椎生物もしくはその環境に適用(すなわち、接触)された場合に、または、植物、植物が発育する種子あるいは植物が生育している場所(例えば、栽培培地)に適用(すなわち、接触)された場合に、所望の生物学的効果をもたらすのに十分な生物学的に有効な化合物(例えば、式1の化合物)の量を指す。
非農学的用途は、殺寄生虫的に有効(すなわち、生物学的に有効)な量の本発明の化合物を、典型的には獣医学用途に配合された組成物の形態で、保護されるべき動物に投与することにより、動物を有害寄生性無脊椎生物から保護することを含む。本開示および特許請求の範囲において言及されるところ、「殺寄生虫的」および「殺寄生虫的に」という用語は、有害生物からの動物の保護をもたらす有害寄生性無脊椎生物に対する観察可能な効果を指す。殺寄生虫的効果は、典型的には、対象となる有害寄生性無脊椎生物の発生または活性の低減に関連する。有害生物に対するこのような効果としては、壊死、死滅、成長の遅延、宿主動物における易動性の低下または残留する能力の低下、摂食の低下、および、生殖の阻害が挙げられる。有害寄生性無脊椎生物に対するこれらの効果は、動物の寄生性外寄生または感染の防除(予防、低減または排除を含む)をもたらす。
上記の言及において、単独で、もしくは、「ハロアルキル」などの複合語で用いられる「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、または、異なるブチル異性体などの直鎖もしくは分岐アルキルを含む。
「ハロゲン」という用語は、単独でもしくは「ハロアルキル」などの複合語で、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」などの複合語で用いられる場合、前記アルキルは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子で部分的または完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」の例としては、CF、CHCl、CHCFおよびCClCFが挙げられる。「ハロアルコキシ」および「ハロアルキルチオ」という用語は、「ハロアルキル」と同義的に定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO、CClCHO、HCFCHCHOおよびCFCHOが挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS、CFS、CClCHSおよびClCHCHCHSが挙げられる。
「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、N−プロポキシ、イソプロポキシおよび異なるブトキシ異性体が挙げられる。
「アルキルチオ」という用語は、メチルチオ、エチルチオ、および、異なるプロピルチオおよびブチルチオ異性体などの直鎖または分岐アルキルチオ部分を含む。
置換基中の炭素原子の総数は接頭辞「C〜C」により示されており、ここで、iおよびjは1〜4の数字である。例えば、C〜Cアルキルはメチル〜ブチルを示す。
ラジカルが、明記されている置換基の数(例えば、「3個以下」)の列挙された置換基で場合により置換されている場合、このラジカルは、未置換であっても、明記された大きい数(例えば、「3」)以下の範囲の数の置換基で置換されていてもよく、結合している置換基は、列挙されている置換基から独立して選択される。
任意の置換基の数は、表記された限定によって制限され得る。例えば、句「Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されている」とは、0、1、2または3個の置換基が存在していることが可能であることを意味する(可能な結合点の数が許容すれば)。置換基の数について特定された範囲が環上で置換基に利用可能な点の数を超える場合、範囲の実際の上限は利用可能な点の数であると認識される。
式1の化合物はメソイオン性分子内塩である。技術分野においては「双性イオン」としても公知である「分子内塩」は、電気的に中性の分子であるが、原子価結合理論に従い、各原子価結合構造中の異なる原子に正および負の形式電荷を有する。しかも、式1の化合物の分子構造は以下に示す6種の原子価結合構造によって表されることが可能であり、各々は、正および負の形式電荷を異なる原子上に有している。この共鳴により、式1の化合物はまた「メソイオン性」とも記載される。簡潔さのために、式1の分子構造は本明細書において単原子価結合構造として示されているが、この特定の原子価結合構造は、式1の化合物の分子における結合に関連する6種の原子価結合構造のすべて(本段落の以下に示されている)の代表であると理解されるべきである。従って、本明細書における式1に対する言及は、他に規定されていない限りにおいて、適応可能である6種の原子価結合構造のすべて、および、他の(例えば、分子軌道理論)構造に関連する。
Figure 0005911510
本発明の化合物は、立体障害により引き起こされる結合の回転の制限により1種以上の配座異性体として存在していることが可能である。例えば、Rが、オルト位で立体的に要求の高いアルキル基(例えば、イソプロピル)で置換されているフェニルである式1の化合物は、R−ピリミジニウム環結合に対する制限された回転により2種の回転異性体として存在し得る。本発明は、配座異性体の混合物を含む。さらに、本発明は、他のものに比して1種の配座異性体が富化された化合物を含む。
式1から選択される化合物は、典型的には、2種以上の形態で存在し、式1は、それ故、式1が表す化合物のすべての結晶形態および非結晶形態を含む。非結晶形態は、ワックスおよびガムなどの固形分である実施形態、ならびに、溶液および溶融物などの液体である実施形態を含む。結晶形態は、基本的に単結晶タイプを表す実施形態、および、異形体の混合物を表す実施形態(すなわち、異なる結晶性タイプ)を含む。「異形体」という用語は、異なる結晶形態で結晶化することが可能である化学化合物の特定の結晶形態を指し、これらの形態は、結晶格子中に分子の異なる配置および/または配座を有する。異形体は同一の化学的組成を有していることが可能であるが、これらはまた、格子中に弱くまたは強固に結合していることが可能である共結晶化水または他の分子の存在または不在により組成が異なっていることが可能である。異形体は、結晶形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸垂性、溶解速度および生物学的利用可能性と同様にこのような化学的、物理的および生物学的特性が異なっていることが可能である。当業者は、式1によって表される化合物の異形体は、式1によって表される同一の化合物の他の異形体または異形体の混合物と比して、有益な効果(例えば、有用な配合物の調製に対する適合性、向上した生物学的性能)を示す可能性があることを認めるであろう。式1によって表される化合物の特定の異形体の調製および単離は、例えば、選択された溶剤および温度を用いる結晶化を含む当業者に公知の方法により達成されることが可能である。
当業者は、環境下および生理学的条件下では、化学化合物の塩はそれらの対応する非塩形態と平衡にあるため、塩が非塩形態の生物学的実用性を共有することを認識している。それ故、式1の化合物の多様な塩が、有害無脊椎生物および動物寄生虫の防除のために有用である(すなわち、動物衛生用途に好適である)。式1の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機酸もしくは有機酸との酸付加塩を含む。
発明の概要に記載されている本発明の実施形態は以下に記載されているものを含む。以下の実施形態において、「式1の化合物」への言及は、実施形態においてさらに定義されていない限り、発明の概要において明記されている置換基の定義を含む。
実施形態1.Rが、QおよびRから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである式1の化合物。
実施形態1a.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである実施形態1の化合物。
実施形態2.Rが、QおよびRから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているピリジニルである式1の化合物。
実施形態2a.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているピリジニルである実施形態2の化合物。
実施形態3.各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシである式1または実施形態1〜2aのいずれか1つの化合物。
実施形態3a.各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシである実施形態3の化合物。
実施形態3b.各Rが、独立して、ハロゲンである実施形態3の化合物。
実施形態3c.各Rが、独立して、C〜Cアルキルである実施形態3の化合物。
実施形態3d.各Rが、独立して、C〜Cハロアルキルである実施形態3の化合物。
実施形態3e.各Rが、独立して、C〜Cアルコキシである実施形態3の化合物。
実施形態3f.各Rが、独立して、C〜Cハロアルコキシである実施形態3の化合物。
実施形態4.Qが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである式1または実施形態1、2および3〜3fのいずれか1つの化合物。
実施形態4a.Qが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から独立して選択
される4個以下の置換基で場合により置換されているピリジニルである式1または実施形態1、2および3〜3fのいずれか1つの化合物。
実施形態4b.Qが、シアノおよびC〜Cアルキルからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである実施形態4の化合物。
実施形態5.Rが、ハロゲン、C〜CハロアルキルおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される2個以下の置換基で置換されているフェニルである式1の化合物。
実施形態6.Rが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシで置換されているフェニルである式1の化合物。
実施形態7.Rが、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシで置換されているフェニルである式1の化合物。
上記実施形態1〜7を含む本発明の実施形態、ならびに、本明細書に記載の任意の他の実施形態は任意の様式で組み合わされることが可能であり、実施形態における可変要素の説明は、式1の化合物だけではなく、式1の化合物の調製に有用な出発化合物および中間体化合物にも関連する。さらに、上記実施形態1〜7を含む本発明の実施形態、ならびに、本明細書に記載の任意の他の実施形態、および、そのいずれかの組み合わせは、本発明の組成物および方法に関連する。
実施形態1〜7の組み合わせが以下に例示されている。
実施形態A.
が、QおよびRから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであり;ならびに
Qが、各々が、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルまたはピリジニルである
式1の化合物。
実施形態B.
が、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである
実施形態Aの化合物。
特定の実施形態としては、
2−ヒドロキシ−4−オキソ−3−フェニル−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物1);
3−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物2);
2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物3);
2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物4);
2−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物5);
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物6);
2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−3−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物7);
3−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物8);
3−(2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物9);
3−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物10);
2−ヒドロキシ−3−(3−メチルフェニル)−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物11);
3−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物12);
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物13);
3−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物14);
3−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物15);
3−(3,5−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物16);
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物17);
3−(4’−シアノ−5,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物18);および
3−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(すなわち、索引表Aの化合物19)
からなる群から選択される式1の化合物が挙げられる。
注目すべきは、本発明の化合物は、好ましい代謝および/または土壌残存パターンによって特徴づけられ、一定範囲の農学的および非農学的有害無脊椎生物を防除する活性を示すことである。
特に注目すべきは、有害無脊椎生物の防除範囲および経済的な重要性のために、有害無脊椎生物を防除することにより、有害無脊椎生物により引き起こされる損害または被害から農作物を保護することが、本発明の実施形態である。本発明の化合物はまた、植物における好適な転流特性または体系性のために、式1の化合物またはこの化合物を含有する組成物に直接的に接触していない葉または他の植物部位をも保護する。
また、本発明の実施形態として特に注目すべきは、前述の実施形態のいずれか、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびこれらの任意の組み合わせの化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む組成物であり、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生体活性化合物または生体活性剤をさらに含む。
さらに、本発明の実施形態としては、前述の実施形態のいずれかの化合物および本明細書に記載の他の実施形態のいずれかの化合物(すなわち、生物学的に有効な量で)、および、これらの組み合わせのいずれかと、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む有害無脊椎生物を防除するための組成物が注目に値し、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤を(すなわち、生物学的に有効な量で)さらに含む。
本発明の実施形態はまた、前述の実施形態のいずれかを土壌潅注液体配合物の形態で含む組成物を含む。本発明の実施形態は、土壌に、生物学的に有効な量の前述の実施形態のいずれかの化合物を含む土壌潅注として液体組成物を接触させる工程を含む有害無脊椎生物を防除する方法をさらに含む。
本発明の実施形態はまた、前述の実施形態のいずれかの化合物(すなわち、生物学的に有効な量で)および噴射剤を含む有害無脊椎生物を防除するための噴霧組成物を含む。本発明の実施形態は、前述の実施形態のいずれかの化合物(すなわち、生物学的に有効な量で)、1種以上の食材、場合により誘引剤、および、場合により湿潤剤を含む有害無脊椎生物を防除するための誘引組成物をさらに含む。本発明の実施形態はまた、前記誘引組成物と、前記誘引組成物を収容するよう適応された筐体とを備える有害無脊椎生物を防除するためのデバイスを含み、ここで、筐体は、有害無脊椎生物が筐体の外の位置から前記誘引組成物に接近することが可能であるよう、有害無脊椎生物が通過することが可能である大きさの開口を少なくとも一つ有しており、ならびに、この筐体は、有害無脊椎生物が活動する可能性がある場所もしくは既知の活動場所に、または、その付近に配置されるようさらに適応されている。
本発明の実施形態はまた、有害無脊椎生物またはその環境に、生物学的に有効な量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させるステップを含む有害無脊椎生物を防除する方法を含むが、ただし、この方法は、治療によるヒトまたは動物の身体の医学的処置方法ではない。
本発明はまた、有害無脊椎生物またはその環境に生物学的に有効な量の式1の化合物および界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物が接触させられる方法に関し、前記組成物は、場合により、生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤をさらに含むが、ただし、この方法は、治療によるヒトまたは動物の身体の医学的処置方法ではない。
本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、有害無脊椎生物は節足動物である。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、節足動物は、昆虫、ダニ、クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、ワラジムシおよびコムカデからなる群から選択される。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、節足動物は昆虫である。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、昆虫は半翅目である。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、昆虫はプラントホッパーである。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、昆虫は、ウンカ科のプラントホッパーである。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、昆虫はヨコバイである。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、昆虫はヨコバイ科のヨコバイである。
本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、有害無脊椎生物は腹足類である。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、腹足類は、カタツムリ、ナメクジおよび他の柄眼目からなる群から選択される。
本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、有害無脊椎生物は線虫である。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、線虫は植食性線虫から選択される。
本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、有害無脊椎生物は蠕虫である。本発明の実施形態は前述の実施形態のいずれかをも含み、ここで、蠕虫は回虫、イヌ糸状虫、吸虫、鈎頭虫および条虫からなる群から選択される。
本発明の実施形態はまた、発明の概要において開示されている作物植物の成長力を高める方法に関する実施形態を含み、ここで、式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)は実施形態1〜4b、AおよびBのいずれか、ならびに、本明細書において特に開示されている化合物から選択される。
スキーム1〜13に記載の以下の方法および変形形態の1つ以上を用いて式1の化合物を調製することが可能である。以下の式1〜13の化合物中のRの定義は、別段の定めがある場合を除き、発明の概要において上記に定義されているとおりである。式1aおよび1bは式1の種々のサブセットであり、式1aおよび1eに係るすべての置換基は、他に示されている場合を除き、式1について上記に定義されているとおりである。周囲温度または室温は約20〜25℃と定義される。
式1の化合物は、スキーム1に示されているとおり、縮合剤の存在下における、式2の化合物の式3aの場合により置換されているマロン酸での縮合により調製されることが可能である。縮合剤は、ジシクロヘキシルカルボイミドなどのカルボイミド(例えば、Koch,A.et al.,Tetrahedron,2004,60,10011−10018を参照のこと)、または、Science of Synthesis,2005,21,17−25およびTetrahedron,2005,61,10827−10852に記載されているとおり、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの活性化剤と共に、または、これを伴わずにアミド結合を形成する技術分野に周知である他の薬剤であることが可能である。この反応は、典型的には、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンなどの不活性有機溶剤中で、約0〜約80℃の温度で、10分〜数日間の期間をかけて行われる。
Figure 0005911510
式1の化合物はまた、スキーム2に示されているとおり、式2の化合物のRがC〜Cアルキル基である式3bのマロン酸エステルでの縮合により調製されることが可能である。これらの反応は、Bulletin of the Chemical Society of Japan,1999,72(3),503−509に記載されているとおり、そのままで、または、不活性溶剤の存在下に実施されることが可能である。不活性溶剤としては、これらに限定はされないが、メシチレン、テトラリンあるいはシメンなどの高沸点炭化水素、または、ジフェニルエーテルなどの高沸点エーテルが挙げられる。典型的な温度は50〜250℃の範囲である。注目すべきは150〜200℃の温度であり、これは、典型的には、短い反応時間および高い収率をもたらす。これらの反応はまた、マイクロ波反応器中に、同一の温度範囲内で実施されることが可能である。典型的な反応時間は、5分間〜数時間の範囲である。
Figure 0005911510
式3aの化合物は、例えば式3bの化合物の塩基性加水分解といった、技術分野において公知である多様な方法によって調製されることが可能である。
式3bの化合物は、パラジウム(J.Org.Chem 2002,67,541−555)または銅(Org.Lett.2002,4,269−272およびOrg.Lett.2005,7,4693−4695)により触媒される、マロン酸エステル(XがCl、BrまたはIである式Rの化合物を用い、この例は表I−24a、I−24−bおよびI−24cに見出される)のアリール化によって調製されることが可能である。あるいは、式3bの化合物は、スキーム2aに示されている方法によって調製されることが可能である(例えば、J.Med.Chem 1982,25(6),745−747を参照のこと)。
Figure 0005911510
式4のエステルは、技術分野において周知である方法によって対応する酸から調製されることが可能である。RがHである式4の酸(例が表I−1に列挙されている)は、技術分野において公知である方法により容易に調製され、その多くは市販されている。
式3bの化合物はまた、スキーム2bに示されている方法により調製されることが可能である。式3gのニトリルとジアルキル炭酸塩との反応では式3hのニトリルエステルが得られ、その後のアルコールの存在下での酸性加水分解により式3bの化合物がもたらされる(例えば、Helvetica Chimica Acta,1991,74(2),309−314を参照のこと)。式3gのニトリルは、技術分野において公知である方法によって容易に調製され、その多くは市販されている。
Figure 0005911510
式1の化合物はまた、式2の化合物の、LvOがスキーム3に示されているとおり活性化脱離基である式3cの活性化エステルでの処理により調製されることが可能である。合成の容易さまたは反応性に対して好ましいLvの例は、Archiv der Pharmazie(Weinheim,Germany),1991,324,863−866に記載のとおり、フェニル、4−ニトロフェニルまたはハロゲン−置換フェニル(例えば、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニルまたはペンタフルオロフェニル)である。他の活性化エステルが技術分野に周知であり、これらに限定はされないが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルが挙げられる(例えば、J.Am.Chem.Soc.,2002,124,6872−6878を参照のこと)。典型的な温度は50〜200℃の範囲である。注目すべきは50〜150℃の温度であり、これは、典型的には、短い反応時間および高い収率をもたらす。これらの反応は、トルエンなどの溶剤を伴ってもしくは伴わずに、マイクロ波反応器中に、同一の温度範囲内で実施されることが可能である。典型的な反応時間は5分間〜2時間の範囲である。
Figure 0005911510
式3cの化合物は、例えば式3aの化合物から調製されることが可能である(例えば、J.Het.Chem.1980,17,337を参照のこと)。
式1の化合物はまた、スキーム4に示されているとおり、式2の化合物の式3dまたは式3eの化合物との縮合により、または、式2の化合物の式3d化合物および式3eの化合物の混合物との縮合により、調製されることが可能である。これらの反応は、典型的には、ジクロロメタンなどの不活性溶剤中で、場合により、2種以上の同等の酸受容体の存在下に(例えば、Zeitschrift fuer Naturforschung,Teil B:Anorganische Chemie,Organische Chemie,1982,37B(2),222−233を参照のこと)実施される。典型的な酸受容体としては、これらに限定はされないが、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、ピリジンおよび置換ピリジン、ならびに、金属水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩が挙げられる。
Figure 0005911510
式1aの化合物は、スキーム5に示されているとおり、式2の化合物と次酸化炭素(3f)との縮合により調製されることが可能である(例えば、J.Org.Chem.1972,37(9),1422−1425を参照のこと)。この反応は、典型的にはエーテルなどの不活性溶剤中で実施され、AlClなどの触媒の使用を含むことが可能である。
Figure 0005911510
式1の化合物はまた、スキーム6に示されているとおり、式1bの化合物と、MがRと共にボロン酸、ボロン酸エステルあるいはトリフルオロホウ酸塩を形成しているか、または、Mがトリアルキルスタニルもしくは亜鉛である式5の化合物とから調製されることが可能である。
Figure 0005911510
同様の様式において、Rが2個の直接的に結合している芳香族環(例えば、第2のフェニル環に結合しているフェニル環、ピリジニル環に結合しているフェニル環、または、第2のピリジニル環に結合しているピリジニル環)から構成される式1の化合物は、2個の適切に置換された芳香族環のパラジウム触媒カップリングによって調製されることが可能である。芳香族塩化物、臭化物あるいはヨウ化物と、芳香族ボロン酸もしくはエステル、または、芳香族錫あるいは亜鉛試薬との間のこれらのパラジウム触媒カップリングは周知であり、技術分野において広範に記載されてきている。例えば、式13aまたは13bの化合物と適切に置換されたフェニル環とがカップリングされて式13cのビフェニル化合物がもたらされるスキーム6aを参照のこと。Mは、スキーム6について上記に定義されているとおりである。
Figure 0005911510
これらのカップリング反応は、典型的には、パラジウム触媒および塩基の存在下で、場合により、不活性雰囲気下で実施される。これらのカップリング反応に用いられるパラジウム触媒は、典型的には、0(すなわち、Pd(0))または2(すなわち、Pd(II))のいずれかの形式的酸化状態でパラジウムを含む。多様なこのようなパラジウム含有化合物および錯体がこれらの反応の触媒として有用である。この方法において触媒として有用なパラジウム含有化合物および錯体の例としては、PdCl(PPh(ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド)、Pd(PPh(テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)−パラジウム(0))、Pd(C(パラジウム(II)アセチル−アセトネート)、Pd(dba)(トリス−(ジベンジリ−デン−アセトン)ジパラジウム(0))、および[1,1’−ビス−(ジフェニル−ホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)が挙げられる。これらのカップリング法は一般に液体相中で実施され、従って、パラジウム触媒は液体相中に良好な溶解度を有していることが好ましい。有用な溶剤としては、例えば、水、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル、N,N−ジメチル−アセトアミドなどのアミド、および、トルエンなどの非ハロゲン化芳香族炭化水素が挙げられる。
カップリング法は、約25〜約200℃の範囲の広い温度範囲にわたって実施されることが可能である。注目すべきは約60〜約150℃の温度であり、これは、典型的には、短い反応時間および高い生成物の収率をもたらす。ヨウ化アリール、臭化アリールまたは塩化アリール、および、アリール錫、アリール亜鉛またはアリールボロン酸のそれぞれとのStille、NegishiおよびSuzukiカップリングについての一般的な方法および手法が文献において周知である;例えば、E.Negishi,Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis,Wiley−Interscience,2002,New York,New Yorkを参照のこと。
式1の化合物は、スキーム7に示されているとおり、式1aの化合物(すなわち、RがHである式1)、および、XがCl、BrまたはIである式6の化合物(好ましくはBrまたはI)から調製されることが可能である。
Figure 0005911510
これらの反応は、典型的には、銅またはパラジウム触媒の存在下に、好ましくは不活性雰囲気下で実施される。本方法に用いられる銅触媒は、典型的には、金属形態の銅(例えば、粉末として)、または、1の形式的酸化状態の銅(すなわち、Cu(I))を含む。スキーム7の方法における触媒として有用な銅含有化合物の例としては、Cu、CuI、CuBr、CuClが挙げられる。スキーム7の方法において触媒として有用なパラジウム含有化合物の例としては、Pd(OAc)が挙げられる。スキーム7の方法に有用な溶剤としては、例えば、1,4−ジオキサンなどのエーテル、N,N−ジメチルアセタミドおよびジメチルスルホキシドなどのアミドが挙げられる。
スキーム7の方法は、25〜200℃の広い温度範囲にわたって実施されることが可能である。注目すべきは40〜150℃の温度である。スキーム7の方法はリガンドの存在下に実施されることが可能である。多様な銅結合化合物が本方法のリガンドとして有用である。有用なリガンドの例としては、これらに限定されないが、1,10−フェナントロリン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、L−プロリンおよび2−ピコリン酸が挙げられる。銅触媒Ullmann−タイプカップリング反応に対する一般的な方法および手法は文献に周知である;例えば、Xie,Ma,et al.,Org.Lett.2005,7,4693−4695を参照のこと。
式1bの化合物は、スキーム11に示されているとおり、例えば、液体臭素または式10のN−ハロスクシンイミドを用いるハロゲン化により式1aの化合物から調製されることが可能である。典型的には、この反応は、不活性溶剤、より典型的には塩化メチレンまたは1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化溶剤中で行われる。この反応は、典型的には、0〜80℃の温度で、より典型的には周囲温度で行われる。
Figure 0005911510
式1の化合物はまた、スキーム12に示されているとおり、適切に置換されたアルキル化剤および炭酸カリウムなどの塩基を用いる式11の化合物のアルキル化により調製されることが可能である(例えば、Kappe,T.et al.,Monatschefte fur Chemie 1971,102,412−424およびUrban,M.G.;Arnold,W.Helvetica Chimica Acta 1970,53,905−922を参照のこと)。アルキル化剤としては、これらに限定はされないが、塩化アルキル、臭化アルキル、ヨウ化アルキルおよびスルホネートエステルが挙げられる。多様な塩基および溶剤をスキーム12の方法において採用することが可能であり、これらの塩基および溶剤は技術分野に周知である。
Figure 0005911510
式11の化合物は、スキーム1〜5に示されているものと同様の方法によって、2−アミノピリジンから調製されることが可能である。
スキーム1〜5に示されているとおり、式2の化合物は、式1の化合物の調製において有用な重要な中間体である。式2の化合物は本発明の実施形態である。本発明のさらなる実施形態は、式1の化合物の調製における式2の化合物の使用である。
当業者は、式2の化合物はまた、スキーム1〜5のカップリング法において、その酸付加塩(例えば、塩酸塩または酢酸塩)として用いられることも可能であることを認識するであろう。
式2の化合物の特に有用な調製方法がスキーム13に示されている。スキーム13の方法において、2−アミノピリジン(2a)は特にこれらに限定されないが、t−ブトキシカルボニル、アセチルまたはホルミルなどの好適な保護基で保護されて、PGが保護基である式2bの中間体が形成される。次いで、式2bの化合物は式12の化合物(式中、Xはハロゲンなどの脱離基である)でアルキル化されて式2cの中間体がもたらされる。保護基が除去されて式2の化合物がもたらされる。アミン官能基に係る保護基の形成および除去のための条件は文献において公知である(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照のこと)。
Figure 0005911510
式2の化合物の調製のための代替的な方法は、適切なカルボニル化合物の還元性アミノ化によるものである。この方法は、合成例1のステップAおよびBに示されている。
式2の化合物の調製のための他の代替的な方法は、銅またはパラジウム触媒の存在下での、適切なアミンと式2aの化合物に類似するハロゲン置換化合物(すなわち、アミノ基がハロゲンで置き換えられている式2a)との反応によるものである。
スキーム1〜13に特に記載されているもの以外のR置換基を有する式1の化合物は、スキーム1〜13に記載のものと類似の方法を含む、合成有機化学の技術分野において公知である一般的な方法により調製されることが可能である。
本発明の化合物の調製において有用な中間体の例が、表I−1〜I−43に示されている。以下の略語が以下の表において用いられている:Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、Phはフェニルを意味し、C(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)は
Figure 0005911510
を意味し、
C(O)O(4−ニトロフェニル)は
Figure 0005911510
を意味し、および、
C(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)は
Figure 0005911510
を意味する。
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
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Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
表I−2
表I−2は、RがC(O)OMeであることを除き表I−1と同等である。
表I−3
表I−3は、RがC(O)OEtであることを除き表I−1と同等である。
表I−4
表I−4は、RがC(O)OPhであることを除き表I−1と同等である。
表I−5
表I−5は、RがC(O)OC(CHであることを除き表I−1と同等である。
表I−6
表I−6は、RがC(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−7
表I−7は、RがC(O)O(4−ニトロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−8
表I−8は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)OHであることを除き表I−1と同等である。
表I−9
表I−9は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)OMeであることを除き表I−1と同等である。
表I−10
表I−10は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)OEtであることを除き表I−1と同じく構成されている。
表I−11
表I−11は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)OC(CHであることを除き表I−1と同等である。
表I−12
表I−12は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)OPhであることを除き表I−1と同等である。
表I−13
表I−13は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−14
表I−14は、RがC(O)OHであると共にRがC(O)O(4−ニトロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−15
表I−15は、RがC(O)OPhであると共にRがC(O)OMeであることを除き表I−1と同等である。
表I−16
表I−16は、RがC(O)OPhであると共にRがC(O)OEtであることを除き表I−1と同等である。
表I−17
表I−17は、RがC(O)OPhであると共にRがC(O)OC(CHであることを除き表I−1と同等である。
表I−18
表I−18は、RがC(O)OPhであると共にRがC(O)OPhであることを除き表I−1と同等である。
表I−19
表I−19は、RがC(O)OPhであると共にRがC(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−20
表I−20は、RがC(O)OPhであると共にRがC(O)O(4−ニトロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−21
表I−21は、RがC(O)Clであると共にRがC(O)Clであることを除き表I−1と同等である。
表I−22
表I−22は、RがC(O)OMeであると共にRがC(O)OMeであることを除き表I−1と同等である。
表I−23
表I−23は、RがC(O)OEtであると共にRがC(O)OEtであることを除き表I−1と同等である。
表I−24
表I−24は、RがC(O)OC(CHであると共にRがC(O)OC(CHであることを除き表I−1と同等である。
表I−25
表I−25は、RがC(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)であると共にRがC(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−26
表I−26は、RがC(O)O(4−ニトロフェニル)であると共にRがC(O)O(4−ニトロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−27
表I−27は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)OHであることを除き表I−1と同等である。
表I−28
表I−28は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)OMeであることを除き表I−1と同等である。
表I−29
表I−29は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)OEtであることを除き表I−1と同等である。
表I−30
表I−30は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)OPhであることを除き表I−1と同等である。
表I−31
表I−31は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)O(2,4,6−トリクロロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−32
表I−32は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)O(4−ニトロフェニル)であることを除き表I−1と同等である。
表I−33
表I−33は、RがC(O)(3−メチル−2−ピリジニルアミノ)であると共にRがC(O)OC(CHであることを除き表I−1と同等である。
表I−34
表I−34は、表I−1の表題下の化学構造が以下の構造で置き換えられていると共にRがClであることを除き表I−1と同等である。表I−1に見出される基RおよびRは、表I−1の構造中のCH(R)(R)部分が表I−34の構造中のR基で置き換えられているために、表I−34とは関連していない。
Figure 0005911510
例えば、表I−34中の最初の化合物は、R、R、R、RおよびRがHであり、ならびに、RがClである直ぐ上に示されている構造である。
表I−35
表I−35は、RがBrであることを除き表I−34と同等である。
表I−36
表I−36は、RがIであることを除き表I−34と同等である。
表I−37
表I−37は、RがCHOHであることを除き表I−34と同等である。
表I−38
表I−38は、RがCHCNであることを除き表I−34と同等である。
表I−39
表I−39は、RがCHClであることを除き表I−34と同等である。
表I−40
表I−40は、RがCH(CN)COMeであることを除き表I−34と同等である。
表I−41
表I−41は、RがCH(CN)COEtであることを除き表I−34と同等である。
Figure 0005911510
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式1の化合物の調製のために上述されているいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する一定の官能基と適合性ではない場合があることが認識されている。これらの事例においては、保護/脱保護手順または官能基相互転化の合成への組み入れが、所望の生成物の入手を助けるであろう。保護基の使用および選択は、化学合成における当業者には明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,第2版;Wiley:New York,1991年を参照のこと)。当業者は、いくつかの場合において、任意の個別のスキームに示されている所与の試薬の導入の後、詳細には記載されていない追加のルーチン的な合成ステップを実施することが式1の化合物の合成を完了するために必要であり得ることを認識するであろう。当業者はまた、式1の化合物の調製のために示された特定の手順によって示唆されるもの以外の順番で、上記スキームに例示されているステップの組み合わせを実施することが必要であり得ることを認識するであろう。
当業者はまた、本明細書に記載の式1の化合物および中間体は、置換基を追加するため、または、既存の置換基を変性させるために、種々の求電子性、求核性、ラジカル、有機金属、酸化、および、還元反応に供されることが可能であることを認識するであろう。
さらなる詳細を伴わずに、前述の説明を用いる当業者は、本発明を最大限に利用することが可能であると考えられている。以下の合成例は、従って、単なる例示として解釈されるべきであり、および、開示を如何様にも限定すると解釈されるべきではない。以下の合成例におけるステップは、全体的な合成形質変換における各ステップに関する手法を例示しており、各ステップについての出発材料は、手法が他の例またはステップに記載されている特定の調製用操作によって調製されている必要性はなくてもよい。周囲温度または室温は約20〜25℃と定義される。パーセンテージは、クロマトグラフ溶剤混合物、または、別段の記載のある場合を除き、重量基準である。クロマトグラフ溶媒混合物に対する部およびパーセンテージは、他に示されていない限りにおいて、体積基準である。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側にppmで報告されており;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「ddd」は二重項の二重項の二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「m」は多重項を意味し、および「br s」は幅広一重項を意味する。化合物の番号は、索引表A中の化合物を指す。
合成例1
2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(化合物3)の調製
ステップA:N−(5−ピリミジニルメチレン)−2−ピリジンアミンの調製
2−アミノピリジン(11.314g、120.3mmole)およびピリミジン−5−カルボキシアルデヒド(14.0g、129.6mmole)のクロロホルム(300mL)中の溶液を室温で15分間撹拌した。次いで、揮発物を減圧下で除去して(75℃で1時間)黄色の固体を得た。粗固体をクロロホルム(300mL)中に溶解させ、溶液を15分間撹拌した。次いで、揮発物を減圧下で除去して(75℃で1時間)黄色の固体を得た。粗固体を再度クロロホルム(300mL)中に溶解させ、溶液を15分間撹拌し、揮発物を減圧下で除去して(85℃で1時間)黄色の固体を得た。この固体を真空オーブン中で、一晩、80℃で乾燥させて、22.090g(99.8%)の表題の化合物を得た。H NMR(CDCl)δ9.26−9.32(m,4H),8.52(d,1H),7.82(t,1H),7.42(d,1H),7.26(t,1H)。
ステップB:N−[(5−ピリミジニル)メチル]−2−ピリジンアミンの調製
粉末化した98%水素化ホウ素ナトリウム(2.868g、75.5mmole)をメタノール(80mL)およびテトラヒドロフラン(400mL)の溶液に添加し、混合物を5分間激しく攪拌した。ステップAの生成物(13.9g、75.5mmole)をテトラヒドロフラン(400mL)中に溶解させ、得られた溶液を、およそ33mL/分の一定の速度で水素化ホウ素ナトリウム懸濁液に滴下した。反応混合物の外観が、明るい黄色のわずかに曇った懸濁液から清透な赤色の溶液に変化した。10%メタノール:40%ジクロロメタン:50%トルエン溶剤で溶出する薄層クロマトグラフィによって反応の進行を監視した。反応が完了したら、酢酸(3mL)を滴下し、反応混合物を5分間撹拌した。酢酸(2mL)および水(30mL)を添加し、反応混合物を簡単に撹拌し、次いで、酢酸エチルを添加した(500mL)。反応混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、溶剤を50℃で減圧下で除去した。得られた原油をジクロロメタン(50mL)中に溶解させ、溶液をシリカゲルプラグ(100g)を通して酢酸エチル(3L)で溶出した。流出液を黄色−オレンジ色の油に濃縮したところ、これはゆっくりと結晶化し、8.909g(63.4%)の表題の生成物が薄い黄色の固体として得られた。H NMR(CDCl)δ9.12(s,1H),8.76(s,2H),8.10(d,1H),7.42(t,1H),6.64(t,1H),6.42(d,1H),4.99(br s,NH),4.61(d,2H)。
ステップC:1,3−ジメチル2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンジオエートの調製
ジオキサン(100mL)を窒素ガスで10分間パージした。フェナントロレン(Phenanthrolene)(1.0g)およびヨウ化銅(I)(1.0g)をジオキサンに添加し、懸濁液を窒素雰囲気下で5分間撹拌させ、次いで、炭酸セシウム(18.72g、57.45mmol)、マロン酸ジメチル(5.46g、50.6mmol)および1−ヨード−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(12.5g、46.0mmol)を添加した。反応混合物を還流で18時間加熱し、次いで、室温に冷却した。水性1N HClを反応混合物に添加し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した(3×100mL)。組み合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。Celite(登録商標)珪藻土ろ過助剤(5g)を濾液に添加し、得られた懸濁液を50℃で減圧下で濃縮して、Celite(登録商標)に吸着させた粗生成物からなる固体を得た。この固体を、100%ヘキサン〜ヘキサン中の25%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィにより精製して、7.36g(58.0%)の表題の生成物を得た。H NMR(CDCl)δ7.59−7.65(m,3H),7.49(t,1H),4.70(s,1H),3.76(s,6H)。
ステップD:ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンジオエートの調製
ステップCの生成物をNaOH(25g)の水(75mL)中の溶液に添加し、反応混合物を窒素雰囲気下で60℃で8分間激しく撹拌した。次いで、反応混合物を氷(100g)に添加し、pHが1に達するまで水性6N HClを添加した。溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(200mL)を得られた白色の固体に添加し、続いて、塩化オキサリル(5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、続いて、2,4,6−トリクロロフェノール(10.528g、53.32mmol)を添加した。一晩室温で攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。メタノールを得られた残渣に添加したところ、固体がゆっくりと溶液から析出した。固体をろ過により回収して8.161g(50.43%)の表題の生成物を固体として得た。H NMR(CDCl)δ7.91(s,1H),7.83(d,1H),7.70(d,1H),7.59(t,1H),7.37(s,4H),5.38(s,1H)。
ステップE:2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩の調製
トルエン(100mL)中のステップDの生成物(8.16g、13.4mmol)に、ステップBの生成物(3.31g、17.8mmol)を添加した。反応混合物を110℃で6時間加熱したところ、この時間の間に、黄色の固体が溶液から析出した。反応混合物をCelite(登録商標)の存在下に濃縮し、Celite(登録商標)に吸着させた粗生成物を、100%酢酸エチル〜酢酸エチル中の25%メタノールの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィにより精製して7.36g(58.0%)の、本発明の化合物である表題の生成物を得た。
合成例2
3−(4’−シアノ−5,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩(化合物18)の調製
ステップA:1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)2−(3−ヨード−5−メチルフェニル)プロパンジオエートの調製
ヨウ化銅(332mg、1.74mmol)、炭酸セシウム(5.6g、17.4mmol)およびピコリン酸(429mg、3.49mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥したフラスコに加えた。3,5−ジヨードトルエン(3g、8.7mmol)のジオキサン(10mL)中の溶液を添加し、続いて、マロン酸ジ−t−ブチル(1.3mL、8.7mmol)を添加した。フラスコ中の雰囲気を減圧下で除去し、窒素ガスで置換した;このプロセスを合計3回繰り返した。次いで、反応混合物を80℃に加熱し、24時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)で失活させ、ジエチルエーテル(50mL)で2回抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘキサン中の酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィにより精製して、オレンジ色の油として表題の生成物を得た(0.62g)。
H NMR(CDCl)δ7.50(dd 2H),7.15(s,1H),4.30(s,1H),2.30(s,3H),1.47(m,18H)。
ステップB:1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)2−(4’−シアノ−5,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)プロパンジオエートの調製
1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)2−(3−ヨード−5−メチルフェニル)プロパンジオエート(ステップAの生成物、320mg、0.74mmol)、4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸(178mg、1.11mmol)、炭酸ナトリウム(78mg、0.74mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(52mg、0.074mmol)、ジオキサン(5mL)および水(1mL)の混合物を80℃に加熱し、20分間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出するシリカゲルプラグをとおしてろ過した。減圧下で流出液を濃縮することにより、粗生成物を含有する茶色の油(430mg)を得、これをさらに精製することなく次のステップにおいて用いた。
H NMR(CDCl)δ7.70−7.10(m,6H),4.436(s,1H),2.402(s,3H),2.289(s,3H),1.469(s,18H)。
ステップC:3−(4’−シアノ−5,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(5−ピリミジニルメチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩の調製
N−[(5−ピリミジニル)メチル]−2−ピリジンアミン(65mg、0.34mmol)および1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)2−(4’−シアノ−5,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)プロパンジオエート(ステップBの生成物、120mg、0.28mmol)のp−シメン(2mL)および1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(すなわち、テトラリン、1mL)中の混合物を178℃に加熱し、1.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル中の20%メタノールで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィにより精製して、40mg(25%)の、本発明の化合物である表題の化合物を黄色の固体として得た。
H NMR((CDCO)δ9.5(dd,1H),9.05(s,1H),8.95(d,2H),8.35(m,1H),7.95(dd,1H),7.80(d,1H),7.75(s,1H),7.70(s,1H),7.65(m,1H),7.55(m,1H),7.45(dd,1H),7.0(d,1H),5.75(s,2H),2.06(d,6H)。
技術分野において公知である方法を伴う本明細書に記載の手法により、表1および2中の以下の化合物を調製することが可能である。以下の略語が表1において用いられている:Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、および、Buはブチルを意味する。
Figure 0005911510
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本発明の化合物は、一般に、組成物中の、すなわち、界面活性剤、固体希釈剤、および、液体希釈剤からなる群から選択される、キャリアとされる少なくとも1種の追加の成分
との配合物中の有害無脊椎生物防除有効成分として用いられるであろう。配合物または組成物処方成分は、有効成分の物理特性、適用モード、ならびに、土壌タイプ、水分および温度などの環境要因と調和するよう選択される。
有用な配合物は、液体および固体組成物の両方を含む。液体組成物としては、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等が挙げられ、これらは、場合により、ゲルに増粘されることが可能である。水性液体組成物の一般的なタイプは、可溶性の濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョンおよびサスポエマルジョンである。非水性液体組成物の一般的なタイプは、乳化性濃縮物、ミクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物および油分散体である。
固体組成物の一般的なタイプは、粉剤、粉末、顆粒、ペレット、プリル、香錠、錠剤、充填フィルム(種子粉衣を含む)等であり、これらは、水分散性(「水和性」)または水溶性であることが可能である。フィルム形成性溶液または流動性懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングが、種子処理に特に有用である。有効成分は、(マイクロ)カプセル化されていること、および、懸濁液または固体配合物にさらに形成されていることが可能であり;あるいは、有効成分の配合物全体がカプセル化(または「オーバーコート」)されていることが可能である。カプセル化は、有効成分の放出を制御または遅延させることが可能である。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物配合物および乾燥顆粒状配合物の両方の利点を併せ持っている。高強度組成物は、主にさらなる配合物のための中間体として用いられる。
可噴霧配合物は、典型的には、吹付けの前に好適な媒体中で希釈される。このような液体および固体配合物は、通常は水である噴霧媒体中に容易に希釈されるよう配合される。噴霧体積は、約1〜数千リットル/ヘクタールの範囲であることが可能であるが、より典型的には、約10〜数百リットル/ヘクタールの範囲である。可噴霧配合物は、空中散布もしくは地上散布による茎葉処理のために、または、植物の栽培媒体への適用のために、タンク中で水または他の好適な媒体と混合されることが可能である。液体および乾燥配合物は、点滴灌漑システムに直接的に計量されるか、または、植栽の最中に畝間に計量されることが可能である。液体および固体配合物は、発生する根および他の地下植物部位および/または群葉を全身摂取を介して保護するために、植栽の前に、作物および他の望ましい植生の種子に種子処理として適用されることが可能である。
配合物は、典型的には、合計で100重量パーセントとなるおよその範囲内で、有効量の有効成分、希釈剤および界面活性剤を含有するであろう。
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固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンなどのクレイ、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖質(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、ならびに、硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤が、Watkinsら,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,第2版.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリジノン)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱物油、正パラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、トリアセチン、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルなどの酢酸塩;アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステルおよびγ−ブチロラクトンなどの他のエステル;ならびに、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールおよびベンジルアルコールなどの直鎖、分岐、飽和または不飽和であることが可能であるアルコールが挙げられる。液体希釈剤としてはまた、植物種子および果実油(例えば、オリーヴ、ヒマシ、亜麻仁、ゴマ、コーン(トウモロコシ)、ピーナッツ、ヒマワリ、ブドウ種子、ベニバナ、綿実、ダイズ、ナタネ、ココナツおよびパームナッツの油)、動物性脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)などの飽和および不飽和脂肪酸(典型的にはC〜C22)のグリセロールエステル、ならびに、これらの混合物が挙げられる。液体希釈剤としてはまた、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)が挙げられ、ここで、脂肪酸は、植物性および動物性のグリセロールエステルの加水分解により入手され得、蒸留により精製されることが可能である。典型的な液体希釈剤が、Marsden,Solvents Guide,第2版,Interscience,New York,1950年に記載されている。
本発明の固体および液体組成物は、度々、1種以上の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(「表面−活性薬剤としても公知である」)は、一般に、液体の表面張力を変性、最も頻繁には低減させる。界面活性剤分子中の親水性基および親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用であることが可能である。
界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性またはカチオン性と区分されることが可能である。本組成物に有用なノニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:天然および合成アルコール(分岐または直鎖である)系であると共に、アルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物から調製されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化ダイズ、ヒマシ油およびナタネ油などのアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレート(フェノールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物から調製される)などのアルキルフェノールアルコキシレート;末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドおよび逆ブロックポリマーから調製されているブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物から調製されたものを含む);脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリン系誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドPEG(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトまたはくし形ポリマーおよび星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーン系界面活性剤;ならびに、スクロースエステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキル多糖類などの糖質−誘導体が挙げられる。
有用なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:アルキルアリールスルホン酸およびこれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン、および、リグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸もしくはコハク酸、または、これらの無水物;オレフィンスルホン酸塩;アルコールアルコキシレートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシレートのリン酸エステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステルなどのリン酸エステル;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテル硫酸塩;油および脂肪酸の硫酸塩およびスルホン酸塩;エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩およびスルホン酸塩;アルコールの硫酸塩;エトキシル化アルコールの硫酸塩;N,N−アルキルタウレートなどのアミンおよびアミドのスルホン酸塩;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびに、ドデシルおよびトリデシルベンゼンなどのスルホン酸塩;縮合ナフタレンのスルホン酸塩;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホン酸塩;精留された石油のスルホン酸塩;スルホスクシナメート;ならびに、ジアルキルスルホコハク酸塩塩などのスルホコハク酸塩およびそれらの誘導体が挙げられる。
有用なカチオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:アミドおよびエトキシル化アミド;N−アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびに、エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびプロポキシル化アミン(アミンおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物から調製されている)などのアミン;アミン酢酸塩およびジアミン塩などのアミン塩;第4級塩、エトキシル化第4級塩およびジ第4級塩第4級アンモニウム塩;ならびに、アルキルジメチルアミンオキシドおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物、または、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物が本組成物について有用である。ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤、ならびに、これらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行のMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;SiselyおよびWood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964年;ならびに、A.S.DavidsonおよびB.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987年を含む多様な発行されている文献に開示されている。
本発明の組成物はまた、配合補助剤として当業者に公知である配合助剤および添加剤を含有し得る(これらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としても機能するとみなされ得る)。このような配合助剤および添加剤は:pH(緩衝剤)、プロセスの最中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、有効成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チクソトロープ性増粘剤)、コンテナ内での微生物の増殖(抗菌剤)、生成物の凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散体)、洗浄性(塗膜形成剤または展着剤)、蒸発(蒸発遅延剤)、および、他の配合特性を制御し得る。塗膜形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。配合物助剤および添加剤の例としては、McCutcheon’s Volume 2:Functional Materials,annual International and North American,McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行;ならびに、国際公開第03/024222号パンフレットに列挙されているものが挙げられる。
式1の化合物および任意の他の有効成分は、典型的には、有効成分を溶剤中に溶解させることにより、または、液体希釈剤もしくは乾燥希釈剤中で粉砕することにより、本組成物中に組み込まれる。乳化性濃縮物を含む溶液は、処方成分を単に混合することにより調製されることが可能である。乳化性濃縮物として使用が意図される液体組成物の溶剤が不水和性である場合、乳化剤は、典型的には、水での希釈の際に、有効成分含有溶剤を乳化させるために添加される。2,000μm以下の粒径を有する有効成分スラリーは、媒体ミルを用いて湿式ミルに供されて、3μm未満の平均直径を有する粒子を得ることが可能である。水性スラリーは、最終懸濁液濃縮物とされることが可能である(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと)か、または、噴霧乾燥によりさらに処理されて水分散性顆粒が形成されることが可能である。乾燥配合物では、通常は、2〜10μmの範囲内の平均粒径をもたらす乾式ミルプロセスが必要とされる。粉剤および粉末は、ブレンド、および、通常は粉砕すること(ハンマーミルまたは流体−エネルギーミルなどで)により調製されることが可能である。顆粒およびペレットは、活性材を予め形成しておいた顆粒状のキャリアに吹付けることにより、または、凝集技術により調製されることが可能である。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,1967年12月4日,147〜48ページ,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,第4版,McGraw−Hill,New York,1963年,8〜57ページおよびそれ以降、ならびに、国際公開第91/13546号パンフレットを参照のこと。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載のとおり調製されることが可能である。水分散性および水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許3,246,493号明細書に教示されているとおり調製されることが可能である。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されているとおり調製されることが可能である。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されているとおり調製されることが可能である。
配合物の技術分野に関するさらなる情報については、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox−Product Forms for Modern Agriculture」,Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food−Environment Challenge,T.BrooksおよびT.R.Roberts編,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999年,120〜133ページを参照のこと。また、米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961年,81〜96ページ;Hanceら,Weed Control Handbook,第8版,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989年;ならびに、Developments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000年を参照のこと。
以下の実施例において、すべての配合物は従来の方法で調製されている。化合物番号は索引表A中の化合物を指す。さらなる詳細なしで、前述の説明を用いる当業者は本発明を最大限利用することが可能であると考えられている。以下の実施例は、従って、単なる例示であると解釈されるべきであり、および、本開示を如何様にも限定するとは解釈されるべきではない。別段の指示がなければ、割合は重量基準である。
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本発明の化合物は、広い範囲の有害無脊椎生物に対する活性を示す。これらの有害生物は、例えば、植物群葉、根、土壌、収穫された作物または他の食物、建築構造物または動物の外皮などの多様な環境に生育する無脊椎生物を含む。これらの有害生物は、例えば、群葉(葉、茎、花および果実を含む)、種子、木材、紡績繊維、または、動物の血液もしくは組織に摂食し、これにより、例えば、栽培されているもしくは貯蔵されている農作物、森林、温室作物、観賞用植物、苗床作物、貯蔵食物、あるいは、繊維製品、または、家屋もしくは他の構造物もしくはその構成部に被害または損害を与えるか、または、動物衛生もしくは公衆衛生に有害である無脊椎生物を含む。当業者は、すべての化合物がすべての有害生物のすべての成長段階に対して同等に効果的であるわけではないことを理解するであろう。
これらの本化合物および組成物は、それ故、農作物を植物性有害無脊椎生物から保護するために農業経済学的に有用であり、および、また、他の園芸作物および植物を植物性有害無脊椎生物から保護するために非農学的に有用である。この実用性は、遺伝子操作(すなわち、遺伝子組換え)により導入された遺伝物質を含有するか、または、突然変異誘発により修飾されて有利な形質がもたらされている作物および他の植物(すなわち、農学的および非農学的の両方)の保護を含む。このような形質の例としては、除草剤に対する耐容性;植食性有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線虫、カタツムリ、植物−病原性真菌、細菌およびウイルス)に対する耐性;向上した植物の生育;高温または低温、低いまたは高い土壌水分、および、高い塩分などの悪い生育条件に対する高い耐容性;高い開花または結果;より高い収穫率;より早い成熟;より高い品質および/または;収穫された産物の栄養値;または、収穫された産物の向上した保管またはプロセス特性が挙げられる。遺伝子組換え植物は、複数の形質を発現するよう修飾されることが可能である。遺伝子操作または突然変異誘発によりもたらされた形質を含有する植物の例としては、YIELD GARD(登録商標)、KNOCKOUT(登録商標)、STARLINK(登録商標)、BOLLGARD(登録商標)、NuCOTN(登録商標)およびNEWLEAF(登録商標)などの殺虫性バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現するコーン、綿、ダイズおよびジャガイモの品種群、ならびに、ROUNDUP READY(登録商標)、LIBERTY LINK(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商標)、および、CLEARFIELD(登録商標)などのコーン、綿、ダイズおよびナタネの除草剤耐容性品種群、ならびに、N−アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を発現してグリホサート除草剤に対する耐性をもたらす作物、または、HRA遺伝子を含有してアセト乳酸シンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対する耐性をもたらす作物が挙げられる。本化合物および組成物は、遺伝子操作により導入されたかまたは突然変異誘発により修飾された形質と相乗的に相互作用し得、それ故、形質発現もしくは形質の効果が増強されるか、または、本化合物および組成物の有害無脊椎生物防除効果が高められる。特に、本化合物および組成物は、有害無脊椎生物に有害なタンパク質または他の天然生成物の形質発現と相乗的に相互作用して、相加的を超えるこれらの有害生物の防除をもたらし得る。また、本化合物および組成物は、最適以下の水分などの環境応力に対する耐性を付与する形質を含む、植物の生育または他の態様の作物の成長力を改善させる形質と相乗的に相互作用し得る。
本発明の組成物はまた、場合により、例えば、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛、およびモリブデンから選択される少なくとも1種の植物栄養分を含む肥料組成物といった植物栄養分を含んでいることが可能である。注目すべきは、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される少なくとも1種の植物栄養分を含む少なくとも1種の肥料組成物を含む組成物である。少なくとも1種の植物栄養分をさらに含む本発明の組成物は、液体または固形分の形態であることが可能である。注目すべきは、顆粒、小さい棒または錠剤の形態の固体配合物である。肥料組成物を含む固体配合物は、本発明の化合物または組成物と肥料組成物とを配合成分と共に混合し、次いで、粉砕かまたは押出し成形などの方法により配合物を調製することにより調製されることが可能である。あるいは、固体配合物は、本発明の化合物または組成物の揮発性溶剤中の溶液または懸濁液を、例えば、顆粒、小さい棒または錠剤といった寸法的に安定な混合物の形態で予め調製しておいた肥料組成物に吹付け、次いで、溶剤を蒸発させることにより調製されることが可能である。
農学的または非農学的有害無脊椎生物の例としては、アーミーワーム、根切虫、ルーパー、および、ヤガ科のタバコガ(例えば、ピンクステムボーラー(pink stem borer)(Sesamia inferens Walker)、コーンストークボーラー(corn stalk borer)(Sesamia nonagrioides Lefebvre)、サウザンアーミーワーム(southern armyworm)(Spodoptera eridania Cramer)、ハスモンヨトウ(Spodoptera fugiperda J.E.Smith)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Huebner)、コットンリーフワーム(cotton leafworm)(Spodoptera littoralis Boisduval)、イエローストライプドアーミーワーム(yellowstriped armyworm)(Spodoptera ornithogalli Guenee)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon Hufnagel)、ベルベットビーンキャタピラー(velvetbean caterpillar)(Anticarsia gemmatalis Huebner)、グリーンフルーツワーム(green fruitworm)(Lithophane antennata Walker)、キャベッジアーミーワーム(cabbage armyworm)(Barathra brassicae Linnaeus)、ソイビーンルーパー(soybean looper)(Pseudoplusia includens Walker)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni Huebner)、オオタバコガ(Heliothis virescens Fabricius)などの鱗翅目の卵、幼虫および成虫;メイガ科(例えば、アワノメイガ(Ostrinia nubilalis Huebner)、ネーブルオレンジワーム(Amyelois transitella Walker)、ウスギンツトガ(Crambus caliginosellus Clemens)、クロオビクロノメイガ(Herpetogramma licarsisalis Walker)などのソッドウェブワーム(メイガ科:ツトガ亜科)、シュガーケーンステムボーラー(sugarcane stem borer)(Chilo infuscatellus Snellen)、トマトスモールボーラー(tomato small borer)(Neoleucinodes elegantalis Guenee)、グリーンリーフローラー(green leafroller)(Cnaphalocerus medinalis)、グレープリーフフォルダー(grape leaffolder)(Desmia funeralis Huebner)、メロンワーム(melon worm)(Diaphania nitidalis Stoll)、キャベッジセンターグラブ(cabbage center grub)(Helluala hydralis Guenee)、イエローステムボーラー(yellow stem borer)(Scirpophaga incertulas Walker)、アーリーシュートボーラー(early shoot borer)(Scirpophaga infuscatellus Snellen)、ホワイトステムボーラー(white stem borer)(Scirpophaga innotata Walker)、トップシュートボーラー(top shoot borer)(Scirpophaga nivella Fabricius)、ダーク−ヘデッドライスボーラー(dark−headed rice borer)(Chilo polychrysus Meyrick)、キャベッジクラスターキャタピラー(cabbage cluster caterpillar)(Crocidolomia binotalis English))の穿孔性害虫、ツツミノガ科、ウェブワーム、マツマダラメイガ、アオムシおよび食葉性の幼虫;ハマキムシ、ハマキガ科における芽を食外する害虫、種子を食害する害虫、および、果実を食害する害虫(例えば、コドリンガ(Cydia pomonella Linnaeus)、ホソバヒメハマキ(Endopiza viteana Clemens)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta Busck)、シトラスフォルスカドリングモス(citrus false codling moth)(Cryptophlebia leucotreta Meyrick)、シトラスボーラー(citrus borer)(Ecdytolopha aurantiana Lima)、レッドバンデッドリーフローラー(redbanded leafroller)(Argyrotaenia velutinana Walker)、オブリキバンデッドリーフローラー(obliquebanded leafroller)(Choristoneura rosaceana Harris)、ライトブラウンアップルモス(light brown apple moth)(Epiphyas postvittana Walker)、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella Huebner)、アップルバドモス(apple bud moth)(Pandemis pyrusana Kearfott)、オムニボラスリーフローラー(omnivorous leafroller)(Platynota stultana Walsingham)、バードフルート−ツリートルトリスク(barred fruit−tree tortrix)(Pandemis cerasana Huebner)、アップルブラウントルトリクス(apple brown tortrix)(Pandemis heparana Denis & Schiffermueller));ならびに、多くの他の経済的に重要な鱗翅目(例えば、コナガ(Plutella xylostella Linnaeus)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella Saunders)、マイマイガ(Lymantria dispar Linnaeus)、ピーチフルートボーラー(peach fruit borer)(Carposina niponensis Walsingham)、ピーチツイグボーラー(peach twig borer)(Anarsia lineatella Zeller)、ポテトチューバーワーム(potato tuberworm)(Phthorimaea operculella Zeller)、スポテッドテニフォームリーフマイナー(spotted teniform leafminer)(Lithocolletis blancardella Fabricius)、アジアチックアップルリーフマイナー(asiatic apple leafminer)(Lithocolletis ringoniella Matsumura)、ライスリーフフォルダー(rice leaffolder)(Lerodea eufala Edwards)、アップルリーフマイナー(apple leafminer)(Leucoptera scitella Zeller));チャバネゴキブリおよびゴキブリ科(例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis Linnaeus)、アジアゴキブリ(Blatella asahinai Mizukubo)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica Linnaeus)、チャオビゴキブリ(Supella longipalpa Fabricius)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana Linnaeus)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea Burmeister)、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae Fabricius))、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa Service)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae Fabr.)、ハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea Olivier)およびスムースコックローチ(Symploce pallens Stephens))のゴキブリを含むゴキブリ目の卵、幼虫および成虫;ヒゲナガゾウムシ、マメゾウムシおよびゾウムシ科(例えば、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis Boheman)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel)、オサゾウムシ(Sitophilus granarius Linnaeus)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae Linnaeus))、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis Dietz)、ブルーグラスビルバグ(Sphenophorus parvulus Gyllenhal)、ハンティングビルバグ(Sphenophorus venatus vestitus)、デンバービルバグ(Sphenophorus cicatristriatus Fahraeus))のゾウムシを含む鞘翅目の卵、食葉性、食果実性、食根性、食種子性および食小胞状組織性幼虫および成虫;ハムシ科中のノミハムシ、ウリハムシ、ネクイムシ、ハムシ、イモハムシおよびハモグリムシ(例えば、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata Say)、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera LeConte));コガネムシ科(例えば、マメコガネ(Popillia japonica Newman)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis Waterhouse,Exomala orientalis(Waterhouse)Baraud)、ノーザンマスクドチェーファー(Cyclocephala borealis Arrow)、サウザンマスクドチェーファー(Cyclocephala immaculata OlivierまたはC.lurida Bland)、ダングビートル(dung beetle)およびホワイトグラブ(white grub)(Aphodius spp.)、ブラックターフグラスアテニウス(Ataenius spretulus Haldeman)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida Linnaeus)、アジアンガーデンビートル(Maladera castanea Arrow)、メイ/ジューンビートル(Phyllophaga spp.)およびヨーロピアンコガネムシ(European chafer)(Rhizotrogus majalis Razoumowsky))のコガネムシおよび他の甲虫;カツオブシムシ科のカツオブシムシ;コメツキムシ科のハリガネムシ;キクイムシ科のキクイムシおよびゴミムシダマシ科のコクヌストモドキが挙げられる。
さらに、農学的および非農学的有害生物としては:クギヌキハサミムシ科のハサミムシ(例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia Linnaeus)、ブラックイヤウィグ(black earwig)(Chelisoches morio Fabricius))を含む革翅目の卵、成虫および幼虫;カスミカメムシ科のカスミカメムシ、セミ科のセミ、ヨコバイ科のリーフホッパー(例えばEmpoasca spp.)、トコジラミ科のトコジラミ(例えば、Cimex lectularius Linnaeus)、ハゴロモ上科およびウンカ科のウンカ、ツノゼミ科のツノゼミ、キジラミ科のキジラミ、コナジラミ科のコナジラミ、アブラムシ科のアブラムシ、ネアブラムシ科のネアブラムシ、コナカイガラムシ科のイボタムシ、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科およびワラジカイガラムシ科のカイガラムシ、グンバイムシ科のアワダチソウグンバイ、カメムシ科のカメムシ、ナガカメムシ科のコバネナガカメムシの1種(例えば、ヘアリーチンチバグ(Blissus leucopterus hirtus Montandon)およびサウザンチンチバグ(Blissus insularis Barber))および他のコバネナガカメムシ、コガシラアワフキ科のアワフキ、ヘリカメムシ科のヘリカメムシの1種、ならびに、ホシカメムシ科のアカホシカメムシおよびホシカメムシなどの半翅目および同翅目の卵、幼体、成虫および幼虫が挙げられる。
農学的および非農学的有害生物としてはまた:ハダニ科(例えば、リンゴハダニ(Panonychus ulmi Koch)、ナミハダニ(Tetranychus urticae Koch)、マクダニエルダニ(Tetranychus mcdanieli McGregor))のハダニおよびアカダニなどのコナダニ目(ダニ)の卵、幼虫、幼虫および成虫;ヒメハダニ科(例えば、カンキツヒメハダニ(Brevipalpus lewisi McGregor))のヒメハダニ;フシダニ科におけるサビダニおよびフシダニ、ならびに、他の食葉性ダニならびにヒトおよび動物衛生において重要なダニ、すなわち、チリダニ科におけるヒョウダニ、ニキビダニ科におけるニキビダニ、ニクダニ科におけるムギコナダニ;通例カタダニ類として知られるマダニ科におけるマダニ類(例えば、シカダニ(Ixodes scapularis Say)、オーストラリアマダニ(Ixodes holocyclus Neumann)、カクマダニ(Dermacentor variabilis Say)、ローンスターチック(lone star tick)(Amblyomma americanum Linnaeus))、および、通例ヒメダニとして知られているヒメダニ科におけるマダニ類(例えば、回帰熱マダニ(Ornithodoros turicata)、一般的な家禽ダニ(Argas radiatus));キュウセンダニ科、シラミダニおよびヒゼンダニ科における疥癬や皮癬のダニ;バッタ、イナゴおよびコオロギ(例えば、クルマバッタ(例えば、Melanoplus sanguinipes Fabricius、M.differentialis Thomas)、アメリカイナゴ(例えば、Schistocerca americana Drury)、サバクバッタ(Schistocerca gregaria Forskal)、トノサマバッタ(Locusta migratoria Linnaeus)、ブッシュローカスト(bush locust)(Zonocerus spp.)、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus Linnaeus)、ケラ(例えば、トーニーモールクリケット(Scapteriscus vicinus Scudder)およびサウザンモールクリケット(Scapteriscus borellii Giglio−Tos))を含む直翅目の卵、成虫および幼体;ハモグリムシ(例えば、サーペンタインベジタブルリーフマイナー(serpentine vegetable leafminer)(Liriomyza sativae Blanchard)などのハモグリムシ類の一種(Liriomyza spp.))、ユスリカ、ミバエ(Tephritidae)、キモグリバエ(例えば、Oscinella frit Linnaeus)、ウジバエ、イエバエ(例えば、Musca domestica Linnaeus)、ヒメイエバエ(例えば、Fannia canicularis Linnaeus、F.femoralis Stein)、サシバエ(例えば、Stomoxys calcitrans Linnaeus)、イエバエの1種(face fly)、ノサシバエ、クロバエ(例えば、Chrysomya spp.、Phormia spp.)、および、他のイエバエ(muscoid fly)有害生物、アブ(例えば、Tabanus spp.)、(例えば、Gastrophilus spp.、Oestrus spp.)、ウシバエ(例えば、Hypoderma spp.)、メクラアブ(例えば、Chrysops spp.)、シラミバエ(例えば、Melophagus ovinus Linnaeus)および他の短角亜目、蚊(例えば、Aedes spp.、Anopheles spp.、Culex spp.)、ブユ(例えば、Prosimulium spp.、Simulium spp.)、クロヌカカ、スナバエ、クロバネキノコバエ、および、他の長角類を含む双翅目の卵、成虫および幼体;ネギアザミウマ(Thrips tabaci Lindeman)、フラワースリップス(flower thrips)(Frankliniella spp.)、および、他の食葉性アザミウマを含む総翅目の卵、成虫および幼体;フロリダカーペンターアント(Florida carpenter ant)(Camponotus floridanus Buckley)、アカオオアリ(Camponotus ferrugineus Fabricius)、クロオオアリ(Camponotus pennsylvanicus De Geer)、アシジロヒラフシアリ(Technomyrmex albipes fr.Smith)、オオズアリ(Pheidole sp.)、アワテコヌカアリ(Tapinoma melanocephalum Fabricius);イエヒメアリ(Monomorium pharaonis Linnaeus)、チビヒアリ(Wasmannia auropunctata Roger)、アカカミアリ(Solenopsis geminata Fabricius)、ヒアリ(Solenopsis invicta Buren)、アルゼンチンアリ(Iridomyrmex humilis Mayr)、アシナガキアリ(Paratrechina longicornis Latreille)、トビイロシワアリ(Tetramorium caespitum Linnaeus)、ヒメトビイロケアリ(Lasius alienus Foerster)およびコヌカアリ(Tapinoma sessile Say)を含むアリ科のアリを含む膜翅目の昆虫有害生物が挙げられる。他の膜翅目としては、ハチ(クマバチを含む)、スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yellow jacket)、大型のハチ(wasp)、および、ハバチ(Neodiprion spp.;Cephus spp.);シロアリ科(例えば、Macrotermes sp.、Odontotermes obesus Rambur)、レイビシロアリ科(例えば、Cryptotermes sp.)、および、ミゾガシラシロアリ科(例えば、Reticulitermes sp.、Coptotermes sp.、Heterotermes tenuis Hagen)、ミゾガシラシロアリ(Reticulitermes flavipes Kollar)、セイヨウシロアリ(Reticulitermes hesperus Banks)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus Shiraki)、ハワイシロアリ(Incisitermes immigrans Snyder)、パウダーポストターマイト(Cryptotermes brevis Walker)、ドライウッドターマイト(Incisitermes snyderi Light)、サウスイースタンサブタラニアンターマイト(Reticulitermes virginicus Banks)、ウェスタンドライウッドターマイト(Incisitermes minor Hagen)、Nasutitermes sp.などの樹木シロアリ、および、経済的に重要な他のシロアリにおけるシロアリを含むシロアリ目の昆虫有害生物;セイヨウシミ(Lepisma saccharina Linnaeus)およびマダラシミ(Thermobia domestica Packard)などのシミ目の昆虫有害生物;ハジラミ目であって、コモロジラミ(Pediculus humanus capitis De Geer)、アタマジラミ(Pediculus humanus Linnaeus)、ニワトリハジラミ(Menacanthus stramineus Nitszch)、イヌハジラミ(Trichodectes canis De Geer)、フラッフラウス(fluff louse)(Goniocotes gallinae De Geer)、ヒツジハジラミ(Bovicola ovis Schrank)、ウシジラミ(short−nosed cattle louse)(Haematopinus eurysternus Nitzsch)、ウシジラミ(long−nosed cattle louse)(Linognathus vituli Linnaeus)、ならびに、人および動物を襲う他の吸血性および刺咬性寄生性シラミを含む昆虫有害生物;ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis Rothschild)、ネコノミ(Ctenocephalides felis Bouche)、イヌノミ(Ctenocephalides canis Curtis)、ニワトリノミ(Ceratophyllus gallinae Schrank)、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea Westwood)、ヒトノミ(Pulex irritans Linnaeus)、ならびに、哺乳動物および鳥類を苦しめる他のノミを含むノミ目の昆虫有害生物が挙げられる。カバーされる追加の節足動物有害生物としては:イトグモ(Loxosceles reclusa Gertsch & Mulaik)およびクロゴケグモ(Latrodectus mactans Fabricius)などのクモ目におけるクモ、ならびに、イエムカデ(Scutigera coleoptrata Linnaeus)などの唇脚綱ゲジ目におけるムカデが挙げられる。
貯蔵穀物の有害無脊椎生物の例としては、オオコナナガシンクイ(Prostephanus truncatus)、コナナガシンクイムシ(Rhyzopertha dominica)、ココクゾウムシ(Stiophilus oryzae)、トウモロコシゾウムシ(Stiophilus zeamais)、ヨツモンマメゾウムシ(Callosobruchus maculatus)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オサゾウムシ(Stiophilus granarius)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuhniella)、および、カクムネヒラタムシまたはサビカクムネヒラタムシ(Cryptolestis ferrugineus)が挙げられる。
本発明の化合物は、鱗翅目における有害生物(例えば、Alabama argillacea Huebner(ヤガの幼虫)、Archips argyrospila Walker(果樹ハマキムシ)、A.rosana Linnaeus(セイヨウハマキ)および他のカクモンハマキ種、Chilo suppressalis Walker(ニカメイチュウ)、Cnaphalocrosis medinalis Guenee(コブノメイガ)、Crambus caliginosellus Clemens(ウスギンツトガ)、Crambus teterrellus Zincken(シバツトガ)、Cydia pomonella Linnaeus(コドリンガ)、Earias insulana Boisduval(ミスジアオリンガ)、Earias vittella Fabricius(クサオビリンガ)、Helicoverpa armigera Huebner(オオタバコガ(American bollworm))、Helicoverpa zea Boddie(オオタバコガ(corn earworm))、Heliothis virescens Fabricius(オオタバコガ(タバコ芽を食害する害中))、Herpetogramma licarsisalis Walker(ソッドウェブワーム)、Lobesia botrana Denis & Schiffermueller(ホソバヒメハマキ)、Pectinophora gossypiella Saunders(ワタアカミムシガ)、Phyllocnistis citrella Stainton(ミカンコハモグリ)、Pieris brassicae Linnaeus(大型のモンシロチョウ)、Pieris rapae Linnaeus(小型のモンシロチョウ)、Plutella xylostella Linnaeus(コナガ)、Spodoptera exigua Huebner(シロイチモジヨトウ)、Spodoptera litura Fabricius(ハスモンヨトウ(tobacco cutworm, cluster caterpillar))、Spodoptera frugiperda J.E.Smith(ツマジロクサヨトウ)、Trichoplusia ni Huebner(イラクサキンウワバ)、および、Tuta absoluta Meyrick(キバガの1種))に対して特に高い活性を示す。
本発明の化合物はまた:Acyrthosiphon pisum Harris(エンドウヒゲナガアブラムシ)、Aphis craccivora Koch(マメアブラムシ)、Aphis fabae Scopoli(マメクロアブラムシ)、Aphis gossypii Glover(ワタアブラムシ)、Aphis pomi De Geer(リンゴアブラムシ)、Aphis spiraecola Patch(ユキヤナギアブラムシ)、Aulacorthum solani Kaltenbach(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、Chaetosiphon fragaefolii Cockerell(イチゴケナガアブラムシ)、Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko(ロシアコムギアブラムシ)、Dysaphis plantaginea Paaserini(バラリンゴアブラムシ)、Eriosoma lanigerum Hausmann(リンゴワタムシ)、Hyalopterus pruni Geoffroy(モモコフキアブラムシ)、Lipaphis erysimi Kaltenbach(ニセダイコンアブラムシ)、Metopolophium dirrhodum Walker(穀類につくアブラムシ)、Macrosiphum euphorbiae Thomas(チューリップヒゲナガアブラムシ)、Myzus persicae Sulzer(モモアカアブラムシ)、Nasonovia ribisnigri Mosley(レタスアブラムシ)、Pemphigus spp.(コブアブラムシ(root aphidsおよびgall aphids))、Rhopalosiphum maidis Fitch(トウモロコシアブラムシ)、Rhopalosiphum padi Linnaeus(ムギクビレアブラムシ)、Schizaphis graminum Rondani(ムギミドリアブラムシ)、Sitobion avenae Fabricius(ムギヒゲナガアブラムシ)、Therioaphis maculata Buckton(マダラアルファルファアブラムシ)、Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe(コミカンアブラムシ)、および、Toxoptera citricida Kirkaldy(ミカンクロアブラムシ);Adelges spp.(カサアブラムシ);Phylloxera devastatrix Pergande(ペカンネアブラムシ);Bemisia tabaci Gennadius(タバココナジラミ)、Bemisia argentifolii Bellows & Perring(シルバーリーフコナジラミ)、Dialeurodes citri Ashmead(ミカンコナジラミ)およびTrialeurodes vaporariorum Westwood(オンシツコナジラミ);Empoasca fabae Harris(ジャガイモヒゲヨコバイ)、Laodelphax striatellus Fallen(ヒメトビウンカ)、Macrolestes quadrilineatus Forbes(フタテンヨコバイ)、Nephotettix cinticeps Uhler(ツマグロヨコバイ)、Nephotettix nigropictus Stael(クロスジツマグロヨコバイ)、Nilaparvata lugens Stael(トビイロウンカ)、Peregrinus maidis Ashmead(トウモロコシウンカ)、Sogatella furcifera Horvath(セジロウンカ)、Sogatodes orizicola Muir(イネウンカ)、Typhlocyba pomaria McAtee シロリンゴヨコバイ、Erythroneoura spp.(チマダラヒメヨコバイ);Magicidada septendecim Linnaeus(十七年ゼミ);Icerya purchasi Maskell(イセリアカイガラムシ)、Quadraspidiotus perniciosus Comstock(サンホゼカイガラムシ);Planococcus citri Risso(ミカンコナカイガラムシ);Pseudococcus spp.(他のコナカイガラムシ);Cacopsylla pyricola Foerster(ヨーロッパナシキジラミ)、Trioza diospyri Ashmead(カキキジラミ)を含む同翅目からのメンバーに顕著な活性を有する。
本発明の化合物はまた:Acrosternum hilare Say(アオクサカメムシ)、Anasa tristis De Geer(ヘリカメムシの1種)、Blissus leucopterus leucopterus Say(コバネナガカメムシの1種)、Cimex lectularius Linnaeus(トコジラミ)、Corythuca gossypii Fabricius(コットンレースバグ)、Cyrtopeltis modesta Distant(トマトバグ)、Dysdercus suturellus Herrich−Schaeffer(ホシカメムシ)、Euchistus servus Say(茶色のカメムシの1種)、Euchistus variolarius Palisot de Beauvois(イッテンカメムシ)、Graptosthetus spp.(ヒメマダラカメムシ)、Leptoglossus corculus Say(マツノミヘリカメムシ)、Lygus lineolaris Palisot de Beauvois(ミドリヘリカメムシ)、Nezara viridula Linnaeus(ミナミアオカメムシ)、Oebalus pugnax Fabricius(イネカメムシ)、Oncopeltus fasciatus Dallas(ナガカメムシの1種)、Pseudatomoscelis seriatus Reuter(ワタノミハムシ)を含む半翅目からのメンバーに活性を有し得る。本発明の化合物によって防除される他の昆虫目としては、総翅目(例えば、Frankliniella occidentalis Pergande(ミカンキイロアザミウマ)、Scirthothrips citri Moulton(ミカンアザミウマ)、Sericothrips variabilis Beach(ダイズアザミウマ)、および、Thrips tabaci Lindeman(ネギアザミウマ);ならびに、鞘翅目(例えば、Leptinotarsa decemlineata Say(コロラドハムシ)、Epilachna varivestis Mulsant(インゲンテントウ)、および、アグリオテス属(Agriotes)、アトウス属(Athous)またはリモニウム属のハリガネムシ)が挙げられる。
本発明の化合物はまた、特に限定されないが、経済的に重要な農学上の有害生物(すなわち、ネコブセンチュウ属における根こぶ線虫、ネグサレセンチュウ属における根ぐされ線虫、ユミハリセンチュウ属におけるユミハリ線虫等)、ならびに、動物および人間の健康を害する有害生物(すなわち、ウマにおける普通円虫(Strongylus vulgaris)、イヌにおける犬回虫(Toxocara canis)、ヒツジにおける捻転胃虫(Haemonchus contortus)、イヌにおける犬糸状虫(Dirofilaria immitis Leidy)、ウマにおける葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)、反芻動物における肝蛭虫(Fasciola hepatica Linnaeus)等などのすべての経済的に重要な吸虫、条虫および回虫)などの円虫目、回虫目、ギョウチュウ目、桿線虫目、旋尾線虫目、および、エノブルス目の経済的に重要なメンバーを含む線形動物、条虫網、吸虫網、および、鉤頭虫門の分類のメンバーに活性を有する。
いくつかの現代の分類システムでは、同翅目は半翅目の亜目とされていることに注目すべきである。
注目すべきは、ジャガイモヒゲヨコバイ(Empoasca fabae)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、トウモロコシウンカ(Peregrinus maidis)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、コナガ(Plutella xylostella)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ハスモンヨトウ(Spodoptera frugiperda)を防除するための本発明の化合物の使用である。
注目すべきは、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、カスミカメムシの一種(Lygus hesperus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)およびニカメイチュウ(Chilo suppressalis)を防除するための本発明の化合物の使用である。
本発明の化合物はまた、作物植物の成長力を高めるために有用である。この方法は、作物植物(例えば、群葉、花、果実または根)または作物植物が発育する種子に、所望の植物の成長力に係る効果を達成するために十分な量(すなわち、生物学的に有効な量)で、式1の化合物を接触させるステップを含む。典型的には、式1の化合物は、配合組成物で適用される。式1の化合物は、度々、作物植物またはその種子に直接的に適用されるが、作物植物が生育している場所、すなわち、作物植物の環境であって、特に作物植物への式1の化合物の移動が可能とされるに十分に近接した環境の一部にも適用されることが可能である。この方法に関連する場所は、最も一般的には、栽培培地(すなわち、植物に栄養分を提供する培地)、典型的には植物が栽培されている土壌を含む。作物植物の成長力を高めるための作物植物の処理は、それ故、作物植物、作物植物が発育する種子、または、作物植物が生育している場所に生物学的に有効な量の式1の化合物を接触させるステップを含む。
高められた作物成長力は、以下の観察される効果の1種以上をもたらすことが可能である:(a)優れた種子発芽、作物の出芽、および、作物の株立本数により実証される最適な作物の株立ち;(b)速く強い葉の成長(例えば、葉面積指数によって計測される)、草高、株分け数(例えば、イネ)、根の質量、および、作物の繁殖質量の全乾燥重量によって実証される増強された作物の成長;(c)開花にかかる時間、開花期間、花の数、バイオマス蓄積の合計(すなわち収穫高)、および/または、農産物の市場性に係る果実もしくは穀粒グレード(すなわち収穫品質)によって実証される向上した作物収量;(d)植物病害の感染、および、節足動物、線虫または有害軟体動物による外寄生に耐える、もしくは、これらを予防する作物の能力の増強;ならびに、(e)極度な熱、最適下限水分または植物毒性化学物質への露出などの環境ストレスに耐える作物の能力の向上。
本発明の化合物は、植物の環境中の植食性有害無脊椎生物を殺傷またはそうでなければ採食を妨げることにより、未処理の植物と比して処理された植物の成長力を高めることが可能である。植食性有害無脊椎生物のこのような防除が不在の場合、有害生物は、植物組織もしくは汁液を摂食することにより、または、ウイルスなどの植物病原体を伝染させることにより植物の成長力を低減させてしまう。植食性有害無脊椎生物が不在の場合でも、本発明の化合物は、植物の代謝を改変することにより植物の成長力を高め得る。一般に、作物植物の成長力は、植物が、非理想な環境、すなわち、植物が理想的な環境において示されることとなるであろう遺伝学的な可能性を完全に達成するのに不都合な態様を1つ以上含む環境において栽培されている場合に、この植物を本発明の化合物で処理することにより最も顕著に高められることとなる。
注目すべきは、植食性有害無脊椎生物が存在している環境において作物植物が栽培される本発明の作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、植食性有害無脊椎生物が存在していない環境において作物植物が栽培される本発明の作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、作物植物の生育を支えるのに理想的な量よりも水分が少ない環境において作物植物が栽培される、本発明の作物植物の成長力を高める方法である。注目すべきは、作物がイネである本作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、作物がトウモロコシ(コーン)である本作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、作物がダイズである本作物植物の成長力を高める方法である。
本発明の化合物はまた、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤毒性緩和剤、昆虫脱皮阻害剤および発根促進剤などの成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、他の生体活性化合物または昆虫病原性細菌、ウイルスまたは真菌を含む他の生体活性化合物または薬剤の1種以上と混合されて多成分有害生物防除剤を形成し、さらに広い範囲の農学的および非農学的実用性をもたらすことが可能である。それ故、本発明はまた、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分と、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤とを含む組成物に関する。本発明の混合物について、他の生体活性化合物もしくは薬剤は、式1の化合物を含む本化合物と一緒に配合されて予混合物を形成することが可能であり、または、他の生体活性化合物もしくは薬剤は、式1の化合物を含む本化合物とは個別に配合されて、これら2種の配合物を適用の前に一緒に組み合わせること(例えば、噴霧タンク中で)、あるいは、逐次的に適用することが可能である。
本発明の化合物を配合することが可能であるこのような生体活性化合物または薬剤の例は、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルメトフェン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、γ−シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、ζ−シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、酸化フェンブタスズ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルバリネート、τ−フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性セッケン、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メパルフルスリン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、テブフェノジド、スルホクサフロール、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルスリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ−ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルムロン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ−エンドトキシン、昆虫病原性細菌、昆虫病原性ウイルス、および、昆虫病原性菌などの殺虫剤である。
注目すべきは、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、γ−シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、ζ−シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホクサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ−ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ−エンドトキシン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株およびヌクレオポリヒドロシス(Nucleo polyhydrosis)ウイルスのすべての菌株などの殺虫剤である。
本発明の化合物と混合されるための生物学剤の一実施形態としては、CellCap(登録商標)プロセス(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)およびMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USA商標である)により調製されるMVP(登録商標)およびMVPII(登録商標)昆虫農薬などのバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)およびバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の被包性デルタ−エンドトキシンなどの昆虫病原性細菌;黒きょう病真菌類などの昆虫病原性菌;ならびに、バキュロウイルス、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)核多核体ウイルス(HzNPV)などの核多核体ウイルス(NPV)、アナグラファファルシフェラ(Anagrapha falcifera)核多核体ウイルス(AfNPV)などの昆虫病原性ウイルス(天然のものおよび遺伝子操作されたものの両方);ならびに、コドリンガ(Cydia pomonella)グラニュローシスウイルス(CpGV)などのグラニュローシスウイルス(GV)が挙げられる。
特に注目すべきは、他の有害無脊椎生物防除有効成分が、異なる化学クラスに属しているか、または、式1の化合物とは異なる作用部位を有しているような組み合わせである。一定の事例において、同様の防除範囲を有するが、異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の有害無脊椎生物防除有効成分との組み合わせが耐性管理に関して特に有利であろう。それ故、本発明の組成物は、同様の防除範囲を有しているが、異なる化学的分類に属しているか、または、異なる作用部位を有する生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の有害無脊椎生物防除有効成分をさらに含んでいることが可能である。これらの追加の生体活性化合物または薬剤としては、これらに限定されないが、ビフェントリン、シペルメトリン、シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シフルトリン、β−シフルトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレート、インドキサカルブ、メトフルトリン、プロフルトリン、ピレトリンおよびトラロメトリンなどのナトリウムチャネル調節剤;クロルピリホス、メソミル、オキサミル、チオジカルブおよびトリアザメートなどのコリンエステラーゼ阻害剤;アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリドおよびチアメトキサムなどのネオニコチノイド;スピネトラム、スピノサド、アバメクチン、アベルメクチンおよびエマメクチンなどの殺虫性大環式ラクトン;アベルメクチンなどのGABA(γ−アミノ酪酸)作動性塩化イオンチャネルアンタゴニスト、または、エチプロールおよびフィプロニルなどの遮断剤;ブプロフェジン、シロマジン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロンおよびトリフルムロンなどのキチン合成抑制剤;ジオフェノラン、フェノキシカルブ、メトプレンおよびピリプロキシフェンなどの幼虫ホルモン模倣剤;アミトラズなどのオクトパミン受容体リガンド;アザジラクチン、メトキシフェノジドおよびテブフェノジドなどの脱皮阻害剤およびエクジソンアゴニスト;リアノジンなどのリアノジン受容体リガンド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロールおよびフルベンジアミドなどのアントラニルジアミド;カルタップなどのネライストキシン類似体;クロルフェナピル、ヒドラメチルノンおよびピリダベンなどのミトコンドリア電子送達抑制剤;スピロジクロフェンおよびスピロメシフェンなどの脂質生合成抑制剤;ディルドリンまたはエンドスルファンなどのシクロジエン殺虫剤;ピレスロイド;カルバメート;殺虫性尿素;ならびに、核多核体ウイルス(NPV)、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の一員、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の被包性デルタ−エンドトキシン、および、他の天然のまたは遺伝的に修飾した殺虫性ウイルスを含む生物学剤が挙げられる。
本発明の化合物と配合可能である生物学的に有効な化合物もしくは薬剤のさらなる例は:1−[4−[4−[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン、アシベンゾラル、アルジモルフ、アミスルブロム、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、ビノミアル、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン−S、ボルドー混合物(三塩基性硫酸銅)、ボスカリド/ニコビフェン、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルボキシン、カプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、オキシ塩化銅、硫酸銅および水酸化銅などの銅塩、シアゾファミド、シフルナミド(cyflunamid)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェンコナゾール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノカップ、ジスコストロビン、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エタコナゾール、エディフェンホス、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンカラミド、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニルスズ、トリフェニルスズヒドロキシド、フェルバム、フェルフラゾエート、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル(flumetover)、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、フサライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イオジカルブ(iodicarb)、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソプロチオラン、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンネブ、マパニピリン(mapanipyrin)、メフェノキサム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン/フェノミノストロビン、メパニピリム、メトラフェノン、ミコナゾール、ミクロブタニル、ネオアソジン(メタアルソン酸第二鉄)、ヌアリモル、オクチリノン、オフレース、オリザストロビン、オキサジキシル、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペルフラゾエート、ホスホン酸、フタリド、ピコベンズアミド(picobenzamid)、ピコキシストロビン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリフェノックス、ピリオフェノン、ピロールニトリン(pyrolnitrine)、ピロキロン、キンコナゾール、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクラゼン、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルコホス−メチル、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリアゾキシド、トリデモルフ、トリモルファミド、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラムおよびゾキサミドなどの殺菌・殺カビ剤;アルジカルブ、イミシアホス、オキサミルおよびフェナミホスなどの抗線虫薬;ストレプトマイシンなどの殺菌剤;アミトラズ、キノメチオナト、クロロベンジラート、シヘキサチン、ジコホル、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルギット、ピリダベンおよびテブフェンピラドなどの殺ダニ剤である。
注目すべきは、1−[4−[4−[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン、アゾキシストロビン、水酸化銅、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェンコナゾール、ファモキサドン、フェノキサニル、フェリムゾン、フルシラゾール、フルトラニル、フサライド、フラメトピル、ヘキサコナゾール、イソプロチオラン、イソチアニル、カスガマイシン、マンコゼブ、メトミノストロビン、オリザストロビン、ペンシクロン、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロベナゾール、プロピコナゾール、プロキナジド、ピロキロン、シメコナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、トリフロキシストロビンおよびバリダマイシンなどの殺菌・殺カビ剤を含む殺菌・殺カビ剤および組成物である。
一定の事例において、本発明の化合物と、他の生体活性(特に、有害無脊椎生物防除)化合物または薬剤(すなわち、有効成分)との組み合わせは、相加的を超える(すなわち、相乗的)効果をもたらすことが可能である。効果的な有害生物の防除を確保しつつ、環境中に放出される有効成分の量を低減することが常に望ましい。有害無脊椎生物防除有効成分の相乗作用が農業経済学的に充分なレベルの有害無脊椎生物防除をもたらす施用量で生じる場合、このような組み合わせは、作物の生産コストを削減し、および、環境的負荷を低減するために有利であることが可能である。作物植物の成長力を高める超相加的効果もまた観察され得る。
本発明の化合物およびその組成物は、遺伝的に形質転化された植物に適用されて、有害無脊椎生物に有害なタンパク質(バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ−エンドトキシンなど)を発現させることが可能である。このような適用は、より広い範囲の植物保護をもたらし得、および、耐性管理のために有利であり得る。外因的に適用された本発明の有害無脊椎生物防除化合物の効果は発現された毒素タンパク質と相乗的であり得る。
これらの農学的保護剤(すなわち、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、除草剤および生物学剤)のための一般的な文献としては、The Pesticide Manual,第13版,C.D.S.Tomlin編,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003年、および、The BioPesticide Manual,第2版,L.G.Copping編,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001年が挙げられる。
これらの種々の混合相手の1種以上が用いられる実施形態に関して、これらの種々の混合相手(合計)対式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩の重量比は、典型的には、約1:3000〜約3000:1である。注目すべきは、約1:300〜約300:1の重量比(例えば、約1:30〜約30:1の比)である。当業者は、単純な実験を通して、所望の範囲の生物活性に必要な有効成分の生物学的に有効な量を容易に判定することが可能である。これらの追加の成分を含むことで、防除される有害無脊椎生物の範囲を、式1の化合物単独によって防除される範囲を超えて広げることが可能であることは明らかであろう。
表Aは、本発明の混合物、組成物および方法を例示する、式1の化合物と他の有害無脊椎生物防除剤との特定の組み合わせを列挙している。表Aの第1の欄は、特定の有害無脊椎生物防除剤(例えば、1行目の「アバメクチン」)を列挙している。表Aの第2の欄は、有害無脊椎生物防除剤の作用機構(公知の場合)または化学的分類を列挙している。表Aの第3の欄は、有害無脊椎生物防除剤に対する式1の化合物を適用することが可能である割合に関する重量比の範囲の実施形態を列挙している(例えば、重量基準での、アバメクチンに対する「50:1〜1:50」の式1の化合物)。それ故、例えば、表Aの1行目は、式1の化合物とアバメクチンとの組み合わせは、50:1〜1:50の重量比で適用可能であることを特定的に開示している。表Aの残りの行も同様に解釈されるべきである。さらに注目すべきは、表Aは、本発明の混合物、組成物および方法を例示する式1の化合物と他の有害無脊椎生物防除剤との特定の組み合わせを列挙していると共に、適用量に関する重量比範囲の追加の実施形態を含んでいる。
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
注目すべきは、追加の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤の少なくとも1種が上記表A中に列挙されている有害無脊椎生物防除剤から選択されている本発明の組成物である。
式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩を含む化合物対追加の有害無脊椎生物防除剤の重量比は、典型的には、1000:1〜1:1000であり、一実施形態では500:1〜1:500であり、他の実施形態では250:1〜1:200であり、ならびに、他の実施形態では100:1〜1:50である。
以下に列挙されている表B1〜B19は、式1の化合物(化合物番号(Cmpd.No.)は、索引表A中の化合物を指す)および追加の有害無脊椎生物防除剤を含む特定の組成物の実施形態である。
Figure 0005911510
表B2
表B2は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々
が化合物2への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B2中の最初の混合物はB2−1と称され、これは、化合物2と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B3
表B3は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物3への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B3中の最初の混合物はB3−1と称され、これは、化合物3と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B4
表B4は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物4への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B4中の最初の混合物はB4−1と称され、これは、化合物4と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B5
表B5は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物5への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B5中の最初の混合物はB5−1と称され、これは、化合物5と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B6
表B6は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物6への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B6中の最初の混合物はB6−1と称され、これは、化合物6と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B7
表B7は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物7への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B7中の最初の混合物はB7−1と称され、これは、化合物7と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B8
表B8は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物8への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B8中の最初の混合物はB8−1と称され、これは、化合物8と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B9
表B9は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物9への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B9中の最初の混合物はB9−1と称され、これは、化合物9と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B10
表B10は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物10への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B10中の最初の混合物はB10−1と称され、これは、化合物10と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B11
表B11は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物11への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B11中の最初の混合物はB11−1と称され、これは、化合物11と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B12
表B12は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物12への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B12中の最初の混合物はB12−1と称され、これは、化合物12と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B13
表B13は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物13への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B13中の最初の混合物はB13−1と称され、これは、化合物13と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B14
表B14は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物14への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B14中の最初の混合物はB14−1と称され、これは、化合物14と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B15
表B15は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物15への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B15中の最初の混合物はB15−1と称され、これは、化合物15と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B16
表B16は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物16への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B16中の最初の混合物はB16−1と称され、これは、化合物16と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B17
表B17は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物17への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B17中の最初の混合物はB17−1と称され、これは、化合物17と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B18
表B18は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物18への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B18中の最初の混合物はB18−1と称され、これは、化合物18と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B19
表B19は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物19への言及に置き換えられることを除き、表B1と同等である。例えば、表B18中の最初の混合物はB19−1と称され、これは、化合物19と追加の有害無脊椎生物防除剤アバメクチンとの混合物である。
表B1〜B19に列挙されている特定の混合物は、典型的には、式1の化合物が他の有害無脊椎生物剤と表Aに特定されている比で組み合わされている。
表C1〜C19においては、式1の化合物と(化合物番号(Cmpd.No.)は索引表A中の化合物を指す)追加の有害無脊椎生物防除剤とを含む特定の混合物が以下に列挙されている。表C1〜C19においては、表C1〜C19の混合物について典型的である特定の重量比がさらに列挙されている。例えば、表C1の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物1対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物1とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
Figure 0005911510
Figure 0005911510
Figure 0005911510
表C2
表C2は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物2への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C2の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物1対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物1とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C3
表C3は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物3への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C3の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物3対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物3とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C4
表C4は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物4への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C4の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物4対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物4とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C5
表C5は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物5への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C5の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物5対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物5とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C6
表C6は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物6への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C6の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物6対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物6とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C7
表C7は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物7への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C7の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物7対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物7とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C8
表C8は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物8への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C8の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物8対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物8とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C9
表C9は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物9への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C9の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物9対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物9とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C10
表C10は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物10への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C10の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物10対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物10とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C11
表C11は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物11への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C11の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物11対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物11とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C12
表C12は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物12への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C12の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物12対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物12とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C13
表C13は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物13への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C13の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物13対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物13とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C14
表C14は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物14への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C14の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物14対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物14とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C15
表C15は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物15への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C15の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物15対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物15とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C16
表C16は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物16への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C16の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物16対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物16とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C17
表C17は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物17への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C17の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物17対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物17とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C18
表C18は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物18への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C18の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物18対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物18とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表C19
表C19は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物19への言及に置き換えられることを除き、表C1と同等である。例えば、表C19の最初の行の最初の重量比の項は、100部の化合物19対1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物19とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
表D1〜D19においては、式1の化合物(化合物番号(Cmpd.No.)は、索引表A中の化合物を指す)と、追加の殺菌・殺カビ剤とを含む特定の組成物の実施形態が以下に列挙されている。
Figure 0005911510
表D2
表D2は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物2への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D2中の最初の混合物はD2−1と称され、これは、化合物2と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D3
表D3は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物3への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D3中の最初の混合物はD3−1と称され、これは、化合物3と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D4
表D4は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物4への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D4中の最初の混合物はD4−1と称され、これは、化合物4と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D5
表D5は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物5への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D5中の最初の混合物はD5−1と称され、これは、化合物5と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D6
表D6は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物6への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D6中の最初の混合物はD6−1と称され、これは、化合物6と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D7
表D7は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物7への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D7中の最初の混合物はD7−1と称され、これは、化合物7と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D8
表D8は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物8への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D8中の最初の混合物はD8−1と称され、これは、化合物8と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D9
表D9は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物9への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D9中の最初の混合物はD9−1と称され、これは、化合物9と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D10
表D10は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物10への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D10中の最初の混合物はD10−1と称され、これは、化合物10と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D11
表D11は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物11への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D11中の最初の混合物はD11−1と称され、これは、化合物11と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D12
表D12は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物12への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D12中の最初の混合物はD12−1と称され、これは、化合物12と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D13
表D13は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物13への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表
D13中の最初の混合物はD13−1と称され、これは、化合物13と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D14
表D14は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物14への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D14中の最初の混合物はD14−1と称され、これは、化合物14と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D15
表D15は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物15への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D15中の最初の混合物はD15−1と称され、これは、化合物15と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D16
表D16は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物16への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D16中の最初の混合物はD16−1と称され、これは、化合物16と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D17
表D17は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物17への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D17中の最初の混合物はD17−1と称され、これは、化合物17と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D18
表D18は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物18への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D18中の最初の混合物はD18−1と称され、これは、化合物18と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
表D19
表D19は、「Cmpd.No.」の題目が付された欄における化合物1への言及の各々が化合物19への言及に置き換えられることを除き、表D1と同等である。例えば、表D19中の最初の混合物はD19−1と称され、これは、化合物19と追加の殺菌・殺カビ剤プロベナゾールとの混合物である。
有害無脊椎生物は、本発明の化合物の1種以上を、典型的には組成物の形態で、農学的外寄生場所および/または非農学的外寄生場所を含む有害生物の環境に、保護されるべき領域に、または、防除されるべき有害生物に直接的に、生物学的に有効な量で適用することにより農学的用途および非農学的用途において防除される。
それ故、本発明は、有害無脊椎生物もしくはその環境に、1種以上の本発明の化合物、または、少なくとも1種のこのような化合物を含む組成物、または、少なくとも1種のこのような化合物と生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤とを含む組成物を、生物学的に有効な量で接触させるステップを含む農学的用途および/または非農学的用途における有害無脊椎生物を防除する方法を含む。本発明の化合物と生物学的に有効な量の追加の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤の少なくとも1種とを含む好適な組成物の例としては、追加の有効化合物が、本発明の化合物と同一の顆粒上に存在しているか、または、本発明の化合物のものとは別の顆粒上に存在している顆粒状組成物が挙げられる。
本発明の方法の実施形態は環境へ接触させる工程を含む。注目すべきは、環境が植物である方法である。また、環境が動物である方法に注目すべきである。また、環境が種子である方法に注目すべきである。
農作物を有害無脊椎生物から保護するために本発明の化合物または組成物との接触を達成するために、化合物または組成物は、典型的には、植栽前の作物の種子に、作物植物の群葉(例えば、葉、茎、花、果実)に、または、作物が植栽される前または植栽された後に土壌もしくは他の栽培媒体に適用される。
接触方法の一実施形態は吹付けによるものである。あるいは、本発明の化合物を含む顆粒状組成物が植物群葉または土壌に適用されることが可能である。本発明の化合物はまた、植物に、液体配合物の土壌潅注、土壌への顆粒状配合物、苗床箱処理、または、移植体の浸漬として適用された本発明の化合物を含む組成物を接触させることによる植物の摂取を介して効果的に送達させることが可能である。注目すべきは、土壌潅注液体配合物の形態の本発明の組成物である。また、注目すべきは、有害無脊椎生物またはその環境に生物学的に有効量の本発明の化合物、または、生物学的に有効量の本発明の化合物を含む組成物を接触させる工程を含む有害無脊椎生物を防除する方法である。さらに注目すべきは、環境が土壌であると共に組成物が土壌に土壌潅注配合物として適用されるこの方法である。さらに注目すべきは、本発明の化合物が侵襲位置への局所的な適用により効果的でもあることである。他の接触方法は、直接および残存噴霧、空中噴霧、ゲル、種子粉衣、マイクロカプセル化、全身摂取、餌、標、ボーラス、噴霧器、燻蒸器、エアロゾル、粉剤および他の多くによる本発明の化合物または組成物の適用を含む。接触方法の一実施形態は、本発明の化合物または組成物を含む寸法的に安定な肥料顆粒、棒または錠剤である。本発明の化合物はまた、無脊椎生物防除デバイス(例えば、昆虫ネット)の構成用材料に含浸されることが可能である。
本発明の化合物はまた、種子を有害無脊椎生物から保護するための種子処理において有用である。本開示の文脈および特許請求の範囲において、種子を処理する工程とは、種子に、典型的には本発明の組成物として配合されている本発明の化合物を生物学的に有効量で接触させる工程を意味する。この種子処理は、種子を無脊椎生物土壌有害生物から保護すると共に、一般に、発芽種子から生育する実生の土壌に接触している根および他の植物部位をも保護することが可能である。種子処理はまた、本発明の化合物または第2の有効成分の転流により、生育している植物における群葉の保護をも提供し得る。種子処理は、遺伝的に形質転化されて特別な形質を発現する植物が発芽することとなるものを含むすべてのタイプの種子に適用可能である。代表的な例としては、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素などの有害無脊椎生物に有害なタンパク質を発現するもの、または、グリホサートに対する耐性をもたらす、グリホサートアセチルトランスフェラーゼなどの除草抵抗性を発現するものが挙げられる。本発明の化合物での種子処理もまた種子から栽培される植物の成長力を高めることが可能である。
種子処理の1つの方法は、種子を播種する前の、本発明の化合物(すなわち配合組成物として)の種子への噴霧または散粉である。種子処理用に配合された組成物は、一般に、フィルム形成剤または接着剤を含む。従って、典型的には、本発明の種皮粉衣組成物は、生物学的に有効な量の式1の化合物と、フィルム形成剤または接着剤とを含む。種子は、流動性の懸濁濃縮物を種子の転回床に直接的に噴霧し、次いで、種子を乾燥させることによりコーティングすることが可能である。あるいは、湿潤化された粉末、溶液、サスポエマルジョン、乳化性濃縮物および水中エマルジョンなどの他のタイプの配合物を種子に噴霧することが可能である。このプロセスは、フィルムコーティングを種子に適用するために特に有用である。種々のコーティング機およびプロセスが当業者に利用可能である。好適なプロセスとしては、P.Kosters et al.,Seed Treatment:Progress and Prospects,1994 BCPC Mongraph No.57、および、引用されている文献に列挙されているものが挙げられる。
式1の化合物およびその組成物は、単独、ならびに、他の殺虫剤および殺菌・殺カビ剤との組み合わせの両方で、特にこれらに限定されないが、トウモロコシまたはコーン、ダイズ、綿、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦およびイネ)、ジャガイモ、野菜およびアブラナを含む作物のための種子処理に特に有用である。
式1の化合物と配合されて種子処理に有用な混合物を提供することが可能である他の殺虫剤としては、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンサルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、γ−シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、ζ−シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ−ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、すべての株のバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)およびすべての株のヌクレオポリヒドロシス(Nucleo polyhydrosis)ウイルスが挙げられる。
式1の化合物と配合されて種子処理に有用な混合物を提供することが可能である殺菌・殺カビ剤としては、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェンコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、チラム、トリフロキシストロビンおよびトリチコナゾールが挙げられる。
種子処理に有用な式1の化合物を含む組成物は、バチルスプミラス(Bacillus pumilus)(例えば、株GB34)およびバチルスフィルムス(Bacillus firmus)(例えば、単離された1582)などのバクテリア、根粒菌接種株/増量剤、イソフラボノイドおよびリポキトオリゴ糖をさらに含んでいることが可能である。
被処理種子は、典型的には、本発明の化合物を、約0.1g〜1kg/100kgの種子(すなわち、処理前の種子の約0.0001〜1重量%)の量で含む。種子処理用に配合された流動性懸濁液は、典型的には、約0.5〜約70%の有効成分、約0.5〜約30%のフィルム形成性接着剤、約0.5〜約20%の分散剤、0〜約5%の増粘剤、0〜約5%の顔料および/または染料、0〜約2%の消泡剤、0〜約1%の防腐剤、ならびに、0〜約75%の揮発性液体希釈剤を含む。
本発明の化合物は、有害無脊椎生物により摂取されるか、または、トラップなどのデバイス、餌場等において用いられる誘引組成物に組み合わされることが可能である。このような誘引組成物は、(a)有効成分、すなわち、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩;(b)1種以上の食材;場合により(c)誘引剤、および、場合により、(d)1種以上の湿潤剤を含む顆粒の形態であることが可能である。注目すべきは、約0.001〜5%有効成分、約40〜99%食材および/または誘引剤;および、場合により、約0.05〜10%湿潤剤を含み、きわめて低い適用量であって、特に直接的な接触による致死量ではなく、むしろ摂食により致死量となる有効成分の投与量で有害無脊椎土壌生物の防除に効果的である顆粒または誘引組成物である。いく種かの食材は、食物源および誘引剤の両方として機能することが可能である。食材としては、炭水化物、タンパク質および脂質が挙げられる。食材の例は、野菜粉、糖質、デンプン、動物脂肪、植物油、イースト菌抽出物および乳固形分である。誘引剤の例は、果実もしくは植物抽出物、芳香剤、あるいは、他の動物もしくは植物成分、フェロモン、または、対象有害無脊椎生物を誘引することが公知である他の薬剤などの匂い物質および香料である。湿潤剤、すなわち保水剤の例は、グリコールおよび他のポリオール、グリセリンおよびソルビトールである。注目すべきは、アリ、シロアリおよびゴキブリからなる群から選択される少なくとも1種の有害無脊椎生物の防除に用いられる誘引組成物(および、このような誘引組成物を利用する方法)である。有害無脊椎生物を防除するためのデバイスは、本誘引組成物と、誘引組成物を収容するよう適応された筐体とを備えていることが可能であり、ここで、この筐体は、有害無脊椎生物が筐体の外の位置から誘引組成物に接近することが可能であるよう、有害無脊椎生物が通過することが可能である大きさの開口を少なくとも1つ有し、ならびに、筐体は、有害無脊椎生物が活動する可能性がある場所もしくは既知の活動場所、または、その付近に配置されるようさらに適応されている。
本発明の化合物は、他の補助剤を伴わずに適用されることが可能であるが、ほとんどの場合、適用は1種以上の有効成分を好適なキャリア、希釈剤および界面活性剤と共に含む配合物でなされ、おそらくは、予期される最終用途に応じて食品と組み合わされるであろう。1つの適用方法は、本発明の化合物の水分散体または精製油溶液の噴霧を含む。噴霧油、噴霧油濃縮物、拡展剤、展着剤、補助剤、他の溶剤、および、ピペロニルブトキシドなどの共力剤との組み合わせが、度々、化合物の効力を高める。非農学的用途に関しては、このような噴霧は、例えば、加圧エアロゾル噴霧缶といった、缶、ボトルまたは他の容器容器などの噴霧容器から、ポンプにより、または、加圧容器からの放出により適用することが可能である。このような噴霧組成物は、例えば、噴霧、ミスト、フォーム、煙霧または霧といった種々の形態をとることが可能である。このような噴霧組成物は、それ故、用途への必要性に応じて、噴射剤、発泡剤等をさらに含んでいることが可能である。注目すべきは、生物学的に有効な量の本発明の化合物または組成物およびキャリアを含む噴霧組成物である。このような噴霧組成物の一実施形態は、生物学的に有効な量の本発明の化合物または組成物および噴射剤を含む。代表的な噴射剤としては、これらに限定されないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、および、前述のものの混合物が挙げられる。注目すべきは、個別でまたは組み合わせで、蚊、ブユ、サシバエ、メクラアブ、アブ、ワスプ、スズメバチ(yellow jacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ、クモ、アリ、ブユ(gnat)等からなる群から選択される少なくとも1種の有害無脊椎生物の防除に用いられる噴霧組成物(および、噴霧容器から分取されるこのような噴霧組成物を利用する方法)である。
非農学的用途とは、作物植物の耕地以外の場所における有害無脊椎生物の防除を指す。本化合物および組成物の非農学的用途は、貯蔵されている穀物、マメ類および他の食材、ならびに、被服および絨毯などの生地における有害無脊椎生物の防除を含む。本化合物および組成物の非農学的用途はまた、観賞用植物、森林、庭、路側沿および鉄道敷設用地、ならびに、芝地、ゴルフコースおよび牧草地などの芝生における有害無脊椎生物防除を含む。本化合物および組成物の非農学的用途はまた、ヒトおよび/または伴侶によって占有され得る家屋および他の建物、農場、牧場、動物園または他の動物における有害無脊椎生物の防除を含む。本化合物および組成物の非農学的用途はまた、建物に用いられている木材または他の構造材に被害を及ぼす可能性があるシロアリなどの有害生物の防除を含む。
農学的用途について、効果的な防除に必要とされる適用量(すなわち「生物学的に有効な量」)は、防除されるべき無脊椎生物の種、有害生物のライフサイクル、ライフステージ、そのサイズ、位置、時季、宿主作物または動物、摂食行動、配偶行動、周囲水分、温度等などの要因に応じることとなる。通常の状況下では、約0.01〜2kgの有効成分/ヘクタールの施用量が農学的生態系における有害生物の防除に十分であるが、0.0001kg/ヘクタールもの少量で十分であり得、または8kg/ヘクタールもの多量が必要とされ得る。非農学的用途について、有効な使用量は、約1.0〜50mg/平方メートルの範囲であろうが、0.1mg/平方メートルもの少量でも十分であり得、または、150mg/平方メートルもの多量が必要となり得る。当業者は、所望のレベルの有害無脊椎生物の防除のために必要とされる生物学的に有効な量を容易に判定することが可能である。植物の成長力を高めるために生物学的に有効な量は有害無脊椎生物防除に係る生物学的に有効な量と一般に同様であり、特定の態様の植物の成長力の増強を達成する最適な量は単純な実験を通して判定することが可能である。
本明細書に記載の方法により調製された代表的な本発明の化合物が索引表Aに示されている。H NMRデータについては索引表Bを参照のこと。質量スペクトルデータ(AP(M+1))に関して、報告されている数値は、分子へのH(1の分子量)の追加によって形成されて、大気圧化学イオン化(AP)を用いる質量分光測定によって観察されるM+1ピークをもたらす親分子イオン(M)の分子量である。複数のハロゲンを含有する化合物で生じる交互の分子イオンピーク(例えば、M+2またはM+4)は報告されていない。
以下の略語が以下の索引表において用いられている:Cmpdは化合物を意味する。
Figure 0005911510
Figure 0005911510
以下のテストが、本発明の化合物の特定の有害生物に対する防除効力を実証する。「防除効力」は、摂食を著しく低減させる有害無脊椎生物の発育の阻害(死亡率を含む)を表す。化合物によって達成される有害生物の防除保護は、しかしながら、これらの種に限定されない。化合物番号は索引表A中の化合物を指す。
本発明の生物学的実施例
テストA
コナガ(Plutella xylostella)の防除を評価するために、テストユニットを、12〜14日齢のダイコン植物を中に有する小型の開放型容器で構成した。これを、バズーカイノキュレータを用いてトウモロコシの穂軸グリットを介してテストユニットに分取した約50匹の新生幼虫で予め外寄生させた。幼虫は、テストユニットに分取された後にテスト植物に移動した。
テスト化合物を、10%アセトン、90%水、ならびに、アルキルアリールポリオキシエチレン、遊離脂肪酸、グリコールおよびイソプロパノールを含む300ppm X−77(登録商標)Spreader Lo−Foam Formulaノニオン性界面活性剤(Loveland Industries,Inc.Greeley,Colorado,USA)を含有する溶液を用いて配合した。配合した化合物を、1mLの液体中に、各テストユニットの最上部から1.27cm(0.5インチ)上方に位置した1/8 JJカスタムボディを備えるSUJ2噴霧器ノズル(Spraying Systems Co.,Wheaton,Illinois,USA)を通して適用した。テスト化合物を250、50および/または10ppmで噴霧し、3回反復した。配合したテスト化合物を噴霧した後、各テストユニットを1時間乾燥させ、次いで、黒色の遮蔽キャップを上部に置いた。テストユニットをグロースチャンバー内で、25℃および70%の相対湿度で6日間保持した。次いで、植物摂食損害を消費された群葉に基づいて視覚的に査定した。
250ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(40%以下の摂食被害および/または100%死亡率):1、3、4、7、8、13および15。
50ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(40%以下の摂食被害および/または100%死亡率):1、3、4、5、8および19。
10ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(40%以下の摂食被害および/または100%死亡率):7、15、16および17。
テストB
接触および/または全身的手段を介したモモアカアブラムシ(Myzus persicae)の防除を評価するために、テストユニットを、12〜15日齢のダイコン植物を中に有する小型の開放型容器で構成した。培養植物から切除した一枚の葉の上の30〜40匹のアブラムシをテスト植物の葉の上に置くことによりこれを予め外寄生させた(カットリーフ法)。アブラムシは葉片が乾燥するに伴ってテスト植物上に移動した。予め外寄生させた後、テストユニットの土壌を砂層で覆った。
テスト化合物を配合し、テストAに記載のとおり250、50および/または10ppmで噴霧した。適用を三回反復した。配合したテスト化合物または組成物を噴霧した後、各テストユニットを1時間乾燥させ、次いで、黒色の遮蔽キャップを上部に置いた。テストユニットをグロースチャンバー内で、19〜21℃および50〜70%の相対湿度で6日間保持した。次いで、各テストユニットを昆虫死亡率について視覚的に査定した。
250ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:1および3。
50ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、3、15、16および19。
10ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:15。
テストC
接触および/または全身的手段を介したワタアブラムシ(Aphis gossypii)の防除を評価するために、テストユニットを、6〜7日齢の綿植物を中に有する小型の開放型容器で構成した。これを、テストBに記載したカットリーフ法に従い、一片の葉の上に30〜40匹の昆虫で予め外寄生させ、および、テストユニットの土壌を砂層で覆った。
テスト化合物を配合し、テストBに記載のとおり250および/または50ppmで噴霧した。適用を三回反復した。噴霧の後、テストユニットをグロースチャンバ中に維持し、次いで、テストCに記載のとおり視覚的に評価した。
250ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:1および3。
50ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:3、7および12。
テストD
接触および/または全身的手段を介したトウモロコシウンカ(Peregrinus maidis)の防除を評価するために、テストユニットを、3〜4日齢のトウモロコシ植物(花穂)を中に有する小型の開放型容器で構成した。適用の前に、土壌の上に白砂を追加した。テスト化合物を配合し、250、50、10および/または2ppmで噴霧し、テストAに記載のとおり三回反復した。噴霧した後、テストユニットを1時間乾燥させ、次いで、約15〜20匹の幼虫(18〜21日齢)を食塩容器で砂の上にばらまくことにより後外寄生させた。黒色の遮蔽キャップを各テストユニットの上に置き、テストユニットをグロースチャンバー内で、22〜24℃および50〜70%の相対湿度で6日間保持した。次いで、各テストユニットを昆虫死亡率について視覚的に査定した。
250ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1、2、3および10。
50ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1、2、3、4、5、9、10、11、12、15、16、17、18および19。
10ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1、2、3、5、10、11、12、15、16、17および19。
2ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):2、3および15。
テストE
接触および/または全身的手段を介したジャガイモヒゲヨコバイ(Empoasca fabae)の防除を評価するために、テストユニットを、5〜6日齢のソレイユビーン(Soleil bean)植物(初生葉が出現している)を中に有する小型の開放型容器で構成した。土壌の上に白砂を追加し、および、1枚の初生葉を適用の前に切除した。
テスト化合物を配合し、250、50、10および/または2ppmで噴霧し、および、テストAに記載のとおりテストを三回反復した。噴霧の後、5匹のジャガイモヒゲヨコバイ(18〜21日齢の成虫)で後外寄生させる前に、テストユニットを1時間乾燥させた。黒色の遮蔽キャップを各テストユニットの上部に置き、テストユニットを24℃および70%の相対湿度でグロースチャンバー中で6日間保持した。次いで、各テストユニットを昆虫死亡率について視覚的に査定した。
250ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1および3。
50ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、18および19。
10ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1、2、3、5、6、7、9、11、12、15および19。
2ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):1、7および15。
テストF
接触および/または全身的手段を介したミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)の防除を評価するために、テストユニットを、5〜7日齢ソレイユビーン(Soleil bean)植物を中に有する小型の開放容器で構成した。
テスト化合物を配合し、250ppmで噴霧し、および、テストをテストAに記載のとおり三回反復した。噴霧の後、テストユニットを1時間乾燥させ、次いで、22〜27匹の成体アザミウマをテストユニットに追加した。黒色の遮蔽キャップを各テストユニットの上に置き、テストユニットを25℃および45〜55%の相対湿度で7日間保持した。
250ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(30%未満の植物被害および/または100%死亡率):1および4。
テストG
接触および/または全身的手段を介したタイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)の防除を評価するために、テストユニットを、ワイヤフレームにより支持された鋼線メッシュ(50メッシュ)で覆われた13cmの高さのイネ植物が入ったプラスチックポットから構成した。少量の砂を加えて、ワイヤメッシュの底と、土壌の表面と、プラスチックポットの上縁部との間に良好なシールを形成した。
テスト化合物を配合し、50、10および/または2ppmで噴霧し、テストを、テストAについて記載のものと同様に三回反復した。噴霧の後、テストユニットを2時間乾燥させ、その後、10匹のツマグロヨコバイで(3齢若虫、孵化後7〜9日間)後外寄生させた。5日後、各テストユニットを昆虫死亡率について視覚的に査定した。
50ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):2、3、7、10、11および12。
10ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):2、3、7、10および11。
2ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):3および7。
テストH
接触および/または全身的手段を介したイネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の防除を評価するために、テストユニットを、ワイヤフレームにより支持された鋼線メッシュ(50メッシュ)で覆われた13cmの高さのイネ植物が入ったプラスチックポットから構成した。少量の砂を加えて、ワイヤメッシュの底と、土壌の表面と、プラスチックポットの上縁部との間に良好なシールを形成した。
テスト化合物を配合し、10、2および/または0.4ppmで噴霧し、テストを、テストAについて記載のものと同様に三回反復した。噴霧の後、テストユニットを2時間乾燥させ、その後、10匹のトビイロウンカ(3齢若虫、孵化後7〜9日間)で後外寄生させた。5日後、各テストユニットを昆虫死亡率について視覚的に査定した。
10ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):2、3、7、9、10、11、12および15。
2ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):2、3、7および10。
0.4ppmでテストした式1の化合物のうち、以下のものがきわめて良好〜優れたレベルの防除効力をもたらした(80%以上の死亡率):7。
屋外条件下で栽培されているイネ作物の成長力に対する本発明の化合物の適用効果を評価するために、テストI〜Oを実施した。「a.i.」は有効成分の適用量を指す。
テストI
イネ植物(indica cultivar「MTU1010」)を、雨季の最中に、West Godavri district,Andhra Pradesh,Indiaのデルタ地域における湛水した埴壌土土壌の5m×3mのテスト画地に移植し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。47日後、化合物3の水性混合物を、12.5、25または50g a.i./haで、387L/haの噴霧量で背負い式散布機を用いてイネ植物の群葉に適用した。いくつかの画地の未噴霧のイネ植物を対照として用いた。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルは高く、すなわち、経済的に相当とみなされるレベルよりかなり高かった。
各画地におけるイネ植物の作物成長力を、適用から20日後に、全体的な外観(例えば、草高)に基づいて0〜200%の尺度で視覚的に評価したところ、未処理の対照画地における植物が100%を表すと見なし、各処理に係る3反復に対する結果を平均化した。100%超は、処理済みの画地における植物は未処理の対照画地におけるものよりもよく育っていたことを意味し、その一方で、100%未満は、処理済みのポット中の植物は育ち方が劣っていたことを意味する。12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理したイネ植物は、未処理の対照の100%と比して、それぞれ、140%、143%および143%の作物成長力を示した。
テストJ
イネ植物(indica cultivar「MTU1010」)を、雨季の最中に、West Godavri district,Andhra Pradesh,Indiaのデルタ地域における湛水した埴壌土土壌の5m×3mのテスト画地に移植し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。52日後、化合物3の水性混合物を、12.5、25または50g a.i./haで、387L/haの噴霧量で背負い式散布機を用いてイネ植物の群葉に適用した。いくつかの画地の未噴霧のイネ植物を対照として用いた。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルは高く、すなわち、経済的に相当とみなされるレベルよりかなり高かった。最初の処理から20日後に、化合物3の水性混合物の葉面適用を、同一の施用量で、467L/haの噴霧量で反復した。
各画地におけるイネ植物の作物成長力を、最初の適用から48日後に、0〜200%の尺度でテストIに記載のとおり視覚的に評価した。12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理したイネ植物は、未処理の対照の100%と比して、それぞれ、148%、148%および148%の作物成長力を示した。
テストK
イネ植物(indica cultivar「JAYA」)を、モンスーンが到来する前の暑季の最中に、State of Gujarat,Indiaにおいて、湛水した埴壌土土壌の6m×5mのテスト画地にシェード布下で移植し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。そして、移植から44日後に、このテストにおけるすべてのイネ植物に、30g a.i./haのシペルメトリンおよび100g a.i./haのピコキシストロビンを含有する水性混合物を噴霧した。移植から53日後に、化合物3の水性混合物を、6.25、12.5、25または50g a.i./haで、500L/haの噴霧量で背負い式散布機を用いてイネ植物の群葉に適用した。いくつかの画地の未噴霧のイネ植物を対照として用いた。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルは中程度であったが、それでも、経済的に相当とみなされるレベルより高かった。
各画地におけるイネ植物の作物成長力を、適用から32日後に、0〜200%の尺度でテストIに記載のとおり視覚的に評価した。6.25、12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理したイネ植物は、未処理の対照の100%と比して、それぞれ、115%、113%、122%および115%の作物成長力を示した。
適用後45日の時点で、イネ植物の高さおよび穂長を計測した。垂直に延びた最長の葉の先端から土壌の表面までの長さを計測することにより、草高を測定した。穂長を同様に計測した。6.25、12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理したイネ植物の平均高さは、未処理の対照植物に対する0.78mと比して、それぞれ、0.94、0.92、0.92および0.99mであった。6.25、12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理したイネ植物の平均穂長は、未処理の対照植物に対する22.4cmと比して、それぞれ、23.8、23.7、24.9および24.6cmであった。25および50g a.i./haでの化合物3による処理で穂長の顕著な増大が見られ、すべての処理では実質的に草高の増大が見られた。
テストL
イネ植物(indica cultivar「IR64」)を、早春季に、Dhamtari district,State of Chhattisgarh,Indiaにおいて、湛水した埴壌土土壌の6m×5mのテスト画地に移植し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。79日後、モンスーンが到来する前の暑季に、STEWARD(登録商標)殺虫剤の形態の30g a.i./haのインドキサカルブ、20g a.i./haのクロラントラニリプロール、および、6.25、12.5、25または50g a.i./haの化合物3を含有する水性混合物を、500L/haの噴霧量で背負い式散布機を用いてイネ植物の群葉に適用した。対照イネ植物の画地には、STEWARD(登録商標)殺虫剤の形態の30g a.i./haのインドキサカルブおよび20g a.i./haのクロラントラニリプロール(すなわち、化合物3を含まない)を含有する水性混合物を噴霧した。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルは高く、すなわち、経済的に相当とみなされるレベルより高かった。
各画地におけるイネ植物の作物成長力を、適用から21日後に、0〜200%の尺度でテストIに記載のとおり視覚的に評価した。すべての施用量で、処理したイネ植物は、未処理の対照植物と同レベルの作物成長力(すなわち100%)を示した。有害生物レベルは高かったが、処理の時点で植物はすでに十分な高さに達すると共に穂を形成しており、従って、化合物3での処理は、全体的な外観(例えば、草高、穂の数)により評価される作物成長力を顕著に高めるには時期が遅すぎた。それにもかかわらず、処理は、収穫収量を基準とした作物成長力には実質的に利点をもたらした。6.25、12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理した作物からの収穫高は、未処理の対照からの2630kg/haと比して、それぞれ、4630、4830、4730および4930kg/haであった。従って、遅い処理であっても、そうでなければ子実の充填プロセスが妨げられて、穂が空となってしまうプラントホッパーによる損害を予防することにより、作物収量が実質的に高められた。
テストM
イネ植物(indica cultivar)を、モンスーンの直前に、VietnamのAn Giang Provinceにおいて、湛水した埴壌土土壌の6m×5mのテスト画地に直接播種し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。42日後、雨季の初期に、STEWARD(登録商標)殺虫剤の形態の30g a.i./haのインドキサカルブ、20g a.i./haのクロラントラニリプロール、および、6.25、12.5、25または50g a.i./haの化合物3を含有する水性混合物を、400L/haの噴霧量で電動式噴霧器を用いてイネ植物の群葉に適用した。対照イネ植物の画地には、STEWARD(登録商標)殺虫剤の形態の30g a.i./haのインドキサカルブおよび20g a.i./haのクロラントラニリプロール(すなわち、化合物3を含まない)を含有する水性混合物を噴霧した。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルはきわめて低かった。
各画地におけるイネ植物の作物成長力を、適用から18日後に、0〜200%の尺度でテストIに記載のとおり視覚的に評価した。すべての施用量で、処理したイネ植物は、未処理の対照植物と同レベルの作物成長力(すなわち100%)を示した。有害生物レベルはきわめて低く、また、栽培条件は理想的であったため、化合物3の適用は植物の成長力を顕著には高めなかった。
テストN
イネ植物(indica cultivar「Swarna」)を、Bargarh district,Orissa,Indiaにおいて、雨季の最中に、湛水した埴壌土土壌の4m×3mのテスト画地に移植し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。70日後、化合物3の水性混合物を、12.5、25または50g a.i./haで、400L/haの噴霧量で背負い式散布機を用いてイネ植物の群葉に適用した。いくつかの画地の未噴霧のイネ植物を対照として用いた。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルは高く、すなわち、経済的に相当とみなされるレベルよりかなり高かった。最初の処理から14日後に、化合物3の水性混合物の葉面適用を、同一の施用量で、400L/haの噴霧量で反復した。
12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理した作物からの収穫高は、未処理の対照からの620kg/haと比して、それぞれ、3190、3660および4220kg/haであった。
テストO
イネ植物(indica cultivar「IR−64」)を、Bargarh district,Orissa,Indiaにおいて、冬季の終わりに、湛水した埴壌土土壌の5m×5mのテスト画地に移植し、現地の農学上の習慣を用いて栽培した。79日後、STEWARD(登録商標)殺虫剤の形態の30g a.i./haのインドキサカルブ、20g a.i./haのクロラントラニリプロール、および、6.25、12.5、25または50g a.i./haの化合物3を含有する水性混合物を、500L/haの噴霧量で背負い式散布機を用いてイネ植物の群葉に適用した。対照イネ植物の画地には、STEWARD(登録商標)殺虫剤の形態の30g a.i./haのインドキサカルブおよび20g a.i./haのクロラントラニリプロール(すなわち、化合物3を含まない)を含有する水性混合物を噴霧した。各処理および防除を三回反復すると共に、画地を完全乱塊法で配置した。化合物3の適用時では、イネトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の有害生物レベルは高く、すなわち、経済的に相当とみなされるレベルよりかなり高かった。
12.5、25および50g a.i./haの化合物3で処理した作物からの収穫高は、未処理の対照からの1370kg/haと比して、それぞれ、2470、3430、3470および4600kg/haであった。
テストP
このテストにおいては、有害生物による圧力を加えることなく温室において栽培したトウモロコシ植物の成長力に対する本発明の化合物の効果を計測した。
単一種のトウモロコシ種子(Prairie Hybrid 2431オーガニックの飼料用トウモロコシ)を、Redi−Earthミズゴケピートモスベースの培養土(Sun Gro Horticulture Canada Ltd.,Vancouver,British Columbia)またはMatapeake土壌および砂の50/50混合物のいずれかを含有する10cm×10cm×8cmプラスチックポットにおいて2.0〜2.5cmの深さに植えた。播種したポットに最初に5cmの深さに水を与え、25℃に維持された16時間の明/8時間の暗光周期のグロースチャンバに入れた。土壌の表面が乾燥するたびにポットに水を与えた。
最初に水を与えてから8日後に、ポットに植えた植物を、40mLの0.2または2.5mgの化合物3を含有する水性処理用混合物を表面潅注として適用することにより処理した。未処理の対照植物のポットには、40mLの水道水を同様に適用した。処理済および未処理の対照を10回反復した。
次いで、処理済および未処理の植物を、日中は25.6〜27.8℃および夜間は23.0〜25.0℃に維持される温室中に、完全乱塊法で配置した。16時間の栽培期間中に外光レベルが200ワットm−2未満に落ちた場合に補助の照明を加えたが、ただし、外の光エネルギーの累積が既に栽培期間中に5000w h m−2を超えている場合には補助の照明は点灯しなかった。温室のシェーディングは、20分間を超えて外の光レベルが600ワットm−2超に上昇した場合に閉じた。
相対湿度は変更しなかった。土壌の水分を維持するために、必要に応じて1日2回、水道水により水を与えた。1日置きまたは2日置きに、植物に、可溶性の20−20−20汎用肥料であるPeters(登録商標)(The Scotts Company,Marysville,Ohio,U.S.A.)に由来する100ppm N−P−Kを含有する潅漑水で施肥した。適用した養分レベルは、トウモロコシ植物の最適な生育に対する理想よりも少ないとみなされた。
処理後0、7、14、21および28日目に、垂直に延びた最長の葉の先端から土壌の表面までの長さを計測することにより草高を測定した。10回の繰り返しの間で平均化した高さが、Redi−Earth土壌およびMatapeake土壌/砂で栽培した植物について、それぞれテスト表1および2に列挙されている。
Figure 0005911510
Figure 0005911510
テスト表1および2中の結果は、養分的に抑制されていることを除いて理想に近い栽培条件下の有害生物が存在しない環境において栽培されたトウモロコシ植物に対する化合物3の適用では、注目される成長の増強効果はほとんどなかったことを示す。

Claims (2)

  1. 化合物N−[(5−ピリミジニル)メチル]−2−ピリジンアミン。
  2. 化合物N−(5−ピリミジニルメチレン)−2−ピリジンアミン。
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