JP5816352B2 - 象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、象牙細管を封鎖することができる象牙質知覚過敏抑制剤に関する。
80歳になっても20本以上自分の歯を保とうとする、いわゆる8020運動(口腔衛生の向上、歯質の保存(MI:Minimal Intervention)に伴い、高齢者に多くの歯が残る率が飛躍的に高まった。しかしながら、これに伴い新たな歯科疾患(歯の磨耗、歯周病による歯槽骨喪失等)による象牙質露出の問題が発生している。露出象牙質は、エナメル質と異なり象牙質を構成する組織のミネラル濃度が低いため、耐う蝕性が良好ではなく、また、象牙細管が口腔内の酸による作用で開孔して知覚過敏症が発病するなどの原因となる。これを改善する方法として、ポリマー系の材料を被覆する方法や、2種類の材料を交互に塗布して無機塩を析出させ、物理的な障壁を形成させることにより象牙細管を封鎖させる方法が知られている。しかしながら、これらの方法では象牙細管開口部付近の浅い部分や表面が覆われるのみであり、歯ブラシ等で磨耗されることにより容易に破壊されてしまう問題があった。また、生体親和性の高い材料とは言え、材料の塗布によりプラークが付着して炎症・根面う蝕の原因となる問題もあった。
一方、硬化性を有するリン酸カルシウム組成物として、リン酸四カルシウム(以下「TTCP」と略記することがある)と無水リン酸一水素カルシウム(以下「DCPA」と略記することがある)とを組み合わせたリン酸カルシウムセメント(以下「CPC」と略記することがある)が知られており、生体内や口腔内において生体吸収性のヒドロキシアパタイト(以下「HAp」と略記することがある;Ca10(PO4)6(OH)2)へ徐々に転化し、さらに形態を保ったままで生体硬組織と一体化し得るとされている。
例えば、特許第3017536号公報(特許文献1)には、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物を含むリン酸カルシウム組成物が水の存在下で反応してヒドロキシアパタイトを生成することが記載されている。こうして得られたヒドロキシアパタイトは、生体硬組織と接触することによって骨へと徐々に置換することが可能であり、上記リン酸カルシウム組成物は再石灰化能を有するため、再石灰化剤としても使用できるとされている。一方、上記リン酸カルシウム組成物を迅速に硬化させる目的で、リン酸一水素二ナトリウム(Na2HPO4)等のリン酸のアルカリ金属塩を加えることが記載されている。また、上記リン酸カルシウム組成物を歯磨き剤として使用し得ることが記載されている。しかしながら、特許文献1には、象牙細管を封鎖する目的でリン酸四カルシウム、リン酸水素カルシウム無水物及びリン酸のアルカリ金属塩等を使用直前に混合することや、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖するために用いられる象牙質知覚過敏抑制剤については記載も示唆もされていなかった。
また、特開平1−163127号公報(特許文献2)には、リン酸四カルシウム、Ca/Pモル比が1.67未満のリン酸カルシウム、及び増粘剤よりなる知覚過敏症治癒用組成物について記載されている。これによれば、歯牙の知覚過敏部位へ塗布して所定時間保持することにより、知覚過敏を著しく軽減させることができるとされている。知覚過敏が著しく低減する理由として、該組成物の水等との練和物中から溶出したカルシウムイオンやリン酸イオンが象牙細管へ拡散浸透して、この象牙細管中でヒドロキシアパタイトが析出沈積することにより外界からの機械的刺激、熱刺激、及び化学的刺激を遮断するためとされている。一方、上記知覚過敏症治癒用組成物に、水との練和性やペースト粘度の調節のために、ヒドロキシアパタイト、フッ化カルシウム、酸化チタン、水酸化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、アルミナ、シリカ等の他の成分を添加してもよいことが記載されている。しかしながら、象牙細管を封鎖する目的でリン酸のアルカリ金属塩を添加することや、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖することについては記載も示唆もされていなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、象牙質表面に緻密なHAp層が形成されるとともに、象牙細管の深部にまでHApが析出して象牙細管を封鎖することができる象牙質知覚過敏抑制剤を提供することを目的とするものである。
上記課題は、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、酸性リン酸カルシウム粒子(C)及び水を主成分とする液体又は水系ペーストを使用直前に混合する象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法であって、該象牙質知覚過敏抑制剤が象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖するために用いられるものであり、リン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.5〜30μmであり、酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径が0.1〜7μmであり、リン酸四カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を5〜100重量部配合し、象牙質知覚過敏抑制剤の全量100重量部に対するリン酸四カルシウム粒子(A)の配合量を10〜55重量部とし、リン酸四カルシウム粒子(A)と酸性リン酸カルシウム粒子(C)の配合割合(A/C)をモル比で40/60〜60/40とし、該象牙質知覚過敏抑制剤0.05gを25℃の純水200gに投入して懸濁液を調製した際に、投入から10分後における該懸濁液の遊離アルカリ金属イオン濃度が0.2〜100mg/Lであり、標準偏差σを前記遊離アルカリ金属イオン濃度の平均値dで割った値(σ/d)が0.3以下であることを特徴とする象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法を提供することによって解決される。
このとき、リン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好適であり、リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径が0.5〜20μmであることが好適である。酸性リン酸カルシウム粒子(C)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO4]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(H2PO4)2]粒子、リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2]粒子、非晶性リン酸カルシウム[Ca3(PO4)2・xH2O]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH2P2O7]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO4・2H2O]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(H2PO4)2・H2O]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であることが好適である。更にフッ素化合物(D)を含有することが好適であり、フッ素化合物(D)がフッ化ナトリウムであることが好適である。更に平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ又は金属酸化物から選択される粒子(E)を含有することが好適である。
このとき、該象牙質知覚過敏抑制剤で厚さ700μmの牛歯ディスクの片面を処置した際の象牙質透過抑制率が下記式(I)を満たすことが好適である。
[1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/(象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)]×100≧70・・・(I)
[1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/(象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)]×100≧70・・・(I)
このとき、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体を予め混合することが好適であり、前記混合の際に、ジェットミル、ライカイ機、ボールミル、高速回転ミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン又は混合押出し機から選択される少なくとも1種を用いることが好適である。
このとき、リン酸四カルシウム粒子(A)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は非水系ペーストに、水を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて使用直前に混合することが好適である。
このとき、リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストに、水を主成分とし酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む液体又は水系ペーストを加えて使用直前に混合することが好適である。
本発明により、象牙質表面に緻密なHAp層が形成されるとともに、象牙細管の深部にまでHApが析出して象牙細管を封鎖することが可能な象牙質知覚過敏抑制剤が提供される。このことにより、象牙質表面に疑似エナメル質が形成されて耐う蝕性を付与することができるとともに、知覚過敏症の治療が可能となる。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、リン酸四カルシウム粒子(A)、及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含有するものである。リン酸四カルシウム粒子(A)を含む組成物を水の存在下で混合するとヒドロキシアパタイトへ徐々に転化する。本発明者らにより、リン酸四カルシウム粒子(A)、及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を一定量含有する象牙質知覚過敏抑制剤を用いることにより、象牙細管の深部にまでヒドロキシアパタイトが析出して象牙細管を封鎖できることが明らかとなった。この理由については必ずしも明らかではないが、以下のようなメカニズムが推定される。
すなわち、リン酸四カルシウム粒子(A)、及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を一定量含有する象牙質知覚過敏抑制剤を水の存在下で調製して用いた際に、リン酸四カルシウム粒子(A)が溶解して得られるカルシウムイオンと、リン酸のアルカリ金属塩(B)が溶解して得られるリン酸イオンとが反応してエネルギー的に安定なHApが析出するようである。その結果、象牙質表面には緻密なHAp層が形成されるとともに、象牙細管の深部にまでHApが析出して象牙細管が封鎖されるようである。このことにより、象牙質表面に疑似エナメル質が形成されて耐う蝕性を付与(根面う蝕予防)することができるとともに、知覚過敏症の治療が可能となる。また、象牙細管の深部にまでHApが析出して象牙細管が封鎖されるため、見掛け上の象牙質ミネラル濃度が向上し耐摩耗性も良好となる。ここで本発明者らは、上記効果を奏するにはカルシウムイオンとリン酸イオンとが供給される速度のバランスが重要であると推察しており、また、カルシウムイオンを供給する化合物及びリン酸イオンを供給する化合物の溶解度が低い場合や極端に高い場合には、HApの析出が良好ではないことを確認している。したがって、リン酸四カルシウム粒子(A)とリン酸のアルカリ金属塩(B)を一定量含有することで、カルシウムイオンとリン酸イオンの象牙質への供給速度ならびに供給バランスが適切となる本発明の構成を採用する意義が大きい。
ここで、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、象牙質知覚過敏抑制剤の全量100重量部に対するリン酸四カルシウム粒子(A)の配合量が10〜55重量部である。リン酸四カルシウム粒子(A)の配合量が10重量部未満の場合、HApの析出が阻害されて象牙細管の封鎖性が低くなるおそれがあり、20重量部以上であることが好ましい。一方、リン酸四カルシウム粒子(A)の配合量が55重量部を超える場合、HApの析出が阻害されて象牙細管の封鎖性が低くなるおそれがあり、50重量部以下であることが好ましく、45重量部以下であることがより好ましい。
本発明で使用されるリン酸四カルシウム[Ca4(PO4)2O]粒子(A)の製造方法は特に限定されない。市販されているリン酸四カルシウム粒子をそのまま用いてもよいし、適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。粉砕方法としては、後に説明する酸性リン酸カルシウム粒子(C)の粉砕方法と同様の方法を採用できる。
本発明で用いられるリン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径は、0.5〜30μmである。平均粒径が0.5μm未満の場合、リン酸四カルシウム粒子(A)の溶解が過度になることにより水溶液中のpHが高くなりヒドロキシアパタイトの析出が円滑でなくなるおそれがある。リン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径は、より好適には5μm以上であり、更に好適には10μm以上である。一方、平均粒径が30μmを超える場合、液剤との混合により得られるペーストが十分な粘性を示さないなどペースト性状が好ましくないおそれがある。また、ペースト練和時のざらつき感が大きくなり操作性が損なわれる、あるいは練和に用いられるスタティックミキサーからのペーストの取り出しが困難となるおそれもある。ここで、本発明で使用するリン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、リン酸四カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を5〜100重量部含むものである。このように、リン酸四カルシウム粒子(A)に加えてリン酸のアルカリ金属塩(B)を一定量含有することにより、象牙細管の深部にまでヒドロキシアパタイトが析出する象牙質知覚過敏抑制剤を提供することができる。リン酸のアルカリ金属塩(B)の含有量が5重量部未満の場合、HApの析出が阻害されるおそれがある。一方、リン酸のアルカリ金属塩(B)の含有量が100重量部を超える場合、HApの析出が阻害されるおそれがあり、98重量部以下であることが好ましく、95重量部以下であることがより好ましく、90重量部以下であることが更に好ましい。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(B)としては特に限定されず、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一リチウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が用いられる。中でも、安全性や純度の高い原料が容易に入手できる観点から、リン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好ましい。また、安全性の観点から、本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(B)におけるアルカリ金属イオンがナトリウムイオンであることが好ましい。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径が0.5〜20μmであることが好ましい。リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径が0.5μm未満の場合、凝集が顕著となることで液剤又は粉剤中に均一に分散させることが困難となることから、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤がヒドロキシアパタイトに転化した際に、当該ヒドロキシアパタイトに孔が生じてしまい、象牙質透過抑制率が低下してしまうおそれがあり、1μm以上であることがより好ましい。一方、リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径が20μmを超える場合、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤がヒドロキシアパタイトに転化した際に、当該ヒドロキシアパタイトに孔が生じてしまい、象牙質透過抑制率が低下してしまうおそれがある。象牙細管において当該孔が生じてしまうと、知覚過敏を抑制することが困難となるおそれがある。また、象牙質表面にすり込んで象牙質知覚過敏を抑制する際に未溶解のリン酸のアルカリ金属塩(B)がペースト中に残存することでざらつき感が大きくなることで操作性が低下するだけでなく、象牙質を傷付けるおそれがあることから、リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径は15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)に加えて、更に酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含有する。本発明者らは、リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)に加えて溶解度の低い酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含有することにより、ペースト塗布後にカルシウムイオンとリン酸イオンをより長時間供給できるだけでなく、供給バランスがより適切となると推察している。
本発明で用いられる酸性リン酸カルシウム粒子(C)としては特に限定されず、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO4]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(H2PO4)2]粒子、リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2]粒子、非晶性リン酸カルシウム[Ca3(PO4)2・xH2O]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH2P2O7]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO4・2H2O]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(H2PO4)2・H2O]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO4]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(H2PO4)2]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO4・2H2O]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(H2PO4)2・H2O]粒子からなる群から選択される少なくとも1種がより好適に使用され、特に無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO4]粒子、及び無水リン酸二水素カルシウム[Ca(H2PO4)2]粒子からなる群から選択される少なくとも1種が更に好適に使用される。
本発明で用いられる酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径は、0.1〜7μmである。平均粒径が0.1μm未満の場合、液剤への溶解が過多となるためカルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れるだけでなく、液剤との混合により得られるペーストの粘度が高くなり過ぎるおそれがあり、好適には0.3μm以上である。一方、平均粒径が7μmを超える場合、酸性リン酸カルシウム粒子(C)が液剤へ溶解しにくくなるためリン酸四カルシウム粒子(A)の溶解が過度となるおそれがある。その結果、カルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れることに加え、水溶液のpHが高くなることでヒドロキシアパタイトの析出が円滑でなくなるおそれがある。酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径は、好適には3μm以下である。酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径は、上記リン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径と同様にして算出される。
このような平均粒径を有する酸性リン酸カルシウム粒子(C)の製造方法は特に限定されず、市販品を入手できるのであればそれを使用してもよいが、市販品を更に粉砕することが好ましい場合が多い。その場合、ボールミル、ライカイ機、ジェットミルなどの粉砕装置を使用することができる。また、酸性リン酸カルシウム原料粉体をアルコールなどの液体の媒体と共にライカイ機、ボールミル等を用いて粉砕してスラリーを調製し、得られたスラリーを乾燥させることにより酸性リン酸カルシウム粒子(C)を得ることもできる。このときの粉砕装置としては、ボールミルを用いることが好ましく、そのポット及びボールの材質としては、好適にはアルミナやジルコニアが採用される。
ここで、酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径に比べてリン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径を大きくすることによって、両者の溶解度のバランスが適切となり、水溶液のpHを中性付近に維持することが可能となる。その結果、ヒドロキシアパタイトの析出が円滑となる。具体的には(A)の平均粒径を(C)の平均粒径の2倍以上とすることがより好ましく、4倍以上とすることがさらに好ましく、7倍以上とすることが特に好ましい。一方、(A)の平均粒径を(C)の平均粒径の35倍以下とすることがより好ましく、30倍以下とすることが更に好ましく、25倍以下とすることが特に好ましい。
リン酸四カルシウム粒子(A)と酸性リン酸カルシウム粒子(C)の配合割合(A/C)は特に限定されず、モル比で40/60〜60/40の範囲となるような配合割合で使用される。上記配合割合(A/C)は、好適には45/55〜55/45であり、実質的に50/50であることが最適である。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、更にフッ素化合物(D)を含有することが好ましい。このことにより、歯質に耐酸性を付与させることが可能となる。本発明で用いられるフッ素化合物(D)としては特に限定されず、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化銅、フッ化ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化チタンナトリウム、フッ化チタンカリウム、ヘキシルアミンハイドロフルオライド、ラウリルアミンハイドロフルオライド、グリシンハイドロフルオライド、アラニンハイドロフルオライド、フルオロシラン類、フッ化ジアミン銀等が挙げられる。中でもフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズが好適に用いられる。フッ素化合物(D)の使用量は特に限定されず、象牙質知覚過敏抑制剤の全量100重量部に対してフッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンを0.01〜3重量部含むことが好ましい。フッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンの使用量は、0.05重量部以上であることがより好ましい。一方、フッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンの使用量が3重量部を超える場合、安全性が損なわれるおそれがあり、1重量部以下であることがより好ましい。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、本発明の効果を阻害しない範囲でリン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、酸性リン酸カルシウム粒子(C)及びフッ素化合物(D)以外の成分を含有しても構わない。例えば、必要に応じて増粘剤を配合することができる。増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸塩、ポリLリジン、ポリLリジン塩、セルロース以外のデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、カラジーナン、グアーガム、キタンサンガム、セルロースガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、ペクチン、ペクチン塩、キチン、キトサン等の多糖類、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の酸性多糖類エステル、またコラーゲン、ゼラチン及びこれらの誘導体などのタンパク質類等の高分子などから選択される1つ又は2つ以上が挙げられるが、水への溶解性及び粘性の面からはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩から選択される少なくとも1つが好ましい。増粘剤は、粉体に配合してもよいし液剤に配合してもよく、また混合中のペーストに配合してもよい。
また、必要に応じてシリカ、金属酸化物等に代表される無機フィラー、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出液、サッカリン、サッカリンナトリウム等の人工甘味料などを加えてもよい。これらの中でも、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、無機フィラーを含有することが好ましく、平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ又は金属酸化物から選択される粒子(E)を含有することがより好ましく、平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ粒子(E)を含有することが更に好ましい。
更に、薬理学的に許容できるあらゆる薬剤等を配合することができる。セチルピリジニウムクロリド等に代表される抗菌剤、消毒剤、抗癌剤、抗生物質、アクトシン、PEG1などの血行改善薬、bFGF、PDGF、BMPなどの増殖因子、骨芽細胞、象牙芽細胞、さらに未分化な骨髄由来幹細胞、胚性幹(ES)細胞、線維芽細胞等の分化細胞を遺伝子導入により脱分化・作製した人工多能性幹(iPS:induced Pluripotent Stem)細胞ならびにこれらを分化させた細胞など硬組織形成を促進させる細胞などを配合させることができる。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、該象牙質知覚過敏抑制剤0.05gを25℃の純水200gに投入して懸濁液を調製した際に、投入から10分後における該懸濁液の遊離アルカリ金属イオン濃度が0.2〜100mg/Lである。前記遊離アルカリ金属イオン濃度がこのような範囲にあることで、象牙質透過抑制率の良好な象牙質知覚過敏抑制剤が得られる利点を有する。前記遊離アルカリ金属イオン濃度が0.2mg/L未満の場合、アルカリ金属イオンと共に供給されるリン酸イオンが不足することからヒドロキシアパタイトへの転化が円滑でなくなり、象牙質透過抑制率の良好な象牙質知覚過敏抑制剤が得られないおそれがあり、0.5mg/L以上であることがより好ましく、1mg/L以上であることが一層好ましい。一方、前記遊離アルカリ金属イオン濃度が100mg/Lを超える場合、アルカリ金属イオンと共に供給されるリン酸イオンが過多となることからヒドロキシアパタイトへの転化が円滑でなくなり、象牙質透過抑制率の良好な象牙質知覚過敏抑制剤が得られないだけでなく、過剰のナトリウムイオンがヒドロキシアパタイトへの転化を阻害するおそれがあり、50mg/L以下であることがより好ましく、30mg/L以下であることが一層好ましい。遊離アルカリ金属イオンの測定方法は任意の方法を選択できる。懸濁液の上清を採取し、ICP発光分光分析装置あるいはイオンクロマトグラフィーにより測定を行うことも可能であるし、懸濁液中にアルカリ金属イオン濃度に応答する電極を直接浸漬する測定方法を用いても良い。
また、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、前記遊離アルカリ金属イオン濃度の平均値をdとしたときの標準偏差σがσ≦0.3dを満たすこと、すなわち、標準偏差σを前記遊離アルカリ金属イオン濃度の平均値dで割った値(σ/d)が0.3以下である。このことにより、リン酸のアルカリ金属塩(B)の均一性が良好となり、更に象牙質透過抑制率の良好な象牙質知覚過敏抑制剤が得られる利点を有する。象牙細管の封鎖性が良好となるため、知覚過敏を抑制する効果が高くなる利点を有する。この理由については必ずしも明らかではないが、以下のようなメカニズムが推定される。すなわち、リン酸のアルカリ金属塩(B)の均一性が良好でない場合、リン酸のアルカリ金属塩(B)が凝集しており、該凝集したリン酸のアルカリ金属塩(B)が水の存在下で調製した象牙質知覚過敏抑制剤とともに象牙細管内に取り込まれるようである。凝集したリン酸のアルカリ金属塩(B)は、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤がHApに転化した際に溶解し、当該HApに孔を生じさせてしまい、象牙質透過抑制率が低下すると考えられる。
また、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、該象牙質知覚過敏抑制剤で厚さ700μmの牛歯ディスクの片面を処置した際の象牙質透過抑制率が下記式(I)を満たすことが好ましい。下記式(I)を満たす本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、象牙細管の深部にまでHApが析出して象牙細管が封鎖されるため、象牙質表面に疑似エナメル質が形成されて耐う蝕性を付与することができるとともに、知覚過敏症の治療が可能となる利点を有する。
[1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/(象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)]×100≧70・・・(I)
[1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/(象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)]×100≧70・・・(I)
本発明では、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含有する粉体と、水を主成分とする液体又は水系ペーストとを混合することにより、ペースト状の象牙質知覚過敏抑制剤を得ることができる。水を含むこのペースト状の象牙質知覚過敏抑制剤は、直ちにHApに転化する反応が起こり始めるため、医療現場で使用する直前に混合して調製するものである。混合操作としては特に限定されず、手混合、スタティックミキサーを用いた混合等が好ましく採用される。しかしながら、リン酸のアルカリ金属塩(B)の水に対する溶解度がそれ程高くないため、リン酸のアルカリ金属塩(B)を粉体で加える上記混合方法が好ましく採用される。
ここで、水を主成分とする液体とは、純水であっても、水を主成分とし他の成分を含有する液体であってもよく、また、水を主成分とする水系ペーストとは、水を主成分とし他の成分を含有するペースト状の液体を示す。他の成分としては特に限定されず、上述の酸性リン酸カルシウム粒子(C)、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルなどが例示される。他の成分として酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む場合、リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストに、水を主成分とし酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合する方法も好ましく採用される。
また、本発明では、リン酸四カルシウム粒子(A)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は非水系ペーストに、水を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合することによってもペースト状の象牙質知覚過敏抑制剤を得ることができる。ここで、水の存在下ではリン酸四カルシウム粒子(A)が溶解して徐々にHApに転化する反応が起こるため、水を主成分とする液体又は水系ペーストとリン酸四カルシウム粒子(A)とを予め混合して保存しておくことができない。したがって、リン酸四カルシウム粒子(A)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は水以外の他の溶媒を主成分とする非水系ペーストと、水を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストとを混合する方法が好適に採用され、使用直前に混合して調製する際の操作が簡便である利点も有する。また、非水系ペーストに使用される水以外の溶媒としては特に限定されず、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルなどが例示される。
また、本発明において、リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体、又はリン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体を予め混合することが好ましい。このことにより、象牙細管の封鎖性が良好となるため、知覚過敏を抑制する効果が高くなる利点を有する。したがって、象牙質知覚過敏抑制剤として用いられる。ここで、前記混合の際には、ジェットミル、ライカイ機、ボールミル、高速回転ミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン又は混合押出し機から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。象牙細管の封鎖性をより高める観点から、ボールミル、ライカイ機、高速回転ミル、ジェットミルから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、水の存在下ではリン酸四カルシウム粒子(A)が溶解して徐々にHApに転化する反応が起こるため、使用直前に液剤と適宜混合される。また、本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、上記説明したように象牙細管の深部にまでHApが析出して象牙細管を封鎖することが可能である。
ここで、本発明者らにより、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含有する象牙質知覚過敏抑制剤であって、リン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.5〜30μmであり、酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径が0.1〜7μmであり、リン酸四カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を5〜100重量部配合し、象牙質知覚過敏抑制剤の全量100重量部に対するリン酸四カルシウム粒子(A)の配合量を10〜55重量部とし、リン酸四カルシウム粒子(A)と酸性リン酸カルシウム粒子(C)の配合割合(A/C)をモル比で40/60〜60/40であり、該象牙質知覚過敏抑制剤0.05gを25℃の純水200gに投入して懸濁液を調製した際に、投入から10分後における該懸濁液の遊離アルカリ金属イオン濃度が0.2〜100mg/Lであり、標準偏差σを前記遊離アルカリ金属イオン濃度の平均値dで割った値(σ/d)が0.3以下であり、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、酸性リン酸カルシウム粒子(C)及び水を主成分とする液体又は水系ペーストを使用直前に混合することにより得られた象牙質知覚過敏抑制剤を象牙質表面にすり込むことにより、少なくとも1回の治療で象牙細管を封鎖することが可能であることが明らかとなった。この理由については必ずしも明らかではないが、以下のようなメカニズムが推定される。
すなわち、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を一定量含有する象牙質知覚過敏抑制剤を水の存在下で調製して象牙質表面にすり込んだ際に、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)から供給されたカルシウムイオンとリン酸イオンとが反応して、エネルギー的に安定なHApの微結晶が析出するようである。このとき、象牙質知覚過敏抑制剤を含む液剤とともに前記HApの微結晶が象牙細管に挿入され、その結果、象牙細管に挿入された前記HAp微結晶が液剤中に含まれるカルシウムイオンとリン酸イオンとにより結晶成長し、緻密化して象牙質と一体化するようである。このことにより、象牙細管の封鎖性が良好となるため、知覚過敏を抑制する効果が高くなる。
したがって、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖させるために用いられるものであることを特徴とする象牙質知覚過敏抑制剤が本発明の実施態様である。また、このような象牙質知覚過敏抑制剤を象牙質表面にすり込むことによる象牙質知覚過敏抑制方法も本発明の実施態様である。
本発明の象牙質知覚過敏抑制剤は、上述のように、使用直前に液剤と適宜混合される。したがって、リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は非水系ペーストと、水を主成分とする液体又は水系ペーストとからなる象牙質知覚過敏抑制剤キットであって、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖させるために用いられるものである象牙質知覚過敏抑制剤キットであることが本発明の実施態様の一つである。また、リン酸四カルシウム粒子(A)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は非水系ペーストと、水を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストとからなる象牙質知覚過敏抑制剤キットであって、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖させるために用いられるものである象牙質知覚過敏抑制剤キットであることが本発明の実施態様の一つである。
更に、リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストと、水を主成分とし酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む液体又は水系ペーストとからなる象牙質知覚過敏抑制剤キットであって、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖させるために用いられるものである象牙質知覚過敏抑制剤キットであることが本発明の実施態様の一つである。また、リン酸四カルシウム粒子(A)を含む粉体又は非水系ペーストと、リン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストと、酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は非水系ペーストと、水を主成分とする液体又は水系ペーストとからなる象牙質知覚過敏抑制剤キットであって、象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖させるために用いられるものである象牙質知覚過敏抑制剤キットであることも本発明の実施態様の一つである。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。本実施例においてリン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)粒子、酸性リン酸カルシウム粒子(C)及びフッ化ナトリウム(D)粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製「SALD−2100型」)を用いて測定し、測定の結果から算出されるメディアン径を平均粒径とした。
実施例1
[象牙質知覚過敏抑制剤の調製]
(1)リン酸四カルシウム粒子(A)の調製
本実施例で使用するリン酸四カルシウム粒子(A4)(平均粒径5.2μm)は、以下の通り調製した粗リン酸四カルシウムを粉砕することにより得た。市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co., NJ)及び炭酸カルシウム(Product No. 1288, J.T.Baker Chemical Co., NJ)を等モルとなる様に水中に加え、1時間撹拌した後、ろ過・乾燥することで得られたケーキ状の等モル混合物を電気炉(FUS732PB,アドバンテック東洋(株)製)中で1500℃、24時間加熱し、その後デシケータ中で室温まで冷却することでリン酸四カルシウム塊を調製した。さらに、乳鉢中で荒く砕き、その後篩がけを行うことで微粉ならびにリン酸四カルシウム塊を除き、0.5〜1mmの範囲に粒度を整え、粗リン酸四カルシウムを得た。この粗リン酸四カルシウム50g、直径が10mmのジルコニアボール200g、及び99.5%脱水エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol,Dehydrated(99.5)」)100gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で12時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することでリン酸四カルシウム粒子(A4)を得た。
[象牙質知覚過敏抑制剤の調製]
(1)リン酸四カルシウム粒子(A)の調製
本実施例で使用するリン酸四カルシウム粒子(A4)(平均粒径5.2μm)は、以下の通り調製した粗リン酸四カルシウムを粉砕することにより得た。市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co., NJ)及び炭酸カルシウム(Product No. 1288, J.T.Baker Chemical Co., NJ)を等モルとなる様に水中に加え、1時間撹拌した後、ろ過・乾燥することで得られたケーキ状の等モル混合物を電気炉(FUS732PB,アドバンテック東洋(株)製)中で1500℃、24時間加熱し、その後デシケータ中で室温まで冷却することでリン酸四カルシウム塊を調製した。さらに、乳鉢中で荒く砕き、その後篩がけを行うことで微粉ならびにリン酸四カルシウム塊を除き、0.5〜1mmの範囲に粒度を整え、粗リン酸四カルシウムを得た。この粗リン酸四カルシウム50g、直径が10mmのジルコニアボール200g、及び99.5%脱水エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol,Dehydrated(99.5)」)100gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で12時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することでリン酸四カルシウム粒子(A4)を得た。
また、上記リン酸四カルシウム粒子(A4)を調製する際の粉砕時間を1時間にすることで、平均粒径が35.6μmのリン酸四カルシウム粒子(A2)を得た。同様に、上記リン酸四カルシウム粒子(A4)を調製する際の粉砕時間を4時間にすることで、平均粒径が20.3μmのリン酸四カルシウム粒子(A3)を得た。また、同様に、上記リン酸四カルシウム粒子(A4)を調製する際の粉砕時間を24時間にすることで、平均粒径が1.5μmのリン酸四カルシウム粒子(A5)を得た。
(2)リン酸のアルカリ金属塩(B)粒子の調製
本実施例で使用するリン酸一水素二ナトリウム(B)粒子(平均粒径1.7μm)は、市販のリン酸一水素二ナトリウム粒子(和光純薬工業株式会社製)50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で5時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
本実施例で使用するリン酸一水素二ナトリウム(B)粒子(平均粒径1.7μm)は、市販のリン酸一水素二ナトリウム粒子(和光純薬工業株式会社製)50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で5時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
(3)酸性リン酸カルシウム粒子(C)の調製
本実施例で使用する無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co., NJ、平均粒径10.2μm)50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で15時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
本実施例で使用する無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co., NJ、平均粒径10.2μm)50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で15時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
(4)象牙質知覚過敏抑制剤用粉剤の調製
上記で得たリン酸四カルシウム粒子(A4)36.5g、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5g、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)13.5g及び特開平2−258602号公報に開示の方法で微粒子化したフッ化ナトリウム(D)粒子(平均粒径0.7μm)0.21gを高速回転ミル(アズワン株式会社製「SM−1」)中に加え、1000rpmの回転速度で3分間混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法1」とした。
上記で得たリン酸四カルシウム粒子(A4)36.5g、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5g、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)13.5g及び特開平2−258602号公報に開示の方法で微粒子化したフッ化ナトリウム(D)粒子(平均粒径0.7μm)0.21gを高速回転ミル(アズワン株式会社製「SM−1」)中に加え、1000rpmの回転速度で3分間混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法1」とした。
(5)象牙質知覚過敏抑制剤用液状ペーストの調製
セチリピリジニウムクロリド1水和物(和光純薬工業株式会社製)0.5g、シリカ粒子(E)(デグサ社製「AEROSIL 130」、平均粒径:0.016μm)20g及び蒸留水427.4gを5時間撹拌し、混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の液状ペーストを得た。
セチリピリジニウムクロリド1水和物(和光純薬工業株式会社製)0.5g、シリカ粒子(E)(デグサ社製「AEROSIL 130」、平均粒径:0.016μm)20g及び蒸留水427.4gを5時間撹拌し、混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の液状ペーストを得た。
(6)象牙質知覚過敏抑制剤の調製
上記(4)で得た粉剤0.55gを精秤し、これに上記(5)で得た液状ペースト0.45gを加え混合することで象牙質知覚過敏抑制剤を調製した。象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1にまとめて示す。
上記(4)で得た粉剤0.55gを精秤し、これに上記(5)で得た液状ペースト0.45gを加え混合することで象牙質知覚過敏抑制剤を調製した。象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1にまとめて示す。
[アルカリ金属イオン濃度の測定]
マグネティックスターラー上で25℃の純水200gを攪拌させている中に、上記方法1で得られた象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤0.05gを投入した。粉剤投入後10分時点で撹拌を停止し、上清を採取し、メンブレンフィルターでろ過した後にICP発光分析装置(IRIS AP、日本ジャーレルアッシュ株式会社製)を用いて粉剤スラリーの遊離ナトリウムイオン濃度を測定した(n=50)。実施例25における粉剤のナトリウムイオン濃度の平均値(d)は7.7mg/Lであり、ナトリウムイオン濃度の標準偏差(σ)を(d)で除した数値(σ/d)は0.04であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
マグネティックスターラー上で25℃の純水200gを攪拌させている中に、上記方法1で得られた象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤0.05gを投入した。粉剤投入後10分時点で撹拌を停止し、上清を採取し、メンブレンフィルターでろ過した後にICP発光分析装置(IRIS AP、日本ジャーレルアッシュ株式会社製)を用いて粉剤スラリーの遊離ナトリウムイオン濃度を測定した(n=50)。実施例25における粉剤のナトリウムイオン濃度の平均値(d)は7.7mg/Lであり、ナトリウムイオン濃度の標準偏差(σ)を(d)で除した数値(σ/d)は0.04であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
[象牙質透過抑制率評価]
(1)象牙質透過抑制率評価用牛歯の作製
健全牛歯切歯の頬側象牙質から#80,#1000研磨紙を用いて回転研磨機によりトリミングし、直径約1.5cm、厚さ0.9mmの牛歯ディスクを作製した。この牛歯ディスク表面をさらにラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、厚さ0.7mmまで研磨し、平滑とした。この牛歯ディスクを、0.5M EDTA溶液(和光純薬工業株式会社製)を5倍に希釈した溶液に180秒間浸漬し、約30秒間蒸留水中で洗浄した。更に10%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ネオクリーナー「セキネ」、ネオ製薬工業(株))を120秒間浸漬した後、約30分間蒸留水で洗浄することで象牙質透過抑制率評価に用いる牛歯ディスクを調製した。
(1)象牙質透過抑制率評価用牛歯の作製
健全牛歯切歯の頬側象牙質から#80,#1000研磨紙を用いて回転研磨機によりトリミングし、直径約1.5cm、厚さ0.9mmの牛歯ディスクを作製した。この牛歯ディスク表面をさらにラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、厚さ0.7mmまで研磨し、平滑とした。この牛歯ディスクを、0.5M EDTA溶液(和光純薬工業株式会社製)を5倍に希釈した溶液に180秒間浸漬し、約30秒間蒸留水中で洗浄した。更に10%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ネオクリーナー「セキネ」、ネオ製薬工業(株))を120秒間浸漬した後、約30分間蒸留水で洗浄することで象牙質透過抑制率評価に用いる牛歯ディスクを調製した。
上記牛歯ディスクの頬側象牙質表面に対して、スパーテルを用いて上記で調製した象牙質知覚過敏抑制剤約0.1gを付着させ、続いてマイクロブラシ(MICROBRUSH INTERNATIONAL製「REGULAR SIZE(2.0mm),MRB400」)を用いて、象牙質処理面中央部における直径5mmの象牙質に対して30秒間すり込みを行った。その後、象牙質表面のペーストを蒸留水で除去し、直ちに象牙質透過抑制率評価試験を実施した(n=5)。
(2)象牙質透過抑制率評価試験
象牙質透過抑制率の測定には、Pashleyらの方法(D.H.PASHLEY et al.,J.Dent.Res.65:417−420,1986.;K.C.Y.TAY et al.,J.Endod.33:1438−1443,2007.)に準じる方法を用いて実施した。同様の装置を設置し、上記で得た知覚過敏抑制処置を行った牛歯ディスクを歯髄からエナメル質の方向に液が透過する様に分割可能なチャンバー治具中に設置、固定した。Phosphate-buffered saline(Dulbecco’s PBS, Grand Island Biological Company, Grand Island, NY)の圧力を加える象牙質表面は、Oリングを用いて表面積を78.5mm2(直径5mm)に規格化し、10psi(69kPa)で加圧し、24時間経過した際の透過量を測定した。また、同様の操作で上記の象牙細管封鎖処置を行っていない牛歯ディスクの透過量を測定し、下記式を用いて透過抑制率を算出した。実施例1により象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過抑制率は92%であった。得られた結果を表4にまとめて示す。
透過抑制率(%)={1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)}×100
象牙質透過抑制率の測定には、Pashleyらの方法(D.H.PASHLEY et al.,J.Dent.Res.65:417−420,1986.;K.C.Y.TAY et al.,J.Endod.33:1438−1443,2007.)に準じる方法を用いて実施した。同様の装置を設置し、上記で得た知覚過敏抑制処置を行った牛歯ディスクを歯髄からエナメル質の方向に液が透過する様に分割可能なチャンバー治具中に設置、固定した。Phosphate-buffered saline(Dulbecco’s PBS, Grand Island Biological Company, Grand Island, NY)の圧力を加える象牙質表面は、Oリングを用いて表面積を78.5mm2(直径5mm)に規格化し、10psi(69kPa)で加圧し、24時間経過した際の透過量を測定した。また、同様の操作で上記の象牙細管封鎖処置を行っていない牛歯ディスクの透過量を測定し、下記式を用いて透過抑制率を算出した。実施例1により象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過抑制率は92%であった。得られた結果を表4にまとめて示す。
透過抑制率(%)={1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)}×100
[形態学的評価]
(1)形態学的評価用牛歯の作製
健全牛歯切歯の頬側中央を#80,#1000研磨紙を用いて回転研磨機により研磨してトリミングし、頬側象牙質が露出した厚さ2mmの象牙質板を作製した。この頬側象牙質面をさらにラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、平滑とした。この頬側象牙質部分に歯に対して縦軸方向及び横軸方向に各7mm試験部分の窓を残し、周りをマニキュアでマスキングし、1時間風乾した。この牛歯に対して、0.5M EDTA溶液(和光純薬工業株式会社製)を5倍に希釈した溶液を30秒間象牙質窓に作用させ脱灰を行った後、30分以上水洗した。更に10%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ネオクリーナー「セキネ」、ネオ製薬工業(株))を2分間作用させ清掃した後、約30分以上水洗することで象牙細管封鎖評価に用いる牛歯を調製した。上記歯面処理の後、歯の縦軸方向に半分をマニキュアでマスキングし、未処理の状態を保持した。上記牛歯の頬側象牙質表面に対して、スパーテルを用いて上記で調製した象牙質知覚過敏抑制剤約0.1gを付着させ、続いてマイクロブラシ(MICROBRUSH INTERNATIONAL製「REGULAR SIZE(2.0mm),MRB400」)を用いて象牙質窓全面に対して30秒間すり込みを行った。その後、象牙質表面のペーストを蒸留水で除去した(n=10)。
(1)形態学的評価用牛歯の作製
健全牛歯切歯の頬側中央を#80,#1000研磨紙を用いて回転研磨機により研磨してトリミングし、頬側象牙質が露出した厚さ2mmの象牙質板を作製した。この頬側象牙質面をさらにラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、平滑とした。この頬側象牙質部分に歯に対して縦軸方向及び横軸方向に各7mm試験部分の窓を残し、周りをマニキュアでマスキングし、1時間風乾した。この牛歯に対して、0.5M EDTA溶液(和光純薬工業株式会社製)を5倍に希釈した溶液を30秒間象牙質窓に作用させ脱灰を行った後、30分以上水洗した。更に10%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ネオクリーナー「セキネ」、ネオ製薬工業(株))を2分間作用させ清掃した後、約30分以上水洗することで象牙細管封鎖評価に用いる牛歯を調製した。上記歯面処理の後、歯の縦軸方向に半分をマニキュアでマスキングし、未処理の状態を保持した。上記牛歯の頬側象牙質表面に対して、スパーテルを用いて上記で調製した象牙質知覚過敏抑制剤約0.1gを付着させ、続いてマイクロブラシ(MICROBRUSH INTERNATIONAL製「REGULAR SIZE(2.0mm),MRB400」)を用いて象牙質窓全面に対して30秒間すり込みを行った。その後、象牙質表面のペーストを蒸留水で除去した(n=10)。
(2)SEM観察用サンプルの作製
上記処理後、牛歯サンプルをバイアル中の70%エタノール水溶液中に浸漬した。浸漬後、直ちにバイアルをデシケータ内に移し、10分間減圧条件下に置いた。この後、バイアルをデシケータから取り出し、低速攪拌機(TR−118,AS−ONE社製)に取り付け、約4rpmの回転速度で1時間攪拌した。同様の操作を、80%エタノール水溶液、90%エタノール水溶液、99%エタノール水溶液、100%エタノール(2回)を用いて行い、2回目の100%エタノールにはそのまま1晩浸漬した。翌日、プロピレンオキサイドとエタノールの1:1混合溶媒、プロピレンオキサイド100%(2回)についても順次同様の作業を行い、2回目のプロピレンオキサイドにそのまま1晩浸漬することで脱水、ならびにマニキュアの除去を行った。プロピレンオキサイド留去したサンプルを牛歯ディスクの象牙細管封鎖処理表面の形態観察用サンプルとした。また、プロピレンオキサイド留去後、2本のプライヤーを用いて象牙細管封鎖処置を行った象牙質を脆性的に破壊し、象牙質断面の形態観察用サンプルとした。
上記処理後、牛歯サンプルをバイアル中の70%エタノール水溶液中に浸漬した。浸漬後、直ちにバイアルをデシケータ内に移し、10分間減圧条件下に置いた。この後、バイアルをデシケータから取り出し、低速攪拌機(TR−118,AS−ONE社製)に取り付け、約4rpmの回転速度で1時間攪拌した。同様の操作を、80%エタノール水溶液、90%エタノール水溶液、99%エタノール水溶液、100%エタノール(2回)を用いて行い、2回目の100%エタノールにはそのまま1晩浸漬した。翌日、プロピレンオキサイドとエタノールの1:1混合溶媒、プロピレンオキサイド100%(2回)についても順次同様の作業を行い、2回目のプロピレンオキサイドにそのまま1晩浸漬することで脱水、ならびにマニキュアの除去を行った。プロピレンオキサイド留去したサンプルを牛歯ディスクの象牙細管封鎖処理表面の形態観察用サンプルとした。また、プロピレンオキサイド留去後、2本のプライヤーを用いて象牙細管封鎖処置を行った象牙質を脆性的に破壊し、象牙質断面の形態観察用サンプルとした。
(3)SEM観察
SEM観察にはS-3500N(日立ハイテク社製)を使用した。加速電圧は15kVの条件で、破壊前の牛歯ディスクの象牙細管封鎖処理−未処理境界付近の表面形態、並びに象牙質断面の象牙細管封鎖処理表面付近の形態を観察し、象牙質表面から象牙細管方向に知覚過敏抑制剤により封鎖が観察される最も深い距離(以下、「象牙細管封鎖深さ」ということがある)の測定を行った。実施例1の知覚過敏抑制剤による象牙細管封鎖深さの平均は15μmであった。得られた結果を表4に、得られたSEM写真を図1及び図2(図2中の矢印はHApで封鎖された象牙細管である)にまとめて示す。
SEM観察にはS-3500N(日立ハイテク社製)を使用した。加速電圧は15kVの条件で、破壊前の牛歯ディスクの象牙細管封鎖処理−未処理境界付近の表面形態、並びに象牙質断面の象牙細管封鎖処理表面付近の形態を観察し、象牙質表面から象牙細管方向に知覚過敏抑制剤により封鎖が観察される最も深い距離(以下、「象牙細管封鎖深さ」ということがある)の測定を行った。実施例1の知覚過敏抑制剤による象牙細管封鎖深さの平均は15μmであった。得られた結果を表4に、得られたSEM写真を図1及び図2(図2中の矢印はHApで封鎖された象牙細管である)にまとめて示す。
実施例2
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を粉剤に加えて調製する代わりに液状ペーストに加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を粉剤に加えて調製する代わりに液状ペーストに加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例3
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を2.5重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を2.5重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例4
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を20重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を20重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例5
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を21.9重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を21重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を8.1重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を21.9重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を21重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を8.1重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例6
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を15重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を2.06重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を5.6重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を15重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を2.06重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を5.6重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例7
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を50重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を6.86重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を18.6重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を50重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を6.86重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を18.6重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例8
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を5.58重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を19.3重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を5.58重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を19.3重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例9
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を5.36重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部用いる代わりに、リン酸一水素カルシウム2水和物粒子(C)(平均粒径1.2μm)を17.1重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記リン酸一水素カルシウム2水和物粒子(C)(平均粒径1.2μm)は、市販のリン酸一水素カルシウム2水和物粒子(和光純薬工業株式会社製、平均粒径19μm)を用い、実施例1における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を5.36重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部用いる代わりに、リン酸一水素カルシウム2水和物粒子(C)(平均粒径1.2μm)を17.1重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記リン酸一水素カルシウム2水和物粒子(C)(平均粒径1.2μm)は、市販のリン酸一水素カルシウム2水和物粒子(和光純薬工業株式会社製、平均粒径19μm)を用い、実施例1における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
実施例10
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を5.98重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部用いる代わりに、無水リン酸二水素カルシウム粒子(C)(平均粒径1.1μm)を23.3重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記無水リン酸二水素カルシウム粒子(C)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸二水素カルシウム粒子(和光純薬工業株式会社製、平均粒径18μm)を用い、実施例1における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を5.98重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部用いる代わりに、無水リン酸二水素カルシウム粒子(C)(平均粒径1.1μm)を23.3重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記無水リン酸二水素カルシウム粒子(C)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸二水素カルシウム粒子(和光純薬工業株式会社製、平均粒径18μm)を用い、実施例1における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
実施例11
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を6.74重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部用いる代わりに、リン酸三カルシウム粒子(C)(平均粒径3.2μm)を30.9重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記リン酸三カルシウム粒子(C)(平均粒径3.2μm)は、太平化学産業株式会社製「α−TCP−B(平均粒径3.2μm)」をそのまま用いた。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を6.74重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部用いる代わりに、リン酸三カルシウム粒子(C)(平均粒径3.2μm)を30.9重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記リン酸三カルシウム粒子(C)(平均粒径3.2μm)は、太平化学産業株式会社製「α−TCP−B(平均粒径3.2μm)」をそのまま用いた。
実施例12
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を5重量部用いる代わりに、リン酸二水素一ナトリウム(B)粒子を5重量部用いた以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を5重量部用いる代わりに、リン酸二水素一ナトリウム(B)粒子を5重量部用いた以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例13
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸二水素一ナトリウム(B)粒子5重量部を液状ペーストに加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸二水素一ナトリウム(B)粒子5重量部を液状ペーストに加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例14
実施例1において、フッ化ナトリウム(D)粒子を用いず、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、フッ化ナトリウム(D)粒子を用いず、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例15
実施例1において、液状ペーストにシリカ粒子(E)を用いず、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、液状ペーストにシリカ粒子(E)を用いず、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例16
実施例1において、シリカ粒子(E)2重量部を液状ペーストに加える代わりに粉剤に加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、シリカ粒子(E)2重量部を液状ペーストに加える代わりに粉剤に加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例17
実施例1において、平均粒径5.2μmのリン酸四カルシウム粒子(A4)を36.5重量部加える代わりに、平均粒径20.3μmのリン酸四カルシウム粒子(A3)を36.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、平均粒径5.2μmのリン酸四カルシウム粒子(A4)を36.5重量部加える代わりに、平均粒径20.3μmのリン酸四カルシウム粒子(A3)を36.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例18
実施例1において、平均粒径5.2μmのリン酸四カルシウム粒子(A4)を36.5重量部加える代わりに、平均粒径1.5μmのリン酸四カルシウム粒子(A5)を36.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、平均粒径5.2μmのリン酸四カルシウム粒子(A4)を36.5重量部加える代わりに、平均粒径1.5μmのリン酸四カルシウム粒子(A5)を36.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例19
実施例1において、粉剤及び液状ペーストを調製する代わりに、リン酸四カルシウム粒子(A4)36.5重量部、フッ化ナトリウム(D)粒子0.21重量部、シリカ粒子(E)2重量部、グリセリン6.29重量部及びプロピレングリコール5重量部を用いて調製した非水系ペーストと、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)13.5重量部、キシリトール5重量部、ポリエチレングリコール3重量部、セチルピリジニウムクロリド1水和物0.05重量部、シリカ粒子(E)2重量部及び残部を精製水で調製した水系ペーストとを混合することで象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表3に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、粉剤及び液状ペーストを調製する代わりに、リン酸四カルシウム粒子(A4)36.5重量部、フッ化ナトリウム(D)粒子0.21重量部、シリカ粒子(E)2重量部、グリセリン6.29重量部及びプロピレングリコール5重量部を用いて調製した非水系ペーストと、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)13.5重量部、キシリトール5重量部、ポリエチレングリコール3重量部、セチルピリジニウムクロリド1水和物0.05重量部、シリカ粒子(E)2重量部及び残部を精製水で調製した水系ペーストとを混合することで象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表3に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例20
実施例1において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A4)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子を10mmのジルコニアボール200gとともに400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、200rpmの回転速度で30分間混合することで粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法2」とした。次いで、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A4)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子を10mmのジルコニアボール200gとともに400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、200rpmの回転速度で30分間混合することで粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法2」とした。次いで、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例21
実施例1において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A4)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子をライカイ機(自動乳鉢、アズワン株式会社製「ANM−200」)中に加え、乳鉢を6rpm、乳棒を100rpmの回転速度で5時間混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法3」とした。次いで、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A4)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子をライカイ機(自動乳鉢、アズワン株式会社製「ANM−200」)中に加え、乳鉢を6rpm、乳棒を100rpmの回転速度で5時間混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法3」とした。次いで、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例1
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を用いず、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を用いず、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例2
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.15重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.15重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例3
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.3重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.3重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例4
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を21.9重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を27重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を8.1重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を21.9重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を27重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を8.1重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例5
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を5.5重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.75重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を2重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を5.5重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.75重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を2重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を7.5重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を1.03重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を2.8重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A4)の使用量を7.5重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を1.03重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を2.8重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例7
実施例1において、平均粒径5.2μmのリン酸四カルシウム粒子(A4)を36.5重量部加える代わりに、平均粒径35.6μmのリン酸四カルシウム粒子(A2)を36.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、平均粒径5.2μmのリン酸四カルシウム粒子(A4)を36.5重量部加える代わりに、平均粒径35.6μmのリン酸四カルシウム粒子(A2)を36.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例8
実施例1において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A4)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子をジルコニアボールを加えずに400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で30分間混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法4」とした。次いで、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A4)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子をジルコニアボールを加えずに400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で30分間混合することで象牙質知覚過敏抑制剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法4」とした。次いで、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例9
実施例1において、平均粒径1.1μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部加える代わりに、平均粒径10.2μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C2)を13.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、平均粒径1.1μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部加える代わりに、平均粒径10.2μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C2)を13.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例10
実施例1において、平均粒径1.1μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部加える代わりに、平均粒径17.1μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C3)を13.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
実施例1において、平均粒径1.1μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を13.5重量部加える代わりに、平均粒径17.1μmの無水リン酸一水素カルシウム粒子(C3)を13.5重量部加えて調製した以外は、実施例1と同様にして象牙質知覚過敏抑制剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価及び象牙質透過抑制率評価を行った。用いた象牙質知覚過敏抑制剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
1 未処理部分
2 象牙細管封鎖処理部分
2 象牙細管封鎖処理部分
Claims (12)
- リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、酸性リン酸カルシウム粒子(C)及び水を主成分とする液体又は水系ペーストを使用直前に混合する象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法であって、
該象牙質知覚過敏抑制剤が象牙質表面にすり込むことにより象牙細管を封鎖するために用いられるものであり、
リン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.5〜30μmであり、酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径が0.1〜7μmであり、
リン酸四カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を5〜100重量部配合し、象牙質知覚過敏抑制剤の全量100重量部に対するリン酸四カルシウム粒子(A)の配合量を10〜55重量部とし、リン酸四カルシウム粒子(A)と酸性リン酸カルシウム粒子(C)の配合割合(A/C)をモル比で40/60〜60/40とし、
該象牙質知覚過敏抑制剤0.05gを25℃の純水200gに投入して懸濁液を調製した際に、投入から10分後における該懸濁液の遊離アルカリ金属イオン濃度が0.2〜100mg/Lであり、標準偏差σを前記遊離アルカリ金属イオン濃度の平均値dで割った値(σ/d)が0.3以下であることを特徴とする象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。 - リン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムである請求項1記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径が0.5〜20μmである請求項1又は2記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- 酸性リン酸カルシウム粒子(C)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO4]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(H2PO4)2]粒子、リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2]粒子、非晶性リン酸カルシウム[Ca3(PO4)2・xH2O]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH2P2O7]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO4・2H2O]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(H2PO4)2・H2O]粒子からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- 更にフッ素化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- フッ素化合物(D)がフッ化ナトリウムである請求項5記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- 更に平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ又は金属酸化物から選択される粒子(E)を含有する請求項1〜6のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- 該象牙質知覚過敏抑制剤で厚さ700μmの牛歯ディスクの片面を処置した際の象牙質透過抑制率が下記式(I)を満たす請求項1〜7のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
[1−(象牙細管封鎖した牛歯ディスクの透過量)/(象牙細管封鎖を行っていない牛歯ディスクの透過量)]×100≧70・・・(I) - リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体を予め混合する請求項1〜8のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- 前記混合の際に、ジェットミル、ライカイ機、ボールミル、高速回転ミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン又は混合押出し機から選択される少なくとも1種を用いる請求項9記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- リン酸四カルシウム粒子(A)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体又は非水系ペーストに、水を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて使用直前に混合する請求項1〜8のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
- リン酸四カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストに、水を主成分とし酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む液体又は水系ペーストを加えて使用直前に混合する請求項1〜8のいずれか記載の象牙質知覚過敏抑制剤の製造方法。
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