JP6035608B2 - 歯牙石灰化剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯牙表面を石灰化させる歯牙石灰化剤に関する。
80歳になっても20本以上自分の歯を保とうとする、いわゆる8020運動(口腔衛生の向上、歯質の保存(MI:Minimal Intervention))に伴い、う蝕に罹患する前の初期う蝕の段階で石灰化を行い健全な歯質に戻す石灰化治療が近年脚光を浴びている。この観点から、有効成分としてフッ素やカルシウム可溶化剤(CPP−ACP;Casein Phosphopeptide−Amorphous Calcium Phosphate、POs−Ca(登録商標);リン酸化オリゴ糖カルシウム)が配合された機能性ガム、歯磨材、歯面処理材が各社より発売されている。しかしながら、フッ素は歯の耐酸性を向上させて、歯質のミネラル分を強化する機能があるとされているが、大量に摂取することによる副作用の問題があった。また、カルシウム可溶化剤を配合した材料は歯質付近に高濃度のミネラル分を供給できる反面、可溶性が高いためミネラル分の沈着能力は低いという問題もあった。
一方、硬化性を有するリン酸カルシウム組成物として、リン酸四カルシウム(以下「TTCP」と略記することがある)と無水リン酸一水素カルシウム(以下「DCPA」と略記することがある)とを組み合わせたリン酸カルシウムセメント(以下「CPC」と略記することがある)が知られており、生体内や口腔内において生体吸収性のヒドロキシアパタイト(以下「HAp」と略記することがある;Ca10(PO(OH))へ徐々に転化し、さらに形態を保ったままで生体硬組織と一体化し得るとされている。また、TTCPを用いないリン酸カルシウムセメントとして、DCPA等の酸性リン酸カルシウムとリン酸イオンを含まないカルシウム化合物とを組み合わせたリン酸カルシウムセメントが知られている。
例えば、非特許文献1には、DCPA等に代表される酸性リン酸カルシウムと、水酸化カルシウムや炭酸カルシウム等のカルシウム化合物とからなる自己硬化性リン酸カルシウムセメントについて記載されている。また、リン酸塩濃度を高くするためにリン酸一水素二ナトリウム(NaHPO)等のリン酸のアルカリ金属塩を加えてもよいことが記載されている。
また、特許文献1には、ヒト又は他の動物への局所口腔投与のための口腔ケア組成物であって、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースを含む保持剤、並びに局所口腔ケアキャリアを含む咀嚼可能な固体単位剤形組成物について記載されている。これによれば、咀嚼可能な固体単位剤形を用いて、口腔ケア活性剤を歯の表面に直接送達することができるとされており、口腔ケア活性剤の一つとして、例えば、再石灰化剤が挙げられている。
また、特許文献2には、歯の再石灰化のための口腔用製品であって、水溶性(25℃の水100mlに少なくとも0.1gの溶解性を示す)リン酸カルシウム塩、又は水溶性リン酸カルシウム塩に代わるものとしてモノリシックな組み合わせのカルシウム及びリン酸塩を含むpHが7未満の第1組成物と、重炭酸ナトリウム等に代表されるアルカリ性材料及びフッ化物イオン源を含むpHが7.5を超える第2組成物とを含む口腔用製品について記載されている。これによれば、第1組成物と第2組成物との混合過程で生成したヒドロキシアパタイトを歯の表面に付着させることにより、エナメル質を再石灰化させることが可能であるとされている。
一方、特許文献3には、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物を含むリン酸カルシウム組成物が水の存在下で反応してヒドロキシアパタイトを生成することが記載されている。こうして得られたヒドロキシアパタイトは、生体硬組織と接触することによって骨へと徐々に置換することが可能であり、また、上記リン酸カルシウム組成物は石灰化能を有するため、石灰化剤としても使用できるとされている。一方、上記リン酸カルシウム組成物を迅速に硬化させる目的で、リン酸一水素二ナトリウム(NaHPO)等のリン酸のアルカリ金属塩を加えることが記載されている。
また、特許文献4には、リン酸四カルシウム、Ca/Pモル比が1.67未満のリン酸カルシウム、及び増粘剤よりなる知覚過敏症治癒用組成物について記載されている。これによれば、歯牙の知覚過敏部位へ塗布して所定時間保持することにより、知覚過敏を著しく軽減させることができるとされている。知覚過敏が著しく低減する理由として、該組成物の水等との練和物中から溶出したカルシウムイオンやリン酸イオンが象牙細管へ拡散浸透して、この象牙細管中でヒドロキシアパタイトが析出沈積することにより外界からの機械的刺激、熱刺激、及び化学的刺激を遮断するためとされている。一方、上記知覚過敏症治癒用組成物に、水との練和性やペースト粘度の調節のために、ヒドロキシアパタイト、フッ化カルシウム、酸化チタン、水酸化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、アルミナ、シリカ等の他の成分を添加してもよいことが記載されている。
しかしながら、上記先行技術文献には、石灰化の効果を向上させる目的で、DCPA等に代表される難溶性酸性リン酸カルシウム、リン酸のアルカリ金属塩及び水を一定量配合することについての記載はなかった。
特開2007−314564号公報 特表2002−506798号公報 特許第3017536号公報 特開平1−163127号公報
S. Takagi et al., Formation of hydroxyapatite in new calcium phosphate cements, Biomaterials 19 1998, p.1593−1599
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、石灰化効果の高い歯牙石灰化剤を提供することを目的とするものである。
上記課題は、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び水(C)を含有する歯牙石灰化剤であって、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子及び/又はリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO ・2H O]粒子であり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.1〜5μmであり、該歯牙石灰化剤の全量100重量部に対して難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を20〜70重量部、及び水(C)を15〜84重量部含み、かつ難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)100重量部に対するリン酸のアルカリ金属塩(B)の配合量が4〜60重量部であることを特徴とする1剤型のペースト状歯牙石灰化剤を提供することによって解決される。
このときリン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好適である。更にフッ素化合物(D)を含有することが好適であり、フッ素化合物(D)がフッ化ナトリウムであることが好適である歯牙石灰化剤がエナメル質石灰化剤であることが本発明の好適な実施態様である。歯牙石灰化剤を含有する歯面処理材が本発明の好適な実施態様であり、歯牙石灰化剤を含有する歯磨材も本発明の好適な実施態様である。また、歯牙石灰化剤を含有するチューイングガムも本発明の好適な実施態様である。また、歯牙石灰化剤に含まれるリン源とカルシウム源が、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)並びにリン酸のアルカリ金属塩(B)のみからなることが好適である。
上記課題は、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを混合する歯牙石灰化剤の製造方法であって、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子及び/又はリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO ・2H O]粒子であり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.1〜5μmであり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を4〜60重量部配合し、歯牙石灰化剤の全量100重量部に対する難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の配合量を20〜70重量部とし、かつ歯牙石灰化剤の全量100重量部に対する水(C)の配合量が15〜84重量部となるように水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合することを特徴とする1剤型のペースト状歯牙石灰化剤の製造方法を提供することによって解決される。
このとき、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストに、水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合することが好適であり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む粉体又は非水系ペーストに、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合することが好適であり、水(C)を主成分とし難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む液体又は水系ペーストに、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合することが好適である。
本発明により、水系ペーストの状態であっても長期保存が可能で、石灰化効果の高い歯牙石灰化剤が提供され、特にエナメル質表面に対する石灰化効果が高く、石灰化後のエナメル質硬度の高い歯牙石灰化剤が提供される。このことにより、初期う蝕の段階での治療が可能となるばかりでなく、健全歯質、特に健全エナメル質を更に強化することが可能となり、う蝕を予防する材料を提供することが可能となる。
実施例1において、エナメル質表層に作製した脱灰エナメル質(脱灰部分)のコンタクトマイクロラジオグラム像である。 実施例1において、エナメル質表層に作製した脱灰エナメル質を歯牙石灰化剤により石灰化したエナメル質(石灰化部分)のコンタクトマイクロラジオグラム像である。
本発明の歯牙石灰化剤は、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び水(C)を一定量含有するものである。ここで、本発明で用いられる用語の「歯牙」には、「エナメル質」及び「象牙質」の両方が含まれる。本発明者らにより、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び水(C)を一定量含有する歯牙石灰化剤を用いることにより、石灰化効果が高く、特にエナメル質表面に対する石灰化効果が高く、石灰化後のエナメル質硬度が高いことが明らかとなった。この理由については必ずしも明らかではないが、以下のようなメカニズムが推定される。
すなわち、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び水(C)を一定量含有する歯牙石灰化剤を調製して用いた際に、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が溶解して得られるカルシウムイオン及びリン酸イオンと、リン酸のアルカリ金属塩(B)が溶解して得られるリン酸イオンとが歯質中に浸透した後、歯質内部で反応してエネルギー的に安定なHApが析出するようである。その結果、エナメル質表層付近の脱灰エナメル質が石灰化されて該エナメル質表面のミネラル成分が回復されるようである。このことにより、初期う蝕の段階での治療が可能となる。ここで本発明者らは、上記効果を奏するにはカルシウムイオンとリン酸イオンとが供給される速度のバランスならびに液剤中でのイオン濃度が重要であると推察している。25℃の水100gに0.1g以上の溶解性を示すリン酸カルシウム粒子を用いた場合には、歯質にこれらイオンが供給される前にHApに転化することで石灰化効果が低くなると推定される。したがって、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び水を一定量含有することで、カルシウムイオンとリン酸イオンとの供給バランスならびに液剤中でのこれらイオンの濃度が適切となる本発明の構成を採用する意義が大きい。
本発明で用いられる難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、リン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子(非晶質リン酸カルシウム[Ca(PO・nHO]粒子を含む)、ピロリン酸カルシウム[Ca]粒子、リン酸八カルシウム5水和物[Ca(PO・5HO]粒子、ピロリン酸カルシウム2水和物[Ca・2HO]粒子、及びリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種である。ここで、本発明で用いられる難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)における「難溶性」とは、25℃の水100gに0.1g未満の溶解性を示すことを意味する。本発明者らは、難溶性ではない酸性リン酸カルシウム粒子を用いた場合には、HApの析出が良好ではないことを確認している。これらの中でも、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子、リン酸八カルシウム5水和物[Ca(PO・5HO]粒子、及びリン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種が好適に使用され、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、及びリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種がより好適に使用される。
本発明で用いられる難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径は、0.1〜20μmであることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、液剤への溶解が過多となるためカルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れるだけでなく、液剤中のイオン濃度が過多となるおそれがある。更には液剤との混合により得られるペーストの粘度が高くなり過ぎるおそれがあり、より好適には0.3μm以上である。一方、平均粒径が20μmを超える場合、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が液剤へ溶解しにくくなるおそれがある。その結果、カルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れるとともに、液剤中でのこれらイオン濃度が過少となることから歯質中でのヒドロキシアパタイトの析出が円滑でなくなり、石灰化効果が低下するおそれがある。難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径は、より好適には15μm以下であり、更に好適には10μm以下であり、特に好適には5μm以下であり、最も好適には2μm以下である。難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
このような平均粒径を有する難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の製造方法は特に限定されず、市販品を入手できるのであればそれを使用してもよいが、市販品を更に粉砕することが好ましい場合が多い。その場合、ボールミル、ライカイ機、ジェットミルなどの粉砕装置を使用することができる。また、難溶性酸性リン酸カルシウム原料粉体をアルコールなどの液体の媒体と共にライカイ機、ボールミル等を用いて粉砕してスラリーを調製し、得られたスラリーを乾燥させることにより難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を得ることもできる。このときの粉砕装置としては、ボールミルを用いることが好ましく、そのポット及びボールの材質としては、好適にはアルミナやジルコニアが採用される。
本発明は、歯牙石灰化剤の全量100重量部に対して難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を15〜80重量部含む。難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の含有量が15重量部未満の場合、HApの析出が阻害されて石灰化効果が得られないおそれがあり、20重量部以上であることが好ましく、25重量部以上であることがより好ましく、30重量部以上であることが更に好ましい。一方、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の含有量が80重量部を超える場合、HApの析出が阻害されて石灰化効果が得られないおそれがあり、75重量部以下であることが好ましく、72重量部以下であることがより好ましく、70重量部以下であることが更に好ましい。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(B)としては特に限定されず、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一リチウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ならびにこれらの水和物等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が用いられる。中でも、安全性や純度の高い原料が容易に入手できる観点から、リン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好ましい。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(B)の配合量は、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)100重量部に対して0.1〜80重量部である。リン酸のアルカリ金属塩(B)の配合量が0.1重量部未満の場合、HApの析出が阻害されて石灰化効果が得られないおそれがあり、0.2重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましく、2重量部以上であることが更に好ましい。一方、リン酸のアルカリ金属塩(B)の含有量が80重量部を超える場合、HApの析出が阻害されて石灰化効果が得られないおそれがあり、60重量部以下であることが好ましく、50重量部以下であることがより好ましく、40重量部以下であることが更に好ましい。
さらに本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(B)は、粉体のまま加えて配合してもよいし、液剤として加えて配合してもよく、いずれの場合であっても歯牙石灰化効果を有する。
リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径は、1〜20μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満の場合、液剤への溶解が早すぎて、歯牙石灰化組成物中のリン酸イオン濃度が高くなるため、カルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れ、ヒドロキシアパタイトの析出速度が低下し、石灰化効果が低下するおそれがある。更には、リン酸のアルカリ金属塩粒子同士の二次凝集が発生し、同時に混合する他の粒子との分散性が低下するおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径は、より好適には3μm以上である。一方、平均粒径が20μmを超える場合、リン酸のアルカリ金属塩(B)が液剤へ溶解しにくくなり、HApの析出速度が低下し、石灰化効果が低下するおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径は、より好適には15μm以下である。リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
このような平均粒径を有するリン酸のアルカリ金属塩(B)の製造方法は、上述した難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)と同様に行うことができる。
本発明の歯牙石灰化剤は、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)に加えて、歯牙石灰化剤の全量100重量部に対して更に水(C)が15〜84重量部配合されてなる。水の配合量が15重量部未満の場合、HApの析出が阻害されて石灰化効果が得られないおそれがあり、20重量部以上であることが好ましく、30重量部以上であることがより好ましい。一方、水の配合量が84重量部を超える場合、HApの析出が阻害されて石灰化効果が得られないおそれがあり、80重量部以下であることが好ましく、70重量部以下であることがより好ましい。
本発明の歯牙石灰化剤は、更にフッ素化合物(D)を含有することが好ましい。このことにより、歯質に耐酸性を付与させるとともに石灰化を促進させることが可能となる。本発明で用いられるフッ素化合物(D)としては特に限定されず、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化銅、フッ化ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化チタンナトリウム、フッ化チタンカリウム、ヘキシルアミンハイドロフルオライド、ラウリルアミンハイドロフルオライド、グリシンハイドロフルオライド、アラニンハイドロフルオライド、フルオロシラン類、フッ化ジアミン銀等が挙げられる。中でも石灰化促進効果が高い観点からフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズが好適に用いられる。
本発明で用いられるフッ素化合物(D)の使用量は特に限定されず、歯牙石灰化剤の全量100重量部に対してフッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンを0.01〜3重量部含むことが好ましい。フッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンの使用量が0.01重量部未満の場合、石灰化を促進する効果が低下するおそれがあり、0.05重量部以上であることがより好ましい。一方、フッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンの使用量が3重量部を超える場合、安全性が損なわれるおそれがあり、1重量部以下であることがより好ましい。
本発明の歯牙石灰化剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及びフッ素化合物(D)以外の成分を含有しても構わない。例えば、可溶性リン酸カルシウム(F)も必要に応じて配合することができる。可溶性リン酸カルシウム(F)の具体例としては、リン酸四カルシウム、無水リン酸二水素カルシウム、酸性ピロリン酸カルシウムが挙げられる。但し、1材型の水系ペーストに可溶性リン酸カルシウム(F)を配合すると、長期保存時に、硬化が起こり好ましくない。また、必要に応じて増粘剤を配合することができる。増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸塩、ポリLリジン、ポリLリジン塩、セルロース以外のデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、カラジーナン、グアーガム、キタンサンガム、セルロースガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、ペクチン、ペクチン塩、キチン、キトサン等の多糖類、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の酸性多糖類エステル、またコラーゲン、ゼラチン及びこれらの誘導体などのタンパク質類等の高分子などから選択される1つ又は2つ以上が挙げられるが、水への溶解性及び粘性の面からはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩から選択される少なくとも1つが好ましい。増粘剤は、粉体に配合してもよいし液剤に配合してもよく、また混合中のペーストに配合してもよい。
また、必要に応じてシリカ等に代表される無機フィラー、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出液、サッカリン、サッカリンナトリウム等の人工甘味料などを加えてもよい。更に、薬理学的に許容できるあらゆる薬剤等を配合することができる。セチルピリジニウムクロリド等に代表される抗菌剤、消毒剤、抗癌剤、抗生物質、アクトシン、PEG1などの血行改善薬、bFGF、PDGF、BMPなどの増殖因子、骨芽細胞、象牙芽細胞、さらに未分化な骨髄由来幹細胞、胚性幹(ES)細胞、線維芽細胞等の分化細胞を遺伝子導入により脱分化・作製した人工多能性幹(iPS:induced Pluripotent Stem)細胞ならびにこれらを分化させた細胞など硬組織形成を促進させる細胞などを配合させることができる。
本発明では、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び水(C)を主成分とする1材型の水系ペースト、あるいは2材型の液体又は水系ペーストを混合することにより、ペースト状の歯牙石灰化剤を得ることができる。水(C)を含むこのペースト状の歯牙石灰化剤は、長期保存も可能であり、また、医療現場で使用する直前に混合して調製することも可能である。したがって、1剤型である水(C)を含むペースト状歯牙石灰化剤が本発明の好適な実施態様であり、医療現場で適宜調製されるような2剤型である歯牙石灰化剤も本発明の好適な実施態様である。混合操作としては特に限定されず、手混合、スタティックミキサーを用いた混合等が好ましく採用される。ここで、本発明者らは、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストとを混合する際に、リン酸のアルカリ金属塩(B)を粉体のまま加えて混合してもよいし、液剤として加えて混合してもよく、いずれの場合であっても石灰化効果の高い歯牙石灰化剤が得られることを確認している。石灰化効果のより高い歯牙石灰化剤を得ることができる観点から、リン酸のアルカリ金属塩(B)を液剤として加えて混合する方法が好適に採用される。
こうして得られた歯牙石灰化剤は、エナメル質表面に塗布等することにより好適に使用される。ここで、水(C)を主成分とする液体とは、純水であっても、水を主成分とし他の成分を含有する液体であってもよく、また、水を主成分とする水系ペーストとは、水を主成分とし他の成分を含有するペースト状の液体を示す。他の成分としては特に限定されず、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルなどが例示される。
本発明では、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストに、水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合することによってペースト状の歯牙石灰化剤を得ることができる。また、本発明では、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む粉体又は非水系ペーストに、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合することによってもペースト状の歯牙石灰化剤を得ることができる。更に、本発明では、水(C)を主成分とし難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む液体又は水系ペーストに、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合することによってもペースト状の歯牙石灰化剤を得ることができる。
また本発明では、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は水以外の他の溶媒を主成分とする非水系ペーストと、水を主成分とする液体又は水系ペーストとを混合し、ペースト状の歯牙石灰化剤を得ることができる。また、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む粉体又は水以外の他の溶媒を主成分とする非水系ペーストと、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストと混合する方法も好適に採用される。更に、水(C)を主成分とし難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む液体又は水系ペーストと、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストとを混合する方法も好適に採用される。これらの方法は、使用直前に混合して調製する際の操作が簡便である利点も有する。非水系ペーストに使用される水(C)以外の溶媒としては特に限定されず、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルなどが例示される。
本発明の歯牙石灰化剤は、歯面処理材、歯磨材、又はチューイングガムの各種用途に好ましく用いられる。すなわち、本発明の好適な実施態様は、歯牙石灰化剤を含有する歯面処理材、歯牙石灰化剤を含有する歯磨材、又は歯牙石灰化剤を含有するチューイングガムである。歯磨材やチューイングガムなどのように使用時に適宜水分が供給されるような態様であってもよいが、水を一定量配合することにより、特にエナメル質表面に対する石灰化効果が高く、石灰化後のエナメル質硬度が高くなる。したがって、歯牙石灰化剤を含有する歯面処理材が本発明のより好適な実施態様である。
上述のように、水の存在下では、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含有する歯牙石灰化剤は、カルシウムイオンとリン酸イオンを供給する。エナメル質表面に対する石灰化効果が高くなるという観点より、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストと、水を主成分とする液体又は水系ペーストとからなる歯牙石灰化剤キットであることが本発明の実施態様の一つである。また、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む粉体又は非水系ペーストと、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストとからなる歯牙石灰化剤キットであることも本発明の実施態様の一つである。また、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む粉体又は非水系ペーストと、リン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストと、水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストとからなる歯牙石灰化剤キットであることも本発明の実施態様の一つである。更に、水(C)を主成分とし難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む液体又は水系ペーストと、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストとからなる歯牙石灰化剤キットであることも本発明の実施態様の一つである。また、こうして用いられる本発明の歯牙石灰化剤は、エナメル質表面に対する石灰化効果が高く、エナメル質石灰化剤であることが本発明の好適な実施態様である。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。本実施例において難溶性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)粒子、及びフッ化ナトリウム(D)粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製「SALD−2100型」)を用いて測定し、測定の結果から算出されるメディアン径を平均粒径とした。
[石灰化用牛歯の調製]
健全牛歯切歯の頬側中央を#80,#1000研磨紙を用いて回転研磨機により研磨し、エナメル質を露出させた。この牛歯研磨面をさらにラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、平滑とした。この研磨エナメル質部分に歯に対して縦軸方向及び横軸方向に各7mm試験部分の窓を残し(以下、「エナメル質窓」と称する)、周りをマニキュアでマスキングし、1時間風乾した。この牛歯を、Reynoldsら(E.C. Reynolds, J. Dent. Res., 76(9), 1587−1595.)の手法に準じて人工脱灰液(0.1mol/L乳酸、0.5g/Lヒドロキシアパタイト、20g/Lポリアクリル酸(Mw:250kDa)、NaOH適量、pH4.8)中に5日間浸漬して脱灰を行った。人工脱灰液は毎日交換した。脱灰エナメル質窓の半分をマニキュアでマスキングし、1時間風乾することで石灰化に用いる牛歯を調製した。
[擬似唾液の調製]
塩化ナトリウム(8.77g、150mmol)、リン酸二水素一カリウム(122mg、0.9mmol)、塩化カルシウム(166mg、1.5mmol)、Hepes(4.77g、20mmol)をそれぞれ秤量皿に量り取り、約800mlの蒸留水を入れた2000mlビーカーに攪拌下に順次加えた。溶質が完全に溶解したことを確認した後、この溶液の酸性度をpHメータ(F55、堀場製作所)で測定しながら、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH7.0とした。次にこの溶液を1000mlメスフラスコに加えてメスアップし、擬似唾液1000mlを得た。
[短時間接触石灰化試験]
上記で調製した石灰化用牛歯を蒸留水に浸漬し、30分間静置した後、エナメル質窓に対してペースト状の歯牙石灰化剤を塗布し、37℃、100%RH条件下で3分間インキュベートし、石灰化を行った。その後、歯牙石灰化剤を蒸留水で洗い流した後、擬似唾液中37℃で保存した。歯牙石灰化剤塗布は1日毎に実施し、連続して20回実施した。歯牙石灰化剤の塗布・除去作業時間以外は常時擬似唾液中に浸漬した。また、擬似唾液は毎日交換した(n=5)。
[長時間接触石灰化試験]
上記で調製した石灰化用牛歯を蒸留水に浸漬し、30分間静置した後、エナメル質窓に対してペースト状の歯牙石灰化剤を塗布し、37℃、100%RH条件下で15分間インキュベートし、石灰化を行った。その後、歯牙石灰化剤を蒸留水で洗い流した後、擬似唾液中37℃で保存した。歯牙石灰化剤塗布は1日毎に実施し、連続して10回実施した。歯牙石灰化剤の塗布・除去作業時間以外は常時擬似唾液中に浸漬した。また、擬似唾液は毎日交換した(n=5)。
[形態学的評価]
(1)エポキシ樹脂の調製
エポキシ樹脂の調製はLuft法に準じて行い、エポキシ樹脂、硬化剤を均一に混合した後、加速剤を添加する方法を用いた。100mlディスポカップに、ルベアック812(エポキシ樹脂、ナカライテスク株式会社製)41ml、ルベアックMNA(硬化剤、ナカライテスク株式会社製)31ml、ルベアックDDSA(硬化剤、ナカライテスク株式会社製)10mlをそれぞれディスポシリンジを用いて量り取りディスポカップに加え、10分間攪拌した。これにディスポシリンジで量り取ったルベアックDMP−30(加速剤、ナカライテスク株式会社製)1.2mlを攪拌しながら徐々に滴下し、添加後さらに10分間攪拌することで調製した。
(2)CMR撮影用サンプルの作製
擬似唾液から石灰化牛歯を取り出し、水洗した後、バイアル中の70%エタノール水溶液中に浸漬した。浸漬後、直ちにバイアルをデシケータ内に移し、10分間減圧条件下に置いた。この後、バイアルをデシケータから取り出し、低速攪拌機(TR−118,AS−ONE社製)に取り付け、約4rpmの回転速度で1時間攪拌した。同様の操作を、80%エタノール水溶液、90%エタノール水溶液、99%エタノール水溶液、100%エタノール(2回)を用いて行い、2回目の100%エタノールにはそのまま1晩浸漬した。翌日、プロピレンオキサイドとエタノールの1:1混合溶媒、プロピレンオキサイド100%(2回)についても順次同様の作業を行い、2回目のプロピレンオキサイドにそのまま1晩浸漬した。さらに、エポキシ樹脂:プロピレンオキサイド=1:1混合溶液、エポキシ樹脂:プロピレンオキサイド=4:1混合溶液、エポキシ樹脂100%(2回)についても同様の作業を行った。これらについては浸漬時間を2時間とした。最後にエポキシ樹脂を入れたポリ容器に牛歯サンプルを入れ、45℃にて1日間、60℃にて2日間硬化反応を行った。硬化終了後、ポリエチレン製容器とともに精密低速切断機(BUEHLER、ISOMET1000)により脱灰面・石灰化面に対して垂直方向に切断し、試験部分の断面を含む厚さ約1mmの切片を得た。この切片をラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、切片厚さを80〜100μmとすることでCMR(Contact Micro Radiography;軟X線顕微鏡像)撮影用サンプルとした(n=5)。
(3)CMR撮影
CMR撮影およびフィルム現像はすべて暗室中において行った。CMR撮影には、CMR−2(ソフテックス株式会社製)を使用した。上記で得たCMR撮影用サンプルを専用ガラス感板(HIGH PRECISION PHOTOPLATE,コニカミノルタ製)上に密着させた状態で置き、管電圧15kV、管電流2.6mA、X線照射時間30分の条件で各サンプルの軟X線透過像を撮影した。現像は現像液(ハイレンドール,富士フィルムメディカル社製)、定着液(ハイレンフィックス,富士フィルムメディカル社製)を用い、現像液に5分間浸漬した後30秒間水洗し、定着液に5分間浸漬した後1分間水洗、乾燥させ、軟X線写真フィルムを得た。得られた軟X線写真の透過像を光学顕微鏡(ECRIPSE 80i,Nikon社製)で対物レンズ40倍にて観察し、透過像を光学顕微鏡に接続したCCDカメラ(DS−Ri1,Nikon社製)を用いて写真画像データとして得た。得られた画像を画像解析コンピュータソフトScion Imageβ4.03(Scion社製)を用いて解析した。脱灰部分と石灰化部分のフィルム濃度(グレイ値)をエナメル表層から一定深さ位置(約30μm)で測定し、脱灰部分のフィルム濃度を0%、エナメル質表面から更に深部の未脱灰部分のフィルム濃度を100%としたときの換算値(%)により石灰化率を算出した。実施例1の歯牙石灰化剤により石灰化した脱灰エナメル質の短時間接触石灰化率は66.4%であり、長時間接触石灰化率は75.2%であった。
(4)ビッカース硬度測定用サンプルの調製
上記CMR用サンプル調製の際に得られた精密低速切断機により横断的に切断した切片(厚さ1mm)の両面をラッピングフィルム(#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨することで厚さが900μmの硬度測定用サンプルを調製した(n=5)。
(5)ビッカース硬度測定
ビッカース硬度測定には、ミツトヨ製のマイクロビッカース硬度試験機(MicroWiZhard)を用い、0.01kgfの試験力、負荷4秒・保持10秒・除荷4秒の試験時間、100倍での傷観察の条件でビッカース硬度測定を実施した。健全な牛歯エナメル質のビッカース硬度は362HV、マニキュアでマスキングし脱灰を保持した脱灰エナメル質の表面から30μm深さ位置のビッカース硬度は127HVであった。実施例1の歯牙再石灰化促進剤により再石灰化した脱灰エナメル質の表面から30μm深さ部分のビッカース硬度は335HVであった。
(6)硬化時間測定
ペースト状の歯牙石灰化剤を、顕微鏡用スライドグラス上に約30mg取り出した後、もう一枚の顕微鏡用スライドグラスで挟み、剪断力が加わるように押し付け、ペーストに不均一部分が発生していないか否かを目視にて検査した。不均一部分が発生した時点を硬化時間とした。硬化時間測定用試料は、調製後25℃で保存し、測定も25℃で実施した。30日以上保存し、硬化が認められない場合を硬化しないと判定した。
[難溶性リン酸カルシウム粒子(A)]
DCPA:10.2μm 無水リン酸一水素カルシウム〔CaHPO〕 和光純薬工業株式会社製
DCPD:5.1μm リン酸一水素カルシウム二水和物〔CaHPO・2HO〕 太平化学産業株式会社製
β−TCP:1.0μm β−リン酸三カルシウム〔β−Ca(PO〕 太平化学産業株式会社製
[リン酸のアルカリ金属塩(B)]
NaHPO:リン酸水素二ナトリウム 和光純薬工業株式会社製
NaHPO:リン酸二水素ナトリウム 和光純薬工業株式会社製
[フッ素化合物(D)]
NaF:フッ化ナトリウム 和光純薬工業株式会社製
MFP:モノフルオロリン酸ナトリウム 和光純薬工業株式会社製
[シリカ粒子(E)]
Ar130:「アエロジル130(商品名)」日本アエロジル社製
[その他のリン酸カルシウム(可溶性リン酸カルシウム(F))]
TTCP:10.8μmリン酸四カルシウム 〔Ca(POO〕 太平化学産業株式会社製
[各粉体の調製]
DCPA:平均粒径1.1μmの調製
DCPA:平均粒径1.1μmは、DCPA:10.2μm 50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で15時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間乾燥させることで得た。0.7μm、ならびに5.0μmのDCPAは、上記方法と同様にし、粉砕時間をそれぞれ、30時間、並びに7時間とすることにより得た。
DCPD:平均粒径1.1μmの調製
DCPD:平均粒径1.1μmは、DCPD:5.1μm50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で10時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間乾燥させることで得た。
NaHPO:4.6μmの調製
Na2HPO4:平均粒径4.6μmは、ナノジェットマイザー(NJ−100型 アイシンナノテクノロジーズ社製))で、粉砕圧力条件を原料供給圧:0.7MPa/粉砕圧:0.7MPa、処理量条件を8kg/hrとし、1回処理することにより得た。
NaHPO:9.7μmの調製
NaHPO:平均粒径9.7μmは、NaHPOをナノジェットマイザー(NJ−100型 アイシンナノテクノロジー社製)で、粉砕圧力条件を原料供給圧:0.3MPa/粉砕圧:0.3MPa、処理量条件を8kg/hrとし、1回処理することにより得た。
NaHPO:19.7μmの調製
NaHPO:平均粒径19.7μmは、NaHPOをナノジェットマイザー(NJ−100型 アイシンナノテクノロジー社製)で、粉砕圧力条件を原料供給圧:0.2MPa/粉砕圧:0.1MPa、処理量条件を20kg/hrとし、1回処理することにより得た。
NaHPO:1.45μmの調製
NaHPO:平均粒径1.45μmは、NaHPOをナノジェットマイザー(NJ−100型 アイシンナノテクノロジー社製)で、粉砕圧力条件を原料供給圧:1.3MPa/粉砕圧:1.3MPa、処理量条件を1kg/hrとし、4回処理することにより得た。
NaHPO:4.8μmの調製
NaHPO:平均粒径4.8μmは、NaHPOをナノジェットマイザー(NJ−100型 アイシンナノテクノロジー社製)で、粉砕圧力条件を原料供給圧:0.7MPa/粉砕圧:0.7MPa、処理量条件を8kg/hrとし、1回処理することにより得た。
[歯牙石灰化剤の調製]
(1)歯牙石灰化剤用粉体の調製
表1〜2に示す組成で秤量した各粉体成分を高速回転ミル(アズワン株式会社「SM−1」)中に加え、22000rpmの回転速度で3分間混合することで歯牙石灰化剤の粉体を調製した。混合の必要ない粉体は、そのまま歯牙石灰化剤の粉体として使用した。
(2)歯牙石灰化剤用液剤の調製
表1〜2に示す組成で秤量した各液剤成分を蒸留水に溶解させることで歯牙石灰化剤用の液剤を得た。液剤成分を含有しない組成の場合は、蒸留水をそのまま歯牙石灰化剤用の液剤として使用した。
(3)歯牙石灰化剤の調製
表1〜2に示す組成の上記(1)で得た粉体と、上記(2)で得た液剤を加え混合することで歯牙石灰化剤を調製した。
実施例1〜3、7〜9、11、13、14、16〜20、22、24〜27及び比較例6〜13
上記(1)〜(3)の手順で表1〜2に記載の組成で歯牙石灰化剤を調製し、短時間、並びに長時間接触石灰化試験を行った。また、ビッカース硬度測定試験、並びに硬化時間測定試験を行った。得られた評価結果を表6にまとめて示す。
(4)歯牙石灰化剤用ペーストの調製
表3〜4に示す組成で秤量した精製水とグリセリン以外の各成分を高速回転ミル(アズワン株式会社「SM−1」)中に加え、22000rpmの回転速度で3分間混合した後、秤量した精製水とグリセリンを加え、混合することで歯牙石灰化剤を調製した。
比較例1〜5
上記(1)〜(3)の手順で表2に記載の歯牙石灰化剤を調製し、短時間、並びに長時間接触石灰化試験を行った。また、ビッカース硬度測定試験、並びに硬化時間測定試験を行った。得られた評価結果を表6にまとめて示す。
Figure 0006035608
Figure 0006035608
Figure 0006035608
1 エナメル質脱灰部分
2 エナメル質深部未脱灰部分
3 エナメル質石灰化部分

Claims (13)

  1. 難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び水(C)を含有する歯牙石灰化剤であって、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子及び/又はリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO ・2H O]粒子であり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.1〜5μmであり、該歯牙石灰化剤の全量100重量部に対して難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を20〜70重量部、及び水(C)を15〜84重量部含み、かつ難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)100重量部に対するリン酸のアルカリ金属塩(B)の配合量が4〜60重量部であることを特徴とする1剤型のペースト状歯牙石灰化剤。
  2. リン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムである請求項1記載の歯牙石灰化剤。
  3. 歯科石灰化剤に含まれるリン源とカルシウム源が、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)並びにリン酸のアルカリ金属塩(B)のみからなる請求項1又は2記載の歯牙石灰化剤。
  4. 更にフッ素化合物(D)を含有する請求項1〜のいずれか記載の歯牙石灰化剤。
  5. フッ素化合物(D)がフッ化ナトリウムである請求項記載の歯牙石灰化剤。
  6. 歯牙石灰化剤がエナメル質石灰化剤である請求項1〜のいずれか記載の歯牙石灰化剤。
  7. 請求項1〜のいずれか記載の歯牙石灰化剤を含有する歯面処理材。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の歯牙石灰化剤を含有する歯磨材。
  9. 請求項1〜のいずれか記載の歯牙石灰化剤を含有するチューイングガム。
  10. 難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、及び水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを混合する歯牙石灰化剤の製造方法であって、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子及び/又はリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO ・2H O]粒子であり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.1〜5μmであり、難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を4〜60重量部配合し、歯牙石灰化剤の全量100重量部に対する難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)の配合量を20〜70重量部とし、かつ歯牙石灰化剤の全量100重量部に対する水(C)の配合量が15〜84重量部となるように水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合することを特徴とする1剤型のペースト状歯牙石灰化剤の製造方法。
  11. 難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む粉体又は非水系ペーストに、水(C)を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合する請求項10記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
  12. 難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む粉体又は非水系ペーストに、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合する請求項10記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
  13. 水(C)を主成分とし難溶性酸性リン酸カルシウム粒子(A)を含む液体又は水系ペーストに、水(C)を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(B)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合する請求項10記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
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