JP6114962B2 - 歯科修復用キット - Google Patents

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Description

本発明は、歯質(特に脱灰された象牙質)の再石灰化に関し、水に難溶なカルシウム塩を生成する酸を含む前処理材と、当該前処理材を塗布した歯質を覆うために用いられるリン酸カルシウム組成物からなり、優れた再石灰化能を有する歯科修復用キットに関する。
近年、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうとする、いわゆる8020運動(口腔衛生の向上、歯質の保存(MI:Minimal Intervention))に伴い、う蝕に罹患した部位を極力削らず、残存したう蝕罹患部位を材料によってもとに戻す再石灰化治療が近年脚光を浴びている。歯質の再石灰化については、フッ素が再石灰化を促進することは既に広く知られており、グラスアイオノマーセメントやフッ素を添加したコンポジットレジン等のフッ素徐放性の修復材料が提案されている。
また、高齢者の露出根面における齲蝕については、露出根面の形態が複雑なため軟化象牙質を確実に除去することが困難であったり、防湿処置が難しいため修復物による十分な接着性や辺縁封鎖性が得られにくい等、治療後に齲蝕が再発する場合が多く認められる。治療と齲蝕再発を繰り返すことによって歯質は次第に崩壊し、抜歯に至ることになる。このため、特に象牙質に対して有効な再石灰化材料は、高齢者の歯を延命することを可能とし、QOLの向上に貢献できる。
特許文献1には、コラーゲン繊維が露出した脱灰象牙質に対して、2−ヒドロキシエチルメタクリレートに、リン原子含有酸性基を有するモノマーを特定量配合した組成物が、良好な再石灰化効果を有することが記載されている。これによれば、上記組成物を齲蝕部分の充填修復の前処理材として用いることで有効成分が齲蝕部分に付着する。ついで唾液等の周囲環境由来のミネラル溶液からミネラルが再獲得される再石灰化機構が誘導されて、齲蝕部分および修復物と歯質界面の再石灰化が促進するとされている。しかしながら、齲蝕部分を充填修復する場合、前処理材を塗布した後は、通常は直ぐに充填材で修復するため、唾液等の周囲環境由来のミネラル溶液からのミネラル再獲得は短時間で困難となり、効率的な再石灰化を促すことは出来ないという問題があった。
特許文献2には、リン酸四カルシウム粒子、リン酸のアルカリ金属塩を含有する象牙質石灰化剤が記載されている。これによれば、得られたペーストを象牙質に37℃、30分塗布し、ペーストを洗い流した後は、擬似唾液中で37℃で保存し、この手順を連続して7回実施した後の再石灰化を評価している。その結果、象牙質表面にヒドロキシアパタイト層が新たに形成されたり、象牙細管がヒドロキシアパタイトで封鎖されるなどの優れた効果が確認されたとされている。しかしながら、脱灰された象牙質に対して、再石灰化による歯質硬度の回復という点からは、改善の余地があった。
特許文献3には、難溶性リン酸カルシウム粒子、リンを含まないカルシウム化合物、及び、水を含有する象牙細管封鎖剤が記載されている。これによれば、得られたペーストをマイクロブラシを用いて象牙質に対して30秒間擦り込むことで象牙細管が当該封鎖剤によって封鎖されることにより、優れた象牙質透過抑制率が確認されたとされている。しかしながら、特許文献2と同様に、脱灰された象牙質に対して、再石灰化による歯質硬度の回復という点からは、改善の余地があった。
特開2006−008596号公報 WO2010/113800号公報 WO2012/046667号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、歯質(特に脱灰された象牙質)に対して、再石灰化によって歯質硬度の回復に優れる歯科修復用キットを提供することを目的とするものである。
上記課題は、水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を含む前処理材(A)と、前処理材(A)を塗布した歯質を覆うために用いられるリン酸カルシウム組成物(B)とからなる歯科修復用キットであって、
前処理材(A)100重量部に対して前記(a−1)を0.05〜65重量部含有し、
前記(a−1)が、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート(Phenyl−P)、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリティックアシッド(4−MET)、シュウ酸、又は10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)であり、
リン酸カルシウム組成物(B)が、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)及び水(b−2)を含み、
前記(b−1)と前記(b−2)の合計100重量部に対して前記(b−1)を30〜85重量部含有し、
前記(b−1)が、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)との混合物、又は酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)とリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)との混合物から選択され、
前記(b−1−1)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子、及びβ−リン酸三カルシウム[β−Ca (PO ]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(b−1−2)が、リン酸四カルシウム[Ca (PO O]粒子であり、
前記(b−1−3)が、水酸化カルシウム[Ca(OH) ]、酸化カルシウム[CaO]、メタケイ酸カルシウム[CaSiO ]、ケイ酸二カルシウム[Ca SiO ]、及びケイ酸三カルシウム[Ca SiO ]からなる群から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする歯科修復用キットを提供することによって解決される。
このとき、前記(a−1)が、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートであることが好適である。
また、このとき、前記(b−1−1)と前記(b−1−2)の総和又は前記(b−1−1)と前記(b−1−3)の総和のCa/P比が1.2〜2.0であることが好適である。
また、このとき、リン酸カルシウム組成物(B)が、さらにリン酸のアルカリ金属塩(b−3)を含むことが好適であり、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)が、リン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることも好適である。
本発明によれば、歯質(特に脱灰された象牙質)に対して、再石灰化によって歯質硬度の回復に優れる歯科修復用キットが提供される。このことにより、う蝕に罹患した部位を極力削らず、残存したう蝕罹患部位をもとに戻す再石灰化治療が可能となる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を含む前処理材(A)と、前処理材(A)を塗布した歯質を覆うために用いられるリン酸カルシウム組成物(B)とからなり、リン酸カルシウム組成物(B)が、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)及び水(b−2)を含む歯科修復用キットである。本発明のように、水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を含む前処理材(A)を塗布した後に、水と反応して硬化するリン酸カルシウム組成物(B)で覆うことにより、歯質に浸透した水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を核とし、歯質を覆ったリン酸カルシウム組成物(B)から溶出した、リン酸イオンとカルシウムイオンがより早くHApを生成することができる。本発明の歯科修復用キットで歯質、特に脱灰された象牙質を覆うと、より早く生成したHApにより再石灰化された歯質は、健全な歯質の硬度により近い値にまで回復することができ、状態によっては、健全な歯質より高い硬度を得ることも可能となる。
本発明で使用される水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)としては、水に難溶なカルシウム塩を生成する酸であれば、何ら制限すること無く使用出来るが、その中でも酸性基含有重合性単量体、あるいはシュウ酸を使用することが好ましい。酸性基含有重合性単量体としては、リン酸基(ホスフィニコ基:=P(=O)OH、ホスホノ基:−P(=O)(OH))、ピロリン酸基(−P(=O)(OH)−O−P(=O)(OH)−)等のリン原子を含有する酸性基や、カルボン酸基(カルボキシル基:−C(=O)OH、酸無水物基:−C(=O)−O−C(=O)−)等の酸性基を少なくとも一つ有し、且つアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルベンジル基等の重合可能な不飽和基(重合性基)を有する単量体が挙げられる。不飽和基としてはアクリロイル基又はメタクリロイル基が好適である。酸性基含有重合性単量体の中でも、リン原子を含有する酸性基含有重合性単量体が好適に使用される。なお、以下において、メタクリロイルとアクリロイルとを、「(メタ)アクリロイル」と総称することがある。
リン酸基含有重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、(5−メタクリロキシ)ペンチル−3−ホスホノプロピオネート、(6−メタクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、(10−メタクリロキシ)デシル−3−ホスホノプロピオネート、(6−メタクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノアセテート、(10−メタクリロキシ)デシル−3−ホスホノアセテート、2−メタクリロイルオキシエチル(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピル(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート及びこれらの酸塩化物が例示される。
ピロリン酸基含有重合性単量体としては、ピロリン酸ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕、ピロリン酸ビス〔7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチル〕、ピロリン酸ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕、ピロリン酸ビス〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕、ピロリン酸ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕、ピロリン酸ビス〔12−(メタ)アクリロイルオキシドデシル〕及びこれらの酸塩化物が例示される。
カルボン酸基含有重合性単量体としては、マレイン酸、メタクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシオクチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルオキシカルボニルフタル酸及びこれらの酸無水物;5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ヘキサンジカルボン酸、8−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−オクタンジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸及びこれらの酸塩化物が例示される。
本発明において、リン原子を含有する酸性基含有重合性単量体は、上記のリン酸残基、ピロリン酸残基又はチオリン酸残基とアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する不飽和化合物の中でも、リン酸残基を有するものが好ましく、また、リン酸残基を有するものの中でも10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(以下、「MDP」とも略称する。)、2−メタアクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート(=β−メタクリロキシエチルフェニルリン酸)(以下、「Phenyl−P」とも略称する。)が好ましい。カルボン酸基含有重合性単量体は、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸(以下、「4−MET」とも略称する。)、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシル−1,1−ジカルボン酸などが好ましく用いられる。
本発明で使用される水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)は、歯質中のカルシウムと反応して、カルシウム塩を生成する酸であり、生成したカルシウム塩から溶出されるカルシウムイオン濃度としては、37℃の水中にて2000ppm以下が好ましく、1500ppm以下が更に好ましく、100ppm以下が特に好ましく、20ppm以下が最も好ましい。上記カルシウムイオン濃度が2000ppm以下の例としては、Phenyl−Pが好ましく使用され、1500ppm以下の例としては4−METが好ましく使用され、20ppm以下の例としてはシュウ酸又はMDPが好ましく使用される。当該水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)は1種または2種以上を用いることができる。
上記カルシウムイオン濃度は、以下の方法で測定する。生成したカルシウム塩0.5gを10mlの超純水に入れ、37℃で1週間撹拌する。撹拌した試料を3000rpmで10分間遠心分離した後、その上澄みを採取し、ポアサイズ0.2μmの水系シリンジフィルターでろ過した後、そのろ液を原子吸光光度計により測定する。標準液により検量線を作成し、ろ液のカルシウムイオン濃度を算出する。
本発明で使用される水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)は、前処理材(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜65重量部、より好ましくは0.2〜45重量部、更に好ましくは1〜30重量部を含有することができる。
本発明で使用される水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を溶解する溶媒としては、水及び/又は水溶性揮発性有機溶剤を配合することができる。水溶性揮発性有機溶剤としては、通常、常圧下における沸点が150℃以下であり、且つ25℃における水に対する溶解度が5重量%以上、より好ましくは30重量%以上、最も好ましくは任意の割合で水に溶解可能な有機溶剤が使用される。中でも、常圧下における沸点が100℃以下の水溶性揮発性有機溶剤が好ましく、その具体例としては、エタノール、メタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。
本発明で使用されるリン酸カルシウム組成物(B)は、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)及び水(b−2)を含むものである。水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)とが均一に混じるように混練することにより、HApの析出を伴いながらリン酸カルシウム組成物(B)が硬化する。また、混練直後のリン酸カルシウム組成物(B)はペースト状であり、組成物から水により溶解したカルシウムイオンとリン酸イオンの溶出が認められる。この溶出するカルシウムイオンとリン酸イオンは、歯質に浸透し、予め塗布した前処理材(A)中の水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を核とし、歯質の中でHApを生成することにより、歯質を再石灰化する。また、硬化したリン酸カルシウム組成物(B)からも、周囲の状態が酸性になった時には、HApが溶解し、カルシウムイオンとリン酸イオンが溶出し、脱灰された歯質を再石灰化することができる。
本発明で使用される水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)の平均粒径は、特に限定されないが0.3〜35μmが好ましい。水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)の平均粒径が0.3μm未満の場合、リン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)とを混練した直後の硬化前のリン酸カルシウム組成物(B)ペーストの粘度が大きくなりすぎるだけでなく、硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)の平均粒径は、より好適には1μm以上である。一方、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)の平均粒径が35μmを超える場合、リン酸カルシウム組成物(B)の硬化前のペーストから放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるだけでなく、ペーストの操作性が低下するおそれがある。水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)の平均粒径は、より好適には30μm以下である。ここで、本発明に使用する水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)の平均粒径とは、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と、塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)又はリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)等の水と反応して硬化するリン酸カルシウム組成物(b−1)を構成し得る粒子全体を、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
本発明で使用される水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)は、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)の合計量を100重量部とした時、30〜85重量部が好ましく、50〜80重量部がより好ましく、60〜75重量部が最も好ましい。リン酸カルシウム混合物(b−1)の配合量が30重量部より少ないと、硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。リン酸カルシウム混合物(b−1)の配合量が85重量部より多いと、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)とを混練することが困難となり、ペーストを作製することが困難となるおそれがある。
本発明で使用される水(b−2)は、リン酸カルシウム組成物(B)が硬化するために必要不可欠な成分である。リン酸カルシウム組成物(B)の硬化の機序は、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)とが反応して、ヒドロキシアパタイトの析出を伴いながら硬化する。
本発明で使用される水(b−2)は、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)の合計量を100重量部とした時、15〜70重量部が好ましく、20〜50重量部がより好ましく、25〜40重量部が最も好ましい。水(b−2)の配合量が15重量部より少ないと、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)とを混練することが困難となり、ペーストを作製することが困難となるおそれがある。水(b−2)の配合量が70重量部より多いと、硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。リン酸カルシウム組成物(B)を調製する際は、リン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)とが均一に混じるように、充分に混練してから速やかに前処理材(A)を塗布した上に充填、あるいは塗布する。
本発明で用いられる酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)としては特に限定されず、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(以下、DCPAと略記することがある)、リン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子、非晶性リン酸カルシウム[Ca(PO・xHO]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(HPO・HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、リン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子、及びリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種がより好適に使用され、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、α−リン酸三カルシウム[α−Ca(PO]粒子、β−リン酸三カルシウム[β−Ca(PO]粒子及びリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種が更に好適に使用され、特にカルシウムイオンの放出性の観点から無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、及びβ−リン酸三カルシウム[β−Ca(PO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種が好適に使用される。
本発明で用いられる酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の平均粒径は、0.3〜10μmであることが好ましい。平均粒径が0.3μm未満の場合、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の水(b−2)への溶解が過多となるため、リン酸カルシウム組成物(B)から放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるだけでなく、ペーストの操作性が低下するおそれがある。酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の平均粒径は、0.4μm以上がより好ましく、0.5μm以上が最も好ましい。一方、平均粒径が10μmを超える場合、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)が水(b−2)へ溶解しにくくなり、リン酸カルシウム組成物(B)から放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるおそれがある。酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の平均粒径は、5μm以下がより好ましく、3μm以下が最も好ましい。ここで、本発明に使用する酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い測定し、算出したものである。
本発明で使用される酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の製造方法は特に限定されない。市販品をそのまま用いてもよいし、適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。その場合、ボールミル、ライカイ機、ジェットミルなどの粉砕装置を使用することができる。また、酸性リン酸カルシウム原料粉体をアルコールなどの液体の媒体と共にライカイ機、ボールミル等を用いて粉砕してスラリーを調製し、得られたスラリーを乾燥させることにより酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)を得ることもできる。このときの粉砕装置としては、ボールミルを用いることが好ましく、そのポット及びボールの材質としては、好適にはアルミナやジルコニアが採用される。
本発明で用いられる塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)としては特に限定されず、リン酸四カルシウム[Ca(POO]粒子及びリン酸八カルシウム5水和物[Ca(PO・5HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、特にカルシウムイオンの放出性の観点からリン酸四カルシウム[Ca(POO]粒子がより好適に使用される。
本発明で用いられる塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の平均粒径は、0.6〜35μmであることが好ましい。平均粒径が0.6μm未満の場合、塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の水(b−2)への溶解が過度になるため、リン酸カルシウム組成物(B)から放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるだけでなく、ペーストの操作性が低下するおそれがある。塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の平均粒径は、1μm以上がより好ましく、3μm以上が最も好ましい。一方、平均粒径が35μmを超える場合、得られるペーストの操作性が低下するおそれがある。また、水(b−2)に溶解しにくくなり、リン酸カルシウム組成物(B)から放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるおそれがある。塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の平均粒径は、30μm以下がより好ましく、25μm以下が最も好ましい。塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の平均粒径は、上記酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の平均粒径と同様にして算出される。
本発明で使用される塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の製造方法は特に限定されない。市販されている塩基性リン酸カルシウム粒子をそのまま用いてもよいし、適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。粉砕方法としては、上記の酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の粉砕方法と同様の方法を採用できる。
本発明で用いられるリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)としては特に限定されず、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化カルシウム[CaO]、塩化カルシウム[CaCl]、硝酸カルシウム[Ca(NO・nHO]、酢酸カルシウム[Ca(CHCO・nHO]、乳酸カルシウム[C10CaO]、クエン酸カルシウム[Ca(C・nHO]、メタケイ酸カルシウム[CaSiO]、ケイ酸二カルシウム[CaSiO]、ケイ酸三カルシウム[CaSiO]、及び炭酸カルシウム[CaCO]等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が好適に用いられる。中でも、HAp析出能の観点より、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、メタケイ酸カルシウム、ケイ酸二カルシウム、ケイ酸三カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、水酸化カルシウムがさらに好ましい。
本発明で用いられるリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の平均粒径は、0.3〜12μmであることが好ましい。平均粒径が0.3μm未満の場合、水(b−2)への溶解が過多となるため、リン酸カルシウム組成物(B)から放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるだけでなく、ペーストの操作性が低下するおそれがある。リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の平均粒径は、0.7μm以上がより好ましく、1μm以上が最も好ましい。一方、リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の平均粒径が12μmを超える場合、リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)が、水(b−2)へ溶解しにくくなり、リン酸カルシウム組成物(B)から放出されるカルシウムイオンとリン酸イオンのバランスが崩れるおそれがある。リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の平均粒径は、9μm以下がより好ましく、5μm以下が最も好ましい。リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の平均粒径は、上記酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の平均粒径と同様にして算出される。
本発明で使用されるリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の製造方法は特に限定されない。市販品をそのまま用いてもよいし、適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。粉砕方法としては、上記の酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の粉砕方法と同様の方法を採用できる。
本発明で使用される水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)は、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)との混合物、又は酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)とリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)との混合物から選択されることが好ましい。それぞれの混合物において、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の配合割合、及び酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)とリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の配合割合は特に限定されないが、放出されるカルシウムイオン量とリン酸イオン量のバランスの観点から、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の総和のCa/P比、及び酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)とリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の総和のCa/P比が、それぞれ1.2〜2.0となるような配合割合で使用されることが好ましく、1.30〜1.80であることがより好ましく、1.50〜1.70であることが最も好ましい。また、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)との配合割合(b−1−1/b−1−2)、及び酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)とリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の配合割合(b−1−1/b−1−3)は、それぞれモル比で40/60〜60/40であることが好ましい。
本発明で使用されるリン酸カルシウム組成物(B)は、更にリン酸のアルカリ金属塩(b−3)を含有することが好ましい。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)を含有することにより、リン酸カルシウム組成物(B)の硬化速度を向上させることができる。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)は、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)と水(b−2)の合計量を100重量部とした時、0.5〜30重量部含有することが好ましく、1〜20重量部含有することが更に好ましく、2〜10重量部含有することが最も好ましい。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の配合量が0.5重量部より少ないと、硬化速度を向上させることができないおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の配合量が30重量部より多いと、リン酸カルシウム組成物(B)の硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(b−3)としては特に限定されず、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一リチウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ならびにこれらの水和物等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が用いられる。中でも、安全性や純度の高い原料が容易に入手できる観点から、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好ましい。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(b−3)の平均粒径は、1〜20μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満の場合、組成物中での溶解が早すぎて、歯質の適応前に組成物中のリン酸イオン濃度が高くなるため、カルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れ、HApの析出速度が低下するおそれがある。更には、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)粒子同士の二次凝集が発生し、同時に混合する他の粒子との分散性が低下するおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の平均粒径は、より好適には3μm以上である。一方、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の平均粒径が20μmを超える場合、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)が組成物中で溶解しにくくなり、ヒドロキシアパタイトの析出速度が低下するおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の平均粒径は、より好適には15μm以下である。リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の平均粒径は、上記の酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と同様にして測定し、算出したものである。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(b−3)の製造方法は特に限定されない。市販されているリン酸のアルカリ金属塩をそのまま用いてもよいし、上記した酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の粉砕方法と同様の方法を採用できる。
本発明で用いられるリン酸カルシウム組成物(B)は、更にフッ素化合物を含有することが好ましい。このことにより、歯質に耐酸性を付与させるとともに石灰化を促進させることが可能となる。本発明で用いられるフッ素化合物としては特に限定されず、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化銅、フッ化ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化チタンナトリウム、フッ化チタンカリウム、ヘキシルアミンハイドロフルオライド、ラウリルアミンハイドロフルオライド、グリシンハイドロフルオライド、アラニンハイドロフルオライド、フルオロシラン類、フッ化ジアミン銀等が挙げられる。中でも石灰化促進効果の観点からフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズが好適に用いられる。フッ素化合物の使用量は特に限定されず、リン酸カルシウム組成物(B)の全量100重量部に対してフッ素化合物の換算フッ化物イオンを0.01〜3重量部含むことが好ましい。フッ素化合物の換算フッ化物イオンの使用量が0.01重量部未満の場合、石灰化を促進する効果が低下するおそれがあり、0.05重量部以上であることがより好ましい。一方、フッ素化合物の換算フッ化物イオンの使用量が3重量部を超える場合、安全性が損なわれるおそれがあり、1重量部以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるリン酸カルシウム組成物(B)は、本発明の効果を阻害しない範囲で主要成分以外の成分を含有しても構わない。例えば、必要に応じて増粘剤を配合することができる。増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸塩、ポリLリジン、ポリLリジン塩、セルロース以外のデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、カラジーナン、グアーガム、キタンサンガム、セルロースガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、ペクチン、ペクチン塩、キチン、キトサン等の多糖類、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の酸性多糖類エステル、またコラーゲン、ゼラチン及びこれらの誘導体などのタンパク質類等の高分子などから選択される1つ又は2つ以上が挙げられるが、水への溶解性及び粘性の面からはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩から選択される少なくとも1つが好ましい。増粘剤は、粉体に配合してもよいし液剤に配合してもよく、また混合中のペーストに配合してもよい。
また、必要に応じてシリカ、金属酸化物等に代表される無機フィラー、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出液、サッカリン、サッカリンナトリウム等の人工甘味料などを加えてもよい。これらの中でも、本発明のリン酸カルシウム組成物(B)は、無機フィラーを含有することが好ましく、平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ又は金属酸化物から選択される粒子(E)を含有することがより好ましく、平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ粒子(E)を含有することが更に好ましい。
更に、薬理学的に許容できるあらゆる薬剤等を配合することができる。セチルピリジニウムクロリド等に代表される抗菌剤、消毒剤、抗癌剤、抗生物質、アクトシン、PEG1などの血行改善薬、bFGF、PDGF、BMPなどの増殖因子、骨芽細胞、象牙芽細胞、さらに未分化な骨髄由来幹細胞、胚性幹(ES)細胞、線維芽細胞等の分化細胞を遺伝子導入により脱分化・作製した人工多能性幹(iPS:induced Pluripotent Stem)細胞ならびにこれらを分化させた細胞など硬組織形成を促進させる細胞などを配合させることができる。
以上説明したように、本発明の歯科修復用キットは、水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を含む前処理材(A)を塗布した後に、水と反応して硬化するリン酸カルシウム組成物(B)で覆うことで、歯質、特に脱灰された象牙質に対して、再石灰化によって歯質硬度の回復に優れた効果を奏する。したがって、本発明の歯科修復用キットにより、う蝕に罹患した部位を極力削らず、残存したう蝕罹患部位をもとに戻す再石灰化治療が可能となる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。本実施例において、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)、塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)、リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製「SALD−2100型」)を用いて測定し、測定の結果から算出されるメディアン径を平均粒径とした。
[各粉体の調製]
(1)塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の調製
塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)の一例として使用するリン酸四カルシウム粒子(TTCP)(平均粒径23.1μm)は、以下の通り調製した粗リン酸四カルシウムを粉砕することにより得た。市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No.1430,J.T.Baker Chemical Co.,NJ)及び炭酸カルシウム(Product No.1288,J.T.Baker Chemical Co.,NJ)を等モルとなる様に水中に加え、1時間撹拝した後、ろ過・乾燥することで得られたケーキ状の等モル混合物を電気炉(FUS732PB,アドバンテック東洋社製)中で1500℃、24時間加熱し、その後デシケータ中で室温まで冷却することでリン酸四カルシウム塊を調製した。更に、乳鉢中で荒く砕き、その後箭がけを行うことで微粉ならびにリン酸四カルシウム塊を除き、0.5〜3mmの範囲に粒度を整え、粗リン酸四カルシウムを得た。この粗リン酸四カルシウム100g、及び直径が20mmのジルコニアボール200gを400mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「TypeA−3HDポットミル」)中に加え、150rpmの回転速度で15時間粉砕することで得た。
(2)酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の調製
酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の一例として本実施例で使用する無水リン酸一水素カルシウム(DCPA)粒子(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(太平化学産業社製、平均粒径15.0μm)50g、95%エタノール(和光純薬工業社製「Ethanol(95)」)を120g、及び直径が10mmのジルコニアボール240gを400mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え120rpmの回転速度で24時間湿式粉砕を行うことで得られたスラリーをロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間乾燥させ、更に60℃で24時間真空乾燥することで得た。
酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)の一例として本実施例で使用するβ−リン酸三カルシウム(β−TCP)粒子(平均粒径1.0μm)は、市販のβ−リン酸三カルシウム粒子(太平化学産業社製)をそのまま使用した。
(3)リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の調製
リン酸のアルカリ金属塩(b−3)の一例として本実施例で使用するリン酸一水素ナトリウム(平均粒径4.6μm)は、市販のリン酸一水素ナトリウム(和光純薬工業社製)をナノジェットマイザー(NJ−100型、アイシンナノテクノロジー社製)で、粉砕圧力条件を原料供給圧:0.7MPa/粉砕圧:0.7MPa、処理量条件を8kg/hrとし、1回処理することにより得た。
(4)リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の調製
リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の一例として本実施例で使用する水酸化カルシウム(平均粒径1.0μm)は、市販の水酸化カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒径14.5μm)50g、99.5%エタノール(和光純薬工業社製「EthanoI,Dehydrated(99.5)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製rHD−b−104ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で15時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロ一夕リーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間乾燥させることで得た。
リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)の一例として本実施例で使用する酸化カルシウム(平均粒径2.0μm)は、市販の酸化カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒径10.0μm)50g、99.5%エタノール(和光純薬工業社製「EthanoI,Dehydrated(99.5)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製rHD−b−104ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で10時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバボレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
[前処理材(A)の調製]
表1〜3に示す組成で秤量した2−メタクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート(Phenyl−P)、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリティックアシッド(4−MET)、シュウ酸、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)、精製水、エタノールを24時間マグネティックスターラーにて攪拌することで、前処理材(A)を調製した。
[リン酸カルシウム混合物(b−1)の調製]
表1〜3に示す組成で秤量した酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)、塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)、リンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)、リン酸のアルカリ金属塩(b−3)を高速回転ミル(アズワン社製「SM−1」)中に加え、1000rpmの回転速度で3分間混合することでリン酸カルシウム混合物(b−1)を得た。
[水(b−2)の調製]
水(b−2)は市販の日本薬局方精製水をそのまま使用した。
[再石灰化用牛歯の調製]
健全牛歯切歯の頬側中央を#80、#1000研磨紙を用いて回転研磨機により研磨し、象牙質を露出させた。この牛歯研磨面を更にラッピングフィルム(#1200、#3000、#8000、住友スリーエム社製)を用いて研磨し、平滑とした。この象牙質部分に歯に対して縦軸方向及び横軸方向に各7mm試験部分の窓を残し(以下、「象牙質窓」と称する)、周りをマニキュアでマスキングし、1時間風乾した。この牛歯を、酢酸(和光純薬工業株式会社製)を蒸留水で希釈した50mMの脱灰液150mlに1週間浸漬させ脱灰を行った後、30分以上水洗することで再石灰化試験に用いる牛歯を調製した。
[擬似唾液の調製]
塩化ナトリウム(8.77g、150mmol)、リン酸二水素カリウム(122mg、0.9mmol)、塩化カルシウム(166mg、1.5mmol)、Hepes(4.77g、20mmol)をそれぞれ秤量皿に量り取り、約800mlの蒸留水を入れた2000mlビーカーに撹拌下に順次加えた。溶質が完全に溶解したことを確認した後、この溶液の酸性度をpHメータ(F55、堀場製作所社製)で測定しながら、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH7.0とした。次にこの溶液を1000mlメスフラスコに加えてメスアップし、擬似唾液1000mlを得た。
[再石灰化試験]
上記で調製した再石灰化用牛歯を蒸留水に浸漬し、30分間静置した後、象牙質窓の半分に対して、前処理材(A)を塗布し30秒間放置した後、エアブローにて溶剤を乾燥させた。その後、リン酸カルシウム混合物(b−1)及び水(b−2)を表1〜3に示す重量部にて、練和紙上で30秒間練和しペーストを得た。前処理材(A)を塗布した歯面に対して、得られたペーストを約0.1g塗布し、37℃、100%RH条件下で24時間インキュベートし硬化させた。その後、硬化物が再石灰化試験用牛歯に付着した状態を保ちつつ、擬似唾液中37℃で2週間保存した。また、擬似唾液は毎日交換した(n=5)。
[再石灰化能評価]
(1)エポキシ樹脂の調製
エポキシ樹脂の調製はLuft法に準じて行い、エポキシ樹脂、硬化剤を均一に混合した後、加速剤を添加する方法を用いた。100mlディスポカップに、ルベアック812(エポキシ樹脂、ナカライテスク社製)41ml、ルベアックMNA(硬化剤、ナカライテスク社製)31ml、ルベアックDDSA(硬化剤、ナカライテスク社製)10mlをそれぞれディスポシリンジを用いて量り取りディスポカップに加え、10分間撹拝した。これにディスポシリンジで量り取ったルベアックDMP−30(加速剤、ナカライテスク社製)1.2mlを撹拝しながら徐々に滴下し、添加後更に10分間撹拝することで調製した。
(2)硬度測定用サンプルの作製
擬似唾液から石灰化牛歯を取り出し、水洗した後、バイアル中の70%エタノール水溶液中に浸漬した。浸漬後、直ちにバイアルをデシケータ内に移し、10分間減圧条件下に置いた。この後、バイアルをデシケータから取り出し、低速撹拌機(TR−118、AS−ONE社製)に取り付け、約4rpmの回転速度で1時間撹拝した。同様の操作を、80%エタノール水溶液、90%エタノール水溶液、99%エタノール水溶液、100%エタノール(2回)を用いて行い、2回目の100%エタノールにはそのまま1晩浸漬した。翌日、プロピレンオキサイドとエタノールの1:1混合溶媒、プロピレンオキサイド100%(2回)についても順次同様の作業を行い、2回目のプロピレンオキサイドにそのまま1晩浸漬した。更に、エポキシ樹脂:プロピレンオキサイド=1:1混合溶液、エポキシ樹脂:プロピレンオキサイド=4:1混合溶液、エポキシ樹脂100%(2回)についても同様の作業を行った。これらについては浸漬時間を2時間とした。最後にエポキシ樹脂を入れたポリ容器に牛歯サンプルを入れ、45℃にて1日間、60℃にて2日間硬化反応を行った。硬化終了後、ポリエチレン製容器とともに精密低速切断機(BUEHLER、ISOMETl000)により脱灰面に対して垂直方向に切断し、試験部分の断面を含む厚さ約1mmの切片を得た。この切片をラッピングフィルム(#1200、#3000、#8000、住友スリーエム社製)を用いて研磨し、硬度測定用サンプルとした(n=5)。
(3)硬度測定
ナノインデンター(ENT−1100a、エリオニクス社製)を用いて、脱灰部及び再石灰化部の断面について2mNの荷重で測定した。なお、測定は表層から深さ方向に40μm間隔で10点行う操作を、脱灰部及び再石灰化部のそれぞれについて3列について行い、各深さにおける硬さの平均を算出した。更にコントロールとして、脱灰していない深さ600μmの健全象牙質についても3点硬さを測定し、平均値を算出した。再石灰化能は硬度回復率として、以下に示す算式により数値化した。

硬度回復率(%)=[(再石灰化部の深さ360μmにおける硬さの平均値)−(脱灰部の深さ360μmにおける硬さの平均値)]/(健全象牙質の硬さの平均値)×100
実施例1〜24
上記示す手順により表1〜2に示す組成で歯科修復用キットを調製し、再石灰化による硬度回復率を評価した。得られた評価結果を表1〜2にまとめて示す。
比較例1〜8
上記示す手順により表3に示す組成で組成物を調製し、再石灰化による硬度回復率を評価した。得られた評価結果を表3にまとめて示す。なお、比較例1、3及び6に用いた充填物は、市販の充填用グラスアイオノマーセメント「フジIX GP」(ジーシー社製)を使用した。
Figure 0006114962
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Claims (5)

  1. 水に難溶なカルシウム塩を生成する酸(a−1)を含む前処理材(A)と、前処理材(A)を塗布した歯質を覆うために用いられるリン酸カルシウム組成物(B)とからなる歯科修復用キットであって、
    前処理材(A)100重量部に対して前記(a−1)を0.05〜65重量部含有し、
    前記(a−1)が、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート(Phenyl−P)、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリティックアシッド(4−MET)、シュウ酸、又は10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)であり、
    リン酸カルシウム組成物(B)が、水と反応して硬化するリン酸カルシウム混合物(b−1)及び水(b−2)を含み、
    前記(b−1)と前記(b−2)の合計100重量部に対して前記(b−1)を30〜85重量部含有し、
    前記(b−1)が、酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)と塩基性リン酸カルシウム粒子(b−1−2)との混合物、又は酸性リン酸カルシウム粒子(b−1−1)とリンを含まないカルシウム化合物(b−1−3)との混合物から選択され、
    前記(b−1−1)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子、及びβ−リン酸三カルシウム[β−Ca (PO ]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記(b−1−2)が、リン酸四カルシウム[Ca (PO O]粒子であり、
    前記(b−1−3)が、水酸化カルシウム[Ca(OH) ]、酸化カルシウム[CaO]、メタケイ酸カルシウム[CaSiO ]、ケイ酸二カルシウム[Ca SiO ]、及びケイ酸三カルシウム[Ca SiO ]からなる群から選択される少なくとも1種である、
    ことを特徴とする歯科修復用キット。
  2. 前記(a−1)が、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートである請求項記載の歯科修復用キット。
  3. 前記(b−1−1)と前記(b−1−2)の総和又は前記(b−1−1)と前記(b−1−3)の総和のCa/P比が1.2〜2.0である請求項1又は2記載の歯科修復用キット。
  4. リン酸カルシウム組成物(B)が、さらにリン酸のアルカリ金属塩(b−3)を含む請求項1〜のいずれか記載の歯科修復用キット。
  5. リン酸のアルカリ金属塩(b−3)が、リン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムである請求項記載の歯科修復用キット。
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