JP5501346B2 - 歯牙石灰化剤の製造方法 - Google Patents
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Description
健全牛歯切歯の頬側中央を#80,#1000研磨紙を用いて回転研磨機により研磨し、エナメル質を露出させた。この牛歯研磨面をさらにラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、平滑とした。この研磨エナメル質部分に歯に対して縦軸方向及び横軸方向に各7mm試験部分の窓を残し(以下、「エナメル質窓」と称する)、周りをマニキュアでマスキングし、1時間風乾した。この牛歯を、Reynoldsら(E. C. Reynolds, J. Dent. Res., 76(9), 1587-1595.)の手法に準じて人工脱灰液(0.1mol/L乳酸、0.5g/Lヒドロキシアパタイト、20g/Lポリアクリル酸(Mw:250kDa)、NaOH適量、pH4.8)中に5日間浸漬して脱灰を行った。人工脱灰液は毎日交換した。脱灰エナメル質窓の半分をマニキュアでマスキングし、1時間風乾することで石灰化に用いる牛歯を調製した。
塩化ナトリウム(8.77g,150mmol)、リン酸二水素カリウム(122mg,0.9mmol)、塩化カルシウム(166mg,1.5mmol)、Hepes(4.77g,20 mmol)をそれぞれ秤量皿に量り取り、約800mlの蒸留水を入れた2000mlビーカーに攪拌下に順次加えた。溶質が完全に溶解したことを確認した後、この溶液の酸性度をpHメータ(F55、堀場製作所)で測定しながら、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH7.0とした。次にこの溶液を1000mlメスフラスコに加えてメスアップし、擬似唾液1000mlを得た。
[歯牙石灰化剤の調製]
(1)リン酸四カルシウム粒子(A)の調製
本実施例で使用するリン酸四カルシウム粒子(A1)(平均粒径23.1μm)は、以下の通り調製した粗リン酸四カルシウムを粉砕することにより得た。市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co., NJ)及び炭酸カルシウム(Product No. 1288, J.T.Baker Chemical Co., NJ)を等モルとなる様に水中に加え、1時間撹拌した後、ろ過・乾燥することで得られたケーキ状の等モル混合物を電気炉(FUS732PB,アドバンテック東洋(株)製)中で1500℃、24時間加熱し、その後デシケータ中で室温まで冷却することでリン酸四カルシウム塊を調製した。さらに、乳鉢中で荒く砕き、その後篩がけを行うことで微粉ならびにリン酸四カルシウム塊を除き、0.5〜3mmの範囲に粒度を整え、粗リン酸四カルシウムを得た。この粗リン酸四カルシウム100g、及び直径が20mmのジルコニアボール200gを400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、150rpmの回転速度で15時間粉砕することでリン酸四カルシウム粒子(A1)を得た。
リン酸のアルカリ金属塩(B)粒子の一例として本実施例で使用するリン酸一水素二ナトリウム(B)粒子(平均粒径1.7μm)は、市販のリン酸一水素二ナトリウム粒子(和光純薬工業株式会社製)50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で5時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
酸性リン酸カルシウム粒子(C)の一例として本実施例で使用する無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co., NJ、平均粒径10.2μm)50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で15時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した後、60℃で6時間真空乾燥することで得た。
上記で得たリン酸四カルシウム粒子(A1)26.2g、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5g、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)9.8g及び特開平2−258602号公報に開示の方法で微粒子化したフッ化ナトリウム(D)粒子(平均粒径0.7μm)0.21gを高速回転ミル(アズワン株式会社製「SM−1」)中に加え、1000rpmの回転速度で3分間混合することで歯牙石灰化剤用の粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法1」とした。
グリセリン(和光純薬工業株式会社製)1000g、プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製)500g、キシリトール(和光純薬工業株式会社製)500g、ポリエチレングリコール(マクロゴール400、三洋化成工業株式会社製)300g、セチルピリジニウムクロリド1水和物(和光純薬工業株式会社製)5g、シリカ粒子(E)(デグサ社製「AEROSIL 130」、平均粒径:0.016μm)400g及び蒸留水1174gをユニバーサルミキサー(株式会社パウレックス製)中で乳化分散させることで歯牙石灰化剤用の液状ペーストを得た。
上記(4)で得た粉剤0.41gを精秤し、これに上記(5)で得た液状ペースト0.59gを加え混合することで歯牙石灰化剤を調製した。歯牙石灰化剤の組成を表1にまとめて示す。
マグネティックスターラー上で25℃の純水200gを攪拌させている中に、上記象牙質石灰化剤用の粉剤0.05gを投入した。粉剤投入後10分時点で撹拌を停止し、上清を採取し、メンブレンフィルターでろ過した後にICP発光分光分析装置(IRIS AP、日本ジャーレルアッシュ株式会社製)を用いて粉剤スラリーの遊離ナトリウムイオン濃度を測定した(n=50)。比較例6における粉剤のナトリウムイオン濃度の平均値(d)は10.4mg/Lであり、ナトリウムイオン濃度の標準偏差(σ)を(d)で除した数値(σ/d)は0.06であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
上記で調製した石灰化用牛歯を蒸留水に浸漬し、30分間静置した後、エナメル質窓に対してペースト状の歯牙石灰化剤を塗布し、37℃、100%RH条件下で30分間インキュベートし、石灰化を行った。その後、歯牙石灰化剤を蒸留水で洗い流した後、擬似唾液中37℃で保存した。歯牙石灰化剤塗布は1日毎に実施し、連続して7回実施した。歯牙石灰化剤の塗布・除去作業時間以外は常時擬似唾液中に浸漬した。また、擬似唾液は毎日交換した(n=5)。
(1)エポキシ樹脂の調製
エポキシ樹脂の調製はLuft法に準じて行い、エポキシ樹脂、硬化剤を均一に混合した後、加速剤を添加する方法を用いた。100mlディスポカップに、ルベアック812(エポキシ樹脂、ナカライテスク株式会社製)41ml、ルベアックMNA(硬化剤、ナカライテスク株式会社製)31ml、ルベアックDDSA(硬化剤、ナカライテスク株式会社製)10mlをそれぞれディスポシリンジを用いて量り取りディスポカップに加え、10分間攪拌した。これにディスポシリンジで量り取ったルベアックDMP−30(加速剤、ナカライテスク株式会社製)1.2mlを攪拌しながら徐々に滴下し、添加後さらに10分間攪拌することで調製した。
擬似唾液から石灰化牛歯を取り出し、水洗した後、バイアル中の70%エタノール水溶液中に浸漬した。浸漬後、直ちにバイアルをデシケータ内に移し、10分間減圧条件下に置いた。この後、バイアルをデシケータから取り出し、低速攪拌機(TR−118,AS−ONE社製)に取り付け、約4rpmの回転速度で1時間攪拌した。同様の操作を、80%エタノール水溶液、90%エタノール水溶液、99%エタノール水溶液、100%エタノール(2回)を用いて行い、2回目の100%エタノールにはそのまま1晩浸漬した。翌日、プロピレンオキサイドとエタノールの1:1混合溶媒、プロピレンオキサイド100%(2回)についても順次同様の作業を行い、2回目のプロピレンオキサイドにそのまま1晩浸漬した。さらに、エポキシ樹脂:プロピレンオキサイド=1:1混合溶液、エポキシ樹脂:プロピレンオキサイド=4:1混合溶液、エポキシ樹脂100%(2回)についても同様の作業を行った。これらについては浸漬時間を2時間とした。最後にエポキシ樹脂を入れたポリ容器に牛歯サンプルを入れ、45℃にて1日間、60℃にて2日間硬化反応を行った。硬化終了後、ポリエチレン製容器とともに精密低速切断機(BUEHLER、ISOMET1000)により脱灰面に対して垂直方向に切断し、試験部分の断面を含む厚さ約1mmの切片を得た。この切片をラッピングフィルム(#1200,#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨し、切片厚さを80〜100μmとすることでCMR(Contact Micro Radiography;軟X線顕微鏡像)撮影用サンプルとした(n=5)。
CMR撮影およびフィルム現像はすべて暗室中において行った。CMR撮影には、CMR−2(ソフテックス株式会社製)を使用した。上記で得たCMR撮影用サンプルを専用フィルム(Kodac special Holographic,Kodac社製)上に密着させた状態で置き、管電圧15kV、管電流2.6mA、X線照射時間30分の条件で各サンプルの軟X線透過像を撮影した。現像は現像液(D−19,Kodac社製)、定着液(GBX,Kodac社製)を用い、現像液に5分間浸漬した後30秒間水洗し、定着液に5分間浸漬した後1分間水洗、乾燥させ、軟X線写真フィルムを得た。得られた軟X線写真の透過像を光学顕微鏡(BX51,オリンパス製)で対物レンズ40倍にて観察し、透過像を光学顕微鏡に接続したCCDカメラ(Pro600ES,Pixera製)を用いて写真画像データとして得た。得られた画像を画像解析コンピュータソフトScion Imageβ4.03(Scion社製)を用いて解析した。脱灰部分と石灰化部分のフィルム濃度(グレイ値)をエナメル表層から一定深さ位置(約30μm)で測定し、脱灰部分のフィルム濃度を0%、エナメル質表面から更に深部の未脱灰部分のフィルム濃度を100%としたときの換算値(%)により石灰化率を算出した。比較例6の歯牙石灰化剤により石灰化した脱灰エナメル質の石灰化率は71.6%であった。
(1)ビッカース硬度測定用サンプルの作製
上記CMR用サンプル調製の際に得られた精密低速切断機により横断的に切断した切片(厚さ1mm)の両面をラッピングフィルム(#3000,#8000,住友スリーエム社製)を用いて研磨することで厚さが900μmの硬度測定用サンプルを調製した(n=5)。
ビッカース硬度測定には、ミツトヨ製のマイクロビッカース硬度試験機(MicroWiZhard)を用い、0.01kgfの試験力、負荷4秒・保持10秒・除荷4秒の試験時間、100倍での傷観察の各条件でビッカース硬度測定を実施した。健全な牛歯エナメル質のビッカース硬度は377HV、マニキュアでマスキングし脱灰を保持した脱灰エナメル質の表面から30μm深さのビッカース硬度は122HVであった。比較例6の歯牙石灰化剤により石灰化した脱灰エナメル質の表面から30μm深さ部分のビッカース硬度は314HVであった。
比較例6において、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を用いず、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を粉剤に加えて調製する代わりに液状ペーストに加えて調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.2重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子0.2重量部を液状ペーストに加え、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を12重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子12重量部を液状ペーストに加え、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を1.2重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を2.4重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を7.2重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を73.5重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を14重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ポリエチレングリコール及びシリカ粒子(E)を用いず、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を49重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を9.3重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ポリエチレングリコール及びシリカ粒子(E)を用いず、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を2.62重量部、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を0.98重量部とし、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子0.5重量部を液状ペーストに加え、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を2.62重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.5重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を0.98重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を5.24重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を1重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を1.96重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表1に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を13.1重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を2.5重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を4.9重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子を5重量部用いる代わりに、リン酸二水素一ナトリウム(B)粒子を5重量部用いた以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸二水素一ナトリウム(B)粒子5重量部を液状ペーストに加え、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、フッ化ナトリウム(D)粒子を用いず、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を9.8重量部用いる代わりに、リン酸一水素カルシウム2水和物粒子(C)(平均粒径1.2μm)を12.3重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記リン酸一水素カルシウム2水和物粒子(C)(平均粒径1.2μm)は、市販のリン酸一水素カルシウム2水和物粒子(和光純薬工業株式会社製、平均粒径19μm)を用い、比較例6における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
比較例6において、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を9.8重量部用いる代わりに、無水リン酸二水素カルシウム粒子(C)(平均粒径1.1μm)を16.7重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記無水リン酸二水素カルシウム粒子(C)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸二水素カルシウム粒子(和光純薬工業株式会社製、平均粒径18μm)を用い、比較例6における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
比較例6において、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を9.8重量部用いる代わりに、酸性ピロリン酸カルシウム粒子(C)(平均粒径1.0μm)を15.4重量部用い、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。ここで、上記酸性ピロリン酸カルシウム粒子(C)(平均粒径1.0μm)は、市販の酸性ピロリン酸カルシウム粒子(太平化学産業株式会社製、平均粒径13μm)を用い、比較例6における無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)を調製する方法と同様に調製することにより得た。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を18.4重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を3.5重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、粉剤及び液状ペーストを調製する代わりに、リン酸四カルシウム粒子(A1)26.2重量部、フッ化ナトリウム(D)粒子0.21重量部、シリカ粒子(E)0.5重量部、グリセリン18.09重量部及びプロピレングリコール5重量部を用いて調製した非水系ペーストと、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)9.8重量部、キシリトール5重量部、ポリエチレングリコール3重量部、セチルピリジニウムクロリド1水和物0.05重量部、シリカ粒子(E)3.5重量部及び残部を精製水で調製した水系ペーストとを混合することで歯牙石灰化剤を調製し、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表3に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A1)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子を10mmのジルコニアボール200gとともに400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、200rpmの回転速度で30分間混合することで粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法2」とした。次いで、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A1)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子をライカイ機(自動乳鉢、アズワン株式会社製「ANM−200」)中に加え、乳鉢を6rpm、乳棒を100rpmの回転速度で5時間混合することで粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法3」とした。次いで、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、高速回転ミルを用いて粉剤を調製した方法1の代わりに、それぞれ同量のリン酸四カルシウム粒子(A1)、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)及びフッ化ナトリウム(D)粒子をジルコニアボールを加えずに400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で30分間混合することで粉剤を得た。このように混合されて得られる粉剤の調製方法を「方法4」とした。次いで、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.1重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子5重量部を粉剤に加えて調製する代わりに、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子0.1重量部を液状ペーストに加え、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を14重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量を81.3重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を15.5重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ポリエチレングリコール及びシリカ粒子(E)を用いず、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
比較例6において、リン酸四カルシウム粒子(A1)の使用量0.87重量部、リン酸一水素二ナトリウム(B)粒子の使用量を0.17重量部とし、無水リン酸一水素カルシウム粒子(C1)の使用量を0.33重量部とし、残部を精製水で調製した以外は、比較例6と同様にして歯牙石灰化剤を調製し、アルカリ金属イオン濃度の測定、形態学的評価、及びビッカース硬度測定を行った。用いた歯牙石灰化剤の組成を表2に、得られた評価結果を表4にまとめて示す。
2 エナメル質深部未脱灰部分
3 エナメル質石灰化部分
Claims (12)
- リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)、酸性リン酸カルシウム粒子(C)、及び水を主成分とする液体又は水系ペーストを混合する歯牙石灰化剤の製造方法であって、
リン酸四カルシウム粒子(A)、リン酸のアルカリ金属塩(B)及び酸性リン酸カルシウム粒子(C)を含む粉体をボールミル又はライカイ機で予め混合し、該粉体と水を主成分とする液体又は水系ペーストとを混合して、リン酸四カルシウム粒子(A)100重量部に対してリン酸のアルカリ金属塩(B)を0.5〜50重量部配合し、歯牙石灰化剤の全量100重量部に対するリン酸四カルシウム粒子(A)の配合量を1〜80重量部とし、リン酸四カルシウム粒子(A)と酸性リン酸カルシウム粒子(C)の配合割合(A/C)をモル比で40/60〜60/40とすることを特徴とする歯牙石灰化剤の製造方法。 - リン酸のアルカリ金属塩(B)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムである請求項1記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- 酸性リン酸カルシウム粒子(C)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO4]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(H2PO4)2]粒子、リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2]粒子、非晶性リン酸カルシウム[Ca3(PO4)2・xH2O]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH2P2O7]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO4・2H2O]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(H2PO4)2・H2O]粒子からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- 更にフッ素化合物(D)を含有する請求項1〜3のいずれか記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- フッ素化合物(D)がフッ化ナトリウムである請求項4記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- リン酸四カルシウム粒子(A)の平均粒径が0.5〜40μmである請求項1〜5のいずれか記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- リン酸のアルカリ金属塩(B)の平均粒径が0.5〜20μmである請求項1〜6のいずれか記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- 酸性リン酸カルシウム粒子(C)の平均粒径が0.1〜7μmである請求項1〜7のいずれか記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- 更に平均粒径が0.002〜2μmであるシリカ又は金属酸化物から選択される粒子(E)を含有する請求項1〜8のいずれか記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- 該歯牙石灰化剤0.05gを25℃の純水200gに投入して懸濁液を調製した際に、投入から10分後における該懸濁液の遊離アルカリ金属イオン濃度が0.2〜100mg/Lであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- 遊離アルカリ金属イオン濃度の平均値をdとしたときの標準偏差σがσ≦0.3dを満たす請求項10記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
- アルカリ金属イオンがナトリウムイオンである請求項10又は11記載の歯牙石灰化剤の製造方法。
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