JPH05255029A - 歯面処置用組成物 - Google Patents

歯面処置用組成物

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JPH05255029A
JPH05255029A JP4086568A JP8656892A JPH05255029A JP H05255029 A JPH05255029 A JP H05255029A JP 4086568 A JP4086568 A JP 4086568A JP 8656892 A JP8656892 A JP 8656892A JP H05255029 A JPH05255029 A JP H05255029A
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JP
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fluoride
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phosphate
weight
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JP4086568A
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Yoji Imai
庸二 今井
Yoko Ishihara
容子 石原
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G C KK
Original Assignee
G C KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科治療に於ける知覚過敏緩和材,被覆処置
用プライマーおよび根管充填材に就いて、従来技術の場
合よりも一層刺激性が無く、且つ耐酸性が良好な象牙細
管封鎖効果持続性の長いものを開発せんとした。 【構成】 水溶性リン酸塩と水溶性フッ化物とより成る
A液と、水溶性カルシウム塩より成るB液とを順次歯面
に塗布することによりフルオロアパタイトを生成せしめ
ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯科治療に於いて使用さ
れる緩和材,プライマーおよび充填材、詳しくは知覚過
敏緩和材,被覆処置用プライマーおよび根管充填材に使
用する歯面処置用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯に対する刺激の中で臨床的に特に問題
とされているのは知覚過敏と歯髄痛とである。象牙質知
覚過敏症とは、摩耗や歯肉退縮などにより口腔内に露出
した象牙質面に冷気、冷水或いは擦過性の刺激等が作用
したときに一過性の疼痛を生じる疾患であり、日常の臨
床の場に於いて遭遇する頻度は極めて高い。この知覚過
敏症に対して、従来より様々な治療法が行われて来た。
代表的なものでは硝酸銀、塩化亜鉛、フッ化ナトリウ
ム、フッ化ジアンミン銀、ホルマリン、塩化ストロンチ
ウム、ステロイド剤などを塗布する方法、低出力レーザ
ーを用いる方法、グラスアイオノマーセメントやコンポ
ジットレジンなどを充填する方法などがある。しかし決
定的に有効な対応策を見出だせていないのが、現状であ
った。
【0003】一方、歯髄痛は窩洞形成やレジン充填時に
問題となるが、その処置方法は水酸化カルシウム製剤、
酸化亜鉛ユージノールセメント、グラスアイオノマーセ
メント、カルボキシレートセメントなどの裏装材によっ
て処置されていた。また根管充填材としては、ガッター
パーチャポイント、シルバーポイント、水酸化カルシウ
ム製剤、ヨードホルム製剤、ホルムアルデヒド製剤、酸
化亜鉛ユージノール系充填材などが使用されていた。知
覚過敏症発現のメカニズムに就いては、現在の処、露出
した象牙質に刺激が加わると象牙細管内の組織液の流れ
が変化し、それが象牙芽細胞付近に分布している神経線
維終末を刺激して痛みが起こるという動水力学説が、最
も有力である。また歯髄痛に於いても多くは知覚過敏と
ほぼ同様な原因で起こると考えられている。
【0004】そこで組織液の動きを抑制する方法を検討
した結果、我々は既に、特願平2−322420号を出
願した。この歯科用処置材は歯面上でA、B2液を順次
塗布、反応させて沈澱物を生成することにより、細長い
細管を封鎖して歯髄への刺激を遮断することができ、特
に以下の特長を有している。 誘発痛を軽減または消失させる。 歯質を損傷しない。 歯質を変色させない。 簡単な操作で効果を上げることができる。 治療効果が速く実現する。 治療中および治療後に痛みが無い。 特別な設備または装置を必要としない。 レジンの重合を阻害しない。
【0005】従来の知覚過敏症の処置方法には歯髄への
刺激、歯肉の腐食、歯質の黒変等の他に、練和操作が面
倒である、特別な装置が必要である、効果が確実でな
い、持続し難いなどの欠点を有している。また従来の歯
髄刺激の処置方法にも、歯髄への刺激、練和操作が面倒
である、審美的に色が合わなくなる、レジン充填が禁忌
となる場合もあるなどの欠点がある。また従来の根管充
填材には、根管の根尖孔付近を正確に測定することが難
しい、充填時に根尖孔を突き抜ける、充分に封鎖できな
いなどの問題点を有している。特願平2−322420
号の歯科用処置材に於いて上記の欠点は可成り解決され
たが、生成される沈澱物が口腔内環境に於いて溶解して
了い効果の持続が短い、また沈澱物の結晶が充分細かく
ないために細管に詰まり難く効果の発現が確実ではな
い、更に生成沈澱物が生体由来のものではないので、生
体親和性に劣るという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の知覚過敏症の処
置方法および歯髄痛の処置方法の問題点を解決し、且つ
知覚過敏症の処置材および歯髄痛の処置材に要求される
項目を満足させるためには、口腔内環境で溶解せず、歯
髄に対する刺激が無い物質で細長い象牙細管を封鎖する
ことが必要である。そこで本発明はこの要求を満たす歯
面処置用組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン酸イオ
ン、フッ素イオンとカルシウムイオンを歯面上で反応さ
せてフルオロアパタイトを生成させ、細長い細管内また
は根管の根尖孔を封鎖できるようにしたものである。こ
のフルオロアパタイトは、歯のエナメル質の構成成分で
あるハイドロキシアパタイトの水酸基とフッ素イオンが
置換したもので、ハイドロキシアパタイトに比べて化学
的に安定で、酸に対する溶解性が低いことが知られてい
る。臨床でフッ素を歯に塗布したり、歯磨剤にフッ化物
を添加するのはエナメル質のハイドロキシアパタイトを
この耐酸性のフルオロアパタイトに変化させて齲蝕を予
防する為である。
【0008】このように歯の構成成分とほぼ同様で、且
つ歯の構成成分よりも耐酸性が強化された物質で象牙細
管を塞ぐことにより、生体により安全で刺激が無く、効
果の持続が長い歯面処置用組成物を発明することに成功
した。更にこのA液とB液のどちらか一方、若しくは両
方に界面活性剤を加えることで細い象牙細管内に液が浸
透し易くなり、細管の奥でフルオロアパタイトを生成さ
せることができる。即ち本発明の歯面処置用組成物は、
A液が主に水溶性のリン酸塩を1〜30重量%と水溶性の
フッ化物を0.01〜5重量%とを含有する水溶液で、B液
が主に水溶性のカルシウム塩を1〜30重量%含有する水
溶液であり、A、B2液を混合して使用するものであ
る。またA液とB液のどちらか一方、若しくは両方に為
害作用を有しない界面活性剤を0.0005〜1重量%含有せ
しめる場合もある。
【0009】詳しくはリン酸塩としてはリン酸三ナトリ
ウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン
酸三カリウム、リン酸二カリウム、リン酸一カリウム、
リン酸三リチウム、リン酸二リチウム等が;フッ化物と
してはフッ化亜鉛、フッ化アルミニウム、フッ化アンチ
モン、フッ化オスミウム、フッ化カリウム、フッ化銀、
フッ化ゲルマニウム、フッ化スズ、フッ化タリウム、フ
ッ化鉄、フッ化ナトリウム、フッ化マンガン等が;カル
シウム塩としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、
酢酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等
が挙げられる。また界面活性剤としてはソルビタン脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリ
ン脂肪酸エステルを含むポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等に分類され
る非イオン界面活性剤や;アルキル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸
塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル酢酸塩等に分類されるアニオン界面活
性剤;アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアン
モニウム塩等に分類されるカチオン界面活性剤;レシチ
ン等に分類される両性界面活性剤;などが挙げられる。
【0010】リン酸塩とカルシウム塩の濃度は、構成さ
れる物質により異なり1〜30重量%の範囲から選ばれ、
フッ化物の濃度は構成される物質により0.01〜5重量%
の範囲から選ばれるが、知覚過敏症および歯髄刺激に対
する処置材としてはリン酸塩とカルシウム塩の濃度は3
〜20重量%、フッ化物は0.1〜1.5重量%が好適である。
リン酸塩やカルシウム塩の濃度が1%よりも低いと、沈
殿量が少量で象牙細管を封鎖するためには3〜4回塗布
することが必要となり、濃度が30重量%を超えることは
細管を封鎖して刺激を遮断するためには特に必要とされ
ず、リン酸塩やカルシウム塩を溶解する時間が長くなり
面倒なだけである。また、フッ化物の濃度が0.01重量%
よりも少ないとフルオロアパタイトが生成せず、5重量
%より多いと誤飲したときに中毒を起こす可能性が大き
くなる。フルオロアパタイトの結晶性が一番良く、1回
の塗布で効果が得られ、しかもその効果が持続するのに
特に好ましい濃度の範囲は、リン酸塩とカルシウム塩が
3〜20重量%でフッ化物が0.1〜1.5重量%と考えられ
る。
【0011】また根管の根尖孔を封鎖する処置材として
は、リン酸塩とカルシウム塩の濃度は10〜25重量%、フ
ッ化物は0.2〜1.7重量%が好適である。リン酸塩とカル
シウム塩の濃度が10重量%よりも低いと、沈殿量が少量
で完全に根管根尖孔を封鎖できなくなり、濃度が30重量
%を超えることは根尖孔を封鎖するために特に必要とさ
れず、リン酸塩とカルシウム塩を溶解する時間が長くな
り面倒なだけである。また、フッ化物の濃度が0.2重量
%よりも少ないとフルオロアパタイトが生成せず、5重
量%より多いと誤飲したときに中毒を起こす可能性が大
きくなる。フルオロアパタイトの結晶性が一番良く、更
に1回の塗布で根管の根尖孔を封鎖でき、しかもその効
果が持続するのに特に好ましい濃度の範囲は、リン酸塩
とカルシウム塩が10〜25重量%でフッ化物が0.2〜1.7重
量%である。
【0012】以下、本発明に係る歯面処置用組成物の使
用方法に就いて説明する。 ・知覚過敏症処置材としての使用方法 1)患部を清掃し、乾燥を行う。 2)A液を歯科用プレート上に1〜2滴採り、これを綿
球につけ患部に塗布する。 3)B液を別の歯科用プレート上に1〜2滴採り、これ
をA液に用いたものとは別の綿球につけ、先に塗布した
A液上に塗布する。 4)塗布後、患部及び患部以外に付着している液を綿球
で除去し、洗口させる。 A液、B液の塗布の順序は、逆でも差し支えない。
【0013】・歯髄刺激処置材(被覆処置用プライマ
ー)としての使用方法 1)象牙質を機械的に削除した際スメアー層が生じるた
め、窩洞洗浄材、商品名『ジーシーデンチンコンディシ
ョナー』((株)ジーシー製)を塗布し、スメアー層を除
去する。 2)患部を清掃し、防湿、乾燥を行う。 3)A液を歯科用プレート上に1〜2滴採り、これを綿
球につけ患部に塗布する。 4)B液を別の歯科用プレート上に1〜2滴採り、これ
をA液に用いたものとは別の綿球につけ、先に塗布した
A液上に塗布する。 5)塗布後、患部及び患部以外に付着している液を綿球
で除去し、水洗する。 6)この上に歯科用接着材を塗布し、硬化させる。 A液、B液の塗布の順序は、逆でも差し支えない。
【0014】・根管の根尖孔を封鎖する処置材としての
使用方法 1)根管をリーマー、ファイル等で根管拡大した後、根
管内を充分に洗浄する。 2)洗浄後、歯科用シリンジを用いてA液で再度根管内
を洗浄する。 3)B液を同様にシリンジを用いて根管の根尖孔付近ま
で近付け、根管内に液を押し出す。 A液、B液の塗布の順序は、逆でも差し支えない。
【0015】
【作用】混合することにより速やかにフルオロアパタイ
トを生ずることが可能な物質を含むA、B2液を順次患
部上に塗布することにより、生体親和性が高く口腔内環
境下で殆んど溶解しないフルオロアパタイトを生成さ
せ、細長い管内を封鎖できるようにしたものである。本
発明に於いてA液は、水溶性のリン酸塩を1〜30重量%
とフッ化物を0.01〜5重量%含み、B液は水溶性のカル
シウム塩を1〜30重量%含む水溶液である。A液、B液
はどちらか一方または両方が、界面活性剤を含有するこ
とも可能である。本発明に係る歯面処置用組成物を知覚
過敏症処置材として使用する場合、患部を清掃し乾燥を
行い、A液を歯科用プレート上に1〜2滴採り、これを
綿球につけ患部に塗布する。次ぎにB液を別の歯科用プ
レート上に1〜2滴採り、これをA液に用いたのとは別
の綿球につけ、先きに塗布したA液上に塗布する。A
液、B液の塗布の順序は逆でも差支えない。
【0016】また本発明に係る歯面処置用組成物を歯髄
刺激処置材(被覆処置用プライマー)として使用する場
合、象牙質部分に窩洞洗浄材、商品名『ジーシーデンチ
ンコンディショナー』((株)ジーシー製)を塗布してス
メアー層を除去した後、患部を清掃し乾燥を行い、以下
知覚過敏症処置材として使用する場合と同様に操作す
る。その後この上に歯科用接着材を塗布し硬化させる。
A液、B液の塗布の順序は逆でも差し支えない。また本
発明に係る歯面処置用組成物を根管の根尖孔を封鎖する
処置材として使用する場合、根管をリーマー、ファイル
等で根管拡大し、根管内を充分洗浄した後、A液で歯科
用シリンジを用いて再度根管内を洗浄する。次ぎにB液
を同様にシリンジを用いて根管の根尖付近にまで近付け
液を押し出す。A液、B液の塗布の順序は逆でも差し支
えない。
【0017】
【実施例】次ぎに実施例を挙げて本発明の歯面処置用組
成物に就いて説明するが、本発明はこの実施例の範囲の
みに限定されるものではない。以下、特に断り書きのな
い場合は濃度の単位は重量%とする。
【0018】実施例1 5%リン酸二ナトリウム水溶液を5%リン酸一ナトリウ
ム水溶液でpH7.4に調整し、フッ化ナトリウムを0.5%
添加した液をA1液とした。また10%塩化カルシウム水
溶液を、B1液とした。このA1液とB1液とを等容量
混合、撹拌し、生成した沈澱物を回収後、乾燥してX線
回析分析を行った処、フルオロアパタイトであることが
確認された。更に知覚過敏を訴える患者の患部を清掃し
乾燥を行い、A1液を歯科用プレート上に1〜2滴採
り、これを綿球につけて患部に塗布し、次ぎにB1液を
別の歯科用プレート上に1〜2滴採り、これをA1液に
用いたものとは別の綿球につけ、先きに塗布したA1液
上に塗布した処、患者の疼痛は直ぐに消失し、また歯面
上では塗布したものが全く目立たなかった。更にその効
果は約18ヵ月間継続した。
【0019】実施例2〜55 A液及びB液を以下の表1の如くした以外は実施例1と
全く同様に行った結果、表2の各々の組み合わせに於け
る沈澱物は総べてフルオロアパタイトで、歯面上で全く
目立たなかった。また表2にあるような効果を得た。
【0020】(A1液)5%リン酸二ナトリウム水溶液
を5%リン酸一ナトリウム水溶液でpH7.4に調整し、
フッ化ナトリウムを0.5%添加 (A2液)10%リン酸二カリウム水溶液を10%リン酸一
カリウム水溶液でpH7.4に調整し、フッ化カリウムを
1.2%添加 (A3液)15%リン酸二リチウム水溶液にフッ化ナトリ
ウム1.5%添加 (A4液)10%リン酸二ナトリウム水溶液を10%リン酸
一ナトリウム水溶液でpH7.4に調整し、1.2%フッ化ナ
トリウムと0.01%ソルビタンモノラウレートを添加 (A5液)2.5%リン酸二ナトリウム水溶液を2.5%リン
酸一ナトリウム水溶液でpH7.2に調整し、フッ化カリ
ウムを0.2%添加 (A6液)5%リン酸二ナトリウム水溶液にフッ化ナト
リウム0.3%添加 (A7液)10%リン酸三ナトリウム水溶液を10%リン酸
一ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、フッ化ナトリ
ウムを1%添加 (A8液)5%リン酸二ナトリウム水溶液と1%リン酸
三ナトリウム水溶液の混合液を5%リン酸一ナトリウム
水溶液でpH7.2に調整し、フッ化ナトリウム1%添加 (A9液)2.5%リン酸二ナトリウム水溶液を5%リン
酸一カリウム水溶液でpH7.4に調整し、フッ化ナトリ
ウムを0.2%添加 (A10液)10%リン酸二カリウム水溶液を10%リン酸一
ナトリウム水溶液でpH7.4に調整し、フッ化カリウム
を1.2%添加 (A11液)10%リン酸二ナトリウム水溶液を10%リン酸
一ナトリウム水溶液でpH7.4に調整し、1.2%フッ化ナ
トリウムと0.02%ラウリル硫酸ナトリウムを添加
【0021】(B1液)10%塩化カルシウム水溶液 (B2液)5%塩化カルシウム水溶液と0.01%ソルビタ
ンモノラウレートの混合溶液 (B3液)20%塩化カルシウム水溶液 (B4液)10%塩化カルシウム水溶液を5%塩酸溶液で
pH7.4に調整 (B5液)7.5%塩化カルシウムと2.5%酢酸カルシウム
の混合溶液
【0022】
【表1】
【0023】
【0024】実施例56 歯科用充填材を充填するため、患者の上顎第二小臼歯に
I級窩洞の形成を行い、スメアー層を除去するために窩
洞洗浄材、商品名『ジーシーデンチンコンディショナ
ー』((株)ジーシー製)を塗布し、水洗、乾燥を行った
後、A1液を歯科用プレート上に1〜2滴採り、これを
綿球につけて窩洞に塗布した。次いでB1液を別の歯科
用プレート上に1〜2滴採り、これをA1液に用いたも
のとは別の綿球につけ、先きに塗布したA1液上に塗布
し約30秒間放置した。その後、窩洞に歯科用シリンジを
用いてエアーを吹き付けて乾燥させ、その上に市販の光
硬化性組成物、商品名『フォトボンド』((株)クラレ
製)を塗布し、歯科用可視光線照射装置により1分間照
射し硬化させた。その後、市販の光重合型充填材、商品
名『フォトクリアフィル』((株)クラレ製)を窩洞に充
填し、歯科用可視光線照射装値により30秒間照射し硬化
させた。患者の疼痛は殆んど無く、5ヵ月経過後の状態
も良好であった。
【0025】実施例57 歯周病根分岐部病変を有する患者の病変部をルートプレ
ーニングした処、疼痛を訴えたため、患部を清掃し乾燥
を行い、A4液を歯科用プレート上に1〜2滴採り、こ
れを綿球につけて患部に塗布した。次いでB2液を別の
歯科用プレート上に1〜2滴採り、これをA4液に用い
たのとは別の綿球につけ、先に塗布したA4液上に塗布
した処、患者の疼痛は直ぐに消失し、また、歯面上では
塗布したものが全く目立たなかった。更にその効果が約
9ヵ月継続した。
【0026】実施例58 ダイヤモンドポイントで支台歯形成後疼痛を訴える患者
の患部を清掃後乾燥し、A6液を歯科用プレート上に1
〜2滴採り、これを綿球につけて患部に塗布した。次い
でB3液を別の歯科用プレート上に1〜2滴採り、これ
をA6液に用いたのとは別の綿球につけ、先に塗布した
A6液上の塗布した処、患者の疼痛は直ぐに消失し、効
果が約12ヵ月継続した。
【0027】実施例59 10%リン酸二ナトリウム水溶液を5%リン酸一ナトリウ
ム水溶液でpH7.4に調整し、フッ化ナトリウムを1%
添加した液をA54液とする。このA54液とB5液とを等
容量混合、撹拌し、生成した沈澱物を回収後、乾燥して
X線回析分析を行った処、フルオロアパタイトであるこ
とを確認された。次に根管治療が必要な臼歯をリーマ
ー、ファイルで根管拡大し、根管内を充分洗浄した後、
A54液で歯科用シリンジを用いて、再度根管内を洗浄す
る。次にB5液を同様にシリンジを用いて根管の根尖孔
付近にまで近付けて根管内に液を押し出し、沈殿を生成
させた。ペーパーポイントを用いて余分の液を取り除
き、レントゲンで根尖孔が封鎖されていることを確認
後、ガッタパーチャポイントを根管内に充填した。9ヵ
月後再度レントゲンで確認した処、歯根部及び歯周組織
に異常は認められなかった。
【0028】比較例1 知覚過敏を訴える患者に、フッ化ジアンミン銀溶液を含
んだ市販のフッ化ジアンミン銀製剤、商品名『サホライ
ド』((株)ビーブランド・メディコーデンタル製)を塗
布した処、患者の疼痛は消失しなかった。また歯の色が
黒色に変色した。
【0029】比較例2 知覚過敏を訴える患者に市販のソフトレーザー、商品名
『ストマレーザー』(セダテレック(株)製)を30秒間照
射した処、上顎は疼痛が消失したが下顎は疼痛が鎮静し
なかった。
【0030】比較例3 歯科用充填物を充填するため患者の上顎第一大臼歯にII
級窩洞の形成を行い、市販の光硬化性組成物、商品名
『フォトボンド』((株)クラレ製)を塗布し、歯科用可
視光線照射装置により1分間照射し硬化させた。その
後、市販の光重合型充填材、商品名『フォトクリアフィ
ル』((株)クラレ製)を窩洞に充填し、歯科用可視光線
照射装置により30秒間照射し硬化させた。充填直後から
患者は疼痛を訴え、1週間その疼痛が継続し、10日目で
更に悪化したため抜髄処置を行った。
【0031】比較例4 根管治療が必要な臼歯をリーマー、ファイルで根管拡大
し、根管内を充分洗浄した後、ペーパーポイントを用い
て余分な水分を取り除き、ガッタパーチャポイントを根
管内に充填した。充填後レントゲン装置で確認した処、
根尖孔から約1mm突き抜けていた。翌日炎症が酷くなり
痛みが激しくなったため、再度根管処置をやり直した。
【0032】比較例5 5%リン酸二ナトリウム水溶液を5%リン酸一ナトリウ
ム水溶液でpH7.4に調整した液を、A5′液とした。
また、10%塩化カルシウム水溶液をB5′液とする。こ
のA5′液とB5′液とを等容量混合、撹拌し、生成し
た沈澱物を回収後、乾燥してX線回析分析を行った処、
生成物はフルオロアパタイトではなかった。知覚過敏を
訴える患者の患部を清掃し乾燥を行い、A5′液を歯科
用プレート上に1〜2滴採り、これを綿球につけて患部
に塗布し、次にB5′液を別の歯科用プレート上に1〜
2滴採り、これをA5′液に用いたものとは別の綿球に
つけ、先に塗布したA5′液上に塗布した処、患者の疼
痛は直ぐに消失した者としない者がおり、疼痛が消失し
なかった者では、A5′液とB5′液の混合により生成
した沈澱物が象牙細管より大きく、綿球で充分擦って砕
かなければ象牙細管を封鎖できないためと考えられ、A
5′液とB5′液を交互に強く塗布する操作を3回繰り
返さなければならなかった。その効果は患者の10%が約
1年、20%が6ヵ月、残り70%が約3ヵ月間しか継続し
なかった。
【0033】
【発明の効果】以上実施例などによって詳述した如く、
本発明に係る歯面処置用組成物を知覚過敏症処置材とし
て使用する場合、A、B2液のpHを調整したもの、若
しくは調整しないもの、またはA、B2液が界面活性剤
を含有するもの、しないものを、順次患部に塗布するこ
とにより両者を反応させてフルオロアパタイトを生成さ
せ、細長い管内を封鎖することができる。これにより動
水力学説でいう処の細管内の内圧の変動を抑制すること
が可能となり、歯髄への刺激を遮蔽することができる。
また、従来の知覚過敏症の処置材の問題とされている以
下の8項目を全て満足することができるようになった。
【0034】歯髄、歯肉に対して刺激性が無く、且つ
誘発痛を軽減または消失させる。 歯質を損傷しない。 歯質を変色させない。 簡単な操作で効果を上げることができる。 治療効果が速く実現する。 効果が持続する。 治療中および治療後に痛みが無い。 特別な設備または装置を必要としない。
【0035】特に本出願人の先願である特願平2−32
2420号の歯科用処置材と比べて、歯の構成成分とほ
ぼ同様で生体により安全で刺激が無く、且つ耐酸性が強
くて封鎖効果の持続が長いフルオロアパタイトを生成さ
せ、更にA、B2液が細管に浸透し易く細管の奥で反応
するため、象牙細管を充分に封鎖することができる。ま
た、本発明に係る歯面処置用組成物を歯髄刺激処置材
(被覆処置用プライマー)として使用する場合、ベース
として使われている市販用の歯科用セメントまたは歯科
用ライニング材を充填しなくても、その上に歯科充填用
レジンを安全に充填でき、上記の8項目に加えて「レジ
ンの重合を阻害しない」という従来の歯髄刺激の処置材
の問題とされている9項目を全て満足することができる
ようになった。
【0036】また、スケーリングやルートプレーニング
後の処置にも利用できる。更に、知覚過敏症による疼痛
なのか歯髄炎による疼痛なのかを判断する診断材として
も、利用できる。また、本発明に係る歯面処置用組成物
を根管の根尖孔を封鎖する処置材として使用する場合、
従来の問題点であるガッタパーチャポイントで根尖孔を
突き抜けるということがなくなった。特に特願平2−3
22420号の歯科用処置材と比べて、歯の構成成分と
ほぼ同様で生体により安全で刺激が無く、且つ耐酸性が
強くて封鎖効果の持続が長いフルオロアパタイトで、根
尖孔を充填することができるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 33/16 8314−4C 33/24 8314−4C 33/26 8314−4C 33/32 8314−4C 33/42 8314−4C //(A61K 33/42 33:16 33:14)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合することにより速やかにフルオロア
    パタイトを生ずることが可能な物質を含むA、B2液を
    順次塗布することにより、歯面上にフルオロアパタイト
    を生成させることを特徴とする歯面処置用組成物。
  2. 【請求項2】 A液が水溶性のリン酸塩を1〜30重量%
    と水溶性のフッ化物を0.01〜5重量%含有し、B液が水
    溶性のカルシウム塩を1〜30重量%含有することを特徴
    とする請求項1に記載の歯面処置用組成物。
  3. 【請求項3】 リン酸塩がリン酸ナトリウム、リン酸カ
    リウム、リン酸リチウムの中の1種またはそれ等の混合
    物より成る物質から選ばれたものであることを特徴とす
    る請求項2に記載の歯面処置用組成物。
  4. 【請求項4】 フッ化物がフッ化亜鉛、フッ化アルミニ
    ウム、フッ化アンチモン、フッ化オスミウム、フッ化カ
    リウム、フッ化銀、フッ化ゲルマニウム、フッ化スズ、
    フッ化タリウム、フッ化鉄、フッ化ナトリウム、フッ化
    マンガンの中の1種またはそれ等の混合物より成る物質
    から選ばれたものであることを特徴とする請求項2に記
    載の歯面処置用組成物。
  5. 【請求項5】 カルシウム塩が塩化カルシウム、硝酸カ
    ルシウム、酢酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カ
    ルシウムの中の1種またはそれ等の混合物より成る物質
    から選ばれたものであることを特徴とする請求項2に記
    載の歯面処置用組成物。
  6. 【請求項6】 A液が、リン酸ナトリウムおよび/また
    はリン酸カリウム1〜10重量%と、フッ化ナトリウムお
    よび/またはフッ化カリウムを0.1〜1.5重量%とを含
    み、B液が塩化カルシウムを2〜20重量%含んでいるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の歯面処置用組成物。
  7. 【請求項7】 A液および/またはB液に為害作用を有
    しない界面活性剤を0.0005〜1重量%含有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の歯面処置用組
    成物。
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