JP5745508B2 - Dopo由来難燃性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

Dopo由来難燃性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物において有用な、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド由来添加難燃剤に関する。エポキシ樹脂組成物は、プリント配線板および複合材料用のプリプレグまたは積層板の製造に使用され得る。
エポキシ樹脂は、接着性、耐熱性、および成形性などの望ましい特性を有するので、電子部品、電気装置、自動車部品、およびスポーツ用品などの広い範囲の用途に使用されている。難燃剤、特に臭素化エポキシ樹脂化合物は、電子部品および電気装置に使用される銅張積層板およびシーラントに使用されている。しかしながら、ハロゲン含有化合物は、環境およびヒトへの安全性の懸念をもたらすため、より環境に優しい難燃剤が望ましい。
より環境に優しいことが認められている難燃剤の種類としては、有機リン難燃剤が挙げられる。エポキシ樹脂および積層板の分野では、エポキシと反応してリン修飾エポキシ樹脂を形成するので、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(DOPO)から得られるものなどの、反応基を有する有機リン難燃剤が、エポキシ樹脂配合物に典型的に使用されている。リン修飾エポキシ樹脂を製造するための技術、ならびにプリプレグ、積層板、および銅張積層板の形成における使用を含むその使用は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第5,036,135号、同第5,364,893号、同第5,376,453号、同第5,587,243号、同第5,759,690号、同第5,817,736号、同第6,291,626B1号、同第6,291,627B1号、同第6,296,940B1号、同第6,353,080B1号、同第6,403,220B1号、同第6,403,690B1号、同第6,486,242B1号、および2001年6月14日に英語で公開された国際公開第01/42359A1号を参照されたい。
しかしながら、高いガラス転移温度および寸法安定性を提供するためにはエポキシ樹脂と反応性有機リン難燃剤との間の共有結合が必要であると考えられているので、反応基を有さない、「添加」有機リン難燃剤は、典型的にはエポキシ配合物に使用されない。本発明は、DOPOから得られる添加難燃剤の使用およびエポキシ樹脂配合物におけるその使用に関する。
本発明は、
(i)エポキシ化合物;
(ii)以下の構造:
Figure 0005745508
(式中、Aは直接結合、C〜C12アリール、C〜C12シクロアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルであり、前記シクロアルキルまたはシクロアルケニルは、任意でC〜Cアルキルにより置換されていてもよく;R、R、R、およびRの各々は、独立に水素、C〜C15アルキル、C〜C12アリール、C〜C15アラルキル、またはC〜C15アルカリールであり;あるいはRおよびRまたはRおよびRは一緒になって飽和または不飽和環を形成してもよく、前記飽和または不飽和環は、任意でC〜Cアルキルにより置換されていてもよく;mの各々は独立に1、2、3、または4であり;RおよびRの各々は、独立に水素またはC〜Cアルキルであり;nの各々は、独立に0、1、2、3、4、または5であり;Aがアリールまたは直接結合である場合には、nは0であり得ない)
を有する化合物、
を含む難燃性エポキシ組成物に関する。
本発明は、
(i)エポキシ化合物;
(ii)以下の構造:
Figure 0005745508
(式中、Aは直接結合、C〜C12アリール、C〜C12シクロアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルであり、前記シクロアルキルまたはシクロアルケニルは、任意でC〜Cアルキルにより置換されていてもよく;R、R、R、およびRの各々は、独立に水素、C〜C15アルキル、C〜C12アリール、C〜C15アラ
ルキル、またはC〜C15アルカリールであり;あるいはRおよびRまたはRおよびRは一緒になって飽和または不飽和環を形成してもよく、前記飽和または不飽和環は、任意でC〜Cアルキルにより置換されていてもよく;mの各々は独立に1、2、3、または4であり;RおよびRの各々は、独立に水素またはC〜Cアルキルであり;nの各々は、独立に0、1、2、3、4、または5であり;Aがアリールまたは直接結合である場合には、nは0であり得ない)
を有する化合物、
を含む難燃性エポキシ組成物に関する。
一態様では、両下付き添字nは1または2であり、Aは直接結合である。別の態様では、両下付き添字nは1であり、AはC〜C12アリールである。別の態様では、R、R、R、およびRは、独立に水素またはC〜Cアルキルである。別の態様では、RおよびRは、それぞれ独立に水素またはメチルである。
本発明で使用され得る式Iによって表される特定の化合物は、6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド;6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−ブタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド;または6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(p−キシレンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドである。
本明細書で使用するとき、「アルキル」という用語は、特に指示しない限り、直鎖または分岐鎖部分を有する飽和一価炭化水素基を含む。アルキル基の例としては、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「アリール」という用語は、特に指示しない限り、フェニル、ナフチル、インデニル、およびフルオレニルなどの、1個の水素の除去により芳香族炭化水素から得られる有機基を含む。「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族である縮合環基を含む。
本明細書で使用するとき、「アラルキル」という用語は、「アリール−アルキル−」基を示す。アラルキル基の非限定的例は、ベンジル(CCH−)およびメチルベンジル(CHCH−)である。
本明細書で使用するとき、「アルカリール」という用語は、「アルキル−アリール−」基を示す。アルカリールの非限定的例は、メチルフェニル−、ジメチルフェニル−、エチルフェニル−、プロピルフェニル−、イソプロピルフェニル−、ブチルフェニル−、イソブチルフェニル−、およびt−ブチルフェニル−である。
本明細書で使用するとき、「アルケニル」という用語は、特に指示しない限り、アルキルが上で定義されたものである、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分を含む。アルケニルの例としては、限定はされないが、エテニルおよびプロペニルが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「シクロアルキル」という用語は、特に指示しない限り、アルキルが上で定義されたものである、非芳香族飽和環状アルキル部分を含む。シクロアルキルの例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「シクロアルケニル」という用語は、特に指示しない限り、アルケニルが上で定義されたものである、非芳香族環状アルケニル部分を含む。シクロアルケニルの例としては、限定はされないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニルが挙げられる。
特に指示しない限り、炭化水素から得られる全ての前記基は、約1〜約20個の炭素原子(例えば、C〜C20アルキル、C〜C20アリール、C〜C20アルカリール、C〜C20アラルキル)または1〜約12個の炭素原子(例えば、C〜C12アルキル、C〜C12アリール、C〜C12アルカリール、C〜C12アラルキル)、または1〜約8個の炭素原子、または1〜約6個の炭素原子までを有し得る。
当該技術分野で有用な任意の適当なエポキシ樹脂を、エポキシ化合物として本発明に使用してもよい。本発明における使用に適した代表的なエポキシ樹脂は、Clayton A.Mayにより編集されたEpoxy Resins Chemistry and Technology、第2版(Marcel Dekker,Inc.New York、1988)、B.Ellisにより編集されたChemistry and Technology of Epoxy Resins(Blackie Academic
& Professional、Glasgow、1993)、H.E.LeeおよびK.Nevilleにより編集されたHandbook of Epoxy Resins(McGraw Hill、New York、1967)に示されている。
1分子当たり、1個を超え、好ましくは少なくとも1.8個、より好ましくは少なくとも2個のエポキシ基の平均官能度を有するエポキシ樹脂を使用することが一般的に有利である。より好ましい場合には、エポキシ樹脂は、1分子当たり少なくとも2.5個のエポキシ基を有するノボラックエポキシ樹脂である。本発明の別の態様では、エポキシ樹脂は、1.2個を超えるエポキシ基を有する、任意の飽和または不飽和の脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式化合物であり得る。複素環式エポキシ化合物の例としては、ジグリシジルヒダントインまたはイソシアヌル酸トリグリシジル(TGIC)が挙げられる。
適当なエポキシ樹脂は、限定はされないが、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラキスフェニロールエタン、ポリベンゾオキサジン、レソルシノール、4,4’−ビフェニル、ジヒドロキシナフチレンなどのビスフェノールおよびポリフェノールに基づくエポキシ樹脂、ならびにフェノール:ホルムアルデヒドノボラック、クレゾール:ホルムアルデヒドノボラック、ビスフェノールAノボラック、ビフェニル−、トルエン−、キシレン−、またはメシチレン−修飾フェノール:ホルムアルデヒドノボラック、アミノトリアジンノボラック樹脂などのノボラックから得られるエポキシ樹脂、ならびにp−アミノフェノールおよびシアヌル酸から得られる複素環式エポキシ樹脂がある。さらに、例えば、1,4−ブタンジオール、グリセロール、およびジシクロペンタジエン骨格から得られる脂肪族エポキシ樹脂が適当である。他の多くの適当なエポキシ樹脂系が入手可能であり、また当業者により適当であると認識されるであろう。
エポキシノボラック樹脂(エポキシクレゾールノボラック樹脂を含む)は、例えば、商標名D.E.N(商標)、QUATREX.(商標)(Dow Chemical Companyの商標)、Tactix(商標)742(Cibaの商標)、およびEpon(商標)(Resolution Performane Productsの商標)で、容易に商業的に入手可能である。商業材料は、一般に、種々のグリシドキシフェニル、およびメチル−、エチル−、プロピル−グリシドキシフェニル基の混合物を含む。
一般に、難燃性エポキシ組成物中の式Iによって表される化合物の量は、エポキシ化合
物の100重量部当たり、約0.1〜約100重量部、または約1〜70重量部である。
あるいは、難燃性エポキシ組成物中の式Iによって表されるリン化合物の量は、組成物が、組成物の総重量基準で、約0.5重量%〜約10重量%、または約1.2重量%〜約7重量%、または約1.5重量%〜約5重量%のリン含量を含むように選択される。
リン含有難燃性エポキシ組成物は、一般に、約100g/当量〜約1000g/当量、または約100g/当量〜約800g/当量、または約150g/当量〜約500g/当量のエポキシ当量を有する。
本発明はまた、硬化剤または重合開始剤と反応する上記難燃性エポキシ樹脂組成物を含む硬化難燃性エポキシ樹脂に関する。
上記硬化剤または重合開始剤は、難燃性エポキシ組成物中のエポキシ樹脂の重合を促進する限りは、特定の硬化剤または重合開始剤に限定されない。
重合開始剤の例としては、メタンスルホン酸、塩化アルミニウム、塩化スズ、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体などのカチオン性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、アゾビス−イソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤;およびメトキシカリウム、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノフェノールなどのアニオン性重合開始剤、ならびにこれらの混合物がある。
上記エポキシ硬化剤には、当業者に既知の任意の剤が含まれる。例としては、限定はされないが、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアンジアミド、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック、ビスフェノールAノボラック、ビフェニル−、トルエン−、キシレン−、もしくはメシチレン−修飾フェノール/ホルムアルデヒドノボラック、アミノトリアジンノボラック、クレゾール/ホルムアルデヒド/アミノトリアジンノボラック、フェノール/ホルムアルデヒド/アミノトリアジンノボラック、またはこれらの混合物が挙げられる。
使用され得る硬化剤の量は、難燃性エポキシ樹脂組成物中の未反応エポキシ基のモル当量に対する硬化剤中の硬化官能基のモル当量に基づく。したがって、硬化剤量は、リン含有エポキシ樹脂中の未反応エポキシ基の当量基準で、約0.1当量〜約10当量、または約0.3当量〜約5当量、または約0.7当量〜約2当量であり得る。
重合開始剤は、難燃性エポキシ樹脂組成物の総重量基準で、約0.01重量%〜約10重量%、または約0.05重量%〜約5重量%、または約0.1重量%〜約2重量%にわたる濃度で添加され得る。
硬化温度は、一般的に約25℃〜約250℃、または約70℃〜約240℃、または約150℃〜約220℃で実施され得る。
さらに、難燃性エポキシ組成物の硬化を促進するために、エポキシ硬化剤促進剤を使用してもよい。これらのエポキシ硬化剤促進剤は、通常、イミダゾールに基づくものである
。このようなエポキシ硬化剤促進剤の例としては、限定はされないが、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジニル−2−エチル)−2−フェニルイミダゾール、またはこれらの混合物が挙げられる。
フェノールノボラックを硬化剤として使用する場合、エポキシ硬化剤促進剤は、使用する硬化剤の重量基準で、約0.0001重量%〜約5重量%、または約0.01重量%〜約3重量%、または約0.1重量%〜約2重量%、または約0.15重量%〜約1重量%にわたる濃度で添加され得る。DICY、ジシアンジアミドなどの異なる硬化剤と共に、より高濃度の促進剤を使用してもよく、この場合、促進剤濃度は、硬化剤の重量基準で、より典型的には5〜25重量%の範囲にある。
本発明の上記硬化難燃性エポキシ樹脂および/または難燃性エポキシ組成物はまた、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、保存剤、接着促進剤、充填剤、顔料、染料、潤滑剤、離型剤、発泡剤、殺真菌剤、可塑剤、加工助剤、掃酸剤、染料、顔料、核化剤、湿潤剤、分散剤、共力剤、鉱物充填剤、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維もしくは金属繊維などの補強剤;チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウムもしくはケイ酸カルシウムなどのウィスカー;無機充填剤、および他の難燃性添加剤、および防煙剤、ならびにこれらの混合物を含んでもよい。
式Iによって表される化合物と共に使用され得る他の難燃性添加剤には、限定はされないが、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどの窒素含有共力剤、酸化アンチモン、シリカ、水酸化アルミニウム(ATH)などのアルミナ水和物、ベーマイト、酸化ビスマス、酸化モリブデン、あるいはこれらの化合物と亜鉛、アルミニウム、および/またはマグネシウム酸化物または塩との混合物が含まれる。
物理特性に影響を及ぼし、コストを減少させるために、本発明において無機充填剤を使用してもよい。典型的には、充填剤および補強剤には、融解シリカ粉末;結晶シリカ粉末;アルミナ;窒化ケイ素;窒化アルミニウム;窒化ホウ素;マグネシア;酸化チタン;炭酸カルシウム;炭酸マグネシウム;ケイ酸カルシウム;ガラス繊維;アスベスト、タルク、カオリン、ベントナイト、ウォラスナイト、ガラス繊維、ガラス布、ガラスマット、ミルドガラス繊維、ガラスビーズ(固体または中空)、炭化ケイ素ウィスカー、およびこれらの混合物が含まれる。これらの材料の多くは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Encyclopedia of Materials Science and Engineering、第3巻、1745〜1759ページ、MTT Press、Cambridge Mass.(1986)に列挙されている。いくつかの実施形態では、充填剤の組み合わせが好ましい;一方で、他の実施形態では、プリント配線板用のプリプレグまたは積層板にガラス布を使用する場合、補強剤が本発明の複合体の多くを構成する。
好ましくは、式Iによって表される化合物は、ポリマーと混ぜ合わせる前に粉砕または製粉される。粉砕または製粉後の粒径d50は、約15μm未満、または10μ未満、または約5μm未満、または約3μm未満、または約2μm未満であり得る。粒径d50は、約100nm〜800nmなど、1μm未満でさえあり得る。粒径d50は、中央粒径であり、ここでは半数の粒子が値より上であり、半数の粒子が値より下である。ジェットミリングなどの任意の適当な製粉または粉砕技術が使用され得る。
化合物がポリマーとより均一にブレンドされるように、好ましくは、粒径d50が約2
μmを超える場合に、式Iによって表される化合物が、単峰性(monomodal)粒径分布を有することも好ましい。
中央粒径を決定するために、その低容量モジュールと共にCoulter LS−230カウンターまたは同等物を使用する。製造者の操作説明書に従う。あるいは、Horibaレーザー光散乱装置(例えば、Horiba LA900 Model 7991)または同等物を使用することができる。この手順は、使用前に脱イオン水で洗浄した清潔な乾燥アルミニウムカップの中に、典型的には約0.01g〜約0.015gの範囲の量の試料を秤量することを含む。装置のオートサンプラーは、0.4mLの1%Triton X−100界面活性剤および超音波処理を使用して、水中に試料0.05gを分散させる。この懸濁液を、セルを測定することを通して循環させるが、ここでは粉末粒子がレーザー光のビームを散乱させる。装置の検出器は、散乱した光の強度を測定する。装置内のコンピューターが、このような測定値から中間粒径、平均粒径、および粒径分布を計算する。
本発明の上記硬化難燃性エポキシ樹脂および/または難燃性エポキシ組成物を使用してプリプレグおよび/または積層板を形成することができる。プリント配線板用のプリプレグおよび積層板を形成するための典型的な手順は、以下のような操作を伴う:
A)本発明の難燃性エポキシ組成物を含有するものなどのエポキシ含有配合物を、溶媒、および硬化剤または重合剤、および任意で上記の他の従来の添加剤と配合する。配合物を、圧延、液浸、噴霧、他の既知の技術、および/またはこれらの組み合わせにより、基板に塗布または含浸させる。基板は、線維、毛被、布地、または織物材料、例えば、典型的には例えばガラス繊維または紙を含む、織りまたは非織り線維マットの形状の無機または有機補強剤である。
B)含浸した基板を、エポキシ配合物中の溶媒を取り除き、任意で、エポキシ配合物を部分的に硬化させるのに十分な温度で加熱することにより「B−ステージ化」し、室温まで冷却した含浸した基板が半硬化乾燥し、容易に処理することができるようにする。「B−ステージ化」ステップは、通常、90℃〜240℃の温度で、1分〜15分間実施する。Bステージ化から得られる含浸した基板は、「プリプレグ」と呼ばれる。温度は、最も一般的には、複合材料については100℃で、電気用積層板については130℃〜200℃である。
C)プリプレグの1つ以上のシートは、電気用積層板が望まれる場合には、銅はくなどの導電材料の1つ以上のシートを有する代替層に積み重ねるまたは積層する。
D)積層したシートを、樹脂を硬化させ、積層板を形成するのに十分な時間、高温高圧でプレスする。この積層ステップの温度は、通常、100℃〜240℃、最も一般的には165℃〜200℃である。積層ステップはまた、100℃〜150℃で第1段階、165℃〜200℃で第2段階など、2以上の段階で実施してもよい。圧力は、通常50N/cm〜500N/cmである。積層ステップは、通常、1分〜200分間、最も一般的には45分〜120分間実施する。積層ステップは、任意で、より高温でより短時間(連続積層工程中など)、またはより長時間でより低温(低エネルギープレス工程など)で実施してもよい。
E)任意で、得られた積層板、例えば、銅張積層板を、高温周囲圧力で一定時間加熱することにより後処理してもよい。後処理の温度は、通常、120℃〜250℃である。後処理は、通常、30分〜12時間である。
F)通常、導電性プリント回路を銅張積層板につける。典型的には、上記ステップA中のエポキシ樹脂用の溶媒は、2−ブタノンまたはメチルエチルケトン(MEK)などのケトンである。しかしながら、これらの配合物を形成するために、他の任意の適当な種類の従来使用している溶媒を使用することができる。このような他の溶媒の例としては、限定はされないが、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−メトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル酢酸塩、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびこれらの混合物が挙げられる。
反応手順
本発明はまた、以下の構造:
Figure 0005745508
(式中、Aは直接結合、C〜C12アリール、C〜C12シクロアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルであり、前記シクロアルキルまたはシクロアルケニルは、任意でC〜Cアルキルにより置換されていてもよく;R、R、R、およびRの各々は、独立に水素、C〜C15アルキル、C〜C12アリール、C〜C15アラルキル、またはC〜C15アルカリールであり;あるいはRおよびRまたはRおよびRは一緒になって飽和または不飽和環を形成してもよく、前記飽和または不飽和環は、任意でC〜Cアルキルにより置換されていてもよく;mの各々は独立に1、2、3、または4であり;RおよびRの各々は、独立に水素またはC〜Cアルキルであり;nの各々は、独立に0、1、2、3、4、または5であり;Aがアリールまたは直接結合である場合には、nは0であり得ない)
を有する化合物を製造するプロセスであって、
塩基の存在下で、
式A
Figure 0005745508
(式中、R、R、およびmは上で定義されたものである)
によって表される化合物と、式B
Figure 0005745508
(式中、R、R、およびnは上で定義されたものであり、Halはハロゲン(例えば、F、Cl、I、またはBr)であり;Aがアリールまたは直接結合である場合には、nは0であり得ない)
によって表される化合物とを反応させることを含むプロセスに関する。
使用され得る塩基の1つには、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アミド、およびアルカリ金属アルキルアミドなどのアルカリ金属塩基がある。塩基のためのアルカリ金属には、リチウム、ナトリウム、およびカリウムが含まれる。使用され得る塩基の例としては、限定はされないが、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、およびこれらの混合物が挙げられる。カリウムt−ブトキシドおよびナトリウムメトキシドが好ましい。
任意の適当な量の塩基を本発明のプロセスに使用することができる。このような適当な量には、式Aによって表される化合物の量基準で、約0.1〜約10当量、または約0.5〜約5当量が含まれる。
本プロセスは、任意の溶媒を含んでもよい。このような溶媒の例としては、限定はされないが、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテル、メチルシクロヘキサン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、またはこれらの混合物が挙げられる。
本プロセスは、約−10℃〜約75℃にわたる温度で実施され得る。
式Iによって表される上記化合物を製造するために使用される別のプロセスは、2010年3月31日に出願されたProcess for the Preparation
of DOPO−Derived Compoundsという表題の米国特許仮出願第61/319580号中で見出だすことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。そのプロセスにおいて、DOPOは、触媒の存在下、約100℃〜約250℃にわたる温度でエチレングリコールと反応させられる。使用され得る触媒は、脱水および/またはArbuzov反応に適した任意の触媒である。一般的な適した触媒は、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルカリ、アルカリ土類金属ハロゲン化物、遷移金属およびそのハロゲン化物、またはp−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチルなどの酸性触媒である。本プロセスは、任意で溶媒、好ましくは高沸点溶媒、および任意の共沸剤を使用してもよい。
エポキシと混ぜ合わせる際の、式Iによって表される化合物の純度は、約95%、または約98%、または約99%を超えることが好ましい。純度レベルは、NMR分光法を使用することにより測定することができる。NMR分光法の当業者は、式Iによって表される化合物の純度を測定する手順を開発することができる。
式Iによって表される化合物の純度を測定するために使用され得る1つのNMR分光法
手順を以下で論じる。この手順は、観察される不純物と比較した重量パーセント正規化による純度の決定に適している。この手順は、クロロホルムに完全に溶解することができる式Iの試料に適している。あるいは、不溶性物質が存在する場合、試料の純度は、リン酸トリメチルなどの内部標準と比較した1H−NMR分光法または31P−NMR分光法により評価することができる。内部標準を使用する場合、目的の全ての核がさらなるRFパルス前に平衡に戻れるように十分なプレパルス遅延を使用することを確実にする。
試料調製:
約500mgの試料を清潔なガラスバイアルを移すことにより、実験室のベンチトップで試料を調製することができる。試料の重量を記録する必要はない。テトラメチルシラン(TMS)を含有する約1〜2mLのCDCl(>98%D)をバイアルに添加する。蓋をして、試料が完全に溶解するまで試料をボルテックスシェーカーで振とうする。約1mLの上記溶液を清潔な乾燥した5mmNMRチューブに移す。逆ゲート13Cデカップリング実験を使用してH NMRスペクトルを得る。以下のパラメータは、約100ppm濃度以上で存在する不純物の検出に適している。
取得パラメータ:
核:1H;パルスプログラム:zgig30;収集データ点(TD):64k;スペクトル幅(SWH):約7000Hz;プレパルス遅延(D1):最小60秒(全ての観察される核が十分な保持時間を有することを保証するのに十分なプレパルス遅延を使用する);取得(NS):最小4スキャン(ノイズに対して良いシグナルをもたらすのに十分なスキャン数);ロック溶媒:CDCl
プロセス、以下を実行するためのショートカットとしてefpコマンドを使用:em(べき乗窓関数)、ft(フーリエ変換)、およびpk(位相補正)。必要に応じて、スペクトルを手動で位相補正する。TMSピークの化学シフトを0.0ppmに較正する。以下のプロセスパラメータが適している:SI:64k;線拡大(LB):0.2Hz。
各々の積分の勾配およびバイアスに細心の注意を払いながら、H−NMRスペクトル中の以下のピークを積分する:
式Iの化合物[多重線、約8.2〜約7.6ppm、8H、−Ar]、FW=458.4g/モル
DOPO[一重線、約8.6ppm、0.5H、−P]、FW=216.2g/モル
パラ−キシレン溶媒[一重線、約7.1ppm、4H、−Ar]、FW=106.2g/モル
エチレングリコール[一重線、約3.6ppm、4H、 CO]、FW=62.1g/モル
イソプロピルアルコール(IPA)[二重線、約1.2ppm、6H、 C−C]、FW=60.1g/モル

スペクトル解釈および計算:
式Iの化合物のH−NMRスペクトルは、以下のピークからなる:16個の芳香族プロトンを表す約8.0ppm〜約7.2ppmの一連の多重線およびエチレン橋の4個のプロトンを表す約2.4ppmに集中した多重線。
以下の式を使用した、各々の成分の正規化重量%:
成分の重量%=(A1/B1*C1)*100/Σ[(A1/B1*C1)+(A2/B2*C2)+...]
A=成分ピークの面積
B=成分ピークにより表される核の数
C=成分のMW
有機塩基は、特にエポキシに使用すると、難燃剤としてのその使用に有害な影響を及ぼし得るので、式Iによって表される化合物は、実質的にまたは完全に有機塩基を含まないことが好ましい。有機塩基を実質的に含まないとは、その濃度が、約10,000ppm未満、または約1000ppm未満、または約100ppm未満、または約10ppm未満であることを意味する。式Iによって表される化合物を実質的にまたは完全に有機塩基を含まないようにする1つの方法は、化合物を製造する反応にいかなる有機塩基も使用しないことである。もしあれば、有機塩基の量を決定するための1つの方法は、NMR分光法である。
有機塩基とは、塩基として働く有機化合物である。有機塩基は、必ずしもそうではないが、通常、プロトン受容体である。有機塩基は、通常、容易にプロトン化され得る窒素原子を含有する。アミンおよび窒素含有複素環化合物は、典型的には、有機塩基である。例としては、限定はされないが、ピリジン、メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−エチルモルフォリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ヒスチジン、ホスファゼン塩基、およびいくつかの有機カチオンの炭酸塩または水酸化物が挙げられる。
DOPOは、難燃剤としてのその使用に有害な影響を及ぼし得るので、式Iによって表される化合物は、未反応のDOPOを実質的に含まないことが好ましい。DOPOを実質的に含まないとは、その濃度が、約50,000ppm未満、または約20,000ppm未満、または約10,000ppm未満、または約1000ppm未満、または約100ppm未満であることを意味する。DOPOを減少させるための好ましい方法は、濾過の前および/または後に、水、またはアルコール(例えば、イソプロパノール)、アルデヒドもしくはケトン(例えば、アセトン)などの水混和性溶媒で生成物を洗浄することである。DOPO濃度は、NMR分光法を使用することにより測定することができる。
精製後の式Iによって表される化合物中に残っている溶媒の量は、約1000ppm未満、または約100ppm未満、または約50ppm未満であることが好ましい。溶媒の量は、NMR分光法を使用することにより測定することができる。
式Iによって表される化合物中の溶媒の量を減少させるための1つの方法は、真空下または窒素スイープ(nitrogen sweep)により、約100℃〜170℃の温度で約2〜約24時間乾燥させることである。化合物を粉砕または製粉する場合、揮発性物質をさらに減少させるために熱風ジェットミリングなどにより、室温より高い温度で行うことが好ましい。
以下の実施例で本発明を説明する。しかしながら、本明細書に十分に記載し、特許請求の範囲に列挙する本発明が、以下の実施例の詳細により限定されることを意図していないことを理解すべきである。
実施例1
6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド
Figure 0005745508
Figure 0005745508
4首5Lハーフジャケット付き反応器に、付加漏斗、熱電対、機械攪拌器、および窒素流を備えつけた。反応器に、カリウムt−ブトキシド(tBuOK)(230g、2.05モル)および溶媒としての無水DMSO1.5Lを装入した。均一な溶液になるまで、混合物を室温で攪拌した。溶液を10℃に冷却し、DOPO(423g、1.96モル)を9回に分けて添加し、反応温度を30℃未満に保った(1回当たり50〜60g)。125mL付加漏斗中のジクロロエタン(92g、0.93モル)を1時間かけてゆっくり上記溶液に添加した。反応物を1時間かけて50℃に加熱した。反応物を10℃に冷却し、水(3L)を添加した。スラリーを濾過し、湿潤ケークを水、アセトン、および酢酸エチルで洗浄して、粗製湿潤物質532gを得た。粗製物質をMeCN/エタノール/HO(5320mL、v:v:v=1:1:0.5)中で還流し、ゆっくり5℃に冷却した。白色固体を、粗フリット(coarse fritted)漏斗を通して濾過し、真空乾燥器中80℃で8時間乾燥させて、乾燥白色粉末(260g、収率68重量%、純度99.4重量%、融点253〜269℃)を得た。31P−NMR(162MHz、CDCl);δ36.45、36.25ppmおよびH−NMR(400MHz、CDCl):δ7.95(d、J=8Hz、2H、ArH)、7.88(d、J=8Hz、2H、ArH)、7.79〜7.69(m、4H、ArH)、7.48(dd、J=7.2Hz、14.4Hz、2H)、7.37(dd、J=7.2Hz、7.2Hz、2H、ArH)、7.29〜7.24(m、2H、ArH)、7.16(d、J=12Hz、2H、ArH)、2.31(m、4H)ppm。
実施例2
6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−(1,4−ブタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド
Figure 0005745508
Figure 0005745508
4首5Lハーフジャケット付き反応器に、熱電対、機械攪拌器、付加漏斗、および窒素流を備えつけた。反応器に、tBuOK(198g、1.76モル)および無水DMSO1.0Lを装入した。均一な溶液になるまで、混合物を室温で攪拌した。溶液を10℃に冷却し、DOPO(363g、1.68モル)を6回に分けて添加し、反応温度を35℃未満に保った(1回当たり60〜70g)。全DOPOを添加した後、1,4−ジブロモブタン(173g、0.8モル)を、1時間かけてゆっくり上記溶液に滴加した。反応物を1時間かけて30℃に加熱した。反応物を10℃に冷却し、氷上に注いだ。白色固体を濾過し、アセトンおよび酢酸エチルで洗浄して、粗製湿潤物質390gを得た。粗製物質(180g)をEtOAc/エタノール(1600mL、v:v=3:1)中で還流し、ゆっくり0℃に冷却した。白色固体を、粗フリット漏斗を通して濾過し、真空乾燥器中80℃で8時間乾燥させて、乾燥白色粉末(138g、収率81重量%、融点176〜212℃)を得た。31P−NMR(162MHz、CDCl);δ37.89ppm;H−NMR(400MHz、CDCl):δ7.95(dd、J=8.4Hz、1.2Hz、2H、ArH)、7.90(dd、J=8.0Hz、1.2Hz、2H、ArH)、7.81(m、2H、ArH)、7.69(m、2H、ArH)、7.50(m、2H、ArH)、7.36(m、2H、ArH)、7.25(m、2H、ArH)、7.16(m、2H、ArH)、1.95(m、4H)、1.70(m、4H)。
実施例3
(6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−(p−キシレンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド)
Figure 0005745508
Figure 0005745508
4首5Lハーフジャケット付き反応器に、熱電対、機械攪拌器、および窒素流を備えつけた。反応器に、tBuOK(198g、1.76モル)および無水DMSO1.0Lを装入した。均一な溶液になるまで、混合物を室温で攪拌した。溶液を10℃に冷却し、DOPO(363g、1.68モル)を6回に分けて添加し、反応温度を35℃未満に保った(1回当たり60〜70g)。全DOPOを添加した後、α,α’−ジクロロ−p−キシレン(140g、0.8モル)を、5回に分けてゆっくり上記溶液に添加した(1回当たり20〜30g)。反応物を2時間かけて30℃に加熱した。反応物を10℃に冷却し、水(1.5L)を添加した。白色固体が反応器の底に形成したので、溶液を排出させた。ジクロロメタン(2L)およびメタノール(1L)を反応器に添加し、全固体が溶解するまで加熱還流させた(40℃)。ジクロロメタンを蒸留し、白色固体を沈殿させた。スラリーを10℃に冷却し、沈殿を濾過し、メタノールで洗浄して乾燥させた。白色固体を反応器へ戻し、ジクロロメタン(2L)およびメタノール(1L)を添加した。混合物を加熱還流させ、ジクロロメタンを蒸留した。スラリーを10℃に冷却し、沈殿を濾過し、メタノールで洗浄した。湿潤ケークを真空乾燥器中100℃で16時間乾燥させて、乾燥白色粉末(138g、収率32重量%、融点280〜285℃)を得た。31P−NMR(162MHz、CDCl):δ33.76ppm;H−NMR(400MHz、CDCl):δ7.88(dd、J=8Hz、2Hz、2H、ArH)、7.83(dd、J=7.6Hz、1.2Hz、2H、ArH)、7.66〜7.61(m、4H、ArH)、7.41〜7.34(m、4H、ArH)、7.22(m、2H、ArH)、7.14(dd、J=8Hz、1.2Hz、2H、ArH)、3.30(m、4H)。
実施例4
エポキシ積層板(リン含量4%)への6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドの使用
一般に、実験を容易にするため、先進的(advanced)樹脂、硬化剤、および促進剤は全て調製して別々に保管する。15重量%2−ブタノン(MEK)を含有する85重量%フェノールエポキシノボラック樹脂溶液、DEN(登録商標)438−EK85をDow Chemical Companyから得た。Durite SD−1702ノ
ボラック硬化剤をHexion Corporationから得た。50重量%SD−1702を50重量%MEK溶媒に溶解することにより、ノボラック樹脂溶液を調製した。
ポリマーと混ぜ合わせる前に、コーヒー豆粉砕機を使用して13.5重量%のPを含有する実施例1の難燃剤(6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド)を粉砕して化合物の粒径を約6μm(二峰性分布)のd50まで減少させた。4.0重量%のPを含有する難燃性樹脂混合物を、85重量%DEN438溶液6.31g、50重量%SD−1702溶液6.30g、難燃剤3.59g、2−フェニルイミダゾール促進剤0.006g(MEK50mL中2−PhI0.277gを含有する約1.1mLの溶液)をブレンドすることにより調製した。ノボラックと促進剤の比は約525であった。ホットゲルプレートと接触するまで難燃剤は樹脂溶液に不溶性であり、そこで難燃剤は高温で完全に溶解した。樹脂混合物約0.5〜1mLを、約162〜164℃のホットキュアプレート(Thermo−electric company)に添加した。舌圧子を縦半分に分割し、圧子の半分を使用して、硬直が認められるまで樹脂をホットプレート上に動かし、次いで、ひもの形成が止むまで圧子の平坦部で樹脂を持ち上げた。樹脂「ひも」がもはや樹脂混合物から引っぱられず、エポキシが「半硬化乾燥」になる点により決定したゲル化時間は、4分43秒であった。
85重量%DEN438溶液63.14g、50重量%SD−1702溶液63.00g、難燃剤35.92g、および2−フェニルイミダゾール促進剤0.060gを添加することにより、4.0重量%のPを含有するより大きい難燃性樹脂ワニスを8oz広口ガラス瓶中で調製した。追加のMEK30gを樹脂溶液に添加した。6,000rpmで約15分間高せん断ミキサーを使用して樹脂混合物を完全に混合した。
大きなロールから、11インチ×11インチの正方形ガラス繊維織物(BGF Industries製の643フィニッシュの7628ガラス)のサイズに切断し、織物の上端部および下端部で木材支持体(長さ12インチ、幅1インチ、および厚さ1/16インチ)に留めた。木材支持体は、B−ステージの乾燥機中に織物を吊るすために一端に紙挟みを挿入するための孔を含んでいた。A−ステージまたは樹脂ワニスを織物の表裏に塗った。紙挟みを広げて、1つの木材支持体の両方の孔に挿入した。樹脂飽和織物を実験室のドラフト中のアルミニウム支持体から吊るし、吊るす前に3分50秒間予熱(170℃まで)した強制空気Blue M乾燥機(Lab Safety Supply Inc.、General Signalの子会社)で約1分間濡れたまま吊るしておいて乾かした。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートを4枚の5インチ×5インチのシートに切断し、秤量した後、2層のPacothane剥離フィルム(Insulectro Corp.)と2枚の鋼板(厚さ1/8インチ、正方形寸法12インチ×12インチ)との間に4層のプリプレグを積み重ねた。積層板は、5000psigで1時間、ホットプレス中で形成した。得られた積層板は、厚さ0.034インチであり、45重量%の樹脂を含有し、圧締中に13重量%の樹脂流出を受けた。ダイヤモンドソーを使用して積層板から5枚の幅0.5インチの試片を切断し、紙やすりで試片の縁を平らにした。試片の引火性をAtlas UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングしたところ、全5枚の試片の2回の発火についての総燃焼時間が32秒であり、V−0評定であった。
実施例5
エポキシ積層板(リン含量3%)への6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドの使用
一般に、実験を容易にするため、先進的(advanced)樹脂、硬化剤、および促進剤は全て調製して別々に保管する。15重量%2−ブタノン(MEK)を含有する85重量%フェノールエポキシノボラック樹脂溶液、DEN(登録商標)438−EK85をDow Chemical Companyから得た。Durite SD−1702ノボラック硬化剤をHexion Corporationから得た。50重量%SD−1702を50重量%MEK溶媒に溶解することにより、ノボラック樹脂溶液を調製した。
ポリマーと混ぜ合わせる前に、コーヒー豆粉砕機を使用して13.5重量%のPを含有する実施例1の難燃剤(6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド)を粉砕して化合物の粒径を約6μm(二峰性分布)のd50まで減少させた。3.0重量%のPを含有する難燃性樹脂混合物を、85重量%DEN438溶液126.3g、50重量%SD−1702溶液126.0g、難燃剤48.8g、2−フェニルイミダゾール促進剤0.12gをブレンドすることにより調製した。ノボラックと促進剤の比は約525であった。ホットゲルプレートと接触するまで難燃剤は樹脂溶液に不溶性であり、そこで難燃剤は高温で完全に溶解した。樹脂混合物約0.5〜1mLを、約162〜164℃のホットキュアプレート(Thermo−electric company)に添加した。舌圧子を縦半分に分割し、圧子の半分を使用して、硬直が認められるまで樹脂をホットプレート上に動かし、次いで、ひもの形成が止むまで圧子の平坦部で樹脂を持ち上げた。樹脂「ひも」がもはや樹脂混合物から引っぱられず、エポキシが「半硬化乾燥」になる点により決定したゲル化時間は、4分22秒であった。追加のMEK70gを樹脂溶液に添加した。6000rpmで約15分間高せん断ミキサーを使用して樹脂混合物を完全に混合した。
大きなロールから、11インチ×11インチの正方形ガラス繊維織物(BGF Industries製の643フィニッシュの7628ガラス)のサイズに切断し、織物の上端部および下端部で木材支持体(長さ12インチ、幅1インチ、および厚さ1/16インチ)に留めた。木材支持体は、B−ステージの乾燥機中に織物を吊るすために一端に紙挟みを挿入するための孔を含んでいた。A−ステージまたは樹脂ワニスを織物の表裏に塗った。紙挟みを広げて、1つの木材支持体の両方の孔に挿入した。樹脂飽和織物を実験室のドラフト中のアルミニウム支持体から吊るし、吊るす前に3分30秒間予熱(170℃まで)した強制空気Blue M乾燥機(Lab Safety Supply Inc.、General Signalの子会社)で約1分間濡れたまま吊るしておいて乾かした。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートを4枚の5インチ×5インチのシートに切断し、秤量した後、2層のPacothane剥離フィルム(Insulectro Corp.)と2枚の鋼板(厚さ1/8インチ、正方形寸法12インチ×12インチ)との間に4層のプリプレグを積み重ねた。積層板は、5000psigで1時間、ホットプレス中で形成した。得られた積層板は、厚さ0.037インチであり、49重量%の樹脂を含有し、圧締中に3重量%の樹脂流出を受けた。ダイヤモンドソーを使用して積層板から5枚の幅0.5インチの試片を切断し、紙やすりで試片の縁を平らにした。試片の引火性をAtlas
UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングしたところ、全5枚の試片の2回の発火についての総燃焼時間が56秒であり、V−1評定であった。10秒を超える単一の燃焼はなかった。
実施例6
エポキシ積層板への6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−(1,4−ブタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドの使用
一般に、実験を容易にするため、先進的(advanced)樹脂、硬化剤、および促進剤は全て調製して別々に保管する。15重量%2−ブタノン(MEK)を含有する85
重量%フェノールエポキシノボラック樹脂溶液、DEN(登録商標)438−EK85をDow Chemical Companyから得た。Durite SD−1702ノボラック硬化剤をHexion Corporationから得た。50重量%SD−1702を50重量%MEK溶媒に溶解することにより、ノボラック樹脂溶液を調製した。
コーヒー豆粉砕機を使用して12.7重量%のPを含有する実施例2の難燃剤(6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−ブタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド)を平均粒径約29.1マイクロメートル(d50=23.7マイクロメートル)まで粉砕した。4.0重量%のPを含有する難燃性樹脂混合物を、85重量%DEN438溶液6.31g、50重量%SD−1702溶液6.30g、難燃剤3.91g、2−フェニルイミダゾール促進剤0.008g(MEK50mL中2−PhI0.280gを含有する約1.4mLの溶液)をブレンドすることにより調製した。ノボラックと促進剤の比は約378であった。樹脂混合物約0.5〜1mLを、約162〜164℃のホットキュアプレート(Thermo−electric company)に添加した。ホットゲルプレートと接触するまで難燃剤は樹脂溶液に不溶性であり、そこで難燃剤は高温で完全に溶解した。舌圧子を縦半分に分割し、圧子の半分を使用して、硬直が認められるまで樹脂をホットプレート上に動かし、次いで、ひもの形成が止むまで圧子の平坦部で樹脂を持ち上げた。樹脂「ひも」がもはや樹脂混合物から引っぱられず、エポキシが「半硬化乾燥」になる点により決定したゲル化時間は、5分3秒であった。
85重量%DEN438溶液63.14g、50重量%SD−1702溶液63.00g、難燃剤39.08g、および2−フェニルイミダゾール促進剤0.083gを添加することにより、4.0重量%のPを含有するより大きい難燃性樹脂ワニスを8oz広口ガラス瓶中で調製した。追加のMEK52gを樹脂溶液に添加した。6000rpmで約15分間高せん断ミキサーを使用して樹脂混合物を完全に混合した。
大きなロールから、11インチ×11インチの正方形ガラス繊維織物(BGF Industries製の643フィニッシュの7628ガラス)のサイズに切断し、織物の上端部および下端部で木材支持体(長さ12インチ、幅1インチ、および厚さ1/16インチ)に留めた。木材支持体は、B−ステージの乾燥機中に織物を吊るすために一端に紙挟みを挿入するための孔を含んでいた。A−ステージまたは樹脂ワニスを織物の表裏に塗った。紙挟みを広げて、1つの木材支持体の両方の孔に挿入した。樹脂飽和織物を実験室のドラフト中のアルミニウム支持体から吊るし、吊るす前に3分40秒間予熱(170℃まで)した強制空気Blue M乾燥機(Lab Safety Supply Inc.、General Signalの子会社)で約1分間濡れたまま吊るしておいて乾かした。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートを4枚の5インチ×5インチのシートに切断し、秤量した後、2層のPacothane剥離フィルム(Insulectro Corp.)と2枚の鋼板(厚さ1/8インチ、正方形寸法12インチ×12インチ)との間に4層のプリプレグを積み重ねた。積層板は、5000psigで1時間、ホットプレス中で形成した。得られた積層板は、厚さ0.035インチであり、46重量%の樹脂を含有し、圧締中に4重量%の樹脂流出を受けた。ダイヤモンドソーを使用して積層板から5枚の幅0.5インチの試片を切断し、紙やすりで試片の縁を平らにした。試片の引火性をAtlas
UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングしたところ、全5枚の試片の2回の発火についての総燃焼時間が30秒であり、V−0評定であった。
実施例7
エポキシ積層板への6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−
(p−キシレンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドの使用
一般に、実験を容易にするため、先進的(advanced)樹脂、硬化剤、および促進剤は全て調製して別々に保管する。15重量%2−ブタノン(MEK)を含有する85重量%フェノールエポキシノボラック樹脂溶液、DEN(登録商標)438−EK85をDow Chemical Companyから得た。Durite SD−1702ノボラック硬化剤をHexion Corporationから得た。50重量%SD−1702を50重量%MEK溶媒に溶解することにより、ノボラック樹脂溶液を調製した。
コーヒー豆粉砕機を使用して11.6重量%のPを含有する実施例3の難燃剤(6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(p−キシレンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド)を平均粒径16.3マイクロメートル(d50=15.7マイクロメートル)まで粉砕した。4.0重量%のPを含有する難燃性樹脂混合物を、85重量%DEN438溶液6.31g、50重量%SD−1702溶液6.30g、難燃剤4.49g、2−フェニルイミダゾール促進剤0.008g(MEK50mL中2−PhI0.280gを含有する約1.4mLの溶液)をブレンドすることにより調製した。ノボラックと促進剤の比は約378であった。ホットゲルプレートと接触するまで難燃剤は樹脂溶液に不溶性であり、そこで難燃剤は高温で完全に溶解した。樹脂混合物約0.5〜1mLを、約162〜164℃のホットキュアプレート(Thermo−electric company)に添加した。舌圧子を縦半分に分割し、圧子の半分を使用して、硬直が認められるまで樹脂をホットプレート上に動かし、次いで、ひもの形成が止むまで圧子の平坦部で樹脂を持ち上げた。樹脂「ひも」がもはや樹脂混合物から引っぱられず、エポキシが「半硬化乾燥」になる点により決定したゲル化時間は、4分であった。
85重量%DEN438溶液63.14g、50重量%SD−1702溶液63.00g、難燃剤44.92g、および2−フェニルイミダゾール促進剤0.083gを添加することにより、4.0重量%のPを含有するより大きい難燃性樹脂ワニスを8oz広口ガラス瓶中で調製した。追加のMEK36gを樹脂混合物に添加した。6000rpmで約15分間高せん断ミキサーを使用して樹脂混合物を完全に混合した。
大きなロールから、11インチ×11インチの正方形ガラス繊維織物(BGF Industries製の643フィニッシュの7628ガラス)のサイズに切断し、織物の上端部および下端部で木材支持体(長さ12インチ、幅1インチ、および厚さ1/16インチ)に留めた。木材支持体は、B−ステージの乾燥機中に織物を吊るすために一端に紙挟みを挿入するための孔を含んでいた。A−ステージまたは樹脂ワニスを織物の表裏に塗った。紙挟みを広げて、1つの木材支持体の両方の孔に挿入した。樹脂飽和織物を実験室のドラフト中のアルミニウム支持体から吊るし、吊るす前に3分間予熱(170℃まで)した強制空気Blue M乾燥機(Lab Safety Supply Inc.、General Signalの子会社)で約1分間濡れたまま吊るしておいて乾かした。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートを4枚の5インチ×5インチのシートに切断し、秤量した後、2層のPacothane剥離フィルム(Insulectro Corp.)と2枚の鋼板(厚さ1/8インチ、正方形寸法12インチ×12インチ)との間に4層のプリプレグを積み重ねた。積層板は、5000psigで10分間、ホットプレス中で形成した。得られた積層板は、50重量%の樹脂を含有していた。樹脂の重量%を42〜48重量%の範囲に減少させるために、追加のMEK溶媒15gを樹脂混合物に添加した。上記と同じ手順に従い、厚さ0.033インチであり、46重量%の樹脂を含有し、圧締中に13重量%の樹脂流出を受けた積層板を形成した。ダイヤモンドソーを使用して積層板から5枚の幅0.5インチの試片を切断し、紙やすりで試片の縁を平らにした。試片の引火性をAtlas UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニ
ングしたところ、全5枚の試片の2回の発火についての総燃焼時間が43秒であり、V−0評定であった。
比較例8
DOPO(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)を含むエポキシ樹脂積層板
DOPOは、エポキシと反応させて回路基板用途の積層板を形成するために一般的に使用されるリン含有難燃性化合物である。500mL多首ハーフジャケット付き(および真空ジャケット付き)丸底フラスコに、DEN438ノボラックエポキシ樹脂240.4g(1.34当量)を装入した。循環バスからの熱い(110℃)油を、ジャケットを通して汲み出し、樹脂の粘度を減少させた。いったん樹脂が流動性になったら、半月テフロンパドルを使用して160pmで攪拌した。攪拌した樹脂に、メタノール中エチルトリフェニルホスホニウム酢酸塩(触媒)の85%溶液0.3gを添加した。メタノール約0.5mLにより移行を完了した。次いで、油を120℃に加熱し、反応器の温度を99℃まで上昇させた。2回に分けて、各々90.1g(0.42当量)のDOPOを反応器に添加した。得られた濃厚な白色スラリーを、油温度を2時間以内で約180℃にゆっくり上昇させることにより加熱した。試料を採取したところ、392の測定エポキシ等価重量を有していた。反応器の温度を下げる一方で、同時に2−ブタノン83gを添加した。濃厚溶液を78〜80℃で30分間攪拌して、リン含有エポキシ樹脂を溶解した。水冷式還流冷却器を使用して、溶媒損失を最小限にした。結果として生じるリン含有エポキシ樹脂(2.7重量%のP、428g)を広口瓶に移した。
一般に、実験を容易にするため、先進的(advanced)樹脂、硬化剤、および促進剤は全て調製して別々に保管する。Durite SD−1702ノボラック硬化剤をHexion Corporationから得た。50重量%SD−1702を50重量%MEK溶媒に溶解することにより、ノボラック樹脂溶液を調製した。
400mL使い捨てビーカー中に、実施例5で前もってDOPOで発展させ、2−ブタノンで希釈したDEN438ノボラックエポキシ樹脂溶液100g(樹脂72.4重量%)を正確に秤量した。この樹脂に、50重量%SD−1702溶液38.4gおよびMEK1.3gに溶解した2−フェニルイミダゾール0.063gを添加した。ノボラックと促進剤の比は約525であった。混合物を激しく攪拌して淡黄色溶液を得た。樹脂溶液約0.5〜1mLを、約162〜164℃のホットプレート(Thermo−electric Company)に添加した。舌圧子を縦半分に分割し、圧子の半分を使用して、硬直が認められるまで樹脂をホットプレート上に動かし、次いで、ひもの形成が止むまで圧子の平坦部で樹脂を持ち上げた。樹脂「ひも」がもはや樹脂混合物から引っぱられず、エポキシが「半硬化乾燥」になる点により決定したゲル化時間は、5分5秒であった。
樹脂/硬化剤溶液を、CS−718フィニッシュのJPS7628Fiber Glass Clothの11”×11”片に絵筆で塗布した。布の各々の端を支持するために12”×1”×1/16”片のマツ台木を使用する。処理した布の各々の片を170℃強制空気Blue M乾燥機(Lab Safety Supply Inc.、General Signalの子会社)中に3分45秒〜3分55秒間吊るして(「B−ステージ化」)、樹脂を部分的に硬化させた。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートを4枚の5インチ×5インチのシートに切断し、秤量した後、2層のPacothane剥離フィルム(Insulectro Corp.)と2枚の鋼板(厚さ1/8インチ、正方形寸法12インチ×12インチ)との間に4層のプリプレグを積み重ねた。積層板
は、5000psigで1時間、190℃ホットプレス中で形成した。得られた積層板の厚さは、0.029インチ〜0.041インチであり、37重量%の樹脂〜53重量%の樹脂を含有し、圧締中に3%〜26%の樹脂流出を受けた。硬化後のリン含量は3重量%であった。ダイヤモンドソーを使用して積層板から5枚の幅0.5インチの試片を切断し、紙やすりで試片の縁を平らにした。試片の引火性をAtlas UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングしたところ、5枚の試片の各々のセットの2回の発火についての総燃焼時間が21〜48秒であり、V−0評定であった。
比較例9
難燃剤を含まないDEN438ノボラックエポキシ樹脂からの積層板の調製
一般に、実験を容易にするため、先進的(advanced)樹脂、硬化剤、および促進剤は全て調製して別々に保管する。15重量%2−ブタノン(MEK)を含有する85重量%フェノールエポキシノボラック樹脂溶液、DEN(登録商標)438−EK85をDow Chemical Companyから得た。Durite SD−1702ノボラック硬化剤をHexion Corporationから得た。50重量%SD−1702を50重量%MEK溶媒に溶解することにより、ノボラック樹脂溶液を調製した。
難燃剤を含有しない樹脂混合物を、85重量%DEN438溶液113.64g、50重量%SD−1702溶液113.40g、および2−フェノキシイミダゾール促進剤0.0705gを400mL使い捨てプラスチックビーカー中にブレンドすることにより調製した。ノボラックと促進剤の比は約804であった。樹脂溶液約0.5〜1mLを、約162〜164℃のホットキュアプレート(Thermo−electric company)に添加した。舌圧子を縦半分に分割し、圧子の半分を使用して、硬直が認められるまで樹脂をホットプレート上に動かし、次いで、ひもの形成が止むまで圧子の平坦部で樹脂を持ち上げた。樹脂「ひも」がもはや樹脂混合物から引っぱられず、エポキシが「半硬化乾燥」になる点により決定したゲル化時間は、5分30秒であった。
大きなロールから、12インチ×12インチの正方形ガラス繊維織物(CS−718フィニッシュのJPS7628Fiber Glass Cloth)のサイズに切断し、織物の上端部および下端部で木材支持体(長さ12インチ、幅1インチ、および厚さ1/16インチ)に留めた。木材支持体は、B−ステージの乾燥機中に織物を吊るすために一端に紙挟みを挿入するための孔を含んでいた。A−ステージまたは樹脂ワニスを織物の表裏に塗った。紙挟みを広げて、1つの木材支持体の両方の孔に挿入した。樹脂飽和織物を実験室のドラフト中のアルミニウム支持体から吊るし、吊るす前に4分10秒〜4分30秒間予熱(170℃まで)した強制空気Blue M乾燥機(Lab Safety Supply Inc.、General Signalの子会社)で約1分間濡れたまま吊るしておいて乾かした。シートの寸法を10インチ×10インチまで減らすことにより、B−ステージ化プリプレグの縁を取り除いた。シートを4枚の5インチ×5インチのシートに切断し、秤量した後、2層のPacothane剥離フィルム(Insulectro Corp.)と2枚の鋼板(厚さ1/8インチ、正方形寸法12インチ×12インチ)との間に4層のプリプレグを積み重ねた。積層板は、5000psigで1時間、ホットプレス中で形成した。得られた積層板は、厚さ0.034インチ〜0.036インチであり、44重量%の樹脂〜46重量%の樹脂を含有し、圧締中に1重量%〜18重量%の樹脂流出を受けた。ダイヤモンドソーを使用して積層板から5枚の幅0.5インチの試片を切断し、紙やすりで試片の縁を平らにした。試片の引火性をAtlas UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングして、5枚の試片の全セットの燃焼評定を得た。
積層板のTg測定は、以下の違いを有するが、N中、20℃/分の温度上昇速度を使用して、IPC法IPC−TM−650(方法2.4.25c)に記載されているものと同様に行った。等温保持温度は、DEN−438樹脂に基づく積層板については200℃、NPCN−703に基づく積層板については220℃、および難燃剤を含まないNPCN−703樹脂に基づく積層板については250℃であった。TA Instrumentソフトウェア分析器を使用して、ガラス転移温度を決定した。場合によっては、第1、第2および第3スキャンの間のデルタTgを決定するために第3スキャンを実施した。冠鋸を使用して、標準的なアルミニウムDSCパンにはまるよう調和させた大きさの積層板試料ディスクをくりぬいた。パンにはまるように試料の縁を穏やかにやすりで磨き、積層板のタクト表面の大半がパンの底に面するよう配置した。試料重量(約40〜50mg)を記録し、試料パン蓋を、プランジャー成形機を使用して添加し、パン上に蓋を密封した。空の密封パンを基準プラットフォームに添加した。
TA Instruments Q500 TGA装置で熱重量分析(TGA)を行った。TGAは、ユーザーインターフェースおよび運用システムの制御をもたらすPCに接続している。アルメルおよびニッケル標準試料の保証されたキュリー温度を使用して温度スケールを較正した。保証された基準重量を使用して微量天秤を較正した。これらの較正の両方とも、装置の製造者が推奨する手順に従って行った。試料は約10mg〜12mg含有されており、これを白金試料パン中、室温から500℃まで窒素下で10℃/分で加熱した。測定中、試料重量および温度データを含む生データファイルはPCハードドライブに保存する。TGA測定が終了した後、生データファイルを、1%、2%、5%、10%および50%重量減少温度について分析する。さらに、500℃での重量減少も計算する。
積層板の比較
リン含量4重量%の実施例4の積層板およびリン含量3重量%の実施例5の積層板の難燃性および熱特性を、表1の以下に示すように比較例8と比較した。積層板の引火性(UL−94評定)をAtlas UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングした(V−0が可能な最高の評定である)。熱重量分析(TGA)およびガラス転移温度(Tg)上昇速度はN中で10℃/分であった。
Figure 0005745508
典型的には、比較例8に示されるように、DOPOに基づく難燃性化合物の導入は、積層板のTg、ガラス転移温度の低下をもたらす。より低いTgは、典型的な無鉛はんだ条件下での加工がより困難な寸法安定性の低い積層板をもたらし得る。さらに、DOPOにより熱安定性(TGA)も減少する。しかしながら、この結果は、本発明の6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド難燃剤を含有する3重量%のリンを含む実施例5の積層板が、熱安定性(TGA)を損失することなくV−1評定を達成し、DOPO対照よりも有意に高いTgも有したことを示している。リン含量4重量%を有する実施例4の積層板は、V−0評定であり、またDOPO対照よりも高いTgおよびはるかに優れたTGA温度安定性を有している。
実施例10
ジェットミリングによるエポキシ積層板(リン含量3%)への6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6、6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドの使用
エポキシと混ぜ合わせる前に、ジェットミリングを使用してDOPO化合物の粒径を単峰性粒径分布の約1.4μmのd50まで減少させたということを除いては、実施例5に概説した手順に従った。試片の引火性をAtlas UL−94燃焼室を使用してASTM D3801−06によりスクリーニングしたところ、全5枚の試片の2回の発火についての総燃焼時間が45秒であり、V−0評定であった。10秒を超える単一の燃焼はな
かった。TGA温度重量減少は、1%、2%、および5%重量減少についてそれぞれ360℃、381℃、および404℃であった。この実施例は、エポキシと混合する前にDOPO化合物の粒径をさらに減少させることにより、実施例5よりも引火性評定が向上したことを示している。
実施例11〜22
フェノールエポキシノボラック樹脂の代わりに、50重量%2−ブタノン(MEK)を含有する60重量%o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(Nan Ya NPCN−703)溶液を使用し、いくつかの実施例では、樹脂混合物にシリカおよび/またはポリリン酸メラミン(BASF Corporation製のMelapur200(M−200))を使用したことを除いては、実施例5で使用した手順を使用して実施例6から実施例17の積層板を製造した。結果を以下の表2に示す。
Figure 0005745508
結果は、ポリリン酸メラミンがガラス転移温度(Tg)を有意に上昇させ、高温ポリマー用途に使用することができることを示している。シリカの組み入れはにより、V−0評定を保持した1.8重量%のP配合物が可能になっている。
明細書またはその特許請求の範囲のどこにでもある化学名または式により言及される成分は、単数で言及されようが複数で言及されようが、化学名または化学的種類により言及される別の物質(例えば、別の構成成分、溶媒等)と接触する前に存在するものとして認識される。結果として得られる混合物または溶液において、たとえあるとしても、どのような化学変化、変換、および/または反応が起こるかは、このような変化、変換、および
/または反応は本開示に従って必要とされる条件下で特定の構成成分を一緒にする当然の結果であるので、重要ではない。したがって、構成成分は、所望の操作の実行に関連して、または所望の組成物を形成する際に一緒にされる成分として認識される。また、以下の特許請求の範囲は、現在時制(「comprises」、「is」等)で、物質、構成成分、および/または成分に言及するが、この物質、構成成分、または成分への言及は、それが、本開示に従って1つ以上の他の物質、構成成分、および/または成分と最初に接触される、ブレンドされる、または混合される直前の時点で存在したことを指す。接触、ブレンド、または混合操作の進行中に化学反応または変換を通して物質、構成成分、または成分がその最初の同一性を喪失してしまい得るという事実は、本開示に従って、化学の当業者により行われるのであれば、実用的懸念ではない。
本明細書に開示の特定の実施例および実施形態は、本発明のいくつかの態様の例証を意図したものであるので、本明細書に記載され請求される発明はこれらの実施例および実施形態により範囲を限定されるべきではない。任意の同等の実施形態が本発明の範囲内にあることが意図される。実際、本明細書に示され記載されるものに加えて、本発明の種々の修正形態が、前記説明から当業者に明らかとなるだろう。このような修正形態もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。

Claims (15)

  1. (i)エポキシ化合物;
    (ii)以下の構造:
    Figure 0005745508
    (式中、Aは直接結合、C6〜C12アリーレン、C3〜C12シクロアルキレン、またはC3〜C12シクロアルケニレンであり、前記シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンは、任意でC1〜C6アルキルにより置換されていてもよく;R1、R2、R3、およびR4の各々は、独立に水素、C1〜C15アルキル、C6〜C12アリール、C7〜C15アラルキル、またはC7〜C15アルカリールであり;あるいはR1およびR2またはR3およびR4は一緒になって飽和または不飽和環を形成してもよく、前記飽和または不飽和環は、任意でC1〜C6アルキルにより置換されていてもよく;
    mの各々は独立に1、2、3、または4であり;
    5およびR6の各々は、独立に水素またはC1〜C6アルキルであり;
    nの各々は、独立に0、1、2、3、4、または5であり;
    Aがアリーレンまたは直接結合である場合には、nは0であり得ない)
    を有する化合物、
    を含む難燃性エポキシ組成物。
  2. 両下付き添字nが1または2であり、Aが直接結合である、請求項1に記載の組成物。
  3. 両下付き添字nが1であり、AがC6〜C12アリーレンである、請求項1に記載の組成物。
  4. 1、R2、R3、およびR4が、独立に水素またはC1〜C6アルキルである、請求項2に記載の組成物。
  5. 式Iによって表される前記化合物が、6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド;6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−ブタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシド;または6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(p−キシレンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドである、請求項1に記載の組成物。
  6. 式Iによって表される前記化合物が、6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン,6,6’−(1,4−エタンジイル)ビス−,6,6’−ジオキシドである、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記エポキシ化合物が、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラキスフェニロールエタン、ポリベンゾオキサジン、レソルシノール、4,4’−ビフェニル、またはジヒドロキシナフチレンから得られるポリフェノールエポキシ樹脂;フェノール/ホルムアルデヒドノボラック、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック、ビスフェノールAノボラック、ビフェニル−、トルエン−、キシレン−、もしくはメシチレン−修飾フェノール/ホルムアルデヒドノボラック、またはアミノトリアジンノボラックから得られるノボラックエポキシ樹脂;p−アミノフェノールまたはシアヌル酸から得られる複素環式エポキシ樹脂;および1,4−ブタンジオール、グリセロール、またはジシクロペンタジエンから得られる脂肪族エポキシ樹脂;あるいはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
  8. 請求項6に記載の組成物と、硬化剤または重合開始剤との反応を含む硬化難燃性エポキシ樹脂。
  9. 前記組成物の有機リン含量が、前記樹脂の総重量基準で、0.5重量%〜10重量%である、請求項8に記載の樹脂。
  10. 前記組成物がポリリン酸メラミンをさらに含む、請求項8に記載の樹脂。
  11. 前記組成物がシリカをさらに含む、請求項8に記載の樹脂。
  12. 式Iによって表される前記化合物の粒径d50が、15マイクロメートル未満である、請求項8に記載の樹脂。
  13. 有機または無機補強剤、および請求項6に記載の難燃性エポキシ組成物を含むプリプレグ。
  14. 請求項13に記載のプリプレグから形成される積層板。
  15. 請求項14に記載の積層板から形成されるプリント配線板。
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