JP5701734B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

本発明は、穂先竿杆に特徴を有する釣竿に関する。
従来、釣竿の穂先竿杆として、中実状の芯材(ソリッド体)を用いることが知られており、通常、このような芯材は、軸長方向に引き揃えられた強化繊維に合成樹脂を含浸させた円柱状の素材を加熱成形し、その表面を所定の形状に切削加工することで形成されている。このような中実状の芯材は、表面が切削加工される際、強化繊維が切断されてしまうことから、例えば、特許文献1に開示されているように、その外周面に繊維強化樹脂製のプリプレグを巻回することが知られている。なお、この特許文献1には、巻回されるプリプレグが剥離しないように端部に補強プリプレグを巻回した構成も開示されている。
また、特許文献2には、中実状の芯材を管状体に嵌入した穂先竿杆を有する釣竿が開示されている。この穂先竿杆には、芯材と管状体との嵌入部分の外周面に、傾斜方向繊維強化プリプレグが巻回されており、このような傾斜方向繊維強化プリプレグを巻回することで、嵌入部分の割れや裂けを防止しつつ、撓み性の向上が図れるようにしている。
さらに、特許文献3には、穂先竿杆を構成する中実状の芯材の外面に補強用のプリプレグを巻回するにあたり、芯材のテーパ変化により形成された屈曲ポイント(大撓み部分;変化部)よりも基端側にプリプレグの端部を位置させる構成が開示されており、これにより、芯材に巻回される補強用のプリプレグの剥離を防止するようにしている。
特開2005−218459号 特開2009−159835号 特開2010−104263号
上記した穂先竿杆の構成によれば、穂先竿杆を中実状の芯材で構成すると共に、その外周面に繊維強化樹脂製のプリプレグを巻回することで、感度の向上を図りながら強度の向上を図ることが可能となるが、更に、感度の向上を図りつつ、強度の向上を図る上において改良すべき余地がある。すなわち、穂先竿杆は、魚信がより感知し易いように、より細径化することが好ましい反面、細径化することで強度の低下をきたすと共に、補強用のプリプレグの巻回領域やその構成を考慮しないと、撓み性を阻害(感度の低下)したり、効果的な補強ができなくなってしまう。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、撓み性が良好で感度が良く、強度特性に優れた穂先竿杆を有する釣竿を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、管状体の先端開口に嵌入される中実状の芯材を備え、前記芯材の外周面に補強層を形成する繊維強化樹脂製のプリプレグを巻回した穂先竿杆を有しており、前記中実状の芯材は、外周面がストレート状又は緩いテーパ状になった第1領域と、前記外周面が第1領域よりも大きいテーパで後端側に向けて拡径する第2領域と、前記外周面が第2領域よりも緩いテーパ又はストレート状となって後端側に向けて延在し、前記管状体の先端開口に嵌入される嵌入部が形成された第3領域と、を備えており、前記補強層は、第1領域と第2領域の境界部の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性を有するとともに、前記芯材の先端領域を除いて前記第2領域及び第3領域全体を覆うように形成されており、前記補強層を形成するプリプレグの先端縁及び後端縁に釣糸ガイドを固定したことを特徴とする。
上記した構成の釣竿では、穂先竿杆を構成する芯材が、外周面がストレート状又は緩いテーパ状になった第1領域と、前記外周面が第1領域よりも大きいテーパで後端側に向けて拡径する第2領域とを有する構造となっているため、穂先竿杆の先端部分を可及的に小径化することが可能となる。すなわち、穂先竿杆を継合する穂持竿が、ある程度太径に構成されていても、穂先竿杆を構成する芯材に、大きいテーパの第2領域を形成したことで、穂先側を可及的に小径化することが可能となり、これにより穂先側の撓み性の向上が図れ、僅かな魚信も感知することが可能となる。また、第1領域と第2領域の境界部は、応力集中によって破損等が生じ易くなるが、その部分に補強層を設けたことで強度の向上が図れ、しかも、補強層は、境界部の曲げ剛性よりも小さい曲げ剛性としたことで、撓み性を阻害することなく、感度を良好に維持することが可能となる。
本発明によれば、撓み性が良好で感度が良く、強度特性に優れた穂先竿杆を有する釣竿が得られる。
本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図。 図1に示す釣竿の穂先竿杆部分を示しており、(a)は側面図、(b)は縦断面図。 穂先竿杆を構成する芯材を示す図であり、(a)は芯材の側面図、(b)は補強層を構成する繊維強化樹脂製のプリプレグを示す図、(c)は補強層を有する芯材の側面図。 穂先竿杆の別の構成例を示す図であり、(a)は穂先竿杆の側面図、(b)は縦断面図。
図1から図3は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図であり、図1は全体構成を示す図、図2は図1に示す釣竿の穂先竿杆部分を示しており、(a)は側面図、(b)は縦断面図、そして、図3は穂先竿杆を構成する芯材を示す図であり、(a)は芯材の側面図、(b)は補強層を構成する繊維強化樹脂製のプリプレグを示す図、(c)は補強層を有する芯材の側面図である。
本実施形態の釣竿1は、元竿3、複数(2本)の中竿5a,5b、及び穂先竿杆10を備えた構成となっており、各竿は、振り出し式によって継合されている。また、本実施形態の釣竿1には、元竿3にリールシート3aが設けられており、前記中竿5a,5b及び穂先竿杆10には、リールシート3aに装着されるリールRから繰り出される釣糸を案内する釣糸ガイド7が所定間隔をおいて取着されている(穂先竿杆10の先端には、トップガイド7aが取着されている)。この場合、釣糸ガイド7及びトップガイド7aは、竿杆の外周面に糸巻き、接着等によって取着されており、本実施形態では、これらの釣糸ガイド7及びトップガイド7aが、図1に示すように、実釣時に上向きとなるように取着されている(上ガイド方式)。
前記元竿3及び中竿5a,5bは、好ましくは、繊維強化樹脂製の管状体で構成されており、例えば、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)に、エポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法に従って所定寸法の管状に形成されている。
また、前記穂先竿杆10は、好ましくは、先側(穂先側)に配置される中実状の芯材12と、この芯材の基端側が嵌入される管状体13によって構成されており、管状体13が前記中竿5aに対して継合されている。
前記芯材12は、中実に構成されたものであれば良く、撓み性が良好な素材、例えば、炭素繊維等を長手方向に指向させ、これにエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸して形成される繊維強化樹脂材料によって形成されたものであることが好ましい。或いは、繊維強化樹脂材料以外にも、Ni−Ti合金やFe−Al合金等の金属材料によって形成されていても良い。
また、前記芯材12の表面には、先端側を可及的に小径化できると共に、ある程度径が大きくなった穂持竿(中竿5a)に対して継合できるように、急テーパ部(第2領域)が形成されている。すなわち、図2に示されるように、芯材12は、先端12aから基端に向けて、外周面がストレート状に形成された第1領域12Aと、外周面が第1領域12Aよりも大きいテーパで、後端側に向けて拡径する第2領域12Bとを有している。この場合、第2領域12Bの後端位置12bにおける径は、穂持竿である中竿5aと径合せするように、中竿5aの内径と略同一とされており、後端位置12bから後方は、略ストレート状に延在した第3領域12Cとなっている。
このように、急テーパとなる第2領域12Bを形成しておくことにより、穂先竿杆10の先端領域(第1領域12Aの領域)を可及的に小径化できると共に、穂持竿5aに対する外径併せを容易に行うことが可能となり、穂先竿杆10の軽量化、及び調子の向上(撓み性の向上)を図ることが可能となる。この場合、前記第1領域12Aは、軸長方向に沿って外径が変化することのない厳密なストレート形状であっても良いし、基端側に移行するに連れて僅かに拡径して行くようなテーパ形状(第2領域12Bよりも緩いテーパ形状)であっても良い。
具体的に、本実施形態では、前記第1領域12Aは、(0〜10)/1000のテーパとされており、前記第2領域12Bは、第1領域よりも大きい(10〜20)/1000のテーパとされている。また、前記第3領域12Cは、(0〜10)/1000のテーパとされている。この場合、前記第2領域12Bは、芯材12の軸方向長さLに対する長さLtが25〜80%となるように形成されている(急テーパは短い方が好ましい)。すなわち、第2領域12Bについては、第1領域12Aに対してテーパを2倍以上とし、かつ、全体長さLに対する長さLtの比率を25〜80%に設定することにより、全体としての強度、及びバランスを保った状態で穂先側の径Dを可及的に小径化して撓み性の向上を図ることが可能となる。また、前記第1領域12Aの長さLAについては、短過ぎると、後述する急テーパ部との境界部Pが先端から近過ぎて穂先調子が低下してしまい、長過ぎると穂先の先端部分が柔らかくなり過ぎてしまって釣竿としてのバランスが低下してしまうことから、先端から50〜150mmの範囲で形成しておくことが好ましい。
前記穂先竿杆10を構成する管状体13は、元竿3や中竿5a,5bと同様、繊維強化樹脂材料、例えば、炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した材料で形成するのが好ましく、その先端開口13aには、前記芯材12の基端部が嵌入され、両者は接着等によって固定されている。このため、前記芯材12には、その後端側(第3領域12Cの後端側)に、管状体13の先端開口13aに嵌入される嵌入部12Dが形成されており、本実施形態では、嵌入部12Dを管状体13の先端開口13aに嵌入して両者を固定すると、芯材12の表面(後述する補強層の表面)と管状体13の表面が、図2(b)に示すように面一状になるように形成されている。なお、管状体13は、芯材12の第3領域12Cと同様、後端側に向けて略ストレート状に延出しており、前記穂持竿5aに対して継合されている。
前記芯材12には、その表面(外周面)の所定範囲に補強層20が形成されている。この補強層20は、芯材12の長手方向の内、少なくとも、第1領域12Aと急テーパとなる第2領域12Bとの間の変曲点(第1領域12Aと第2領域12Bの境界部Pの外周面であり、この境界部Pに最も応力が集中する)に形成されていれば良く、かつ、芯材12の撓み性を阻害しないように、境界部Pの曲げ剛性よりも小さい曲げ剛性を有する材料で形成されていれば良い。
本実施形態では、境界部Pを含んだ前後の所定領域に補強層20を形成している。この場合、補強層20は、上記したような急テーパ部(第2領域12B)を有する芯材12に対して、繊維強化樹脂製のプリプレグ20Aを巻回することで形成されており、本実施形態におけるプリプレグ20Aは、図3に示すように、急テーパ部となる第2領域12B全てを覆うことに加え、第1領域12Aの先端側を除いた領域、及び第3領域12Cの全てを覆う領域(芯材12の先端領域を除いた領域)に巻回されている。
前記プリプレグ20Aは、強化繊維が軸長方向に対して交差する方向に引き揃えられていることが好ましく、本実施形態では、図3(b)に示すように、強化繊維を軸長方向に対して+15°〜+75°(好ましくは+30°〜+60°)の範囲で傾斜して引き揃えたプリプレグ20aと、強化繊維を軸長方向に対して−15°〜−75°(好ましくは−30°〜−60°)の範囲で傾斜して引き揃えたプリプレグ20bとを重ね、これを芯材12に対して2プライするように構成されている。このように、強化繊維が軸長方向に対して傾斜したプリプレグを用いることで、穂先竿杆として、撓み性を阻害することがなく、かつ、捩じり強度の向上を図り、感度の良い釣竿とすることが可能となる。すなわち、強化繊維の指向方向が軸長方向に近付き過ぎると、撓み方向の剛性が高まって撓み性が阻害されると共に、強化繊維の指向方向が周方向に近付き過ぎると、捩じり強度が低下してしまうことから、強化繊維の指向方向については、上記した範囲に形成されていることが好ましい。
また、プリプレグ20a,20bを構成する強化繊維(長繊維)は、穂先竿杆の撓み性を阻害しないもの、具体的には、芯材12を構成する強化繊維よりも低弾性(弾性率が1〜24ton/mm2 、好ましくは、1〜10ton/mm2 )の炭素繊維やガラス繊維を用いるのが好ましい。なお、このようなプリプレグ20a,20bは、樹脂含浸量が30〜50wt%で、肉厚が0.01〜0.08mm(好ましくは0.05mm)とされている。
また、補強層20は、上記したように、第1領域12Aの先端側を除く領域に形成されるが、巻回されない部分の長さLaについては、25〜50mmとし、巻回される部分の長さLbと長さを略等しくすることが好ましい(なお、取り付けるガイド位置によっては、Lbを長くしても良い)。このように、穂先の先端12aから所定の範囲に補強層20を形成しないことで、穂先領域で剛性変化が生じ(撓みに差が生じる)、魚の微妙な当たり変化を視認し易くすることができる。また、芯材12の第3領域12Cでは、プリプレグ20Aを巻回して樹脂硬化した後に、表面部分(プリプレグと芯材)を基端側から所定の範囲切削加工することで、上記した嵌入部12Dが形成されている。この場合、嵌入部12Dの長さLdについては、強度を維持したまま軽量化を図れるように、25〜50mmの範囲で形成するのが好ましい。
なお、嵌入部12Dは、芯材12にプリプレグ20Aを巻回することなく、単に、芯材12を小径化した構成であっても良く、芯材12と管状体13の間には、多少の段部が生じるような嵌合関係であっても良い。
上記した芯材12を補強する補強層20をプリプレグ20Aによって形成する場合、そのプリプレグについては、上記したように、複数枚を重ねたものであっても良いし、単数枚であっても良い。この場合、プリプレグ20Aは、少なくとも境界部Pの全周が補強されるように、少なくとも1プライ以上(より好ましくは整数プライ数)、巻回されるように裁断されていれば良い。
そして、上記のように形成される穂先竿杆10には、上述したように、釣糸が挿通される釣糸ガイド7(トップガイド7a)が取着されている。この場合、装着される釣糸ガイド7については、軸方向に移動できないような固定タイプであっても良いし、軸方向に移動して固定されるタイプ(遊動ガイド)であっても良い。
本実施形態では、各釣糸ガイド7は、前記芯材12の外周面に固定される形式となっており、ガイド脚7cを竿杆上に載置し、糸巻きをした後、合成樹脂を含浸して熱硬化することで固定している。この場合、釣糸ガイドの固定位置については、図2に示すように、補強層20を構成するプリプレグ20Aの先端縁、及び後端縁上とすることが好ましい。このような位置に釣糸ガイド7を固定することにより、補強層20の剥離を効果的に防止することが可能となる。また、前記補強層20については、その端縁20cをテーパ状に形成しておくことで、剥離をより効果的に防止することが可能となる。なお、トップガイド7aには、嵌入穴7eが形成されており、この部分を芯材12の先端部に嵌入して接着固定されている。
上記したように構成される穂先竿杆10を備えた釣竿1によれば、穂先竿杆10を構成する芯材12が、外周面がストレート状又は緩いテーパ状になった第1領域12Aと、外周面が第1領域12Aよりも大きいテーパで後端側に向けて拡径する第2領域12Bとを有する構造となっているため、穂先竿杆10の先端部分を可及的に小径化することが可能となり、これにより、穂先竿杆10の撓み性の向上が図れ、僅かな魚信も感知することが可能となる。この場合、第1領域12Aと第2領域12Bの境界部Pは、大きく屈曲変化することから、応力集中によって破損等が生じ易いが、その部分に補強層20が形成されているため、強度向上が図れると共に、補強層20は、境界部Pの曲げ剛性よりも小さい曲げ剛性であるため、撓み性を阻害することなく、感度を良好に維持することが可能となる。
特に、本実施形態では、芯材12は、強化繊維が長手方向に指向した繊維強化樹脂で形成されており、補強層20は、芯材12を構成する強化繊維よりも低弾性の強化繊維のプリプレグ20Aを巻回して構成されるため、撓み性を阻害することなく、強度向上することができ、穂先先端が撓み易く、感度の良い釣竿とすることが可能となる。また、プリプレグ20Aの強化繊維は、その指向方向が軸長方向に対して傾斜しているため、撓み性を阻害することなく捩じり強度も向上することができ、穂先先端が撓み易く、感度の良い釣竿となる。この場合、図1に示すように、釣糸ガイド7を上向きで使用する釣竿では、魚が掛かった際に左右に引かれると、釣竿に捩じれる方向の負荷が生じ易い状態になるものの、上記のように、傾斜した方向の強化繊維により、そのような捩じれに対する強度の向上が図れるようになる。
また、補強層20は、第2領域12B全体を覆うように形成されていることから、芯材12の後端側の繊維剥離を効果的に防止することができ、これにより、強度向上を維持しつつ穂先先端が撓み易く、感度の良い釣竿とすることが可能となる。この場合、本実施形態では、補強層20は、先端領域を除いて芯材12を全て覆うように構成していることから、芯材12全体の強度向上を図ることが可能となる。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
図4は、本発明の別の実施形態における穂先竿杆の構成例を示す図であり、(a)は穂先竿杆の側面図、(b)は縦断面図である。
上記したような急テーパ部(第2領域)12B´については、穂先竿杆10の複数個所に形成しても良い。例えば、図に示すように、ストレート状部(緩テーパ部であっても良い)12A´に対して、急テーパとなる部分(第2領域12B´)を2箇所形成しておくことで、穂持竿に多少、大径のものを用いても、効果的に穂先先端の小径化を図ることが可能となる。すなわち、急テーパ部を1箇所形成する構成と比較して、各境界部Pにおける段差を少なくして応力集中の度合いを軽減すると共に、応力集中する部分を軸方向に分散して強度の向上を図ることが可能となる。
また、図に示すように、形成される補強層20については、芯材12の先端まで覆うように形成しても良い。これにより、芯材全体を補強することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、穂先竿杆10については、管状体13を設けることなく、全て中実状の芯材で構成されていても良い。また、上記した実施形態では、補強層20は、芯材12の外周面にプリプレグを巻回することで形成したが、プリプレグを巻回する以外にも、樹脂含浸したカーボンの束を巻回し、焼成硬化し形成しても良い。また、ガイド固定のように、糸巻きに樹脂止めにて形成しても良い。なお、補強層20をプリプレグによって形成する場合、芯材12に巻回されるプリプレグ20の構成(強化繊維の種類や配置方向、樹脂含浸量、巻回枚数、プライ数)については、適宜変形することも可能である。
また、本実施形態の釣竿は、中竿を複数本設けていたが、中竿は、1本であっても良いし、無くても良い。また、上記した釣糸ガイドについては、竿杆の下側に配設される構成(下ガイド)であっても良く、釣竿として釣糸ガイドがない構成であっても良い。さらに、釣竿は、1本竿であっても良いし、並継式に構成されたものであっても良い。
1 釣竿
7 釣糸ガイド
10 穂先竿杆
12 芯材
12A 第1領域
12B 第2領域
13 管状体
20 補強層
20A プリプレグ
P 境界部

Claims (3)

  1. 管状体の先端開口に嵌入される中実状の芯材を備え、前記芯材の外周面に補強層を形成する繊維強化樹脂製のプリプレグを巻回した穂先竿杆を有する釣竿において、
    前記中実状の芯材は、外周面がストレート状又は緩いテーパ状になった第1領域と、前記外周面が第1領域よりも大きいテーパで後端側に向けて拡径する第2領域と、前記外周面が第2領域よりも緩いテーパ又はストレート状となって後端側に向けて延在し、前記管状体の先端開口に嵌入される嵌入部が形成された第3領域と、を備えており、
    前記補強層は、第1領域と第2領域の境界部の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性を有するとともに、前記芯材の先端領域を除いて前記第2領域及び第3領域全体を覆うように形成されており、
    前記補強層を形成するプリプレグの先端縁及び後端縁に釣糸ガイドを固定したことを特徴とする釣竿。
  2. 前記中実状の芯材は、強化繊維が長手方向に指向した繊維強化樹脂で形成され、前記補強層を形成するプリプレグは、前記芯材の強化繊維よりも低弾性の繊維で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記補強層を形成する繊維強化樹脂製のプリプレグは、その強化繊維の指向方向が軸長方向と傾斜して交差するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
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