JP2014007968A - 釣竿 - Google Patents

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JP2014007968A JP2012145043A JP2012145043A JP2014007968A JP 2014007968 A JP2014007968 A JP 2014007968A JP 2012145043 A JP2012145043 A JP 2012145043A JP 2012145043 A JP2012145043 A JP 2012145043A JP 2014007968 A JP2014007968 A JP 2014007968A
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慎太郎 中川
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Abstract

【課題】穂先竿を構成する竿杆同士の継合部において、亀裂を防止すると共に、亀裂が生じても視認し難い継合構造を有する釣竿を提供する。
【解決手段】本発明の釣竿は、中空の大径竿杆12の穂先側に、小径竿杆15を挿入固定した継合部16を有する穂先竿10を備えている。そして、小径竿杆15から継合部16の継ぎ目Pを超える位置に亘って糸条体20を密接して巻回すると共に、密接して巻回される糸条体20の凹凸状態が残るように樹脂を塗布して保護層21を形成し、少なくとも継ぎ目P部分の保護層21を露出させたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、穂先竿の竿杆同士の継合構造に特徴を有する釣竿に関する。
従来、例えば、特許文献1に開示されているように、中実状の小径竿杆を中空状の大径竿杆に差し込んで穂先竿を構成することにより、軽量化、及び撓み性の向上を図った釣竿が知られている。このような穂先竿は、大撓みすることを想定しているため、両者の継合部分(表面の継ぎ目が存在する部分)に釣糸ガイドを装着して強度の向上を図ると共に、継ぎ目を見えなくして外観の向上を図ることが行われている。具体的には、中実状の小径竿杆と中空状の大径竿杆を継合し、この継ぎ目に下糸層となる糸条体を巻回し、この上に釣糸ガイドの脚部を載置し、さらにこの上から上糸層となる糸条体を巻回し、合成樹脂を塗布することで、継ぎ目を釣糸ガイドで見えなくして補強した継合構造としている。
また、例えば、特許文献2には、小径竿杆と大径竿杆を継合し、小径竿杆の外周面から大径竿杆の表面段差部に達する位置まで締付糸を巻き付け、巻き付けた締付糸を覆うように樹脂塗料を塗布して巻き付け状態を保護し、さらに、研磨、樹脂塗装を施してガイド取付座面を形成し、この上から釣糸ガイドの脚部を載せて締付糸で固定した後、樹脂を塗布した穂先竿の継合構造が開示されている。
特開2001−69878号 特開2007−209301号
上記した穂先竿の継合構造によれば、いずれも応力集中し易い小径竿杆と大径竿杆の継部に釣糸ガイドの脚部を載置し、更に、脚部の固定保護に糸条体を巻回し、その後、糸条体を覆うように糸止め樹脂を塗布しているため、実際に釣竿が撓んだ際、糸止め樹脂に亀裂が入り易く、このような亀裂は、視認し易いことから、外観を損ねてしまう、という問題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、穂先竿を構成する竿杆同士の継合部において、亀裂を防止すると共に、亀裂が生じても視認し難い継合構造を有する釣竿を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、中空の大径竿杆の穂先側に、小径竿杆を挿入固定した継合部を有する穂先竿を備えており、前記小径竿杆から前記継合部の継ぎ目を超える位置に亘って糸条体を密接して巻回すると共に、前記密接して巻回される糸条体の凹凸状態が残るように樹脂を塗布して保護層を形成し、少なくとも前記継ぎ目部分の前記保護層を露出させた穂先竿を有することを特徴とする。
上記した構成の釣竿では、穂先竿を構成する中空状の大径竿杆と、これに挿入固定される小径竿杆との継合部領域に、糸条体が密接して巻回されると共に、糸条体の凹凸状態が残るように樹脂を塗布した保護層が形成される。そして、この保護層は、継ぎ目の部分が露出するように形成されており、この部分に釣糸ガイドを取着しないことから、最も応力集中し易い部分に、釣糸ガイドの脚部を安定して固定する樹脂の肉厚部分が存在することはない。このため、穂先竿が大撓みした際に、通常、樹脂の肉厚部分で生じ易い亀裂が生じることはなく、外観を損ねるようなことはない。また、たとえ継ぎ目部分で亀裂が生じても、糸条体の凹凸状態が残るように樹脂を塗布しているので、亀裂そのものが目立ち難くなる。
本発明によれば、穂先竿を構成する竿杆同士の継合部において、亀裂を防止すると共に、亀裂が生じても視認し難い継合構造を有する釣竿が得られる。
本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図。 図1に示す釣竿の穂先竿部分を示す図。 穂先竿を構成する大径竿杆と小径竿杆の継合部分を示す図。 図3の主要部の拡大図。 本発明の変形例を示す図であり、穂先竿を構成する大径竿杆と小径竿杆の継合部分を示す図。
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1から図4は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図であり、図1は全体構成を示す図、図2は図1に示す釣竿の穂先竿部分を示す図、図3は穂先竿を構成する大径竿杆と小径竿杆の継合部分を示す図、そして、図4は図3の主要部の拡大図である。
本実施形態の釣竿1は、元竿3、中竿5、及び穂先竿10を備えており、各竿は、並継ぎ式によって継合されている。また、本実施形態の釣竿1には、元竿3にリールシート4が設けられており、前記元竿3、中竿5及び穂先竿10には、リールシート4に装着されるリールRから繰り出される釣糸を案内する釣糸ガイドが適所に取着されている。図1では、元竿3に設けられる釣糸ガイドを7Aで示し、中竿5に設けられる釣糸ガイドを7Bで示し、穂先竿10に設けられる釣糸ガイドを7,7Cで示してある。また、穂先竿10の先端には、トップガイド8が取着されている。この場合、各釣糸ガイド,及びトップガイドは、竿杆の外周面に糸巻き、接着等によって取着されているが、一部に、軸方向に移動して固定されるタイプ(遊動ガイド)を用いても良い。
図1に示す釣竿1は、並継ぎ式として構成されるが、各竿の継合構造は、振出方式、逆並継方式、インロー方式であっても良い。また、中竿5は複数本(2本以上)あっても良いし、無くても良い。また、全体として1本竿で構成されていても良い。
前記元竿3及び中竿5は、好ましくは、繊維強化樹脂製の管状体で構成されており、例えば、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)に、エポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法に従って所定寸法の管状に形成されている。
また、前記穂先竿10は、中空の大径竿杆12と、この大径竿杆12に挿入固定される小径竿杆15によって構成されている。この場合、大径竿杆12は、上記した元竿3や中竿5と同様、プリプレグシートを芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法に従って所定寸法の管状体に形成されている。また、小径竿杆15は、中実状の芯材として構成されており、後述するように、基端側を大径竿杆12の先端開口12aに挿入し、接着剤等によって継合固定されている。
本実施形態の小径竿杆15は、中実状に構成されており、穂先竿として撓み性を向上させている。具体的には、撓み性が良好な素材、例えば、超弾性合金線材(Ni−Ti合金やFe−Al合金等の金属材料)や、超弾性樹脂材料(ポリフェニールサルサン(PPSU))等によって形成され、必要に応じて、その外層には、プリプレグシートを巻回しても良い。或いは、上記した材料以外にも、炭素繊維等を長手方向に指向させ、これにエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸して形成される繊維強化樹脂材料によって形成されていても良い。
上記のように構成される小径竿杆15は、継合部分から先(穂先側)が次第に小径化されていても良いし、ストレート状に延出していても良い。或いは、小径化するテーパとストレート部が組み合わされていても良い。また、小径竿杆15の基端側には、元竿側に向けて次第に小径化するテーパ部15Aと、テーパ部15Aの端部から元竿側に向けてストレート状に延出するストレート部15Bが形成されており、大径竿杆12との間で継合部16を構成している。
一方、前記大径竿杆12の内面には、前記先端開口12aから元竿側に向けて次第に縮径するテーパ部12Aと、テーパ部12Aの端部から元竿側に向けてストレートに伸びる貫通孔12Bが形成されており、小径竿杆15との間で継合部16を構成している。そして、前記小径竿杆15を大径竿杆12の先端開口12aに挿入すると、小径竿杆15のテーパ部15A及びストレート部15Bが、大径竿杆12のテーパ部12A及び貫通孔12Bと面接し、嵌入状態となる。この場合、小径竿杆15を大径竿杆12に挿入する際には、面接部分に接着剤が塗布され、これにより小径竿杆15は大径竿杆12に挿入固定される。
図3において、大径竿杆12の先端開口12aから、小径竿杆15の先端部15aまでの軸方向長さWが、挿入固定時の重合範囲(重合部)となる。
上記したように、小径竿杆15を大径竿杆12に挿入固定すると、大径竿杆の先端開口12aの端縁12bと小径竿杆15の表面との間には、段差が生じる。この段差については、図3に示すように、樹脂17等を埋めてなだらかな移行面(テーパ状)にしたり、或いは、大径竿杆の先端開口領域を同様なテーパ状にして、段差が生じないようにしておいても良い。或いは、後述する第2実施形態のように、テーパ状にすることなく、そのまま段差部として構成しても良い(図5参照)。
なお、小径竿杆15と大径竿杆12との間の継合部となる継ぎ目Pについては、大径竿杆に小径竿杆を挿入固定した際、大径竿杆12の先端開口12a(端縁12b)の部分となり、この部分が、穂先竿10が大きく撓んだ際、応力集中する部分となる。
前記小径竿杆15と大径竿杆12との継合部には、小径竿杆から継ぎ目Pを超える位置に亘って糸条体20が密接して巻回される。この糸条体20は、断面が略円形状(円、楕円に加え、六角形のような多面状も含む)のものを軸方向に沿って密接するように巻回される。このため、巻回後の糸条体20の表面には、前記略円形の断面形状によって、軸方向に連続的な凹凸20aが形成された状態となっている。
そして、密接して巻回される糸条体20に対しては、巻回後、その凹凸20aの状態が残るように、保護層21となる樹脂が塗布される。この保護層21となる樹脂は、糸止め状態を安定化すると共に、耐衝撃性を向上するために塗布され、たとえ亀裂が生じても視認し難いように、保護層そのものが薄肉厚化(凹凸状態が残るように)するように塗布される。
また、この保護層21に用いられる樹脂については、ウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系のものが用いられ、透明であっても良いし、視認性の向上を図るように着色されたものであっても良い。また、このような保護層21については、糸条体20の表面に、凹凸高さが残る程度に薄膜状に形成されていても良いし、糸条体20の内部に浸透して表面に膜が生じないようにしても良い。
上記したように巻回される糸条体20は、少なくとも前記継ぎ目P部分の保護層21が露出した状態となっている。すなわち、従来では、上記したような継合部(継ぎ目)部分に釣糸ガイドを装着して、継ぎ目部分の強度を向上することが行われていたが、本発明では、継ぎ目Pとなる位置に釣糸ガイドを装着せず露出させている。
具体的に、本実施形態では、前記糸条体20を、小径竿杆から前記テーパ部12A,15Aの領域まで巻回しており、釣糸ガイド7は、その脚部7aが巻回された糸条体20に載らないようにして(脚部7aを直接、大径竿杆12の表面に載置し、糸条体20を介在させない)、大径竿杆12の穂先側端部に固定されている。なお、穂先竿10には、更に、釣糸ガイドが装着されていても良く、図1及び図2に示すように、釣糸ガイド7よりも穂先側に2個、釣糸ガイド7よりも元竿側に1個の釣糸ガイド7Cが装着されている。
前記釣糸ガイド7は、脚部7aを載置した状態で糸条体30を巻回し、その上から樹脂(透明であっても着色されていても良い)を塗布して保護層31を形成して、大径竿杆上に固定されている。この場合、保護層31についても、前記糸条体20に被着される保護層21と同様、糸条体30の表面の凹凸が残るように樹脂を塗布して形成しても良い。このように構成することで、脚部7a部分で亀裂が入っても、目立たなくすることができ、外観を向上することが可能となる。
また、図3に示すように、釣糸ガイド7の脚部7aは、大径竿杆12に挿入固定される小径竿杆15の端部15a上に位置した態で固定するのが好ましい。すなわち、挿入固定される小径竿杆15の端部15aが、固定される釣糸ガイドの脚部7aの取り付け長さLの範囲内となるように釣糸ガイド7を固定することが好ましい。
上記したように構成される穂先竿10を備えた釣竿1によれば、穂先竿を大きく撓ませることができ、撓みが生じた際、応力が集中し易い継合部、特に、継ぎ目Pの部分に、釣糸ガイドを装着して肉厚部を形成していないことから、亀裂が生じて外観を損ねるようなことはない。すなわち、穂先竿が撓んだ際、最も応力集中し易い部分に、樹脂の肉厚部分が存在していないため、樹脂の肉厚部分で生じ易い亀裂が生じることはなく、外観を損ねるようなことはない。また、たとえ継ぎ目部分で亀裂が生じても、糸条体20の凹凸状態が残るように樹脂を塗布して保護層21を形成しているため、亀裂そのものが目立ち難くなる。
また、本実施形態では、図3に示すように、大径竿杆12の部分で、前記糸条体20を介在させることなく釣糸ガイド7の脚部7aを固定しているため、釣糸ガイドの脚部の固定位置が大径化することなく、前後の釣糸ガイドとの間、特に、それよりも前方側に位置する釣糸ガイド7C(図2参照)との間でバランスが取りやすくなる。
また、本実施形態では、装着固定される釣糸ガイド7の脚部7aの取り付け長さLの範囲内に、挿入固定される小径竿杆15の端部15aを位置させているため、穂先竿が大きく撓んで、端部15aから大きなこじれる力が大径竿杆12の内面に作用しても、この領域は、装着固定される釣糸ガイドの脚部によって補強されているため、亀裂等が発生し難く、継合部端部の強度補強をすることができる。
さらに、上記した構成において、糸条体20については、図2に示すように、小径竿杆15の先端に挿入固定されるトップガイド8の挿入固定部の端部位置8aまで連続形成しておくことが好ましい。
このように、小径竿杆15の全長に亘って糸条体20を巻回し、その表面に上記した態様で保護層21を塗布しておくことで、穂先竿が大きく撓んだ際の亀裂を効果的に防止できると共に、亀裂が生じても、それを視認し難くすることができる。
図5は、上記した実施形態の変形例を示す図であり、穂先竿を構成する大径竿杆と小径竿杆の継合部分を示す図である。
この変形例では、糸条体20を、大径竿杆12の後端に至るまで巻回すると共に、小径竿杆15と大径竿杆12との段差部分にテーパを設けることなく、そのままの状態としている。また、釣糸ガイド7の脚部7aは、保護層21が被着された糸条体20を介在させて大径竿杆12に固定している。
このように、小径竿杆15と大径竿杆12の継合部における継ぎ目P部分の保護層21が露出した状態となっていれば、糸条体20の巻回範囲、及び、両竿杆の継合構造については、適宜、変形することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
本発明は、釣竿の穂先竿部分が、上記したように、中空状の大径竿杆と、これに挿入固定される小径竿杆で構成され、かつ、その継合部における継ぎ目部分で、巻回される糸条体20の保護層21が露出した状態になっていれば、その他の構成については、図に示した構成に限定されることはない。また、穂先竿10を構成する小径竿杆15については、中実状に構成されていたが、管状体として構成されていても良い。
1 釣竿
3 元竿
5 中竿
7,7A,7B,7C 釣糸ガイド
8 トップガイド
10 穂先竿
12 大径竿杆
15 小径竿杆
16 継合部
20 糸条体
21 補強層
P 継ぎ目

Claims (5)

  1. 中空の大径竿杆の穂先側に、小径竿杆を挿入固定した継合部を有する穂先竿を備えた釣竿であって、
    前記小径竿杆から前記継合部の継ぎ目を超える位置に亘って糸条体を密接して巻回すると共に、前記密接して巻回される糸条体の凹凸状態が残るように樹脂を塗布して保護層を形成し、少なくとも前記継ぎ目部分の前記保護層を露出させた穂先竿を有することを特徴とする釣竿。
  2. 前記大径竿杆の穂先側端部に、前記保護層が形成された糸条体を介在させることなく、釣糸ガイドの脚部を載置して糸条体を巻回し、樹脂を塗布して前記釣糸ガイドを固定したことを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記大径竿杆の穂先側端部に、前記保護層が形成された糸条体を介在させた状態で釣糸ガイドの脚部を載置して糸条体を巻回し、樹脂を塗布して前記釣糸ガイドを固定したことを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  4. 前記釣糸ガイドの脚部は、前記大径竿杆に挿入固定される小径竿杆の端部上に位置した状態で固定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の釣竿。
  5. 前記小径竿杆の先端にトップガイドを挿入固定し、その端部まで前記糸条体を連続形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の釣竿。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018093783A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 株式会社シマノ 振り出し竿用の遊動ガイド及び振り出し竿
CN111093366A (zh) * 2017-10-31 2020-05-01 古洛布莱株式会社 具有安装有安装部件的竿体的钓竿

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