いくつかの実施形態では、装置は、バルブおよびアクチュエータを含む。バルブは、エンジンのシリンダヘッドによって画定されたバルブポケット内に移動可能に配置された部分を有する。バルブは、シリンダヘッドに対して、閉位置と開位置との間の距離だけ移動するように構成される。バルブのこの部分は、バルブが開位置にあるときにエンジンのシリンダと流体連通する流れ開口部を画定する。アクチュエータは、閉位置と開位置との間の距離を選択的に変化させるように構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、バルブおよびアクチュエータを含む。バルブは、エンジンのシリンダヘッドによって画定された流路内に移動可能に配置された部分を有する。バルブは、シリンダヘッドに対して、閉位置と開位置との間の距離だけ移動するように構成される。バルブは、エンジンのクランクシャフトの回転とは無関係に移動するように構成される。バルブが開位置にあるときには、エンジンのシリンダの外側にバルブが配置される。アクチュエータは、閉位置と開位置との間の距離を選択的に変化させるように構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、バルブと、付勢部材と、アクチュエータとを含む。バルブは、エンジンのシリンダヘッドによって画定された流路内に移動可能に配置された部分を有する。バルブは、シリンダヘッドに対して、閉位置と開位置との間の距離だけ移動するように構成される。バルブは、エンジンのクランクシャフトの回転とは無関係に移動するように構成される。たとえば、ばねとすることができる付勢部材は、閉位置に向かってバルブを付勢するように構成される。付勢部材は、バルブが閉位置にあるときに、バルブに力を加えるように構成される。アクチュエータは、閉位置と開位置との間の距離を選択的に変化させるように構成される。バルブが閉位置にあるとき、付勢部材によってバルブに加えられる力は、実質的に一定の値に維持される。同様に述べられるように、アクチュエータは、バルブが閉位置にあるときに、付勢部材によってバルブに加えられる力を変えることなく、バルブ移動量を選択的に変化させるように構成される。
図1および図2は、それぞれ、第1の構成および第2の構成における、一実施形態によるシリンダヘッドアセンブリ130の概略図である。シリンダヘッドアセンブリ130は、シリンダヘッド132およびバルブ部材160を含む。シリンダヘッド132は、長手軸Lpを有するバルブポケット138を画定する内面134を有する。バルブ部材160は、2つの流路168を画定し、長手軸Lvを有するテーパ部分162を有する。テーパ部分162は2つの封止部分172を含み、各封止部分は流路168のうちの1つに隣接して配置される。テーパ部分162は、第1の側面164および第2の側面165を含む。テーパ部分162の第2の側面165は、長手軸Lvからテーパ角Θだけ角度がずらされており、それによって、テーパ部分162のテーパが生成される。第1の側面164は、長手軸Lvに実質的に平行であり、その結果、テーパ部分162が非対称となるように図示されているが、いくつかの実施形態では、第1の側面164は、テーパ部分162が長手軸Lvを中心にして対称となるように角度がずらされている。テーパ部分162は、テーパ角Θを画定する線形テーパを含むものとして示されているが、いくつかの実施形態では、テーパ部分162は、非線形テーパを含むことができる。
バルブ部材160は、バルブポケット138内のテーパ部分162の長手軸Lvに沿ってバルブ部材160のテーパ部分162を動かすことができるように、バルブポケット138内に往復可能に配置される。使用時には、シリンダヘッドアセンブリ130を、第1の構成(図1)および第2の構成(図2)に位置させることができる。図1に示されたように、第1の構成にあるときには、バルブ部材160は第1の位置にあり、各流路168が、シリンダヘッド132の外側の領域137と流体連通するように、封止部分172がシリンダヘッド132の内面134から離れて配置される。図2に示されたように、長手軸Lvに沿って、Aと表示された矢印によって示された方向に、バルブ部材160を内向きに動かすことによって、シリンダヘッドアセンブリ132を第2の構成に位置させる。第2の構成にあるときには、各流路168が、シリンダヘッド132の外側の領域137から流体隔離するように、封止部分172がシリンダヘッド132の内面134の一部分に接触している。
バルブ部材160全体がテーパ状であるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、バルブ部材の一部分のみがテーパ状である。たとえば、本明細書で論じられるように、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、1つまたは複数の非テーパ部分を含むことができる。他の実施形態では、バルブ部材は、複数のテーパ部分を含むことができる。
流路168は、バルブ部材160の長手軸Lvに実質的に垂直であるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、流路168は、長手軸Lvから角度をずらすことができる。さらに、いくつかの実施形態では、バルブ部材160の長手軸Lvは、バルブポケット138の長手軸Lpと一致しなくてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ部材の長手軸は、バルブポケットの長手軸からずらすことができ、またバルブポケットの長手軸と平行にすることができる。他の実施形態では、バルブの長手軸は、バルブポケットの長手軸に対してある角度で配置することができる。
図示のように、テーパ部分162の長手軸Lvは、バルブ部材の長手軸と一致している。したがって、本明細書全体を通じて、テーパ部分の長手軸は、バルブ部材の長手軸と称されてもよく、バルブ部材の長手軸は、テーパ部分の長手軸と称されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、テーパ部分の長手軸は、バルブ部材の長手軸からずらすことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ部材の長手軸がテーパ部分の長手軸からずれるように、後述の第1のステム部分および/または第2のステム部分は、テーパ部分から角度をずらすことができる。
シリンダヘッドアセンブリ130は、流路168がシリンダヘッド132の外側の領域137と流体連通している第1の構成(すなわち、開構成)と、流路168がシリンダヘッド132の外側の領域137から流体隔離している第2の構成(すなわち、閉構成)とを有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、第1の構成は閉構成とすることができ、第2の構成は開構成とすることができる。他の実施形態では、シリンダヘッドアセンブリ130は、2つ以上の構成を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、たとえば、部分的な開構成と完全な開構成のように、複数の開構成を有することができる。
図3および図4は、それぞれ、第1の構成および第2の構成における、一実施形態によるエンジン200の一部分の概略図である。エンジン200は、シリンダヘッドアセンブリ230と、シリンダ203と、気体マニホールド210とを含む。シリンダ203は、シリンダヘッドアセンブリ230の第1の表面235に結合し、たとえば、エンジンブロック(図示せず)によって画定された燃焼シリンダとすることができる。気体マニホールド210は、シリンダヘッドアセンブリ230の第2の表面236に結合し、たとえば、吸気マニホールドまたは排気マニホールドとすることができる。第1の表面235および第2の表面236は、互いに平行であり、シリンダヘッド232の両側に配置されるものとして示されているが、他の実施形態では、第1の表面および第2の表面は、互いに隣接することができる。さらに別の実施形態では、気体マニホールドおよびシリンダは、シリンダヘッドの同じ表面に結合することができる。
シリンダヘッドアセンブリ230は、シリンダヘッド232およびバルブ部材260を含む。シリンダヘッド232は、長手軸Lpを有するバルブポケット238を画定する内面234を有する。シリンダヘッド232は、また、2つのシリンダ流路248と、2つの気体マニホールド流路244とを画定する。シリンダ流路248のそれぞれは、シリンダ203およびバルブポケット238と流体連通している。同様に、気体マニホールド流路244のそれぞれは、気体マニホールド210およびバルブポケット238と流体連通している。各シリンダ流路248は、他方のシリンダ流路248から流体隔離しているものとして示されているが、他の実施形態では、シリンダ流路248は、互いに流体連通することができる。同様に、各気体マニホールド流路244は、他方の気体マニホールド流路244から流体隔離しているものとして示されているが、他の実施形態では、気体マニホールド流路244は、互いに流体連通することができる。
バルブ部材260は、長手軸Lvと、長手軸Lvに対するテーパ角Θとを有するテーパ部分262を有する。テーパ部分262は、2つの流路268を画定し、それぞれが流路268のうちの1つに隣接して配置されている2つの封止部分272を含む。一次元の非対称のテーパであるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、テーパ部分は、長手軸Lvを中心として対称的なテーパ状としてもよい。他の実施形態では、本明細書でより詳細に論じられるように、テーパ部分は、長手軸Lvを中心として2つの次元においてテーパ状とすることができる。
バルブ部材260は、バルブポケット238内で長手軸Lvに沿って、バルブ部材260のテーパ部分262を動かすことができるように、バルブポケット238内に配置される。使用時、エンジン200を、第1の構成(図3)および第2の構成(図4)に位置させることができる。図3に示されるように、第1の構成にあるとき、バルブ部材260は第1の位置にあり、各流路268は、シリンダ流路248のうちの1つおよび気体マニホールド流路244のうちの1つと流体連通している。このようにして、気体マニホールド210は、シリンダ203と流体連通している。流路268は、エンジンが第1の構成にあるとき、シリンダ流路248および気体マニホールド流路244と整列しているものとして示されているが、他の実施形態では、流路268は、直接整列している必要はない。換言すると、エンジン200が第1の構成にあるときには、流路268、248、24はずれていてもよいが、気体マニホールド210はなおもシリンダ203と流体連通している。
図4に示されるように、エンジン200が第2の構成にあるときには、バルブ部材260は、第1の位置から、Bと表示された矢印によって示された方向に、軸方向にずれている第2の位置にある。第2の構成では、封止部分272は、各流路268がシリンダ流路248から流体隔離するように、シリンダヘッド232の内面234の一部分と接触している。このようにして、シリンダ203は、気体マニホールド210から流体隔離している。
図5は、一実施形態による、第1の構成におけるシリンダヘッドアセンブリ330を含むエンジン300の一部分の正面断面図である。図6は、第2の構成におけるシリンダヘッドアセンブリ330の正面断面図である。エンジン300は、エンジンブロック302と、エンジンブロック302に結合されたシリンダヘッドアセンブリ330とを含む。エンジンブロック302は、長手軸Lcを有するシリンダ303を画定する。ピストン304は、シリンダ303の長手軸Lcに沿って往復運動できるように、シリンダ303内に配置される。ピストン304は、ピストンがシリンダ303内で往復運動すると、クランクシャフト308が長手軸(図示せず)を中心にして回転するように、オフセットスロー307を有するクランクシャフト308に、コネクティングロッド306によって結合されている。このようにして、ピストン304の往復運動を、回転運動に変換することができる。
シリンダヘッドアセンブリ330の第1の表面335は、第1の表面335の一部分がシリンダ303の上側部分を覆い、それにより燃焼室309を形成するように、エンジンブロック302に結合されている。シリンダ303を覆う第1の表面335の一部分は、湾曲し、ピストンの上面からずれた角度になっているように示されているが、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリ330が燃焼室中に突出するバルブを含まないので、燃焼室の一部を形成するシリンダヘッドアセンブリの表面は、任意の適切な形状設計を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、燃焼室の一部を形成するシリンダヘッドアセンブリの表面は、平坦で、ピストンの上面に平行とすることができる。他の実施形態では、燃焼室の一部を形成するシリンダヘッドアセンブリの表面は、半球燃焼室、ペントルーフ燃焼室などを形成するために湾曲させることができる。
内部領域312を画定する気体マニホールド310は、気体マニホールド310の内部領域312が、第2の表面336の一部分と流体連通するように、シリンダヘッドアセンブリ330の第2の表面336に結合されている。本明細書に詳述されるように、この配設により、たとえば空気または燃焼副生成物のような気体を、シリンダヘッドアセンブリ330および気体マニホールド310を介して、シリンダ303に入る、またはシリンダ303から出るように輸送できるようになる。エンジンは、単一の気体マニホールド310を含むように図示されているが、いくつかの実施形態では、2つ以上の気体マニホールドを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、エンジンは、空気および/または混合気をシリンダヘッドに供給するように構成された吸気マニホールドと、シリンダヘッドから排気ガスを外に輸送するように構成された排気マニホールドとを含むことができる。
さらに、図示のように、いくつかの実施形態では、第1の表面335は第2の表面336に対向させることができ、それにより、シリンダ303に入る、および/またはシリンダ303から出る気体の流れが、実質的に真っ直ぐな線に沿って生じることができる。このような配設では、シリンダ流路348の直上にある吸気マニホールド(図示せず)内に燃料噴射装置(図示せず)を配置することができる。このようにして、噴射された燃料を、一連の屈曲の影響を受けることなく、シリンダ303に搬送することができる。燃料経路に沿った屈曲をなくすことにより、燃料衝突および/またはウォールウェッティングを低減することができ、それによって、たとえば、過渡応答を改善するなど、エンジン性能がより効率的になる。
シリンダヘッドアセンブリ330は、シリンダヘッド332およびバルブ部材360を含む。シリンダヘッド332は、長手軸Lpを有するバルブポケット338を画定する内面334を有する。シリンダヘッド332は、また、4つのシリンダ流路348および4つの気体マニホールド流路344を画定する。シリンダ流路348のそれぞれは、シリンダヘッド332の第1の表面335に隣接し、シリンダ303およびバルブポケット338と流体連通している。同様に、気体マニホールド流路344のそれぞれは、シリンダヘッド332の第2の表面336に隣接し、気体マニホールド310およびバルブポケット338と流体連通している。シリンダ流路348のそれぞれは、対応する気体マニホールド流路344と整列している。この構成では、シリンダヘッドアセンブリ330が第1の(すなわち開)構成であるとき(たとえば、図5および図7参照)、気体マニホールド310は、シリンダ303と流体連通している。反対に、シリンダヘッドアセンブリ330が第2の(すなわち閉)構成であるとき(たとえば、図6および図8を参照)、気体マニホールド310は、シリンダ303から流体隔離している。
バルブ部材360は、テーパ部分362と、第1のステム部分376と、第2のステム部分377とを有する。第1のステム部分376は、バルブ部材360のテーパ部分362の端部に結合され、カムシャフト314のバルブローブ315に係合するように構成される。第2のステム部分377は、第1のステム部分376に対向するテーパ部分362の端部に結合され、ばね318に係合するように構成される。ばね318の一部分は、シリンダヘッド332に取外し可能に結合された端部プレート323内に含まれており、それにより、ばね318を第2のステム部分377に向かって圧縮し、それによって、バルブ部材360を図6の矢印Dによって示される方向に付勢する。
バルブ部材360のテーパ部分362は、そこを通過する4つの流路368を画定する。テーパ部分は、8つの封止部分372を含み(たとえば、図10、図11および図13を参照)、封止部分372のそれぞれは、流路368のうちの1つに隣接して配置され、テーパ部分362の外側表面363の周辺部の周囲に連続して延在する。バルブ部材360は、バルブポケット338内で、バルブ部材360の長手軸Lvに沿ってバルブ部材360のテーパ部分362を動かすことができるように、バルブポケット338内に配置される。いくつかの実施形態では、バルブポケット338は、バルブポケット338内のバルブ部材360の運動範囲を制限するために、バルブ部材360上の対応する表面380に係合するように構成された表面352を含む。
使用時に、バルブローブ315の偏心部分がバルブ部材360の第1のステム376と接触するようにカムシャフト314が回転するとき、バルブローブ315によってバルブ部材360に加えられる力は、ばね318によってバルブ部材360に加えられる力に打ち勝つのに十分である。したがって、図5に示されるように、バルブ部材360を、バルブポケット338内で、長手軸Lvに沿って矢印Cの方向に第1の位置まで動かし、それにより、シリンダヘッドアセンブリ330を開構成に位置させる。開構成にあるとき、バルブ部材360は、各流路368が、シリンダ流路348のうちの1つ、および気体マニホールド流路344のうちの1つと整列し、流体連通するように、バルブポケット338内に位置付けられる。このようにして、気体マニホールド310は、図7においてEと付されている矢印によって示された流路に沿って、シリンダ303と流体連通している。
カムシャフトローブ315の偏心部分がバルブ部材360の第1のステム376に接触しないように、カムシャフト314を回転させるとき、ばね318によって加えられる力は、バルブ部材360を、第1の位置から矢印Dの方向に、軸方向にずれた第2の位置まで動かし、それにより、シリンダヘッドアセンブリ330を閉構成(図6参照)に位置させるのに十分である。閉構成にあるとき、各流路368は、対応するシリンダ流路348および気体マニホールド流路344からずれている。さらに、図8に示されるように、閉構成にあるとき、封止部分372のそれぞれは、各流路368がシリンダ流路348から流体隔離するように、シリンダヘッド332の内面334の一部分に接触している。このようにして、シリンダ303は、気体マニホールド310から流体隔離する。
シリンダヘッドアセンブリ330は、閉構成にあるとき、流路368をシリンダ流路348から流体隔離するように構成されているものとして記載されているが、いくつかの実施形態では、封止部分372は、各流路368がシリンダヘッド流路348および気体マニホールド流路344から流体隔離するように、シリンダヘッド332の内面334の一部分と接触するように構成することができる。他の実施形態では、封止部分372は、各流路368が、気体マニホールド流路344からのみ流体隔離するように、シリンダヘッド332の内面334の一部分と接触するように構成することができる。
シリンダ流路348のそれぞれが、その他のシリンダ流路348から流体隔離しているものとして示されているが、いくつかの実施形態では、シリンダ流路348は、互いに流体連通することができる。同様に、気体マニホールド流路344のそれぞれは、その他の気体マニホールド流路344から流体隔離しているものとして示されているが、他の実施形態では、気体マニホールド流路344は、互いに流体連通することができる。
シリンダ303の長手軸Lcは、バルブポケット338の長手軸Lpおよびバルブ360の長手軸Lvに対して実質的に垂直であるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、シリンダの長手軸は、バルブポケットの長手軸および/またはバルブ部材の長手軸から、90度ではない角度だけずらすことができる。さらに別の実施形態では、シリンダの長手軸は、バルブポケットの長手軸および/またはバルブ部材の長手軸に実質的に平行とすることができる。同様に、上述のように、バルブ部材360の長手軸Lvは、バルブポケット338の長手軸Lpと一致する、または平行である必要はない。
いくつかの実施形態では、シリンダヘッド332の一部分の中にカムシャフト314が配置される。組立て、修理および/または調整のためにカムシャフト314および第1のステム部分376にアクセスできるように、端部プレート322は、シリンダヘッド332に、取外し可能に結合されている。他の実施形態では、カムシャフトは、シリンダヘッドに取外し可能に結合された別個のカムボックス(図示せず)内に配置される。同様に、端部プレート323は、組立て、修理、交換および/または調整のためにばね318および/またはバルブ部材360へアクセスできるように、シリンダヘッド332に取外し可能に結合されている。
いくつかの実施形態では、ばね318は、バルブ部材360に力を加えるように構成されたコイルばねであり、シリンダヘッドアセンブリ330が閉構成にあるときに、それにより、封止部分372が内面334内に確実に接触し続けられる。ばね318は、たとえば、ステンレス鋼ばねワイヤのような、任意の適切な材料で構築することができ、適切な付勢力を生成するように製造することができる。いくつかの実施形態では、しかしながら、シリンダヘッドアセンブリは、シリンダヘッドアセンブリ330が閉構成にあるときに、封止部分372が内面334と確実に接触し続けることできるように、任意の適切な付勢部材を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、片持ちばね、ベルビルばね、リーフばねなどを含んでもよい。他の実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、バルブ部材に付勢力を加えるように構成された弾性部材を含むことができる。さらに別の実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、バルブ部材に付勢力を加えるように構成された、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電子アクチュエータなどのようなアクチュエータを含んでもよい。
第1のステム部分376は、カムシャフト314のバルブローブ315と直接接触しているものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、エンジンおよび/またはシリンダヘッドアセンブリは、カムシャフトと第1のステム部分との間に配置された、たとえば、調節可能タペットのような、所定のバルブラッシ設定を維持するように構成された部材を含むことができる。他の実施形態では、エンジンおよび/またはシリンダヘッドアセンブリは、バルブ部材がカムシャフトに確実に定常的に接触できるようにするために、カムシャフトと第1のステム部分との間に配置された油圧リフタを含んでもよい。さらに他の実施形態では、エンジンおよび/またはシリンダヘッドアセンブリは、第1のステム部分の間に配置された、たとえば、ローラーフォロアのようなフォロア部材を含むことができる。同様に、いくつかの実施形態では、エンジンは、ばねに隣接して配置された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、第2のステム部分は、たとえば、ポケット、クリップなどのようなばねリテーナを含むことができる。他の実施形態では、ばねに隣接してバルブローテータを配置することができる。
シリンダヘッド332は、エンジンブロック302に結合された別個の構成要素であるものとして図示され、記載されるが、いくつかの実施形態では、シリンダヘッド332およびエンジンブロック302は、一体的に製造することができ、それにより、シリンダヘッドガスケットおよびシリンダヘッド装着ボルトの必要性がなくなる。いくつかの実施形態では、たとえば、エンジンブロックおよびシリンダヘッドは、単一の金型を使用して鋳造することができ、その後、シリンダ、バルブポケットなどを含むように機械加工することができる。さらに、上述のように、バルブ部材は、端部プレートを取り外すことによって設置および/または修理することができる。
エンジン300は、単一のシリンダを含むものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、エンジンは、任意の数のシリンダを任意の配列で含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、エンジンは、任意の数のシリンダを直列配列で含むことができる。他の実施形態では、任意の数のシリンダを、v字構成、対向構成、または放射状構成で配列してもよい。
同様に、エンジン300は、任意の適切な熱力学サイクルを使用してもよい。そのようなエンジンタイプには、たとえば、ディーゼルエンジン、火花点火エンジン、予混合圧縮着火(HCCI)エンジン、2ストロークエンジン、および/または4ストロークエンジンを挙げることができる。さらに、エンジン300は、たとえば、マルチポート燃料噴射、シリンダへの直接噴射、キャブレーションなどのような、任意の適切なタイプの燃料噴射システムを含むことができる。
シリンダヘッドアセンブリ330は、取り付け穴、スパークプラグなどがないものとして図示し、上述されているが、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、取り付け穴、スパークプラグ、冷却通路、オイルドリルなどを含む。
単一のバルブ360および単一の気体マニホールド310を参照して、シリンダヘッドアセンブリ330が図示され、上述されているが、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、複数のバルブおよび気体マニホールドを含む。たとえば、図9は、吸気バルブ部材360Iおよび排気バルブ部材360Eを含むシリンダヘッドアセンブリ330の上面図を示している。図示のように、シリンダヘッド332は、その内部に吸気バルブ部材360Iが配置された吸気バルブポケット338Iと、その内部に排気バルブ部材360Eが配置された排気バルブポケット338Eとを画定する。上述の配設と同様に、シリンダヘッド332は、また、4つの吸気マニホールド流路344I、4つの排気マニホールド流路344E、および対応するシリンダ流路(図9には図示されていない)を画定する。吸気マニホールド流路344Iのそれぞれは、シリンダヘッド332の第2の表面に隣接し、吸気マニホールド(図示せず)および吸気バルブポケット338Iと流体連通している。同様に、排気マニホールド流路344Eのそれぞれは、シリンダヘッド332の第2の表面336に隣接し、排気マニホールド(図示せず)および排気バルブポケット338Eと流体連通している。
吸気バルブ部材360Iおよび排気バルブ部材360Eの動作は、それぞれが第1の(すなわち開)位置および第2の(すなわち閉)位置を有する点で、上述のバルブ部材360と同様である。図9では、吸気バルブ部材360Iは開位置で示されており、吸気バルブ部材360Iのテーパ部分362Iによって画定された各流路368Iは、それに対応する吸気マニホールド流路344Iおよびシリンダ流路(図示せず)と整列している。このようにして、吸気マニホールド(図示せず)がシリンダ303と流体連通し、それにより、吸気マニホールドからシリンダ303に空気の給気を搬送することができるようになる。反対に、排気バルブ部材360Eは閉位置で示されており、排気バルブ部材360Eのテーパ部分362Eによって画定された各流路368Eは、それに対応する排気マニホールド流路344Eおよびシリンダ流路(図示せず)からずれている。さらに、排気バルブ部材360Eによって画定された各封止部分(図9には図示されていない)は、各流路368Eがシリンダ流路(図示せず)から流体隔離するように、排気バルブポケット338Eの内面の一部分と接触している。このようにして、シリンダ303が、排気マニホールド(図示せず)から流体隔離する。
バルブ部材360I、360Eが、それぞれの第1の位置と第2の位置との間で、動くにつれて、シリンダヘッドアセンブリ330は、バルブ部材360I、360Eの位置の様々な組合せに対応する多くの異なる構成を有することができる。1つの可能な構成は、図9に示されるように、吸気バルブ部材360Iが開位置にあり、排気バルブ部材360Eが閉位置にある吸気構成を含む。別の可能な構成は、バルブが両方とも閉位置にある燃焼構成を含む。さらに別の可能な構成は、吸気バルブ部材360Iが閉位置にあり、排気バルブ部材360Eが開位置にある排気構成を含む。さらに別の可能な構成は、バルブが両方とも開位置にあるオーバーラップ構成である。
上述の動作と同様に、吸気バルブ部材360Iおよび排気バルブ部材360Eは、吸気バルブローブ315Iと排気バルブローブ315Eとを含むカムシャフト314によって動かされる。図示のように、吸気バルブ部材360Iおよび排気バルブ部材360Eは、それぞれ対応するばね318I、318Eによって閉位置まで付勢される。吸気バルブローブ315Iおよび排気バルブローブ315Eは、単一のカムシャフト314上に配置される。ものとして示されているが、いくつかの実施形態では、エンジンは、吸気バルブ部材および排気バルブ部材を動かすために、別々の複数のカムシャフトを含むことができる。他の実施形態では、本明細書に記載されるように、吸気バルブ部材360Iおよび/または排気バルブ部材360Eは、たとえば、電子ソレノイド、ステッパモーター、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、圧電アクチュエータなどのような適切な手段によって動かされる。さらに別の実施形態では、吸気バルブ部材360Iおよび/または排気バルブ部材360Eは、ばねによって閉位置に維持されてはいないが、むしろ、バルブを移動させるための上述の同様の機構を含む。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ部材の第1のステムは、カムシャフトバルブローブに係合することができ、バルブ部材の第2のステムは、バルブ部材を付勢するように構成されたソレノイドに係合することができる。
図10〜図13は、バルブ部材360の上面図、正面図、側面断面図および斜視図をそれぞれ示している。上述のように、バルブ部材は、テーパ部分362と、第1のステム部分376と、第2のステム部分377とを有する。バルブ部材360のテーパ部分362は、4つの流れ通路368を画定する。各流路368は、テーパ部分362を通して延在し、第1の開口部369および第2の開口部370を含む。例示された実施形態では、流路368同士は、テーパ部分362の長手軸Lvに沿って、距離Sだけ離間している。距離Sは、第1の(開)構成から第2の(閉)構成に遷移するときに、テーパ部分がバルブポケット338内で動く距離に対応する。したがって、流路368同士をより近い間隔にすることによって、バルブ部材の移動量(またはストローク)を低減することができる。いくつかの実施形態では、距離Sは、2.3mmから4.2mm(0.090インチから0.166インチ)とすることができる。他の実施形態では、距離Sは、2.3mm(0.090インチ)未満、または4.2mm(0.166インチ)超とすることができる。一定間隔Sを有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、流路は、それぞれ、異なる距離だけ離れている。本明細書でより詳細に論じられるように、バルブ部材のストロークを低減した結果、たとえば、寄生損失を低減、より弱いバルブばねを使用できるようになること、など、エンジン性能のいくつかの改善をもたらすことができる。
テーパ部分362は、長くて幅の狭い形状の4つの流路を画定するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、任意の適切な形状およびサイズを有する任意の数の流路を画定する。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、4つのより大きい流路を有するバルブ部材の累積流れ面積とほぼ同じ(流路の長手軸Lfに垂直な面に沿って切り取られた)累積流れ面積を有するように構成された8つの流路を含むことができる。そのような実施形態では、流路は、「8通路バルブ部材」の流路同士の間隔が、「4通路バルブ部材」の流路同士の間隔のほぼ半分になるように配設することができる。したがって、「8通路バルブ部材」のストロークは、「4通路バルブ部材」のストロークのほぼ半分となり、その結果、流れ面積が実質的に同じであると同時に、バルブ部材は、ほぼ半分の距離だけ動かすことが必要である配設をもたらす。
各流路368は、他の流路368と同じ形状および/またはサイズを有する必要はない。むしろ、図示のように、流路のサイズは、バルブ部材360のテーパ部分362のテーパとともに減少することができる。このようにして、バルブ部材360は、累積流れ面積を最大化し、その結果、エンジン動作をより効率的にするように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、流路368の形状および/またはサイズを、長手軸Lfに沿って変化することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、流路は、長手軸Lfに沿った導入用面取りまたはテーパを有してもよい。
同様に、それぞれのマニホールド流路344およびそれぞれのシリンダ流路348は、それぞれ、その他のマニホールド流路344およびそれぞれのシリンダ流路348と同じ形状および/またはサイズを有する必要はない。さらに、いくつかの実施形態では、マニホールド流路344および/またはシリンダ流路348の形状および/またはサイズは、それぞれ対応する長手軸に沿って変化することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、マニホールド流路は、長手軸に沿った導入用面取りまたはテーパを有することができる。他の実施形態では、シリンダ流路は、長手軸に沿った導入用面取りまたはテーパを有することができる。
流路368の長手軸Lfは、バルブ部材360の長手軸Lvに実質的に垂直であるものとして図12に示されているが、いくつかの実施形態では、流路368の長手軸Lfは、バルブ部材360の長手軸Lvから90度ではない角度だけ角度がずらすことができる。さらに、本明細書でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、1つの流路の長手軸および/または中心線は、別の流路の長手軸に平行である必要はない。
図5を参照して前述されたように、バルブ部材360は、バルブポケット338内のバルブ部材360の運動範囲を制限するために、バルブポケット338内の対応する表面352に係合するように構成された表面380を含む。表面380は、第2のステム部分377に隣接して配置された肩状の表面であるとして図示されているが、いくつかの実施形態では、表面380は、任意の適切な幾何形状を有することができ、バルブ部材360に沿っていかなるところにも配置することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、第1のステム部分上に配置され、バルブ部材の長手方向の運動を制限するように構成された面を有することができる。他の実施形態では、バルブ部材は、ステム部分のうちの1つに配置され、バルブ部材の回転運動を制限するように構成された平坦面を有することができる。さらに他の実施形態では、図37に示されるように、バルブ部材360は、対合するキー399内に配置されるように構成された整合キー398を使用して整合することができる。
バルブ部材360の上面図を示す図10に示されるように、テーパ部分362の第1の対向する側面364は、互いに第1のテーパ角Θだけ角度がずれている。同様に、バルブ部材360の正面図を提示する図11に示されるように、テーパ部分362の第2の対向する側面365は、互いに角度αだけ角度がずれている。このように、バルブ部材360のテーパ部分362は、2次元でテーパ状になっている。
別の言い方をすると、バルブ部材360のテーパ部分362は、長手軸Lvに垂直な第1の軸Yに沿って測定された幅Wを有する。同様に、テーパ部分362は、長手軸Lvと第1の軸Yの両方に垂直な第2の軸Zに沿って測定された厚さT(バルブ部材の任意の位置の壁厚さと混同しないこと)を有する。テーパ部分362は、幅Wの線形変化および厚さTの線形変化によって特徴づけられる2次元テーパを有する。図10に示されるように、テーパ部分362の幅は、テーパ部分362の一端における値W1から、テーパ部分362の対向する端部における値W2まで増大する。長手軸Lvに沿った幅の変化は、第1のテーパ角Θを画定する。同様に、図11に示されるように、テーパ部分362の厚さは、テーパ部分362の一端における値T1から、テーパ部分362の対向する端部における値T2まで増大する。長手軸Lvに沿った厚さの変化は、第2のテーパ角αを画定する。
例示された実施形態では、第1のテーパ角Θおよび第2のテーパ角αは、それぞれ、2度と10度との間である。いくつかの実施形態では、第1のテーパ角Θは、第2のテーパ角αと同じである。他の実施形態では、第1のテーパ角Θと第2のテーパ角αは異なる。テーパ角の選択は、バルブ部材のサイズと、シリンダヘッド332の封止部分372および内面334によって形成された封止部の性質とに影響を与えることがある。いくつかの実施形態では、たとえば、テーパ角Θ、αは、90度と同程度にの大きいことがある。他の実施形態では、テーパ角Θ、αは、1度程度に小さいことがある。さらに別の実施形態では、本明細書でより詳細に論じられるように、バルブ部材は、テーパ部分がない(すなわち、0度のテーパ角)ことがある。
テーパ部分362は、単一の線形テーパを有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、湾曲したテーパを有するテーパ部分を含むことができる。他の実施形態では、本明細書でより詳細に論じられるように、バルブ部材は、複数のテーパを有するテーパ部分を有してもよい。さらに、側面164、165は、長手軸Lvに対して実質的に対称的に角度がずれているように示されているが、いくつかの実施形態では、側面は、非対象に角度をずらすことができる。
図10、図11および図13に示されるように、テーパ部分362は、8つの封止部分372を含み、各封止部分は、テーパ部分362の外側表面363の周辺部の周囲に連続して延在している。封止部分372は、封止部分372のうちの2つが、各流路368に隣接して配置されるように配設される。このようにして、図8に示されるように、シリンダヘッドアセンブリ330が閉位置にあるとき、封止部分372のそれぞれは、各流路368が各シリンダ流路348および/または各気体マニホールド流路344から流体隔離するように、シリンダヘッドの内面334の一部分と接触している。反対に、シリンダヘッドアセンブリ330が開位置にあるとき、封止部分372のそれぞれは、各流路368が対応するシリンダ流路348および対応する気体マニホールド流路34と流体連通するように、シリンダヘッド332の内面334から離れて配置される。
封止部分372は、バルブ部材360の外側表面363の周辺部の周囲に、長手軸Lvに実質的に垂直に延在しているものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、封止部分は、長手軸Lvに対して任意の角度関係とすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、封止部分372は、互いに角度をずらすことができる。
封止部分372は、長手軸Lvおよび第1の軸Yに平行な面でみると(すなわち、図10)、線形的にテーパ部分362の外側表面363の周辺部の周囲に連続して延在する点の軌跡として図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、封止部分は、非線形的に外側表面の周辺部の周囲に連続して延在することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、封止部分は、長手軸Lvおよび第1の軸Yに平行な面でみると、湾曲している可能性がある。他の実施形態では、たとえば、図14に示されるように、封止部分は、2次元的にすることができる。図14は、テーパ部分472と、第1のステム部分476と、第2のステム部分477とを有するバルブ部材460を示している。上述のように、テーパ部分は、それを通過する4つの流路468を含む。テーパ部分は、また、各流路468の周囲に配置され、テーパ部分462(明瞭にするために、2つの封止部分472のみが図示されている)の外側表面463の周辺部の周囲に連続して延在する2つの封止部分472も含む。上述の封止部分372とは対照的に、封止部分472は、バルブ部材460の長手軸Lvに沿って測定された幅Xを有する。
図12に示されるように、テーパ部分362は、十分なテーパと十分なサイズの流路の両方を可能にすることができる、楕円形の断面を有する。しかしながら、他の実施形態では、テーパ部分は、たとえば、円形の断面、長方形の断面などのように、任意の適切な断面形状を有することができる。
図10〜図13に示されるように、バルブ部材360は、第1のステム部分376、第2のステム部分377およびテーパ部分362を含むように一体的に形成されている。しかしながら、他の実施形態では、バルブ部材は、第1のステム部分、第2のステム部分およびテーパ部分を形成するために一緒に結合された別個の構成要素を含む。さらに他の実施形態では、バルブ部材は、第1のステム部分および/または第2のステム部分を含んではいない。たとえば、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、バルブポケット内に配置され、カムシャフトのバルブローブおよびバルブ部材の一部分に係合するように構成された別個の構成要素を含み、それにより、カムシャフトからバルブ部材に力を直接伝達することができる。同様に、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドアセンブリは、バルブポケット内に配置され、ばねおよびバルブ部材の一部分に係合するように構成された別個の構成要素を含み、それにより、ばねからバルブ部材に力を伝達することができる。
封止部分372および外側表面363は、一体的に構築されているものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、封止部分は、テーパ部分の外側表面に結合された別個の構成要素とすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、封止部分は、摩擦嵌合によってテーパ部分の外側表面上の対合溝中に保持されている封止リングとすることができる。他の実施形態では、封止部分は、たとえば、化学接合、熱接合などのような任意の適切な手段によって、テーパ部分の外側表面に接合されている別個の構成要素とすることができる。さらに他の実施形態では、封止部分は、たとえば、静電スプレー蒸着、化学蒸着、物理蒸着、イオン交換コーティングなどのような任意の適切な方法で、テーパ部分の外側表面に塗布されたコーティングを含む。
バルブ部材360は、任意の適切な材料または材料の組合せで製造することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、テーパ部分は、第1の材料から製造することができ、ステム部分は、第1の材料とは異なる第2の材料で製造することができ、封止部分は、別々に形成される限り、最初の2つの材料とは異なる第3の材料から製造で製造することができる。このようにして、バルブ部材の各部分は、その本来の機能に最も適切な材料で構築することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、封止部分がシリンダヘッドの内面に接触する場合に容易に摩耗するように、封止部分は、たとえば、未硬化の430FRステンレス鋼のように、比較的軟らかいステンレス鋼で製造することができる。このようにして、バルブ部材は、使用中に連続して重ね合わせることができ、流体密な封止が確保される。いくつかの実施形態では、たとえば、テーパ部分は、たとえば、硬化された440ステンレス鋼のように、高い強度を有する比較的硬い材料で製造することができる。そのような材料は、高温の排気ガスへの反復する曝露に起因する場合がある故障を避けるために、必要な強度および/または硬度を提供することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、ステム部分の一方または両方を、高い圧縮強度を有するように構成されたセラミックで製造してもよい。
いくつかの実施形態では、バルブポケット338を画定する内面334を含むシリンダヘッド332は、たとえば、鋳鉄のような単一の材料で一体的に構築される。いくつかの一体的実施形態では、たとえば、バルブポケット338を画定する内面334を機械加工して、バルブ部材360の封止部分372に係合するための適切な表面を提供することができ、それにより、流体密封な封止を形成することができる。しかしながら、他の実施形態では、シリンダヘッドは、材料の任意の適切な組合せで製造することができる。本明細書でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドは、バルブポケット内に配置された1つまたは複数のバルブインサートを含むことができる。このようにして、バルブ部材の封止部分に接触するように構成された内面の一部分は、流体密封な封止を提供するのに役立つ材料および/または方法で構築することができる。
流路368は、バルブ部材360のテーパ部分362を通って延在し、第1の開口部369および第2の開口部370を有するものとして図示され、記載されているが、他の実施形態において、流路はバルブ部材を通って延在していない。図15および図16は、一実施形態によるバルブ部材560の上面図および正面図をそれぞれ示し、ここでは、流路568がバルブ部材560の外側表面563の周囲に延在する。上述のバルブ部材360と同様に、バルブ部材560は、第1のステム部分576と、第2のステム部分577と、テーパ部分562とを含む。テーパ部分562は、4つの流路568および8つの封止部分572を画定し、それぞれ、流路568の縁部に隣接して配置されている。図示された流路568は、テーパ部分562を通って延在するのではなく、テーパ部分562の外側表面563の周囲に連続的に延在する、外側表面563内の陥凹部である。
他の実施形態では、流路は、テーパ部分の外側表面の周囲に部分的にのみ延在する陥凹部とすることができる(本明細書でより詳細に論じられる、図24および図25参照)。さらに他の実施形態では、テーパ部分は、流路構成の任意の適切な組合せを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、流路のうちいくつかは、テーパ部分を通って延在するように構成することができ、他の流路は、テーパ部分の外側表面の周囲に延在するように構成することができる。
バルブ部材は、テーパ部分の周辺部の周囲に延在する複数の封止部分を含んでいるものとして図示され、上述されているが、他の実施形態では、封止部分は、テーパ部分の周辺部の周辺に延在しない。たとえば、図17は、一実施形態によるバルブ部材660の斜視図を示し、封止部分672が、流路668の開口部669の周囲に連続して延在している。上述のバルブ部材と同様に、バルブ部材660は、第1のステム部分676と、第2のステム部分677と、テーパ部分662とを含む。テーパ部分662は、その中を通って延在する4つの流路668を画定する。各流路668は、第1の開口部669と、第1の開口部に対向して配置された第2の開口部(図示せず)とを含む。上述のように、各流路668の第1の開口部および第2の開口部は、シリンダヘッド(図示せず)によってそれぞれ画定された対応する気体マニホールド流路およびシリンダ流路にそれぞれ整合するように構成されている。
テーパ部分662は、テーパ部分662の外側表面663に配置された4つの封止部分672を含む。各封止部分672は、第1の開口部669の周囲に連続して延在する点の軌跡を含む。この配設では、シリンダヘッドアセンブリが閉構成にあるとき、封止部分672は、第1の開口部669が、それと対応する気体マニホールド流路(図示せず)から流体隔離するように、シリンダヘッド(図示せず)の内面の一部分(図示せず)に接触している。それぞれが第1の開口部669の周囲に連続して延在する4つの封止部分672が含まれるものとして図示されているが、いくつかの実施形態では、封止部分は、第2の開口部670の周囲に連続して延在してもよく、それにより、シリンダヘッドアセンブリが閉構成にあるときに、第2の開口部が対応するシリンダ流路から流体隔離されている。他の実施形態では、バルブ部材は、第1の開口部669と第2の開口部670の両方の周囲に延在する封止部分を含むことができる。
図18は、封止部分772が2次元である実施形態によるバルブ部材760の斜視図を示している。図示のように、バルブ部材760は、テーパ部分772と、第1のステム部分776と、第2のステム部分777とを含む。上述のように、テーパ部分は、それを通る4つの流路768を含む。テーパ部分は、また、各流路768に隣接してそれぞれ配置され、流路768の第1の開口部769の周囲に連続して延在する4つの封止部分772をも含む。封止部分772は、封止部分772が、バルブ部材760の長手軸Lvに沿って測定された幅Xを有する点で、上述の封止部分672とは異なる。
図19は、封止部分872が、テーパ部分862の周辺部の周囲に延在し、かつ第1の開口部869の周囲に延在している実施形態による、バルブ部材860の斜視図を示している。上述のバルブ部材と同様に、バルブ部材860は、第1のステム部分876と、第2のステム部分877と、テーパ部分862とを含む。テーパ部分862は、それを通って延在する4つの流路868を画定する。各流路868は、第1の開口部869と、第1の開口部に対向して配置られた第2の開口部(図示せず)とを含む。テーパ部分862は、テーパ部分862の外側表面863上に配置された封止部分872を含む。図示のように、各封止部分872は、テーパ部分862の周辺部の周囲に延在し、かつ第1の開口部869の周囲に延在する。いくつかの実施形態では、封止部分は、隣接する開口部同士の間のスペース全体を含むことができる。
上述のように、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドは、バルブポケット内に配置された1つまたは複数のバルブインサートを含むことができる。たとえば、図20および図21は、バルブポケット938内に配置されたバルブインサート942を有するシリンダヘッドアセンブリ930の一部分を示している。図示されたシリンダヘッドアセンブリ930は、シリンダヘッド932およびバルブ部材960を含む。シリンダヘッド932は、シリンダ(図示せず)に結合するように構成された第1の外面935と、気体マニホールド(図示せず)に結合するように構成された第2の外面936とを有する。シリンダヘッド932は、長手軸Lpを有するバルブポケット938を画定する内面934を有する。シリンダヘッド932は、また、上述の方法と同じ方法で構成された、4つのシリンダ流路948および4つの気体マニホールド流路944を画定する。
バルブインサート942は、封止部分940を含み、バルブインサートを通って延在する4つのインサート流路945を画定する。バルブインサート942は、各インサート流路945の第1の部分が、気体マニホールド流路944のうちの1つと整列し、各インサート流路945の第2の部分が、シリンダ流路948のうちの1つと整列するように、バルブポケット938内に配置される。
バルブ部材960は、テーパ部分962と、第1のステム部分976と、第2のステム部分977とを有する。テーパ部分962は、外側表面963を有し、上述のように、それを通って延在する4つの流路を画定する。テーパ部分962は、また、複数の封止部分(図示せず)を含み、封止部分のそれぞれは、流路968のうちの1つに隣接して配置されている。封止部分は、上述された任意のタイプのものとすることができる。バルブ部材960は、バルブポケット938内でバルブ部材960の長手軸Lvに沿って、バルブ部材960のテーパ部分962を開位置(図20および図21)と閉位置(図示せず)との間で動かすことができるように、バルブポケット938内に配置される。開位置にあるときには、バルブ部材960は、各流路968が、インサート流路945のうちの1つ、シリンダ流路948のうちの1つ、および気体マニホールド流路944のうちの1つと整列し、流体連通するように、バルブポケット938内に位置付けられる。反対に、閉位置にあるときには、バルブ部材960は、封止部分がバルブインサート942の封止部分940と接触するように、バルブポケット938内に位置付けられる。このようにして、流路968は、シリンダ流路948および/または気体マニホールド流路944から流体隔離している。
図21に示されるように、バルブポケット938、バルブインサート942およびバルブ部材960はすべて円形の断面形状を有する。他の実施形態では、バルブポケットは、非円形の断面を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブポケットは、バルブインサートの対応する整列表面と対合するように構成された整列表面を含むことができる。たとえば、バルブインサート942がバルブポケット938中に設置されているときに、確実に、バルブインサートを適切に整列する(すなわち、インサート流路945を、気体マニホールド流路944およびシリンダ流路948と流体連通するように回転方向で整列する)ように、そのような配置が使用されてもよい。他の実施形態では、バルブポケット、バルブインサートおよび/またはバルブ部材は、任意の適切な断面形状を有してもよい。
バルブインサート942は、任意の適切な方法を使用して、バルブポケット938内に結合することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブインサートは、バルブポケットとの締まり嵌めを有することができる。他の実施形態では、バルブインサートは、バルブインサートに固定するための溶接、ねじ結合配設、バルブポケットの表面のピーニングなどによって、バルブポケット内に固定することができる。
図22は、複数のバルブインサート1042が含まれる一実施形態による、シリンダヘッドアセンブリ1030の一部分の断面図を示す。図22には、シリンダヘッドアセンブリ1030が半分だけ示されているが、当業者は、シリンダヘッドアセンブリが、バルブポケットの長手軸Lpを中心にしてほぼ対称であり、図示および上述されたシリンダヘッドアセンブリと同様であることを理解するはずである。図示されたシリンダヘッドアセンブリ1030は、シリンダヘッド1032およびバルブ部材1060を含む。上述のように、シリンダヘッド1032を、少なくとも1つのシリンダと、少なくとも1つの気体マニホールドとに結合することができる。シリンダヘッド1032は、長手軸Lpを有するバルブポケット1038を画定する内面1034を有する。シリンダヘッド1032は、また、3つのシリンダ流路(図示せず)と、3つの気体マニホールド流路1044とを画定する。
図示のように、バルブポケット1038は、いくつかの連続しない段差部分を含む。各段差部分は、長手軸Lpに実質的に平行な表面を含み、気体マニホールド通路1044のうちの1つが、その平行な表面を通って延在している。バルブインサート1042は、バルブポケット1038の連続しない段差部分のそれぞれの中に配置され、バルブインサート1042の封止部分1040がバルブ部材1060のテーパ部分1061に隣接する。この配設では、バルブインサート1042は、気体マニホールド流路1044の周囲には配置されず、したがって、上述のタイプのインサート流路を有していない。
バルブ部材1060は、中央部分1062と、第1のステム部分1076と、第2のステム部分1077とを有する。中央部分1062は3つのテーパ部分1061を含み、テーパ部分のそれぞれはバルブ部材の長手軸Lvに実質的に平行な表面に隣接して配置されている。中央部分1062は、それを通って延在する、テーパ部分1061のうちの1つ上に配置された開口部を有する3つの流路1068を画定する。各テーパ部分1061は、上述の任意のタイプの1つまたは複数の封止部分を含む。バルブ部材1060は、バルブポケット1038内でバルブ部材1060の長手軸Lvに沿って、バルブ部材1060の中央部分1062を(図22に示された)開位置と閉位置(図示せず)との間で動かすことができるように、バルブポケット1038内に配置される。開位置にあるときには、バルブ部材1060は、各流路1068が、シリンダ流路のうちの1つ(図示せず)および気体マニホールド流路1044のうちの1つと整列し、流体連通するように、バルブポケット1038内に位置付けられる。反対に、閉位置にあるときには、バルブ部材1060は、テーパ部分1061上の封止部分が対応するバルブインサート1042の封止部分1040と接触するように、バルブポケット1038内に位置付けられる。このようにして、流路1068は、気体マニホールド流路1044および/またはシリンダ流路(図示せず)から流体隔離している。
シリンダヘッドは、同じ数の気体マニホールド流路とシリンダ流路とを有するものとして図示され、上述されているが、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドは、シリンダ流路よりも少ない数の気体マニホールド流路を有することができ、また、その逆とすることもできる。たとえば、図23は、4つのシリンダ流路1148と、ただ1つの気体マニホールド流路1144とを含む実施形態によるシリンダヘッドアセンブリ1160を示す。図示されたシリンダヘッドアセンブリ1130は、シリンダヘッド1132およびバルブ部材1160を含む。シリンダヘッド1132は、シリンダ(図示せず)に結合するように構成された第1の外面1135と、気体マニホールド(図示せず)に結合するように構成された第2の外面1136とを有する。シリンダヘッド1132は、内部にバルブ部材が配置されたバルブポケット1138を画定する内面1134を有する。図示のように、シリンダヘッド1132は、上述のものと同様に構成された、4つのシリンダ流路1148と1つの気体マニホールド流路1144とを画定する。
バルブ部材1160は、テーパ部分1162と、第1のステム部分1176と、第2のステム部分1177とを有する。テーパ部分1162は、上述のように、それを通って延在する4つの流路1168を画定する。テーパ部分1162は、また、複数の封止部分を含み、封止部分のそれぞれは、流路1168のうちの1つに隣接して配置される。封止部分は、上述の任意のタイプのものとすることができる。
シリンダヘッドアセンブリ1130は、シリンダヘッドアセンブリ1130が閉構成にあるときに(図23参照)、流路1168が気体マニホールド流路1144から流体隔離していない点で、上述のものとは異なる。そうではなく、流路1168は、上述の様式で、シリンダ流路1148からのみ分離している。
エンジンは、シリンダヘッドの第1の表面に結合されたシリンダとシリンダヘッドの第2の表面に結合された気体マニホールドとを有し、第2の表面が第1の表面に対向し、それにより「直流」構成を生成するものとして図示され、記載されているが、シリンダおよび気体マニホールドは、任意の適切な構成で配置することができる。たとえば、いくつかの場合には、気体マニホールドがシリンダヘッドの側面1236に結合されていることが望ましいことがある。図24および図25は、シリンダ流路1248が気体マニホールド流路1244と実質的に垂直である実施形態による、シリンダヘッドアセンブリ1230を示している。このようにして、シリンダヘッド1232の側面1236に、気体マニホールド(図示せず)を装着することができる。
図示されたシリンダヘッドアセンブリ1230は、シリンダヘッド1232およびバルブ部材1260と含む。シリンダヘッド1232は、シリンダ(図示せず)に結合するように構成された底面1235と、気体マニホールド(図示せず)に結合するように構成された側面1236とを有する。側面1236は、底面1235に隣接し、底面1235に実質的に垂直に配置される。他の実施形態では、側面は、底面から90度ではない角度だけ角度をずらすことができる。シリンダヘッド1232は、長手軸Lpを有するバルブポケット1238を画定する内面1234を有する。シリンダヘッド1232は、また、4つのシリンダ流路1248と、4つの気体マニホールド流路1244とを画定する。シリンダ流路1248および気体マニホールド流路1244は、シリンダ流路1248が気体マニホールド流路1244に実質的に垂直である点で、前述のものとは異なる。
バルブ部材1260は、テーパ部分1262と、第1のステム部分1276と、第2のステム部分1277とを有する。テーパ部分1262は外側表面1263を含み、4つの流路1268を画定する。流路1268は、テーパ部分1262を通って延在する管腔ではなく、むしろ、テーパ部分1262の外側表面1263の周りに部分的に延在するテーパ部分1262内の陥凹部である。流路1268は、流動損失を最小限に抑える様式で、気体の流れをバルブ部材1260を通して向けるための曲面1271を含む。いくつかの実施形態では、流路1268の表面1271は、たとえば、流入流および/または流出流の回転流れパターンなどのような、所望の流れ特性を生成するように構成することができる。
テーパ部分1262は、また、複数の封止部分(図示せず)を含み、封止部分のそれぞれは、流路1268のうちの1つに隣接して配置されている。封止部分は、上述の任意のタイプのものとすることができる。バルブ部材1260は、上述のように、バルブポケット1238内でバルブ部材1260の長手軸Lvに沿って、バルブ部材1260のテーパ部分1262を開位置(図24および図25)と閉位置(図示せず)との間で動かすことができるように、バルブポケット1238内に配置することができる。
バルブ部材によって画定された流路を、実質的に互いに平行で、バルブ部材の長手軸に実質的に垂直であるものとして図示し、記載してきたが、いくつかの実施形態では、流路は、互いから角度をずらすことができ、かつ/またはバルブ部材の長手軸から90度ではない角度だけ角度をずらすことができる。たとえば、そのようなずれは、たとえば、流入流および/または流出流の渦巻パターンまたはタンブルパターンなどのような所望の流れ特性を生成するために望ましいことがある。図26は、流路1368の角度が互いにずれており、長手軸Lvに垂直ではない実施形態による、バルブ部材1360の断面図を示す。上述のバルブ部材と同様に、バルブ部材1360は、テーパ部分1362を含み、テーパ部分1362は、それを通って延在する4つの流路を画定する。各流路1368は長手軸Lfを有する。図示のように、長手軸Lfは、互いに角度がずれている。さらに、長手軸Lfは、バルブ部材の長手軸から90度ではない角度だけ角度がずれている。
流路1368は、線形形状を有し、長手軸Lfを画定するものとして図示され、記載されているが、他の実施形態では、流路は、湾曲した中心線によって特徴づけられた湾曲形状を有することができる。上述のように、流路は、シリンダに入る、および/またはシリンダから出る気体中で所望の流れ特性を生成するための湾曲形状を有するように構成することができる。
図27は、一次元のテーパ部分1462を含む実施形態による、バルブ部材1460の斜視図である。図示されたバルブ部材1460はテーパ部分1462を含み、テーパ部分1462は、それを通って延在する3つの流路1468を画定する。テーパ部分は3つの封止部分1472を含み、封止部分のそれぞれは、流路1468のうちの1つに隣接して配置され、流路1468の開口部の周囲に連続して延在している。
バルブ部材1460のテーパ部分1462は、テーパ部分1462の長手軸Lvに垂直な第1の軸Yに沿って測定された幅Wを有する。同様に、テーパ部分1462は、長手軸Lvと第1の軸Yの両方に垂直な第2の軸Zに沿って測定された厚さTを有する。テーパ部分1462は、厚さTの線形変化によって特徴づけられる1次元テーパを有する。反対に、幅Wは、長手軸Lvに沿って一定なままである。図示のように、テーパ部分1462の厚さは、テーパ部分1462の一端における値T1から、テーパ部分1462の対向する端部における値T2まで増加する。長手軸Lvに沿った厚さの変化は、テーパ角αを画定する。
バルブ部材は、1つまたは複数の封止部分を含む少なくとも1つのテーパ部分を含むものとして図示し、記載してきたが、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、バルブ部材の非テーパ部分に配置された封止部分を含むことができる。他の実施形態では、バルブ部材は、テーパ部分がなくてもよい。図28は、テーパ部分がないバルブ部材1560の正面図である。図示されたバルブ部材1560は、中央部分1562と、第1のステム部分1576と、第2のステム部分1577とを有する。中央部分1562は、外側表面1563を有し、上述のように、中央部分1562の外側表面1563の周囲に連続して延在する3つの流路1568を画定する。中央部分1562は、また、複数の封止部分1572を含み、封止部分のそれぞれは、流路1568のうちの1つに隣接して配置され、中央部分1562の周辺部の周囲に連続して延在している。
上述と同じように、バルブ部材1560は、バルブポケット(図示せず)内でバルブ部材1560の長手軸Lvの軸に沿って、バルブ部材1560の中央部分1562を開位置と閉位置との間で動かすことができるように、バルブポケット内に配置される。開位置にあるときには、バルブ部材1560は、各流路1568が、対応するシリンダ流路および気体マニホールド流路(図示せず)と整列し、流体連通するように、バルブポケット内に位置付けられる。反対に、閉位置にあるときには、バルブ部材1560は、封止部分1572がシリンダヘッドの内面の一部分と接触するように、バルブポケット内に位置付けられ、それにより、流路1568が流体隔離される。
上述のように、封止部分1572は、たとえば、バルブ部材の外側表面によって画定された溝内に配置された封止リングとすることができる。そのような封止リングは、たとえば、径方向に拡張し、それによって、バルブ部材1560が閉位置にあるときに、シリンダヘッドの内面に確実に接触するように構成されたばね負荷式のリングとすることができる。
反対に、図29および図30は、それぞれ、第1の構成および第2の構成における、複数の90度テーパ部分1631を含むシリンダヘッドアセンブリ1630の一部分を示している。図29および図30は、シリンダヘッドアセンブリ1630を半分だけ示しているが、当業者には、シリンダヘッドアセンブリがバルブポケットの長手軸Lpを中心にしてほぼ対称であり、図示および上述されたシリンダヘッドと同様であることを理解するはずである。図示されたシリンダヘッドアセンブリ1630は、シリンダヘッド1632およびバルブ部材1660を含む。シリンダヘッド1632は、長手軸Lpと、いくつかの連続しない段差部分を有するバルブポケット1638を画定する内面1634とを有する。シリンダヘッド1632は、また、3つのシリンダ流路(図示せず)と、3つの気体マニホールド流路1644を画定する。
バルブ部材1660は、中央部分1662と、第1のステム部分1676と、第2のステム部分1677とを有する。中央部分1662は、3つのテーパ部分1661と、3つの非テーパ部分1667とを含む。テーパ部分1661は、それぞれ、90度のテーパ角を有する(すなわち、長手軸Lvに実質的に垂直である)。各テーパ部分1661は、非テーパ部分1667のうちの1つに隣接して配置されている。中央部分1662は、それを通って延在する、非テーパ部分1667のうちの1つに隣接して配置された開口部を有する3つの流路1668を画定する。各テーパ部分1661は、バルブ部材1660の外側表面の周辺部の周囲に延在する封止部分を含む。
バルブ部材1660は、バルブポケット1638内でバルブ部材1660の長手軸Lvに沿って、バルブ部材1660の中央部分1662を(図29に示された)開位置と(図30に示された)閉位置との間で動かすことができるように、バルブポケット1638に配置される。開位置にあるときには、バルブ部材1660は、各流路1668が、シリンダ流路(図示せず)のうちの1つおよび気体マニホールド流路1644のうちの1つと整列し、流体連通するように、バルブポケット1638内に位置付けられる。反対に、閉位置にあるときには、バルブ部材1660は、テーパ部分1661上の封止部分が、バルブポケット1638によって画定された対応する封止部分1640と接触するように、バルブポケット1638内に位置付けられる。このようにして、流路1668は、気体マニホールド流路1644および/またはシリンダ流路(図示せず)から流体隔離している。
いくつかのバルブ部材は、カムシャフトに係合するように構成された第1のステム部分と、ばねに係合するように構成された第2のステム部分とを含むものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、付勢部材に係合するように構成された第1のステム部分と、アクチュエータに係合するように構成された第2のステム部分とを含むことができる。他の実施形態では、エンジンは2つのカムシャフトを含み、カムシャフトはそれぞれ、バルブ部材のステム部分のうちの1つに係合するように構成される。このようにして、ばねではなくカムシャフト上のバルブローブによって、バルブ部材を閉位置に付勢することができる。さらに他の実施形態では、エンジンは、1つのカムシャフトと、たとえば、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、電子ソレノイドアクチュエータなどのような1つのアクチュエータとを含むことができる。
図31は、カムシャフト1714と、バルブ部材1760を動かすように構成されたソレノイドアクチュエータ1716の両方を含む実施形態による、エンジン1700の一部分の上面図である。エンジン1700は、シリンダ1703と、シリンダヘッドアセンブリ1730と、気体マニホールド(図示せず)とを含む。シリンダヘッドアセンブリ1730は、シリンダヘッド1732と、吸気バルブ部材1760Iと、排気バルブ部材1760Eとを含む。シリンダヘッド1732は、たとえば、吸気バルブポケット、排気バルブポケット、複数のシリンダ流路、少なくとも1つのマニホールド流路などのように、上述の特徴の任意の組合せを含むことができる。
吸気バルブ部材1760Iは、テーパ部分1762Iと、第1のステム部分1776Iと、第2のステム部分1777Iとを有する。第1のステム部分1776Iは、第1の端部1778Iおよび第2の端部1779Iを有する。同様に、第2のステム部分1777Iは、第1の端部1792Iおよび第2の端部1793Iを有する。第1のステム部分1776Iの第1の端部1778Iは、テーパ部分1762Iに結合している。第1のステム部分1776Iの第2の端部1779Iは、吸気カムシャフト1714Iの吸気バルブローブ1715Iに係合するように構成されたローラ型フォロア1790Iを含む。第2のステム部分1777Iの第1の端部1792Iは、テーパ部分1762Iに結合している。第2のステム部分1777Iの第2の端部1793Iは、ソレノイドアクチュエータ1716Iに結合したアクチュエータリンケージ1796Iに結合されている。
同様に、排気バルブ部材1760Eは、テーパ部分1762Eと、第1のステム部分1776Eと、第2のステム部分1777Eとを有する。第1のステム部分1776Eの第1の端部1778Eは、テーパ部分1762Eに結合している。第1のステム部分1776Eの第2の端部1779Eは、排気カムシャフト1714Eの排気バルブローブ1715Eに係合するように構成されたローラ型フォロア1790Eを含む。第2のステム部分1777Eの第1の端部1792Eは、テーパ部分1762Eに結合している。第2のステム部分1777Eの第2の端部1793Eは、ソレノイドアクチュエータ1716Eに結合したアクチュエータリンケージ1796Eに結合されている。
この配設では、バルブ部材1760I、1760Eは、上述のように、吸気バルブローブ1715Iおよび排気バルブローブ1715Eによってそれぞれ動かすことができる。さらに、ソレノイドアクチュエータ1716I、1716Eは、矢印F(吸気)および矢印J(排気)によって示されるように、バルブ部材1760I、1760Eを閉位置まで付勢するために、付勢力を与えることができる。さらに、いくつかの実施形態では、バルブローブ1715I、1715Eによって画定されるような標準的なバルブタイミングを、ソレノイドアクチュエータ1716I、1716Eを使用してオーバーライドすることができ、それにより、(クランク角度および/または時間に応じて)より長い持続時間にわたってバルブ1760I、1760Eを開いたままにすることができる。
エンジン1700は、バルブ部材1760の運動を制御するために、ソレノイドアクチュエータ1716およびカムシャフト1714を含むものとして図示され、記載されているが、他の実施形態では、エンジンは、各バルブ部材の運動を制御するために、ソレノイドアクチュエータのみを含むことができる。そのような構成では、カムシャフトがないことにより、エンジン性能を改善するために、数ある方法のいずれかによりバルブ部材を開く、および/または閉じることができるようになる。たとえば、本明細書でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、吸気バルブ部材および/または排気バルブ部材は、エンジンサイクル(すなわち、4ストロークエンジンの場合には720度のクランク角度)の間に、複数回、開閉を繰り返すことができる。他の実施形態では、吸気バルブ部材および/または排気バルブ部材を、エンジンサイクル全体にわたって閉位置に保持することができる
。
図示され、上述されたシリンダヘッドアセンブリは、特に、カムレスアクチュエーションおよび/またはエンジン動作サイクルの任意の時点におけるアクチュエーションに適切である。より具体的には、前述のように、図示および上述されたバルブ部材は、開位置にあるときに燃焼室に延在していないので、エンジン動作中のいずれの時点もピストンには接触しない。したがって、吸気バルブ事象および/または排気バルブ事象(すなわち、クランクシャフトの角度位置に応じて、バルブが開く、および/または閉じる時点)は、ピストンの位置とは無関係に(すなわち、制限要因として、バルブとピストンの接触を考慮することなく)構成することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、吸気バルブ部材および/または排気バルブ部材を、ピストンが上死点(TDC)にあるときに、全開することができる。
さらに、図示および上述されたバルブ部材は、バルブ部材の開口部がシリンダ圧力に対抗せず、バルブ部材のストロークが比較的低く、および/またはバルブの開口することに対抗するバルブばねが比較的低い付勢力を有するので、エンジン動作中に比較的小さな力で作動させることができる。たとえば、上述のように、複数の流路を含み、それによって、流路同士の間隔を小さくすることによって、バルブ部材のストロークを低減することができる。いくつかの実施形態では、バルブ部材のストロークは、2.3mm(0.090インチ)とすることができる。
バルブ部材のストロークを低減すると、バルブ部材を開くために必要とされる力を直接低減するだけでなく、比較的低いばね力を有するバルブばねを使用できるようにすることによって、バルブ部材を開くために必要とされる力を間接的に低減することもできる。いくつかの実施形態では、バルブ動作中に、バルブ部材の一部分がアクチュエータと接触したままであることを確実にし、かつ/またはバルブ部材が開く、および/または閉じるときに、長手軸に沿って繰り返し発振しないことを確実にするように、ばね力を選択することができる。換言すると、ばね力の大きさは、動作中のバルブの「バウンス」を防止するように選択することができる。いくつかの実施形態では、バルブ部材のストロークを低減することにより、バルブ部材を、低減された速度プロファイル、加速度プロファイルおよびジャーク(すなわち、加速度の1次導関数)プロファイルにより開き、かつ/または閉じることができるようにし、それにより、衝撃力および/またはバルブ部材が動作中に跳ねる傾向を最低限にすることができる。その結果、いくつかの実施形態では、バルブばねは、比較的低いばね力を有するように構成することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブばねは、バルブ部材が閉位置にあるときにも、開位置にあるときにも、110N(50lbf)のばね力を発揮するように構成することができる。
バルブ部材1760I、1760Eを作動させるために必要な力を低減した結果として、いくつかの実施形態では、ソレノイドアクチュエータ1716I、1716Eは、比較的低い電流を必要とする12ボルトアクチュエータとすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ソレノイドアクチュエータは12ボルトで動作することができ、バルブを開いている間に引き出される電流は、14アンペアから15アンペアの電流である。他の実施形態では、ソレノイドアクチュエータは、初期のバルブ部材開放事象中には高い電圧および/または電流で動作し、バルブ部材を開いたまま保持するときには低い電圧および/または電流で動作するように構成された12ボルトアクチュエータとすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ソレノイドアクチュエータは、バルブ開放事象の初めの100ミリ秒の間、70ボルトから90ボルトの初期電圧を提供する「ピークホールド」サイクルで動作することができる。
低減された所要電力および/または低減されたバルブ部材ストロークにより、エンジン寄生損失を低減するだけでなく、バルブ事象の形状の自由度を高めることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ部材を通る流量領域が、クランクシャフト位置の関数として方形波に近似するように、バルブ部材を開く、および/または閉じるように構成することができる。
上述のように、いくつかの実施形態では、吸気バルブ部材および/または排気バルブ部材は、より長い継続時間にわたって開いたままにすること、エンジンサイクル中に複数回に開閉すること、などができる。図32は、一実施形態による、エンジン1800の一部分の概略図である。エンジン1800は、2つのシリンダ1803を画定するエンジンブロック1802を含む。シリンダ1803は、たとえば、4気筒エンジンの2つのシリンダとすることができる。上述のように、各シリンダ1803内に往復動ピストン1804が配置される。エンジンブロック1802に、シリンダヘッド1830が結合される。上述のシリンダヘッドアセンブリと同様に、シリンダヘッド1830は、2つの電気作動型吸気バルブ1860Iと、2つの電気作動型排気バルブ1860Eとを含む。吸気バルブ1860Iは、吸気マニホールド1810Iと各シリンダ1803との間の気体の流れを制御するように構成される。同様に、排気バルブ1860Eは、排気マニホールド1810Eと各シリンダとの間の気体交換を制御する。
エンジン1800は、各吸気バルブ1860Iおよび各吸気バルブ1860Eと通信している電子制御ユニット(ECU)1896を含む。ECUは、様々なセンサから入力を受信するように構成された当分野で知られるタイプのプロセッサであり、所望のエンジン運転条件を決定し、それに応じて、エンジンを制御するために、信号を様々なアクチュエータに伝達する。例示された実施形態では、ECU1896は、適当なバルブ事象を決定し、所望に応じてバルブが開閉するように、バルブ1860I、1860Eのそれぞれに電信信号を提供するように構成される。
ECU1896は、たとえば、エンジン1800を制御することに関連する1つまたは複数の特定のタスクを実行するように構成された市販の処理デバイスとすることができる。たとえば、ECU1896は、マイクロプロセッサおよびメモリデバイスを含むことができる。マイクロプロセッサは、たとえば、1つまたは複数の特定の機能を実行するように設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、またはASICの組合せとすることができる。さらに他の実施形態では、マイクロプロセッサは、アナログまたはデジタル回路、あるいは複数の回路の組合せとすることができる。メモリデバイスは、たとえば、リードオンリメモリ(ROM)構成要素、ランダムアクセスメモリ(RAM)構成要素、電気的プラグラム可能リードオンリメモリ(EPROM)、消去可能電気的プログラム可能リードオンリメモリ(EEPROM)、および/またはフラッシュメモリを含むことができる。
エンジン1800は、ECU1896を含むものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、エンジン1800は、本明細書に記載される機能を実行するようにプロセッサに命令するプロセッサ読取可能コードの形態のソフトウェアを含むことができる。他の実施形態では、エンジン1800は、本明細書に記載される機能を実行するファームウェアを含むことができる。
図33は、「シリンダ休止」モードで動作しているエンジン1800の一部分の概略図である。シリンダ休止は、たとえば、車両が、高速道路における速度で動作しているときなど、エンジンが低負荷で動作している間に(すなわち、エンジンが、比較的低い量のトルクおよび/またはパワーを生成するときに)、1つまたは複数のシリンダ中の燃焼事象を一時的に休止することによって、エンジンの効率全体を高める方法である。低負荷で動作することは、本来、とりわけ、吸気空気の絞り調整に関連付けられた高ポンプ損失に起因して、非効率的である。そのような場合、1つまたは複数のシリンダにおける燃焼事象を不活性化し、これが残りのシリンダのより高い負荷での動作を要求し、したがって、吸気空気の絞り調整を小さくし、それにより、ポンプ損失が低減されることによって、エンジン効率全体を改善することができる。
エンジン1800が、シリンダ休止モードで動作しているとき、たとえば、4気筒エンジンのシリンダ#4とすることができるシリンダ1803Aは、標準的な4ストローク燃焼サイクルで動作する発火シリンダである。反対に、たとえば、4気筒エンジンのシリンダ#3とすることができるシリンダ1803Bは休止シリンダである。図33に示されるように、エンジン1800は、発火シリンダ1803A内のピストン1804Aが、吸気ストロークで、矢印AAで示されるように、上死点(TDC)から下死点(BDC)に向かって下向きに動くように構成されている。吸気ストローク中、吸気バルブ1860IAは開かれ、それにより、矢印Nに示されるように、空気または空気/燃料混合気を吸気マニホールド1810Iからシリンダ1803A中に流すことができる。排気バルブ1860EAは、シリンダ1803Aが排気マニホールド1810Eから流体隔離するように閉じられる。
反対に、休止シリンダ1803B内のピストン1804Bは、矢印BBで示されるように、BDCからTDCに向かって上向きに動く。図示のように、吸気バルブ1860IBは開けられ、それにより空気を、矢印Pで示されるように、シリンダ1803Bから吸気マニホールド1810Iの中に流すことができる。排気バルブ1860EBは、シリンダ1803Bが排気マニホールド1810Eから流体隔離するように、閉じられている。このようにして、エンジン1800は、シリンダ1803Bが、その中に含まれている空気を吸気マニホールド1810Iおよび/またはシリンダ1803A中にポンプで送りこむように動作するように構成される。換言すると、シリンダ1803Bは、スーパーチャージャとして作用するように構成される。このようにして、エンジン1800は、シリンダ1803Aおよび1803Bが、燃料および空気を燃焼させるために自然吸気シリンダとして動作する「標準」モード、ならびにシリンダ1803Bが不活性化され、シリンダ1803Aが、燃料および空気を燃焼させるためにブーストシリンダとして動作する「ポンプ補助」モードで動作することができる。
エンジン1800は、1つのシリンダが別のシリンダに空気を供給するシリンダ休止モードで動作するものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、エンジンは、非発火シリンダの排気バルブと吸気バルブの両方が、エンジンサイクル全体にわたって閉じられたままであるシリンダ休止モードで動作してもよい。他の実施形態では、エンジンは、非発火シリンダの吸気バルブおよび/または排気バルブがエンジンサイクル全体にわたって開けられたままであるシリンダ休止モードで動作し、それにより、非発火シリンダを通して空気をポンプで送ることに関連付けられた寄生損失をなくすことができる。さらに他の実施形態では、エンジンは、非発火シリンダが車両からの力を吸収するように構成され、それにより、車両ブレーキとして作用するシリンダ休止モードで動作することができる。そのような実施形態では、たとえば、非発火シリンダの排気バルブは、その中に含まれている圧縮された空気が、いかなる膨張作用ももたらすことなく放出されるように、早期に開くように構成することができる。
図34〜図36は、それぞれ、標準的な4ストローク燃焼モード、第1の排気再循環(EGR)モード、および第2のEGRモードで動作している多気筒エンジンのシリンダのバルブ事象の図である。長手軸は、クランクシャフトの回転位置に関するシリンダ内のピストンの位置を示している。たとえば、エンジンの発火ストローク時、上死点にピストンがあるときに0度の位置になり、発火後、ピストンが下死点にあるときに180度の位置になり、気体交換ストローク時、ピストンが上死点にあるときに360度の位置になり、等々となる。破線によって境界付けられた領域は、シリンダに関連付けられた吸気バルブが開いている期間を示している。同様に、実線で境界付けられた領域は、シリンダに関連付けられた排気バルブが開いている期間を示している。
図34に示されるように、エンジンが4ストローク燃焼モードで動作しているとき、気体状混合物がシリンダに引き込まれた後に圧縮事象1910が起こる。圧縮事象1910中、ピストンがTDCに向かって上向きに動きながら、吸気バルブと排気バルブの両方が閉じられ、それにより、シリンダ内に含まれている気体状混合物を、ピストンの運動によって圧縮することができる。たとえば−10度のような適切なポイントにおいて、燃焼事象1915が開始する。たとえば、120度のような、ピストンが下向きに動いている適切なポイントで、排気バルブ開放事象1920が開始する。いくつかの実施形態では、排気バルブ開放事象1920は、ピストンがTDCに達し、下向きに動き始めるまで続く。さらに、図34に示されるように、排気バルブ開放事象1920が終了する前に、吸気バルブ開放事象1925を始めることができる。いくつかの実施形態では、たとえば、吸気バルブ開放事象1925は、340度で開始し、排気バルブ開放事象1920は390度で終了し、その結果、50度の重複期間をもたらすことができる。たとえば、600度のような適切なポイントにおいて、吸気バルブ開放事象1925が終了し、新しいサイクルが始まる。
いくつかの実施形態では、所定の量の排気ガスが、排気マニホールドから、排気再循環(EGR)バルブを通って、吸気マニホールドに搬送される。いくつかの実施形態では、EGRバルブは、正確な量の排気ガスが吸気マニホールドに確実に搬送されるように制御される。
図35に示されるように、エンジンが第1のEGRモードで動作しているとき、シリンダに関連付けられた吸気バルブは、シリンダからの排気ガスを吸気マニホールド(図35には示されていない)に直接搬送するように構成され、それにより、別個のEGRバルブは必要なくなる。図示のように、気体状混合物がシリンダに引き込まれた後、圧縮事象1910’が起こる。圧縮事象1910’中、ピストンがTDCに向かって上向きに動きながら、吸気バルブと排気バルブの両方が閉じられ、それにより、ピストンの運動によって、シリンダ内に含まれている気体状混合物を圧縮することができる。上述のように、適切なポイントにおいて、燃焼事象1915’が開始する。同様に、適切なポイントにおいて、排気バルブ開放事象1920’が開始する。たとえば、190度においてなどのような、排気バルブ事象1920’中の適切なポイントにおいて、第1の吸気バルブ開放事象1950が起こる。第1の吸気バルブ開放事象1950は、シリンダ内の排気ガスの圧力が吸気マニホールド内の圧力よりも高いときに起こるように構成することができるので、排気ガスの一部分は、シリンダから吸気マニホールド中に流れることになる。このようにして、排気ガスを、吸気バルブを介して吸気マニホールド中に、直接搬送することができる。たとえば、第1の吸気バルブ開放事象1950の持続時間を変えることによって、第1の吸気バルブ開放事象1950が起こるポイントを調整することによって、および/または第1の吸気バルブ開放事象1950中の吸気バルブのストロークを変えることによって、排気ガスの流量を制御することができる。
図35に示されるように、排気バルブ開放事象1920’が終了する前に、第2の吸気バルブ開放事象1925’を始めることができる。上述のように、適切なポイントにおいて、第1の吸気バルブ開放事象1950が終了し、第2の吸気バルブ開放事象1925’が終了し、新しいサイクルが開始する。
図36に示されるように、エンジンが第2のEGRモードで動作しているとき、シリンダに関連付けられた排気バルブは、排気マニホールド(図示せず)から、直接シリンダ(図35に示されるように)に排気ガスを搬送するように構成され、それにより、別個のEGRバルブが必要でなくなる。図示されるように、気体状混合物がシリンダ中に引き込まれた後、圧縮事象1910’’が起こる。圧縮事象1910’’中、ピストンがTDCに向かって上向きに動きながら、吸気バルブと排気バルブの両方が閉じられ、それにより、ピストンの運動によって、シリンダ内に含まれている気体状混合物を圧縮することができるようになる。上述のように、適切なポイントにおいて、燃焼事象1915’’が開始する。同様に、適切なポイントにおいて、第1の排気バルブ開放事象1920’’が開始する。
上述のように、第1の排気バルブ開放事象1920’’が終了する前に、吸気バルブ開放事象1925’’を開始することができる。たとえば、500度においてなどのように、吸気バルブ開放事象1925’’中の適切なポイントにおいて、第2の排気バルブ開放事象1960が起こる。第2の排気バルブ開放事象1960は、排気マニホールド内の排気ガスの圧力がシリンダ内の圧力よりも高いときに起こるように構成することができるので、排気ガスの一部分は、排気マニホールドからシリンダ中に流れることになる。このようにして、排気ガスを、排気バルブを介してシリンダ中に直接搬送することができる。シリンダへの排気ガスの流量は、たとえば、第2の排気バルブ開放事象1960の持続時間を変えることによって、第2の排気バルブ開放事象1960が起こるポイントを調整することによって、および/または第2の排気バルブ開放事象1960中の排気バルブのストロークを変えることによって制御することができる。上述のように、適切なポイントにおいて、第2の排気バルブ開放事象1970が終了し、吸気バルブ開放事象1925’’が終了し、新しいサイクルが開始する。
バルブ事象は方形波として提示されているが、他の実施形態では、バルブ事象は、任意の適切な形状を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ事象は、正弦波として構成することができる。このようにして、バルブ部材の加速度を制御して、バルブの開放および/または閉鎖中のバルブバウンスの可能性を最小限に抑えることができる。
図示され、上述されたバルブ部材の配設により、エンジン性能を改善することができるだけでなく、バルブ部材の組立て、修理、交換および/または調整の改善がもたらされる。たとえば、図5を参照して前述し、図37に示されるように、端部プレート323は、キャップねじ317を介して、シリンダヘッド332に取外し可能に結合され、それにより、組立て、修理、交換、および/または調整のためにばね318およびバルブ部材360へアクセスできるようになる。バルブ部材360は、シリンダヘッドの第1の表面335の下方には延在していない(すなわち、バルブ部材360は、シリンダ303中に突出していない)ので、シリンダヘッドアセンブリ330をシリンダ303から取り外すことなく、バルブ部材360を設置し、かつ/または取り外すことができる。さらに、バルブ部材360のテーパ部分362は、バルブ部材360の幅および/または厚さが、カムシャフト314から遠くに向かって(たとえば、図5の矢印Cで示される方向に)増大するようにバルブポケット338内に配置されるので、カムシャフト314、および/またはカムシャフト314とバルブ部材360との間に配置される可能性があるいかなるリンケージ(すなわち、タペット)をも取り外すことなく、バルブ部材360を取り外すことができる。さらに、気体マニホールド310を取り外すことなく、バルブ部材360を取り外すことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ユーザは、バルブポケット338を露出させるように端部プレート323を動かすこと、ばね318を取り外すこと、キー溝399から整合キー398を取り外すこと、およびバルブポケット338からバルブ部材360をスライドして取り外すことによって、バルブ部材360を取り外すことができる。たとえば、バルブ部材360の第1のステム部分377に隣接して加えられる付勢力を調節するためにそうすることが望ましい場合がある、ばね318を交換するために、同様の手順をとることができる。
同様に、端部プレート322(図5参照)は、組立て、修理、および/または調整のためにカムシャフト314および第1のステム部分376へアクセスできるようにするために、シリンダヘッド332に取り外し可能に結合される。たとえば、本明細書でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、シリンダヘッドが閉構成にあるときに、カムシャフトのバルブローブと第1のステム部分との間に所定のクリアランスを提供するように構成された調節可能タペット(図示せず)を含むことができる。そのような構成では、ユーザは、調整のためにタペットへアクセスするために、端部プレート322を取り外すことができる。他の実施形態では、カムシャフトは、シリンダヘッドに取り外し可能に結合された別個のカムボックス(図示せず)内に配置される。
図38は、一実施形態によるエンジンを組み立てるための方法2000を示すフローチャートである。図示された方法は、シリンダヘッドをエンジンブロックに結合すること(2002)を含む。上述のように、いくつかの実施形態では、シリンダヘッドボルトを使用して、シリンダヘッドをエンジンブロックに結合することができる。他の実施形態では、シリンダヘッドとエンジンブロックとを、一体的に構築してもよい。そのような実施形態では、シリンダヘッドは、キャスティングプロセス中に、エンジンブロックに結合される。次いで、2004において、エンジンにカムシャフトを設置する。
次いで、方法は、図示および上述されたタイプのバルブ部材を、シリンダヘッドによって画定されたバルブポケット中に動かすこと(2006)を含む。前述のように、いくつかの実施形態では、バルブ部材は、バルブ部の第1のステム部分がカムシャフトのバルブローブに隣接し、係合するように設置することができる。バルブ部材がバルブポケット内に配置されると、付勢部材が、バルブ部材の第2のステム部分に隣接して配置され(2008)、第1の端部プレートが、付勢部材の一部分が第1の端部プレートに係合するように、シリンダヘッドに結合される(2010)。このようにして、付勢部材は、部分的に圧縮された(すなわち、予め負荷がかけられた)構成で、低い位置に保持される。付勢部材の予負荷量は、第1の端部プレートと付勢部材との間にスペーサを追加することによって、および/または第1の端部プレートと付勢部材との間からスペーサを取り外すことによって調整できる。
いくつかの実施形態では、付勢部材は、比較的低い予負荷力を有するように構成することができるので、第1の端部プレートは、ばね圧縮装置を使用することなく、シリンダヘッドに結合することができる。他の実施形態では、第1の端部プレートをシリンダヘッドに固定するキャップねじは、所定の長さを有することができ、それにより、ばね圧縮装置を使用することなく、第1の端部プレートをシリンダに結合することができる。
次いで、図示された方法は、バルブラッシ設定を調整すること(2012)を含む。いくつかの実施形態では、バルブラッシ設定は、バルブ部材の第1のステム部分とカムシャフトとの間に配置されたタペットを調整することによって調整される。他の実施形態では、方法は、バルブラッシ設定を調整することを含まない。次いで、方法は、上述のように、第2の端部プレートをシリンダヘッドに結合すること(2014)を含む。
図39は、一実施形態による、シリンダヘッドを取り外すことなく、エンジンのバルブ部材を交換するための方法2100を示すフローチャートである。図示された方法は、シリンダヘッドによって画定されたバルブポケットの第1の開口部を露出するために、端部プレートを動かすこと(2102)を含む。いくつかの実施形態では、シリンダヘッドから端部プレートを取り外すことができる。他の実施形態では、第1の開口部が露出するように、端部プレートを緩め、枢動させることができる。バルブ部材の第2の端部部分と端部プレートとの間に配置された付勢部材を取り外す(2104)。このようにして、バルブ部材の第2の端部部分を露出させる。次いで、バルブ部材が、バルブポケット内から第1の開口部を通して動かされる(2106)。いくつかの実施形態では、第1の開口部を通してバルブ部材を動かすことを補助するために、カムシャフトを回転することができる。バルブポケット内に交換バルブ部材を配置する(2108)。次いで、付勢部材を交換し(2110)、上述のように、端部プレートをシリンダヘッドに結合する(2112)。
図40〜図43は、一実施形態による、移動量可変バルブアクチュエータアセンブリ3200を有するエンジン310の一部分の上面図の概略図である。エンジン3100は、エンジンブロック(図40〜図43には示されていない)と、シリンダヘッド3132と、バルブ3160と、アクチュエータアセンブリ3200とを含む。エンジンブロックは、(破線で示された)シリンダ3103を画定し、その内部にピストン(図40〜図43には示されていない)を配置することができる。シリンダヘッド3132は、シリンダヘッド3132の一部分がシリンダ3103の上側部分を覆い、それにより、燃焼室が形成されるようにエンジンブロックに結合されている。シリンダヘッド3132は、バルブポケット3138と、4つのシリンダ流路(図40〜図43には示されいない)とを画定する。シリンダ流路は、バルブポケット3138およびシリンダ3103に流体連通している。このようにして、本明細書に記載されるように、気体(たとえば、排気ガスまたは吸気ガス)は、エンジン3100の外側の領域とシリンダ3103との間でシリンダヘッド3132を介して流れることができる。
バルブ3160は、第1の端部部分3176および第2の端部部分3177を有し、4つの流れ開口部3168(図40〜図43では、流れ開口部のうちの1つのみにラベルが付されている)を画定する。流れ開口部3168は、シリンダヘッド3132のシリンダ流路に対応する。バルブ3160は4つの流れ開口部3168を画定するものとして示されているが、他の実施形態では、バルブ3160は、任意の数の流れ開口部(たとえば、1つ、2つ、3つ、またはそれより多い)を画定してもよい。いくつかの実施形態では、バルブ3160は、図示および上述されたバルブ360と同様のテーパバルブとすることができる。
バルブ3160は、シリンダヘッド3132のバルブポケット3138内に移動可能に配置される。より具体的には、バルブ3160は、バルブポケット3138内で、閉位置(たとえば、図40および図42)と複数の異なる開位置(たとえば、図41および図43)との間で動くことができる。バルブ3160が閉位置にあるときには、各流れ開口部3168は、対応するシリンダ流路からずれている(つまり、対応するシリンダ流路と整列していない)。さらに、バルブ3160が閉位置にあるときには、バルブ3160の少なくとも一部分は、シリンダ流路がシリンダ3103から流体隔離するように、バルブポケット3138を画定するシリンダヘッド3132の内面の一部分と接触している。いくつかの実施形態では、バルブ3160は、たとえば、エンジン3100の外側の領域からシリンダ3103を流体隔離するために、シリンダヘッド3132の表面に係合するように構成されたテーパ状表面のような、封止部分(図40〜図43には示されていない)を含むことができる。
図40および図42に示されるように、バルブ3160が閉位置にあるときには、バルブの第1の端部部分3176は、端部プレート3123から距離dclだけずれている。ばね3118は、バルブ3160の第1の端部部分3176と端部プレート3123のと間に配置される。ばね3118は、図40の矢印CCで示される方向に、バルブ3160に力を加えて、バルブ3160を閉位置に付勢する。バルブ3160が閉位置にあるときには、任意の適切な機構によって、バルブ3160が、矢印CCで示される方向にさらに動かないようにすることができる。そのような機構は、たとえば、バルブ3160およびバルブポケット3138の対合したテーパ状表面、機械的エンドストップ、磁気デバイスなどを含むことができる。
以下により詳細に記載されるように、アクチュエータアセンブリ3200は、バルブ3160が閉位置と開位置との間で動くときに、移動する距離を選択的に変えるように構成される。同様に述べられるように、閉位置(図40および図42)と任意の数の異なる開位置との間で、バルブ3160を動かすことができる。図41は、完全な開位置、すなわちアクチュエータアセンブリ3200の第1の構成に対応する開位置にあるバルブ3160を示している。図43は、部分的な開位置、すなわちアクチュエータアセンブリ3200の第2の構成に対応する開位置にあるバルブ3160を示している。バルブ3160が開位置にあるとき、バルブ3160の各流れ開口部3168は、対応するシリンダ流路に少なくとも部分的に整列している。さらに、バルブ3160が開位置にあるときには、バルブ3160の一部分は、シリンダ流路がシリンダ3103と流体連通するように、バルブポケット3138を画定するシリンダヘッド3132の内面から離隔している。したがって、バルブ3160が開位置にあるとき、気体(たとえば、排気ガスまたは吸気ガス)は、エンジン3100の外側の領域とシリンダ3103との間でシリンダヘッド3132を介して流れることができる。
図41に示されるように、バルブが第1の開位置(すなわち、完全な開位置)にあるとき、バルブの第1の端部部分3176は、距離dop1だけ端部プレート3123からずれている。したがって、バルブ3160が、閉位置から第1の開位置まで動かされるときに移動する距離は、式(1)によって示される。
(1) Travel1= dcl−dop1
図43に示されるように、バルブが第2の開位置(すなわち、部分的な開位置)にあるとき、バルブの第1の端部部分3176は、距離dop1よりも長い距離dop2だけ端部プレート3123からずれている。したがって、閉位置から第2の開位置まで動かされるときにバルブ3160が移動する距離は、閉位置から第1の開位置まで動かされるときにバルブ3160が移動する距離よりも短い。閉位置から第2の開位置まで動かされるときにバルブ3160が移動する距離は、式(2)によって示される。
(2) Travel2 = dcl−dop2
アクチュエータアセンブリ3200は、バルブアクチュエータ3210および移動量可変アクチュエータ3250を含む。バルブアクチュエータ3210は、ハウジング3240と、ソレノイドコイル3242と、プッシュロッド3212と、アーマチュア3222とを含む。ハウジング3240の第1の端部部分3243は、シリンダヘッド3132に移動可能に結合されている。このようにして、以下にさらに詳細に記載するように、ハウジング3242(したがって、バルブアクチュエータ3210)は、シリンダヘッド3132に対して移動することができる。ソレノイドコイル3242は、ハウジング3240の第1の端部部分3243内に固定して結合されている。同様に述べられるように、ソレノイドコイル3242は、ハウジング3240に対するソレノイドコイル3242の運動を防止するように、ハウジング3240内に配置される。
プッシュロッド3212は、第1の端部部分3213および第2の端部部分3214を有する。プッシュロッド3212の第2の端部部分3214は、ハウジング3240内に配置され、アーマチュア3222に結合されている。より具体的には、プッシュロッド3212の第2の端部部分3214は、アーマチュア3222の運動の結果、プッシュロッド3212の運動がもたらされるように、アーマチュア3222に結合される。プッシュロッド3212の一部分は、ソレノイドコイル3242内に移動可能に配置される。このようにして、アーマチュア3222およびプッシュロッド3212は、ソレノイドコイル3242に対して動くことができる。使用時、ソレノイドコイル3242に電流が導通されると、アーマチュア3222に、図41および図43の矢印DDおよび矢印FFによってそれぞれ示される方向の力を行使する磁界が生成される。磁力により、アーマチュア3222およびプッシュロッド3212は、図41および図43の矢印DDおよび矢印FFによってそれぞれ示されるように、ソレノイドコイル3242(およびハウジング3240)に対して動かされる。アーマチュア3222およびプッシュロッド3212は、アーマチュア3222がソレノイドコイル3242に接触するまで、ソレノイドコイル3242に対して距離Sd(すなわち、ソレノイドストローク)だけ移動する。ソレノイドコイル3242が通電していないときには、アーマチュア3222は、アーマチュアがハウジング4240の第2の端部部分4244に接触するまで、矢印DDおよび矢印FFによって示される方向と反対方向に動くことができる。いくつかの実施形態では、バルブアクチュエータ4210は、アーマチュア3222がハウジング4240の第2の端部部分と接触するように付勢するように構成された付勢部材を含む。
プッシュロッド3212の第1の端部部分3213は、ハウジング3240の外側に配置される。より具体的には、ハウジング3240がシリンダヘッド3132に結合されているときには、プッシュロッド3212の第1の端部部分3213は、バルブ3160の第2の端部部分3177に隣接するバルブポケット3138内に配置される。より具体的には、図40および図42に示されるように、バルブ3160が閉位置にあり、ソレノイドコイル3242が通電していないときには、プッシュロッド3212の第1の端部部分3213は、バルブ3160の第2の端部部分3177から離隔している。プッシュロッド3212の第1の端部部分3213とバルブ3160の第2の端部部分3177との間の距離は、バルブラッシ(図40ではL1として、図42ではL2として識別されている)と呼ばれる。プッシュロッド3212とバルブ3160との間にクリアランス(すなわち、バルブラッシ)を提供することにより、バルブトレイン構成要素の熱膨張、バルブトレイン構成要素の製造公差などにかかわらず、確実に、バルブ3160が適切に操作される(たとえば、閉位置にあるときには、完全に着座される)ようにすることができる。
使用時に、ソレノイドコイル3242が通電され、プッシュロッド3212が矢印DDによって示されるように動くとき、プッシュロッド3212の第1の端部部分3213は、バルブ3160の第2の端部部分3177に接触する。プッシュロッド3212によってバルブ3160に加えられる力が、ばね3118によって加えられる付勢力よりも大きいとき、バルブ3160は、閉位置(たとえば、図40)から開位置(たとえば、図41)まで動かされる。上述のように、バルブアクチュエータ3210は電気的に操作されるので、バルブ3160を、エンジン3100のカムシャフトまたはクランクシャフトの回転位置とは無関係に、閉位置と開位置との間で動かすことができる。
移動量可変アクチュエータ3250は、シリンダヘッド3132に対してハウジング3240(したがって、バルブアクチュエータ3210)を動かすように構成される。このようにして、以下に記載されるように、移動量可変アクチュエータ3250は、閉位置と開位置との間で動くときに、バルブ3160が移動する距離を選択的に変えることができる。より具体的には、バルブ移動量は、式(3)によって示されるように、ソレノイドストロークSdとバルブラッシとに関係する。
(3) Travel=Sd−L
したがって、ソレノイドストロークSdおよび/またはバルブラッシLを変えることによって、バルブ移動量を調整することができる。
図40に示されるように、アクチュエータアセンブリ3200が第1の(または完全な開)構成にあるとき、ハウジング3240は、バルブラッシ設定が値L1を有するように、シリンダヘッド3132に対して位置付けられる。したがって、アクチュエータアセンブリ3200が第1の構成にあるときのバルブ3160の移動量は、式(4)によって表される。
(4) Travel1=Sd−L1=dcl−dop1
図42に示されるように、アクチュエータアセンブリ3200が第2の(または部分的な開)構成にあるとき、ハウジング3240は、バルブラッシ設定がL1よりも大きい値L2を有するように、シリンダヘッド3132に対して配置される。同様に述べられるように、アクチュエータアセンブリ3200が第2の(または部分的な開)構成にあるとき、ハウジング3240は、図42の矢印EEによって示されるように、シリンダヘッド3132に対して動かされ、それにより、バルブラッシ設定が値L2まで増加する。したがって、アクチュエータアセンブリ3200が第2の構成にあるときのバルブ3160の移動量は、式(5)によって表される。
(5) Travel2=Sd−L2=dcl−dop2
移動量可変アクチュエータ3250は、図42の矢印EEによって表されるように、シリンダヘッド3132に対してバルブアクチュエータ3210を動かすための任意の適切な機構を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、移動量可変アクチュエータ3250は、シリンダヘッド3132に対して線形にバルブアクチュエータ3210を動かす電子アクチュエータを含むことができる。同様に述べられるように、いくつかの実施形態において、移動量可変アクチュエータ3250は、シリンダヘッド3132に対してバルブアクチュエータ3210を平行移動させる電子アクチュエータを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、移動量可変アクチュエータ3250は、シリンダヘッド3132に対してバルブアクチュエータ3210を平行移動させるために、ラック・ピニオン構成を含むことができる。他の実施形態では、移動量可変アクチュエータ3250は、シリンダヘッドに対してバルブアクチュエータ3210を回転させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ハウジング3240は、シリンダヘッド3132に対するハウジング3240の回転の結果、図42の矢印EEによって示されるような運動を生じるように、シリンダヘッド3132内の対応するねじ部分と対合するように構成されたねじ部分を含むことができる。
上述のように、移動量可変アクチュエータ3250は、一定のソレノイドストロークSdを維持しながらバルブラッシLを選択的に変えることによって、バルブ移動量を変える。このようにして、バルブアクチュエータ3210の電気機械的な特性は、アクチュエータアセンブリ3200が第1の構成と第2の構成との間で動かされるときに、実質的に一定のままとなる。したがって、ソレノイドコイル3242を導通するための電流は、アクチュエータアセンブリ3200の構成に応じて変わる必要はない。
図40〜図43に示されるように、ばね3118は、アクチュエータアセンブリ3200に対向するバルブ3160の端部(すなわち、第1の端部部分3176)に隣接して配置されている。この構成により、アクチュエータアセンブリ3200の移動量可変アクチュエータ3250は、ばね3118の機能的特性を変えることなく、シリンダヘッド3132に対してバルブアクチュエータ3210を動かすことができるようになる。より具体的には、アクチュエータアセンブリ3200の移動量可変アクチュエータ3250は、バルブ3160が閉位置にあるときのばね3118の長さ(すなわち、ばね3118の初期長さ)を変えることなく、シリンダヘッド3132に対してバルブアクチュエータ3210を動かすことができる。例示された実施形態では、ばね3118の初期長さは、バルブ3160の端部プレート3123と第1の端部部分3176との間の距離dclに対応する。ばね3118の初期長さを実質的に一定に維持することによって、アクチュエータアセンブリ3200の移動量可変アクチュエータ3250は、ばね3118によってバルブ3160に加えられる付勢力を変えることなく、シリンダヘッド3132に対してバルブアクチュエータ3210を動かすことができる。したがって、アクチュエータアセンブリ3200の構成にかかわらず、バルブ3160を、反復可能な方法および/または正確な方法で作動させることができる。
バルブ移動量を減少させるだけでなく、ラッシを選択的に(たとえば、L1からL2に)増大させると、ソレノイド3242が通電してからバルブ3160が動き始めるまで時間をより長くすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、バルブラッシに応じて、作動のタイミングを調整および/またはずらすことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、エンジン3100は、作動アセンブリ3200が第1の構成と第2の構成との間で動かされるときのバルブラッシの変化(たとえば、L1からL2)に応じて、作動タイミングを自動的に調整するように構成された電子制御ユニットまたはECU(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、たとえば、ECUは、作動アセンブリが第1の構成(たとえば、完全な開構成)にあるときのバルブのバルブラッシ設定に対応する入力を受信し、バルブラッシ設定の実際の変化に応じて、作動タイミングを調整するように構成することができる。このようにして、ECUは、一般的なエンジン設計に関する公称値に基づくのではなく、特定のエンジンの作動タイミングを制御することができる。
アクチュエータアセンブリ3200は部分的な開構成を1つのみ有するものとして示されているが(たとえば、図42および図43)、アクチュエータアセンブリ3200を、完全な開構成と任意の数の部分的な開構成との間で動かしてもよい。たとえば、アクチュエータアセンブリ3200を、完全な開構成と、第1の部分的な開構成(バルブ移動量が完全開放バルブ移動量の約3/4)と、第2の部分的な開構成(バルブ移動量が完全開放バルブ移動量の約1/2)と、第3の部分的な開構成(バルブ移動量が完全開放バルブ移動量の約1/4)との間で動かすことができる。別の例では、アクチュエータアセンブリ3200を、完全な開構成と無限数の部分的な開構成との間で動かすことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリ3200は、閉位置と開位置との間の距離を、約0インチから0.090インチまでの任意の値に調整することができる。開位置と閉位置との間の距離(たとえば、バルブ移動量)を選択的に変えることによって、アクチュエータアセンブリ3200は、シリンダ3103に入る、および/またはシリンダ3103から出る気体流の量および/または流量を正確に、および/または精密に制御することができる。より具体的には、エンジン運転条件(たとえば、低アイドリング状態、路上巡航状態など)に応じて所望の気体流れ特性を提供するために、バルブ移動量を、バルブ開放事象のタイミングおよび持続時間と連携して変えることができる。いくつかの実施形態では、この配設によって寄与された制御により、エンジン気体交換プロセスをバルブ3160およびアクチュエータアセンブリ3200のみを使用して制御できるようになり、それにより、シリンダヘッド3132の上流のスロットルバルブの必要性がなくなる。
図40〜図43に示された上面の概略図は、閉位置と開位置との間で、シリンダ3103の中心線(図示せず)に実質的に垂直な方向に動くバルブ3160を示しているが、他の実施形態では、バルブ3160は、シリンダ3103および/またはシリンダヘッド3132に対して任意の適切な方向に動くことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バルブ3160は、シリンダ3103の中心線に実質的に平行に動くことができる。他の実施形態では、バルブ3160は、シリンダ3103の中心線に平行でなく、かつ垂直でもない方向に動くことができる。
移動量可変アクチュエータ3250は、ソレノイドストロークSdを一定に維持しながら、バルブラッシLを選択的に変えることによって、バルブ移動量を変えるものとして、図示され、上述されているが、他の実施形態では、移動量可変アクチュエータは、バルブラッシ設定を実質的に一定に維持しながら、ソレノイドストロークを選択的に変えることによって、バルブ移動量を変えることができる。たとえば、図44および図45は、一実施形態による、移動量可変バルブアクチュエータアセンブリ4200を有するエンジン4100の一部分の上面の概略図である。エンジン4100は、エンジンブロック(図44および図45には示されていない)と、シリンダヘッド4132と、バルブ4160と、アクチュエータアセンブリ4200とを含む。エンジンブロックは、(破線で示された)シリンダ4103を画定し、その内部にピストン(図44および図45には示されていない)を配置することができる。シリンダヘッド4132は、シリンダヘッド4132の一部分がシリンダ4103の上側部分を覆い、それにより、燃焼室が形成されるようにエンジンブロックに結合されている。シリンダヘッド4132は、バルブポケット4138と4つのシリンダ流路(図44および図45には示されていない)を画定する。シリンダ流路は、バルブポケット4138およびシリンダ4103と流体連通している。このようにして、上述のように、気体(たとえば、排気ガスまたは吸気ガス)を、エンジン4100の外側の領域とシリンダ4103との間で、シリンダヘッド4132を介して流すことができる。
バルブ4160は、第1の端部部分4176および第2の端部部分4177を有し、4つの流れ開口部4168(図44および図45では、流れ開口部のうちの1つのみに参照番号が表示されている)を画定する。流れ開口部4168は、シリンダヘッド4132のシリンダ流路に対応する。バルブ4160は4つの流れ開口部4168を画定するものとして示されているが、他の実施形態では、バルブ4160は、任意の数の流れ開口部(たとえば、1つ、2つ、3つ、またはそれより多い)を画定することができる。いくつかの実施形態では、バルブ4160は、図示され、上述されたバルブ360と同様のテーパバルブとすることができる。
バルブ4160は、シリンダヘッド4132のバルブポケット4138内に移動可能に配置される。より具体的には、バルブ4160は、バルブポケット4138内で、閉位置(図44および図45に示されている)と複数の異なる開位置(図44および図45には示されていない)との間で動くことができる。バルブ4160が閉位置にあるときには、シリンダ流路は、上述のように、シリンダ4103から流体隔離している。バルブ4160の第1の端部部分4176と端部プレート4123との間には、ばね4118が配置される。ばね4118は、上述のように、バルブ4160に力を加えて、バルブ4160を閉位置に付勢する。エンジン3100を参照して上述した配設と同様に、閉位置(図44および図45)と任意の数の異なる開位置との間で、バルブ4160を動かすことができる。バルブ4160が開位置にあるときには、シリンダ流路が、シリンダ4103と流体連通している。したがって、バルブ4160が開位置にあるとき、気体(たとえば、排気ガスまたは吸気ガス)は、エンジン4100の外側の領域とシリンダ4103との間でシリンダヘッド4132を介して流れることができる。
アクチュエータアセンブリ4200は、バルブアクチュエータ4210および移動量可変アクチュエータ4250を含む。バルブアクチュエータ4210は、ハウジング4240と、ソレノイドコイル4242と、プッシュロッド4212と、アーマチュア4222とを含む。ハウジング4240の第1の端部部分4243は、シリンダヘッド4132に固定して結合されている。ソレノイドコイル4242は、ハウジング4240の第1の端部部分4243内に移動可能に配置される。このようにして、以下により詳細に記載されるように、ソレノイドストローク、したがってバルブ移動量を変えるために、ソレノイドコイル4242を選択的に動かすことができる。
プッシュロッド4212は、第1の端部部分4213および第2の端部部分4214を含む。プッシュロッド4212の第2の端部部分4214は、ハウジング4240内に配置され、アーマチュア4222に結合されている。より具体的には、プッシュロッド4212の第2の端部部分4214は、アーマチュア4222の移動の結果、プッシュロッド4212の移動がもたらされるように、アーマチュア4222に結合されている。プッシュロッド4212の一部分は、ソレノイドコイル4242内に移動可能に配置される。このようにして、アーマチュア4222およびプッシュロッド4212は、ソレノイドコイル4242に対して動くことができる。使用時、ソレノイドコイル4242が通電すると、アーマチュア4222およびプッシュロッド4212は、アーマチュア4222がソレノイドコイル4242に接触するまで、ソレノイドコイル4242(およびハウジング4240)に対して動かされる。同様に述べられるように、ソレノイドコイル4242が通電しているとき、アーマチュア4222およびプッシュロッド4212は、ソレノイドコイル4242に対して、ある距離(すなわち、ソレノイドストローク)動く。ソレノイドコイル4242が通電していないときには、アーマチュア4222は、アーマチュアがハウジング4240の第2の端部部分4244に接触するまで、反対方向に動くことができる。いくつかの実施形態では、バルブアクチュエータ4210は、アーマチュア4222がハウジング4240の第2の端部部分と接触するように付勢するように構成された付勢部材を含む。
プッシュロッド4212の第1の端部部分4213は、ハウジング4240の外側に配置される。より具体的には、ハウジング4240がシリンダヘッド4132に結合されているとき、プッシュロッド4212の第1の端部部分4213は、バルブ4160の第2の端部部分4177に隣接するバルブポケット4138内に配置される。図44および図45に示されるように、バルブ4160が閉位置にあり、ソレノイドコイル4242が通電していないときには、プッシュロッド4212の第1の端部部分4213は、バルブ4160の第2の端部部分4177から距離L(バルブラッシ)だけ離隔している。使用時に、ソレノイドコイル4242が通電し、プッシュロッド4212が動いているとき、プッシュロッド4212の第1の端部部分4213は、バルブ4160の第2の端部部分4177に接触している。プッシュロッド4212によってバルブ4160に加えられる力がばね4118によって加えられる付勢力よりも大きいとき、バルブ4160は、閉位置(たとえば、図44および図45)から開位置(図示せず)まで動かされる。
移動量可変アクチュエータ4250は、ハウジング4240内で、図45の矢印HHによって示されるように、アーマチュア4222および/またはプッシュロッド4212に対してソレノイドコイル4242を動かすように構成される。このようにして、図44に示されるような第1の(すなわち完全な開)構成と図45に示されるような第2の(すなわち部分的な開)構成との間で、アクチュエータアセンブリ4200を動かすことができる。アクチュエータアセンブリ4200は、部分的な開構成を1つのみ有するものとして示されているが、上述のように、任意の数の異なる部分的な開構成を有することができる。図44に示されるように、アクチュエータアセンブリ4200が第1の構成であるとき、アーマチュア4222は、ソレノイドが通電していないときに、距離Sd1(すなわち、アクチュエータアセンブリ4200が第1の構成にあるときのソレノイドストローク)だけソレノイド4242から離隔している。図45に示されるように、アクチュエータアセンブリ4200が第2の構成にあるとき、アーマチュア4222は、ソレノイドが通電していないときの距離Sd1よりも短い距離Sd2(すなわち、アクチュエータアセンブリ4200が第2の構成にあるときのソレノイドストローク)だけソレノイド4242から離隔している。
上述のように、バルブ移動量は、ソレノイドストロークおよびバルブラッシに関係している。したがって、アクチュエータアセンブリ4200は、ソレノイドストロークを調整することによって、バルブ移動量を選択的に変えることができる。さらに、ハウジング4240はシリンダヘッド4132に固定的に結合されているので、ソレノイド4242が通電していないときのバルブ4160に対するプッシュロッド4212の位置は、アクチュエータアセンブリ4200が第1の構成から第2の構成まで動かされているとき、実質的に一定のままである。同様に述べられるように、バルブラッシLは、アクチュエータアセンブリ4200が第1の構成から第2の構成に動かされているとき、実質的に一定のままである。
図44および図45に示されるように、移動量可変アクチュエータ4250は、コネクタ4251を介してソレノイドコイル4242に結合される。このようにして、移動量可変アクチュエータ4250によって移動および/または力が生成された結果、ハウジング4240内のソレノイド4242の移動をもたらすことができる。より具体的には、移動量可変アクチュエータ4250が図45の矢印GGによって示されるように回転するとき、ソレノイドコイル4242は、ハウジング4240内で、図45の矢印HHによって示されるように動く。コネクタ4251は、たとえば、ロッド、ケーブル、ベルトなどのような任意の適切なコネクタとすることができる。さらに、移動量可変アクチュエータ4250は、たとえば、ステッパモーター、電子アクチュエータ、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータなどのような、ハウジング4240内でソレノイドコイル4242を動かすための任意の適切な機構を含むことができる。
図46および図47は、一実施形態による、移動量可変吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200および移動量可変排気バルブアクチュエータアセンブリ5300を有するエンジン5100の斜視図である。エンジン5100は、エンジンブロック5102と、シリンダヘッドアセンブリ5130と、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200と、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300とを含む。エンジンブロック5102は、シリンダ5103(図51、図52、図59および図60に破線で示されている)を画定し、その内部にピストン(図示せず)を配置することができる。シリンダヘッドアセンブリ5130は、シリンダヘッドアセンブリ5130の一部分が、シリンダ5103の上側部分を覆って燃焼室を形成するようにエンジンブロック5102に結合されている。気体マニホールド5110は、シリンダヘッドアセンブリ5130の上側表面に結合されている。気体マニホールド5110は、排気ガス通路5112および吸気空気通路5111を画定する。使用時、シリンダ5103から、シリンダヘッドアセンブリ5130を介して排気ガス通路5112へと排気ガスを搬送することができる。同様に、吸気空気通路5111から、シリンダヘッドアセンブリ5130を介してシリンダ5103へと吸気空気(および/または任意の適切な吸気チャージ)を搬送することができる。
シリンダヘッドアセンブリ5130は、シリンダヘッド5132と、吸気バルブ5160Iと、排気バルブ5160Eとを含む。図51〜図53を参照すると、シリンダヘッド5132は、吸気バルブポケット5138Iを画定し、その内部に吸気バルブ5160Iが移動可能に配置される。シリンダヘッド5132は、一組のシリンダ流路5148Iおよび一組の吸気マニホールド流路5144Iを画定する。シリンダ流路5148Iのそれぞれは、シリンダ5103(破線で示された)および吸気バルブポケット5138Iと流体連通している。同様に、吸気マニホールド流路5144Iのそれぞれは、気体マニホールド5110の吸気空気通路5111およびシリンダヘッド5132の吸気バルブポケット5138Iと流体連通している。本明細書により詳細に記載されるように、この構成では、吸気バルブ5160Iが閉位置にあるとき(たとえば、図51)、気体マニホールド5110の吸気通路5111は、シリンダ5103から流体隔離している。反対に、吸気バルブ5160Iが開位置にあるとき(たとえば、図および図52および53)、気体マニホールド5110の吸気通路5111は、シリンダ5103と流体連通している。したがって、シリンダ5103中に搬送される吸気空気のタイミングおよび/または量は、吸気バルブ5160Iの開放事象および閉鎖事象を変えることによって制御することができる。吸気バルブ5160Iは2つの開位置を有するものとして示されているが(図52および図53)、以下により詳細に記載されるように、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200は、閉位置と開位置との間で動かされるときに吸気バルブ5160Iが移動する距離を選択的に変えることができる。このようにして、吸気バルブ5160Iを、閉位置と任意の数の異なる部分的な開位置との間で動かすことができる。
図59〜図61を参照すると、シリンダヘッド5132は排気バルブポケット5138Eを画定し、その内部に排気バルブ5160Eを移動可能に配置される。シリンダヘッド5132は、一組のシリンダ流路5148Eおよび一組の排気マニホールド流路5144Eを画定する。シリンダ流路5148Eのそれぞれは、シリンダ5103(破線で示されている)および排気バルブポケット5138Eと流体連通している。同様に、排気マニホールド流路5144Eのそれぞれは、気体マニホールド5110の排気通路5112およびシリンダヘッド5132の排気バルブポケット5138Eと流体連通している。本明細書により詳細に記載されるように、この配設では、排気バルブ5160Eが閉位置にあるとき(たとえば、図59)、気体マニホールド5110の排気通路5112は、シリンダ5103から流体隔離している。反対に、排気バルブ5160Eが開位置にあるとき(たとえば、図60から図61)、気体マニホールド5110の排気通路5112はシリンダ5103と流体連通している。したがって、シリンダ5103から搬送して出される排気ガスのタイミングおよび/または量は、排気バルブ5160Eの開放事象および閉鎖事象を変えることによって制御できる。排気バルブ5160Eは、開位置を2つのみ有しているものとして示されているが(図60および図61)、以下により詳細に記載されるように、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300は、閉位置と開位置との間で動かされるときに排気バルブ5160Eが移動する距離を選択的に変えることができる。このようにして、排気バルブ5160Eを、閉位置と任意の数の異なる部分的な開位置との間で動かすことができる。
図54〜図56を参照すると、吸気バルブ5160Iは、テーパ部分5162Iと、第1の端部部分5176Iと、第2の端部部分5177Iとを有し、中心線CLIを画定する。図55に示されるように、第2の端部部分5177Iは、ねじ開口部5178Iを画定し、その内部に吸気プルロッド5212がねじ結合されている。第2の端部部分5177Iはばね係合面5179を含み、それに対して吸気バルブばね5118Iが配置されている(たとえば、図51から図53参照)。このようにして、吸気バルブ5160Iを、吸気バルブポケット5138I内で閉位置まで付勢することができる。
吸気バルブ5160Iのテーパ部分5162Iは、第1の表面5164Iおよび第2の表面5165Iを含む。図56に示されるように、第1の表面5164Iと第2の表面5165Iはそれぞれ、中心線CLIに平行な軸を中心とした曲率半径RIを有する曲面である。第1の表面5164Iおよび第2の表面5165Iは同じ曲率半径を有するものとして示されているが、他の実施形態では、第1の表面5164Iの曲率半径と第2の表面5165Iの曲率半径は異なるようにすることができる。同様に述べられるように、いくつかの実施形態において、吸気バルブ5160Iのテーパ部分5162Iは、中心線CLIに実質的に垂直な平面上でみると非対称とすることができる。曲率半径RIは、任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施形態では、曲率半径RIは、約114mm(4.5インチ)とすることができる。
吸気バルブ5160Iの上面図を示す図54に示されるように、吸気バルブ5160Iのテーパ部分5162Iは、第1のテーパ角ΘIを有する。同様に述べられるように、中心線CLIに垂直な第1の軸に沿って測定した際のテーパ部分5162Iの幅は、中心線CLIに沿って線形的に減少する。吸気バルブ5160Iの側面図を提示する図55に示されるように、第1の表面5164Iおよび第2の表面5165Iは、第2のテーパ角αだけ互いに角度がずれている。同様に述べられるように、中心線CLIに垂直な第2の軸に沿って測定した際のテーパ部分5162Iの厚さは、中心線CLIに沿って線形的に減少する。このようにして、吸気バルブ5160Iのテーパ部分5162Iは2つの次元においてテーパ状である。第1のテーパ角ΘIおよび第2のテーパ角αIは、任意の適切な値を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、第1のテーパ角ΘIは、約3度と約10度との間の値を有し、第2のテーパ角αIは、約10度(各側に5度ずつ)の値を有する。
吸気バルブ5160Iのテーパ部分5162Iは、それを通る一組の流路5168I(図54および図55には1つの流路のみに参照番号が表示されている)を画定する。図55に示されるように、流路5168Iは、吸気バルブ5160Iの中心線CLIから、90度よりも大きな角度βIだけ角度がずれている。同様に述べられるように、各流路5168Iの長手軸AFPは、中心線CLIに垂直ではない。このようにして、図51〜図53に示されるように、吸気バルブ5160Iの中心線CLIがシリンダの中心線CLcylに垂直にならないように、吸気バルブ5160Iが吸気バルブポケット5138I内に配置されるとき、各流路5168Iの長手軸AFPは、シリンダの中心線CLcylに実質的に垂直となる。
図54に示されるように、各流路5168Iの形状および/またはサイズは、その他の流路5168Iと同じではない。むしろ、テーパ部分5162Iの両端に近接する流路5168Iのサイズは、テーパ部分5162Iの中央における流路5168Iのサイズよりも小さい。このようにして、流路5168Iのサイズ(たとえば、長さ)は、シリンダ5103のサイズおよび/または形状に対応することができる。
テーパ部分5162Iの第1の表面5164Iおよびテーパ部分5162Iの第2の表面5165Iは、それぞれ、流路5168Iに対応する一組の封止部分(図54〜図56には示されていない)を含む。上述のように、封止部分は、第1の表面5164Iおよび第2の表面5165Iの開口部に実質的に外接している。したがって、吸気バルブ5160Iが閉位置にあるときには、封止部分は、シリンダ流路5148Iおよび吸気マニホールド流路5144Iが吸気バルブポケット5138Iから流体隔離するように、吸気バルブポケット5138Iを画定するシリンダヘッド5132の表面に係合および/または接触している。
図62〜図64を参照すると、排気バルブ5160Eは、テーパ部分5162Eと、第1の端部部分5176Eと、第2の端部部分5177Eとを有し、中心線CLEを画定する。図63に示されるように、第2の端部部分5177Eは、ねじ開口部5178Eを画定し、その内部に排気プルロッド5312がねじ結合されている。排気バルブ5160Eのテーパ部分5162Eは、第1の表面5164Eおよび第2の表面5165Eを含む。図64に示されるように、第1の表面5164Eおよび第2の表面5165Eは、それぞれ、中心線CLIに平行な軸を中心とする曲率半径REを有する曲面である。第1の表面5164Eおよび第2の表面5165Eは同じ曲率半径を有するものとして示されているが、他の実施形態では、第1の表面5164Eの曲率半径と第2の表面5165Eの曲率半径は異なる可能性がある。同様に述べられるように、いくつかの実施形態において、排気バルブ5160Eのテーパ部分5162Eは、中心線CLIに実質的に垂直な平面でみたときに非対称とすることができる。曲率半径REは、任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施形態では、曲率半径REは、約47mm(1.85インチ)とすることができる。
排気バルブ5160Eの上面図を示す図62に示されるように、排気バルブ5160Eのテーパ部分5162Eは、第1のテーパ角ΘEを有する。同様に述べられるように、中心線CLEに垂直なl第1の軸に沿って測定されたテーパ部分5162Eの幅は、中心線CLEに沿って線形的に減少する。排気バルブ5160Eの側面図を示す図63に示されるように、第1の表面5164Eおよび第2の表面5165Eは、第2のテーパ角αEだけ互いに角度がずれている。同様に述べられるように、中心線CLEに垂直な第2の軸に沿って測定されたテーパ部分5162Eの厚さは、中心線CLEに沿って線形的に減少する。このようにして、排気バルブ5160Eのテーパ部分5162Eは2つの次元においてテーパ状である。第1のテーパ角ΘEおよび第2のテーパ角αEは、任意の適切な値を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、第1のテーパ角ΘEは、約3度から約10度の値を有し、第2のテーパ角αEは、(各側に5度ずつ)約10度の値を有する。
排気バルブ5160Eのテーパ部分5162Eは、それを通る一組の流路5168E(図62および図63では1つの流路のみ参照番号が表示されている)を画定する。図63に示されるように、流路5168Eは、排気バルブ5160Eの中心線CLEから、90度よりも大きな角度βEだけ角度がずれている。同様に述べられるように、各流路5168Eの長手軸AFPは、中心線CLEに垂直ではない。このようにして、図59〜図61に示されるように、排気バルブ5160Eの中心線CLEがシリンダの中心線CLcylに垂直にならないように、排気バルブ5160Eが排気バルブポケット5138E内に配置されるとき、各流路5168Eの長手軸AFPは、シリンダの中心線CLcylに実質的に垂直となる。
図62に示されるように、各流路5168Eの形状および/またはサイズは、その他の流路5168Eと同じではない。むしろ、テーパ部分5162Eの両端に近接する流路5168Eのサイズは、テーパ部分5162Eの中央における流路5168Eのサイズよりも小さい。このようにして、流路5168Eのサイズ(たとえば、長さ)は、シリンダ5103のサイズおよび/または形状に対応することができる。
テーパ部分5162Eの第1の表面5164Eおよびテーパ部分5162Eの第2の表面5165Eは、それぞれ、流路5168Eに対応する一組の封止部分(図62〜図64には示されていない)を含む。上述のように、封止部分は、第1の表面5164Eおよび第2の表面5165Eの開口部に実質的に外接している。したがって、排気バルブ5160Eが閉位置にあるときには、封止部分は、シリンダ流路5148Eおよび排気マニホールド流路5144Eが排気バルブポケット5138Eから流体隔離するように、排気バルブポケット5138Eを画定するシリンダヘッド5132の表面に係合および/または接触している。
図49および図51〜図53を参照すると、吸気バルブ5160Iが、シリンダヘッド5132の吸気バルブポケット5138I内に移動可能に配置される。吸気バルブ5160Iの第2の端部部分5177Iに隣接して、吸気バルブポケット5138I内にプラグ5182が配置される。プラグ5182は、吸気バルブポケット5138Iの形状に対応するテーパ状の外側表面を有する。このようにして、プラグ5182の外側表面および吸気バルブポケット5138Iを画定する表面は、実質的に流体密封な封止を形成することができる。さらに、プラグ5182のテーパ状の外側表面は、プラグ5182が吸気バルブポケット5138I内に配置されるときに、プラグ5182のさらなる内向き運動を防止する。スペーサ5184は、少なくとも部分的に吸気バルブポケット5138Iの内側に、プラグ5182に接触して配置される。スペーサ5184は、プラグ5182を吸気バルブポケット5138I内にしっかりと結合することができる機構を提供する。キャップねじ、ハウジング5270によって加えられるクランプ力などによって、スペーサ5184をバルブポケット5138Iに結合することができる。
図52に示されるように、吸気バルブ5160Iが完全な開位置にあるときには、吸気バルブ5160Iのばね係合面5179は、プラグ5182の端部から離隔している。したがって、プラグ5182は、バルブポケット5138I内の吸気バルブ5160Iの移動を制限するためのポジティブストップを提供しない。むしろ、以下により詳細に記載されるように、吸気バルブ5160Iの移動は、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200によって制御される。さらに、図51〜図53に示されるように、スリーブ5182はばね溝5183を画定し、その内部に吸気バルブばね5118Iの端部部分が配置される。吸気バルブばね5118Iの対向する端部部分は、吸気バルブ5160Iのばね係合面5179に接触している。このようにして、吸気バルブ5160Iは、吸気バルブポケット5138I内の閉位置に付勢される。
図49および図59〜図61を参照すると、排気バルブ5160Eは、シリンダヘッド5132の排気バルブポケット5138E内に移動可能に配置される。プラグ5180は、排気バルブ5160Iの第2の端部部分5177Eに隣接して、排気バルブポケット5138E内に、配置される。プラグ5180は、排気バルブポケット5138Iの形状に対応するテーパ状の外側表面を有する。このようにして、プラグ5180の外側表面および排気バルブポケット5138Eを画定する表面は、実質的に流体密封な封止を形成することができる。さらに、排気バルブポケット5138I内にプラグ5180が配置されると、テーパ状の構成は、プラグ5182のさらなる内向き運動を防止する。スペーサ5181は、排気バルブポケット5138Eの少なくとも部分的に内側に、プラグ5180に接触して配置される。スペーサ5181は、上述のように、プラグ5180を排気バルブポケット5138I内にしっかりと固定することができる機構を提供する。
図60に示されるように、排気バルブ5160Eが完全な開位置にあるときには、排気バルブ5160Eの肩部は、プラグ5182の端部から離隔している。このようにして、プラグ5182は、バルブポケット5138I内の排気バルブ5160Eの移動距離を制限するためのポジティブストップを提供しない。むしろ、以下により詳細に記載されるように、排気バルブ5160Eの移動距離は、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300によって制御される。吸気バルブトレインとは対照的に、図59〜図61に示すように、排気バルブポケット5138Eの外側に、排気バルブばね5118Eが配置される。このようにして、排気バルブばね5118Eは、排気ガスに関連付けられた高温には曝されない。本明細書でより詳細に論じられるように、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300内に排気バルブばね5118Eが配置される。
以下により詳細に記載されるように、吸気アクチュエータアセンブリ5200は、その閉位置とその開位置との間で吸気バルブ5160Iを動かし、その閉位置と開位置との間で動くときに吸気バルブ5160Iが移動する距離を選択的に変えるように構成される。同様に述べられるように、吸気アクチュエータアセンブリ5200は、その閉位置(図51)と任意の数の異なる開位置との間で吸気バルブ5160Iを動かすように構成される。図50を参照すると、吸気アクチュエータアセンブリ5200は、バルブアクチュエータ5210と移動量可変アクチュエータ5250とを含むハウジング5270を含む。より具体的には、ハウジング5270は、内部にバルブアクチュエータ5210が配置された第1の空洞5272と、内部に移動量可変アクチュエータ5250が配置された第2の空洞5275とを画定する。図46および図47に示されるように、ハウジング5270は、第1の空洞5272の少なくとも一部分が吸気バルブポケット5138Iと整列するように、シリンダヘッド5132に結合される。このようにして、以下により詳細に記載されるように、バルブアクチュエータ5210は、吸気バルブ5160Iに係合し、かつ/または吸気バルブ5160Iを作動させることができる。図51〜図53は、明瞭にするために、シリンダヘッド5132から離隔しているものとしてハウジング5270を示していることに留意されたい。
バルブアクチュエータ5210は、その閉位置とその開位置との間で吸気バルブ5160Iを動かすように構成された電子アクチュエータである。バルブアクチュエータ5210は、ソレノイドアセンブリ5230と、プルロッド5212と、アーマチュア5222とを含む。ソレノイドアセンブリ5230は、ソレノイドケーシング5240と、ソレノイドコイル5242と、端部ストップ5231とを含む。ソレノイドケーシング5240は、第1の空洞5272を画定するハウジング5270の側壁のねじ部分5273に対応するねじ部分5246を有する。同様に述べられるように、ソレノイドケーシング5240の外側表面は、ハウジング5270の第1の空洞5272内の雌ねじ5273と対合するように構成された雄ねじを含む。このようにして、ハウジング5270の第1の空洞5272内にソレノイドアセンブリ5230をねじ結合することができる。したがって、ハウジング5270に対するソレノイドアセンブリ5230の回転の結果、図53の矢印IIによって示されるように、第1の空洞5272内のソレノイドアセンブリ5230の軸方向運動が生じる。このようにして、以下により詳細に記載されるように、ソレノイドストローク(すなわち、ソレノイドが通電しているときのソレノイドアセンブリ5230とアーマチュア5222との間の距離)を選択的に調整することができる。
ソレノイドコイル5242は、ソレノイドケーシング5240の外側の領域から、ソレノイドコイル5242のリード線5241にアクセス可能なように、ソレノイドケーシング5240内に配置されている。さらに、ソレノイドコイル5242は、ソレノイドケーシング5240内に固定して配置される。同様に述べられるように、ソレノイドコイル5242は、ソレノイドコイル5242がハウジング5240に対して動かないように、ハウジング5240内に配置される。
端部ストップ5231は、フランジ部分5237および端部表面5235を有する。フランジ部分5237は、ソレノイドコイル5242がソレノイドケーシング5240内に封入される、および/または含まれるように、ソレノイドケーシング5240に結合される。たとえば、キャップねじ、スナップリング、溶接ジョイント、接着剤などを使用するなどのような任意の適切な様式で、フランジ部分5237をソレノイドケーシング5240に結合することができる。端部ストップ5231がソレノイドケーシング5240に結合しているとき、端部表面5235は、ソレノイドコイル5242の中央開口部内に配置される(たとえば、図51〜図53参照)。端部ストップ5231の端部表面5235は溝5236を画定し、その内部にアーマチュアばね5232の端部部分が配置される。以下により詳細に記載されるように、端部表面5235は、ソレノイドアセンブリ5230が通電しているときに、アーマチュア5222に接触する。
図57を参照すると、アーマチュア5222は、それを通る管腔5225を画定し、フランジ5221および接触表面5228を含む。管腔5225は、アーマチュア5222の内側表面が肩部5226を有するように、座ぐられている。以下により詳細に記載されるように、肩部5226は、プルロッド5212に対するアーマチュア5222の軸方向運動を制限するために、プルロッド5212のヘッド5218に係合するように構成される。フランジ5221の直径は、ハウジング5270の第1の空洞5272の内側表面5274の直径よりも小さい(たとえば、図50参照)。このようにして、アーマチュア5222は、ソレノイドアセンブリ5240が通電しているとき、および/または通電していないとき、ハウジング5270の第1の空洞5272内で動くことができる。アーマチュア5222の接触表面5228は溝5227を画定し、その内部にアーマチュアばね5232の端部部分が配置される。
プルロッド5212は、第1の端部部分5213および第2の端部部分5214を有する。プルロッド5212の第2の端部部分5214は、アーマチュア5222に結合されている。より具体的には、図57に示すように、プルロッド5212の第2の端部部分5214はヘッド5218を有し、その内部に保持リング5220が配置される保持リング溝5219を画定する。プルロッド5212の第2の端部部分5214は、プルロッド5212のヘッド5218が、プルロッド5212に対するアーマチュア5222の図57の矢印JJで示された方向の、軸方向運動を制限するために、アーマチュア5222の肩部5226に係合および/または接触することができるように、アーマチュア5222の管腔5225内に配置される。
プルロッド5212の第2の端部部分5214がアーマチュア5222に結合されているとき、保持リング5220は、図57の矢印KKで示された方向に、プルロッド5212に関するアーマチュア5222の軸方向運動を制限するために、アーマチュア5222のフランジ5221に接触するように構成される。図57に示されるように、ヘッド5218とスナップリング5220との間の距離d1は、アーマチュア5222の肩部5226とアーマチュアのフランジ5221との間の距離d2よりも大きい。このようして、プルロッド5212の第2の端部部分5214がアーマチュア5222に結合されているとき、アーマチュア5222は、プルロッド5212に対して軸方向に、所定の量(すなわち、d1とd2の差)だけ動くことができる。さらに、上述のように、アーマチュアばね5232の第1の端部は、端部ストップ5231の溝5236内に配置され、アーマチュアばね5232の第2の端部は、アーマチュア5222の溝5227内に配置される。したがって、ソレノイドアセンブリ5230が通電していないときには、アーマチュア5222は、フランジ5221がスナップリング5220と接触するような位置まで付勢される。したがって、ソレノイドアセンブリ5230が通電しているとき、アーマチュア5222は、まず、図57の矢印JJによって示された方向に、プルロッド5212に対して移動する。アーマチュア5222の肩部5226がプルロッド5212のヘッド5218に接触すると、アーマチュアの接触表面5228が端部ストップ5231の端部表面5235に係合および/または接触するまで、アーマチュア5222とプルロッド5212は一緒に動く。ソレノイドアセンブリ5230が通電されたときに、アーマチュア5222がプルロッド5212に対して動くことができるようにすることによって、プルロッド5212に係合する前に、アーマチュア5222は加速することができ、それにより、衝撃力が発生する。この配設は、より反復可能で、かつ/または信頼できるバルブ開放性能を提供することができる。
アーマチュア5222がプルロッド5212に対して軸方向に動くことができる距離(すなわち、d1とd2の差)は、任意の適切な量とすることができる。いくつかの実施形態では、たとえば、ヘッド5218と溝5219との間隔(d1)とアーマチュア5222の厚さ(d2)との差は、0.015インチから0.050インチである。他の実施形態では、d1とd2の差は、約0.030インチである。
上述のように、プルロッド5212の第1の端部部分5213は、吸気バルブ5160Iの第2の端部部分5177Iに結合されている。より具体的には、プルロッド5212の第1の端部部分5213は、吸気バルブ5160Iの雌ねじ開口部5178I内に配置される雄ねじ部分を含む。したがって、プルロッド5212の軸方向運動の結果、吸気バルブ5160Iの軸方向運動が生じる。いくつかの実施形態では、吸気バルブ5160Iに対するプルロッド5212の回転運動を制限するために(すなわち、プルロッド5212が吸気バルブ5160Iのねじ開口部5178Iから「戻って外れること」を防止するために)、プルロッド5212の第1の端部部分5213の周囲に、ロックナットを配置することができる。
使用時、ソレノイドコイル5242に電流が導通されると、図52の矢印LLで示される方向に、アーマチュア5222に力を加える磁界が生成される。磁力は、図52の矢印LLおよび図57の矢印JJで示されるように、アーマチュア5222をソレノイドコイル5242に対して(に向かって)動かす。上述のように、アーマチュア5222は、まず、プルロッド5212に対して移動する。アーマチュア5222の肩部5226がプルロッド5212のヘッド5218に接触し、プルロッド5212によって吸気バルブ5160Iに加えられる力が、ばね5118Iによって加えられる付勢力よりも大きいときには、アーマチュア5222とプルロッド5212は一緒に動き、それにより、閉位置(図51)から開位置(図52)まで、吸気バルブ5160Iを動かす。アーマチュア5222の接触表面5228が端部ストップ5231の端部表面5235に係合および/または接触するまで、アーマチュア5222とプルロッド5212は一緒に移動する。ソレノイドコイル5242が通電しているときには、アーマチュア5222は、距離Sd(すなわち、図51に示されるようなソレノイドストローク)移動する。プルロッド5212(したがって、吸気バルブ5160I)の移動量は、式(6)によって求められるように、ソレノイドストロークの差、およびd1とd2の差である。
(6) 移動量=Sd−(d1−d2)
したがって、ソレノイドストロークSdを変えることによって、吸気バルブ5160Iの移動量を調整することができる。
ソレノイドコイル5242が通電していないとき、吸気バルブばね5118Iによって加えられる力は、吸気バルブ5160I、プルロッド5212およびアーマチュア5222を、図52の矢印LLで示される方向とは反対方向に移動させる。さらに、アーマチュアばね5232によって加えられる力は、アーマチュア5222のフランジ5221がスナップリング5220に接触するように、プルロッド5212に対してアーマチュア5222を移動させる。
移動量可変アクチュエータ5250は、それを貫通して閉位置と開位置との間で動くときに、吸気バルブ5160Iが移動する距離を選択的に変えるように構成される。より具体的には、移動量可変アクチュエータ5250は、ソレノイドアセンブリ5230のストロークを選択的に調整するように構成される。このようにして、閉位置と任意の数の異なる部分的な開位置との間で、吸気バルブ5160Iを動かすことができる。さらに、バルブアクチュエータ5210は電気的に操作されるので、エンジン5100のカムシャフトまたはクランクシャフトの回転位置とは無関係に、バルブ5160を、閉位置と開位置との間で動かすことができる。
図50に示されるように、移動量可変アクチュエータ5250は、モーター5262と、駆動ベルト5260と、被駆動リング5252とを含む。本明細書に記載されるように、移動量可変アクチュエータ5250は、ソレノイドストロークSdを調整するために、ハウジング5270内でソレノイドアセンブリ5230を選択的に回転するように構成される(たとえば、図51参照)。モーター5262は、駆動シャフト5263および駆動部材5265を含む。モーター5262は、たとえば、AnaheimAutomation,Inc.から入手可能なModel 23Y104S−LWB 2A/phase series stepper motorのようなステッパモーターとすることができる。モーター5262は、モーターハウジング5264を介してハウジング5270に結合される。モーターハウジング5264は、駆動部材5265が、ハウジング5270の第2の空洞5275内に配置されるように、ハウジング5270に対してモーター6262を整列させる。
被駆動リング5252は、一連の突起(たとえば、歯部またはローレットがけ)を有する外側表面5254を含む。被駆動リング5252は、被駆動リング5252の回転の結果、ソレノイドアセンブリ5230の回転が生じるように、ソレノイドアセンブリ5230の端部ストップ5231に結合されている。任意の適切な様式で、被駆動リング5252を端部ストップ5231に結合することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、キャップねじ、溶接ジョイント、接着剤、スナップリングなどを介して、被駆動リング5252を端部ストップ5231に結合することができる。駆動ベルト5260は、駆動部材5265および被駆動リング5252の外側表面5254の周囲に配置される。このようにして、駆動シャフト5263の回転運動を、駆動ベルト5260を介してソレノイドアセンブリ5230に伝えることができる。
ポジションリング5257は、ポジションリングが被駆動リング5252とともに回転するように、被駆動リング5252に結合されている。ポジションリング5257は、センサ5266に係合するように構成された突起5258を含む(たとえば、図58参照)。このようにして、ソレノイドアセンブリ5230の回転位置を、電子的に測定することができる。センサ5266は、突起5258との接触を介して、ソレノイドアセンブリ5230の回転位置を感知するものとして示されているが、他の実施形態では、センサ5266は、ソレノイドアセンブリ5230の位置を感知するための任意の適切な機構を使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、センサ5266は、ソレノイドアセンブリ5230の回転位置と関連付けられた電子出力を提供するように構成された光学シャフトエンコーダを含むことができる。
移動量可変アクチュエータ5250は、ハウジング5270内のソレノイドアセンブリ5130の位置に対応して、任意の数の異なる構成間で吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200を動かすことによって、バルブ移動量を選択的に変えるように構成される。たとえば、図51および図52は、第1の(すなわち完全な開)構成にある吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200を示し、図53は、第2の(すなわち部分的な開)構成にある吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200を示している。吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200が完全な開構成にあるとき、端部ストップ5231の端部表面5235は、ハウジング5270の肩部から、距離d3だけ離隔している。肩部は、ハウジング5270内のソレノイドアセンブリ5230の位置を示すことを目的とした基準点としてのみ識別される。したがって、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200が完全な開構成にあるときには、ソレノイドストロークSdは、その最大値となる。したがって、ソレノイドアセンブリ5230が通電しているとき、吸気バルブ5160Iは、閉位置(図51)から完全な開位置(図52)まで動く。吸気バルブ5160Iが完全な開位置にあるとき、吸気バルブ5160Iの各流れ開口部5168Iは、対応する吸気マニホールド流路5144Iおよびシリンダ流路5148Iと実質的に整列している。
吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200を別の構成(たとえば、図53に示されるような部分的な開構成)まで動かすためには、モーター5262が通電し、それにより、駆動シャフト5263の回転運動が引き起こされる。駆動シャフト5263の回転運動は、ベルト5260を介して被駆動リング5252に伝えられ、それによって、ソレノイドアセンブリ5230を、図53の矢印MMで示されるようにハウジング5270内で回転させる。ソレノイドアセンブリ5230はハウジング5270にねじ結合されているので、ソレノイドアセンブリ5230の回転の結果、図53の矢印NNで示すように、ハウジング5270内で、ソレノイドアセンブリ5230の軸方向運動が生じる。
吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200が部分的な開構成にあるときには、端部ストップ5231の端部表面5235は、ハウジング5270の肩部から、距離d3よりも短い距離d4だけ離隔している。したがって、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200が部分的な開構成にあるとき、ソレノイドストローク(図53には示されていない)は、最大値Sdよりも小さい。したがって、ソレノイドアセンブリ5230が通電しているとき、吸気バルブ5160Iは、閉位置(図51)から部分的な開位置(図53)まで動く。吸気バルブ5160Iが部分的な開位置にあるとき、吸気バルブ5160Iの各流れ開口部5168Iは、対応する吸気マニホールド流路5144Iおよびシリンダ流路5148Iと部分的に整列している。したがって、吸気バルブ5160Iが部分的な開位置にあるとき、シリンダヘッドアセンブリ5130を通る吸気空気流量は、吸気バルブ5160Iが完全な開位置にあるときのシリンダヘッドアセンブリ5130を通る吸気空気流量よりも少ない。
吸気アクチュエータアセンブリ5200を参照して上述した様式と同様に、排気アクチュエータアセンブリ5300は、その閉位置とその開位置との間で排気バルブ5160Eを動かし、その閉位置と開位置との間で動くときにそこを通って排気バルブ5160Eが移動する距離を選択的に変えるように構成される。同様に述べられるように、排気アクチュエータアセンブリ5300は、その閉位置(図59)と任意の数の異なる開位置(たとえば、図60および図61)との間で排気バルブ5160Eを動かすように構成される。図58を参照すると、排気アクチュエータアセンブリ5300は、バルブアクチュエータ5210および移動量可変アクチュエータ5250を含むハウジング5370を含む。
ハウジング5370は、第1の空洞5372と、第2の空洞5375と、第3の空洞5376とを画定する。第1の空洞5372は、ソレノイドケーシング5240上の雄ねじ5246に対応する雌ねじ部分5373を含む側壁によって画定される。このようにして、バルブアクチュエータ5210の一部分を、第1の空洞5372内に移動可能に配置ることができる。吸気アクチュエータアセンブリ5200を参照して上述したように、第2の空洞5375内に、リフト可変アクチュエータ5250の一部分が配置される。
図58〜図61に示されるように、第3の空洞5376は、排気バルブばね5118Eを含んでいる。第3の空洞5376を画定する側壁はばね肩部5377を含み、それに対して排気バルブばね5118Eの第1の端部が配置される。排気バルブばね5118Eの第2の端部は、プルロッド5212の第1の端部5213に結合されたロックナット5316の溝5317内に配置される。このようにして、排気バルブ5160Eは、排気バルブポケット5138E内で閉位置に付勢される。排気バルブポケット5138Eの外側に排気バルブばね5118Eを配置することによって、排気バルブばね5118Eは、高温の排気ガスに直接曝されることはない。さらに、第3の空洞5376に隣接する側壁は、排気バルブばね5118Eおよび関連する構成要素を所望の温度より低い温度にさらに維持するために、その中に冷却材が流れることができる冷却材通路5378を画定する。
図46および図47に示されるように、ハウジング5370は、第1の空洞5372および第3の空洞5376の少なくとも一部分が、排気バルブポケット5138Eと整列するように、シリンダヘッド5132に結合されている。このようにして、上述のように、バルブアクチュエータ5210は、排気バルブ5160Eに係合し、および/または排気バルブ5160Eを作動させることができる。図58に示されるように、ハウジング5370は、冷却プレート5380を介してシリンダヘッド5132に結合されている。冷却プレート5380は一組の冷却通路5382(図58では1つのみが識別される)を含み、そのうちの少なくとも1つが、ハウジング5370の冷却材通路5378と流体連通している。このようにして、冷却プレート5380は、さらに、排気バルブばね5118E、バルブアクチュエータアセンブリ5210および/または排気バルブトレインの構成要素から取り去られる熱伝達を促進することができる。明瞭にするために、図59〜図61には、ハウジング5270および冷却プレート5380がシリンダヘッド5132から離隔しているように示されていることを留意されたい。
排気バルブアクチュエータアセンブリ5300のバルブアクチュエータ5210は、図示され、上述されるように、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200内に配置されたバルブアクチュエータ5210と同じである。同様に、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300の移動量可変アクチュエータ5250は、図示され、上述されるように、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200内に配置された移動量可変アクチュエータ5250と同じである。したがって、バルブアクチュエータ5210および移動量可変アクチュエータ5250内の構成要素ならびにそれらの動作は、以下には記載しない。他の実施形態では、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300は、バルブアクチュエータ5210および/または移動量可変アクチュエータ5250とはそれぞれ異なるバルブアクチュエータおよび/または移動量可変アクチュエータを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、排気バルブアクチュエータのソレノイドアセンブリは、ソレノイドアセンブリ5230とは異なる開放力を生成することができる。
排気バルブアクチュエータアセンブリ5300と吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200の実質的な差は、排気バルブばね5118Eが、上述のように、排気バルブポケット5138E内ではなくハウジング5370内に配置されることだけである。より具体的には、図59〜図61に示されるように、ロックナット5316が、プルロッド5212の第1の端部部分5213の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、ロックナット5216は、排気バルブ5160Eに対するプルロッド5212の回転運動を制限する(すなわち、プルロッド5212が排気バルブ5160Eのねじ開口部5178Eから「戻って外れること」を防止するために)ことができる。ロックナット5316は、その内部に排気バルブばね5118Eの端部部分が配置されるばね溝5317を含む。このようにして、上述のように、排気バルブ5160Eは、閉位置に付勢される(たとえば、図59参照)。
移動量可変アクチュエータ5250は、ハウジング5370内のソレノイドアセンブリ5130の位置に対応して、任意の数の異なる構成間で排気バルブアクチュエータアセンブリ5300を動かすことによって、排気バルブ移動量を選択的に変えるように構成される。たとえば、図59および図60は、第1の(すなわち完全な開)構成にある排気バルブアクチュエータアセンブリ5300を示し、図61は、第2の(すなわち部分的な開)構成にある排気バルブアクチュエータアセンブリ5300を示している。排気バルブアクチュエータアセンブリ5300が完全な開構成にあるときには、端部ストップ5231の端部表面5235は、ハウジング5370の肩部から、距離d5だけ離隔している。肩部は、ハウジング5370内のソレノイドアセンブリ5230の位置を示すことを目的として、基準点としてのみ特定される。したがって、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300が完全な開構成にあるとき、ソレノイドストロークSdは、その最大値である。したがって、ソレノイドアセンブリ5230が通電しているとき、排気バルブ5160Eは、閉位置(図59)から完全な開位置(図60)まで動く。排気バルブ5160Eが完全な開位置にあるときには、排気バルブ5160Eの各流れ開口部5168Eは、対応する排気マニホールド流路5144Eおよびシリンダ流路5148Eと実質的に整列している。
排気バルブアクチュエータアセンブリ5300が部分的な開構成にあるときには、端部ストップ5231の端部表面5235は、ハウジング5370の肩部から、距離d5よりも短い距離d6だけ離隔している。したがって、排気バルブアクチュエータアセンブリ5300が部分的な開構成にあるとき、ソレノイドストローク(図61には図示されていない)は、最大値Sdよりも小さい。したがって、ソレノイドアセンブリ5230が通電しているとき、排気バルブ5160Eは、閉位置(図59)から部分的な開位置(図61)まで動く。排気バルブ5160Eが部分的な開位置にあるときには、排気バルブ5160Eの各流れ開口部5168Eは、対応する排気マニホールド流路5144Eおよびシリンダ流路5148Eと部分的に整列している。したがって、排気バルブ5160Eが部分的な開位置にあるとき、シリンダヘッドアセンブリ5130を通る排気ガス流量は、排気バルブ5160Eが完全な開位置にあるときにシリンダヘッドアセンブリ5130を通る排気ガス流量よりも少ない。
吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200および排気バルブアクチュエータアセンブリ5300は、部分的な開構成を1つのみもつものとして示されているが(たとえば、それぞれ、図53および図61)、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200および排気バルブアクチュエータアセンブリ5300は、完全な開構成と任意の数の部分的な開構成との間で動かすことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200および/または排気バルブアクチュエータアセンブリ5300は、それぞれ、吸気バルブ5160Iおよび/または排気バルブ5160Eの閉位置と開位置との間の距離を約0インチから0.090インチの間の任意の値に調整することができる。開位置と閉位置との間の距離(たとえば、バルブ移動量)を選択的に変えることによって、吸気バルブアクチュエータアセンブリ5200および/または排気バルブアクチュエータアセンブリ5300は、シリンダ5103に入る、および/またはシリンダ5103から出る気体流れの量および/または流量を、正確に、および/または精密に制御することができる。より具体的には、エンジン運転条件(たとえば、低アイドリング状態、路上巡航状態など)に応じて所望の気体流れ特性を提供するために、吸気バルブおよび/または排気バルブ移動量を、それぞれのバルブ開放事象のタイミングおよび持続時間と連携して変えることができる。さらに、吸気バルブ5160Iおよび排気バルブ5160Eは、吸気バルブ5160Iおよび排気バルブ5160Eがそれぞれの部分的な開位置および/または完全な開位置にあるときには、シリンダ5103内には配置されていないので、バルブとピストンの接触の可能性を考慮することなく、バルブ開放のタイミングを調整することができる。いくつかの実施形態では、この配設によって寄与される制御により、吸気バルブ5160Iおよび排気バルブ5160Eのみを使用して、エンジン気体交換プロセスを制御することができるようになり、それによって、シリンダヘッド5132の上流のスロットルバルブの必要がなくなる。
この配設により、バルブ事象および/またはエンジンの絞り調整を、特定のエンジン運転条件、ならびに特定のエンジン性能定格または「パッケージ」に合わせることができるようになる。たとえば、ある特定の状況では、特定の基本的なエンジン設計(たとえば、2.2リットル、V6)は、それぞれが異なる性能および/または排出規制を有する多くの異なる市場(たとえば、ヨーロッパ、カリフォルニア、その他のアメリカ合衆国の州、高度が高い市場など)で使用される。異なる市場に適応するために、製造業者は、ある特定のハードウェア(たとえば、カムシャフト、ピストン、燃料噴射システムなど)を変えることによって、基本的なエンジンの定格または性能「パッケージ」を変える場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバルブシステムおよび制御方法を使用して、エンジンハードウェアの変更を必要とせずに、複数の異なるエンジン定格または性能「パッケージ」を提供することができる。
たとえば、図65は、一実施形態による、エンジン6100の概略図である。エンジン6100は、少なくとも1つのシリンダ(図65には示されていない)を画定するエンジンブロック6102を含む。シリンダヘッドアセンブリ6130は、エンジンブロック6102に結合されている。シリンダヘッドアセンブリ6130は、図示され、上述されたシリンダヘッドアセンブリのいずれかとすることができ、たとえば、図示および上述されたバルブ5160Iおよび5160Eのようなテーパバルブを含むことができる。エンジン6100は、吸気バルブアクチュエータアセンブリ6200および排気バルブアクチュエータアセンブリ6300を含む。吸気バルブアクチュエータアセンブリ6200は、上述のように、所定の時点で、所定の持続時間にわたって、および/または所定量のバルブ移動量で、エンジン6100の吸気バルブを開くように構成される。排気バルブアクチュエータアセンブリ6300は、上述のように、所定の時点で、所定の持続時間にわたって、かつ/または所定のバルブ移動量の量で、エンジン6100の排気バルブを開くように構成される。
エンジン6100は、吸気バルブアクチュエータアセンブリ6200および排気バルブアクチュエータアセンブリ6300と通信する電子制御ユニット(ECU)6196を含む。ECU6196は、様々なセンサ(たとえば、エンジン速度センサ、排気酸素センサ、吸気マニホールド温度センサなど)から入力を受信するように構成された、当分野で知られているタイプのプロセッサであり、所望のエンジン運転条件を決定し、それに応じてエンジンを制御するために、様々なアクチュエータに信号を伝達する。以下に記載するように、ECU6196は、所望のバルブ事象(たとえば、開放時点、開放の持続時間、および/またはバルブ移動量)を決定し、吸気バルブおよび排気バルブが所望に応じて開閉するように、吸気バルブアクチュエータアセンブリ6200および排気バルブアクチュエータアセンブリ6300に電子信号を提供するように構成される。
ECU6196は、その中に一連の較正表が保存されたメモリ構成要素を含む。較正表は、較正マップおよび/またはデータアレイとも呼ばれることがある。較正表は、たとえば、スロットルポジションに応じてエンジン6100の目標燃料供給レベルを指定する表、エンジン運転条件(たとえば、速度および燃料供給レベル)に応じて目標燃料インジェクタタイミングおよび持続時間を指定する表、エンジン運転条件に応じて目標着火タイミングを指定する表などを含み得る。ECU6196のメモリは、また、吸気バルブおよび/または排気バルブに関連付けられた較正表も含む。図66〜図68は、吸気バルブに関する較正表の表形式の表示である。図66〜図68に示される較正表は吸気バルブに関するが、ECU6196のメモリは、排気バルブに関する同様の表を含むことができる。
図66は、バルブ移動量較正表6410である。バルブ移動量較正表6410は、目標エンジン速度(たとえば、毎分回転数を単位とする)を指定する第1の軸6412を含む「3次元表」である。バルブ移動量較正表6410は、1動作サイクル当たりの目標エンジン燃料供給レベル(たとえば、立方ミリメートルを単位とする1エンジンサイクル当たりの燃料)を指定する第2の軸6414を含む。第1の軸6412および第2の軸6414は、目標速度および燃料供給レベルをそれぞれ指定するが、他の実施形態では、バルブ移動量較正表6410の軸は、任意の適切な目標エンジン動作パラメータ(たとえば、目標パワー出力、周囲温度、排気酸素レベルなど)を指定することができる。バルブ移動量較正表6410の内容6416は、(第1の軸6412からの)各エンジン速度および(第2の軸6414からの)各目標燃料供給レベルに対する(最大移動量のパーセントを単位とする)目標バルブ移動量設定を含む。他の実施形態では、較正表6410の内容6416は、移動長さ単位(たとえば、インチ)の目標バルブ移動量、所与のバルブ移動量における定常状態の空気流量などを指定することができる。バルブ移動量較正表6410中に提供されたデータ値は例として与えられたものにすぎず、バルブ移動量較正表6410に含むことができるデータを限定することを意図するものではない。
図67は、バルブ開放較正表6420である。バルブ開放較正表6420は、目標エンジン速度(たとえば、毎分回転数を単位とする)を指定する第1の軸6422を含む「3次元表」である。バルブ開放較正表6420は、1動作サイクル当たりの目標エンジン燃料供給レベル(たとえば、立方ミリメートルを単位とする1エンジンサイクル当たりの燃料)を指定する第2の軸6424を含む。第1の軸6422および第2の軸6424は、目標速度および燃料供給レベルをそれぞれ指定するが、他の実施形態では、バルブ開放較正表6420の軸は、任意の適切な目標エンジン動作パラメータ(たとえば、目標パワー出力、周囲温度、排気酸素レベルなど)を指定することができる。バルブ開放較正表6420の内容6426は、(第1の軸6422からの)各エンジン速度および(第2の軸6424からの)各目標燃料供給レベルに関する目標バルブ開放タイミング(度を単位とするクランクシャフトの角度位置)を含む。他の実施形態では、バルブ開放較正表6420の内容6426は、時間単位(たとえば、ミリ秒)の目標開放タイミング、(たとえば、燃料インジェクタが遮断した後の)相対的なクランクシャフト位置などを指定することができる。たとえばバルブ開放較正表6420中に提供されたデータ値は例として与えられたものにすぎず、バルブ開放較正表6420に含むことができるデータを限定することを意図するものではない。
図68は、バルブ持続時間較正表6430である。バルブ開放較正表6420は、目標エンジン速度(たとえば、毎分回転数を単位とする)を指定する第1の軸6432を含む「3次元表」である。バルブ持続時間較正表6430は、1動作サイクル当たりの目標エンジン燃料供給レベル(たとえば、立方ミリメートルを単位とする1エンジンサイクル当たりの燃料)を指定する第2の軸6434を含む。第1の軸6432および第2の軸6434は、目標速度および燃料供給レベルをそれぞれ指定するが、他の実施形態では、バルブ持続時間較正表6430の軸は、任意の適切な目標エンジン動作パラメータ(たとえば、目標パワー出力、周囲温度、排気酸素レベルなど)を指定することができる。バルブ持続時間較正表6430の内容6436は、(第1の軸6432からの)各エンジン速度および(第2の軸6434からの)各目標燃料供給レベルに関する目標バルブ閉鎖タイミング(度を単位とするクランクシャフトの角度位置)を含む。他の実施形態では、バルブ持続時間較正表6430の内容6436は、時間(たとえば、ミリ秒)を単位とするその継続時間バルブが開いている、クランク角度期間を単位とする目標バルブ開放持続時間などを指定することができる。たとえば、バルブ持続時間較正表6430中に提供されるデータ値は、例として与えられたものにすぎず、バルブ持続時間較正表6430に含むことができるデータを限定することを意図するものではない。
エンジン6100の動作中、ECU6196は、較正表6410、6420および/または6430を使用して、バルブ事象(たとえば、開放時間、開放の持続時間、ならびに/あるいは吸気バルブおよび/または排気バルブのバルブ移動量)を制御することができる。より具体的には、エンジンが特定の一組の運転条件(たとえば、エンジン速度および燃料供給レベル)で動作しているとき、ECU6196は、目標エンジン速度および目標燃料供給レベルに基づいて、バルブ移動量較正表6410に目標バルブ移動量を補間する(または「参照する」)ことによって、目標バルブ移動量を決定することができる。目標エンジン速度は、たとえば、エンジン速度センサによって測定されるエンジン速度とすることができる。ある特定の状態(たとえば、遷移状態)では、目標エンジン速度は、現在の測定されたエンジン速度と、測定されたエンジン速度の一時的履歴(たとえば、エンジン速度の変化率)とに基づいて、計算された目標とすることができる。同様に、目標燃料供給レベルは、たとえば、別の較正表から測定され、決定される燃料供給レベルとすることができる。ある特定の状態(たとえば、遷移状態)では、目標燃料供給レベルは、燃料供給レベルの現在値と、燃料供給レベルの一時的履歴(たとえば、燃料供給レベルの変化率)とに基づいて、計算された目標とすることができる。
同様に、ECU6196は、目標エンジン速度および目標燃料供給レベルに基づいて、バルブ開放較正表6420に目標バルブ開放タイミングを補間する(または「参照する」)ことによって、目標バルブ開放タイミングを決定することができる。同様に、ECU6196は、目標エンジン速度および目標燃料供給レベルに基づいて、バルブ持続時間較正表6430に目標バルブ持続時間を補間する(または「参照する」)ことによって、目標バルブ開放持続時間を決定することができる。
このようにして、ECU6296、吸気バルブアクチュエータアセンブリ6200、および/または排気バルブアクチュエータアセンブリ6300は、エンジン動作中にシリンダに入る、および/またはシリンダから出る気体の量および/または流量をまとめて制御することができる。より具体的には、エンジン運転条件(たとえば、低アイドリング状態、路上巡航状態など)に応じて、吸気バルブおよび/または排気バルブタイミング、持続時間、ならびに/あるいは移動量を、所望の気体流れ特性を提供するために変えることができる。いくつかの実施形態では、この配設によって寄与された制御は、エンジン気体交換プロセスを吸気バルブおよび/または排気バルブのみを使用して制御できるようになり、それにより、シリンダヘッドの上流のスロットルバルブの必要性がなくなる。そのような実施形態では、上記で参照された「スロットル位置」は、スロットルバルブの位置を指すものではなく、エンジンの所望の燃料供給レベルに対応するアクセルペダルの位置を指すものである。
いくつかの実施形態では、ECU6196は、エンジン始動時に使用するための目標バルブ移動量、タイミング、および/または持続時間値を含む1つまたは複数の「コールドスタート」較正表を含むことができる。いくつかの実施形態では、たとえば、ECU6196は、始動事象中に、早期に(たとえば、発火ストロークにおける上死点後、140度のクランク角度よりも小さいクランク角度位置において)、排気バルブを開くように構成することができる。このようにして、シリンダから出る排気ガスの温度を上昇することができ、それにより、標準的な排気バルブ事象とともに行われるよりも早く触媒コンバータを加熱できる可能性がある。
いくつかの実施形態では、ECU6196は、エンジンが高度が高い所で動作するときに使用するための目標バルブ移動量、タイミング、および/または持続時間値を含む1つまたは複数の高度較正表を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、高度較正表は、特定の大気圧を指定する第1の軸を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ECU6196は、エンジンの隣接するシリンダのバルブに関する目標バルブ移動量、タイミング、および/または持続時間値とは無関係に、多気筒エンジンのシリンダのバルブに関する目標バルブ移動量、タイミング、および/または持続時間値を調整するアイドリング安定性アルゴリズムを含むことができる。このようにして、第1のシリンダの吸気バルブは、第2のシリンダの吸気バルブとは異なるリフト、開放タイミング、および/または持続時間を有することができる。そのような配設により、エンジンが、非常に低い速度でアイドリング安定性を維持できるようにすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、そのようなアイドリング安定性アルゴリズムにより、エンジンは、毎分500回転未満のエンジン速度で、アイドリング安定性を維持することができるようにすることができる。
エンジン6100は、ECU6196を含むものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、エンジン6100は、プロセッサに、本明細書に記載される機能を実行するように命令するプロセッサ可読コードの形態のソフトウェアを含んでもよい。他の実施形態では、エンジン6100は、本明細書に記載される機能を実行するファームウェアを含むことができる。
様々な実施形態について上述してきたが、それらは、単に例として提示され、限定するものではないことを理解されたい。上述の方法は、ある特定の順序で起こるある特定の事象を示すが、ある特定の事象の順序付けは修正されてもよい。さらに、事象のうちのいくつかは、可能な場合には平行プロセスで同時に実行しても、上述のように順次実行されてもよい。実施形態について具体的に図示し、記載してきたが、形態および詳細について様々な変更を加えてもよいことが理解されよう。
たとえば、バルブ5160Iおよび5160Eは、テーパ部分を有するものとして図示され、上述されているが、他の実施形態では、バルブ5160Iおよび/または5160Eは実質的にテーパ状でなくすることができる。バルブ5160Iおよび5160Eは、それぞれの閉位置と開位置との間で動かされるときには、シリンダ5103の外側に配置されるものとして図示され、上述されているが、他の実施形態では、吸気バルブ5160Iの一部分および/または排気バルブ5160Eの一部分は、開(または部分的な開)位置にあるときには、シリンダ5103内に配置されてもよい。
エンジン5100は、単一のシリンダを含むものとして図示され、記載されているが、いくつかの実施形態では、エンジンは、任意の配設の任意の数のシリンダを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、エンジンは、直列配列の任意の数のシリンダを含むことができる。他の実施形態では、任意の数のシリンダは、v字構成、対向構成、または放射状構成で配列することができる。
駆動シャフト5263の運動は、駆動ベルト5260を介してソレノイドアセンブリ5230に伝えられるものとして示されているが、他の実施形態では、駆動軸5263の回転運運動を、たとえば、油圧式で、ギヤ駆動を介して、など、任意の適切な機構を介して、ソレノイドアセンブリ5230に伝えてもよい。
様々な実施形態は、特定の特徴および/または構成要素の組合せを有するものとして記載してきたが、他の実施形態は、上述の実施形態のいずれかのうちの、任意の特徴および/または構成要素の組合せを有することが可能性である。たとえば、いくつかの実施形態では、移動量可変アクチュエータは、移動量可変アクチュエータ3250と同様のバルブラッシと、移動量可変アクチュエータ4250と同様のソレノイドストロークの両方を変えることによって、バルブ移動量を選択的に変えることができる。