JP5568582B2 - アルブミン融合蛋白質 - Google Patents

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Description

本出願は、「コピー1」「コピー2」および「コピー3」のラベルを付けた3つの同一のコンパクトディスク(CD−R)中の電子データとして提供される、以下に記載の「配列表」を参照する。これらのコンパクトディスクはそれぞれファイル「PF612PCTSL.txt」(929,048バイト、2005年2月7日作成)を含み、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
(発明の背景)
本発明は一般的に、アルブミンまたはアルブミンの断片もしくは変異体に融合させた治療用蛋白質(少なくとも1つのポリペプチド、抗体、ペプチドまたはその断片および変異体を含むが、これらに限定されない)に関する。本発明は、治療用アルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド、治療用アルブミン融合蛋白質、組成物、医薬組成物、処方およびキットを包含する。治療用アルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて形質転換させた宿主細胞も本発明に含まれ、同様に、これらのポリヌクレオチドおよび/または宿主細胞を用いて本発明のアルブミン融合蛋白質を調製する方法も本発明に含まれる。
ヒト血清アルブミン(HSAまたはHA)は、その成熟形態では、(図1(配列番号:1)に示すような)585個のアミノ酸からなる蛋白質であり、血清の浸透圧の大部分に関与しており、また、内因性および外因性リガンドのキャリアーとしても機能する。現在、臨床用のHAはヒト血液からの抽出により生産されている。微生物による組換えHA(rHA)の産生は、EP 330 451およびEP361 991に開示されている。
天然状態または組換えにより産生された治療用蛋白質、例えばインターフェロンおよび成長ホルモンは、典型的に、特に水溶液中に処方された場合に、短い貯蔵寿命を示す不安定な分子である。投与用に処方する場合のこれらの分子の不安定性のために、該分子の多くは貯蔵中、常に凍結乾燥および冷蔵する必要があり、そのため、該分子を輸送および/または貯蔵する際に困難が生じる。医薬処方を病院の環境外で貯蔵および調剤する必要がある場合、貯蔵の問題は特に深刻である。
不安定な蛋白質分子の貯蔵問題に対する実際的な解決策はほとんど提案されていない。従って、容易に調剤できる、好ましくは、貯蔵後の操作を最小限しか必要としない単純な処方をもつ、蛋白質治療用分子の安定化された持続性のある処方が必要とされている。
インビボで投与する場合、天然状態または組換えにより産生された治療用蛋白質、例えばインターフェロンおよび成長ホルモンは、血流からの迅速なクリアランスに起因して短い血漿安定性を示す。従って、これらの蛋白質により提供される治療効果も短命である。故に、インビボにおいてそれらの所望の治療効果を維持するためには、これらの蛋白質の血液からの迅速なクリアランスにより、治療用分子をより頻繁またはより高用量で投与する必要がある。しかし、治療用蛋白質を投与するための用量スケジュールを増大することは、多くの場合、注入部位反応、副作用および毒性の増大を患者にもたらす。同様に、高用量での治療用蛋白質の投与も、一般的に、毒性および副作用の増大を患者にもたらす。
化学コンジュゲーションを含む、提案されている治療用分子の血漿安定性を増大させるためのわずかな実際的な解決策は、患者に限定的な利点を提供している。一般的に、ほとんどの場合、これらの化学修飾された治療用分子は頻繁な用量スケジュールに基づいてなお投与され、注入部位反応、副作用および毒性を患者に与え続ける。従って、天然または組換えにより産生された治療剤単独よりも高いインビボ血漿安定性を保持し、およびより少ない頻度での投与を可能にし、それにより患者への潜在的な副作用を軽減する安定化された形態の治療用分子が必要とされている。
(発明の概要)
本発明は、アルブミンまたはアルブミンの断片(部分)もしくは変異体に融合させた治療用蛋白質(例えば、ポリペプチド、抗体またはペプチド、またはその断片もしくは変異体)を含むアルブミン融合蛋白質を包含する。本発明は、アルブミンまたはアルブミンの断片(部分)もしくは変異体に融合させた治療用蛋白質(例えば、ポリペプチド、抗体、またはペプチド、またはその断片もしくは変異体)をコードする核酸分子を含むまたはそれからなるポリヌクレオチドも包含する。本発明は、非融合状態の治療用蛋白質の血漿安定性と比べて、治療用蛋白質の貯蔵寿命を延長し、治療用蛋白質の血漿安定性を増大させ、および/またはインビトロおよび/またはインビボにおいて治療用蛋白質および/または溶液中(または医薬組成物中)でのその活性を安定化するのに十分なアルブミンまたはアルブミンの断片(部分)もしくは変異体に融合させた治療用蛋白質(例えば、ポリペプチド、抗体、またはペプチド、またはその断片もしくは変異体)を含む蛋白質をコードする核酸分子を含む或いはそれからなるポリヌクレオチドも包含する。本発明のポリヌクレオチドによりコードされるアルブミン融合蛋白質も本発明に含まれ、同様に、本発明のポリヌクレオチドを用いて形質転換させた宿主細胞ならびに本発明のアルブミン融合蛋白質の調製方法および本発明のこれらのポリヌクレオチドおよび/または宿主細胞の使用方法も本発明に含まれる。
本発明の好ましい一の態様において、アルブミン融合蛋白質は、表2に記載のものおよびかかる蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質および医薬上許容される希釈剤または担体を含む医薬処方も包含する。かかる処方はキットまたは容器中にあってもよい。かかるキットまたは容器は、延長された貯蔵寿命の治療用蛋白質に添付された使用説明書と一緒にパッケージされていてもよい。かかる処方は、患者、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトにおいて疾患または疾患徴候を処置、予防、改善または診断する方法であって、患者へ該医薬処方を投与する段階を含む方法において用いられてもよい。
他の実施態様において、本発明は、疾患または障害の予防、処置または改善方法を包含する。好ましい実施態様において、本発明は、表1の「好適な適応症:Y」の欄に挙げた疾患または障害の処置方法を含み、該方法は、かかる処置、予防または緩和が所望される患者に、疾患または障害を処置、予防または改善するために有効な量で、(表1の「好適な適応症:Y」の欄に挙げた処置すべき疾患または障害と同じ列にある)表1の「治療用蛋白質:X」の欄に開示した治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に相当する治療用蛋白質または部分を含む本発明のアルブミン融合蛋白質を投与することを含む。
一の実施態様において、表1または2に記載のアルブミン融合蛋白質は延長された貯蔵寿命を有する。
第2の一の実施態様において、表1または2に記載のアルブミン融合蛋白質は、表1に記載の対応する非融合治療用分子よりも安定である。
本発明は、本発明の核酸分子(表1および2に記載のポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない)を含むよう修飾された、好ましくは本発明のアルブミン融合蛋白質を発現するよう修飾されたトランスジェニック生物をさらに含む。
図1A−Dは、ヒトアルブミン(配列番号:1)の成熟形態のアミノ酸配列およびそれをコードするポリヌクレオチド(配列番号:2)を示す。配列番号:2のヌクレオチド1〜1755はヒトアルブミンの成熟形態(配列番号:1)をコードする。
図2は、pPPC0005クローニングベクターATCC寄託PTA−3278の制限地図を示す。
図3は、pSAC35パン酵母(yeast S.cerevisiae)発現ベクター(Sleepら.,BioTechnology 8:42(1990))の制限地図を示す。
図4は、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞(実施例76を参照のこと)における、SEAP活性への、CID2011および2053に含まれるDNAによりコードされるIFNbアルブミン融合蛋白質の様々な希釈効果を示す。蛋白質をDMEM/10%のFBS中、5e−7ないし1e−14g/mlで段階希釈し、次いで、これを用いて、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞を処理した。24時間後、レポーター細胞から上清を除き、次いで、SEAP活性についてアッセイした。IFNbアルブミン融合蛋白質を3つの安定なクローン:293F/#;2011、CHO/#;2011およびNSO/#;2053から精製した。哺乳類由来のIFNb,AvonexはBiogenから得、および2.0e5 IU/ugの特異的活性を有することが報告された。
図5は、Hs294Tメラノーマ細胞への、CID3165(CID3165蛋白質)によりコードされたIFNアルブミン融合蛋白質と組換えIFNa(rIFNa)の抗−増殖活性を比較する。様々な濃度のCID3165蛋白質またはIFNaのいずれかと一緒に細胞を培養し、次いで、培養の3日後に、BrdU取り込みにより増殖を測定した。CID3165蛋白質は、10ng/mlより高い濃度で細胞増殖の測定可能な阻害を惹起し、約200ng/mlにおいて50%阻害を示した。(■)=CID3165蛋白質、(◆)=rIFNa
図6は、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞における、SEAP活性への、IFNaアルブミン融合蛋白質の様々な希釈効果を示す。アルブミン(◆)の上流に融合されたIFNaの一調製物ならびにアルブミン(●)および(■)の下流に融合されたIFNaの2つの異なる調製物を試験した。
図7は、処置したサル(実施例78を参照のこと)における、OAS(p41)のmRNAレベルへの、コンストラクト2249(CID2249蛋白質)に含まれるDNAによりコードされるIFNaアルブミン融合蛋白質の時間および用量効果を示す。各時間ポイントにつき:一番目の棒=ビヒクル対照、二番目の棒=30ug/kg CID2249蛋白質、1日目、静脈内、三番目の棒=30ug/kg CID2249蛋白質、1日目、皮下、四番目の棒=300ug/kg CID2249蛋白質、1日目、皮下、五番目の棒=40ug/kg 組換えIFNa、1、3および5日目、皮下。
図8は、NPR−A/293Fレポーター細胞(実施例80および81を参照のこと)における、活性化cGMP成分についての、コンストラクトCID3691および3618(CID3691および3618蛋白質)に含まれるDNAによりコードされるBNPアルブミン融合蛋白質の用量−応答関係を示す。組換えBNP(■)ならびにアルブミン(□)および(●)の上流に融合されたBNPの2つの異なる調製物を共に試験した。
図9は、自然発生的な高血圧ラット(実施例80を参照のこと)における平均動脈圧へのBNPアルブミン融合蛋白質の効果を示す。ビヒクル(□)、組換えBNP蛋白質(●)またはBNPアルブミン融合蛋白質(○)を尾部への静脈内注入により投与した。cuff−tail法により、尾部の収縮期血圧および拡張期血圧を記録した。
図10は、組換えBNP蛋白質(●)またはBNPアルブミン融合蛋白質(○)(実施例80を参照のこと)の静脈内注入した後の、11〜12週齢の雄のC57/BL6マウスにおける血漿cGMPレベルを示す。静脈内注入後の幾つかの時間ポイントにて集めた尾部の血液から調製した血漿から、cGMPレベルを測定した。
図11は、タンデムGLP−1(7−36A8G)2×−HSA融合物(CID3610)(■)、モノマーGLP−1(7−36A8G)−HSA融合物(△)またはHSA単独(●)の1回投与から24時間後の、約8週齢の空腹の糖尿病db/dbマウスにおける血液グルコースレベルを示す。経口グルコース負荷試験により、血液グルコースレベルを測定した。意外なことに、約8週齢の空腹の糖尿病db/dbマウスにおける1回投与から24時間後に、タンデムGLP−1(7−36A8G)2×−HSA融合物(CID3610)(◇)は、モノマーGLP−1(7−36A8G)−HSA融合物(△)よりも強いグルコース正常化活性を有した。
(詳細な記載)
(定義)
本明細書を通して用いる特定の用語の理解を容易にするために、以下に定義する。
本明細書中用いる「ポリヌクレオチド」は、少なくとも1つの治療用蛋白質X(またはその断片もしくは変異体)のフレーム内に連結させたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子を含む或いはそれからなる融合蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;配列番号:Yのアミノ酸配列(表2の欄6に記載のような)またはその断片もしくは変異体を含む或いはそれからなる融合蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;配列番号:Xにて示される配列を含む或いはそれからなるヌクレオチド配列を有する核酸分子;配列番号:Zのアミノ酸配列を含む或いはそれからなる融合蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;表2または実施例において記載のように産生される本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;本発明の治療用アルブミン融合蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;表2に記載のアルブミン融合コンストラクト中に含まれるヌクレオチド配列を有する核酸分子;または(表3に記載のような)ATCCに寄託されたアルブミン融合コンストラクトに含まれるヌクレオチド配列を有する核酸分子を言う。
本明細書中用いる「アルブミン融合コンストラクト」は、治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドのフレーム内に連結させたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含む或いはそれからなる核酸分子含む或いはそれからなる核酸分子;表2または実施例に記載のように産生された治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドのフレーム内に連結させたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含む或いはそれからなる核酸分子;または治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドのフレーム内に連結されたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含む或いはそれからなり、例えば、1またはそれ以上の以下のエレメント:(1)自己複製機能ベクター(シャトルベクター、発現ベクター、組み込みベクターおよび/または複製系を含むが、これらに限定されない)、(2)転写開始領域(例えば、制御または誘導プロモーター、構成的プロモーターのごときプロモーター領域)、(3)転写終結領域、(4)リーダー配列および(5)選択マーカー:をさらに含む核酸分子を言う。治療用蛋白質およびアルブミン蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、アルブミン融合コンストラクトの部分ならば、それぞれアルブミン融合コンストラクトの「部分」「領域」または「一部」と言われてもよい。
本発明は一般的に、アルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド;アルブミン融合蛋白質;およびアルブミン融合蛋白質またはアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いた、疾患もしくは障害の処置、予防または改善方法に関する。本明細書中用いる「アルブミン融合蛋白質」は、治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子に対してアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子を融合することにより形成された蛋白質を言う。本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくとも1つの断片もしくは変異体を含み、それらは遺伝学的融合により互いに結合される(すなわち、アルブミン融合蛋白質は核酸の翻訳により産生され、ここで、治療用蛋白質の全てまたは部分をコードするポリヌクレオチドは、アルブミンの全てまたは部分をコードするポリヌクレオチドのフレーム内に連結されている)。治療用蛋白質およびアルブミン蛋白質は、アルブミン融合蛋白質の部分ならば、それぞれアルブミン融合蛋白質の「部分」、「領域」または「一部」(例えば、「治療用蛋白質部分」または「アルブミン蛋白質部分」)と言われてもよい。非常に好ましい一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質Xの少なくとも1つの分子またはその断片もしくは変異体(成熟形態の治療用蛋白質Xを含むが、これに限定されない)およびアルブミンの少なくとも1つの分子またはその断片もしくは変異体(アルブミンの成熟形態を含むが、これに限定されない)を含む。
さらに好ましい一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、宿主細胞によりプロセッシングされ、そして周囲の培養培地中に分泌される。発現のために用いられる宿主の分泌経路において生じる新生アルブミン融合蛋白質のプロセッシングは、シグナルペプチド開裂;ジスルフィド結合の形成;適切なフォールディング;糖の付加およびプロセッシング(例えば、N−およびO−結合したグリコシル化のごとき);特異的な蛋白質分解的切断;および多量体蛋白質へのアセンブリを含んでもよいが、これらに限定されない。好ましくは、本発明のアルブミン融合蛋白質はプロセッシングされた形態である。最も好ましい一の実施態様において、「プロセッシングされた形態のアルブミン融合蛋白質」は、N−末端シグナルペプチド開裂を受けたアルブミン融合蛋白質産物を言い、本明細書中、「成熟アルブミン融合蛋白質」とも言う。
幾つかの場合、本発明のアルブミン融合コンストラクトを含む典型的なクローンを、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(以後、「ATCC(登録商標)」と言う)に寄託した。さらに、当該技術分野において知られているおよび本明細書に別記されている技法により、該寄託物から特定のアルブミン融合コンストラクトを回収することが可能である。ATCC(登録商標)は、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110− 2209,USAに位置する。ATCC(登録商標)寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の条項に準ずる。
一の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミン蛋白質を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを提供する。さらなる一の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミン蛋白質を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい一の実施態様において、本発明は、表2に記載のポリヌクレオチドによりコードされる治療用蛋白質および血清アルブミン蛋白質を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。さらに好ましい一の実施態様において、本発明は、その配列が表2の配列番号:Yとして示されているアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを提供する。他の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミン蛋白質の生物活性および/または治療活性のある断片を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。他の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミン蛋白質の生物活性および/または治療活性のある変異体を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい実施態様において、アルブミン融合蛋白質の血清アルブミン蛋白質成分は、血清アルブミンの成熟部分である。本発明はこれらのアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。
さらなる実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミンの生物活性および/または治療活性のある断片を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。さらなる実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミンの生物活性および/または治療活性のある変異体を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は、治療用蛋白質の成熟部分である。さらに好ましい一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は、治療用蛋白質の細胞外可溶性ドメインである。別の一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は、治療用蛋白質の活性形態である。本発明は、これらのアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。
さらなる実施態様において、本発明は、治療用蛋白質の生物活性および/または治療活性のある断片もしくは変異体および血清アルブミンの生物活性および/または治療活性のある断片もしくは変異体を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい実施態様において、本発明は、治療用蛋白質の成熟部分および血清アルブミンの成熟部分を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。本発明は、これらのアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。
治療用蛋白質
上記のように、本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは遺伝学的融合により互いに連結されている、治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む或いはそれからなる蛋白質をコードする。
さらなる一の実施態様は、化学コンジュゲーションにより互いに連結されている、治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む或いはそれからなる蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含む。
本明細書中用いる「治療用蛋白質」は、1またはそれ以上の治療活性および/または生物活性を有する蛋白質、ポリペプチド、抗体、ペプチドまたはその断片もしくは変異体を言う。本発明に包含される治療用蛋白質は、蛋白質、ポリペプチド、ペプチド、抗体、および生物製剤(ペプチド、蛋白質、およびポリペプチドなる用語は本明細書中、同義的に用いられる)を含むが、これらに限定されない。用語「治療用蛋白質」が抗体およびその断片および変異体を含むことが特に熟慮される。故に、本発明の蛋白質は、治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体および/または抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含んでもよい。さらに、用語「治療用蛋白質」は、治療用蛋白質の内在性または天然に存在する対応物に言及してもよい。
「治療活性」を示すポリペプチドまたは「治療上活性」のある蛋白質により、本明細書中に記載されているまたは当該技術分野において知られている1またはそれ以上の治療用蛋白質のごとき治療用蛋白質に関連する1またはそれ以上の知られている生物活性および/または治療活性を有するポリペプチドが意味される。例えば、「治療用蛋白質」は、疾患、状態または障害の処置、予防または改善に有用な蛋白質であるが、これらに限定されない。非限定的な例として、「治療用蛋白質」は、特定の細胞型(正常な(例えばリンパ球)または異常な(例えば癌細胞))に特異的に結合してもよく、それ故に、化合物(薬剤または細胞傷害性剤)をその細胞型へ特異的にターゲッティングするために用いてもよい。
例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質に含まれてもよい「治療用蛋白質」部分の非包括的なリストには、GLP−I、GLP−2、PACAP−27、PACAP−28、VIP、CD4M33、セクレチン、グリセンチン、オキシントモジュリン、PHM、IFNa、IFNp、ANP、BNP、NGF、BDNF、GDNFおよびソマトスタチンが含まれるが、これらに限定されない。
インターフェロンハイブリッドはアルブミンのアミノまたはカルボキシ末端に融合されて、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質を形成してもよい。インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質は、インターフェロン活性、例えば、抗ウイルス応答、細胞成長の調節および免疫応答の調節(Lebleuら.,PNASUSA,73:3107−3111(1976);Gresserら.,Nature,251:543−545(1974);およびJohnson,Texas Reports Biol Med,35:357−369(1977))を亢進或いは抑制してもよい。各インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質は、ウイルス感染(例えば、肝炎(例えばHCV);またはHIV)、多発性硬化症または癌を処置、予防または改善するために用いられ得る。
一の実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンアルファ−インターフェロンアルファハイブリッド(本明細書中、アルファ−アルファハイブリッドと言う)を含む。例えば、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のアルファ−アルファハイブリッド部分は、インターフェロンアルファDに融合されたインターフェロンアルファAからなる或いはそれを含む。さらなる一の実施態様において、A/Dハイブリッドは、一般的なBglII制限部位にてインターフェロンアルファDに融合し、ここで、A/DハイブリッドのN−末端部分はインターフェロンアルファAのアミノ酸1〜62に対応し、およびC−末端部分はインターフェロンアルファDのアミノ酸64〜166に対応する。例えば、このA/Dハイブリッドはアミノ酸配列:
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRX1ISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFTTKDSSAAWDEDLLDKFCTELYQQLNDLEACVMQEERVGETPLMNX2DSILAVKKYFRRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSLSLSTNLQERLRRKE(配列番号:99)、ここで、XはRまたはKであり、およびXはAまたはVである(例えばコンストラクト番号;2875を参照のこと):
を含み得る。さらなる一の実施態様において、A/Dハイブリッドは、一般的なPvuIII制限部位に融合され、ここで、A/DハイブリッドのN−末端部分はインターフェロンアルファAのアミノ酸1〜91に対応し、およびC−末端部分はインターフェロンアルファDのアミノ酸93〜166に対応する。例えば、このA/Dハイブリッドはアミノ酸配列:
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRX1ISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEACVMQEERVGETPLMNX2DSILAVKKYFRRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSLSLSTNLQERLRRKE(配列番号:100)、ここで、XはRまたはKであり、および第2のXはAまたはVである(例えば、コンストラクト番号;2872を参照のこと):
を含み得る。これらのハイブリッドは米国特許第4,414,510号にさらに記載されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
さらなる一の実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のアルファ−アルファハイブリッド部分は、インターフェロンアルファFに融合されたインターフェロンアルファAからなる或いはそれを含む。さらなる一の実施態様において、A/Fハイブリッドは、一般的なPvuIII制限部位にて融合され、ここで、A/FハイブリッドのN−末端部分はインターフェロンアルファAのアミノ酸1〜91に対応し、およびC−末端部分はインターフェロンアルファFのアミノ酸93〜166に対応する。例えば、このA/Fハイブリッドはアミノ酸配列:
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRXISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDMEACVIQEVGVEETPLMNVDSILAVKKYFQRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSFSLSKIFQERLRRKE(配列番号:101)、ここで、XはRまたはKのいずれかである(例えば、コンストラクト番号;2874を参照のこと):
を含み得る。これらのハイブリッドは米国特許第4,414,510号にさらに記載されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。さらなる一の実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のアルファ−アルファハイブリッド部分は、インターフェロンアルファBに融合されたインターフェロンアルファAからなる或いはそれを含む。さらなる一の実施態様において、A/Bハイブリッドは一般的なPvuIII制限部位にて融合され、ここで、A/BハイブリッドのN−末端部分はインターフェロンアルファAのアミノ酸1〜91に対応し、およびC−末端部分はインターフェロンアルファBのアミノ酸93〜166に対応する。例えば、このA/Bハイブリッドはアミノ酸配列:
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRX1ISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEX2x3X4X5QEVGVIESPLMYEDSILAVRKYFQRITLYLTEKKYSSCAWEVVRAEIMRSFSLSINLQKRLKSKE(配列番号:102)、ここで、XはRまたはKであり、およびX〜XはSCVMまたはVLCDである(例えば、コンストラクト番号;2873を参照のこと):
を含み得る。これらのハイブリッドは米国特許第4,414,510号にさらに記載されており該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
別の実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のインターフェロンハイブリッド部分はインターフェロンベータ−インターフェロンアルファハイブリッド(本明細書中、ベータ−アルファハイブリッドと言う)を含む。例えば、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のベータ−アルファハイブリッド部分は、インターフェロンアルファD(インターフェロンアルファ−1とも言う)に融合されたインターフェロンベータ−1からなる或いはそれを含む。さらなる一の実施態様において、ベータ−1/アルファDハイブリッドは融合され、ここで、そのN−末端部分はインターフェロンベータ−1のアミノ酸1〜73に対応し、およびそのC−末端部分はインターフェロンアルファDのアミノ酸74〜167に対応する。例えば、このベータ−1/アルファDハイブリッドはアミノ酸配列:
MSYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSSAAWDEDLLDKFCTELYQQLNDLEACVMQEERVGETPLMNXDSILAVKKYFRRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSLSLSTNLQERLRRKE(配列番号:103)、ここで、XはAまたはVである:
を含み得る。これらのハイブリッドは米国特許第4,758,428号にさらに記載されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
別の実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンアルファ−インターフェロンベータハイブリッド(本明細書中、アルファ−ベータハイブリッドと言う)を含む。例えば、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のアルファ−ベータハイブリッド部分は、インターフェロンベータ−1に融合されたインターフェロンアルファD(インターフェロンアルファ−1とも言う)からなる或いはそれを含む。さらなる一の実施態様において、アルファD/ベータ−1ハイブリッドは融合され、ここで、そのN−末端部分はインターフェロンアルファDのアミノ酸1〜73に対応し、およびそのC−末端部分はインターフェロンベータ−1のアミノ酸74〜166に対応する。例えば、このアルファD/ベータ−1ハイブリッドはアミノ酸配列:
MCDLPETHSLDNRRTLMLLAQMSRISPSSCLMDRHDFGFPQEEFDGNQFQKAPAISVLHELIQQIFNLFTTKDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLMSSLHLKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLRN(配列番号:104):
を含み得る。これらのハイブリッドは米国特許第4,758,428号にさらに記載されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
さらなる実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のインターフェロンハイブリッド部分は、アルファ−アルファインターフェロンハイブリッド、アルファ−ベータインターフェロンハイブリッドおよびベータ−アルファインターフェロンハイブリッドのさらなる組み合わせを含んでもよい。さらなる実施態様において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンハイブリッドのアミノ酸配列に対して置換、欠失または付加を含むように修飾されてもよい。インターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質に対するかかる修飾は、例えば、産生レベルを改善する、安定性を増大させる、活性を増大または減少させる、または新たな生物学的特性を付与するように、なされてもよい。
上記したインターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞およびベクターと同様に、本発明に含まれる。一の実施態様において、上記したようなポリヌクレオチドによりコードされるインターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質は、延長された貯蔵寿命を有する。さらなる一の実施態様において、上記したようなポリヌクレオチドによりコードされるインターフェロンハイブリッドアルブミン融合蛋白質は、インビトロおよび/またはインビボにて、対応する非融合インターフェロンハイブリッド分子よりも、溶液中(または医薬処方中)においてより長い血清半減期および/またはより安定な活性を有する。
別の非限定的な実施例において、「治療用蛋白質」は、生物活性および特に疾患の処置、予防または改善に有用な生物活性を有する蛋白質である。治療用蛋白質により保有されてもよい生物活性の非包括的なリストには、細胞のHIV−1感染の阻害、腸上皮細胞増殖の刺激、腸上皮細胞透過性の減少、インスリン分泌の刺激、気管支拡張および血管拡張の誘導、アルドステロンおよびレニン分泌の阻害、血圧調節、ニューロン成長の促進、免疫応答の亢進、炎症亢進、食欲抑制、または以下の「生物活性」のセクションに記載されるおよび/または表1(欄2)の特定の治療用蛋白質について開示される任意の1またはそれ以上の生物活性が含まれる。
一の実施態様において、IFN−ベータ−HSA融合物は、エボラウイルスおよびSARSウイルス(トロント−2菌株)の活性を阻害するために用いられる。例えば、成熟HSA(CID2053蛋白質)の上流に融合されたIFN−ベータのインビトロ抗ウイルス活性は、ベロ細胞においてエボラウイルスおよびSARSウイルスに対抗することが評価された。これらの細胞を用いて、細胞変性効果(CPE)の阻害に基づくCID2053蛋白質の保護効果を評価し、および細胞生存率ニュートラルレッドアッセイを行った。遺伝子発現を分析することにより、インビトロでのシグナル伝達を評価した。さらに、CID2053蛋白質の薬物動態および薬動力学をアカゲザルにおいて評価した。その結果は、好ましい安全性指標を伴って強力なインビトロ抗ウイルス活性が成し遂げられることを示す。CID2053蛋白質についてのIC50は、エボラウイルスに対しては0.4ng/ml、およびSARSウイルスに対しては2ng/mlだった。アレイ分析は、CID2053蛋白質およびIFN−ベータが、遺伝子の類似するセットの発現を誘導し、およびIFN刺激応答エレメント(ISRE)のシグナル伝達経路を引き起こすことを示した。50ug/kgIVまたはSCまたは300ug/kgSC用量のCID2053蛋白質を投与されたアカゲザルにおいて、終末半減期は36−40時間だった。CID2053蛋白質の投与は、血清ネオプテリンレベルおよびOAS I mRNA発現における持続的な増大を誘導した。
さらなる一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物を用いて、カテゴリーA−フィロ(エボラ)、アレナ(Pichende)、カテゴリーB−トガ(VEE)またはカテゴリーC−ブンヤ(Punto toro)、フラビ(黄熱病、ウエスト・ナイル)に分類されるウイルス物質を阻害する。例えば、CPE阻害、ニュートラルレッド染色およびウイルス産生アッセイを用いて、HSA(CID3165蛋白質)の下流に融合されたINF−アルファの抗ウイルス活性を評価した。カニクイザルおよびヒト対象においてCID3165蛋白質の薬物動態および薬動力学活性を評価した。結果は、好ましい安全性指標を伴って評価した全てのRNAウイルスに対抗する抗ウイルス活性が成し遂げられたことを示す。CPEアッセイにおいてIC50スコアは<0.1ng/ml(Punta ToroA)〜19ng/ml(VEE)だった。カニクイザルにおいて、CID3165蛋白質の半減期は90時間であり、および投与から最高14日後まで検出可能だった。ヒト対象において、CID3165蛋白質は安全であり、かつ十分に許容された。1回注入投与後のCmaxは用量に比例した。500ugのコホートにおける平均Cmaxは22ng/mlであり、および平均t1/2は150時間だった。2〜4週ごとまたはそれ以上に1回の投与が薬物動態により支持される。1回注入のコホート(120−500ug)の大部分の対象において、C型肝炎に対抗する抗ウイルス応答が観察された。
さらなる一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物を用いて、慢性C型肝炎感染(HCV)を有する患者を処置する。インターフェロンαまたは白血球インターフェロンとしても知られているインターフェロンアルファは、HCVに感染した患者を処置するための処置基準である。用語「インターフェロンアルファ」は、抗−ウイルス活性を有するポリペプチドに関連した高度に相同なファミリーを言う。IFN−アルファ−HSA融合物のインターフェロンアルファ部分は、当該技術分野において知られている任意のインターフェロンアルファまたは断片からなる或いはそれを含む。本発明に包含されるインターフェロンアルファの非限定的な例は、表1の治療用蛋白質の欄に開示されるインターフェロンアルファ蛋白質を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、インターフェロンアルファ部分は、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−2c、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ−nl、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンアルファの任意の市販されている形態、例えば、INTRO(登録商標)A(Schering Corp.,Kenilworth,N.J.)、ROFERON(登録商標)A(Hoffman−La Roche,Nutley,N.J.)、Beroforアルファインターフェロン(Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.,Ridgefied,Conn.)、OMNIFERON(登録商標)(Viragen,Inc.,Plantation,FL)、MULTIFERON(登録商標)(Viragen,Inc.,Plantation,FL)WELLFERON(登録商標)(GlaxoSmithKline,London,Great Britian)、INFERGEN(登録商標)(Amgen,Inc.,Thousands Oaks,CA)、SUMIFERON(登録商標)(Sumitomo,Japan)、BELEROFON(登録商標)(Nautilus Biotech,France)または任意の精製インターフェロンアルファ産物またはその断片からなる或いはそれらを含む。さらなる実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物蛋白質のインターフェロンアルファ部分は、化学的部分の結合により修飾されてもよい。例えば、インターフェロンアルファ部分はペグ化により修飾されてもよい。従って、さらなる実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物蛋白質のインターフェロンアルファ部分は、インターフェロンアルファ−2a、2b、またはコンセンサスインターフェロンのペグ化形態からなる或いはそれを含み、そして市販されているペグ化インターフェロンアルファ、例えば、PEG−INTRON(登録商標)(Schering Corp.,Kenilworth,N.J.)、PEGASYS(登録商標)(Hoffman−La Roche,Nutley,N.J.)、PEG−OMNIFERON(登録商標)(Viragen,Inc.,Plantation,FL)またはその断片を含むが、これらに限定されない。しかし、本明細書中用いる「IFN−アルファ−HSA」融合は、当該技術分野において知られている任意のインターフェロンアルファ蛋白質に融合されたHSAまたはその断片を言う。
HCVに感染した患者は、HCV感染を処置するためにインターフェロン療法を事前に受けたか否かに基づいて2つのカテゴリーに分類される。「無処置患者」は、インターフェロン療法を用いた処置を未だ受けていない患者である。「処置患者」は、インターフェロン療法を用いた処置を受けたまたは現在受けている患者である。「非応答患者」は、インターフェロン療法を用いた処置を事前に受けたが、早期のウイルス量減少(EVR)または処置終了時の応答(ETR)のごとき処置の主要なエンドポイントを満たさなかった処置患者である。しかし、本明細書中用いる「HCV患者」はHCVに感染している患者を言い、かつ、無処置患者、処置患者または非応答患者のいずれかを言う。
加えて、C型肝炎ウイルスは4つの遺伝子型、遺伝子型1、2、3または4に分類できる。一般的に、HCV患者に感染するC型肝炎ウイルスは単一の遺伝子型を含む。しかし、該肝炎ウイルスは、2またはそれ以上の遺伝子型の組み合わせを含み得る。加えて、C型肝炎ウイルスの遺伝子型は、既知のHCV遺伝子型の1つの変異体であってもよい。さらなる一の実施態様において、HCV患者のC型肝炎ウイルスは遺伝子型Iまたはその変異体である。しかし、本明細書中用いる「HCV」は、任意の遺伝子型もしくはそれらの組み合わせまたは変異体のC型肝炎ウイルスを言う。
HCVを伴う患者についての標準的な処置療法は、リバビリンのごとき抗ウイルス剤と組み合わせたインターフェロンアルファを用いた処置を含む。一般的に、インターフェロンアルファは、毎日、1週間に2回または1週間に1回投与され、およびリバビリンは毎日投与される。しかし、最近の研究は、HCVの処置のために当該技術分野において知られている他の抗ウイルス剤と組み合わせて、インターフェロンアルファも用いた。故に、さらなる一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は、単独または例えばリバビリンのごとき抗ウイルス剤と組み合わせてHCV患者へ投与されてもよい。
上記したように、CID3165蛋白質の薬物動態は2〜4週ごとまたはそれ以上に1回という投与計画を支持する。故に、さらなる一の実施態様において、HCV患者は、2〜4週ごとに1回、IFN−アルファ−HSA融合物を単独または有効量の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することにより処置される。好ましい一の実施態様において、HCV患者は、2〜4週ごとに1回、IFN−アルファ−HSA融合物をと組み合わせて有効量の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することにより処置される。さらなる一の好ましい実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は4週ごとに1回HCV患者へ投与される。さらなる一の好ましい実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は4週ごとに1回以上HCV患者へ投与される。さらなる実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は4週またはそれ以上に1回HCV患者に投与され、ここで、該処置は有効量の抗ウイルス剤の投与も含む。
別の一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は、HCVの維持療法のために低用量の単独療法として用いられてもよい。さらなる一層の一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は、リバビリンおよびHCV処置のための1またはそれ以上の他の抗ウイルス剤と組み合わせて用いられてもよい。別法では、別の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は、HCVの処置のためのリバビリン以外の1またはそれ以上の抗ウイルス剤と組み合わせて用いられてもよい。
さらなる一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は他のウイルス感染の処置のために用いられてもよい。例えば、一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物はB型肝炎(HBV)の処置のために用いられてもよい。さらなる一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物はヒトパピローマウイルス(HPV)の処置に用いられてもよい。さらなる一の実施態様において、IFN−アルファ−HSA融合物は、有毛細胞白血病、悪性メラノーマ、濾胞性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、AIDS関連カポジ肉腫、多発性骨髄腫または腎細胞癌を含むがこれらに限定されない癌の処置において用いられてもよい。
別の実施態様において、GLP−1−HSA融合物は、糖尿病患者における血液グルコースレベルを調節するために用いられる。さらなる一の実施態様において、野生型または変異GLP−1のタンデム融合物が、糖尿病患者における血液グルコースレベルを調節するために用いられる。例えば、血液グルコースレベルを調節するモノマーGLP−1(7−36A8G)−HSAおよびタンデムGLP−1(7−36A8G)−HSA(CID3610)融合物の能力を、約8週齢の糖尿病db/dbマウスにおいて、GLP−1−HSA蛋白質を皮下注入した後の経口グルコース負荷試験(1グラムのグルコース/kg、強制経口)を利用して評価した。このグルコース負荷試験は、GLP−1−HSA融合物の皮下注入、次いで、1グラムのグルコース/kgの強制経口投与から構成した。空腹の糖尿病db/dbマウスに等モル用量(100および171nmol/kg)のモノマーまたはタンデムGLP−1−HSA融合物蛋白質のいずれかを投与し、および/または経口グルコース負荷試験を1回投与の6または24時間後に行った。非常に意外なことおよび予期しないことに、タンデムGLP−1(7−36A8G)−HSA融合物(CID3610)は、モノマーGLP−1(7−36A8G)−HSA融合物と比べて、注入6時間後に血液グルコースを有意に減少した。加えて、モノマーGLP−1(7−36A8G)−HSAおよびタンデムGLP−1(7−36A8G)−HSA(CID3610)融合物の間の違いは、糖尿病db/dbマウスを注入24時間後に評価した場合、より一層顕著だった。図11に示すように、タンデムGLP−1(7−36A8G)−HSA融合物(CID3610)(◇)は意外にも強力なグルコース−正常化活性を有し、一方で、単一のGLP−1(7−36A8G)−HSA(△)融合物についての空腹時血液グルコースレベルは、HSAを単独投与され、かつ明らかに糖尿病性を示す動物(●)と同様であった。
本明細書中用いる「治療活性」または「活性」は、ヒトにおける所望の治療結果に整合する効果を有する活性、或いはヒトでない哺乳類または他の種もしくは生物における所望の効果を言ってもよい。治療活性はインビボまたはインビトロで測定されてもよい。例えば、所望の効果は細胞培養にてアッセイされてもよい。かかるインビトロまたは細胞培養アッセイは、当該技術分野において記載されている多数の治療用蛋白質のために市販されている。アッセイの例は、本明細書中の実施例のセクションまたは表1の「代表的活性アッセイの例」の欄(欄3)に記載のものを含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質部分の治療用蛋白質に対応する治療用蛋白質、例えば、細胞表面および分泌蛋白質は、多くの場合、1またはそれ以上のオリゴ糖基の結合により修飾される。グリコシル化とも言われる修飾は、蛋白質の物性に顕著に作用し得、そして蛋白質の安定性、分泌および局在性において重要であり得る。グリコシル化は、ポリペプチド骨格に沿った特定位置において生じる。通常、グリコシル化には2つの主要な型がある。すなわち、Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr配列[式中、Xはプロリンを除く任意のアミノ酸であり得る]中のセリンまたはトレオニン残基に結合されているO−結合オリゴ糖により特徴付けられるグリコシル化;およびそのアスパラギン残基に結合されているN−結合オリゴ糖により特徴付けられるグリコシル化である。N−アセチルノイラミン酸(シアル酸としても知られている)は、通常、N−結合およびO−結合オリゴ糖の両方の末端残基である。蛋白質構造および細胞型のごとき変量は、鎖内の異なるグリコシル化部位での炭水化物単位の数および性質に影響する。グリコシル化アイソマーも、特定の細胞型の同じ部位において一般的である。
本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質ならびにそのアナログおよび変異体は修飾されてもよく、その結果、1またはそれ以上の部位でのグリコシル化が、それらを発現する宿主細胞によってかまたは他の発現条件に起因してそれらの核酸配列が遺伝子操作される結果として、改変される。例えば、グリコシル化アイソマーは、グリコシル化部位を除去または導入することにより、例えば、アスパラギンをグルタミンで置換するなどのアミノ酸残基の置換または欠失により作製されてもよく、またはグリコシル化されていない組換え蛋白質は、それらをグリコシル化しない宿主細胞、例えば、大腸菌(E.coli)またはグリコシル化欠損酵母において蛋白質を発現させることにより作製されてもよい。これらのアプローチは以下により詳細に記載され、かつ当該技術分野において知られている。
特に表1に開示される治療用蛋白質およびそれらの核酸およびアミノ酸配列は当該技術分野においてよく知られており、およびChemical Abstracts Services Databases(例えば、CAS Registry)、GenBankなどの公共データベースおよびGenSeq(例えば、Derwent)のごとき会員に提供されるデータベースにおいて入手可能である。本発明のポリヌクレオチドを導くために用いられてもよい治療用蛋白質のヌクレオチド配列の例を、表2の欄7「配列番号:X」に示す。配列番号:Xとして示される配列は、特定の治療用蛋白質(例えば、全長または成熟型のいずれか)をコードする野生型ポリヌクレオチド配列であってもよく、または幾つかの場合、該配列は、該野生型ポリヌクレオチド配列の変異体(例えば、野生型治療用蛋白質をコードするポリヌクレオチド、ここで、該ポリヌクレオチドのDNA配列は例えば特定の種における発現のために最適化されている。;または野生型治療用蛋白質の変異体をコードするポリヌクレオチド(すなわち、部位特異的変異;対立遺伝子変異体))であってもよい。配列番号:Xで示す配列を用いて同じ列に記載のコンストラクトを誘導することは当業者の能力の範囲内に十分にある。例えば、全長蛋白質だけでなくその蛋白質の部分に対応する配列番号:Xを用いて特定のCIDを生じる場合、PCRのごとき分子生物学技法に依存して特定の断片を増幅し、そしてそれを適切なベクターにクローニングすることは、当該技術分野の範囲内である。
本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応するさらなる治療用蛋白質は、表1の「治療用蛋白質X」の欄(欄1)に開示される1またはそれ以上の治療用蛋白質またはペプチドまたは断片または可変体を含むが、これらに限定されない。
表1は、本発明のアルブミン融合蛋白質または本発明のポリヌクレオチドによりコードされるアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質の非限定的なリストを提供する。初めの欄「治療用蛋白質X」は、治療用蛋白質分子を開示し、治療用蛋白質分子またはその断片もしくは変異体を含む或いはそれからなる蛋白質の学名および商品名を含む括弧書きが続いてもよい。本明細書中用いる「治療用蛋白質X」は、個々の治療用蛋白質分子または本欄において開示される特定の治療用蛋白質分子に関連する治療用蛋白質の群全体のいずれかを言ってもよい。「生物活性」の欄(欄2)は、治療用蛋白質分子に関連する生物活性を記載する。欄3の「活性アッセイの例」は、治療用蛋白質:Xまたは治療用蛋白質X(またはその断片)部分を含むアルブミン融合蛋白質の治療および/または生物活性を試験するために用いられてもよいアッセイを記載している参考文献を提供する。「活性アッセイの例」欄に引用される参考文献のそれぞれは、特に表1の「生物活性」の欄に示される対応する生物活性をアッセイするために参考文献(例えば、「方法」のセクションを参照のこと)に記載されたそれぞれの活性アッセイの例の記載に関して、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。4番目の欄の「好適な適応症:Y」は、治療用蛋白質Xまたは治療用蛋白質X(またはその断片)部分を含むアルブミン融合蛋白質により処置、予防、診断および/または改善されてもよい疾患、障害および/または状態を記載する。「コンストラクト番号」の欄(欄5)は、参照した治療用蛋白質X(またはその断片)部分を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質をコードする表2に開示される代表的なアルブミン融合コンストラクトに関連している。
表1
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表2
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表2は、アルブミン融合蛋白質をコードする核酸分子を含む或いはそれからなる本発明のポリヌクレオチドの非限定的なリストを提供する。初めの欄の「融合番号」は、各ポリヌクレオチドの融合番号を与える。欄2の「コンストラクト番号」は、本発明のポリヌクレオチドそれぞれについて固有の識別番号を与える。該コンストラクト番号は、表1の対応する列に記載されており、かつ欄5にそのコンストラクト番号が記載される特定の治療用蛋白質:Xに対応する治療用蛋白質部分を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを同定するために用いられてもよい。「コンストラクト名」の欄(欄3)は、特定のアルブミン融合コンストラクトまたはポリヌクレオチドの名前を提供する。
表2の4番目の欄「説明」は、特定のアルブミン融合コンストラクトの一般的な説明を提供し、および5番目の欄の「発現ベクター」は、特定のアルブミン融合蛋白質をコードする核酸分子を含む或いはそれからなるポリヌクレオチドがクローニングされるベクターを記載する。ベクターは当該技術分野において知られており、かつ購入可能であり、または他に記載されている。例えば、実施例に記載されているように、(1)特定のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド(2)リーダー配列(3)プロモーター領域および(4)転写ターミネーターの1またはそれ以上を含む或いはそれらからなる「発現カセット」を、適切なクローニングベクター中に構築し、次いで、例えば、酵母発現ベクターまたは哺乳類の発現ベクターを含む発現ベクターのごとき別のベクターに移す。一の実施態様において、パン酵母(S.cervisiae)における発現のために、アルブミン融合蛋白質をコードする核酸分子を含む或いはそれからなる発現カセットは、pSAC35中にクローニングされる。別の実施態様において、CHO細胞における発現のために、アルブミン融合蛋白質をコードする核酸分子を含む或いはそれからなる発現カセットは、pC4中にクローニングされる。さらなる一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードする核酸分子を含む或いはそれからなるポリヌクレオチドは、pC4:HSA中にクローニングされる。さらなる一層の一の実施態様において、NSO細胞における発現のために、アルブミン融合蛋白質をコードする核酸分子を含む或いはそれからなる発現カセットは、pEE12中にクローニングされる。他の有用なクローニングおよび/または発現ベクターは当業者に知られており、および本発明の範囲内である。
欄6の「配列番号:Y」は、本発明のアルブミン融合蛋白質の全長アミノ酸配列を提供する。ほとんどの場合、配列番号:Yは、コードされたアルブミン融合蛋白質のプロセッシングされていない形態を示す。つまり、配列番号:Yは、シグナル配列、HSA部分および特定のコンストラクトによりコードされる治療用部分全てを示す。特に、配列番号:Yをコードする全てのポリヌクレオチドが本発明により熟慮される。細胞がコードされた蛋白質を発現するためにこれらのポリヌクレオチドが用いられる場合、細胞の自然な分泌およびプロセッシング段階は、表2の欄4および/または11に記載されるシグナル配列を欠失している蛋白質を生じる。記載されるシグナル配列の特定のアミノ酸配列は本明細書において後述されるか、または当該技術分野においてよく知られている。故に、本発明の最も好ましい実施態様は、細胞により産生されるアルブミン融合蛋白質(表2の欄4および/または11に示されるリーダー配列を欠失し得る)を含む。さらに、表2の欄4および/または11に記載される特定のリーダー配列のない配列番号:Yを含むポリペプチドは最も好ましい。これらの2つの好ましい実施態様を含む、医薬組成物を含む組成物も好ましい。さらに、表2の欄4および/または11に記載されるシグナル配列を、異なるシグナル配列、例えば、本明細書において後述するものに置き換えて、プロセッシングされたアルブミン融合蛋白質の分泌を改善することは、十分に当業者の能力の範囲内にある。
7番目の欄の「配列番号:X」は、特定のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードするポリヌクレオチドが由来し得る親核酸配列を示す。一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードするポリヌクレオチドが由来し得る親核酸配列は、表1に示される治療用蛋白質をコードする野生型遺伝子配列を含む。別の一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードするポリヌクレオチドが由来し得る親核酸配列は、表1に示される治療用蛋白質をコードする野生型遺伝子配列の変異体または誘導体、例えば、治療用蛋白質をコードする野生型遺伝子配列の合成コドン最適化変異体を含む。
8番目の欄の「配列番号:Z」は、予測される親核酸配列(配列番号:X)の翻訳を提供する。この親配列は、特定のコンストラクト、親蛋白質の成熟部分、野生型蛋白質の変異体もしくは断片または記載のコンストラクトを作製するために用いられ得る人工配列を得るために用いられる全長親蛋白質であり得る。当業者は、配列番号:Zに記載のこのアミノ酸配列を用いて、特定のコンストラクトによりコードされるアルブミン融合蛋白質のどのアミノ酸残基が治療用蛋白質に由来するかを決定することができる。さらに、配列番号:Zに記載の配列を用いて同じ列に記載されるコンストラクトを作製することは、十分に当業者の能力の範囲内にある。例えば、配列番号:Zが全長蛋白質に相当し、さらにその蛋白質部分を用いて特定のCIDを作製する場合、PCRのごとき分子生物学技法により、特定の断片を増幅し、次いでそれを適切なベクター中にクローニングすることは、当該技術の範囲内である。
欄9および10において提供される増幅用プライマー、「配列番号:A」および「配列番号:B」はそれぞれ、特定のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードする核酸分子を含む或いはそれからなるポリヌクレオチドを産生するために用いられる代表的なプライマーである。本発明の一の実施態様において、欄9および/または10に示される配列(配列番号S:Aおよび/またはB)を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、対応する列の欄7において提供されるヌクレオチド配列(配列番号:X)を含む或いはそれからなる核酸分子を鋳型DNAとして用いて、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードするポリヌクレオチドをPCR増幅するために用いられる。PCR方法は、当該技術分野において十分に確立されている。さらなる有用なプライマー配列は、当業者により容易に構想および利用されよう。
別の一の実施態様において、オリゴヌクレオチドプライマーをオーバーラッピングPCR反応に用いて、鋳型DNA配列内に変異を生じさせてもよい。PCR方法は当該技術分野において知られている。
表3に示すように、本明細書中に開示される特定のアルブミン融合コンストラクトはATCC(登録商標)に寄託されている。
表3
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当該技術分野において知られているおよび本明細書中別記されている技法(実施例10を参照のこと)により寄託物から特定のアルブミン融合コンストラクトを回収することができる。ATCCは、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209,USAに所在する。ATCC寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の条項に準ずる。
本発明のさらなる一の実施態様において、(1)特定のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド(2)リーダー配列(3)プロモーター領域および(4)転写ターミネーターの1またはそれ以上を含む或いはそれらからなる「発現カセット」は、1つのベクターから別のベクターへ移されるかまたは「サブクローニング」され得る。サブクローニングされるべき断片は、当該技術分野においてよく知られている方法、例えば、PCR増幅(例えば、配列番号:AまたはBで示される配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いる)および/または制限酵素消化により作製されてもよい。
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、表1の対応する列に記載されるアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質の治療活性および/または生物活性に対応する治療活性および/または生物活性を有し得る。さらなる好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療活性のある蛋白質部分は、表2の配列番号:Xの欄に示される配列によりコードされる蛋白質の断片もしくは変異体であり、および対応する治療用蛋白質の治療活性および/または生物活性を有し得る。
ポリペプチドおよびポリヌクレオチド断片および変異体
断片
本発明は、表1に記載の治療用蛋白質、アルブミン蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質の断片をさらに対象とする。
本発明は、表1に記載の治療用蛋白質、アルブミン蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質の断片をコードするポリヌクレオチドも対象とする。
蛋白質のN−末端から1またはそれ以上のアミノ酸を欠失させ、その結果、その治療用蛋白質、アルブミン蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質の1またはそれ以上の生物学的機能を修飾または欠失させたとしても、他の治療活性および/または機能活性(例えば、生物活性、多量体形成能、リガンド結合能)がなお保持されていてもよい。例えば、完全なポリペプチドの過半数に満たない残基をN−末端から除去した場合、ポリペプチドの完全または成熟形態を認識する抗体を誘導するおよび/またはそれに結合するN−末端に欠失のあるポリペプチドの能力は一般的に保持され得る。完全なポリペプチドのN−末端残基を欠失している特定のポリペプチドがかかる免疫活性を保持しているか否かは、本明細書中にて記載されているおよびそうでなければ当該技術分野において知られている慣用法により容易に決定され得る。多数のN−末端のアミノ酸残基が欠失した突然変異蛋白質が幾つかの生物活性または免疫活性を保持していてもよいことが考えられ得る。実際に、わずか6個のアミノ酸残基からなるペプチドは多くの場合免疫応答を引き起こし得る。
従って、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質の断片は、全長蛋白質ならびに参照ポリペプチド(すなわち、表1で参照される治療用蛋白質、または表2に記載のポリペプチドもしくはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分)のアミノ酸配列のアミノ末端から1またはそれ以上の残基が欠失しているポリペプチドを含む。特に、N−末端の欠失は、一般式mからqで示されてもよく、ここでqは参照ポリペプチド(例えば、表1で参照される治療用蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分)中のアミノ酸残基の総数を示す整数値であり、mは2からq−6の範囲の任意の整数と定義される。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
加えて、本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分に対応する血清アルブミンポリペプチドの断片は、全長蛋白質ならびに参照ポリペプチド(すなわち、血清アルブミン、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質の血清アルブミン部分)のアミノ酸配列のアミノ末端から1またはそれ以上の残基が欠失しているポリペプチドを含む。好ましい実施態様において、N−末端の欠失は、一般式mから585で示され、ここで585は成熟ヒト血清アルブミン(配列番号:1)にあるアミノ酸残基の総数を示す整数値であり、mは2から579の範囲の任意の整数と定義される。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。さらなる実施態様において、N−末端の欠失は、一般式mから609で示され、ここで609は全長ヒト血清アルブミン(配列番号:3)にあるアミノ酸残基の総数を示す整数値であり、mは2から603の範囲の任意の整数と定義される。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質の断片は、全長アルブミン融合蛋白質ならびにアルブミン融合蛋白質(例えば、表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされるアルブミン融合蛋白質;または表2の欄6に開示されるアミノ酸配列を有するアルブミン融合蛋白質)のアミノ末端から1またはそれ以上の残基が欠失しているポリペプチドを含む。特に、N−末端の欠失は、一般式mからqで示されてもよく、ここでqはアルブミン融合蛋白質にあるアミノ酸残基の総数を示す整数値であり、mは2からq−6の範囲の任意の整数と定義される。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
上述のように、参照ポリペプチド(例えば、治療用蛋白質血清アルブミン蛋白質;または本発明のアルブミン融合蛋白質)のN−末端またはC−末端から1またはそれ以上のアミノ酸を欠失させることによってその蛋白質の1またはそれ以上の生物学的機能を修飾または欠失させたとしても、他の機能活性(例えば、生物活性、多量体形成能、リガンド結合能)および/または治療活性はなお保持されていてもよい。例えば、完全または成熟なポリペプチドの過半数に満たない残基をC−末端から除去した場合、ポリペプチドの完全または成熟形態を認識する抗体を誘導するおよび/またはそれに結合するC−末端に欠失のあるポリペプチドの能力は一般的に保持され得る。参照ポリペプチドのN−末端および/またはC−末端の残基を欠失している特定のポリペプチドが治療活性を保持するか否かは、本明細書中記載されているおよび/またはそうでなければ当該技術分野において知られている慣用法により容易に決定され得る。
本発明はさらに、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質(例えば、表1で参照される治療用蛋白質、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分)のアミノ酸配列のカルボキシ末端から1またはそれ以上の残基が欠失しているポリペプチドを提供する。特に、C−末端の欠失は一般式1からnで示されてもよく、ここで、nは6からq−1の範囲の任意の整数値であり、qは参照ポリペプチド(例えば、表1で参照される治療用蛋白質、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分)中のアミノ酸残基の総数を示す整数値である。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
加えて、本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分に対応するアルブミン蛋白質(例えば、血清アルブミンまたは表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされるアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分)のアミノ酸配列のカルボキシ末端から1またはそれ以上の残基が欠失しているポリペプチドを提供する。特に、C−末端の欠失は一般式1からnで示されてもよく、ここでnは6から584の範囲の任意の整数値であり、584は成熟ヒト血清アルブミン(配列番号:1)のアミノ酸残基の総数を示す整数から1を引いたものである。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。特に、C−末端の欠失は一般式1からnで示されてもよく、ここでnは6から608の任意の整数値であり、608は血清アルブミン(配列番号:3)にあるアミノ酸残基の総数を示す整数から1を引いたものである。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
さらに、本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質のカルボキシ末端から1またはそれ以上の残基が欠失しているポリペプチドを提供する。特に、C−末端の欠失は一般式1からnで示されてもよく、ここでnは6からq−1の範囲の任意の整数値であり、qは本発明のアルブミン融合蛋白質にあるアミノ酸残基の総数を示す整数値である。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
加えて、上記のN−またはC−末端の欠失を任意に組み合わせて、N−およびC−末端欠失参照ポリペプチドを産生することができる。本発明は、アミノおよびカルボキシル末端の両方から1またはそれ以上のアミノ酸を欠失させたポリペプチドも提供し、これは一般的に参照ポリペプチド(例えば、表1で参照される治療用蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされた治療用蛋白質部分、または血清アルブミン(例えば、配列番号:1)、または本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン蛋白質部分、またはアルブミン融合蛋白質、または本発明のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされるアルブミン融合蛋白質)のm〜n個の残基を有するものとして示されてもよく、ここでnおよびmは上記の整数である。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明に包含される。
本出願は、本明細書中に記載の参照ポリペプチド配列(例えば、表1で参照される治療用蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされた治療用蛋白質部分、または血清アルブミン(例えば、配列番号:1)、または本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分、または表2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン蛋白質部分、またはアルブミン融合蛋白質、または本発明のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質)またはその断片と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリペプチドを含む蛋白質も対象とする。好ましい実施態様において、本出願は、上記のようにN−およびC−末端に欠失のあるアミノ酸配列を有する参照ポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリペプチドを含む蛋白質も対象とする。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
本発明の好ましいポリペプチド断片は、そのアミノ酸配列が断片である治療用蛋白質または血清アルブミン蛋白質のポリペプチド配列の治療活性および/または機能活性(例えば、生物活性)を示すアミノ酸配列を含む或いはそれらからなる断片である。
他の好ましいポリペプチド断片は生物活性のある断片である。生物活性のある断片は、本発明のポリペプチドの活性と同一である必要はないが類似する活性を示すものである。断片の生物活性は、所望の活性の改善または所望でない活性の減少を含んでもよい。
変異体
「変異体」は、参照の核酸またはポリペプチドとは異なるがその必須な特性を保持しているポリヌクレオチドまたは核酸を言う。一般的に、変異体は全体としてその参照の核酸またはポリペプチドに対して非常に類似しており、および多くの領域において同一である。
本明細書中用いる「変異体」は、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分、本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン部分または本発明のアルブミン融合蛋白質であって、それぞれ治療用蛋白質(例えば、表1の「治療用」の欄を参照のこと)、アルブミン蛋白質および/またはアルブミン融合蛋白質と配列が異なるが、本明細書中別記されているかまたはそうでなければ当該技術分野において知られている少なくともその1つの機能特性および/または治療特性を保持しているものを言う。一般的に、変異体は全体としてアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質、アルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分に対応するアルブミン蛋白質および/またはアルブミン融合蛋白質のアミノ酸配列に非常に類似しており、および多くの領域においてそれと同一である。これらの変異体をコードする核酸も本発明により包含される。
本発明は、例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質のアミノ酸配列(例えば、表1に開示される治療用蛋白質:Xのアミノ酸配列;または表1および2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分のアミノ酸配列、またはその断片もしくは変異体)、本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分に対応するアルブミン蛋白質のアミノ酸配列(例えば、表1および2に記載のポリヌクレオチドまたはアルブミン融合コンストラクトによりコードされたアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分のアミノ酸配列;配列番号:1で示されるアミノ酸配列;またはその断片もしくは変異体)、および/またはアルブミン融合蛋白質のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む或いはそれらからなる蛋白質も対象とする。これらのポリペプチドの断片(例えば、本明細書中に記載の断片)も提供される。本発明により包含されるさらなるポリペプチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、6×の塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でフィルターに結合させたDNAと約45℃でハイブリダイズさせ、次いで、約50〜65℃、0.2×のSSC、0.1%のSDS中で1回以上洗浄する)、よりストリンジェントな条件下(例えば、6×の塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でフィルターに結合させたDNAと約45℃でハイブリダイズさせ、次いで、約68℃、0.1×のSSC、0.2%のSDS中で1回以上洗浄する)、または当業者に知られている他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、Ausubel,F.M.ら.,eds.,1989Current protocol in Molecular Biology,Green publishing associates,Inc.,およびJohn Wiley&Sons Inc.,New York,pp.6.3.1−6.3.6およびp.2.10.3を参照のこと)にて、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする相補的な核酸分子にハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
クエリー(query)アミノ酸配列に対して例えば少なくとも95%「同一」なアミノ酸配列を有するポリペプチドにより、対象とするポリペプチドのアミノ酸配列が、クエリーアミノ酸配列の各アミノ酸100個あたり最高5個までの変更を含み得ることを除いては、そのクエリー配列に同一であることが意図される。つまり、クエリーアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、対象の配列のアミノ酸残基の5%までを挿入、欠失または他のアミノ酸と置換してもよい。参照配列のこれらの変更は、参照アミノ酸配列のアミノ−またはカルボキシ−末端の位置で生じてもよく、またはこれらの末端の間のどこでも、参照配列内の残基中に個々に散在するか、もしくはその参照配列内の1またはそれ以上の連続した群で散在していてもよい。
実際的な問題として、任意の特定のポリペプチドが、例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質またはその断片(例えば、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分またはアルブミン融合蛋白質のアルブミン部分)のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かは、既知のコンピュータープログラムを用いて慣用的に決定することができる。クエリー配列(本発明の1配列)と対象配列との間の全体として最も良好なマッチを決定するための好ましい方法は、グローバルシークエンスアライメントとも呼ばれ、Brutlagら(Comp.App.Biosci.6:237−245(1990))のアルゴリズムに基づいてFASTDBコンピュータープログラムを用いて決定することができる。配列アライメントにおいて、クエリーと対象配列は共にヌクレオチド配列であるか、または共にアミノ酸配列である。該グローバルシークエンスアライメントの結果は、同一性パ−セントとして示される。FASTDBアミノ酸アライメントにて用いられる好ましいパラメーターは以下の通りである:マトリックス(Matrix)=PAM 0、k−tuple=2、ミスマッチペナルティ(Mismatch Penalty)=l、ジョイニングペナルティ(Joining Penalty)=20、ランダム化グループ長(Randomizationization Group Length)=0、カットオフスコア(Cutoff Score)=l、ウインドウサイズ(Window Size)=配列の長さ、ギャップペナルティ(Gap Penalty)=5、ギャップサイズペナルティ(Gap Size Penalty)=0.05、ウインドウサイズ=500または短い方の対象アミノ酸配列の長さ。
対象配列が内部での欠失のためではなくN−またはC−末端の欠失に起因してクエリー配列より短いならば、結果に対して手動補正を行う必要がある。これはFASTDBプログラムが全体的な同一性パ−セントを計算する際に対象配列のN−およびC−末端の切断を考慮しないためである。N−およびC−末端で切断されている対象配列については、クエリー配列に対する同一性パ−セントを、対象配列のN−およびC−末端にあり、対応する対象残基とマッチ/アライメントしないクエリー配列の残基数をクエリー配列の全塩基のパ−セントとして計算することにより補正する。残基がマッチ/アライメントしているか否かは、FASTDB配列アライメントの結果により決定される。次いで、このパーセンテージを、特定パラメーターを用いて上記FASTDBプログラムから計算した同一性パ−セントから差し引いて、最終的な同一性パ−セントスコアを導く。この最終的な同一性パ−セントスコアは、本発明の目的のために用いられるものである。クエリー配列にマッチ/アライメントしない対象配列のN−およびC−末端に対する残基のみが、同一性パ−セントスコアを手動補正するために考慮される。すなわち、対象配列のN−およびC−末端残基の最も遠い位置にあるものの外側にあるクエリー残基の位置のみである。
例えば、90個のアミノ酸残基の対象配列を100個の残基のクエリー配列とアライメントさせて、同一性パ−セントを決定する。対象配列のN−末端に欠失が生じており、それ故に、FASTDBアライメントはN−末端の初めの10個の残基にマッチング/アライメントを示さない。10個の対をなさない残基は配列の10%を占めることとなり(マッチしなかったN−およびC−末端の残基数/クエリー配列の残基の総数)、FASTDBプログラムにより計算された同一性パ−セントスコアから10%が差し引かれる。残りの90個の残基が完全にマッチしているならば、最終的な同一性パ−セントは90%になるだろう。別の例では、90個の残基の対象配列を100個の残基のクエリー配列と比較する。この場合、欠失は内部の欠失であるので、クエリー配列とマッチ/アライメントしないような対象配列のN−またはC−末端の残基はない。この場合、FASTDBにより計算された同一性パ−セントは手動補正しない。再度述べれば、FASTDBアライメントにより示された対象配列のN−およびC−末端の最後の残基の外側に位置する残基で、クエリー配列とマッチ/アライメントしないものについてのみ手動補正する。他の手動補正はいずれも本発明のために行われない。
通常、変異体は、その変異体と同じ長さである正常なHAもしくは治療用蛋白質と少なくとも75%(好ましくは少なくとも約80%、90%、95%または99%)の配列同一性を有するだろう。ヌクレオチドもしくはアミノ酸配列レベルでの相同性もしくは同一性は、配列類似性検索のために最適化されたblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxプログラムによるアルゴリズム(Karlinら.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268(1990)およびAltschul,J.Mol.Evol.36:290−300(1993)、出典明示により本明細書の一部となる)を用いたBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)分析により決定される。
BLASTプログラムで用いられるアプローチは、初めにクエリー配列とデータベース配列間の類似のセグメントを考慮し、次いで、同定された全てのマッチの統計学的有意性を評価し、そして最終的に、予め選択した有意性の閾値を満たすマッチのみを要約することである。配列データベースの類似性検索における基本的事項の考察については、Altschulら.,(Nature Genetics 6:119−129(1994))を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。ヒストグラム、説明(description)、アライメント、期待値(expect)(すなわち、データベース配列に対するマッチを報告するための統計学的有意性の閾値)、カットオフ、マトリックスおよびフィルターのためのの検索パラメーターはデフォルト設定とする。blastp、blastx、tblastnおよびtblastxで用いられるデフォルトスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックス(Henikoffら.、Proc.Nat1.Acad.Sci.USA89:10915−10919(1992)、出典明示により本明細書の一部となる)である。blastnについては、スコアリングマトリックスはM(すなわち、マッチしている残基のペアについての報酬(reward)スコア)対N(すなわち、ミスマッチの残基についてのペナルティースコア)の比率によって設定され、ここで、MおよびNのデフォルトスコアはそれぞれ5および−4である。4つのblastnパラメーターを以下のように補正してもよい:Q=10(ギャップクリエーションペナルティ);R=10(ギャップエクステンションペナルティ);wink=1(クエリー配列に沿ってwinkthの位置ごとにワ−ドヒット(word hits)を作製する);およびgapw=16(ウインドウ(window)幅を設定し、その中にギャップ化されたアライメントを作製する)。等価なBlastpパラメーターの設定はQ=9;R=2;wink=l;およびgapw=32だった。GCGパッケージバージョン10.0において利用可能な配列間のベストフィット比較は、DNAパラメーターGAP=50(ギャップクリエーションペナルティ)およびLEN=3(ギャップエクステンションペナルティ)を用いており、および蛋白質の比較における等価な設定は、GAP=8およびLEN=2である。
本発明のポリヌクレオチド変異体は、コーディング領域、非コーディング領域またはその両方において変更を含んでもよい。サイレントな置換、付加または欠失を生じるがコードされたポリペプチドの特性または活性を改変しない変更を含むポリヌクレオチド変異体は、特に好ましい。遺伝コードの縮重に起因するサイレントな置換により産生されるヌクレオチド変異体が好ましい。さらに、50未満、40未満、30未満、20未満、10未満または5〜50、5〜25、5〜10、1〜5または1〜2個のアミノ酸が任意の組み合わせで置換、欠失または付加されているポリペプチド変異体も好ましい。ポリヌクレオチド変異体は様々な理由、例えば、特定の宿主でのコドンの発現を最適化するために(ヒトmRNA中のコドンを細菌宿主、例えば、酵母または大腸菌に好ましいものに変更する)産生することができる。
好ましい一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質のアルブミン部分をコードする本発明のポリヌクレオチドは、酵母または哺乳類の細胞における発現のために最適化される。さらに好ましい一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードする本発明のポリヌクレオチドは、酵母または哺乳類の細胞における発現のために最適化される。さらに一層好ましい一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、酵母または哺乳類の細胞における発現のために最適化される。
別の一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、上記したようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下では、治療用蛋白質をコードする野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。さらなる一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質のアルブミン部分をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、上記したようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下では、アルブミン蛋白質をコードする野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。別の実施態様において、アルブミン融合蛋白質をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、上記したようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下では、治療用蛋白質部分またはアルブミン蛋白質部分をコードする野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。
さらなる一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分をコードするポリヌクレオチドは、治療用蛋白質の自然に発生する配列を含まない或いはそれからならない。さらなる一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分をコードするポリヌクレオチドは、アルブミン蛋白質の自然に発生する配列を含まない或いはそれからならない。別の一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、治療用蛋白質部分またはアルブミン蛋白質部分の自然に発生する配列を含まない或いはそれからならない。
自然に発生する変異体は「対立遺伝子変異体」と呼ばれ、生物体の染色体上の特定の座を占める遺伝子の幾つかの代替形態の一つを言う(GenesII,Lewin,B.,ed.,John Wiley&Sons,New York(1985))。これらの対立遺伝子変異体は、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドレベルで異なってもよく、および本発明に含まれる。別法では、自然に発生しない変異体を突然変異誘発技法または直接合成により産生してもよい。
蛋白質工学および組換えDNA技法の知られている方法を用いて、本発明のポリペプチドの特徴を改善または改変するために変異体を作製してもよい。例えば、生物学的機能の実質的な損失を伴わずに、本発明のポリペプチドのN−末端またはC−末端から1またはそれ以上のアミノ酸を欠失させることができる。一例としては、Ronら.(J.Biol.Chem.268:2984−2988(1993))が、アミノ−末端のアミノ酸残基の3、8または27個を欠失させても、変異体KGF蛋白質ではヘパリン結合活性を有することを報告している。同様に、インターフェロンガンマでは、この蛋白質のカルボキシ末端から8〜10個のアミノ酸残基を欠失させると活性が最高10倍まで高くなることが示された(Dobeliら.、J.BioTechnology 7:199−216(1988).)。
さらに、十分な証拠により、変異体が多くの場合自然に発生する蛋白質のものと類似する生物活性を保持することが実証されている。例えば、Gayleおよび共同研究者ら(J.Biol.Chem.268:22105−22111(1993))は、ヒトサイトカインIL−laの大規模な変異分析を行った。彼らはランダムな突然変異誘発を利用して、分子全長にわたって1変異体あたり平均2.5個のアミノ酸の変化がある、3,500個を超える個々のIL−la変異体を作製した。起こり得る各アミノ酸位置について複数の突然変異を調べた。研究者らは、結合または生物活性のいずれかにほとんど作用することなく分子の大部分が改変できることを見出した。実際に、調べた3,500個を超えるヌクレオチド配列のうち、わずか23個のユニークなアミノ酸配列のみが、野生型の活性とは有意に異なる蛋白質を生じた。
さらに、ポリペプチドのN−末端またはC−末端から1またはそれ以上のアミノ酸を欠失させることが1またはそれ以上の生物学的機能の修飾または欠失をもたらしたとしても、他の生物活性はなお保持され得る。例えば、分泌形態の過半数に満たない残基をN−末端またはC−末端から除去した場合、その分泌形態を認識する抗体を誘導するおよび/またはそれに結合する欠失変異体の能力は保持され得る。蛋白質のN−またはC−末端の残基を欠失している特定のポリペプチドがかかる免疫原性活性を保持しているか否かは、本明細書に記載されているおよびそうでなければ当該技術分野において知られている慣用法により容易に決定され得る。
故に、本発明はさらに、機能活性(例えば、生物活性および/または治療活性)を有するポリペプチド変異体を含む。一の実施態様において、本発明は、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質の1またはそれ以上の生物学的および/または治療活性に対応する機能活性(例えば、生物活性および/または治療活性)を有するアルブミン融合蛋白質の変異体を提供する。別の実施態様において、本発明は、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質の1またはそれ以上の生物学的および/または治療活性に対応する機能活性(例えば、生物活性および/または治療活性)を有するアルブミン融合蛋白質の変異体を提供する。かかる変異体は、活性にほとんど作用しないように当該技術分野において知られている原則に従って選択される欠失、挿入、反転、反復および置換を含む。かかる変異体をコードするポリヌクレオチドも本発明に包含される。
好ましい実施態様において、本発明の変異体は保存的置換を有する。「保存的置換」により、例えば、脂肪族または疎水性アミノ酸であるAla、Val、LeuおよびIleの置換;ヒドロキシル残基SerおよびThrの置換;酸性残基AspおよびGluの置換;アミド残基AsnおよびGinの置換、塩基性残基Lys、ArgおよびHisの置換;芳香族残基Phe、TyrおよびTrpの置換、ならびに小さなサイズのアミノ酸Ala、Ser、Thr、MetおよびGlyの置換のごとき群内での交換が意図される。
表現型としてサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関するガイダンスは、例えば、Bowieら.,“Deciphering the Message in Protein Sequences: Tolerance to Amino ACIDSubstitutions”Science 247:1306−1310(1990)に提供され、ここで、著者らは、アミノ酸配列を変化させることによる寛容性を研究するために2つの主な戦略があることを示している。
初めの戦略は、進化の過程での自然淘汰によるアミノ酸置換の寛容性を利用する。異なる種のアミノ酸配列を比較することにより、保存されているアミノ酸が同定され得る。これらの保存されているアミノ酸は蛋白質機能にとっておそらく重要である。対照的に、自然淘汰で置換が寛容されるアミノ酸の位置は、これらの位置がその蛋白質の機能のために重要ではないことを示す。故に、蛋白質の生物活性をなお維持しながら、アミノ酸置換に寛容な位置を修飾することができる。
第2の戦略は遺伝子工学を利用して、クローン化された遺伝子の特定の位置にアミノ酸の変化を誘導し、蛋白質の機能決定に重要な領域を同定する。例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発(分子内の各残基に単一のアラニン変異を誘導する)が用いられ得る。CunninghamおよびWells,Science244:1081−1085(1989)を参照のこと。次いで、得られた変異分子を生物活性について試験することができる。
著者らが述べるように、これらの2つの戦略は、蛋白質がアミノ酸置換に対して驚くほど寛容であることを明らかにした。著者らはさらに、蛋白質の特定のアミノ酸の位置でどのアミノ酸の変化が寛容される可能性があるかを示す。例えば、(蛋白質の3次構造内で)最も埋め込まれたアミノ酸残基は非極性の側鎖を必要とするが、一方で、表面の側鎖の特徴は通常ほとんど保存されない。さらに、寛容な保存的アミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸であるAla、Val、LeuおよびIleの置換;ヒドロキシル残基SerおよびThrの置換;酸性残基AspおよびGluの置換;アミド残基AsnおよびGinの置換、塩基性残基Lys、ArgおよびHisの置換;芳香族残基Phe、TyrおよびTrpの置換および小さなサイズのアミノ酸Ala、Ser、Thr、MetおよびGlyの置換を含む。保存的アミノ酸置換に加えて、本発明の変異体は、(i)1またはそれ以上の非保存的アミノ酸残基の置換を含むポリペプチド、ここで、置換されたアミノ酸残基は遺伝コードによりコードされたものであってもなくてもよい、または(ii)置換基を有する1またはそれ以上のアミノ酸残基の置換を含むポリペプチド、または(iii)他の化合物、例えば、ポリペプチド(例えば、ポリエチレングリコール)の安定性および/または溶解性を増大させる化合物に融合されたまたは化学コンジュゲートされたポリペプチド、(iv)例えば、IgGFc融合領域ペプチドのごときさらなるアミノ酸を含むポリペプチドを包含する。かかる変異体ポリペプチドは、本明細書中の教示から当業者の範囲内であると考えられる。
例えば、電荷を有するアミノ酸と他の電荷を有するまたは中性のアミノ酸とのアミノ酸置換を含むポリペプチド変異体は、凝集が少ないなどの改善された特徴を有する蛋白質を産生する。医薬処方の凝集は、凝集体の免疫原性活性に起因して、活性を減少し、クリアランスを増大させる。Pinckardら.、Clin.Exp.Immunol.2:331−340(1967);Robbinsら.、Diabetes 36:838−845(1987);Clelおよびら.,Crit.Rev.TherapeuticDrugCarrierSystems10:307−377(1993)を参照のこと。
特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、アルブミン融合蛋白質のアミノ酸配列、治療用蛋白質および/またはヒト血清アルブミンのアミノ酸配列の断片もしくは変異体を含む或いはそれからなり、ここで、該断片もしくは変異体は、参照アミノ酸配列と比較した場合、1〜5、5〜10、5〜25、5〜50、10〜50または50〜150個のアミノ酸残基の付加、置換および/または欠失を有する。好ましい実施態様において、アミノ酸置換は保存的である。これらのポリペプチドをコードする核酸も本発明により含まれる。
本発明のポリペプチドは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合により互いに連結されたアミノ酸からなるもの、すなわち、ペプチドイソスターからなることができ、および遺伝子によりコードされる20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。ポリペプチドは、翻訳後プロセッシングのごとき自然な過程または当該技術分野においてよく知られている化学的修飾技法により修飾されてもよい。かかる修飾は、基本書およびより詳細な研究書ならびに豊富な研究文献にて十分に記載されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチドの任意の位置で生じさせることができる。同じタイプの修飾は、特定のポリペプチドの幾つかの部位において同じまたは異なる程度で存在してもよいことが理解されよう。さらに、特定のポリペプチドは多くのタイプの修飾を含んでもよい。ポリペプチドは例えばユビキチン化の結果として分岐していてもよく、およびそれらは分岐を有するまたは有さない環状であってもよい。環状、分岐および分岐環状ポリペプチドは、翻訳後の自然な過程から生じてもよく、または合成方法により作成されてもよい。修飾は、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化化、アミド化、フラビンの共有結合による付加、ヘム部分の共有結合による付加、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合による付加、脂質または脂質誘導体の共有結合による付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合による付加、架橋結合、閉環、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合性の架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマーカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリスチル化、酸化、ペグ化、蛋白質分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、トランスファーRNAが介在する蛋白質へのアミノ酸の付加、例えばアルギニン化、およびユビキチン化を含む(例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.FreemanおよびCompany,New York(1993);POST−TRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson,Ed.,AcademicPress,New York,pgs.1−12(1983);Seifterら.,Meth.Enzymol.182:626−646(1990);Rattanら.,Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48−62(1992))。
機能活性
「機能活性を有するポリペプチド」は、治療用蛋白質の全長、プロ蛋白質、および/または成熟形態に関連する1またはそれ以上の知られている機能活性を示し得るポリペプチドを言う。かかる機能活性は、生物活性、抗原性[抗−ポリペプチド抗体に結合する(または結合のためにポリペプチドと競合する)能力]、免疫原性(特定の本発明のポリペプチドに結合する抗体を生じる能力)、本発明のポリペプチドを用いて多量体を形成する能力、およびポリペプチドための受容体またはリガンド結合能力を含むが、これらに限定されない。
「生物活性を有するポリペプチド」は、特定の生物学的アッセイにて測定される際に、用量依存性を伴うまたは伴うことなく、成熟形態を含む本発明の治療用蛋白質の活性に必ずしも一致しなくともよいが類似する活性を示すポリペプチドを言う。用量依存性が示される場合、それはポリペプチドのものと同一である必要はなく、本発明のポリペプチドと比較したときに特定の活性において実質的に類似の用量依存性であればよい(すなわち、候補ポリペプチドは、本発明のポリペプチドに対して、約25倍未満以上またはせいぜい約25倍未満および、好ましくは、せいぜい約10倍未満の活性、および最も好ましくは、せいぜい約3倍未満の活性を示し得る)。
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、アルブミンに融合されない場合、治療用蛋白質部分(またはその断片もしくは変異体)に関連する少なくとも1つの生物学的および/または治療活性を有する。
さらに好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、非融合状態の治療用蛋白質部分(またはその断片もしくは変異体)と比べて増大した血漿安定性を有する。本発明のアルブミン融合蛋白質または非融合治療用蛋白質部分(またはその断片もしくは変異体)の血漿安定性は、当該技術分野において知られているアッセイを用いて、またはそれを慣例的に修飾して用いて、アッセイできる。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られているアッセイならびに本明細書に記載のアッセイを用いて、またはそれを慣例的に修飾して用いて、その機能活性(例えば、生物活性)をアッセイできる。さらに、当業者は、表1の対応する列(例えば、表1の欄3)に記載のアッセイを用いて、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質の断片をその活性について慣用的にアッセイしてもよい。さらに、当業者は、当該技術分野において知られているおよび/または以下の実施例のセクションに記載されるアッセイを用いて、アルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分に対応するアルブミン蛋白質の断片をその活性について慣用的にアッセイしてもよい。
例えば、抗−治療用ポリペプチド抗体および/または抗−アルブミン抗体に結合するために治療用蛋白質に結合するまたはそれと競合するアルブミン融合蛋白質の能力についてアッセイする一の実施態様において、当該技術分野において知られている様々なイムノアッセイを用いることができ、該アッセイは、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射定量測定法、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイツイムノアッセイ(金コロイド、酵素または放射性同位元素標識などを用いて)、ウエスタンブロット、沈降反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ)、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、蛋白質Aアッセイおよび免疫電気泳動アッセイなどの技法を用いた競合的および非競合的アッセイ系を含むが、これらに限定されない。一の実施態様において、抗体結合は、一次抗体上の標識を検出することにより検出される。別の実施態様において、一次抗体は、一次抗体への二次抗体または試薬の結合を検出することにより検出される。さらなる一の実施態様において、二次抗体は標識される。イムノアッセイにて結合を検出するために多くの方法が当該技術分野において知られており、および本発明の範囲内である。
治療用蛋白質の結合パートナー(例えば、受容体またはリガンド)が同定されている好ましい一の実施態様において、その結合パートナーと、その治療用蛋白質を融合物の治療用蛋白質部分として含むアルブミン融合蛋白質の結合は、例えば当該技術分野においてよく知られている方法、例えば、還元および非還元ゲルクロマトグラフィー、蛋白質アフィニティークロマトグラフィー、およびアフィニティーブロッティングによりアッセイされ得る。一般的に、Phizickyら.,Microbiol.Rev.59:94−123(1995)を参照のこと。別の実施態様において、アルブミン融合蛋白質と生理学的に関連のあるものが、融合物の治療用蛋白質部分に対応する治療用ポリペプチドの基質に結合する能力は、当該技術分野において知られている技法を用いて慣用的にアッセイされ得る。
アルブミン融合蛋白質の多量体化する能力を評価する別の一の実施態様において、多量体の他の成分との結合が、例えば、当該技術分野においてよく知られている方法、例えば、還元および非還元ゲルクロマトグラフィー、蛋白質アフィニティークロマトグラフィーおよびアフィニティーブロッティングを用いてアッセイされ得る。一般的に、Phizickyら.、上記を参照のこと。
好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の全てまたは一部を含むアルブミン融合蛋白質は、アルブミンに融合されていない場合、治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体に関連する少なくとも1つの生物学的および/または治療活性(例えば、ポリペプチドまたはエピトープに特異的に結合する)を有する。他の好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の全てまたは一部を含むアルブミン融合蛋白質の生物活性および/または治療活性は、治療用蛋白質に結合する抗体に特的に結合されたポリペプチドに関連する1またはそれ以上の生物活性および/または治療活性の阻害(すなわち、アンタゴニズム)または活性化(すなわち、アゴニズム)である。
治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、様々な方法で特徴付けられてもよい。特に、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、本明細書中記載の技法または当該技術分野において知られている技法を用いて、またはそれを慣例的に修飾して用いて、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質に結合する抗体に特異的に結合された同じ抗原に特異的に結合する能力についてアッセイされてもよい。
特定の蛋白質またはエピトープに(特異的に)結合するためのアルブミン融合蛋白質(例えば、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む)の能力についてのアッセイは、溶液中で(例えば、Houghten、Bio/Techniques 13:412421(1992))、ビーズ上で(例えば、Lam,Nature 354:82−84(1991))、チップ上で(例えば、Fodor,Nature364:555−556(1993))、細菌で(例えば、米国特許第5,223,409号)、胞子で(例えば、特許第5,571,698号;第5,403,484号;および第5,223,409号)、プラスミド上で(例えば、Cullら.,Proc.Nat1.Acad.Sci.USA 89:1865−1869(1992))またはファージ上で(例えば、ScottおよびSmith,Science 249:386−390(1990);Devlin,Science 249:404−406(1990);Cwirlaら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378−6382(1990);およびFelici,J.Mol.Biol.222:301−310(1991))(これらの参考文献の各々は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)で行われてもよい。治療用抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、本明細書に記載されているかまたはそうでなければ当該技術分野において知られている技法を用いて、またはそれを慣例的に修飾して用いて、特定の蛋白質またはエピトープに対するそれらの特異性および親和性についてアッセイされてもよい。
治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られている任意の方法により、他の抗原(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体と特異的に結合する分子で保存されている配列/構造を有する分子)との交差反応性についてアッセイされてもよい。
(免疫特異的)結合および交差反応性を分析するために用いられ得るイムノアッセイは、例を幾つか挙げると、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量測定法、蛍光イムノアッセイ、および蛋白質Aイムノアッセイのごとき技法を用いる競合的および非競合的アッセイ系を含むが、これらに限定されない。かかるアッセイは慣用的であり、かつ当該技術分野においてよく知られている(例えば、Ausubelら、eds,1994,Current Protocols in Molecular Bilogy,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkを参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。イムノアッセイの例は以下に簡潔に記載されるが、これらに限定されない。
一般的に、免疫沈降プロトコルは、溶解バッファー、例えば、蛋白質ホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ阻害剤(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補足したRIPAバッファー(1%のNP−40またはトリトンX−100、1%のナトリウムデオキシコール酸、0.1%のSDS、0.15MのNaCl、0.01Mのリン酸ナトリウム、pH7.2、1%のトラジロール)中に細胞集団を溶解し、本発明のアルブミン融合蛋白質(例えば、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む)を細胞溶解物へ加え、一定時間(例えば、1〜4時間)、40℃でインキュベーションし、抗−アルブミン抗体に結合されたセファロースビーズを例えば細胞溶解物に加え、約1時間以上40℃でインキュベーションし、そのビーズを溶解バッファーで洗浄し、次いで、SDS/試料バッファー中にそのビーズを再懸濁させることを含む。特定の抗原を免疫沈降させるアルブミン融合蛋白質の能力は、例えば、ウエスタンブロット分析により評価され得る。当業者は、抗原へのアルブミン融合蛋白質の結合を増大させ、およびバックグラウンドを減少させるために修飾され得るパラメーター(例えば、セファロースビーズを用いる細胞溶解物の前清浄化)について認識することができよう。免疫沈降プロトコルに関するさらなる議論については、例えば、Ausubelら、eds、1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New York at 10.16.1.を参照のこと。
一般的に、ウエスタンブロット分析は、蛋白質試料を調製し、その蛋白質試料をポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原分子量に応じて8%〜20%のSDS−PAGE)中で電気泳動し、その蛋白質試料をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDFまたはナイロンなどの膜へ転写し、その膜をブロッキング溶液(例えば、3%のBSAを伴うPBSまたは脱脂乳)中でメンブレンをブロッキングし、洗浄バッファー(例えば、PBS−Tween20)で洗浄し、本発明のアルブミン融合蛋白質(ブロッキングバッファー中で希釈されている)をその膜にアプライし、洗浄バッファーでその膜を洗浄し、ブロッキングバッファーで希釈した酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば、32Pまたは125I)にコンジュゲートさせた二次抗体(アルブミン融合蛋白質を認識するもの、例えば、抗−ヒト血清アルブミン抗体)をアプライし、その膜を洗浄バッファーで洗浄し、次いで、抗原の存在を検出することを含む。当業者は、検出されるシグナルを増大し、およびバックグラウンドノイズを減少させるように修飾できるパラメーターについて認識することができよう。ウエスタンブロットプロトコルについてのさらなる議論については、例えば、Ausubelら、eds、1994,Current Protocols in Molecular BIology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New York at 10.8.1を参照のこと。
ELISAは、抗原を調製し、96ウェルのマイクロタイタープレートのウェルをその抗原でコーティングし、ウェルに結合しなかった抗原を洗い流し、酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)のごとき検出可能な化合物にコンジュゲートさせた本発明のアルブミン融合蛋白質(例えば、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む)をウェルへ加え、次いで、一定時間インキュベーションし、結合しなかったまたは非特異的に結合したアルブミン融合蛋白質を洗い流し、次いで、ウェルにコーティングされた抗原と特異的に結合したアルブミン融合蛋白質の存在を検出することを含む。ELISAでは、アルブミン融合蛋白質を検出可能な化合物とコンジュゲートさせる必要がなく;その代わりに、検出可能な化合物にコンジュゲートさせた二次抗体(アルブミン融合蛋白質を認識する)をウェルに加えてもよい。さらに、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、アルブミン融合蛋白質でウェルをコーティングしてもよい。この場合、検出可能な分子は、酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)のごとき検出可能な化合物にコンジュゲートさせた抗原であり得る。当業者は、検出されるシグナルを増大するようにに修飾され得るパラメーターならびに当該技術分野において知られているELISAの他のバリエーションについて認識できるだろう。ELISAに関するさらなる議論については、例えば、Ausubelら、eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New York at 11.2.1を参照のこと。
蛋白質、抗原またはエピトープに対するアルブミン融合蛋白質の結合親和性およびアルブミン融合蛋白質−蛋白質/抗原/エピトープ相互作用の解離速度は、競合的結合アッセイにより測定できる。競合的結合アッセイの一例はラジオイムノアッセイであり、該アッセイは、増大量の非標識抗原の存在下、本発明のアルブミン融合蛋白質と標識抗原(例えば、Hまたは125I)とをインキュベーションし、次いで、標識抗原に結合した抗体を検出することを含む。特定の蛋白質、抗原またはエピトープについてのアルブミン融合蛋白質の親和性および結合の解離速度は、Scatchardプロット分析によるデータから決定できる。アルブミン融合蛋白質と同じ蛋白質、抗原またはエピトープと結合する二次蛋白質との競合も、ラジオイムノアッセイを用いて決定できる。この場合、蛋白質、抗原またはエピトープを、本発明のアルブミン融合蛋白質と同じ蛋白質、抗原またはエピトープに結合する増大量の非標識二次蛋白質の存在下、標識化合物(例えば、Hまたは125I)にコンジュゲートさせたアルブミン融合蛋白質とインキュベーションする。
好ましい一の実施態様において、BIAcore動態分析を用いて、蛋白質、抗原またはエピトープに対する本発明のアルブミン融合蛋白質の結合および解離速度を決定する。BIAcore動態分析は、固定化特異的ポリペプチド、抗原もしくはエピトープまたはアルブミン融合蛋白質をそれぞれその表面に有するチップへの、アルブミン融合蛋白質または特定のポリペプチド、抗原もしくはエピトープの結合およびそれからの解離を分析することを含む。
アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質に結合する抗体は、特定の蛋白質または抗原、好ましくはそれらが特異的に結合する抗原についてのそれらの結合親和性に関して記載されているかまたは特定されていてもよい。好ましい結合親和性は、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。より好ましい結合親和性は、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8Mまたは10−8M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。さらにより好ましい結合親和性は、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13M、5×l0−14M、10−14M、5×10−15M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、アルブミン融合蛋白質の結合価(治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む)および対応する抗体の結合価を考慮すると、治療用蛋白質に結合する対応する抗体(アルブミンに融合されていない)のものに類似する、特定の蛋白質またはエピトープについての親和性を有する。加えて、本明細書中記載されている(実施例および表1を参照のこと)およびそうでなければ当該技術分野において知られているアッセイを慣用的に適用して、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分および/またはアルブミン部分のいずれかに関連する生物活性および/または治療活性(インビトロまたはインビボのいずれかにおいて)を導くアルブミン融合蛋白質およびその断片、変異体および誘導体の能力を測定してもよい。他の方法も当業者に知られており、かつ本発明の範囲内であり得る。
アルブミン
上記のように、本発明のアルブミン融合蛋白質は、好ましくは遺伝学的融合により互いに結合されている治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む。
さらなる実施態様は、化学コンジュゲーションにより互いに結合されている治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む。
用語、ヒト血清アルブミン(HSA)およびヒトアルブミン(HA)は本明細書中同義的に用いられる。用語「アルブミン」および「血清アルブミン」はより広く、そしてヒト血清アルブミン(およびその断片および変異体)ならびに他の種に由来するアルブミン(およびその断片および変異体)を包含する。
本明細書中用いる「アルブミン」は、総称としてアルブミン蛋白質またはアミノ酸配列、またはアルブミンの1もしくはそれ以上の機能活性(例えば生物活性)を有するアルブミン断片もしくは変異体を言う。特に、「アルブミン」は、ヒトアルブミンまたはその断片(例えば、EP 201 239、EP 322 094、WO 97/24445、WO95/23857を参照のこと)、特に図1および配列番号1において示されるようなヒトアルブミンの成熟形態、または他の脊椎動物に由来するアルブミンもしくはその断片、またはこれらの分子のアナログまたは変異体もしくはその断片を言う。
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質において用いられるヒト血清アルブミンは、配列番号1を参照すれば、以下のセットの点突然変異の1つまたはその両方を含む:Leu−407をAlaに、Leu−408をValに、Val−409をAlaに、およびArg−410をAlaに;またはArg−410をAに、Lys−413をGlnに、およびLys−414をGlnに(例えば、国際公開番号WO 95/23857を参照のこと。出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。さらにより好ましい実施態様において、上記したセットの点突然変異の1つまたは両方を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、酵母Yap3p蛋白質による切断に対して安定性/耐性が改善されており、それにより、酵母宿主細胞中で発現される組換えアルブミン融合蛋白質の産生の増大が可能となる。
本明細書中用いる治療用蛋白質の治療活性または血漿安定性または貯蔵寿命を延長するのに十分なアルブミンの部分は、非融合状態の貯蔵寿命または血漿安定性に比べてアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分の貯蔵寿命または血漿安定性が延長または拡大されるように、蛋白質の治療活性または血漿安定性を安定化させるまたは延長するために十分な長さまたは構造を有するアルブミンの部分を言う。アルブミン融合蛋白質のアルブミン部分は、上記したような全長のHA配列を含んでもよく、または治療活性を安定化または延長し得る1またはそれ以上のその断片を含んでもよい。かかる断片は、10個またはそれ以上のアミノ酸の長さであってもよく、またはHA配列に由来する約15、20、25、30、50個またはそれ以上の隣接した配列を含んでもよく、またはHAの特定のドメインの一部または全てをふくんでもよい。例えば、初めの2つの免疫グロブリン様ドメインにわたる1またはそれ以上のHAの断片が用いられてもよい。好ましい一の実施態様において、HA断片はHAの成熟形態である。
本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン部分は、通常のHAの変異体である。本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は、本明細書中記載されるような治療用蛋白質の変異体であってもよい。用語「変異体」は、挿入、欠失および保存的または非保存的いずれかの置換を含み、ここで、かかる変化は、膨張圧(oncotic)、有用なリガンド結合性およびアルブミンの非免疫原性特性、または治療用蛋白質の治療活性を付与する活性部位もしくは活性ドメインのうちの1またはそれ以上を実質的に改変しない。
特に、本発明のアルブミン融合蛋白質は、ヒトアルブミンおよびヒトアルブミンの断片の自然に発生する多形変異体、例えばEP 322 094(すなわち、(Pn)、ここで、nは369〜419である)において開示された断片を含む。アルブミンは、多くの脊椎動物、特に任意の哺乳類、例えばヒト、ウシ、ヒツジまたはブタに由来してもよい。哺乳類由来でないアルブミンは、メンドリおよびサケを含むが、これらに限定されない。アルブミン融合蛋白質のアルブミン部分は、治療用蛋白質部分とは異なる動物に由来してもよい。
一般的に言うと、HA断片もしくは変異体は、少なくとも100個のアミノ酸長、好ましくは少なくとも150個のアミノ酸長であり得る。HA変異体は、HAの少なくとも1つの完全なドメイン、例えばドメイン1(配列番号:1のアミノ酸1〜194)、ドメイン2(配列番号:1のアミノ酸195〜387)、ドメイン3(配列番号:1のアミノ酸388〜585)、ドメイン1および2(配列番号:1の1〜387)、ドメイン2および3(配列番号:1の195〜585)またはドメインIおよび3(配列番号:1のアミノ酸1〜194および配列番号:1のアミノ酸388〜585)からなるまたはそれらを含んでもよい。
各ドメインそれ自体は、2つの相同なサブドメイン、すなわち、1〜105、120〜194、195〜291、316〜387、388〜491および512〜585から構成され、Lys106ないしGlu119、Glu292ないしVal315およびG1u492ないしAla511の残基を含むフレキシブルなサブドメイン間リンカー領域を有する。
好ましくは、本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン部分は、HAの少なくとも1つのサブドメインもしくはドメインまたはその保存的修飾を含む。融合がサブドメインに基づくならば、好ましくは、隣接するリンカーの幾つかまたは全てが治療用蛋白質部分を連結するために用いられる。
治療用蛋白質に特異的に結合する抗体も治療用蛋白質である。
本発明は、表1に記載の治療用蛋白質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質も包含する。特に、用語「治療用蛋白質」が治療用蛋白質(例えば、表1の欄Iに記載されるような)およびその断片および変異体に結合する抗体を含むことが熟慮される。故に、本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体および/または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含んでもよい。
抗体構造およびバックグラウンド
基本的な抗体構造単位は4量体を含むことが知られている。各4量体は、2つの同一のポリペプチド鎖のペアからなり、各ペアは1つの「軽鎖」(約25kDa)および1つの「重鎖」(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ−末端部分は、主に抗原認識に関与する約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ−末端部分は、主にエフェクター機能に関与する定常領域を規定する。ヒト軽鎖は、カッパおよびラムダ軽鎖として分類される。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファまたはイプシロンとして分類され、それぞれ抗体のアイソタイプをIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEとして規定する。一般的に、Fundamental Immunology Chapters 3−5(Paul,W.,ed.,4th ed.Raven Press,N.Y.(1998))(出典明示により全ての目的のためにその全てが本明細書の一部となる)を参照のこと。各軽鎖/重鎖ペアの可変領域は抗体結合部位を形成する。
故に、インタクトなIgG抗体は2つの結合部位を有する。二重機能性または二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は同じである。
該鎖は全て、相補性決定領域またはCDRとも言われる3つの超可変領域により連結された比較的良く保存されたフレームワーク領域(FR)と同じ一般構造を示す。一般的に、CDR領域は、抗原と接触し、およびその特異性を決定する抗体の部分である。各ペアの重鎖および軽鎖に由来するCDRは、フレームワーク領域によって整列し、特定のエピトープとの結合を可能にする。N−末端からC−末端までの軽鎖および重鎖可変領域は共に、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4ドメインを含む。可変領域は重鎖または軽鎖定常領域に連結されている。各ドメインに対するアミノ酸の割り当ては、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987および1991)),またはChothia&Lesk J Mol.Biol.196:901−917(1987);Chothiaら.Nature342:878−883(1989)の定義に従う。
本明細書中用いる「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫活性のある部分、すなわち、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含む分子(例えば、抗体の1またはそれ以上のCDR領域を含む分子)を言う。アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、モノクローナル、多重特異性、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体、一本鎖抗体(例えば、一本鎖Fvs)、Fab断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーにより産生された断片、抗−イディオタイプ(抗−Id)抗体(例えば、本発明の抗体に特異的な抗−Id抗体を含む)、および上記した任意のエピトープ結合断片(例えば、VHドメイン、VLドメインまたは1もしくはそれ以上のCDR領域)を含むが、これらに限定されない。
治療用蛋白質に結合する抗体
本発明は、治療用蛋白質(例えば、表1に開示したもの)またはその断片もしくは変異体に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質を包含する。
治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体は、鳥類および哺乳類を含む多くの動物に由来してもよい。好ましくは、抗体は、ヒト、ネズミ(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマまたはニワトリ抗体である。最も好ましくは、抗体は、ヒト抗体である。本明細書中用いる「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、およびヒト免疫グロブリンライブラリーおよびヒト抗体を産生するように遺伝子操作されたゼノマウスまたは他の生物から単離された抗体を含む。
治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体分子は、免疫グロブリン分子の任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAIおよびIgA2)またはサブクラスであり得る。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体分子はIgG1である。他の好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る免疫グロブリン分子はIgG2である。他の好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る免疫グロブリン分子はIgG4である。
最も好ましくは治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、本発明のヒト抗原結合抗体断片であり、ならびにFab、Fab’およびF(ab)2、Fd、一本鎖Fvs(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド−結合したFvs(sdFv)およびVLまたはVHドメインのいずれかを含む断片を包含するが、これらに限定されない。一本鎖抗体を含む、抗原に結合する抗体断片は、単独または以下の:ヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3ドメインの全部または一部と組み合わせて一または複数の可変領域を含んでもよい。
治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、単一特異性、二重特異性、三重特異性またはそれ以上の多重特異性であってもよい。多重特異性抗体は、治療用蛋白質の異なるエピトープについて特異的であってもよく、または治療用蛋白質ならびに異種ポリペプチドもしくは固体支持物質のごとき異種エピトープの両方について特異的であってもよい。例えば、PCT公開 WO 93/17715;WO 92/08802;WO 91/00360;WO 92/05793;Tutt、ら.,J.Immunol.147:60−69(1991);米国特許第4,474,893号;第4,714,681号;第4,925,648号;第5,573,920号;第5,601,819号;Kostelnyら.,J.Immunol.148:1547−1553(1992)を参照のこと。
治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体は二重特異性または二重機能性であってもよく、これは、その抗体が2つの異なる重/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体であることを意味する。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’断片の結合を含む様々な方法により産生され得る。例えば、Songsivilai&Lachmann Clin.Exp.Immunol.79:315−321(1990),Kostelnyら.J Immunol.148:15471553(1992)を参照のこと。加えて、二重特異性抗体は、「二重特異性抗体(diabodies)」(Holligerら.「“‘Diabodies’:small bivalent and bispecific antibody Fragment”PNAS USA 90:6444−6448(1993))または「ジャニュシン(Janusins)」(Trauneckerら.“Bispecific single chain molecules(Janusins)target cytotoxic lymphocytes on HIV infected cells”EMBO J 10:3655−3659(1991)およびTraunecker ら.“Janusin :newmoleculardesign for bispecifics reagents”Int J Cancer Suppl 7 : 51−52(1992))として形成されてもよい。
本発明は、本明細書中記載されているかまたは当該技術分野において知られている抗体の断片もしくは変異体(誘導体を含む)を含むアルブミン融合蛋白質を提供する。当業者に知られている標準的な技法を用いて、本発明の分子をコードするヌクレオチド配列中に、例えばアミノ酸の置換をもたらす部位特異的突然変異誘発およびPCR介在突然変異誘発を含む変異を誘導できる。好ましくは、変異体(誘導体を含む)は、標準のVHドメイン、VHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VLドメイン、VLCDR1、VLCDR2またはVLCDR3と比べて、50個未満のアミノ酸の置換、40個未満のアミノ酸の置換、30個未満のアミノ酸の置換、25個未満のアミノ酸の置換、20個未満のアミノ酸の置換、15個未満のアミノ酸の置換、10個未満のアミノ酸の置換、5個未満のアミノ酸の置換、4個未満のアミノ酸の置換、3個未満のアミノ酸の置換または2個未満のアミノ酸の置換をコードする。特定の実施態様において、変異体はVHCDR3の置換をコードする。好ましい一の実施態様において、変異体は、必須でないと考えられている1またはそれ以上のアミノ酸残基において保存的アミノ酸の置換を有する。
治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、それらが認識または特異的に結合する治療用蛋白質の一または複数のエピトープまたは一または複数の部分により、説明または特定されてもよい。治療用蛋白質または治療用蛋白質の特定のエピトープに特異的に結合する抗体を排除してもよい。それ故に、本発明は、治療用蛋白質に特異的に結合する抗体を含み、さらにそれを排除することもできる。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、その抗体それ自体の融合されていない断片もしくは変異体と同じエピトープに結合する。
治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、それらの交差反応性により、説明または特定されてもよい。治療用蛋白質の任意の他のアナログ、オルソログまたはホモログに結合しない抗体も含まれる。治療用蛋白質と少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、および少なくとも50%の配列同一性(当該技術分野において知られているおよび本明細書中に記載されている方法を用いて計算されるような)を有するポリペプチドと結合する抗体も本発明に含まれる。特定の実施態様において、治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、ヒト蛋白質および対応するそのエピトープのネズミ、ラットおよび/またはウサギホモログと交差反応する。治療用蛋白質と95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満および50%未満の配列同一性(当該技術分野において知られているおよび本明細書中に記載されている方法を用いて計算されるような)を有するポリペプチドに結合しない抗体も本発明に含まれる。特定の一の実施態様において、上記した交差反応性は、本明細書中に記載の任意の単一の特定の抗原性または免疫原性ポリペプチド、または2、3、4、5またはそれ以上の特定の抗原性および/または免疫原性ポリペプチドの一または複数の組み合わせに関する。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、その特定の抗体自体の断片もしくは変異体と比べて、類似するまたは実質的に同一な交差反応性を有する。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(本明細書中記載のような)、治療用蛋白質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドに結合する抗体もさらに本発明に含まれる。治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、本発明のポリペプチドに対するそれらの結合親和性により、説明または特定されてもよい。好ましい結合親和性は、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。より好ましい結合親和性は、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8Mまたは10−8M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。さらにより好ましい結合親和性は、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×l0−13M、10−13M、5×10−14M、l0−14M、5×10−15または10−15M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、アルブミン融合蛋白質の結合価(治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む)および対応する抗体の結合価を考慮すると、治療用蛋白質に結合する対応する抗体(アルブミンに融合されていない)のものに類似する、特定の蛋白質またはエピトープについての親和性を有する。
本発明は、競合的結合を測定するために当該技術分野において知られている任意の方法、例えば本明細書中に記載のイムノアッセイにより測定されるような、治療用蛋白質エピトープへの抗体の結合を競合的に阻害する抗体も提供する。好ましい実施態様において、抗体は、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%でエピトープへの結合を競合的に阻害する。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質のエピトープへの第2の抗体の結合を競合的に阻害する。他の好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%で治療用蛋白質のエピトープへの第2の抗体の結合を競合的に阻害する。
治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、治療蛋白質のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用してもよい。例えば、本発明は、本発明の部分または完全いずれかのポリペプチドと受容体/リガンドの相互作用を阻害する抗体を含む。本発明は受容体特異的抗体およびリガンド特異的抗体の両方を特徴とする。本発明はさらに、リガンド結合を阻害しないが受容体活性化を阻害する受容体特異的抗体も特徴とする。受容体活性化(すなわち、シグナリング)は、本明細書中に記載されているかまたはそうでなければ当該技術分野において知られている技法により測定されてもよい。例えば、受容体活性化は、受容体またはその基質のリン酸化(例えば、チロシンまたはセリン/トレオニン)を、免疫沈降、次いで、ウエスタンブロット分析(例えば、上記のような)により検出することにより測定することができる。特定の実施態様において、抗体の不在下、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%だけリガンド活性または受容体活性を阻害する抗体が提供される。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質に結合する抗体の融合されていない断片もしくは変異体と比べて、リガンド結合の阻害および/または受容体活性化の阻害に関して、類似するまたは実質的に類似する特徴を有する。
本発明は、リガンド結合および受容体活性化の両方を阻害する受容体特異的抗体ならびに受容体−リガンド複合体を認識し、そして好ましくは、結合していない受容体または結合していないリガンドを特異的に認識しない抗体も特徴とする。同様に、リガンドに結合し、受容体へのリガンドの結合を阻害しない抗体ならびにリガンドに結合しそれにより受容体活性化を阻害するがリガンドが受容体へ結合するのを阻害しない中和抗体も本発明に含まれる。さらに、受容体を活性化する抗体も本発明に含まれる。これらの抗体は受容体アゴニストとして作用し、すなわち、例えば受容体の二量体化により、リガンド介在受容体活性化の生物活性の全てまたはサブセットのいずれかを強化または活性化する。抗体は、治療用蛋白質(例えば、表1に開示されているような)の特定の生物活性を含む生物活性についてのアゴニスト、アンタゴニストまたはインバーズアゴニストとして特定されてもよい。上記抗体のアゴニストは当該技術分野において知られている方法を用いて作られ得る。例えば、PCT公開WO 96/40281;米国特許第5,811,097号;Dengら,Blood 92(6):1981−1988(1998);Chenら.,Cancer Res.58(16):3668−3678(1998);Harropら.,J.Immunol.161(4):1786−1794(1998);Zhuら.,Cancer Res.58(15):3209−3214(1998);Yoonら.,J.Immunol.160(7):3170−3179(1998);Pratら.,J.Cell.Sci.111(Pt2):237−247(1998);Pitardら.,J.Immunol.Methods 205(2):177−190(1997);Liautardら.,Cytokine9(4):233−241(1997);Carlsonら.,J.Biol.Chem.272(17):11295−11301(1997);Tarymanら.,Neuron 14(4):755−762(1995);Mullerら.,Structure 6(9):1153−1167(1998);Bartunekら.,Cytokine 8(1):14−20(1996)(該文献は全て出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)を参照のこと。好ましい実施態様において、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質に結合する抗体の融合されていない断片もしくは変異体と類似するまたは実質的に同一なアゴニストまたはアンタゴニスト特性を有する。
治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、インビトロおよびインビボの両方を含む診断および治療法において、例えば、治療用蛋白質を精製、検出および標的化するために用いられてもよい。例えば、抗体は、生体試料中の治療用蛋白質のレベルを定性的および定量的に測定するためのイムノアッセイにおいて有用である。例えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。同様に、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、インビトロおよびインビボの両方を含む診断および治療法において、例えば、治療用蛋白質を精製、検出および標的化するために用いられてもよい。
治療用蛋白質に結合し、およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、すなわち任意の型の分子と抗体の共有結合により修飾される誘導体を含む。例えば、これらに限定されないが、抗体の誘導体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、蛋白質分解的切断、細胞リガンド/または他の蛋白質への結合などにより修飾された抗体を含む。任意の非常に多くの化学修飾は、特定の化学開裂、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成を含むがこれらに限定されない知られている技法により行われてもよい。さらに、誘導体は、1またはそれ以上の古典的でないアミノ酸を含んでもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質も上記のように修飾されてもよい。
治療用蛋白質に結合する抗体の産生方法
治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体を、当該技術分野において知られている任意の適当な方法により産生させてもよい。対象の抗原に対するポリクローナル抗体は、当該技術分野においてよく知られている様々な方法により産生できる。例えば、治療用蛋白質は、ウサギ、マウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない様々な宿主動物に投与され、抗原特異的なポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導してもよい。様々なアジュバントを用いて宿主種に応じた免疫応答を誘導してもよく、該アジュバントは、フロイント(完全および不完全)、水酸化物アルミニウムのごときミネラルゲル、リゾレシチンのごとき界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノールおよび潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCG(bacille Calmette−Guerin)およびコリネバクテリウム・パルブム(cornebacterium parvum)を含むが、これらに限定されない。かかるアジュバントはまた当該技術分野においてよく知られている。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換えおよびファージディスプレイ技法またはそれらの組み合わせの使用を含む当該技術分野において知られている多種多様な技法を用いて調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当該技術分野において知られているものおよび例えば、Harlowら.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammering,ら.,:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.,1981)(該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)において教示されているものを含むハイブリドーマ技法を用いて産生され得る。本明細書中、用語「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技法により産生された抗体に限定されない。用語「モノクローナル抗体」は、単一のクローンに由来する抗体を言い、任意の真核、原核またはファージクローンを含むが、それを産生する方法は含まれない。
ハイブリドーマ技法を用いる特定の抗体についての産生およびスクリーニング方法は、慣用的であり、かつ当該技術分野においてよく知られている。非限定的な一例では、治療用蛋白質またはその断片もしくは変異体、アルブミン融合蛋白質、またはかかる治療用蛋白質もしくはその断片もしくは変異体またはアルブミン融合蛋白質を発現する細胞を用いて、マウスを免疫することができる。免疫応答が検出されたらすぐに、例えば、抗原特異的抗体がマウス血清中に検出されたらすぐに、マウスの脾臓を摘出し、そして脾臓細胞を単離する。次いで、脾臓細胞をよく知られている技法により任意の適当なミエローマ細胞、例えばATCCから入手可能な細胞株SP20に由来する細胞に融合させる。ハイブリドーマを選別し、および限定希釈によりクローン化する。次いで、当該技術分野において知られている方法により、本発明のポリペプチドに結合し得る抗体を分泌する細胞について、ハイブリドーマクローンをアッセイする。一般的に高いレベルの抗体を含む腹水は、陽性ハイブリドーマクローンを用いてマウスを免疫することにより産生することができる。
従って、本発明は、モノクローナル抗体の産生方法ならびに該方法により産生される抗体を提供し、ここで、該方法は、抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養することを含み、好ましくは、該ハイブリドーマは、本発明の抗原を用いて免疫したマウスから単離した脾臓細胞をミエローマ細胞と融合させ、次いで、該融合から生じたハイブリドーマを、本発明のポリペプチドに結合し得る抗体を分泌するハイブリドーマクローンについてスクリーニングすることにより産生される。
ポリクローナルおよびモノクローナルヒトB細胞株の両方を産生するためによく知られている他の方法は、エプスタイン・バーウイルス(EBV)を用いる形質転換である。EBVにより形質転換されたB細胞株を産生するためのプロトコルは、当該技術分野において一般的に知られており、例えば、Chapter 7.22 of Current Protocols in Immunology、Coliganら.、Eds.、1994、John Wiley&Sons、NYにおいて説明されているプロトコルである。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。形質転換のためのB細胞のソースは一般的にヒト末梢血であるが、形質転換のためのB細胞は、リンパ節、扁桃、脾臓、腫瘍組織および感染組織を含むがこれらに限定されない他のソースに由来してもよい。組織は一般的にEBVで形質転換する前に単一細胞浮遊液とする。さらに、抗−EBV抗体について血清陽性個体に由来するT細胞は、EBVによるB細胞不死化を抑制し得るので、B細胞を含む試料中のT細胞を物理的に除去するまたは不活性化する(例えば、シクロスポリンAを用いる処置により)かのいずれかの処置が行われてもよい。
一般的に、ヒトB細胞を含む試料をEBVと共に播種し、次いで、34週間培養する。EBVの典型的なソースは、B95−8細胞株(ATCC番号;VR−1492)の培養上清である。EBVによる形質転換の物理的徴候は、一般的に、3〜4週の培養期間の終わり頃に認められる。位相差顕微鏡観察により、形質転換細胞は大きく、透明、有毛であってもよく、および密な細胞クラスターをなして凝集する傾向があってもよい。当初、EBV株は一般的にポリクローナルである。しかし、長い細胞培養期間にわたって、特定のB細胞クローンの選択的成長の結果として、EBV株はモノクローナルまたはポリクローナルになってもよい。別法では、ポリクローナルEBV形質転換株を、適当な融合パートナーにサブクローニング(例えば限界希釈培養により)または融合し、次いで、限界希釈濃度でプレーティングし、モノクローナルB細胞株を得てもよい。EBV形質転換細胞株のための適当な融合パートナーは、マウスミエローマ細胞株(例えば、SP2/0、X63−Ag8.653)、ヘテロミエローマ細胞株(ヒトxマウス;例えば、SPAM−8、SBC−H20およびCB−F7)およびヒト細胞株(例えば、GM1500、SKO−007、RPMI8226およびKR−4)を含む。故に、本発明は、ヒトB細胞のEBV形質転換を含む、本発明のポリペプチドまたはその断片に対するポリクローナルまたはモノクローナルヒト抗体を産生する方法も提供する。
特定エピトープを認識する抗体断片は知られている技法により産生されてもよい。例えば、本発明のFabおよびF(ab’)2断片は、パパイン(Fab断片を産生するために)またはペプシン(F(ab’)2断片を産生するために)のごとき酵素を用いて、免疫グロブリン分子を蛋白質分解することにより産生されてもよい。F(ab’)2断片は可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含む。
例えば、治療用蛋白質に結合する抗体は、当該技術分野において知られている様々なディスプレー法を用いても産生され得る。ファージディスプレイ法では、機能的な抗体ドメインがそれらをコードするポリヌクレオチド配列を有するファージ粒子の表面にディスプレーされる。一の特定の実施態様において、かかるファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示させるために利用され得る。対象の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原、例えば、標識抗原または固体表面またはビーズ上に結合または捕捉された抗原を用いて選択または同定され得る。これらの方法において用いられるファージは、典型的に、Fab、Fvを有するファージ発現されるまたはジスルフィド結合で安定化させたfdおよびM13結合ドメインを含む繊維状ファージである。Fv抗体ドメインは組換えによりファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIII蛋白質のいずれかに融合される。治療用蛋白質に結合する抗体を産生するために用いられ得るファージディスプレイ法の例は、Brinkmanら、J.Immunol.Methods 182:41−50(1995);Amesら,J.Immunol.Methods 184:177−186(1995);Kettleboroughら,Eur.J.Immunol.24:952−958(1994);Persicら,Gene 187 9−18(1997);Burtonら,Advances in Immunology 57:191−280(1994);PCT出願番号 PCT/GB91/01134;PCT公開番号 WO 90/02809;WO 91/10737;WO 92/01047;WO 92/18619;WO 93/11236;WO 95/15982;WO 95/20401;および米国特許第5,698,426号;第5,223,409号;第5,403,484号;第5,580,717号;第5,427,908号;第5,750,753号;第5,821,047号;第5,571,698号;第5,427,908号;第5,516,637号;第5,780,225号;第5,658,727号;第5,733,743号および第5,969,108号において開示されているものを含む。該文献のそれぞれは出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
上記参考文献において記載されるように、ファージを選択した後、例えば以下に詳述するように、ファージに由来する領域をコードする抗体を単離し、次いで、ヒト抗体を含む完全抗体または任意の他の抗原に結合する断片を産生するために用いて、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む任意の所望の宿主で発現させることができる。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を産生する組換え技法は、PCT公開WO 92/22324;Mullinaxら,BioTechniques 12(6):864−869(1992);およびSawaiら,AJRI 34:26−34(1995);およびBetterら,Science 240:1041−1043(1988)(該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)において開示されているような当該技術分野において知られている方法を用いても行われ得る。
一本鎖Fvsおよび抗体を産生するために用いられ得る技法の例は、米国特許第4,946,778号および第5,258,498号;Hustonら,Methods in Enzymology 203:46−88(1991);Shuら,PNAS90:7995−7999(1993);およびSkerraら,Science 240:1038−1040(1988)において記載のものを含む。ヒトにおける抗体のインビボでの使用およびインビトロでの検出アッセイを含む幾つかの使用のために、キメラ、ヒト化またはヒト抗体を用いることが所望されてもよい。キメラ抗体は、抗体の異なる部分が異なる動物種に由来する一分子であり、例えば、マウスモノクローナル抗体に由来する一の可変領域および一のヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体である。キメラ抗体の産生方法は当該技術分野において知られている。例えば、Morrison,Science 229:1202(1985);Oiら,BioTechniques 4:214(1986);Gilliesら,(1989)J.Immunol.Methods125:191−202;米国特許第5,807,715号;第4,816,567号;および第4,816397号を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。ヒト化抗体は、所望の抗原に結合するヒトでない種の抗体に由来する抗原分子であり、1またはそれ以上のヒトでない種に由来する相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子に由来する一のフレームワーク領域を有する。多くの場合、ヒトフレームワーク領域中のフレームワーク残基は、CDRドナー抗体に由来する対応する残基を用いて置換され、抗原結合を改変、好ましくは改善し得る。これらのフレームワーク置換は、当該技術分野においてよく知られている方法により、例えば、CDRおよびフレームワーク残基の相互作用をモデリングし、抗原結合および配列比較のために重要なフレームワーク残基を同定し、特定位置における異常なフレームワーク残基を同定することにより同定される(例えば、Queenら,米国特許第5,585,089号;Riechmannら,Nature 332:323(1988),該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。抗体は、例えば、CDR−グラフティング(EP 239,400;PCT公開 WO 91/09967;米国特許第5,225,539号;第5,530,101号;および第5,585,089号),veneeringまたはresurfacing(EP 592,106;EP 519,596;Padlan,Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991);Studnickaら,Protein Engineering7(6):805−814(1994);Roguska.ら,PNAS 91:969−973(1994))およびチェインシャフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,332号)を含む当該技術分野において知られている様々な技法を用いてヒト化され得る。
完全ヒト抗体は、ヒト患者の治療処置のために特に所望される。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いた上記記載のファージディスプレイ方法を含む当該技術分野において知られている様々な方法により作製され得る。米国特許第4,444,887号および第4,716,111号;およびPCT公開 WO 98/46645,WO 98/50433,WO 98/24893,WO 98/16654,WO 96/34096,WO 96/33735,およびWO 91/10741も参照のこと。該文献のそれぞれは出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
ヒト抗体は、機能的な内因性免疫グロブリンを発現し得ないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現し得るトランスジェニックマウスを用いても作製され得る。例えば、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体は、ランダムまたは相同組換えによりにマウス胚性幹細胞に導入されてもよい。別法では、ヒト可変領域、定常領域および多様性領域が、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子に加えて、マウス胚性幹細胞中に導入されてもよい。マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えにより、ヒト免疫グロブリン座の導入と別々または同時に非機能性を付与されてもよい。特に、JH領域のホモ接合型欠失は、内因性の抗体産生を阻害する。修飾された胚性幹細胞は増殖され、次いで、胚盤胞中にマイクロ注入され、キメラマウスを作り出す。次いで、キメラマウスを交配させ、ヒト抗体を発現するホモ接合型子孫を生じさせる。トランスジェニックマウスを、選択した抗原、例えば、本発明のポリペプチドの全てまたは一部を用いて通常の様式で免疫する。その抗原に対して作製されたモノクローナル抗体は、慣用的なハイブリドーマ技法を用いて、免疫したトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスが有するヒト免疫グロブリントランスジーンはB細胞分化の間に再構成され、その後、クラススイッチングおよび体細胞突然変異が起こる。故に、かかる技法を用いて、治療的に有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を産生することができる。ヒト抗体を産生するためのこの技法の総説については、LonbergおよびHuszar,Int.Rev.Immunol.13:65−93(1995)を参照のこと。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのこの技法およびかかる抗体を産生するためのプロトコルの詳細な議論については、例えば、PCT公開WO 98/24893;WO 92/01047;WO 96/34096;WO 96/33735;欧特許第0 598 877号;米国特許第5,413,923号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,569,825号;第5,661,016号;第5,545,806号;第5,814,318号;第5,885,793号;5,916,771号;第5,939,598号;第6,075,181号;および第6,114,598号を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。加えて、Abgenix,Inc.(Freemont,CA)およびGenpharm(San Jose,CA)などの企業は、上記したものと類似する技法を用いて、特定の抗原に対するヒト抗体を提供することを受託することができる。
選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「ガイドされた選択(guided selection)」として参照される技法を用いて産生することができる。このアプローチでは、選択されたヒトでないモノクローナル抗体、例えば、マウス抗体が、同じエピトープを認識する完全ヒト抗体の選択を導くために用いられる(Jespersら.、Bio/Technology 12:899−903(1988))。
抗体をコードするポリヌクレオチド
本発明はさらに、抗体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドおよびその断片を提供する。本発明は、例えば上記したようなストリンジェントまたは別法ではより低いストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、好ましくは、治療用蛋白質に特異的に結合する抗体、およびより好ましくは、表2の「配列番号:Z」の欄に開示されるような「治療用蛋白質:X」のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合する抗体をコードするポリヌクレオチドへハイブリダイズするポリヌクレオチドも包含する。
当該技術分野において知られている任意の方法により、ポリヌクレオチドは得られてもよく、およびポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は決定されてもよい。例えば、抗体のヌクレオチド配列が知られているならば、抗体をコードするポリヌクレオチドを、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドから構築してもよい(例えば、Kutmeierら.,BioTechnology 17:242(1994)に記載のように)。その操作には、簡潔に言うと、抗体をコードする配列部分を含むオーバーラッピングオリゴヌクレオチドの合成、それらのオリゴヌクレオチドのアニーリングおよびライゲーション、次いで、ライゲーションしたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅が含まれる。
別法では、抗体をコードするポリヌクレオチドは、適当なソースに由来する核酸から産生されてもよい。その抗体分子の配列は知られているのに特定の抗体をコードする核酸を含むクローンが入手できないならば、免疫グロブリンをコードする核酸は、配列の3’および5’末端にハイブリダイズできる合成プライマーを用いてPCR増幅を行うか、または特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いてクローニングを行い、例えば、抗体をコードするcDNAライブラリーに由来するcDNAクローンを同定することにより、化学的に合成されるまたは適当なソース(例えば、抗体cDNAライブラリー、または抗体を発現する任意の組織もしくは細胞、例えば抗体を発現するように選択されたハイブリドーマ細胞から作製されたcDNAライブラリー、またはそれらから単離された核酸、好ましくはポリA+RNA)から得られてもよい。
次いで、PCRにより作製された増幅核酸は、当該技術分野においてよく知られている任意の方法(実施例65を参照のこと)を用いて、複製可能なクローニングベクター中にクローニングされてもよい。
抗体のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が決定されると、抗体のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列の操作について当該技術分野においてよく知られている方法、例えば、組換えDNA技法、部位特異的突然変異誘発、PCRなど(例えば、Sambrookら.,1990,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor,NYおよびAusubelら.,eds.,1998,Current Protocols in MOlecular BIology,John Wiley&Sons,NYに記載の技法を参照のこと。両文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)を用いて操作し、異なるアミノ酸配列を有する抗体を産生させる、例えばアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を作り出してもよい。
特定の一の実施態様において、重鎖および/または軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列は、当該技術分野においてよく知られている方法、例えば、他の重鎖および軽鎖可変領域の既知のアミノ酸配列と比較して、配列の可変性が高い領域を決定することにより、相補性決定領域(CDR)の配列を同定するために調べられてもよい。慣用的な組換えDNA技法を用いて、1またはそれ以上のCDRは、フレームワーク領域内、例えば、ヒトフレームワーク領域中に挿入され、上記のようにヒト以外の抗体をヒト化してもよい。フレームワーク領域は、自然に発生するまたはコンセンサスなフレームワーク領域、および好ましくはヒトフレームワーク領域であってもよい(例えばヒトフレームワーク領域のリストについてはChothiaら.、J.Mol.Biol.278:457−479(1998)を参照のこと)。好ましくは、フレームワーク領域およびCDRの連結により生じるポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体をコードする。好ましくは、上記のように、1またはそれ以上のアミノ酸の置換は、フレームワーク領域内でなされてもよく、および好ましくは、アミノ酸の置換は、その抗原と抗体の結合を促進する。さらに、かかる方法を用いて、鎖内ジスルフィド結合に関与する1またはそれ以上の可変領域のシステイン残基のアミノ酸の置換または欠失を生じさせ、1またはそれ以上の鎖間ジスルフィド結合を欠失している抗体分子を産生してもよい。ポリヌクレオチドに対する他の修飾も本発明に含まれ、かつ当該技術の範囲内である。
加えて、適切な生物活性のヒト抗体分子に由来する遺伝子と一緒に、適切な抗原特異性のマウス抗体分子に由来する遺伝子をスプライシングすることにより、「キメラ抗体」の産生について開発された技法(Morrisonら.、Proc.Natl.Acad.Sci.81:851−855(1984);Neubergerら.,Nature 312:604−608(1984);Takedaら.,Nature 314:452454(1985))も用いることができる。上記のように、キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する一分子であり、例えば、ネズミmAbに由来する一の可変領域および一のヒト免疫グロブリン定常領域を有するもの、例えばヒト化抗体である。
別法では、一本鎖抗体の産生について記載されている技法(米国特許第4,946,778号;Bird,Science 242:423−42(1988);Hustonら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883(1988);およびWardら.,Nature 334:544−54(1989))も一本鎖抗体を産生するために適用できる。一本鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖断片と軽鎖断片を連結させ、それにより一本鎖ポリペプチドをもたらすことによって、形成される。大腸菌中での機能性Fv断片のアセンブリのための技法も用いられてもよい(Skerraら.,Science 242:1038−1041(1988))。
抗体の組換え発現
抗体またはその断片、誘導体またはアナログ(例えば、抗体の重鎖または軽鎖または一本鎖抗体)の組換え発現は、抗体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターの構築を必要とする。抗体分子または抗体の重鎖または軽鎖をコードする本発明のポリヌクレオチドまたはその部分(好ましくは重鎖または軽鎖可変ドメインを含む)が得られると、抗体分子を産生するためのベクターは、当該技術分野においてよく知られている技法を用いる組換えDNA技法により作製されてもよい。故に、ヌクレオチド配列をコードする抗体を含むポリヌクレオチドを発現させることにより蛋白質を調製する方法が本明細書中に記載されている。当業者によく知られている方法を用いて、抗体をコードしている配列および適切な転写および翻訳制御シグナルを含む発現ベクターを構築ができる。これらの方法は、例えば、インビトロ組換えDNA技法、合成技法およびインビボ遺伝子組換えを含む。故に、本発明は、本発明の抗体分子、またはその重鎖もしくは軽鎖、または重鎖もしくは軽鎖可変ドメインをコードする、プロモーターに作動的に連結されたヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターを提供する。かかるベクターは、抗体分子の定常領域(例えば、PCT公開 WO 86/05807;PCT公開 WO 89/01036;および米国特許第5,122,464号を参照のこと)をコードするヌクレオチド配列を含んでもよく、および抗体の可変ドメインは、重鎖または軽鎖を完全に発現させるためにかかるベクター中へクローニングされてもよい。
発現ベクターは、慣用的な技法により宿主細胞へ移されてもよく、次いで、トランスフェクションされた細胞は慣用的な技法により培養されて、抗体を生じる。故に、本発明は、本発明の抗体分子、またはその重鎖もしくは軽鎖、または一本鎖抗体をコードする、非相同プロモーターに作動的に結合されたポリヌクレオチドを含む宿主細胞を包含する。二本鎖抗体の発現についての好ましい実施態様において、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターは、以下に詳しく述べるように、完全な免疫グロブリン分子の発現のために宿主細胞において共発現されてもよい。
様々な宿主−発現ベクター系を利用して、本発明の抗体分子を発現させてもよい。かかる宿主−発現系は、それにより対象のコーディング配列を産生させ、次いで精製されるビヒクルであり、さらに、適切なヌクレオチドコーディング配列を用いて形質転換または形質転換する場合、本発明の抗体分子をインサイツ(in situ)で発現する細胞である。これらは、抗体をコードする配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換させた細菌(例えば、大腸菌、枯草菌(B.Subtilis))のごとき微生物;抗体をコードする配列を含む組換え酵母発現ベクターを用いて形質転換させた酵母(例えば、サッカロミケス、ピキア);抗体をコードする配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)を用いて感染させた昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワ−モザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)を用いて感染させたまたは抗体をコードする配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)を用いて形質転換させた植物細胞系;または哺乳類細胞(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳類ウイルス(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;牛痘ウイルス7.5Kプロモーター)のゲノムに由来するプロモーターを含む組換え発現コンストラクトを有する哺乳類細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、3T3細胞)を含むが、これらに限定されない。特に組換え抗体分子全体の発現のために、好ましくは、大腸菌のごとき細菌細胞、およびより好ましくは、真核細胞が、組換え抗体分子の発現のために用いられる。例えば、ヒトサイトメガロウイルスに由来する主要前初期遺伝子プロモーターエレメントのごときベクターと併用されるチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のごとき哺乳類細胞は、抗体のための有効な発現系である(Foeckingら.、Gene45:101(1986);Cockettら.,Bio/Technology 8:2(1990))。
細菌系において、多数の発現ベクターは、有利には、発現されるべき抗体分子の使用目的に応じて選択されてもよい。例えば、かかる蛋白質を大量に産生する必要がある場合、抗体分子の医薬組成物を産生するために、容易に精製される融合蛋白質産物の高レベルな発現を導くベクターが所望されてもよい。かかるベクターは、大腸菌発現ベクターpUR278(Rutherら.、EMBO J.2:1791(1983))を含むがこれらに限定されず、ここで、抗体をコードする配列は、ベクターのlac Z コーディング領域を有するフレーム中に個々に連結され、その結果、融合蛋白質が産生される;pINベクター(Inouye&Inouye、Nucleic Acids Res.13:3101−3109(1985);Van Heeke&Schuster,J.Biol.Chem.24:5503−5509(1989))など。pGEXベクターを用いて、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質として外来ポリペプチドを発現させてもよい。一般的に、かかる融合蛋白質は可溶性であり、およびマトリックスグルタチオン−アガロースビーズに吸着および結合させ、次いで、遊離のグルタチオンの存在下で溶離させることにより、溶解した細胞から容易に精製できる。pGEXベクターをトロンビンまたは因子Xaプロテアーゼ開裂部位を含むように設計し、その結果、クローニングされた標的遺伝子産物をGST部分から遊離することができる。
昆虫系では、Autographa califomicaの核多角体ウイルス(AcNPV)をベクターとして用いて、外来遺伝子を発現してもよい。ウイルスはSpodoptera frugiperda細胞中で成長する。抗体をコードする配列は、このウイルスの非必須領域(例えば、ポリヘドリン遺伝子)中に個々にクローニングされ、AcNPVプロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の制御下に置かれる。
哺乳類の宿主細胞において、多数のウイルスに基づく発現系が利用されてもよい。アデノウイルスが発現ベクターとして用いられる場合、目的の抗体をコードする配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーターおよび3つのリーダー配列に連結されてもよい。次いで、このキメラ遺伝子は、インビトロまたはインビボでの組換えによりアデノウイルスゲノム中に挿入されてもよい。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域ElまたはE3)への挿入は、感染された宿主において生存可能なおよび抗体分子を発現し得る組換えウイルスを産生することができる(例えば、Logan&Shenk、Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:355−359(1984)を参照のこと)。特定の開始シグナルは、挿入された抗体をコードする配列の効果的な翻訳のために必要とされてもよい。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。さらに、開始コドンは、インサート全体の翻訳を確実にするために、所望のコーディング配列のリーディングフレームと同じフレームである必要がある。これらの外因性の翻訳制御シグナルおよび開始コドンは様々な起源、天然および合成の両方に由来し得る。発現効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含むことにより増強されてもよい(Bittnerら.,Methods in Enzymol.153:51−544(1987)を参照のこと)。
加えて、挿入された配列の発現を調節し、または特定の所望の様式で遺伝子産物を修飾および処理する宿主細胞系が選択されてもよい。蛋白質産物のかかる修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセッシング(例えば、開裂)は、蛋白質の機能にとって重要である。異なる宿主細胞は、翻訳後プロセッシングおよび蛋白質および遺伝子産物の修飾について、特徴的及び特異的な機序を有する。発現される外来蛋白質の適当な修飾およびプロセッシングを確実にするために、適切な細胞株または宿主系が選択され得る。この目的のために、主な転写産物の適当なプロセッシングならびに遺伝子産物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞機構を有する真核宿主細胞が用いられてもよい。かかる哺乳類の宿主細胞は、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、W138、および特に、胸癌細胞株、例えば、BT483、Hs578T、HTB2、BT20およびT47D、ならびに例えば、CRL7030およびHs578Bstのごとき正常な哺乳類腺細胞株を含むが、これらに限定されない。
組換え蛋白質の長期間にわたる高収率の産生には、安定な発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定に発現する細胞株が作製されてもよい。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを用いるよりもむしろ、宿主細胞は、適切な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)により制御されるDNAおよび選択マーカーを用いて形質転換され得る。外来DNAの導入後、遺伝子操作した細胞を濃縮培地中で1〜2日間成長させ、次いで、選択培地に交換してもよい。組換えプラスミド中の選択マーカーは選択に対する耐性を付与し、それにより細胞はそれらの染色体中へプラスミドを安定に組み込み、そして成長して細胞巣を形成することができ、順次、細胞株へクローン化および増殖することができる。この方法は、有利には、抗体分子を発現する細胞株を操作するために用いられてもよい。遺伝子操作されたかかる細胞株は、抗体分子と直接的または間接的に相互作用する化合物をスクリーニングおよび評価する際に特に有用であってもよい。
tk−細胞、hgprt−細胞またはaprt−細胞においてそれぞれ用いることができる、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(Wiglerら.,CEll 11:223(1977))、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska&Szybalski,Proc.Nat1.Acad.Sci.USA 48:202(1992))およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら.,Cell 22:817(1980))遺伝子を含むがこれらに限定されない多数の選択系を用いてもよい。さらに、代謝拮抗剤耐性を以下の遺伝子についての選択の基準として用いることができる:メトトレキセートに対する耐性を付与するdhfr(Wiglerら.,Natl.Acad.Sci.USA 77:357(1980);O’Hareら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1527(1981));ミコフェノール酸に対する耐性を付与するgpt(Mulligan&Berg,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2072(1981));アミノグリコシドG−418に対する耐性を付与するneo;Cliniccal Pharmacy 12:488−505;WuおよびWu,Biotherapy 3:87−95(1991);Tolstoshev,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573−596(1993);Mulligan,Science260:926−932(1993);ならびにMorganおよびAnderson,Ann.Rev.Biochem.62:191−217(1993);May,1993,TIBTECH11(5):155−215(1993));およびハイグロマイシンに耐性を付与するhygro(Santerreら.,Gene30:147(1984))。組換えDNAの技術分野において一般的に知られている方法を所望の組換えクローンを選択するために慣用的に適用してもよく、およびかかる方法は、例えば、inAusubelら.(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,NY(1993);Kriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY(1990);およびChapters 12 and 13,Dracopoliら.(eds),Current Protocols in human Genetics,John Wiley&Sons,NY(1994);Colberre−Garapinら.,J.Mol.Bio1.150:1(1981)において記載されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
抗体分子の発現レベルは、ベクターの増幅により増大させることができる(報文については、BebbingtonおよびHentschel,The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning,Vol.3.(Academic Press,New York,1987)を参照のこと)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能な場合、宿主細胞の培養液中に存在する阻害剤のレベル増大により、マーカー遺伝子のコピー数も増大し得る。増幅される領域は抗体遺伝子に関連付けられるので、抗体の産生も増大し得る(Crouseら.,Mol.Cell.Biol.3:257(1983))。
選択マーカーとしてグルタミンシンターゼ(GS)またはDHFRを用いるベクターは、薬剤メチオニンスルホキシミンまたはメトトレキセートそれぞれの存在下で増幅することができる。グルタミンシンターゼに基づくベクターの利点は、グルタミンシンターゼネガティブである細胞株(例えば、ネズミミエローマ細胞株、NSO)が利用できることである。グルタミンシンターゼ発現系は、内因性遺伝子の機能を阻害するさらなる阻害剤を提供することにより、グルタミンシンターゼを発現する細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)中で機能することもできる。グルタミンシンターゼ発現系およびその成分は、PCT公開:W087/04462;W086/05807;W089/01036;W089/10404;およびW091/06657に詳述されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。さらに、本発明に従って用いられてもよいグルタミンシンターゼ発現ベクターは、例えばLonza Biologics,Inc.(Portsmouth,NH)を含む供給元から市販されている。ネズミミエローマ細胞におけるGS発現系を用いるモノクローナル抗体の発現および産生は、Bebbingtonら.,Biol/technology 10:168(1992)ならびにBibliaおよびRobinsonBiolechnol.Prog.11:1(1995)において記載されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
宿主細胞は、本発明の2つの発現ベクター、重鎖由来のポリペプチドをコードする第1のベクターおよび軽鎖由来のポリペプチドをコードする第2のベクターで同時にトランスフェクションされてもよい。2つのベクターは、重鎖および軽鎖ポリペプチドを等しく発現し得る同一の選択マーカーを含んでもよい。別法では、重鎖および軽鎖ポリペプチドの両方をコードし、かつ発現し得る単一のベクターが用いられてもよい。かかる場合、軽鎖を重鎖の前にセットし、毒性のある遊離の重鎖が過剰となることを避ける必要がある(Proudfoot,Nature322:52(1986);Kohler,Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:2197(1980))。重鎖および軽鎖のためのコーディング配列はcDNAまたはゲノムDNAを含んでもよい。
本発明の抗体分子が動物、化学的合成または組換え発現により産生されると、それは、免疫グロブリン分子の精製のために当該技術分野において知られている任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、特に蛋白質Aでのアフィニティーの後に特異的抗原をについてのアフィニティーを行うこと、およびサイズカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解性の違いまたは蛋白質精製のための任意の他の標準的技法により精製されてもよい。加えて、治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体またはその断片は、精製を促進するために、本明細書中記載されているまたはそうでなければ当該技術分野において知られている異種ポリペプチド配列に融合され得る。
抗体の修飾
治療用蛋白質に結合する抗体または断片もしくは変異体は、精製を促進するために、ペプチドのごときマーカー配列に融合され得る。好ましい実施態様において、該マーカーアミノ酸配列はヘキサ−ヒスチジンペプチド、例えば、pQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)中に提供されるタグであり、とりわけ、その多くは市販されている。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−824(1989)において記載されているように、例えば、ヘキサ−ヒスチジンは、融合蛋白質の都合のよい精製を提供する。精製のために有用な他のペプチドタグは、肝炎赤血球凝集素蛋白質(Wilsonら.、細胞37:767(1984))に由来するエピトープに対応する赤血球凝集素タグ(「HAタグ」とも言われる)および「flag」タグを含むが、これらに限定されない。
本発明はさらに、診断または治療剤にコンジュゲートさせた抗体またはその断片を含む。抗体を診断的に用いて、例えば、臨床試験法の一部として腫瘍の発達または進行をモニターし、例えば、有効な特定の処置療法を決定することができる。検出は、抗体を検出可能な物質にカップリングすることにより促進され得る。検出可能な物質の例は、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性物質、様々な陽電子放出断層撮影法を用いる陽電子放出金属および非放射性常磁性金属イオンを含む。検出可能な物質は、当該技術分野において知られている技法を用いて直接的または中間体(例えば、当該技術分野において知られているリンカーのような)を介して間接的に抗体(またはその断片)にカップリングまたはコンジュゲートされてもよい。本発明に記載の診断剤として用いるための抗体にコンジュゲートされ得る金属イオンについては、例えば、米国特許第4、741、900号を参照のこと。適当な酵素の例は、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼを含み;適当な補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含み;適当な蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライドまたはフィコエリトリンを含み;発光物質の例はルミノールを含み;生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含み;および適当な放射性物質の例は、125I、131I、111Inまたは99Tcを含む。検出可能な物質の他の例は、本明細書中に別記されている。
さらに、本発明の抗体は、細胞毒、例えば、細胞分裂阻害剤または細胞破壊剤のごとき治療用部分、治療剤または放射性金属イオン、例えば、213Biのごときアルファ−放出体にコンジュゲートされてもよい。細胞毒または細胞傷害性剤は、細胞に有害な任意の剤を含む。例えば、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピュ−ロマイシンおよびそれらのアナログまたはホモログを含む。治療剤は、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパクロランブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロリムスチン(CCNU)、シクロトスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミンプラチナム(In(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(正式にはダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(正式にはアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンおよびアントラマイシン(AMC))、および抗−有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)を含むが、これらに限定されない。
本発明のコンジュゲートは、特定の生物学的応答を修飾するために用いられ得、その治療剤または薬剤部分は古典的な化学治療剤に限定するものとは解釈されない。例えば、薬剤部分は所望の生物活性を有する蛋白質またはポリペプチドであってもよい。かかる蛋白質は、例えば、アブリン、リシンA、シュ−ドモナス外毒素またはジフテリア毒素のごとき毒素;蛋白質、例えば、腫瘍壊死因子、アルファ−インターフェロン、B−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化剤、アポトーシス剤、例えば、TNF−アルファ、TNF−ベータ、AIM I(国際公開番号WO 97/33899を参照のこと)、AIM 11(国際公開番号WO 97/34911を参照のこと)、Fasリガンド(Takahashiら.,Int.Immunol.,6:1567−1574(1994))、VEGI(国際公開番号WO 99/23105を参照のこと)、血栓剤または抗−血管新生剤、例えば、アンジオスタチンまたはエンドスタチン;または生物学的応答修飾因子、例えば、リンホカイン、インターロイキン−1(「IL−I」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、または他の成長因子を含んでもよい。
抗体は固体支持体に結合されていてもよく、これは標的抗原のイムノアッセイまたは精製のために特に有用である。かかる固体支持体は、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、塩化ポリビニルまたはポリプロピレンを含むが、これらに限定されない。
かかる治療用部分を抗体にコンジュゲートするための技法はよく知られている。例えば、Amonら.、“Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies And Cnacer Therapy,Reisfeldら.(eds.),pp.243−56(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstromら.,“Antibodies For Drug Delivery”,in Controlloed Drug Delivery(2nd Ed.),Robinsonら.(eds.),pp.623−53(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe,“Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”,in Monoclonal Antibodies’84:Biological Anc Clinical Application,Pincheraら.(eds.),pp.475−506(1985);“Analysis,Reusults,and Future Prospective Of The THerapeutic Use Of Radiolabeled ANtibody In Cancer Therapy”,in Monoclonal ANtibodies For Cancer detectino And Therapy,Baldwinら.(eds.),pp.303−16(Academic Press 1985),およびThorpeら.,“The Preparation And Cytotoxic Property Of ANtibody−Toxin Conjugates’,Immunol.Rev.62:119−58(1982)を参照のこと。
別法では、Segalにより米国特許第4,676,980号に記載のように、抗体を二次抗体にコンジュゲートさせて、抗体のヘテロコンジュゲートを形成してもよい。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
それにコンジュゲートされた治療用部分を有するまたは有さない、単独またはと一または複数の細胞傷害性因子および/または一または複数のサイトカインと組み合わせて投与される抗体は、治療剤として用いられ得る。
抗体−アルブミンの融合
治療用蛋白質に結合し、および本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応し得る抗体は、表1の「治療用蛋白質X」の欄に開示される治療用蛋白質に結合する抗体またはその断片もしくは変異体抗体を含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VHドメインを含むあるいはそれからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、1、2または3個のVHCDRを含むあるいはそれらからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VHCDR1を含むあるいはそれからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VHCDR2を含むあるいはそれからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VHCDR3を含むあるいはそれからなる。
特定の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VLドメインを含むあるいはそれからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、1、2または3個のVL CDRを含むあるいはそれらからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VL CDR1を含むあるいはそれからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VL CDR2を含むあるいはそれからなる。他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、VL CDR3を含むあるいはそれからなる。
他の実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、V1、2、3、4、5または6個のVHおよび/またはVL CDRを含むあるいはそれらからなる。
好ましい実施態様において、治療用蛋白質に免疫特異的に結合する抗体およびアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する抗体の断片もしくは変異体は、(GlySer)(配列番号:4)のごときペプチドリンカーにより治療用抗体のVLドメインに結合された治療用抗体のVHドメインを含むscFvを含むあるいはそれからなる。
イムノフェノタイピング
本発明の抗体または治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、細胞株および生体試料のイムノフェノタイピングのために利用されてもよい。本発明の治療用蛋白質は、細胞特異的マーカー、またはより具体的には、特定の細胞型の分化および/または成熟の様々な段階において様々に発現される細胞マーカーとして有用であってもよい。特定のエピトープまたはエピトープの組み合わせに対して作製されたモノクローナル抗体(または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質)により、マーカーを発現する細胞集団のスクリーニングが可能になり得る。モノクローナル抗体(または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質)を用いる様々な技法を利用して、一または複数のマーカーを発現する細胞集団をスクリーニングする。該技法は、抗体でコーティングされた磁気ビーズを用いる磁気分離、固体マトリックス(すなわち、プレート)に結合された抗体を用いる「パニング」およびフローサイトメトリー(例えば、米国特許第5,985,660号;およびMorrisonら.,Cell,96:737−49(1999)を参照のこと)を含む。
これらの技法により、細胞の特定集団のスクリーニングが可能となり、例えば、血液悪性腫瘍(すなわち急性白血病患者における微小残存病変(MRD))および移植片対宿主病(GVHD)を予防するための移植における「非自己」細胞が見出されるかもしれない。別法では、これらの技法により、ヒト臍帯血において見出されるような増殖および/または分化を起こし得る造血幹細胞および前駆細胞のスクリーニングが可能となる。
治療用蛋白質ならびに治療用蛋白質に結合する抗体の断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質に結合する抗体の特徴付け
本発明の抗体または治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、様々に特徴付けられる。特に、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、本明細書に記載されている技法を用いて、または当該技術分野において知られている技法を慣例的に変更して用いて、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に結合する抗体に対応する治療用蛋白質に結合する抗体に特異的に結合された同じ抗原に特異的に結合する能力についてアッセイされてもよい。
本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の特定の蛋白質またはエピトープに(特異的に)結合する能力のためのアッセイは、溶液中で(例えば、Houghten,Bio/Techniqus13:412421(1992))、ビーズ上で(例えば、Lam,Nature354:82−84(1991))、チップ上で(例えば、Fodor,Nature 364:555−556(1993))、細菌で(例えば、米国特許第5,223,409号)、胞子で(例えば、特許第5,571,698号;第5,403,484号;および第5,223,409号)、プラスミドで(例えば、Cullら,Proe.Natt.Acad.Sci.USA 89:1865−1869(1992))またはファージ上で(例えば、ScottおよびSmith,Science 249:386−390(1990);Devlin,Science249:404−406(1990);Cwirlaら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:6378−6382(1990);およびFelici,J.Mol.Biol.222:301−310(1991))(これらの各参考文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)行われてもよい。本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質(またはその断片もしくは変異体)は、本明細書中記載されているかまたはそうでなければ当該技術分野において知られている技法を用いて、またはそれを慣例的に変更して用いて、特定の蛋白質またはエピトープについてのそれらの特異性および親和性についてアッセイされてもよい。
治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られている任意の方法により、他の抗原(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)に結合する抗体に特異的に結合された一または複数の分子と配列/構造保存性を有する分子)との交差反応性についてアッセイされてもよい。
(免疫特異的)結合および交差反応性を分析するために用いられ得るイムノアッセイは、例えば幾つか挙げると、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量測定法、蛍光イムノアッセイおよび蛋白質Aイムノアッセイのごとき技法を用いる競合的および非競合的アッセイ系を含むが、これらに限定されない。かかるアッセイは慣用的であり、かつ当該技術分野においてよく知られている(例えば、Ausubelら、eds,1994,Current Protocol in Molecular Biology,Vol.1, John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkを参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる))。イムノアッセイの例を以下に簡潔に記載する(ただし、限定を意図するものではない)。
一般的に、免疫沈降プロトコルは、溶解バッファー、例えば、蛋白質ホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ阻害剤(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補足したRIPAバッファー(1%のNP−40またはトリトンX−100、1%のナトリウムデオキシコール酸、0.1%のSDS、0.15MのNaC1、0.01Mのリン酸ナトリウム、pH7.2、1%のトラジロール)中に細胞集団を溶解させ、本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質(またはその断片もしくは変異体)を細胞溶解物に加え、一定時間(例えば、1〜4時間)40℃でインキュベーションし、蛋白質Aおよび/または蛋白質Gセファロースビーズ(または治療用抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質の場合は、適切な抗−イディオタイプ抗体または抗−アルブミン抗体を用いてコーティングされたビーズ)を細胞溶解物に加え、約1時間以上40℃でインキュベーションし、溶解バッファーでビーズを洗浄し、次いで、SDS/試料バッファー中にビーズを再懸濁することを含む。抗体または本発明のアルブミン融合蛋白質の特定の抗原を免疫沈澱させる能力は、例えば、ウエスタンブロット分析によりアッセイすることができる。当業者は、抗体またはアルブミン融合蛋白質と抗原の結合を増大させ、およびバックグラウンドを減少させるために修飾され得るパラメーター(例えば、セファロースビーズを用いて細胞溶解物を予め洗浄すること)を認識できよう。免疫沈降プロトコルに関するさらなる議論については、例えば、Ausubelら,eds,1994,Current Protocol in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New York at 10.16.1を参照のこと。
一般的に、ウエスタンブロット分析は、蛋白質試料を調製し、ポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じて8%〜20%のSDS−PAGE)中で蛋白質試料を電気泳動させ、蛋白質試料をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDFまたはナイロンのごとき膜に転写し、ブロッキング溶液(例えば、3%のBSAを含むPBSまたは脱脂乳)中でその膜をブロッキングし、洗浄バッファー(例えば、PBS−Tween20)で膜を洗浄し、抗体または本発明のアルブミン融合蛋白質(ブロッキングバッファーで希釈)を膜にアプライし、洗浄バッファーでメンブレンを洗浄し、ブロッキングバッファーで希釈した酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば、32Pまたは125I)にコンジュゲートさせた二次抗体(アルブミン融合蛋白質、例えば、抗−ヒト血清アルブミン抗体を認識する)をアプライし、洗浄バッファーでメンブレンを洗浄し、次いで、抗原の存在を検出することを含む。当業者は、検出されるシグナルを増大させ、およびバックグラウンドノイズを減少させるために修飾され得るパラメーターについて認識できよう。ウエスタンブロットプロトコルに関するさらなる議論については、例えば、Ausubelら,eds,1994,Current Protocol in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New York at 10.8.1を参照のこと。
ELISAは、抗原を作製し、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルを抗原でコーティングし、ウェルに結合しなかった抗原を洗い流し、酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)のごとき検出可能な化合物にコンジュゲートさせた本発明のアルブミン融合蛋白質(例えば、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む)をそのウェルへ加え、次いで、一定時間インキュベーションし、結合しなかったまたは非特異的に結合したアルブミン融合蛋白質を洗い流し、次いで、ウェルをコーティングしている抗原に特異的に結合した抗体またはアルブミン融合蛋白質の存在を検出することを含む。ELISAでは、抗体またはアルブミン融合蛋白質は検出可能な化合物にコンジュゲートさせる必要がなく;その代わりに、検出可能な化合物にコンジュゲートされている二次抗体(アルブミン融合蛋白質を認識する)をウェルに加えてもよい。さらに、抗原でウェルをコーティングする代わりに、抗体またはアルブミン融合蛋白質でウェルをコーティングしてもよい。この場合、検出可能な分子は、酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)のごとき検出可能な化合物にコンジュゲートさせた抗原であり得る。当業者は、検出されるシグナルを増大させるために修飾され得るパラメーターならびに当該技術分野において知られているELISAの他のバリエーションについて認識できよう。ELISAに関するさらなる議論については、例えば、Ausubelら,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New York at 11.2.1を参照のこと。
蛋白質、抗原、またはエピトープに対するアルブミン融合蛋白質の結合親和性および抗原−アルブミン融合蛋白質−蛋白質/抗原/エピトープ相互作用の解離速度は、競合的結合アッセイにより測定され得る。競合的結合アッセイの一例は、増大量の非標識抗原の存在下、抗体または本発明のアルブミン融合蛋白質と一緒に標識抗原(例えば、Hまたは125I)をインキュベーションし、次いで、標識抗原に結合した抗体を検出することを含むラジオイムノアッセイである。特定の蛋白質、抗原またはエピトープに対する抗体またはアルブミン融合蛋白質の親和性および結合の解離速度は、Scatchardプロット分析によりデータから決定され得る。同じ蛋白質、抗原またはエピトープに結合する抗体またはアルブミン融合蛋白質などの二次蛋白質との競合も、ラジオイムノアッセイを用いて決定することができる。この場合、蛋白質、抗原またはエピトープは、本発明のアルブミン融合蛋白質と同じ蛋白質、抗原またはエピトープに結合する増大量の非標識の第2の蛋白質の存在下、標識された化合物(例えば、Hまたは125I)にコンジュゲートさせた抗体またはアルブミン融合蛋白質と一緒にインキュベーションされる。
好ましい一の実施態様において、BIAcore動態分析を用いて、蛋白質、抗原またはエピトープに対する本発明の抗体またはアルブミン融合蛋白質の結合および解離速度を決定する。BIAcore動態分析は、特定のポリペプチド、抗原またはエピトープ、抗体またはアルブミン融合蛋白質をその表面上にそれぞれ固定化したチップへの、抗体、アルブミン融合蛋白質または特定のポリペプチド、抗原もしくはエピトープの結合およびそれからの解離を分析することを含む。
治療的使用
本発明はさらに、1またはそれ以上の開示された疾患、障害または状態を処置するために、本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質を動物、好ましくは哺乳類、および最も好ましくはヒト、患者に投与することを含む、抗体に基づく治療を対象とする。本発明の治療用化合物は、本発明の抗体(本明細書中記載されているような断片、そのアナログおよび誘導体を含む)、本発明の抗体をコードする核酸(本明細書中記載されているような断片、そのアナログおよび誘導体および抗−イディオタイプ抗体を含む)、治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質およびかかるアルブミン融合蛋白質をコードする核酸を含むが、これらに限定されない。本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、本明細書中記載されている任意の1またはそれ以上の疾患、障害または状態を含むがこれらに限定されない、治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患、障害または状態を処置、阻害または予防するために用いられ得る。治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患、障害または状態の処置および/または予防は、それらの疾患、障害または状態に関連する兆候を改善することを含むが、これらに限定されない。本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られているかまたは本明細書中記載されているような医薬上許容される組成物にて提供されてもよい。
特定および好ましい一の実施態様において、本発明は、神経障害、免疫系疾患、筋疾患、生殖器障害、胃腸疾患、肺障害、心血管疾患、腎障害、増殖性疾患および/または癌性疾患および状態および/または本明細書中別記されているものを含むがこれらに限定されない1またはそれ以上の疾患、障害または状態を処置するために、本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質を動物、好ましくは哺乳類、および最も好ましくはヒト、患者に投与することを含む、抗体に基づく治療を対象とする。本発明の治療用化合物は、本発明の抗体(例えば、哺乳類細胞の細胞表面で発現される全長蛋白質に対する抗体;治療用蛋白質のエピトープに対する抗体および本発明の抗体(本明細書中記載されるような断片、そのアナログおよび誘導体および抗−イディオタイプ抗体を含む)をコードする核酸)を含むが、これらに限定されない。本発明の抗体は、本明細書中記載されている任意の1またはそれ以上の疾患、障害または状態を含むがこれらに限定されない、治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患、障害または状態を処置、阻害または予防するために用いられ得る。治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患、障害または状態の処置および/または予防は、それらの疾患、障害または状態に関連する兆候を改善することを含むが、これらに限定されない。本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られているかまたは本明細書中記載されているような医薬上許容される組成物にて提供されてもよい。
本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質を治療的に用いてもよい方法には、体内の局所もしくは全身における、または例えば補体(CDC)またはエフェクター細胞(ADCC)により媒介されるような抗体の直接的な細胞障害性による治療用蛋白質の結合が含まれる。これらのアプローチの幾つかは以下により詳細に記載する。本明細書中にて提供される技法を用いて、当業者は、過度な実験を行うことなく、診断、モニタリングまたは治療のために、本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質をいかにして用いるかを認識しよう。
有利には、本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、他のモノクローナルまたはキメラ抗体、または例えば抗体と相互作用するエフェクター細胞の数または活性を増大するのに役立つリンホカインまたは造血成長因子(例えば、IL、2、IL−3およびIL−7のごとき)と組み合わせて用いられてもよい。
本発明の抗体または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、単独または他の種類の処置(例えば、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、免疫療法および抗腫瘍剤)と組み合わせて投与されてもよい。一般的に、患者と同じ種の起源または反応性(抗体の場合)を有する産物の投与が好ましい。故に、好ましい一の実施態様において、ヒト抗体、断片誘導体、アナログまたは核酸が治療または予防のためにヒト患者に投与される
その断片を含む本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを対象とするイムノアッセイおよびそれに関連する障害の治療の両方を目的として、治療用蛋白質、その断片または領域(またはかかる抗体に相関するアルブミン融合蛋白質)に対して、高親和性抗体および/またはインビボで強力な阻害抗体および/または中和抗体を用いることが、好ましい。かかる抗体、断片または領域は、好ましくは、その断片を含む本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドについて親和性を有する。好ましい結合親和性は、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M未満の解離定数またはKdを含む。より好ましい結合親和性は、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10M、5×10−8Mまたは10−8M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。さらにより好ましい結合親和性は、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13M、5×10−14M、10−14M、5×10−15Mまたは10−15M未満の解離定数またはKdを有するものを含む。
遺伝子治療
特定の一の実施態様において、治療用蛋白質または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質に結合する抗体をコードする配列を含む核酸を投与して、遺伝子治療により、治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患または障害を処置、阻害または予防する。遺伝子治療は、発現されたまたは発現可能な核酸を対象に投与することにより行われる治療を言う。本発明のこの実施態様において、核酸は、治療効果を介するそれらがコードした蛋白質を産生する。
当該技術分野において有用な遺伝子治療のための任意の方法は、本発明に従って用いられ得る。該方法の例は、本明細書中、より詳細に別記されている。
治療または予防活性の実証
好ましくは、本発明の化合物または医薬組成物は、ヒトにおいて使用する前に所望の治療または予防活性についてインビトロおよび次いでインビボにて試験される。例えば、化合物または医薬組成物の治療的または予防的有用性を実証するためのインビトロアッセイは、細胞株または患者組織試料への化合物の効果を含む。細胞株および/または組織試料への化合物または組成物の効果は、ロゼット形成アッセイおよび細胞溶解アッセイを含むがこれらに限定されない当業者に知られている技法を利用して決定され得る。本発明に従って、特定の化合物の投与が必要であるか否かを決定するために用いられ得るインビトロアッセイは、患者組織試料を培地で成長させ、次いで、化合物に曝露するかまたは化合物を投与し、次いで、組織試料への該化合物の効果を観察する、インビトロ細胞培養アッセイを含む。
治療的/予防的投与および組成物
本発明は、有効量の本発明の化合物または医薬組成物を対象へ投与することによる処置、阻害および予防方法を提供する。好ましい一の実施態様において、化合物は実質的に精製されている(例えば、実質的にその効果を限定するまたは所望されない副作用を生じる物質ではない)。好ましくは、対象は、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物を含むがこれらに限定されない動物であり、および好ましくは哺乳類であり、および最も好ましくはヒトである。
化合物が核酸または免疫グロブリンを含む場合、用いられ得る処方および投与方法は上記されている;さらなる適切な処方および投与経路は本明細書中以下に記載されているものから選択され得る。
様々なデリバリーシステムが知られており、および本発明の化合物を投与するために用いられ得る。例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル中へのカプセル化、化合物を発現し得る組換え細胞、受容体介在エンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu、J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987)を参照のこと)、レトロウイルスまたは他のベクターの部分としての核酸の構築などである。導入方法は、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外および/または経口経路を含むが、これらに限定されない。化合物または組成物は、任意の都合のよい経路、例えば、注入またはボーラス注射、上皮または皮膚粘膜を介する吸収(例えば、口腔粘膜、直腸および小腸粘膜など)により投与されてもよく、および他の生物活性剤と一緒に投与されてもよい。投与は、全身または局所投与であり得る。加えて、脳室内およびくも膜下腔内注入を含む任意の適当な経路により、医薬化合物または本発明の組成物を中枢神経系に導入することが所望されてもよい;脳室内注入は、例えばOmmayaリザ−バーのごときリザ−バーに取り付けられた脳室内カテーテルにより促進されてもよい。例えば、吸入器またはネブライザーおよびエアロゾル剤を伴う処方を用いた経肺投与も利用できる。
特定の一の実施態様において、本発明の医薬化合物または組成物を処置の必要な領域に局所的に投与することが所望されてもよい;これは、限定するものではないが、例えば、手術中の局所注入、例えば手術後の創傷包帯と併用する局所適用、注入、カテーテル、坐剤またはインプラントなどにより成し遂げられてもよい。該インプラントは、シアラスティック(sialastic)メンブレンのごときメンブレンまたはファイバーを含む、多孔質、非多孔質またはゼラチン物質である。好ましくは、抗体を含む本発明の蛋白質を投与する場合、蛋白質が吸収しない材料を用いるように注意が必要である。
別の実施態様において、化合物または組成物は、ベシクル、特にリポソーム中にて送達することができる(Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−BeresteinおよびFidler(eds.),Liss,New York,pp.353−365(1989);Lopez−Berestein,ibid.,pp.317−327を参照のこと;一般的に同書を参照のこと)。
さらなる別の実施態様において、化合物または組成物は、放出制御系にて送達することができる。一の実施態様において、ポンプが用いられてもよい(上記のLanger;Seflon,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら.,Surgery 88:507(1980);Saudekら.,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照のこと)。別の実施態様において、ポリマー物質が用いられ得る(Medical Application of Contorolled Release,LangerおよびWise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Florida(1974);Contolled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,SmolenおよびBall(eds.),Wiley,New York (1984);RangerおよびPeppas,J.,Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(1983)を参照のこと;Levyら.,Science228:190(1985);Duringら.,Ann.Neurol.25:351(1989);Howardら.,J.Neurosurg.71:105(1989)も参照のこと)。さらなる別の実施態様において、放出制御系は、治療標的、例えば脳の近傍に配置することができるので、全身用量のごく一部しか必要としない(例えば、上記のGoodson,Medical Application of Contorolled Release,vol.2,pp.115−138(1984)を参照のこと)。
他の放出制御系はLangerによる報文にて記載されている(Science 249:1527−1533(1990))。
本発明の化合物が蛋白質をコードする核酸である特定の一の実施態様において、適切な核酸発現ベクターの一部としてそれを構築し、そして、例えば、レトロウイルスベクター(米国特許第4,980,286号を参照のこと)を用いて、または直接注入により、または微粒子ボンバードメントを用いて(例えば、遺伝子銃;Biolistic、Dupont)、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤でコーティングして、または核に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドなどに連結させてこれを投与すること(例えば、Joliotら.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:1864−1868(1991)を参照のこと)により、細胞内に位置するように核酸をインビボにて投与し、それがコードする蛋白質の発現を改善することができる。別法では、相同組換えにより、核酸は細胞内に導入され、および発現のための宿主細胞DNA内に組み込まれる。
本発明は医薬組成物も提供する。かかる組成物は、治療上有効量の化合物および医薬上許容される担体を含む。特定の一の実施態様において、用語「医薬上許容される」は、動物、およびより具体的にはヒトにおける使用のために、連邦または州の規制当局により認可されているか、または米薬局方または一般的に認識されている他の薬局方に記載されているものを意味する。用語「担体」は、治療剤と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを言う。かかる医薬担体は無菌液体であり得、例えば、石油、動物、植物または合成に由来するもの、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む水および油である。医薬組成物が静脈内投与される場合、水は好ましい担体である。生理的食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も液体担体、特に注入可能な溶液として用いられ得る。適当な医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、ライス、コムギコ、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを含む。所望により、組成物は、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝化剤も含み得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、タブレット剤、ピル剤、カプセル剤、散剤、徐放性処方などの形態をとり得る。組成物は、伝統的な結合剤および担体、例えばトリグリセリドと共に坐剤として処方され得る。経口用処方は、標準的な担体、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含み得る。適当な医薬担体の例は、E.W.Martin.による“Remington’sPharmaceutical Science”に記載されている。かかる組成物は、適当量の担体と共に、好ましくは精製された形態の治療上有効量の化合物を含有することができ、患者への適切な投与のための形態を提供する。
好ましい一の実施態様において、組成物は、ヒトへの静脈内投与のために適合させた医薬組成物として、慣用法に従って処方される。典型的に、静脈内投与のための組成物は、滅菌等張水性バッファー中の溶液である。必要な場合、組成物は、溶解剤および局所麻酔剤、例えばリグノカインを含んでもよく、注入部位の痛みを緩和する。一般的に、成分は、例えば、活性剤の量を示すアンプルまたはサシェットのごとき密閉した容器中の凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、個別にまたは混合して、単位投与形態で供給される。組成物が注入投与される必要がある場合、それは、滅菌された医薬グレードの水または生理的食塩水を含む注入用ボトルを用いて投薬される。組成物が注入投与される場合、投与前に成分が混合され得るように、注入用の滅菌水または生理的食塩水のアンプルが提供され得る。
本発明の化合物は中性または塩形態として処方され得る。医薬上許容される塩は、アニオン、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、蓚酸、洒石酸などに由来するものを用いて形成されたものおよびカチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどをに由来するものを用いて形成されたものを含む。
治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患または障害の処置、阻害および予防において有効であり得る本発明の化合物の量は、標準的な診断技法により決定され得る。加えて、所望により、インビトロアッセイを最適な投与範囲の決定に役立ててもよい。処方中用いられる正確な用量は、投与経路および疾患または障害の重篤度に依存してもよく、および担当医師の判断および各患者の状況に従って決定されるべきである。有効量は、インビトロまたは動物モデル実験系から得られる用量反応曲線から推定されてもよい。
抗体については、患者に投与される用量は、典型的に、患者の体重の0.1mg/kg〜100mg/kgである。好ましくは、患者に投与される用量は、患者の体重の0.1mg/kg〜20mg/kgであり、より好ましくは、患者の体重の1mg/kg〜10mg/kgである。一般的に、ヒト抗体は、外来ポリペプチドに対する免疫応答に起因して、ヒト体内において他の種に由来する抗体よりも長い半減期を有する。故に、多くの場合、ヒト抗体はより少ない用量およびより少ない頻度での投与が可能となる。さらに、例えば脂質化などの修飾により、抗体の取り込みおよび組織浸透(例えば、脳への)を高めることにより、本発明の抗体の投与の用量および頻度は軽減されるてもよい。
診断およびイメージング
治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)(治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質を含む)に結合する標識抗体およびその誘導体およびアナログを診断目的のために用いて、治療用蛋白質の異常な発現および/または活性に関連する疾患、障害および/または状態を検出、診断またはモニターすることができる。本発明は、治療用蛋白質の異常な発現の検出を提供し、これは、(a)目的のポリペプチドに特異的な1またはそれ以上の抗体を用いて、個体の細胞または体液における治療用蛋白質の発現をアッセイし、次いで、(b)標準的な遺伝子発現レベルとその遺伝子発現レベルを比較することを含んでなり、ここで、標準発現レベルと比較して、アッセイした治療用蛋白質の発現レベルにおける増大または減少が異常な発現の指標となる。
本発明は、(a)治療用蛋白質または治療用蛋白質に特異的な抗体の変異体の少なくとも1つの断片を含むアルブミン融合蛋白質に特異的な1またはそれ以上の抗体を用いて、個体の細胞または体液における治療用蛋白質の発現をアッセイし、次いで、(b)標準的な遺伝子発現レベルとその遺伝子発現レベルを比較することを含む障害を診断するための診断アッセイを提供し、ここで、標準発現レベルと比較してアッセイした治療用蛋白質の発現レベルにおける増大または減少が特定の障害の指標となる。癌については、個体からの生検用組織における比較的大量の転写産物の存在が、疾患の発症についての素因の指標となってもよく、または実際に臨床徴候が出現する前に疾患を検出するための手段を提供してもよい。この種のより確定的な診断により、医療の専門家は、癌の発症またはさらなる進行をより早く予防する予防的手段または積極的処置を利用することができる。
本発明の抗体または治療用蛋白質に特異的な抗体の変異体の少なくとも1つの断片を含むアルブミン融合蛋白質を用いて、当業者に知られている古典的な免疫組織学的方法により、生体試料中の蛋白質レベルをアッセイできる(例えば、Jalkanenら.,J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanenら.,J.Cell.Bio 105:3087−3096(1987)を参照のこと)。蛋白質遺伝子発現を検出するために有用な他の抗体に基づく方法は、イムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)を含む。適当な抗体アッセイ標識は、当該技術分野において知られており、およびグルコースオキシダーゼのごとき酵素標識;放射性同位元素、例えば、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)およびテクネチウム(99Tc);ルミノールのごとき発光標識;およびフルオレセインおよびローダミンのごとき蛍光標識およびビオチンを含む。
本発明の一の態様は、動物、好ましくは哺乳類、および最も好ましくはヒトにおいて、治療用蛋白質の異常な発現に関連する疾患または障害を検出および診断することである。一の実施態様において、診断は:a)目的のポリペプチドに特異的に結合する標識された有効量の分子を(例えば、非経口、皮下または腹腔内により)対象へ投与し;b)投与後に一定時間待機して、治療用蛋白質を発現させる対象の部位に、標識分子を優先的に濃縮させ(および結合しなかった標識分子をバックグラウンドレベルまで浄化させる);c)バックグラウンドレベルを検出し;次いで、d)対象における標識分子を検出することを含み、検出された標識分子がバックグラウンドレベルより高ければ、対象が治療用蛋白質の異常な発現に関連する特定の疾患または障害を有することを示す。バックグラウンドレベルは、特定の系について予め決定された標準値に対して検出された標識分子の量を比較することを含む様々な方法により決定することができる。
当業者であれば、対象の大きさおよび用いられるイメージング系が、診断画像の作成に必要なイメージング部分の量を決定することが理解されよう。放射性同位元素部分の場合、ヒト対象については、注入される放射能の量は、通常、約5〜20ミリキュリーの範囲の99mTcであり得る。標識抗体、抗体断片、または治療用蛋白質に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質は、次いで、特定の治療用蛋白質を含む細胞の特定の位置に選択的に蓄積し得る。インビボでの腫瘍イメージングは、S.W.Burchielら.、”Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments.” (Chapter 13 in Tumor Imaging:The Radiochemical detectino of Cancer,S.W.Burchiel and B.A.Rhodes,eds.,Masson Publishing Inc.(1982))において記載されている。
用いる標識の型および投与方法を含む幾つかの変数に応じて、標識分子を対象中の部位に優先的に濃縮させ、および非標識分子をバックグラウンドレベルまで浄化させるための、投与後の時間間隔は、6〜48時間または6〜24時間または6〜12時間である。別の実施態様において、投与後の時間間隔は5〜20日または5〜10日である。
一の実施態様において、疾患または障害のモニタリングは、例えば、初めの診断から1ヶ月後、初めの診断から6ヶ月後、初めの診断から1年後などに、疾患または障害を診断するための方法を繰り返すことにより行われる。
標識された分子の存在は、インビボスキャニングについて当該技術分野において知られている方法を用いて患者において検出され得る。これらの方法は、用いる標識の型に依存する。当業者は、特定の標識を検出するための適切な方法を決定できよう。本発明の診断方法において用いられてもよい方法および装置は、コンピュ−タ連動断層撮影法(CT)、陽電子放出断層撮影法(PET)のごとき全身スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)および超音波検査を含むが、これらに限定されない。
一の特定の実施態様において、分子は放射性同位元素を用いて標識され、および放射線応答手術装置を用いて患者において検出される(Thurstonら.、米国特許第5,441,050号)。別の実施態様において、分子は蛍光化合物を用いて標識され、および蛍光応答スキャニング装置を用いて患者において検出される。別の実施態様において、分子は陽電子放出金属を用いて標識され、および陽電子放出断層撮影法を用いて患者において検出される。さらなる別の実施態様において、分子は常磁性標識を用いて標識され、および磁気共鳴画像法(MRI)を用いて患者において検出される。アルブミン融合蛋白質を特異的に検出し、アルブミンまたは治療用蛋白質単独では検出しない抗体は好ましい一の実施態様である。本明細書にわたって記載されているように、これらはアルブミン融合蛋白質を検出するために用いられ得る。
キット
本発明は、上記方法において用いられ得るキットを提供する。一の実施態様において、キットは、1またはそれ以上の容器中に一の抗体、好ましくは精製された一の抗体を含む。一の特定の実施態様において、本発明のキットは、キット中に含まれる一の抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープを含む、実質的に単離されたポリペプチドを含む。好ましくは、本発明のキットはさらに、目的のポリペプチドと反応しない一の対照抗体を含む。別の特定の実施態様において、本発明のキットは、抗体と目的のポリペプチドの結合を検出するための手段を含む(例えば、抗体は、検出可能な基質、例えば、蛍光化合物、酵素基質、放射性化合物または発光化合物にコンジュゲートされていてもよく、または一次抗体を認識する二次抗体が検出可能な基質にコンジュゲートされていてもよい)。
本発明の別の特定の実施態様において、キットは、増殖性および/または癌性ポリヌクレオチドおよびポリペプチドに対して特異的な抗体を含む血清のスクリーニングにおいて用いるための診断キットである。かかるキットは、目的のポリペプチドと反応しない一の対照抗体を含んでもよい。かかるキットは、少なくとも1つの抗−ポリペプチド抗原抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープを含む、実質的に単離されたポリペプチド抗原を含む。さらに、かかるキットは、該抗体と抗原の結合を検出するための手段を含む(例えば、抗体は、フローサイトメトリーにより検出され得るフルオレセインまたはローダミンのごとき蛍光化合物にコンジュゲートされていてもよい)。特定の実施態様において、キットは、組換えにより産生されたまたは化学的に合成されたポリペプチド抗原を含んでもよい。キットのポリペプチド抗原は、固体支持体に結合させてもよい。
より特定の一の実施態様において、上記キットの検出手段は、ポリペプチド抗原を結合させる固体支持体を含む。かかるキットは、非結合のレポーター標識抗ヒト抗体も含んでもよい。この実施態様において、抗体とポリペプチド抗原の結合は、該レポーター標識抗体の結合により検出され得る。
さらなる一の実施態様において、本発明は、本発明のポリペプチドの抗原を含む血清のスクリーニングにおいて用いるための診断キットを含む。診断キットは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド抗原と特異的に免疫反応性である実質的に単離された抗体およびポリヌクレオチドまたはポリペプチド抗原と抗体の結合を検出するための手段を含む。一の実施態様において、抗体は固体支持体に結合される。特定の一の実施態様において、抗体はモノクローナル抗体であってもよい。キットの検出手段は、2番目の、標識されたモノクローナル抗体を含んでもよい。或いはまたは加えて、検出手段は、標識された競合抗原を含んでもよい。
一の診断形態では、試験血清を、本発明の方法により得られた表面結合抗原を有する固相試薬と反応させる。特定の抗原抗体と試薬を結合させ、次いで、洗浄により結合されていない血清成分を除去した後、試薬をレポーター標識された抗−ヒト抗体と反応させ、固体支持体上に結合させた抗−抗原抗体の量に比例して、レポーターと試薬を結合させる。試薬を再度洗浄し、結合されていない標識抗体を除去し、次いで、試薬に関連するレポーターの量を測定する。典型的に、レポーターは、適当な蛍光性、発光または比色分析用基質(Sigma、セントルイス、MO)の存在下、固相をインキュベーションすることにより検出される酵素である。
上記アッセイの固体表面試薬は、蛋白質物質を固体支持物質、例えば、ポリマービーズ、ディップスティック、96−ウェルプレートまたはフィルター物質に付着させるために知られている技法により、作製する。これらの付着方法は、一般的に、支持体への蛋白質の非特異的吸着、または、典型的に遊離アミン基を介する、固体支持体上の化学的に反応性のある基、例えば、活性化されたカルボキシル、ヒドロキシルまたはアルデヒド基と蛋白質との共有結合を含む。別法では、ストレプトアビジンでコーティングしたプレートを、一または複数のビオチン化抗原と併用することができる。
故に、本発明は、この診断方法を実施するためのアッセイ系またはキットを提供する。キットは一般的に、表面に組換え抗原が結合した支持体、および表面に結合した抗−抗原抗体を検出するためのレポーター標識抗−ヒト抗体を含む。
アルブミン融合蛋白質
本発明は、一般的に、アルブミン融合蛋白質および疾患または障害の処置、予防、または改善方法に関する。本明細書中用いる「アルブミン融合蛋白質」は、アルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子と治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子の融合により形成された蛋白質を言う。本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくとも1つの断片もしくは変異体を含み、それらは好ましくは遺伝学的融合(すなわち、アルブミン融合蛋白質は核酸の翻訳により生じ、ここで、治療用蛋白質の全てまたは一部をコードするポリヌクレオチドは、アルブミンの全てまたは一部をコードするポリヌクレオチドのフレーム内に連結される)により互いに関連付けられるかまたは互いを関連付ける。治療用蛋白質およびアルブミン蛋白質はアルブミン融合蛋白質の部分であるならば、それぞれ、アルブミン融合蛋白質の「部分」、「領域」または「一部」と言われてもよい。
好ましい一の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドによりコードされるアルブミン融合蛋白質または表1または表2に記載のアルブミン融合コンストラクトを提供する。これらのアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドも本発明に含まれる。
好ましい本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドのフレーム内に連結されたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含む或いはそれからなる核酸分子;表1、表2または実施例に記載のように作製した治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドのフレーム内に連結されたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含む或いはそれからなる核酸分子;または治療用蛋白質(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドのフレーム内に連結されたアルブミン(またはその断片もしくは変異体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含む或いはそれからなる核酸分子であって、さらに例えば1またはそれ以上の以下のエレメント:(1)機能的な自己複製ベクター(シャトルベクター、発現ベクター、組み込みベクターおよび/または複製系を含むが、これらに限定されない)、(2)転写開始領域(例えば、制御または誘導プロモーター、構成的プロモーターのごときプロモーター領域)、(3)転写終結領域、(4)リーダー配列、および(5)選択マーカーを含む核酸分子によりコードされたアルブミン融合蛋白質を含むが、これらに限定されない。
一の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質(例えば、表1に記載のような)および血清アルブミン蛋白質を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。他の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質の生物活性および/または治療活性のある断片および血清アルブミン蛋白質を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。他の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質の生物活性および/または治療活性のある変異体および血清アルブミン蛋白質を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい実施態様において、アルブミン融合蛋白質の血清アルブミン蛋白質成分は血清アルブミンの成熟部分である。
さらなる実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミンの生物活性および/または治療活性のある断片を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。さらなる実施態様において、本発明は、治療用蛋白質および血清アルブミンの生物活性および/または治療活性のある変異体を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は治療用蛋白質の成熟部分である。
さらなる実施態様において、本発明は、治療用蛋白質の生物活性および/または治療活性のある断片もしくは変異体および血清アルブミンの生物活性および/または治療活性のある断片もしくは変異体を含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。好ましい実施態様において、本発明は、治療用蛋白質の成熟部分および血清アルブミンの成熟部分含む或いはそれからなるアルブミン融合蛋白質を提供する。
好ましくは、アルブミン融合蛋白質はN−末端部分としてHAおよびC−末端部分として治療用蛋白質を含む。別法では、アルブミン融合蛋白質はC−末端部分としてHAを含み、および治療用蛋白質をN−末端部分として用いてもよい。
他の実施態様において、アルブミン融合蛋白質は、アルブミンのN−末端およびC−末端の両方に融合された治療用蛋白質を有する。好ましい一の実施態様において、N−およびC−末端に融合された治療用蛋白質は同じ治療用蛋白質である。別の好ましい実施態様において、N−およびC−末端に融合された治療用蛋白質は異なる治療用蛋白質である。別の好ましい実施態様において、N−およびC−末端に融合された治療用蛋白質は、同じまたは関連する疾患、障害または状態(例えば、表1の「好適な適応症Y」の欄に記載のような)を処置または予防するために用いられてもよい異なる治療用蛋白質である。別の好ましい実施態様において、N−およびC−末端に融合された治療用蛋白質は、当該分野において一般的に、同時に、一緒に、または連続して患者に生じることが知られているか、または一般的に互いに関連して患者に生じる疾患または障害(例えば、表1の「好適な適応症Y」の欄に記載のような)を処置、改善または予防するために用いられてもよい異なる治療用蛋白質である。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、本発明のアルブミン融合蛋白質のN−またはC−末端および/またはアルブミンまたはその変異体のN−またはC−末端に融合された特定の治療用蛋白質Xまたはその変異体の1、2、3、4またはそれ以上の分子を含む蛋白質を包含する。特定の治療用蛋白質Xまたはその変異体の分子は、「頭部−頭部」の配向(例えば、治療用蛋白質Xの1つの分子のN−末端が治療用蛋白質Xの他の分子のN−末端に融合されている)、または「頭部−尾部」の配向(例えば、治療用蛋白質Xの1つの分子のC−末端治療用蛋白質Xの他の分子のN−末端に融合されている)を含むがこれらに限定されない、様々な配向性であってもよい。
一の実施態様において、1、2、3またはそれ以上のタンデムに配向した治療用蛋白質Xポリペプチド(またはその断片もしくは変異体)は、本発明のアルブミン融合蛋白質のN−またはC−末端および/またはアルブミンまたはその変異体のN−および/またはC−末端に融合される。
本発明のアルブミン融合蛋白質はさらに、本発明のアルブミン融合蛋白質のN−またはC−末端および/またはアルブミンまたはその変異体のN−および/またはC−末端に融合されている特定の治療用蛋白質Xまたはその変異体の1、2、3、4またはそれ以上の分子を含む蛋白質も包含し、ここで、分子はペプチドリンカーにより連結されている。例えば、米国特許第5,073,627号(出典明示により本明細書の一部となる)に記載されているペプチドリンカーを含む。ペプチドリンカーにより分離されている複数の治療用蛋白質Xポリペプチドを含むアルブミン融合蛋白質は、慣用的な組換えDNA技法を用いて産生されてもよい。小さなペプチドを大きなHASへ融合する場合、分子リンカーは特に重要である。ペプチドそれ自体がペプチドのタンデムコピーを融合させるリンカーであり得、または他の知られているリンカーが用いられ得る。リンカーを含むコンストラクトは表2に記載されているか、または配列番号:Yを検討することにより明らかである。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質は、分子内および/または分子間の多量体形態を形成させるように、治療用蛋白質Xまたはその変異体をアルブミンまたはその変異体のN−末端および/またはのC−末端に融合させることにより産生されてもよい。本発明の一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質は、モノマーまたは多量体形態(すなわち、二量体、三量体、四量体およびそれ以上の多量体)であってもよい。本発明のさらなる一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は、モノマー形態または多量体形態(すなわち、二量体、三量体、四量体およびそれ以上の多量体)であってもよい。特定の一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分は、多量体形態(すなわち、二量体、三量体、四量体およびそれ以上の多量体)であり、およびアルブミン蛋白質部分はモノマー形態である。
アルブミン部分が治療用蛋白質部分のN−末端および/またはC−末端に融合されているアルブミン融合蛋白質に加えて、本発明のアルブミン融合蛋白質は、目的の治療用蛋白質またはペプチド(例えば、表1に開示されるような治療用蛋白質X、または治療用蛋白質に結合する抗体またはその断片もしくは変異体)をHANの内部領域へ挿入することにより産生されてもよい。例えば、HA分子の蛋白質配列内には、多数のループまたはターンが、α−へリックスの終点と始点の間に存在し、それらはジスルフィド結合により安定化されている。HAの結晶構造から決定されるようなループ(PDB識別 1A06、1BJ5、IBKE、IBMO、IE7E〜IE71およびIUOR)は大部分が分子本体から離れて延びる。これらのループは、治療活性のあるペプチド、特に機能するために二次構造を必要とするものを挿入または内部融合して、特定の生物活性を有するアルブミン分子を本質的に産生するために有用である。
ペプチドまたはポリペプチドが挿入されて本発明のアルブミン融合蛋白質を産生し得るヒトアルブミン構造中のループは:Va154−Asn61、Thr76−Asp89、A1a92−G1ulOO、G1nl70−A1al76、His247−Glu252、Glu266−Glu277、Glu280−His288、Ala362−Glu368、Lys439−Pro447、Val462−Lys475、Thr478−Pro486およびLys560−Thr566を含む。より好ましい実施態様において、ペプチドまたはポリペプチドは、成熟ヒトアルブミン(配列番号:1)のVal54−Asn6l、Glnl70−Alal76、および/またはLys560−Thr566ループへ挿入される。
挿入しようとするペプチドは、特定の生物活性についてスクリーニングされたファージディスプレイまたは合成ペプチドのいずれか、或いは所望の機能を有する分子の活性部分に由来する。さらに、特定のループ内で、またはランダム化したペプチドをHA分子の特定のループ中へ挿入することにより、ランダムペプチドライブラリーを作製してもよく、ここでは、アミノ酸の全ての可能な組み合わせが示される。
かかる一または複数のライブラリーは、以下の方法の1つにより、HAまたはHAのドメイン断片上で作製することができる:
HAまたはHAドメイン断片の1またはそれ以上のペプチドループ内でのアミノ酸のランダム突然変異。この方法により、1ループ内の1以上または全ての残基を突然変異させることができる;
1またはそれ以上のループへの、長さXn(ここで、Xはアミノ酸であり、およびnは残基の数である)の一または複数のランダム化ペプチドのHAまたはHAのドメイン断片(すなわち、内部融合)の置換または挿入;
(a)および/または(b)に加えて、N−,C−またはN−およびC−末端ペプチド/蛋白質融合。
HAまたはHAドメイン断片は、異なる標的に対する異なるループの異なるスクリーニングに由来するペプチドを、同じHAまたはHAのドメイン断片へ融合させることにより、多機能化されてもよい。
好ましい実施態様において、ヒト血清アルブミンのループ中へ挿入されたペプチドは、表1に開示される治療用蛋白質のペプチド断片またはペプチド変異体である。より具体的には、本発明は、ヒト血清アルブミンのループ中へ挿入された、少なくとも7個少なくとも8、個少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個または少なくとも40個のアミノ酸長のペプチド断片またはペプチド変異体を含むアルブミン融合蛋白質を包含する。本発明は、ヒト血清アルブミンのN−末端に融合された、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個または少なくとも40個のアミノ酸長のペプチド断片またはペプチド変異体を含むアルブミン融合蛋白質も包含する。本発明は、ヒト血清アルブミンのC−末端に融合された、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個または少なくとも40個のアミノ酸長のペプチド断片またはペプチド変異体を含むアルブミン融合蛋白質も包含する。例えば、表1および2(例えば、治療用Y)に記載の短いペプチドをアルブミンループ中に挿入することができる。
一般的に、本発明のアルブミン融合蛋白質は、1つのHAに由来する領域および1つの治療用蛋白質に由来する領域を有してもよい。しかし、蛋白質の複数の領域は、本発明のアルブミン融合蛋白質を作製するために用いられてもよい。同様に、1個以上の治療用蛋白質は本発明のアルブミン融合蛋白質を作製するために用いられてもよい。例えば、治療用蛋白質はHAのN−およびC−末端の両方に融合されてもよい。このような形態では、治療用蛋白質部分は同じまたは異なる治療用蛋白質分子であってもよい。二重機能性アルブミン融合蛋白質の構造はmX−HA−YまたはY−HA−Xのように表されてもよい。
例えば、抗−BLyS(登録商標)scFv−HA−IFNa−2b融合物を作製し、抗−BLySTMscFvによるIFNa−2bに対する免疫応答を調節してもよい。別法では、2(または多)機能性用量のHA−融合物、例えば、機能、半減期などに応じて様々な比で、HA−抗−BLySTMscFv融合物または他のHA−融合物と混合されたHA−IFNa−2b融合物を作製する。
二重−または多機能性アルブミン融合蛋白質を作製して、HAの反対側の末端にある蛋白質またはペプチドを介して、融合物の治療用蛋白質部分を標的の器官または細胞型へターゲッティングさせもよい。
知られている治療用分子の融合物の代替物として、ペプチドは、典型的に6、8、12、20または25またはX(ここで、Xはアミノ酸(aa)であり、およびnは残基の数である)のランダム化アミノ酸からなる、HAのN−、C−またはN−およびC−末端またはHAのドメイン断片との融合物として構築されたライブラリーをスクリーニングすることにより得ることができ、ここでは、アミノ酸の全ての可能な組み合わせが示される。このアプローチの特に有利な点は、ペプチドをHA分子上でインサイツで選択してもよいこと、それ故に、そのペプチドの特性を、任意の他の方法により誘導し、次いで、HAに結合させたペプチドの場合と同様に潜在的に変更することなく、選択できることである。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質は、融合された部分の間のリンカーペプチドを含ませ、部分間の物理的距離を増加させることによって、例えば同族受容体に対する結合についての治療用蛋白質の部分の接近可能性を最大化することができる。リンカーペプチドは、それの柔軟性または剛性を高めるようなアミノ酸から構成されてもよい。
リンカー配列は、プロテアーゼまたは化学的に開裂されて、成長ホルモン関連部分を産生してもよい。好ましくは、プロテアーゼは、宿主により自然に生じるものであり、例えばS.cerevisiaeプロテアーゼkex2またはそれに同等なプロテアーゼである。
それ故に、上記のように、本発明のアルブミン融合蛋白質は、以下の式R1−LR2;R2−L−R1;またはR1−L−R2−L−R1を有してもよく、ここで、R1は少なくとも1つの治療用蛋白質、ペプチドまたはポリペプチド配列であり、および必ずしも同じ治療用蛋白質である必要はなく、Lはリンカーであり、およびR2は血清アルブミン配列である。
好ましい実施態様において、治療用蛋白質を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、アルブミンに融合されていない同じ治療用蛋白質の血漿安定性に比べてより高い血漿安定性を有する。典型的に、血漿安定性は、治療用蛋白質がインビボ投与され、そして血流中にもたらされてから、治療用蛋白質が分解され、そして血流から、最終的に治療用蛋白質を排除する腎臓または肝臓のごとき器官中へ排除されるまでの時間を言う。血漿安定性は、血流中の治療用蛋白質の半減期に関して算出される。血流中の治療用蛋白質の半減期は、当該技術分野において知られている一般的なアッセイにより容易に決定され得る。
好ましい実施態様において、治療用蛋白質を含む本発明のアルブミン融合蛋白質は、アルブミンに融合されていない同じ治療用蛋白質の貯蔵寿命に比べて延長された貯蔵寿命を有する。典型的に、貯蔵寿命は、溶液中または幾つかの他の貯蔵用処方中の治療用蛋白質の治療活性が、治療活性の過度の損失を伴うことなく安定である期間を言う。多くの治療用蛋白質は、非融合状態において非常に不安定である。以下に述べるように、これらの治療用蛋白質の典型的な貯蔵寿命は、本発明のアルブミン融合蛋白質中に組み込まれると、著しく延長される。
「延長された」または「拡大された」貯蔵寿命を有する本発明のアルブミン融合蛋白質は、同じ貯蔵および取扱い条件を受ける標準型と比較して、より高い治療活性を示す。基準型は、非融合の全長治療用蛋白質であってもよい。アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分がアナログ、変異体であるか、またはそうでなければ改変されているか、またはその蛋白質についての完全な配列を含んでいない場合、別法として、治療活性の延長は、アナログ、変異体、改変されたペプチドまたは不完全な配列の非融合等価物と比較されてもよい。例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質は、特定の時間ポイントで比較した場合、基準と同じ貯蔵および取扱い条件に曝されている基準の治療活性の約100%よりも高い治療活性、または約105%、110%、120%、130%、150%または200%よりも高い治療活性を保持していてもよい。
貯蔵寿命を、貯蔵後に残存する治療活性に関して評価し、貯蔵開始時の治療活性に対して正規化してもよい。延長されたまたは拡大された貯蔵寿命を有する本発明のアルブミン融合蛋白質は、同じ条件に曝されている融合されていない対応する治療用蛋白質の治療活性の約50%よりも高い治療活性、約60%、70%、80%または90%またはそれ以上よりも高い治療活性を保持していてもよい。
融合蛋白質の発現
本発明のアルブミン融合蛋白質は、酵母、細菌のごとき微生物またはヒトまたは動物細胞株からの分泌により、組換え分子として産生されてもよい。好ましくは、ポリペプチドは宿主細胞から分泌される。
本発明の一の特定の実施態様は、酵母における分泌を導くために有効なシグナル配列、特に酵母に由来するシグナル配列(特に、酵母宿主に相同なもの)をコードするDNAコンストラクトと、本発明の初めの態様の融合された分子を含み、シグナルおよび成熟ポリペプチドの間には酵母由来のプロ配列はない。
酵母(Saccharomyces cerevisiae)インベルターゼシグナルは、酵母に由来するシグナル配列の好ましい例である。
別々に調製されたポリペプチドが化学架橋結合により連結されている、Poznanskyら(FEBS Lett.239:18(1988))により調製された類のコンジュゲートは、熟慮されない。
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質を発現するように形質転換させた細胞、好ましくは酵母細胞も含む。形質転換させた宿主細胞それ自体に加えて、本発明は、栄養培地中のそれらの細胞の培養物、好ましくはモノクローナル(クローン的に同種)培養物、またはモノクローナル培養物に由来する培養物も含む。ポリペプチドが分泌されるならば細胞を伴って、またはそれらが濾過または遠心分離により除かれるならば細胞を伴わずに、培地はポリペプチドを含み得る。細菌(例えば大腸菌および枯草菌(Bacillus subtilis))、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae,Kluyveromyces lactisおよびPichia pastoris、糸状真菌(例えば、アスペルギルス属)、植物細胞、動物細胞および昆虫細胞を含む多くの発現系が知られており、および用いられてもよい。
アルブミン融合蛋白質の産生において用いられるべき好ましい酵母株は、D88、DXY1およびBXP10である。D88[leu2−3、leu2−122、canl、pral、ubc4]は、親株AH22his(DB1としても知られている;例えば、Sleepら.Biotechnology 8:42−46(1990)を参照のこと)の誘導体である。該株は、leu2突然変異を含み、これにより、LEU2遺伝子を含む2ミクロン単位のプラスミドの栄養要求性選択が可能となる。D88は、グルコース過剰において、PRB1の抑制も示す。通常、PRB1プロモーターは、グルコースレベルおよび成長段階をモニターする2つのチェックポイントにより制御される。該プロモーターは、グルコースが枯渇し、定常期に入ると、野生型酵母において活性化される。系D88はグルコースによる抑制を示すが、定常期へ入ると、誘導を維持する。PRA1遺伝子は、ERに位置する酵母液胞プロテアーゼであるYscAエンドプロテアーゼAをコードする。UBC4遺伝子はユビキチン化経路に存在し、ユビキチン依存性分解のために、短命および異常な蛋白質のターゲッティングに関与する。このubc4突然変異の単離は、細胞中の発現プラスミドのコピー数を増大させ、および該プラスミドから発現される所望の蛋白質の発現レベルの増大を惹起することが見出されている(例えば、国際公開番号 W099/00504を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。
D88の誘導体であるDXY1は、以下の遺伝子型:[leu2−3、leu2−122、canl、pral、ubc4、ura3:.yap3]を有する。D88において単離した突然変異に加えて、この株は、YAP3プロテアーゼのノックアウトも有する。このプロテアーゼは、主に二塩基性の残基(RR、RK、KR、KK)の開裂を惹起するが、蛋白質中の一塩基性の残基における開裂も促進し得る。このyap3突然変異の単離は、全長HSAの生産レベルをもたらした(例えば、米国特許第5,965,386号およびKerry−Williamsら.,Yeast14:161−169(1998)を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。
BXP10は以下の遺伝子型:leu2−3、leu2−122、canl、pral、ubc4、ura3、yap3::URA3、lys2、hspl50::LYS2、pmtl::URA3を有する。DXYIにおいて単離された突然変異に加えて、この株はPMTI遺伝子およびHSP150遺伝子のノックアウトも有する。PMT1遺伝子は、ドリキル−ホスフェートD−マンノ−ス蛋白質O−マンノシルトランスフェラーゼ(Pmts)の進化的に保存されたファミリーのメンバーである。Pmtlpの膜貫通トポロジーは、O−結合したグリコシル化に関与する小胞体の内在性膜蛋白質であることを示す。この突然変異は、HSA融合物のO−結合したグリコシル化を減少/除去するために役立つ(例えば、国際公開番号WO00/44772を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。研究は、HsplS0蛋白質がイオン交換クロマトグラフィーによりrHAから非効率的に分離されることを明らかにした。HSP150遺伝子における突然変異は、標準的な精製技法では除去が困難であることが証明されている潜在的な汚染を除去する。例えば、米国特許第5,783,423号を参照のこと、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
所望の蛋白質は、慣用的な方法、例えば宿主染色体へ挿入されたコーディング配列から、または遊離プラスミド上で産生する。酵母は、通常の任意の方法、例えばエレクトロポレーションにより、所望の蛋白質についてのコーディング配列を用いて形質転換される。エレクトロポレーションによる酵母の形質転換のための方法は、Becker&Guarente(1990)Methods Enzymol.194,182に開示されている。
好適に形質転換した細胞、すなわち、本発明のDNAコンストラクトを含む細胞は、よく知られている技法により同定できる。例えば、発現コンストラクトの導入から得られる細胞を成長させて、所望のポリペプチドを産生することができる。細胞を回収し、次いで、溶解し、次いで、Southern(1975)J.Mol.Biol.98,503またはBerentら.(1985)Biotech.3,208により記載のような方法を用いて、そのDNA内容物をDNAの存在について調べることができる。別法では、抗体を用いて、上清中の蛋白質の存在を検出することができる。
有用な酵母プラスミドベクターは、pRS403−406およびpRS413−416を含み、および一般的にStratagene Cloning Systems,La Jolla,CA92037,USAから入手可能である。プラスミドpRS403、pRS404、pRS405およびpRS406は、酵母組込みプラスミド(Ylps)であり、酵母選択マーカーHIS3、7RPI、LEU2およびURA3を組み込む。プラスミドpRS413416は、酵母セントロメアプラスミド(Ycps)である。
酵母における発現用のアルブミン融合蛋白質を作製するために好ましいベクターは、pPPC0005、pScCHSA、pScNHSAおよびpC4:HSAを含み、これらは実施例1に詳しく記載する。図2は、基本ベクターとして用いることができるpPPC0005プラスミドのマップを示し、ここへ、治療用蛋白質をコードするポリヌクレオチドをクローニングして、HA−融合物を形成してもよい。それは、PRBIS.cerevisiaeプロモーター(PRBlp)、融合リーダー配列(FL)、HA(rHA)をコードするDNAおよびADHI S.cerevisiaeターミネーター配列を含む。融合リーダー配列の配列は、ヒト血清アルブミン(配列番号:3)のシグナルペプチドの初めの19個のアミノ酸および接合因子アルファ1プロモーターの最後の5個のアミノ酸からなる(SLDKR、EP−A−387319を参照のこと、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。
プラスミド、pPPC0005、pScCHSA、pScNHSAおよびpC4:HSAは、2001年4月11日に、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209へ寄託され、それぞれ寄託番号ATCC PTA−3278、PTA−3276、PTA−3279およびPTA−3277を付与された。酵母においてアルブミン融合蛋白質を発現するために有用な他のベクターは、Sleepら.,BioTechnology8:42(1990)に記載されているpSAC35ベクターであり、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
アルブミン融合蛋白質を発現させるために用いることのできる酵母プロモーターはMET25プロモーターである。例えば、Dominik Mumburg,Rolf Muller およびMartin Funk.Nucleic Acids Research,1994,Vol.22,No.25,pp.5767−5768を参照のこと。Met25プロモーターは383塩基長(塩基−382ないし−1)であり、およびこのプロモーターにより発現される遺伝子は、MetlS,Metl7およびYLR303Wとしても知られている。好ましい一の実施態様は、以下の配列を利用し、ここで、クローニングにおいて用いられる該配列の5’末端のNot1部位に下線が引かれ、および3’末端のATG開始コドンに下線が引かれている:
Figure 0005568582
酵母においてアルブミン融合蛋白質を発現させるために用いられ得るさらなるプロモーターは、以下の:
a)cbhIプロモーター:
Figure 0005568582
b)Aspergillus nidulansに由来するcysDプロモーター:
Figure 0005568582
c)配列:
Figure 0005568582
を有する修飾cbh1プロモーター
d)配列
Figure 0005568582
を有するAspergillus nidulansに由来するcysDプロモーター
を含む。
相補的付着末端を介してベクターへDNAを作動的に連結させるための様々な方法が開発されている。例えば、相補的なホモポリマー領域を、DNAへ挿入しようとするDNAセグメントへ付加することができる。次いで、ベクターおよびDNAセグメントは、相補的なホモポリマーテールの間の水素結合により連結され、組換えDNA分子を形成する。
1またはそれ以上の制限部位を含む合成リンカーは、ベクターへDNAセグメントを連結するための代替法を提供する。エンドヌクレアーゼ制限消化により生じるDNAセグメントは、バクテリオファージT4DNAポリメラーゼまたは大腸菌DNAポリメラーゼ1を用いて処理し、これらの酵素が、3’5’−エキソヌクレアーゼ活性をもつ、突出したガンマ一本鎖末端を除去し、その重合活性によって、くぼんだ3’末端を充填する。
それ故に、これらの活性の組み合わせは、平滑末端のDNAセグメントを生じる。次いで、平滑末端セグメントを、平滑末端DNA分子のライゲーションを触媒することのできる酵素、例えば、バクテリオファージT4DNAリガーゼの存在下、多大なモル過剰のリンカー分子と共にインキュベーションする。故に、その反応産物は、その末端にポリマーリンカー配列を有するDNAセグメントである。次いで、これらのDNAセグメントは、適切な制限酵素を用いて開裂され、およびDNAセグメントのものと適合する末端を生じる酵素を用いて分解された発現ベクターへライゲートされる。
様々な制限エンドヌクレアーゼ部位を含む合成リンカーは、International Biotechnologies Inc,New Haven,CT,USAを含む多数の供給元から市販されている。
例えば、HA変異体を作製する必要があるならば、本発明に従ってDNAを修飾するために望ましい方法は、Saikiら.(1988)Science239、487491により記載されているように、ポリメラーゼ連鎖反応を用いることである。この方法では、酵素的に増幅しようとするDNAに、2つの特定のオリゴヌクレオチドプライマーを隣接させ、これを増幅DNAに組み込ませる。特定のプライマーは、当該技術分野において知られている方法を用いて発現ベクター中にクローニングするために用いられ得る制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含んでもよい。
アルブミン融合蛋白質を発現するための宿主として本発明の実施において有用であると熟慮される酵母の属の例は、ピキア属(Pichia)(ハンセヌラ属(Hansenula))、サッカロミセス属(Saccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンジダ属(Candida)、トルロプシス属(Torulopsis)、トルラスポラ属(Torulaspora)、シゾサッカロミセス属(SchizoSaccharomyce)、サイテロミセス属(Citeromyces)、パキソレン属(Pachysolen)、デバロミセス属(Debaromyces)、ミチニコウィア属(Metschunikowia)、ロドスポリウジウム(Rhodosporidium)、ロイコスポリジウム属(Leucosporidium)、ボトリオアスクス属(Botryoascus)、スポリディオボルス属(Sporidiobolus)、エンドミコプシス属(Endomycopsis)などである。好ましい属は、サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizo Saccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia)およびトルラスポラ属(Torulaspora)からなる群より選択されるものである。サッカロミセス属(Saccharomyces spp.)の例は、S.cerevisiae、S.italicusおよびS.rouxiiである。
クルイベロミセス属の例は、K.fragilis、K.lactisおよびK.marxianusである。適当ナートルラスポラの属種はT.delbrueckiiである。ピキア属(Pichia(Hansenula)spp.)の例はP.angusta(以前はH.polymorpha)、P.anomala(以前はH.anomala)およびP.pastorisである。S.cerevisiaeの形質転換方法は、一般的に、EP 251 744、EP 258 067およびWO 90/01063にて教示されており、該文献の全ては出典明示により本明細書の一部となる。
サッカロミセス属の好ましい種の例は、S.cerevisiae、S.italicus、S.diastaticusおよびZygo Saccharomyces rouxiiを含む。クルイベロミセス属の好ましい種の例は、K.fragilisおよびK.lactisを含む。ハンセヌラ属の好ましい種の例は、H.polymorpha(現在はPichia angusta)、H.anomala(現在はPichia anomala)およびPichiacapsulataを含む。ピキア属のさらに好ましい種の例は、P.pastorisを含む。アスペルギルス属の好ましい種の例は、A.nigerおよびA.nidulansを含む。ヤロウィア属の好ましい種の例は、Y.lipolyticaを含む。多くの好ましい酵母種はATCCから入手可能である。例えば、以下の好ましい酵母種がATCCから入手可能であり、およびアルブミン融合蛋白質の発現において有用である:サッカロミセスセレビシエハンセン(Saccharomyces cerevisiae Hansen)、テレオモルフ(teleomorph)株BY4743 yap3突然変異体(ATCC寄託番号4022731);サッカロミセスセレビシエハンセン,テレオモルフ株BY4743hspl50突然変異体(ATCC寄託番号4021266);サッカロミセスセレビシエハンセン,テレオモルフ株BY4743 pmtl突然変異体(ATCC寄託番号4023792);サッカロミセスセレビシエハンセン,テレオモルフ(ATCC寄託番号20626;44773;44774;および62995);Saccharomyces diastaticus Andrews et Gilliland ex van der Walt,テレオモルフ(ATCC寄託番号62987);Kluyveromyces lactis(Dombrowski)van der Walt,テレオモルフ(ATCC寄託番号76492);Pichia angusta(Teunissonら)Kurtzman、Hansenula polymorpha de Morais et Maiaとして寄託されたテレオモルフ,テレオモルフ(ATCC寄託番号26012);Aspergillus niger van Tieghem,アナモルフ(ATCC寄託番号9029);Aspergillus niger van Tieghem,アナモルフ(ATCC寄託番号16404);Aspergillus nidulans(Eidam)Winter,anamorph(ATCC寄託番号48756);およびYarrowia lipolytica(Wickerhamら.)van der Wait et von Arx,テレオモルフ(ATCC寄託番号201847)。
S.cerevisiaeのための適当なプロモーターは、PGKI遺伝子、GAL1またはGAL10遺伝子、CYCI、PHO5、TRPI、ADHII、ADH2、the遺伝子forグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、グルコキナーゼ、アルファ−接合因子フェロモン、[接合因子フェロモン]のための遺伝子に関連するもの、PRBIプロモーター、GUT2プロモーター、GPDIプロモーター、5’調節領域の部分とその他のプロモーターの5’調節領域の部分とのハイブリッドを含む、または上流活性化部位(例えば、EP−A−258067のプロモーター)を有するハイブリッドプロモーターを含む。
シゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)において用いるための有用な制御プロモーターは、Maundrell(1990)J.Biol.Chem.265、10857−10864により記載のようなnmt遺伝子に由来するチアミン抑制プロモーターおよびHoffman&Winston(1990)Genetics 124、807−816に記載のようなグルコース抑制jbpl遺伝子プロモーターである。
外来遺伝子の発現のためのピキア属の形質転換方法は、例えば、Creggら.(1993)、および様々なPhiripsの特許(例えば、米国特許第4857467号、出典明示により本明細書の一部となる)において教示されており、そしてピキア属発現キットは、Invitrogen BV、Leek,NetherlandsおよびInvitorogen Corp.,Sandiego,Californiaから市販されている。適当なプロモーターはAOXIおよびAOX2を含む。Gleesonら.(1986)J.Gen.Microbiol.132,3459−3465は、ハンセヌラ属ベクターおよび形質転換についての情報が記載され、好適なプロモーターはMOXIおよびFMD1であり;一方で、EP 361 991,Fleerら.(1991)およびRhone−Poulenc Rorerからの他の刊行物では、クルイベロミセス属における外来蛋白質を発現させるための方法、適当なプロモーターがPGKIであることが教示されている。
好ましくは、転写終結シグナルは、転写終結およびポリアデニル化のための適切なシグナルを含む真核遺伝子の3’フランキング配列である。適当な3’フランキング配列は、例えば、用いる発現制御配列に自然に連結されたものであってよく、すなわち、プロモーターに相当してもよい。或いは、S.cerevisiae ADHI遺伝子の終結シグナルが好ましい場合、それらは異なっていてもよい。
所望のアルブミン融合蛋白質は、初めに、分泌リーダー配列で発現されてもよく、該配列は、選択された酵母において有用な任意のリーダーでよい。酵母において有用なリーダーは、以下:
a)MPIF−1シグナル配列(例えば、GenBank寄託番号AAB51134のアミノ酸1−21)MKVSVAALSCLMLVTALGSQA(配列番号:6)
b)スタニオカルシンシグナル配列(MLQNSAVLLLLVISASA、配列番号:7)
c)HSAシグナル配列のプレプロ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYSRGVFRR、配列番号:8)
d)HSAシグナル配列のプレ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYS、配列番号:9)または例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYS、(配列番号:10)のごときその変異体
e)インベルターゼシグナル配列(例えば、MLLQAFLFLLAGFAAKISA、配列番号:11)
f)酵母接合因子アルファシグナル配列(例えば、MRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLEKR、配列番号:12または
MRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLDKR、配列番号:12)
g)K.lactisキラー毒素リーダー配列
h)ハイブリッドシグナル配列(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLEKR、配列番号:13)
i)HSA/MFα−1ハイブリッドシグナル配列(HSA/kex2としても知られている)(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLDKR、配列番号:14)
j)K.lactisキラー/MFa−1融合リーダー配列(例えば、MNIFYIFLFLLSFVQGSLDKR、配列番号:15)
k)免疫グロブリンIgシグナル配列(例えば、MGWSCI1LFLVATATGVHS、配列番号:16)
1)フィブリンB前駆体シグナル配列(例えば、MERAAPSRRVPLPLLLLGGLALLAAGVDA、配列番号:17)
m)クラスター前駆体シグナル配列(例えば、MMKTLLLFVGLLLTWESGQVLG、配列番号:18)
n)インスリン様成長因子−結合蛋白質4シグナル配列(例えば、MLPLCLVAALLLAAGPGPSLG、配列番号:19)
o)HSAシグナル配列のプレプロ−領域の変異体、例えば、
MKWVSFISLLFLFSSAYSRGVFRR(配列番号:20)、
MKWVTFISLLFLFAGVLG(配列番号:21)、
MKWVTFISLLFLFSGVLG(配列番号:22)、
MKWVTFISLLFLFGGVLG(配列番号:23)、
修飾されたHSAリーダーHSA#;64−MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号:24);
修飾されたHSAリーダーHSA#;66−MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号:25);
修飾されたHSA(A14)リーダー−MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号26);
修飾されたHSA(S14)リーダー(修飾HSA#;65としても知られている)−MKWVTFISLLFLFSGVSG(配列番号:27)、
修飾されたHSA(G14)リーダー−MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号:28)、またはMKWVTFISLLFLFGGVLGDLHKS(配列番号:29)
p)コンセンサスシグナル配列(MPTWAWWLFLVLLLALWAPARG、配列番号:30)
q)酸ホスファターゼ(PH05)リーダー(例えば、MFKSVVYSILAASLANA配列番号:31)
r)MFoz−1のプレ配列
s)Oグルカナーゼ(BGL2)のプレ配列
t)キラー毒素リーダー
u)キラー毒素のプレ配列
v)k.lactisキラー毒素プレプロ(29個のアミノ酸;プレの16個のアミノ酸およびプロの13個のアミノ酸)
MN1FYIFLFLLSFVQGLEHTHRRGSLDKR(配列番号:32)
w)S.diastaticusグルコアミラーゼII分泌リーダー配列
x)S.carlsbergensisα−ガラクトシダーゼ(MEL1)分泌リーダー配列
y)カンジダグルコアルニラーゼリーダー配列
z)EP−A−387319(出典明示により本明細書の一部となる)において開示されるイブリッドリーダー
aa)(バキュロウイルス発現系と併せた)gp67シグナル配列(例えば、GenBank寄託番号AAA72759のアミノ酸1−19)または
bb)治療用蛋白質Xの天然のリーダー;
cc)JP 62−096086(911036516として特許されている、出典明示により本明細書の一部となる)において開示されるS.cerevisiaeインベルターゼ(SUC2)リーダー;または
dd)イヌリナーゼ−MKLAYSLLLPLAGVSASVINYKR(配列番号:33).
ee)修飾TA57プロペプチドリーダー変異体#;1−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAKR(配列番号:34)
ff)修飾TA57プロペプチドリーダー変異体#;2−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDWGUSMAEEGEPKR(配列番号:35)
gg)コンセンサスシグナルペプチド−MWWRLWWLLLLLLLLWPMVWA(配列番号:111)
hh)修飾HSA/kex2シグナル配列−MKWVSFISLLFLFSSAYSGSLDKR(配列番号:112)
ii)コンセンサスシグナルペプチド#;2−MRPTWAWWLFLVLLLALWAPARG(配列番号:105):
の任意を含む。
アルブミン融合蛋白質の組換えおよび合成による産生のさらなる方法
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞ならびに合成および組換え技法によるアルブミン融合蛋白質の産生にも関する。ベクターは、例えば、ファージ、プラスミド、ウイルスまたはレトロウイルスベクターであってもよい。レトロウイルスベクターは、複製能を有していてもまたは複製欠損であってもよい。後者の場合、ウイルス増殖は、一般的に、宿主細胞を補う場合にしか起こらない。
本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、宿主における増殖の選択マーカーを含むベクターに連結されてもよい。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿のごとき沈殿物または荷電脂質との複合体中に導入される。ベクターがウイルスであるならば、それは、適切なパッケージ細胞株を用いてパッケージされ、次いで、宿主細胞中に形質導入されてもよい。
ポリヌクレオチドインサートは、幾つか例を挙げると、ファージラムダPLプロモーター、大腸菌lac、trp、photおよびtacプロモーター、SV40初期および後期プロモーターおよびレトロウイルスLTRsのプロモーターのごとき適切なプロモーターに作動可能に連結される必要がある。他の適当なプロモーターは当業者に知られているだろう。発現コンストラクトはさらに、転写開始、終結のための部位を含み、そして転写された領域には、翻訳のためのリボソーム結合部位が含まれ得る。コンストラクトにより発現される転写物のコーディング部分は、好ましくは、翻訳されるべきポリペプチドの末端に適切に位置された開始および終止コドン(UAA、UGAまたはUAG)にある翻訳開始コドンを含み得る。
記載したように、好ましくは、発現ベクターは少なくとも1つの選択マーカーを含み得る。かかるマーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418、グルタミンシンターゼまたは真核細胞培養についてのネオマイシン耐性、および大腸菌および他の細菌の培養についてのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子を含む。適切な宿主の典型例は、細菌細胞、例えば大腸菌、ストレプトミセスおよびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)細胞;真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris (ATCC寄託番号201178));昆虫細胞、例えば、ショウジョウバエS2およびSpodoptera Sf9細胞;動物細胞、例えば、CHO、COS、NSO、293およびBowesメラノーマ細胞;および植物細胞を含むが、これらに限定されない。上記した宿主細胞についての適切な培養培地および条件は、当該技術分野において知られている。
細菌における使用のために好ましいベクターは、QIAGEN、Inc.から入手可能なpQE70、pQE60およびpQE−9;Stratagene Cloning Systems、Inc.から入手可能なpBluescriptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A;およびPharmacia Biotech, Inc.から入手可能な ptrc99a、 pKK223−3、 pKK233−3、 pDR540、 pRIT5 を含む。好ましい 真核 ベクターには、 Stratagene から入手可能なpWLNEO、 pSV2CAT、 pOG44、 pXTI および pSG; および Pharmacia から入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVLが含まれる。酵母系における使用のために好ましい発現ベクターは、pYES2、pYDI、pTEFI/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalph、pPIC9、pPIC3.5、pHIL−D2、pHIL−SI、pPIC3.5K、pPIC9KおよびPA0815(全てInvitogen、Carから入手可能である)bad、CA)を含むが、これらに限定されない。他の適当なベクターは当業者にとって容易に明かであろう。。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドをシグナル配列へ融合してもよく、該シグナル配列が、原核または真核細胞の特定のコンパートメントへの本発明の蛋白質の局在化を指令する、および/または原核または真核細胞からの本発明の蛋白質の分泌を指令する。例えば、大腸菌では、周辺腔に対する蛋白質の発現を指令させようとしてもよい。細菌の周辺腔に対するポリペプチドの発現を指令するために、本発明のアルブミン融合蛋白質と融合されてもよいシグナル配列または蛋白質(またはその断片)の例は、pelBシグナル配列、マルトース結合蛋白質(MBP)シグナル配列、MBP、ompAシグナル配列、ペリプラズム大腸菌非耐熱性エンテロトキシンB−サブユニットのシグナル配列およびアルカリホスファターゼのシグナル配列を含むが、これらに限定されない。蛋白質の局在化を指令する融合蛋白質を構築するための幾つかのベクターは市販されており、例えば、ベクターのpMALシリ−ズ(特にpMAL−pシリ−ズ)はNew England Biolabsから入手可能である。特定の一の実施態様において、本発明のポリヌクレオチドアルブミン融合蛋白質は、pelBペクチン酸リアーゼシグナル配列に融合されて、グラム陰性細菌におけるかかるポリペプチドの発現および精製効率を増大してもよい。米国特許第5,576,195号および第5,846,818号を参照のこと。該内容は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
哺乳類細胞におけるその分泌を導くために本発明のアルブミン融合蛋白質に融合されてもよいシグナルペプチドの例は:
a)MPIP−1シグナル配列(例えば、GenBank寄託番号AAB51134のアミノ酸1−21)MKVSVAALSCLMLVTALGSQA(配列番号:6)
b)スタニオカルシンシグナル配列(MLQNSAVLLLLVISASA、配列番号:7)
c)HSAシグナル配列のプレプロ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYSRGVFRR、配列番号:8)
d)HSAシグナル配列のプレ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYS、配列番号:9)または例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYS、(配列番号:10)のごときその変異体、
e)インベルターゼシグナル配列(例えば、MLLQAFLFLLAGFAAKISA、配列番号:11)
f)酵母接合因子アルファシグナル配列(例えば、
MRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLEKR、配列番号:12または
MRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLDKR、配列番号:12)
g)K.lactisキラー毒素リーダー配列
h)ハイブリッドシグナル配列(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLEKR、配列番号:13)
i)HSA/MFα−1ハイブリッドシグナル配列(HSA/kex2としても知られている)(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLDKR、配列番号:14)
j)K.lactisキラー/MFa−I融合リーダー配列(例えば、MNIFYIFLFLLSFVQGSLDKR、配列番号:15)
k)免疫グロブリンIgシグナル配列(例えば、MGWSCIILFLVATATGVHS、配列番号:16)
1)フィブリンB前駆体シグナル配列(例えば、MERAAPSRRVPLPLLLLGGLALLAAGVDA、配列番号:17)
m)クラスター前駆体シグナル配列(例えば、MMKTLLLFVGLLLTWESGQVLG、配列番号:18)
n)インスリン様成長因子−結合蛋白質4シグナル配列(例えば、MLPLCLVAALLLAAGPGPSLG、配列番号:19)
o)HSAシグナル配列のプレプロ−領域の変異体、例えば、
MKWVSFISLLFLFSSAYSRGVFRR(配列番号:20)、
MKWVTFISLLFLFAGVLG(配列番号:21)、
MKWVTFISLLFLFSGVLG(配列番号:22)、
MKWVTFISLLFLFGGVLG(配列番号:23)、
修飾されたHSAリーダーHSA#;64−MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号:24);
修飾されたHSAリーダーHSA#;66−MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号:25);
修飾されたHSA(A14)リーダー−MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号:26);
修飾されたHSA(S14)リーダー(修飾されたHSA#;65としても知られている)−MKWVTFISLLFLFSGVSG(配列番号:27)、
修飾されたHSA(G14)リーダー−MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号:28)、またはMKWVTFISLLFLFGGVLGDLHKS(配列番号:29)
p)コンセンサスシグナル配列(MPTWAWWLFLVLLLALWAPARG、配列番号:30)
q)酸ホスファターゼ(PH05)リーダー(例えば;MFKSVVYSILAASLANA配列番号:31)
r)MFoz−1のプレ配列
s)Oグルカナーゼ(BGL2)のプレ配列
t)キラー毒素リーダー
u)キラー毒素のプレ配列
v)k.lactisキラー毒素プレプロ(29個のアミノ酸;プレの16個のアミノ酸およびプロの13個のアミノ酸)
MNIFYIFLFLLSFVQGLEHTHRRGSLDKR(配列番号:32)
w)S.diastaticusグルコアルニラーゼIl分泌リーダー配列
x)S.carlsbergensis α−ガラクトシダーゼ(MEL1)分泌リーダー配列
y)カンジダグルコアルニラーゼリーダー配列
z)EP−A−387319(出典明示により本明細書の値伊部となる)にて開示されるハイブリッドリーダー
aa)(バキュロウイルス発現系と併せた)gp67シグナル配列(例えば、GenBank寄託番号AAA72759のアミノ酸1−19)または
bb)治療用蛋白質Xの天然のリーダー;
cc)JP 62 096086(911036516として特許される、出典明示により本明細書の一部となる)に開示されるようなS.cerevisiaeインベルターゼ(SUC2)リーダー;または
dd)イヌリラーゼ−MKLAYSLLLPLAGVSASVINYKR(配列番号:33);
ee)修飾されたTA57プロペプチドリーダー変異体#1−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAKR(配列番号:34)
ff)修飾されたTA57プロペプチドリーダー変異体#2−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAEEGEPKR(配列番号:35)
gg)コンセンサスシグナルペプチド−MWWRLWWLLLLLLLLwpMvwA(配列番号:111)
jj)修飾されたHSA/kex2シグナル配列−MKWVSFISLLFLFSSAYSGSLDKR(配列番号:112)
kk)コンセンサスシグナルペプチド#;2−MRPTWAWWLFLVLLLALWAPARG(配列番号:105):を含むが、これらに限定されない。
好ましい一の実施態様において、修飾されたHSA/kex2シグナル配列(配列番号:112)は、本明細書中記載されているアルブミンおよび治療用蛋白質を含む融合蛋白質を含むアルブミン融合蛋白質ならびにW093/15199;W097/24445;W003/60071;W003/59934;およびPCT/US04/01369において開示されるアルブミン融合蛋白質のアミノ末端に融合される。該文献のそれぞれは出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。修飾されたHSA/kex2シグナル配列は、例えば、Sleepら.、BioTechnology 1990,vol.8,pp.42−46;および米国特許第5,302,697号において開示されるHSA/kex2シグナル配列(配列番号:14)に基づき、両文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。本明細書中開示される修飾されたHSA/kex2リーダー配列は、親シグナルペプチドの残基19において非保存的アミノ酸置換(ArgからGly)を含む。修飾されたHSA/kex2シグナルペプチドは、酵母において発現される場合、意外にも、修飾されていないHSA/kex2シグナル配列よりも良好なアルブミン融合蛋白質の発現量および/またはよりよい開裂効率を生じることが見出されている。HSA/kex2シグナルペプチドの変異体も本発明に包含される。特に配列番号:112の位置19にあるGly残基は、Pro残基で置換されてもよい。修飾されたHSA/kex2シグナル配列の他の保存的置換された変異体も熟慮される。配列番号:112の修飾されたHSA/kex2シグナル配列をコードする核酸ならびにその保存的置換された変異体も本発明に包含される。
選択マーカーとしてグルタミンシンターゼ(GS)またはDHFRを利用するベクターは、薬剤メチオニンスルホキシミンまたはメトトレキセートそれぞれの存在下において増幅され得る。グルタミンシンターゼの基づくベクターの利点は、グルタミンシンターゼネガティブである細胞株(例えば、ネズミミエローマ細胞株,NSO)の利用可能性にある。グルタミンシンターゼ発現系も、内因性遺伝子の機能を阻止するためにさらなる阻害剤を与えることにより、グルタミンシンターゼを発現する細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)において機能し得る。グルタミンシンターゼ発現系およびその成分は、PCT公開:W087/04462;W086/05807;W089/01036;W089/10404;およびW091/06657に詳述されており、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。さらに、グルタミンシンターゼ発現ベクターは、Lonza Biologics,Inc.(Portsmouth,NH)から入手できる。GS発現系を用いるネズミミエローマ細胞におけるモノクローナル抗体の発現および産生は、Bebbingtonら.,Bio/technology 10:169(1992)およびBiblia and Robinson Biotechnol.Prog.11:1(1995)に記載されており、該文献は出典明示により本明細書の一部となる。
本発明は、本明細書中上記したベクターコンストラクトを含む宿主細胞にも関連し、およびさらに当該技術分野において知られている技法を用いて1またはそれ以上の異種制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)に作動的に連結される本発明のヌクレオチド配列を含む宿主細胞を包含する。宿主細胞は、高等真核細胞、例えば、哺乳類細胞(例えば、ヒトに由来する細胞)、または下等真核細胞、例えば、酵母細胞であり得、または宿主細胞は、細菌細胞のごとき原核細胞であり得る。挿入された遺伝子配列の発現を調節する、または所望される特定の様式で遺伝子産物を修飾およびプロセッシングする宿主株が選択されてもよい。特定のプロモーターに由来する発現が特定の誘導物質の存在下で高められ得る;故に遺伝子操作されたポリペプチドの発現は制御されてもよい。さらに、異なる宿主細胞は、蛋白質の翻訳および翻訳後プロセッシングおよび修飾(例えば、リン酸化、開裂)について、特徴的および特異的な機序を有する。発現される外来蛋白質の所望の修飾およびプロセッシングを確実にするために、適切な細胞株が選択され得る。
宿主細胞への本発明の核酸および核酸コンストラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン介在トランスフェクション、カチオン性脂質介在トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によりもたらされ得る。かかる方法は、多くの標準的な実験マニュアル、例えば、Davisら.,Basic Methods In Molecular Biology(1986)において記載されている。特に、組換えベクターを欠失している宿主細胞により本発明のポリペプチドを実際に発現させることが特に熟慮される。本明細書中に記載のベクターコンストラクトを含む宿主細胞を包含することに加えて、本発明は、脊椎動物に由来する、特に哺乳類に由来する一次、二次および不死化させた宿主細胞も包含し、該細胞は、内因性遺伝物質(例えば、治療用蛋白質に対応するコーディング配列は、治療用蛋白質に対応するアルブミン融合蛋白質を用いて置換されてもよい)を欠失または置換するように、および/または遺伝物質(例えば、例えば、治療用蛋白質に対応する本発明のアルブミン融合蛋白質のごとき異種ポリヌクレオチド配列が含まれてもよい)を含むように設計される。内因性ポリヌクレオチドに作動的に結合された遺伝物質は、内因性ポリヌクレオチドを活性化、改変および/または増幅してもよい。
加えて、当該技術分野において知られている技法を用いて、相同組換えにより、異種ポリヌクレオチド(例えば、アルブミン蛋白質をコードするポリヌクレオチドまたはその断片もしくは変異体)および/または異種制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)を、治療用蛋白質をコードする内因性ポリヌクレオチド配列を作動的に結合してもよい(例えば、米国特許第5,641,670号(1997年6月24日公開);国際公開番号WO 96/29411;国際公開番号WO 94/12650;Kollerら.,Proc.Natl.Acad.Sci USA 86:8932−8935(1989);およびZijlstraら.,Nature342:435438(1989)を参照のこと。各文献の開示内容は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、疎水性荷電相互作用クロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含むよく知られている方法により、組換え細胞培養物から回収または精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために用いられる。
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、Q−セファロース、DEAEセファロース、porosHQ、porosDEAE、ToyopearlQ、ToyopearlQAE、ToyopearlDEAE、Resource/SourceQおよびDEAE、FractogelQおよびDEAEカラム上でのクロマトグラフィーを含むがこれらに限定されないアニオン交換クロマトグラフィーを用いて精製される。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、SP−セファロース、CMセファロース、porosHS、porosCM、ToyopearlSP、ToyopearlCM、Resource/SourceSおよびCM、FractogelSおよびCMカラムおよびそれらの等価物および同等物を含むが、これらに限定されないカチオン交換クロマトグラフィーを用いて精製される。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、フェニル、ブチル、メチル、オクチル、ヘキシル−セファロース、porosフェニル、ブチル、メチル、オクチル、ヘキシル、Toyopearlフェニル、ブチル、メチル、オクチル、ヘキシルResource/Sourceフェニル、ブチル、メチル、オクチル、ヘキシル、Fractogelフェニル、ブチル、メチル、オクチル、ヘキシルカラムおよびそれらの等価物および同等物を含むが、これらに限定されない疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて精製される。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、セファロース100、S200、S300、superdex樹脂カラムおよびそれらの等価物および同等物を含むがこれらに限定されないサイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製される。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、HSAまたは「融合標的」分子のいずれかを選択する模倣色素(Mimetic Dye)アフィニティー、ペプチドアフィニティーおよび抗体アフィニティーカラムを含むが、これらに限定されないアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製される。
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、上記の1またはそれ以上のクロマトグラフィー法を用いて精製される。他の好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、以下のクロマトグラフィーカラム、QセファロースFFカラム、SPセファロースFFカラム、Qセファロース高速カラム、BlueセファロースFFカラム、Blueカラム、フェニルセファロースFFカラム、DEAEセファロースFF、またはメチルカラムの1またはそれ以上を用いて精製される。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質は、PCT国際公開WO00/44772において記載の方法を用いて精製されてもよい。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。本発明のアルブミン融合蛋白質の精製に用いるために、当業者はそこに記載されている方法を容易に修正できよう。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、化学合成工程による産物;および例えば、細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳類細胞を含む原核または真核宿主から組換え技法により生成される産物から回収されてもよい。組換え工程に用いた宿主に応じて、本発明のポリペプチドをグリコシル化または非グリコシル化してもよい。加えて、本発明のアルブミン融合蛋白質は、宿主媒介過程の結果として、開始改変メチオニン残基を含んでもよい。故に、当該技術分野においてよく知られている翻訳開始コドンによりコードされるN−末端のメチオニンは、一般的に、全ての真核細胞において翻訳後の任意の蛋白質から高い効率で除去される。大部分の蛋白質上にあるN−末端のメチオニンは、大部分の原核生物においても効率よく除去されるが、幾つかの蛋白質については、N−末端のメチオニンが共有結合されたアミノ酸の性質に依存して、この原核生物の除去過程は効率が悪い。
一の実施態様において、酵母ピチア・パストリス(Pichia pastoris)を用いて、真核系における本発明のアルブミン融合蛋白質を発現させる。ピチア・パストリスは、その唯一の炭素供給原としてメタノールを代謝できるメチロトローフ酵母である。メタノール代謝経路における主要な段階は、Oを用いてメタノールをホルムアルデヒドへ酸化することである。この反応は、酵素アルコールオキシダーゼにより触媒される。その唯一の炭素供給原としてメタノールを代謝するために、ピチア・パストリスは、一部にはアルコールオキシダーゼのOに対する比較的低い親和性に起因して、高レベルのアルコールオキシダーゼを生じる。結果として、主要な炭素源としてメタノールに依存する成長培地中で、2つのアルコールオキシダーゼ遺伝子(AOXI)の1つのプロモーター領域は非常に活性がある。メタノールの存在下、AOXI遺伝子から生じるアルコールオキシダーゼは、ピチア・パストリスの全可溶性蛋白質の最高約30%にまで及ぶ。Ellis,S.B.,ら.,Mol.Cell.Biol.5:1111−21(1985);Koutz,P.J,ら.,Yeast5:167−77(1989);Tschopp,J.F.,ら.,Nucl.Acids Res.15:3859−76(1987)を参照のこと。故に、例えば本発明のポリヌクレオチドのごとき異種コード配列は、AOXI制御配列の全てまたは一部の転写調節を受けて、メタノールの存在下で成長するピチア酵母において極めて高いレベルで発現する。
一例として、プラスミドベクターpPIC9Kを用いて、”Pichia Protocols:Methods in Molecular Biology、”D.R.HigginsおよびJ.Cregg,eds.The Human Press,Totowa,NJ,1998.に基本的に記載されているようなピチア酵母系において、本明細書中に記載されているような本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするDNAを発現させる。この発現ベクターは、マルチクローニング部位の上流に位置するピチア・パストリスアルカリホスファターゼ(PHO)分泌シグナルペプチド(すなわち、リーダー)に結合された強力なAOXIプロモーターにより、本発明のポリペプチドの発現および分泌を可能にする。
当業者には容易に理解されるように、考案した発現コンストラクトが、必要に応じてフレーム内のAUGを含む、適切に位置した転写、翻訳、分泌(所望ならば)用のシグナルを提供する限りは、pPIC9Kの代わりに多くの他の酵母ベクター、例えば、pYES2、pYDI、pTEFI/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZアルファ、pPIC9、pPIC3.5、pHIL−D2、pHIL−SI、pPIC3.5KおよびPA0815を用いることができる。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドのごとき異種コード配列の高レベルな発現は、本発明の異種ポリヌクレオチドを例えばpGAPZまたはpGAPZアルファのごとき発現ベクター中へクローニングし、次いで、メタノール不在下で酵母培養液を成長させることにより成し遂げることができる。
加えて、本発明のアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られている技法(例えば、Creighton、1983,Proteins:Structures and Molecular Principles,W.H.Freeman&Co.,N.Y.,およびHunkapillerら.,Nature,310:105−111(1984)を参照のこと)を用いて化学的に合成できる。例えば、ポリペプチドの断片に対応するポリペプチドは、ペプチドシンセサイザーを用いることにより合成され得る。さらに、所望ならば、非古典的なアミノ酸または化学アミノ酸アナログは、ポリペプチド配列への置換または付加として導入され得る。非古典的なアミノ酸は、一般的なアミノ酸のD−アイソマー、2、4−ジアミノ酪酸、a−アミノイソ酪酸、4−アミノ酪酸、Abu、2−アミノ酪酸、g−Abu、e−Ahx、6−アミノヘキサン酸、Aib、2−アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オミチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、b−アラニン、フルオロ−アミノ酸、デザイナ−アミノ酸、例えばb−メチルアミノ酸、Ca−メチルアミノ酸、Na−メチルアミノ酸、および一般的なアミノ酸のアナログを含むが、これらに限定されない。さらに、アミノ酸はD(右旋性)またはL(左旋性)であり得る。
本発明は、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、蛋白質分解的切断、抗体分子または他の細胞リガンドへの結合などにより、翻訳の間または後に様々に修飾される本発明のアルブミン融合蛋白質を包含する。任意の多くの化学修飾は、臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH4による特定の化学開裂;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元;ツニカマイシンの存在下での代謝合成;などを含むが、これらに限定されない知られている技法により行われてもよい。
本発明に含まれるさらなる翻訳後修飾は、例えば、例えば、N−結合されたまたはO−結合された糖鎖、N−末端またはC−末端のプロセッシング、アミノ酸骨格への化学的部分の結合、N−結合されたまたはO−結合された糖鎖の化学修飾、および原核生物宿主細胞の発現の結果としてのN−末端メチオニンの付加または欠失を含む。アルブミン融合蛋白質は、蛋白質の検出および単離を可能にするために、検出可能な標識、例えば、酵素標識、蛍光標識、アイソト−プ標識またはアフィニティー標識を用いて修飾されてもよい。
適当な酵素の例は、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼを含み;適当な補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含み;適当な蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライドまたはフィコエリトリンを含み;発光物質の例はルミノールを含み;生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含み;および適当な放射性物質の例は、ヨウ素(121I、123I、125I、131I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(111In、112In、113mIn、115mIn)、テクネチウム(99Tc、99mTc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rhおよび97Ruを含む。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質またはその断片もしくは変異体は、177Lu、90Y、116Hoおよび153Smを含むがこれらに限定されない、ポリペプチドに対する放射性金属イオンに会合されるマクロサイクル(macrocyclic)キレート剤に結合される。好ましい一の実施態様において、マクロサイクルキレート剤に会合される放射性金属イオンは、111Inである。別の好ましい実施態様において、マクロサイクルキレート剤に会合される放射性金属イオンは90Yである。特定の実施態様において、マクロサイクルキレート剤は、1、4、7、10−テトラアザシクロドデカン−N、N’、N’’、’’’−テトラ酢酸(DOTA)である。他の特定の実施態様において、DOTAはリンカー分子を介して本発明の抗体またはその断片に結合する。DOTAをポリペプチドにコンジュゲートするために有用なリンカー分子の例は一般的に当該技術分野において知られている。例えば、DeNardoら.、Clin Cancer Res.4(10):2483−90(1998);Petersonら.、Bioconjug.Chem.10(4):553−7(1999);およびZimmermanら,Nucl.Med.Biol.26(8):943−50(1999)を参照のこと;該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
記載したように、本発明のアルブミン融合蛋白質は、翻訳後プロセッシンのごとき自然な過程または当該技術分野においてよく知られている化学的修飾技法のいずれかにより修飾されてもよい。同じ型の修飾が特定のポリペプチドの幾つかの部位において同じまたは異なる程度で存在してもよいことは、容易に理解されよう。本発明のポリペプチドは、例えばユビキチン化の結果として分岐されてもよく、および分岐を伴うまたは伴わない環状であってもよい。環状、分岐および分岐環状ポリペプチドは、翻訳後の自然な過程から生じてもよく、または合成方法により作られる。修飾は、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、閉環、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合形成、システイン形成、ピログルタミン酸形成、ホルミル化、ガンマーカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリスチル化、酸化、ペグ化、蛋白質分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、トランスファーRNAが介する蛋白質へのアミノ酸付加、例えばアルギニン化およびユビキチン化を含む(例えば、PROTEINS−STRUCTUREANDMOLECULARPROPERTIES、2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993);POST−TRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pgs.1−12(1983);Seifterら.,Meth.Enzymol.182:626−646(1990);Rattanら.,Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48−62(1992)を参照のこと)。
本発明のアルブミン融合蛋白質および治療用蛋白質またはその断片もしくは変異体に結合する抗体は、ペプチドのごときマーカー配列に融合されて、生成を改善し得る。好ましい実施態様において、マーカーアミノ酸配列は、とりわけpQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)中に提供されるタグのごときヘキサ−ヒスチジンペプチドであり、その多くは市販されている。Gentzら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:821−824(1989)において記載されているように、例えば、ヘキサ−ヒスチジンは、融合蛋白質の都合のよい精製を提供する。精製のために有用な他のペプチドタグは、肝炎赤血球凝集素蛋白質(Wilsonら.、Cell37:767(1984))に由来するエピトープに対応する「HA」タグおよび「flag」タグを含むが、これらに限定されない。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質は、細胞毒のごとき治療用部分、例えば、細胞分裂阻害剤または細胞破壊剤、治療剤または放射性金属イオン、例えば、213Biのごときアルファ−放出体にコンジュゲートされてもよい。細胞毒または細胞傷害性剤は、細胞に有害な任意の剤を含む。例えば、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピュ−ロマイシンおよびそれらのアナログまたはホモログを含む。治療剤は、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパクロランブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロリムスチン(CCNU)、シクロトスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミンプラチナム(In(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(正式には、ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(formerlyアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および抗−有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)を含むが、これらに限定されない。
本発明のコンジュゲートは、特定の生物学的応答を修飾するために用いられ得、治療剤または薬剤部分は古典的な化学治療剤に限定されないものとみなす。例えば、薬剤部分は、所望の生物活性を有する蛋白質またはポリペプチドであってもよい。かかる蛋白質は、例えば、毒素、例えば、アブリン、リシンA、シュ−ドモナス外毒素、またはジフテリア毒素;蛋白質、例えば、腫瘍壊死因子、アルファ−インターフェロン、B−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化剤、アポトーシス剤、例えば、TNF−アルファ、TNF−ベータ、AIM I(国際公開番号WO 97/33899を参照のこと)、AIM 11(国際公開番号WO 97/34911を参照のこと)、Fasリガンド(Takahashiら.、Int Immunol.,6:1567−1574(1994))、VEGI(国際公開番号WO 99/23105を参照のこと)、血栓剤または抗−血管新生剤、例えば、アンジオスタチンまたはエンドスタチン;または生物学的応答修飾因子、例えば、リンホカイン、インターロイキン−1(「IL−I」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)または他の成長因子を含んでもよい。かかる治療用部分を蛋白質(例えば、アルブミン融合蛋白質)へコンジュゲートするための技法は、当該技術分野においてよく知られている。
アルブミン融合蛋白質を固体支持体に結合してもよく、これは、本発明のアルブミン融合蛋白質が結合する、それに結合する、またはそれに会合するポリペプチドのイムノアッセイまたは精製のために特に有用である。かかる固体支持体は、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、塩化ポリビニルまたはポリプロピレンを含むが、これらに限定されない。
単独または一または複数の細胞傷害性因子および/または1または複数のサイトカインと組み合わせて投与される、コンジュゲートされた治療用部分を伴うまたは伴わないアルブミン融合蛋白質は治療剤として用いられ得る。
本発明のアルブミン融合蛋白質が治療用蛋白質に結合する抗体のVHドメインのみを含む実施態様において、融合蛋白質と治療用蛋白質に結合する同じ抗体のVLドメインを共に発現させることが必要とされるおよび/または所望されてもよく、その結果、VH−アルブミン融合蛋白質およびVL蛋白質は翻訳後に結合され得る(共有結合または非共有結合)。
本発明のアルブミン融合蛋白質が治療用蛋白質に結合する抗体のVLドメインのみを含む実施態様において、融合蛋白質と治療用蛋白質に結合する同じ抗体のVHドメインを共に発現させることが必要とされるおよび/または所望されてもよく、その結果、VL−アルブミン融合蛋白質およびVH蛋白質は翻訳後に結合され得る(共有結合または非共有結合)。
幾つかの治療用抗体は二重特異性抗体であり、これは、治療用蛋白質に結合する抗体が2つの異なる重鎖/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体であることを意味する。治療用蛋白質に対応するアルブミン融合蛋白質を作るために、アルブミン蛋白質部分の両方に融合されたscFv断片を有するアルブミン融合蛋白質を作り出すことが可能である。より具体的には、アルブミンのN−末端に融合されたscFvは、治療用蛋白質に結合する元々の抗体の重鎖/軽鎖(VH/VL)対の1つに対応し得、およびアルブミンのC−末端に融合されたscFvは、治療用蛋白質に結合する元々の抗体の他の重鎖/軽鎖(VH/VL)対の1つに対応し得る。
本発明により、ポリペプチドの溶解性、安定性および循環時間の増大または免疫原性の減少(米国特許第4、179、337号を参照のこと)のごときさらなる利点を提供し得る、本発明のアルブミン融合蛋白質の化学修飾された誘導体も提供される。誘導体化のための化学的部分は、水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなどから選択されてもよい。アルブミン融合蛋白質は、分子内のランダムな位置または分子内の予め決定した位置において修飾されてもよく、および1、2、3またはそれ以上の結合された化学的部分を含んでもよい。
ポリマーは、任意の分子量のものであってよく、および分岐しているまたは分岐していなくてもよい。ポリエチレングリコールについては、取扱いおよび製造を容易にするための好ましい分子量は約1kDa〜約100kDaである(用語「約」は、ポリエチレングリコールの調製中、幾つかの分子は記載の分子量より大きな分子量を有し、幾つかはより小さい分子量を有し得ることを示す))。所望の治療特性(例えば、所望の徐放持続時間、もしあるならば生物活性への効果、取扱いの容易さ、抗原性の程度または欠損、および治療用蛋白質またはアナログに対するポリエチレングリコールの他の知られている効果)に依存して、他の大きさが用いられてもよい。例えば、ポリエチレングリコールは、約200、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10,000、10,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,500、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000または100、000kDaの平均分子量を有してもよい。
上記したように、ポリエチレングリコールは分岐構造を有してもよい。分岐したポリエチレングリコールは、例えば、米国特許第5,643,575号;Morpurgoら.,Appl.Biochem.Biotechnol.56:59−72(1996);Vorobjevら.,Nucleosides Nucleotides 18:2745−2750(1999);およびCalicetiら.,Bioconjug.Chem.10:638−646(1999)に記載されており、該開示内容のそれぞれは出典明示により本明細書の一部となる。
ポリエチレングリコール分子(または他の化学的部分)は、蛋白質の機能または抗原性ドメインへの効果を考慮して、蛋白質へ結合される必要がある。例えば、EP0401384(G−CSFへのPEGのカップリング)において記載されている方法のごとき、当業者に利用可能な多数の結合方法がある。該文献は出典明示により本明細書の一部となる;Malikら.,Exp.Hematol.20:1028−1035(1992),reporting pegylation of GM−CSF using tresyl chlorideも参照のこと。例えば、ポリエチレングリコールは、遊離アミノまたはカルボキシル基のごとき反応性基を経るアミノ酸残基を介して共有結合されてもよい。反応性基は、活性化されたポリエチレングリコール分子が結合されてもよいものである。遊離アミノ基を有するアミノ酸残基は、リジン残基およびN−末端アミノ酸残基を含んでもよく;遊離カルボキシル基を有するものは、アスパラギン酸残基グルタミン酸残基およびC−末端アミノ酸残基を含む。スルフヒドリル基も、ポリエチレングリコール分子に結合するための反応性基として用いられてもよい。治療目的のために、アミノ基における結合、例えば、N−末端またはリジン基における結合が好ましい。
上で示したように、ポリエチレングリコールは、任意の多数のアミノ酸残基への結合を介して蛋白質へ結合されてもよい。例えば、ポリエチレングリコールは、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはシステイン残基に対する共有結合を介して蛋白質に結合され得る。ポリエチレングリコールを蛋白質の特定のアミノ酸残基(例えば、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはシステイン)または蛋白質の1以上の型のアミノ酸残基(例えば、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システインおよびそれらの組み合わせ)へ結合するために、1またはそれ以上の反応ケミストリーが用いられてもよい。
特に、N−末端において化学修飾された蛋白質を所望してもよい。本発明の組成物の例として示すポリエチレングリコールを用いて、様々なポリエチレングリコール分子(分子量、分岐など)から、反応混合物中の蛋白質(ポリペプチド)分子に対するポリエチレングリコール分子の割合、実施しようとするペグ化反応の種類、および選択したN−末端ペグ化蛋白質を得る方法を選択してもよい。N−末端ペグ化調製物を得る方法(すなわち、必要に応じて、この部分を他のモノペグ化部分から分離する)は、ペグ化蛋白質分子の集団からN−末端ペグ化物質を精製することであってもよい。N−末端修飾で化学修飾された選択性蛋白質は、特定の蛋白質の誘導体化のために使用可能な異なる型の一級アミノ基(リジン対N−末端)の示差反応性を利用する還元的アルキル化より成し遂げられてもよい。適切な反応条件下、ポリマーを含むカルボニル基を用いたN−末端において、蛋白質の実質的に選択的な誘導体化が成し遂げられる。
上記したように、本発明のアルブミン融合蛋白質のペグ化は、任意の数の手段により成し遂げられてもよい。例えば、ポリエチレングリコールは、直接的または介在リンカーのいずれかにより、アルブミン融合蛋白質へ結合されてもよい。ポリエチレングリコールを蛋白質へ結合させるリンカーのない系は、Delgadoら.,Crit.Rev.Thera.Drug Carrier Sys.9:249−304(1992);Francisら.,Intem.J.of Hematol.68:1−18(1998);米国特許第4,002,531号;米国特許第5,349,052号;WO 95/06058;およびWO 98/32466において記載されており、該開示内容のそれぞれは出典明示により本明細書の一部となる。
介在リンカーなしにポリエチレングリコールを蛋白質のアミノ酸残基に直接結合させる1つの系は、トレシル化MPEGを利用し、トレシルクロリド(ClSOCHCF)を用いて、モノメトキシポリエチレングリコール(MPEG)を修飾することにより産生される。トレシル化MPEGと蛋白質の反応において、ポリエチレングリコールは蛋白質のアミン基に直接結合される。故に、本発明は、2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基を有するポリエチレングリコール分子と本発明の蛋白質の反応により生じる、蛋白質−ポリエチレングリコールコンジュゲートを含む。
ポリエチレングリコールは、多数の異なる介在リンカーを用いても蛋白質に結合され得る。例えば、米国特許第5,612,460号は、ポリエチレングリコールを蛋白質に連結するためのウレタンリンカーを開示している。該開示内容の全ては出典明示により本明細書の一部となる。ポリエチレングリコールがリンカーにより蛋白質に結合されている蛋白質−ポリエチレングリコールコンジュゲートは、MPEG−スクシンイミジルスクシナート,1,l’−カルボニルジイミダゾールを用いて活性化されたMPEG、MPEG−2,4,5−トリクロロペニルカルボナート、MPEG−p−ニトロフェノールカルボナートおよび様々なMPEG−スクシナート誘導体のごとき化合物と蛋白質の反応により生じ得る。蛋白質にポリエチレングリコールを結合するための多数のさらなるポリエチレングリコール誘導体および反応ケミストリーは、国際公開番号WO 98/32466に記載されており、該開示内容の全ては出典明示により本明細書の一部となる。本明細書中に記載の反応ケミストリーを用いて生じたペグ化蛋白質産物は本発明の範囲内に含まれる。
本発明のアルブミン融合蛋白質のそれぞれに結合されるポリエチレングリコール部分の数(すなわち、置換度)は、様々であってもよい。例えば、本発明のペグ化蛋白質は、平均して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20個またはそれ以上のポリエチレングリコール分子に結合されてもよい。同様に、平均置換度は、例えば、1個の蛋白質分子あたり、1〜3、2〜4、3〜5、4〜6、5〜7、6〜8、7〜9、8〜10、9〜11、10〜12、11〜13、12〜14、13〜15、14〜16、15〜17、16〜18、17〜19、または18〜20個のポリエチレングリコール部分である。置換度を決定する方法は、例えば、Delgadoら.,Crit.Rev.Thera.Drug Carrier Sys.9:249−304(1992)に記載されている。
本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない標準的な方法により、化学合成および組換え細胞培養物から回収および精製することができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために用いられる。単離および/または精製の間にポリペプチドが変性されている場合、蛋白質のリフォールディングのためによく知られている技法を用いて、活性コンフォメ−ションを再生してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質の存在および量は、ELISA、当該技術分野においてよく知られているイムノアッセイを用い決定されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質を検出/定量するために有用であり得るELISAプロトコルの1つは、抗−ヒト血清アルブミン抗体を用いてELISAプレートをコーティングし、非特異的結合を防ぐためにプレートをブロッキングし、ELISAプレートを洗浄し、本発明のアルブミン融合蛋白質(1またはそれ以上の異なる濃度で)を含む溶液を加え、検出可能な標識(本明細書中記載されているまたは当該技術分野において知られているような)にカップリングされている二次抗−治療用蛋白質特異的抗体を加え、次いで、二次抗体の存在を検出する工程を含む。このプロトコルの代替バージョンにおいて、ELISAプレートは、抗−治療用蛋白質特異的抗体を用いてコーティングされてもよく、および標識された二次試薬は、抗−ヒトアルブミン特定の抗体であってもよい。
ポリヌクレオチドの使用
本明細書中にて同定された各ポリヌクレオチドは、様々な方法において試薬として用いられ得る。以下の記載は例示と見なされるべきであり、および知られている技法を利用している。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のアルブミン融合蛋白質に生じるために有用である。以下に詳細に記載するように、本発明のポリヌクレオチド(アルブミン融合蛋白質をコードする)は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドによりコードされるアルブミン融合蛋白質を発現する細胞、細胞株、または組織を産生するための遺伝子工学において有用な組換えDNA法において用いられてもよい。
本発明のポリヌクレオチドは、遺伝子治療においても有用である。遺伝子治療の1つの目標は、遺伝子欠損を修正するために、欠損遺伝子を有する生物体へ正常な遺伝子を挿入することである。本発明にて開示されるポリヌクレオチドは、かかる遺伝子欠損を非常に正確なやり方で標的化する手段を提供する。別の目標は、宿主ゲノム中の存在しない新しい遺伝子を挿入し、それにより、宿主細胞において新しい特徴を生じさせることである。本発明に含まれる遺伝子治療のさらなる非限定的な例は、本明細書中の別の箇所により詳細に記載される(例えば、「遺伝子治療」のセクションおよび実施例61および62を参照のこと)。
ポリペプチドの使用
本明細書中同定された各ポリペプチドは、様々な方法で用いられ得る。以下の記載は例示と見なされるべきであり、および知られている技法を利用している。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、一または複数の組織(例えば、例えば、ABCイムノペルオキシダーゼ(Hsuら.,J.Histochem.Cytochem.29:577−580(1981)のごとき免疫組織化学アッセイ)または一または複数の細胞型(例えば、免疫細胞化学アッセイ)を識別同定するための免疫プローブを提供するために有用である。
アルブミン融合蛋白質は、当業者に知られている古典的な免疫組織学的方法(例えば、Jalkanen,ら.,J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanen,ら.,J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987)を参照のこと)を用いて生体試料中のポリペプチドのレベルをアッセイするために用いられ得る。蛋白質遺伝子発現を検出するために有用な他の方法は、酵素結合免疫吸着法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)のごときイムノアッセイを含む。適当なアッセイ標識は当該技術分野において知られており、および酵素標識、例えば、グルコースオキシダーゼ;放射性同位元素、例えば、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(115mIn、113mIn、112In、111In)、およびテクネチウム99Tc、99mTc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105SRh、97Ru;ルミノールのごとき発光標識;およびフルオレセインおよびローダミンのごとき蛍光標識およびビオチンを含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、イメージングによりインビボにおいても検出され得る。蛋白質のインビボイメージングのための標識またはマーカーは、X線撮影、核磁気共鳴(NMR)または電子スピン緩和(ESR)により検出可能なものを含む。X線撮影については、適当な標識は、検出可能な放射線を放出するが、対象に対して過度に有害でないバリウムまたはセシウムのごとき放射性同位元素を含む。NMRおよびESRに適当なマーカーは、重水素のごとき検出可能な特徴的なスピンを有するものを含み、これは、本発明のアルブミン融合蛋白質を発現する細胞株に付与した栄養素の標識により、アルブミン融合蛋白質中に取り込まれてもよい。
適切な検出可能なイメージング部分、例えば、放射性同位元素(例えば、131I、112In、99mTc、(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(115mIn、113mIn、112In、111In)、およびテクネチウム99Tc、99mTc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru)、放射線不透過(radio−opaque)物質または核磁気共鳴により検出可能な物質を用いて標識されているアルブミン融合蛋白質は、哺乳類へ導入され(例えば、非経口的、皮下または腹腔内に)、免疫系疾患について調べられる。対象の大きさおよび用いられるイメージング装置が、診断画像を得るために必要とされるイメージング部分の量を決定し得ることが、当業者には理解されよう。放射性同位元素部分の場合、ヒト対象については、通常、注入される放射能の量は、約5〜20ミリキュリーの99mTcの範囲に及び得る。次いで、標識されたアルブミン融合蛋白質は、1またはそれ以上の受容体、リガンドまたは基質(本発明のアルブミン融合蛋白質をつくるために用いられる治療用蛋白質のものに対応する)が位置する体内の部位(例えば、組織、細胞、細胞外空間またはマトリックス)において選択的に蓄積し得る。或いは、アルブミン融合蛋白質が治療用蛋白質の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含む場合、標識されたアルブミン融合蛋白質は、次いで、(本発明のアルブミン融合蛋白質をつくるために用いられる)治療用蛋白質により結合されたものに対応するポリペプチド/エピトープが位置する体内の部位(例えば、組織、細胞、細胞外空間またはマトリックス)において選択的に蓄積し得る。インビボでの腫瘍イメージングは、S.W.Burchielら.,”Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments”(Chapter 13 in Tumor Imaging:The Radiochemical detectino of Cancer, S.W. Burchiel and B.A.Rhodes,eds.,Masson Publishing Inc.(1982))において記載されていう。そこで開示されているプロトコルは、本発明のアルブミン融合蛋白質について用いるために、当該分野の技術により容易に修飾され得るだろう。
一の実施態様において、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸に関連する本発明のアルブミン融合蛋白質(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または抗体をコードするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド)を投与することにより、本発明のアルブミン融合蛋白質を細胞へ特異的に送達させるための方法を提供する。一の実施態様において、本発明は、治療用蛋白質を標的細胞へ送達させるための方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、一本鎖核酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)または二本鎖核酸(例えば、細胞のゲノム中に統合し得るかまたはエピソームとして複製し、および転写できるDNA)を標的細胞へ送達させるための方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、毒素または細胞傷害性プロドラックに関連するアルブミン融合蛋白質を投与することにより本発明の細胞を特異的に破壊する(例えば、腫瘍細胞の破壊)ための方法を提供する。
「毒素」により、内因性細胞傷害エフェクター系に結合し、およびそれを活性化する1またはそれ以上の化合物、放射性同位元素、ホロ毒素、修飾された毒素、毒素の触媒サブユニット、或いは特定条件下において細胞死を惹起する、細胞内または細胞表面に通常存在しない任意の分子または酵素が意味される。本発明の発明に従って用いられてもよい毒素は、当該技術分野において知られている放射性同位元素、化合物、例えば、生来のまたは誘導された内因性細胞傷害エフェクター系に結合する抗体(またはその部分を含む補体結合)、チミジンキナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、アルファ毒素、リシン、アブリン、シュ−ドモナス(Pseudomonas)エキソ毒素A、ジフテリア毒素、サポリン、モモルジン、ゲロニン、ヨウシュヤマゴボウ(pokeweed)抗ウイルス蛋白質、アルファ−サルシンおよびコレラ毒素を含むが、これらに限定されない。「毒素」は、細胞分裂阻害剤または細胞破壊剤、治療剤または放射性金属イオン、例えば、213Biのごときアルファ−放出体、または他の放射性同位元素、例えば、103Pd、133Xe、131I、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、35S、90Y、153Sm、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、90イットリウム、117スズ、186レニウム、166ホルミウムおよび188レニウム;ルミノールのごとき発光標識;およびフルオレセインおよびローダミンのごとき蛍光標識およびビオチンも含む。一の特定の実施態様において、本発明は、放射性同位元素90Yに関連する本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を投与することにより、細胞を特異的に破壊する(例えば、腫瘍細胞の破壊)ための方法を提供する。別の特定の実施態様において、本発明は、放射性同位元素111Inに関連する本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を投与することにより、細胞を特異的に破壊する(例えば、腫瘍細胞の破壊)ための方法を提供する。さらなる一の特定の実施態様において、本発明は、放射性同位元素131Iに関連する本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を投与することにより、細胞を特異的に破壊する(例えば、腫瘍細胞の破壊)ための方法を提供する。
当該技術分野において知られている技法を用いて、本発明のポリペプチドを標識してもよい。かかる技法は、二重機能性コンジュゲート物質(例えば、米国特許第5,756,065号;第5,714,631号;第5,696,239号;第5,652,361号;第5,505,931号;第5,489,425号;第5,435,990号;第5,428,139号;第5,342,604号;第5,274;119号;第4,994,560号;および第5,808,003号を参照のこと。該内容のそれぞれは出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)の使用を含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、哺乳類、好ましくはヒトにおける様々な障害を診断、処置、予防および/または予後するために有用である。かかる障害は、本明細書中の以下の「生物活性」と題するセクションの下で記載されているものを含むが、これらに限定されない。
故に、本発明は、(a)本発明のアルブミン融合蛋白質を用いて、個体の細胞または体液における特定のポリぺプチドの発現レベルをアッセイし、(b)基準ポリペプチドの発現レベルとアッセイしたポリペプチドの発現レベルを比較することを含む障害の診断方法を提供し、ここで、基準の発現レベルと比較してアッセイしたポリぺプチドの発現レベルにおける増大または減少が障害の指標となる。癌については、個体からの生検用組織における比較的高い量の転写物の存在が、疾患発症のための素因を示してもよく、または、実際の臨床徴候が顕れる前に疾患を検出するための手段を提供してもよい。この型のより確定的な診断により、医療の専門家はより早期に予防的手段または攻撃的処置を用いて、癌の発症またはさらなる進行を予防することができる。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質は、例えば、神経障害、免疫系障害、筋疾患、生殖器系障害、胃腸障害、肺障害、心血管障害、腎障害、増殖性障害および/または癌性疾患および状態のごとき疾患または状態を処置または予防するために用いることができる。例えば、患者に本発明のポリペプチドを投与して、ポリペプチド(例えば、インスリン)の欠失または低下レベルを補う、異なるポリペプチド(例えば、ヘモグロビンBについてヘモグロビン、SOD、カタラーゼ、DNA修復蛋白質)の欠失または低下レベルを補う、ポリペプチド(例えば、オンコジーンまたは腫瘍抑制因子)の活性を阻害する、ポリペプチド(例えば、受容体に結合することにより)の活性を増大させる、遊離リガンド(例えば、炎症の軽減において用いられる可溶性TNF受容体)と競合させることにより膜結合型蛋白質の活性を減少する、または所望の応答(例えば、血管成長阻害、増殖性細胞または組織に対する免疫応答の亢進)を引き起こすことができる。
特に、治療用抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質を用いて、疾患(上記および本明細書中別記されるもの)を処置することができる。例えば、治療用抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質の投与は、アルブミン融合蛋白質特異的を作るために用いられる治療用抗体が特異的に結合するポリペプチドを結合および/または中和し得、および/またはアルブミン融合蛋白質特異的を作るために用いられる治療用抗体が特異的に結合するポリペプチドの過剰な産生を軽減することができる。同様に、治療用抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質の投与は、膜(受容体)に結合したポリペプチドに結合させることにより、アルブミン融合蛋白質を調製するために用いた治療用抗体が特異的に結合したポリペプチドを活性化することができる。
少なくとも、本発明のアルブミン本発明の融合蛋白質は、当業者に知られている方法により、SDS−PAGEゲルまたはモレキュラーシーブゲル濾過カラム上での分子量マーカーとして用いることができる。本発明のアルブミン融合蛋白質を用いて、抗体を産生し、順次、宿主細胞または生体試料における形質転換を評価する方法として、組換え細胞に由来する本発明の治療用蛋白質、アルブミン蛋白質および/またはアルブミン融合蛋白質の蛋白質発現を測定するために用いてもよい。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質は、本明細書中記載されている生物活性を試験するために用いることができる。
診断アッセイ
本発明の化合物は、哺乳類、好ましくはヒトにおける様々な障害を診断、処置、予防および/または予後するために有用である。かかる障害は、表1の対応する列において各治療用蛋白質について記載されているもの、および本明細書の以下の「免疫活性」「血液関連疾患」「過増殖性疾患」「腎障害」「心血管疾患」「呼吸器疾患」「抗−血管新生活性」「細胞レベルにおける疾患」「創傷治癒および上皮細胞増殖」「神経活性および神経疾患」「内分泌性障害」「生殖器系疾患」「感染症」「再生」および/または「胃腸障害」のセクションに記載のものを含むが、これらに限定されない。
多数の障害について、遺伝子発現の実質的に改変された(増大されたまたは減少された)レベルが、「標準の」遺伝子発現レベル、すなわち、障害を有さない個体に由来する組織または体液における発現レベルと比較して、かかる障害を有する個体から得られた組織、細胞または体液(例えば、血清、血漿、尿、精液、滑液または髄液)において検出され得る。故に、本発明は、障害の診断において有用な診断方法であって、個体に由来する組織、細胞または体液においてポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを測定し、次いで、測定された遺伝子発現レベルを標準の遺伝子発現レベルと比較することを含む方法を提供し、ここで、標準と比較して一または複数の遺伝子発現レベルの増大および減少が障害の指標となる。これらの診断アッセイは、インビボまたはインビトロ、例えば、血液試料、生検組織または剖検組織において行われてもよい。
本発明は、遺伝子発現の亢進または抑制を示す患者がより悪い臨床結果を被るという予後指標としても有用である。
「ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」とは、特定のポリペプチド(例えば、表1に開示される治療用蛋白質に対応するポリペプチド)のレベルまたは初めの生体試料において本発明のポリペプチドをコードするmRNAのレベルを、直接的(例えば、絶対蛋白質レベルまたはmRNAレベルを測定または推定することによる)または相対的(例えば、第2の生体試料におけるポリペプチドレベルまたはmRNAレベルと比較することによる)に、定性的または定量的に測定または推定することが意図される。好ましくは、初めの生体試料におけるポリペプチド発現レベルまたはmRNAレベルが測定または推定され、次いで、基準のポリペプチドレベルまたはmRNAレベルと比較される。該基準は、障害を有さない個体から得られた二次的な生体試料から得られるものであるか、または障害を有さない個体の集団に由来する平均レベルから決定されるものである。当業者に理解されるように、基準のポリペプチドレベルまたはmRNAレベルが知られていれば、それは比較のための基準として繰り返し用いられ得る。
「生体試料」により、個体、細胞株、組織培養物または本発明のポリペプチド(その部分を含む)またはmRNAを含む他のソースから得られた任意の生体試料が意図される。示されるように、生体試料は、体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液および髄液)およびポリペプチドまたはmRNAの全長またはその断片を発現することが見出されている組織ソースを含む。哺乳類から生検組織および体液を得るための方法は当該技術分野においてよく知られている。生体試料がmRNAを含む必要がある場合、生検組織は好ましいソースである。
細胞の全RNAは、任意の適当な技法、例えば、ChomczynskiおよびSacchi,Anal.Biochem.162:156−159(1987)に記載されている単一段階のグアニジウム−チオシアナートフェノール−クロロホルム法を用いて、生体試料から単離され得る。次いで、本発明のポリペプチドをコードするmRNAのレベルは、任意の適切な方法を用いてアッセイされ得る。これらは、ノーザンブロット分析、Slヌクレアーゼマッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)と組み合わせた逆転写およびリガーゼ連鎖反応(RT−LCR)と組み合わせた逆転写を含む。
本発明は、生体試料(例えば、細胞および組織)において本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドのレベルを検出するための診断アッセイ、例えば、定量および診断アッセイであって、ポリペプチドの正常なおよび異常なレベルを測定することを含むアッセイにも関する。故に、例えば、正常な対照組織試料と比較した、アルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドの異常な発現を検出するための本発明に従う診断は、腫瘍の存在を検出するために用いられてもよい。宿主に由来する試料における本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドのレベルを決定するために用いられ得るアッセイ技法は、当業者によく知られている。かかるアッセイ方法は、ラジオイムノアッセイ、競合的−結合アッセイ、ウエスタンブロット分析およびELISAアッセイを含む。生体試料におけるポリペプチドレベルのアッセイは、任意の知られている方法を用いて行うことができる。
生体試料におけるポリペプチドレベルのアッセイは、様々な技法を用いて行われ得る。例えば、組織中のポリペプチド発現は、古典的な免疫組織学的方法(Jalkanenら.、J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanen,M.,ら.,J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987))を用いて研究され得る。ポリペプチド遺伝子発現を検出するために有用な他の方法は、イムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)を含む。適当な抗体アッセイ標識は、当該技術分野において知られており、およびグルコースオキシダーゼのごとき酵素標識およびヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(112In)およびテクネチウム(99mTc)のごとき放射性同位元素およびフルオレセインおよびローダミンのごとき蛍光標識およびビオチンを含む。
一般的に、分析されるべき組織または細胞型は、目的の遺伝子(例えば、癌のごとき)を発現することが知られているかまたはその疑いのあるものを含み得る。本明細書中用いられる蛋白質単離方法は、例えば、HarlowおよびLane(Harlow,E.およびLane,D.,1988,”Antibodies:A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York)に記載されているものを含んでもよく、該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。単離される細胞は、細胞培養物または患者に由来し得る。培養物から得られた細胞の分析は、細胞に基づく遺伝子治療法の一部として用いられ得る細胞の評価において、または別法では、遺伝子の発現における化合物の効果を試験するために、必須な段階であってもよい。
例えば、アルブミン融合蛋白質は、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドの存在を定量的または定性的に検出するために用いられてもよい。これは、例えば、光学顕微鏡、フローサイトメトリーまたは蛍光定量による検出と組み合わせた、蛍光標識したアルブミン融合蛋白質を用いる免疫蛍光技法により成し遂げられ得る。
好ましい一の実施態様において、(例えば、表1に開示される治療用蛋白質)または当該技術分野において知られている少なくとも1つの治療用蛋白質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの断片もしくは変異体を含むアルブミン融合蛋白質を用いて、遺伝子産物または保存変異体またはそのペプチド断片の存在を定量的または定性的に検出してもよい。これは、例えば、光学顕微鏡、フローサイトメトリー、または蛍光定量による検出と組み合わせた、蛍光標識した抗体を用いる免疫蛍光技法により成し遂げることができる。
さらに、免疫蛍光、免疫電子顕微鏡または非免疫学的アッセイと同様に、本発明のアルブミン融合蛋白質を組織学的に用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドを検出してもよい。インサイツでの検出は、患者から組織標本を取り出し、次いで、それを標識された本発明の抗体またはポリペプチドへ加えることにより成し遂げられてもよい。好ましくは、アルブミン融合蛋白質は、生体試料上に標識されたアルブミン融合蛋白質を重層することにより、加えられる。かかる方法を用いることにより、アルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドの存在だけでなく、被検組織におけるその分布も測定することができる。本発明を用いて、当業者は、任意の多種多様な組織学的方法(染色法のような)がかかるインサイツでの検出を成し遂げるために修飾することができることを容易に認識するだろう。
アルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドを検出するイムノアッセイおよび非イムノアッセイは、典型的に、遺伝子産物または保存変異体またはペプチドその断片に結合し得る検出可能に標識抗体の存在下、試料、例えば、生物の体液、組織抽出物、新たに回収した細胞、細胞培養にてインキュベーションされた細胞の溶解物をインキュベーションし、次いで、および当該技術分野においてよく知られている任意の多数の技法により結合された抗体を検出することを含む。
生体試料は、ニトロセルロースなどの固相支持体もしくは担体、または細胞、細胞粒子もしくは可溶性蛋白質を固定化し得る他の固体支持体と接触させ、次いで、そこに固定化されてもよい。次いで、支持体は適当なバッファーを用いて洗浄され、その後、検出可能に標識された本発明のアルブミン融合蛋白質を用いて処置されてもよい。次いで、固相支持体を、バッファーで2回洗浄し、結合しなかった抗体またはポリペプチドを除去してもよい。所望により、その後抗体を標識する。次いで、固体支持体上に結合された標識の量を慣用的な手段を用いて検出してもよい。
「固相支持体もしくは担体」により、ポリペプチド(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するアルブミン融合蛋白質またはポリペプチド)に結合し得る任意の支持体が意図される。よく知られている支持体または担体は、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾されたセルロース、ポリアクリルアミド、斑糲岩および磁鉄鉱を含む。本発明の目的のために、担体の性質は、ある程度可溶性であるか、または不溶性のいずれかであり得る。カップリングした分子がポリペプチドに結合することができれば、支持物質は、事実上任意の可能な構造形状を有してもよい。故に、支持体の形状は、ビーズにおけるような球状或いは試験管の内表面またはロッドの外表面におけるようなシリンダ−状であってもよい。別法では、表面は、シート、試験片などのように平らであってもよい。好ましい支持体はポリスチレンビーズを含む。当業者は、抗体または抗原に結合するための多くの他の適当な担体を知っているか、または慣用的な実験を用いることによりそれを確認することができよう。
特定ロットのアルブミン融合蛋白質の結合活性がよく知られている方法により測定されてもよい。当業者は、慣用的な実験を用いることによる測定それぞれについての操作的および最適なアッセイ条件を決定することができよう。
個体から得られた生体試料におけるポリペプチドレベルをアッセイすることに加えて、ポリペプチドはイメージングによってもインビボにて検出できる。例えば、本発明の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、患部細胞または新生物細胞をイメージングするために用いられる。
本発明のアルブミン融合蛋白質のインビボイメージングのための標識またはマーカーは、X線撮影、NMR、MRI、CAT−スキャンまたはESRにより検出可能なものを含む。X線撮影については、適当な標識は、検出可能な放射線を放出するが、対象に対して過度に有害でないバリウムまたはセシウムのごとき放射性同位元素を含む。NMRおよびESRのために適当なマーカーは、重水素のごとき検出可能な特徴的なスピンを有するものを含み、これを、遺伝子操作した細胞株(または細菌または酵母株)の栄養素を標識することにより、アルブミン融合蛋白質中に取り込んでもよい。
さらに、その存在が検出され得る本発明のアルブミン融合蛋白質が投与され得る。例えば、放射線不透過なまたは他の適切な化合物を用いて標識した本発明のアルブミン融合蛋白質は、標識抗体について上記したように、インビボにおいて投与および可視化され得る。さらに、かかるポリペプチドはインビトロ診断法においても利用され得る。
適切な検出可能なイメージング部分、例えば、放射性同位元素(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過物質、もしくは核磁気共鳴により検出可能な物質を用いて標識されているポリペプチド特異的抗体または抗体断片を、例えば、非経口的、皮下または腹腔内に、障害について検査しようとする哺乳類へ導入する。対象の大きさおよび用いられるイメージング装置が、診断画像を作成するために必要なイメージング部分の量を決定し得ることが、当業者には理解されよう。放射性同位元素部分の場合、ヒト対象について、注入される放射量は、通常、約5〜20ミリキュリーの範囲の99mTcであろう。次いで、標識されたアルブミン融合蛋白質は、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する、結合される、または会合するポリペプチドまたは他の物質を含む体内の部位に選択的に蓄積し得る。インビボでの腫瘍イメージングは、S.W.Burchielら,”Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments”(Chapter 13 in Tumor Imaging:The Radiochemical detectino of Cancer,S.W.Burchiel and B.A.Rhodes,eds.,Masson Publishing Inc.(1982))に記載されている。
本発明のアルブミン融合蛋白質が検出可能に標識され得る方法の1つは、それをレポーター酵素に結合させ、次いで、結合した産物を酵素免疫アッセイ(EIA)において用いることによる(Voller,A.,”The Enzyme Linked Immunosorbent Assay (ELISA)”,1978,Diagnostic Horizons 2:1−7,Microbiological Associates Quarterly Publication,Walkersville,MD);Vollerら.,J.Clin.Pathol.31:507−520(1978);Butler,J.E.,Meth.Enzymol.73:482−523(1981);Maggio,E.(ed.),1980,EnzymeImmunoassay,CRCPress,BocaRaton,FL,;Ishikawa,E.ら.,(eds.),1981,Enzyme Immunoassay,Kgaku Shoin,Tokyo)。抗体に結合するレポーター酵素は、例えば、分光光度的、蛍光定量的または視覚的手段により検出できる化学的部分を生じるように、適切な基質、好ましくは色素産生性基質と反応させることができる。抗体を検出可能に標識するために用いられ得るレポーター酵素は、リンゴ酸脱水素酵素、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコール脱水素酵素、アルファ−グリセロリン酸、デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを含むが、これらに限定されない。さらに、検出は、レポーター酵素用の発色性基質を用いる比色分析方法により成し遂げることができる。同様に調製した標準物に対して、基質の酵素反応の程度を目視比較することにより、検出は成し遂げられてもよい。
アルブミン融合蛋白質は、放射標識されてもよく、および任意の様々な他のイムノアッセイにおいて用いられてもよい。例えば、アルブミン融合蛋白質を放射標識することにより、ラジオイムノアッセイ(RIA)においてアルブミン融合蛋白質を用いることが可能である(例えば、Weintraub、B.、Principles of Radioimmunoassays,Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques, The Endocrine Society,March,1986を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)。放射性同位元素は、ガンマカウンター、シンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーを含むがこれらに限定されない手段により検出され得る。
さらに、キレート分子は、当該技術分野において知られており、そしてアルブミン融合蛋白質を標識するために用いられ得る。キレート分子は、アルブミン融合蛋白質に結合され、放射線核種または蛍光標識を含む金属イオンを用いるその蛋白質の標識を促進してもよい。例えば、Subramanian,R.およびMeares,C.F.,”Bifunctional Chelating Agents for Radiometal−labeled monoclonal Antibodies,” in Cancer Imaging with Radiolabeled Antibodies (D.M.Goldenberg,Ed.)Kluwer Academic Publications,Boston;Saji,H.,”Targeted delivery of radiolabeled imaging and therapeutic agents: bifunctional radiopharmaceuticals.”Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.16:209−244(1999);Srivastava S.C.and Mease R.C.,”Progress in research on ligands, nuclides and techniques for labeling monoclonal antibodies.” Int.J.Rad.Appl.Instrum.B 18:589−603(1991);and Liu,S.and Edwards,D.S.,”Bifunctional chelators for therapeutic lanthanide radiopharmaceuticals.”Bioconjug.Chem.12:7−34(2001)を参照のこと。該アルブミン融合蛋白質に共有結合され得る任意のキレート剤は、本発明に従って用いられてもよい。キレート剤はさらに、アルブミン融合蛋白質にキレート剤部分を連結するリンカー部分を含んでもよい。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、非環式キレート剤、例えば、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DPTA)、DPTAのアナログおよびDPTAの誘導体に結合される。非限定的な例として、キレート剤は、2−(p−イソチオシアナートベンジル)−6−メチルジエチレントリアミン五酢酸(1B4M−DPTA、MX−DTPAとしても知られている)、2−メチル−6−(rho−ニトロベンジル)−1,4,7−トリアザヘプタン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(ニトロ−1B4M−DTPAまたはニトロ−MX−DTPA);2−(p−イソチオシアナートベンジル)−シクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸(CHX−DTPA)またはN−[2−アミノ−3−(rho−ニトロフェニル)プロピル]−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N’,N”−五酢酸(ニトロ−CHX−A−DTPA)を含んでもよい。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、非環式テルピリジンキレート剤、例えば、6,6”−ビス[[N,N,N”,N”−テトラ(カルボキシメチル)アミノ]メチル]−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2”−テルピリジン(TMT−アミン)に結合される。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合されるマクロサイクルキレート剤は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”’−テトラ酢酸(DOTA)である。他の特定の実施態様において、DOTAは、リンカー分子を介して本発明のアルブミン融合蛋白質に結合される。DOTAをポリペプチドへコンジュゲートするために有用なリンカー分子の例は一般的に当該技術分野において知られている。例えば、DeNardoら.,Clin.CancerRes.4(10):2483−90,1998;Petersonら.,Bioconjug.Chem.10(4):553−7,1999;およびZimmermanら.,Nucl.Med.Biol.26(8):943−50,1999を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。加えて、米国特許第5,652,361号および第5,756,065号は、抗体にコンジュゲートされてもよいキレート剤およびそれらの製造方法および使用方法を記載しており、これらは出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。米国特許第5,652,361号および第5,756,065号は、抗体に対するキレート剤のコンジュゲーションに焦点を当てているが、当業者は、他のポリペプチドに対してキレート剤をコンジュゲートするために、そこに開示されている方法を容易に適用できよう。
コンジュゲーションが、リガンドの炭素骨格に結合した活性化アームまたは官能基を介するものである、マクロサイクルリガンドに基づく二重機能性キレート剤は、M.Moielal.,J.Amer.Chem.Soc.49:2639(1989)(2−p−nitrobenzyl−1,4,7,10−tetraazacyclododecane−N,N’,N”,N”’−tetraaceticacid);S.V.Deshpandeら.,J.Nucl.Med31:473(1990);G.Ruserら.,Bioconj.Chem.1:345(1990);C.J.Broanら.,J.C.S.Chem.Comm.23:1739(1990);およびC.J.Andersonら.,J.Nucl.Med.36:850(1995)に記載のように用いられ得る。
一の実施態様において、所望により1またはそれ以上のカルボキシ、アミノ、ヒドロキサマート、ホスホナートまたはリン酸基を含むマクロサイクルキレート剤、例えば、ポリアザマクロサイクルキレート剤が本発明のアルブミン融合蛋白質に結合される。別の実施態様において、キレート剤は、DOTA、DOTAのアナログおよびDOTAの誘導体からなる群より選択されるキレート剤である。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合されてもよい適当なキレート剤分子は、DOXA(I−オキサ−4,7,10−トリアザシクロドデカントリ酢酸)、NOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン三酢酸)、TETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンテトラ酢酸)、およびTHT(4’−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニル)−6,6”−ビス(N’,N’−ジカルボキシメチル−N−メチルヒドラジノ)−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、およびそのアナログおよび誘導体を含む。例えば、Ohmonoら.,J.Med.Chem.35:157−162(1992);Kungら.,J.Nucl.Med 25:326−332(1984);Jurissonら.,Chem.Rev.93:1137−1156(1993);および米国特許第5,367,080号を参照のこと。他の適当なキレート剤は、米国特許第4,647,447号;第4,687,659号;第4,885,363号;EP−A−71564;W089/00557;およびEP−A−232751において開示されているキレート剤を含む。
別の実施態様において、本発明において用いられ得る適当なマクロサイクルカルボン酸キレート剤は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N’’’−テトラ酢酸(DOTA);1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラ酢酸(15N4);1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N’,N”−トリ酢酸(9N3);1,5,9−トリアザシクロドデカン−N,N’,N”−トリ酢酸(12N3);および6−ブロモアセトアミド−ベンジル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラ酢酸(BAT)を含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質に結合され得る好ましいキレート剤は、MeO−DOTA−NCSとしても知られている、α−(5−イソチオシアナート2−メトキシフェニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸である。α−(5−イソチオシアナート2−メトキシフェニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸の塩またはエステルも用いられてもよい。
記載のごときキレート剤が共有結合する本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療、診断、または治療および診断の双方を目的として、適当な放射線核種を用いて(キレート剤の配位部位を介して)標識されてもよい。適切な金属の例は、Ag、At、Au、Bi、Cu、Ga、Ho、In、Lu、Pb、Pd、Pm、Pr、Rb、Re、Rh、Sc、Sr、Tc、Tl、YおよびYbを含む。診断目的のために用いられる放射線核種の例は、Fe、Gd、111In、67Gaまたは68Gaを含む。別の実施態様において、診断目的のために用いられる放射線核種は、111Inまたは67Gaである。治療目的のために用いられる放射線核種の例は、166Ho、165Dy、90Y、115mln、52Feまたは72Gaである。一の実施態様において、治療目的のために用いられる放射線核種は、166Hoまたは90Yである。治療および診断双方を目的として用いられる放射線核種の例は、153Sm、177Lu、159Gd、175Yb、または47Scを含む。一の実施態様において、放射線核種は、153Sm、177Lu、175Yb、または159Gdである。
好ましい金属放射線核種は、90Y、99mTc、111In、47Sc、67Ga、51Cr、177mSn、67Cu、167Tm、97Ru、188Re、177Lu、199Au、47Sc、67Ga、51Cr、177mSn、67Cu、167Tm、95Ru、188Re、177Lu、199Au、203Pbおよび141Ceを含む。
特定の一の実施態様において、キレート剤が共有結合される本発明のアルブミン融合蛋白質は、90Y、111In、177Lu、166Ho、215Biおよび225Acからなる群より選択される金属イオンを用いて標識されてもよい。
さらに、診断イメージングのために、γ−放出放射線核種、例えば、99mTc、111In、67Gaおよび169Ybが認可されているかまたは研究されており、一方でβ−放射体、例えば、67Cu、111Ag、186Reおよび90Yは腫瘍治療に適用するために有用である。さらに他の有用な放射線核種は、γ−放射体、例えば、99mTc、111In、67Gaおよび169Ybおよびβ−放射体、例えば、67Cu、111Ag、186Re、188Reおよび90Yを含み、ならびに対象とする他の放射線核種は、例えば、211At、212Bi、177Lu、86Rb、105Rh、153Sm、198Au、149Pm、85Sr、142Pr、214Pb、109Pd、166Ho、208Tlおよび44Scを含む。キレート剤が共有結合される本発明のアルブミン融合蛋白質は、上記の放射線核種を用いて標識されてもよい。
別の実施態様において、キレート剤が共有結合される本発明のアルブミン融合蛋白質は、遷移およびランタニド金属、例えば、原子番号21−29、42、43、44、または57−71を有する金属のイオン、特に、Cr、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuのイオンを含む常磁性金属イオンを用いて標識されてもよい。磁気共鳴画像法のために組成物中に用いられる常磁性金属は、原子番号22〜29、42、44および58〜70を有するエレメントを含む。
別の実施態様において、キレート剤が共有結合される本発明のアルブミン融合蛋白質は、ランタニド、特にLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu(例えば、152Eu)、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuを含む蛍光金属イオンを用いて標識されてもよい。
別の実施態様において、キレート剤が共有結合される本発明のアルブミン融合蛋白質は、Mo、Bi、SiおよびWの原子を含んでもよい、重金属を含むレポーターを用いて標識されてもよい。
蛍光化合物を用いてアルブミン融合蛋白質を標識することが可能である。蛍光標識抗体が適切な波長の光に曝されると、その存在が蛍光に起因して検出され得る。最も一般的に用いられる蛍光標識化合物には、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、オフトアルデヒドおよびフルオレスカミンがある。
アルブミン融合蛋白質は、152Euのごとき蛍光放出金属またはランタニド属の他のものを用いて検出可能に標識され得る。これらの金属は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などの金属キレート基を用いて抗体に結合され得る。
アルブミン融合蛋白質は、それを化学発光化合物にカップリングすることによっても検出可能に標識され得る。次いで、化学発光標識されたアルブミン融合蛋白質の存在は、化学反応の間に生じる発光の存在を検出することにより測定される。特に有用な化学発光標識化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、テロマティック(theromatic)アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルである。
同様に、生物発光化合物は、本発明のアルブミン融合蛋白質を標識するために用いられてもよい。生物発光は、生物系において見出される化学発光の一の型であり、ここで、触媒蛋白質は化学発光反応の効率を増大する。生物発光蛋白質は、発光の存在を検出することにより測定される。標識のための重要な生物発光化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。
トランスジェニック生物
本発明のアルブミン融合蛋白質を発現するトランスジェニック生物も本発明に含まれる。トランスジェニック生物は遺伝学的に改変された生物であり、その中に組換え、外因性またはクローン化された遺伝物質が移入されている。かかる遺伝物質は多くの場合トランスジーンと言われる。トランスジーンの核酸配列は、コードされた蛋白質の最適な発現および分泌のために必要とされてもよい、1またはそれ以上の転写制御配列およびイントロンのごとき他の核酸配列を含んでもよい。トランスジーンは、生物体または生物体が産生する産物、例えば、生物体の乳、血液、尿、卵、髪または種からのその回収を高めるように、コードされた蛋白質の発現を指令するように設計されてもよい。トランスジーンは、標的動物の種と同種または異種のゲノムに由来する核酸配列からなる。トランスジーンは、そうでなければ特定の核酸配列が正常に見出されないゲノムの遺伝子座またはトランスジーンの正常な遺伝子座のいずれかに組み込まれてもよい。
用語「生殖細胞系トランスジェニック生物」は、遺伝的改変または遺伝情報を生殖系列細胞系に導入することにより、遺伝情報を子孫へ伝達するトランスジェニック生物の能力を付与されたトランスジェニック生物を言う。かかる子孫が実際にその改変または遺伝情報の幾つかまたは全てを有するならば、それらもトランスジェニック生物である。改変または遺伝情報は、レシピエントが属する生物の種に対して外来のものであってもよく、特定の個体のレシピエントに対してのみ外来であってもよく、またはレシピエントが既に有する遺伝情報であってもよい。後者の場合、改変されたまたは導入された遺伝子は、天然の遺伝子と異なって発現されてもよい。
トランスジェニック生物は、トランスジェニック動物またはトランスジェニック植物であってもよい。トランスジェニック動物は、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、胚性幹細胞および組換えウイルスにおける標的遺伝子導入およびレトロウイルス感染を含む様々な異なる方法により産生できる(例えば、米国特許第4,736,866号;米国特許第5,602,307号;Mullinsら.(1993)Hypertension 22(4):630−633;Breninら.(1997)Surg.Oncol.6(2)99−110;Tuan(ed.),Recombinant Gene Expression Protocols,Methods in Molecular Biology No. 62, Humana Press(1997)を参照のこと)。組換え能力をもつ哺乳類細胞中に核酸断片を導入する方法は、複数の核酸分子の共形質転換を支持する任意の方法により行うことができる。トランスジェニック動物を産生するための詳細な方法は当業者に容易に入手可能であり、米国特許第5,489,743号および米国特許第5,602,307号における開示内容を含む。
多数の組換えまたはトランスジェニックマウスが生産されており、活性型癌遺伝子配列を発現するもの(米国特許第4,736,866号);サルSV40T−抗原を発現するもの(米国特許第5,728,915号);インターフェロン調節因子1(IRF−1)の発現を欠失しているもの(米国特許第5,731,490号);ドーパミン作動性機能障害(米国特許第5,723,719号)を示すもの;血圧制御に関与する少なくとも1つのヒト遺伝子を発現するもの(米国特許第5,731,489号);自然発症性アルツハイマー病に見られる状態と大きな類似性を示すもの(米国特許第5,720,936号);細胞接着を媒介する能力が低下したもの(米国特許第5,602,307号);ウシ成長ホルモン遺伝子を有するもの(Clutterら.(1996)Genetics 143(4):1753−1760);または十分なヒト抗体応答を生じ得るもの(McCarthy(1997)The Lancet 349(9049):405)を含む。
マウスおよびラットは依然としてほとんどのトランスジェニック実験のために選択される動物であるが、幾つかの場合、別の動物種を用いることが好ましく、またはさらには必要とされる。トランスジェニック法は、ヒツジ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジ−、ハムスター、ウサギ、ウシおよびモルモットを含む様々なネズミでない動物において首尾よく利用されている(例えば、Kimら.(1997)Mol.Reprod.Dev.46(4):515−526;Houdebme(IYYDJ xeprod Nutr Dev. 35(6):609−617;Fetters(1994)Reprod.Fertil.Dev.6(5):643−645;Schniekeら.(1997)Science 278(5346):2130−2133;およびAmoah(1997)J.Animal Science 75(2):578−585を参照のこと)。
本発明のトランスジーンによりコードされた蛋白質のトランスジェニック動物の乳汁中への分泌を指令するためには、哺乳類上皮細胞において選択的に活性化されたプロモーターの制御下にそれを置いてもよい。乳蛋白質をコードする遺伝子を制御するプロモーター、例えば、カゼイン、ベータラクトグロブリン、乳清酸蛋白質、またはラクトアルブミンのためのプロモーター(例えば、DiTullio(1992)BioTechnology 10 :74−77;Clarkら.(1989)BioTechnology 7:487492;Gortonら.(1987)BioTechnology 5:1183−1187;およびSoulierら.(1992) FEBS Letts.297:13を参照のこと)が好ましい。選択するトランスジェニック哺乳類、例えばヤギ、ウシ、ラクダまたはヒツジは、大量の乳汁を生じ、および長い乳汁分泌期間を有する。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、トランスジェニック植物、例えば、DNAトランスジーンを核またはプラスチドゲノムに挿入した植物において発現させることもできる。植物細胞またはプロトプラスト中に外来核酸を導入するために用いられる植物形質転換法は、当該技術分野において知られている。一般的に、Methods Enzymology Vol.153(”Recombinant DNA Part D”)1987、Wu and Grossman Eds.,Academic Pressおよび欧特許出願EP 693554を参照のこと。遺伝子操作された植物の生産方法は、米国特許第5,283,184号、米国特許第5,482,852号および欧特許出願EP 693 554においてさらに記載されており、その全ては出典明示により本明細書の一部となる。
医薬または治療用組成物
本発明のアルブミン融合蛋白質またはその処方は、非経口(例えば、皮下または筋内)注入または静脈内注入を含む任意の慣用的な方法により投与されてもよい。処置は、特定期間にわたって、単一回投与または複数回投与から構成されてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質は単独投与され得るが、1またはそれ以上の許容される担体と一緒に医薬処方としてそれを提供することが好ましい。1または複数の担体は、アルブミン融合蛋白質に適合し、かつそのレシピエントに有害ではないという意味において「許容される」必要がある。典型的に、担体は、滅菌およびパイロジェン不含であり得る水または生理的食塩水であろう。本発明のアルブミン融合蛋白質は、特に、溶液中のそれらの拡大された貯蔵寿命のために、パイロジェン不含滅菌水、生理的食塩水または他の等張溶液のごとき水性担体中の処方に十分に適する。例えば、医薬本発明の組成物は、十分に前もって、例えば、投与される数週間前または数ヶ月間前またはそれ以上の期間前に、処方されてもよい。
例えば、アルブミン融合蛋白質を含む処方は、水性処方中のアルブミン融合蛋白質の延長された貯蔵寿命を考慮して調製されてもよい。上記したように、多くのこれらの治療用蛋白質の貯蔵寿命は、HAに融合された後、著しく増大または延長される。
エアロゾル投与が適切な場合、本発明のアルブミン融合蛋白質は、標準的な方法を用いてエアロゾルとして処方され得る。用語「エアロゾル」は、細気管支または鼻腔経路中へ吸入され得る、本発明のアルブミン融合蛋白質の任意のガス中(gas−borne)懸濁相を言う。特に、エアロゾルは、本発明のアルブミン融合蛋白質の小滴からなるガス中懸濁物を含み、これは、一定用量吸入器またはネブライザーまたはミストスプレーで生成してもよい。エアロゾルは、空気または他の担体ガス中に懸濁させた本発明の化合物のドライパウダー組成物も含み、それは吸入デバイスからの吹き込みにより送達されてもよい。例えば、Ganderton&Jones、Drug Delivery to the Respiratory Tract,Ellis Horwood(1987);Gonda(1990)Critical Reviews in THerapeutic Drug Carrier Systems 6:273−313;およびRaebumら,.(1992)Pharmacol.Toxicol.Methods27:143−159を参照のこと。
典型的に、本発明の処方は、一つには適切な種に由来するアルブミン融合蛋白質の成分を用いるために、非免疫原性でもある。例えば、ヒトへの使用のために、アルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質およびアルブミン部分の両方が、典型的にヒト由来であり得る。どちらかの成分がヒト由来でない幾つかの場合、主要なアミノ酸を置換することにより、その成分をヒト化させてもよく、その結果、特定のエピトープは、ヒト免疫系にとって、外来ではなくヒトの性質であると思われる。
処方は都合よく単位投与形態にて提供されてもよく、および調剤分野においてよく知られている任意の方法により調製されてもよい。かかる方法は、アルブミン融合蛋白質を、1またはそれ以上の補助成分を構成する担体と結合させる段階を含む。一般的に、処方は、活性成分と液体担体または微粉状の固形担体またはその両方を均一かつ密接に混合し、次いで必要に応じて、製品として成形することにより、調製する。
非経口投与に適する処方は、対象レシピエントに適した処方にする抗酸化剤、バッファー、静菌剤および溶質を含む水性および非水性滅菌注入溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性滅菌懸濁液を包含する。処方は、単位投与用または複数回投与用容器、例えば密封されたアンプル、バイアルまたはシリンジ中にて提供されてもよく、および使用直前に注入用滅菌液体担体、例えば水を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で提供されてもよい。即席の注入溶液および懸濁液は、滅菌散剤から調製されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質の多くが拡大された血清半減期を示すことから、治療用蛋白質の非融合の標準的処方と比較して、より低いモル濃度またはより低い投与量の治療用蛋白質部分を含んでもよい。
例として、本発明のアルブミン融合蛋白質が、1またはそれ以上の治療用蛋白質領域として表1の「治療用蛋白質:X」の欄に記載の蛋白質の1つを含む場合、投与形態は、天然の治療用蛋白質のものと比較したアルブミン融合蛋白質の血清半減期および貯蔵寿命が延長されていることを考慮しながら、治療用蛋白質単独の効力に対するアルブミン融合蛋白質の効力に基づいて計算することができる。例えば、治療用蛋白質が典型的に0.3〜30.0IU/kg/週または0.9〜12.0IU/kg/週で投与されるならば、一年またはそれ以上にわたって、3または7回に分けて投与される。治療用蛋白質に融合した全長HAからなるアルブミン融合蛋白質では、単位に関しては同等の用量でも、より大きい薬剤重量を示すことになるが、投与頻度は、例えば1週間に2回、1週間に1回またはそれ未満に減らすことができる。
処方または本発明の組成物は、アルブミン融合蛋白質成分の拡大された貯蔵寿命について記載した説明書または添付文書と一緒にパッケージされるか、またはキットに納めることができる。例えば、かかる説明書または添付文書は、本発明のアルブミン融合蛋白質の拡大されたまたは延長された貯蔵寿命を考慮した、時間、温度および光などの推奨される貯蔵条件を記載している。かかる説明書または添付文書は、本発明のアルブミン融合蛋白質の特定の利点、例えば、管理された病院、診療所または会社環境以外の現場での使用が必要となり得る処方についての貯蔵の容易さを記載していてもよい。上記のように、本発明の処方は、水性形態であってもよく、および理想に満たない状況において、治療活性を有意に損なうことなく貯蔵され得る。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、栄養補助食品に含ませることができる。例えば、特定の本発明のアルブミン融合蛋白質は、アルブミン融合蛋白質を発現するトランスジェニック哺乳類から得られた乳または乳製品を含む、天然物質中にて投与されてもよい。かかる組成物は、アルブミン融合蛋白質を発現するトランスジェニック植物から得られた植物または植物生成物も含み得る。アルブミン融合蛋白質は、他の知られている添加剤、担体、充填剤および希釈剤を伴うまたは伴うことなく、散剤または錠剤形態でも提供され得る。栄養補助食品は、Scott Hegenhart, Food Product Design,Dec.1993にて記載されている。
本発明は、医薬上許容される担体中の有効量の本発明のアルブミン融合蛋白質または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド(「アルブミン融合ポリヌクレオチド」)を対象に投与することにより、疾患または障害(例えば、本明細書中に開示される任意の1またはそれ以上の疾患または障害のごとき)を処置および/または予防する方法も提供する。
アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、個々の患者の臨床状態(特に、アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチド単独による処置の副作用)、送達部位、投与方法、投与スケジュールおよび当業者に知られている他の要因を考慮して、良好な医療実施にかなうように、処方および投与することができる。従って、本明細書の目的のための「有効量」はこれらを考慮することにより決定される。
一般的に提案されるように、非経口投与されるアルブミン融合蛋白質の1用量あたりの医薬上の合計有効量は、患者体重の約1ug/kg/日〜10mg/kg/日の範囲であり得るが、上記したように、これは治療判断に影響され得る。より好ましくは、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日であり、およびヒトについて最も好ましくは、ホルモンの場合、約0.01〜1mg/kg/日である。連続投与されるならば、典型的に、アルブミン融合白質は、例えばミニポンプを用いて、1日あたり1〜4回の注入または連続的な皮下注入のいずれかにより、約1ug/kg/時間〜約50ug/kg/時間の投与速度で投与される。静脈用バッグ溶液も用いられてもよい。変化を観察するのに必要とされる処置期間および処置から応答が現れるまでの時間は、所望の効果に応じて変化すると思われる。
上記したように、本発明のアルブミン融合蛋白質は、治療用蛋白質部分(またはその断片もしくは変異体)単独と比べるとより高い血漿安定性を有する。投与されるべきアルブミン融合蛋白質の1用量あたりの有効量および用量投与スケジュールを決定する場合、この血漿安定性における増大を考慮する必要がある。特に、より高い血漿安定性により、投与頻度が同じ場合にはより低い用量でのアルブミン融合蛋白質の投与が可能となり、或いは、アルブミン融合蛋白質をより少ない頻度で投与してもよい。好ましくは、より高い安定性により、本発明のアルブミン融合蛋白質を低い頻度で投与してもよい。より好ましくは、アルブミン融合蛋白質は、2週間ごとに1回投与され得る。さらにより好ましくは、アルブミン融合蛋白質の薬物動態に依存して、アルブミン融合蛋白質は3、4、5またはそれ以上の週ごとに1回投与され得る。例えば、上記したように、IFN−アルファ−HSA融合蛋白質の薬物動態は、2〜4週またはそれ以上ごとに1回の投与計画および4週または4週以上ごとに1回の間隔での投与を支持する。
アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、経口、直腸内、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所(例えば、散剤、軟膏、ゲル、ドロップまたは経皮パッチによる)、頬側投与されるか、または経口または経鼻スプレーとして投与され得る。「医薬上許容される担体」は、任意の無毒の固形、半固形もしくは液体充填剤、希釈剤、カプセル化物質または処方補助剤を言う。本明細書中、用語「非経口」は、静脈内、筋内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注入および注入を含む投与方法を言う。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチは、徐放系によっても適切に投与される。徐放性アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドの例は、経口、直腸内、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所(例えば、散剤、軟膏、ゲル、ドロップまたは経皮パッチによる)、頬側投与されるか、または経口または経鼻スプレーとして投与される。「医薬上許容される担体」は、任意の型の無毒の固形、半固形もしくは液体充填剤、希釈剤、カプセル化物質または処方補助剤を言う。本明細書中、用語「非経口」は、静脈内、筋内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注入および注入を含む投与方法を言う。徐放性アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドのさらなる例は、適当なポリマー材料(例えば、造形した物品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形態をした半透性ポリマー材料)、適当な疎水性物質(例えば許容されるオイル中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、および難溶性誘導体(例えば、難溶性塩のごとき)を含む。
徐放性マトリックスは、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号,EP58,481),L−グルタミン酸およびガンマーエチル−L−グルタマートのコポリマー(Sidmanら.,Biopolymers 22:547−556(1983)),ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)(Langerら.,J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(1981),およびLanger,Chem.Tech. 12:98−105(1982))、エチレンビニルアセタ−ト(Langer etau.,Id.)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)を含む。
徐放性アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、リポソーム封入された本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドも含む(一般的に、Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら.,in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.317−327および353−365(1989)を参照のこと)。アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドを含むリポソームは、他に関係なく:DE 3,218,121;Epsteinら.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)82:3688−3692(1985);Hwangら.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030−4034(1980);EP 52,322;EP 36,676;EP 88,046;EP 143,949;EP 142,641;日本特許出願83−118008;米特許第4,485,045号および第4,544,545号;およびEP102,324:にて知られている方法により調製される。通常、リポソームは、小さな(約200−800オングストローム)単層型であり、その脂質含有量は、約30molパ−セントのコレステロールよりも大きく、選択する割合は最適な治療剤に適合させる。
さらなる一層の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、ポンプにより送達される(上記のLanger;Sefton, CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら.,Surgery 88:507(1980);Saudekら.,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照のこと)。
他の放出制御系は、Langerによる報文(Science 249:1527−1533(1990))において議論されている。
非経口投与のために、一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、一般的に、単位用量の注入可能な形態(溶液、懸濁液またはエマルジョン)中、それを所望の純度で医薬上許容される担体、すなわち、用いる用量および濃度においてレシピエントに毒性がなく、および処方の他の成分と適合するものと混合することにより処方される。例えば、好ましくは、処方は酸化剤および治療剤に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
一般的に、処方は、アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドを液体担体または微粉状の固体担体またはその両方と均一かつ密接に接触させることにより調製される。次いで、必要ならば、生成物は所望の処方に形成される。好ましくは、担体は非経口用担体であり、より好ましくは、レシピエントの血液と等張な溶液である。かかる担体ビヒクルの例は、水、生理的食塩水、Ringer’s溶液およびデキストロース溶液を含む。固定油およびオレイン酸エチルのごとき非水性ビヒクルならびにリポソームも本明細書中有用である。
適当には、担体は添加剤、例えば、等張性および化学安定性を高める物質を少量含む。かかる物質は、用いる用量および濃度においてレシピエントに対して毒性がなく、およびバッファー、例えば、リン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸および他の有機酸またはそれらの塩;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸;低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド、例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド;蛋白質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニン;単糖、二糖およびセルロースまたはその誘導体、グルコース、マンノ−スまたはデキストリンを含む他の糖;キレート剤、例えば、EDTA;糖アルコール、例えば、マンニトールまたはソルビトール;対イオン、例えば、ナトリウム;および/または非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、Tween−20を含む)、ポリオキサマー(poloxamers)またはPEGを含む。
アルブミン融合蛋白質は、典型的に、約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度、約3〜8のpHで、かかるビヒクル中に処方される。特定の前記した賦形剤、担体または安定化剤がポリペプチド塩の形成をもたらし得ることが理解されよう。
治療投与のために用いられる任意の医薬は滅菌することができる。滅菌は、滅菌濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンのメンブレン)を介した濾過により容易に成し遂げられる。アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、一般的に無菌の進入口を有する容器、例えば、皮下注入針により貫通可能なストッパーを有する静脈溶液用バックまたはバイアル中にセットされる。
通常、アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単位投与用または複数回投与用容器、例えば、密封されたアンプルまたはバイアル中に、水溶液または復元のための凍結乾燥処方として、貯蔵され得る。凍結乾燥処方の例として、10mlのバイアルは、5mlの滅菌濾過された1%(w/v)の水性アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチド溶液で満たされ、そして得られた混合物が凍結乾燥される。注入溶液は、注入のための静菌水を用いて、凍結乾燥されたアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドを復元することにより調製される。
特定および好ましい一の実施態様において、アルブミン融合蛋白質処方は、0.01Mのリン酸ナトリウム、0.15mMの塩化ナトリウム、1ミリグラムの融合蛋白質あたり0.16マイクロモルのオクタン酸ナトリウム、1ミリリットルのポリソルベート80あたり15マイクログラム、pH7.2を含む。別の特定および好ましい実施態様において、アルブミン融合蛋白質処方は、0.01Mのリン酸ナトリウム、0.15mMの塩化ナトリウム、1ミリグラムの融合蛋白質あたり0.16マイクロモルのオクタン酸ナトリウム、1ミリリットルあたり15マイクログラムのポリソルベート80、pH7.2を含む。pHおよびバッファーは、生理学的条件に適合するように選択され、および張度調節剤として塩を加える。オクタン酸ナトリウムは、溶液中の蛋白質の温度安定性を増大する能力が報告されていることから、選択した。最後に、ポリソルベートは、一般的界面活性剤として加えられ、溶液の表面張力を低下させ、および容器密閉系に対するアルブミン融合蛋白質の非特異的吸着を軽減する。
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドの1またはそれ以上の成分が充填された1またはそれ以上の容器を含む医薬パックまたはキットも提供する。かかる一または複数の容器には、医薬または生物製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定された形式の注意書きを備えることができる。その注意書きは、当局による、ヒトへの投与のための製造、使用または販売の認可を示すものである。加えて、アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドを他の治療用化合物と併用してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単独またはアジュバントと組み合わせて投与されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよいアジュバントは、ミョウバン、ミョウバンとデオキシコール酸塩(ImmunoAg)、MTP−PE(Biocine Corp.)、QS21(Genentech、Inc.)、BCG(例えば、THERACYS(登録商標))MPLおよびCorynebacterium parvumの無生育性(nonviable)調製物を含むが、これらに限定されない。特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、ミョウバンと組み合わせて投与される。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、QS−21と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよいさらなるアジュバントは、モノホスホリル脂質免疫調製剤、AdjuVax 100a、QS−21、QS−18、CRL1005、アルミニウム塩、MF−59およびヴィロソマル(Virosomal)アジュバント技法を含むが、これらに限定されない。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよいワクチンは、MMR(はしか、おたふく風邪、風疹)、ポリオ、水疱瘡、破傷風/ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、ヘモウイルスインフルエンザB菌、百日咳、肺炎、肝炎、ライム病、ロタウイルス、コレラ、黄熱病、日本脳炎、灰白髄炎、狂犬病、腸チフスおよび百日咳を防御するワクチンを含むが、これらに限定されない。組み合わせは、例えば混合物として同時に、別々だが同時または一緒に;または連続して投与されてもよい。これは、組み合わせた剤を治療混合物として一緒に投与する形態、および、組み合わせた剤が別々だが同時に投与する方法、例えば別々の静脈内経路を介して同じ個体へ投与する方法を含む。「組み合わせ」投与はさらに、初めに化合物または剤の1つを投与し、次いで、第2のものを投与する個別投与を含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単独または他の治療剤と組み合わせて投与されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与されてもよいアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチド剤は、化学治療剤、抗生物質、ステロイドおよび非ステロイド系抗−炎症剤、慣用的な免疫治療剤、および/または以下に記載の治療用処置を含むが、これらに限定されない。組み合わせは、例えば混合物として同時に、別々だが同時または一緒に;または連続して投与されてもよい。これは、組み合わせた剤が治療混合物として一緒に投与される形態、および、組み合わせた剤が別々だが同時に投与する方法、例えば別々の静脈内経路を介して同じ個体へ投与する方法を含む。「組み合わせ」投与はさらに、初めに化合物または剤の1つを投与し、次いで、第2のものを投与する個別投与を含む。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、抗凝血剤と組み合わせて投与される。本発明の組成物と一緒に投与される抗凝血剤は、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ワルファリンナトリウム(例えば、COUMADIN(登録商標))、ジクマロール、4−ヒドロキシクマリン、アニシンジオン(例えば、MIRADON(登録商標))、アセノクマロール(例えば、ニクマロン、SINTHROME(登録商標))、インダン−1、3−ジオン、フェンプロクモン(例えば、MARCUMAR(登録商標))、ビスクマセタ−トエチル(例えば、TROMEXAN(登録商標))およびアスピリンを含むが、これらに限定されない。特定の一の実施態様において、本発明の組成物は、ヘパリンおよび/またはワルファリンと組み合わせて投与される。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、ワルファリンと組み合わせて投与される。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、ワルファリンおよびアスピリンと組み合わせて投与される。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、ヘパリンと組み合わせて投与される。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、ヘパリンおよびアスピリンと組み合わせて投与される。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、血栓溶解剤と組み合わせて投与される。本発明の組成物と一緒に投与されてもよい血栓溶解剤は、プラスミノーゲン、lys−プラスミノーゲン、アルファ2−抗プラスミン、ストレプトキナーゼ(例えば、KABIKINASE(登録商標))、抗レスプラス(antiresplace)(例えば、EMINASE(登録商標))、組織プラスミノーゲン活性化剤(t−PA、アルテバーゼ、ACTIVASE(登録商標))、ウロキナーゼ(例えば、ABBOKINASE(登録商標))、ソールプラーゼ、(プロウロキナーゼ、一本鎖ウロキナーゼ)およびアミノカプロン酸(例えば、AMICAR(登録商標))を含むが、これらに限定されない。特定の一の実施態様において、本発明の組成物は、組織プラスミノーゲン活性化剤およびアスピリンと組み合わせて投与される。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、血小板凝集阻害剤と組み合わせて投与される。本発明の組成物と一緒に投与されてもよい血小板凝集阻害剤は、アスピリン、ジピリダモ−ル(例えば、PERSANTINE(登録商標))およびチクロピジン(例えば、TICLID(登録商標))を含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせた抗血液凝固剤、血栓溶解剤および/または血小板凝集阻害剤の使用は、血栓症、動脈血栓症、静脈血栓症、血栓塞栓症、肺塞栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、不安定狭心症の予防、診断および/または処置のために熟慮される。特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせた抗凝血剤、血栓溶解剤および/または血小板凝集阻害剤の使用は、伏在移植片の閉塞の予防、血管形成術に付随し得る手術周辺血栓症の危険性の減少、非リウマチ性心房細動を含む心房細動を有する患者における脳卒中の危険性の減少、人工心臓弁および/または僧帽弁疾患に関連する塞栓症の危険性の減少のために熟慮される。単独または抗血小板剤、抗凝血剤および/または血栓溶解剤と組み合わせた本発明の治療剤の他の使用は、体外デバイス(例えば、血管内カニューレ、血液透析患者における血管進入シャント、血液透析機器、および心肺バイパス機器)における閉塞の予防を含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、抗レトロウイルス剤、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)および/またはプロテアーゼ阻害剤(PIs)と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与されるNRTIは、RETROVIR(登録商標)(ジドブジン/AZT)、VIDEZ(登録商標)(ジダノシン/ddl)、HIVID(登録商標)(ザルシタビン/ddC)、ZERIT(登録商標)(スタブジン/d4T)、EPIVIR(登録商標)(ラミブジン/3TC)およびCOMBIVIR(登録商標)(ジドブジン/ラミブジン)を含むが、これらに限定されない。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与されるNNRTIは、RETROVIR(登録商標)(ジドブジン/AZT)、VIDEX(登録商標)(ジダノシン/ddI)、HIVID(登録商標)(ザルシタビン/ddC)、ZERIT(登録商標)(スタブジン/d4T)、EPIVIR(登録商標)(ラミブジン/3TC)およびCOMBIVIR(登録商標)(ジドブジン/ラミブジン)を含むが、これらに限定されない。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与されてもよいNNRTIは、VIRAMUNE(登録商標)(ネビラピン)、RESCRIPTOR(登録商標)(デラビルジン)およびSUSTIVA(登録商標)(エファビレンツ)を含むが、これらに限定されない。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与されてもよいプロテアーゼ阻害剤は、CRIXIVAN(登録商標)(インジナビル)、NORVIR(登録商標)(リトナビル)、INVIRASE(登録商標)(サキナビル)およびVIRACEPT(登録商標)(ネルフィナビル)を含むが、これらに限定されない。一の特定の実施態様において、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤および/またはプロテアーゼ阻害剤は、AIDSを処置するため、および/またはHIV感染を予防するために、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドとの任意の組み合わせで用いられてもよい。
さらなるNRTIは、LODENOSINE(登録商標)(F−ddA;酸安定性アデノシンNRTI;Triangle/Abbott;COVIRACIL(登録商標)(エムトリシタビン/FTC;構造的にラミブジン(3TC)に関連するが、3〜10倍より大きいインビトロ活性を有する;Triangle/Abbott);dOTC(BCH−10652、さらに構造的にラミブジンに関連するが、実質的比率のラミブジン耐性単離物に対して、活性を保持する;Biochem Pharma);アデフォビル(抗HIV治療のためにFDAにより認可されていない;Gilead Sciences);PREVEON(登録商標)(Adefovir Dipivoxil、アデフォビルの活性プロドラッグ;その活性形態はPMEA−ppである);TENOFOVIR(登録商標)(bis−POCPMPA、PMPAプロドラッグ;Gilead);DAPD/DXG(DAPDの活性代謝物;Triangle/Abbott);D−D4FC(3TCに関連する、AZT/3TC耐性ウイルスに対抗する活性を有する);GW420867X(GlaxoWellcome);ZIAGEN(登録商標)(アバカビル/159U89;GlaxoWellcomeInc.);CS−87(3’アジド−2’、3’−ジデオキシウリジン;WO99/66936);およびβ−L−FD4Cおよびβ−L−FddC(WO98/17281)のS−アシル−2−チオエチル(SATE)をもたらすプロドラッグ形態を含む。
さらなるNNRTIは、COACTINON(登録商標)(エンビリン/MKC−442、HEPTクラスの強力なNNRTI;Triangle/Abbott);CAPRAVIRINE(登録商標)(AG−1549/S−1153、K103N変異体を含むウイルスに対抗する活性を有する次世代NNRTI;Agouron);PNU−142721(その先祖デラビルジンよりも20〜50倍より大きい活性を有し、およびK103N変異体に対抗する活性がある;Pharmacia&Upjohn);DPC−961およびDPC−963(エファビレンツの第2世代誘導体、K103N変異を有するウイルスに対抗する活性があるように設計される;DuPont);GW−420867X(HBY097より25倍より大きい活性を有し、K103N変異体に対抗する活性がある;GlaxoWellcome);CALANOLIDEA(ゴムの木から自然に生じる;Y181CおよびK103N変異のいずれかまたは両方を含むウイルスに対抗する活性がある);およびプロポリス(WO 99/49830)を含む。
さらなるプロテアーゼ阻害剤は、LOPINAVIR(登録商標)(ABT378/r;Abbott Laboratories);BMS−232632(アザペプチド;Bristol−Myres Squibb);TIPRANAVIR(登録商標)(PNU−140690、非消化性ジヒドロピロン;Pharmacia&Upjohn);PD−178390(非ペプチド性ジヒドロピロン;Parke−Davis);BMS232632(アザペプチド;Bristol−Myers Squibb);L−756、423(インジナビルアナログ;Merck);DMP−450(環状尿素化合物;Avid&DuPont);AG−1776(プロテアーゼ阻害剤耐性ウイルスに対抗するインビトロ活性を有するペプチド模倣物;Agouron);VX−175/GW−433908(アンプレナビルのホスフェートプロドラッグ;Vertex&Glaxo Welcome);CGP61755(Ciba);およびAGENERASE(登録商標)(アンプレナビル;Glaxo Wellcome Inc.)を含む。
さらなる抗レトロウイルス剤は、融合阻害剤/gp41結合剤を含む。融合阻害剤/gp41結合剤には、T−20(その休止状態にてgp41に結合し、融合誘導状態への形質転換を阻止するHIVgp41膜貫通型蛋白質の外部ドメインの643−678残基に由来するペプチド;Trimeris)およびT−1249(第2世代融合阻害剤;Trimeris)を含む。
さらなる抗レトロウイルス剤は、融合阻害剤/ケモカイン受容体アンタゴニストを含む。融合阻害剤/ケモカイン受容体アンタゴニストは、CXCR4アンタゴニスト、例えば、AMD3100(バイサイクラム(bicyclam))、SDF−1およびそのアナログならびにALX40−4C(カチオン性ペプチド)、T22(18個のアミノ酸のペプチド;Trimeris)およびT22アナログT134およびT140;CCR5アンタゴニスト、例えば、RANTES(9−68)、AOP−RANTES、NNY−RANTESおよびTAK−779;ならびにCCR5/CXCR4アンタゴニスト、例えば、NSC651016(ジスタマイシンアナログ)を含む。CCR2B、CCR3およびCCR6アンタゴニストも含む。ケモカイン受容体アゴニスト、例えば、RANTES、SDF−1、MIP−1α、MIP−1βなども融合を阻害してもよい。
さらなる抗レトロウイルス剤は、インテグラーゼ阻害剤を含む。インテグラーゼ阻害剤は、ジカフェオイルキナ酸(DFQA);L−キコル酸(ジカフェオイル洒石酸(DCTA));キナリザリン(QLC)および関連アントラキノン;ZINTEVIR(登録商標)(AR177、真性インテグラーゼ阻害剤としてよりも細胞表面で作用すると考えられるオリゴヌクレオチド;Arondex);およびWO98/50347において開示されているようなナフトールを含む。
さらなる抗レトロウイルス剤は、ヒドロキシ尿素様化合物、例えば、BCX−34(プリンヌクレオチドホスホリラーゼ阻害剤;Biocryst);リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例えば、DIDOX(登録商標)(Molecules for Health);イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)阻害剤、例えば、VX−497(Vertex);およびミコフェノール酸、例えば、CellCept(ミコフェノラートモフェチル;Roche)を含む。
さらなる抗レトロウイルス剤は、ウイルスインテグラーゼの阻害剤、ウイルスゲノム核転座の阻害剤、例えば、アリ−レンビス(メチルケトン)化合物;HIV侵入の阻害剤、例えば、AOP−RANTES、NNY−RANTES、RANTES−IgG融合蛋白質、RANTESおよびグリコサミノグリカン(GAG)の可溶性複合体、ならびにAMD−3100;ヌクレオカプシドジンクフィンガ−阻害剤、例えば、ジチアン化合物;HIVTatおよびRevの標的;および薬理エンハンサー、例えば、ABT−378を含む。
他の抗レトロウイルス治療剤および補助治療剤は、サイトカインおよびリンホカイン、例えば、MIP−lα、MlP−lβ、SDF−lα、IL−2、PROLEUKIN(登録商標)(アルデスロイキン/L2−7001;Chiron)、IL−4、IL−10、IL−12、およびIL−13;インターフェロン、例えば、IFN−アルファ2a、IFN−アルファ2bまたはIFN−ベータ;TNFs、NFκB、GM−CSF、M−CSFおよびIL−10のアンタゴニスト;免疫活性化調節剤、例えば、シクロスポリンおよびプレドニゾン;ワクチン、例えば、Remune(登録商標)(HIVImmunogen)、APL400−003(Apollon)、組換えgpl20および断片、二価(B/E)組換えエンベロープ糖蛋白質、rgp120CM235、MNrgpl20、SF−2rgpl20、gpl20/可溶性CD4複合体、デルタJR−FL蛋白質、不連続gpl20C3/C4ドメインに由来する分岐合成ペプチド、融合−コンピテント免疫原およびGag、Pol、NefおよびTatワクチン;遺伝子に基づく治療、例えば、遺伝子抑制エレメント(GSEs;WO98/54366)、およびイントラカイン(新しく合成されたCCR5の表面発現を阻害するために、ERにターゲッティングされた遺伝子修飾CCケモカイン(Yangら、PNAS94:11567−72(1997);Chenら.、Nat.Med.3:1110−16(1997));抗体、例えば、抗−CXCR4抗体12G5、抗−CCR5抗体2D7、5C7、PA8、PA9、PA10、PA11、PA12およびPA14、抗−CD4抗体Q4120およびRPA−T4、抗−CCR3抗体7B11、抗−gpl20抗体17b、48d、447−52D、257−D、268−Dおよび50.1、抗−Tat抗体、抗−TNF−a抗体、およびモノクローナル抗体33A;アリ−ル炭素水素(AH)受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、例えば、TCDD、3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニル,3,3’,4,4’−テトラクロロビフェニル、およびα−ナフトフラボン(WO98/30213);および抗酸化剤、例えば、γ−L−グルタミル−L−システインエチルエステル(y−GCE;WO99/56764)を含む。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、抗ウイルス剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい抗ウイルス剤は、アシクロビル、リバビリン、アマンタジン、レマンチジン、マクサミン(maxamine)またはチマルファシンを含むが、これらに限定されない。特に、インターフェロンアルブミン融合蛋白質は、任意のこれらの剤と組み合わせて投与され得る。さらに、インターフェロンアルファアルブミン融合蛋白質も、任意のこれらの剤と一緒に投与され得、および好ましくは、インターフェロンアルファ2aまたは2bアルブミン融合蛋白質が任意のこれらの剤と一緒に投与され得る。さらに、インターフェロンベータアルブミン融合蛋白質も、任意のこれらの剤と一緒に投与され得る。さらに、任意のIFNハイブリッドアルブミン融合蛋白質は、任意のこれらの剤と組み合わせて投与され得る。
最も好ましい一の実施態様において、インターフェロンアルブミン融合蛋白質は、リバビリンと組み合わせて投与される。さらに好ましい一の実施態様において、インターフェロンアルファアルブミン融合蛋白質は、リバビリンと組み合わせて投与される。さらに好ましい一の実施態様において、インターフェロンアルファ2aアルブミン融合蛋白質は、リバビリンと組み合わせて投与される。さらに好ましい一の実施態様において、インターフェロンアルファ2bアルブミン融合蛋白質は、リバビリンと組み合わせて投与される。さらに好ましい一の実施態様において、インターフェロンベータアルブミン融合蛋白質は、リバビリンと組み合わせて投与される。さらに好ましい一の実施態様において、ハイブリッドインターフェロンアルブミン融合蛋白質は、リバビリンと組み合わせて投与される。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、抗−日和見感染剤と組み合わせて投与されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与されてもよい抗−日和見剤は、TRIMETHOPRIM−SULFAMETHOXAZOLE(登録商標)、ダプソン(登録商標)、PENTAMIDINE(登録商標)、ATOVAQUONE(登録商標)、ISONIAZID(登録商標)、RIFABUTIN(登録商標)、PYRAZINAMIDETM(登録商標)、ETHAMBUTOL(登録商標)、RIFABUTIN(登録商標)、CLARITHROMYCIN(登録商標)、AZITHROMYCIN(登録商標)、GANCICLOVIR(登録商標)、FOSCARNET(登録商標)、CIDOFOVIR(登録商標)、FLUCONAZOLE(登録商標)、ITRACONAZOLE(登録商標)、ケトコナゾール(登録商標)、ACYCLOVIR(登録商標)、FAMCICOLVIR(登録商標)、PYRIMETHAMINE(登録商標)、ロイコボリン(登録商標)、NEUPOGEN(登録商標)(フィルグラスチム/G−CSF)、およびLEUKINE(登録商標)(サルグラスチム/GM−CSF)を含むが、これらに限定されない。特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見ニューモサイティスカリニ(Pneumocystis carinii)肺炎感染を予防的処置または予防するために、RIMETHOPRIM−SULFAMETHOXAZOLE(登録商標)、ダプソン(登録商標)、PENTAMIDINE(登録商標)および/またはATOVAQUONE(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見マイコバクテリウムアビウム(Mycobacterium avium)複合感染を予防的処置または予防するために、ISONIAZID(登録商標)、RIFABUTIN(登録商標)、PYRAZINAMIDETM(登録商標)および/またはETHAMBUTOL(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見マイコバクテリウム(Mycobacterium)結核菌感染を予防的処置または予防するために、RIFABUTIN(登録商標)、CLARITHROMYCIN(登録商標)および/またはAZITHROMYCIN(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見サイトメガロウイルス感染を予防的処置または予防するために、GANCICLOVIR(登録商標)、FOSCARNET(登録商標)および/またはCIDOFOVIR(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見真菌感染を予防的処置または予防するために、FLUCONAZOLE(登録商標)、ITRACONAZOLE(登録商標)および/またはケトコナゾール(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見単純ヘルペスウイルスI型および/またはII型感染を予防的処置または予防するために、ACYCLOVIR(登録商標)および/またはFAMCICOLVIR(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見トキソプラスマ原虫(Toxoplasma gondii)感染を予防的処置または予防するために、PYRIMETHAMINE(登録商標)および/またはロイコボリン(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、日和見細菌感染を予防的処置または予防するために、ロイコボリン(登録商標)および/またはNEUPOGEN(登録商標)と任意に組み合わせて用いられる。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、抗生剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい抗生剤は、アモキシシリン、ベータ−ラクタマーゼ、アミノグリコシド、ベータ−ラクタム(グリコペプチド)、ベータ−ラクタマーゼ、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、シプロフロキサシン、エリスロマイシン、フルオロキノロン、マクロライド、メトロニダゾール、ペニシリン、キノロン、ラパマイシン、リファンピン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾールおよびバンコマイシンを含むが、これらに限定されない。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、免疫賦活剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい免疫賦活剤は、レバミゾール(例えば、ERGAMISOL(登録商標))、イソプリノシン(例えば、INOSIPLEX(登録商標))、インターフェロン(例えば、インターフェロンアルファ)、およびインターロイキン(例えば、IL−2)を含むが、これらに限定されない。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、免疫抑制剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい免疫抑制剤は、ステロイド、シクロスポリン、シクロスポリンアナログ、シクロホスホアミドメチルプレドニゾン、プレドニゾン、アザチオプリン、FK−506、15−デオキシスペルグアリン、およびT細胞に応答する機能を抑制することにより作用する他の免疫抑制剤を含むが、これらに限定されない。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい他の免疫抑制剤は、プレドニゾロン、メトトレキセート、サリドマイド、メトキサレン、ラパマイシン、レフルノミド、ミゾリビン(BREDININ(登録商標))、ブレキナル、デオキシスペルグアリン、およびアザスピラン(SKF105685)、ORTHOCLONEOKT(登録商標)3(ムロモナブ−CD3)、SANDIMMUNE(登録商標)、NEORAL(登録商標)、SANGDYA(登録商標)(シクロスポリン)、PROGRAF(登録商標)(FK506、タクロリムス)、CELLCEPT(登録商標)(ミコフェノラートモテフィル、その活性代謝物はミコフェノール酸である)、IMURAN(登録商標)(アザチオプリン)、グルココルチコステロイド、副腎皮質ステロイド、例えば、オキソ遷移金属錯体を含むが、これらに限定されない。一の特定の実施態様において、免疫抑制剤は、臓器または骨髄移植の拒絶を予防するために用いられてもよい。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単独または1またはそれ以上の静脈内免疫グロブリン調製物と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい静脈内免疫グロブリン調製物は、GAMMAR(登録商標)、IVEEGAM(登録商標)、SANDOGLOBULIN(登録商標)、GAMMAGARDS/D(登録商標)、ATGAM(登録商標)(抗胸腺細胞グロブリン)およびGAMIMUNE(登録商標)を含むが、これらに限定されない。一の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、移植療法(例えば、骨髄移植)において静脈内免疫グロブリン調製物と組み合わせて投与される。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単独または併用療法の部分として、インビボにおいて患者またはインビトロにおいて細胞のいずれかへ投与される。一の特定の実施態様において、アルブミン融合蛋白質、特にIL−2−アルブミン融合物は、Dudleyら.(Science Express、19 September 2002.、at www.scienceexpress.org、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)において記載されているように、転移性メラノーマのための養子細胞移植療法のごとき、癌のための受動的免疫療法の間、繰り返し投与される。特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単独または抗炎症剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい抗炎症剤は、コルチコステロイド(例えばベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメサゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン)、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルルビプロフェン、イビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸およびトルメチン)ならびに抗ヒスタミン剤、アミノアリ−ルカルボン酸誘導体、アリ−ル酢酸誘導体、アリ−ル酪酸誘導体、アリ−ルカルボン酸、アリ−ルプロピオン酸誘導体、ピラゾール、ピラゾロン、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、ピラニリン、ペリソキサ−ル、ピホキシム、プロクァゾン、プロキサゾールおよびテニダップを含むが、これらに限定されない。
さらなる一の実施態様において、本発明の組成物は、単独または抗血管新生剤と組み合わせて投与される。本発明の組成物と一緒に投与されてもよい抗血管新生剤は、アンジオスタチン(Entremed,Rockville,MD)、トロポニン−1(BostonLife Sciences,Boston,MA)、抗侵襲因子、レチノイン酸およびその誘導体、パクリタキセル(タキソール)、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ−2の組織阻害剤、VEGI、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−2、および様々な形態の軽い「d族」遷移金属を含むが、これらに限定されない。
軽い「d族」遷移金属は、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、チタニウム、ニオブおよびタンタルの種を含む。かかる遷移金属の種は、遷移金属錯体を形成してもよい。上記した遷移金属の種の適当な錯体は、オキソ遷移金属錯体を含む。
バナジウム錯体の典型例は、オキソバナジウム錯体、例えば、バナジン酸塩およびバナジル錯体を含む。適当なバナジン酸塩錯体は、メタバナジン酸塩および/またはオルトバナジン酸塩錯体、例えば、アンモニウムメタバナジン酸塩、ナトリウムメタバナジン酸塩、およびナトリウムオルトバナジン酸塩を含む。適当なバナジル錯体は、例えば、バナジルアセチルアセトナートおよび硫酸バナジル一および三水和物のごとき硫酸バナジル水和物を含む硫酸バナジルを含む。
タングステンおよびモリブデン錯体の典型例は、オキソ錯体も含む。適当なオキソタングステン錯体は、タングステン酸および酸化タングステン錯体を含む。適当なタングステン酸錯体は、アンモニウムタングステン酸、カルシウムタングステン酸、ナトリウムタングステン酸二水和物、およびタングステン酸を含む。適当な酸化タングステンは、酸化タングステン(IV)および酸化タングステン(VI)を含む。適当なオキソモリブデン錯体は、モリブデン酸、酸化モリブデンおよびモリブデニル錯体を含む。適当なモリブデン酸錯体は、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、ナトリウムモリブデン酸およびその水和物、およびモリブデン酸カリウムおよびその水和物を含む。適当な酸化モリブデンは、酸化モリブデン(Vn)、酸化モリブデン(VI)およびモリブデン酸を含む。適当なモリブデニル錯体は、例えば、モリブデニルアセチルアセトナートを含む。他の適当なタングステンおよびモリブデン錯体は、例えば、グリセロール、洒石酸、および糖に由来するヒドロキソ誘導体を含む。
多種多様な他の抗−血管新生因子が、本発明の文脈において利用されてもよい。典型例は、血小板因子4;硫酸プロタミン;硫酸化キチン誘導体(ズワイガニ殻から調製)、(Murataら.,CanverRes.51:22−26,(1991));硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化合物の機能はエストロゲンのごときステロイドおよびタモキシフェンクエン酸塩の存在により高められてもよい);スタウロスポリン;マトリックス代謝物の修飾因子、例えば、プロリンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d、L−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン、アルファ、アルファ−ジピリジル、アミノプロピオニトリルフマル酸塩を含む;4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトトレキセート;ミトキサントロン;ヘパリン;インターフェロン;2マクログロブリン−血清;ChIMP−3(Pavloffら.、J.Bio.Chem.267:17321−17326,(1992));キモスタチン(Tomkinsonら.,BiochemJ.286:475480,(1992));シクロデキストリンテトラデカサルフェート;エポネマイシン;カンプトテシン;フマギリン(Ingberら.,Nature348:555−557,(1990));金チオリンゴ酸ナトリウム(「GST」;MatsubaraおよびZiff,J.Clin.Invest.79:1440−1446,(1987));抗コラゲナーゼ−血清;アルファ2−抗プラスミン(Holmesら.,J.Biol.Chem.262(4):1659−1664,(1987));ビサントレン(NationalCancerInstitute);ロベンザリットジナトリウム(N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸ジナトリウムまたは「CCA」;(Takeuchiら.,AgentsActions36:312−316,(1992));およびBB94のごときメタロプロテイナーゼ阻害剤を含むが、これらに限定されない。
本発明の文脈において利用されてもよいさらなる抗−血管新生因子は、サリドマイド、(Celgene,Warren,NJ);アンジオスタティックステロイド;AGM−1470(H.BremおよびJ.FolkmanJ Pediatr.Surg.28:445−51(1993));インテグリンアルファvベータ3アンタゴニスト(C.Storgardら.,J Clin.Invest.103:47−54(1999));カルボキシアミノールミダゾール;カルボキシアミドトリアゾール(CAI)(National Cancer Institute,Bethesda,MD);Conbretastatin A−4(CA4P)(OXiGENE,Boston,MA);スクアラミン(Magainin Pharmaceuticals,Plymouth Meeting,PA);TNP470,(Tap Pharmaceuticals,Deerfield,IL);ZD−0101 AstraZeneca(London,UK);APRA(CT2584);ベネフィン,バイロスタチン−1(SC339555);CGP41251(PKC412);CM101;デクスラゾキサン(ICRF187);DMXAA;エンドスタチン;フラボプリジオール;ゲネステイン;GTE;ImmTher;イレッサ(ZD1839);オクトレオチド(ソマトスタチン);パンレチン;ペナシルアミン;フォトポイント;PI−88;プリノマスタット(AG−3340)プルリチン;スラディスカ(FCE26644);タモキシフェン(Nolvadex);タザロテン;テトラチオモリブデン酸;ゼロ−ダ(カペシタビン);および5−フルオロウラシルを含む。
本発明の化合物と組み合わせて投与されてもよい抗−血管新生阻害剤は、様々な機序を通して作用してもよく、該機序は、成長因子のごとき血管新生誘導因子の機能をアンタゴナイズし、および増殖性内皮細胞上で発現されるインテグリン受容体を阻害することによる、細胞外マトリックスの蛋白質分解の阻害、内皮細胞−細胞外マトリックス接着分子の機能のブロッキングを含む。細胞外マトリックス蛋白質分解と相互作用し、および本発明の組成物と組み合わせて投与されてもよい抗−血管新生阻害剤の例は、AG−3340(Agouron,La Jolla,CA),BAY−12−9566(Bayer,West Haven,CT),BMS−275291(Bristol Myers Squibb,Princeton,NJ),CGS−27032A(Novartis,East Hanover,NJ),マリマスタット(British Biotech,Oxford,UK),およびメタスタット(Aetema,St−Foy,Quebec)を含むが、これらに限定されない。内皮細胞−細胞外マトリックス接着分子の機能をブロッキングすることにより作用し、および本発明の組成物と組み合わせて投与されてもよい抗−血管新生阻害剤の例は、EMD−121974(Merck KcgaA Darmstadt,Germany)およびバイタクシン(Ixsys,La Jolla,CA/Medimmune,Gaithersburg,MD)を含むが、これらに限定されない。血管新生誘導因子を直接アンタゴナイズまたは阻害することにより作用し、および本発明の組成物と組み合わせて投与されてもよい抗−血管新生阻害剤の例は、Angiozyme(Ribozyme, Boulder,CO)、抗−VEGF抗体(Genentech,S.San Francisco,CA)、PTK−787/ZK−225846(Novartis,Basel,Switzerland)、SU−101(Sugen,S.San Francisco,CA)、SU−5416(Sugen/Pharmacia Upjohn,Bridgewater,NJ)、およびSU−6668(Sugen)を含むが、これらに限定されない。他の抗−血管新生阻害剤は間接的に作用し、血管新生を阻害する。本発明の組成物と組み合わせて投与されてもよい血管新生の間接的な阻害剤の例は、IM−862(Cytran,Kirkland,WA)、インターフェロン−アルファ、IL−12(Roche,Nutley,NJ)、およびペントサンポリサルフェート(Georgetown University,Washington,DC)を含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、抗−血管新生阻害剤と組み合わせた本発明の組成物の使用は、自己免疫疾患、例えば本明細書中記載されている自己免疫疾患の処置、予防および/または緩和のために熟慮される。
特定の一の実施態様において、抗−血管新生阻害剤と組み合わせた本発明の組成物の使用が、関節炎の処置、予防および/または緩和のために熟慮される。より特定の一の実施態様において、抗−血管新生阻害剤と組み合わせた本発明の組成物の使用は、関節リウマチの処置、予防および/または緩和のために熟慮される。
別の実施態様において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、血管新生蛋白質、または血管新生蛋白質をコードするポリヌクレオチドと組み合わせて投与される。本発明の組成物と一緒に投与されてもよい血管新生蛋白質の例は、酸性および塩基性線維芽成長因子、VEGF−1、VEGF−2、VEGF−3、上皮成長因子アルファおよびベータ、血小板由来内皮細胞成長因子、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子アルファ、肝細胞成長因子、インスリン様成長因子、コロニー刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子および一酸化窒素シンターゼを含むが、これらに限定されない。
さらなる実施態様において、本発明の組成物は、化学治療剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい化学治療剤は、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスホアミド、シクロホスホアミドイフォスファミド、メルファラン(L−サルコリシン)、およびクロランブシル)、エチレンイミンおよびメチルメルアミン(例えば、ヘキサメチルメルアミンおよびチオテパ)、アルキルスルホナート(例えば、ブスルファン、)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)、ロリムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル−CCNU)、およびストレプトゾシン(ストレプトゾトシン))、トリアゼン(例えば、ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミダゾールカルボキサミド))、葉酸アナログ(例えば、メトトレキセート(アメトプテリン))、ピリミジンアナログ(例えば、フルオロウアシル(5−フルオロウラシル;5−FU)、フロクスウリジン(フルオロデオキシウリジン;FudR)、およびシタラビン(サイトシンアラビノサイド))、プリンアナログおよび関連する阻害剤(例えば、メルカプトプリン(6−メルカプトプリン;6−MP)、チオグアニン(6−チオグアニン;TG)、およびペントスタチン(2’−デオキシコホルマイシン))、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(VLB、ビンブラスチンサルフェート))およびビンクリスチン(ビンクリスチンサルフェート))、エピポドフィロ毒素(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン(マイトマイシンC)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、生物学的応答修飾因子(例えば、インターフェロン−アルファおよびインターフェロン−アルファ−2b)、白金配位化合物(例えば、シスプラチン(シス−DDP)およびカルボプラチン)、アントラセンジオン(ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン(N−メチルヒドラジン;MIH)、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロアート、メドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロンアセテ−ト、およびメゲストロールアセテ−ト)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール(DES)、ジエチルスチルベストロールジホスフェート、エストラジオール、およびエチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(テストステロンプロプリオナート、およびフルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(例えば、リュ−プロリド)、他のホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、メチルテストステロン、エストラサイト、エストラサイトホスフェートナトリウム、クロロトリアニセン、およびテストラクトン)、および他のもの(例えば、ジカルバジン、グルタミン酸、およびミトタン)を含むが、これらに限定されない。
一の実施態様において、本発明の組成物は、1またはそれ以上の以下の薬剤と組み合わせて投与される:インフリキシマブ(Remicade(登録商標)Centocor、Inc.としても知られている)、トロカード(Roche,RO−32−3555),レフルノミド(Hoechst Marion Rousse1からのArava(登録商標)としても知られている),Kineret(登録商標)(Amgen,Inc.からのAnakinraとしても知られているIL−I受容体アンタゴニスト)。
特定の一の実施態様において、本発明の組成物は、CHOP(シクロホスホアミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン)と組み合わせて投与されるか、またはCHOPの1またはそれ以上の成分と組み合わせて投与される。一の実施態様において、本発明の組成物は、抗−CD20抗体、ヒトモノクローナル抗−CD20抗体と組み合わせて投与される。別の実施態様において、本発明の組成物は、抗−CD20抗体およびCHOP、または抗−CD20抗体と組み合わせて投与されるか、およびCHOPの1またはそれ以上の成分、特にシクロホスホアミドおよび/またはプレドニゾンを任意に組み合わせて投与される。特定の一の実施態様において、本発明の組成物は、リツキシマブと組み合わせて投与される。さらなる一の実施態様において、本発明の組成物は、リツキシマブおよびCHOP、またはリツキシマブおよびCHOPの1またはそれ以上の成分の任意の組み合わせ、特にシクロホスホアミドおよび/またはプレドニゾンと一緒に投与される。特定の一の実施態様において、本発明の組成物は、トシツモマブと組み合わせて投与される。さらなる一の実施態様において、本発明の組成物は、トシツモマブおよびCHOP、またはトシツモマブおよびCHOPの1またはそれ以上の成分の任意の組み合わせ、特にシクロホスホアミドおよび/またはプレドニゾンと一緒に投与される。抗−CD20抗体は、所望により、放射性同位元素、毒素または細胞傷害性プロドラッグと結合させてもよい。
別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、Zevalin(登録商標)と組み合わせて投与される。さらなる一の実施態様において、本発明の組成物は、Zevalin(登録商標)およびCHOP、またはZevalin(登録商標)およびCHOPの1またはそれ以上の成分の任意の組み合わせ、特にシクロホスホアミドおよび/またはプレドニゾンと一緒に投与される。Zevalin(登録商標)は、1またはそれ以上の放射性同位元素と結合させてもよい。特に好ましいアイソト−プは90Yおよび111Inである。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、サイトカインと組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよいサイトカインは、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL10、IL12、IL13、ILI5、抗−CD40、CD40L、IFN−ガンマおよびTNF−アルファを含むが、これらに限定されない。別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、IL−lアルファ、IL−lベータ、IL−2、IL−3、IL4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20およびIL−21を含むがこれらに限定されない任意のインターロイキンと一緒に投与されてもよい。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、TNFファミリーのメンバーと組み合わせて投与されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよいTNF、TNFに関連するまたはTNFに類似する分子は、TNF−アルファ、リンホ毒素−アルファ(LT−アルファ、TNF−ベータとしても知られている)、LT−ベータ(複合体ヘテロ三量体LT−アルファ2−ベータにて見出される)OPGL、FasL、CD27L、CD30L、CD40L、4−1BBL、DcR3、OX40L、TNF−ガンマ(国際公開番号WO96/14328)、AIM−I(国際公開番号WO 97/33899)、エンドカイン−アルファ(国際公開番号WO 98/07880)、OPG、およびニューロカイン−アルファ(国際公開番号WO 98/18921、OX40、および神経成長因子(NGF)の可溶性形態、およびFas、CD30、CD27、CD40および4−IBB、TR2(国際公開番号WO96/34095)、DR3(国際公開番号WO97/33904)、DR4(国際公開番号WO 98/32856)、TR5(国際公開番号WO 98/30693)、TRANK、TR9(国際公開番号WO 98/56892)、TR10(国際公開番号WO 98/54202)、312C2(国際公開番号WO 98/06842)、およびTR12の可溶性形態、およびCD154、CD70、およびCD153の可溶性形態を含むが、これらに限定されない。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、血管新生蛋白質と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい血管新生蛋白質は、欧特許番号EP−399816において開示されているようなグリオーマ由来成長因子(GDGF);欧特許番号EP−682110において開示されているような血小板由来成長因子−A(PDGF−A);欧特許番号EP−282317において開示されているような血小板由来成長因子−B(PDGF−B);国際公開番号WO 92/06194において開示されているような胎盤成長因子(PIGF);Hauserら.、Growth Factor,4:259−268(1993)において開示されているような胎盤成長因子−2(ブタF−2);国際公開番号WO 90/13649において開示されているような血管内皮成長因子(VEGF);欧特許番号EP−506477において開示されているような血管内皮成長因子−A(VEGF−A);国際公開番号WO 96/39515において開示されているような血管内皮成長因子−2(VEGF−2);血管内皮成長因子B(VEGF−3);国際公開番号WO96/26736において開示されているような血管内皮成長因子B−186(VEGF−B186);国際公開番号WO 98/02543において開示されているような血管内皮成長因子−D(VEGF−D);国際公開番号WO 98/07832において開示されているような血管内皮成長因子−D(VEGF−D);および独特許番号DE19639601において開示されているような血管内皮成長因子−E(VEGF−E)を含むが、これらに限定されない。上記参考文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、線維芽成長因子と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい線維芽成長因子は、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、FGF−12、FGF−13、FGF−14、およびFGF−15を含むが、これらに限定されない。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、造血成長因子と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい造血成長因子は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)(sargramostim、LEUKINE(登録商標)、PROKINE(登録商標))、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(フィルグラスチム、NEUPOGEN(登録商標))、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF、CSF−1)エリストポエチン(エポエチンアルファ、EPOGEN(登録商標)、PROSCRIT(登録商標))、幹細胞因子(SCF、c−キットリガンド、造血幹細胞因子)、巨核球コロニー刺激因子、PIXY321(aGMCSF/Il−3融合蛋白質)、特にIL−1からIL−12までの任意の1またはそれ以上のインターロイキン、インターフェロン−ガンマまたはトロンボポエチンを含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、アドレナリン遮断剤、例えば、アセブトロール、アテノロール、ベータキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールと組み合わせて投与される。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、抗不整脈剤(例えば、アデノシン、アミドアロン、ブレチリウム、ジギタリス、ジゴキシン、ジギ毒素、ジリアゼム、ジソピラミド、エスモロール、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン、フェニトイン、プロカインアミド、N−アセチルプロカインアミド、プロパフェノン、プロプラノロール、キニジン、ソタロール、トカイニドおよびベラパミル)と組み合わせて投与される。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、利尿剤、例えば、炭酸アンヒドラーゼ阻害剤(例えば、アセタゾールアミド、ジクロルフェンアミド、およびメタゾールアミド)、浸透圧利尿剤(例えば、グリセリン、イソソルビド、マンニトール、および尿素)、Na−K−2C1共輸送を阻害する利尿剤(例えば、フロセミド、ブメタニド、アゾセミド、ピレタニド、トリパミド、エタクリン酸、ムゾリミン、およびトルセミド)、サイアザイドおよびサイアザイド様利尿剤(例えば、ベンドロフルメチアジド、ベンズサイアザイド、クロロサイアザイド、ヒドロクロロサイアザイド、ヒドロフルメチアジド、メチクロサイアザイド、ポリサイアザイド、トリコルムサイアザイド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾンおよびキネタゾン)、カリウム節約型利尿剤(例えば、アミロライドおよびトリアムテレン)ならびに鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト(例えば、スピロノラクトン、カンレノンおよびカリウムカンレノアート)と組み合わせて投与される。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、内分泌および/またはホルモン不均衡障害のための処置と組み合わせて投与される。内分泌および/またはホルモン不均衡障害のための処置は、127I、ヨウ素の放射性同位元素、例えば、131Iおよび123I;組換え成長ホルモン、例えば、HUMATROPE(登録商標)(組換えソマトロピン);成長ホルモンアナログ、例えば、PROTROPIN(登録商標)(ソマトレム);ドーパミンアゴニスト、例えば、PARLODEL(登録商標)(ブロモクリプチン);ソマトスタチンアナログ、例えば、SANDOSTATIN(登録商標)(オクトレオチド);ゴナドトロピン調製物、例えば、PREGNYUM(登録商標)、A.P.L.(登録商標)およびPROFASP(登録商標)(絨毛性ゴナドトロピン(CG))、PERGONAL(登録商標)(メノトロピン)、およびMETRODRN(登録商標)(ウロフォリトロピン(uFSH));合成ヒトゴナドトロピン放出ホルモン調製物、例えば、FACTREL(登録商標)およびLUTREPULSE(登録商標)(ゴナドレリンヒドロクロリド);合成ゴナドトロピンアゴニスト、例えば、LUPRON(登録商標)(リュ−プロリドアセテ−ト)、SUPPRELIN(登録商標)(ヒストレリンアセテ−ト)、SYNAREUM(ナファレリンアセテ−ト)、およびZOLADEX(ゴセレリンアセテ−ト);甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの合成調製物、例えば、RELEFACTTRH(登録商標)およびTHYPINONE(登録商標)(プロチレリン);組換えヒトTSH、例えば、THYROGEN(登録商標);甲状腺ホルモンの天然アイソマーのナトリウム塩の合成調製物、例えば、L−T4TM、SYNTHROID(登録商標)およびLEVOTHROID(登録商標)(レボチロキシンナトリウム)、LT3(登録商標)、CYTOMEL(登録商標)およびTRIOSTAT(登録商標)(リオチロインナトリウム)、およびTHYROLAR(登録商標)(リオトリックス);抗甲状腺化合物、例えば、6−n−プロピルチオウラシル(プロピルチオウラシル)、1−メチル−2−メルカプトイミダゾールおよびTAPAZOLETM(メチマゾール)、NEO−MERCAZOLE(登録商標)(カルビマゾール);ベータ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えば、プロプラノロールおよびエスモロール;Ca2+チャネル拮抗剤;デキサメサゾンおよびヨウ素化放射線造影剤、例えば、TELEPAQUE(登録商標)(イオパノ酸)および/またはAGRAFIN(登録商標)(ナトリウムイポダ−ト)を含むが、これらに限定されない。
内分泌および/またはホルモン不均衡障害のためのさらなる処置は、エストロゲンまたはコンジュゲートされたエストロゲン、例えば、ESTRACE(登録商標)(エストラジオール)、ESTINYL(登録商標)(エチニルエストラジオール)、PREMARIN(登録商標)、ESTRATAB(登録商標)、ORTHO−EST(登録商標)、OGEN(登録商標)およびエストロピペ−ト(エストロン)、ESTROVIS(登録商標)(キネストロール)、ESTRADERM(登録商標)(エストラジオール)、DELESTROGEN(登録商標)およびVALERGEN(登録商標)(吉草酸エストラジオール)、DEPO−ESTRADIOLシピオン酸(登録商標)およびESTROJECTLA(登録商標)(シピオン酸エストラジオール);抗エストロゲン、例えば、NOLVADEX(登録商標)(タモキシフェン)、SEROPHENE(登録商標)およびCLOMID(登録商標)(クロミフェン);プロゲスチン、例えば、DURALUMIN(ヒドロキシプロゲステロンカプロアート)、MPA(登録商標)およびDEPO−PROVERA(登録商標)(メドロキシプロゲステロンアセテ−ト)、PROVERA(登録商標)およびCYCRIN(登録商標)(MPA)、MEGACE(登録商標)(メゲストロールアセテ−ト)、NORLUTIN(登録商標)(ノレシンドロン)、およびNORLUTATE(登録商標)およびAYGESTIN(登録商標)(ノレシンドロンアセテ−ト);プロゲステロンインプラント、例えば、NORPLANTSYSTEM(登録商標)(ノルゲストレルの真皮下インプラント);抗プロゲスチン、例えば、RU486(登録商標)(ミフェプリストン);ホルモン避妊剤、例えば、ENOVID(登録商標)(ノレチノドレル(norethynodrel)プラスメストラノール)、PROGESTASERT(登録商標)(プロゲステロンを放出する子宮内デバイス)、LOESTRIN(登録商標)、BREVICON(登録商標)、MODICON(登録商標).GENORA(登録商標)、NELONA(登録商標)、NORINYL(登録商標)、OVACON−35(登録商標)およびOVACON−50(登録商標)(エチニルエストラジオール/ノレシンドロン)、LEVLEN(登録商標)、NORDETTE(登録商標)、TRI−LEVLEN(登録商標)およびTRIPHASIL−21(登録商標)(エチニルエストラジオール/レボノルゲストレル)、LO/OVRAL(登録商標)およびOVRAL(登録商標)(エチニルエストラジオール/ノルゲストレル)、DEMULEN(登録商標)(エチニルエストラジオール/エチノジオールジアセタ−ト)、NORINYL(登録商標)、ORTHO−NOVUM(登録商標)、NORETHIN(登録商標)、GENORA(登録商標)およびNELOVA(登録商標)(ノレシンドロン/メストラノール)、DESOGEN(登録商標)および/またはTHO−CEPT(登録商標)(エチニルエストラジオール/デソゲストレル)、ORTHO−CYCLEN(登録商標)よびORTHO−TRICYCLEN(登録商標)(エチニルエストラジオール/ノルゲスチメ−ト)、MICRONOR(登録商標)およびNOR−QD(登録商標)(ノルエチンドロン)およびOVRETTE(登録商標)(ノルゲストレル)を含むが、これらに限定されない。
内分泌および/またはホルモン不均衡障害のためのさらなる処置は、テストステロンエステル、例えば、酢酸メテノロンおよびウンデカン酸テストステロン;非経口および経口用アンドロゲン、例えば、TESTOJECT−50(登録商標)(テストステロン)、TESTEX(登録商標)(プロピオン酸テストステロン)、DELATESTRYL(登録商標)(エナント酸テストステロン)、DEPO−TESTOSTERONE(登録商標)(シピオン酸テストステロン)、DANOCRINE(登録商標)(ダナゾール)、HALOTESTIN(登録商標)(フルオキシメステロン)、ORETONMETHYL(登録商標)、TESTRED(登録商標)およびVIRILON(登録商標)(メチルテストステロン)およびOXANDRIN(登録商標)(オキサンドロロン);テストステロン経皮系、例えば、TESTODERM(登録商標);アンドロゲン受容体アンタゴニストおよび5−アルファ−レダクターゼ阻害剤、例えば、ANDROCUR(登録商標)(酢酸シプロテロン)、EULEXIN(登録商標)(フルタミド)およびPROSCAR(登録商標)(フィナステリド);副腎皮質刺激ホルモン調製物、例えば、CORTROSYN(登録商標)(コシントロピン);副腎皮質ステロイドおよびそれらの合成アナログ、例えば、ACLOVATE(登録商標)(アルクロメタソンジプロピオナート)、CYCLOCORT(登録商標)(アムシノニド)、BECLOVENT(登録商標)およびVANCERIL(登録商標)(ベクロメタソンジプロピオナート)、CELESTONE(登録商標)(ベタメタソン)、BENISONE(登録商標)およびUTICORT(登録商標)(安息香酸ベタメタソン)、DIPROSONE(登録商標)(ベタメタソンジプロピオナート)、CELESTONEリン酸塩(登録商標)(ベタメタソンナトリウムリン酸塩)、CELESTONESOLUSPAN(登録商標)(ベタメタソンナトリウムリン酸塩および酢酸塩)、BETA−VAL(登録商標)およびVALISONE(登録商標)(吉草酸ベタメタソン)、TEMOVATE(登録商標)(クロベタソールプロピオン酸塩)、CLODERM(登録商標)(ピバル酸クロコルトロン)、CORTEF(登録商標)およびHYDROCORTONE(登録商標)(コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、HYDROCORTONE酢酸塩(登録商標)(酢酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、LOCOID(登録商標)(酪酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、HYDROCORTONEPHOSPHATE(登録商標)(コルチゾール(ヒドロコルチゾン)ナトリウムリン酸塩)、A−HYDROCORT(登録商標)およびSOLUCORTEF(登録商標)(コハク酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)ナトリウム)、WESTCORT(登録商標)(吉草酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、コルチゾンACETATE(登録商標)(酢酸コルチゾン)、DESOWEN(登録商標)およびTRIDESILON(登録商標)(デソニド)、TOPICORT(登録商標)(デソキシメタソン)、DECADRON(登録商標)(デキサメタソン)、DECADRONLA(登録商標)(酢酸デキサメタソン)、DECADRONPHOSPHATE(登録商標)およびHEXADROLPHOSPHATE(登録商標)(デキサメタソンナトリウムリン酸塩)、FLORONE(登録商標)およびMAXIFLOR(登録商標)(ジフロラソンジアセタ−ト)、FLORINEFACETATE(登録商標)(酢酸フルドロコルチゾン)、AEROBID(登録商標)およびNASALIDE(登録商標)(フルニソリド)、FLUONID(登録商標)およびSYNALAR(登録商標)(フルオシノロンアセトニド)、LIDEX(登録商標)(フルオシノニド)、FLUOR−OP(登録商標)およびFML(登録商標)(フルオロメトロン)、CORDRAN(登録商標)(フルランドレノリド)、HALOG(登録商標)(ハルシノニド)、HMSLIZUIFILM(登録商標)(メドリソン)、MEDROL(登録商標)(メチルプレドニゾロン)、DEPO−MEDROL(登録商標)およびMEDROLACETATE(登録商標)(メチルプレドニゾン酢酸塩)、A−METHAPRED(登録商標)およびSOLUMEDROL(登録商標)(メチルプレドニゾロンナトリウムコハク酸)、ELOCON(登録商標)(フランカルボン酸モメタゾン)、HALDRONE(登録商標)(酢酸パラメタソン)、DELTA−CORTEF(登録商標)(プレドニゾロン)、ECONOPRED(登録商標)(酢酸プレドニゾロン)、HYDELTRASOL(登録商標)(プレドニゾロンナトリウムリン酸塩)、HYDELTRA−T.B.A(登録商標)(プレドニゾロンテブタ−ト)、DELTASONE(登録商標)(プレドニゾン)、ARISTOCORT(登録商標)およびKENACORT(登録商標)(トリアムシノロン)、KENALOG(登録商標)(トリアムシノロンアセトニド)、ARISTOCORT(登録商標)およびKENACORTDIACETATE(登録商標)(トリアムシノロンジアセタ−ト)、およびARISTOSPAN(登録商標)(トリアムシノロンヘキサアセトニド);副腎皮質ステロイドの生合成および作用の阻害剤、例えば、CYTADREN(登録商標)(アミノグルテチミド)、NIZORAL(登録商標)(ケトコナゾール)、MODRASTANE(登録商標)(トリロスタン)、およびMETOPIRONE(登録商標)(メチラポン);ウシ、ブタまたはヒトインスリンまたはその混合物;インスリンアナログ;組換えヒトインスリン、例えば、HUMULIN(登録商標)およびNOVOLIN(登録商標);経口低血糖剤、例えば、ORAMIDE(登録商標)およびORINASE(登録商標)(トルブトアミド)、DIABINESE(登録商標)(クロルプロプアミド)、TOLAMIDE(登録商標)およびTOLINASE(登録商標)(トラザミド)、DYMELOR(登録商標)(アセトヘキサアミド)、グリベンクルアミド、MICRONASE(登録商標)、DIBETA(登録商標)およびGLYNASE(登録商標)(グリブリド)、GLUCOTROL(登録商標)(グリピジド)、およびDIAMICRON(登録商標)(グリクラジド)、GLUCOPHAGE(登録商標)(メトホルミン)、シグリタゾン、ピオグリタゾン、およびアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;ウシまたはブタグルカゴン;ソマトスタチン、例えば、SANDOSTATIN(登録商標)(オクトレオチド);およびジアゾキシド、例えば、PROGLYCEM(登録商標)(ジアゾキシド)を含むが、これらに限定されない。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、子宮運動障害のための処置と組み合わせて投与される。子宮運動障害のための処置は、エストロゲン薬剤、例えば、コンジュゲートされたエストロゲン(例えば、PREMARIN(登録商標)およびESTRATAB(登録商標)、エストラジオール(例えば、CLIMARA(登録商標)およびALORA(登録商標))、エストロピペ−トおよびクロロトリアニセン;プロゲスチン薬剤(例えば、AMEN(登録商標)(メドロキシプロゲステロン)、MICRONOR(登録商標)(ノレチドロンアセテ−ト)、PROMETRIUM(登録商標)プロゲステロンおよびメゲストロールアセテ−ト);およびエストロゲン/プロゲステロン併用療法、例えば、コンジュゲートされたエストロゲン/メドロキシプロゲステロン(例えば、PREMPRO(登録商標)およびPREMPHASE(登録商標))および酢酸ノレシンドロン/エチニルエストラジオール(例えば、FEMHRT)を含むが、これらに限定されない。
さらなる一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、鉄欠乏性貧血および低色素性貧血の処置において有効な薬剤と組み合わせて投与され、該薬剤は、硫酸第一鉄(硫酸鉄、FEOSOL(登録商標))、フマル酸第一鉄(例えば、FEOSTA(登録商標))、グルコン酸第一鉄(例えば、FERGON(登録商標))、多糖−鉄錯体(例えば、NIFEREX(登録商標))、鉄デキストランの注入(例えば、INFED(登録商標))、硫酸第二銅、ピロキシジン、リボフラビン、ビタミンB12、シアンコバラミン注入(例えば、REDISOL(登録商標)、RUBRAMINPC(登録商標))、ヒドロキソコバラミン、葉酸(例えば、FOLVITE(登録商標))、ロイコボリン(ホリン酸、5−CHOH4PteGlu、シトロボルム因子)またはWELLCOVORIN(ロイコボリンのカルシウム塩)、トランスフェリンまたはフェリチンを含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、精神疾患を処置するために用いられる剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい精神剤は、抗精神剤(例えば、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、オランザピン、ペルフェナジン、ピモジド、クエチアピン、リスペリドン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、およびトリフルプロマジン)、抗鬱剤(例えば、カルバマゼピン、ジバルプロエクスナトリウム、炭酸リチウム、およびクエン酸リチウム)、抗鬱剤(例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、フルボキサミン、フルオキセチン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロチリン、ミルトラザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フェネイジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルプロミン、トラゾドン、トリミプラミンおよびベンラフェキシン)、抗不安剤(例えば、アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム)、および刺激剤(例えば、d−アンフェタミン、フェニド酸メチルおよびペモリン)を含むが、これらに限定されない。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、神経疾患の処置において用いられる剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい神経剤は、抗てんかん剤(例えば、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトサクシミド、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、フェルバメ−ト、ギャバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、チアギャビン、トピラメ−ト、ゾニサミド、ジアゼパム、ロラゼパムおよびクロナゼパム)、抗パーキンソン病剤(例えば、レボドパ/カルビドパ、セレギリン、アマンチジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、ベンズトロピン;ビペリデン;エトプロパジン;プロシクリジン;トリヘキシフェニジル、トルカポン)およびALS治療剤(例えば、リルゾール)を含むが、これらに限定されない。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、血管拡張剤および/またはカルシウムチャネルブロッキング剤と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい血管拡張剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、パパベリン、イソクスプリン、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラット、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、トランドラプリル、およびニリドリン)、および硝酸塩(例えば、イソソルビドジニトラート、イソソルビドモノニトラート、およびニトログリセリン)を含むが、これらに限定されない。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよいカルシウムチャネルブロッキング剤の例は、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、フルナリジン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピンおよびベラパミルを含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、胃腸疾患のための処置と組み合わせて投与される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドと一緒に投与されてもよい胃腸疾患のための処置は、H2ヒスタミン受容体アンタゴニスト(例えば、TAGAMET(登録商標)(シメチジン)、ZANTAC(登録商標)(ラニチジン)、PEPCTD(登録商標)(ファモチジン)、およびAXID(登録商標)(ニザチジン));H、KATPaseの阻害剤(例えば、PREVACID(登録商標)(ランソプラゾール)およびPRILOSEC(登録商標)(オメプラゾール));ビスマス化合物(例えば、PEPTO−BISMOL(登録商標)(サブサリチル酸ビスマス)およびDE−NOCE(サブクエン酸ビスマス));様々な制酸剤;スクラルファート;プロスタグランジンアナログ(例えば、CYTOTEC(登録商標)(ミソプロストール));ムスカリン性抗コリン剤;緩下剤(例えば、サーファクタント緩下剤、刺激性緩下剤、生理的食塩水および浸透圧性緩下剤);止瀉剤(例えば、LOMOTIL(登録商標)(ジフェノキシラート)、MOTOFEN(ジフェノキシン)およびIMODIUM(登録商標)(ロペラミドヒドロクロリド))、ソマトスタチンの合成アナログ、例えば、SANDOSTATIN(登録商標)(オクトレオチド)、制吐剤(例えば、ZOFRAN(登録商標)(オンダンセトロン)、KYTRILTM(塩酸グラニセトロン)トロピセトロン、ドラセトロン、メトクロプラミド、クロルプロマジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、トリフルプロマジン、ドンペリドン、ハロペリドール、ドロペリドール、トリメトベンザミド、デキサメサゾン、メチルプレドニゾロン、ドロナビノールおよびナビロン);D2アンタゴニスト(例えば、メトクロプラミド、トリメトベンザミドおよびクロルプロマジン);胆汁酸塩;ケノデオキシコール酸;ウルソデオキシコール酸;および膵臓酵素調製物、例えば、パンクレアチンおよびパンクレリパ−ゼを含むが、これらに限定されない。
さらなる実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、例えば、放射線療法のごとき他の治療または予防計画と組み合わせて投与される。
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質を含有する医薬組成物の1またはそれ以上の成分を充填した1またはそれ以上の容器を含む、医薬包装またはキットも提供する。所望により、かかる1または複数の容器に、医薬または生物製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定された形式の注意書きを備え付けることができる。かかる注意書きは、当局による、ヒトへの投与のための製造、使用または販売の認可を示している。
遺伝子治療
本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするコンストラクトは、治療上有効量のアルブミン融合蛋白質を送達するために、遺伝子治療プロトコルの一部として用いられ得る。細胞へ核酸をインビボ導入するための好ましい一のアプローチは、核酸を含み、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするウイルスベクターの使用である。ウイルスベクターを用いた細胞の感染は、大部分の標的細胞が核酸を受け取ることができるという利点を有する。さらに、例えば、ウイルスベクター中に含まれるcDNAによりウイルスベクター内にコードされた分子は、ウイルスベクターの核酸を取り込んだ細胞において効果的に発現される。
レトロウイルスベクターおよびアデノ関連ウイルスベクターは、アルブミン融合蛋白質をコードする外因性核酸分子をインビボにおいて輸送するための組換え遺伝子デリバリーシステムとして用いることができる。これらのベクターは、細胞中への核酸の効果的なデリバリーを提供し、および輸送された核酸は、宿主の染色体DNAに適切に組み込まれる。複製能欠損レトロウイルスのみを生じる特殊化した細胞株(「パッケージング細胞」と言われる)の開発により、遺伝子治療のためのレトロウイルスの有用性を増大し、および欠損レトロウイルスは、遺伝子治療のための遺伝子輸送における使用について特徴付けられる(報文についてはMiller,A.D.(1990)Blood76:27 1を参照のこと)。複製能欠損レトロウイルスを、ビリオンにパッケージングし、これを用いて、標準的な技法によりヘルパーウイルスを用いて標的細胞を感染させることができる。組換えレトロウイルスを産生するための、およびかかるウイルスを用いてインビトロまたはインビボにて細胞を感染させるためのプロトコルは、Current Protocol in Molecular Biology,Ausubel,F.M.ら.,(eds.)Greene Publishing Associates,(1989),Sections 9.10−9.14および他の標準的な実験マニュアルにおいて見出され得る。
本発明において有用な別のウイルス遺伝子デリバリーシステムは、アデノウイルス由来のベクターを利用する。アデノウイルスのゲノムを遺伝子操作して、目的の遺伝子産物をコードかつ発現するが、正常な溶菌ウイルス生活環で複製するその能力については不活性化させることができる。例えば、Berknerら.,BioTechnology6:616(1988);Rosenfeldら.,Science 252:431434(1991);およびRosenfeldら.,Cell 68:143−155(1992)を参照のこと。アデノウイルス株Ad型5d1324またはアデノウイルスの他の株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7など)に由来する適当なアデノウイルスベクターは当業者に知られている。組換えアデノウイルスは、非分裂細胞を感染させることができないために、特定の状況において有利であり得、および、上皮細胞を含む多種多様な細胞型を感染させるために用いることができる(上記引用のRosenfeldら.,(1992)。さらに、ウイルス粒子は、精製および濃度に対して相対的に安定しており、かつこれらに影響を受けやすく、そして、上記のように、感染のスペクトルに作用するように修飾することができる。さらに、導入されたアデノウイルスDNA(およびその中に含まれる外来DNA)は、宿主細胞のゲノムに組み込まれず、エピソームのままであるために、導入されたDNAが宿主ゲノム(例えば、レトロウイルスDNA)中に組み込まれる場合に挿入突然変異誘発の結果として生じ得る潜在的な問題を回避できる。さらに、外来DNAがアデノウイルスゲノムを保有する能力は、他の遺伝子デリバリーベクターに比べて大きい(最高8キロ塩基)(Berknerら.,前掲;Haj−Ahmおよびら.,J.Virol.57:267(1986))。
別の実施態様において、本発明の非ウイルス遺伝子デリバリーシステムは、標的細胞による対象ヌクレオチド分子の取り込みについて、エンドサイトーシス経路に依存する。この型の遺伝子デリバリーシステムの例は、リポソームに由来する系、ポリ−リジンコンジュゲートおよび人工ウイルスエンベロープを含む。典型的な一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする核酸分子は、その表面に正電荷を有し(例えば、リポフェクチン)、および(所望により)標的組織の細胞表面抗原に対する抗体をタグとして用いるリポソーム中に封入することができる(Mizunoら.(1992)No Shinkei Geka 20:547−551;PCT公開W091/06309;日本特許出願1047381;および欧特許公開EP−A−43075)。
本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする遺伝子に関する遺伝子デリバリーシステムは、任意の多数の方法により患者へ導入することができる。例えば、遺伝子デリバリーシステムの医薬調製物を、例えば静脈内注入により全身的に導入することができ、そして、標的細胞への蛋白質の特異的形質導入は、遺伝子デリバリービヒクルにより与えられるトランスフェクションの特異性、受容体遺伝子の発現を制御する転写調節配列による細胞型もしくは組織型の発現、またはそれらの組み合わせから主として生じる。他の実施態様において、組換え遺伝子の初期デリバリーはさらに制限されており、動物への導入は限局化される。例えば、遺伝子デリバリービヒクルはカテーテル(米国特許第5,328,470号を参照のこと)または定位的注入(例えば、Chenら.(1994)PNAS91:3054−3057)により導入され得る。遺伝子治療コンストラクトの医薬調製物は、本質的に、許容される希釈剤中の遺伝子デリバリーシステムからなり得、または遺伝子デリバリービヒクルが埋め込まれた徐放性マトリックスを含むことができる。アルブミン融合蛋白質が組換え細胞、例えば、レトロウイルスベクターからインタクトで生産できる場合、医薬調製物は、アルブミン融合蛋白質を生じる1またはそれ以上の細胞を含むことができる。
さらなる遺伝子治療
障害、疾患および状態を処置または予防するための遺伝子治療も、本発明により含まれる。遺伝子治療は、核酸(DNA、RNAおよびアンチセンスDNAまたはRNA)配列を動物に導入し、本発明のアルブミン融合蛋白質の発現を成し遂げることに関する。この方法は、プロモーターに作動可能に連結された、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド、および標的組織による融合蛋白質の発現のために必要な任意の他の遺伝子エレメントを必要とする。かかる遺伝子治療およびデリバリー技法は、当該技術分野において知られており、例えば、W090/11092を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。
故に、例えば、患者からの細胞は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドに作動的に結合されたプロモーターを含むポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)を用いてエキソビボにて操作されてもよく、次いで、操作された細胞は、本発明の融合蛋白質を用いて処置されるべき患者に提供される。かかる方法は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、Belldegrun,A.,ら.,J.Natl.CancerInst.85:207−216(1993);Ferrantini,M.ら.,Cancer Research 53:1107−1112(1993);Ferrantini,M.ら.,J.Immunology 153:4604−4615(1994);Kaido,T.,ら.,Int.J.Cancer 60:221−229(1995);Ogura,H.,ら.,Cancer Research 50:5102−5106(1990);Santodonato,L.,ら.,Human Gene THerapy 7:1−10(1996);Santodonato,L.,ら.,Gene THerapy 4:1246−1255(1997);およびZhang,J.−F.ら.,Cancer Gene THerapy 3:31−38(1996))を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。一の実施態様において、遺伝子操作される細胞は、動脈細胞である。動脈細胞は、動脈、動脈周囲組織への直接注入またはカテーテル注入により患者へ再度導入されてもよい。
以下に詳細に述べるように、ポリヌクレオチドコンストラクトは、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓など)の間質腔への注入のごとき、注入可能な物質を動物の細胞へ送達する任意の方法により送達され得る。ポリヌクレオチドコンストラクトは、医薬上許容される液体または水性担体中にて送達されてもよい。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、裸の(naked)ポリヌクレオチドとして送達される。用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAは、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方、リポフェクチンまたは沈殿剤などを含む、細胞への侵入を補助、改善または簡便化するように作用する任意のデリバリービヒクルのない配列を言う。しかし、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、当業者によく知られている方法により調製され得るリポソーム処方およびリポフェクチン処方など中にても送達され得る。かかる方法は、例えば、米国特許第5,593,972号、第5,589,466号および第5,580,859号に記載されており、該文献は出典明示により本明細書の一部となる。
好ましくは、遺伝子治療において用いられるポリヌクレオチドベクターコンストラクトは、宿主ゲノムへ統合されず、しかも複製を可能にする配列を含まないコンストラクトである。適切なベクターは、Stratageneから入手可能なpWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXTIおよびpSG;Pharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL;およびInvitogenから入手可能なpEFIN5、pcDNA3.1およびpRc/CMV2を含む。他の適当なベクターは、当業者に容易に明かであろう。
当業者に知られている任意の強力なプロモーターを用いて、ポリヌクレオチド配列を発現させることができる。適当なプロモーターは、アデノウイルスプロモーター、例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター;または異種プロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター;呼吸器系シンシチウムウイルス(RSV)プロモーター;誘導プロモーター、例えば、MMTプロモーター、メタロチオネインプロモーター;熱ショックプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウイルスチミジンキナーゼプロモーター、例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター;レトロウイルスLTRs;b−アクチンプロモーター;およびヒト成長ホルモンプロモーターを含む。プロモーターは、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する遺伝子のための天然プロモーターであってもよい。
他の遺伝子治療技法と異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入する主な利点の1つは、細胞におけるポリヌクレオチド合成の一過性の性質である。研究により、非複製DNA配列を細胞に導入し、最高6ヶ月の期間にわたり、所望のポリペプチドを産生し得ることが示されている。
ポリヌクレオチドコンストラクトは、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺および結合組織を含む、動物中の組織の間質腔へ送達され得る。組織の間質腔は、器官組織の細網繊維、血管または室の壁内の弾性繊維、繊維組織のコラーゲン繊維の間の細胞間、液体、ムコ多糖マトリックス、或いは筋肉細胞を覆う結合組織内または骨小腔内の同じマトリックスを含む。それは、循環血漿およびリンパ管のリンパ液により占有される同様の空間である。筋肉組織の間質腔への送達が、以下に記載の理由のために、好ましい。それらは、注入により、これらの細胞を含む組織中に有意に送達されてもよい。好ましくは、それらは、分化している永続型非分裂細胞中に送達され、および発現されるが、送達および発現は、例えば、血液または皮膚線維芽細胞の幹細胞のごとき非分化または完全には分化していない細胞において成し遂げられてもよい。インビボにおいて、筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み、かつ発現させる能力において特にコンピテントである。
裸の核酸配列の注入のために、有効量のDNAまたはRNAは、体重1kgあたり約0.05mg〜体重1kgあたり約50mgの範囲であり得る。好ましくは、該用量は、約0.005mg/kg〜約20mg/kgであり、およびより好ましくは、約0.05mg/kg〜約5mg/kgである。もちろん、当業者に理解されるように、この用量は、注入する組織部位に従って、変化し得る。適切かつ有効用量の核酸配列は、当業者により容易に決定され得、および処置される状態および投与経路に依存してもよい。
好ましい投与経路は、非経口経路による、組織の間質腔への注入である。しかし、他の非経口経路、例えば、特に、肺または気管組織、咽頭または鼻の粘膜へ送達させるための、エアロゾル処方の吸入も用いられてもよい。加えて、裸のDNAコンストラクトは、手術で用いられるカテーテルにより、血管形成中に動脈へ送達することができる。
裸のポリヌクレオチドは、送達部位での直接針注入、静脈内注入、局所投与、カテーテル注入およびいわゆる「遺伝子銃」を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において知られている任意の方法により送達される。これらのデリバリー方法は、当該技術分野において知られている。
コンストラクトは、デリバリービヒクル、例えば、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方、リポフェクチン、沈殿剤などと一緒に送達されてもよい。かかる送達方法は、当該技術分野において知られている。
特定の実施態様において、ポリヌクレオチドコンストラクトは、リポソーム調製物中に複合体化される。本発明において用いるためのリポソーム調製物は、カチオン性(正荷電)、アニオン性(負荷電)および中性調製物を含む。しかし、カチオン性リポソームおよびポリアニオン性核酸の間に堅密な電荷複合体を形成することができるので、カチオン性リポソームが特に好ましい。カチオン性リポソームは、プラスミドDNA(Feignerら.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413−7416、該文献は出典明示により本明細書の一部となる);mRNA(Maloneら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:6077−6081,該文献は出典明示により本明細書の一部となる);および精製された転写因子(Debsら.,J.Biol.Chem.(1990)265:10189−10192,該文献は出典明示により本明細書の一部となる)の細胞内送達を機能的な形態で媒介することが示されている。
カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは特に有用であり、およびLipofectinの商標で、GIBCOBRL、 Grand Island、N.Y.(Felgnerら.,Proc.NatlAcad.Sci.USA(1987)84:7413−7416も参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)から入手可能である。他の市販されているリポソームは、トランスフェクタース(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(Boehringer)を含む。
他のカチオン性リポソームは、当該技術分野においてよく知られている技法を用いて、容易に入手可能な物質から調製できる。例えば、DOTAP(1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の説明については、PCT公開WO90/11092(該文献は出典明示により本明細書の一部となる)を参照のこと。DOTMAリポソームの調製は文献に記載されており、例えば、P.Felgnerら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA84:7413−7417を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。同様の方法は、他のカチオン性脂質物質からリポソームを調製するために用いられ得る。
同様に、アニオン性および中性リポソームは、例えば、Avanti Polar脂質(Birmingham,Ala.)から容易に入手可能であるか、または容易に入手可能な物質を用いて容易に調製され得る。かかる物質は、とりわけ、ホスファチジル、コリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含む。これらの物質はまた、DOTMAおよびDOTAP出発物質と適切な割合で混合され得る。これらの物質を用いたリポソームの製造方法は、当該技術分野においてよく知られている。
例えば、市販のジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を様々な組み合わせで用いて、コレステロールを加えてまたは加えることなく、慣用的なリポソームを作製することができる。従って、例えば、超音波処理バイアルへの窒素気流下で、それぞれ50mgのDOPGおよびDOPCを乾燥させることにより、DOPG/DOPCベシクルを調製することができる。試料を吸引ポンプ下に一晩置き、次の日に脱イオン水で水和する。次いで、逆転カップ(槽タイプ)プローブを備えたヒートシステムズモデル350ソニケーターを最大設定で用いて、槽を15℃で循環させながら、キャップしたバイアル中で試料を2時間超音波処理する。別法では、超音波処理せずに、負荷電ベシクルを調製し、多重膜ベシクルを形成することができ、或いはメンブレンからの押し出しにより、個別の大きさの一枚膜ベシクルを形成することができる。他の方法も知られており、および当業者に利用される。
リポソームは、多重膜ベシクル(MLVs)、小さな一枚膜ベシクル(SUVs)または大きな一枚膜ベシクル(LIJVs)を含み、SUVsが好ましい。様々なリポソーム−核酸複合体は、当該技術分野においてよく知られている方法を用いて調製される。例えば、Straubingerら.,Methods of Immunology(1983),101:512−527を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。例えば、核酸を含むMLVsは、ガラス管の壁に薄いフィルム状のリン脂質を付着させ、次いで、カプセル化されるべき物質の溶液を用いて水和することにより、作製することができる。SUVsは、MLVsの超音波処理を長引かせ、一枚膜リポソームの均質な集団を形成することにより作製する。封入されるべき物質を、形成されたMLVsの懸濁液に加え、次いで、超音波処理する。カチオン性脂質を含むリポソームを用いて、乾燥した脂質フィルムを、適切な溶液、例えば、滅菌水または10mMのトリス/NaCIのごとき等張バッファー溶液中に再懸濁し、超音波処理し、次いで、形成されたリポソームはDNAと直接混合させる。リポソームおよびDNAは、正荷電リポソームとカチオン性DNAとの結合に起因して、非常に安定な複合体を形成する。SUVsは、小さな核酸断片を用いる用途も見出す。LUVsは、当該技術分野においてよく知られている多数の方法により調製される。一般的に用いられる方法は、CL2’−EDTAキレート化(Papahadjopoulosら.,Biochim.Biophys.Acta(1975)394:483;Wilsonら.,Cell 17:77(1979));エ−テル注入(Deamer,D.およびBangham,A.,Biochim.Biophys.Acta 443:629(1976);Ostroら.,Biochem.Biophys.Res.Commun.76:836(1977);Fraleyら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA76:3348(1979));デタージェント透析(Enoch,H.およびStrittmatter,P.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA76:145(1979));および逆相蒸発(REV)(Fraleyら.,J.Biol.Chem.255:10431(1980);Szoka,F.およびPapahadjopoulos,D.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA75:145(1978);Schaefer−Ridderら.,Science215:166(1982))を含む。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。
一般的に、リポソームに対するDNAの比は、約10:1ないし約1:10である。好ましくは、該比は、約5:1ないし約1:5である。より好ましくは、該比は、約3:1ないし約1:3であり得る。さらにより好ましくは、該比は約1:1であり得る。
米国特許第5,676,954号(該文献は出典明示により本明細書の一部となる)は、カチオン性リポソーム担体に複合体化された遺伝物質のマウスへの注入を報告している。米国特許第4,897,355号、第4,946,787号、第5,049,386号、第5,459,127号、第5,589,466号、第5,693,622号、第5,580,859号、第5,703,055号および国際公開番号WO94/9469(該文献は出典明示により本明細書の一部となる)は、細胞および哺乳類中へのDNAのトランスフェクションにおいて用いられるためのカチオン性脂質を提供する。米国特許第5,589,466号、第5,693,622号、第5,580,859号、第5,703,055号および国際公開番号WO 94/9469は哺乳類へDNA−カチオン性脂質複合体を送達するための方法を提供する。
特定の実施態様において、細胞は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする配列を含むRNAを含むレトロウイルス粒子を用いて、エキソビボまたはインビボにて操作される。レトロウイルスプラスミドベクターが由来してもよいレトロウイルスは、モロニ−マウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ハ−ベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ギボンザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルスおよび哺乳類腫瘍ウイルスを含むが、これらに限定されない。
レトロウイルスプラスミドベクターを用いて、パッケージング細胞株を形質導入し、プロデューサー細胞株を形成する。形質導入されてもよいパッケージング細胞の例は、PE501、PA317、R−2、R−AM、PA12、T19−14X、VT−19−17−H2、RCRE、RCRIP、GP+E−86、GP+envAml2、およびMiller、HumaGeneTherapy1:5−14(1990)にて記載されているようなDAN細胞株を含むが、これらに限定されない。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。ベクターは、当該技術分野において知られている任意の手段により、パッケージング細胞を形質導入してもよい。かかる手段は、エレクトロポレーション、リポソームの使用およびCaPO沈殿を含むが、これらに限定されない。一の別法において、レトロウイルスプラスミドベクターは、リポソーム中にカプセル化されるか、または脂質にカップリングされ、次いで、宿主に投与される。
プロディーサー細胞株は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含む感染性レトロウイルスベクター粒子を生じる。次いで、かかるレトロウイルスベクター粒子を用いて、インビトロまたはインビボのいずれかにおいて、真核細胞を形質導入してもよい。形質導入された真核細胞は、本発明の融合蛋白質を発現し得る。
特定の他の実施態様において、アデノウイルスベクター中に含まれるポリヌクレオチドを用いて、エキソビボまたはインビボにおいて細胞を操作する。アデノウイルスは、それが本発明の融合蛋白質をコードおよび発現すると同時に、正常なの溶菌ウイルス生活環において複製するその能力に関しては不活性化されるように、操作することができる。アデノウイルス発現は、宿主細胞染色体へウイルスDNAを組み込むことなく成し遂げられ、それにより、挿入突然変異誘発に関する問題が緩和される。さらに、アデノウイルスは、優れた安全プロフィールを有する腸溶性生ワクチンとして長年使用されてきた(Schwartzら.Am.Rev.Respir.Dis.109:233−238(1974))。最後に、アデノウイルス媒介遺伝子輸送は、コットンラットの肺へのアルファ−1−抗トリプシンおよびCFTRの輸送を含む、多数の事例において実証されている(Rosenfeld、M.A.ら.(1991)Science252:431434;Rosenfeldら.、(1992)Cell 68:143−155)。さらに、アデノウイルスをヒト癌における原因物質として証明しようとする大規模な研究は、一様に否定的であった(Green,M.ら.(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA76:6606)。
本発明において有用な適当なアデノウイルスベクターは、例えば、KozarskyおよびWilson,Curr.Opin.Genet.Devel.3:499−503(1993);Rosenfeldら.,Cell68:143−155(1992);Engelhardtら.,HumanGenet.Ther.4:759−769(1993);Yangら.,Nature Genet.7:362−369(1994);Wilsonら.,Nature 365:691−692(1993);および米国特許第5,652,224号に記載されている。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。例えば、アデノウイルスベクターAd2は有用であり、およびヒト293細胞において成長させることができる。これらの細胞は、アデノウイルスのEl領域を含み、およびElaおよびElbを構成的に発現し、ベクターから欠失された遺伝子の産物を提供することにより、欠損アデノウイルスを補完する。Ad2に加えて、アデノウイルスの他の変種(例えば、Ad3、Ad5およびAd7)も本発明において有用である。
好ましくは、本発明において用いられるアデノウイルスは、複製能欠損性である。複製能欠損アデノウイルスは、感染性粒子を形成するために、ヘルパーウイルスおよび/またはパッケージング細胞株の補助を必要とする。得られるウイルスは、細胞に感染でき、およびプロモーターに作動的に連結した目的のポリヌクレオチドを発現することができるが、ほとんどの細胞で複製することができない。複製能欠損アデノウイルスは、以下の遺伝子:Ela、Elb、E3、E4、E2aまたはLl〜L5の全てまたは一部の1またはそれ以上を欠失していてもよい。
特定の他の実施態様において、アデノ関連ウイルス(AAV)を用いて、エキソビボまたはインビボにおいて細胞を操作する。AAVsは、感染性粒子を生じるのにヘルパーウイルスを必要とする、自然に発生する欠損ウイルスである(Muzyczka,N.,Curr.Topics in Microbiol.Immunol.158:97(1992))。それは、そのDNAを非分化細胞へ組み込み得る幾つかのウイルスの1つであってもよい。わずか300塩基対を含むAAVのベクターは、パッケージし、そして組み込むことができるが、外因性DNAのための空間は、約4.5kbに限られている。AAVsの生成および使用方法は、当該技術分野において知られている。例えば、米国特許第5,139,941号、第5,173,414号、第5,354,678号、第5,436,146号、第5,474,935号、第5,478,745号および第5,589,377号を参照のこと。
例えば、本発明における使用のために適切なAAVベクターは、DNA複製、キャプシド形成および宿主−細胞組み込みのために必要な全ての配列を含む。ポリヌクレオチドコンストラクトは、標準的なクローニング方法、例えば、Sambrookら.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(1989)にて見出されるものを用いて、AAVベクター中に挿入される。次いで、組換えAAVベクターは、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿などを含む任意の標準的な技法により、ヘルパーウイルスを用いて感染されるパッケージング細胞中にトランスフェクションされる。適切なヘルパーウイルスは、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、牛痘ウイルスまたはヘルペスウイルスを含む。一旦、パッケージング細胞がトランスフェクションおよび感染されると、それらは、ポリヌクレオチドコンストラクトを含む感染性AAVウイルス粒子を生じ得る。次いで、これらのウイルス粒子をエキソビボまたはインビボにいずれかにおいて用いて、真核細胞を形質導入する。形質導入された細胞は、そのゲノムに統合されたポリヌクレオチドコンストラクトを含み得、および本発明の融合蛋白質を発現し得る。
遺伝子治療の別の方法は、相同組換えにより作動的に連結する異種制御領域および内因性ポリヌクレオチド配列(例えば、本発明のポリペプチドをコードする)を含む(例えば、1997年6月24日公開の米国特許第5,641,670号;1996年9月26日公開の国際公開番号WO96/29411;1994年8月4日公開の国際公開番号WO94/12650;Kollerら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(1989);およびZijlstraら.,Nature 342:435−438(1989)を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)。この方法は、標的細胞中に存在するが、正常に細胞に発現されない、または所望レベルよりも低いレベルで発現されている遺伝子の活性化を含む。
当該技術分野において知られている標準的な技法を用いて、標的配列が隣接して位置するプロモーターを含むポリヌクレオチドコンストラクトを作製する。適当なプロモーターは本明細書中記載されている。標的配列は、内因性配列とプロモーター−標的配列の相同組換えが可能となるように、内因性配列に対して十分に相補的である。標的配列は、所望の内因性ポリヌクレオチド配列の5’末端に十分に近接しており、その結果、プロモーターは、相同組換えの際に、内因性配列に作動的に結合され得る。
プロモーターおよび標的配列は、PCRを用いて増幅され得る。好ましくは、増幅されたプロモーターは、5’および3’末端に特徴的な制限酵素部位を含む。好ましくは、初めの標的配列の3’末端は、増幅されたプロモーターの5’末端と同じ制限酵素部位を含み、および二番目の標的配列の5’末端は、増幅されたプロモーターの3’末端と同じ制限部位を含む。増幅されたプロモーターおよび標的配列は共に消化され、およびライゲートされる。
プロモーター−標的配列コンストラクトは、裸のポリヌクレオチドとしてか、またはトランスフェクション−促進剤、例えば、以下に詳細に記載されるリポソーム、ウイルス配列、ウイルス粒子、全ウイルス、リポフェクション、沈殿剤などとの組み合わせのいずれかにより、細胞に送達される。Pプロモーター−標的配列は、直接針注入、静脈内注入、局所投与、カテーテル注入、粒子加速器などを含む任意の方法により、送達され得る。該方法は以下に詳細に記載する。
プロモーター−標的配列コンストラクトは、細胞により取り込まれる。コンストラクトおよび内因性配列の間の相同組換えが生じ、結果として、内因性配列はプロモーターの制御下に置かれる。次いで、プロモーターは内因性配列の発現を駆動する。
本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、蛋白質の分泌を改善する分泌シグナル配列を含んでもよい。典型的に、シグナル配列は、発現させようとするポリヌクレオチドのコーディング領域中、またはコーディング領域の5’末端に位置する。シグナル配列は、目的のポリヌクレオチドに対して相同または非相同であってもよく、およびトランスフェクションされるべき細胞に対して相同または非相同であってもよい。さらに、シグナル配列は、当該技術分野において知られている方法を用いて、化学的に合成されてもよい。
治療効果を与えるのに十分な量で1またはそれ以上の分子を発現する限り、任意の上記したポリヌクレオチドコンストラクトの任意の投与方法を用いることができる。これは、直接針注入、全身注入、カテーテル注入、微粒子銃注入、粒子加速器(すなわち、「遺伝子銃」)、ゲルフォームスポンジデポー、他の市販のデポー物質、浸透圧ポンプ(例えば、Alzaミニポンプ)、経口または坐剤用固形(錠剤またはピル剤)医薬処方ならびに手術中のデカントまたは局所適用を含む。例えば、リン酸カルシウム−沈殿された裸のプラスミドをラット肝臓およびラット脾臓中へ直接注入するか、または蛋白質コーティングされたプラスミドを門脈中へ直接注入することにより、ラット肝臓において外来遺伝子の遺伝子発現をもたらした(Kanedaら.、Science243:375(1989))。
局所投与の好ましい方法は、直接注入による。好ましくは、デリバリービヒクルに複合体化させた本発明のアルブミン融合蛋白質を、動脈領域内への直接注入により、または該領域内に局所的に投与する。動脈領域内への組成物の局所投与は、動脈内の数センチメ−トル、および好ましくは、数ミリメ−トルの領域へ組成物を注入することを言う。
局所投与の別の方法は、本発明のポリヌクレオチドコンストラクトを手術による創傷内またはその周辺に接触させることである。
例えば、患者は手術を受け、そしてポリヌクレオチドコンストラクトを創傷内部の組織表面上に塗布するか、または該コンストラクトを創傷内部の組織領域に注入することができる。
全身投与において有用な治療用組成物は、本発明の標的デリバリービヒクルに複合体化させた本発明の融合蛋白質を含む。全身投与に用いるために適当なデリバリービヒクルは、ビヒクルを特定部位にターゲッティングさせるためのリガンドを含むリポソームを包含する。特定の実施態様において、全身投与に用いるために適当なデリバリービヒクルは、ビヒクルを特定部位にターゲッティングさせるための本発明のアルブミン融合蛋白質を含むリポソームを包含する。
全身投与の好ましい方法は、静脈内注入、エアロゾル、経口および経皮(局所)送達を含む。当該技術分野において標準的な方法を用いて、静脈内注入を実施することができる。エアロゾルデリバリーも、当該技術分野において標準的な方法を用いて実施することができる(例えば、Striblingら.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 189:11277−11281,1992を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)。経口送達は、本発明のポリヌクレオチドコンストラクトを、動物の消化管にある消化酵素による分解に耐え得る担体に複合体化させることにより、実施することができる。かかる担体の例は、プラスチックカプセル剤またはタブレット剤、例えば、当該技術分野において知られているものを含む。局所送達は、本発明のポリヌクレオチドコンストラクトを、皮膚に浸透可能な脂肪親和性試薬(例えば、DMSO)と混合することにより、実施することができる。
送達されるべき物質の有効量は、例えば、物質の化学構造および生物活性、動物の年齢および体重、処置を要する正確な状態およびその重篤度ならびに投与経路を含む多数の因子に応じて決定される。処置の頻度は多数の因子、例えば、1用量あたり投与されるポリヌクレオチドコンストラクトの量ならびに対象の健康状態および病歴に依存する。正確な量、投与回数および投与のタイミングは、担当の医師または獣医により決定され得る。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、任意の動物、好ましくは哺乳類および鳥類へ投与され得る。好ましい哺乳類は、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ウマおよびブタを含み、特にヒトが好ましい。
生物活性
アルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、1またはそれ以上の生物活性を試験するためのアッセイにおいて用いられ得る。アルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドが、特定のアッセイにおいて活性を示すならば、その融合蛋白質に対応する治療用蛋白質は、その生物活性に関連する疾患に関与している可能性がある。故に、融合蛋白質を用いて、関連疾患を処置することができよう。
好ましい実施態様において、本発明は、表1の「好適な適応症Y」の欄に挙げた疾患または障害の処置方法であって、かかる処置、予防または緩和が所望される患者へ、表1の「治療用蛋白質X」の欄に開示される(表1の「好適な適応症Y」に開示される処置されるべき疾患または障害と同じ列中)治療用蛋白質に対応する治療用蛋白質部分を含む本発明のアルブミン融合蛋白質を、疾患または障害を処置、予防または改善するのに有効な量で投与することを含む方法を包含する。
さらに好ましい一の実施態様において、本発明は、表1の「好適な適応症Y」の欄に挙げる特定の治療用蛋白質について記載された疾患または障害の処置方法であって、かかる処置、予防または緩和が所望される患者へ、実施例の適応症に関連する、治療用蛋白質に対応する治療用蛋白質部分を含む本発明のアルブミン融合蛋白質を、疾患または障害を処置、予防または改善するのに有効な量で投与することを含む方法を包含する。
配列番号:Yをコードするポリヌクレオチドによりコードされる場合、細胞により産生されるアルブミン融合蛋白質が、本発明により特に熟慮される。これらのポリヌクレオチドを用いて、細胞からコードされた蛋白質を発現させる場合、細胞の自然分泌およびプロセッシング段階は、表2の欄4および/または11に明確に記載されるシグナル配列を欠損している蛋白質を生じる。記載されたシグナル配列の特定のアミノ酸配列は、明細書中に示されているか、または当該技術分野においてよく知られている。故に、本発明の最も好ましい実施態様は、細胞により産生されるアルブミン融合蛋白質(表2の欄4および/または11で示されるリーダー配列を欠損している)を含む。さらに、表2の欄4および/または11に記載される特定のリーダー配列を有さない、配列番号:Yを含むポリペプチドが最も好ましい。これらの2つの好ましい実施態様を包含する、医薬組成物を含む組成物も好ましい。これらのアルブミン融合蛋白質は、表1の「好適な適応症:Y」の欄にて特定の治療用蛋白質について記載された疾患または障害を処置、予防または改善するために特に熟慮される。
好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質は、内分泌系(例えば、以下の「内分泌障害」セクションを参照のこと)、神経系(例えば、以下の「神経疾患」セクションを参照のこと)、免疫系(例えば、以下の「免疫活性」セクションを参照のこと)、呼吸器系(例えば、以下の「呼吸器疾患」セクションを参照のこと)、心血管系(例えば、以下の「心血管疾患」セクションを参照のこと)、生殖器系(例えば、以下の「生殖器系疾患」セクションを参照のこと)消化器系(例えば、以下の「胃腸疾患」セクションを参照のこと)、細胞増殖に関連する疾患および/または障害(例えば、以下の「過増殖性疾患」セクションを参照のこと)および/または血液に関連する疾患または障害(例えば、以下の「血液関連疾患」セクションを参照のこと)の疾患および障害に関連する疾患および/または障害の診断、予後、予防および/または処置において用いられてもよい。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、本発明の融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する遺伝子が発現されている、一または複数の組織に関連する疾患および/または障害を診断および/または予後するために用いられてもよい。
故に、本発明の融合蛋白質および本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、プロホルモン活性化、神経伝達物質活性、細胞シグナル伝達、細胞増殖、細胞分化および細胞遊走を含むがこれらに限定されない活性に関連する疾患および/または障害の診断、検出および/または処置において有用である。
より一般的には、本発明の融合蛋白質および本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、以下の系に関連する疾患および/または障害の診断、予後、予防および/または処置において有用である。
免疫活性
本発明のアルブミン融合蛋白質および本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、免疫細胞の増殖、分化または動員(走化性)を活性化または阻害することにより、免疫系の疾患、障害および/または状態の処置、予防、診断および/または予後において有用であってもよい。免疫細胞は、血球新生と呼ばれる過程を通して発達し、多能性幹細胞からミエロイド(血小板、赤血球細胞、好中球およびマクロファージ)およびリンパ(BおよびTリンパ球)細胞を生じる。これらの免疫性疾患、障害および/または状態の病因は、癌および幾つかの自己免疫疾患のように遺伝的、体質的、後天的(例えば、化学療法または毒素による)なものかまたは感染性のものであってもよい。さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、特定の免疫系疾患または障害のマーカーまたは検出器として用いられ得る。
別の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫系を疾患および障害するため、および/または本発明のポリペプチドが発現される一または複数の組織に関連する細胞により生じる免疫応答を阻害または亢進するために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、先天的および後天的免疫不全の両方を含む免疫不全の処置、予防、診断、および/または予後において有用であってもよい。免疫グロブリンレベルB細胞機能および/またはB細胞数が減少するB細胞免疫不全の例は:X連鎖性無ガンマグロブリン血症(Bruton’s疾患)、X連鎖性乳児無ガンマグロブリン血症、高IgMを伴うX連鎖性免疫不全、高IgMを伴う非X連鎖性免疫不全、X連鎖性リンパ増殖症候群(XLP)、先天的および後天的無ガンマグロブリン血症、成人性無ガンマグロブリン血症、遅発性無ガンマグロブリン血症、ガンマグロブリン異常症、低ガンマグロブリン血症、非特異的低ガンマグロブリン血症、劣性無ガンマグロブリン血症(スイス型)を含む無ガンマグロブリン血症、選択的IgM欠乏、選択的IgA欠乏、選択的IgGサブクラス欠乏、IgGサブクラス欠乏(IgA欠乏を伴うまたは伴わない)、IgM増大を伴うIg欠乏、IgM増大を伴うIgGおよびIgA欠乏、正常または増加Igを伴う抗体欠損症、Ig重鎖欠失、カッパ鎖欠損症、B細胞リンパ増殖障害(BLPD)、分類不能原発性免疫不全(CVID)、分類不能型免疫不全(CVI)(後天的)および乳児一時性低ガンマグロブリン血症を含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、毛細血管拡張性失調症または毛細血管拡張性失調症に関連する状態は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予後される。
T細胞および/またはB細胞機能および/または数が減少している先天的免疫不全の例は:ディジョージ異常症、重症複合型免疫不全(SCiD)(X連鎖性SCID、常染色体劣性SCID、アデノシンデアミナーゼ欠乏、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)欠乏、クラスIIMHC欠乏(不全リンパ球症候群)、ウィスコット・アルドリッチ症候群および毛細血管拡張性失調症を含むが、これらに限定されない)、胸腺形成不全症、第3および第4咽頭嚢症候群、22ql1.2欠失、慢性皮膚粘膜カンジダ症、ナチュラルキラー細胞欠損(NK)、特発性CD4+T−リンパ球減少症、主要T細胞欠損(非特異的)を伴う免疫不全および細胞介在免疫の非特異的免疫不全を含むが、これらに限定されない。
特定の実施態様において、ディジョージ異常症またはディジョージ異常症に関連する状態は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予後される。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予後されてもよい他の免疫不全は、慢性肉芽腫症、チェディアック・東症候群、ミエロペルオキシダーゼ欠乏、白血球グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ欠乏、X連鎖性リンパ増殖症候群(XLP)、白血球接着欠乏、補体成分欠損症(Cl、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8および/またはC9欠乏を含む)、細網異形成症、胸腺リンパ形成不全症−無形成、胸腺腫を伴う免疫不全、重篤な先天的白血球減少症、免疫不全を伴う異形成症、新生児好中球減少症、四肢短縮型低身長症、およびlgsを伴うネゼロフ症候群複合型免疫不全を含むが、これらに限定されない。
好ましい一の実施態様において、上記した免疫不全および/または免疫不全に関連する状態は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予後される。
好ましい一の実施態様において本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫不全症の個体において免疫応答性を改善する剤として用いられ得るだろう。特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、B細胞および/またはT細胞免疫欠損の個体において免疫応答性を改善する剤として用いられ得るだろう。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、自己免疫疾患の処置、予防、診断および/または予後において有用であってもよい。多くの自己免疫疾患は、免疫細胞が自己を外来物質と不適切に認識することから生じる。この不適切な認識は、宿主組織の破壊に至る免疫応答をもたらす。それ故に、免疫応答、特にT−細胞の増殖、分化または走化性を阻害し得る本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドの投与は、自己免疫疾患の予防において有効な両方であってもよい。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置、予防、診断および/または予後されてもよい自己免疫疾患または障害は、以下:全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、強直性脊椎炎、多発性硬化症、自己免疫甲状腺炎、橋本甲状腺炎、自己免疫性溶血性貧血、溶血性貧血、血小板減少症、自己免疫血小板減少症紫斑病、自己免疫新生児血小板減少症、特発性血小板減少症紫斑病、紫斑病(例えば、Henloch−Scoenlein紫斑病)、自己免疫性血球減少、グッドパスチャ−症候群、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、グレーブス病(甲状腺機能亢進症)およびインスリン耐性真性糖尿病の1またはそれ以上を含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防および/または診断されてもよい自己免疫成分を有すると考えられるさらなる障害は、II型コラーゲン誘導関節炎、抗リン脂質抗体症候群、皮膚炎、アレルギー性脳脊髄炎、心筋炎、再発性多発性軟骨炎、リウマチ性心疾患、神経炎、ブドウ膜炎眼炎、多腺性内分泌障害、ライター疾患、スティフマン症候群、自己免疫経肺炎症、自閉症、ギラン・バレー症候群、インスリン依存性真性糖尿病および自己免疫性炎症性眼障害を含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予後されてもよい自己免疫成分を有する可能性のあるさらなる障害は、抗コラーゲン抗体を伴う強皮症(多くの場合、例えば、核および他の核抗体により特徴付けられる)、混合性結合組織疾患(多くの場合、例えば、抽出可能な核抗原に対する抗体(例えば、リボヌクレオ蛋白質)により特徴付けられる)、多発性筋炎多くの場合、例えば、非ヒストン性ANAにより特徴付けられる)、悪性貧血(多くの場合、例えば、抗壁細胞、ミクロソーム、および内因子抗体により特徴付けられる)、特発性アジソン疾患(多くの場合、例えば、体液性および細胞介在副腎細胞傷害、不妊症(多くの場合、例えば、抗精子抗体により特徴付けられる)、糸球体腎炎(多くの場合、例えば、糸球体基底膜抗体または免疫複合体により特徴付けられる)、水疱性類天疱瘡(多くの場合、例えば、基底膜中のIgGおよび補体により特徴付けられる)、シェーグレン症候群(多くの場合、例えば、複数の組織抗体、および/または特定の非ヒストン性ANA(SS−B)により特徴付けられる)、真性糖尿病(多くの場合、例えば、細胞介在および体液性島細胞抗体により特徴付けられる)およびアドレナリン薬剤耐性(喘息または嚢胞性線維症を伴うアドレナリン薬剤耐性を含む)(多くの場合、例えば、ベータ−アドレナリン受容体抗体により特徴付けられる)を含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予後されてもよい、自己免疫成分を含むさらなる障害は、慢性活動性肝炎(多くの場合、例えば、平滑筋抗体により特徴付けられる)、原発性胆汁性肝硬変(多くの場合、例えば、ミトコンドリア抗体により特徴付けられる)、他の内分泌腺障害(例えば、特定の組織抗体より特徴付けられる場合もある)、白斑(多くの場合、例えば、メラノサイト抗体により特徴付けられる)、脈管炎(多くの場合、例えば、脈管壁中のIgおよび補体および/または低血清補体により特徴付けられる)、心筋梗塞後症候群(post−MI)(多くの場合、例えば、心筋抗体により特徴付けられる)、心臓切開症候群(多くの場合、例えば、心筋抗体により特徴付けられる)、じんま疹(多くの場合、例えば、IgEに対するIgGおよびIgM抗体により特徴付けられる)、アトピ−性皮膚炎(多くの場合、例えば、IgEに対するIgGおよびIgM抗体により特徴付けられる)、喘息(多くの場合、例えば、IgEに対するIgGおよびIgM抗体により特徴付けられる)および多くの他の炎症性、肉芽腫性、変性および萎縮性障害を含むが、これらに限定されない。
好ましい一の実施態様において、自己免疫疾患および障害および/または上記した疾患および障害に関連する状態は、例えば、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予後される。一の特定の好ましい実施態様において、関節リウマチは、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防および/または診断される。
別の特定の好ましい実施態様において、全身性エリテマトーデスは、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防および/または診断される。別の特定の好ましい実施態様において、特発性血小板減少症紫斑病は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防および/または診断される。
別の特定の好ましい実施態様においてIgA腎障害は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防および/または診断される。
好ましい一の実施態様において、自己免疫疾患および障害および/または上記した疾患および障害に関連する状態は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予後される。
好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、一または複数の免疫抑制剤として用いられる。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、造血細胞の疾患、障害および/または状態の処置、予防、予後および/または診断において有用であってもよい。白血球減少症、好中球減少症、貧血および血小板減少症を含むがこれらに限定されない、特定(または多くの)型の造血細胞の減少に関連する疾患、障害および/または状態を処置または予防するために、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、造血細胞の分化および増殖を増大させることができよう。別法では、組織球症を含むがこれらに限定されない、特定(または多くの)型の造血細胞の増大に関連する疾患、障害および/または状態を処置または予防するために、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、造血細胞の分化および増殖を増大させることができよう。
アレルギー反応および状態、例えば、喘息(特にアレルギー性喘息)または他の呼吸器系障害も、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予後されてもよい。さらに、これらの分子は、アナフィラキシー、抗原分子に対する過感受性または血液型不適合を処置、予防、予後および/または診断するために用いられ得る。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、IgE介在アレルギー反応を処置、予防、診断および/または予後するために用いられてもよい。かかるアレルギー反応は、喘息、鼻炎および湿疹を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、インビトロまたはインビボにおいて、IgE濃度を調節するために用いられてもよい。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、炎症状態の診断、予後、予防および/または処置における用途も有する。例えば、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、炎症性応答に関与する細胞の活性化、増殖および/または分化を阻害してもよいので、これらの分子は、慢性および急性炎症状態を予防および/または処置するために用いることができる。かかる炎症状態は、例えば、感染に関連する炎症(例えば、敗血症ショック、敗血症、または全身性炎症反応症候群)、虚血再灌流傷害、内毒素による致死、補体介在超急性拒絶、腎炎、サイトカインまたはケモカイン誘導肺傷害、炎症性腸疾患、クローン病、サイトカイン(例えば、TNFまたはIL−1)の産生過剰、呼吸器疾患(例えば、喘息およびアレルギー);胃腸疾患(例えば、炎症性腸疾患);癌(例えば、胃、卵巣、肺、膀胱、肝臓および胸);CNS障害(例えば、多発性硬化症;虚血性脳傷害および/または脳卒中、外傷性脳傷害、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病およびアルツハイマー病);AIDS関連認知症;およびプリオン疾患);心血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、心筋炎、心血管疾患および心肺バイパス合併症);ならびに炎症(例えば、肝炎、関節リウマチ、痛風、外傷、膵炎、サルコイドーシス、皮膚炎、腎虚血再灌流傷害、グレーブス病、全身性エリテマトーデス、真性糖尿病および同種移植拒絶反応)により特徴付けられる多くのさらなる疾患、状態および障害を含むが、これらに限定されない。
炎症は基本的な防御機構であるので、事実上炎症性疾患は、身体の事実上任意の組織に作用する。従って、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、副腎炎、肺胞炎、胆管胆嚢炎、虫垂炎、亀頭炎、眼瞼炎、気管支炎、滑液包炎、心臓炎、蜂巣炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、声帯炎、結腸炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、皮膚炎、憩室炎、脳炎、心内膜炎、食道炎、耳管炎、結合組織炎、毛嚢炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、舌炎、肝脾炎、角膜炎、内耳炎、喉頭炎、リンパ管炎、乳腺炎、中耳炎、髄膜炎、子宮筋層炎、粘膜炎、心筋炎、筋炎、鼓膜炎、腎炎、神経炎、精巣炎、骨軟骨炎、耳炎、心膜炎、腱鞘炎、腹膜炎、咽頭炎、静脈炎、灰白髄炎、前立腺炎、歯髄炎、網膜炎、鼻炎、卵管炎、強膜炎、強膜脈絡膜炎、陰嚢炎、副鼻腔炎、脊椎炎、脂肪組織炎、口内炎、滑膜炎、耳管炎、腱炎、扁桃炎、尿道炎および膣炎を含むがこれらに限定されない組織特異的炎症性疾患の処置において用いられる。
特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、器官移植拒絶反応および移植片対宿主病を診断、予後、予防および/または処置するために有用である。器官拒絶反応は、免疫応答を介した移植組織の宿主免疫細胞破壊によって生じる。同様に、免疫応答はGVHDにも関与するが、この場合、外来の移植された免疫細胞は宿主組織を破壊する。免疫応答、特にT−細胞の活性化、増殖、分化または走化性を阻害する、ポリペプチド、抗体または本発明のポリヌクレオチドおよび/またはそれらのアゴニストまたはアンタゴニストは、予防器官拒絶反応またはGVHDにおいて有効な療法であってもよい。特定の実施態様において、免疫応答、特にT−細胞の活性化、増殖、分化または走化性を阻害する、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、実験的アレルギー性および超急性異種移植拒絶反応の予防において有効な療法であってもよい。
他の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血清病、膿痂疹後腎炎、結節性多発性動脈炎、および免疫複合体誘導脈管炎を含むがこれらに限定されない免疫複合体疾患を診断、予後、予防および/または処置するために有用である。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、感染物質を処置、検出および/または予防するために用いられ得る。例えば、免疫応答を増大させることにより、特にBおよび/またはT細胞の増殖活性化および/または分化を増大させることにより、感染症は処置、検出および/または予防されてもよい。免疫応答は、存在する免疫応答を高めるか、または新しい免疫応答を惹起するかのいずれかにより、増大されてもよい。別法では、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫応答を必ずしも引き出すことなしに、感染物質(感染物質などを記載する本明細書のセクションを参照のこと)を直接阻害してもよい。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、抗原に対する免疫応答を高めるワクチンアジュバントとして用いられる。特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、腫瘍特異的な免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、抗−ウイルス免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。アジュバントとして本発明の組成物を用いて高められてもよい抗−ウイルス免疫応答は、ウイルスおよび本明細書中記載されているまたはそうでなければ当該技術分野において知られている疾患または徴候に関連するウイルスを含む。特定の実施態様において、本発明の組成物は、ウイルスか、AIDS、髄膜炎、デング熱、EBV、および肝炎(例えば、B型肝炎)からなる群より選択される疾患または徴候に対する免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、ウイルスか、HIV/AIDS、呼吸器合胞体ウイルス、デング熱、ロタウイルス、B型日本脳炎、AおよびB型インフルエンザ、パラインフルエンザ、はしか、サイトメガロウイルス、狂犬病、フニン、チクングンヤ熱、リフトバレー熱、単純ヘルペス、および黄熱病からなる群より選択される疾患または徴候に対する免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、抗−細菌または抗−真菌免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。アジュバントとして本発明の組成物を用いて高められてもよい抗−細菌または抗−真菌免疫応答は、細菌または真菌ならびに本明細書中記載されているまたはそうでなければ当該技術分野において知られている疾患または徴候に関連する細菌または真菌を含む。特定の実施態様において、本発明の組成物は、細菌または真菌か、破傷風、ジフテリア、ボツリヌス中毒、およびB型髄膜炎からなる群より選択される疾患または徴候に対する免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、コレラ菌(Vivrio cholerae)、ハンセン菌(Mycobacterium leprae)、サルモネラ菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、髄膜炎菌(Meisseria meningitidis)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、B群連鎖球菌、赤痢菌(Shigella spp.)、腸毒素産出性大腸菌、腸出血性大腸菌およびライム病(Borrelia burgdorferi)からなる群より選択される細菌または真菌、疾患または徴候に対する免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、抗−寄生虫免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。アジュバントとして本発明の組成物を用いて高められてもよい抗−寄生虫免疫応答は、寄生虫および本明細書中記載されているまたはそうでなければ当該技術分野において知られている疾患または徴候に関連する寄生虫を含む。特定の実施態様において本発明の組成物は、寄生虫に対する免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、プラスモディウム(マラリア)またはレーシュマニアに対する免疫応答を高めるためのアジュバントとして用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、単核食細胞の動員および活性化を阻害することにより、ケイ肺症、サルコイドーシスおよび特発性肺線維症を含む感染症を処置するために用いられてもよい。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドに対する免疫介在応答を阻害または亢進するために、抗体産生の抗原として用いられる。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、ミニブタ、ニワトリ、ラクダ、ヤギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ヒトでない霊長類およびヒト、最も好ましくはヒト)へ投与され、免疫系を改善し、1またはそれ以上の抗体(例えば、IgG、IgA、IgMおよびIgE)の量を増大させるか、より高い親和性抗体の産生および免疫グロブリンクラススイッチング(例えば、IgG、IgA、IgM、およびIgE)を誘導するか、および/または免疫応答を増大させる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、病原菌に対するB細胞反応性の刺激因子として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、T細胞の活性化剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫抑制療法を受ける前に、個体の免疫状態を高める剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、より高い親和性抗体を誘導するための剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血清免疫グロブリン濃度を増大させるための剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫不全個体の回復を加速するための剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、老年集団および/または新生児における免疫応答性を改善するための剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、骨髄移植および/または他の移植(例えば、同種または異種臓器移植)の前、その間またはその後において、免疫系エンハンサーとして用いられる。移植に関して、本発明の組成物は、移植の前、それと同時に、および/またはその後に投与されてもよい。特定の一の実施態様において、本発明の組成物は、移植後、T−細胞集団の回復が開始する前に、投与される。別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、移植後、T細胞集団の回復が開始した後であるが、B細胞集団が完全に回復する前に、初めて投与される。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、B細胞機能の後天的欠損を有する個体において免疫応答性を改善するための剤として用いられる。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明の融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを投与することにより改善または処置されてもよいB細胞機能の後天的欠損をもたらす状態は、HIV感染、AIDS、骨髄移植およびB細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)を含むが、これらに限定されない。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、一時的な免疫欠損を有する個体において免疫応答性を改善するための剤として用いられる。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを投与することにより改善または処置されてもよい一時的な免疫欠損の状態は、ウイルス感染(例えば、肝炎)からの回復、栄養不良に関連する状態、感染性単核球症からの回復またはストレスに関連する状態、はしかからの回復、輸血からの回復および手術からの回復を含むが、これらに限定されない。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、単球、樹枝状細胞および/またはB−細胞による抗原提示の調節剤として用いられる。一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、インビトロまたはインビボにおいて、抗原提示を増強するか、または抗原提示をアンタゴナイズする。さらに、関連する実施態様において、抗原提示のこの増強または拮抗は、抗−腫瘍処置として、または免疫系を調節するために有用であってもよい。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、THI細胞応答とは反対に、体液性応答(すなわちTH2)の発生に向けて、個体の免疫系を指令する剤として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、腫瘍増殖を誘導することにより、抗新生物剤に対する感受性を高めるための手段として用いられる。例えば、多発性骨髄腫は、分裂の遅い疾患であり、それ故に、実質的に全ての抗新生物療法に対して難治性である。これらの細胞がより迅速な増殖へと駆り立てられるならば、それらの感受性特性は変化するだろう。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、病理学的状態、例えば、AIDS、慢性リンパ球障害および/または一般的な分類不能型原発性免疫不全においてB細胞産生の刺激因子として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、手術、外傷または遺伝子欠損後に、リンパ様組織を産生および/または再生するための療法として用いられる。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、移植前の骨髄試料の前処置において用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、SCID患者において観察されるような免疫不適格性/免疫不全をもたらす遺伝性障害に対する遺伝子に基づく療法として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、レーシュマニアのごとき単球に作用する寄生虫疾患を防御するために、単球/マクロファージを活性化する手段として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドにより導かれる分泌サイトカインを調節する手段として用いられる。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本明細書中に記載の1またはそれ以上の適用において用いられ、同様にそれらを獣医用医薬へ適用してもよい。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、外来物質または自己に対する免疫応答の様々な態様をブロッキングする手段として用いられる。免疫応答の特定の態様のブロッキングが所望されてもよい疾患または状態の例は、ループスのごとき自己免疫疾患、関節炎ならびに皮膚アレルギーへの免疫応答、炎症、腸疾患、病原菌に関連する傷害および疾患/障害を含む。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデスおよび多発性硬化症のごとき自己免疫疾患に関連するB細胞増殖およびIg分泌を阻害するための療法として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチドおよび/または本発明の融合蛋白質のアゴニストまたはアンタゴニストおよび/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドが、内皮細胞におけるBおよび/またはT細胞遊走の阻害剤として用いられる。この活性は組織構造または同族の(cognate)応答を破壊し、そして例えば免疫応答の破壊および敗血症の阻止において有用である。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、重症度が不確かな単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)、ワルデンシュトレーム疾患、関連する特発性単クローン性免疫グロブリン血症、および形質細胞腫のごとき疾患において明らかである慢性高ガンマグロブリン血症のための療法として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、特定の自己免疫および慢性炎症性および感染性疾患において、マクロファージおよびそれらの前駆細胞および好中球、好塩基球、Bリンパ球および幾つかのT−細胞サブセット、例えば、活性化およびCD8細胞傷害性T細胞およびナチュラルキラー細胞のポリペプチド走化性および活性化を阻害するために用いられてもよい。自己免疫疾患の例は本明細書中記載されており、および多発性硬化症およびインスリン依存性糖尿病を含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、好酸球の産生および遊走を阻害することにより、特発性好酸球増加症候群を処置するために用いられてもよい。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、補体介在細胞溶解を増強するまたは阻害するために用いられる。
他の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、抗体依存性細胞傷害を増強または阻害するために用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、動脈壁への単球湿潤を阻害することにより、アテローム性動脈硬化症を処置するために用いられてもよい。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは。成人呼吸窮迫症候群(ARDS)
を処置するために用いられてもよい。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、創傷および組織修復の刺激、血管新生の刺激および/または血管またはリンパ管疾患または障害の修復の刺激のために有用であってもよい。さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、粘膜表面の再生を刺激するために用いられてもよい。
特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、原発性または後天的免疫不全、不十分な血清免疫グロブリン産生、反復性感染および/または免疫系機能障害により特徴付けられる障害を診断、予後、処置および/または予防するために用いられる。さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、関節、骨、皮膚および/または耳下腺腺の感染、血液由来感染(例えば、敗血症、髄膜炎、敗血症関節炎および/または骨髄炎)、自己免疫疾患(例えば、本明細書中に記載のもの)、炎症性疾患および悪性腫瘍、および/またはCVID、他の原発性免疫欠損、HIV疾患、CLL、反復性気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎、結膜炎、肺炎、肝炎、髄膜炎、帯状疱疹(例えば、重度の帯状疱疹)および/またはカリニ肺炎を含むがこれらに限定されない、これらの感染、疾患、障害および/または悪性腫瘍に関連する任意の疾患または障害または状態を処置または予防するために用いられてもよい。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて予防、診断、予後および/または処置されてもよい他の疾患および障害は、HIV感染、HTLV−BLV感染、リンパ球減少症、食細胞殺菌不全性貧血、血小板減少症およびヘモグロビン尿症を含むが、これらに限定されない。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、一般的な分類不能型免疫不全症(「CVm」;「後天的無ガンマグロブリン血症」および「後天的低ガンマグロブリン血症」としても知られている)またはこの疾患のサブセットを有する個体を処置および/または診断するために用いられる。
特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫細胞または免疫組織に関連する癌または新生物を含む癌または新生物を診断、予後、予防および/または処置するために用いられてもよい。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより予防、診断、または処置されてもよい癌または新生物の例は、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ球性貧血(ALL)慢性リンパ球白血病、形質細胞腫、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、EBV変換疾患および/または本明細書中「過増殖性疾患」のセクションに別記されている疾患および障害を含むが、これらに限定されない。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、大B細胞リンパ腫の細胞増殖を減じるための療法として用いられる。
別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、慢性骨髄性白血病に関連するB細胞およびIgの関与を減少させる手段として用いられる。
特定の実施態様において、本発明の組成物は、B細胞免疫欠損の個体、例えば、部分または完全脾臓摘出を受けた個体において免疫応答性を高めるための剤として用いられる。
血液関連疾患
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、止血性(出血を停止する)または血栓溶解性(血栓を溶解する)活性を調節するために用いられてもよい。例えば、止血性または血栓溶解性活性を増大させることにより、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血液凝固疾患、障害および/または状態(例えば、無フィブリノゲン血症、因子欠損、血友病)、血液血小板疾患、障害および/または状態(例えば、血小板減少症)、または外傷、手術または他の原因から生じる創傷を処置または予防するために用いられ得る。別法では、止血性または血栓溶解性活性を減少し得る本発明の融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、血栓を防ぐまたは溶解するために用いられ得る。これらの分子は、心臓発作(梗塞)、脳卒中または瘢痕化の処置または予防において有用であろう。
特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血栓症、動脈血栓症、静脈血栓症、血栓塞栓症、肺塞栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、不安定狭心症を予防、診断、予後および/または処置するために用いられてももよい。特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、伏在静脈移植片の閉塞の予防、血管形成法に付随し得る、手術前後の血栓症の危険性の減少、非リウマチ性心房細動を含む心房細動を有する患者における脳卒中の危険性の減少、人工心臓弁および/または僧帽弁疾患に関連する塞栓症の危険性減少のために用いられてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドについての他の使用は、体外デバイス(例えば、血液透析患者内の血管内カニューレ、血管進入シャント、血液透析機器および心肺バイパス装置)における閉塞の予防を含むが、これらに限定されない。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドが発現される一または複数の組織に関連する血液および/または血液産生器官の疾患および障害を予防、診断、予後および/または処置するために用いられてもよい。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、造血活性(血液細胞の形成)を調節するために用いられてもよい。例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血液細胞、例えば、赤血球、リンパ球(BまたはT細胞)、ミエロイド細胞(例えば、好塩基球、好酸球、好中球、肥満細胞、マクロファージ)および血小板の全てまたはサブセットの量を増大させるために用いられてもよい。血液細胞または血液細胞のサブセットの量を減少させる能力は、以下に記載の貧血および白血球減少症の予防、検出、診断および/または処置において有用である。別法では、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血液細胞、例えば、赤血球、リンパ球(BまたはT細胞)、ミエロイド細胞(例えば、好塩基球、好酸球、好中球、肥満細胞、マクロファージ)および血小板の全てまたはサブセットの量を減少させるために用いられてもよい。血液細胞または血液細胞のサブセットの量を減少させる能力は、例えば好酸球増加症のごとき白血球増加症の予防、検出、診断および/または処置において有用であってもよい。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、造血機能障害を予防、処置、または診断するために用いられてもよい。
貧血は、赤血球細胞の数またはその中のヘモグロビン(酸素を運ぶ蛋白質)の量が通常よりも低い状態である。貧血は、過度の出血、赤血球細胞産生の減少または赤血球細胞破壊(溶血)の増大により惹起されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、貧血の処置、予防および/または診断において有用であってもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置予防または診断されてもよい貧血は、鉄欠乏貧血、低色素性貧血、小球性貧血、萎黄病、遺伝性鉄芽球性貧血;特発性後天的鉄芽球性貧血、赤芽球癆、巨赤芽球性貧血(例えば、悪性貧血、(ビタミンB12欠乏)および葉酸欠乏貧血)、再生不良性貧血、溶血性貧血(例えば、自己免疫性溶血性貧血、微小血管症性溶血性貧血および発作性夜間ヘモグロビン尿症)を含む。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、全身性エリテマトーデス、癌、リンパ腫、慢性腎疾患、および脾臓肥大を含むがこれらに限定されない疾患に関連する貧血の処置、予防および/または診断において有用であってもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、メチルドーパ、ダプソンおよび/またはサルファ剤に関連する貧血のごとき、薬剤処置から生じる貧血の処置、予防および/または診断において有用であってもよい。さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、遺伝性球状赤血球症、遺伝性楕円赤血球症、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ欠乏および鎌状細胞貧血を含むがこれらに限定されない、異常な赤血球細胞構造に関連する貧血の処置、予防および/または診断において有用であってもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ヘモグロビン異常症(例えば、鎌状細胞貧血、ヘモグロビンC疾患、ヘモグロビンS−C疾患およびヘモグロビンE疾患に関連するもの)の処置、予防および/または診断において有用であってもよい。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、アルファ−サラセミアおよびベータ−サラセミアのメジャーおよびマイナー形態を含むがこれらに限定されないサラセミアの診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血小板減少症(例えば、特発性血小板減少性紫斑病および血栓性血小板減少性紫斑病)、フォン・ヴィレブランド病、遺伝性血小板障害(例えば、チェディアック−東およびヘルマンスキー−パドラック症候群のごとき貯蔵プール疾患、トロンボキサンA2機能障害、血小板無力症およびベルナール・スーリエ症候群)、溶血性尿毒症症候群、血友病Aまたは因子VII欠乏およびクリスマス病または因子IX欠乏のごとき血友病、ランデュ・オスラー・ウェーバー症候群としても知られている遺伝性出血性末梢血管拡張症、アレルギー紫斑病(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)および播種性血管内凝固を含むがこれらに限定されない出血性障害の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
血液凝固時間への本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドの効果は、全血部分トロンボプラスチン時間(PTT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、活性化凝固時間(ACT)、カルシウム再沈着活性化凝固時間またはリー・ホワイト凝固時間を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において知られている任意の凝固試験を用いて、モニターされてもよい。
幾つかの疾患および様々な薬剤は血小板機能障害を惹起する。故に、特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、腎臓障害、白血病、多発性骨髄腫、肝硬変および全身性エリテマトーデスに付随する血小板機能障害ならびに高用量のアスピリン、チクロピジン、非ステロイド性抗炎症剤(関節炎、疼痛および捻挫のために用いられる)およびペニシリンを用いた処置を含む薬剤処置に関連する血小板機能障害のごとき後天的血小板機能障害の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、白血球細胞数の増大または減少により特徴付けられるかまたはそれに関連する疾患および障害の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。白血球減少症は、白血球細胞が正常値より減少する場合に生じる。白血球減少症は、好中球減少症およびリンパ球減少症を含むが、これらに限定されない。正常値と比べての白血球細胞数の増大は、白血球増加症として知られている。体は、感染中、白血球細胞数の増大を生じる。故に、白血球増加症は、容易に、感染を反映する通常の生理学的パラメーターとなり得る。別法では、白血球増加症は、癌のごとき傷害または他の疾患の指標であってもよい。白血球増加症は、好酸球増加症およびマクロファージの蓄積を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、白血球減少症の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。他の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、白血球増加症の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
白血球減少症は、全ての型の白血球細胞のにおける全般的な減少であってもよく、または特定の型の白血球細胞の特定の欠乏であってもよい。故に、特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、好中球減少症として知られている、好中球数における減少の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより診断、予後、予防および/または処置されてもよい好中球減少症は、小児遺伝性無顆粒球症、家族性好中球減少症、環状好中球減少症、栄養不足(例えば、ビタミンB12欠乏または葉酸欠乏)から生じるかまたはそれに関連する好中球減少症、薬剤処置(例えば、抗生物質計画、例えば、ペニシリン処置、スルホンアミド処置、抗凝血剤処置、抗痙攣剤、抗−甲状腺薬剤および癌化学療法)から生じるかまたはそれに関連する好中球減少症、および幾つかの細菌感染またはウイルス感染、アレルギー疾患、自己免疫疾患、個体が脾臓肥大を有する状態(例えば、フェルティー症候群、マラリアおよびサルコイドーシス)および幾つかの薬剤処置計画に関連して生じてもよい好中球破壊の増大によりもたらされる好中球減少症結果を含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ストレス、薬剤処置(例えば、コルチコステロイド、癌化学療法および/または放射線療法を用いた薬剤処置)、AIDS感染および/または他の疾患、例えば、癌、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、慢性感染、幾つかのウイルス感染および/または遺伝性障害(例えば、ディジョージ症候群、ウィスコット−アルドリッチ症候群、重症複合免疫不全、毛細血管拡張性運動失調症)から生じるかまたはそれらに関連するリンパ球減少症を含むがこれらに限定されないリンパ球減少症(Bおよび/またはTリンパ球の数の減少)の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ゴーシェ病、ニーマン・ピック病、レテラー−ジ−ヴェ疾患およびハンド・シュラー・クリスチャン病を含むがこれらに限定されない、マクロファージ数および/またはマクロファージ機能に関連する疾患および障害の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、特発性好酸球増加症候群、好酸球増加症−筋痛症候群、およびハンド・シュラー・クリスチャン病を含むがこれに限定されない、好酸球数および/または好酸球機能に関連する疾患および障害の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
さらなる別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、急性リンパ球性(リンパ芽球性)白血病(ALL)、急性骨髄性(骨髄性(myelocytic)、骨髄性(myelogenous)、骨髄芽球性または骨髄単球性)白血病、慢性リンパ球性白血病(例えば、B細胞白血病、T細胞白血病、セザリー症候群および有毛細胞白血病)、慢性骨髄性(ミエロイド、骨髄性または顆粒性)白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫および菌状息肉腫を含むがこれらに限定されない、白血病およびリンパ腫の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血漿細胞悪液質、単クローン性免疫グロブリン血症、重症度が不確かな単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、クリオグロブリン血症およびレイノ−現象を含むがこれらに限定されない、血漿細胞の疾患および障害の診断、予後、予防および/または処置において有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、真性赤血球増加症、相対的赤血球増加症、二次性多血症、骨髄線維症、急性骨髄線維症、原因不明骨髄様化生、血小板血症(原発性および二次性血小板血症の両方を含む)および慢性骨髄性白血病を含むがこれらに限定されない、骨髄増殖性疾患の処置、予防および/または診断において有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血液細胞産生を増大させるための、手術前の処置として有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、遊走、食作用、スーパーオキシド産生、of好中球、抗酸球およびマクロファージの抗体依存細胞傷害を高めるための剤として有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、幹細胞交換療法前に、循環中の幹細胞の数を増大させるための剤として有用であってもよい。別の特定の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血小板交換療法前に、循環中の幹細胞の数を増大させるための剤として有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、サイトカイン産生を増大させるための剤として有用であってもよい。
他の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、原発性造血障害の予防、診断、および/または処置において有用であってもよい。
過増殖性疾患
特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、新生物を含む過増殖性疾患を処置または検出するために用いられ得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、直接的または間接的相互作用により、該障害の増殖を阻害してもよい。別法では、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、過剰増殖性障害を阻害し得る他の細胞を増殖させてもよい。
例えば、免疫応答、特に過剰増殖性障害の抗原性を増大させることによるか、またはT−細胞を増殖、分化または動員させることにより、過増殖性疾患は処置され得る。この免疫応答は、存在する免疫応答を高めるか、または新しい免疫応答を開始させるかのいずれかにより増大されてもよい。別法では、化学治療剤のように、免疫応答の低下も、過増殖性疾患を処置する方法であってもよい。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置または検出され得る過増殖性疾患の例は、大腸、腹部、骨、胸、消化器系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭および首、神経(中枢および末梢)、リンパ管系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓、胸部および泌尿生殖管に位置する新生物を含むが、これらに限定されない。
同様に、他の過増殖性疾患も、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置または検出され得る。かかる過増殖性疾患の例は、小児急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌腫、成人(原発性)肝細胞癌、成人(原発性)肝臓癌、成人急性リンパ球性白血病、成人急性骨髄性白血病、成人ホジキン病、成人ホジキンリンパ腫、成人リンパ球性白血病、成人非ホジキンリンパ腫、成人原発性肝臓癌、成人軟組織肉腫、AIDS関連リンパ腫、AIDS関連悪性腫瘍、肛門癌、星細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、胸癌、腎骨盤および尿管の癌、中枢神経系(原発性)リンパ腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、脳星細胞腫、子宮頸癌、小児(原発性)肝細胞癌、小児(原発性)肝臓癌、小児急性リンパ芽球性白血病、小児急性骨髄性白血病、小児脳幹グリオーマ、小児小脳星細胞腫、小児脳星細胞腫、小児頭蓋外生殖細胞腫瘍、小児ホジキン病、小児ホジキンリンパ腫、小児視床下部および視覚伝導路グリオーマ、小児リンパ芽球性白血病、小児髄芽腫、小児非ホジキンリンパ腫、小児松果体およびテント上原始神経外胚葉腫瘍腫瘍、小児原発性肝臓癌、小児横紋筋肉腫、小児軟組織肉腫、小児視覚伝導路および視床下部グリオーマ、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、皮膚T−細胞リンパ腫、内分泌膵臓島細胞癌腫、子宮内膜癌、上衣細胞腫、上皮癌、食道癌、ユーイング肉腫および関連する腫瘍、外分泌膵臓癌、頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、女性胸癌、ゴーシェ病、胆嚢癌、胃癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸腫瘍、生殖細胞腫瘍、妊娠栄養膜腫瘍、有毛細胞白血病、頭および首癌、肝細胞癌、ホジキン病、ホジキンリンパ腫、高ガンマグロブリン血症、下咽頭癌、腸癌、眼球内メラノーマ、島細胞癌腫、島細胞膵臓癌、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、口唇および/口腔癌、肝臓癌、肺癌、リンパ増殖性疾患、マクログロブリン血症、男性乳癌、悪性中皮腫、悪性胸腺腫、髄芽腫、メラノーマ、中皮腫、転移性潜在性原発性扁平上皮頸部癌、転移性原発性扁平上皮頸部癌、転移性扁平上皮頸部癌、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/血漿細胞新生物、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、妊娠中非ホジキンリンパ腫、非メラノーマ皮膚癌、非小細胞肺癌、潜在性原発性転移性扁平上皮頸部癌、口腔咽頭癌、骨肉腫/悪性繊維肉腫、骨肉腫/悪性繊維組織球腫、骨肉腫/骨の悪性繊維組織球腫、卵巣上皮癌、卵巣生殖細胞腫瘍、卵巣低悪性潜在腫瘍、膵臓癌、パラプロテイン血症、紫斑病、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、血漿細胞新生物/多発性骨髄腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎骨盤および尿管癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、サルコイドーシス肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、扁平上皮頸部癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍および松果体腫瘍、T−細胞リンパ腫、精巣癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎骨盤および尿管の遷移性細胞癌、遷移性腎骨盤および尿管癌、絨毛性腫瘍、尿管および腎骨盤細胞癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、視覚伝導路および視床下部グリオーマ、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルム腫瘍および上記の器官系に存在する腫瘍以外の任意の他の過増殖性疾患を含むが、これらに限定されない。
別の好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、前癌性状態を診断、予後、予防および/または処置するために、および上記した障害を含むがこれらに限定されない腫瘍または悪性状態への進行を予防するために用いられる。かかる使用は、特に、過形成、化生
または最も具体的には異形成症からなる非腫瘍性細胞成長が起こっている腫瘍または癌への進行に先行することが知られている、または先行すると考えられている状態において必要とされる(かかる異常な成長状態の報文については、RobbinsおよびAnge11,1976,Basic Pathology,2dEd.,W.B.Saunders Co.,Philadelphia,pp.68−79を参照のこと)。
過形成は、構造または機能を有意に変化させることなく、組織または器官中の細胞数を増大させることを含む、制御された細胞増殖の一形態である。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて診断、予後、予防および/または処置され得る過形成性障害は、血管濾胞性縦隔リンパ節過形成、好酸球増加症随伴血管リンパ組織過形成、異型メラノサイト過形成、基底細胞過形成、良性巨リンパ節過形成、セメント質過形成、先天的副腎過形成、先天的脂肪質過形成、嚢胞性過形成、乳房嚢胞性過形成、義歯過形成、脈管過形成、子宮内膜過形成、線維筋性過形成、限局性上皮過形成、歯肉過形成、炎症性繊維過形成、炎症性乳頭過形成、血管内乳頭内皮過形成、前立腺の結節性過形成、結節性再生過形成、偽上皮腫性過形成、老人性脂肪質過形成および疣状過形成を含むが、これらに限定されない。
化生は、細胞成長の制御された形態であり、ここで、成人または十分に分化した細胞の1つの型は、成人細胞の他の型に置換されている。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて診断、予後、予防および/または処置され得る化生性障害は、原因不明骨髄様化生、アポクリン化生、非定型化生、自己実質化生、結合組織化生、上皮化生、腸化生、化生性貧血、化生性骨化、化生性ポリープ、骨髄線維症、原因不明骨髄様化生、二次性骨髄線維症、扁平上皮化生、羊膜の扁平上皮化生および症候性骨髄線維症を含むが、これらに限定されない。
異形成症は癌の前兆であることが多く、および主に上皮にて見出される;それは、細胞の個々の細胞均一性および構造配向性における損失を含む、非腫瘍性細胞成長の最も混乱した形態である。異形成細胞は多くの場合、異常に大きく、濃く染まった核を有し、および多形性を示す。特徴的なことに、慢性過敏または炎症がある場合、異形成症は生じる。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて診断、予後、予防および/または処置され得る異形成障害は、無汗性外胚葉性異形成症、前後異形成症、窒息性胸郭異形成症、心房指異(atriodigital)形成症、気管支肺異形成症、脳異形成症、子宮頸異形成症、軟骨外胚葉性異形成症、鎖骨頭蓋骨異形成症、先天的外胚葉異形成症、頭蓋骨幹異形成症、頭蓋手根足根骨異形成症、頭蓋骨幹端異形成症、象牙質異形成症、骨幹異形成症、外胚葉異形成症、エナメル質異形成症、脳眼球異形成症、骨端形成異常性半肢症、多発性骨端異形成症、点状骨端異形成症、上皮異形成症、顔面指趾生殖(faciodigitogenital)異形成症、家族性繊維性顎異形成症、家族性白色襞(familial white folded)異形成症、繊維筋性異形成症、繊維性骨異形成症、根尖性骨異形成症、遺伝性腎臓網膜異形成症、発汗性外胚葉異形成症、低発汗性外胚葉異形成症、リンパ球減少性胸腺異形成症、哺乳類異形成症、下顎顔面異形成症、骨幹端異形成症、モンディーニ異形成症、単発性繊維異形成症、粘膜上皮異形成症、多発性骨端異形成症、眼耳脊椎異形成症、眼歯指異形成症、眼脊椎(oculovertebral)異形成症、歯性異形成症、眼下顎四肢異形成症、歯根尖周囲セメント質異形成症、多発性繊維異形成症、偽軟骨発育不全脊椎骨端異形成症、網膜異形成症、眼中隔異形成症、脊椎骨端異形成症および心室橈骨異形成症を含むが、これらに限定されない。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて診断、予後、予防および/または処置され得るさらなる前腫瘍性障害は、良性増殖性異常疾患(例えば、良性腫瘍、線維嚢胞状態、組織肥大、腸ポリープ、大腸ポリープおよび食道異形成症)、白斑症、角化症、ボーエン病、農夫皮膚、日光口唇炎および日光角化症を含むが、これらに限定されない。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドが発現される、一または複数の組織に関連する傷害を診断および/または予後するために用いられてもよい。
別の実施態様において、本明細書中記載されているような毒素または放射性同位元素にコンジュゲートさせた、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本明細書中記載されているものを含むがこれらに限定されない、癌および新生物を処置するために用いられてもよい。さらに好ましい一の実施態様において、本明細書中記載されているような毒素または放射性同位元素にコンジュゲートさせた、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、急性骨髄性白血病を処置するために用いられてもよい。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドははアポトーシスに作用してもよく、およびそれ故に、細胞生存の増大またはアポトーシスの阻害に関連する多数の疾患の処置において有用であろう。例えば、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび/またはアゴニストまたはアンタゴニストにより診断、予後、予防および/または処置され得る、細胞生存の増大またはアポトーシスの阻害に関連する疾患は、癌(例えば、濾胞性リンパ腫、p53突然変異を伴う癌腫およびホルモン依存性腫瘍、を含むが、これらに限定されない大腸癌、心臓腫瘍、膵臓癌、メラノーマ、網膜芽細胞腫、グリオブラスト−マ、肺癌、腸癌、精巣癌、胃癌、神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、胸癌、前立腺癌、カポジ肉腫および卵巣癌);自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベ−チェット病、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎および関節リウマチ)およびウイルス感染(例えば、ヘルペスウイルス、ポックス・ウイルスおよびアデノウイルス)、炎症、移植片対宿主病、急性移植拒絶反応および慢性移植拒絶反応を含む。
好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、癌、特に上記したものの成長、進行および/または転移を阻害するために用いられる。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより診断、予後、予防および/または処置され得る、細胞生存の増大に関連するさらなる疾患または状態は、例えば、白血病(急性白血病(例えば、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病を含む))および慢性白血病(例えば、慢性骨髄性(顆粒性)白血病および慢性リンパ球性白血病)を含む)、真性赤血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、ならびに肉腫および癌腫、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ血管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌腫、膵臓癌、胸癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌腫、基底細胞癌腫、腺癌腫、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌腫、乳頭腺癌腫、嚢胞腺癌腫、髄様癌腫、気管支原性肺癌腫、腎細胞癌腫、肝細胞腫、胆管癌腫、絨毛癌腫、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌腫、小細胞肺癌腫、膀胱癌腫、上皮癌腫、グリオーマ、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、オリゴデンドログリオーマ、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫を含むがこれらに限定されない固形腫瘍などの悪性疾患および関連疾患の進行および/または転移を含むが、これらに限定されない。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより診断、予後、予防および/または処置され得るアポトーシスの増大に関連する疾患は、AIDS;神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症、小脳変性症および脳腫瘍または先の関連疾患);自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベ−チェット病、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎および関節リウマチ)骨髄異形成症候群(例えば、再生不良性貧血)、移植片対宿主病、虚血性傷害(例えば、心筋梗塞、脳卒中により惹起されるものおよび再灌流傷害)、肝臓傷害(例えば、肝炎関連する肝臓傷害、虚血/再灌流傷害、胆汁鬱帯(胆管傷害)および肝臓癌);毒素が誘導する肝臓疾患(例えば、アルコールにより惹起されるもの)、敗血症ショック、悪液質および拒食症を含むが、これらに限定されない。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより診断、予後、予防および/または処置され得る、過増殖性疾患および/または障害は、肝臓、腹部、骨、胸、消化器系、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭および首、神経系(中枢および末梢)、リンパ管系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓、胸部および泌尿生殖管に位置する新生物を含むが、これらに限定されない。
同様に、他の過増殖性疾患も、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより診断、予後、予防および/または処置され得る。かかる過増殖性疾患の例は、高ガンマグロブリン血症、リンパ増殖性疾患、パラプロテイン血症、紫斑病、サルコイドーシス、セザリー症候群、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ゴーシェ病、組織球症および上記の器官系に存在する腫瘍以外の任意の他の過増殖性疾患を含むが、これらに限定されない。
別の好ましい実施態様は、本発明および/または蛋白質融合またはその断片を用いる遺伝子治療により異常な細胞分裂を阻害するために、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを利用する。
故に、本発明は、異常な増殖性細胞中へ本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを挿入することにより細胞増殖性疾患を処置するための方法を提供し、ここで、該ポリヌクレオチドはその発現を抑制する。
本発明の別の実施態様は、個体において細胞−増殖性疾患を処置する方法であって、1またはそれ以上の本発明の活性遺伝子コピーを異常な増殖性細胞または細胞へ投与することを含む方法を提供する。好ましい一の実施態様において、本発明のポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチドをコードするDNA配列を発現する際に有効である組換え発現ベクターを含むDNAコンストラクトである。本発明の別の好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質をコードするDNAコンストラクトは、レトロウイルス、またはより好ましくはアデノウイルスベクター(GJ.Nabel,ら,PNAS199996:324−326を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)を利用して処置されるべき細胞中へ挿入される。最も好ましい一の実施態様において、ウイルスベクターは欠損しており、そして、非増殖性細胞を形質転換せず、増殖性細胞のみを形質転換する。さらに、好ましい一の実施態様において、単独または他のポリヌクレオチドと組み合わせてかまたはそれに融合された増殖性細胞へ挿入された本発明のポリヌクレオチドは、次いで、外部刺激(すなわち磁気、特定の小分子、化学物質または薬剤投与など)により調節することができ、該ポリヌクレオチドのプロモーター上流に作用し、コードされた蛋白質産物の発現を誘導する。そのようなものとして、本発明の有用な治療効果は、該外部刺激に基づいて、明らかに調節されてもよい(すなわち、本発明の発現を増大、減少または阻害する)。
本発明のポリヌクレオチドは、発癌性遺伝子または抗原の発現の抑制において有用であってもよい。「発癌性遺伝子の発現の抑制」により、遺伝子の転写の抑制、遺伝子転写産物の分解(プレメッセンジャーRNA)、スプライシングの阻害、メッセンジャーRNAの破壊、蛋白質の翻訳後修飾の阻害、蛋白質の破壊または蛋白質の通常の機能の阻害が意図される。
異常な増殖性細胞へ局所投与するために、本発明のポリヌクレオチドは、細胞の、またはリポソーム、リポフェクチンもしくは裸のポリヌクレオチドのごときビヒクル中のトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクションを含むがこれらに限定されない当業者に知られている任意の方法、または本明細書にわたって記載されている任意の他の方法により投与されてもよい。本発明のポリヌクレオチドは、例えば、レトロウイルスベクター(Gilboa,J.Virology 44:845(1982);Hocke,Nature 320:275(1986);Wilson,ら.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:3014),牛痘ウイルス系(Chakrabartyら.,Mol.Cell Biol.5:3403(1985)または当業者に知られている他の有効なDNAデリバリーシステム(Yatesら.,Nature313:812(1985))であるがこれらに限定されない、知られている遺伝子デリバリーシステムにより送達されてもよい。これらの参考文献は単なる例示であって、かつ出典明示により本明細書の一部となる。異常に増殖している細胞を特異的に送達またはトランスフェクションし、および非分裂細胞のスペアを作るために、当業者に知られているレトロウイルスまたはアデノウイルス(当該技術分野および本明細書の別の箇所に記載されているような)デリバリーシステムを利用することが好ましい。レトロウイルスDNAの組み込みには宿主DNAの複製が必要であるので、レトロウイルスはその生活環に必要なレトロウイルス遺伝子を欠失しているために自己複製することができないだろう。本発明のポリヌクレオチドのためにかかるレトロウイルスデリバリーシステムを利用することは、かかる遺伝子およびコンストラクトを異常な増殖性細胞へ送達させ、および正常な非分裂細胞のスペアを作るだろう。
本発明のポリヌクレオチドは、注入針を疾患部位へ直接誘導するために用いられるイメージングデバイスを用いることにより、内部器官、体腔などの細胞増殖性障害/疾患部位へ直接送達されてもよい。本発明のポリヌクレオチドは、外科的介入時に疾患部位へ投与されてもよい。
「細胞増殖性疾患」により、器官、腔または体の部分の任意の一つまたは任意の組み合わせに作用する、良性または悪性であろうとなかろうと、細胞、細胞群または組織の単一または複数の局所的異常増殖により特徴付けられる、任意のヒトまたは動物の疾患または障害が意味される。
処置した細胞の増殖に生物学的な阻害効果を有する限りは、任意の量の本発明のポリヌクレオチドが投与されてもよい。さらに、1以上の本発明のポリヌクレオチドを同時に同じ部位へ投与することも可能である。「生物学的な阻害」は、部分的または完全な成長阻害ならびに細胞の増殖または成長の割合の減少が意味される。生物学的な阻害量は、組織培養における標的の悪性または異常な増殖性細胞成長、動物および細胞培養における腫瘍成長に対する本発明のポリヌクレオチドの効果を評価することにより、または任意の当業者に知られている他の方法により決定されてもよい。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする本発明ポリヌクレオチドは、蛋白質融合物として単独か、または本明細書中別記されているような他のポリペプチドと組み合わせてのいずれかにより、増殖細胞または組織の血管新生の阻害において直接的または間接的に有用である。最も好ましい一の実施態様において、該抗−血管新生効果は、造血性、腫瘍特異的細胞、例えば、腫瘍関連マクロファージ(Joseph IB,ら.J Natl Cancer Inst,90(21):1648−53(1998)を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)の阻害により、間接的に成し遂げられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、アポトーシスの誘導により、増殖細胞または組織の阻害において有用であってもよい。これらの融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、例えば、デスドメイン受容体、例えば、腫瘍壊死因子(TNF)受容体−1、CD95(Fas/APO−1)、TNF−受容体関連アポトーシス介在蛋白質(TRAMP)およびTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)p受容体−lおよび−2(Schulze−Osthoff K、ら.,EurJ Biochem 254(3):439−59(1998)を参照のこと。出典明示により本明細書の一部となる)の活性化において、増殖細胞および組織のアポトーシスに、直接的または間接的のいずれかにより作用してもよい。さらに、本発明の別の好ましい実施態様において、これらの融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドは、単独かまたは小分子薬剤またはアジュバント、例えば、アポプトニン、ガレクチン、チオレドキシン、抗−炎症性蛋白質(例えば、Mutat Res 400(1−2):447−55(1998),Med Hypotheses.50(5):423−33(1998),Chem Biol Interact.Apr 24;111−112:23−34(1998),J Mol Med.76(6):402−12(1998),Int J Tissue React;20(1):3−15(1998)を参照のこと。全文献は出典明示により本明細書の一部となる)と組み合わせてのいずれかで、アポトーシスを活性化し得る他の蛋白質の活性化におけるような他の機序を介して、これらの蛋白質の発現を刺激することにより、アポトーシスを誘導してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、増殖細胞または組織の転移の阻害において有用である。阻害は、これらのアルブミン融合蛋白質および/またはポリヌクレオチドを投与する直接的な結果として生じてもよく、または間接的に、例えば、転移を阻害することが知られている蛋白質、例えばアルファ4インテグリン(例えば、Curr Top Microbiol Immunol 1998;231:125−41を参照のこと。該文献は出典明示により本明細書の一部となる)の発現を活性化することによりもたらされてもよい。本発明のかかる治療効果は、単独または小分子薬剤もしくはアジュバントと組み合わせてのいずれかにより成し遂げられてもよい。
別の実施態様において、本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合される、結合するまたは会合するポリペプチドを発現している標的細胞へ、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含む組成物を送達させる方法を提供する。本発明のアルブミン融合蛋白質は、疎水性、親水性、イオン的および/または共有結合的相互作用を介して、異種ポリペプチド、異種核酸、毒素またはプロドラッグに関連されていてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質は、直接的に(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質が増殖抗原および免疫原に対する免疫応答を「受けた」ならば生じるような)または間接的に(例えば、該抗原および免疫原に対する免疫応答を亢進することが知られている蛋白質(例えば、ケモカイン)の発現の活性化において)、増殖性細胞または組織の免疫原性および/または抗原性を亢進する際に有用である。
腎障害
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、腎臓障害、腎炎、腎臓の血管障害、代謝および先天的腎臓障害、腎臓の排尿障害、自己免疫疾患、硬化症および壊死、電解質異常、および腎臓癌を含むがこれらに限定されない、本発明の組成物を用いて診断、予後、予防および/または処置され得る腎系の傷害を処置、予防、診断、および/または予後するために用いられてもよい。
本発明の組成物を用いて診断、予後、予防および/または処置され得る腎臓疾患は、急性腎臓障害、慢性腎臓障害、アテローム性塞栓性腎障害、末期腎疾患、炎症性腎疾患(例えば、急性糸球体腎炎、感染後糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ネフロ−ゼ症候群、膜性糸球体腎炎、家族性ネフロ−ゼ症候群、膜性増殖性糸球体腎炎Iおよび11、メサンギウム増殖糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、急性尿細管間質性腎炎、慢性尿細管間質性腎炎、急性レンサ球菌感染後糸球体腎炎(PSGN)、腎盂腎炎、ループス腎炎、慢性腎炎、間質性腎炎、およびレンサ球菌感染後糸球体腎炎)、腎臓の血管障害(例えば、腎臓梗塞、アテローム性塞栓性腎臓疾患、腎皮質壊死、悪性腎硬化症、腎静脈血栓症、腎灌流不全、腎網膜症、腎虚血−再灌流、腎動脈塞栓症、および腎動脈狭窄)、および尿道疾患(例えば、腎盂腎炎、水腎症、尿石症(腎結石症、腎石病)、逆流性腎症、尿道感染、尿閉、および急性または慢性片側性閉塞性尿路疾患)から生じる腎臓障害を含むが、これらに限定されない。
加えて、本発明の組成物は、腎臓(例えば、尿毒症、腎アミロイドーシス、腎性骨ジストロフィー、腎性尿細管性アシドーシス、腎糖尿、腎性尿崩症、シスチン尿症、ファンコニ症候群、腎線維嚢胞骨組織形成(腎性くる病)、ハートナップ病、バーター症候群、リドル症候群、ポリ嚢胞腎臓疾患、髄様嚢胞疾患、髄質性海綿腎、アルポート症候群、爪−膝蓋骨症候群、先天的ネフローゼ症候群、CRUSH症候群、馬蹄腎、糖尿病腎障害、腎性尿崩症、鎮痛薬性腎症、腎石、および膜性腎障害)および腎臓の自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、グッドパスチャー症候群、IgA腎障害およびIgMメサンギウム増殖糸球体腎炎)の代謝および先天的障害を診断、予後、予防および/または処置するために用いられ得る。
本発明の組成物は、腎臓の硬化性または壊死性障害(例えば、糸球体硬化症、糖尿病腎障害、限局性分節性糸球体硬化症(FSGS)、壊死性糸球体腎炎および腎乳頭壊死)、腎臓の癌(例えば、腎腫、副腎腫、腎芽細胞腫、腎細胞癌、遷移性細胞癌、腎腺癌腫、扁平上皮細胞癌およびウィルムス腫瘍)および電解質異常(例えば、腎石灰沈着症、膿尿症、浮腫、水腎症、タンパク尿、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、低リン血症および高リン血症)を診断、予後、予防および/または処置するためにも用いられ得る。
本発明の組成物は、デリバリー部位で直接針注入、静脈内注入、局所投与、カテーテル注入、微粒子銃注入、粒子加速器、ゲルフォームスポンジデポー、他の市販のデポー物質、浸透圧ポンプ、経口または坐剤用固形医薬処方、デカンティングまたは手術中の局所適用、エアロゾルデリバリーを含むがこれらに限定されない、当該技術分野において知られている任意の方法を用いて投与されてもよい。かかる方法は当該技術分野において知られている。本発明の組成物は、以下に詳細に記載あれている治療剤の一部として投与されてもよい。本発明のポリヌクレオチドの送達方法は、本明細書中、以下に詳細に記載されている。
心血管疾患
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、末梢動脈疾患、例えば、肢虚血を含むがこれらに限定されない心血管疾患を処置、予防、診断、および/または予後するために用いられてもよい。
心血管疾患は、心血管異常、例えば、動脈−動脈瘻、動静脈瘻、脳動静脈奇形、先天的心臓欠陥、肺動脈閉鎖およびシミター症候群を含むが、これらに限定されない。先天的心臓欠陥は、大動脈縮窄、三房心、冠状血管奇形、交差心、右胸心、動脈管開存症、エプスタイン奇形、アイゼンメンゲル・コンプレックス、左心低形成症候群、左胸心、ファロー四徴症、大血管転位、両大血管右室起始症、三尖弁閉鎖症、動脈管遺残および心中隔欠損、例えば、大動脈肺動脈中隔欠損、心内膜床欠損、ルタンバッシェ症候群、ファロー三徴症、心室中隔欠損を含むが、これらに限定されない。
心血管疾患は、心臓疾患、例えば、不整脈、カルチノイド心臓疾患、高い心拍出量、低い心拍出量、心タンポナーデ、心内膜炎(細菌を含む)、心臓動脈瘤、心停止、うっ血性心臓障害、うっ血性心筋症、発作性呼吸困難、心臓浮腫、心臓肥大、うっ血性心筋症、左心室肥大、右心室肥大、梗塞後心臓破裂、心室中隔破裂、心臓弁疾患、心筋疾患、心筋虚血、心外膜液、心膜炎(狭窄性および結核性を含む)、心嚢内気腫、心膜切開後症候群、肺性心疾患、リウマチ性心臓疾患、心室機能障害、充血、心血管妊娠合併症、シミター症候群、心血管梅毒および心血管結核症も含むが、これらに限定されない。
不整脈は、洞性不整脈、心房細動、心房粗動、徐脈、期外収縮、アダムス・ストークス症候群、脚ブロック、洞房ブロック、QT延長症候群、副収縮、ラウン−ギャノン−レバイン症候群、マハイム型早期興奮症候群、ウォルフ−パーキンソン−ホワイト症候群、洞不全症候群、頻脈および心室細動を含むが、これらに限定されない。頻脈は、発作性頻脈、心室頻脈、頻脈性心室固有調律、房室結節内リエントリー性頻拍、異所性心房性頻脈、異所性接合部性頻泊、洞房結節リエントリー性頻拍、トルサード・ド・ポアントおよび心室頻脈を含む。
心臓弁疾患は、大動脈弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄、心雑音、大動脈弁逸脱、僧帽弁逸脱、三尖弁逸脱、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄、肺動脈閉鎖、肺動脈弁不全、肺動脈弁狭窄、三尖弁閉鎖症、三尖弁閉鎖不全症、および三尖弁狭窄を含むが、これらに限定されない。
心筋疾患は、アルコール性心筋症、うっ血性心筋症、肥大性心筋症、大動脈弁下狭窄症、肺動脈弁下狭窄、拘束型心筋症、シャーガス心筋症、心内膜線維弾性症、心内膜心筋線維症、キームス症候群、心筋再灌流傷害および心筋炎を含むが、これらに限定されない。
心筋虚血は、冠状動脈性疾患、例えば、狭心症、冠状動脈性動脈瘤、冠状動脈硬化症、冠状動脈性血栓症、冠状動脈血管けいれん、心筋梗塞および気絶心筋を含むが、これらに限定されない。
心血管疾患は、血管疾患、例えば、動脈瘤、血管異形成症、血管腫症、細菌性血管腫症、ヒッペル・リンドウ病、クリペル−トルノネー−ウェーバー症候群、スタージ−ウェーバー症候群、血管神経性浮腫、大動脈疾患、高安動脈炎、大動脈炎、レルヒェ症候群、動脈閉塞性疾患、動脈炎、動脈内膜炎、結節性多発性動脈炎、脳血管障害、糖尿病性血管症、糖尿病性網膜症、塞栓症、血栓症、肢端紅痛症、痔核、肝静脈閉塞性疾患、高血圧、低血圧、虚血、末梢血管疾患、静脈炎、肺静脈閉塞性疾患、レイノー病REST症候群、網膜静脈閉塞、シミター症候群、上大静脈症候群、毛細血管拡張、毛細血管拡張性失調症、遺伝性出血性毛細血管拡張、精索静脈瘤、静脈瘤、静脈瘤性潰瘍、脈管炎および静脈不全も含む。
動脈瘤は、解離性動脈瘤、偽性動脈瘤、感染性動脈瘤、破裂性動脈瘤、大動脈瘤、脳動脈瘤、冠状動脈性動脈瘤、心臓動脈瘤および腸骨動脈瘤を含むが、これらに限定されない。
動脈閉塞性疾患は、動脈硬化症、間欠性跛行、頸動脈狭窄、繊維筋性異形成症、腸間膜血管閉塞、モヤモヤ病、腎動脈閉塞、網膜動脈閉塞および閉塞性血栓性血管炎を含むが、これらに限定されない。
脳血管障害は、頸動脈疾患、脳のアミロイド・アンギオパチー、脳動脈瘤、脳無酸素症、脳動脈硬化症、脳動静脈奇形、脳動脈疾患、脳塞栓症および血栓症、頸動脈血栓症、静脈洞血栓症、バレンベリー症候群、脳出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫、くも膜下出血、脳梗塞、脳虚血(一過性を含む)、鎖骨下動脈盗血症候群、脳室周囲白質軟化症、血管性頭痛、群発頭痛、偏頭痛および椎骨脳底動脈循環不全を含むが、これらに限定されない。
塞栓症は、空気塞栓症、羊水塞栓症、コレステロール塞栓症、ブルートウ症候群、脂肪塞栓症、肺塞栓症および血栓塞栓症を含むが、これらに限定されない。冠状動脈性血栓症は、肝静脈血栓症、網膜静脈閉塞、頸動脈血栓症静脈洞血栓症、バレンベリー症候群および静脈血栓症を含むが、これらに限定されない。
虚血性障害は、脳虚血、虚血性結腸炎、コンパートメント症候群、前コンパートメント症候群、心筋虚血、再灌流傷害および末梢肢虚血を含むが、これらに限定されない。脈管炎は、大動脈炎、動脈炎、ベーチェット症候群、チャーグ・ストラウス症候群、皮膚粘膜リンパ節症候群、閉塞性血栓性血管炎、過敏性血管炎、シェンライン−ヘノッホ紫斑病、アレルギー皮膚脈管炎およびウェゲナー肉芽腫症を含むが、これらに限定されない。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、デリバリー部位での直接針注入、静脈内注入、局所投与、カテーテル注入、微粒子銃注入、粒子加速器、ゲルフォームスポンジデポー、他の市販のデポー物質、浸透圧ポンプ、経口または坐剤用固形医薬処方、デカンティングまたは手術中の局所適用、エアロゾルデリバリーを含むがこれらに限定されない、当該技術分野において知られている任意の方法を用いて投与されてもよい。かかる方法は、当該技術分野において知られている。ポリヌクレオチドの送達方法は、本明細書中、より詳細に記載されている。
呼吸器疾患
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、呼吸器系の疾患および/または障害を処置、予防、診断および/または予後するために用いられてもよい。
呼吸器系の疾患および障害は、鼻前庭炎、非アレルギー性鼻炎(例えば、急性鼻炎、慢性鼻炎、萎縮性鼻炎、血管運動性鼻炎)、鼻ポリープおよび副鼻腔炎、若年性血管線維腫、鼻の癌および若年性パピローマ、声帯ポリープ、小結節(歌手の小結節)、接触潰瘍、声帯麻痺、喉頭気腫、咽頭炎(例えば、ウイルスおよび細菌性)、扁桃炎、扁桃蜂巣炎、咽頭傍化膿巣、喉頭炎、喉頭気腫および咽喉癌(例えば、鼻咽頭の癌、扁桃癌、喉頭癌)、肺癌(例えば、扁平上皮細胞癌腫、小細胞(燕麦細胞)癌腫、大きな細胞癌腫および腺癌腫)、アレルギー疾患(好酸球性肺炎、過敏性肺炎(例えば、外因性アレルギー肺胞炎、アレルギー性間質性肺炎、有機塵肺症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、喘息、ウェゲナー肉芽腫症(肉芽腫性脈管炎)、グッドパスチャー症候群))、肺炎(例えば、細菌肺炎(例えば、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌性肺炎)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(ブドウ球菌性肺炎)、グラム陰性細菌肺炎(例えば、クレブシエラ(Klebsiella)およびシュードモナス種(Pseudomas spp.)により惹起される)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、ヘモフィルスインフルエンザ(Hemophilus influenzae)肺炎、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)(レジオネラ病)およびオウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)(オウム病))およびウイルス肺炎(例えば、肝炎、水痘(水疱瘡)を含むが、これらに限定されない。
呼吸器系のさらなる疾患および障害は、細気管支炎、ポリオ(灰白髄炎)、クループ、呼吸器系シンシチウムウイルス感染、おたふく風邪、伝染性紅斑(第5病)、突発性発疹、進行性風疹全脳炎、三日ばしかおよび亜急性硬化性全脳炎)、真菌肺炎(例えば、激しく抑制された免疫系を有するヒト(例えば、クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)により惹起されるクリプトコッカス症;アスペルギルス(Aspergillus,spp.)により惹起されるアスペルギルス症;カンジダ(Candida)により惹起されるカンジダ症;およびムコール症)におけるヒストプラズマ症、コクシジオイデス症、ブラストミセス症、真菌感染)、カリニ肺炎(ニューモシスチス肺炎)、異型肺炎(例えば、マイコプラズマ(Mycoplasma)およびクラミジア(Chlamydia spp.))、日和見感染肺炎、院内肺炎、化学肺臓炎および嚥下性肺炎、胸膜疾患(例えば、胸膜炎、胸水および気胸(例えば、単純自然気胸、合併した自然気胸、緊張性気胸))、閉塞性気道疾患(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、慢性または急性気管支炎)、職業性肺疾患(例えば、ケイ肺症、黒色肺(炭坑作業員塵肺症)、石綿沈着症、ベリリウム症、職業性喘息、綿肺症および良性塵肺症)、浸潤性肺疾患(例えば、肺線維症(例えば、線維化性肺胞炎、通常型間質性肺炎)、特発性肺線維症、剥離性間質性肺炎、リンパ様間質性肺炎、組織球症X(例えば、レテラー−ジ−ヴェ疾患、ハンド・シュラー・クリスチャン病、好酸球性肉芽腫)、特発性肺ヘモシデロ−シス、サルコイドーシスおよび肺胞タンパク症)、急性呼吸器系窮迫症候群(例えば、成人呼吸窮迫症候群とも言われる)、浮腫、肺塞栓症、気管支炎(例えば、ウイルス、細菌性)、気管支拡張症、無気肺、肺化膿巣(例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)またはレジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)により惹起される)および嚢胞性線維症を含むが、これらに限定されない。
抗−血管新生活性
内因性刺激因子および血管新生阻害剤の間の自然に発生する平衡は、阻害的作用が優性で
ある。Rastinejadら.,Cell56:345−355(1989)。通常の生理学的状態、例えば、創傷治癒、器官再生、胚発生および女性生殖過程下にて新血管形成が生じるという稀な場合において、血管新生は、ストリンジェントに調節され、ならびに空間的および時間的に区切られている。特徴的な固形腫瘍成長のごとき病理学的な血管新生状態の下では、これらの制御調節は機能しなくなる。調節されていない血管新生は病理学的となり、そして、多くの腫瘍性および非腫瘍性疾患の進行を維持する。多数の重大な疾患は、固形腫瘍成長および転移、関節炎、ある種の眼障害、および乾癬を含む異常な新血管形成により支配される。例えば、報文については、Mosesら.,Biotech.9:630−634(1991);Folkmanら.,N.Engl.J.Med.,333:1757−1763(1995);Auerbachら.,J.Microvasc.Res.29:401411(1985);Folkman,Advances in Cancer Research, eds.KleinおよびWeinhouse,Academic Press,New York,pp.175−203(1985);Patz,Am.J.Opthalmol.94:715−743(1982);およびFolkmanら.,Science221:719−725(1983)を参照のこと。多数の病理学的状態において、血管新生過程はその疾患状態に寄与する。例えば、固形腫瘍成長が血管新生に依存することを示唆する有意なデータが蓄積されている。FolkmanおよびKlagsbrun,Science 235:442−447(1987)。
本発明は、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを投与することによる、新血管形成に関連する疾患または障害の処を提供する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド、またはアゴニストまたはアンタゴニストを用いて処置され得る悪性および転移性状態は、本明細書中記載されているおよびそうでなければ当該技術分野において知られている、悪性腫瘍、固形腫瘍および癌(かかる障害の報文については、Fishmanら.,Medicine,2d Ed.,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia(1985)を参照のこと)を含むが、これらに限定されない。故に、本発明は、血管新生関連疾患および/または障害の処置方法であって、その必要のある個体へ治療上有効量の本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを投与することを含む方法を提供する。例えば、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、様々なさらなる方法において利用され、癌または腫瘍を治療的に処置してもよい。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置されてもよい癌は、前立腺、肺、胸、卵巣、胃、膵臓、喉頭、食道、精巣、肝臓、耳下腺、胆管、大腸、直腸、頸部、子宮、子宮内膜、腎臓、膀胱、甲状腺癌を含む固形腫瘍;原発性腫瘍および転移;メラノーマ;グリオブラスト−マ;カポジ肉腫;平滑筋肉腫;非小細胞肺癌;直腸結腸癌;進行性悪性腫瘍;および血液感染性腫瘍、例えば、白血病を含むが、これらに限定されない。例えば、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは局所投与され、皮膚癌、頭および首腫瘍、胸腫瘍およびカポジ肉腫のごとき癌を処置してもよい。
さらなる他の態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば膀胱内投与により、表在性膀胱癌を処置するために利用されてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、腫瘍または腫瘍部位近くへ、注入またはカテーテルを介して直接送達されてもよい。もちろん、当業者が理解するように、適切な投与様式は、処置されるべき癌によって様々であろう。他の送達経路は、本明細書中に記載されている。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血管新生に関与する、癌以外の他の障害の処置においても有用であってもよい。これらの障害は、良性腫瘍、例えば血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫;アテローム硬化性プラーク;眼血管新生疾患、例えば、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症黄斑変性症、角膜)移植拒絶反応、新血管緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、網膜芽細胞腫、眼のブドウ膜炎および表皮爪膜(Pterygia)(異常な血管成長);関節リウマチ;乾癬;遅延創傷治癒;子宮内膜症;脈管形成;肉芽形成;肥厚性瘢痕(ケロイド);癒着不能骨折;強皮症;トラコーマ;血管接着;心筋血管新生;冠状動脈側枝(coronary colaterals);脳側枝(cerebral collaterals);動静脈奇形;虚血性肢血管新生;オスラー−ウェバー症候群;プラーク新血管形成;毛細血管拡張;血友病関節症;血管線維腫;繊維筋性異形成症;創傷肉芽形成;クローン病;およびアテローム性動脈硬化症を含むが、これらに限定されない。
例えば、本発明の一の態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを肥厚性瘢痕またはケロイドを投与する段階を含む、肥厚性瘢痕およびケロイドを処置するための方法も提供される。
本発明の一の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、これらの病変の進行を防ぐために、肥厚性瘢痕またはケロイドへ直接注入される。この療法は、肥厚性瘢痕およびケロイド(例えば、火傷)の発達をもたらすことが知られている状態の予防的処置において特に価値が高く、および好ましくは、増殖段階が進行する時間を経過した後(初めの傷害から約14日後)であるが、肥厚性瘢痕またはケロイドが発達する前に開始する。上記したように、本発明は、例えば、角膜新血管形成、新血管緑内障、増殖糖尿病性網膜症、水晶体後線維増殖症および黄斑変性症を含む眼の新血管疾患の処置方法も提供する。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置され得る、新血管形成に関連する眼障害は、新血管緑内障、糖尿病性網膜症、網膜芽細胞腫、水晶体後線維増殖症、ブドウ膜炎、未熟児黄斑変性網膜症、角膜移植片新血管形成ならびに他の眼炎症性疾患、眼腫瘍および脈絡膜または虹彩の新血管形成に関連する疾患を含むが、これらに限定されない。例えば、報文については、Waltmanら.,Am.J Ophthal.85:704−710(1978)およびGartnerら.,Surv.Ophthal.22:291−312(1978)を参照のこと。
故に、本発明の一の態様において、血管形成を阻害するように、患者の角膜へ治療上有効量の化合物(例えば、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド)を投与する段階を含む、角膜の新血管形成(角膜移植片新血管形成を含む)のごとき眼の新血管疾患を処置するための方法が提供される。すなわち、角膜は通常血管のない組織である。しかし、特定の病理学的状態において、毛細血管は、角膜縁の角膜周囲血管網から角膜にまで及んでいてもよい。角膜が血管化すると、角膜が濁り、結果として、患者の視力低下が起こる。角膜が完全に混濁するならば、完全に視力が喪失することもある。例えば、角膜感染(例えば、トラコーマ、単純ヘルペス角膜炎、リーシュマニア症および回旋糸状虫症)、免疫学的過程(例えば、移植拒絶反応およびスティーブンス−ジョンソン症候群)、アルカリによる火傷、外傷、炎症(任意の原因による)、毒性および栄養欠乏状態およびコンタクトレンズ装着による合併症を含む、多種多様な障害は、角膜の新血管形成をもたらし得る。
本発明の特に好ましい実施態様では、生理的食塩水(眼調製物中にて一般的に用いられている任意の防腐剤および抗菌剤と合わせた)中にて局所投与のために調製されてもよく、および点眼形態にて投与されてもよい。溶液または懸濁液は、その精製形態にて調製されてもよく、および毎日数回投与されてもよい。或いは、上記のように調製された抗−血管新生組成物は、角膜へ直接投与されてもよい。好ましい実施態様において、抗−血管新生組成物は、角膜に結合する粘膜付着性ポリマーと一緒に調製される。さらなる実施態様において、抗−血管新生因子または抗−血管新生組成物は、慣用的なステロイド療法に付加して利用されてもよい。高い確率で血管新生応答を誘導することが知られている局所療法も、角膜病変(例えば、化学火傷)において予防的に有用であってもよい。これらの場合、ステロイドと併用され得る処置を直ちに開始し、続いて起こる合併症を予防してもよい。
他の実施態様において、眼科医が顕微鏡使用下で上記の化合物を角膜基質へ直接注入してもよい。好ましい注入部位は、個々の病変の形態によって変化してもよいが、投与の目的は、前進する脈管構造の前部に組成物をセットする(すなわち、血管および通常の角膜の間に散在させる)ことであろう。ほとんどの場合、これは、発達している血管から角膜を「保護する」ための、角膜周囲辺縁への注入を含み得る。この方法は、角膜新血管形成を予防的に阻害するために、角膜損傷のすぐ後に、利用されてもよい。この場合、角膜の病変およびその所望でない潜在的な辺縁系への血液供給の間に散在した角膜周囲辺縁系に、物質を注入することができる。かかる方法は移植された角膜の毛細血管侵入を防ぐために、同様に利用されてもよい。徐放性形態では1年につきたった2〜3回しか注入が必要とされないだろう。ステロイドは注入溶液へ加えられ、注入それ自体から生じる炎症を軽減し得るだろう。
本発明の別の態様において、血管形成が阻害されるように、治療上有効量の本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを患者の眼内に投与する段階を含む、新血管緑内障を処置するための方法が提供される。一の実施態様において、化合物は、早期新血管緑内障を処置するために、眼へ局所投与されてもよい。他の実施態様では、化合物は、前房隅角領域中へ注入することにより埋め込まれてもよい。他の実施態様では、化合物は、化合物が房水中に連続的に放出されるように、任意の位置にセットされてもよい。本発明の別の態様では、血管形成を阻害するように、治療上有効量の本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを患者の眼内へ投与する段階を含む、増殖糖尿病性網膜の処置のための方法が提供される。
本発明の特に好ましい実施態様では、増殖糖尿病性網膜症は、網膜中のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストの局所濃度を増大させるために、房水または硝子体へ注入することにより処置されてもよい。好ましくは、この処置は、光凝固が必要な重篤な疾患となる前に、開始されるべきである。
本発明の別の態様では、血管形成が阻害されるように、治療上有効量の本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを患者の眼内に投与する段階を含む、水晶体後線維増殖症を処置するための方法が提供される。化合物は、硝子体内注入および/または眼球内インプラントを介して局所投与されてもよい。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置され得る障害は、血管腫、関節炎、乾癬、血管線維腫、動脈硬化プラーク、遅延創傷治癒、肉芽形成、血友病関節、肥厚性瘢痕、癒着不能骨折、オスラー−ウェーバー−症候群、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマおよび血管接着を含むが、これらに限定されない。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする本発明のポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断、および/または予後され得る障害および/または状態は、固形腫瘍、血液感染性腫瘍、例えば、白血病、腫瘍転移、カポジ肉腫、良性腫瘍、例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫、関節リウマチ、乾癬、眼血管新生疾患、例えば、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症黄斑変性症、角膜移植拒絶反応、新血管緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、網膜芽細胞腫およびブドウ膜炎、創傷治癒の遅延、子宮内膜症、血管形成、肉芽形成、肥厚性瘢痕(ケロイド)、癒着不能骨折、強皮症、トラコーマ、血管接着、心筋血管新生、冠状動脈性側枝、脳側枝、動静脈奇形、虚血性肢血管新生、オスラー−ウェバー症候群、プラーク新血管形成、毛細血管拡張、血友病関節、血管線維腫繊維筋性異形成症、創傷肉芽形成、クローン病、アテローム性動脈硬化症、胎芽着床のために必要な脈管新生の阻害により月経を制御する避妊剤、病理学的結果として血管新生を有する疾患、例えば、ネコ引っ掻き病(Rochele minalia quintosa)、潰瘍(ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori))、バルトネラ症および細菌性血管腫症を含むが、これらに限定されない。
避妊法の一の態様において、性交および受精の前または後に、胎芽着床を阻害するのに十分な化合物の量を投与することにより、効果的な避妊法、場合により「モーニング・アフター」法が提供される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、月経調節において用いてもよく、或いは、子宮内膜症の処置において腹膜洗浄液または腹膜インプラントのいずれかとして投与してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、縫合部肉芽腫を予防するために、外科縫合中に組み込まれてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、様々な外科的処置において利用されてもよい。例えば、本発明の一の態様において、組成物(例えば、スプレーまたはフィルムの形態にある)を、腫瘍を除去する前に、領域をコーディングまたはスプレーするために利用して、悪性組織から正常な周囲組織を単離するか、および/または疾患が周囲組織へ広がるのを防いでもよい。本発明の他の態様において、組成物(例えば、スプレーの形態にある)は、内視鏡による手段を介して送達されて、腫瘍をコーティングするか、または所望の位置にある血管新生を阻害してもよい。本発明のさらなる他の態様において、本発明の抗−血管新生組成物を用いてコーティングされている外科用メッシュは、外科用メッシュが利用されてもよい任意の方法において利用されてもよい。例えば、本発明の一の実施態様において、抗−血管新生組成物を含んだ外科用メッシュを、腹腔内の癌の切除手術中(例えば、大腸切除の後)に利用し、構造を支持し、かつ一定量の抗−血管新生因子を放出させてもよい。
本発明のさらなる態様において、癌の局所再発およびその部位での新規血管形成が阻害されるように、切除後に、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを腫瘍の切除周辺部分に投与することを含む、腫瘍切除部位を処置するための方法が提供される。本発明の一の実施態様において、抗−血管新生化合物は、腫瘍切除部位に直接投与される(例えば、抗−血管新生化合物を用いて腫瘍の切除周辺部分を塗布、ブラッシングまたはそうでなければコーティングすることにより適用する)。別法では、抗−血管新生化合物は、投与前に、知られている外科用ベースと中に組み込まれてもよい。本発明の特に好ましい実施態様では、抗−血管新生化合物は、肝臓の悪性腫瘍切除後および神経外科手術後に適用される。
本発明の一の態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、胸、大腸、脳および肝腫瘍を含む多種多様な腫瘍の切除面に投与されてもよい。例えば、本発明の一の実施態様において、抗−血管新生化合物は、その部位での新規血管形成が阻害されるように、切除後、神経腫瘍の部位へ投与されてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、他の抗−血管新生因子と一緒に投与されてもよい。他の抗−血管新生因子の典型例は、抗−侵襲性因子、レチノイン酸およびその誘導体、パクリタキセル、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ−2の組織阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−2およびより軽い「d族」遷移金属の様々な形態を含む。
より軽い「d族」遷移金属は、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブおよびタンタル種を含む。かかる遷移金属種は、遷移金属錯体を形成してもよい。上記の遷移金属種の適当な錯体は、オキソ遷移金属錯体を含む。
バナジウム錯体の典型例は、オキソバナジウム錯体、例えば、バナジン酸塩およびバナジル錯体を含む。適当なバナジン酸錯体は、例えば、メタバナジンアンモニウムアンモニウム、メタバナジン酸ナトリウムおよびオルトバナジン酸ナトリウムのごとき、メタバナジン酸塩およびオルトバナジン酸塩錯体を含む。適当なバナジル錯体は、バナジル硫酸塩水和物、例えば、バナジル硫酸塩一および三水和物を含む、例えば、バナジルアセチルアセトナートおよび硫酸バナジルを含む。
タングステンおよびモリブデン錯体の典型例は、オキソ錯体も含む。適当なオキソタングステン錯体は、タングステン酸および酸化タングステン錯体を含む。適当なタングステン酸錯体は、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸ナトリウム二水和物およびタングステン酸を含む。適当な酸化タングステンは、酸化タングステン(IV)および酸化タングステン(VI)を含む。適当なオキソモリブデン錯体は、モリブデン酸、酸化モリブデンおよびモリブデニル錯体を含む。適当なモリブデン酸錯体は、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、モリブデン酸ナトリウムおよびその水和物、ならびにモリブデン酸カリウムおよびその水和物を含む。適当な酸化モリブデンは、酸化モリブデン(VI)、酸化モリブデン(VI)およびモリブデン酸を含む。適当なモリブデニル錯体は、例えば、モリブデニルアセチルアセトナートを含む。他の適当なタングステンおよびモリブデン錯体は、例えば、グリセロール、洒石酸および糖に由来するヒドロキソ誘導体を含む。
多種多様な他の抗−血管新生因子は、本発明の文脈にて利用されてもよい。典型例は、血小板因子4;硫酸プロタミン;硫酸化キチン誘導体(ズワイガニ殻から調製)、(Murataら.,Cancer Res.51:22−26,1991);硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化合物の機能は、ステロイド、例えば、エストロゲンおよびクエン酸タモキシフェンにより高められてもよい);スタウロスポリン;マトリックス代謝の調節因子、例えば、プロリンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d,L−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン、アルファ、アルファ−ジピリジル、アミノプロピオニトリルフマラートを含む;4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトトレキセート;ミトキサントロン;ヘパリン;インターフェロン;2マクログロブリン−血清;ChIMP−3(Pavloffら.、J.Bio.Chem.267:17321−17326,(1992));キモスタチン(Tomkinsonら.,Biochem J.286:475480,(1992));シクロデキストリンテトラデカサルフェート;エポネマイシン;カンプトテシン;フマギリン(Ingberら.,Nature 348:555−557,1990);ナトリウム金チオマレート(「GST」;MatsubaraおよびZiff,J.Clin.Invest.79:1440−1446,(1987));抗コラゲナーゼ−血清;アルファ2−抗プラスミン(Holmesら.,J.Biol.Chem.262(4):1659−1664,(1987));ビサントレン(National Cancer Institute);ロベンザリットジナトリウム(N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸ジナトリウムまたは「CCA」;Takeuchiら.,Agent Actions 36:312−316,(1992));サリドマイド;血管拡張性ステロイド;AGM−1470;カルボキシアミノルミダゾール;およびメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えば、BB94を含む。
細胞レベルにおける疾患
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予後され得る、細胞生存の増大またはアポトーシスの阻害に関連する疾患は、癌(例えば、大腸癌、心臓腫瘍、膵臓癌、メラノーマ、網膜芽細胞腫、グリオブラストーマ、肺癌、腸癌、精巣癌、胃癌、神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、胸癌、前立腺癌、カポジ肉腫および卵巣癌を含むがこれらに限定されない、濾胞性リンパ腫、p53突然変異を伴う癌腫およびホルモン依存性腫瘍);自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎および関節リウマチ)およびウイルス感染(例えば、ヘルペスウイルス、ポックス・ウイルスおよびアデノウイルス)、炎症、移植片対宿主病、急性移植拒絶反応および慢性移植拒絶反応を含む。
好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、癌、特に上記のものの成長、進行および/または転移を阻害するために用いられる。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置または検出され得る、細胞生存の増大に関連するさらなる疾患または状態は、悪性腫瘍および関連する障害、例えば、白血病(急性白血病(例えば、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病を含む)を含む)および慢性白血病(例えば、慢性骨髄性(顆粒性)白血病および慢性リンパ球性白血病))、真性赤血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、ならびに、肉腫および癌腫、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ血管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌腫、膵臓癌、胸癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌腫、基底細胞癌腫、腺癌腫、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌腫、乳頭腺癌腫、嚢胞腺癌腫、髄様癌腫、気管支原性肺癌腫、腎細胞癌腫、肝細胞腫、胆管癌腫、絨毛癌腫、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌腫、小細胞肺癌腫、膀胱癌腫、上皮癌腫、グリオーマ、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、オリゴデンドログリオーマ、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫を含むがこれらに限定されない固形腫瘍のの進行および/または転移を含むが、これらに限定されない。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予後され得る、アポトーシスの増大に関連する疾患は、AIDS;神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症、小脳変性および脳腫瘍または先の関連疾患);自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベ−チェット病、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎および関節リウマチ)骨髄異形成症候群(例えば、再生不良性貧血)、移植片対宿主病、虚血性傷害(例えば、心筋梗塞、脳卒中および再灌流傷害により惹起されるもの)、肝臓傷害(例えば、肝炎関連する肝臓傷害、虚血/再灌流傷害、胆汁鬱帯(胆管傷害)および肝臓癌);毒素が誘導する肝臓疾患(例えば、アルコールにより惹起されるもの)、敗血症ショック、悪液質および拒食症を含むが、これらに限定されない。
創傷治癒および上皮細胞増殖
本発明のさらなる一層の一の態様に従って、治療を目的として、例えば、創傷治癒のために上皮細胞増殖および基底ケラチノサイトを刺激し、および毛嚢産生および皮膚創傷の治癒を刺激するための、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを利用するための方法が提供される。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、外科創傷、切除創傷、真皮および表皮の損傷を含む深い創傷、眼組織創傷、歯組織創傷、口腔創傷、糖尿病潰瘍、皮膚潰瘍、肘潰瘍、動脈潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、熱への暴露または化学物質により生じる火傷および他の異常な創傷治癒状態、例えば、尿毒症、栄養不良、ビタミン欠乏ならびにステロイド、放射線療法および抗腫瘍剤および代謝拮抗剤を用いた全身処置に関連する合併症を含む創傷治癒の刺激において臨床上有用であってもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、皮膚喪失後の皮膚再生を改善するために用いることができる。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、皮膚移植片と創傷床の付着を増大させ、および創傷床からの上皮再形成を刺激するために用いられ得る。以下は、創傷床への接着性を高めるために、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを投与できる移植片の型である:自家移植片、人工皮膚、同種移植片、自家皮膚移植片、自己(autoepdermic)移植片、無血管性移植片、ブレア・ブラウン移植片、骨移植片、胚胎組織移植片、皮膚移植片、遅延移植片、真皮移植片、表皮移植片、筋膜移植片、全層移植片、ヘテロ移植片、異種移植片、同種移植片、過形成性移植片、層状移植片、メッシュ移植片、粘膜移植片、オリアー−ティールシュ移植片、大網移植片、パッチ移植片、茎移植片、穿通性移植片、スプリット(split)皮膚移植片、シックスプリット(thich split)移植片。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、、皮膚強度を改善し、および老化した皮膚の外観を改善するために用いられ得る。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、肝細胞の増殖ならびに肺、胸、膵臓、胃、小腸および大腸における上皮細胞の増殖において変化を生じるとも考えられている。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、上皮細胞、例えば、皮脂細胞、毛嚢、肝細胞、II型肺細胞、ムチン産生ゴブレット細胞および他の上皮細胞、ならびに皮膚、肺、肝臓および胃腸管内に含まれるそれらの前駆体の増殖を改善し得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、内皮細胞、ケラチノサイトおよび基底ケラチノサイトの増殖を改善してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、放射線、化学療法による処置またはウイルス感染から生じる腸毒性の副作用を軽減するためにも用いられ得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、小腸粘膜への細胞保護効果を有してもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、化学療法およびウイルス感染から生じる粘膜炎(口腔潰瘍)の治癒を刺激してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、火傷を含む、完全および部分的厚さの皮膚欠損の完全な再生(すなわち、毛嚢、汗腺および皮脂腺の再生)、乾癬のごとき他の皮膚欠損の処置において、さらに用いられ得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、病変の再上皮化を加速することにより、表皮水疱症、幾つもの、開いた、かつ痛みを伴う水膨れをもたらす、表皮とその下にある真皮との付着における欠陥を処置するために用いられ得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、胃および十二指腸潰瘍を処置し、ならびに、粘膜の瘢痕化および腺性粘膜および十二指腸の粘膜の再生により、より迅速な治癒を補助する。炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性結腸炎は、小腸または大腸それぞれの粘膜表面の破壊をもたらす疾患である。故に、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、粘膜表面の再生を改善して、より迅速な治癒を補助し、および炎症性腸疾患の進行をできる。本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、胃腸管にわたる粘液の産生への有意な効果を有すると考えられ、および摂取された有害物質からの、または手術後の腸粘膜を保護するために用いることができる。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、発現不足に関連する疾患を処置するために用いられ得る。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、様々な病理学的状態に起因する肺への損傷を予防および治癒するために用いられ得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、増殖および分化を刺激し、および肺胞および細気管支上皮の修復を改善し、急性または慢性肺損傷を予防または処置し得る。例えば、肺胞の進行性消失をもたらす肺気腫、および細気管支上皮および肺胞の壊死を惹起する、すなわち、気道熱傷および火傷に由来する吸入傷害は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニストを用いて効果的に処置することができる。また、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、II型の肺細胞の増殖および分化を刺激するために用いることができ、これは、ヒアリン膜症、例えば、幼児呼吸器系窮迫症候群および気管支肺異形成症のごとき早産児における疾患の処置または予防に役立ち得る。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、肝細胞の増殖および分化を刺激し得、それ故に、硬変により惹起される激症肝臓障害、ウイルス肝炎および毒性物質(すなわち、アセトアミノフェン、四塩化炭素および当該技術分野において知られている他の肝臓毒素)により惹起される肝臓損傷のごとき肝臓疾患および病理学的状態を改善または処置するために用いることができる。
加えて、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、真性糖尿病の兆候を処置または予防するために用いることができる。新たにI型およびII型糖尿病と診断された患者において、幾つかの島細胞機能が残存する場合、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、その島機能を維持し、疾患の永続的な徴候を改善、遅延または予防し得る。また.本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、島細胞移植における補助として用いられ得、島細胞機能を改善または改善する。
神経活性および神経疾患
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脳および/または神経系の疾患、障害、損傷または傷害を診断および/または処置するために用いられてもよい。本発明の組成物(例えば、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド)を用いて処置され得る神経系障害は、軸索の断絶、ニューロンの減少または変性、または脱髄のいずれかをもたらす神経系傷害および疾患または障害を含むが、これらに限定されない。本発明の方法に従って、患者(ヒトおよびヒトでない哺乳類患者を含む)において処置されてもよい神経系病変は、中枢(脊髄、脳を含む)または末梢神経系いずれかの以下の病変を含むが、これらに限定されない:(1)虚血性病変、ここで、神経系の一部における酸素不足は、脳梗塞または虚血或いは脊髄梗塞または虚血を含む、ニューロンの傷害または死をもたらす;(2)外傷性病変、物理的傷害により惹起されるか、または手術に関連する病変、例えば、神経系の一部を断絶する病変、或いは圧迫損傷を含む;(3)悪性病変、ここで、神経系の一部は、悪性腫瘍に関連する神経系または非神経系組織に由来する悪性腫瘍のいずれかである悪性組織により破壊または損傷される;(4)感染性病変、ここで、神経系の一部は、感染の結果として、例えば、化膿巣によるか、またはヒト免疫不全ウイルス、帯状疱疹、または単純ヘルペスウイルスによる感染か、またはライム病、結核症または梅毒に関連して、破壊または損傷される;(5)変性病変、ここで、神経系の一部は、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病または筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関連する変性を含むがこれらに限定されない、変性過程の結果として、破壊または損傷される;(6)栄養疾患または障害に関連する病変、ここで、神経系の一部は、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏、ウェルニッケ疾患、タバコ−アルコール性弱視、マルキャファーバービニャ−ミ疾患(脳梁の原発性変性)およびアルコール性小脳変性を含むがこれらに限定されない、栄養障害または代謝障害により、破壊または損傷される;(7)糖尿病(糖尿病性ニューロパシー、ベル麻痺)、全身性エリテマトーデス、癌腫、またはサルコイドーシスを含むがこれらに限定されない、全身疾患に関連する神経病変;(8)アルコール、鉛または特定の神経毒素を含む、毒性物質により惹起される病変;および(9)脱髄病変、ここで、神経系の一部は、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス関連ミエロパシー、横断性ミエロパシーまたは様々な病因、進行性多発性白質脳症、および橋中央ミエリン溶解を含むがこれらに限定されない脱髄疾患により、破壊または損傷される。
一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、低酸素症の損傷効果から神経細胞を保護するために用いられる。さらに好ましい一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脳低酸素症の損傷効果から神経細胞を保護するために用いられる。この実施態様に従って、本発明の組成物は、脳低酸素症に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。この実施態様の非限定的な1つの態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脳虚血に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。この実施態様の別の非限定的な態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脳梗塞に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。
別の好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脳卒中に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脳卒中に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。
別の好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、心臓発作に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、心臓発作に関連する神経細胞傷害を処置または予防するために用いられる。
神経系障害の処置または予防のために有用な本発明の組成物は、ニューロンの生存または分化の改善における生物活性を試験することにより、選択されてもよい。例えば、これらに限定はされないが、以下の任意の効果を導く本発明の組成物は、本発明に従って有用であってもよい:(1)低酸素症または低酸素状態の存在または不在下のいずれかにおける培養中のニューロンの生存時間の増大;(2)培養液中またはインビボにおけるニューロンの発芽の増大;(3)培養液中またはインビボにおけるニューロンに関連する分子、例えば、運動ニューロンに関連するコリンアセチルトランスフェラーゼまたはアセチルコリンエステラーゼの産生の増大;または(4)インビボでのニューロン機能障害の徴候の減少。かかる効果は、当該技術分野において知られている任意の方法により測定されてもよい。好ましい、非限定的な実施態様において、ニューロン生存の増大は、本明細書中に記載されているか、またはそうでなければ当該技術分野において知られている方法、例えば、Zhangら.,ProcNatl Acad Sci USA 973637−42(2000)またはin Arakawaら.,J.Neurosci.,10:3507−15(1990)の方法を用いて慣用的に測定されてもよく;ニューロンの発芽の増大は、当該技術分野において知られている方法、例えば、Pestronkら.,Exp.Neurol.,70:65−82(1980),またはBrownら.,Ann.Rev.Neurosci.,4:1742(1981)に記載の方法により検出されてもよく;ニューロンに関連する分子の産生増大は、当該技術分野において知られている技法を用いて、および測定されるべき分子に依存して、バイオアッセイ、酵素によるアッセイ、抗体結合、ノーザンブロットアッセイなどにより、測定されてもよく;および運動ニューロン機能障害は、運動ニューロン障害の物理的徴候、例えば、弱さ、運動ニューロン伝導速度、または機能傷害を査定することにより評価されてもよい。
特定の実施態様において、本発明に従って処置されてもよい運動ニューロン障害は、梗塞、感染、毒素への曝露、外傷、外科的損傷、運動ニューロンおよび神経系他の成分に作用してもよい変性疾患または悪性腫瘍のごとき障害、ならびに筋萎縮性側索硬化症のようにニューロンに特異的に作用し、および進行性脊髄性筋萎縮症、進行性球麻痺、原発性側索硬化症、幼児性および若年性筋萎縮症、小児の進行性延髄麻痺ファチオーロンド症候群)、灰白髄炎およびポリオ後症候群、および遺伝性運動感覚ニューロパシー(シャルコ−・マリ−・トゥ−ス病)を含むがこれらに限定されない障害を含むが、これらに限定されない。。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ニューロンの生存;シナプス形成;コンダクタンス;神経分化などにおいて役割を果たしてもよい。故に、本発明の組成物(本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含む)は、障害の学習および/または認識を含むがこれらに限定されない、これらの役割に関連する疾患または障害を診断および/または処置または予防するために用いられてもよい。本発明の組成物は、神経変性疾患状態および/または行動障害の処置または予防において有用であってもよい。かかる神経変性疾患状態および/または行動障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、統合失調症、躁病、認知症、パラノイア、強迫神経症障害、パニック障害、学習障害、ALS、精神病、自閉症および摂食、睡眠パターン、バランスおよび知覚における障害を含む行動の変化を含むが、これらに限定されない。加えて、本発明の組成物は、発生胚に関連する障害または性関連障害の処置、予防および/または検出においても役割を果たしてもよい。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、障害頸動脈疾患(例えば、頸動脈血栓症、頸動脈狭窄、またはモヤモヤ病)、脳のアミロイド・アンギオパチー、脳動脈瘤、脳無酸素症、脳動脈硬化症、脳動静脈奇形、脳動脈疾患、脳塞栓症および血栓症(例えば、頸動脈血栓症静脈洞血栓症、またはバレンベリ−症候群)、脳出血(例えば、硬膜外または硬膜下血腫、またはくも膜下出血)、脳梗塞、脳虚血(例えば、一過性脳虚血、鎖骨下動脈スチール症候群または椎骨脳底動脈循環不全)、血管性認知症(例えば、多発脳梗塞性)、脳室周囲白質軟化症および血管性頭痛(例えば、群発頭痛または偏頭痛)を含むがこれらに限定されない、脳血管に関連する疾患、損傷、障害、または傷害から神経細胞を保護するのに有用であってもよい。
本発明のさらなる一層の一の態様に従って、治療目的のために、例えば、神経細胞の増殖および/または分化を刺激するために、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを利用するための方法が提供される。それ故に、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、神経系疾患を処置および/または検出するために用いられてもよい。さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、特定の神経系疾患または障害のマーカーまたは検出器として用いられ得る。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得る神経系疾患の例は、脳疾患、例えば、母性フェニルケトン尿症のごときフェニルケトン尿症を含む代謝脳疾患、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、ビルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損症、ウェルニッケ脳症、脳浮腫、脳新生物、例えば、テント下新生物を含む小脳新生物、脳室新生物、例えば、脈絡叢新生物、視床下部新生物、テント上新生物、カナバン病、小脳疾患、例えば、毛細血管拡張性失調症のごとき脊髄小脳変性を含む小脳運動失調症、小脳共同運動障害、フリ−ドリッシュ運動失調症、マチャド・ジョセフ病、オリ−ブ橋小脳萎縮症、小脳新生物、例えば、テント下新生物、汎発性脳硬化症、例えば、軸周囲脳炎、球様細胞白質萎縮症、異染性白質萎縮症および亜急性硬化性全脳炎を含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、脳血管障害(例えば、頸動脈血栓症、頸動脈狭窄およびモヤモヤ病を含む、頸動脈疾患)、脳のアミロイド・アンギオパチー、脳動脈瘤、脳無酸素症、脳動脈硬化症、脳動静脈奇形、脳動脈疾患、脳塞栓症および血栓症、例えば、頸動脈血栓症静脈洞血栓症およびバレンベリ−症候群、脳出血、例えば、硬膜外血腫、硬膜下血腫およびくも膜下出血、脳梗塞、脳虚血、例えば、一過性脳虚血、鎖骨下動脈スチール症候群および椎骨脳底動脈循環不全、血管認知症、例えば、多発脳梗塞性認知症、脳室周囲白質軟化症、血管性頭痛、例えば、群発頭痛および偏頭痛を含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、認知症、例えば、AIDS認知症合併症、初老性認知症、例えば、アルツハイマー病およびクロイツフェルト・ヤコブ症候群、老人性認知症、例えば、アルツハイマー病および進行性核上麻痺、血管認知症、例えば、多発脳梗塞性認知症、軸周囲脳炎、ウイルス脳炎、例えば、流行性脳炎、日本脳炎、セントルイス脳炎、ダニ媒介脳炎およびウエスト・ナイル熱を含む脳炎、急性播種性脳脊髄炎、髄膜脳炎、例えば、ブドウ膜脳炎症候群、脳炎後パーキンソン病および亜急性硬化性全脳炎、脳軟化症、例えば、脳室周囲白質軟化症、てんかん、例えば、幼児性けいれん、欠神発作、MERRF症候群を含むミオクローヌスてんかん、強直間代性てんかん、部分てんかん、例えば、複雑部分てんかん、前頭葉てんかんおよび側頭葉てんかん、外傷後てんかん、てんかん重積症、例えば、部分持続てんかんおよびハレルフォルデン・スパッツ症候群を含むてんかん重積状態のごときてんかんを含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、水頭症、例えば、ダンディ・ウォーカー症候群および正常圧水頭症、視床下部疾患、例えば、視床下部新生物、脳マラリア、脱力発作を含むナルコレプシー、延髄灰白髄炎、脳偽腫瘍、レット症候群、ライ症候群、視床疾患、脳トキソプラズマ症、頭蓋内結核腫およびツェルヴェーガー症候群、中枢神経系感染、例えば、AIDS認知症合併症、脳化膿巣、硬膜下蓄膿症、脳脊髄炎、例えば、馬脳脊髄炎、ベネズエラ馬脳脊髄炎、壊死性出血性脳脊髄炎、ビスナおよび脳マラリアを含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、髄膜炎、例えば、くも膜炎、無菌性髄膜炎、例えば、リンパ球性絨毛髄膜炎を含むウイルス髄膜炎、ヘモフィルス髄膜炎、リステリア髄膜炎を含む細菌髄膜炎、髄膜炎菌性髄膜炎、例えば、ウォーターハウス−フリーデリクセン症候群、肺炎球菌髄膜炎および髄膜結核症、真菌髄膜炎、例えば、クリプトコックス髄膜炎、硬膜下滲出、髄膜脳炎、例えば、ブドウ膜脳炎症候群、横断性脊髄炎のごとき脊髄炎、脊髄癆のごとき神経梅毒、延髄灰白髄炎および灰白髄炎後症候群を含む灰白髄炎、プリオン疾患(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ症候群、ウシ海綿状脳症、ゲルストマン−ストロイスラー症候群、クールー、スクレピー)および脳トキソプラズマ症を含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、中枢神経系新生物を含む脳新生物、例えば、小脳新生物、例えば、テント下新生物、脳室新生物、例えば、脈絡叢新生物、視床下部新生物およびテント上新生物、髄膜新生物、硬膜外新生物を含む脊髄新生物、脱髄疾患、例えば、カナバン疾患、副腎白質ジストロフィーを含む汎発性脳硬化症、軸周囲脳炎、球様細胞白質萎縮症、汎発性脳硬化症、例えば、異染性白質萎縮症、アレルギー性脳脊髄炎、壊死性出血性脳脊髄炎、進行性多病巣性白質脳障害、多発性硬化症、橋中央ミエリン溶解、横断性脊髄炎、視神経脊髄炎、スクレピ−、脊柱湾曲症、慢性疲労症候群、ビスナ、高圧神経症候群、髄膜症、脊髄疾患、例えば、先天性筋無緊張症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、例えば、ウェルドニッヒ・ホフマン病、脊髄圧迫、脊髄新生物、例えば、硬膜外新生物、脊髄空洞症、脊髄癆、スティフマン症候群、知能発育不全、例えば、アンジェルマン症候群、猫鳴き症候群、ドランジ症候群、ダウン症候群、ガングリオシドーシス、例えば、ガングリオシドーシスG(M1)、サンドホフ病、テイ・サックス病、ハートナップ病、ホモシスチン尿症、ローレンス−ムーン−ビードル症候群、レッシュ・ナイハン症候群、メープルシロップ尿症、ムコリピドーシス、例えば、フコシドーシス、神経セロイド−リポフスチン症、眼脳腎症候群、フェニルケトン尿症、例えば、母性フェニルケトン尿症、プラダ−ウィリ症候群、レット症候群、ルビンスタイン−テイビ症候群、結節硬化症、WAGR症候群、神経系異常、例えば、全前脳症、神経管欠損症、例えば、水無脳症を含む無脳症、ア−ノルド・キアリ奇形、脳ヘルニア、髄膜瘤、髄膜脊髄瘤、脊椎管癒合異常、例えば、嚢胞性二分脊椎および潜在性二分脊椎を含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、シャルコ−・マリ−病、遺伝性視神経萎縮、レフサム病、遺伝性痙性対麻痺、ウェルドニッヒ・ホフマン病、遺伝性感覚および自律神経ニューロパシー、例えば、先天性無痛覚症および家族性自律神経失調症を含む遺伝性運動感覚ニューロパシー、精神症状(例えば、ゲルストマン症候群を含む失認症、健忘症、例えば、逆向性健忘症、行動不能症、神経因性膀胱、脱力発作、コミュニケーション障害、例えば、難聴、部分的な聴覚喪失、ラウドネスレクルートメント(loudness recruitment)および耳鳴りを含む聴覚障害、言語障害、例えば、失書症、健忘性失語症、ブロ−カ失語症およびウェルニッケ失語症を含む失語症、失読症、例えば、後天性失読症、言語発達障害、例えば、健忘性失語症、ブロ−カ失語症およびウェルニッケ失語症を含む失語症、構音障害、コミュニケーション障害、例えば、構音障、反響言語、無言症および吃音を含む言語障害、発声障害、例えば、失声症および嗄声、除脳硬直状態、狂乱状態、線維束収縮、幻覚、髄膜症、運動障害、例えば、アンジェルマン症候群、運動失調、アテトーシス、舞踏病、筋失調症、運動低下症、筋緊張低下、ミオクローヌス、チック、斜頸および振戦、筋緊張亢進、例えば、筋硬直、例えば、スティフマン症候群、筋痙直、麻痺、例えば、耳帯状疱疹を含む顔面麻痺、胃不全麻痺、片麻痺、眼筋麻痺、例えば、複視、デュアン症候群、ホルネル症候群、慢性進行性外眼筋麻痺、例えば、キーンズ症候群、延髄麻痺、熱帯性痙性不全対麻痺、対麻痺、例えば、ブラウン・セカール症候群、四肢麻痺、呼吸麻痺および声帯麻痺、不全麻痺、幻肢、味覚障害、例えば、味覚消失および味覚障害、視覚障害、例えば、弱視、失明、色覚欠如、複視、半盲、暗点および正常以下視力、睡眠障害、例えば、クライネ−レヴィン症候群を含む過眠、不眠および夢遊、けいれん、例えば、開口障害、意識消失、例えば、昏睡、遷延性植物状態および失神および目まい、神経筋疾患、例えば、先天性筋無緊張症、筋萎縮性側索硬化症、ランバート・イートン筋無力症症候群、運動ニューロン障害、筋萎縮症、例えば、脊髄性筋萎縮症、シャルコー・マリー病およびウェルドニッヒ・ホフマン病、ポリオ後脊髄炎症候群、筋ジストロフィー、重症筋無力症、萎縮性ミオトニー、先天性ミオトニー、ネマリン・ミオパシー、家族性周期性四肢麻痺、多発性パラミオクロヌス(Paramyloclonus)、熱帯性痙性不全対麻痺およびスティフマン症候群、末梢神経系疾患、例えば、先端疼痛症、アミロイドニューロパシー、自律神経系疾患、例えば、エーディ症候群、バレー−リーウー(Barre−Lieou)症候群、家族性自律神経失調症、ホルネル症候群、反射性交感神経性ジストロフィーおよびシャイ・ドレーガー症候群、脳神経疾患、例えば、聴神経疾患、例えば、神経線維腫症を含む聴神経腫、顔面神経疾患、例えば、顔面神経痛、メルカーソン・ローゼンタール症候群、弱視を含む眼球運動障害、眼振、動眼神経麻痺、眼筋麻痺、例えば、デュアン症候群、ホルネル症候群、キームス症候群を含む慢性進行性外眼筋麻痺、内斜視および外斜視のごとき斜視、眼球運動神経麻痺、視神経疾患、例えば、遺伝性視神経萎縮を含む視神経萎縮、視神経円板ドルーゼ、視神経炎、例えば、視神経脊髄炎、乳頭浮腫、三叉神経痛、声帯麻痺、脱髄疾患、例えば、視神経脊髄炎および脊柱湾曲症、ならびに糖尿病ニューロパシー、例えば、糖尿病足を含む。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経系疾患は、神経圧迫症候群、例えば、手根管症候群、足根管症候群、胸郭出口症候群、例えば、頸肋症候群、尺骨神経圧迫症候群、神経痛、例えば、灼熱痛、頸腕神経痛、顔面神経痛および三叉神経痛、神経炎、例えば、実験的アレルギー性神経炎、視神経炎、多発性神経炎、多発性神経根神経炎および神経根炎、例えば、多発性神経根炎、遺伝性運動および感覚ニューロパシー、例えば、シャルコー・マリー疾患、遺伝性視神経萎縮、レフサム病、遺伝性痙性対麻痺およびウェルドニッヒ・ホフマン病、遺伝性感覚および自律神経ニューロパシー、先天的無痛覚症および家族性自律神経障害を含む、POEMS症候群、坐骨神経痛、味覚性発汗およびテタニーを含む。
内分泌障害
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ホルモン異常に関連する障害および/または疾患および/または内分泌系の障害または疾患を処置、予防、診断、および/または予後するために用いられてもよい。
内分泌系の腺により分泌されたホルモンは、物理的成長、性機能、代謝および他の機能を制御する。障害は、2通り:ホルモン産生障害および組織のホルモン応答不能に分類されてもよい。これらのホルモン異常または内分泌系疾患、障害または状態の病因は、癌および幾つかの自己免疫疾患のように、遺伝性、体性、後天性(例えば、化学療法、傷害または毒素による)または感染性であってもよい。さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、内分泌系および/またはホルモン異常に関連する特定の疾患または障害のマーカーまたは検出器として用いられ得る。
内分泌系および/またはホルモン異常および/または疾患は、妊娠および陣痛(例えば、早期陣痛、過期妊娠、自然流産および緩慢な陣痛または陣痛の終了)に伴う合併症;および月経周期の障害および/または疾患(例えば、月経困難症および子宮内膜症)を含むがこれらに限定されない、子宮運動の障害を包含する。
内分泌系および/またはホルモン不均衡障害および/または疾患は、膵臓の障害および/または疾患、例えば、真性糖尿病、尿崩症、先天的膵臓形成不全、褐色細胞腫−膵島細胞腫瘍症候群;副腎腺の障害および/または疾患、例えば、アジソン疾患、コルチコステロイド欠乏、男性化障害、多毛、クッシング症候群、高アルドステロン症、褐色細胞腫;下垂体腺の障害および/または疾患、例えば、下垂体機能亢進症、下垂体機能低下症、下垂体小人症、下垂体腺腫、汎下垂体機能低下症、末端肥大症、巨人症;甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、プラマー病、グレーブス病(毒性汎発性甲状腺腫)、毒性結節性甲状腺腫、甲状腺炎(橋本甲状腺炎、亜急性肉芽腫性甲状腺炎およびサイレントリンパ球性甲状腺炎)、ペンドレッド症候群、粘液水腫、クレチン症、甲状腺中毒症、甲状腺ホルモン縮合障害、胸腺無形成症、甲状腺のヒュルトレ細胞腫、甲状腺癌、甲状腺癌腫、髄様甲状腺癌腫を含むがこれらに限定されない、甲状腺の障害および/または疾患;副甲状腺の障害および/または疾患、例えば、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症;視床下部の障害および/または疾患を含む。
加えて、内分泌系および/またはホルモン不均衡障害および/または疾患は、癌を含む、精巣または卵巣の障害および/または疾患も含んでもよい。精巣または卵巣の他の障害および/または疾患はさらに、例えば、卵巣癌、ポリ嚢胞卵巣症候群、クラインフェルター症候群、消失精巣症候群(両側無睾丸症)、ライディッヒ細胞の先天的欠損、停留睾丸、ヌ−ナン症候群、筋硬直性ジストロフィー、精巣の毛細血管腫(良性)、精巣および新生精巣の異常増殖を含む。
さらに、内分泌系および/またはホルモン不均衡障害および/または疾患は、多腺性欠乏症候群、褐色細胞腫、神経芽細胞腫、多発性内分泌異常増殖のごとき障害および/または疾患ならびに内分泌組織の障害および/または癌を含んでもよい。
別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のアルブミン蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する治療用蛋白質が発現される、一または複数の組織に関連する内分泌疾患および/または障害を診断、予後、予防および/または処置するために用いられてもよい。
生殖器系疾患
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、生殖器系の疾患および/または障害を診断、処置、または予防するために用いられてもよい。本発明の組成物により処置され得る生殖器系障害は、生殖器系傷害、感染、腫瘍性障害、先天的欠陥、ならびに不妊症、妊娠、陣痛または分娩に伴う合併症、および分娩後障害をもたらす疾患または障害を含むが、これらに限定されない。
生殖器系障害および/または疾患は、精巣萎縮、精巣性女性化、潜伏精巣(片側性および両側性)、無睾丸症、異所性精巣、精巣上体炎および精巣炎(典型的に、例えば、淋病、おたふく風邪、結核症および梅毒のごとき感染から生じる)を含む精巣の疾患および/または障害、睾丸捻転、結節性精管炎、生殖細胞腫瘍(例えば、精上皮腫、胚性細胞癌腫、奇形癌、絨毛癌腫、卵黄嚢腫瘍および奇形腫)、間質性腫瘍(例えば、ライディッヒ細胞腫瘍)、睾丸瘤、血瘤、精索静脈瘤、精液瘤、鼠径ヘルニアおよび精子産生の障害(例えば、線毛不動症候群、無精液症、精子無力症、無精子症、精子減少症および奇形無精子症)を包含する。
生殖器系障害は、前立腺腺の障害、例えば、急性非細菌性前立腺炎、慢性非細菌性前立腺炎、急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、前立腺失調症、前立腺炎、肉芽腫性前立腺炎、マラコプラキア、良性前立腺肥大または過形成、ならびに腺癌腫、遷移性細胞癌腫、脈管癌腫および扁平上皮細胞癌腫を含む
前立腺腫瘍性障害も包含する。
さらに、本発明の組成物は、炎症性疾患、例えば、亀頭包皮炎、閉塞性乾燥性亀頭炎、包茎、嵌頓包茎、梅毒、単純ヘルペスウイルス、淋病、非淋菌性尿道炎クラミジア、マイコプラズマ、トリコモナス、HIV、AIDS、ライター症候群、尖圭コンジローム、扁平コンジロームおよび真珠様陰茎小丘疹;尿道異常、例えば、尿道下裂、尿道上裂、および包茎;ケイラー赤色肥厚症、ボーエン病、ボーエン様丘疹症、ブシュケ−レーベンシュタインの巨大コンジロームおよびいぼ状癌腫を含む前癌性病変;扁平上皮細胞癌腫、インサイツの癌腫、疣状癌腫および播種性陰茎癌腫を含む、陰茎癌;陰茎尿道癌腫、尿道球膜癌腫および前立腺尿道性癌腫を含む、尿道性腫瘍性障害;および勃起障害、例えば、持続勃起症、ペイロニー病、勃起機能障害およびインポテンツを含む、ペニスおよび尿道の障害または疾患の診断、処置および/または予防において有用であってもよい。
さらに、輸精管の疾患および/または障害は、脈管炎およびCBAVD(先天性両側性精管欠如症)を含み;さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、包虫症、先天的塩素下痢およびポリ嚢胞腎臓疾患を含む、精嚢の疾患および/または障害の診断、処置および/または予防において用いられてもよい。
男性生殖器系の他の障害および/または疾患は、例えば、クラインフェルター症候群、ヤング症候群、早漏、真性糖尿病、嚢胞性線維症、カルタゲナー症候群、高熱、多発性硬化症および女性化乳房を含む。
さらに、本発明のポリヌクレオチド、融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、細菌性膣炎、カンジダ膣炎、単純ヘルペスウイルス、軟性下疳、鼠径部肉芽腫、鼠径リンパ肉芽腫、疥癬、ヒトパピローマウイルス、膣外傷、外陰外傷、腺症、クラミジア膣炎、淋病、トリコモナス膣炎、尖圭コンジローム、梅毒、伝染性軟属腫、萎縮性膣炎、パジェット病、萎縮性硬化症、扁平苔癬、外陰痛、毒素ショック症候群、膣痙、外陰膣炎、外陰膣前庭炎、ならびに腫瘍性障害、例えば、扁平上皮細胞過形成、明細胞癌腫、基底細胞癌腫、メラノーマ、バルトリン腺癌および外陰上皮内異常増殖を含む、膣および外陰部の疾患および/または障害の診断、処置および/または予防において有用であってもよい。
子宮の障害および/または疾患は、月経困難症、後傾子宮、子宮内膜症、子宮筋腫、腺筋症、無排卵性出血、無月経、クッシング症候群、胞状奇胎、アッシャ−マン症候群、早発閉経、性的早熟、子宮ポリープ、機能不全性子宮出血(例えば、異常なホルモンシグナルに起因する)、および腫瘍性障害、例えば、腺癌腫、平滑筋肉腫および肉腫を含む。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、先天的子宮異常、例えば、双角子宮、中隔子宮、単純単角子宮、非空洞性不完全発育の角を有する単角子宮、非伝達性空洞性不完全発育の角を有する単角子宮、伝達性空洞性角を有する単角子宮、弓状子宮、完全重複子宮およびT型子宮の診断、処置および/または予防におけるマーカーまたは検出器として有用であってもよい。
卵巣疾患および/または障害は、無排卵、ポリ嚢胞卵巣症候群(スタイン・レーベンタール症候群)、卵巣嚢胞、卵巣機能低下、ゴナドトロピンへの卵巣非感受性、アンドロゲンの卵巣過剰産生、右卵巣静脈症候群、無月経、多毛症および卵巣癌(原発性および二次性癌成長、セルトリーライディッヒ腫瘍、卵巣の類子宮内膜癌腫、卵巣乳頭漿膜腺癌腫、卵巣粘液腺癌腫および卵巣クルケンベルグ腫瘍を含むが、これらに限定されない)を含む。
子宮頸疾患および/または障害は、子宮頸管炎、慢性子宮頸管炎、粘液膿性子宮頸管炎、子宮頸異形成症、子宮頸ポリープ、ナボット嚢胞、子宮膣部びらん、子宮膣部不全および子宮頸部新生物(例えば、子宮頸癌腫、扁平上皮化生、扁平上皮細胞癌腫、腺扁平上皮細胞異常増殖および円柱状細胞異常増殖を含む)を含む。
さらに、生殖器系の疾患および/または障害は、流産および死産、例えば、早期の中絶、後期の中絶、自然流産、誘発流産、治療的流産、切迫流産、稽留流産、不全流産、完全流産、習慣流産、稽留流産および敗血症流産;異所性妊娠、貧血、Rh不適合、妊娠中の膣内出血、妊娠性糖尿病、子宮内成長遅延、羊水過多症、HELLP症候群、胎盤早期剥離、前置胎盤、妊娠悪阻、子癇前症、子癇、妊娠性ヘルペスおよび妊娠性じんま疹を含む、妊娠の障害および/または疾患を包含する。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、心臓疾患、心臓障害、リウマチ性心臓疾患、先天的心臓疾患、僧帽弁逸脱、高血圧、貧血、腎臓疾患、感染症(例えば、風疹、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ症、感染性C型肝炎、クラミジア、HIV、A1LJおよび陰部ヘルペス)、真性糖尿病、グレーブス病、甲状腺炎、甲状腺機能低下症、橋本甲状腺炎、慢性活動性C型肝炎、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、喘息、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、重症筋無力症、特発性血小板減少性紫斑病、虫垂炎、卵巣嚢胞、胆嚢障害および腸閉塞を含む妊娠を困難にし得る疾患の診断、処置および/または予防において用いられてもよい。
陣痛および分娩に関連する合併症は、膜の早期破裂、早期陣痛、過期妊娠、過熟妊娠症、進行が遅すぎる陣痛、胎児仮死(例えば、異常な心拍数(胎児または母体)、呼吸困難および異常な胎児位置)、肩甲難産、臍帯脱出、羊水塞栓症および異常な子宮出血を含む。
さらに、出産後期間の疾患および/または障害は、子宮内膜炎、子宮筋層炎、子宮傍結合組織炎、腹膜炎、骨盤内血栓性静脈炎、肺塞栓症、内毒素血症、腎盂腎炎、伏在静脈静脈血栓症、乳腺炎、膀胱炎、分娩後出血および子宮反転症を含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより診断、処置および/または予防されてもよい女性生殖器系の他の障害および/または疾患は、例えば、ターナー症候群、仮性半陰陽、月経前症候群、骨盤内炎症性疾患、骨盤うっ血(血管拡張)、不感症、無オルガスム症、性交疼痛症、卵管破裂および月経中期の排卵に伴う下腹部の違和感や痛み(Mittelschmerz)を含む。
感染症
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、感染物質を処置または検出するために用いられ得る。例えば、免疫応答を増大させる、特に、Bおよび/またはT細胞の増殖および分化を増大させることにより、感染症は処置されてもよい。免疫応答は、存在する免疫応答を高めるか、または新しい免疫応答を開始させるかのいずれかにより、増大されてもよい。別法では、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、免疫応答を必ずしも導くことなく、感染物質を直接的に阻害してもよい。
ウイルスは、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置または検出され得る疾患または徴候を惹起し得る感染物質の一例である。ウイルスの例は、を含むが、これらに限定されない。ウイルスの例は、以下のDNAおよびRNAウイルスおよびウイルスファミリーを含むがこれらに限定されないウイルスの例を含むが、これらに限定されない:アルボウイルス、アデノウイルス科、アレナウイルス科、アルテリ・ウイルス、ビルナ・ウイルス科、ブニヤウイルス科、カルシ・ウイルス科、サ−コウイルス科、コロナウイルス科、デング、EBV、HIV、フラビ・ウイルス科、ヘパドナ・ウイルス科(肝炎)、ヘルペス・ウイルス科(例えば、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス、帯状疱疹)、モノネガウイルス(例えば、パラミクソウイルス科、麻疹ウイルス属、ラブドウイルス科)、オルトミクソ・ウイルス科(例えば、A型肝炎、B型肝炎およびパラインフルエンザ)、パピローマウイルス、パポバウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナ・ウイルス科、ポックスウイルス科(例えば、天然痘または牛痘)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウイルス科(HTLV−I、HTLV−11、レンチウイルス)およびトガウイルス科(例えば、ルビ・ウイルス属)。これらのファミリー内にあるウイルスは、関節炎、細気管支炎、呼吸器合胞体ウイルス、脳炎、眼感染(例えば、結膜炎、角膜炎)、慢性疲労症候群、肝炎(A、B、C、E、慢性活動性、デルタ)、B型日本脳炎、フニン、チクングンヤ熱、リフトバレー熱、黄熱病、髄膜炎、日和見感染(例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、出血性熱、はしか、おたふく風邪、パラインフルエンザ、狂犬病、一般的な風邪、ポリオ、白血病、風疹、性感染疾患、皮膚疾患(例えば、カポジ肉腫、いぼ)およびウイルス血症を含むがこれらに限定されない、様々な疾患または徴候を惹起する。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、任意のこれらの徴候または疾患を処置または検出するために用いられ得る。特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、髄膜炎、デング熱、EBV、および/または肝炎(例えば、B型肝炎)を処置するために用いられる。さらなる特定の一の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、1またはそれ以上の他の市販の肝炎ワクチンに反応しない患者を処置するために用いられる。さらに特定の一の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、AIDを処置するために用いられる。
同様に、疾患または徴候を惹起し得、および本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置または検出され得る細菌および真菌剤は、以下のグラム陰性およびグラム陽性細菌、細菌ファミリー、および菌類:アクチノミセス(例えば、放射菌(Norcardia))、アシネトバクター属、クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス、バシラス科(例えば、炭疽菌(Bacillus anthrasis))、バクテロイデス属(例えば、Bacteroides frngilis)、ブラストミセス症、ボルデテラ、Borrelia(例えば、ライム病菌(Borrelia burgdorferi))、ブルセラ菌、カンジダ、カンピロバクター、クラミジア、クロストリジウム属(例えば、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difcile)、クロストリジウム・パ−フリンジェンス(Clostridium perfringens)、Clostridiumtetani)、コクシジオイデス属、コリネバクテリウム属(例えば、ジフテリア菌毒素(Corynebacterium deptheriae))クリプトコッカス、Dermatocycoses、大腸菌(例えば、Enterotoxigenic E.coliおよびEnterohemorrhagic E.coli)、エンテロバクター属(例えば、エンセロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes))、腸内細菌科(クレブシエラ、サルモネラ(例えば、サルモネラ菌(Salmonella typhi)、ゲルトネル菌(Salmonella enteritidis)、サルモネラ菌(Salmonella typhi))、セラシア属、エルシニア属、シゲラ)、エリジペロスリックス属、ヘモフィルス(例えば、B型ヘモフィルスインフルエンザ(Haemophilus influenza))、ヘリコバクター属、レジオネラ(例えば、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila))、レプトスピラ属、リステリア(例えば、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes))、マイコプラズマ、マイコバクテリウム属(例えば、ハンセン菌(Mycobacterium leprae)およびヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis))、ビブリオ(例えば、ビブリオコレラ(Vivrio cholerae)、ナイセリア科(例えば、淋菌(Neisseria gonorrhea)、髄膜炎菌(Neisseria meningilidis))、パスツレラ属、プロテウス属、シュ−ドモナス(例えば、緑膿菌(Pseudomonas aenuginosa))リケッチア科、スピロヘ−タ(例えば、トレポネ−マ(Treponema spp).、レプトスピラ(Leptospira spp.)、ボレリア(Borrelia spp.))、赤痢菌(Shigella spp.)、ブドウ球菌(例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus))、髄膜炎菌(Meningiococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)および連鎖球菌(Streptococcus)(例えば、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)およびA、B、およびC群の連鎖球菌)、およびウレアプラズマ属を含むが、これらに限定されない。これらの細菌、寄生虫および真菌ファミリーは、抗生物質耐性感染、菌血症、心内膜炎、敗血症、眼感染(例えば、結膜炎)、ブドウ膜炎、結核症、歯肉炎、細菌下痢、日和見感染(例えば、AIDS関連感染)、爪周囲炎、プロテ−ゼ関連感染、虫歯、ライター疾患、気道感染、例えば、百日咳または蓄膿症、敗血症、ライム病、猫引っかき病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、レジオネラ疾患、慢性および急性炎症、紅斑、酵母感染、腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎(例えば、AおよびB型髄膜炎)、クラミジア、梅毒、ジフテリア、ハンセン病、ブルセラ症、消化性潰瘍、炭疽菌、自然流産、出生異常、肺炎、肺感染、耳感染、難聴、失明、無気力、不快感、嘔吐、慢性下痢、クローン病、結腸炎、膣炎、不妊、骨盤内炎症性疾患、カンジダ症、パラ結核、結核症、ループス、ボツリヌス中毒、壊疽、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、猩紅熱、性感染疾患、皮膚疾患(例えば、蜂巣炎、皮膚嚢腫)、毒血症、尿道感染、創傷感染、院内感染を含むがこれらに限定されない、疾患または徴候を惹起し得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド、任意のこれらの徴候または疾患を処置または検出するために用いられ得る。特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、破傷風、ジフテリア、ボツリヌス中毒、および/またはB型髄膜炎を処置するために用いられる。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドにより処置、予防および/または診断され得る疾患または徴候を惹起する寄生虫剤は、以下のファミリーまたはクラス:アメ−バ症、バベシア症、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症、媾疫、外部寄生虫、ランブル鞭毛虫症、蠕虫病、リーシュマニア症、住血吸虫、タイレリア症、トキソプラズマ症、トリパノソ−マ症、およびトリコモナスおよび胞子虫(例えば、三日熱マラリア原虫(Plasmodium virax)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparium)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)および卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale))を含むが、これらに限定されない。これらの寄生虫は、疥癬、ツツガムシ病、眼感染、腸疾患(例えば、赤痢、ランブル鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染(例えば、AIDSに関連する)、マラリア、妊娠合併症およびトキソプラズマ症を含むがこれらに限定されない、様々な疾患または徴候を惹起し得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、任意のこれらの徴候または疾患を処置、予防および/または診断するために用いられ得る。特定の実施態様において、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、マラリアを処置、予防および/または診断するために用いられる。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、有効量の本発明のアルブミン融合蛋白質を患者に投与するか、または患者から細胞を取り出し、その細胞へ本発明のポリヌクレオチドを与え、次いで操作した細胞を患者へ戻す(エキソビボ療法)。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、感染症に対抗する免疫応答を惹起するために、ワクチン中の抗原として用いることができる。
再生
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、細胞を分化、増殖および誘引させ、組織の再生をもたらすことができる(Science 276:59−87(1997)を参照のこと)。組織の再生は、先天的欠損、外傷(創傷、火傷、切断、または潰瘍)、年齢、疾患(例えば、骨粗しょう症、骨関節炎、歯周病、肝臓障害)、美容形成術を含む手術、繊維症、再灌流傷害または全身サイトカイン損傷による組織損傷を修復、置換または保護するために用いることができる。
本発明を用いて再生され得る組織は、器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)、脈管構造(血管およびリンパ管を含む)、神経、造血、および骨格(骨、軟骨、腱および靭帯)組織を含む。好ましくは、瘢痕化を伴わずに、または僅かな瘢痕化を伴って、再生が生じる。再生は血管新生も含んでもよい。
さらに、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、治癒困難な組織の再生を増大してもよい。例えば、腱/靭帯の再生増大は、損傷後の回復時間を短くし得る。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、損傷を回避するために予防的にも用いられ得る。処置され得る特定の疾患は、腱炎、手根管症候群および他の腱または靭帯欠陥を含む。治癒しない創傷の組織再生のさらなる一例は、床擦れ、血管不全、手術および外傷性創傷に関連する潰瘍を含む。
同様に、神経および脳組織も、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、神経細胞を増殖および分化させることにより、再生され得る。この方法を用いて処置され得る疾患は、中枢および末梢神経系疾患、ニューロパシー、または機械的および外傷性障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳血管疾患および脳卒中)を含む。特に、末梢神経傷害、末梢ニューロパシー(例えば、化学療法または他の療法から生じる)、限局性ニューロパシー、および中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ・ドレーガー症候群)に関連する疾患は全て、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置され得る。
胃腸障害
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、炎症性疾患および/または状態、感染、癌(例えば、腸新生物(小腸のカルチノイド腫瘍、小腸の非ホジキンリンパ腫、小腸リンパ腫))および潰瘍、例えば、消化性潰瘍を含む胃腸疾患を処置、予防、診断、および/または予後するために用いられてもよい。
胃腸疾患は、嚥下障害、嚥下痛、食道の炎症、消化性食道炎、胃逆流、粘膜下繊維症および狭窄、マロリー・ワイス病変、平滑筋腫、脂肪腫、表皮癌、腺癌、胃滞留障害、胃腸炎、胃萎縮、胃/胃癌、胃ポリープ、自己免疫疾患、例えば、悪性貧血、幽門狭窄、胃炎(細菌、ウイルス、好酸球性、ストレスに誘導される、慢性浸食性、萎縮性、血漿細胞、およびメネトリエ病)および腹膜疾患(例えば、乳び腹膜、血管腹膜、腸間膜嚢胞、腸間膜リンパ節炎、腸間膜血管閉塞、脂肪織炎、新生物、腹膜炎、気腹、横隔膜下腫瘍)を含む。
胃腸疾患は、小腸に関連する障害、例えば、吸収不良症候群、膨張、過敏性腸症候群、糖不耐症、セリアック病、十二指腸潰瘍、十二指腸炎、熱帯性スプル−、ウィップル病、腸リンパ管拡張症、クローン病、虫垂炎、回腸の閉塞、メッケル憩室症、多発性憩室症、小腸および大腸の完全回転障害、リンパ腫ならびに細菌および寄生虫疾患(例えば、旅行者の下痢、腸チフスおよびパラチフス、コレラ、回虫(Ascariasis lumbricoides)、鉤虫(Ancylostoma duodenale)、線虫(Enterobius vermicularis)、サナダムシ(Taenia saginata,Echinococcus granulosus,Diphyllobothrium spp.およびT.solium)による感染も含む。
肝臓疾患および/または障害は、肝内胆汁うっ滞(アラジール症候群、胆汁性肝硬変)、脂肪肝(アルコール性脂肪肝、ライ症候群)、肝静脈血栓症、肝レンズ核変性症、肝腫大、肝肺症候群、肝腎症候群、門脈圧亢進症(食道および胃静脈瘤)、肝臓化膿巣(アメーバ性肝臓化膿巣)、肝硬変(アルコール性、胆汁性および実験的)、アルコール性臓疾患(脂肪肝、C型肝炎、肝硬変)、寄生虫(肝包虫症、肝蛭症、アメーバ性肝臓化膿巣)、黄疸(溶血性、肝細胞性および胆汁うっ滞性)、胆汁うっ滞性、門脈圧亢進症、肝拡大、腹水、肝炎(アルコール性肝炎、動物肝炎、慢性肝炎(自己免疫、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、薬剤に誘導される)、毒性肝炎、ウイルスヒト肝炎(A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎)、ウィルソン病、肉芽腫性肝炎、二次性胆汁性肝硬変、肝脳症、門脈圧亢進症、静脈瘤、肝脳症、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、肝細胞腺腫、血管腫、胆石、肝臓障害(肝脳症、急性肝臓障害)および肝臓新生物(血管筋脂肪腫、石灰化肝臓転移、嚢胞肝臓転移、上皮腫瘍、繊維性層状肝細胞癌、限局性結節性過形成、肝腺腫、肝胆汁性嚢胞腺腫、肝芽細胞腫、肝細胞癌腫、肝細胞腫、肝臓癌、肝臓血管内皮腫、間葉性過誤腫、肝臓の間葉性腫瘍、結節性再生式過形成、良性肝臓腫瘍(肝嚢胞[単一の嚢胞、多数の嚢胞の肝臓疾患、肝胆汁性嚢胞腺腫、総胆管嚢胞]、間葉性腫瘍[間葉性過誤腫、幼児性血管内皮腫、血管腫、肝臓性紫斑病、脂肪腫、炎症性偽腫瘍、混合型]、上皮腫瘍[胆管上皮(胆管過誤腫、胆管腺腫)、肝細胞(腺腫、限局性結節性過形成、結節性再生式過形成)]、悪性肝臓腫瘍[肝細胞、肝芽細胞腫、肝細胞癌腫、胆管細胞、胆管癌腫、嚢胞腺癌腫、血管の腫瘍、血管肉腫、カポジ肉腫、血管内皮腫、他の腫瘍、胚性肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、癌肉腫、奇形腫、カルチノイド、扁平上皮癌腫、原発性リンパ腫])、肝臓性紫斑病、赤血球性肝性ポルフィリン症、肝性ポルフィリン症(急性間欠性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症)、ツェルヴェーガー症候群)を含む。
膵臓疾患および/または障害は、急性膵炎、慢性膵炎(急性壊死性膵炎、アルコール性膵炎)、新生物(膵臓の腺癌腫、嚢胞腺癌腫、インスリノーマ、ガストリノーマおよびグルカゴノーマ、嚢胞新生物、島−細胞腫瘍、パンクレオブラストーマ)および他の膵臓疾患(例えば、嚢胞性線維症、嚢胞(膵臓偽嚢胞、膵臓瘻、不全))を含む。
胆嚢疾患は、胆石(胆石症および総胆管結石症)、胆嚢摘出後症候群、胆嚢の憩室症、急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、胆管腫瘍および粘液嚢胞を含む。
大腸の疾患および/または障害は、抗生物質に関連する結腸炎、憩室炎、潰瘍性結腸炎、後天的巨大結腸、膿瘍、真菌および細菌感染、肛門直腸障害(例えば、亀裂、痔核)、大腸疾患(結腸炎、大腸新生物[大腸癌、腺腫性大腸ポリープ(例えば、絨毛状腺腫)、大腸癌腫、直腸結腸癌]、大腸憩室炎、大腸憩室症、巨大結腸[ヒルシュスプリング病、毒性巨大結腸];S字結腸疾患[直腸結腸炎、S字結腸新生物])、便秘、クローン病、下痢(幼児性下痢、赤痢)、十二指腸疾患(十二指腸新生物、十二指腸閉塞、十二指腸潰瘍、十二指腸炎)、腸炎(全腸炎)、FIN腸疾患、回腸疾患(回腸新生物、回腸炎)、免疫増殖性小腸疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性結腸炎、クローン病)、腸閉鎖症、寄生虫疾患(アニサキス症、バランチジウム症、ブラストシスティス感染、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症、アメーバ性赤痢、ランブル鞭毛虫症)、腸瘻(直腸瘻)、腸新生物(盲腸新生物、大腸新生物、十二指腸新生物、回腸新生物、腸ポリープ、空腸新生物、直腸新生物)、腸閉塞(輸入脚症候群、十二指腸閉塞、埋伏糞便、腸偽−閉塞直腸ヘルニア)、消化性潰瘍(十二指腸潰瘍、消化性食道炎、出血、穿孔、胃潰瘍、ゾリンジャー−エリソン症候群)、胃切除後症候群(ダンピング症候群)、胃疾患(例えば、無酸症、十二指腸胃逆流(胆汁逆流)、胃腔血管拡張症、胃瘻、胃の出口閉塞、胃炎(萎縮性または肥大性)、胃不全麻痺、胃膨張、胃憩室、胃新生物(胃癌、胃ポリープ、胃腺癌腫、過形成性胃ポリープ)、胃破裂、胃潰瘍、胃腸軸捻)、結核症、内臓下垂症、嘔吐(例えば、吐血、妊娠悪阻、術後悪心および嘔吐)および出血性結腸炎を含む。
胃腸系のさらなる疾患および/または障害は、胆管疾患、例えば、胃壁破裂、瘻(例えば、胆汁性瘻、食道瘻、胃瘻、腸瘻、膵臓瘻)、新生物(例えば、胆管新生物、食道新生物、例えば、食道の腺癌腫、食道扁平上皮細胞癌腫、胃腸新生物、膵臓新生物、例えば、膵臓の腺癌腫、膵臓の粘液嚢胞新生物、膵臓嚢胞新生物、膵芽腫および腹膜新生物)、食道疾患(例えば、水疱性疾患、カンジダ症、糖原性表皮肥厚、潰瘍化、バレット食道静脈瘤、閉鎖症、嚢胞、憩室(例えば、ツェンカー憩室)、瘻(例えば、気管食道瘻)、運動障害(例えば、CREST症候群、嚥下障害、アカラシア、けいれん、胃食道逆流)、新生物、穿孔(例えば、ブールハーフェ症候群、マロリー・ワイス症候群)、狭窄、食道炎、横隔膜ヘルニア(例えば、裂孔ヘルニア);胃腸疾患、例えば、胃腸炎(例えば、コレラ病、ノーウォークウイルス感染)、出血(例えば、吐血、メレナ、消化性潰瘍出血)、胃新生物(胃癌、胃ポリープ、胃腺癌腫、胃癌))、ヘルニア(例えば、先天的横隔膜ヘルニア、大腿ヘルニア、鼠径部ヘルニア、閉塞筋ヘルニア、へそヘルニア、腹壁ヘルニア)、および腸疾患(例えば、盲腸疾患(虫垂炎、盲腸新生物))を含む。
走化性
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、走化性活性を有してもよい。走化性分子は、炎症、感染または増殖過剰部位のごとき体内の特定部位へ、細胞(例えば、単球、線維芽、好中球、T−細胞、肥満細胞、好酸球上皮および/または内皮細胞)を誘引または動員する。次いで、動員された細胞は、特定の外傷または異常を撃退および/または治癒し得る。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、特定の細胞の走化性活性を増大してもよい。次いで、これらの走化性分子は、体内の特定位置へ標的化される細胞の数を増大させることにより、炎症、感染、過増殖性疾患または任意の免疫系障害を処置するために用いられ得る。例えば、走化性分子は、免疫細胞を損傷位置へ誘導することにより、組織の創傷および他の外傷を処置するために用いることができる。本発明の走化性分子は、創傷を処置するために用いることができる線維芽を誘引することもできる。
本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、走化性活性を阻害してもよいことも熟慮される。これらの分子は、障害を処置するためにも用いられ得る。故に、本発明の融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、走化性の阻害剤として用いられ得る。
結合活性
本発明のアルブミン融合蛋白質は、融合蛋白質の治療用蛋白質部分に結合する分子か、または融合蛋白質の治療用蛋白質部分が結合する分子についてスクリーニングするために用いられてもよい。融合蛋白質と分子の結合は、融合蛋白質または分子の結合活性を活性化(アゴニスト)、増大、阻害(アンタゴニスト)または減少してもよい。かかる分子の例は、抗体、オリゴヌクレオチド、蛋白質(例えば、受容体)または小分子を含む。
好ましくは、分子は、本発明の融合蛋白質の治療用蛋白質部分の天然リガンド、例えば、リガンドの断片または天然の基質、リガンド、構造または機能模倣物に密接に関連している(Coliganら.、Current Protocols in Immunology 1(2):Chapter 5(1991)を参照のこと)。同様に、該分子は、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分が結合する天然の受容体、または本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分(例えば、活性部位)が結合できる少なくとも1つの受容体断片に密接に関連し得る。いずれの場合でも、該分子は、知られている技法を用いて合理的に設計され得る。
好ましくは、これらの分子についてのスクリーニングは、本発明のアルブミン融合蛋白質を発現する適切な細胞の産生を含む。好ましい細胞は、哺乳類、酵母、ショウジョウバエまたは大腸菌に由来する細胞を含む。
アッセイは、単純に、本発明のアルブミン融合蛋白質と候補化合物の結合を試験してもよく、ここで、該結合は標識によってか、または標識された競合物質との競合を含むアッセイにて検出される。さらに、アッセイは、候補化合物が、融合蛋白質との結合により生じるシグナルをもたらすか否かを試験してもよい。
別法では、アッセイは、無細胞調製物、固体支持体に担持させた融合蛋白質/分子、化学ライブラリーまたは天然産物混合物を用いて行われ得る。アッセイでは、単純に、候補化合物とアルブミン融合蛋白質を含有する溶液を混合する、融合蛋白質/分子の活性または結合を測定する、および融合蛋白質/分子の活性または結合を基準と比較するという段階を含んでもよい。
好ましくは、ELISAアッセイは、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いて、試料(例えば、生体試料)中の融合蛋白質のレベルまたは活性を測定できる。抗体は、アルブミン融合蛋白質へ直接または間接的に結合させるか、または基質に関してアルブミン融合蛋白質と競合させることにより、融合蛋白質のレベルまたは活性を測定することができる。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分が結合する受容体は、当業者に知られている様々な方法、例えば、リガンドパニングおよびFACSソ−ティング(Coligan,ら.,Current Protocols in Immun.,1(2),Chapter 5,(1991))により同定され得る。例えば、融合蛋白質の治療用蛋白質部分がFGFに対応する場合、発現クローニングが行われてもよく、ここで、ポリアデニル化されたRNAは、アルブミン融合蛋白質に応答する細胞、例えば、FGFファミリー蛋白質について複数の受容体を含むことが知られているNIH3T3細胞およびSC−3細胞から調製し、そして、このRNAから作製したcDNAライブラリーをプールに分割し、次いで、COS細胞またはアルブミン融合蛋白質に応答しない他の細胞をトランスフェクションするために用いる。ガラススライド上で成長させたトランスフェクション細胞を、それらを標識した後に、本発明のアルブミン融合蛋白質に曝す。アルブミン融合蛋白質は、ヨウ素化または部位特異的な蛋白質キナーゼの認識部位の組み込みを含む、様々な手段により標識され得る。
固定化およびインキュベーションの後、スライドを、オートラジオグラフィー分析に付した。陽性プールを同定し、およびサブプールを調製し、次いで、サブプールの調製および再スクリーニングの過程を繰り返して再度トランスフェクションし、最終的に、推定受容体をコードする単一クローンを産生する。
受容体同定のための代替アプローチとして、標識されたアルブミン融合蛋白質を、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質成分の受容体分子を発現する細胞膜または抽出調製物に光親和性結合させてもよく、結合した物質をPAGE分析により分解し、次いで、X線フィルムに露光させてもよい。融合蛋白質の受容体を含む標識された複合体を切り出して、ペプチド断片へ分解し、次いで、蛋白質マイクロシークエンスを行うことができる。マイクロシークエンスから得られたアミノ酸配列を用いて、縮重したオリゴヌクレオチドのプローブのセットを設計し、cDNAライブラリーをスクリーニングして、推定受容体をコードする遺伝子を同定することができる。
さらに、遺伝子−シャフリング、モチーフ−シャフリング、エキソン−シャフリングおよび/またはコドン−シャフリング(「DNAシャフリング」と総称される)の技法を用いて、融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分またはアルブミン成分の活性を調節し、それにより、本発明のアルブミン融合蛋白質のアゴニストおよびアンタゴニストを効果的に産生させもよい。一般的に、米国特許第5,605,793号、第5,811,238号、第5,830,721号、第5,834,252号および第5,837,458号、およびPatten,P.A.,ら.,Curr.Opinion Biotechnol.8:724−33(1997);Harayama,S.TrendsBiotechnol.16(2):76−82(1998);Hansson,L.O.,ら.,J.Mol.Biol.287:265−76(1999);およびLorenzo,M.M.およびBlasco,R.BioTechnology24(2):308−13(1998)を参照のこと。これらの特許および刊行物のそれぞれは出典明示により本明細書の一部となる)。一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドおよび故にそれによりコードされるアルブミン融合蛋白質の改変は、DNAシャフリングにより成し遂げられてもよい。DNAシャフリングは、相同または部位特異的組換えにより、2またはそれ以上のDNAセグメントを所望の分子中へ組み込むことを含む。別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドおよび故にそれによりコードされるアルブミン融合蛋白質は、組換え前に、誤りがちなPCR、ランダムヌクレオチド挿入または他の方法によって、ランダム突然変異誘発に付されることにより、改変されてもよい。別の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質の1またはそれ以上の成分、モチーフ、セクション、部分、ドメイン、断片などは、1またはそれ以上の異種分子の1またはそれ以上の成分、モチーフ、セクション、部分、ドメイン、断片などと組み換えられてもよい。好ましい実施態様において、非相同分子は、ファミリーメンバーである。さらなる好ましい実施態様において、非相同分子は、成長因子、例えば、血小板に由来する成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF−I)、トランスフォ−ミング成長因子(TGF)−アルファ、上皮成長因子(EGF)、線維芽成長因子(FGF)、TGF−ベータ、骨形成蛋白質(BMP)−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、アクチビンAおよびB、デカペンタプレジック(dpp)、60A、OP−2、ドルサリン(dorsalin)、成長分化因子(GDFs)、ノ−ダル(nodal)、MIS、インヒビン−アルファ、TGF−bら、TGF−ベータ2、TGF−ベータ3、TGF−ベータ5およびグリアに由来する神経栄養因子(GDNF)である。
他の好ましい断片は、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分および/またはアルブミン成分の生物活性のある断片である。生物活性のある断片は、本発明のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分および/またはアルブミン成分の活性と同一である必要はないが類似する活性を示すものである。断片の生物活性は、所望の活性の増大または所望でない活性の減少を含んでもよい。
さらに、本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質の作用を調節するものを同定するための化合物をスクリーニングする方法を提供する。かかるアッセイの例は、線維芽細胞が正常に増殖し得る細胞培養条件下にて、哺乳類の線維芽細胞、本発明のアルブミン融合蛋白質およびスクリーニングしようとする化合物および[H]チミジンを合わせることを含む。対照アッセイを、スクリーニングされるべき化合物の不在にて行い、次いで、化合物の存在下における線維芽増殖の量と比較し、各場合における[H]チミジンの取り込みを測定することにより、化合物が増殖を刺激するか否かを決定してもよい。線維芽細胞増殖の量は、[H]チミジンの取り込みを測定する液体シンチレーションクロマトグラフィーにより測定される。アゴニストおよびアンタゴニスト化合物は共にこの方法により同定されてもよい。
別の方法では、本発明の融合蛋白質の治療用蛋白質の受容体を発現する哺乳類細胞または膜調製物を、化合物の存在下にて、標識された本発明の融合蛋白質と一緒にインキュベーションする。次いで、この相互作用を亢進または遮断する化合物の能力を測定することができる。別法では、スクリーニングされた化合物と受容体の相互作用後、知られている第2のメッセンジャー系の応答を測定し、そして、受容体へ結合し、かつ第2のメッセンジャー応答を誘導する化合物の能力を測定し、化合物が潜在的な融合蛋白質であるか否かを決定する。かかる第2のメッセンジャー系は、cAMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャネルまたはホスホイノシチド加水分解を含むが、これらに限定されない。
これらの上記アッセイの全ては、診断または予後マーカーとして用いられ得る。これらのアッセイを用いて見出される分子は、融合蛋白質/分子を活性化または阻害することにより、患者において疾患を処置するか、または特定の結果(例えば、血管成長)をもたらすために用いることができる。さらに、アッセイは、適切に操作された細胞または組織から、本発明のアルブミン融合蛋白質の産生を阻害または亢進し得る物質を見出すこともできる。
それ故に、本発明は、(a)本発明のアルブミン融合蛋白質と一緒に候補結合化合物をインキュベーションし;次いで、(b)結合が生じたかを決定する:工程を含む、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する化合物の同定方法を包含する。さらに、本発明は、(a)本発明のアルブミン融合蛋白質と一緒に候補化合物をインキュベーションし、(b)生物活性をアッセイし、次いで、(b)融合蛋白質の生物活性が改変されたかを決定する:工程を含む、アゴニスト/アンタゴニストの同定方法を包含する。
標的デリバリー
別の実施態様において、本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質の成分についての受容体を発現している標的細胞へ組成物を送達する方法を提供する。
上記のように、本発明の融合蛋白質を、疎水性、親水性、イオン性および/または共有的相互作用を介して、異種ポリペプチド、異種核酸、毒素またはプロドラッグと結合させてもよい。一の実施態様において、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸に結合させた本発明の融合蛋白質(抗体を含む)を投与することにより、本発明の組成物を細胞へ特異的に送達させるための方法を提供する。一の実施例では、本発明は、標的細胞中へ治療用蛋白質を送達させるための方法を提供する。別の実施例では、本発明は、一本鎖核酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)または二本鎖核酸(例えば、細胞のゲノムへ組み込まれるか、またはエピソームとして複製でき、および転写され得るDNA)を標的細胞中へ送達させるための方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、毒素または細胞傷害性プロドラッグと共に、本発明のアルブミン融合蛋白質(例えば、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体)を投与することにより、細胞を特異的破壊(例えば、腫瘍細胞の破壊)するための方法を提供する。
「毒素」により、内因性の細胞傷害エフェクター系に結合しおよびそれを活性化させる化合物、放射性同位元素、ホロ毒素、修飾された毒素、毒素の触媒サブユニット、或いは細胞内または細胞表面上に通常存在せず、所定の条件下にて細胞死を惹起する任意の分子または酵素が意味される。本発明の方法に従って用いられてもよい毒素は、当該技術分野において知られている放射性同位元素、例えば、固有または誘導された内因性細胞傷害エフェクター系に結合する抗体(またはその部分を含む補体結合)のごとき化合物、チミジンキナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、アルファ毒素、リシン、アブリン、シュ−ドモナス(Pseudomonasexotoxin)外毒素A、ジフテリア毒素アポリン、モモルジン、ゲロニン、ヤマゴボウ抗ウイルス蛋白質、アルファ−サルシンおよびコレラ毒素を含むが、これらに限定されない。「細胞傷害性プロドラッグ」により、通常、細胞中に存在する酵素により、細胞傷害性化合物へ変換される無毒の化合物が意味される。本発明の方法に従って用いられてもよい細胞傷害性プロドラッグは、安息香酸マスタードアルキル化剤のグルタミル誘導体、エトポシドまたはマイトマイシンCのホスフェート誘導体、サイトシンアラビノサイド、ダウノルビシンおよびドキソルビシンのフェノキシアセトアミド誘導体を含むが、これらに限定されない。
薬剤スクリーニング
本発明のアルブミン融合蛋白質またはアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対応する蛋白質の活性を修飾する分子についてスクリーニングするための、本発明のアルブミン融合蛋白質またはこれらの融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドの使用がさらに熟慮される。かかる方法は、アンタゴニストまたはアゴニスト活性を有すると考えられる一または複数の選択された化合物と融合蛋白質を接触させ、次いで、結合後の融合蛋白質の活性をアッセイすることを含み得る。
本発明は、任意の様々な薬剤スクリーニング技法において、本発明のアルブミン融合蛋白質または結合その断片を用いることにより、治療用化合物をスクリーニングするために特に有用である。かかる試験にて用いられるアルブミン融合蛋白質は、固体支持体へ固定させてもよく、細胞表面上で発現させてもよく、溶液中に遊離してもよく、または細胞内に位置付けられてもよい。薬剤スクリーニングの一の方法は、アルブミン融合蛋白質を安定に発現している組換え核酸を用いて安定に形質転換された真核または原核宿主細胞を利用する。薬剤は、競合的結合アッセイにおいて、かかる形質転換細胞またはかかる細胞の培養から得られる上清に対して、スクリーニングされる。例えば、処置されるべき剤と本発明のアルブミン融合蛋白質の間の複合体の形成を測定してもよい。
故に、本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質に仲介される活性に作用する薬剤または任意の他の剤についてスクリーニングする方法を提供する。これらの方法は、当該技術分野においてよく知られている方法により、本発明のアルブミン融合蛋白質またはその断片とかかる剤を接触させ、次いで、該剤とアルブミン融合蛋白質またはその断片の間の複合体の存在についてアッセイすることを含む。かかる競合的結合アッセイにおいて、スクリーニングのための剤は典型的に標識されている。インキュベーションの後、遊離の物質を、結合形態で存在しているものから分離し、そして、遊離型または複合体化されていない標識の量が、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する特定の物質の能力の尺度となる。
薬剤スクリーニングのための別の技法は、本発明のアルブミン融合蛋白質に対して適当な結合親和性を有する化合物についての、ハイスループットスクリーニングを提供し、および欧特許出願84/03564(1984年9月13日公開)にて非常に詳細に記載されている。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。簡潔に言うと、大量の異なる小ペプチド試験化合物は、固体担体、例えば、プラスチックピンまたは何らかの表面上で合成される。ペプチド試験化合物を本発明のアルブミン融合蛋白質と反応させ、洗浄する。次いで、結合されたペプチドは、当該技術分野においてよく知られている方法により検出される。精製されたアルブミン融合蛋白質は、前記の薬剤スクリーニング技法において用いるために、プレート上に直接コーティングされてもよい。加えて、非中和抗体を用いて、ペプチドを捕捉し、およびそれを固体支持体上に固定してもよい。
本発明は、競合的薬剤スクリーニングアッセイの使用も熟慮され、ここで、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合し得る中和抗体は、アルブミン融合蛋白質またはその断片に結合する試験化合物と特異的に競合する。この方法では、抗体は、本発明のアルブミン融合蛋白質と1またはそれ以上の抗原性エピトープを共有する任意のペプチドの存在を検出するために用いられる。
結合ペプチドおよび他の分子
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合するポリペプチドおよび非ポリペプチドを同定するためのスクリーニング方法ならびにそれにより同定される結合分子も包含する。これらの結合分子は、例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質のアゴニストおよびアンタゴニストとして有用である。かかるアゴニストおよびアンタゴニストは、以下に詳細に記載する治療的な実施態様において、本発明に従って用いることができる。
この方法は、本発明のアルブミン融合蛋白質を複数の分子と接触させ;次いで、アルブミン融合蛋白質に結合する分子を同定する;という工程を含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質と複数の分子と接触させる工程は、多数の様式で行われてもよい。例えば、アルブミン融合蛋白質を固体支持体上に固定化し、次いで、複数分子の溶液を固定化したポリペプチドと接触させることも熟慮されてよい。かかる方法は、アフィニティーマトリックスが固定化させた本発明のアルブミン融合蛋白質から構成される、アフィニティークロマトグラフィー法と同種であり得る。次いで、アルブミン融合蛋白質について選択親和性を有する分子は、アフィニティー選択により精製され得る。固体支持体の性質、アルブミン融合蛋白質と固体支持体の結合についての過程、溶媒およびアフィニティー分離または選択の条件は、概して慣用的であり、および当業者によく知られている。
別法では、複数のポリペプチドを、個々のポリペプチドまたはそのサブセットを含むフラクションへ実質的に分離してもよい。例えば、ゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィーまたはポリペプチドの分離について当業者に知られている同様の方法により、複数のポリペプチドを分離できる。個々のポリペプチドは、形質転換された宿主細胞(例えば、組換えファージ)によって、その外表面上またはその周囲で発現されるように、作製することができる。次いで、所望により、発現が必要とされる場合は、誘導物質の存在下にて、個々の単離物を本発明のアルブミン融合蛋白質により「プローブ化」し、任意の選択的アフィニティー相互作用がアルブミン融合蛋白質および個々のクローンの間で生じるかを決定することができる。個々のポリペプチドを含む各フラクションとアルブミン融合蛋白質を接触させる前に、さらなる利便性のために、ポリペプチドをまず固体支持体に転写することができる。かかる固体支持体は単に1つのフィルターメンブレン、例えば、ニトロセルロースまたはナイロンからつくられたものであってもよい。この方法で、陽性クローンを、発現ライブラリーの形質転換された宿主細胞のコレクションから同定することができ、本発明のアルブミン融合蛋白質について選択親和性を有するポリペプチドをコードするDNAコンストラクトを提供する。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質について選択親和性を有するポリペプチドのアミノ酸配列を、慣用的手段により直接的に測定することができ、またはポリペプチドをコードするDNAコードのコーディング配列は、多くの場合、より都合よく測定することができる。次いで、一次配列が対応するDNA配列から推定され得る。アミノ酸配列がポリペプチドそれ自体から決定される必要があるならば、マイクロシークエンス技法を用いてもよい。該シークエンス技法は、質量分析を含んでもよい。
特定の状況において、選択親和性相互作用の存在を決定または検出する前に、本発明のアルブミン融合蛋白質と複数のポリペプチドの混合物から、結合していない任意のポリペプチドを洗い流すことが所望されてもよい。かかる洗浄工程は、本発明のアルブミン融合蛋白質または複数のポリペプチドが固体支持体に結合している場合、特に所望されてもよい。
この方法に従って提供される複数の分子は、本発明のアルブミン融合蛋白質に特異的に結合する分子についてスクリーニングされ得る、多様なライブラリー、例えば、ランダムまたはコンビナトリアルペプチドまたは非ペプチドライブラリーにより提供されてもよい。使用できる多くのライブラリー、例えば、化学合成されたライブラリー、組換え(例えば、ファージディスプレイライブラリー)およびインビトロでの翻訳に基づくライブラリーは、当該技術分野において知られている。化学合成されたライブラリーは、Fodorら.,Science 251:767−773(1991);Houghtenら.,Nature 354:84−86(1991);Lamら.,Nature 354:82−84(1991);Medynski,Bio/Technology 12:709−710(1994);Gallopら.,J.Medicinal Chemistry 37(9):1233−1251(1994);Ohlmelyerら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922−10926(1993);Erbら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422−11426(1994);Houghtenら.,BioTechnology 13: 412(1992);Jayawickremeら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1614−1618(1994);Salmonら.,Proc.Natl.Acad.Sci. USA 90:11708−11712(1993);PCT公開 WO 93/20242;およびBrennerおよびLemer,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:5381−5383(1992)に記載されている。
ファージディスプレイライブラリーの例は、Scottら.,Science 249:386−390(1990);Devlinら.,Science,249:404−406(1990);Christianら.,1992,J.Mol.Biol.227:711−7181992);Lenstra,J.Immunol.Meth.152:149−157(1992);Kayら.,Gene128:59−65(1993);およびPCT公開WO 94/18318(1994年8月18日)に記載されている。
インビトロでの翻訳に基づくライブラリーは、PCT公開 WO 91/05058(1991年4月18日);およびMattheakisら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9022−9026(1994)に記載のものを含むが、これらに限定されない。
非ペプチドライブラリーの例としては、ベンゾジアゼピンライブラリー(例えば、Buninら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:47084712(1994)を参照のこと)が使用に適用できる。ペプトイドライブラリー(Simonら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367−9371(1992))も用いられ得る。化学変換されたコンビナトリアルライブラリーを作製するためにペプチドのアミド官能基がペルメチル化された、使用可能なライブラリーの別の例は、Ostreshら.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11138−11142(1994))に記載されている。
本発明において有用な様々な非ペプチドライブラリーは卓越している。例えば、EckerおよびCrooke(Bio/Technology 13:351−360(1995)は、様々なライブラリーの基礎を形成する化学種として、ベンゾジアゼピン、ヒダントイン、ピペラジンジオン、ビフェニル、糖アナログ、ベータ−メルカプトケトン、アリ−ル酢酸、アシルピペリジン、ベンゾピラン、クバン、キサンチン、アミニミドおよびオキサゾロンを記載している。
非ペプチドライブラリーは概して2つの型:修飾モノマーおよびオリゴマーに分類できる。装飾されたモノマーライブラリーは、比較的単純な足場構造を利用し、そこへ様々な官能基が付加される。多くの場合、足場は、知られている有用な薬理活性を有する分子であり得る。例えば、足場はベンゾジアゼピン構造であってもよい。
非ペプチドオリゴマーライブラリーは大量のモノマーを利用し、これを一緒にアセンブリし、モノマーの順序に応じて新しい形状を作り出す。用いられるモノマー単位には、カルバマート、ピロリノンおよびモルホリノがある。側鎖がアルファ炭素ではなくアルファアミノ基に結合しているペプチド様オリゴマー、ペプトイドは、非ペプチドオリゴマーライブラリーの別の形式の基礎となる。初期の非ペプチドオリゴマーライブラリーでは一種類のモノマーを利用し、それ故に、繰り返し骨格を含んでいた。最近のライブラリーは1以上のモノマーを利用し、ライブラリーには柔軟性がある。
ライブラリーのスクリーニングは、任意の様々な一般的に知られている方法により成し遂げられ得る。例えば、ペプチドライブラリーのスクリーニングを開示している以下の参考文献:Parsleyら.,Adv.Exp.Med.Biol.251:215−218(1989);Scottら,.Science 249:386−390(1990);Fowlkesら.,BioTechnology 13:422427(1992);Oldenburgら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5393−5397(1992);Yuら.,Cell 76:933−945(1994);Staudtら.,Science241:577−580(1988);Bockら.,Nature 355:564−566(1992);Tuerkら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:6988−6992(1992);Ellingtonら.,Nature355:850−852(1992);米国特許第5,096,815号,米国特許第5,223,409号および米国特許第第5,198,346号,全てLadnerら.;Rebarら.,Science 263:671−673(1993);およびPCT公開WO 94/18318を参照のこと。
特定の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質に結合する分子を同定するためのスクリーニングは、固定相に固定化された本発明のアルブミン融合蛋白質とライブラリーメンバーを接触させ、次いで、アルブミン融合蛋白質に結合するライブラリーメンバーを回収することにより行うことができる。「パニング」技法と言われる、かかるクリーニング方法の例は、Parmleyら.,Gene 73:305−318(1988);Fowlkesら.,BioTechnology 13:422−427(1992);PCT公開 WO 94/18318;および本明細書中にて引用されている参考文献に例として記載されている。
別の実施態様において、酵母において相互作用蛋白質を選択するための2つのハイブリッド系(Fieldsら.,Nature 340:245−246(1989);Chienら.,Proc.Nat1.Acad.Sci.USA 88:9578−9582(1991)は、本発明のポリペプチドに特異的に結合する分子を同定するために用いられ得る。
結合分子がポリペプチドである場合、ポリペプチドは有意に、ランダムペプチドライブラリー、コンビナトリアルペプチドライブラリーまたはバイアスペプチドライブラリーを含む任意のペプチドライブラリーから選択され得る。本明細書中、用語「バイアス」は、この場合はペプチドである得られる分子のコレクションの多様性を調節する1またはそれ以上のパラメーターを制限するように、ライブラリーの作製方法を操作することを意味する。
故に、真のランダムペプチドライブラリーは、ペプチドのコレクションを生じ得、ここで、ペプチドの特定位置で特定のアミノ酸を見出す確率は、20種のアミノ酸全てについて同じである。しかし、例えば、リジンがアミノ酸5個ごとに存在し、またはデカペプチドライブラリーの4、8および9番目の位置を固定してアルギニンのみを含むように特定化することにより、バイアスをライブラリーに導入することができる。明らかに、多くの型のバイアスが熟慮され得、そして本発明は任意の特定のバイアスに限定されない。さらに、本発明は、特定の型のペプチドライブラリー、例えば、ファージディスプレイペプチドライブラリーおよびDNAインサートを有するラムダファージベクターを含むDNAコンストラクトを利用するものを熟慮する。
上記したように、結合分子がポリペプチドである場合、ポリペプチドは、約6個〜約60個未満のアミノ酸残基、好ましくは、約6個〜約10個のアミノ酸残基、および最も好ましくは、約6個〜約22個のアミノ酸を有してもよい。別の実施態様において、結合ポリペプチドは、15〜100個のアミノ酸または20〜50個の範囲のアミノ酸を有する。
選択された結合ポリペプチドは、化学合成または組換え発現により得ることができる。
他の活性
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、血栓症、動脈硬化症のごとき様々な疾患状態および他の心血管状態に起因する、虚血組織の再血管新生を刺激するための処置において用いられてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、上記のように、血管新生および肢再生を刺激するために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、傷害、火傷、術後の組織修復および潰瘍に起因する創傷を処置するために用いられてもよく、というのも、それらは、異なる器官の様々な細胞、例えば、線維芽細胞および骨格筋細胞に対して分裂促進的であり、およびそれ故に、損傷または疾患組織の修復またはの置換を促進するからである。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ニューロンの成長を刺激し、および特定のニューロン性障害または神経変性状態、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびAIDS関連合併症にて生じるニューロンの損傷を処置および予防するために用いられてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、軟骨細胞の成長を刺激する能力を有してもよく、それ故に、それらは、骨および歯根の再生を増強するため、および組織移植または骨移植を補助するために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、ケラチノサイトの成長を刺激することで、日焼けに起因する皮膚老化を防ぐために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、脱毛を防ぐために用いられてもよい。同じように、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、他のサイトカインと組み合わせて用いられる場合、造血細胞および骨髄細胞の成長および分化を刺激するために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、移植前の器官を維持するためか、または一次組織の細胞培養を支持するために、用いられてもよい。本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、初期の胚における分化のために、中胚葉に由来する組織を誘導するために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、上記したような造血系以外に、胚性幹細胞の分化または増殖を増大または減少させるために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、哺乳類の特徴、例えば、身長、体重、髪の色、眼の色、皮膚、脂肪組織のパーセンテージ、色素沈着、大きさおよび形状(例えば、美容手術)を調節するために用いられてもよい。同様に、本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、エネルギーの異化、同化、処理、利用および貯蔵に作用する哺乳類の代謝を調節するために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、バイオリズム、caricadicリズム、鬱(鬱障害を含む)、暴力癖、疼痛への耐性、生殖能力(好ましくはアクチビンまたはインヒビン様活性により)、ホルモンまたは内分泌レベル、食欲、性欲、記憶、ストレスまたは他の認識できる性質に作用することにより、哺乳類の精神状態または身体状態を変化させるために用いられてもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質および/または本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、食品添加物または防腐剤として用いて、例えば、貯蔵能、脂肪含有量、脂質、蛋白質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子または他の栄養成分を増強または低下させてもよい。
上記の適用は、多種多様な宿主において使用される。かかる宿主は、ヒト、ネズミ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、マウス、ラット、ハムスター、ブタ、ミニブタ、ニワトリ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ヒトでない霊長類およびヒトを含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、宿主は、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ニワトリ、ラット、ハムスター、ブタ、ヒツジ、イヌまたはネコである。好ましい実施態様において、宿主は哺乳類である。最も好ましい実施態様において、宿主はヒトである。
本発明は概括的に記載されているが、以下の実施例を参照することにより容易に理解されよう。該実施例は例示のために提供されており、これらに決して限定されない。
さらなる記載がなくとも、当業者は、前記記載および以下の例示的な実施例を用いて、本発明にて認められる変更を行い、利用し、および特許請求の範囲の方法を実施することができよう。従って、以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を特に示しているが、残りの開示内容をなんら限定するものではない。
実施例1:pScNHSAおよびpScCHSAの生成
ベクターpScNHSA(ATCC受託番号PTA−3279)およびpScCHSA(ATCC受託番号PTA−3276)は、pPPC0005(ATCC受託番号PTA−3278)の派生物である。それらをクローニングベクターとして用いる。そこでは、治療用蛋白質、またはその断片または変異体をコードするポリヌクレオチドが、ヒト血清アルブミン「HSA」をコードするポリヌクレオチドと隣接し、かつ翻訳フレーム内に挿入されている。pScCHSAを治療用蛋白質−HSA融合物を生成するために用い、一方pScNHSAをHSA−治療用蛋白質融合物を生成するために用い得る。
pScCHSA:アルブミン部分のC末端と治療用蛋白質のアルブミン融合物の生成
pPPC0005のキメラHSAシグナルペプチドをコードする核酸配列を変えて、XhoIおよびClaI制限酵素認識部位を含ませることで、治療用蛋白質のN−末端をコードするDNAの成熟アルブミン蛋白質をコードするDNAへのクローニングを促進するベクターを作製した。
まず、pPP0005をXhoIおよびClaIで消化し、T4DNAポリメラーゼで突出末端を充填し、次に、平滑末端を再びライゲーションすることで、pPP0005に固有のXhoIおよびClaI部位(ADH1終結配列の3’に位置する)を取り除き、pPPC0006を作製した。
次に、2ラウンドのPCRを用い、pPPC0006中のHSAのシグナルペプチド(HSAリーダーのキメラおよび接合因子αである「MAF」由来のkex2部位)をコードする核酸配列内にXhoIおよびClaI制限酵素認識部位を設計した。1ラウンド目のPCRにおいては、配列番号:36および配列番号:37として示すプライマーを用いた増幅を行った。配列番号:36として配列を示すプライマーは、HSAのシグナルペプチドの一部、接合因子αのリーダー配列由来のkex2部位、および成熟型HSAのアミノ末端部分を含むものである。4個の点変異を配列に導入し、それにより、キメラシグナルペプチドと成熟型HSAの結合部に見られるXhoIおよびClaI部位を作製した。以下に示す配列において、これら4個の変異に下線を付す。pPPC0005では、これら4ヶ所の位置のヌクレオチドは、5’から3’の順にT、G、T、そしてGである。
5’-GCCTCGAGAAAAGAGATGCACACAAGAGTGAGGTTGCTCATCGATTTAAAGATTTGGG-3’(配列番号:36)、および
5’-AATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCTCTTTTCTCGAGGCTCCTGGAATAAGC-3’(配列番号:37)。次に、2ラウンド目のPCRを上流に隣接するプライマー5’-TACAAACTTAAGAGTCCAATTAGC-3’(配列番号:38)、および下流に隣接するプライマー5’−CACTTCTCTAGAGTGGTTTCATATGTCTT-3’(配列番号:39)を用いて行った。次に、生じたPCR産物を精製し、AflIIおよびXbaIで消化し、pPPC0006の同じ部位にライゲーションして、pScCHSAを作製した。生じたプラスミドは、シグナル配列内に設計したXhoIおよびClaI部位を有する。XhoI部位の存在により、シグナル配列の最後に1アミノ酸の変化(LDKRからLEKR)が作製される。5’SalI部位(これはXhoI部位と互換性がある)および3’ClaI部位を有するアルブミン融合蛋白質の治療用部分をコードするポリヌクレオチドを含む核酸配列が、pScCHSAのXhoIおよびClaI部位にライゲーションされると、DからEへの変化は、最終的なアルブミン融合蛋白質の発現プラスミド中に存在しなくなる。SalIのXhoIへのライゲーションは、シグナルペプチド配列のオリジナルのアミノ酸配列を保存する。アルブミン融合蛋白質の治療用部分をコードするDNAを、Kex2部位(Kex2は、シグナルペプチドの終わりにある2塩基性アミノ酸配列KRに結合する)の後、ClaI部位の前で挿入する。
pscNHSA:アルブミン部分のN末端と治療用蛋白質のアルブミン融合物の生成
3個の8塩基対制限酵素認識部位をpScCHSAに付加することで、治療用蛋白質のC末端をコードするDNAの成熟アルブミン蛋白質をコードするDNAへのクローニングを促進するベクターを作製した。成熟HSA蛋白質をコードする核酸配列の終わりのBsu36IとHindIII部位の間に、AscI、FseI、およびPmeI制限酵素認識部位を付加した。これは、下線を付したAscI、FseI、およびPmeI制限酵素認識部位を含有する2つの相補的合成プライマー(配列番号:40および配列番号:41)の使用により、なし得た。
5’-AAGCTGCCTTAGGCTTATAATAAGGCGCGCCGGCCGGCCGTTTAAACTAAGCTTAATTCT-3’(配列番号:40)、および
5’-AGAATTAAGCTTAGTTTAAACGGCCGGCCGGCGCGCCTTATTATAAGCCTAAGGCAGCTT-3’(配列番号:41)。これらのプライマーをアニーリングし、Bsu36IおよびHindIIIで消化し、pScCHSAの同じ部位にライゲーションして、pScNHSAを作製した。
実施例2:酵母形質転換のための一般的なコンストラクトの生成
ベクターpScNHSAおよびpScCHSAをクローニングベクターとして用い得る。そこでは、治療用蛋白質、またはその断片または変異体をコードするポリヌクレオチドが、成熟ヒト血清アルブミンである「HSA」をコードするポリヌクレオチドに隣接して挿入されている。pScCHSAを治療用蛋白質−HSA融合物の生成に用い、一方pScNHSAをHSA−治療用蛋白質融合物の生成に用いることができる。
HSA−治療用蛋白質融合産物を含むアルブミン融合コンストラクトの生成
融合コンストラクトの生成を(例えば、制限酵素認識部位の付加、シームレスな融合物のコード化、リンカー配列のコード化などにより)促進するプライマーを用いて、治療用蛋白質をコードするDNA(例えば、配列番号:Xにおいて示す配列、または当該技術分野で知られた配列)をPCR増幅する。例えば、当業者は、治療用蛋白質をコードするDNAの5’末端に、成熟型HSAの最後の4アミノ酸をコードする(かつ、Bsu36I部位を含有する)ポリヌクレオチドを付加した5’プライマー;および治療用蛋白質コード配列の3’末端に、終止コドンおよび適当なクローニングサイトを付加した3’プライマーを設計し得る。例えば、治療用蛋白質をコードするDNAの増幅に用いられるフォワードプライマーは、配列5’-aagctGCCTTAGGCTTA(N)15−3’(配列番号:42)(下線を付した配列はBsu36I部位であり、大文字のヌクレオチドは成熟HSA蛋白質の最後の4アミノ酸(ALGL)をコードし、そして(N)15は目的の治療用蛋白質をコードする最初の15ヌクレオチドと一致する)を有し得る。同様に、治療用蛋白質をコードするDNAの増幅に用いられるリバースプライマーは、配列
Figure 0005568582
(イタリック体の配列はPmeI部位であり、二重の下線を付した配列はFseI部位であり、下線を付した配列はAscI部位であり、四角で囲ったヌクレオチドは2つのタンデムな終止コドンの逆向きの相補鎖であり、そして(N)15は目的の治療用蛋白質をコードする最後の15ヌクレオチドの逆向きの相補鎖と一致する)を有し得る。PCR産物を増幅させ、それをBsu36IおよびAscI、FseI、またはPmeIの1つで消化し、pScNHSAにライゲーションする。
HSAキメラリーダー配列中のXhoI部位の存在により、LDKR(配列番号:44)からLEKR(配列番号:45)の1アミノ酸変化がキメラシグナル配列、すなわち、HSA−kex2シグナル配列の終わりに作製される。
遺伝子−HSA融合産物を含むアルブミン融合コンストラクトの生成
上述の方法と同様に、次のプライマー:治療用蛋白質をコードする5’末端に、SalI部位を含有し、HSAリーダー配列の最後の3アミノ酸DKRをコードするポリヌクレオチドを付加した5’プライマー;および治療用蛋白質をコードするDNAの3’末端に、ClaI部位を含有する成熟HSAの最初の数アミノ酸を付加した3’プライマーを用いて、治療用蛋白質をコードするDNAを増幅する。例えば、治療用蛋白質をコードするDNAの増幅に用いられるフォワードプライマーは、配列5’−aggagcgtcGACAAAAGA(N)15−3’(配列番号:46)(下線を付した配列は、SalI部位であり、大文字のヌクレオチドはHSAリーダー配列の最後の3アミノ酸(DKR)をコードし、そして(N)15は目的の治療用蛋白質をコードする最初の15ヌクレオチドと一致する)を有し得る。同様に、治療用蛋白質をコードするDNAの増幅に用いられるリバースプライマーは、配列
Figure 0005568582
(イタリック体の配列はClaI部位であり、下線を付したヌクレオチドは成熟型HSAの最初の9アミノ酸(DAHKSEVAH、配列番号:48)の逆向きの相補鎖であり、そして(N)15は目的の治療用蛋白質をコードする最後の15ヌクレオチドの逆向きの相補鎖と一致する)を有し得る。PCR産物を増幅し、SalIおよびClaIで消化し、XhoIおよびClaIで消化したpScCHSAにライゲーションする。異なるシグナルまたはリーダー配列、例えば、インベルターゼ「INV」(Swiss−Protアクセション番号P00724)、接合因子α「MAF」(Genbankアクセション番号AAA18405)、MPIF(Genseq AAF82936)、フィブリンB(Swiss−Protアクセション番号P23142)、クラスタリン(Clusterin)(Swiss−Protアクセション番号P10909)、インスリン様成長因子−結合蛋白質4(Swiss−Protアクセション番号P22692)が好ましく、当該技術分野で知られた標準的方法により、適当なベクターに順列のHSAリーダー配列をサブクローニングできる。
酵母(Yaset S. cerevisiae)における発現に合ったアルブミン融合コンストラクトの生成
次に、LEU2選択マーカーを有するpSAC35のNotI部位に、pScNHSAまたはpScCHSAから生成したN−末端またはC−末端アルブミン融合蛋白質のいずれかをコードするDNAを含有するNotI断片をクローニングする。
実施例3:酵母における一般的発現
酢酸リチウム形質転換法、エレクトロポレーション法、または当該技術分野で知られた他の方法および/またはSambrook,Fritsch,and Maniatis.1989.“Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd edition”,volumes1−3、およびAusubel ら.2000.Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School“Current Protocols in Molecular Biology”,volumes1−4の一部に記載の他の方法により、酵母発現に合った発現ベクターを酵母に形質転換することができる。形質転換により、エス・セレビシア株DXY1、D88、またはBXP20に発現ベクターを導入し、個々の形質転換体を、例えば、YEPD(1%w/v 酵母エキス、2%w/v ペプトン、2%w/v デキストロース)10mL中、30℃にて3日間成長させ、成長の60時間後の静止期で、細胞を回収することができる。3000gで10分間遠心して、細胞を回収する。
pSAC35(Sleepら.,1990,BioTechnology8:42および図3を参照)は、LEU選択マーカーに加えて、複製機能をもたらすための完全な酵母2μmプラスミド、PRB1プライマー、およびADH1終結シグナルを含む。
実施例4:酵母においてアルブミン融合物から発現したアルブミン融合蛋白質の一般的精製
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、成熟型治療用蛋白質またはその部分(例えば、表1に挙げた成熟型治療用蛋白質、または表2において配列番号:Zとして示す成熟型治療用蛋白質)のN−またはC−末端のいずれかと融合した成熟型HSAを含む。本発明の1つの実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質はさらに、発現に用いられる宿主の分泌経路において新生融合ポリペプチドを指示するシグナル配列を含む。好ましい実施態様において、シグナル配列によりコードされるシグナルペプチドが取り除かれ、成熟アルブミン融合蛋白質が培地に直接分泌される。好ましくは、本発明のアルブミン融合蛋白質は、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラスタリン、インスリン様成長因子結合蛋白質4を含む(しかし、これらに限定されない)異種性シグナル配列(例えば、特定の治療用蛋白質の本来ないシグナル配列)、キメラHSA/MAFリーダー配列を含む(しかし、これに限定されない)変異体HSAリーダー配列、または当該技術分野で知られた他の異種性シグナル配列を含む。特に好ましくは、表2に挙げたシグナル配列、および/または明細書の上記セクション「融合蛋白質の発現」および/または「アルブミン融合蛋白質の組換え体および合成産生のさらなる方法」において挙げたシグナル配列である。好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質はさらに、N−末端メチオニン残基を含む。断片および/または変異体を含むこれらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
次の通り、Dyaxペプチドアフィニティーカラムを通して小スケールで上記の酵母で発現されたアルブミン融合蛋白質を精製できる。アルブミン融合蛋白質発現酵母由来の上清を、3mM リン酸緩衝液 pH6.2、20mM NaCl、および0.01% Tween20に対してダイアフィルトレーションして体積を減らし、かつ色素を除去する。次に、溶液を0.22μmの装置に通して濾過する。濾液をDyaxペプチドアフィニティーカラムにロードする。カラムを100mM トリス/HClバッファー、pH8.2を用いて溶出する。蛋白質含有ピーク画分を回収し、5倍に濃縮後、SDS−PAGEにて分析する。
ラージスケールの精製には、次の方法を利用することができる。2Lを超える上清をダイアフィルトレーションし、20mMのトリス/HCl、pH8.0中、500mLに濃縮する。濃縮した蛋白質溶液を予め平衡化した50mLのDEAE−セファロースファーストフローカラムにロードし、カラムを洗浄し、蛋白質を直線的勾配のNaCl(20mM トリス/HCl、pH8.0中の0から0.4M NaCl)を用いて溶出する。蛋白質含有画分をプールし、0.5Mのリン酸ナトリウム(NaHPO)を用いてpH6.8に調節する。最終濃度0.9Mの(NHSO4を蛋白質溶液に添加し、全溶液を予め平衡化した50mLのButyl650Sカラムにロードする。蛋白質を直線的勾配の硫酸アンモニウム(0.9から0Mの(NHSO)を用いて溶出する。アルブミン融合物を含む画分を再びプールし、10mMのNaHPO/クエン酸バッファー、pH5.75に対してダイアフィルトレーションし、予め平衡化した50mLのSP−セファロースファーストフローカラムにロードする。蛋白質を直線的勾配(0から0.5M)のNaClを用いて溶出する。目的の蛋白質含有画分を合併し、バッファーをAmicon濃縮器(伝導率は、<2.5mS/cm)を用いて10mMのNaHPO/クエン酸、pH6.25に交換する。この蛋白質溶液を予め平衡化した15mLのQ−セファロース高速カラムにロードし、カラムを洗浄し、蛋白質を直線的勾配(0から0.15M)のNaClを用いて溶出する。次に、精製した蛋白質をバッファー交換により特定のバッファー組成中に調製できる。
実施例5:哺乳類細胞の形質移入のための一般的なコンストラクトの生成
哺乳類細胞株における発現に合ったアルブミン融合コンストラクトの生成
哺乳類細胞培養系で用いる発現ベクターにおいて、アルブミン融合コンストラクトを生成することができる。当該技術分野で知られた標準的方法(例えば、PCR増幅、制限酵素消化、およびライゲーション)により、哺乳類の発現ベクター中のHSAのN−末端またはC−末端に、治療用蛋白質をコードするDNAをクローニングすることができる。発現ベクターを構築すると、哺乳類発現系への形質移入を行うことができる。適当なベクターが当該技術分野で知られており、例えば、pC4ベクター、および/またはLonza Biologics,Inc.(Portsmouth,NH)より入手可能なベクターを含むが、これらに限定されない。
ヒト血清アルブミンをコードするDNAを、哺乳類培養系に適したpC4ベクターにクローニングし、プラスミドpC4:HSA(ATCC受託番号PTA−3277)を作製した。このベクターは、メトトレキセートの存在下での選択を可能にするジヒドロ葉酸還元酵素「DHFR」遺伝子を有する。
pC4:HSAベクターは、CHO細胞におけるアルブミン融合蛋白質の発現に適している。他の哺乳類細胞培養系における発現のため、アルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含むか、あるいはそれからなる断片を、別の発現ベクターにサブクローニングすることが望ましい。例えば、成熟アルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含むか、あるいはそれからなる断片は、本明細書に記載の任意の哺乳類発現ベクターを含む(しかし、これらに限定されない)別の発現ベクターにサブクローニングできる。
好ましい実施態様において、アルブミン融合物をコードするDNAコンストラクトは、NS0細胞での発現のため、当該技術分野で知られた方法により、Lonza Biologics,Inc.(Portsmouth,NH)により提供されるベクターにサブクローニングされる。
HSA−治療用蛋白質融合産物を含むアルブミン融合コンストラクトの生成
pC4:HSA(ATCC受託番号PTA−3277)を用いて、治療用蛋白質部分が成熟アルブミン配列のC末端にクローニングしたアルブミン融合コンストラクトを生成できる。例えば、治療用蛋白質、またはその断片または変異体をコードするDNAを、ベクターのBsu36IとAscI制限酵素認識部位との間にクローニングすることができる。Bsu36IおよびAscIにクローニングする際、酵母ベクター系へのクローニングに用いるのと同じプライマーデザイン(配列番号:42および43)を利用できる(実施例2参照)。
遺伝子−HSA融合産物を含むアルブミン融合コンストラクトの生成
pC4:HSA(ATCC受託番号PTA−3277)を用いて、治療用蛋白質部分が成熟アルブミン配列のN末端にクローニングしたアルブミン融合コンストラクトを生成できる。例えば、それ自体のシグナル配列を有する治療用蛋白質をコードするDNAを、pC4:HSAのBamHI(または、HindIII)とClaI部位との間にクローニングすることができる。BamHIまたはHindIII部位のいずれかにクローニングする場合、治療用蛋白質をコードするDNAの翻訳開始コドンの前にコザック配列(CCGCCACCATG、配列番号:49)を含むことが好ましい。治療用蛋白質がシグナル配列を有しないなら、治療用蛋白質をコードするDNAは、pC4:HSAのXhoIとClaI部位の間にクローニングされてもよい。XhoI部位を用いる場合、次の5’(配列番号:50)および3’(配列番号:51)の典型的なPCRプライマー:
5’-CCGCCGCTCGAGGGGTGTGTTTCGTCGA(N)18-3’(配列番号:50)
5’-AGTCCCATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATC(N)18-3’(配列番号:51)
を用いてもよい。
5’プライマー(配列番号:50)では、下線を付した配列がXhoI部位であり;そしてXhoI部位およびXhoI部位の次のDNAが、天然ヒト血清アルブミンのリーダー配列の最後の7アミノ酸をコードする。配列番号:50では、「(N)18」が目的の治療用蛋白質をコードする最初の18ヌクレオチドと一致する。3’プライマー(配列番号:51)では、下線を付した配列がClaI部位であり;そしてClaI部位およびその次のDNAが成熟HSA蛋白質(配列番号:1)の最初の10アミノ酸の逆向きの相補鎖である。配列番号:51では、「(N)18」が目的の治療用蛋白質をコードする最後の18ヌクレオチドをコードするDNAの逆向きの相補鎖である。これら2つのプライマーを用いて、目的の治療用蛋白質をPCR増幅し、PCR産物を精製し、それをXhoIおよびClaI制限酵素で消化し、pC4:HSAベクターのXhoIおよびClaI部位にクローニングすることができる。
別のリーダー配列を所望なら、当該技術分野で知られた標準的方法により、キメラアルブミンリーダー、すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド、または別のリーダーと未変性のアルブミンリーダー配列を置き換えることができる(例えば、当業者は、通常、別のリーダーをPCR増幅し、リーディングフレームを維持しながらアルブミンリーダーの代わりにPCR産物をアルブミン融合コンストラクトにサブクローニングすることができる)。
実施例6:哺乳離細胞株における一般的発現
リン酸カルシウム沈殿法、リポフェクタミン法、エレクトロポレーション法、または当該技術分野で知られた他の形質移入方法、および/またはSambrook,Fritsch,and Maniatis.1989.“Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd edition”およびAusubelら.2000.Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School“Current Protocols in Molecular Biology”,volumes1−4に記載の他の形質移入方法により、哺乳類細胞株での発現に合った発現ベクターにおいて生成したアルブミン融合コンストラクトを適当な細胞株に形質移入できる。次に、発現ベクター中の選択マーカーにより決定するスクリーニング因子の存在により、形質移入した細胞を選択する。
pC4発現ベクター(ATCCアクセッション番号209646)は、pSV2−DHFR(ATCCアクセッション番号37146)の派生物である。pC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーターロング末端反復「LTR」(Cullenら.,March 1985,Molecular and Cellular Biology,438−447)およびサイトメガロウイルス「CMV」−エンハンサーの断片(Boshartら.,1985,Cell 41:521−530)を含有する。ベクターは、SV40初期プロモーターの調節下に、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化シグナルおよび終結シグナル、およびマウスDHFR遺伝子も含有する。チャイニーズハムスター卵巣「CHO」細胞、または活性なDHFR遺伝子を欠く他の細胞株を形質移入に用いる。当該技術分野で知られた方法によるpC4中のアルブミン融合コンストラクトのCHO細胞への形質移入により、CHO細胞におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能になり、リーダー配列の開裂、上清への分泌が続く。次に、さらに上清からアルブミン融合蛋白質を精製する。
pEE12.1発現ベクターは、Lonza Biologics,Inc.(Portsmouth,NH)より提供される。それはpEE6(Stephens and Cockett,1989,Nucl.Acids Res.17:7110)の派生物である。このベクターは、ヒトサイトメガロウイルスの主要初期遺伝子「hCMV−MIE」(国際公報番号WO89/01036)のプロモーター、エンハンサー、および完全な5’−非翻訳領域、目的配列の上流、および選択的メチオニンスルホキシミン含有培地での形質移入細胞の選択ためのグルタミン合成遺伝子(Murphyら.,1991,Biochem J.227:277−279;Bebbingtonら.,1992,Bio/Technology 10:169−175;米国特許第5,122,464号)を含む。当該技術分野で知られた方法による、pEE12.1に作製したアルブミン融合蛋白質のNS0細胞への形質移入(国際公報番号WO86/05807)により、NS0細胞でのアルブミン融合蛋白質の発現が可能になり、リーダー配列の開裂、および上清への分泌が続く。次に、本明細書に記載の技術、または当該技術分野で知られた他のものを用いて、さらに上清からアルブミン融合蛋白質を精製する。
例えば、SDS−PAGEおよびウエスタンブロット、逆相HPLC分析、または当該技術分野で知られた他の方法により、アルブミン融合蛋白質の発現を分析してもよい。
当該技術分野で知られた方法(例えば、リポフェクタミン形質移入法)により、アルブミン融合コンストラクトを形質移入した安定なCHOおよびNS0細胞株を生成し、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素「DHFR」遺伝子を選択マーカーとして有するベクターについては、100nMのメトトレキセートを用いて、あるいはグルタミン不存下の成長により選択する。例えば、まず、抗HSA血清を1次抗体として、次に、所定のアルブミン融合蛋白質の治療用蛋白質部分に対する抗体含有血清を2次抗体として用いたイムノブロットにより、発現レベルを調べることができる。
1次抗体として抗HSA血清を用いたイムノブロット検出により、発現レベルを調べる。具体的な産生率をELISAにより決定する。ELISAでは、捕獲抗体は、アルブミン融合物の治療用蛋白質部分に対するモノクローナル抗体であり、検出抗体は、モノクローナル抗HSAビオチン化抗体であり(または逆)、西洋わさびペルオキシダーゼ/ストレプトアビジンを結合させ、製造元のプロトコルにより分析する。
実施例7:哺乳類細胞におけるアルブミン融合蛋白質の発現
本発明のアルブミン融合蛋白質を哺乳類細胞で発現させることができる。典型的な哺乳類発現ベクターはプロモーターエレメントを含有し、そしてそれが、mRNA、蛋白質コード配列、および転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルの転写の開始を仲介する。さらなるエレメントは、エンハンサー、コザック配列、およびRNAスプライシングのドナーおよびアクセプター部位に隣接する介在性配列を含む。非常に効率的な転写を、SV40由来の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の末端反復配列(LTR)、例えば、RSV、HTLVI、HIVI、およびサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターを用いて達成する。しかしながら、細胞エレメントも用いることができる(例えば、ヒトのアクチンプロモーター)。
本発明の実施に用いるのに適した発現ベクターは、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat(ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC37146)、pBC12MI(ATCC67109)、pCMVSport2.0、およびpCMVSport3.0のようなベクターを含む。用い得る哺乳類宿主細胞は、ヒトHela、293、H9、およびジャーカット細胞、マウスNIH3T3、およびC127細胞、Cos1、Cos7、およびCV1、ウズラQCI−3細胞、マウスL細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含むが、これらに限定されない。
別法では、染色体内に一体化したアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有する安定な細胞株において、アルブミン融合蛋白質を発現させることができる。DHFR、gpt、ネオマイシン、またはハイグロマイシンのような選択マーカーとの同時形質移入により、形質移入細胞の同定および単離が可能になる。
融合蛋白質をコードする形質移入ポリヌクレオチドを増幅し、大量のコード化融合蛋白質を発現させることができる。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、目的の遺伝子を数百または数千コピー有する細胞株の開発において有用である(例えば、Alt ら.,J.Biol.Chem.253:1357−1370(1978);Hamlinら.,Biochem. et Biophys.Acta,1097:107−143(1990);Pageら.,BioTechnology9:64−68(1991)を参照)。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら.,Biochem J.227:277−279(1991);Bebbingtonら.,Bio/Technology 10:169−175(1992))。これらのマーカーを用いて、哺乳類細胞を選択培地において成長させ、そして最も耐性の細胞を選択する。これらの細胞株は増幅遺伝子を含有し、これは染色体内に一体化している。しばしば蛋白質の産生のために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNS0細胞を用いる。
プラスミドpSV2−dhfr(ATCCアクセッション番号37146)の派生物である発現ベクターpC4(ATCCアクセッション番号209646)およびpC6(ATCCアクセッション番号209647)は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullenら.,Molecular and Cellular Biology,438−447(March,1985))およびCMV−エンハンサーの断片(Boshartら.,Cell 41:521−530(1985))を含有する。例えば、制限酵素認識部位BamHI、XbaIおよびAsp718を含むマルチクローニングサイトは、目的の遺伝子のクローニングを促進する。ベクターはまた、SV40初期プロモーターの制御下に、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化および終結シグナル、およびマウスDHFR遺伝子を含有する。
具体的には、例えば、プラスミドpC6を適当な制限酵素で消化し、次に、当該技術分野で知られた方法により、子ウシ腸リン酸塩で脱リン酸する。次に、1% アガロースゲルからベクターを単離する。
当該技術分野で知られた技術を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを生成し、当該技術分野で知られたPCR技術を用いて、このポリヌクレオチドを増幅する。天然に存在するシグナル配列を本発明の融合蛋白質の生成に用いる場合、ベクターは第2のシグナルペプチドを必要としない。別法として、天然に存在するシグナル配列を用いない場合、異種性シグナル配列を含むようにベクターを修飾する(例えば、国際公報番号WO96/34891参照)。
市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1% アガロースゲルから本発明の融合蛋白質をコードする増幅断片を単離する。次に、断片を適当な制限酵素で消化し、再び1% アガロースゲルにて精製する。
次に、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする増幅断片を、同じ制限酵素で消化し、1%のアガロースゲルにて精製する。次に、単離断片と脱リン酸化ベクターをT4 DNAリガーゼでライゲーションする。次に、大腸菌(E. Coli)HB101またはXL−1 Blue細胞を形質転換し、例えば、制限酵素分析を用いて、プラスミドpC6に挿入された断片を含有するバクテリアを同定する。
活性なDHFR遺伝子を欠くチャイニーズハムスター卵巣細胞を形質移入用に用いる。発現プラスミドpC6またはpC4 5μgをプラスミドpSVneo 0.5μgと共にリポフェクチンを用いて同時形質移入する(Felgnerら.,前掲)。プラスミドpSV2−neoは、優性選択マーカーであるG418を含む一群の抗生物質に対する耐性をもたらす酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含有する。細胞を1mg/mlのG418を添加したα−MEM中に播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、10、25、または50ng/mlのメトトレキセートおよび1mg/mlのG418を添加したα−MEM中ハイブリドーマクローニングプレート(Greiner,Germany)に播種する。約10〜14日後、シングルコロニーをトリプシン処理し、次に、異なる濃度(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)のメトトレキセートを用いて、6ウェルペトリディッシュまたは10mlフラスコに播種する。次に、高濃度のメトトレキセートにて成長するクローンを、より高濃度(1μM、2μM、5μM、10mM、20mM)のメトトレキセートを含有する新しい6ウェルプレートに移す。100〜200μMの濃度にて成長するクローンを得るまで、同じ方法を繰り返す。
実施例8:哺乳類細胞株においてアルブミン融合コンストラクトから発現したアルブミン融合蛋白質の一般的精製
好ましい実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質は、成熟型治療蛋白質またはその部分(例えば、表1に挙げた成熟型治療蛋白質、または表2において配列番号:Zとして示す成熟型治療用蛋白質)のN−またはC−末端のいずれかと融合した成熟型HSAを含む。本発明の1つの実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質はさらに、発現に用いる宿主の分泌経路において新生融合ポリペプチドを指示するシグナル配列を含む。好ましい実施態様において、シグナル配列によりコードされるシグナルペプチドを取り除き、成熟アルブミン融合蛋白質を細胞培地に直接分泌させる。好ましくは、本発明のアルブミン融合蛋白質は、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラスタリン、インスリン様成長因子−結合蛋白質4を含む(しかし、これらに限定されない)異種性シグナル配列(例えば、特定の治療用蛋白質に本来存在しないシグナル配列)、キメラHSA/MAFを含む(しかし、これに限定されない)変異体HSAリーダー配列、または当該技術分野で知られた他の異種性シグナル配列を含む。特に好ましくは、表2に挙げたシグナル配列、および/または本明細書の上記セクション「融合蛋白質の発現」および/または「アルブミン融合蛋白質の組換え体および合成産生のさらなる方法」において挙げたシグナル配列である。好ましい実施態様において、本発明の融合蛋白質はさらに、N−末端メチオニン残基を含む。断片および/または変異体を含むこれらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
用いた発現系に依存して異なるプロトコルにより、哺乳類細胞株の上清由来のアルブミン融合蛋白質を精製する。
CHOおよび293T細胞株からの精製
CHO細胞上清または一過性形質移入293T細胞上清からのアルブミン融合蛋白質の精製は、リン酸ナトリウムバッファーおよびリン酸塩濃度勾配溶出を用いたアニオン性HQ樹脂での捕獲、次に、塩勾配溶出を用いたブルーセファロースFFカラムでのアフィニティークロマトグラフィーを含む。ブルーセファロースFFは、主なBSA/フェチュイン混入物を除去する。リン酸塩勾配を用いたPoros PI 50樹脂でのさらなる精製により、エンドトキシン混入物を除去し、低下させ、並びにアルブミン融合蛋白質を濃縮する。
NS0細胞株からの精製
NS0細胞上清からのアルブミン融合蛋白質の精製は、Q−セファロースアニオン交換クロマトグラフィー、次に、溶出工程を含むSP−セファロース精製、溶出工程を含むPhenyl−650M精製、最後に、ダイアフィルトレーションを含み得る。
次に、精製蛋白質をバッファー交換により調製し得る。
実施例9:アルブミン融合蛋白質のバクテリア発現
DNA配列の5’および3’末端に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、バクテリアシグナル配列を含む本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを増幅し、インサート断片を合成する。インサートをコードするポリヌクレオチドの増幅に用いられるプライマーは、好ましくは、増幅産物を発現ベクターにクローニングするためにプライマーの5’末端にBamHIおよびXbaIのような制限酵素認識部位を含有する。例えば、BamHIおよびXbaIは、バクテリア発現ベクターpQE−9(Qiagen,Inc.,Chatsworth,CA)の制限酵素認識部位に対応する。このプラスミドベクターは、抗生物質耐性(Amp)、バクテリアの複製起点(ori)、IPTG誘導性プロモーター/オペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−ヒスチジンタグ、および制限酵素クローニングサイトをコードする。
pQE−9ベクターをBamHIおよびXbaIで消化し、バクテリアRBSにて開始するリーディングフレームを維持したpQE−9ベクターに増幅断片をライゲーションする。次に、ライゲーション混合物を用いて、プラスミドpREP4を複数コピー含有する大腸菌株M15/rep4(Qiagen,Inc.)を形質導入できる。そしてそれは、lacIリプレッサーを発現し、カナマイシン耐性(Kan)ももたらす。形質転換体をLBプレート上での成長能により同定し、アンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、制限酵素分析により確かめる。
Amp(100μg/ml)およびKan(25μg/ml)の両方を添加したLB培地における液体培養にて、所望のコンストラクトを含有するクローンを一晩(O/N)成長させる。O/N培養物を用いて、1:100から1:250の比でラージ培養物を播種する。吸光度600(O.D.600)0.4から0.6の間まで、細胞を成長させる。次に、IPTG(イソプロピル−B−D−チオガラクトピラノシド)を添加し、最終濃度1mMとする。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化し、P/Oをきれいにして、遺伝子発現の増大を誘発する。
細胞をさらに3〜4時間成長させる。次に、細胞を遠心分離(6000×gにて20分)により回収する。細胞ペレットを4℃にて3〜4時間攪拌して、カオトロピック剤6M グアニジンHCl、または好ましくは、8M 尿素および0.14Mより高濃度の2−メルカプトエタノールに溶解する(例えば、Burtonら.,Eur.J.Biochem.179:379−387(1989)参照)。細胞片を遠心分離により除去し、ポリペプチド含有上清をニッケル−ニトロ−トリ−酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QIAGEN,Inc.,上記より入手可能)にロードする。6×Hisタグを有する蛋白質はNi−NTA樹脂と高親和性で結合し、単純工程方法で精製できる(詳細については、上記The QlAexpressionist (1995) QIAGEN,Inc.を参照)。
簡単にいうと、6M グアニジン−HCL、pH8中の上清をカラムにロードする。カラムをまず10容量の6M グアニジン−HCL、pH8で洗浄し、次に10容量の6M グアニジン−HCL、pH6で洗浄し、最後にポリペプチドを6M グアニジン−HCL、pH5を用いて溶出する。
次に、リン酸緩衝食塩水(PBS)、または50mM 酢酸ナトリウムバッファー、pH6および200mM NaClに対して透析することで、精製蛋白質を復元する。別法では、蛋白質をNi−NTAカラムに固定化しながら、十分にリフォールディングさせることができる。例示的な条件は次の通りである:500mMのNaCl中の直線的勾配6M〜1Mの尿素、20%のグリセロール、プロテアーゼ阻害剤含有20mMのトリス/HCl、pH7.4を用いて復元させる。復元は、1.5時間以上かけて行われなければならない。復元後、250mMのイミダゾールを添加して、蛋白質を溶出する。PBSまたは50mM 酢酸ナトリウム、pH6および200mMのNaClに対する最終透析工程により、イミダゾールを除去する。精製蛋白質を4℃で保存するか、あるいは−80℃で凍結する。
上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドと作動可能に結合したファージオペレーターおよびプロモーターエレメントを含有する、pHE4a(ATCCアクセッション番号209645、1998年2月25日付で寄託)と呼ばれる発現ベクターを含む。このベクターは、1)選択マーカーとしてネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、2)大腸菌の複製起点、3)T5ファージプロモーター配列、4)2つのlacオペレーター配列、5)シャイン・ダルガノ配列、および6)ラクトースオペロンリプレッサー遺伝子(lacIq)を含有する。複製起点(oriC)は、pUC19(LTI,Gaithersburg,MD)に由来する。プロモーターおよびオペレーター配列を合成する。
NdeIおよびXbaI、BamHI、XhoI、またはAsp718でベクターを消化し、消化産物をゲル泳動し、次に、より大きな断片(詰込み断片は、約310塩基対である)を単離することで、DNAをpHE4aに挿入することができる。本明細書に記載のPCRプロトコルまたは当該技術分野で知られた他のものにより、NdcI(5’プライマー)およびXbaI、BamHI、XhoI、またはAsp718(3’プライマー)の制限酵素認識部位を有するPCRプライマーを用いて、DNAインサートを生成する。PCRインサートをゲル精製し、対応する酵素で消化する。標準的プロトコルにより、インサートとベクターをライゲーションする。
設計したベクターを上記プロトコルで置換し、バクテリアシステムにおいて蛋白質を発現させる。
実施例10:寄託試料からの選択cDNAクローンの単離
表3に示す通り、たいていの本発明のアルブミン融合コンストラクトはATCCに寄託されたものである。アルブミン融合コンストラクトは、次の発現ベクター:酵母発現ベクターpSAC35、哺乳類発現ベクターpC4、または哺乳類発現ベクターpEE12.1のいずれか1つを含み得る。
pSAC35(Sleepら.,1990,Biotechnology 8:42)、pC4(ATCCアクセッション番号209646;Cullenら.,Molecular and Cellular Biology,438−447(1985);Boshartら.,Cell 41:521−530(1985))、およびpEE12.1(Lonza Biologies,Inc.;Stephens and Cockett,Nucl.Acids Res.17:7110(1989);国際公報番号WO89/01036;Murphyら.,Biochem J.227:277−279(1991);Bebbingtonら.,Bio/Technology 10:169−175(1992);米国特許第5,122,464号;国際公報番号WO86/05807)ベクターは、バクテリア細胞での成長のためのアンピシリン耐性遺伝子を含む。Hanahanのような当該技術分野で記載された技術を用いて、StratageneXL−1Blue(Stratagene Cloning Systems,Inc.,11011 N.Torrey Pines Road,La Jolla,CA,92037)のような大腸菌株に、これらのベクターおよび/またはそれらを含むアルブミン融合コンストラクトを形質導入し、100μg/mL アンピシリン含有LBアガープレートに播種し、37℃で一晩成長させる。
任意の所定のアルブミン融合コンストラクトについて表3で引用したATCC受託番号を指定した試料中の寄託材料はまた、1以上のさらなるアルブミン融合コンストラクトを含有してもよく、それらはそれぞれ異なるアルブミン融合蛋白質をコードする。従って、同じATCC受託番号を有する寄託物は、表3の対応の列において同定した少なくとも1つのアルブミン融合コンストラクトを含有する。
2種類のアプローチを用いて、表3のアルブミン融合コンストラクトについて引用したプラスミドDNAの寄託試料から、特定のアルブミン融合コンストラクトを単離できる。
方法1:スクリーニング
まず、当該技術分野で知られた方法により、表1の個々のコンストラクト番号の配列番号:Xに対応するポリヌクレオチドプローブを用いて寄託プラスミドDNA試料をスクリーニングすることにより、アルブミン融合コンストラクトを直接単離することができる。例えば、Applied BiosystemsのDNAの合成装置を用いて、報告された配列に従い、30〜40ヌクレオチドを有する特定のポリヌクレオチドを合成してもよい。T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、例えば、32P−γ−ATPでオリゴヌクレオチドを標識し、通常の方法により精製することができる(例えば、Maniatisら.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring, NY(1982))。当業者に既知の技術(例えば、ベクター供給源により提供されるもの、または上で引用した関連公報または特許)を用いて、上記の適当な宿主(例えば、XL−1(Stratagene))に所定のATCC寄託物由来のアルブミン融合コンストラクトを形質転換する。1.5%のアガロースプレート(適当な選択剤、例えば、アンピシリンを含有する)上に、1プレート当たり約150個の形質転換体(クローン)密度で形質転換体を播種する。バクテリアのコロニースクリーニングの通常の方法(例えば、Sambrookら.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edit.,(1989),Cold Spring Harbor Laboratory Press,p.1.93〜1.104)、または当業者に既知の他の技術により、ナイロンメンブレンを用いてこれらのプレートをスクリーニングする。
方法2:PCR
別法では、例えば、寄託した所定のアルブミン融合蛋白質をコードするDNAの5’および3’アルブミン融合コンストラクトとハイブリダイズする17〜20ヌクレオチドからなる2つのプライマーを用いて、配列番号:Xを有する寄託したアルブミン融合コンストラクト試料から、所定のアルブミン融合蛋白質をコードするDNAを増幅する。ポリメラーゼ連鎖反応を、通常の条件、例えば、上記cDNAテンプレート0.5μgを含む反応混合物25μlにおいて行う。好ましい反応混合物は、1.5〜5mMのMgCl、0.01%(w/v)のゼラチン、20μMの各dATP、dCTP、dGTP、dTTP、25pmolの各プライマー、および0.25UのTaqポリメラーゼである。Perkin−Elmer Cetus自動化サーマルサイクラーを用いて、35サイクルのPCR(変性94℃、1分;アニーリング55℃、1分;伸長72℃、1分)を行う。アガロースゲル電気泳動により、増幅産物を分析し、予測分子量を有するDNAバンドを切り出し、精製する。DNA産物をサブクローニングし、配列決定することで、PCR産物が選択配列のものであることを証明する。
いくつかの方法を、寄託クローンに存在しない遺伝子の5’または3’非コード部分の同定に利用することができる。これらの方法は、フィルター探査、特定のプローブを用いたクローン濃縮、および当該技術分野で知られた5’および3’「RACE」プロトコルに類似または同一のプロトコルを含むが、これらに限定されない。例えば、5’RACEに類似の方法は、所望の5’末端を欠いた全長転写物の生成に利用可能である(Fromont−Racineら.,Nucleic Acid Res.,21(7):1683−1684(1993))。
簡単にいうと、特定のRNAオリゴヌクレオチドをおそらく全長遺伝子RNA転写物を含有するRNA集団の5’末端にライゲーションする。ライゲーションしたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の既知の配列に特異的なプライマーを含有するプライマーセットを用いて、所望の全長遺伝子の5’部分をPCR増幅する。次に、この増幅産物を配列決定し、これを用いて全長遺伝子を生成する。
上記方法は、所望の供給源から単離したトータルRNAで開始し、ポリ−ARNAを用い得る。次に、後のRNAリガーゼ工程と干渉し得る変性または損傷RNA上の5’ホスフェート基の除去が必要なら、RNA調製物をホスファターゼで処理できる。次に、ホスファターゼを不活性化し、メッセンジャーRNAの5’末端に存在するキャップ構造を除去するために、タバコ酸性ピロホスファターゼでRNAを処理する。この反応により、T4 RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌクレオチドにライゲーションすることができるキャップ開裂RNAの5’末端の5’ホスフェート基を除去する。
この修飾RNA調製物を遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを用いた1本鎖cDNA合成のテンプレートとして用いる。ライゲーションしたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の既知の配列に特異的なプライマーを用いる所望の5’末端のPCR増幅のテンプレートとして、1本鎖合成反応物を用いる。次に、生じた産物を配列決定し、分析して、5’末端配列が所望の遺伝子に属することを確認する。
実施例11:複数融合した融合物
アルブミン融合蛋白質(例えば、アルブミン(またはその断片または変異体)と融合した治療用蛋白質(またはその断片または変異体)を含有する)をさらに他の蛋白質と融合させ、「複数融合した融合物」を生成する。これらの複数融合した蛋白質を様々な応用に用いることができる。例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質のHis−タグ、HA−タグ、蛋白質A、IgGドメイン、およびマルトース結合タンパク質との融合物は、精製を促進する(例えば、EP A 394,827;Trauneckerら.,Nature 331:84−86(1988))。本発明のポリペプチドに融合した核局在性シグナルは、細胞内局在性に特異的な蛋白質を標的とすることができるが、共有結合ヘテロ2量体、ホモ2量体は、アルブミン融合蛋白質の活性を増大または低減することができる。さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質とのさらなる蛋白質配列の融合物は、融合蛋白質の溶解性および/または安定性をさらに増大させることができる。当該技術分野で知られた技術を用いて、またはそれを一般的に変形して、および/または次のプロトコルを変形して上記融合蛋白質を作製する。ポリペプチドのIgG分子との融合物の要点を述べる。
簡単にいうと、以下の配列の5’および3’末端に及ぶプライマーを用いて、IgG分子のヒトFc部分をPCR増幅することができる。好ましくは、これらのプライマーはまた、発現ベクター、好ましくは、哺乳類または酵母発現ベクターへのクローニングを促進する制限酵素認識部位を有する。
例えば、pC4(ATCCアクセッション番号209646)を用いる場合、ヒトFc部分をBamHIクローニング部位にライゲーションすることができる。3’BamHI部位を破壊しないよう注意されたい。次に、ヒトFc部分含有ベクターをBamHIで再び消化し、ベクターを直鎖化し、次に、このBamHI部位に本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド(当該技術分野で知られた技術を用いて生成し、単離したもの)をライゲーションする。本発明の融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを終止コドンなしでクローニングし、そうでなければ、融合蛋白質含有Fcが生成されないことに注意されたい。
天然に存在するシグナル配列を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質を生成する場合、pC4は第2のシグナルペプチドを必要としない。別法では、天然に存在するシグナル配列を用いない場合、ベクターを異種性シグナル配列を含むように修飾し得る(例えば、国際公報番号WO96/34891を参照)。
ヒトIgG Fc領域:
GGGATCCGGAGCCCAAATCTTCTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAATTCGAGGGTGCACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACTCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTAAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAACCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCAAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATGAGTGCGACGGCCGCGACTCTAGAGGAT(配列番号:52)
実施例12:アルブミン融合蛋白質からの抗体の産生
ハイブリドーマ技術
本発明のアルブミン融合蛋白質、および本発明のアルブミン融合蛋白質の部分(例えば、治療用蛋白質部分、または融合蛋白質のアルブミン部分)を種々の方法により製造することができる(Current Protocols, Chapter 2.を参照)。かかる方法の1つの例として、本発明のアルブミン融合蛋白質または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分の調製物を製造し、精製して、実質的に天然の混入物がない状態にする。次に、より高い特異的活性のポリクローナル抗血清を産生するために、かかる調製物を動物に導入する。
ハイブリドーマ技術(Kohlerら.,Nature 256:495(1975);Kohlerら.,Eur.J.Immunol.6:511(1976);Kohlerら.,Eur.J Immunol.6:292(1976);Hammeringら.,in:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.,pp.563−681(1981))を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分に特異的なモノクローナル抗体を製造する。一般に、動物(好ましくは、マウス)を本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分を用いて免疫する。かかるマウスの脾細胞を抽出し、適当なミエローマ細胞株と融合する。本発明をふまえて、任意の適当なミエローマ細胞株を利用し得る;しかしながら、好ましくは、ATCCから入手可能な親ミエローマ細胞株(SP20)を利用する。融合後、生じたハイブリドーマ細胞をHAT培地で選択的に維持し、次に、Wand等(Gastroenterology80:225−232(1981))により記載された限界希釈により、クローニングする。次に、かかるセレクションにより得たハイブリドーマ細胞をアッセイして、本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分と結合可能な抗体を分泌するクローンを同定する。
別法では、抗イディオタイプ抗体を用いた2工程方法において、本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分と結合可能なさらなる抗体を産生することができる。かかる方法は、抗体がそれ自体抗原であり、それ故、2次抗体と結合する抗体を得ることができるという事実を用いるものである。この方法に従い、抗体特異的蛋白質を用い、動物、好ましくは、マウスを免疫する。次に、かかる動物の脾細胞を用いて、ハイブリドーマ細胞を産生し、本発明のアルブミン融合蛋白質(または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分)特異的抗体と結合する能力が、本発明の融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分によりブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定する。かかる抗体は、本発明の融合蛋白質(または、本発明のアルブミン融合蛋白質の部分)特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、これを用いて、動物を免疫し、さらなる本発明の融合蛋白質(本発明のアルブミン融合蛋白質の部分)特異的抗体の形成を誘導する。
抗体のヒトでのインビボ使用のため、抗体を「ヒト化」する。上記モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞由来の遺伝子コンストラクトを用いて、かかる抗体を産生できる。キメラおよびヒト化抗体を産生する方法は、当該技術分野で知られており、本明細書で考察される(参考として、Morrison,Science 229:1202(1985);Oiら.,BioTechniques 4:214(1986);Cabillyら.,米国特許第4,816,567;Taniguchiら.,EP 171496;Morrisonら.,EP 173494;Neubergerら.,WO8601533;Robinsonら.,国際公報番号WO8702671;Boulianneら.,Nature 312:643(1984);Neubergerら.,Nature314:268(1985)を参照されたい)。
scFvsライブラリーからの本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分に対する抗体断片の単離
ヒトPBLから単離した天然に存在するV遺伝子を、本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分に対する反応性を含有する抗体断片ライブラリーに構築し、それに対してドナーを曝露するか、あるいはしない(例えば、米国特許第5,885,793(引用により全体として本明細書に取り込まれる)参照)。
ライブラリーのレスキュー
scFvsライブラリーを国際公開番号WO92/01047において記載のヒトPBLのRNAから構築する。抗体断片をディスプレーするファージをレスキューするため、ファージミドを宿す大腸菌約10個を1%のグルコースおよび100μg/mlのアンピシリンを含有する2×TY(2×TY−AMP−GLU)50mlに播種し、振盪しながらO.D.0.8まで成長させる。この培養液5mlを用いて、2×TY−AMP−GLU 50mlに播種し、δ遺伝子3ヘルパー2×108TU(M13δ遺伝子III、国際公報番号WO92/01047参照)を添加し、培養物を37℃で45分間、振盪せずにインキュベーションし、次に37℃で45分間、振盪しながらインキュベーションする。培養物を4000rpmにて10分間遠心し、ペレットを100μg/mlのアンピシリンおよび50μg/mlのカナマイシン含有2×TY 2L中に再懸濁し、一晩成長させる。ファージを国際公報番号WO92/01047に記載の通り調製する。
M13δ遺伝子IIIを次の通り調製する:M13δ遺伝子IIIヘルパーファージは、遺伝子III蛋白質をコードせず、ゆえに、抗体断片をディスプレーするファージ(ミド)は、より高い抗体との結合親和性を有する。ファージ形態形成中に野生型遺伝子III蛋白質を供給するpUC19派生物を宿す細胞においてヘルパーファージを成長させることにより、感染性M13δ遺伝子III粒子を作製する。培養物を37℃で1時間、振盪せずにインキュベーションし、次に、37℃でさらに1時間、振盪しながらインキュベーションする。細胞をスピンダウン(IEC−Centra 8,400rp、10分間)し、100μg/mlのアンピシリンおよび25μg/mlのカナマイシン含有2×TYブロス(2×TY−AMP−KAN)に再懸濁し、37℃で一晩、振盪しながら成長させる。ファージ粒子を精製し、培地から2PEG−沈殿法(Sambrook ら., 1990)により濃縮し、PBS2mlに再懸濁し、0.45μmのフィルター(Minisart NML;Sartorius)を通し、最終密度約1013(単位/mlに変換)のクローンとした。
ライブラリーのパニング イムノチューブ(Nunc)を100μg/mlまたは10μg/mlのいずれかの本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分4mlを含むPBSで一晩コートする。チューブを2%のMarvel−PBSを用いて37℃で2時間ブロッキングし、次に、PBSにて3回洗浄する。ファージ約1013TUをチューブにアプライし、室温で30分間、上下方向の(over and under)回転板上で混和しながらインキュベーションし、次に、さらに1.5時間立てたままでインキュベーションする。チューブを0.1%のTween−20を含むPBSで10回洗浄し、PBSで10回洗浄する。100mMのトリエチルアミン1mlを添加し、上下方向の回転板上で15分間混和することで、ファージを溶出し、その後、直ちに1.0Mのトリス−HCl、pH7.4 0.5mlを用いて溶液を中和する。次に、溶解したファージをバクテリアと37℃で30分間インキュベーションすることで、ファージをmid−log大腸菌TGI 10mlに感染させる。次に、大腸菌を1%のグルコースおよび100μg/mlのアンピシリン含有TYEプレート上に播種する。次に、生じたバクテリアライブラリーを上述のδ遺伝子3ヘルパーファージでレスキューし、次の選択工程のためファージを調製する。次に、合計4ラウンドの親和性精製についてこの工程を繰り返す。ここで、0.1%のTween−20を含むPBSでのチューブの洗浄を20回、そして3ラウンドと4ラウンドのPBSでの洗浄を20回に増やす。
結合体の特徴決定 3ラウンドおよび4ラウンド目の選択物から溶出したファージを用いて、大腸菌HB2151を感染させ、アッセイのためシングルコロニーから溶解性scFvを生成する(Marksら.,1991)。50mMの重炭酸塩、pH9.6中の10pg/mlの本発明のアルブミン融合蛋白質、または本発明のアルブミン融合蛋白質の部分のいずれかでコートしたマイクロタイタープレートを用いて、ELISAを行う。PCRフィンガープリント(例えば、公開公報番号WO92/01047を参照)、次に、配列決定により、ELISAをさらに特徴付ける。例えば、エピトープマッピング、結合親和性、受容体シグナル伝達、抗体/抗原結合をブロックするかあるいは完全に阻害する能力、および競合的アゴニストまたはアンタゴニスト活性のような、当該技術分野で知られた技術を用いて、ELISAポジティブクローンをさらに特徴付ける。
実施例13:[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイ
脂肪、骨格筋、および肝臓はインスリン感受性組織である。インスリンは、グルコース取り込み/これらの組織への輸送を刺激することができる。脂肪および骨格筋の場合、インスリンは、実際に特定の細胞内区画から細胞表面へのグルコース輸送体4分子GLUT4の転位を導くシグナル伝達を開始させる。細胞表面上で、GLUT4はグルコース取り込み/輸送が可能になる。
H]−2−デオキシグルコース取り込み
多数の脂肪および筋肉関連細胞株を用いて、糖尿病の処置のために挙げた治療剤の任意の1種以上の組合せの不存または存在下でグルコース取り込み/輸送活性を試験することができる。具体的には、[H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイの適当なインビトロモデルとなるように、3T3−L1マウス線維芽細胞およびL6マウス骨格筋細胞をそれぞれ3T3−L1脂肪細胞および筋管に分化させる(Ursoら.,J Biol Chem,274(43):30864−73(1999);Wangら.,J Mol Endocrinol,19(3):241−8(1997);Haspelら.,J Membr Biol,169(1):45−53(1999);Tsakiridisら.,Endocrinology,136(10):4315−22(1995))。簡単にいうと、2×10細胞/100μL 脂肪細胞または分化したL6細胞を、分化後培地を入れた処理(すなわち、50μg/mL ポリ−L−リジンでコート)96ウェル組織培養「TC」に移し、37℃、5% COにて一晩インキュベーションする。まず、細胞を無血清低グルコースDMAM培地で1回洗浄し、次に、100μL/ウェル 同じ培地、および100μL/ウェル バッファーまたは糖尿病の処置のために挙げた治療剤の任意の1種以上の組合せ、例えば、1nM、10nM、および100nMの増加濃度の本発明の治療剤(例えば、配列番号:Yとして開示した特定の融合物、およびその断片および変異体)のいずれかと、1nM インスリンの不存または存在下、37℃で16時間飢餓状態におく。プレートを、100μL/ウェルのHEPES緩衝食塩水で3回洗浄する。インスリンをHEPES緩衝食塩水中1nMにて添加し、10μMの[H]−2−デオキシグルコース(Amercham、番号TRK672)および10μMの非標識2−デオキシグルコース(SIGMA、D−3179)の存在下、37℃で30分間インキュベーションする。対照として、インスリン不存以外同じ条件のものを行う。最終濃度10μMのサイトカラシンB(SIGMA、C6762)を別々のウェルに10μL/ウェルにて添加し、非特異的な取り込みを測定する。細胞をHEPES緩衝食塩水で3回洗浄する。標識、すなわち、10μMの[H]−2−デオキシグルコース、および非標識、すなわち、10μMの2−デオキシグルコースを添加し、室温にて10分間インキュベーションする。細胞を冷リン酸緩衝食塩水「PBS」で3回洗浄する。0.2のNaOHを150μL/ウェルにて添加して、細胞を溶解し、次に、室温で20分間振盪しながらインキュベーションする。次に、試料をシンチレーションバイアルに移し、それにシンチレーション溶液5mLを添加する。バイアルをβ−シンチレーションカウンターにてカウントする。インスリンの不存または存在が異なるデュプリケートの条件下での取り込みを、次の方程式:[(1分間当たりのインスリンカウント「cpm」−非特異的cpm)/(インスリンなしのcpm−非特異的cpm)]を用いて決定する。応答平均は、脂肪細胞および筋管それぞれについて、対照の約5倍から3倍の範囲内となる。
細胞の分化
細胞を、T−75cmフラスコ中完全なコンフルエントとする。培地を除去し、前分化培地25mLと置き換え、48時間インキュベーションする。細胞を37℃、5%のCO、湿度85%にてインキュベーションする。48時間後、前分化培地を除去し、分化培地25mLと置き換え、48時間インキュベーションする。細胞を再び37℃、5%のCO、湿度85%にてインキュベーションする。48時間後、培地を除去し、分化後培地30mLと置き換える。14〜20日間、あるいは分化を完全に達成するまで、分化後培地を維持する。培地を2〜3日毎に交換する。ヒト脂肪細胞はZen−Bio,INC(番号SA−1096)から購入できる。
実施例14:膵臓細胞株への[ H]−チミジン取り込みのインビトロアッセイ
最近、GLP−1が、膵島十二指腸ホメオボックス−1(IDX−1)およびインスリンmRNAレベルの増大と関連する時間および用量に依存した方法でラット膵管上皮細胞株ARIPの分化を誘導することが示された(Huiら.,2001,Diabetes,50(4):785−96)。IDX−1は順に、GLP−1受容体のmRNAレベルを増大させる。
試験した細胞種類
RIN−M細胞:これらの細胞は、American Type Tissue Culture Collection(ATCC細胞株番号CRL−2057)より入手可能である。RIN−M細胞株は、放射線誘発性の移植可能なラット膵島細胞腫瘍からもたらされたものである。腫瘍のヌードマウス異種移植から細胞株を確立した。細胞は、膵島ポリペプチドホルモンを産生して分泌し、かつL−ドーパデカルボキシラーゼ(アミン前駆体取り込みおよび脱炭酸反応、またはAPUD、活性を有する細胞のマーカー)を産生する。
ARIP細胞:これらは、American Type Tissue Culture Collection(ATCC細胞株番号CRL−1674)から入手可能な上皮形態の膵外分泌腺細胞である。参考文献:Jessop,N.W.and Hay,R.J.,”Characteristics of two rat pancreatic exocrine cell lines derived from transplantable tumors,”In Vitro 16:212,(1980);Cockell,M.ら.,”Identification of a cell−specific DNA−binding activity that interacts with a transcriptional activator of genes expressed in the acinar pancreas,”Mol.Cell.Biol.9:2464−2476,(1989);Roux,E.,ら.”Thecell−specific transcription factor PTF1 contains two different subunits that interact with the DNA”Genes Dev.3:1613−1624,(1989);およびHui,H.,ら.,“Glucagon−like peptide 1 induces differentiation of islet duodenal homeobox−1−positive pancreatic ductal cells into insulin−secreting cells,” Diabetes 50: 785−796 (2001)も参照されたい。
細胞の調製
RIN−M細胞株を10%のウシ胎児血清(HyClone、番号SH30088.03)を含むRPMI 1640培地(HyClone、番号SH300027.01)にて成長させ、1:3から1:6の比で6から8日毎に継代培養する。培地を3〜4日毎に交換する。
ARIP細胞株(ATCC番号CRL−1674)を1.5g/Lの重炭酸ナトリウムおよび10%のウシ胎児血清を含有するよう調節した2mMのL−グルアミンを含むHam’s F12K培地(ATCC番号30−2004)にて成長させる。ARIP細胞株を1週間に2回1:3から1:6の比で継代培養する。培地を3から4日毎に交換する。
アッセイプロトコル
96ウェルプレート中4000細胞/ウェルにて細胞を播種し、50%のコンフルエントまで48〜72時間培養する。100μL/ウェルの無血清培地に細胞を切り換える。48〜72時間インキュベーション後、血清および/または本発明の治療剤(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質、およびその断片および変異体)をウェルに添加する。インキュベーションをさらに36時間続ける。[H]−チミジン(5〜20Ci/mmol)(Amersham Pharmacia、番号TRK120)を、1μCi/マイクロタイターに希釈する。36時間インキュベーション後、1ウェル当たり5マイクロタイターを添加し、さらに24時間インキュベーションする。細胞を冷リン酸緩衝食塩水「PBS」にて1回軽く洗浄することで、反応を終結させる。次に、10%の氷冷TCA 100マイクロタイターを用いて、4℃にて15分間細胞を固定する。PBSを除去し、0.2 NaOH 200マイクロタイターを添加する。プレートを室温にて1時間、振盪しながらインキュベーションする。溶液をシンチレーションバイアルに移し、水溶液に合ったシンチレーション液5mLを添加し、勢いよく混合する。バイアルをβシンチレーションカウンターにてカウントする。負対照として、バッファーのみを用いる。正対照として、ウシ胎児血清を用いる。
実施例15:糖尿についてのアッセイ
糖尿(すなわち、尿中の過剰な糖)は容易にアッセイでき、これは糖尿病の疾患状態の指標とおなる。正常患者試料と比較して、患者試料中の過剰な尿は、IDDMおよびNIDDMの徴候である。結果として、生じた尿中の過剰なグルコースの量の低減により、かかるIDDMおよびNIDDMを有する患者の処置の有効性を示す。IDDMおよびNIDDMのモニタリングの好ましい実施態様において、当該技術分野で知られた技術を用いて、患者由来の尿試料をグルコースの存在についてアッセイする。ヒトの糖尿は尿のグルコース濃度が100mlあたり100mgを超えるものと定義する。血液試料を採取し、血清グルコースをアッセイして、糖尿を示すそれらの患者の過剰な糖濃度をより正確に測定できる。
実施例16:B細胞の増殖および分化の刺激または阻害を検出するアッセイ
機能的な液性免疫応答の作製は、B細胞系統とそれらの微小環境の間の溶解性および同族シグナル伝達経路を必要とする。シグナルは、B細胞系統にそのプログラム化された発生を続けさせる陽性刺激、またはその現行の発生経路を阻止することを細胞に指示するネガティブな刺激を伝え得る。これまでに、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL10、IL−13、IL−14およびIL−15を含む多数の刺激および阻害シグナルが、B細胞応答に影響することが見出されてきた。興味深いことに、これらのシグナルはそれ自体は弱いエフェクターであるが、様々な同時刺激蛋白質と組み合わされてB細胞集団間での活性化、増殖、分化、ホーミング、寛容、および死を誘導することができる。
B細胞同時刺激蛋白質の最も研究された種類の1つが、TNFスーパーファミリーである。このファミリーの中で、CD40、CD27、およびCD30、加えてそれらのそれぞれのリガンドであるCD154、CD70、およびCD153が、種々の免疫応答を調節することが見出された。これらのB細胞集団およびそれらの前駆体の増殖および分化の検出および/または観察を可能にするアッセイは、種々の蛋白質が増殖および分化に関してこれらのB細胞に対して効果を有するかを決定する際の価値あるツールである。B細胞集団およびそれらの前駆体の分化、増殖、または阻害の検出を可能にするよう指向した2種のアッセイを以下に示す。
本発明のアルブミン融合蛋白質(治療用蛋白質の断片または変異体、および/またはアルブミンまたはアルブミンの断片または変異体を含有する融合蛋白質を含む)のインビトロアッセイは、B細胞集団およびそれらの前駆体において活性化、増殖、分化、または阻害、および/または死を誘導するその能力について評価することができる。本発明のアルブミン融合蛋白質の精製ヒト扁桃B細胞に対する活性(用量範囲0.1から10,000ng/mLに渡り定量的に測定)を、標準的Bリンパ球同時刺激アッセイ(ここで、精製扁桃B細胞は、起爆剤であるホルマリン固定スタフィロコッカス・アウレウス・コーワン(Staphylococcus auresus Cowan)I(SAC)または固定化抗ヒトIgM抗体の存在下で培養される)にて評価する。IL−2およびIL−15のような第2シグナルは、トリチウムチミジン取り込みにより測定するB細胞増殖を顕現させるために、SACとIgMの架橋と相乗作用する。このアッセイを用いて、新規相乗因子を容易に同定することができる。アッセイは、磁石ビーズ(MACS)によりCD3陽性細胞を減少させることによるヒト扁桃B細胞の単離を含む。生じた細胞集団は95%より多いB細胞を有し、これをCD45R(B220)の発現により評価する。
各試料の種々の希釈物を96ウェルプレートの個々のウェルに入れ、そこに合計容量150μlの培地(10%のFBS、5×10−5Mの2ME、100U/mlのペニシリン、10μg/mlのストレプトマイシン、および10−5のSAC希釈液含有RPMI 1640)に懸濁したB細胞10個を添加する。3H−チミジン(6.7Ci/mM)で20時間パルス(1μCi/ウェル)し、72時間後に因子を添加して、増殖または阻害を定量する。正および負対照は、それぞれIL2および培地である。
インビボアッセイ−BALB/cマウスに、バッファーのみまたは2mg/Kgの本発明のアルブミン融合蛋白質(治療用蛋白質の断片または変異体および/またはアルブミンまたはアルブミンの断片または変異体を含む)を1日2回注射(腹腔内)する。連続して4日間この処置を受けた時点でマウスを屠殺し、分析のために種々の組織および血清を回収する。正常な脾臓および本発明のアルブミン融合蛋白質で処置した脾臓由来のHE染色切片を比較することで、動脈周囲リンパ鞘の分布および/または赤脾髄領域の有核細胞の有意な増加のような融合蛋白質の脾細胞に対する活性結果を同定する。そしてそれはB細胞集団の分化および増殖の活性化を示し得る。B細胞マーカー抗CD45R(B220)を用いた免疫組織化学研究を用いて、脾臓の破壊のような脾細胞に対する任意の生理的変化が、確立したT細胞領域に浸潤する緩く規定されたB細胞ゾーン内でのB細胞顕現の増大によるものであるかどうかを決定する。
アルブミン融合蛋白質で処置したマウス由来の脾臓のフローサイトメトリー分析を用いて、アルブミン融合蛋白質が、対照マウスで観察するものより、ThB、CD45R(B220)dullB細胞部分を特異的に増大させるかどうかを示す。
同様に、予測した結果であるインビボでの成熟B細胞顕現の増大は、血清Igタイターの相対的増加によるものである。従って、血清IgMおよびIgAレベルを、バッファーで処置したマウスと融合蛋白質で処置したマウスとの間で比較する。
実施例17:T細胞増殖アッセイ
CD3誘発性増殖アッセイをPBMCにおいて行い、H−チミジンの取り込みにより測定する。アッセイを次のように行う。96ウェルプレートを、100μl/ウェルのCD30に対するmAb(HIT3a、Pharmingen)またはアイソタイプ一致対照mAb(B33.1)を用いて4℃にて一晩コートし(0.5Mの重炭酸バッファー、pH9.5中1μg/ml)、次に、PBSで3回洗浄する。F/H勾配遠心法により、ヒト末梢血からPBMCを単離し、mAbコートプレートの4組のウェルに(5×10/ウェル)10%のFBSおよびP/S含有RPMI中、各濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質(治療用蛋白質の断片または変異体および/またはアルブミンまたはアルブミンの断片または変異体を含有する融合蛋白質を含む)の存在下(合計容量200μl)で添加する。対照は、関連する蛋白質バッファーおよび培地のみのものである。37℃で48時間培養後、増殖に対する効果を観察したなら、プレートを1000rpmで2分間遠心し、上清100μlを取り出し、IL−2(または他のサイトカイン)を測定するため−20℃で保存する。ウェルに0.5μCiのH−チミジン含有培地100μlを添加し、37℃で18〜24時間培養する。ウェルを回収し、H−チミジンの取り込みを増殖の目安として用いる。増殖の正対照は、抗CD30のみのものである。増殖を増強させる対照として、IL−2(100U/ml)も用いる。本発明の融合蛋白質の効果の負対照として、T細胞の増殖を誘導しない対照抗体を用いる。
実施例18:MHCクラスII、同時刺激分子、および接着分子の発現、および単球および単球由来ヒト樹状細胞の細胞分化に対する本発明の融合蛋白質の効果
末梢血に見られる前駆体を増殖させて拡大し、樹状細胞を生成する:接着性PBMCまたは洗浄単球画分をGM−CSF(50ng/ml)およびIL−4(20ng/ml)と共に7〜10日間培養する。これらの樹状細胞は、未成熟細胞の特徴的表現型(CD1、CD80、CD86、CD40、およびMHCクラスII抗原の発現)を有する。TNF−αの様な活性化因子での処置により、表面表現型の急激な変化(MHCクラスIおよびII、同時刺激分子、および接着分子の発現の増大、FCγRIIのダウンレギュレーション、CD83のアップレギュレーション)を引き起こす。これらの変化は、樹状細胞の抗原提示能の増大および機能的成熟と関連する。
表面抗原のFACS分析を次の通りに行う。細胞を、増加濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質またはLPS(正対照)で1〜3日間処理し、1%のBSAおよび0.02mMのアジ化ナトリウム含有PBSで洗浄し、次に、1:20希釈の適当なFITCまたはPE標識モノクローナル抗体と共に4℃にて30分間インキュベーションする。さらに洗浄後、標識細胞をFACScan(Becton Diclinson)でのフローサイトメトリーにより分析する。
サイトカインの産生に対する効果
樹状細胞により生成されるサイトカイン、特に、IL−12は、T細胞依存性免疫応答の開始に重要である。IL−12は、Th1ヘルパーT細胞免疫応答の発生に強く影響し、細胞障害性T細胞およびNK細胞機能を誘導する。ELISAを用いて、次の通りIL−12の放出を測定する。樹状細胞(10/ml)を、増加濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質で24時間処理する。正対照として、LPS(100ng/ml)を細胞培養物に添加する。次に、細胞培養物由来上清を回収し、市販のELISAキット(例えば、R&D Systems(Minneapolis,MN))を用いて、IL−12含有量について分析する。キットの標準的プロトコルを用いる。
MHCクラスII、同時刺激分子、および接着分子の増殖に対する効果
細胞表面抗原の3つの主要なファミリー:接着分子、抗原提示に関与する分子、およびFc受容体を単球上で同定することができる。MHCクラスII抗原、およびB7およびICAM−1のような他の共刺激分子の発現の調節は、単球の抗原提示能およびT細胞活性化誘導能の変化を引き起こし得る。Fc受容体発現の増大は、単球の細胞障害活性、サイトカイン放出、および食作用の改善と関連し得る。
次の通りFACS分析を用いて表面抗原を調べる。増加濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質またはLPS(正対照)で単球を1〜5日間処理し、1%のBSAおよび0.02mMおよび0.02mMのアジ化ナトリウム含有PBSで洗浄し、次に、1:20希釈の適当なFITCまたはPE標識モノクローナル抗体と4℃にて30分間インキュベーションする。さらに洗浄後、標識細胞をFACScan(Becton Dickinson)上でのフローサイトメトリーにより分析する。
単球の活性化および/または生存率の増大
単球を活性化(別法では、不活性化)、および/または単球の生存率を増大させる(別法では、単球の生存率の低減)分子についてのアッセイは当該技術分野で知られており、通常には、本発明の分子が単球の阻害因子または活性化因子として機能するかどうかの決定に用いるために適用され得る。以下に記載の3種類のアッセイを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質をスクリーニングすることができる。これらのアッセイのそれぞれについて、Histopaque勾配(Sigma)を通した遠心分離により、単一ドナーの白血球パック(American Red Cross,Baltimore,MD)から末梢血単核球(PBMC)を精製する。向流遠心分離洗浄により、PBMCから単球を単離する。
単球の生存率アッセイ
ヒト末梢血単球は血清または他の刺激物質の不存下で培養すると、生存率が徐々に低下する。それらの死は内部の調節過程(アポトーシス)から生じる。TNF−αのような活性化因子の培養物への添加は、細胞生存率を劇的に改善し、DNAの断片化を阻止する。ヨウ化プロピジウム(PI)染色を用いて、次の通りアポトーシスを測定する。単球をポリプロピレンチューブにて無血清培地(正対照)中、100ng/mlのTNF−α(負対照)、試験すべき各濃度の融合蛋白質の存在下で48時間培養する。細胞を最終濃度5μg/mlのPI含有PBS中、2×10/mlの密度で懸濁し、次に、室温にて5分間インキュベーションし、FACScan分析する。PIの取り込みは、この実験系におけるDNA断片化との関連を示す。
サイトカイン放出に対する効果
単球/マクロファージの重要な機能は、刺激後のサイトカイン放出を介した、免疫系の他の細胞集団に対するそれらの調節活性である。サイトカイン放出を測定するELISAを次の通り行う。増加濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質と共に同じ条件下だが融合蛋白質の不存下で、密度5×10細胞/mlにてヒト単球をインキュベーションする。IL−12を産生させるため、融合蛋白質の存在下でIFN(100U/ml)を用いて細胞を一晩刺激する。次に、LPS(10ng/ml)を添加する。24時間後、条件培地を回収し、使用するまで凍結したままにする。次に、市販のELISAキット(例えば、R&D Systems(Minneapolis,MN))を用いて、TNF−α、IL−10、MCP−1およびIL−8の測定を行う。キットの標準的プロトコルを適用する。
酸化破壊
精製した単球を96ウェルプレートに2〜1×10細胞/ウェルにて入れる。増加濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質を合計容量0.2mlの培地(10%のFCS、グルアミン、および抗生物質を含むRPMI)に添加する。3日間インキュベーションした後、プレートを遠心し、培地を各ウェルから除去する。単層のマクロファージに0.2ml/ウェル フェノールレッド溶液(140mMのNaCl、10mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.0、5.5mMのデキストロース、0.56mMのフェノールレッド、および19U/mlのHRPO)を刺激剤(200nMのPMA)と共に添加する。プレートを37℃で2時間インキュベーションし、1NのNaOHを20μl/ウェルにて添加して反応を停止させる。610nmの吸光度を読む。マクロファージが産生したHの量を測定するために、各実験について既知のモル濃度のH溶液の標準曲線を作成する。
実施例19:血管内皮細胞の成長に対する本発明のアルブミン融合蛋白質の効果
1日目に、4% ウシ胎児血清(FBS)、16U/mlのヘパリン、および50U/mlの内皮細胞成長補助剤(ECGS、Biotechnique,Inc.)含有M199培地中、2〜5×10細胞/35mmのディッシュ密度で、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を播種する。2日目に、10%のFBS、8U/mlのヘパリン含有M199と培地を置き換える。本発明のアルブミン融合蛋白質、およびVEGFおよび塩基性FGF(bFGF)のような正対照を各濃度で添加する。4日目および6日目に培地を交換する。8日目に、Coluterカウンターを用いて、細胞数を決定する。
HUVEC細胞数の増加は、融合蛋白質が血管内皮細胞を増殖させ得ることを示し、一方、HUVEC細胞数の減少は、融合蛋白質が血管内皮細胞を阻害することを示す。
実施例20:ラット角膜創傷治癒モデル
この動物モデルは、本発明のアルブミン融合蛋白質の血管新生に対する効果を示す。実験プロトコルは:
角膜中心から間質細胞層に、1〜1.5mm切開すること、
目尻と接する切開の端の下に、へらを挿入すること、
くぼみ(その土台は目の端から1〜1.5mmにある)をつくること、
本発明のアルブミン融合蛋白質50ng〜5μg含有ペレットのくぼみ内の位置を決定すること、
を含む。
本発明のアルブミン融合蛋白質での処置を、20mg〜500mgの用量範囲(5日間毎日処置)で角膜創傷に局所適用することもできる。
実施例21:糖尿病マウスおよび糖質コルチコイド障害性創傷治癒モデル
糖尿病db+/db+マウスモデル
本発明のアルブミン融合蛋白質が治癒過程を加速するかどうかを示すため、一般的に、創傷治癒の糖尿病マウスモデルを用いる。db+/db+マウスにおける全層創傷治癒モデルは十分に特徴付けられた、臨床上適切かつ再現可能な障害性創傷治癒モデルである。糖尿病創傷の治癒は、萎縮よりむしろ肉芽組織の形成および再上皮形成に依存する(Gartner,M.H.ら.,J. Surg Res.52:389(1992);Greenhalgh,D.G.ら.,Am.J.Pathol.136:1235(1990))。
糖尿病動物は、II型糖尿病で観察されるほとんどの特徴的特性を有している。ホモ接合型(db+/db+)マウスは、それらの正常ヘテロ接合型(db+/+m)同腹仔と比較して肥満である。変異糖尿病(db+/db+)マウスは、4番染色体に1個の常染色体劣性変異(db+)を有する(Colemanら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:283−293(1982))。動物は、多食、多飲、および多尿を示す。変異糖尿病マウス(db+/db+)は、血糖の上昇、上昇または正常なインスリンレベル、および細胞介在性免疫の抑制を有する(Mandelら.,J.Immunol.120:1375(1978);Debray−Sachs,M.ら.,Clin.Ex.Immunol.51(1):1−7(1983);Leiterら.,Am.J. of Pathol.114:46−55(1985))。末梢神経障害、心筋の合併症、および微小血管の損傷、基底膜の肥厚、および糸球体濾過異常がこれらの動物において観察された(Norido,F.ら.,Exp.Neurol.83(2):221−232(1984);Robertsonら.,Diabetes 29(I):60−67(1980);Giacomelliら.,Lab Invest.40(4):460−473(1979);Coleman D.L.,Diabetes 3l(Suppl):1−6(1982))。これらのホモ接合型糖尿病マウスは高血糖を発症し、これはヒトII型糖尿病同様インスリン抵抗性である(Mandelら.,J.Immunol.120:1375−1377(1978))。
これらの動物で観察される特徴は、このモデルでの治癒がヒト糖尿病において観察される治癒と類似し得ることを示唆する(Greenhalgh,ら.,Am.J. of Pathol.136:1235−1246(1990))。
一般に、糖尿病のメスC57BLKsJ(db+/db+)マウスおよびそれらの非糖尿病(db+/+m)ヘテロ接合型同腹仔を本研究に用いる(Jackson Laboratories)。6週齢のマウスを購入し、研究の開始時に8週齢とする。動物を個々に収容し、餌と水を自由に摂取させる。全ての操作を無菌技術を用いて行う。Human Genom Science,Inc.の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)および実験動物の管理と使用のガイドライン(Guidelines for the Care and Use of Laboratory Animal)の規則およびガイドラインに従い、実験を行う。
既に報告された方法(Tsuboi,R. and Rifkin,D.B.,J.Exp.Med 172:245−251(1990))の治癒プロトコルを行う。簡単にいうと、創傷した日に、アーバティン(0.01mg/mL)、脱イオン水に溶解した2,2,2−トリブロモエタノールおよび2−メチル−2−ブタノールの腹腔内注射により、動物を麻酔する。動物の背部を剃り、皮膚を70% エタノール溶液およびヨウ素で洗浄する。手術範囲を創傷前に滅菌ガーゼで拭き取る。次に、キース組織パンチを用いて、8mmの全層創傷を作製する。創傷後直ちに、周辺の皮膚を軽くのばし、創傷の拡大を防ぐ。創傷は実験期間中開いたままである。創傷の日後連続して5日間、処置を局所適用する。処置に先立ち、滅菌生理食塩水およびガーゼスポンジで創傷を簡単に拭く。
創傷を視覚的に調べ、手術日およびその後は2日間隔で固定距離にて撮影する。1〜5日目および8日目の測定により、創傷の閉鎖を決定する。目盛付きジェームソンキャリパーを用いて、水平および垂直方向で損傷を測定する。肉芽組織がもはやみられなくなり、創傷が一枚の上皮で覆われると、創傷は治癒したとみなされる。
異なる用量範囲、ビヒクル中の4mg〜500mg/創傷/日を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質を8日間投与する。ビヒクル対照群には、ビヒクル溶液50mLを投与する。
8日目にペントバルビタールナトリウム(300mg/kg)を腹腔内注射して、動物を安楽死させる。次に、組織学および免疫組織化学用に、創傷および周辺の皮膚を採取する。さらに処理するため、生検スポンジ間の組織カセット中、10%の中性平衡化ホルマリンに組織標本を入れる。
それぞれ10匹(糖尿病5匹、および非糖尿病対照5匹)からなる3つの群:1)ビヒクルプラシーボ対照、2)無処置群、および3)処置群を評価する。
縦軸および横軸間の領域を測定し、創傷の正方形領域の合計を得て、創傷閉鎖を分析する。次に、最初の創傷領域(0日目)と処置後のもの(8日目)の差を確定して、萎縮を評価する。1日目の創傷領域は64mmであり、これはパンチ直径に対応する。次の式:
Figure 0005568582
を用いて計算する。
10% 平衡化ホルマリン中で標本を固定し、Reichert−Jungミクロトームを用いて、創傷表面に垂直にパラフィン包埋ブロックを薄切(5mm)する。二分した創傷の断面を通常のヘマトキシリン−エオジン(H&E)染色する。創傷の組織学的調査を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質での処置により治癒過程および修復皮膚の形態学的外見が変化するかどうかを評価する。この評価は、細胞蓄積の存在、炎症性細胞、毛細血管、線維芽細胞、再上皮形成、および表皮の成熟の検証を含む(Greenhalgh,D.G.ら.,Am.J.Pathol.136:1235(1990))。盲検観測者は目盛付レンズマイクロメータを用いる。
ABC Elite検出システムを用いて、ポリクローナルウサギ抗ヒトケラチン抗体で、組織切片を免疫組織化学染色する。ヒトの皮膚を正の組織対照として用い、一方非免疫IgGを負対照として用いる。目盛付レンズマイクロメータを用いて、創傷の再上皮形成の程度を評価することで、ケラチノサイトの成長を決定する。
ABC Elite検出システムで抗PCNA抗体(1:50)を用いて、皮膚標本における増殖性細胞核抗原/サイクリン(PCNA)を決定する。ヒト大腸癌は正の組織対照となり、ヒト脳組織を負の組織対照として用いる。各標本は、1次抗体が脱落し、非免疫マウスIgGで置換した切片を含む。増殖の程度に基づき、これらの切片を0〜8の階級にランキングする。低い階級ほど増殖がわずかであることを反映し、高いほど急激な増殖を反映する。
対応のないt検定を用いて、実験データを分析する。0.05未満のp値を有意とみなす。
ステロイド障害性ラットモデル
ステロイドによる創傷治癒の阻害は、種々のインビトロおよびインビボシステムにおいて十分に示されている(Wahl,Glucocorticoids and Wound healing.In:Anti−Inflammatory Steroid Action:Basic and Clinical Aspects. 280−302(1989);Wahlら.,J Immunol.115:476−481(1975);Werbら.,J.Exp.Med.147:1684−1694(1978))。血管新生を阻害し、血管透過性(Ebertら.,An.Intern.Med.37:701−705(1952))、線維芽細胞増殖、およびコラーゲン合成(Beckら.,Growth Factors.5:295−304(1991);Haynesら.,J.Clin.Invest.61:703−797(1978))を低減し、循環単球を一過性に低減すること(Haynesら.,J.Clin.Invest.61:703−797(1978);Wahl,”Glucocorticoids and healing”,In:Antiinflammatory Steroid Acion:Basic and Clinical Aspects,Academic Press,New York,pp.280−302(1989))により、糖質コルチコイドは創傷治癒を遅延させる。障害された創傷治癒に対するステロイドの全身投与は、ラットにおいて十分に確立された現象である(Beckら.,Growth Factors.5:295−304(1991);Haynesら.,J.Clin.Invest.61:703−797(1978);Wahl,”Glucocorticoids and wound healing”,In:Antiinflammatory Steroid Action:Basic and Clinical Aspects,Academic Press,New York,pp.280−302(1989);Pierceら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2229−2233(1989))。
本発明のアルブミン融合蛋白質が治癒過程を加速することができることを示すために、治癒がメチルプレドニゾロンの全身投与により改善されたラットの全層切開性皮膚創傷に対する融合蛋白質の複数局所適用の効果を評価する。
体重250g〜300gの若い成体のオススプラーグドーリーラット(Charles River Laboratories)をこの実験で用いる。動物を8週齢にて購入し、研究の開始時に9週齢となる。ラットの治癒応答を創傷時のメチルプレドニゾロンの全身投与(17mg/kg/ラット 筋肉内)により改善する。動物を個別に収容し、餌と水を自由に与える。無菌的技術を用いて全ての操作を行う。Human Genom Science,Inc.の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)および実験動物の管理と使用のガイドライン(Guidelines for the Care and Use of Laboratory Animal)の規則およびガイドラインに従い、この実験を行う。
創傷のプロトコルは上述の通りである。創傷日に、ケタミン(50mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)を筋注して、動物を麻酔する。動物の背部を剃り、皮膚を70% エタノールおよびヨウ素溶液で洗浄する。創傷前に、手術範囲を滅菌ガーゼで拭く。Keyes組織パンチを用いて、8mmの全層創傷を作製する。創傷は実験期間中開いたままである。創傷日から連続して7日間、試験物質を局所適用し、次に、メチルプレドニゾロンを投与する。処置の前に、創傷を滅菌生理食塩水およびガーゼスポンジで簡単に拭く。
損傷を視覚的に調べ、創傷日および処置の終わりに固定距離にて撮影する。1〜5日目および8日目の測定により、創傷の閉鎖を決定する。目盛付きジェームソンキャリパーを用いて、創傷を水平および垂直方向で測定する。肉芽組織がもはやみられなくなり、創傷が1枚の上皮で覆われると、損傷は治癒したとみなされる。
異なる用量範囲、ビヒクル中の4mgから500mg/創傷/日を用いて、本発明の融合蛋白質を8日間投与する。ビヒクル対照群には、ビヒクル溶液50mLを投与する。
8日目にペントバルビタールナトリウム(300mg/kg)を腹腔内注射して、動物を安楽死させる。次に、組織学のために、創傷および周辺の皮膚を採取する。さらに処理するため、生検スポンジ間の組織カセット中、10%の中性平衡化ホルマリンに組織標本を入れる。
それぞれ10匹(メチルプレドニゾロンあり5匹、および糖質コルチコイドなし5匹)からなる3つの群:1)無処置群、2)ビヒクルプラシーボ対照、および3)処置群を評価する。
縦軸および横軸の領域を測定し、創傷の領域の合計を得ることで、創傷閉鎖を分析する。次に、最初の創傷領域(0日目)と処置後のもの(8日目)との間の差を確立して、萎縮を評価する。1日目の創傷領域は64mmであり、これはパンチの直径に対応するものである。次の式:
Figure 0005568582
を用いて計算する。
10% 平衡化ホルマリン中で標本を固定し、Olympusミクロトームを用いて、パラフィン包埋ブロックを創傷表面に垂直に薄切(5mm)する。二分した創傷の断面を、通常のヘマトキシリン−エオジン(H&E)染色する。創傷の組織学的調査を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質での処置により、治癒過程および修復皮膚の形態学的外見が変化するかどうかを評価する。盲検観測者は目盛付レンズマイクロメータを用い、創傷間の差を決定する。
対応のないt検定を用いて、実験データを分析する。0.05未満のp値を有意とみなす。
実施例22:リンパ浮腫動物モデル
この実験アプローチの目的は、ラットの後足のリンパ性循環系のリンパ脈管新生および再確立における本発明のアルブミン融合蛋白質の治療効果を試験するための適切かつ首尾一貫した、リンパ浮腫モデルを作製することである。影響を受けた足の浮腫容積、リンパ脈管構造の定量、総血漿蛋白質、および組織病理により、有効性を測定する。急性リンパ浮腫は7〜10日間観察される。より重要なことに、おそらく浮腫の臨床上の進行は3〜4週間まで続く。
手術の開始に先立ち、蛋白質濃度分析のため、血液試料を採取する。約〜350gの体重のオスのラットにペントバルビタールを投与する。次に、右足を膝からおしりに向けて剃る。剃った範囲を70%のEtOHに浸したガーゼで拭く。血清総蛋白質の検査のため、血液を採取する。周囲および容積を測定し、2箇所の測定レベル(かかとの上0.5cm、足の後の中点)にマーキング後、足にダイを注入する。右足および左足両方の背側皮内に1%のエバンスブルー0.05mlを注入する。次に、後足へのダイの注入後の周囲および容積を測定する。
膝関節を目印として用い、足の中央部から鼠径部の周囲を切開することで、大腿血管の位置を決定する。鉗子および止血剤を用いて解剖し、皮膚片を分取する。大腿血管の位置を決定した後、側部に沿って走るリンパ管および下部の血管の位置を決定する。次に、この範囲の主要なリンパ管を電気で凝固させるか、あるいは縫合する。
顕微鏡を用いて、足の後ろ(半膜様筋および内転筋の近く)の筋肉を露出させる。次に、膝窩のリンパ節の位置を決定する。次に、膝窩リンパ節の2本の近位リンパ管および2本の遠位リンパ管、および遠位の血液供給を縫合する。次に、結合組織を切断して、膝窩リンパ節および任意の付随の脂肪組織を除去する。
この方法に起因する任意の多少の出血を制御するよう注意する。リンパ管をふさいだ後、液状の皮膚(Vetbond)(AJ Buck)を用いて、皮膚弁に封をする。足の周り〜0.5cmの隙間を残して、分取した皮膚の端を下にある筋肉組織と結ぶ。必要なら、皮膚を下にある筋肉に縫合して、とめてもよい。
感染を回避するために、網で隔てて個々に動物をいれる(寝具類なし)。最適な浮腫ピークを通じて、動物の回復を毎日チェックする。典型的には、それは、5〜7日までに生じる。次に、プラートーの浮腫ピークを観察する。リンパ浮腫の程度を評価するために、各足の周囲および2ヶ所の指定地点の容積を、手術前、そして7日間毎日測定する。血漿蛋白質のリンパ浮腫に対する効果を決定し、蛋白質分析が有用な周囲長検査であるかどうかも調べる。2地点で対照および浮腫の足の両方の重さを評価する。盲検で分析する。
周囲の測定:四肢の運動を防ぐために簡易ガス麻酔下で布巻き尺を用いて足の周囲を測定する。2人の別人が距骨および足の後で測定し、2回の測定値を平均する。対照および浮腫の足の両方から読み取る。
容積の測定:手術日にペントバルビタールで動物を麻酔し、手術前に試験する。日々の容積測定のためには、動物を簡単なハロタン麻酔(迅速な固定かつ回復)下におき、両方の足を剃り、防水マーカーを用いて足に等しく印を付ける。両足をまず水に浸し、次に、装置を各印を付けたレベルまで浸し、次に、Buxco浮腫ソフトウエア(Chen/Victor)により測定する。1人の人間がデータを記録し、別の者が印を付けた範囲まで足を浸す。
血漿蛋白質の測定:手術前に、血液を採取し、遠心し、血清を分離させ、総蛋白質およびCa2+を比較する。
足重量の比較:採血後、動物に組織回収の準備をする。キリチン(quillitine)を用いて足を切断し、次に、実験した足および対照の足の両方を結紮糸で切断し、重量を測定する。脛踵関節をはずし、足の体重を測定することで、第2の重量測定を行う。
組織プレパラート:膝(膝窩)部分の後に位置する横筋を切開し、金型に並べ、凍結ゲルを充填し、冷メチルブタンに浸し、薄切まで−80ECの標識試料バッグに入れる。薄切後、蛍光顕微鏡下でリンパ腺について筋肉を観察する。
実施例23:本発明のアルブミン融合蛋白質によるTNFα誘発性接着分子の発現の抑制
炎症および血管形成領域へのリンパ球の動員は、リンパ球の細胞表面接着分子(CAM)と血管内皮との間の特異的な受容体−リガンド相互作用を含む。正常および病理学的設定における結合工程は、内皮細胞(EC)上の細胞接着分子1(ICM−1)、血管細胞接着分子1(VCAM−1)、および内皮白血球接着分子1(E−セレクチン)の発現を含む複数工程のカスケードが続く。血管内皮でのこれらの分子および他の分子の発現は、炎症反応の発生中、白血球が局所脈管構造と結合し、局所組織に侵出する確率を決定する。サイトカインおよび成長因子の局所濃度は、これらのCAMの発現の調節に関与する。
強力な前炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子α(TNF−α)は、内皮細胞上の3種のCAM全ての刺激因子であり、広範な炎症反応に関与し、しばしば病的結果を生じる。
本発明のアルブミン融合蛋白質が、TNF−α誘発性CAM発現の抑制を介在する可能性を調べることができる。ECを固相吸着剤として用いた変形ELISAアッセイを用いて、FGFファミリーのメンバーである蛋白質で同時刺激した場合のTNF−α処理ECにおけるCAM発現量を測定する。
実験を行うために、プールした臍帯収集物からヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)培養物を得て、10%のFCS、および1%のペニシリン/ストレプトマイシンを添加した成長培地(EGM−2;Clonetics,San Diego,CA)中、37℃、5%のCO含有加湿インキュベータ−内にて維持する。HUVECをEGM培地中密度1×10細胞/ウェルにて96ウェルプレートに播種し、37℃で18〜24時間またはコンフルエントまで培養する。次に、100U/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシンを添加した無血清RPMI−1640溶液で3回洗浄し、所定のサイトカインおよび/または成長因子を用いて37℃にて24時間処理する。インキュベーション後、CAM発現について細胞を評価する。
ヒト臍帯血静脈内皮細胞(HUVEC)を、標準的な96ウェルプレート中コンフルエントまで成長させる。成長培地を細胞から除去し、199培地(10%のFBS)90μlと置き換える。検査用試料、および正または負対照をプレートにトリプリケートで添加する(容量10μl中)。37℃にて、5時間(セレクチンおよびインテグリンの発現)または24時間(インテグリンの発現のみ)のいずれか、プレートをインキュベーションする。プレートをアスピレーションして培地を除去し、0.1%のパラホルムアルデヒド−PBS(Ca++およびMg++を含む)100μlを各ウェルに添加する。プレートを4℃に30分間おく。
次に、固定剤をウェルから除去し、ウェルを0.5%のBSAを含むPBS(Ca、Mgを含む)で1回洗浄し、排水する。ウェルを乾燥させてはいけない。希釈した1次抗体10μlを試験および対照ウェルに添加する。抗ICAM−1−ビオチン、抗VCAM−1−ビオチン、および抗E−セレクチン−ビオチンを10μg/ml(0.1mg/mlのストック抗体の1:10希釈)の濃度にて用いる。細胞を37℃で10分間、加湿環境下でインキュベーションする。ウェルを0.5%のBSAを含むPBS(Ca、Mgを含む)で3回洗浄する。
次に、希釈したエキストラアビジン−アルカリホスファターゼ(1:5,000希釈)20μlを各ウェルに添加し、37℃で30分間インキュベーションする。ウェルを0.5%のBSAを含むPBS(Ca、Mgを含む)で3回洗浄する。p−ニトロフェノールホスフェートpNPP1錠をグリシンバッファー(pH10.4)5mlに溶解する。グリシンバッファー中のpNPP基質100μlを各試験ウェルに添加する。グリシンバッファー中のエキストラアビジン−アルカリホスファターゼの実用的希釈物:1:5,000(10)>10−0.5>10−1>10−1.5からトリプリケートの標準ウェルを調製する。各希釈物5μlをウェルにトリプリケートで添加する。各ウェル中で生じたAP含有量は、5.50ng、1.74ng、0.55ng、0.18ngである。次に、pNNP試薬100μlを各標準ウェルに添加する。プレートを37℃で4時間インキュベーションする。3MのNaOH 50μlを全ウェルに添加する。プレートリーダー、405nmで結果を定量する。グリシンバッファーのみを充填したブランクウェルにおいてバックグラウンド減算オプションを用いる。各標準ウェルのAP結合体量[5.50ng;1.74ng;0.55ng;0.18ng]を示すよう、テンプレートを設定する。各試料中の結合したAP結合体量として結果を示す。
実施例24:GAS受容体コンストラクトの構築
細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路は、Jak−STAT経路と呼ばれる。Jak−STAT経路の活性化蛋白質は、多くの遺伝子のプロモーターに位置するガンマ活性化部位「GAS」エレメントまたはインターフェロン−感受性応答エレメント(「ISRE」)と結合する。蛋白質のこれらのエレメントとの結合は、関連遺伝子の発現を変化させる。
GASおよびISREエレメントは、シグナル伝達物質および転写活性化因子、または「STAT」と呼ばれる転写因子類により認識される。STATファミリーには6種類のメンバーが存在する。Stat1、およびStat3は、Stat2(IFN−αに対する応答として、広範囲に存在する)のように、多くの細胞種類に存在する。Stat4はより限定されており、多くの細胞種類には存在しないが、IL−12での処置後、TヘルパークラスIの細胞において見られる。Stat5はもともと乳成長因子と呼ばれ、骨髄細胞を含む他の細胞においてより高濃度で見られる。それは組織培養細胞において多くのサイトカインにより活性化され得る。
ヤヌスキナーゼ(「Jak」)ファミリーとして知られた一連のキナーゼによるチロシンリン酸化において、STATは活性化されて細胞質から核に転位する。Jakは可溶性チロシンキナーゼの明確なファミリーを表し、Tyk2、Jak1、Jak2、およびJak3を含む。これらのキナーゼは有意な配列類似性を示し、一般的に休止細胞で触媒不活性である。
Jakは、以下の表で概説する広範な受容体により活性化される(Schidler and Darnell,Ann.Rev.Biochem.64:621−51(1995)による調査から適用)。Jakを活性化できるサイトカイン受容体ファミリーは2つの群に分けられる:(a)クラス1は、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL−9、1L−11、IL−12、IL−I5、Epo、PRL、GH、G−CSF、GM−CSF、LIF、CNTF、およびトロンボポエチンの受容体を含み;そして(b)クラス2は、IFN−a、IFN−g、およびIL−10を含む。クラス1受容体は、保存システインモチーフ(4個の保存システインおよび1個のトリプトファンのセット)およびWSXWSモチーフ(Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser(配列番号:53)をコードする膜近接領域)を共有する。
従って、リガンドの受容体との結合において、Jakは活性化され、順にSTATを活性化し、転位し、GASエレメントと結合する。この過程の全てがJak−STATシグナル伝達経路に包含される。それゆえ、GASまたはISREエレメントの結合により影響されるJak−STATの活性化を用いて、細胞の増殖および分化に関与する蛋白質を示すことができる。例えば、成長因子およびサイトカインは、Jak−STAT経路を活性化することが知られている(以下の表5参照)。従って、受容体分子と結合したGASエレメントを用いることで、Jak−STAT経路の活性化因子を同定することができる。
表5
Figure 0005568582

Figure 0005568582
実施例27〜29に記載の生物学的アッセイにおいて用いるプロモーターエレメント含有合成GASを構築するために、PCRベースのストラテジーを利用し、GAS−SV40プロモーター配列を生成する。5’プライマーは、IRF1プロモータに見られ、広範なサイトカインでの誘導の際STATと結合することが既に示されている(Rothman ら.,Immunity 1:457−468(1994))4個のタンデムコピーのGAS結合部位を含有するが、他のGASまたはISREエレメントを代わりに用いることもできる。5’プライマーはまた、SV40初期プロモーターに相補的な配列18bpを含有し、そしてXhoI部位と隣接する。5’プライマーの配列は:
5’:GCGCCTCGAGATTTCCCCGAAATCTAGATTTCCCCGAAATGATTTCCCCGAAATGATTTCCCCGAAATATCTGCCATCTCAATTAG:3’(配列番号:54)である。
下流プライマーは、SV40プロモーターに相補的であり、HindIII部位に隣接する:5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3’(配列番号:55)。
Clontechから得たB−gal:プロモータープラスミドに存在するSV40プロモーターテンプレートを用いて、PCR増幅を行う。生じたPCR断片をXhoI/HindIIIで消化し、BLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。フォワードおよびリバースプライマーを用いた配列決定により、インサートが次の配列:
5’:CTCGAGATTTCCCCGAAATCTAGATTTCCCCGAAATGATTTCCCCGAAATGATTTCCCCGAAATATCTGCCATCTCAATTAGTCAGCAACCATAGTCCCGCCCCTAACTCCGCCCATCCCGCCCCTAACTCCGCCCAGTTCCGCCCATTCTCCGCCCCATGGCTGACTAATTTTTTTTATTTATGCAGAGGCCGAGGCCGCCTCGGCCTCTGAGCTATTCCAGAAGTAGTGAGGAGGCTTTTTTGGAGGCCTAGGCTTTTGCAAAAAGCTT:3’(配列番号:56)を含有することを確認する。
次に、SV40プロモーターと結合したこのGASプロモーターエレメントを用いて、GAS:SEAP2受容体コンストラクトを設計する。ここで、受容体分子は、分泌アルカリホスファターゼまたは「SEAP」である。しかしながら、この実施例または他の実施例のいずれかにおいて、任意の分子がSEAPの代わりとなり得ることは明らかである。SEAPの代わりに用いられ得るよく知られた受容体分子は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、B−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光蛋白質(GFP)、または抗体により検出可能な任意の蛋白質を含む。
合成GAS−SV40プロモーターエレメントを確認した上記配列を、HindIIIおよびXhoIを用いてClontechから得たpSEAP−プロモーターベクターにサブクローニングし、SV40プロモーターを増幅GAS:SV40プロモーターエレメントと有効に置き換え、GAS−SEAPベクターを作製する。しかしながら、このベクターはネオマイシン耐性遺伝子を含有しないので、哺乳類の発現系には好ましくない。
従って、GAS−SEAP受容体を発現する哺乳類の安定な細胞株を生成するために、SalIおよびNotIを用いて、GAS−SEAPカセットをGAS−SEAPベクターから除去し、pGFP−1(Clontech)のようなネオマイシン耐性遺伝子含有骨格ベクターに、マルチクローニングサイトのこれらの制限酵素認識部位を用いて挿入し、GAS−SEAP/Neoベクターを作製する。このベクターを哺乳類細胞に形質移入し、実施例27〜29に記載のGAS結合の受容体分子として用い得る。
上記のものを用いて、GASを異なるプロモーター配列と置き換え、他のコンストラクトを作製することができる。例えば、EGRおよびNF−KBプロモーター配列含有受容体分子の構築を実施例27〜31に記載する。しかしながら、これらの実施例に記載のプロトコルを用いて、多くの他のプロモーターを置換することができる。例えば、SRE、IL−2、NFAT、またはオステオカルシンプロモーターを単独または組合せて置換することができる(例えば、GAS/NF−KB/EGR、GAS/NF−KB、IL−2/NFAT、またはNF−KB/GAS)。同様に、他の細胞株を用いて、HELA(上皮)、HUVEC(内皮)、Reh(B細胞)、Saos−2(骨芽細胞)、HUVAC(大動脈)、または心筋細胞のような受容体コンストラクト活性を試験することができる。
実施例25:SEAP活性についてのアッセイ
Tropix Phospho−lightキット(カタログ番号BP−400)を用いて、以下の一般的な方法により、本明細書に開示の実施例に記載のアッセイの受容体分子としてのSEAP活性をアッセイする。Tropix Phospho−lightキットは、以下で用いる希釈バッファー、アッセイバッファー、および反応バッファーを含む。
まず、容器に2.5×希釈バッファーを入れ、本発明のアルブミン融合蛋白質含有溶液35μlを含有する光学プレートに2.5×希釈バッファー15μlを分配する。プレートをプラスチックシーラーで密封し、65℃で30分間インキュベーションする。不均一な加熱を避けるため、光学プレートを引き離しておく。
試料を室温まで15分間冷却する。容器を空にし、アッセイバッファーを入れる。アッセイバッファー50mlを添加し、室温で5分間インキュベーションする。容器を空にし、反応バッファー(以下の表を参照)を入れる。反応バッファー50μlを添加し、室温で20分間インキュベーションする。化学発光シグナルの強度は時間に依存し、かつルミノメーターでプレート5枚を読むのに約10分かかるので、プレート5枚を同時に処理し、10分後に次のセットを処理し始めなければならない。
ルミノメーターでは、相対的発行単位を読み取る。H12をブランクに設定し、結果をプリントアウトする。化学発光の増大は、受容体活性を示す。
表6
Figure 0005568582
実施例26:ニューロン活性を同定するアッセイ
細胞が分化および増殖するとき、多くの異なるシグナル伝達経路を介して、1群の遺伝子が活性化される。これらの遺伝子の1つであるEGFR1(初期成長応答遺伝子1)は、活性化の際種々の組織および細胞種類で誘導される。EGFR1のプロモーターはかかる誘導に関与する。受容体分子と結合したEGFR1プロモーターを用いて、本発明の融合蛋白質の細胞を活性化する能力を評価することができる。
具体的には、次のプロトコルを用いて、PC12細胞株におけるニューロン活性を評価する。PC12細胞(ラット褐色細胞腫細胞)は、TPA(テトラデカノイルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)およびEGF(表皮成長因子)のような多数のマイトジェンでの活性化により増殖および/または分化することが知られている。この処置において、EGR1遺伝子発現が活性化される。従って、SEAP受容体と結合したEGRプロモーター含有コンストラクトで、PC12細胞を安定に形質移入することにより、本発明のアルブミン融合蛋白質によるPC12細胞の活性化を評価することができる。
EGR/SEAP受容体コンストラクトを次のプロトコルによりアセンブリすることができる。次のプライマー:
第1プライマー:5’GCGCTCGAGGGATGACAGCGATAGAACCCCGG-3’(配列番号:57)
第2プライマー:5’GCGAAGCTTCGCGACTCCCCGGATCCGCCTC-3’(配列番号:58)
を用いて、ヒトゲノムDNAからEGR−1プロモーター配列(−633から+1)(SakamotoKら.,Oncogene6:867−871(1991))をPCR増幅する。
次に、実施例24で生成したGAS:SEAP/Neoベクターを用いて、EGR1増幅産物をこのベクターに挿入することができる。制限酵素XhoI/HindIIIを用いて、GAS:SEAP/Neoベクターを直鎖にし、GAS/SV40詰込みを除去する。これらと同じ酵素でFGR1増幅産物を消化する。ベクターとEGR1プロモーターをライゲーションする。
細胞培養用96ウェルプレートを調製するために、30%のエタノール(フィルター濾過)中のコーティング溶液(I型コラーゲン(Upstate Biotech Inc.カタログ番号08−115)の1:30希釈)を10cmプレート1枚当たり2ml、または96ウェルプレートの1ウェル当たり50ml添加し、2時間空気乾燥させる。
通常、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを添加した10%のウマ血清(JRH BIOSCIENCES、カタログ番号12449−78P)、5%の熱失活ウシ胎児血清(FBS)含有RPMI−1640(Bio Whittaker)中、予めコートした10cm組織培養ディッシュにてPC12細胞を成長させる。3から4日毎に4分の1に分ける。プレートから細胞を掻き取って取り出し、15回以上ピペッティングして再懸濁する。
当該技術分野で知られた技術を用いて、EGR/SEAP/NeoコンストラクトをPC12に形質移入する。細胞を300μg/mlのG418にて成長させ、EGR−SEAP/PC12安定細胞を得る。通常の培養のためにはG418を含まない培地を用いるが、1から2ヶ月毎に300μg/mlのG418にて2継代細胞を成長させるとよい。
ニューロン活性についてアッセイするために、細胞が約70から80%コンフルエントの10cmプレートから古い培地を除去してスクリーニングする。細胞をPBS(リン酸緩衝食塩水)で1回洗浄する。次に、低血清培地(抗生物質を含む1%のウマ血清および0.5%のFBS含有RPMI−1640)にて細胞を一晩飢餓状態におく。
翌朝、培地を除去し、細胞をPBSで洗浄する。細胞をプレートから掻き取り、該細胞を低血清培地2mlに十分に懸濁する。細胞数をカウントし、低血清培地をさらに添加して、最終細胞密度5×10細胞/mlとする。
細胞懸濁液200μlを96ウェルプレートの各ウェルに添加する(1×10細胞/ウェルと同等)。一連の異なる濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質を添加し、37℃にて48から72時間インキュベーションする。正対照として、EGRを介してPC12細胞を活性化することが知られている成長因子、例えば、50ng/μlの神経成長因子(NGF)を用いることができる。典型的には、正対照において、5倍を超えるSEAPの導入を観察する。通常、当該技術分野で知られた技術および/または実施例25に記載の技術を用いて、SEAPアッセイを行い得る。
実施例27:T細胞活性についてのアッセイ
次のプロトコルを用いて、因子を同定し、本発明のアルブミン融合蛋白質がT細胞を増殖および/または分化させるかどうかを決定して、T細胞活性を評価する。実施例24で生成したGAS/SEAP/Neoコンストラクトを用いて、T細胞活性を評価する。従って、SEAP活性を増大させる因子は、Jak−STATシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。このアッセイで用いたT細胞は、ジャーカットT細胞(ATCCアクセッション番号TIB−152)であるが、Molt−3細胞(ATCCアクセッション番号CRL−1552)、およびMolt4細胞(ATCCアクセッション番号CRL−1582)も用いることができる。
ジャーカットT細胞は、リンパ芽球性CD4+Th1ヘルパー細胞である。安定な細胞株を生成するために、DMRIE−C(Life Technologies)を用いて、GAS−SEAP/neoベクターでジャーカット細胞約200万個を形質移入する(下記形質移入法)。形質移入した細胞を1ウェル当たり約20,000細胞密度で播種し、1mg/ml ジェネテシンに抵抗性の形質移入体を選択する。抵抗性コロニーを拡大し、次に、増加濃度のインターフェロンγに対するそれらの応答性について試験する。選択したクローンの用量応答性を示す。
具体的には、次のプロトコルにより、75ウェル(細胞200μl含有)に十分な細胞を生成する。従って、それをスケールアップしてもよいし、あるいは複数回行い、複数の96ウェルプレートに十分な細胞を生成する。1%のペニシリン/ストレプトマイシンを添加した10%の血清を含むRPMIにて、ジャーカット細胞を維持する。OPTI−MEM(Life Technologies)2.5mlをプラスミドDNA10μgとT25フラスコ中で組み合わせる。DMRIE−C50μl含有OPTI−MEM2.5mlを添加し、室温にて15〜45分間インキュベーションする。
インキュベーション中に細胞密度をカウントし、必要な数の細胞(1回のトランスフェクション当たり10個)をスピンダウンし、OPTI−MEMに再懸濁し、最終密度10細胞/mlとする。次に、OPTI−MEM中1×10細胞1mlをT25フラスコに添加し、37℃で6時間インキュベーションする。インキュベーション後、15%の血清を含むRPMI10mlを添加する。
ジャーカット:GAS−SEAP安定受容体株を10%血清、1mg/ml ジェネテシン、および1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含むRPMIにて維持する。これらの細胞を、種々の濃度の本発明の融合蛋白質1種類以上で処理する。
融合蛋白質での処理日に細胞を洗浄し、新しい10%の血清を含むRPMIに再懸濁し、1ml当たり500,000細胞密度とする。必要とする正確な細胞数は、スクリーニングする融合蛋白質の数、および異なる濃度の融合蛋白質の数に依存するだろう。96ウェルプレート1枚に対して、約1000万個の細胞(10プレートに対して、10000万個の細胞)が必要である。
融合蛋白質で処理したジャーカット細胞含有ウェルディッシュを、インキュベータ−内に48時間おく(注意:この時間は48から72時間の間で変更可能である)。次に、12チャンネルピペットを用いて、半透明の96ウェルプレートに各ウェル由来試料35μlを移す。半透明のプレートを(セロファンカバーを用いて)覆い、実施例25に従い、SEAPアッセイを行うまで−20℃にて保存する。残りの処理細胞含有プレートを4℃におき、所望に応じて、特定のウェルについてアッセイを繰り返すための材料供給源として用いる。
ジャーカットT細胞を活性化することが知られている100U/mlのインターフェロンγを正対照として用いることができる。典型的には、正対照ウェルでは30倍を超える誘導を観察する。
一過性並びに安定な形質移入細胞の生成において、上記プロトコルを用いることができる。これは当業者に明らかだろう。
実施例28:T細胞活性についてのアッセイ
NF−KB(核因子KB)は、炎症性サイトカインIL−1およびTNF、CD30およびCD40、リンホトキシン−αおよびリンホトキシン−βを含む広範な因子により、LPSまたはトロンビンへの曝露により、およびある種のウイルス遺伝子産物の発現により活性化される転写因子である。転写因子としてNF−KBは、免疫細胞の活性化、アポトーシスの制御(NF−KBはアポトーシスから細胞を守るようである)、BおよびT細胞発生、抗ウイルスおよび抗菌応答、および複数のストレス性応答に関与する遺伝子の発現を調節する。
無刺激状態において、NF−KBはI−KB(阻害因子KB)と共に細胞質に保持される。しかしながら、刺激の際、I−KBはリン酸化され、分解され、NF−KBは核を行ったり来たりし、それにより、標的遺伝子が活性化される。NF−KBにより活性化される標的遺伝子は、IL−2、IL−6、GM−CSF、ICAM−1およびMHCクラスIを含む。
広範な刺激に応答するその中心的な役割および能力により、NF−KBプロモーターエレメントを有する受容体コンストラクトを用いて、融合蛋白質をスクリーニングする。NF−KBの活性化因子または阻害因子は、疾患の処置、予防、および/または診断に有用である。例えば、NF−KBの阻害因子を用いて、関節リウマチのようなNF−KBの急性または慢性活性化と関連する疾患を処置できる。
NF−KBプロモーターエレメント含有ベクターを構築するために、PCRベースのストラテジーを用いる。上流プライマーは、4個のタンデムコピーのNF−KB結合部位(GGGGACTTTCCC)(配列番号:59)、SV40初期プロモーター配列の5’末端に相補的な配列18bpを含有し、XhoI部位に隣接する:
5’:GCGGCCTCGAGGGGACTTTCCCGGGGACTTTCCGGGGACTTTCCGGGACTTTCCATCCTGCCATCTCAATTAG:3’(配列番号:60)。
下流プライマーは、SV40プロモーターの3’末端に相補的であり、HindIII部位と隣接する:
5’GCGGCCTCGAGGGGACTTTCCCGGGGACTTTCCGGGGACTTTCCGGGACTTTCCATCCTGCCATCTCAATTAG:3’(配列番号:60)。
Clontechより得たpB−gal:プロモータープラスミドに存在するSV40プロモーターテンプレートを用いて、PCR増幅を行う。生じたPCR断片をXhoIおよびHindIIIを用いて消化し、BLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。T7およびT3プライマーを用いて配列決定し、インサートが次の配列:
5’:CTCGAGGGGACTTTCCCGGGGACTTTCCGGGGACTTTCCGGGACTTTCCATCTGCCATCTCAATTAGTCAGCAACCATAGTCCCGCCCCTAACTCCGCCCATCCCGCCCCTAACTCCGCCCAGTTCCGCCCATTCTCCGCCCCATGGCTGACTAATTTTTTTTATTTATGCAGAGGCCGAGGCCGCCTCGGCCTCTGAGCTATTCCAGAAGTAGTGAGGAGGCTTTTTTGGAGGCCTAGGCTTTTGCAAAAAGCTT:3’(配列番号:61)
を含有することを確認する。
次に、XhoIおよびHindIIIを用いて、pSEAP2プロモータープラスミド(Clontech)に存在するSV40微小プロモーターエレメントをNF−KB/SV40断片と置き換える。しかしながら、このベクターはネオマイシン耐性遺伝子を含有しないので、哺乳類の発現系には好ましくはない。
安定な哺乳類細胞株を生成するために、制限酵素SalIおよびNotIを用いて、上記NF−KB/SEAPベクターからNF−KB/SV40/SEAPカセットを除去し、ネオマイシン耐性遺伝子含有ベクターに挿入する。具体的には、NF−KB/SV40/SEAPカセットをpGFP−1(Clontech)に挿入し、pGFP−1をSalIおよびNotIで消化した後、GFP遺伝子と置き換える。
NF−KB/SV40/SEAP/Neoベクターを作製し、安定なジャーカットT細胞を作製し、実施例25に記載のプロトコルにより維持する。同様に、これらの安定なジャーカットT細胞を用いて融合蛋白質をアッセイする方法も実施例25に記載している。正対照として、外因性TNF−α(0.1、1、10ng)をウェルH9、H10およびH11に添加する。典型的には、5〜10倍の活性を観察する。
実施例29:骨髄活性を同定するアッセイ
次のプロトコルを用いて、融合蛋白質が骨髄細胞を増殖および/または分化させるかどうかを決定することにより、本発明のアルブミン融合蛋白質の骨髄活性を評価する。実施例24で生成したGAS/SEAP/Neoコンストラクトを用いて、骨髄細胞活性を評価する。従って、SEAP活性を増大する因子は、Jak−STATシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。このアッセイで用いた骨髄細胞は前単球細胞株のU937であるが、TF−1、HL60、またはKG1も用いることができる。
実施例24で生成したGAS/SEAP/NeoコンストラクトでU937細胞を一過性に形質移入するために、DEAE−Dextran法(Kharbandaら.,Cell Growth&Differentiation,5:259−265)を用いる。まず、U937細胞2×10個を回収し、PBSで洗浄する。通常、100U/ml ペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシンを添加した10% 熱失活ウシ胎児血清(FBS)含有RPMI 1640にてU937細胞を成長させる。
次に、0.5mg/mlのDEAE−Dextran、GAS−SEAP2プラスミド8μg、140mMのNaCl、5mMのKCl、375μMのNaHPO7HO、1mMのMgCl、および675μMのCaCl含有20mMトリス−HCl(pH7.4)バッファー1mlに細胞を懸濁する。37℃で45分間インキュベーションする。
10%のFBS含有RPMI 1640培地で細胞を洗浄し、次に、完全培地10mlに再懸濁し、37℃で36時間インキュベーションする。
細胞を400μg/mlのG418にて成長させ、GAS−SEAP/U937安定細胞を得る。通常の成長には、G418を含まない培地を用いるが、1から2ヶ月毎に400μg/mlのG418にて2継代細胞を再び成長させるとよい。
1×10細胞(これは10回の96ウェルプレートアッセイに十分である)を回収し、PBSで洗浄し、細胞を試験する。上記成長培地200mlに細胞を懸濁し、最終密度5×10細胞/mlとする。96ウェルプレート1ウェル当たり細胞200μl(または1×10細胞/ウェル)を播種する。
異なる濃度の融合蛋白質を添加する。37℃で48から72時間インキュベーションする。正対照として、U937細胞を活性化することが知られている100U/ml インターフェロンγを用いることができる。典型的には、正対照ウェルでは、30倍を超える誘導を観察する。SEAPは、当該技術分野で知られた方法および/または実施例25に記載のプロトコルにより上清をアッセイする。
実施例30:小分子濃度および膜透過性の変化を同定するアッセイ
リガンドの受容体との結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのような小分子の細胞内濃度、およびpHを変化させ、ならびに膜電位を変化させることが知られている。特定の細胞の受容体と結合する融合蛋白質を同定するためのアッセイにおいて、これらの変化を測定できる。次のプロトコルはカルシウムのアッセイについて記載するが、このプロトコルを変形して、カリウム、ナトリウム、pH、膜電位、または蛍光プローブにより検出可能な任意の他の小分子の変化を容易に検出することができる。
次のアッセイは、小分子と結合する蛍光分子(Molecular Probes)の変化を測定するために蛍光イメージングプレートリーダー(「FLIPR」)を用いる。小分子を検出する任意の蛍光分子をカルシウム蛍光分子(ここでは、fluo−4(Molecular Probes,Inc.;カタログ番号F−14202)を用いる)の代わりに用いられることは明らかである。
接着細胞については、透明な底のCo−star黒色96ウェルプレート中、10,000〜20,000細胞/ウェルにて細胞を播種する。プレートをCOインキュベータ−にて20時間インキュベーションする。Biotek洗浄機にて、HBSS(ハンクス緩衝塩溶液)200μlで2回洗浄し、最後の洗浄後、バッファー溶液100μlを残す。
10%のプルロン酸(pluronic acid)DMSO中1mg/ml fluo−4ストック溶液を生成する。細胞をfluo−4と共にロードするために、12μg/mlのfluo−4 50μlを各ウェルに添加する。プレートを37℃、COインキュベータ−にて60分間インキュベーションする。Biotek洗浄機にて、HBSSで4回プレートを洗浄し、バッファー100μlを残す。
非接着細胞については、細胞を培地からスピンダウンする。50mlのコニカルチューブ中、HBSSを用いて細胞を再懸濁し、2〜5×10細胞/mlとする。10%のプルロン酸DMSO中の1mg/mlのfluo−4ストック溶液4μlを細胞懸濁液各1mlに添加する。次に、チューブを37℃のウォーターバスにて30〜60分間おく。細胞をHBSSで2回洗浄し、1×10細胞/mlに再懸濁し、マイクロプレートに分注し、10μl/ウェルとする。プレートを1000rpmにて5分間遠心する。次に、Denley細胞洗浄機にて、200μlを用いてプレートを洗浄し、次に、アスピレーションして、最終容量100μlとする。
非細胞ベースのアッセイのために、各ウェルはfluo−4のような蛍光分子を含有する。本発明の融合蛋白質をウェルに添加し、蛍光の変化を検出する。
細胞内カルシウムの蛍光を測定するために、次のパラメーターについてFLIPRをセットする:(1)システムゲインは300〜800mWであり:(2)露出時間は0.4秒であり;(3)カメラF/停止はF/2であり;(4)励起は488nmであり;(5)放出は530nmであり;そして(6)試料添加量は50μlである。530nmでの放出の増大は、本発明のアルブミン融合蛋白質により引き起こされる細胞外シグナル伝達現象、または本発明のアルブミン融合蛋白質により誘発される分子を示し、それは細胞内Ca++濃度の上昇を生じる。
実施例31:チロシンキナーゼ活性の同定アッセイ
蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)は、多様なグループの膜貫通型および細胞質キナーゼである。受容体蛋白質チロシンキナーゼ(RPTK)のグループの中には、PDGF、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインスリン受容体サブファミリーを含む、様々な分裂促進因子および代謝成長因子に対する受容体がある。加えて、対応するリガンドが知られていない大きなRPTKsファミリーがある。RPTKsについてのリガンドは、主に、分泌される小蛋白質を含むが、膜結合型および細胞外マトリックス蛋白質も含む。
リガンドによるRPTKの活性化は、リガンド媒介受容体二量体化を含み、受容体サブユニットのトランスリン酸化および細胞質チロシンキナーゼ活性化をもたらす。細胞質チロシンキナーゼは、src−ファミリー(例えば、src、yes、Ick、lyn、fyn)の受容体関連チロシンキナーゼ、ならびに非受容体結合およびサイトゾル蛋白質チロシンキナーゼ、例えば、Jakファミリーを含み、そのメンバーは、受容体のサイトカインスーパーファミリー(例えば、インターロイキン、インターフェロン、GM−CSFおよびレプチン)によりトリガーされるシグナル伝達を介する。
チロシンキナーゼ活性を刺激し得る多種多様な既知の因子のために、本発明のアルブミン融合蛋白質または本発明の融合蛋白質により誘導される分子が、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性化できるか否かを同定することは、興味深いものである。それ故に、以下のプロトコルを考案し、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性化し得るかかる分子を同定する。
Nalge Nunc(Naperville、IL)から購入した96ウェルのLoprodyneサイレントスクリーンプレート中に、1ウェル当たり約25,000細胞の密度で、標的細胞(例えば、初代ケラチノサイト)を播種する。100%のエタノールで30分間ずつ2回リンスすることによりそのプレートを滅菌し、水でリンスし、次いで、一晩乾燥する。全てSigma Chemicals(St.Louis、MO)から購入できる、100mlの細胞培養グレードのI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)またはポリリシン(50mg/ml)或いはBecton Dickinson(Bedford、MA)から購入した10%のマトリゲルまたは仔ウシ血清を用いて幾つかのプレートを二時間コーティングし、PBSでリンスし、次いで、4℃で貯蔵する。成長培地に5、000細胞/ウェルで播種し、48時間後、製造元Alamar Biosciences,Inc.(Sacramento,CA)の説明に従ってアラマーブルー(alamarBlue)を用いて、細胞数を間接計量することにより、これらのプレート上での細胞成長をアッセイする。Becton Dickinson(Bedford,MA)製のFalconプレートカバー#;3071を用いて、Loprodyneサイレントスクリーンプレートを覆う。幾つかの増殖実験ではFalcon Microtest III細胞培養プレートを用いることもできる。
抽出物を調製するために、A431細胞を、Loprodyneプレート(20,000/200m1/ウェル)のナイロンメンブレン上に播種し、次いで、完全培地中で一晩培養する。無血清基本培地中で24時間インキュベーションすることにより、細胞を静止状態とする。EGF(60ng/ml)または異なる濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質で処置し、5〜20分後、培地を除き、次いで、100mlの抽出バッファー((20mMのHEPES,pH7.5,0.15MのNaC1,1%のトリトンX−100,0.1%のSDS,2mMのNa3V04,2mMのNa4P207およびBoeheringerMannheim(Indianapolis,IN)から入手したプロテアーゼ阻害剤のカクテル(#;1836170))を各ウェルへ加え、次いで、回転攪拌器上で、プレートを5分間4℃で攪拌する。次いで、プレートを真空トランスファーマニホールド中にセットし、次いで、ハウスバキュームを用いて抽出物を各ウェルの0.45mmのメンブレン層から濾過する。真空マニホールドの底の96−ウェルキャッチ/アッセイプレート中に抽出物を集め、その後直ちに氷上に置く。遠心分離により清澄化させた抽出物を得るために、界面活性剤で5分間可溶化させた後、各ウェルの内容物を取り出し、次いで、15分間、4℃、16,000×gにて遠心分離する。
チロシンキナーゼ活性のレベルについて、濾過した抽出物を試験する。チロシンキナーゼ活性を検出する多くの方法が知られているが、ここでは1つの方法を記載する。
一般的に、本発明のアルブミン融合蛋白質のチロシンキナーゼ活性は、特定の基質(ビオチン化されたペプチド)上にあるチロシン残基をリン酸化する能力を測定することにより、評価する。この目的のために用いられ得るビオチン化されたペプチドは、PSK1(細胞分裂キナーゼcdc2−p34のアミノ酸6−20に対応する)およびPSK2(ガストリンのアミノ酸1−17に対応する)を含む。両ペプチドは、様々なチロシンキナーゼのための基質であり、およびBoehringer Mannheimから入手可能である。
以下の成分を順に加えることにより、チロシンキナーゼ反応を開始する。初めに、10ulの5uMのビオチン化されたペプチド、次いで、10ulのATP/Mg2+(5mMのATP/50mMのMgCl)、次いで、10ulの5×アッセイバッファー(40mMのイミダゾールヒドロクロリド、pH7.3,40mMのベータ−グリセロリン酸,1mMのEGTA,100mMのMgCl,5mMのMnC10.5mg/mlのBSA)、次いで、5ulのバナジン酸ナトリウム(lmM)、次いで、5ulの水を加える。成分を穏やかに混合し、次いで、反応混合物を2分間30℃でプレインキュベーションする。10ulの対照酵素または濾過上清を加えることにより、反応を開始する。
次いで、10ulの120mmEDTAを加え、そして、反応物を氷上に置くことにより、チロシンキナーゼアッセイ反応を終了させる。
50ulアリコートの反応混合物をマイクロタイタープレート(MTP)モジュ−ルに移し、次いで、37℃で20分間インキュベーションすることにより、チロシンキナーゼ活性を測定する。これにより、ストレプトアビジンでコーティングされた96ウェルプレートをビオチン化ペプチドと結合させることができる。300un/ウェルのPBSを用いてMTPモジュ−ルを4回洗浄する。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(抗−P−Tyr−POD(0.5u/ml))にコンジュゲートさせた75ulの抗−ホスホチロシン抗体を各ウェルに加え、次いで、37℃で1時間インキュベーションする。上記のようにウェルを洗浄する。
次に、l00ulのペルオキシダーゼ基質溶液(Boehringer Mannheim)を加え、次いで、室温で少なくとも5分間(最高30分)インキュベーションする。ELISAリーダーを用いて、405nmにおける試料の吸光度を測定する。ELISAリーダーを用いて、結合したペルオキシダーゼ活性のレベルを定量する。これは、チロシンキナーゼ活性のレベルを反映する。
実施例32:リン酸化活性の同定アッセイ
実施例31に記載した蛋白質チロシンキナーゼ活性のアッセイに対する潜在的な代替および/または補助として、主要な細胞内シグナル伝達中間体の活性化(リン酸化)を検出するアッセイを用いることもできる。例えば、以下に記載するように、一の特定のアッセイは、Erk−1およびErk−2キナーゼのチロシンリン酸化を検出できる。しかし、他の分子、例えば、Raf、JNK、p38MAP、Mapキナーゼキナーゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋肉特異的キナーゼ(MuSK)、IRAK、Tecおよびヤヌスならびに任意の他のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホトレオニン分子のリン酸化は、以下のアッセイにおいて、Erk−1またはErk−2の代わりにこれらの分子をを用いることにより検出することができる。
特に、0.1mlの蛋白質G(1ug/ml)を用いて2時間室温(RT)で96−ウェルELISAプレートのウェルをコーティングすることにより、アッセイプレートを作製する。次いで、PBSでそのプレートをリンスし、次いで、3%のBSA/PBSを用いて1時間室温でブロッキングする。次いで、Erk−1およびErk−2に対する2つの市販のモノクローナル抗体(100ng/ウェル)(Santa Cruz BioTechnology)を用いて、蛋白質Gプレートを処理する(室温で1時間)(他の分子を検出するために、任意の上記分子を検出するモノクローナル抗体に置き換えることにより、この工程を容易に修飾することができる)。3〜5時間後、PBSでリンスし、使用時までそのプレートを4℃で貯蔵する。
20,000/ウェルにて96−ウェルのLoprodyneフィルタープレートにA431細胞を播種し、次いで、成長培地中で一晩培養する。次いで、基本培地(DMEM)中で48時間かけてその細胞を飢餓状態とし、次いで、EGF(6ng/ウェル)または様々な濃度の本発明の融合蛋白質を用いて5〜20分間処理する。次いで、細胞を溶解し、次いで、抽出物をアッセイプレート中に直接濾過して加える。
抽出物を1時間室温でインキュベーションした後、ウェルを再度リンスする。正対照として、A431抽出物の代わりに、市販のMAPキナーゼ調製物(10ng/ウェル)を用いる。次いで、Erk−lおよびErk−2キナーゼのリン酸化されたエピトープを特異的に認識する市販のポリクローナル(ウサギ)抗体(lug/ml)を用いてプレートを処理する(室温で1時間)。この抗体を標準的な方法によりビオチン化する。次いで、DELFIA装置(時間分解蛍光)で、ユーロピウム−ストレプトアビジンおよびユーロピウム蛍光増強試薬を用いて連続的にインキュベーションすることにより、結合されたポリクローナル抗体を定量する。バックグラウンドを超える蛍光シグナルの増大は、本発明の融合蛋白質または本発明のアルブミン融合蛋白質により誘導された分子によるリン酸化を示す。
実施例33:リン酸化アッセイ
本発明のアルブミン融合蛋白質のリン酸化活性をアッセイするために、米特許第5,958,405号(該文献は出典明示により本明細書の一部となる)に記載されているリン酸化アッセイを利用する。すなわち、ガンマ標識32P−ATPを用いて蛋白質基質をリン酸化し、次いで、ガンマ放射性同位元素カウンターを用いて取り込まれた放射能を定量することにより、リン酸化活性を測定してもよい。本発明の融合蛋白質を、蛋白質基質、32P−ATPおよびキナーゼバッファーと一緒にインキュベーションする。次いで、電気泳動により、基質に取り込まれた32Pを遊離の32P−ATPから分離し、次いで取り込まれた32Pをカウントし、次いで、負対照と比較する。負対照を超える放射能カウントは、融合蛋白質のリン酸化活性の指標となる。
実施例34:ポリペプチドリガンドの存在下での、本発明のアルブミン融合蛋白質のリン酸化活性{活性化)の検出
当該技術分野において知られているかまたは本明細書中記載されている方法を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質のリン酸化活性を測定する。リン酸化活性の好ましい測定方法は、米国特許第5,817,471号(出典明示により本明細書の一部となる)に記載されているように、チロシンリン酸化アッセイを用いることによる。
実施例35:骨髄CD34+細胞増殖の刺激についてのアッセイ
このアッセイは、造血成長因子の存在下でのヒトCD34+の増殖能力に基づき、およびCD34+細胞の増殖を刺激する本発明の融合蛋白質の能力を評価する。
ほとんどの成熟前駆細胞は単一のシグナルだけに応答し得ることが、既に示されている。より未成熟な前駆細胞は、少なくとも2つの応答シグナルを必要とする。それ故に、多種多様な始原細胞の造血活性への本発明の融合蛋白質の効果を試験するために、アッセイは、造血成長因子の存在下または不在下の本発明の特定の融合蛋白質を含む。単離した細胞を試験する試料と組み合わせて、幹細胞因子(SCF)の存在下で5日間培養する。SCF単独では、かかる条件下では「生存」因子としてのみ作用するという、骨髄(BM)細胞の増殖に対して非常に限られた効果を有する。しかし、これらの細胞(例えば、IL−3)への刺激効果を示す任意の因子と組み合わせると、SCFは相乗効果を惹起し得る。それ故に、試験される融合蛋白質が造血始原細胞への刺激効果を有するならば、かかる活性は容易に検出できる。通常のBM細胞は低レベルのサイクリング細胞を有するので、特定の融合蛋白質の阻害効果はなんら検出されないかもしれない。従って、好ましくは、始原細胞への阻害効果のためのアッセイは、初めに、SCF+IL+3によるインビトロ刺激に曝し、次いで、かかる誘導増殖の阻害について評価しようとする化合物と接触させた細胞において試験する。
すなわち、当該技術分野において知られている方法を用いてCD34+細胞を単離する。細胞を解凍し、次いで、培地(1%のL−グルタミン(500mI)Quality Biological,Inc.,Gaithersburg,MD Cat#;160−204−101を加えた、QBSF 60無血清培地)中に再懸濁させる。200×gで穏やかな遠心分離工程を数回行った後、細胞を1時間静置する。細胞数を2.5×105細胞/mlに調節する。この間、100μlの滅菌水を96−ウェルプレートの周壁へ加える。このアッセイにおいて本発明のアルブミン融合蛋白質を用いて試験できるサイトカインは、単独では50ng/mlの、rhSCFおよびrhlL−3(R&D System,Minneapolis,MN,Cat#;203−ML)と組み合わせる際は30ng/mlのrhSCF(R&D System,Minneapolis,MN,Cat#;255−SC)である。1時間後、10μlの調製したサイトカイン、様々な濃度の本発明のアルブミン融合蛋白質および20μlの希釈した細胞を、100μlの最終容量となるように、ウェル中に既に存在する培地へ加える。次いで、そのプレートを37℃/5%のCOインキュベーターに5日間セットする。
アッセイ物を回収する18時間前に、0.5μCi/ウェルの[H]チミジンを各ウェルに10μl容量で加え、増殖速度を測定する。Tomtecハ−ベスター96を用いて各96−ウェルプレートからフィルターマットへ細胞を回収することにより、実験を終了する。回収後、そのフィルターマットを乾燥し、トリミングし、次いで、1つのOmniフィルタープレートと1つのOmniフィルタートレイからなるOmniフィルターアセンブリ中にセットする。60μ1のMicroscintを各ウェルに加え、次いで、トップシールA−プレスオン−シーリングフィルムを用いてプレートを密封する。カウンティングのために、バーコード15ステッカーを初めのプレートに取り付ける。次いで、密封したプレートを装填し、Packardトップカウントにより放射能レベルを測定し、そして、印刷されたデータを収集して、解析する。放射能のレベルは細胞増殖の量を反映する。
この実施例に記載の研究は、骨髄CD34+細胞の増殖を刺激する、特定の融合蛋白質の活性を試験するものである。当業者は、例示された研究を容易に修飾して、本発明の融合蛋白質およびポリヌクレオチド(例えば、遺伝子治療)ならびにそのアゴニストおよびアンタゴニストの活性を試験することができよう。骨髄CD34+細胞の増殖を刺激する本発明のアルブミン融合蛋白質の能力は、アルブミン融合蛋白質および/またはその融合蛋白質に対応するポリヌクレオチドが、免疫系および血球新生に作用する障害の診断および処置のために有用であることを示す。典型的な使用は、本明細書中上記した「免疫活性」および「感染症」のセクションおよび本明細書中の別の箇所に記載されている。
実施例36:細胞外マトリックス増強細胞応答{EMECR)のためのアッセイ
細胞外マトリックス増強細胞応答(EMECR)アッセイの目的は、細胞外マトリックス(ECM)誘導シグナルに関連して、造血幹細胞に作用するための本発明の融合蛋白質の能力を評価することである。
周囲の微小環境から受け取った一または複数のシグナルに関連して、細胞は制御因子に応答する。例えば、線維芽細胞ならびに内皮および上皮幹細胞は、ECMからのシグナルがないと複製できない。造血幹細胞は、骨髄中では自己再生できるが、インビトロ懸濁培養液中ではできない。幹細胞がインビトロで自己再生できる能力は、ストロマ細胞およびECM蛋白質フィブロネクチン(fn)とのそれらの相互作用に依存している。fnへの細胞接着は、ヒトおよびマウス造血幹細胞により発現される、α5−βおよびα4−βインテグリン受容体により介される。ECM環境と一体となって、かつ幹細胞の自己再生の刺激に関与する一または複数の該因子はまだ同定されていない。かかる因子を見出すことは、遺伝子治療および骨髄移植への適用において非常に興味深いだろう。
すなわち、組織培養処理されていないポリスチレン製の96−ウェルプレートを、fn断片を用いて0.2μg/cmのコーティング濃度でコーティングする。マウス骨髄細胞を、0.2mlの無血清培地中にプレーティングする(1,000細胞/ウェル)。IL−3(5ng/ml)+SCF(50ng/ml)の存在下で培養した細胞を正対照として用い、該条件下では、幹細胞はほとんど自己再生しないが、顕著な分化を起こすと考えられる。SCF(5.0ng/ml)の存在下および不在下にて適切な負対照と共に本発明のアルブミン融合蛋白質を試験する。ここで、本発明のアルブミン融合蛋白質を含む投与組成物の量は、全アッセイ容量の10%を占める。次いで、低酸素環境(5%のCO,7%のOおよび88%のN)の組織培養インキュベーター中で7日間インキュベーションすることにより、プレーティングされた細胞を成長させる。次いで、細胞DNA中へのチミジン取り込みを測定することにより、ウェル内の増殖細胞数を定量する。該アッセイにおける陽性ヒットを検証するには、細胞の表現型の特徴付けが必要であろう。これは、培養系をスケールアップし、そして、細胞表面抗原に対する適切な抗体試薬およびFACScanを用いることにより、成し遂げることができる。
本発明の特定の融合蛋白質が造血始原細胞の刺激因子であると見出されるならば、融合蛋白質および融合蛋白質に対応するポリヌクレオチドは、例えば、免疫系および血球新生に作用する障害の診断および処置において有用であってもよい。典型的な使用は、本明細書中上記した「免疫活性」および「感染症」のセクションならびに本明細書中に別記されている。融合蛋白質は、様々な血液系列の幹細胞および決定付けられている前駆細胞の増殖ならびに様々な細胞型の分化および/または増殖において有用であってもよい。
さらに、本発明のアルブミン融合蛋白質および本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、造血細胞の増殖および分化を阻害するために用いられてもよく、それ故に、化学療法の間、化学治療剤から骨髄幹細胞を保護するために用いられてもよい。この抗増殖効果により、高用量の化学治療剤の投与、およびそれ故に、より有効な化学治療処置が可能となる。
さらに、間質性細胞が造血系列の細胞の産生に重要であるために、本発明の融合蛋白質および本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、造血に関連する障害、例えば、貧血、汎血球減少症、白血球減少症、血小板減少症または白血病の処置および診断のために有用であってもよい。該使用は、骨髄細胞のエキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再構築、腫瘍症の放射線療法または化学療法を含む。
実施例37:ヒト皮膚線維芽細胞および大動脈平滑筋細胞増殖
本発明のアルブミン融合蛋白質を、正常なヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)およびヒト大動脈平滑筋細胞(AoSMC)の培養液へ加え、そして各試料について2つの共アッセイを行う。初めのアッセイは、正常なヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)または大動脈平滑筋細胞(AoSMC)の増殖への融合蛋白質の効果を調べる。線維芽細胞または平滑筋細胞の異常な成長は、繊維症および再狭窄を含む幾つかの病理学的過程の一部である。第2のアッセイは、NHDFおよびSMCの両方によるIL6産生を調べる。IL6産生は、機能活性化の指標である。活性化された細胞は、多数のサイトカインおよび他の因子の産生を増大させ、炎症誘発または免疫調節の成果をもたらし得る。アッセイは、共TNFa刺激を伴うおよび伴わずに行い、共刺激性または阻害性活性を調べる。
すなわち、1日目、100μlの培養培地中に1000細胞/ウェル(NHDF)または2000細胞/ウェル(AoSMC)を有する96−ウェルブラックプレートを用意する。NHDF培養培地は、Clonetics FB基本培地、1mg/mlのhFGF、5mg/mlのインスリン、50mg/mlのゲンタマイシン、2%のFBSを含み、一方、AoSMC培養培地は、Clonetics SM基本培地、0.5g/mlのhEGF、5mg/m1のインスリン、1μg/m1のhFGF、50mg/m1のゲンタマイシン、50μg/mlのアンホテリシンB、5%のFBSを含む。37℃で少なくとも4〜5時間インキュベーションした後、培養培地を吸引し、次いで、成長停止培地と交換する。NHDFのための成長停止培地は、線維芽細胞基本培地、50mg/mlのゲンタマイシン、2%のFBSを含み、一方、AoSMCのための成長停止培地は、SM基本培地、50mg/mlのゲンタマイシン、50μg/m1のアンホテリシンB、0.4%のFBSを含む。2日目まで37℃でインキュベーションする。
2日目、培地対照および既知の蛋白質対照が常に含まれるように、本発明のアルブミン融合蛋白質の段階希釈液および鋳型を設計する。刺激および阻害の両方の実験のために、成長停止培地で蛋白質を希釈する。阻害実験のために、TNFaを最終濃度が2ng/ml(NHDF)または5ng/ml(AoSMC)となるように加える。対照または本発明のアルブミン融合蛋白質を含有する培地の1/3を加え、次いで、5日目まで37℃/5%のCOでインキュベーションする。
各ウェルから60μ1を、標識した別の96−ウェルプレートへ移し、プレート−シーラーで覆い、次いで、6日目まで4℃で貯蔵する(IL6 ELISA用)。細胞培養プレート中の残りの100μlへ、培養容量の10%に等しい容量(10ul)でAlamar Blueを無菌的に加える。プレートを3〜4時間インキュベーターへ戻す。次いで、CytoFluorを用いて、530nmでの励起および590nm発光に関する蛍光を測定する。これにより成長刺激/阻害データを得る。
5日目、IL6 ELISAを行うために、PBS、pH7.4で希釈した50〜100un/ウェルの抗−ヒトIL6モノクローナル抗体で96ウェルプレートをコーティングし、室温でインキュベーションする。
6日目、プレートの中身をシンクへ注ぎ、次いで、ペーパータオル上にブロットする。4%のBSAと共にPBSを含有するアッセイバッファーを調製する。PBS中の200μl/ウェルのPierceスーパーブロックブロッキングバッファーを用いてプレートを1〜2時間ブロッキングし、次いで、洗浄バッファー(PBS,0.05%Tween−20)でプレートを洗浄する。プレートをペーパータオルでブロットする。次いで、50μ/ウェルに希釈された抗−ヒトIL−6モノクローナルビオチン標識抗体、0.50mg/mlを加える。培地中でIL−6ストックの希釈液(30、10、3、1、0.3、0ng/ml)を作製する。プレートの最上列に二通りの試料を加える。プレートを覆い、次いで、攪拌器で、2時間室温でインキュベーションする。
プレートを洗浄バッファーで洗浄し、次いで、ペーパータオルにブロットする。EUで標識されたストレプトアビジンをアッセイバッファーで1:1000に希釈し、次いで、100μl/ウェルで加える。プレートを覆い、次いで、室温で1時間インキュベーションする。プレートを再度洗浄バッファーで洗浄し、次いで、ペーパータオルにブロットする。
100μl/ウェルの増強溶液を加える。5分間攪拌する。DELFIAフルオロメーターでプレートを読み取る。各アッセイの3通りの試料から得られた読み取り値を表にし、平均する。
このアッセイにおける陽性の結果は、AoSMC細胞増殖を示し、およびアルブミン融合蛋白質が皮膚線維芽細胞の増殖および/または平滑筋細胞の増殖に関与するかもしれないことを示す。陽性の結果は、融合蛋白質およびアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドの多数の潜在的な用途も示す。本明細書にわたり詳述されるように、例えば、炎症および免疫応答、創傷治癒および血管新生である。特に、融合蛋白質は、創傷治癒および皮膚再生ならびに血管およびリンパ管両方の脈管形成の改善において用いられてもよい。脈管の成長は、例えば、心血管疾患の処置において用いることができる。さらに、このアッセイにおいてアンタゴニスト活性を示す融合蛋白質は、抗−血管剤(例えば、抗−血管新生剤)として作用することにより、血管新生を含む疾患、障害および/または状態の処置において有用であってもよい。これらの疾患、障害および/または状態は、当該技術分野において知られているか、および/または本明細書中記載されており、例えば、悪性腫瘍、固形腫瘍、良性腫瘍、例えば血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫;動脈硬化斑;眼血管新生疾患、例えば、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症黄斑変性症、角膜)移植拒絶反応、新血管緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、網膜芽細胞腫、ブドウ膜炎および眼の翼状斑(Pterygia)(異常な血管成長);関節リウマチ;乾癬;創傷治癒の遅延;子宮内膜症;脈管形成;肉芽形成;肥厚性瘢痕(ケロイド);癒着不能骨折;強皮症;トラコーマ;血管接着;心筋血管新生;冠状動脈性側枝;脳側枝;動静脈奇形;虚血性肢血管新生;オスラー−ウェバー症候群;プラーク新血管形成;毛細血管拡張;血友病関節;血管線維腫;繊維筋性異形成症;創傷肉芽形成;クローン病;およびアテローム性動脈硬化症である。さらに、このアッセイにおいてアンタゴニストとして作用するアルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られているおよび/または本明細書中記載されている抗−過増殖性疾患および/または抗−炎症性疾患の処置において有用であってもよい。
実施例38:内皮細胞での細胞接着分子(CAM)の発現
炎症および血管新生領域へのリンパ球の動員は、リンパ球上の細胞表面接着分子(CAMs)と血管内皮との間の特異的な受容体−リガンド相互作用を含む。通常の環境および病理学的環境のいずれにおいても、接着過程は、内皮細胞(EC)での細胞内接着分子−1(ICAM−1)、血管細胞接着分子−1(VCAM−I)および内皮白血球接着分子−1(E−セレクチン)発現を含む多段階カスケードに従う。血管内皮でのこれらの分子および他の分子の発現は、炎症応答の発生中に、白血球が局部脈管構造に接着し、そして局部組織中へ血管外遊出し得る効率を決定する。サイトカインおよび成長因子の局所濃度は、これらのCAMsの発現の調節に関与する。
すなわち、内皮細胞(例えば、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVECs))を標準的な96ウェルプレート中で集密まで成長させ、細胞から成長培地を除き、次いで、100μ1の199培地(10%のウシ胎児血清(FBS))に交換する。試験用の試料(本発明のアルブミン融合蛋白質を含む)および正または負対照を3通りずつ(10μl容量で)プレートに加える。次いで、プレートを37℃で5時間(セレクチンおよびインテグリン発現)または24時間(インテグリン発現のみ)インキュベートする。プレートを吸引して、培地を除き、次いで、100μlの0.1%のパラホルムアルデヒド−PBS(Ca++およびMg++添加)を各ウェルに加える。プレートを4℃で30分間保持する。固定液をウェルから除き、次いで、ウェルをPBS(+Ca,Mg)+0.5%のBSAを用いて1回洗浄し、次いで、排出する。10μ1の希釈した一次抗体を試験および対照のウェルへ加える。抗−ICAM−1−ビオチン、抗−VCAM−1−ビオチンおよび抗−E−セレクチンビオチンを、10μg/ml(0.1mg/mlのストック抗体の1:10希釈)の濃度で用いる。加湿した環境にて、細胞を37℃で30分間インキュベーションする。PBS(+Ca,Mg)+0.5%BSAを用いてウェルを3回洗浄する。20μlの希釈したExtrAvidin−アルカリホスファターゼ(1:5,000希釈、本明細書中、使用希釈という)を各ウェルに加え、次いで、37℃で30分間インキュベーションする。PBS(+Ca,Mg)+0.5%のBSAを用いてウェルを3回洗浄する。5mlのグリシンバッファー(pH10.4)につき1錠のp−ニトロフェノールホスフェートpNPPを溶解させる。グリシンバッファー中のpNPP基質、100μ1を各試験ウェルに加える。標準ウェルを3通りずつ、グリシンバッファー中のExtrAvidinアルカリホスホターゼの使用希釈:1:5,000(10)>10−0.5>10−1>10−1.5から調製する。5μlの各希釈を3通りのウェルに加え、そして、各ウェル中の得られたAP内容量は、5.50ng、1.74ng、0.55ng、0.18ngである。次いで、100μ1のpNNP試薬を基準のウェルそれぞれに加える。プレートを37℃で4時間インキュベーションする。3MのNaOHを容量50μ1で全ウェルに加える。グリシンバッファーのみで満たしたブランクウェルに対してバックグラウンド減算オプションを用いて、プレートリーダーにより、405nmでプレートを読み取る。さらに、標準ウェルそれぞれにおけるAP−コンジュゲートの濃度[5.50ng;1.74ng;0.55ng;0.18ng]を示す鋳型を構成する。結果は、各試料中の結合したAP−コンジュゲートの量として示される。
実施例39:Alamar Blue内皮細胞増殖アッセイ
このアッセイを用いて、ウシリンパ管内皮細胞(LECs)、ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)またはヒト微小血管子宮筋層細胞(UTMEC)のbFGF誘導増殖の蛋白質介在阻害を定量的に測定してもよい。このアッセイには、代謝活性の検出に基づく蛍光定量的成長指標(fluorometric growth indicator)が組み込まれる。標準的なAlamar Blue増殖アッセイは、内皮細胞刺激のソースとして添加される10ng/mlのbFGFを有するEGM−2MV中で調製される。成長培地および細胞濃度を若干変化させで、様々な内皮細胞について、このアッセイを用いてもよい。試験される蛋白質バッチの希釈は適宜、希釈される。bFGF不含の無血清培地(GIBCOSFM)を無刺激対照として用い、およびアンジオスタチンまたはTSP−1を既知の刺激対照として用いる。
すなわち、LEC、BAECまたはUTMECを、5000〜2000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート中の成長培地に播種し、次いで、37℃で一晩置く。細胞を一晩インキュベーションした後、、成長培地を除き、次いで、GIBCOEC−SFMに交換する。10ng/mlの濃度になるようにさらなるbFGFを有する3通りのウェル中、本発明のアルブミン融合蛋白質または1または複数の対照蛋白質試料の適切な希釈液(SFM中にて調製)を用いて、細胞を処理する。試料を用いて細胞を処理した後、一または複数のプレートを37℃のインキュベーターに戻し、3日間置く。3日後、10mlのストックalamar blue(Biosource Cat#;DALI100)を各ウェルに加え、次いで、一または複数のプレートを37℃のインキュベーターに戻し、4時間置く。次いで、蛍光リーダーを用いて、530nm励起光および590nm発光の条件にて、一または複数のプレートを読み取る。直接出力を相対的な蛍光単位で記録する。
A1amar blueは、細胞成長から生じる成長培地の化学還元に応じて蛍光および色変化の両方を生じる、酸化−還元指標である。細胞が培養下で成長するにつれ、本来の代謝活性により、隣接する周囲環境の化学還元が生じる。成長に関連して還元が起こると、指標は、酸化(非蛍光青色)形態から還元(蛍光赤色)形態へ変化する(すなわち、増殖の刺激はより強いシグナルを生じ、および増殖の阻害はより弱いシグナルを生じ、および全シグナルは、全細胞数およびそれらの代謝活性に比例する)。バックグラウンドの活性レベルは、飢餓培地単独で観察する。これを、正対照試料(成長培地中のbFGF)および蛋白質希釈から観察された結果と比較する。
実施例40:混合リンパ球反応の阻害の検出
このアッセイを用いて、本発明の融合蛋白質による混合リンパ球反応(MLR)の阻害を検出および評価できる。MLRの阻害は、細胞増殖および生存率への直接的効果、相互作用細胞に対する共刺激分子の調節、リンパ球とアクセサリー細胞との間の接着の調節またはアクセサリー細胞によるサイトカイン産生の調節に起因してもよい。このアッセイにおいて用いられる末梢血単核フラクションは、T、Bおよびナチュラルキラーリンパ球ならびに単球および樹枝状細胞を含むので、MLRを阻害するアルブミン融合蛋白質により複数の細胞が標的されてもよい。
MLRを阻害することが見出されている本発明のアルブミン融合蛋白質は、リンパ球および単球の活性化または増殖に関連する疾患に適用できるかもしれない。これらは、疾患、例えば、喘息、関節炎、糖尿病、炎症性皮膚状態、乾癬、湿疹、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性結腸炎、動脈硬化症、硬変、移植片対宿主疾患、宿主対移植片疾患、肝炎、白血病およびリンパ腫を含むが、これらに限定されない。
すなわち、リンパ球分離培地(LSM(登録商標)、密度1.0770g/ml、Organon Teknika Corporation,West Chester,PA)を用いて、密度勾配遠心分離によりヒトドナーに由来するPBMCを精製する。10%のFCSおよび2mMのグルタミンで補足したRPMI−1640(Life Technologies,Grand Island,NY)中、2×10細胞/mlとなるように2ドナーに由来するPBMCを適合させる。第3のドナーに由来するPBMCを2×10細胞/mlに適合させる。96−ウェルの丸底マイクロタイタープレートのウェルへ、各ドナーからの50マイクロリットルのPBMCを加える。融合蛋白質試験材料(50μl)の希釈液を、3通りにて、マイクロタイターウェルへ加える。試験試料(目的の蛋白質の)を1:4の最終希釈で加え;rhulL−2(R&D System,Minneapolis,MN,カタログ番号202−IL)を1μg/mlの最終濃度で加え;抗−CD4mAb(R&D System,clone34930.11,カタログ番号MAB379)を10ug/mlの最終濃度で加える。5%のCOS中、細胞を37℃で7〜8日間培養し、次いで、1μCの[H]チミジンを最後の16時間の培養のためにウェルへ加える。細胞を回収し、次いで、Packard TopCountを用いてチミジン取り込みを測定する。3通りの測定の平均および標準偏差として、データを表す。
別の実験にて、目的の融合蛋白質試料をスクリーニングし、そして、リンパ球の増殖を阻害する負対照処置、抗−CD4mAb、およびリンパ球の増殖を高める正対照処置、IL−2(組換え物質または上清のいずれかとして)と比較する。
実施例41:プロテアーゼ活性のアッセイ
以下のアッセイを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質のプロテアーゼ活性を評価してもよい。
本質的に(Heusenら.,Anal.Biochem.,102:196−202(1980);Wilsonら.,Journal of Urology,149:653−658(1993))に記載されているように、ゼラチンおよびカゼインザイモグラフィを行う。1%のゼラチンまたはカゼインを含有する10%のポリアクリルアミド/0.1%のSDSゲル上で試料を泳動し、室温で2.5%のトリトン中に1時間、次いで、37℃で0.1Mのグリシン、pH8.3中に5〜16時間浸漬する。アミドブラック中で染色した後、蛋白質分解の領域は、青黒色のバックグラウンドに対して透明な領域として現れる。トリプシン(Sigma T8642)を正対照として用いる。
プロテアーゼ活性は、n−a−ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステル(BAEE)(SigmaB−4500)の切断をモニタリングすることによっても測定される。反応は、(25mMのNaPO,1mMのEDTAおよび1mMのBAEE),pH7.5にセットされる。試料を加え、次いで、時間駆動モ−ドのBeckmanDU−6分光光度計にて、260nmの吸光度における変化をモニタリングする。トリプシンを正対照として用いる。
280nmの吸光度またはFolin法を用いた比色定量により測定される、カゼインまたはヘモグロビンからの酸−可溶性ペプチドの放出に基づくさらなるアッセイを、Bergmeyer,ら.,Methods of Enzymatic Analysis,5(1984)に記載のように行う。他のアッセイは、発色性基質の溶解を含む(Ward,Applied Science,251−317(1983))。
実施例42:セリンプロテアーゼ基質特異性の同定
当該技術分野において知られているかまたは本明細書中記載されている方法を用いて、セリンプロテアーゼ活性を有する本発明のアルブミン融合蛋白質の基質特異性を測定してもよい。基質特異性測定の好ましい一の方法は、GB2 324 529(出典明示により本明細書の一部となる)に記載されているような、ポジショナルスキャニング合成コンビナトリアルライブラリーの使用である。
実施例43:リガンド結合アッセイ
以下のアッセイを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質のリガンド結合活性を評価してもよい。
リガンド結合アッセイは、受容体薬理を確認するための直接的方法を提供し、およびハイスループット方式に適用可能である。結合を研究するために、本発明のアルブミン融合蛋白質に対する精製リガンドを、高い特異的活性(50−2000Ci/mmol)になるように放射標識する。次いで、放射標識化過程が融合蛋白質に対するリガンドの活性を低減させないことを決定する。バッファー、イオン、pHおよび他の調節因子、例えば、ヌクレオチドについてのアッセイ条件を最適化し、膜および全細胞ポリペプチドソースの両方について使用可能なシグナル対ノイズ比を定める。これらのアッセイのために、特異的なポリペプチド結合を、全結合放射能から過剰量の非標識競合リガンドの存在下で測定した放射能を差し引いた値として定める。可能な場合には、2以上の競合リガンドを用いて残りの非特異的結合を定める。
実施例44:ツメガエル卵母細胞における機能アッセイ
標準的な方法により、RNAポリメラーゼを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする線状化プラスミド鋳型からのキャップRNA転写物をインビトロで合成する。0.2mg/miの最終濃度でインビトロ転写物を水中に懸濁する。成体雌ヒキガエルから卵巣葉を取り出し、第V期の濾胞除去した卵母細胞を得、次いで、マイクロインジェクション装置を用いて、RNA転写物(10ng/卵母細胞)を50nlボーラスで注入する。2つの電極電圧クランプを用いて、融合蛋白質およびポリペプチドアゴニストの曝露に応答する、個々のツメガエル卵母細胞からの電流を測定する。室温、Ca2+不含のBarth’s培地で記録を行う。ツメガエル系を用いて、知られているリガンドおよび組織/細胞抽出物を活性化リガンドについてスクリーニングすることもできる。
実施例45:マイクロフィジオメトリック(Microphysiometric)アッセイ
多種多様な二次性メッセンジャー系の活性化は、細胞から少量の酸の放出をもたらす。概して、生成される酸は、細胞内シグナル伝達過程を刺激するために必要な代謝活性が増大された結果である。細胞周囲の培地のpH変化は、非常に小さいが、CYTOSENSORマイクロフィジオメーター(Molecular Devices Ltd.,Menlo Park,Calif.)により検出可能である。故に、CYTOSENSORは、エネルギーを利用する細胞内シグナル伝達経路に連動した2次メッセンジャーを活性化させる本発明のアルブミン融合蛋白質の能力を検出することができる。
実施例46:抽出物/細胞上清スクリーニング
未だにコグネイトな活性化リガンド(アゴニスト)が見出されていない多数の哺乳類受容体が存在する。故に、これらの受容体に対する活性リガンドは、今日までに同定されたリガンドバンク内に含まれていない可能性がある。従って、本発明のアルブミン融合蛋白質は、組織抽出物に対して機能的にスクリーニングされ(カルシウム、cAMP、マイクロフィジオメーター、卵母細胞の電気生理学など機能的スクリーニングを用いて)、治療用蛋白質部分および/または本発明のアルブミン融合蛋白質のアルブミン蛋白質部分のための天然リガンドを同定することができる。活性化リガンドが単離かつ同定されるまで、陽性の機能応答を生じる抽出物を逐次、細分画することができる。
実施例47:ATP−結合アッセイ
以下のアッセイを用いて、本発明の融合蛋白質のATP−結合活性を評価してもよい。
本発明のアルブミン融合蛋白質のATP−結合活性は、米特許第5,858,719号に記載のATP−結合アッセイを用いて検出されてもよい。該文献は、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。すなわち、競合アッセイで、8−アジド−ATPで光親和性標識することにより、本発明のアルブミン融合蛋白質に対するATP−結合を測定する。1mg/mlのABC輸送蛋白質を含有する反応混合物を、様々な濃度のATPまたは非加水分解性ATPアナログ、アデニル−5’−イミドジホスフェートと一緒に10分間4℃でインキュベーションする。8−アジド−ATP(Sigma Chem.Corp.,St.Louis,MO.)および8−アジド−ATP(32P−ATP)(5mCi/llmo1,ICN,Irvine CA.)の混合物を100uMの最終濃度で加え、次いで、0.5mlアリコートを氷上の磁器スポットプレートのウェルに入れる。プレートから2.5cmの距離で短波長254nmUVランプを用いて、1分間の冷却時間をはさんでプレートへの1分間の照射を2回行う。ジチオスレイトールを最終濃度2mMで加えることにより、反応を停止させる。インキュベーション物をSDS−PAGE電気泳動に付し、乾燥し、次いで、オートラジオグラフを行う。本発明のアルブミン融合蛋白質に対応する蛋白質バンドを切り取り、次いで、放射能を定量する。ATPまたはアデニル−5’−イミドジホスフェートの増大に伴う放射能の減少は、融合蛋白質に対するATP親和性の尺度となる。
実施例48:本発明のアルブミン融合蛋白質と相互作用するシグナル伝達蛋白質の同定
本発明のアルブミン融合蛋白質を、シグナル伝達経路蛋白質または受容体蛋白質の同定、特徴付けおよび精製のための研究ツールとして用いてもよい。すなわち、標識された本発明の融合蛋白質は、それと相互作用する分子を精製するための試薬として有用である。アフィニティー精製の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をクロマトグラフィーカラムに共有結合させる。癌腫組織のごとき推定上の標的細胞に由来する無細胞抽出物をカラムに通し、そして適切な親和性を有する分子をアルブミン融合蛋白質に結合させる。蛋白質複合体をカラムから回収し、解離させ、次いで、回収した分子をN−末端蛋白質シークエンスに付す。次いで、このアミノ酸配列を用いて、捕捉された分子を同定するか、または適切なcDNAライブラリーから該当する遺伝子をクローン化するための縮重オリゴヌクレオチドプローブを設計する。
実施例49:IL−6バイオアッセイ
本発明のアルブミン融合蛋白質の増殖効果を試験するために、様々なアッセイが当該技術分野において知られている。例えば、かかる一のアッセイは、Marzら.(Proc.Natl.AcadSci.,U.S.A.,95:3251−56(1998);該文献は出典明示により本明細書の一部となる)により記載のようなIL−6バイオアッセイである。37℃で68時間後、テトラゾリウム塩チアゾリルブルー(MTT)を加え、次いで、さらに37℃で4時間インキュベーションすることにより、生存細胞の数を測定する。B9細胞をSDSにより溶解させ、次いで、570nmにおける光学密度を測定する。対照は、IL−6(正対照)を含むものおよびサイトカインを含まないもの(負対照)である。すなわち、IL−6依存性B9ネズミ細胞をIL−6不含培地で3回洗浄し、次いで、50μl中5,000細胞/ウェルの濃度でプレーティングし、次いで、50μlの本発明の融合蛋白質を加え、利用する。負対照と比べた、一または複数の試験試料(本発明のアルブミン融合蛋白質を含む)における増殖の増大は、融合蛋白質により介される増殖効果の指標である。
実施例50:ニワトリ胚ニューロン生存の支持
交感ニューロン細胞の生存率が本発明のアルブミン融合蛋白質により支持されるかを試験するために、Senaldiらのニワトリ胚ニューロン生存アッセイを利用してもよい(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,96:11458−63(1998)。該文献は出典明示により本明細書の一部となる。すなわち、運動および交感ニューロンをニワトリ胚から単離し、それぞれL15培地(10%のFCS、グルコース、亜セレン酸ナトリウム、プロゲステロン、コナルブミン、プトレシンおよびインスリン;Life Technologies,Rockville,MD.を添加)およびダルベッコ改変イーグル培地[10%のFCS、グルタミン、ペニシリンおよび25mMのHepesバッファー(pH7.2);Life Technologies,Rockville,MD.を添加]中に再懸濁し、次いで、異なる濃度の精製された本発明の融合蛋白質の存在下で、ならびにいかなるサイトカインも欠損している負対照として、5%のCO中にて37℃でインキュベーションする。3日後、細胞形態を評価し、およびMosmannの比色アッセイ(Mosmann, T.,J.Immunol.Nethods,65:55−63(1983))を用いることにより、ニューロン生存を測定する。サイトカインを欠損している対照と比較して増強されたニューロン細胞の生存能力は、ニューロン細胞の生存を増強するアルブミン融合蛋白質の能力の指標である。
実施例51:ホスファターゼ活性のアッセイ
以下のアッセイを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質のセリン/トレオニンホスファターゼ(PTPase)活性を評価してもよい。
セリン/トレオニンホスファターゼ(PTPase)活性をアッセイするために、当業者に広く知られているアッセイを用いることができる。例えば、New England Biolabs,Inc.からのPSPaseアッセイキットを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質のセリン/トレオニンホスファターゼ(PSPase)活性を測定してもよい。PSPaseのための基質であるミエリン塩基性蛋白質(MyBP)を、[32P]ATPの存在下、cAMP−依存蛋白質キナーゼを用いて、セリンおよびトレオニン残基上でリン酸化する。次いで、32P−標識MyBPからの無機リン酸の放出を測定することにより、蛋白質セリン/トレオニンホスファターゼ活性を測定する。
実施例52:他の蛋白質とセリン/トレオニンホスファターゼの相互作用
セリン/トレオニンホスファターゼ活性(例えば、実施例51にて測定されるような)を有する本発明の融合蛋白質は、例えば、さらなる相互作用蛋白質または受容体蛋白質または他のシグナル伝達経路蛋白質の同定、特徴付けおよび精製のための研究ツールとして有用である。すなわち、標識された本発明の融合蛋白質は、それが相互作用する分子を精製するための試薬として有用である。アフィニティー精製の一の実施態様において、本発明のアルブミン融合蛋白質をクロマトグラフィーカラムに共有結合させる。神経または肝臓細胞のごとき推定上の標的細胞に由来する無細胞抽出物をカラムに通し、そして、適切な親和性を有する分子は融合蛋白質に結合させる。融合蛋白質−複合体をカラムから回収し、解離させ、次いで、回収した分子をN−末端蛋白質シークエンスに付す。次いで、このアミノ酸配列を用いて、捕捉された分子を同定するか、または適切なcDNAライブラリーから該当する遺伝子をクローニングするための縮重オリゴヌクレオチドプローブを設計する。
実施例53:ヘパラナーゼ活性のためのアッセイ
本発明のアルブミン融合蛋白質のヘパラナーゼ活性をアッセイするために用いられてもよい様々なアッセイが当該技術分野において知られている。一例として、本発明のアルブミン融合蛋白質のヘパラナーゼ活性は、Vlodavskyら,(Viodavskyら.,Nat.Med.,5:793−802(1999))により記載されているように、アッセイされる。すなわち、細胞溶解物、条件培地、インタクト細胞(35−mmディッシュあたり1×10細胞)、細胞培養上清または精製された融合蛋白質を、35S−標識ECMまたは可溶性ECM誘導ピ−クIプロテオグリカンと共に、37℃で18時間、pH6.2〜6.6でインキュベーションする。インキュベーション培地を遠心分離し、次いで、上清をセファロースCL−6Bカラム(0.9×30cm)でゲル濾過することにより、分析する。PBSでフラクションを溶離し、次いで、その放射能を測定する。ヘパラン硫酸側鎖の分解断片を、0.5<K,V<0.8(ピ−クII)でセファロース6Bから溶離させる。各実験を少なくとも3回行う。Vlodavskyら.により記載のような「ピ−クII」に対応する分解断片は、ヘパラン硫酸の切断における本発明のアルブミン融合蛋白質の活性の指標である。
実施例54:生体分子の固定化
この実施例は、非宿主細胞脂質二重層コンストラクト中で本発明のアルブミン融合蛋白質を安定化するための方法(例えば、Bieriら.,Nature Biotech 17:1105−1108(1999)を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)を提供し、該方法は、上記の様々な機能アッセイにおける本発明の融合蛋白質の研究に適用できる。すなわち、ビオチン化のための炭水化物特異的化学を用いて、ビオチンタグを本発明のアルブミン融合蛋白質に拘束し、固定化に均一な配向を可能とさせる。洗浄されたメンブレン中の50uMの本発明のアルブミン融合蛋白質の溶液を、20mMのNaI04および1.5mg/ml(4mM)のBACHまたは2mg/ml(7.5mM)のビオチン−ヒドラジドと共に、室温で1時間インキュベーションする(反応容量,150ul)。次いで、試料を透析し(Pierce Slidealizer Cassett,10kDa cutoff;Pierce Chemical Co.,Rockford IL)、1時間ごとにバッファーを交換しながら、最初の5時間は4℃で、そして最後にに500mlのバッファーR(0.15MのNaCl,1mMのMgC1,10mMのリン酸ナトリウム,pH7)に対して12時間透析する。キュベットに加える直前に、バッファーROG50(50mMのオクチルグルコシドを加えたバッファーR)中に試料を1:5で希釈する。
実施例55:メタロプロテイナーゼ活性のアッセイ
メタロプロテイナーゼは、触媒機序として金属イオン、例えば、Zn2+を利用するペプチド加水分解酵素である。本発明のアルブミン融合蛋白質のメタロプロテイナーゼ活性は、当該技術分野において知られている方法に従ってアッセイすることができる。以下の例示的方法が提供される:
アルファ−2−マクログロブリンの蛋白質分解
プロテアーゼ活性を確認するために、精製した本発明の融合蛋白質を、1×アッセイバッファー(50mMのHEPES、pH7.5、0.2MのNaCl、10mMのCal、25uMのZnC1および0.05%のBrij−35)中、基質アルファ−2−マクログロブリン(0.2ユニット/ml;Boehrlinger Mannheim,Germany)と混合し、次いで、37℃で1〜5日間インキュベーションする。トリプシンを正対照として用いる。負対照は、アッセイバッファー中、アルファ−2−マクログロブリンのみを含む。試料を集め、次いで、5%の2−メルカプトエタノールを含有するSDS−PAGE試料バッファー中で5分間ボイルし、次いで、8%のSDS−ポリアクリルアミドゲルにローディングする。電気泳動した後、蛋白質を銀染色により視覚化する。負対照と比べてより低い分子量のバンドが出現することにより、蛋白質分解が実証される。
メタロプロテイナーゼ阻害剤によるアルファ−2−マクログロブリン蛋白質分解の阻害
知られているメタロプロテイナーゼ阻害剤(金属キレート剤(EDTA、EGTAおよびHgCl)、ペプチドメタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP−1およびTIMP−2)および市販の小分子MMP阻害剤)を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質の蛋白質分解活性を特徴付けてもよい。用いられてもよい3つの合成MMP阻害剤は:MMP阻害剤I、[MMP−1およびMMP−8に対してIC50=1.0μM;MMP−9に対してIC50=30μM;MMP−3に対してIC50=150μM];MMP−3(ストロメライシン−1)阻害剤I[MMP−3に対してIC50=5μM]およびMMP−3阻害剤II[MMP−3に対してK;=130nM];であり、それぞれCalbiochemカタログ番号;444250、444218、および444225から入手可能な阻害剤である。すなわち、異なる濃度の小分子MMP阻害剤を、22.9μlの1×HEPESバッファー(50mMのHEPES,pH7.5,0.2MのNaCl,10mMのCaC1,25uMのZnC1および0.05%のBrij−35)中、精製した本発明の融合蛋白質(50ug/ml)と混合し、次いで、室温(24℃)で2時間インキュベーションし、次いで、7.1μlの基質アルファ−2−マクログロブリン(0.2ユニット/ml)を加え、次いで、37℃で20時間インキュベーションする。4×試料バッファーを加え、その後直ぐに5分間ボイルすることにより、反応を停止させる。SDS−PAGEの後、蛋白質バンドを銀染色により視覚化する。
合成蛍光性ペプチド基質の切断アッセイ
メタロプロテイナーゼ活性が実証されている本発明の融合蛋白質の基質特異性は、当該技術分野において知られている技法、例えば、合成蛍光性ペプチド基質(BACHEM Bioscience Incから購入)を用いて測定されてもよい。試験基質は、M−1985、M−2225、M−2105、M−2110およびM−2255を含む。初めの4つはMMP基質であり、および最後の1つは腫瘍壊死因子−α(TNF−α)転換酵素(TACE)の基質である。好ましくは、これらの基質を、1:1ジメチルスルフォキシド(DMSO)および水中にて調製する。ストック溶液は50〜500uMである。恒温水浴を備えたPerkinElmerLS50Bルミネセンス分光計を用いて、蛍光アッセイを行う。励起λは328nmであり、および放出λは393nmである。すなわち、176μlの1×HEPESバッファー(0.2MのNaCl、10mMのCaC1、0.05%のBrij−35および50mMのHEPES、pH7.5)を4μlの基質溶液(50μM)と一緒に25℃で15分間インキュベーションし、次いで、20μ1の精製した本発明の融合蛋白質をアッセイキュベットに加えることにより、アッセイを行う。基質の最終濃度は1μMである。初期の加水分解速度を30分間モニタリングする。
実施例56:NODマウスにおける糖尿病の発症
ヒトにおいて見出されるものと同様の経過を有するIDDMを示すことにより、雌NOD(非肥満糖尿病)マウスを特徴付けた。該疾患は雄NODマウスよりも雌においてより明白である。以後、別記しない限り、用語「NODマウス」は、雌NODマウスを言う。NODマウスは、慢性自己免疫疾患により惹起されるベータ細胞の進行性破壊を有する。かくして、NODマウスは正常血糖または正常な血液グルコースレベルを伴って育つ。しかし、約15〜16週齢までに、NODマウスは高血糖になり始め、それらの膵臓ベータ細胞の大部分の破壊を示し、そしてそれに対応して膵臓が十分なインスリンを産生することができなくなる。故に、疾患の原因および進行はいずれもヒトIDDM患者と同様である。
免疫化計画の効力のインビボアッセイは、雌NOD/LtJマウス(The Jackson Laboratory,Bar Harbor,Me.から市販されている)において評価することができる。文献では、雌マウスの80%が24週齢までに糖尿病を発症し、そして6〜8週齢の間に膵島炎を発症し始めることが報告されている。NODマウスは近交系であり、および様々な免疫制御ストラテジーに対して高度に応答する。成体NODマウス(6〜8週齢)は20〜25gの平均体重を有する。
これらのマウスは、未処置(対照)であっても、本発明の治療剤(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質およびその断片および変異体)を単独または上記の他の治療用化合物と組み合わせて用いて処置されてもよい。糖尿病の進行におけるこれらの様々な処置の効果は以下のように測定できる:
14週齢にて、雌NODマウスはグルコース耐性に従ってフェノタイプすることができる。グルコース耐性は腹腔内グルコース負荷試験(IPGTT)により測定することができる。すなわち、0分およびグルコース(1g/kg体重)の腹腔内注入から60分後に、眼窩周囲神経叢から血液を取り出す。正常な耐性を、0分における144mg%未満の、または60分後における160mg%未満の血漿グルコースとして定める。Glucometer Elite装置を用いて、血液グルコースレベルを測定する。
フェノタイプ分析に基づいて、動物を異なる実験群に割り当てることができる。特に、より高い血液グルコースレベルを有する動物は、グルコース耐性障害の群に割り当てられる。マウスは適宜食べることができ、および酸性化水(pH2.3)を与えられる。
グルコース耐性および不耐性マウスを、対照、本発明のアルブミン融合蛋白質およびアルブミン融合蛋白質/治療用化合物組み合わせの群へとさらに細かく分けることができる。対照群のマウスは、1週間につき6回、毎日、ビヒクルを腹膜内注入され得る。アルブミン融合群のマウスは、1週間につき6回、毎日、ビヒクル中の本発明の治療剤(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質およびその断片および変異体)を腹膜内注入され得る。アルブミン融合蛋白質/治療用化合物組み合わせ群のマウスは、アルブミン融合蛋白質および上記のような治療用化合物の組み合わせを投与され得る。
NODマウスにおける尿グルコースのレベルは、Labstix(Bayer Diagnostics,Hampshire,England)を用いて隔週ごとに測定できる。体重および液体取り込みも隔週ごとに測定できる。2つの連続した測定において糖尿が現れたら、糖尿病の発症と定める。処置の10週後、さらなるIPGTTを行うことができ、および動物は次の日に屠殺される。
10週にわたる処置の間、グルコース耐性およびグルコース不耐性の両方の群における対照動物は、それぞれ60%および86%の割合で糖尿病を発症する(米国特許第5,866,546号,Grossら.を参照のこと)。故に、処置が全く行われないならば、初めにグルコース耐性であるNODマウスにおいて、糖尿病は高い割合で発症する。
処置の前および後にNODマウスにおける血液グルコースレベルを測定することにより、その結果を確証することができる。記載した全群のグルコース耐性および不耐性マウス両方において、血液グルコースレベルを上記のように測定する。
別の一の実施態様において、分光分析を用いて、本発明の治療剤(例えば、配列番号:Yおよびその断片および変異体として開示される特定の融合物)を定量でき、および注入前に、1用量あたり50.mu.1のリン酸バッファー生理的食塩水(PBS)中に適切な蛋白質量を再懸濁することができる。各マウス背部の皮膚下に、1週間の間隔をあけて2回の皮下注入を実施することができる。モニタリングは、免疫化前の2つの異なる時間に行うことができ、処置中は1週間に1回行い、そしてその後も続けることができる。毎週、尿のグルコースについて試験することができ(Keto−Diastix.RTM.;Miles Inc.,Kankakee,111.)、および血清グルコースについて糖尿マウスを調べることができる(ExacTech.RTM.,MediSense,Inc.,Waltham,Mass.)、空腹時高血糖が2.5g/Lよりも高い場合、糖尿病と診断される。
実施例57:NODマウスの組織学的試験
NODマウスからの組織試料の組織学的試験は、膵臓のベータ細胞の相対濃度を増大させる、本発明の組成物および/または他の糖尿病用治療剤と本発明の組成物の組み合わせの能力を示すことができる。実験的方法は以下の通りである:
処置期間の終わりに、実施例56からのマウスを屠殺でき、そして組織試料を膵臓から採取することができる。試料を、0.9%の生理的食塩水中の10%のホルマリン中に固定し、そしてワックス中に包埋できる。5つの連続した5.mu.mセクションの2セットを、免疫標識のために150.mu.mの切断間隔で切断することができる。そのセクションを、インスリン(モルモット抗−インスリン抗血清希釈1:1000,ICN Thames U.K.)およびグルカゴン(ウサギ抗−膵臓グルカゴン抗血清希釈1:2000)について免疫標識することができ、次いで、ペルオキシダーゼコンジュゲートさせた抗−モルモット(Dako,High Wycombe,U.K.)またはペルオキシダーゼコンジュゲートさせた抗−ウサギ抗血清(希釈1:50,Dako)を用いて検出することができる。
本発明の組成物は、グルコース耐性およびグルコース不耐性の動物において、糖尿病の臨床徴候に対する効果と同程度の効果をベータ細胞の可視量に対して有していてもまたは有さなくともよい。
実施例58:NIDDMインビボマウス実験
Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME)からの雄C57BL/6Jマウスは、3週齢から入手でき、および慣用的な食飼或いは脂肪(35.5重量%;Bioserv.Frenchtown,NJ)またはフルクトース(60重量%;Harlan Teklad,Madison,Wl)のいずれかが豊富な食飼を与える。標準食飼は、4.5重量%の脂肪、23重量%の蛋白質、31.9重量%のデンプン、3.7重量%のフルクトースおよび5.3重量%の繊維からなる。高脂肪(ラード)食は、35.5重量%の脂肪、20重量%の蛋白質、36.4重量%のデンプン、0.0重量%のフルクトースおよび0.1重量%の繊維からなる。高フルクトース食は、5重量%の脂肪、20重量%の蛋白質、0.0重量%のデンプン、60重量%のフルクトースおよび9.4重量%の繊維からなる。12−時間の明(午前6時から午後6時まで)/暗サイクルを伴う22°+/−3℃の温度および50%+/−20%の湿度に制御された部屋に置かれたケージにて、マウスは1ケージあたりわずか5匹ずつ飼育されてもよい(Luoら.,1998,Metabolism 47(6):663−8,”Nongenetic ouse models of non−insulin−dependent diabetes mellitus”;Larsenら.,Diabetes 50(11):2530−9(2001),”Systemic administration of the long−acting GLP−1 derivative NN2211 induces lasting and reversible weight loss in both normal and obese rat”)。3週間マウスをそれぞれに摂食させた後、100mg/kg体重のストレプトゾトシン、「STZ」(Sigma,St.Louis,MO)またはビヒクル(0.05mol/Lクエン酸,pH4.5)のいずれかを用いて、マウスに腹腔内注入でき、次いで、次の4週間は同じ食飼を与えることができる。STZの1、2および4週後に非空腹条件下にて、尾部の遠位部から血液を採取する。試料を用いて非空腹時血漿グルコースおよびインスリン濃度を測定する。体重および食飼取り込みを1週間に1回記録する。
グルコース廃棄を刺激するインスリンの能力に対する高脂肪食飼の効果を直接決定するために、脂肪食飼を与えられた、食飼を与えられ、ビヒクルを注入された、および脂肪食飼を与えられ、上記の7週間の終わりにSTZを注入された3群のマウスにて実験を開始できる。マウスは実験前の4時間、空腹とする。最初の一連の実験において、メトキシフルラン(Pitman−Moor,Mundelein,IL)吸入を用いて、マウスを麻酔できる。レギュラーインスリン(Sigma)は尾静脈から静脈内注入でき([IV]0.1U/kg体重)、および血液は注入から3、6、9、12および15分後に異なる尾静脈から採取できる。血漿グルコース濃度はこれらの試料にて測定でき、および血漿からのグルコース消失の半減期(t1/2)は、WinNonlin(Scientific Consulting,Apex,NC)の薬物動態/薬動力学ソフトウェアプログラムを用いて、算出できる。
第2の一連の実験において、腹腔内ナトリウムペントバルビタール(Sigma)を用いてマウスを麻酔できる。腹腔を開き、主要な腹腔内静脈を曝露させ、そして、24−ゲージのIVカテーテル(Johnson−JohnsonMedical,Arlington,TX)を用いてカテーテル処置する。カテーテルを腹腔内静脈に隣接する筋肉組織に固定し、シリンジ連結部の下側を切断し、次いで、予め充填したPE50プラスチックチューブに接続し、順次、注入溶液とシリンジとを接続させる。次いで、腹腔を縫合して閉鎖する。この方法により、体の低い部分からの血液の逆流によるブロックはなくなるであろう。グルコース(24.1mg/kg/分)およびインスリン(10mU/kg/分)を10wL/分の注入量にてマウスに連続的に注入できる。血漿グルコースおよびインスリン濃度を測定するために、注入開始から90、105、120および135分後に、眼窩後部の血液試料(各70μL)を採取する。これら4つの試料を用いて、各動物についての定常状態の血漿グルコース(SSPG)およびインスリン(SSPI)濃度を評価する。
最後に、単独或いは真性糖尿病の処置のために記載した任意の1またはそれ以上の治療用薬剤と組み合わせたアルブミン融合蛋白質、本出願の治療用組成物の、血漿グルコースを減少する能力を評価するための実験は、以下の2群のSTZ−注入「NIDDM」マウスモデル:(1)脂肪食飼を与えられたC57BU6J、および(2)フルクトース食飼を与えられたC57BL/6Jにおいて行うことができる。これらの研究について、マウスの血漿グルコース濃度は、255〜555mg/dLの範囲にわたってもよい。マウスはランダムに、ビヒクル、単独或いは真性糖尿病の処置のために記載した任意の1またはそれ以上の治療用薬剤と組み合わせた本発明のアルブミン融合治療剤のいずれかを用いた処置を受ける。全部で3用量を投与することができる。血漿グルコース濃度を測定するために、初めの投与前および最後の投与の3時間に、尾静脈の血液試料を採取することができる。
Sigmaからのグルコース診断キット(Sigma No.315)、酵素比色アッセイを用いて、血漿グルコース濃度を測定できる。Linco ResearchからのラットインスリンRIAキット(#;RI−13K;St.Charles,MO)を用いて、血漿インスリンレベルは測定できる。
実施例59:インスリン作用における関与を証明する、インビトロH4IIe−SEAPレポーターアッセイ
様々なH4IIeレポーター
H4IIe/rMEP−SEAP:ラットから単離されたリンゴ酸酵素プロモーター(rMEP)は、インスリン経路にあるPPAR−ガンマエレメントを含む。このレポーターコンストラクトは、肝臓H4Ue細胞系中に安定にトランスフェクションされる。
H4IIe/SREBP−SEAP:ステロール制御エレメント結合蛋白質(SREBP−lc)は、多数のインスリン−応答性遺伝子、例えば、脂肪酸合成酵素(FAS)のプロモーターに作用し、および線維芽細胞、脂肪細胞および肝細胞における脂肪酸代謝の主要な遺伝子の発現を制御する、転写因子である。脂肪細胞決定および分化因子I(ADD−1)としても知られているSREBP−lcは、脂肪細胞における遺伝子発現に対するインスリンの効果の一次調節因子と考えられる。その活性は、インスリン、ステロールおよびグルコースレベルにより調節される。このレポーターコンストラクトは肝臓H41le細胞系中に安定にトランスフェクションされる。
H4IIe/FAS−SEAP:脂肪酸合成酵素レポーターコンストラクトは、最小SREBP−応答性FASプロモーターを含む。このレポーターコンストラクトは肝臓H4IIe細胞系中に安定にトランスフェクションされる。
H4IIe/PEPCK−SEAP:ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーターは、PEPCK遺伝子転写調節PEPCK活性のホルモン調節の主な部位である。PEPCKは肝の糖新生において、決定付けられている律速段階を触媒しているので、血液グルコースレベルが正常な範囲内に維持されるよう注意深く制御する必要がある。このレポーターコンストラクトは肝臓H4IIe細胞系中へ安定にトランスフェクションされる。
これらのレポーターコンストラクトは、3T3−LI線維芽細胞およびL6筋芽細胞中にも安定にトランスフェクションすることができる。次いで、これらの適当な細胞系は、実施例13において前記したように、3T3−LI脂肪細胞およびL6筋管に分化する。次いで、以下に記載のSEAPアッセイにおいて、分化した細胞系を用いることができる。
成長およびアッセイ培地
成長培地は、10%のウシ胎児血清(FBS)、10%の仔ウシ血清、1%のNEAA、lxペニシリン/ストレプトマイシンおよび0.75mg/mLのG418(H4IIe/rFAS−SEAPおよびH4IIe/SREBP−SEAPのために)または0.50mg/mLG418(H4IIe/rMEP−SEAPのために)を含む。H4IIe/PEPCK−SEAPのために、成長培地は、10%のFBS、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、15mMのHEPESバッファー生理的食塩水および0.50mg/mLのG418からなる。
H4IIe/rFAS−SEAP、H4IIe/SREBP−SEAP、H4IIe/rMEP−SEAPレポーターのためのアッセイ培地は、低グルコースDMEM培地(Life Technologies)、1%のNEAA、1×のペニシリン/ストレプトマイシンからなる。H4IIe/PEPCK−SEAPレポーターのためのアッセイ培地は、0.1%のFBS、1%のペニシリン/ストレプトマイシンおよび15mMのHEPES緩衝化生理的食塩水からなる。
方法
対数増殖期の細胞が接着するまで、75,000細胞/ウェルで100μL/ウェルの成長培地の96−ウェルプレートに播種する。成長培地を200μL/ウェルのアッセイ培地(H4IIe/PEPCK−SEAP細胞のために、0.5μMのデキサメサゾン含有のアッセイ培地を100μL/ウェルにて加え、次いで、約20時間インキュベーションする)と交換することにより、細胞を48時間かけて飢餓状態とする。その後、アッセイ培地を100μL/ウェルの新鮮なアッセイ培地と交換し、次いで、本発明の治療剤(例えば、本発明のアルブミン融合蛋白質およびその断片および変異体)を発現する、トランスフェクションさせた細胞系から得られた50μLアリコートの細胞上清をそのウェルに加える。空のベクターにトランスフェクションさせた細胞系からの上清を負対照として用いる。ウェルへ10nMおよび/または100nMのインスリンを添加したものを正対照として用いる。インキュベーションの48時間後、条件培地を回収し、次いで、SEAP活性を測定する(Phospha−Light Systemプロトコル、Tropix #;BP2500)。すなわち、希釈バッファー中に試料を1:4で希釈し、次いで、65℃で30分間インキュベーションし、内因性非胎盤形態のSEAPを不活性化する。希釈した試料の50μLアリコートを、非胎盤SEAPアイソザイムに対して活性のある阻害剤の混合物を含む、50μLのSEAPアッセイバッファーと混合し、さらに5分間インキュベーションする。Emerald発光増強剤中に1:20希釈した50μLアリコートのCSPD化学発光基質をその混合物へ加え、次いで、15〜20分間インキュベーションする。Dynexプレートルミノメーターでプレートを読み取る。
実施例60:トランスジェニック動物
本発明のアルブミン融合蛋白質は、トランスジェニック動物中で発現させることもできる。マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、ミニブタ(micro−pig)、ヤギ、ヒツジ、ウシならびにヒトでない霊長類、例えば、ヒヒ、サルおよびチンパンジ−を含むがこれらに限定されない任意の種の動物を用いて、トランスジェニック動物を作製してもよい。特定の実施態様において、本明細書に記載されているまたは当技術分野で知られている方法を用いて、遺伝子治療プロトコルの一部としてヒトにおいて本発明の融合蛋白質を発現させる。
本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを動物に導入してトランスジェニック動物の創始者系統(founder line)を作製するために、当技術分野で知られている任意の技法を用いてもよい。かかる技法は、前核マイクロインジェクション(Patersonら,Appl.Microbiol.Biotechnol.40:691−698(1994);Carverら.,Biotechnology(NY)11:1263−1270(1993);Wrightら.,Biotechnology(NY)9:830−834(1991);およびHoppeら.,米国特許第4,873,191号(1989));生殖細胞系(Van der Puttenら.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 82:6148−6152(1985))、胚盤胞または胚へのレトロウイルス媒介遺伝子導入;胚幹細胞における遺伝子ターゲッティング(Thompsonら.,Cell 56:313−321(1989));細胞または胚のエレクトロポレーション(Lo,1983,Mol Cell.Biol.3:1803−1814(1983));遺伝子銃を用いる本発明のポリヌクレオチドの導入(例えば、Ulmerら.,Science 259:1745(1993)を参照のこと);多能性胚幹細胞への核酸構築物の導入および胚盤胞へのその幹細胞の戻し移入;ならびに精子媒介遺伝子導入(Lavitranoら,Cell 57:717−723(1989);などを含むが、これらに限定されない。かかる技法の報文については、Gordon,”Transgenic Animals”Intl.Rev.Cytol.115:171−229(1989)を参照のこと。該文献は出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
当技術分野で知られている任意の方法を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するトランスジェニッククローンを作製してもよく、例えば、静止期に誘導されている培養された胚性細胞、胎児細胞または成体細胞から、核を除核した卵母細胞に、核を移入してもよい(Campellら.,Nature 380:64−66(1996);Wilmutら.,Nature 385:810−813(1997))。
本発明は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドをすべての細胞中に有するトランスジェニック動物、ならびにすべての細胞中ではなく一部の細胞中にこれらのポリヌクレオチドを有する動物、すなわち、モザイク動物またはキメラ動物を提供する。トランスジーンは、単独のトランスジーンとして、または頭部−頭部タンデム、頭部−尾部タンデムなどのコンカテマーのような複数コピーとして、組み込まれてもよい。トランスジーンは、例えば、Laskoら(Laskoら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:6232−6236(1992))の教示に従って、特定の細胞型に選択的に導入され、そこで活性化されてもよい。かかる細胞型特異的活性化に必要な調節配列は、対象の特定の細胞型に依存し得、およびそうした調節配列は当業者に明らかであろう。本発明の融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを、本発明の融合蛋白質の治療用蛋白質部分またはアルブミン部分に対応する内因性遺伝子の染色体部位に組み込むことが望まれる場合は、遺伝子ターゲッティングが好ましい。すなわち、かかる技法を利用する場合、染色体配列との相同的組換えにより内因性遺伝子のヌクレオチド配列中に組み込んでその機能を破壊するために、その内因性遺伝子に相同な幾つかのヌクレオチド配列を含有するベクターを設計する。トランスジーンは、たとえば、Guら(Guら.,Science 265:103−106(1994))の教示に従うことにより、特定の細胞型に選択的に導入し、それにより、その細胞型においてのみ内因性遺伝子を不活性化してもよい。かかる細胞型特異的不活性化に必要な調節配列は、対象の特定の細胞型に依存し得、および当業者には明らかであろう。
トランスジェニック動物が作製されたならば、標準的な技法を利用して組換え遺伝子の発現をアッセイしてもよい。サザンブロット分析またはPCR技法により最初のスクリーニングを行って動物組織を分析して、本発明の融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドの組込みが起こったことを確認してもよい。動物から得られた組織試料のノーザンブロット分析、インサイツハイブリダイゼーション分析および逆転写酵素−PCR(rt−PCR)を含むがこれらに限定されない技法を用いて、トランスジェニック動物の組織中における本発明の融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドのmRNA発現のレベルを評価してもよい。融合蛋白質発現組織の試料は、融合蛋白質に特異的な抗体を用いて免疫細胞化学的または免疫組織化学的に評価してもよい。
創始者動物が作製されれば、それらを交配、同系交配または異種交配して、特定の動物のコロニーを作成する。かかる交配ストラテジーの例は、別個の系統を樹立するために、2ヶ所以上の組込み部位を有する創始者動物を異系交配すること;それぞれのトランスジーンの相加的発現の効果によってより高レベルでトランスジーンを発現する複合トランスジェニック動物を作製するために、別個の系統を同系交配すること;発現を増大させ、かつDNA分析による動物のスクリーニングの必要性をなくすべく、所与の組込み部位に関してホモ接合である動物を作製するために、ヘテロ接合性トランスジェニック動物を交配すること;複合ヘテロ接合系統またはホモ接合系統を作製するために、別個のホモ接合系統を交配すること;および対象の実験モデルに適した明確なバックグラウンドにトランスジーン(すなわち、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド)が配置されるように交配すること;を含むが、これらに限定されない。本発明のトランスジェニック動物は、本発明の融合蛋白質ならびに本発明の融合蛋白質の治療用蛋白質および/またはアルブミン成分の生物学的機能を詳細に検討し、異常な発現に関連する状態および/または障害を研究し、ならびにかかる状態および/または障害を改善するのに有効な化合物をスクリーニングする際に有用な動物モデル系を含むがこれに限定されない用途を有する。
実施例61:エキソビボでの遺伝子治療を用いる治療方法
遺伝子治療の一の方法では、本発明のアルブミン融合蛋白質を発現し得る繊維芽細胞が患者に移植される。一般的には、皮膚生検により対象から繊維芽細胞を得る。得られた組織を組織培養培地に配置し、小片に分割する。組織の小塊を組織培養フラスコの湿潤表面上に配置する。約10片をそれぞれのフラスコ中に配置する。フラスコを上下逆さまにし、密閉して室温で一晩放置する。室温で24時間後、フラスコを反転させ、組織塊をフラスコの底部に固定された状態に保持し、新鮮な培地(たとえば、10%のPBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを有するHam’sF12培地)を加える。次いで、フラスコを37℃で約1週間インキュベーションする。
この時点で、新鮮な培地を加え、さらに数日ごとに交換する。さらに2週間培養した後、繊維芽細胞の単層が現れる。単層をトリプシン処理して、より大きなフラスコにスケールアップする。
Moloneyマウス肉腫ウイルスの長末端反復配列によりフランキングされたpMV−7(Kirschmeier,P.T.ら.,DNA,7:219−25(1988))をEcoRIおよびHindIIIで消化させ、続いて仔ウシ腸ホスファターゼで処理する。アガロースゲル上で線状ベクターを分画し、次いで、ガラスビーズを用いて精製する。
当技術分野にて知られている方法を用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを作製し、必要に応じて、5’および3’末端の配列に対応しておりおよび所望により適切な制限部位および開始/停止コドンを有するPCRプライマーを用いて、増幅することができる。好ましくは、5’プライマーはEcoRI部位を含み、3’プライマーはHindIII部位を含む。等量のMoloneyマウス肉腫ウイルスの線状骨格ならびに増幅されたEcoRIおよびHindIII断片を、T4 DNAリガーゼの存在下で一緒に添加する。得られた混合物を2るの断片のライゲーションに適切な条件下に保持する。次いで、ライゲーション混合物を用いて細菌HB101を形質転換し、次いでそれを、適切に挿入された対象遺伝子をベクターが有していることを確認するために、カナマイシンを含有する寒天上にプレーティングする。
10%の仔ウシ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で、アンホトロピックなpA317またはGP+am12パッケージング細胞を集密濃度まで組織培養により増殖させる。次いで、その遺伝子を含むMSVベクターを培地に添加して、ベクターをパッケージング細胞に形質導入する。こうすると、パッケージング細胞は、その遺伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(ここで、パッケージング細胞は、プロデュ−サ−細胞と呼ばれる)。
形質導入されたプロデュ−サ−細胞に新鮮な培地を添加し、続いて、集密的なプロデュ−サ−細胞の10cmのプレートから培地を回収する。感染性ウイルス粒子を含む使用済み培地をミリポアフィルターから濾過し、分離されたプロデュ−サ−細胞を除去する。次いで、この培地を用いて繊維芽細胞に感染させる。繊維芽細胞の半集密的プレートから培地を除去し、プロデュ−サ−細胞からの培地とすばやく交換する。この培地を除去し、新鮮な培地と交換する。ウイルスの力価が高い場合、実質的に全ての繊維芽細胞が感染しているであろうから、選択の必要はない。力価が非常に低い場合、neoまたはhisのごとき選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを用いる必要がある。繊維芽細胞に効率的に感染させた後、繊維芽細胞を分析してアルブミン融合蛋白質が産生されるか否かを調べる。
次いで、操作された繊維芽細胞を、そのままかまたはcytodex 3マイクロキャリアービーズ上で集密的になるまで増殖させた後に、宿主に移植する。
実施例62:インビボでの遺伝子治療を用いる治療方法
本発明の他の態様は、障害、疾患および状態を処置するためにインビボでの遺伝子治療を用いることである。遺伝子治療は、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードする裸の核酸(DNA、RNAおよびアンチセンスDNAまたはRNA)配列を動物に導入することに関連する。本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、標的組織によるポリペプチドの発現に必要なプロモーターまたは任意の他の遺伝的エレメントに作動可能に連結(すなわち、結合)されてもよい。かかる遺伝子治療および送達の技法および方法は当技術分野にて知られている。例えば、WO90/11092,WO98/11779;米国特許第5693622号,第5705151号,第5580859号;Tabataら.,Cardiovasc.Res.35(3):470−479(1997);Chaoら.,Pharmacol.Res.35(6):517−522(1997);Wolff,Neuromuscul.Disord.7(5):314−318(1997);Schwartzら.,Gene Ther.3(5):405−411(1996);Tsurumiら.,Circulation94(12):3281−3290(1996)を参照のこと(出典明示により本明細書の一部となる)。
ポリヌクレオチドコンストラクトは、注入可能な物質を動物の細胞に送達する任意の方法、例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓、腸など)の間質空間への注入により、送達されてもよい。ポリヌクレオチドコンストラクトは、医薬上許容される液体または水性担体中にて送達できる。
用語「裸」のポリヌクレオチドDNAまたはRNAは、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方、リポフェクチンまたは沈澱剤などを含む細胞への進入を支援、促進または容易化するように作用する任意の送達ビヒクルを有さない配列を言う。しかし、本発明のアルブミン融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、当業者によく知られている方法により調製され得るリポソーム処方(例えば、Felgner P.L.ら.(1995)Ann.NY Acad.Sci.772:126−139およびAbdallah B.ら.(1995)Biol.Cell 85(1):1−7にて教示されているもの)中にて送達してもよい。
好ましくは、遺伝子治療法で用いられるポリヌクレオチドベクターコンストラクトは、宿主ゲノム中に組み込まれずかつ複製を可能にする配列を含まないコンストラクトである。DNAの発現を駆動するために、当業者に知られている任意の強力なプロモーターを用いることができる。他の遺伝子治療技法と異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入することの一つの主要な利点は、細胞中におけるポリヌクレオチド合成の一過的な性質である。非複製性DNA配列を細胞に導入することにより所望のポリペプチドの産生が最大6ヶ月間提供されることが研究により示されている。
ポリヌクレオチドコンストラクトを、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺および結合組織を含む動物内の組織の間質空間に送達できる。組織の間質空間は、細胞間液;器官組織の細網繊維間、脈管もしくは房室の壁中の弾性繊維間または繊維組織の膠原繊維間にムコ多糖マトリックス;あるいは結合組織鞘膜保持筋肉細胞内または骨小腔中に同マトリックスを含む。それは、同様に、循環の血漿およびリンパ管のリンパ液により占有された空間である。以下に述べる理由により、筋肉組織の間質空間への送達が好ましい。これらの細胞を含む組織に注入することにより、それらを都合よく送達してもよい。それらを分化した永続的に非分裂性の細胞に送達し、発現させることが好ましいが、例えば、血液の幹細胞や皮膚の繊維芽細胞のごとき未分化または不完全分化細胞にて送達および発現を成し遂げてもよい。インビボ筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み、発現させる能力が特に大きい。
裸のポリヌクレオチドを注入するために、DNAまたはRNAの有効投与量は、約0.05g/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲であろう。好ましくは、用量は、約0.005mg/kg〜約20mg/kg、より好ましくは約0.05mg/kg〜約5mg/kgであろう。もちろん、当業者であればわかるであろうが、この用量は、注入の対象部位によって変化するであろう。核酸配列の適切かつ有効用量は、当業者により容易に決定することができ、処置されるべき状態および投与経路に依存してもよい。好ましい投与経路は、組織の間質空間に注入する非経口経路によるものである。しかし、他の非経口経路を用いてもよく、例えば、特に、肺もしくは気管支組織、咽頭または鼻の粘膜に送達するために、エアロゾル処方の吸入を行ってもよい。さらに、血管形成術を施す際、その処置に用いられるカテーテルにより、裸のポリヌクレオチドコンストラクトを動脈に送達することができる。
インビボで筋肉に注入されたポリヌクレオチドの用量応答効果は、以下のように決定される。本発明のポリペプチドをコードするmRNAの産生に好適な鋳型DNAを、標準的な組換えDNA法に従って調製する。環状であっても直鎖状であってもよい鋳型DNAを、裸のDNAとして使用するかまたはリポソームと複合化させる。次いで、マウスの四頭筋に様々な量の鋳型DNAを注入する。
0.3mlの2.5%のAvertinを腹腔内注入することにより、5〜6週齢の雌および雄Balb/Cマウスに麻酔をかける。大腿前部に1.5cmの切開を行い、四頭筋を直接肉眼視できるようにする。筋肉の遠位挿入部位から膝中に約0.5cm入った深さ約0.2cmの位置に、1ccシリンジ中の0.1mlの担体中の鋳型DNAを、27ゲ−ジ針で注射する。あとで位置が特定されるように注射部位上で縫合を行い、ステンレス鋼クリップを用いて皮膚を閉鎖する。
適切なインキュベーション時間(たとえば、7日間)の後、四頭筋全体を切除することにより筋肉摘出物を調製する。蛋白質発現のために、それぞれの四頭筋の15umの横断切片を5片ごとに組織化学的に染色する。様々な時間に別々のマウスからの四頭筋を回収すること以外は同様にして、融合蛋白質発現の時間的経過を調べてもよい。注射後の筋肉内でのDNAの持続性については、注射されたマウスおよび対照のマウスから全細胞DNAおよびHIRT上清を調製した後、サザンブロット分析により調べてもよい。マウスにおける上記の実験の結果を用いて、裸のDNAを使用する、ヒトおよび他の動物における適切な用量および他の治療パラメーターを推定できる。
実施例63:本発明の融合蛋白質の生物学的効果
星状細胞およびニューロンアッセイ
皮質ニューロン細胞の生存、神経突起伸長または表現型分化を促進する活性に関して、およびグリア繊維酸性蛋白質免疫陽性細胞である星状細胞の増殖の誘導に関して、本発明のアルブミン融合蛋白質を試験することができる。バイオアッセイのための皮質細胞の選択は、皮質構造中でのFGF−1およびFGF−2の優勢な発現ならびに既に報告されているFGF−2処理から生じる皮質ニューロン生存の増強に基づく。例えば、チミジン取り込みアッセイを用いて、これらの細胞に対する本発明のアルブミン融合蛋白質の活性を解明することができる。
さらに、インビトロにおける皮質または海馬ニューロンへのFGF−2(塩基性FGF)の生物学的効果を記載した既報により、ニューロン生存および神経突起伸長の両方における増大が実証されている(Walickeら,”Fibroblast growth factor promotes survival of dissociated hippocampal neurons and enhances neurite extension.”Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:3012−3016(1986)。該アッセイは出典明示によりその全てが本明細書の一部となる)。しかし、PC−12細胞で行われた実験の報告からは、これらの2つの応答が、必ずしも同義的なものでないこと、およびどのFGFが試験されているかだけでなくどの受容体が標的細胞で発現されるかにも依存し得ることが示唆される。皮質ニューロン初代培養パラダイムを用いて、本発明のアルブミン融合蛋白質が神経突起伸長を誘導する能力を、例えばチミジン取り込みアッセイを用いてFGF−2で得られた応答と比較することができる。
繊維芽細胞および内皮細胞アッセイ
ヒト肺繊維芽細胞をClonetics(San Diego,CA)から入手し、そしてClonetics製の成長培地中で保持する。真皮微小血管内皮細胞をCell Applications(San Diego,CA)から入手する。増殖アッセイのために、ヒト肺繊維芽細胞および真皮微小血管内皮細胞を、96ウェルプレートの増殖培地中、5,000細胞/ウェルで1日培養することができる。次いで、0.1%のBSA基本培地中で細胞を1日インキュベーションする。培地を新鮮な0.1%のBSA培地と交換した後、本発明の蛋白質の試験融合蛋白質と共に細胞を3日間インキュベーションする。Alamar Blue(Alamar Biosciences,Sacramento,CA)を10%の最終濃度になるように各ウェルに加える。細胞を4時間インキュベーションする。CytoFluor蛍光リーダーで読み取ることにより細胞生存能力を測定する。PGE2アッセイのために、96ウェルプレート中、5,000細胞/ウェルでヒト肺繊維芽細胞を1日培養する。培地を0.1%のBSA基本培地と変換した後、IL−1αを用いてまたは用いずにFGF−2または本発明の融合蛋白質と共に細胞を24時間インキュベーションする。上清を採取し、そしてEIAキット(Cayman,Ann Arbor,MI)によりPGE2についてアッセイする。IL−6アッセイのために、96ウェルプレート中、5,000細胞/ウェルでヒト肺繊維芽細胞を1日培養する。培地を0.1%のBSA基本培地と変換した後、FGF−2と共にまたは本発明のアルブミン融合蛋白質および/またはIL−1αを用いてまたは用いずに、細胞を24時間インキュベーションする。上清を採取し、そしてELISAキット(Endogen,Cambridge,MA)によりIL−6についてアッセイする。
ヒト肺繊維芽細胞をFGF−2または本発明のアルブミン融合蛋白質と共に基本培地中で3日間培養し、その後、Alamar Blueを加えて、繊維芽細胞の成長への効果を評価する。FGF−2は、10〜2500ng/mlで刺激を示すはずであり、これを用いて本発明の融合蛋白質による刺激と比較することができる。
[3H]チミジン取り込みに基づく細胞増殖
以下の[3H]チミジン取り込みアッセイを用いて、繊維芽細胞、上皮細胞または未熟筋肉細胞のごとき細胞の増殖への増殖因子蛋白質のごとき治療用蛋白質の効果を測定することができる。
無血清培地中で18時間インキュベートすることにより、半集密的培養物をG1期で停止させる。次いで、治療用蛋白質を24時間にわたり添加し、その最後の4時間で、培養物を0.33μMの最終濃度の[3H]チミジン(25Ci/mmol,Amersham,Arlington Heights,IL)で標識する。組み込まれた[3H]チミジンを10%の氷冷トリクロロ酢酸で24時間かけて沈澱させる。続いて、10%の氷冷トリクロロ酢酸、次いで氷冷水で、連続的に細胞をリンスする。0.5MのNaOH中に溶解した後、溶解物およびPBSリンス(500ml)をプールして、放射能の量を測定する。
パーキンソンモデル
パーキンソン病における運動機能の喪失は、黒質線条体のドーパミン作動性投射ニューロンの変性から生じる線条体ドーパミンの欠乏に起因する。広範に特徴付けられているパーキンソン病のための動物モデルは、1−メチル−4フェニル1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)の全身的投与を伴う。CNSの場合、MPTPは、星状細胞に取り込まれ、そしてモノアミンオキシダーゼBにより1−メチル−4−フェニルピリジン(MPP+)に異化され、そして放出される。続いて、MPP+は、ドーパミンの高親和性再取り込みトランスポ−タ−によりドーパミン作動性ニューロンに能動的に蓄積される。次いで、MPP+は、電気化学的勾配によりミトコンドリア中に濃縮され、そしてニコチン酸アミドアデニン二リン酸:ユビキノン酸化レダクターゼ(複合体I)を選択的に阻害し、それにより電子伝達を妨害し、最終的に酸素ラジカルを生成する。
FGF−2(塩基性FGF)は黒質のドーパミン作動性ニューロンへの栄養活性を有することが組織培養状況で実証されている(Ferrariら.,Dev.Biol.1989)。最近、Unsicker博士のグループは、ゲル泡沫体インプラントとしてFGF−2を線条体に投与すると、MPTP曝露に関連する毒性から黒質のドーパミン作動性ニューロンがほぼ完全に保護されることを実証した(Otto and Unsicker,J.Neuroscience,1990)。
FGF−2でのデータに基づいて、本発明のアルブミン融合蛋白質を評価し、インビトロにおけるドーパミン作動性ニューロンの生存を増強するFGF−2の作用と類似の作用を有するか否かを調べることができ、そして、線条体においてMPTP処理に関連する損傷からドーパミン作動性ニューロンを保護することに関してインビボにて試験することもできる。ドーパミン作動性ニューロン細胞培養状況において本発明のアルブミン融合蛋白質の潜在的効果を最初にインビトロで試験する。妊娠14日目のWisterラット胚に由来する中脳底板を切り取ることにより、培養物を調製する。組織をトリプシンを用いて分離し、次いで、ポリオルニチン−ラミニンでコーティングされたカバーガラス上に200,000細胞/cm2の密度で接種する。ホルモン添加物(NI)を含有するダルベッコ改変イーグル培地およびF12培地中で細胞を維持する。8日後、パラホルムアルデヒドを用いて培養物をインビトロで固定し、次いで、ドーパミン作動性ニューロンのための特異的マーカーであるチロシンヒドロキシラーゼの免疫組織化学的染色のための処理を施す。胎児期ラットから解離細胞培養物を調製する。培養培地を3日ごとに交換し、および因子もその時に加える。
ドーパミン作動性前駆細胞が増殖する段階を過ぎている発生時期である妊娠14日目に、ドーパミン作動性ニューロンを動物から単離するので、チロシンヒドロキシラーゼ免疫陽性ニューロンの数の増加は、インビトロで生存するドーパミン作動性ニューロンの数の増加を表すであろう。故に、本発明の治療用蛋白質がドーパミン作動性ニューロンの生存を延長するように作用するならば、それは、その融合蛋白質がパーキンソン病に関与し得ることを示唆するだろう。
実施例64:膵臓ベータ細胞移植併用療法
移植は、自己免疫疾患の処置、特に標的組織それ自体がひどく損傷している場合の処置において一般的な形態である。例えば、これらに限定されるものではないが、膵臓移植および島細胞移植は、IDDMのための一般的な処置選択である(例えば、Stewartら.,Journal of Clinical Endocrinology&Metabolism 86(3):984−988(2001);Brunicardi, Transplant.Proc.28:2138−40(1996);Kendall&Robertson,Diabetes Metab.22:157−163(1996);Hamanoら.,Kobe J.Med.Sci.42:93−104(1996);Larsen&Stratta,Diabetes Metab.22:139−146(1996);およびKinkhabwala,ら.,Am.J.Surg.171:516−520(1996)を参照のこと)。任意の移植方法に関して、自己免疫疾患患者のための移植療法は、移植された組織の宿主拒絶反応の危険性を最小限にするための処置を含む。しかし、自己免疫疾患は、元々の組織自体を損傷する既に存在する宿主自己免疫応答が、移植された組織に対して同じ損傷効果を及ぼし得るというさらなる独立した危険性を含む。従って、本発明は、自己免疫疾患の移植療法を受けている個体において、免疫調製剤/免疫抑制剤と組み合わせて本発明のアルブミン融合蛋白質を用いて自己免疫膵臓疾患を処置するための方法および組成物を包含する。
本発明に従って、上記したアルブミン融合に基づく組成物および処方を投与して、初めに元々の自己組織に対して影響する宿主個体の自己免疫応答から生じる、移植された器官、組織または細胞への損傷を予防および処置する。投与は2〜4用量にて、それぞれ1週間の間隔をあけて、移植の前および後の両方において行ってもよい。
以下の、AI−401、CDP−571(抗−TNFモノクローナル抗体)、CG−1088、Diamyd(糖尿病ワクチン)、ICM3(抗−ICAM−3モノクローナル抗体)、linomide(Roquinimex)、NBI−6024(改変ペプチドリガンド)、TM−27、VX−740(HMR−3480)、カスパ−ゼ8プロテアーゼ阻害剤、サリドマイド、hOKT3ガンマl(Ala−ala)(抗−CD3モノクローナル抗体)、経口用インターフェロン−アルファ、経口用乳酸菌およびLymphostat−Bを含むがこれらに限定されない免疫調製剤/免疫抑制剤は、島細胞または膵臓移植において、本発明のアルブミン融合治療剤と一緒に用いられ得る。
実施例65:VHおよびVLドメインの同定およびクローニング
特定の抗体を発現する細胞系に由来するVHおよびVLドメインを同定およびクローニングする一つの方法は、抗体発現細胞系から作製されたcDNAについてVHおよびVLに特異的なプライマーを用いてPCRを行うことである。すなわち、RNAを細胞系から単離し、そしてEBV細胞系により発現される抗体のVHおよびVLドメインを増幅するように設計されたRT−PCR用の鋳型として用いる。TRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies;Rockville,MD)中で細胞を溶解して、1/5容量のクロロホルムで抽出してもよい。クロロホルムを加えた後、溶液を室温で10分間インキュベーションしておき、次いで、卓上用遠心機にて14,000rpm、15分間、4℃で遠心分離する。上清を収集し、そして等量のイソプロパノールを用いてRNAを沈澱させる。卓上用遠心機にて14,000rpm、15分間、4℃で遠心処理することにより、沈澱させたRNAをペレット化する。遠心処理の後、上清を捨て、75%のエタノールで洗浄する。洗浄の後、800rpm、5分間、4℃でRNAを再び遠心分離する。上清を捨て、ペレットを空気乾燥させる。RNAをDEPC水に溶解させ、10分間で60℃に加熱する。RNAの量は、光学密度測定を用いて算出することができる。
cDNAは、当技術分野でよく知られている方法に従って、逆転写酵素およびランダムヘキサマープライマーを用いて1.5〜2.5マイクログラムのRNAから合成してもよい。次いで、VHおよびVLドメインのPCR増幅のために、鋳型としてcDNAを用いる。VHおよびVL遺伝子の増幅に用いられるプライマーを表7に示す。典型的には、PCR反応では、単一の5’プライマーおよび単一の3’プライマーを利用する。場合により、利用可能なRNA鋳型の量が限られているか、または効率を高めるために、5’および/または3’プライマーのグループを用いてもよい。例えば、場合により、全部で5つのVH5’プライマーおよび全てのJH3’プライマーが、単一のPCR反応で用いられる。PCR反応は、1×PCRバッファー、2mMの各dNTP、0.7ユニットの高忠実性Taqポリメラーゼ、5’プライマーミックス、3’プライマーミックスおよび7.5マイクロリットルのcDNAを含む50マイクロリットル容量で行う。VHおよびVLの両方の5’および3’プライマーミックスは、それぞれ、個々のプライマーのそれぞれの22pmoleおよび28pmoleを一緒にプールすることにより、作製することができる。PCR条件は次のとおりである:96℃で5分間;その後、94℃で1分間、50℃で1分間、および72℃で1分間を25サイクル;その後、72℃で10分間の伸長サイクル。反応が終了した後、試料チュ−ブを4℃で保存する。
表7:VHおよびVLドメインの増幅に使用されるプライマー配列
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次いで、PCR試料を1.3%のアガロースゲルで電気泳動する。予想される大きさ(VHドメインについては約506塩基対およびVLドメインについては344塩基対)のDNAバンドをゲルから切り取り、当技術分野にてよく知られている方法を用いて精製することができる。精製されたPCR産物は、PCRクローニングベクター(Invitrogen Inc.,Carlsbad,CA製のTAベクター)中にライゲーションすることができる。大腸菌のトランスフェクションおよび青/白の色選択を行った後、個々にクローニングされたPCR産物を単離することができる。次に、クローニングされたPCR産物を当技術分野にて一般的に知られている方法を用いてシークエンスしてもよい。
VHドメインおよびVLドメインを含むPCRバンドを用いて、全長Ig発現ベクターを作製することもできる。適切な宿主細胞にトランスフェクションされた場合に、これらのベクターから完全な重鎖もしくは軽鎖分子を発現させることができるように、VHおよびVLドメインを、重鎖(たとえば、ヒトIgG1もしくはヒトIgG4)または軽鎖(ヒトカッパもしくはヒトラムダ)定常領域のヌクレオチド配列を含むベクター中にクローニングすることができる。さらに、クローニングされた重鎖および軽鎖を共に1つの細胞系で(1つもしくは2つのベクターから)発現させる場合は、細胞培養培地中に分泌される完全な機能性抗体分子中にアセンブルさせることができる。完全な抗体分子をコードする発現ベクターを作製するためにVHおよびVL抗体ドメインをコードするポリヌクレオチドを用いる方法は、当技術分野内でよく知られている。
実施例66:HA−サイトカインまたはHA−成長因子融合蛋白質(例えば、NGF、BDNFa.BDNFbおよびBDNFc)の調製
NGFのごとき目的のサイトカインまたは成長因子についてのcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、RT−PCRおよび一連のオーバーラッピング合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRを含む様々な手段により単離され得る。これらの蛋白質の全てについてのヌクレオチド配列は知られており、かつ入手可能である。cDNAをHAのcDNAを含むベクター中にクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを用いることができるように、cDNAの5’および3’末端を調節して、制限部位を作製する。これは、スペ−サ−配列を伴うまたは伴わないNまたはC−末端であり得る。NGF(または他のサイトカイン)cDNAは、ベクター、例えば、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSA中にクローニングされ、次いで、そこから、完全発現カセットを切り取り、次いで、プラスミドpSAC35中に挿入し、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現を可能にする。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を集め、次いで、培地から精製し、次いで、その生物活性について試験する。哺乳類細胞株の発現について、用いる発現カセットが哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用することを除き同様の手法を適用する。次いで、この発現カセットを切り取り、次いで、哺乳類細胞株のトランスフェクションに適するプラスミド中に挿入する。
実施例67:HA−IFN融合蛋白質(例えば、IFNa)の調製
IFNaのごとき目的のインターフェロンについてのcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、RT−PCRおよび一連のオーバーラッピング合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRを含む様々な手段により単離され得る。インターフェロン、例えばIFNaについてのヌクレオチド配列は、例えば、米国特許第5,326,859号および第4,588,585号、EP32134ならびにGenBankのごとき公共データベースにおいて知られており、かつ入手可能である。cDNAをHAのcDNAを含むベクター中にクロ−にグするためにオリゴヌクレオチドリンカーを用いることができるように、cDNAの5’および3’末端を調節して、制限部位を作製する。これは、スペ−サ−配列を伴うまたは伴わない、HA配列のNまたはC−末端であり得る。IFNa(または他のインターフェロン)cDNAは、ベクター、例えば、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSA中にクローニングされ、次いで、そこから、完全発現カセットを切り取り、次いで、プラスミドpSAC35中に挿入し、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現を可能にする。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を集め、次いで、培地から精製し、次いで、その生物活性について試験する。哺乳類細胞株の発現について、用いる発現カセットが哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用することを除き同様の手法を適用する。次いで、この発現カセットを切り取り、次いで、哺乳類細胞株のトランスフェクションに適するプラスミド中に挿入する。
バイアルからの蛋白質の最大回収率
本発明のアルブミン融合蛋白質は、低濃度でパッケージングした場合でさえも、高度の安定性を有する。さらに、低い蛋白質濃度にも関わらず、水溶液が、バイアル壁への結合を最小限に抑えるべく添加される他の蛋白質を含んでいない場合でさえも、良好な融合蛋白質回収率が観察される。バイアルに保存されたHA−IFN溶液の回収率をストック溶液と比較した。6または30μg/mlのHA−IFN溶液をバイアルに入れて4℃で保存した。48または72時間後、最初の10ngに相当する容量の試料を取り出し、IFNサンドイッチELISAで測定した。その推定値を、高濃度ストック溶液のものと比較した。示されるように、これらのバイアル中では本質的にサンプルの損失はなく、バイアル壁へのサンプル損失を防止するためにアルブミンのような外因性物質を添加することは必ずしも必要ではないことを示す。
HA−α−IFN融合物のインビボ安定性および生物学的利用能
HA−α−IFN融合分子のインビボ安定性および生物学的利用能を調べるために、精製された融合分子(酵母由来)をサルに投与した。HA−α−IFN融合物から処方された医薬組成物は、増大された血清半減期および生物学的利用能を呈してもよい。従って、医薬組成物は、天然のアルファ−インターフェロン分子と比較して、より低い用量のアルファ−インターフェロン活性を含むように処方されてもよい。
HA−α−IFN融合物を含有する医薬組成物は、α−IFNの投与により調節され得る任意の疾患または疾患状態を有する患者において疾患を処置または予防するために用いられてもよい。かかる疾患は、ヘアリ−細胞白血病、カポジ肉腫、生殖器および肛門疣贅、慢性B型肝炎、慢性非A型非B型肝炎、特に、C型肝炎、D型肝炎、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、膀胱癌、卵巣および子宮頚癌、皮膚癌、再発性呼吸器乳頭腫症、非ホジキンおよび皮膚T細胞リンパ腫、黒色腫、多発性骨髄腫、AIDS、多発性硬化症、膠芽細胞腫など(Interferon Alpha、AHFS Drug Information,1997を参照のこと)を含むが、これらに限定されない。
従って、本発明は、ヒト投与のために適切な用量を用いて処方された、HA−a−IFN融合蛋白質、ポリペプチドまたはペプチドを含有する医薬組成物を含む。本発明は、少なくとも1つのHA−a−IFN融合蛋白質、ポリペプチドまたはペプチドを含有する医薬組成物を投与する少なくとも1つの段階を含む、かかる処置の必要な患者を処置する方法も包含する。
二重機能性HA−α−IFN融合物
二重機能性HA−α−IFN融合蛋白質を発現させるために、HA−α−IFN発現ベクターを改変して、インサートを挿入してもよい。例えば、二重終止コドンを除去するかまたはコーディング配列の下流に移動させた後、対象の第2の蛋白質のcDNAを「rHA−IFN」配列の下流のフレーム内に挿入してもよい。
二重機能性HA−α−IFN融合蛋白質の一形態では、Bリンパ球刺激性蛋白質(GenBank寄託番号4455139)またはポリペプチドに対する抗体または断片を、融合分子のHA部分の一方の末端に融合させてもよい。この二重機能性蛋白質は、融合物のα−IFN部分により引き起こされる任意の免疫応答を当節するために有用である。
実施例68:HA−ホルモン融合蛋白質の調製
対象のホルモンのcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてRT−PCRによりおよびPCRを含むがこれらに限定されない、様々な手段により単離することができる。これらの蛋白質の全てのヌクレオチド配列は知られており、例えば、GenBankのごとき公共のデータベースにて利用できる。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。ホルモンcDNAは、pPPC0005(図4)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性に関して試験を行うことができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例69:HA−可溶性受容体またはHA−結合性蛋白質型融合蛋白質の調製
対象の可溶性受容体または結合性蛋白質のcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてRT−PCRによりおよびPCRを含むがこれらに限定されない、様々な手段により単離することができる。これらの蛋白質の全てのヌクレオチド配列は知られており、例えば、GenBankにて利用できる。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。受容体cDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性について試験することができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例70:HA−成長因子の調製
対象の増殖因子のcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてRT−PCRによりおよびPCRを含むがこれらに限定されない、様々な手段により単離することができる(GenBank寄託番号NP_000609を参照のこと)。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。増殖因子cDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性について試験することができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例71:HA−一本鎖抗体融合蛋白質の調製
一本鎖抗体は、ファージライブラリーからの選択、抗体のcDNAをクローン化し、可変領域をクローニングするためのプライマーとしてフランキング定常領域を用いるかまたは任意の特異的抗体の可変領域に対応するオリゴヌクレオチドを合成することによる特異的抗体の可変領域のクローニング:を含むがこれらに限定されない、幾つかの方法により産生される。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。細胞cDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。
本発明の融合分子において、VHおよびVLは、以下の手段のうちの1つまたはそれらの組み合わせにより連結させることができる:VHのC末端とVLのN末端との間のペプチドリンカー;分泌時に2つが開裂分離され次いで自己会合するように設けられたVHとVLとの間のKex2pプロテアーゼ開裂部位;ならびにVHおよびVLがそれらの間にジスルフィド結合を形成して両者が互いに連結できるように配置されたシスチン残基。代替手段としては、HAまたはHAドメイン断片のN末端にVHを、HAまたはHAドメイン断片のC末端にVLを配置してもよい。
次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性について試験することができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例72:HA−細胞接着分子融合蛋白質の調製
対象の細胞接着分子のcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてRT−PCRによりおよびPCRを含むがこれらに限定されない、様々な手段により単離することができる。既知の細胞接着分子のヌクレオチド配列は知られており、例えば、GenBankにて利用できる。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。細胞接着分子cDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性について試験することができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例73:HA融合蛋白質としての阻害因子およびペプチド(例えば、HA−抗ウイルス剤、HA−抗生物質、HA−酵素阻害剤およびHA−抗アレルギー性蛋白質)の調製
抗生物質ペプチドのごとき対象のペプチドのcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてRT−PCRによりおよびPCRを含むがこれらに限定されない、様々な手段により単離することができる。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。ペプチドcDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性について試験することができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例74:標的HA融合蛋白質の調製
対象の蛋白質のcDNAは、標準的な分子生物学的手法を用いて、cDNAライブラリーから単離するか、またはいくつかの重複オリゴヌクレオチドを用いて合成的に作製することができる。適切なヌクレオチドを遺伝子工学的にcDNAに導入し、都合のよい制限部位を形成し、そして、アルブミンcDNAへの蛋白質cDNAの結合を可能にもする。また、細胞内部の蛋白質に向かうことのできる一本鎖抗体またはペプチド、例えば、核局在化シグナルのごとき標的蛋白質またはペプチドcDNAを、アルブミンの他方の末端に融合させることができる。対象の蛋白質および標的ペプチドは、アルブミンcDNAとの融合を可能にするpPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされる。このように、アルブミンのN−およびC−末端の両方を他の蛋白質に融合させる。次いで、融合されたcDNAをpPPC0005から切り出して、pSAC35のごときプラスミドに挿入し、酵母においてアルブミン融合蛋白質を発現させる。上記の手順はすべて、分子生物学における標準的方法を用いて行うことができる。酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、適切な生化学的および生物学的試験を用いて、その生物活性およびそのターゲッティング活性について調べることができる。
実施例75:HA−酵素融合物の調製
対象の酵素のcDNAは、全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリー、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてRT−PCRによりおよびPCRを含むがこれらに限定されない、様々な手段により単離することができる。HAのcDNAを含むベクター中に上記cDNAをクローニングするためにオリゴヌクレオチドリンカーを使用できるように、cDNAの5’および3’末端を遺伝子操作して制限部位を形成することができる。これは、スペ−サ−配列を用いてまたは用いずに、NまたはC末端で行うことができる。酵素cDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのごときベクター中にクローニングされ、それらから完全な発現カセットが切り出され、プラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合蛋白質の発現が可能となる。次いで、酵母から分泌されたアルブミン融合蛋白質を培地から回収して精製し、その生物活性について試験することができる。哺乳類細胞系における発現については、用いる発現カセットとして哺乳類のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を利用する点を除けば、同様の手順を適用する。次いで、この発現カセットを切り出して、哺乳類細胞系のトランスフェクションに好適なプラスミドに挿入する。
実施例76:コンストラクト番号2053、IFNb−HASの産生
コンストラクト番号2053、pEE12.1:IFNb.HASは、NSO発現ベクターpEE12.1.にある成熟形態のHASのアミノ−末端に融合された天然のIFNbリーダー配列を含む全長IFNb蛋白質を有するIFNbアルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含む。
IFNbcDNAのクローニング
IFNbをコードするポリヌクレオチドは、以下に記載のプライマーIFNb−1およびIFNb−2を用いてPCR増幅され、Bam HI/Cla Iを用いて開裂され、次いで、Bam HI/Cla Iで開裂されたpC4:HAS中にライゲーションされ、コンストラクト2011を生じた。コンストラクト番号2011からのEco RI/Eco RI断片は、pEE12.1のEco RI部位へサブクローニングされ、成熟HAS蛋白質が後に続く、リーダー配列および成熟形態のIFNbを含むアルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含むコンストラクト番号2053を生じた。
全長IFNb、IFNb−1およびIFNb−2をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適する2つのオリゴヌクレオチドを合成した:

IFNb-1: 5' GCGCGGATCCGAATTCCGCCGCCATGACCAACAAGTGTCTCCTCCAAATTGCTCTCCTGTTGTGCTT CTCCACTACAGCTCTTTCCATGAGCTACAACTTGCTTGG-3’ (配列番号:107)
IFNb-2: 5’ GCGCGCATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCGTTTCGGA GGTAACCTGT 3’ (配列番 号:108)
IFNb−1プライマーは、全長形態のIFNbの初めの27個のアミノ酸をコードする80個のヌクレオチドが後に続く、Bam HIクローニング部位(下線)、Eco RIクローニング部位およびKozak配列(イタリック体)を組み込む。FNb−2において、Cla I部位(下線)およびその後のDNAは、成熟HAS蛋白質(配列番号:1)の初めの10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補配列、ならびにIFNbの最後のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補配列である(実施例2を参照のこと)。これらのプライマーを用いてPCR増幅産物を産生し、精製し、制限酵素を用いて消化させ、次いで、pC4:HASベクターのBam HIおよびCla I部位へクローニングする。配列を確かめた後、IFNbアルブミン融合蛋白質発現カセットを含むEco RI断片を、Eco RIで消化したpEE12.1中にサブクローニングする。
さらに、アミノ酸配列により発現されたアルブミン融合蛋白質のN−末端の分析により、予想されたIFNb配列(以下を参照のこと)の存在が確認できる。
好ましくは、IFNb本発明のアルブミン融合蛋白質は、成熟形態のIFNb、すなわち、Met−22ないしAsn−187のN−またはC−末端のいずれかに融合された成熟形態のHSA、すなわち、Asp−25ないしLeu−609を含む。本発明の一の実施態様において、本発明のIFNbアルブミン融合蛋白質はさらに、発現に用いられる宿主の分泌経路に、直接新生融合ポリペプチドをもたらすシグナル配列を含む。さらに好ましい一の実施態様において、シグナル配列によりコードされるシグナルペプチドを取り出し、次いで、成熟IFNbアルブミン融合蛋白質を培養培地中に直接分泌させる。本発明のIFNbアルブミン融合蛋白質は、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン、インスリン様成長因子結合蛋白質4、キメラHSA/MAFリーダー配列を含むがこれらに限定されない変異体HSAリーダー配列、または当該技術分野において知られている他の異種シグナル配列を含むがこれらに限定されない、異種シグナル配列を含んでもよい。好ましい一の実施態様において、本発明のIFNbアルブミン融合蛋白質は、天然のIFNbを含む。さらなる好ましい実施態様において、本発明のIFNbアルブミン融合蛋白質はさらに、N−末端メチオニン残基を含む。断片および/または変異体を含む、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明に包含される。
コンストラクト番号2053の発現および精製
ネズミミエローマNSO細胞系における発現
当該技術分野において知られている方法により、コンストラクト番号;2053、pEE12.1:IFNb−HASをNSO細胞中に電気穿孔処理した(実施例6を参照のこと)。
NSO細胞上清からの精製
NSO細胞上清からのIFNb−HASの精製は、20mMのトリス−HCl中、0〜1MのNaCI勾配を用いるpH7.4でのQ−セファロースアニオン交換クロマトグラフィー、次いで、5〜40mMのクエン酸ナトリウム勾配を用いるpH6.5でのPorosPI50アニオン交換クロマトグラフィー、および10mMのクエン酸、pH6.5および140mMのNaCIの最終バッファー組成物中への6DVについてのダイアフィルトレーションを含んでもよい。N−末端配列は、成熟形態のIFNbのアミノ末端である配列MSYNLLを産生し得る。蛋白質は約88.5kDaの分子量を有する。
より大規模な精製のために、例えば、50LのNSO細胞上清を約8〜10Lに濃縮することができる。次いで、50mMのNaOAc、pH6.0および150mMのNaClからなる溶離段階を用いて、濃縮された試料をpH7.5のQ−セファロースアニオン交換カラム(10x19cm,1.5L)へ通過させることができる。次いで、溶離された試料は、0.75%のトリトン−X100を用いて、60分間、室温でウイルス不活性化され得る。次いで、SDR−逆相クロマトグラフィー(10cm×10cm,0.8L)を、50mMのNaOAcおよび150mMのNaC1と一緒に、pH6.0にて用いるか、或いは、試料は、50mMのNaOAc、pH6.0、および150mMのNaC1の溶離工程を用いて、pH4.8のSP−セファロースカラムを通過させることができる。DV50濾過を続けて、任意のウイルス内容物を除く。350mMの(NH4)SOおよび50mMのNaOAcまたは50mMのNaOAc、pH6.0からなる溶離工程を用いて、pH6.0でのフェニル−650Mクロマトグラフィー(20cm×12cm,3.8L)を続けることができる。6−8DVについてのダイアフィルトレーションにより、バッファーを、10mMのNaHPO+58mMのスクロース+120mMのNaC1、pH7.2または10mMのクエン酸、pH6.5、および140mMのNaClまたは25mMのNaHPO、100mMのNaCl、pH7.2からなる所望の最終処方バッファーに交換することが可能となるだろう。
IFNbの活性はインビトロISRE−SEAPアッセイを用いてアッセイできる
全てのI型インターフェロン蛋白質は、インターフェロン配列応答性エレメント「ISRE」を介する応答性遺伝子、インターフェロン、「IFN」の活性化をもたらす、一般的な受容体複合体および類似するJak/STATシグナル経路を介してシグナルを送る。I型IFN活性のために有用なアッセイは、下流レポーター遺伝子に融合されたISREエレメントの複数コピーを含む、プロモーター−レポーターに基づくアッセイ系である。適当なHEK293細胞系を産生することができ、そして、それは、I型IFNsに非常に感受性があるISRE−SEAPレポーター遺伝子の安定に統合されたコピーを含み、および濃度の5ログよりも高い直線性を示す。
IFNb−HSANSO安定クローンのスクリーニング方法
実施例6において記載したように、コンストラクト2053をNSO細胞中に電気穿孔処理した。ISRE−SEAPアッセイにおいて条件成長培地を試験することにより、コンストラクト番号;2053を用いてトランスフェクションされたNSO細胞を活性についてスクリーニングした。処置1日前に、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞を、96−ウェルのポリ−D−リジンコーティングされたプレート中に、3×10細胞/ウェルで配置した。レポーター細胞を、コンストラクト番号2053によりコードされたIFNbアルブミン融合蛋白質の、様々な希釈(1:500および1:5000を含むがこれらに限定されない)の条件化上清または精製した調製物アルイ派対照としてrhIFNbを用いて処理した。次いで、レポーター細胞を24時間インキュベーションし、その後、SEAPレポーター遺伝子化学発光アッセイ(Rocheカタログ番号;1779842)において用いるために、40μLを取り出した。組換えヒトインターフェロンベータ“rhIFNb”(Biogen)を正対照として用いた。
結果
IFNb−HSA発現したNS0の精製調製物は、1.8×10−10g/mLのEC50を有するrhIFNb(Biogen)よりも高い9.3×10−9g/mLのEC50を有する(図4参照のこと)。
インターフェロンによるOASのインビボ誘導
方法
OAS酵素2’−5’−オリゴアデニラート合成酵素は、抗ウイルス感染に応答して、インターフェロンにより転写レベルで活性化される。処置するサルから血液試料を得、次いで、これらの試料を2つのOASmRNA、p41およびp69の転写活性化について分析することにより、インターフェロンコンストラクトの効果は、測定できる。全血液の0.5mL量を動物につき異なる7つの時間ポイント、0日目、1日目、2日目、4日目、8日目、10日目および14日目にて1群あたり4匹の動物から得ることができる。様々な群は、ビヒクル対照の注入、1日目における30ug/kgおよび/または300pg/kgいずれかのIFNアルブミン融合蛋白質の静脈内および/または皮下注入、および1、3、5日目の正対照としての40ug/kgのインターフェロンアルファ(Schering−Plough)の皮下注入を含む。p41−OASおよびp69−OASに特異的なプローブを用いるリアルタイム定量的PCR(Taqman)により、p41およびp69mRNA転写物のレベルを測定することができる。OASmRNAレベルは、18SリボソームRNA内因性対照に対して定量できる。
コンストラクト番号2053によりコードされたインターフェロンベータアルブミン融合によるOASのインビボ誘導
方法
コンストラクト2053によりコードされたHSA−IFNb融合蛋白質の活性は、「インターフェロンによるOASのインビボ誘導」と題するサブセクションにて既に上記したように、インビボOASアッセイにおいてアッセイできる。
実施例77:IFNbアルブミン融合蛋白質の適応症
IFNベータアルブミン融合蛋白質(コンストラクト2053によりコードされたものを含むが、これらに限定されない)を用いて、多発性硬化症を処置、予防、改善および/または検出することができる。他の適応症は、重症急性呼吸症候群(SARS)および他のコロナウイルス感染;エボラウイルスおよびマールブルグウイルスを含むがこれらに限定されないフィロウイルス;Pichendeウイルス、ラッサウイルス、フニンウイルス、マクポウイルス、Guanaritoウイルスを含むがこれらに限定されないアレナウイルス;およびリンパ球性絨毛髄膜炎ウイルス(LCMV);Punta toroウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスおよびfly熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、ラ・クロスウイルス、およびハンタウイルスを含むがこれらに限定されないブンヤウイルス;黄熱病、Banziウイルス、ウエスト・ナイルウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎、オムスク出血熱およびキャサヌ−ル森林病ウイルスを含むがこれらに限定されないフラビウイルス;ベネズエラ、西部および西部ウマ脳炎ウイルス、Ross Riverウイルス、および風疹ウイルスを含むがこれらに限定されないトガウイルス;ワクシニア、牛痘、天然痘、およびサル痘を含むがこれらに限定されないオルトポックス・ウイルス;ヘルペスウイルス;インフルエンザA/B;呼吸Sincytialウイルス(RSV);paraflu;はしか;ライノウイルス;アデノウイルスセムリキ森林熱ウイルス;ウイルス出血熱;ラブドウイルス;ニパウイルスおよびヘンドラウイルスを含むがこれらに限定されないパラミクソウイルス;および最優先疾患物質(すなわち、カテゴリーA、BおよびC物質;例えば、Moran、Emerg.Med.Clin.North.Am.2002;20(2):311−30およびDarlingら.、Emerg.Med.Clin.North Am.2002;20(2):273−309を参照のこと)として疾患制御および予防のために米国センターにより同定されている他のウイルス物質を含むウイルス感染を含むが、これらに限定されない。
実施例78:コンストラクト番号2249.IFNa2−HSA産生
コンストラクト番号2249、pSAC35:IFNa2.HASは、成熟形態のIFNa2蛋白質、すなわち、酵母(yeast S.cerevisiae)発現ベクターpSAC35中の成熟形態のHASのアミノ−末端に融合されたCl−E165が後に続く、HSAキメラリーダー配列を有するIFNa2アルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含む。
IFNa2cDNAのクローニング
IFNa2をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載のプライマー、IFNa2−1およびIFNa2−2を用いてPCR増幅した。PCR増幅産物をSal1/Cla1を用いて開裂し、次いで、Xho 1/Cla Iで開裂したpScCHSA中にライゲーションした。コンストラクト番号;2249は、成熟HSA蛋白質が後に続く、HASのキメラリーダー配列、成熟形態のIFNa2を含む、アルブミン融合蛋白質をコードする。

成熟形態のIFNa2、IFNa2−1およびIFNa2−2をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適する2つのオリゴヌクレオチドを合成した:

IFNa2-1: 5’ CGCGCGCGTCGACAAAAGATGTGATCTGCCTCAAACCCACA-3’ (配列番号:109)
IFNa2-2: 5’ GCGCGCATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCTTCCTTACTTCTTAAACTTTCT 3’ ( 配列番号:110)
IFNa2−1プライマーは、SalIクローニング部位(下線)、キメラHSAリーダー配列の最後の3個のアミノ酸残基をコードするヌクレオチドならびに成熟形態のIFNa2の最初の7個のアミノ酸残基をコードする22個のヌクレオチド(太字)を組み込む。IFNa2−2において、ClaI部位(下線)およびその後のDNAは、成熟HSA蛋白質の初めの10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補であり、および最後の22個のヌクレオチド(太字)は、IFNa2の最後の7個のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補である(実施例2を参照のこと)。これらのプライマーを用いてIFNa2−HASのPCR増幅産物を産生し、精製し、SalIおよびC/aI制限酵素を用いて消化させ、次いで、pScCHSAベクターのXhoIおよびC/aI部位へクローニングした。配列を確認した後、このIFNa2アルブミン融合蛋白質をコードする発現カセットを、Not Iで消化したpSAC35中へサブクローニングした。
さらに、アミノ酸配列により発現されたアルブミン融合蛋白質のN−末端の分析により、予想されたIFNa2配列の存在を確認できる(以下を参照のこと)。
異なるリーダー配列を用いる他のIFNa2アルブミン融合蛋白質は、当該技術分野において知られている方法により構築されている(実施例2を参照のこと)。様々なリーダー配列の例は、インベルターゼ「INV」(コンストラクト2343および2410)および接合アルファ因子「MAF」(コンストラクト2366)を含むが、これらに限定されない。これらのIFNa2アルブミン融合蛋白質は、既に記載したように(実施例5を参照のこと)、哺乳類の発現ベクター、例えば、pC4(コンストラクト2382)およびpEE12.1へサブクローニングすることができる。HASにC−末端融合された治療用部分を伴うIFNa2アルブミン融合蛋白質も構築できる(コンストラクト2381)。
好ましくは、本発明のIFNa2アルブミン融合蛋白質は、成熟形態のIFNa2、すなわち、Cys−1ないしGlu−165のN−またはC−末端のいずれかに融合された成熟形態のHSA、すなわち、Asp−25ないしLeu−609を含む。本発明の一の実施態様において、本発明のIFNa2アルブミン融合蛋白質はさらに、発現に用いられる宿主の分泌経路に、直接新生融合ポリペプチドをもたらすシグナル配列を含む。
さらなる好ましい一の実施態様において、シグナル配列によりコードされたシグナルペプチドを取り出し、次いで、成熟IFNa2アルブミン融合蛋白質を培養培地中に直接分泌させる。本発明のIFNa2アルブミン融合蛋白質は、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン、インスリン様成長因子結合蛋白質4、キメラHSA/MAFリーダー配列を含むがこれらに限定されない変異体HSAリーダー配列または当該技術分野において知られている他の異種シグナル配列を含むがこれらに限定されない、異種シグナル配列を含んでもよい。好ましい一の実施態様において、本発明のIFNa2アルブミン融合蛋白質は天然のIFNa2を含む。さらなる好ましい実施態様において、本発明のIFNa2アルブミン融合蛋白質はさらに、N−末端メチオニン残基を含む。断片および/または変異体を含む、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも本発明により包含される。
ンストラクト番号2249の発現および精製
酵母(yeast S.cerevisiae)における発現
当該技術分野において知られている方法(実施例3を参照のこと)を用いて、酵母(yeast S.cerevisiae)系BXP10へのコンストラクト2249の形質転換を行った。成長の72時間後の静止期に細胞を収集できる。3000gで10分間細胞を澄明化することにより、上清を集める。抗−HSA血清(KentLaboratories)を用いる免疫ブロット検出か一次抗体として、発現レベルを調べる。適切な分子量、88.5kDaのIFNa2アルブミン融合蛋白質を得ることができる。
酵母(yeast S.cerevisiae)細胞上清からの精製
酵母(yeast S.cerevisiae)細胞のコンストラクト番号;2249から発現されたIFNa2アルブミン融合蛋白質を含む細胞上清は、小規模なDyaxペプチドアフィニティーカラム(実施例4を参照のこと)によるか、または大規模の以下の5工程:ダイアフィルトレーション、DEAE−セファロースFastFlowカラムを用いるアニオン交換クロマトグラフィー、ブチル650Sカラムを用いる疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、SP−セファロースFast FlowカラムまたはBlue−セファロースクロマトグラフィーを用いるカチオン交換クロマトグラフィーならびにQ−セファロース高速カラムクロマトグラフィーを用いる高速クロマトグラフィー(実施例4を参照のこと)のいずれかにより精製できる。IFNa2アルブミン融合蛋白質は、100〜250mMのNaCIを用いてDEAE−セファロースFast Flowカラムから、100−250mMのNaClを用いてSP−セファロースFast Flowカラムから、および5〜7.5mS/cmでQ−セファロース高速カラムから溶離されてもよい。N−末端配列は、成熟形態のIFNa2に対応する配列CDLPQ(配列番号:98)を産生する。
IFNa2の活性はインビトロISRE−SEAPアッセイを用いてアッセイできる
方法
コンストラクト番号;2249によりコードされたIFNa2アルブミン融合蛋白質は、実施例76にて既に述べたように、ISRE−SEAPアッセイにおいて、活性について試験できる。すなわち、条件化酵母上清を1:1000希釈にて、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞系へISREシグナル伝達をもたらすそれらの能力について試験した。処置1日前に、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞を、96−ウェルのポリ−D−リジンコーティングされたプレート中に、3×10細胞/ウェルで配置した。次いで、レポーター細胞を18または24時間インキュベーションし、その後、SEAPレポーター遺伝子化学発光アッセイ(Rocheカタログ番号;1779842)において用いるために、40μLを取り出した。組換えヒトインターフェロンベータ“rhIFNb”(Biogen)を正対照として用いた。
結果
IFNa2−HASの精製した調製物は、10−1〜10ng/mL(図5を参照のこと)または10−10〜10−8ng/mL(図6を参照のこと)の範囲の濃度にわたるISRE−SEAPアッセイにおいて相対的に直線的増大を示した。
コンストラクト番号2249によりコードされるインターフェロンアルファ融合物によるOASのインビボ誘導
方法
OAS酵素、2’−5’−オリゴアデニラート合成酵素は、抗ウイルス感染に応答して、インターフェロンにより転写レベルで活性化される。処置するサルから血液試料を得、次いで、これらの試料を2つのOASmRNA、p41およびp69の転写活性化について分析することにより、インターフェロンコンストラクトの効果は、測定できる。全血液の0.5mL量を動物につき異なる7つの時間ポイント、0日目、1日目、2日目、4日目、8日目、10日目および14日目にて1群あたり4匹の動物から得ることができる。様々な群は、ビヒクル対照の注入、1日目における30ug/kgのIFNの静脈内注入、1日目における30ug/kgのIFNの皮下注入、1日目における300ug/kgのIFNの皮下注入、および1、3、5日目の正対照としての40ug/kgのインターフェロンアルファ(Schering−Plough)の皮下注入を含む。p41−OASおよびp69−OASに特異的なプローブを用いるリアルタイム定量的PCR(Taqman)により、p41およびp69mRNA転写物のレベルを測定することができる。OASmRNAレベルは、18SリボソームRNA内因性対照に対して定量できる。コンストラクト2249によりコードされたアルブミン融合物に類似する実験を行うことができる。
結果
IFNaで処置したサルと対照的に、HSインターフェロンで処置したサルにおいて、p41およびp69OASの両方についてのmRNA転写物レベルにおける有意な増大が観察された(p41データについては図7を参照のこと)。効果は約10日間続いた。
実施例79:IFNa2アルブミン融合蛋白質のための適応症
IFNアルファアルブミン融合蛋白質は(コンストラクト2249、2343、2410、2366、2382および2381によりコードされたものを含むが、これらに限定されない)を用いて、多発性硬化症を処置、予防、改善および/または検出することができる。他の適応症は、重症急性呼吸症候群(SARS)および他のコロナウイルス感染;エボラウイルスおよびマールブルグウイルスを含むがこれらに限定されないフィロウイルス;Pichendeウイルス、ラッサウイルス、フニンウイルス、マクポウイルス、Guanaritoウイルスを含むがこれらに限定されないアレナウイルス;およびリンパ球性絨毛髄膜炎ウイルス(LCMV);Punta toroウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスおよびfly熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、ラ・クロスウイルス、およびハンタウイルスを含むがこれらに限定されないブンヤウイルス;黄熱病、Banziウイルス、ウエスト・ナイルウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎、オムスク出血熱およびキャサヌ−ル森林病ウイルスを含むがこれらに限定されないフラビウイルス;ベネズエラ、西部および西部ウマ脳炎ウイルス、Ross Riverウイルス、および風疹ウイルスを含むがこれらに限定されないトガウイルス;ワクシニア、牛痘、天然痘、およびサル痘を含むがこれらに限定されないオルトポックス・ウイルス;ヘルペスウイルス;インフルエンザA/B;呼吸Sincytialウイルス(RSV);paraflu;はしか;ライノウイルス;アデノウイルスセムリキ森林熱ウイルス;ウイルス出血熱;ラブドウイルス;ニパウイルスおよびヘンドラウイルスを含むがこれらに限定されないパラミクソウイルス;および最優先疾患物質(すなわち、カテゴリーA、BおよびC物質;例えば、Moran、Emerg.Med.Clin.North.Am.2002;20(2):311−30およびDarlingら.、Emerg.Med.Clin.North Am.2002;20(2):273−309を参照のこと)として疾患制御および予防のために米国センターにより同定されている他のウイルス物質を含むウイルス感染を含むが、これらに限定されない。
好ましくは、IFNa−アルブミン融合蛋白質またはIFNハイブリッド融合蛋白質は、CCR5アンタゴニストと組み合わせて、さらには、少なくとも1つのリバビリン、IL−2、IL−12と組み合わせて、pentafuside単独かまたはHIV−1感染、HCVまたはHIV−1およびHCV共感染を処置するための医薬を調製するための抗−HIV薬剤療法、例えば、HAARTと組み合わせて、処置経験のないおよび処置経験のある成人および小児患者に投与される。
実施例80:コンストラクト番号;3691.BNP−HSA、産生
コンストラクト番号;3691、pC4:SPCON.BNPI−32/HASは、哺乳類の発現ベクターpC4中の成熟形態のHASのアミノ−末端に融合された処理された活性のあるBNPペプチド(アミノ酸1−32)が後に続く、コンセンサスリーダー配列、secreconを有するBNPアルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含む。
ンストラクト3691についてのBNPcDNAのクローニング
BNPをコードするポリヌクレオチドを以下に記載のプライマー、BNP−1およびBNP−2を用いてPCR増幅し、Bam HIlCla 1を用いて開裂し、次いで、Bam Hl/Cla Iで開裂されたpC4:HASにライゲーションし、コンストラクト番号;3691を生じる。コンストラクト番号;3691は、コンセンサスリーダー配列(配列番号:111)および成熟HAS蛋白質が後に続く、BNPの処理された活性形態を含むアルブミン融合蛋白質をコードする(コンストラクト3691については表2の配列番号:321を参照のこと)。
BNPの活性のあるプロセッシング形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適する2つのオリゴヌクレオチド、BNP−1およびBNP−2を合成した:

BNP-1: 5'-GAGCGCGGATCCAAGCTTCCGCCATCATGTGGTGGCGCCTGTGGTGGCTGCTGCTGCTGCTGCTG CTGCTGTG GCCCATGGTGTGGGCCAGCCCCAAGCTGGTGCAAGG -3' (配列番号:463)
BNP-2: 5'-AGTCCCATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCATGCCGCCTCAGCACTTTGC-3' (配 列番号:464).

BNP−1は、Bam HIクローニング部位(下線)、コンセンサスリーダー配列をコードするヌクレオチド(配列番号:111)(イタリック体)およびBNPの初めの7個のアミノ酸をコードするポリヌクレオチド(太字)を組み込む。BNP−2では、下線を引いた配列はCla I部位であり、それに続くポリヌクレオチドは、BNP(太字)の最後の6個のアミノ酸および成熟HAS蛋白質の初めの10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補を含む。これらの2つのプライマーを用いて、BNP蛋白質をPCR増幅した。アニーリングおよび伸長温度および回数は、特定のプライマーおよび鋳型それぞれについて実験により決定される必要がある。
PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA 精製システム(Promega Corp)を用いて)、次いで、Bam HIおよびCla Iを用いて消化させた。ゲル電気泳動によりBam HI-ClaI断片をさらに精製した後、その産物をBam HI/Cla Iで消化したpC4:HSAへクローニングし、コンストラクト番号3691を生じた。発現コンストラクトの配列を確認した。
コンストラクト番号3691の発現および精製
293F細胞における発現
当該技術分野において知られている方法(実施例6を参照のこと)により、コンストラクト番号3691、pC4:SPCON.BNP1−32/HASを293F細胞フェートランスフェクションした。
293F細胞上清からの精製
トランスフェクションから3日後、2リットルの上清を集めた。組み換え蛋白質を5mlのBlueセファロースCL−6Bカラム(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ、USA)により捕らえ、次いで、2MのNaClにより溶離した。その物質はHiPrep16/10フェニルFF(high sub)カラムに結合され、次いで、20mMのMES、pH6.7により溶離される。リン酸ナトリウムバッファー勾配(200ml中、0−20mS/cm)、pH6.8中のヒドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィーにより、BNP−HSAをさらに精製する。最終産物をHiPrep26/10脱塩カラム(AmershamBiosciences)によりPBSpH7.2中へ交換する。
BNP−HASの活性はインビトロNPR−A/cGMPアッセイを用いてアッセイできる
ナトリウム利尿ペプチド受容体−A(NPR−A)はBNPのためのシグナル受容体であり、そしてそのようなものとして、BNPの生物学的効果のほとんどに関与する。BNP生物活性は、活性化の際にGTPをcGMPへ変換する、NPR−Aグアニリルシクラーゼドメインにより介される。BNP活性のための有意なアッセイは、NPR−Aを安定に過剰発現する293F細胞系のBNP刺激を測定することである。BNPに暴露した後の該細胞におけるcGMP産生をcGMPELISAにより測定することができる。
NPR−A293F安定クローンのスクリーニング法
ヒトNPR−AのオープンリーディングフレームをpcDNA3.1発現ベクター(Invitogen)中に構築した。リポフェクタミン法により293F細胞は安定にプラスミドDNAにトランスフェクションされ、次いで、0.8/lg/mlのG418により選択された。293F/NPR−A安定クローンを、組換えBNPの最良の応答についてスクリーニングした。
cGMP活性化の測定
BNPによるcGMP活性化を293F/NPR−A細胞にて行い、次いで、CatchPoint環状−GMP蛍光アッセイキット(Molecular Devices Sunnyvale,CA,USA)により測定した。すなわち、96−ウェルプレートにて培養した50,000細胞/ウェルの293F/NPR−A細胞を洗浄して、80μlの予備刺激バッファー(10mMのグルコース、pH7.4、15nMの重炭酸ナトリウムおよび0.75mMの3−イソブチル−l−メチルキサンチンを加えたKrebs−Ringer重炭酸塩バッファー)へ加えた。40μlの予備刺激バッファー中のBNP−HSAまたは組換えBNPを、37℃で10分間、細胞へ加えた。40μlの溶解バッファーを用いて10分間攪拌しながら細胞を溶解した。溶解物中のcGMPの量を、製造元の指示に従って定量した。
結果
BNP−HSAおよび組換えBNPの用量応答関係を測定した(図8を参照のこと)。コンストラクト番号;3691および組換えBNPの最大活性は類似しており(それぞれ、1.63±0.016、対して、1.80±0.016pm)、それぞれ、28.4±1.2、および0.46±1.1nMのEC50値を有した。
BNP−HASはインビボにて血圧を減少させる
方法
直接的な血管拡張ならびにレニン/アンジオテンシン/エンドセリン/アルドステロン系の抑制により、BNPは血圧を減少させる。Taconic(Germantown,NY,USA)から購入した3ヶ月齢雄の自然発生的な高血圧ラットにおいて、動脈圧を減少させるBNP−HASの能力を試験した。自然発生的な高血圧ラットは遺伝的に高血圧であり、3ヶ月齢後に高血圧を発症する。ラット1匹あたり0.3ccのPBS中にBNP−HSAまたは組換えBNPを復元した。尾部への静脈注入により薬剤を投与した。XBP−1000系(Kent Scientific,Torrington,CT,USA)を用いてcuff−tail法により、収縮期および拡張期血圧を記録した。それぞれの血圧データポイントにおいて、4−5回、連続してリーディングを行い、ついで、平均した。1/3の収縮期血圧+2/3の拡張期血圧として平均動脈圧(MAP)を算出した。用量応答を測定するために、pC4:SPCONの20時間後に血圧を測定した。BNPI−32/HSAを、0.5、2、6および18nmol/kgの用量で投与した。
結果
自然発生的な高血圧ラットの投与前の典型的な収縮期血圧は180−200mmHgだった。尾部への静脈内注入により投与された単一ボーラスの6nmol/kgのBNP−HASは、収縮期および拡張期血圧を共に低下させ、30mmHgの平均動脈圧(MAP)減少を示した。低下した血圧は安定であり、そして1日間持続し、次いで、数日かけて徐々にベースラインへと戻った(図9を参照のこと)。対照的に、その即時のクリアランスに起因して、単一ボーラスの6nmol/kgの組換えBNPは、非常に一過性である約15mmHgのMAPの減少のみを生じた。
加えて、4匹の自然発生的な高血圧ラットにおいて、BNP−HASボーラスの注入後20時間の用量応答を測定した。0.5nmol/kgのBNP−HASは平均7mmHgのMAP減少を有したが、一方で、6nmol/kgのBNP−HASは平均30mmHgのMAP減少を有し、高用量の18nmol/kgのBNP−HASは6nmol/kgよりわずかに高い血圧のみを低下させた。
BNP−HASによる血漿cGMPのインビボ誘導
方法
BNPによる細胞内cGMP活性化は、細胞から循環へのその放出をもたらす。血漿cGMPレベルは、BNPが誘導する心血管および腎の生理機能に対応する。血漿cGMPは、インビボBNP作用のためのバイオマーカーとして用いられている。インビボでのBNP−HASによる血漿cGMPの誘導を試験するために、11〜12−週齢の雄C57/BL6マウスに、単一ボーラスの組換えBNPまたはBNP−HASを、6nmol/kg用量で、尾部静脈へ投与した。組換えBNP投与群については5、10、20、40および80分の時間ポイントにて、およびBNP−HAS群についてはさらに640、1440、2880および5760分にて、血漿を尾部血液から調製した。ビヒクル対照としてPBSを用いて処置したマウスからの血漿試料を時間ポイントゼロにて集めた。CatchPoint環状−GMP蛍光アッセイキットにより、製造元の指示に従って、cGMPレベルを測定した。
結果
6nmol/kgの組換えBNPまたはBNP−HASの単一静脈内ボーラスの後、ピ−ク血漿cGMPレベルはそれぞれベースラインの3.9−または5.6−倍に増大した(図10を参照のこと)。加えて、組換えBNP処置の後のcGMPの1相崩壊半減期は16分であり(10〜42分、95%のCI)、一方で、BNP−HSA投与後のcGMPの1相崩壊半減期は1538分(1017〜3153分、95%のCI)だった。
コンストラクト番号3691によりコードされたBNPアルブミン融合物のインビボ薬物動態分析
方法
11〜12週齢の雄C57/BL6マウス(Ace Animals,Boyertown,PA,USAから得た)は、研究時にて、25.1±0.12gの体重だった。全ての動物は10ml/kg体重の用量で投与された。予め投与の動物はPBSを注入した。組換えBNPを、尾部または肩甲骨中間領域の皮下に静脈内注入した。
薬物動態分析を以下の群において行った:
表8.
Figure 0005568582
血液を下大静脈から採取し、EDTAコーティングしたマイクロタイター上にセットし、次いで、氷上で貯蔵した。その試料を微小遠心にて14,000rpm(16,000xg)、10分間、室温で遠心分離した。血漿をクラスターチュ−ブに移し、次いで、−80℃で貯蔵した。
BNP EIキット(Phoenix Pharmaceutical,Belmont,CA,USA)を用いて、血漿試料中のBNP−HSA濃度を測定した。試験試料を用いて、同じプレート同じ時間において、標準曲線を作成した。組換えBNPについて検出限界は0.11ng/mLだった。アッセイは組換えBNPを検出し、そしてマウスBNPと交差反応しない。
ノンコンパートメント法(WinNonlin;バージョン 4.1;Pharsight Corp.,Mountain View,CA,USA)により分析を行った。各時間での平均血漿濃度をその分析に用いた。linearup/log downtrapezoidal 方法を用いて、AUC0−tを算出した。最後に観察された濃度を末端の排出速度定数で割ることにより無限AUC0−∞への外挿を行った。これらの分析について、データを一様に検討した。
結果
予め投与した試料中に検出された、血漿中のBNP−HASの平均ベースライン濃度は約0.081−0.095μg/mlだった。単一の静脈内または皮下注入の後、BNP−HASは、11.2(静脈内デリバリー)または19.3時間(皮下デリバリー)の終末排出半減期を有し、一方で、マウスにおける組換えBNPの半減期は3.1分だった。BNP−HASのノンコンパートメント分析は、BNP−HASが以下の特徴を有することを明らかにした:
表9.
Figure 0005568582
静脈内プロフィールの終末期における5ポイントおよび皮下プロフィールの終末期における4ポイントを終末半減期の算出のために選択した。この終末期における得られたAUCは、静脈内および皮下プロフィールそれぞれについて全AUCの約10%だった。これを、最後の3ポイントを終末半減期の算出のために選択した場合の、静脈内および皮下プロフィールそれぞれについて全AUCのわずか2%および4%の値と比較する。
実施例81:コンストラクト番号;3618、BNP(2×)−HSA、産生
コンストラクト番号;3618、pC4:SPCON.BNP1−32(2×)/HASは、哺乳類の発現ベクターpC4中の成熟形態のHASのアミノ−末端にタンデム融合された2つのプロセッシングされた活性のあるBNPペプチド(アミノ酸1−32)が後に続く、コンセンサスリーダー配列、セクレトンを有するBNPアルブミン融合蛋白質をコードするDNAを含む。
コンストラクト3618についてのBNPcDNAのクローニング
複製BNP部分をコードするポリヌクレオチドを初めに、以下に述べるように4つのプライマーBNP−1、BNP−2、BNP−3およびBNP−4を用いてBNP(アミノ酸1−32)のプロセッシングされた活性形態からPCR増幅して、2つの断片AおよびBを作製する。増幅後、2つの精製された断片(AおよびB)を等モル量で混合し、そして、PCR鋳型として用い、次いで、以下に述べるようにプライマーBNP−5およびBNP−6を用いて増幅した。次いで、BNP(2×)インサートをBamHIおよびClaIを用いて消化し、次いで、BamHIおよびClaIを用いて予め消化されたpC4HSAベクターにライゲーションし、コンストラクト3618を産生する。コンストラクト番号;3618は、成熟HSA蛋白質が後に続く、コンセンサスリーダー配列、セクレコン(配列番号:lll)およびBNPのプロセッシングされた活性形態の2つのタンデムコピーを含むアルブミン融合蛋白質をコードする(コンストラクト3618については表2の配列番号:483を参照のこと)。
BNP蛋白質の2つの断片をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つのオリゴヌクレオチドを初めに合成した:

BNP-1 5'AGCCCCAAGATGGTGCAAGGGTCTGGCTGCTTTGGGAGGAAGATGGACCGGATCAGCTCCTCCAGTG GCTGGGCT GCAAAGTGCTGAGGCGGCAT-3' (配列番号:486)
BNP-2 5'-CCTTGCACCATCTTGGGGCTATGCCGCCTCAGCACTTTGC-3' (配列番号:487)
BNP-3 5'-GCAAAGTGCTGAGGCGGCATAGCCCCAAGATGGTGCAAGG-3' (配列番号:488)
BNP-4 5'-AGTCCCATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCATGCCGCCTC AGCACTTTGC-3' (配列番号:489)
プライマーセットBNP−I/BNP−2およびBNP−3/BNP−4を用いて、2つのBNP蛋白質断片(それぞれAおよびB)をPCR増幅した。アニーリングおよび伸長温度および回数は、それぞれの特定のプライマー対および鋳型について実験により決定される必要がある。断片AおよびBを精製し(例えば、WizardPCRPrepsDNA精製システム(Promega Corp)を用いて)、等モル量で混合し、次いで、PCR増幅に適するさらなる2つのオリゴヌクレオチド、BNP−5およびBNP−6を用いるPCR増幅のための鋳型として用いた:
BNP-5: 5'-GAGCGCGGATCCAAGCTTCCGCCATCATGTGGTGGCGCCTGTGGTGGCTGCTGCTGCTGCTGCTGCTGCT GTGGCCCATGGTGTGGGCCAGCCCCAAGCTGGTGCAAGG -3' (配列番号:463)
BNP-6: 5'-AGTCCCATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCATGCCGCCTCAGCACTTTGC-3' (配列番号:464)
BNP−5は、BamHIクローニング部位(下線)、コンセンサスリーダー配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号:111)(イタリック体)およびBNPの初めの7つのアミノ酸配列のコードするポリヌクレオチド(太字)を組み込む。BNP−6では、下線の配列はClaI部位、およびその後に続くポリヌクレオチドは、BNPの最後の6個のアミノ酸をコードするDNA(太字)および成熟HSA蛋白質の初めの10個のアミノ酸の逆相補を含む。これらの2つのプライマーを用いて、コンセンサスリーダー配列および活性のあるBNPペプチドの2つのタンデムコピーをPCR増幅した。アニーリングおよび伸長温度および回数は、それぞれの特定のプライマー対および鋳型について実験により決定される必要がある。
PCR産物は精製され(例えば、Wizard PCR Preps DNA精製システム(Promega Corp)を用いて)、次いで、BamHIおよびClaI断片を用いて消化した。ゲル電気泳動によりBamHIおよびClaI断片をさらに精製した後、その産物を、BamHI/ClaIで消化したpC4:HAS中にクローニングし、コンストラクト番号;3618を生じた。発現コンストラクトの配列を確認した。
コンストラクト番号;3618の発現および精製
293F細胞における発現
当該技術分野において知られている方法(実施例6を参照のこと)により、コンストラクト番号;3618、pC4:SPCON.BNP1−32(2×)/HASを293F細胞にトランスフェクションした。
293F細胞上清からの精製
コンストラクト番号;3618によりコードされたpC4:SPCON.BNP1−32(2×)/HSAを、実施例80、「203F細胞上清からの精製」と題するサブセクションにおいて既に述べたように精製した。
BNP(2×)−HASの活性はインビトロNPR−AlcGMPアッセイを用いてアッセイできる
コンストラクト番号;3618によりコードされたBNP(2×)−HSAの活性は、実施例80、「BNP−HASのアッセイはインビトロNPR−A/cGMPアッセイを用いてアッセイできる」および「NPR−A203F安定クローンのスクリーニング方法」と題するサブセクションにおいて既に述べたように、NPR−A/cGMPアッセイを用いてインビトロでアッセイできる。
結果
BNP(2×)−HSAおよび組換えBNPの用量応答関係を測定した(図8を参照のこと)。コンストラクト番号;3618によりコードされるBNP(2×)−HASおよび組換えBNPの最大活性は類似しており(それぞれ、1.680.021、対して、1.800.016pm)、それぞれ9.8±1.1、および0.46±1.1nMのEC50値を有する。
引用した各文献の全開示内容(特許、特許出願、特許公報、学術論文、抄録、実験マニュアル、刊行物または他の開示)ならびに本明細書中に記載したGenBank、GenseqまたはCASRegistryのごときデータベースに特定の識別番号により入手可能な情報は、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
さらに、以下の各米国出願:2005年2月4日出願の米国出願番号60/542,274;2004年3月5日出願の米国出願番号60/549,901;2004年3月29日出願の米国出願番号60/556,906;および2004年12月17日出願の米国出願番号60/636,603の明細書および配列表も出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
寄託した生物材料に関連する情報(PCT規則l3bis)
A.以下の指示は、明細書の表3に記載の寄託した生物材料に関連する。
B.寄託物の特定:受託機関名:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
受託機関住所:10801 University Boulevard
Manassas, Virginia 20110−2209
United States of America

Figure 0005568582
カナダ
出願人は、出願を基礎としてカナダ特許が発行されたか、または出願が拒絶され、もしくは放棄されかつ回復の可能性がないか、もしくは取下げされるまでは、特許庁長官は、出願に引用されている寄託生物材料のサンプルを、長官に指名された個々の専門家にのみ提供する権限を有するよう、請求する。本出願人は、国際出願の公開のための手続的準備が完了する前に、上申書により国際事務局へ通知する必要がある。
ノルウェー
出願人は、(ノルウェー特許庁によって)出願が公衆の閲覧のために公開されるか、または公開されずにノルウェー特許庁によって最終決定されるまでは、当該分野の専門家にのみサンプルを提供されるよう、請求する。この効果の請求は、ノルウェー特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公衆に利用可能となる時点より前に、出願人がノルウェー特許庁に提出するものとする。出願人によってそのような請求が申請された場合、第三者によるサンプル提供のいかなる要求も、専門家がそれを用いることを示さなくてはならない。その専門家は、ノルウェー特許庁が作成した公認専門家のリストに記載された任意の者、または個々の場合には出願人が認めた任意の者であればよい。
オーストラリア
出願人は、特許付与の前、または出願の失効、拒絶もしくは取下げの前に、微生物のサンプルは、本発明に利害関係を有しない技術者の受け取り手に対してのみ提供されるよう、ここに強調する(オーストラリア特許法規則 規則3.25(3))。
フィンランド
出願人は、(国家特許登録庁によって)出願が公衆の閲覧のために公開されたか、または公開されずに国家特許登録庁によって最終決定されるまでは、サンプルは当該分野の専門家にのみ提供されるよう、ここに請求する。
英国
出願人は、微生物サンプルは専門家にのみが入手可能なように提供されるよう、ここに請求する。この効果の請求は、出願の国際公開の手続的準備が完了する前に、出願人が国際事務局へ提出するものとする。
デンマーク
出願人は、(デンマーク特許庁によって)出願が公衆の閲覧のために公開されるか、または公開されずにデンマーク特許庁によって最終決定される前に、サンプルは当該分野の専門家にのみ提供されるよう、ここに請求する。この効果の請求は、デンマーク特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公衆に利用可能となる時点より前に、出願人がデンマーク特許庁に提出するものとする。出願人によってそのような請求が申請された場合、第三者によるサンプル提供のいかなる要求も、専門家がそれを用いることを示さなくてはならない。専門家は、デンマーク特許庁が作成した公認専門家のリストに記載された者、または個々の場合には出願人が認めた任意の者であればよい。
スウェーデン
出願人は、(スウェーデン特許庁によって)出願が公衆の閲覧のために公開されるか、または公開されずにスウェーデン特許庁によって最終決定される前に、サンプルは当該分野の専門家にのみ提供されるよう、ここに請求する。この効果の請求は、優先日から16月以内に、出願人が国際事務局に提出するものとする(PCT出願人ガイド第1貫の付録Zに掲載された様式PCT/RO/134が好ましい)。出願人によってそのような請求が申請された場合、第三者によるサンプル提供のいかなる要求も、専門家がそれを用いることを示さなくてはならない。その専門家はスウェーデン特許庁が作製した公認専門家のリストに記載された者、または個々の場合には出願人が認めた任意の者であればよい。
オランダ
出願人は、オランダ特許が登録される日まで、または出願が拒絶もしくは取下げもしくは失効される日までに、特許規則第31F(1)で規定されるように、微生物サンプルは専門家のみが入手可能となるよう供給されるように、ここに請求する。この効果の請求は、出願がオランダ王国特許法第22条Cまたは第25条に基づいて利用可能となる日のいずれか早い日よりも前に、出願人がオランダ知的財産庁に提出するものとする。

Claims (4)

  1. 配列番号:319のアミノ酸配列からなるアルブミン融合タンパク質をコードしているポリヌクレオチドを含む、GLP−1−アルブミン融合タンパク質発現コンストラクトを含有する宿主細胞から発現されたアルブミン融合タンパク質。
  2. 宿主細胞が酵母細胞または哺乳類細胞である、請求項記載のアルブミン融合タンパク質
  3. 酵母細胞がSaccharomyces cerevisiaeである、請求項記載のアルブミン融合タンパク質
  4. 宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはNS0である、請求項記載のアルブミン融合タンパク質
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