JP5563136B2 - 入れ子式の高速逆止バルブ - Google Patents
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Description
〔技術分野〕
本開示は、自動車両用のサスペンションシステム等のサスペンションシステムに使用される油圧ダンパに関する。特に本開示は、ピストンアセンブリおよび/またはベースバルブアセンブリに内蔵可能な高速バルブアセンブリに関する。
本開示は、自動車両用のサスペンションシステム等のサスペンションシステムに使用される油圧ダンパに関する。特に本開示は、ピストンアセンブリおよび/またはベースバルブアセンブリに内蔵可能な高速バルブアセンブリに関する。
〔背景技術〕
この項における記載は、本開示に関連する背景情報を示すものであり、先行技術を説明するものではない。
この項における記載は、本開示に関連する背景情報を示すものであり、先行技術を説明するものではない。
緩衝器は、サスペンションシステムが動作する間に生じる望ましくない振動を吸収するために、自動車両用サスペンションシステムと他のサスペンションシステムと組み合わせて使用される。自動車用緩衝器は、これらの望ましくない振動を吸収するために車のばね上部分(車体)とばね下部分(サスペンション/シャーシ)との間に接続されている。
最も一般的なタイプの自動車用緩衝器は、ダッシュポット型の緩衝器である。このダッシュポット型の緩衝器は、単管設計および二重管設計のいずれかであってもよい。単一管設計の緩衝器の場合、ピストンは圧力管内に設けられており、ピストンロッドを介して車のばね上部分に接続されている。圧力管は、車のばね下部分に接続されている。ピストンによって圧力管は上部動作室と下部動作室とに分けられている。ピストンは、圧縮バルブと反動バルブとを有している。圧縮バルブは、圧縮ストローク時に下部動作室から上部動作室へのダンピング液の流れを制限する。反動バルブは、反動ストローク、つまり伸張ストローク時に上部動作室から下部動作室へのダンピング液の流れを制限する。圧縮バルブおよび反動バルブがダンピング液の流れを制限することができるので、緩衝器は振動に反発する減衰力を生成することができる。この減衰力がなければ、ばね下部分からばね上部分に振動が伝達されてしまう。
二重管設計の緩衝器の場合、流体貯留室が圧力管と該圧力管の周りに配置された貯留管との間に位置している。ベースバルブアセンブリは、下部動作室と流体貯留室との間に設けられ、ダンピング液の流れを制御する。ピストンの圧縮バルブはベースバルブアセンブリに移動し、圧縮逆止バルブアセンブリに取り替えられる。圧縮バルブに加えて、ベースバルブアセンブリは反動逆止バルブアセンブリを有する。ベースバルブアセンブリの圧縮バルブは圧縮ストロークの間に減衰力を生成し、ピストンの反動バルブは反動ストロークまたは伸張ストロークの間に減衰力を生成する。圧縮逆止バルブアセンブリおよび反動逆止バルブアセンブリ共に、流体が一方向に流れるように規定し、該流体が反対方向に流れないようにすることができる。しかし、これらのアセンブリは、減衰力を生成しないように設計されている。
〔要約〕
本開示は、ピストンアセンブリおよびベースバルブアセンブリの両方に高速バルブアセンブリを備えた緩衝器に関するものである。高速バルブアセンブリは、油圧油の高速移動時の流量範囲を低減するバルブを含む。
本開示は、ピストンアセンブリおよびベースバルブアセンブリの両方に高速バルブアセンブリを備えた緩衝器に関するものである。高速バルブアセンブリは、油圧油の高速移動時の流量範囲を低減するバルブを含む。
本明細書の記載により、本発明の利用が可能な他の分野が明らかになるであろう。本明細書における記載および具体例は発明を説明するためのものであり、開示の範囲を限定するものではない。
〔図面の簡単な説明〕
本明細書における図面は、発明を説明することのみを目的としており、いかなる場合も本開示の範囲を限定するものではない。
本明細書における図面は、発明を説明することのみを目的としており、いかなる場合も本開示の範囲を限定するものではない。
図1は、本開示に係る独自のベースバルブアセンブリを内蔵する一般的な自動車両の概略図である。
図2は、本開示に係る緩衝器の横断面図である。
図3は、図2に示したピストンアセンブリの拡大断面図である。
図4は、図2に示したベースバルブアセンブリの拡大断面図である。
図5は、本発明の他の実施の形態に係る緩衝器の横断面図である。
図6は、図5に示したピストンアセンブリの拡大断面図である。
図7は、図5に示したベースバルブアセンブリの拡大断面図である。
図8は、本発明の他の実施の形態に係る緩衝器の横断面図である。
図9は、図8に示したピストンアセンブリの拡大断面図である。
図10は、本発明の他の実施の形態に係る緩衝器の横断面図である。
図11は、図10に示したピストンアセンブリの拡大断面図である。
図12は、図10に示したベースバルブアセンブリの拡大断面図である。
図13は、本発明の他の実施の形態に係る緩衝器の横断面図である。
図14は、図13に示したピストンアセンブリの拡大断面図である。
〔詳細な説明〕
以下の説明は発明の一例を示すものであり、発明の範囲、発明の利用またはその使用を限定するものではない。
以下の説明は発明の一例を示すものであり、発明の範囲、発明の利用またはその使用を限定するものではない。
なお、図面を通して同様の部材番号は同様の部材を示している。図1aは、部材番号10によって示される車両を示し、上記車両10は本開示に係る緩衝器を有するサスペンションシステムを備えている。車両10は、後方サスペンション12と、前方サスペンション14と、車体16とを備えている。後方サスペンション12は、横方向に延びた後軸アセンブリ(図示せず)を含んでおり、該後軸アセンブリは車両10の一対の後輪18を操作可能に支持するように設けられている。後軸アセンブリは、一対の緩衝器20と一対のコイルばね22とを介して車体16に接続されている。同様に、前方サスペンション14は、横方向に延びた前軸アセンブリ(図示せず)を含んでおり、該前軸アセンブリは車両10の一対の前輪24を操作可能に支持するように設けられている。前軸アセンブリは、他の一対の緩衝器26と一対のコイルばね28とを介して車体16に接続されている。緩衝器20および26は、車両10のばね上部分(例えば、前方サスペンション12および後方サスペンション14)、および、ばね下部分(例えば、車体16)の相対的な移動を低減している。車体10は前軸アセンブリと後軸アセンブリとを備える乗用車として説明されているが、緩衝器20および26は異なる種類の車両に備えられていてもよいし、緩衝器20および26は独立方式の前方サスペンションおよび/または独立方式の後方サスペンションを備える車両等、他のタイプの車両に利用されてもよい。なお、本明細書において「緩衝器」は一般的なダンパを指し、マクファーソンストラットを含む。
図2には、緩衝器20がより詳細に示されている。図2では緩衝器20のみが図示されているが、以下の緩衝器20の記述において説明されるバルブアセンブリは緩衝器26にも含まれる。緩衝器26は、車両10のばね上部分およびばね下部分に接続されている点のみが緩衝器20と異なる。緩衝器20は、圧力管30、ピストンアセンブリ32、ピストンロッド34、貯留管36、および、ベースバルブアセンブリ38を有している。
圧力管30は動作室42を規定している。圧力管30内には、ピストンアセンブリ32が摺動可能に設けられており、該ピストンアセンブリ32は、動作室42を上部動作室44と下部動作室46とに分離している。ピストンアセンブリ32と圧力管30との間にはシール48が設けられており、該シール48は、ピストンアセンブリ32が圧力管30に対して過度の摩擦力を発生させることなく摺動するのを可能にすると共に、下部動作室46に対して上部動作室44を封止している。ピストンアセンブリ32にはピストンロッド34が取り付けられており、該ピストンロッド34は、上部動作室44、および、圧力管30の上端を塞ぐ上端キャップ50を通って延びている。上端キャップ50と、貯留管36と、ピストンロッド34との界面は封止システムによって封止されている。ピストンロッド34において、ピストンアセンブリ32に対向する先端部は、車両10のばね上部分に固定されている。ピストンアセンブリ32内のバルブ動作は、圧力管30内のピストンアセンブリ32が動作する間に、上部動作室44と下部動作室46との間の流体の動きを制御する。ピストンロッド34は上部動作室44を通って延びているが、下部動作室46には達しない。そのため、圧力管30に対するピストンアセンブリ32の動きが、上部動作室44に移動する流体量と下部動作室46に移動する流体量との間に差を生み出す。こうした流体量の差は「ロッド容量」として知られており、この流体はベースバルブアセンブリ38を介して流れる。
貯留管36は、圧力管30との間に流体貯留室52を規定するように、圧力管30を囲んでいる。貯留管36の下端は先端キャップ54によって閉じられており、該先端キャップ54は、車両10のばね下部分に接続されている。貯留管36の上端は上端キャップ50に取り付けられている。ベースバルブアセンブリ38は下部動作室46と貯留室52との間に設けられており、室46および52の間の流体の流れを制御している。緩衝器20の長さが伸張した場合、「ロッド容量」の原理によって、追加容量分の流体が下部動作室46に必要となる。したがって、以下に記述するように、流体は貯留室52からベースバルブアセンブリ38を介して下部動作室46に流れる。一方、緩衝器20の長さが圧縮した場合、「ロッド容量」の原理によって、余分な流体を下部動作室46から除去する必要がある。したがって、以下に記術するように、流体は下部動作室46からベースバルブアセンブリ38を介して貯留室52に流れる。
図3に示すように、ピストンアセンブリ32は、バルブ本体60、圧縮逆止バルブアセンブリ62、および、反動バルブアセンブリ64を有している。圧縮逆止バルブアセンブリ62は、ピストンロッド34の段部66に取り付けられている。バルブ本体60は、圧縮逆止バルブアセンブリ62に取り付けられており、反動バルブアセンブリ64は、バルブ本体60に取り付けられている。ナット68は、これらの部材をピストンロッド34に固定している。バルブ本体60は、複数の圧縮経路70と、複数の反動経路72とを規定している。
圧縮逆止バルブアセンブリ62は、リテーナ80、バルブディスク82、および、ばね84を有している。リテーナ80は、一端が段部66と接しており、他端がバルブ本体60と接している。バルブディスク82は、バルブ本体60と接しており、圧縮経路70を閉じている。バルブディスク82は、反動経路72を開口させておく複数の開口部86を規定している。ばね84はリテーナ80とバルブディスク82との間に設けられており、これによってバルブ本体体60側にバルブディスク82を押し下げている。圧縮ストロークの間、下部動作室46の流体が加圧され、バルブディスク82に対して流体圧力がかる。バルブディスク82にかかる流体圧力がばね84のバイアス荷重を超える場合、バルブディスク82はバルブ本体60から分離し、圧縮経路70を開口する。これによって、下部動作室46から上部動作室44へと流体が流れる。一般的に、ばね84はバルブディスク82に軽いバイアス荷重を与えるのみであり、圧縮逆止バルブアセンブリ62は、室46および44の間の逆止バルブとして機能する。圧縮ストローク時の緩衝器20の減衰特性は、ベースバルブアセンブリ38によって制御されている。該ベースバルブアセンブリ38は「ロッド容量」の原理によって、下部動作室46から貯留室52へと流動する流体を制御する。反動ストローク間は、バルブディスク82によって圧縮経路70が閉じられる。
反動バルブアセンブリ64は、複数のバルブディスク90および速度感知バルブディスク92を有している。複数のバルブディスク90は、バルブ本体60とナット68との間に挟まれており、複数の反動経路72を閉じている。速度感知バルブディスク92は、バルブ本体60に対して複数のバルブディスク90の反対側にある圧縮逆止バルブアセンブリ62のバルブディスク82の下に入れ子式に設けられている。流体圧力がバルブディスク90にかかると、バルブディスク90の外周縁部が弾性的に歪み、反動バルブアセンブリ64が開口する。
反動ストローク時に上部動作室44内の流体は加圧され、バルブディスク90に対して流体圧力がかかる。バルブディスク90にかかる流体圧力がバルブディスク90の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク90は弾性的に歪み、反動経路72を開口させる。これによって、上部動作室44から開口部86、速度感知バルブディスク92、および、反動経路72を通って下部動作室46に流体が流れる。バルブディスク90の強度、および、反動経路72の大きさは、反動ストローク時の緩衝器20の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク92を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、速度感知バルブディスク92とバルブ本体60との間の流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク92の上部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク92の下部動作室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク92はバルブ本体60側に歪む。その結果、速度感知バルブディスク92とバルブ本体60とが接触し、閉口位置を形成する。速度感知バルブディスク92は、ディスク座94と接触する。このディスク座94は、城郭のような形状をしており、閉口位置ではディスク座94を通る全流量範囲は、複数の反動経路72の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク92が閉じると、流量範囲が減少し、それによって生成される減衰力が増加する。ディスク座94が城郭のような形状をしていることによって、速度感知バルブディスク92を通過する流れを生成するように図示されているが、連続したディスク座94を設け、速度感知バルブディスク92に複数の流体ポートを設ける構成も本開示の範囲内である。
図4に示すように、ベースバルブアセンブリ38は、バルブ本体100、取り入れまたは反動逆止バルブアセンブリ102、圧縮バルブアセンブリ104、保持ボルト106、および、固定ナット108を有している。バルブ本体100は、圧入またはこの分野に公知の手段によって圧力管30および先端キャップ54に固定されている。先端キャップ54は貯留管36に固定されており、複数の流体経路110を規定している。この流体経路110によって、貯留室52とベースバルブアセンブリ38との間を連通することができる。バルブ本体100は、複数の取り込みまたは反動流体経路112、複数の圧縮流体経路114、および、中心孔116を規定している。保持ボルト106は中心孔116を通って延びており、ねじ状に固定ナット108と係合することによって、反動逆止バルブアセンブリ102および圧縮バルブアセンブリ104の両方をバルブ本体100に固定している。図4では、保持ボルト106および固定ナット108を図示しているが、バルブピンを含む他のリテーナを用いてもよい。ただし、これに限定するものではない。
反動逆止バルブアセンブリ102は、固定ナット108、バルブディスク122、および、ばね124を有している。バルブディスク122はバルブ本体100と接しており、反動流体経路112を閉じている。バルブディスク122は、圧縮流体経路114を開口させておく複数の開口部126を規定している。ばね124は固定ナット108とバルブディスク122との間に設けられており、これによってバルブ本体100側にバルブディスク122を押し下げている。反動ストロークの間、下部動作室46内の流体圧力が低下し、貯留室52内の流体圧力がバルブディスク122にかかる。バルブディスク122にかかる流体圧力がばね124のバイアス荷重を超える場合、バルブディスク122はバルブ本体100から分離し、反動流体経路112を開口する。これによって、貯留室52から下部動作室46へと流体が流れる。一般的に、ばね124はバルブディスク122に軽いバイアス荷重を与えるのみであり、反動逆止バルブアセンブリ102は、室52および室46の間の逆止バルブとして機能する。反動ストローク時の緩衝器20の減衰特性は、上述したように、ピストンアセンブリ32によって制御されており、該ピストンアセンブリ32は、上部動作室44から下部動作室46へと流動する流体を制御する。圧縮ストロークの間は、バルブディスク122によって反動流体経路112が閉じられる。
圧縮バルブアセンブリ104は、複数のバルブディスク130および速度感知バルブディスク132を有している。複数のバルブディスク130は、バルブ本体100と保持ボルト106との間に挟まれており、複数の圧縮流体経路114を閉じている。速度感知バルブディスク132は、バルブ本体100に対して複数のバルブディスク130の反対側にある反動逆止バルブアセンブリ102のバルブディスク122の下に入れ子式に設けられている。流体圧力がバルブディスク130にかかると、バルブディスク130の外周縁部が弾性的に歪み、圧縮バルブアセンブリ104が開口する。
圧縮ストローク時間に下部動作室46内の流体は加圧され、バルブディスク130に対して流体圧力がかかる。バルブディスク130にかかる流体圧力がバルブディスク130の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク130は弾性的に歪み、圧縮流体経路114を開口させる。これによって、下部動作室46から開口部126、速度感知バルブディスク132、および、圧縮流体経路114を通って貯留室52に流体が流れる。バルブディスク130の強度、および、圧縮流体経路114の大きさは、圧縮ストローク時の緩衝器20の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク132を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、速度感知バルブディスク132とバルブ本体100との間の流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク132の下部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク132の貯留室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク132はバルブ本体100側に歪む。その結果、速度感知バルブディスク132とバルブ本体100とが接触し、閉口位置を形成する。速度感知バルブディスク132は、連続したディスク座134と接触し、複数の流体ポート136を規定している。速度感知バルブディスク132が閉口位置にある時、ポート136を通る全流量範囲は、複数の圧縮流体経路114の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク132が閉じると、流量範囲が減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
図5には、緩衝器220がより詳細に図示されている。図5では緩衝器220のみが図示されているが、以下の緩衝器220の記述において説明されるバルブアセンブリは緩衝器26にも含まれる。緩衝器26は、車両10のばね上部分およびばね下部分に接続されている点のみが緩衝器220と異なる。緩衝器220は、圧力管230、ピストンアセンブリ232、ピストンロッド234、貯留管236、および、ベースバルブアセンブリ238を有している。
圧力管230は動作室242を規定している。圧力管230内には、ピストンアセンブリ232が摺動可能に設けられており、該ピストン室242は、動作室242を上部動作室244と下部動作室246とに分離している。ピストンアセンブリ232と圧力管230との間にはシール248が設けられており、該シール248は、ピストンアセンブリ232が圧力管230に対して過度の摩擦力を発生させることなく摺動するのを可能にすると共に、下部動作室246に対して上部動作室244を封止している。ピストンアセンブリ232にはピストンロッド234が取り付けられており、該ピストンロッド34は、上部動作室244、および、圧力管230の上端を塞ぐ上端キャップ250を通って延びている。上端キャップ250と、貯留管236と、ピストンロッド234との界面は封止システムによって封止されている。ピストンロッド234において、ピストンアセンブリ232に対向する先端部は、車両10のばね上部分に固定されている。ピストンアセンブリ232内のバルブ動作は、圧力管230内のピストンアセンブリ232が動作する間に、上部動作室244と下部動作室246との間の流体の動きを制御する。ピストンロッド234は上部動作室244を通って延びているが、下部動作室246には達しない。そのため、圧力管230に対するピストンアセンブリ232の動きが、上部動作室244に移動する流体量と下部動作室246に移動する流体量との間に差を生み出す。こうした流体量の差は「ロッド体積」として知られており、この流体はベースバルブアセンブリ238を介して流れる。
貯留管236は、圧力管230との間に流体貯留室252を規定するように、圧力管230を囲んでいる。貯留管236の下端は先端キャップ254によって閉じられており、該先端キャップ254は、車両10のばね下部分に接続されている。貯留管236の上端は上端キャップ250に取り付けられている。ベースバルブアセンブリ238は下部動作室246と貯留室252との間に設けられており、室246および252の間の流体の流れを制御している。緩衝器220の長さが伸張した場合、「ロッド容量」の原理によって、追加容量分の流体が下部動作室246に必要となる。したがって、以下に記術するように、流体は貯留室252からベースバルブアセンブリ238を介して下部動作室246に流れる。一方、緩衝器220の長さが圧縮した場合、「ロッド容量」の原理によって、余分な流体を下部動作室246から除去する必要がある。したがって、以下に記術するように、流体は下部動作室246からベースバルブアセンブリ238を介して貯留室252に流れる。
図6に示すように、ピストンアセンブリ232は、バルブ本体260、圧縮逆止バルブアセンブリ262、および、反動バルブアセンブリ264を有している。圧縮逆止バルブアセンブリ262は、ピストンロッド234の段部266に取り付けられている。バルブ本体260は、圧縮逆止バルブアセンブリ262に取り付けられており、反動バルブアセンブリ264は、バルブ本体260に取り付けられている。ナット268は、これらの部材をピストンロッド234に固定している。バルブ本体260は、複数の圧縮経路270と、複数の反動経路272とを規定している。
圧縮逆止バルブアセンブリ262は、リテーナ280、バルブディスク282、および、スペーサ284を有している。リテーナ280は段部266と接しており、スペーサ284は端部においてバルブ車体260と接している。バルブディスク282は、バルブ本体260と接しており、圧縮経路270を閉じている。バルブディスク282は、反動経路272を開口させておく複数の開口部286規定している。圧縮ストロークの間、下部動作室246の流体が加圧され、バルブディスク282に対して流体圧力がかかる。バルブディスク282にかかる流体圧力がバルブディスク282の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク282はバルブ本体260から分離し、圧縮経路270を開口する。これによって、下部動作室246から上部動作室244へと流体が流れる。一般的に、バルブディスク282はピストン本体260に軽いバイアス荷重を与えるのみであり、圧縮逆止バルブアセンブリ262は、室246および244の間の逆止バルブとして機能する。圧縮ストローク時の緩衝器220の減衰特性は、ベースバルブアセンブリ238によって制御されている。該ベースバルブアセンブリ238は「ロッド容量」の原理によって、下部動作室246から貯留室252へと流動する流体を制御する。反動ストロークの間は、バルブディスク282によって圧縮経路270が閉じられる。
反動バルブアセンブリ264は、複数のバルブディスク290および速度感知バルブディスク292を有している。複数のバルブディスク290は、バルブ本体260とナット268との間に挟まれており、複数の反動経路272を閉じている。速度感知バルブディスク292は、バルブ本体260に対して複数のバルブディスク290の反対側にある圧縮逆止バルブアセンブリ262のバルブディスク282の下に入れ子式に設けられている。速度感知バルブディスク292は、複数のスロットまたはアパーチャ294を規定しており、それによって速度感知バルブディスク292が閉口位置にある場合に流体が流れる。流体圧力がバルブディスク290にかかると、バルブディスク290の外周縁部が弾性的に歪み、反動バルブアセンブリ264が開口する。
反動ストローク時に上部動作室244内の流体は加圧され、バルブディスク290に対して流体圧力がかかる。バルブディスク290にかかる流体圧力がバルブディスク290の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク290は弾性的に歪み、反動経路272を開口させる。これによって、上部動作室244から開口部286、速度感知バルブディスク292、および、反動経路272を通って下部動作室246に流体が流れる。バルブディスク290の強度、および、反動経路272の大きさは、反動ストローク時における緩衝器220の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク292を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、速度感知バルブディスク292とバルブ本体260との間の流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク292の上部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク292の下部動作室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク292はバルブ本体260側に歪む。その結果、速度感知バルブディスク292とバルブディスク282とが接触し、閉口位置を形成する。速度感知バルブディスク292の開口部294を通る全流量範囲は、複数の反動経路272の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク292が閉じると、流量範囲は減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
図7に示すように、ベースバルブアセンブリ238は、バルブ本体300、取り入れまたは反動逆止バルブアセンブリ302、圧縮バルブアセンブリ304、保持ボルト306、および、固定ナット308を有している。バルブ本体300は、圧入またはこの分野に公知の手段によって圧力管230および先端キャップ254に固定されている。先端キャップ254は貯留管236に固定されており、複数の流体経路310を規定している。この流体経路310によって、貯留室252とベースバルブアセンブリ238との間を連通することができる。バルブ本体300は、複数の取り込みまたは反動流体経路312、複数の圧縮流体経路314、および、中心孔318を規定している。保持ボルト306は中心孔318を通って延びており、ねじ状に固定ナット308と係合することによって、反動逆止バルブアセンブリ302および圧縮バルブアセンブリ304の両方をバルブ本体300に固定している。図7では、保持ボルト306および固定ナット308を図示しているが、バルブピンを含む他のリテーナを用いてもよい。ただし、これに限定するものではない。
反動逆止バルブアセンブリ302は、固定ナット308、バルブディスク322、および、スペーサ324を有している。バルブディスク322はバルブ本体300と接しており、反動流体経路312を閉じている。バルブディスク322は、圧縮流体経路314を開口させておく複数の開口部326を規定している。スペーサ324はバルブ車体300とバルブディスク322との間に設けられており、これによってバルブ本体300側にバルブディスク322を押し下げている。反動ストロークの間、下部動作室246内の流体圧力が低下し、貯留室252内の流体圧力がバルブディスク322にかかる。バルブディスク322にかかる流体圧力がバルブディスク322の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク322はバルブ本体300から分離し、反動流体経路312を開口する。これによって、貯留室252から下部動作室246へと流体が流れる。一般的に、バルブディスク322の曲げ荷重はバルブディスク322に軽いバイアス荷重を与えるのみであり、反動逆止バルブアセンブリ302は、室252および室246の間の逆止バルブとして機能する。反動ストローク時の緩衝器220の減衰特性は、上述したように、ピストンアセンブリ232によって制御されており、該ピストンアセンブリ232は、上部動作室244から下部動作室246へと流動する流体を制御する。圧縮ストロークの間は、バルブディスク322によって反動流体経路312が閉じられる。
圧縮バルブアセンブリ304は、複数のバルブディスク330および速度感知バルブディスク332を有している。複数のバルブディスク330は、バルブ本体300と保持ボルト306との間に挟まれており、複数の圧縮流体経路314を閉じている。速度感知バルブディスク332は、バルブ本体200に対して複数のバルブディスク330の反対側にある反動逆止バルブアセンブリ302のバルブディスク322の上方に入れ子式に設けられている。速度感知バルブディスク332は、複数のスロットまたは開口部334を規定しており、それによって速度感知バルブディスク332が閉口位置にある場合に流体が流れる。流体圧力がバルブディスク330にかかると、バルブディスク330の外周縁部が弾性的に歪み、圧縮バルブアセンブリ304が開口する。
圧縮ストローク時に下部動作室246内の流体が加圧され、バルブディスク330に対して流体圧力がかかる。バルブディスク330にかかる流体圧力がバルブディスク330の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク330は弾性的に歪み、圧縮流体経路314を開口させる。これによって、下部動作室246から開口部326、速度感知バルブディスク332、および、圧縮流体経路314を通って貯留室252に流体が流れる。バルブディスク330の強度、および、圧縮流体経路314の大きさは、圧縮ストローク時の緩衝器220の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク332を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、速度感知バルブディスク332とバルブ本体300との間の流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク332の下部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク332の貯留室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク332はバルブ本体300側に歪む。その結果、速度感知バルブディスク332とバルブディスク322とが接触し、閉口位置を形成する。速度感知バルブディスク332の開口部334を通る全流量範囲は、複数の圧縮流体経路314の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク332が閉じると、流量範囲が減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
図8には、緩衝器420がより詳細に図示されている。緩衝器420は単管設計である。図8では緩衝器420のみが示されているが、以下の緩衝器420の記述において説明されるバルブアセンブリは緩衝器26にも含まれる。緩衝器26は、車両10のばね上部分およびばね下部分に接続されている点のみが緩衝器420と異なる。緩衝器420は、圧力管430、ピストンアセンブリ432、および、ピストンロッド434を有している。
圧力管430は動作室442を規定している。圧力管430内には、ピストンアセンブリ432が摺動可能に設けられており、該ピストンアセンブリ432は、動作室442を上部動作室444と下部動作室446とに分離している。ピストンアセンブリ432と圧力管430との間にはシール448が設けられており、該シール448は、ピストンアセンブリ432が圧力管430に対して過度の摩擦力を発生させることなく摺動するのを可能にすると共に、下部動作室446に対して上部動作室444を封止している。ピストンアセンブリ432にはピストンロッド434が取り付けられており、該ピストンロッド434は、上部動作室444、および、圧力管430の上端を塞ぐ上端キャップ450を通って延びている。上端キャップ450と、貯留管436と、ピストンロッド434との界面は封止システムによって封止されている。ピストンロッド434において、ピストンアセンブリ432に対向する先端部は、車両10のばね上部分に固定されている。ピストンアセンブリ432内のバルブ動作は、圧力管430内のピストンアセンブリ432が動作する間に、上部動作室444と下部動作室446との間の流体の動きを制御する。ピストンロッド434は上部動作室444を通って延びているが、下部動作室446には達しない。そのため、圧力管430に対するピストンアセンブリ432の動きが、上部動作室444に移動する流体量と下部動作室446に移動する流体量との間に差を生み出す。こうした流体量の差は「ロッド容量」として知られており、従来技術で公知であるように、動作室442内の密封室によって補正される。
図9に示すように、ピストンアセンブリ432は、バルブ本体460、圧縮バルブアセンブリ462、および、反動バルブアセンブリ464を有している。圧縮バルブアセンブリ462は、ピストンロッド434の段部466に取り付けられている。バルブ本体460は、圧縮バルブアセンブリ462に取り付けられており、反動バルブアセンブリ464は、バルブ本体460に取り付けられている。ナット468は、これらの部材をピストンロッド434に固定している。バルブ本体460は、複数の圧縮流体経路470と、複数の反動経路472とを規定している。
圧縮バルブアセンブリ462は、リテーナ480、複数のバルブディスク482、ばね484、スペーサ486、および、洗浄器488を有している。リテーナ480は一端が段部466と接しており、他端が洗浄器488と接している。複数のバルブディスク482は、バルブ本体460とスペーサ486との間に設けられている。バルブディスク482は、バルブ本体460と接しており、圧縮流体経路470を閉じている。ナット468を締めることによって、複数のバルブディスク482はバルブ本体460とスペーサ486との間に挟まれている。ばね484は、洗浄器488をバルブ本体460側に押し下げていると同時に、スペーサ486側に押し当てている。洗浄器488は、自身の外径と圧縮管430の内径との間に極めて近接したすきまばめを有している。この隙間は、洗浄器488にかかる圧力の低下をもたらすように設計されており、その圧力低下は、ばね484のバイアス荷重を上回り、かつ、洗浄器488を動かすのに充分な大きさである。洗浄器488の内径およびリテーナ480の外径は、洗浄器488がスペーサ486に押し当てられた場合に、流体経路を提供するように設計されている。洗浄器488がバルブ車体460から遠ざかるように動くにつれて、この流体経路は徐々に閉じていく。この流体経路が閉じていくことによって、ピストンアセンブリが所定の速度となった場合に、減衰荷重に所望な量の増加が生じる。
圧縮ストローク時に下部動作室446内の流体が加圧され、バルブディスク482に対して流体圧力がかかる。バルブディスク482にかかる流体圧力がバルブディスク482の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク482は弾性的に歪み、圧縮流体経路470を開口させる。これによって、下部動作室446から上部動作室444に流体が流れる。バルブディスク482の強度、および、圧縮流体経路470の大きさは、圧縮ストローク時の緩衝器420の減衰特性を決定する。洗浄器488を通る流体の速度が所定の速度に達すると、洗浄器488の内径および外径の周りの流れが制限され、流体圧力が低下する。洗浄器488の下部動作室側の圧力が、洗浄器488の上部動作室側の圧力よりも高いので、洗浄器488はバルブ本体460から遠ざかるように動き、洗浄器488の内径とリテーナ480との間の流体経路を徐々に閉じていく。その結果、洗浄器488とリテーナ480とが接触し、閉口位置を形成する。洗浄器488の外径と圧力管430の内径との間の全流量範囲は、複数の圧縮流体経路470の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、洗浄器488が閉じると、流量範囲が減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
反動バルブアセンブリ464は、バルブディスク490、ばね受492、ばね494、および、ナット468を有している。ナット468は、ピストンロッド434にねじ状に係合することによって、バルブ本体460側にバルブディスク490を押し上げ、複数の反動流体経路472を閉じている。ばね494は、ナット468とばね受492との間に設けられており、ばね受492をバルブ本体460側に押し上げると同時に、バルブディスク490をバルブ本体460側に押し当てている。反動ストローク時に上部動作室444内の流体が加圧され、複数のバルブディスク490に対して流体圧力がかかる。複数のバルブディスク490にかかる流体圧力が、複数のバルブディスク490の曲げ荷重、および、ばね494のバイアス荷重を超える場合、複数のバルブディスク490はバルブ本体460から遠ざかるように歪み、複数の反動流体経路472を開口させる。複数のバルブディスク490の設計、複数の反動流体経路472の大きさ、および、ばね494の設計は、反動ストローク時の緩衝器420の減衰特性を決定する。
図10には、緩衝器620がより詳細に図示されている。図10では緩衝器620のみが示されているが、以下の緩衝器620の記述において説明されるバルブアセンブリは緩衝器26にも含まれる。緩衝器26は、車両10のばね上部分およびばね下部分に接続されている点のみが緩衝器620と異なる。緩衝器620は、圧力管630、ピストンアセンブリ632、ピストンロッド634、貯留管636、および、ベースバルブアセンブリ638を有している。
圧力管630は動作室642を規定している。圧力管630内には、ピストンアセンブリ632が摺動可能に設けられており、該ピストンアセンブリ632は、動作室642を上部動作室644と下部動作室646とに分離している。ピストンアセンブリ632と圧力管630との間にはシール648が設けられており、該シール648は、ピストンアセンブリ632が圧力管630に対して過度の摩擦力を発生させることなく摺動するのを可能にすると共に、下部動作室646に対して上部動作室644を封止している。ピストンアセンブリ632にはピストンロッド634が取り付けられており、該ピストンロッド634は、上部動作室644、および、圧力管630の上端を塞ぐ上端キャップ650を通って延びている。上端キャップ650と、貯留管636と、ピストンロッド634との界面は封止システムによって封止されている。ピストンロッド634において、ピストンアセンブリ632に対向する先端部は、車両10のばね上部分に固定されている。ピストンアセンブリ632内のバルブ動作は、圧力管630内のピストンアセンブリ432が動作する間に、上部動作室644と下部動作室646との間の流体の動きを制御する。ピストンロッド634は上部動作室644を通って延びているが、下部動作室646には達しない。そのため、圧力管630に対するピストンアセンブリ632の動きが、上部動作室644に移動する流体量と下部動作室646に移動する流体量と間に差を生み出す。こうした流体量の差は「ロッド容量」として知られており、この流体はベースバルブアセンブリ638を介して流れる。
貯留管636は、圧力管630との間に流体貯留室652を規定するように、圧力管630を囲んでいる。貯留管636の下端は先端キャップ654によって閉じられており、該先端キャップ654は、車両10のばね下部分に接続されている。貯留管636の上端は上端キャップ650に取り付けられている。ベースバルブアセンブリ638は下部動作室646と貯留室652との間に設けられており、室646および652の間の流体の流れを制御している。緩衝器620の長さが伸張した場合、「ロッド容量」の原理によって、追加容量分の流体が下部動作室646において必要となる。したがって、以下に記術するように、流体は貯留室652からベースバルブアセンブリ638を介して下部動作室646に流れる。一方、緩衝器620の長さが圧縮した場合、「ロッド容量」の原理によって、余分な流体を下部動作室646から除去する必要がある。したがって、以下に記述するように、流体は下部動作室646からベースバルブアセンブリ638を介して貯留室652に流れる。
図11に示すように、ピストンアセンブリ632は、バルブ本体660、圧縮逆止バルブアセンブリ662、および、反動バルブアセンブリ664を有している。圧縮逆止バルブアセンブリ662は、ピストンロッド634の段部666に取り付けられている。バルブ本体660は、圧縮逆止バルブアセンブリ662に取り付けられており、反動バルブアセンブリ664は、バルブ本体660に取り付けられている。ナット668は、これらの部材をピストンロッド634に固定している。バルブ本体660は、複数の圧縮経路670と、複数の反動経路672とを規定している。
圧縮逆止バルブアセンブリ662は、リテーナ680、バルブディスク682、および、ばね684を有している。リテーナ680は一端が段部666と接しており、他端がバルブ本体660と接している。バルブディスク682は、バルブ本体660と接しており、圧縮経路670を閉じている。バルブディスク682は、反動経路672を開口させておく複数の開口部686を規定している。ばね684はリテーナ680とバルブディスク682との間に設けられており、これによってバルブ本体660側にバルブディスク682を押し下げている。圧縮ストロークの間、下部動作室646内の流体が加圧され、バルブディスク682に対して流体圧力がかかる。バルブディスク682にかかる流体圧力がばね684のバイアス荷重を超える場合、バルブディスク682はバルブ本体660から分離し、圧縮経路670を開口する。これによって、下部動作室646から上部動作室644へと流体が流れる。一般的に、ばね684はバルブディスク682に軽いバイアス荷重を与えるのみであり、圧縮逆止バルブアセンブリ662は、室646および644の間の逆止バルブとして機能する。圧縮ストローク時の緩衝器620の減衰特性は、ベースバルブアセンブリ638によって制御されている。該ベースバルブアセンブリ638は「ロッド容量」の原理によって、下部動作室646から貯留室652へと流動する流体を制御する。反動ストロークの間は、圧縮経路670がバルブディスク682によって閉じられる。
反動バルブアセンブリ664は、複数のバルブディスク690、皿ばねの形状をとる速度感知バルブディスク692、および、ディスク受694を有している。複数のバルブディスク690は、バルブ本体660とナット668との間に挟まれており、複数の反動経路672を閉じている。速度感知バルブディスク692は、バルブ本体660に対して複数のバルブディスク690の反対側にある圧縮逆止バルブアセンブリ662のバルブディスク682の下に入れ子式に設けられている。ディスク受694はバルブ本体660によって規定された環状流路内に圧入されていることによって、速度感知バルブディスク692を保持している。速度感知バルブディスク692は、複数のスロットまたはアパーチャ696を規定しており、それによって速度感知バルブディスク692が閉口位置にある場合に流体が流れる。流体圧力がバルブディスク690にかかると、バルブディスク690の外周縁部が弾性的に歪み、反動バルブアセンブリ664が開口する。
反動ストロークの間に上部動作室644内の流体は加圧され、バルブディスク690に対して流体圧力がかかる。バルブディスク690にかかる流体圧力がバルブディスク690の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク690は弾性的に歪み、反動経路672を開口させる。これによって、上部動作室644から開口部686、速度感知バルブディスク692、および、反動経路672を通って下部動作室646に流体が流れる。バルブディスク690の強度、および、反動経路672の大きさは、反動ストローク時における緩衝器620の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク692を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、速度感知バルブディスク692とバルブ本体660との間の流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク692の上部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク692の下部動作室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク692はバルブ本体660側に歪む。その結果、速度感知バルブディスク692とバルブ車体660とが接触し、閉口位置を形成する。速度感知バルブディスク692の開口部696を通る全流量範囲は、複数の反動経路672の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク692が閉じると、流量範囲は減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
図12に示すように、ベースバルブアセンブリ638は、バルブ本体700、取り入れまたは反動逆止バルブアセンブリ702、圧縮バルブアセンブリ704、保持ボルト706、および、固定ナット708を有している。バルブ本体700は、圧入またはこの分野に公知の手段によって圧力管630および先端キャップ654に固定されている。先端キャップ654は貯留管636に固定されており、複数の流体経路710を規定している。この流体経路710によって、貯留室652とベースバルブアセンブリ638と野間を連通することができる。バルブ本体700は、複数の取り込みまたは反動流体経路712、複数の圧縮流体経路714、および、中心孔718を規定している。保持ボルト706は中心孔718を通って延びており、ねじ状に固定ナット708と係合することによって、反動逆止バルブアセンブリ702および圧縮バルブアセンブリ704の両方をバルブ本体700に固定している。図12では、保持ボルト706および固定ナット708を図示しているが、バルブピンを含む他のリテーナを用いてもよい。ただし、これに限定するものではない。
反動逆止バルブアセンブリ702は、固定ナット708、バルブディスク722、および、ばね724を有している。バルブディスク722はバルブ本体700と接しており、反動流体経路712を閉じている。バルブディスク722は、圧縮流体経路714を開口させておく複数の開口部726を規定している。ばね724は固定ナット708とバルブディスク722との間に設けられており、これによってバルブ本体700側にバルブディスク722を押し下げている。反動ストロークの間、下部動作室646内の流体圧力が低下し、貯留室652内の流体圧力がバルブディスク722にかかる。バルブディスク722にかかる流体圧力がばね724のバイアス荷重を超える場合、バルブディスク722はバルブ本体700から分離し、反動流体経路712を開口する。これによって、貯留室652から下部動作室646へと流体が流れる。一般的に、ばね724はバルブディスク722に軽いバイアス荷重を与えるのみであり、反動逆止バルブアセンブリ702は、室652および室646の間の逆止バルブとして機能する。反動ストローク時の緩衝器620の減衰特性は、上述したように、ピストンアセンブリ632によって制御されており、該ピストンアセンブリ632は、上部動作室644から下部動作室646へと流動する流体を制御する。圧縮ストロークの間は、バルブディスク722によって反動流体経路712が閉じられる。
圧縮バルブアセンブリ704は、複数のバルブディスク730、速度感知バルブディスク732、および、ディスク受734を有している。複数のバルブディスク730は、バルブ本体700と保持ボルト706との間に挟まれており、複数の圧縮流体経路714を閉じている。速度感知バルブディスク732は、バルブ本体700に対して複数のバルブディスク730の反対側にある反動逆止バルブアセンブリ702のバルブディスク722の下に入れ子式に設けられている。ディスク受734は、バルブ本体700によって規定された環状流路内に圧入されていることによって、速度感知バルブディスク732を保持している。速度感知バルブディスク732は、複数のスロットまたは開口部736を規定しており、それによって速度感知バルブディスク732が閉口位置にある場合に流体が流れる。流体圧力がバルブディスク730にかかると、バルブディスク730の外周縁部が弾性的に歪み、圧縮バルブアセンブリ704が開口する。
圧縮ストローク時に下部動作室646内の流体が加圧され、バルブディスク730に流体圧力がかかる。バルブディスク730にかかる流体圧力がバルブディスク730の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク730は弾性的に歪み、圧縮流体経路714を開口させる。これによって、下部動作室646から開口部26、速度感知バルブディスク732、および、圧縮流体経路714を通って貯留室652に流体が流れる。バルブディスク730の強度、および、圧縮流体経路714の大きさは、圧縮ストローク時の緩衝器620の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク732を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、速度感知バルブディスク732とバルブ本体700との間の流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク732の下部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク732の貯留室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク732はバルブ本体700側に歪む。その結果、速度感知バルブディスク732とバルブ車体700とが接触し、閉口位置を形成する。速度感知バルブディスク794の開口部796を通る全流量範囲は、複数の圧縮流体経路714の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク732が閉じると、流量範囲が減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
図13には、緩衝器820がより詳細に示されている。緩衝器820は単管設計である。図14では緩衝器820のみが図示されているが、以下の緩衝器820の記述において説明されるバルブアセンブリは緩衝器26に含まれる。緩衝器26は、車両10のばね上部分およびばね下部分に接続されている点のみが緩衝器820と異なる。緩衝器820は、圧力管830、ピストンアセンブリ832、および、ピストンロッド834を有している。
圧力管830は動作室842を規定している。圧力管830内には、ピストンアセンブリ832が摺動可能に設けられており、該ピストンアセンブリ832は、動作室842を上部動作室844と下部動作室846とに分離している。ピストンアセンブリ832と圧力管830との間にはシール848が設けられており、該シール848は、ピストンアセンブリ832が圧力管830に対して過度の摩擦力を発生させることなく摺動するのを可能にすると共に、下部動作室846に対して上部動作室844を封止している。ピストンアセンブリ832にはピストンロッド834が取り付けられており、該ピストンロッド832は、上部動作室844、および、圧力管830の上端を塞ぐ上端キャップ850を通って延びている。上端キャップ850と、貯留管836と、ピストンロッド834との界面は封止システムによって封止されている。ピストンロッド834において、ピストンアセンブリ832に対向する先端部は、車両10のばね上部分に固定されている。ピストンアセンブリ832内のバルブ動作は、圧力管830内のピストンアセンブリ832が動作する間に、上部動作室844と下部動作室846との間の流体の動きを制御する。ピストンロッド834は上部動作室844を通って延びているが、下部動作室846には達しない。そのため、圧力管830に対するピストンアセンブリ832の動きが、上部動作室844に移動する流体量と下部動作室846に移動する流体量との間に差を生み出す。こうした流体量の差は「ロッド容量」として知られており、従来技術で公知であるように、動作室842内の密封室によって補正される。
図14に示すように、ピストンアセンブリ832は、バルブ本体860、圧縮バルブアセンブリ862、および、反動バルブアセンブリ864を有している。圧縮バルブアセンブリ862は、ピストンロッド834の段部866に取り付けられている。バルブ本体860は、圧縮バルブアセンブリ862に取り付けられており、反動バルブアセンブリ864は、バルブ本体860に取り付けられている。ナット868は、これらの部材をピストンロッド834に固定している。バルブ本体860は、複数の圧縮流体経路870と、複数の反動流体経路872とを規定している。
圧縮バルブアセンブリ862は、リテーナ880、複数のバルブディスク882、速度感知バルブディスク884、スペーサ886、および、ピストン888を有している。リテーナ880は、一端が段部866と接しており、他端が複数のバルブディスク882と接している。複数のバルブディスク882は、バルブ本体460と接しており、圧縮流体経路470を閉じている。スペーサ886は、複数のバルブディスク882の反対側においてリテーナ880と接している。速度感知バルブディスク884は、スペーサ886と接しており、ピストン888は、速度感知バルブディスク884と接している。ピストン888は、ピストンロッド834によって規定された段部890とも接している。速度感知バルブディスク884はピストン888上に配置されたディスク座と接しており、これによって、ピストン888を通って延びる複数の流体経路892を規定する表面において、ピストン888との間に隙間が生じる。速度感知バルブディスク884とピストン888との間の隙間は、流体が複数の流体経路892を通って流れるための流体経路を規定している。この流体経路は、速度感知バルブディスク884がピストン888側に歪むことによって徐々に閉じていく。速度感知バルブディスク884は、複数のスロットまたは開口部894を規定しており、それによって速度感知バルブディスク884が閉口位置にある場合に流体が流れる。速度感知バルブディスク884が閉じていくことによって、ピストンアセンブリが所定の速度となった場合に、減衰荷重に所望な量の増加が生じる。ピストン888は圧力管830の内面を密封するように係合しており、該圧力管830は、ピストンアセンブリ832が動作する間に、すべての流体が複数の流体経路892を通るように方向付けている。
圧縮ストロークの間に下部動作室846内の流体が加圧され、バルブディスク882に対して流体圧力がかかる。バルブディスク882にかかる流体圧力がバルブディスク882の曲げ荷重を超える場合、バルブディスク882は弾性的に歪み、圧縮流体経路870を開口させる。これによって、下部動作室846から上部動作室844へと流体が流れる。バルブディスク882の強度、および、圧縮流体経路870の大きさは、圧縮ストローク時の緩衝器820の減衰特性を決定する。速度感知バルブディスク884を通る流体の速度が所定の速度に到達すると、流れが制限され、流体圧力が低下する。速度感知バルブディスク884の下部動作室側の圧力が、速度感知バルブディスク884の上部動作室側の圧力よりも高いので、速度感知バルブディスク884はピストン888側に歪み、複数の流体経路892は徐々に閉じていく。その結果、速度感知バルブディスク884とピストン888とが接触し、閉口位置を形成する。複数の開口部894の全流量範囲は、複数の圧縮流体経路870の全流量範囲よりも小さくなるように設計されている。したがって、速度感知バルブディスク884が閉じると、流量範囲が減少し、それによって生成される減衰力が増加する。
反動バルブアセンブリ864は、複数のバルブディスク896、リテーナ898、および、ナット868を有している。ナット868は、ピストンロッド834にねじ状に係合することによって、複数のバルブディスク896側にばね受492を押し上げると同時に、バルブ本体860側に複数のバルブディスク896を押し当て、複数の反動流体経路872を閉じている。反動ストローク時に上部動作室844の流体が加圧され、複数のバルブディスク896に流体圧力がかかる。複数のバルブディスク896にかかる流体圧力が複数のバルブディスク896の曲げ荷重を超える場合、複数のバルブディスク896はバルブ本体860から遠ざかるように歪み、複数の反動流体経路872を開口させる。複数のバルブディスク896の設計、および、複数の反動流体経路872の大きさは、反動ストローク時の緩衝器420の減衰特性を決定する。
Claims (14)
- 流体室を形成する圧力管と、
上記動作室内に設けられ、上記流体室を上部動作室と下部動作室とに分離するために上記圧力管に係合し、ピストン圧縮経路およびピストン反動経路を規定する第一ピストンと、
上記第一ピストンに取り付けられ、上記圧力管の一端を通って延びるピストンロッドと、
上記第一ピストンに係合し、第一バルブディスクを有する第一バルブアセンブリと、
上記第一ピストンに係合する第二バルブアセンブリと、
上記圧力管に係合し、上記上部動作室および上記下部動作室のいずれかの内部に設けられており、流体経路を規定する第二ピストンと、
上記ピストンロッドに取り付けられ、上記圧力管に対する上記第一ピストンおよび上記第二ピストンの速度が所定の第一速度である場合に開口位置と閉口位置との間を移動可能であり、第二バルブディスクを有する通常時開口ピストン速度感知バルブとを備え、
上記第二バルブアセンブリは、上記第二バルブディスクが上記閉口位置にある場合に、上記第二ピストンに直接係合することを特徴とする緩衝器。 - 上記第二バルブディスクおよび上記第二ピストンのいずれかによって規定され、上記ピストン速度感知バルブの上記第二バルブディスクをバイパスする開口流体経路をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
- 上記第二バルブアセンブリは、反動バルブアセンブリであり、
上記反動バルブアセンブリは、上記ピストン反動経路を通常は閉じており、上記緩衝器の反動動作の間に開口位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。 - 上記第二バルブディスクは、該第二バルブディスクにバイパスされる開口流体経路を規定する開口部を規定していることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
- 上記第二バルブディスクは、上記第一バルブアセンブリの上記第一バルブディスクと上記第二ピストンとの間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
- 上記第二バルブディスクは、上記第一バルブアセンブリの上記第一バルブディスクに隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
- 上記第二バルブディスクの内部分は、上記ピストンロッドに対する該第二バルブディスクの上記内部分の軸方向の移動を制止するように、上記ピストンロッドに固定して取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
- 上記圧力管の周囲に設けられていることによって、貯留室と、上記動作室および上記貯留室の間に設けられたベースバルブアセンブリとを規定する貯留管をさらに備え、
上記ベースバルブアセンブリは、
上記動作室と上記貯留室との間に設けられ、ベース圧縮経路とベース反動経路とを規定するベースバルブ本体と、
上記ベースバルブ本体に係合する第三バルブアセンブリと、
上記ベースバルブ本体に係合する第四バルブアセンブリと、
上記ベースバルブ本体に取り付けられ、上記圧力管に対する上記ピストン本体の速度が所定の第二速度である場合に、開口位置と閉口位置との間を移動可能なベース速度感知バルブとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。 - 上記ベース速度感知バルブは、上記第三バルブアセンブリに隣接して設けられた第三バルブディスクを備えていることを特徴とする請求項8に記載の緩衝器。
- 上記ベースバルブ本体および上記ベース速度感知バルブの上記第三バルブディスクのいずれかによって規定され、上記ベース速度感知バルブの上記第三バルブディスクをバイパスする開口流体経路をさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の緩衝器。
- 上記第四バルブアセンブリは、圧縮バルブアセンブリであり、
上記圧縮バルブアセンブリは、上記ベース圧縮経路を通常は閉じており、上記緩衝器の圧縮動作の間に開口位置に移動することを特徴とする請求項9に記載の緩衝器。 - 上記第三バルブディスクは、該第三バルブディスクにバイパスされる開口流体経路を規定する開口部を規定していることを特徴とする請求項9に記載の緩衝器。
- 上記第三バルブディスクは、上記第三バルブアセンブリと上記ベースバルブ本体との間に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の緩衝器。
- 上記第一バルブアセンブリの上記第一バルブディスクは、上記ピストン速度感知バルブの上記第二バルブディスクと上記第一ピストンとの間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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