JP6850244B2 - バルブ及び緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、バルブ及び緩衝器に関する。
従来、バルブは、車両の車体と車軸との間に介装される緩衝器等に利用されている。そして、このようなバルブの中には、ポート及び弁座を有するバルブシート部材と、このバルブシート部材に積層されるとともに、弁座に離着座して上記ポートを開閉するリーフバルブとを備えるとともに、リーフバルブと弁座の内側との間にコンタミナントが挟み込まれるのを防止するための通路と上記通路の入口を広げる凹部をバルブシート部材に設けたバルブがある(例えば、特許文献1)。
より詳しくは、上記バルブシート部材は、作動油が充填される二つの部屋を区画しており、上記ポートは、二つの部屋を連通する。そして、上記弁座は、環状のボス部と、このボス部に連なりポートの出口端の窓を取り囲む外周シート部と、を有する。また、リーフバルブは、薄い環状板であり、その内周側がボス部に押し付けられて固定されるとともに、外周側は、弁座から離れる方向への撓みが許容された状態で外周シート部に着座する。さらに、上記二つの部屋の内、ポートの入口側の部屋を一方室、出口側の部屋を他方室とすると、上記通路は、弁座における窓よりもボス部側に開口するとともに、他方室に連通されている。当該構成によれば、一方室の圧力が上昇してリーフバルブの外周が撓み、上記ポートを開放すると、ポートを通過する作動油の流れによって通路を通過して他方室へ至る作動油の流れが生じる。
これにより、上記通路を有するバルブでは、リーフバルブの外周が大きく撓む際、ポートを通過する作動油に紛れ込んだコンタミナントが弁座における窓よりもボス部側へ移動したとしても、当該コンタミナントが凹部により通路内に案内されるとともに、通路を通過する流れにより排出される。このため、上記通路を有するバルブでは、弁座とリーフバルブとの間にコンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生を防止するとともに減衰特性の悪化を防止している。
特開2012−255467
前述したように、特許文献1に記載のバルブでは、コンタミナントを通路内に案内し易くするため、バルブシート部材に凹部を設けており、さらに、前記凹部の底からバルブシート部材の他方室側端にかけて貫通孔を設けて、前記貫通孔と凹部により通路が構成されている。しかしながら、このようにバルブシート部材に凹部と貫通孔の両方を形成するのは煩雑であり、コストがかかる。
そこで、本発明は、安価なコストで、コンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生や減衰特性の悪化を防止できるバルブ及び緩衝器の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段は、周方向に並べて配置される複数の第一ポートを有する環状のバルブシート部材から突出するように設けられて前記各第一ポートの出口端を囲む複数の弁座と、前記バルブシート部材の中心側に積層されて、前記各弁座との間に隙間を形成する環状の環状板部材と、中心側が前記環状板部材に積層されるとともに外周側が前記弁座に離着座して前記第一ポートを開閉するリーフバルブを備えることを特徴とする。
また、バルブは、前記バルブシート部材前記各弁座間に配置され、前記第一ポートの出口端が開口する側に入口端が開口し、前記隙間と連通する複数の第二ポートを有し、前記環状板部材軸方向視で前記第二ポートと重なるとともに、前記第二ポートの入口端との間に間隔を空けて対向して配置されるバルブとされている。この構成によると、環状板部材が、第二ポートを流れ切らなかったコンタミナントが逆流するのを防止する部材としても機能する。
また、前記環状板部材が、軸方向視で前記第二ポートに対して内側から半分以上重なるようにしてもよい。この構成によると、環状板部材によってコンタミナントの逆流を防止する効果がより向上する。
また、前記バルブシート部材は、隣り合う前記各弁座の間に形成され前記第二ポートが設けられる低面部と、前記バルブシート部材の中心側に前記弁座の中心側に沿うように形成され、前記弁座よりも軸方向位置が低く、前記低面部よりも軸方向位置が高い環状の凹部とを有し、前記環状板部材は、前記凹部の外径よりも外径が小径な円盤部を有し、前記凹部に嵌め込まれることで前記円盤部と前記弁座との間に前記低面部を介して前記第二ポートへ通じる前記隙間を形成するようにしてもよい。この構成によると、弁座の内側に隙間を容易に形成できるとともに、隙間に収容されたコンタミナントが低面部側に流れやすくなる。
また、シリンダと、前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるロッドと、前記バルブとを備え、前記バルブは、前記シリンダと前記ロッドが相対移動する際に、移動する液体の流れに抵抗を与える緩衝器としてもよい。この構成によると、緩衝器が所望の減衰力を発揮できる。
本発明のバルブ及び緩衝器によれば、安価なコストで、バルブシート部材とリーフバルブ内周側との間へのコンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生や減衰特性の悪化を防止できる。
本実施の形態に係るバルブを備える緩衝器の一部を示す縦断面図である。 本実施の形態に係るバルブシート部材を図1中上から見た状態を示す平面図である。 図2に示すバルブシート部材に環状板部材を設けた状態を示す平面図である。 本実施の形態に係る環状板部材を示す平面図である。 環状板部材の変形例を有するバルブを備える緩衝器の一部を示す縦断面図である。 図5のバルブシート部材を図5中上から見た状態を示す平面図である。
以下に、図面を参照しながら本実施の形態について説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
本例のバルブVは、図1に示すように、緩衝器1のピストン部に具現化されている。緩衝器1は、筒状のシリンダ2と、シリンダ2内を軸方向に出入り自在に移動するロッド3と、シリンダ2の反ロッド側に摺動自在に挿入されるフリーピストン(図示せず)と、環状に形成されてロッド3の外周に摺接し、シリンダ2の一端開口を塞ぐヘッドキャップ(図示せず)と、シリンダ2の他端開口を塞ぐボトムキャップ(図示せず)とを備え、ロッド3の先端にバルブVが装着されている。そして、シリンダ2が車両の車軸あるいは車体に連結されるとともに、ロッド3がシリンダ2の連結された方と反対の車軸あるいは車体に連結される。そのため、路面凹凸による衝撃が車輪に入力されると、ロッド3がシリンダ2内を出入りして緩衝器1が伸縮作動する。
また、シリンダ2の内部は、フリーピストンで液室と気室(図示せず)に区画されており、前記液室は、ロッド3の先端に設けられたバルブVで図中上側の伸側室R1と図中下側の圧側室R2に区画されている。伸側室R1と圧側室R2には作動油等の液体が封入されるとともに、前記気室には気体が封入されている。そして、前記気室は、フリーピストンの摺動により拡大したり縮小したりして、緩衝器1が伸縮する際に出入するロッド3の出没体積分のシリンダ2内の体積変化を補償する。
なお、本例の緩衝器1は、単筒型であるが、シリンダ2の外周を覆うアウターシェルを設け、フリーピストンに代えてシリンダ2の反ロッド側端にベースバルブが挿入される複筒型に設定されてもよい。複筒型とする場合には、アウターシェルとシリンダ2の間に形成されるリザーバによって、緩衝器本体Dの伸縮作動に伴うロッド出没体積分のシリンダ内容積変化が補償される。
次に、本例のバルブVの構造について詳細に説明する。バルブVは、バルブシート部材4としてのピストンと、ピストンの軸方向の両側にそれぞれ積層された環状の伸側リーフバルブ8と圧側リーフバルブ9を備えて構成される。
バルブシート部材4は、軸方向から見て中心に形成された取付孔4aと、取付孔4aの周りに周方向に並べて配置された複数の第一ポートとしての圧側ポート6と、各圧側ポート6間に周方向に並べて配置された複数の第二ポートとしての伸側ポート7を有する。本例では、図2に示すように、バルブシート部材4には、バルブシート部材4の中心側である内周側に開口された伸側ポート7と外周側に開口された圧側ポート6が4つずつ周方向に並べて設けられて、交互に配置されており、伸側室R1と圧側室R2を連通している。また、各ポートの数は任意に決められてよい。なお、本例のバルブシート部材4は、軸方向視で円状に形成されているが多角形状に形成されてもよい。
また、バルブシート部材4の図1中下端である圧側室R2側には環状窓4bが設けられており、各伸側ポート7の出口端が環状窓4bに連通している。さらに、バルブシート部材4の圧側室R2側には、取付孔4aを囲うとともに環状窓4bの内周に沿う環状の内周ボス部4cと、環状窓4bの外周に沿い環状窓4bを囲う環状の伸側弁座20が形成される。また、圧側ポート6は、伸側弁座20の外周側に開口している。
他方、バルブシート部材4の図1中上端である伸側室R1側には、バルブシート部材4の外周側で広がるように扇状に形成された窓4dが周方向に独立して複数設けられており、それぞれ各圧側ポート6の出口端が窓4dに連通している。
また、バルブシート部材4の伸側室R1側には、図2に示すように、バルブシート部材4から突出するように設けられて窓4dを囲う圧側弁座21が形成される。この圧側弁座21は、窓4d(圧側ポート6)の数に合わせて四つ等間隔で周方向に並べて設けられている。また、圧側弁座21,21の間には圧側リーフバルブ9が当接しない低面部13が設けられており、当該低面部13の内周側には伸側ポート7の開口端が形成されている。
さらに、図2に示すように、バルブシート部材4の伸側室R1側には、取付孔4aを囲うとともに各圧側弁座21の内周側に沿うように形成された環状の凹部22が設けられている。この凹部22の面は、圧側弁座21よりも軸方向位置が低く、低面部13よりも軸方向位置が高くなるように設定されている。
そして、本例では、図3に示すように、凹部22には、環状の環状板部材10が嵌め込まれており、各圧側弁座21の内側と環状板部材10の間に隙間Sが形成されている。詳細には、本例の環状板部材10は、図4に示すように、環状の円盤部11と、円盤部11の外周から径方向に突出するように円盤部11の周方向に複数設けられた突出部12を備える。そして、円盤部11の外径は、凹部22の外径よりも小径に形成されているため、各圧側弁座21と円盤部11の間に隙間Sが形成される。また、図3に示すように、本例の突出部12は、径方向と直交する幅方向の寸法が、隣り合う圧側弁座21,21間の低面部13の幅よりも狭くなるように形成されている。そのため、隙間Sは、隣り合う圧側弁座21,21と圧側リーフバルブ9に囲まれた空間に連通している。ただし、環状板部材10の上面に隙間Sを前記空間へ連通させる溝を設けるなどすれば、突出部12の幅方向の寸法を低面部13の幅と同じにしてもよい。
また、環状板部材10は、凹部22の軸方向深さと同程度の厚みで形成されているため、凹部22に嵌め込まれると、環状板部材10の上面高さが、圧側弁座21の軸方向高さと同程度になる。ただし、バルブシート部材4の凹部22に嵌め込まれた環状板部材10の上面高さは、圧側弁座21の軸方向高さを超えてはならない。
また、本例の突出部12は、隣り合う圧側弁座21,21の間の間隔に合わせて四つ等間隔で設けられている。これにより、本例の環状板部材10は、図3に示すように、隣り合う圧側弁座21,21の間に突出部12が配置された状態で凹部22に嵌め込みできるようになっている。
また、図2に示すように、伸側ポート7は、バルブシート部材4における隣り合う圧側弁座21,21の間の面である低面部13の内周側に設けられている。そのため、図1、図3に示すように、隣り合う圧側弁座21,21の間に配置された突出部12と円盤部11が、軸方向視で伸側ポート7を覆うように重なっている。また、本例では、環状板部材10が嵌め込まれて積層される凹部22の軸方向位置が、低面部13よりも高いため、図1に示すように、突出部12と伸側ポート7の入口端との間には間隔が空いている。
また、バルブシート部材4の伸側室R1側に積層された圧側リーフバルブ9とバルブシート部材4の圧側室R2側に積層された伸側リーフバルブ8は、ともに薄い環状板を複数枚積み重ねて構成されている。また、圧側リーフバルブ9の図1中上側には環状であって、圧側リーフバルブ9の内周側にのみ当接する径の間座14と環状のバルブストッパ15が順に積層されている。他方の伸側リーフバルブ8の図1中下側には環状であって、伸側リーフバルブ8の内周側にのみ当接する径の間座16が積み重ねられている。そして、バルブシート部材4は、環状板部材10、伸側リーフバルブ8、圧側リーフバルブ9、間座14,16及びバルブストッパ15とともに、ロッド3の先端部に設けられた取付部3aの外周に装着され、ナット17で固定されている。
より詳しくは、ロッド3の先端部には、他の部分よりも外径が小さい取付部3aが設けられており、前記取付部3aと他の部分との境界に環状の段差3bが形成されている。また、取付部3aの先端には、螺子溝が形成されており、ナット17を螺合できる。バルブシート部材4、環状板部材10、伸側リーフバルブ8、圧側リーフバルブ9、間座14,16及びバルブストッパ15は、全て環状であるため中心部に取付孔が設けられている。このため、ロッド3の取付部3aをバルブストッパ15、間座14、圧側リーフバルブ9、環状板部材10、バルブシート部材4、伸側リーフバルブ8、間座16の各取付孔に前述の順に挿通し、間座16から突出させた取付部3aの先端にナット17を螺合すると、前記ナット17と段差3bとの間にこれらの部材を挟んで固定できる。
これにより、バルブシート部材4の圧側室R2側に積層される伸側リーフバルブ8は、間座16を介して内周側だけが内周ボス部4cに締め付けられて固定されるため、外周側のみ撓みが許容されており、外周側は伸側弁座20に離着座可能に着座している。
また、伸側リーフバルブ8は、バルブシート部材4の圧側室R2側に積層されて、各伸側ポート7の出口端と連通する環状窓4bに蓋をするので、伸側ポート7の連通が遮断される。これに対し、圧側ポート6の入口は、伸側弁座20よりも外側に設けられているため、圧側ポート6と圧側室R2は常に連通した状態となっている。
他方、バルブシート部材4の伸側室R1側に積層される圧側リーフバルブ9は、間座14を介して内周側だけが環状板部材10に締め付けられて固定されるため、外周側のみ撓みが許容されており、外周側は圧側弁座21に離着座可能に着座している。
また、圧側リーフバルブ9は、バルブシート部材4の伸側室R1側に積層されて、各圧側ポート6の出口端と連通する全ての窓4dに蓋をするので、圧側ポート6の連通が遮断される。これに対し、伸側ポート7の入口は、圧側弁座21,21の間の圧側リーフバルブ9が当接しない低面部13の内周側に設けられているので、伸側ポート7と伸側室R1は常に連通した状態となっている。
さらに、図1、図2に示すように、隣り合う圧側弁座21,21間の低面部13の外周側には、それぞれ突起4eが設けられており、これらの突起4eで圧側リーフバルブ9を支え、この圧側リーフバルブ9が伸側室R1の圧力(背圧)でバルブシート部材4側に撓むのを防ぐ。これにより、圧側リーフバルブ9が伸側室R1側からの圧力によって割れるのを防止する。なお、突起4eは伸側室R1と伸側ポート7との連通を妨げないように配慮されている。
次に、本実施の形態に係るバルブVを備える緩衝器1の作動及び効果について説明する。ロッド3がシリンダ2から退出する緩衝器1の伸長作動時には、バルブVがシリンダ2内を図1中上方へ移動して伸側室R1を圧縮する。すると、伸側室R1内の圧力が上昇して当該圧力が、伸側ポート7を介して伸側リーフバルブ8を撓ませる方向に作用する。そして、伸側リーフバルブ8が図1中下方へ撓むと、伸側リーフバルブ8の外周部と伸側弁座20との間に隙間ができるので、伸側室R1の液体が伸側ポート7を通って圧側室R2へ流れる。つまり、伸側リーフバルブ8が、伸側室R1内の圧力を受けて開弁する際、伸側ポート7を通過する液体の流れに対して伸側リーフバルブ8で抵抗を与えるので、緩衝器1は、伸長作動を抑制する伸側減衰力を発揮する。
なお、圧側リーフバルブ9については、伸側室R1の圧力が高まると、当該圧力は圧側リーフバルブ9を圧側弁座21へ押し付ける方向に作用するので、圧側リーフバルブ9は圧側ポート6を閉じた状態に維持される。
反対に、ロッド3がシリンダ2内へ侵入する緩衝器1の収縮作動時には、バルブVがシリンダ2内を図1中下方へ移動して圧側室R2を圧縮する。すると、圧側室R2内の圧力が上昇して当該圧力が、圧側ポート6を介して圧側リーフバルブ9を撓ませる方向に作用する。そして、圧側リーフバルブ9が図1中上方へ撓むと、圧側リーフバルブ9の外周部と圧側弁座21との間に隙間ができるので、圧側室R2の液体が圧側ポート6を通って伸側室R1へ流れる。つまり、圧側リーフバルブ9が、圧側室R2内の圧力を受けて開弁する際、圧側ポート6を通過する液体の流れに対して圧側リーフバルブ9で抵抗を与えるので、緩衝器1は、収縮作動を抑制する圧側減衰力を発揮する。
なお、伸側リーフバルブ8については、圧側室R2の圧力が高まると、当該圧力は伸側リーフバルブ8を伸側弁座20へ押し付ける方向に作用するので、伸側リーフバルブ8は伸側ポート7を閉じた状態に維持される。
また、本例のバルブVでは、緩衝器1の収縮作動時に圧側リーフバルブ9が大きく撓んでも、液体に紛れ込んだコンタミナントは、環状板部材10によって圧側弁座21の内側に形成される隙間Sに収容される。
したがって、本例では、環状板部材10と圧側リーフバルブ9の内周側との間へのコンタミナントの挟み込みを防止できるので、コンタミナントによって圧側リーフバルブ9の閉じ切りが阻害されず、圧側リーフバルブ9の外周部が圧側弁座21から浮き上がった状態にならない。
よって、圧側弁座21から浮き上がった圧側リーフバルブ9の外周部との隙間を通って圧側室R2へ流れる液体により、圧側リーフバルブ9の外周部が振動しないため、異音が発生しない。さらに、圧側リーフバルブ9に漏れが生じないので、緩衝器1が所望の減衰力を発揮できる。また、本例の隙間Sは、隣り合う圧側弁座21,21と圧側リーフバルブ9に囲まれた空間に連通しているため、隙間Sに収容されたコンタミナントは、低面部13側に排出される。この際、本例の凹部22は、低面部13よりも軸方向位置が高く設定されているため、隙間Sに収容されたコンタミナントが液体と共に低面部13側に排出されやすい。
前述したように、本例のバルブVは、周方向に並べて配置される複数の第一ポートとしての圧側ポート6を有する環状のバルブシート部材4と、バルブシート部材4から突出するように設けられて各圧側ポート6の出口端を囲む複数の圧側弁座21と、バルブシート部材4の中心側に積み重ねられて、各圧側弁座21との間に隙間Sを形成する環状の環状板部材10と、中心側が環状板部材10に積層されるとともに外周側が圧側弁座21に離着座して圧側ポート6を開閉する圧側リーフバルブ9を備えて構成されている。
この構成によると、圧側リーフバルブ9が大きく開いても、圧側ポート6を通過する液体に紛れ込んだコンタミナントが、隙間Sに収容される。そのため、本例のバルブVでは、コンタミナントがバルブシート部材4と圧側リーフバルブ9の内周側との間に挟み込まれるのを防止できるとともに、当該挟み込みによる異音の発生及び減衰力特性の悪化を防止できる。
さらに、この構成によると、バルブシート部材4から突出するように設けられた圧側弁座21の中心側に環状板部材10を積み重ねて、圧側弁座21の内側に隙間Sを形成している。このように、コンタミナントの挟み込みを防止する隙間Sを形成すると、従来のように、ピストン等のバルブシート部材に凹部と貫通孔の両方を形成する場合と比較して極めて加工が容易である。よって、安価なコストでコンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生や減衰特性の悪化を防止できる。
また、本例のバルブVでは、バルブシート部材4は、各圧側弁座21間に配置され、圧側ポート6の出口端が開口する側に入口端が開口し、隙間Sと連通する複数の伸側ポート7を有し、環状板部材10が、軸方向視で伸側ポート7と重なるとともに、伸側ポート7の入口端との間に間隔を空けて対向して配置されている。
この構成によると、緩衝器1の伸長作動時に圧側室R2側へ流れ切らず伸側ポート7内に浮遊しているコンタミナントが伸側室R1側に逆流しようとしても、環状板部材10の円盤部11や突出部12に当たるため、コンタミナントの逆流を抑制できる。また、環状板部材10と伸側ポート7の入口端は、間隔を空けて対向しているため、突出部12によって伸側ポート7を通過する液体の流れに抵抗を与えないようになっている。
また、本例では、図3に示すように、環状板部材10が、軸方向視で伸側ポート7の全てに重なっているが、図5,図6に示すように、環状板部材10が、軸方向視で伸側ポート7に対して内側から少なくとも半分重なるようになっていれば、コンタミナントの逆流防止効果は良好に発揮される。
また、本例では、図4に示すように、環状板部材10の各突出部12の先端は円弧状になっており、これらの突出部12の先端は、環状板部材10の円盤部11の中心を中心とする仮想円の同一円周上に配置されている。
そして、環状板部材10は、大きな一枚板から複数個製造されるが、本例のように、突出部12の先端を円弧状にした場合、前記一枚板から切り出した円盤状の板を加工して製造できるため、矩形板状の板を加工して製造するのに比べて前記一枚板から多くの環状板部材10を製造できる。ただし、突出部12の形状はこれに限定されず、例えば、矩形板状であってもよい。なお、環状板部材10は、切り出して加工する以外の方法で製造されてもよい。
また、本例のバルブVでは、環状板部材10が、隣り合う圧側弁座21,21の間の間隔に合わせて周方向に突出部12を有しているため、突出部12によって、環状板部材10をバルブシート部材4に対して位置決めできる。そのため、緩衝器1の組み立て作業の作業効率が向上する。ただし、環状板部材10を位置決めするためには、突出部12が全ての各圧側弁座21間に配置される必要はなく、突出部12は1つあれば足りる。
また、本例のバルブVでは、バルブシート部材4の中心側に、圧側弁座21よりも軸方向位置が低く、低面部13よりも軸方向位置が高い環状の凹部22が圧側弁座21の中心側に沿うように形成されている。そして、凹部22の外径よりも外径が小径な円盤部11を有する環状板部材10を凹部22に嵌め込むことで、円盤部11と凹部22との間に低面部13を介して伸側ポート7へ通じる隙間Sを形成している。
この構成によると、バルブシート部材4に環状の凹部22を設ける加工をして、当該凹部22に圧側弁座21の内側に対向する部分の外径が凹部22の外径よりも小径な環状板部材10を嵌め込むだけで隙間Sを形成できる。そのため、圧側弁座21の内側に隙間Sを設けるための加工がより容易にできる。また、隙間Sが低面部13に通じるとともに、凹部22の軸方向位置が低面部13の軸方向位置よりも高くなるように設定されているため、隙間Sに収容されたコンタミナントが液体とともに軸方向位置の低い低面部13側に流れやすくなっている。
なお、本例では、隙間Sが低面部13を介して伸側ポート7に連通しているが、隙間Sは連通していなくても、隙間Sにコンタミナントが収容されコンタミナントの噛み込みが防止される。ただし、本例のように、隙間Sが低面部13を介して伸側ポート7に連通していると、隙間Sに収容されたコンタミナントが伸側ポート7に排出されるため、隙間Sにコンタミナントが溢れてしまう恐れがない。
また、本例の環状板部材10は、外周に突出部12を有しているが、隙間Sを形成する機能を発揮するだけであれば、突出部12を省略して円盤部11のみで形成されてもよい。
また、本例では、緩衝器1は、シリンダ2と、シリンダ2内に軸方向に移動可能に挿入されるロッド3と、バルブVとを備える。そして、前記バルブVは、シリンダ2とロッド3が相対移動する際に、移動する液体の流れに抵抗を与える。そして、前述のように、前記バルブVが隙間Sを備えるため、コンタミナントが環状板部材10と圧側リーフバルブ9の内周側との間に挟み込まれるのを防止して、当該挟み込みによる異音の発生及び減衰力特性の悪化を防止できる。よって、本例の緩衝器1では、バルブVの利用により、所望の減衰力を発生できる。
なお、バルブV及び緩衝器1の構成は上記の限りではなく、適宜変更できる。例えば、バルブVでは、圧側ポート6が、隣り合う圧側ポート6の窓4dが連通しない独立ポートであるので、バルブシート部材4の伸側室R1側に環状板部材10を積み重ねて隙間Sを形成している。そのため、伸側ポート7が独立ポートである場合、バルブシート部材4の圧側室R2側に環状板部材10を積み重ねて隙間Sを形成するようにしてもよい。
なお、本例では、バルブVが緩衝器1のピストン部に実現されているが、バルブVが設けられる位置はピストン部には限定されず、たとえば緩衝器のベースバルブなどのピストン部以外のバルブに利用されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱なく改造、変形及び変更ができるのは当然である。
1・・・緩衝器、2・・・シリンダ、3・・・ロッド、4・・・バルブシート部材、6・・・伸側ポート(第二ポート)、7・・・圧側ポート(第一ポート)、9・・・圧側リーフバルブ、10・・・環状板部材、11・・・円盤部、13・・・低面部、21・・・圧側弁座、22・・・凹部、S・・・隙間、V・・・バルブ

Claims (4)

  1. 周方向に並べて配置される複数の第一ポートを有する環状のバルブシート部材と、
    前記バルブシート部材から突出するように設けられて前記各第一ポートの出口端を囲む複数の弁座と、
    前記バルブシート部材の中心側に積層されて、前記各弁座との間に隙間を形成する環状の環状板部材と、
    中心側が前記環状板部材に積層されるとともに外周側が前記弁座に離着座して前記第一ポートを開閉するリーフバルブを備え、
    前記バルブシート部材は、前記各弁座間に配置され、前記第一ポートの出口端が開口する側に入口端が開口し、前記隙間と連通する複数の第二ポートを有し、
    前記環状板部材は、軸方向視で前記第二ポートと重なるとともに、前記第二ポートの入口端との間に間隔を空けて対向して配置されている
    ことを特徴とするバルブ。
  2. 前記環状板部材が、軸方向視で前記第二ポートに対して内側から半分以上重なる
    ことを特徴とする請求項に記載のバルブ。
  3. 前記バルブシート部材は、
    隣り合う前記各弁座の間に形成され前記第二ポートが設けられる低面部と、
    前記バルブシート部材の中心側に前記弁座の中心側に沿うように形成され、前記弁座よりも軸方向位置が低く、前記低面部よりも軸方向位置が高い環状の凹部とを有し、
    前記環状板部材は、前記凹部の外径よりも外径が小径な円盤部を有し、前記凹部に嵌め込まれることで前記円盤部と前記弁座との間に前記低面部を介して前記第二ポートへ通じる前記隙間を形成する
    ことを特徴とする請求項またはに記載のバルブ。
  4. シリンダと、
    前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるロッドと、
    前記請求項1から請求項のいずれか一項に記載のバルブとを備え、
    前記バルブは、前記シリンダと前記ロッドが相対移動する際に、移動する液体の流れに抵抗を与える
    ことを特徴とする緩衝器。
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