JP6789004B2 - 緩衝器 - Google Patents

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本発明は、緩衝器に関する。
伸側行程および縮側行程のどちらでも開く内外周単純支持のディスクバルブを用いた緩衝器がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−125295号公報
上記のディスクバルブは、減衰力特性を容易にチューニングすることができない。
したがって、本発明は、減衰力特性を容易にチューニングすることができる緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、通路がその内部を貫通するバルブ本体と、前記通路の一端開口を囲む環状の外側シートと、前記外側シートに一側面が着座可能に載置される環状のディスクバルブと、前記ディスクバルブの他側面に当接可能な前記外側シートよりも小径の内側シートと、を有し、前記ディスクバルブの前記他側面側には、該ディスクバルブの外周側を前記外側シートに向けて付勢する付勢手段が設けられる構成とした。
本発明によれば、減衰力特性を容易にチューニングすることができる。
本発明に係る第1実施形態の緩衝器を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器のピストンおよびその周辺を示す部分断面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器の減衰力発生機構およびその周辺を示す部分断面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器の付勢ディスクおよびディスクバルブを示す平面図である。 緩衝器の減衰力特性を示す線図であり、(a)はその一例を、(b)は本発明に係る第1実施形態の付勢ディスクを設けた場合を、それぞれ示すものである。 本発明に係る第2実施形態の緩衝器のピストンおよびその周辺を示す部分断面図である。 本発明に係る第3実施形態の緩衝器のピストンおよびその周辺を示す部分断面図である。
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、図面における上側を「上」とし、図面における下側を「下」として説明する。
第1実施形態の緩衝器1は、図1に示すように、いわゆる複筒型の油圧緩衝器であり、作動液体としての油液(図示略)が封入されたシリンダ2を有している。シリンダ2は、円筒状の金属製の内筒3と、この内筒3よりも大径で内筒3を覆うように同心状に設けられた有底円筒状の外筒4とを有しており、内筒3と外筒4との間にリザーバ室6が形成されている。
外筒4は、円筒状の金属製の胴部材11と、胴部材11の下部を閉塞する金属製の底部材12とからなっている。底部材12には、胴部材11とは反対側となる外側に取付アイ13が固定されている。
緩衝器1は、シリンダ2の内筒3内に摺動可能に嵌装されたピストン16を備えている。内筒3内に設けられたこのピストン16は、内筒3内をピストン16の軸方向の一側にある上室17と、ピストン16の軸方向の他側にある下室18とに区画している。内筒3内の上室17および下室18内には作動流体としての油液が封入され、内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液とガスとが封入されている。
緩衝器1は、一端側がシリンダ2の内筒3内に配置されてピストン16に接続されると共に他端側がシリンダ2の外部に延出される金属製のピストンロッド21を備えている。ピストン16およびピストンロッド21は一体に移動する。ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を増やす伸び行程において、ピストン16は上室17側へ移動することになり、ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を減らす縮み行程において、ピストン16は下室18側へ移動することになる。
内筒3および外筒4の上端開口側には、ロッドガイド22が嵌合されており、外筒4にはロッドガイド22よりもシリンダ2の外部側である上側にシール部材23が装着されている。ロッドガイド22およびシール部材23は、いずれも環状をなしている。ピストンロッド21は、これらロッドガイド22およびシール部材23のそれぞれの内側に摺動可能に挿通されており、これらロッドガイド22およびシール部材23を介してシリンダ2の外部に延出されている。上室17は、内筒3内のピストン16とロッドガイド22との間に形成されている。
ここで、ロッドガイド22は、ピストンロッド21を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持して、このピストンロッド21の移動を案内する。シール部材23は、その外周部で外筒4に密着し、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と、外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが外部に漏洩するのを防止する。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部が大径となる段差状をなしており、小径の下部において内筒3の上端の内周部に嵌合し大径の上部において外筒4の上部の内周部に嵌合する。外筒4の底部材12上には、下室18とリザーバ室6とを画成するベースバルブ25が設置されており、このベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。外筒4の上端部は、径方向内方に加締められて加締部26とされ、この加締部26とロッドガイド22とがシール部材23を挟持している。下室18は、内筒3内のピストン16とベースバルブ25との間に形成されている。
ピストンロッド21は、主軸部31と、これより小径の取付軸部32とを有しており、主軸部31の取付軸部32側の端部は、軸直交方向に広がる軸段部33となっている。取付軸部32は、シリンダ2内に配置されており、その主軸部31とは反対側の端部にオネジ34が形成されている。取付軸部32には、ピストン16が、オネジ34に螺合された金属製のナット35により締結されている。言い換えれば、ピストンロッド21がピストン16にナット35により締結されている。
緩衝器1は、例えばピストンロッド21のシリンダ2からの突出部分が上部に配置されて車体により支持され、シリンダ2側の取付アイ13が下部に配置されて車輪側に連結される。これとは逆に、シリンダ2側が車体により支持され、ピストンロッド21が車輪側に連結されるようにしても良い。車輪が走行に伴って振動すると該振動に伴ってシリンダ2とピストンロッド21との位置が相対的に変化するが、上記変化はピストン16に形成された流路の流体抵抗により抑制される。
図2に示すように、ピストン16は、軸方向の軸段部33側から順に、規制部材37と、当接ディスク38と、小径ディスク39と、複数枚の単体ディスクが積層されて構成されるディスクバルブ40と、ピストン本体41と、複数枚の単体ディスクが積層されて構成されるディスクバルブ42と、複数枚の単体ディスクが積層されて構成される小径ディスク43と、を有している。これら規制部材37、当接ディスク38、小径ディスク39、ディスクバルブ40、ピストン本体41、ディスクバルブ42および小径ディスク43は、いずれも金属製である。また、ピストン16は、ピストン本体41の外周面に装着されて、内筒3の内周面に摺接する円環帯状の合成樹脂製の摺接部材44を有している。
規制部材37は、円環状をなしており、取付軸部32が内周側に嵌合される。規制部材37は、外径が軸段部33の外径よりも大径となっている。規制部材37は、いずれも薄板からなる当接ディスク38、小径ディスク39、ディスクバルブ40を構成する単体ディスク、ディスクバルブ42を構成する単体ディスクおよび小径ディスク43を構成する単体ディスクよりも厚さが厚く高剛性となっている。
当接ディスク38は、円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。当接ディスク38は、外径が規制部材37の外径よりも大径となっている。小径ディスク39は、円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。小径ディスク39は、外径が規制部材37の外径よりも小径となっている。
ディスクバルブ40は、これを構成する単体ディスクがいずれも円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。ディスクバルブ40は、軸方向のピストン本体41側ほど外径が大径となっている。ディスクバルブ40は、軸方向のピストン本体41側の端部の外径である最大外径が当接ディスク38の外径よりも大径となっており、軸方向の小径ディスク39側の端部の外径である最小外径が小径ディスク39の外径よりも大径となっている。
ピストン本体41は、その径方向の中央に、ピストンロッド21の取付軸部32を嵌合させる嵌合孔50が軸方向に貫通するように形成されて円環状をなしている。また、ピストン本体41には、径方向の嵌合孔50よりも外側にて軸方向に延在する直線状の通路51と、径方向の嵌合孔50よりも外側にて軸方向に延在する直線状の通路52とが形成されている。通路51はピストン本体41にその周方向に等間隔で複数カ所(図面は断面とした関係上一カ所のみ図示)形成されており、通路52もピストン本体41にその周方向に等間隔で複数カ所(図面は断面とした関係上一カ所のみ図示)形成されている。通路51と通路52とはピストン本体41の周方向に交互に配置されている。
また、ピストン本体41には、軸方向のディスクバルブ40側の端部で複数の通路51を連通させるようにピストン本体41の全周にわたって環状をなす環状通路53と、軸方向のディスクバルブ42側の端部で複数の通路52を繋ぐようにピストン本体41の全周にわたって環状をなす環状通路54とが形成されている。
環状通路53が形成されることで、ピストン本体41の軸方向のディスクバルブ40側の端部には、ピストン本体41の径方向において環状通路53よりも内側の環状のクランプシート56と環状通路53よりも外側の環状の当接シート57とがいずれもピストン本体41の軸方向に突出して形成されている。言い換えれば、ピストン本体41のディスクバルブ40側には、環状の当接シート57と、当接シート57の径方向内側の環状のクランプシート56とが軸方向に突設されている。複数の通路52は、ディスクバルブ40側の開口部が、ディスクバルブ42側の開口部よりも径方向外側に位置しており、当接シート57よりも径方向外側に開口している。
ディスクバルブ40は、軸方向のピストン本体41側の端部の外径である最大外径が当接シート57のディスクバルブ40側の端面の外径とほぼ同径となっている。よって、ディスクバルブ40は、クランプシート56および当接シート57に着座可能に載置されている。ディスクバルブ40は、当接シート57に対しては離着座可能となっている。当接ディスク38は、ディスクバルブ40の当接シート57からの離座時の所定以上の変形をこれに当接して規制する。ディスクバルブ40には、当接シート57に当接した状態でも上室17と環状通路53とを連通させる固定オリフィス58が形成されている。
環状通路54が形成されることで、ピストン本体41の軸方向のディスクバルブ42側の端部には、ピストン本体41の径方向において環状通路54よりも内側のクランプシート61と環状通路54よりも外側の当接シート62とがいずれもピストン本体41の軸方向に突出して設けられている。言い換えれば、ピストン本体41のディスクバルブ42側には、環状の当接シート62と、当接シート62の径方向内側の環状のクランプシート61とが軸方向に突設されている。
ディスクバルブ42は、これを構成する単体ディスクがいずれも円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。ディスクバルブ42は、軸方向のピストン本体41側ほど外径が大径となっている。ディスクバルブ42は、軸方向のピストン本体41側の端部の外径である最大外径が当接シート62のディスクバルブ42側の端面の外径より若干大径となっており、クランプシート61および当接シート62に着座可能に載置されている。ディスクバルブ42は、当接シート62に対しては離着座可能となっている。ディスクバルブ42には、当接シート62に当接した状態でも環状通路54をディスクバルブ42よりも外側に連通させる固定オリフィス63が形成されている。小径ディスク43は、これを構成する単体ディスクがいずれも円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。小径ディスク43は、外径がディスクバルブ42の小径ディスク43側の端部の外径である最小外径よりも小径となっている。
ピストン本体41には、その外周部に、軸方向のディスクバルブ40側に偏って装着ベース部65が形成されており、この装着ベース部65に摺接部材44が装着されている。ピストン本体41の外周部には、装着ベース部65よりも軸方向のディスクバルブ42側に装着ベース部65よりも小径の嵌合部66が形成されている。嵌合部66は、円筒状の外周嵌合面67と外周嵌合面67から径方向内方に凹む円環状のシール溝68とを有している。嵌合部66は、ピストン本体41における軸方向のクランプシート61および当接シート62側に設けられており、外周嵌合面67がピストン本体41における径方向の当接シート62よりも外周側に設けられている。複数の通路51は、ディスクバルブ40とは反対側の開口部が、ディスクバルブ40側の開口部よりも径方向外側に位置しており、当接シート62よりも径方向外側にある装着ベース部65と嵌合部66との間位置に開口している。
ピストン16は、さらに、軸方向の軸段部33側から順に、バルブ本体71と、ガイドディスク72およびディスクバルブ73と、複数枚の単体ディスクが積層されて構成される支持ディスク74と、付勢ディスク78(付勢手段)と、当接ディスク75と、規制部材76とを有している。これらバルブ本体71、ガイドディスク72、ディスクバルブ73、支持ディスク74、付勢ディスク78、当接ディスク75および規制部材76は、いずれも金属製である。規制部材76は、いずれも薄板からなるガイドディスク72、ディスクバルブ73、支持ディスク74を構成する単体ディスク、付勢ディスク78および当接ディスク75よりも厚さが厚く高剛性となっている。付勢ディスク78は、ガイドディスク72、ディスクバルブ73、支持ディスク74を構成する単体ディスクおよび当接ディスク75よりも厚さが薄く低剛性となっている。
また、ピストン16は、ピストン本体41とバルブ本体71との間に介装されるゴム製のシール部材77を有している。
バルブ本体71は、円筒状の筒部81と、筒部81の軸方向一端の径方向内側に設けられた底部82とを有する有底筒状をなしている。底部82は、筒部81の軸直交方向に広がって設けられている。筒部81と底部82との間には、内角位置にR面取り83が設けられている。R面取り83は、底部82側ほど小径となっており、筒部81と底部82とを滑らかに繋いでいる。
バルブ本体71には、その径方向の中央である底部82の中央に、ピストンロッド21の取付軸部32を嵌合させる嵌合孔85が軸方向に貫通するように形成されている。また、底部82には、径方向の嵌合孔85よりも外側且つR面取り83よりも内側にて底部82の内部を軸方向に貫通する複数の通路86が軸方向の筒部81側に形成されている。複数の通路86は底部82に周方向に等間隔で形成されている。複数の通路86は、ピストン本体41側となる軸方向の筒部81側の開口位置に筒部81側ほど大径となるテーパ部87が設けられており、軸方向の筒部81とは反対側が軸方向位置によらず一定内径の一定内径部88となっている。底部82には、軸方向の筒部81とは反対側に、複数の通路86を連通させるようにバルブ本体71の全周にわたって環状をなす環状通路91が形成されている。
環状通路91が形成されることで、バルブ本体71の軸方向のピストン本体41とは反対側の端部には、バルブ本体71の径方向において環状通路91よりも内側の環状のクランプシート92と環状通路91よりも外側の環状の外側シート93とがいずれもバルブ本体71の軸方向に突出して形成されている。言い換えれば、バルブ本体71には、ピストン本体41とは反対側に、環状の外側シート93と、外側シート93の径方向内側の環状のクランプシート92とが軸方向に突設されている。
図3は、図2に対し、ピストン16およびピストンロッド21を上下反転し部分的に拡大した図である。図3に示すように、クランプシート92は突出方向先端のシート面201がバルブ本体71の中心軸に対して直交する平坦面となっている。同様に、外側シート93は突出方向先端のシート面202がバルブ本体71の中心軸に対して直交する平坦面となっている。シート面201およびシート面202は、いずれも外周および内周が同心円となる円環状となっている。そして、バルブ本体71の軸方向において、シート面202がシート面201よりも外側に配置されている。つまり、バルブ本体71の軸方向において、外側シート93はクランプシート92よりもバルブ本体71からの突出量が大きくなっている。
バルブ本体71には、外側シート93の外周側に、外側シート93をバルブ本体71の径方向の外側で囲むように環状の拘束突起211が軸方向に突設されている。拘束突起211は、バルブ本体71の軸方向において外側シート93よりもバルブ本体71からの突出量が大きくなっている。拘束突起211は、バルブ本体71の周方向の全周にわたって連続的に形成されており、外側シート93と中心軸が一致する円環状となっている。
バルブ本体71には、その径方向における拘束突起211と外側シート93との間に、バルブ本体71の軸方向において外側シート93のシート面202よりも凹む環状の凹部212が形成されている。凹部212も、バルブ本体71の周方向の全周にわたって連続的に形成されており、外側シート93および拘束突起211と中心軸が一致する円環状をなしている。
凹部212と拘束突起211とは、拘束突起211の突出方向の先端側ほど大径となるテーパ面213で繋がっている。つまり、テーパ面213は、凹部212および拘束突起211の両方を構成している。拘束突起211の突出先端側の先端面214は、バルブ本体71の中心軸に対して直交する平坦面となっており、外周および内周が同心円となる円環状となっている。バルブ本体71の軸方向において、先端面214は、シート面202よりも外側に配置されている。
図2に示すように、バルブ本体71には、筒部81の底部82とは反対側の外周部に底部82から離れるほど小径となるテーパ部95が設けられており、底部82の外周部に、筒部81から離れるほど小径となるテーパ部96が設けられている。テーパ部96は小径側の一部が拘束突起211を形成している。バルブ本体71は、底部82が、ディスクバルブ42の当接シート62からの離座時の所定以上の変形をこれに当接して規制する。
ガイドディスク72は、環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。ガイドディスク72には、外周部に周方向に間隔をあけて複数の切欠101が形成されている。ガイドディスク72は、最大外径が、クランプシート92のガイドディスク72側の端面の外径よりも大径で、外側シート93のディスクバルブ73側の端面の内径よりも小径となっている。支持ディスク74は、これを構成する単体ディスクがいずれも円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。支持ディスク74は、これを構成する単体ディスクの外径がガイドディスク72の最大外径よりも大径となっている。
付勢ディスク78は、板状であり、図4に示すように、円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させるベース板部231と、ベース板部231の周方向の等間隔位置から径方向外方に、図3に示すように径方向外側ほど軸方向一側に位置するように傾斜して延出する複数具体的には三カ所の脚板部232と、すべての脚板部232のそれぞれのベース板部とは反対の先端側からベース板部231の径方向においてベース板部231から離れる方向に延出する当接板部233と、を有している。
三カ所の脚板部232は、それぞれベース板部231からその径方向外方に延出するほどベース板部231の円周方向における幅が狭くなるように等脚台形状に形成されている。三カ所の当接板部233も、それぞれ対応する脚板部232からベース板部231の径方向外方に延出するほどベース板部231の円周方向における幅が狭くなるように半円状に形成されている。付勢ディスク78は、外力が加わらない自然状態にあるとき、三カ所の当接板部233がベース板部231と平行をなし、これらに対して三カ所の脚板部232が傾斜する。ベース板部231の外径は、支持ディスク74の外径よりも大径であり、三カ所の当接板部233の外接円の直径は、ディスクバルブ73の外径よりも若干小径となっている。
図2に示すように、当接ディスク75は、円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させている。当接ディスク75は、外径が支持ディスク74の外径よりも大径であり、付勢ディスク78の三カ所の当接板部233の外接円の直径よりも若干小径になっている。規制部材76は、円環状をなして取付軸部32を内周側に嵌合させており、外径が支持ディスク74の外径よりも大径且つ当接ディスク75の外径よりも小径となっている。
ディスクバルブ73は、変形しない自然状態にあるとき平板状であり、図2に示すようにピストン16に組み付けられた状態でテーパ状に弾性変形する。ディスクバルブ73は、外周および内周が同心円となる円環状をなしている。図3に示すように、ディスクバルブ73は、その内径が、ガイドディスク72の最大外径よりも若干大径であって支持ディスク74の外径よりも小径となっており、その外径が、バルブ本体71の外側シート93のシート面202の外径よりも大径であって拘束突起211の先端面214の内径よりも小径となっている。
ディスクバルブ73は、軸方向一側の一側面が外側シート93に離着座可能に載置されており、軸方向逆側の他側面が支持ディスク74の外周側かつ軸方向のディスクバルブ73側の内側シート241に当接可能に載置されている。内側シート241は、その外径が、外側シート93のシート面202の内径よりも小径となっており、ディスクバルブ73は、外周側が外側シート93に当接し、内周側が内側シート241に当接する。付勢ディスク78は、弾性変形しつつ複数の当接板部233においてディスクバルブ73の外周側に当接する。高剛性の規制部材76に当接する当接ディスク75は、ディスクバルブ73の外側シート93からの離座時の所定以上の変形を付勢ディスク78の当接板部233に当接して規制する。
ピストン16をピストンロッド21に組み付ける場合、ピストンロッド21を、その取付軸部32が図2に示す主軸部31よりも上側に位置する姿勢で鉛直に配置する。そして、このピストンロッド21に、取付軸部32をそれぞれの内側に挿通させながら、規制部材37と、当接ディスク38と、小径ディスク39と、ディスクバルブ40と、摺接部材44およびシール部材77が設けられたピストン本体41と、ディスクバルブ42と、小径ディスク43と、バルブ本体71と、ガイドディスク72とを、この順に、軸段部33に重ねる。その際に、予めシール溝68にシール部材77が配置された状態のピストン本体41の嵌合部66にバルブ本体71の筒部81を嵌合させる。この状態で、規制部材37、当接ディスク38、小径ディスク39、ディスクバルブ40、ピストン本体41、ディスクバルブ42、小径ディスク43、バルブ本体71およびガイドディスク72は、取付軸部32によってピストンロッド21に対しその径方向に移動不可に拘束される。
次に、ピストンロッド21の取付軸部32を内側に挿通させながら、ディスクバルブ73をバルブ本体71に重ねる。このとき、ディスクバルブ73は、変形せず平板状の自然状態にある。ディスクバルブ73は、自然状態での外径が、外側シート93のシート面202の外径よりも大径であり、バルブ本体71の軸方向おけるシート面202の高さ位置でのテーパ面213の内径と同等になっている。言い換えれば、ディスクバルブ73は、自然状態での外径が、テーパ面213の最大内径よりも小径で、テーパ面213の最小内径よりも大径となっている。ディスクバルブ73は、自然状態での内径が、ガイドディスク72の最大外径よりも若干大径となっている。
バルブ本体71の軸方向おけるクランプシート92のシート面201と外側シート93のシート面202との距離は、ガイドディスク72の厚さと同等になっている。また、バルブ本体71の軸方向おける外側シート93のシート面202と拘束突起211の先端面214との距離は、自然状態にあるディスクバルブ73の厚さの1/2以上となっている。
自然状態にあるディスクバルブ73は、上記したように、その外径が、バルブ本体71の軸方向おけるシート面202の高さ位置のテーパ面213の内径と同等になっている。このため、ディスクバルブ73は、外側シート93のシート面202に載置されると、拘束突起211の内側に嵌合する。この状態で、ディスクバルブ73は、拘束突起211によって外周が拘束されてバルブ本体71に対する径方向の移動が規制される。すなわち、拘束突起211がディスクバルブ73の外周を拘束して、これを径方向に位置決めする。ディスクバルブ73は、バルブ本体71に対する径方向の移動が規制されたピストンロッド21に対しても、その径方向に移動不可に拘束され、ピストンロッド21に対する径方向の移動が規制されたガイドディスク72に対しても、その径方向に移動不可に拘束される。
ここで、ガイドディスク72の厚さは、バルブ本体71の軸方向おけるクランプシート92のシート面201と外側シート93のシート面202との距離と同等になっているため、ディスクバルブ73をシート面202に重ねただけでは、ガイドディスク72がディスクバルブ73の内周側に嵌合することは基本的になく、嵌合しても微小長さとなる。このため、ピストンロッド21に嵌合されたガイドディスク72によるディスクバルブ73の径方向の移動の規制は基本的になく、あっても極僅かであって拘束力は不十分となる。よって、拘束突起211がなければ、ディスクバルブ73は、バルブ本体71の径方向に拘束されなくなってしまうが、拘束突起211があることによって、バルブ本体71の径方向に拘束される。
このようにバルブ本体71に重ねられたディスクバルブ73に、取付軸部32をそれぞれの内側に挿通させながら、図3に示す支持ディスク74と、付勢ディスク78と、当接ディスク75と、規制部材76とを、この順に、重ねる。このとき、付勢ディスク78は、ベース板部231において支持ディスク74に重ねられ、ベース板部231からベース板部231の軸方向においてディスクバルブ73に近づくように複数の脚板部232が延出する。これら支持ディスク74、付勢ディスク78、当接ディスク75および規制部材76は取付軸部32によってピストンロッド21に対しその径方向の移動が規制されて拘束される。
このように部品を配置した状態で、規制部材76よりも突出する取付軸部32のオネジ34にナット35を螺合させる。これにより、図2に示すように、規制部材37と、当接ディスク38と、小径ディスク39と、ディスクバルブ40と、ピストン本体41と、ディスクバルブ42と、小径ディスク43と、バルブ本体71と、ガイドディスク72と、支持ディスク74と、付勢ディスク78と、当接ディスク75と、規制部材76とは、それぞれ内周側または全部がピストンロッド21の軸段部33とナット35とに挟持されて軸方向にクランプされ、これらに軸力が加わる。その際に、ディスクバルブ73は、軸方向にクランプされることはない。ナット35は、汎用の六角ナットである。
ここで、ナット35およびピストンロッド21によるピストン16のクランプ前に、内側にガイドディスク72を入り込ませていなかったディスクバルブ73は、クランプ後には、内周側が支持ディスク74のディスクバルブ73側かつ外周側の内側シート241に当接して内側シート241に押圧されることになり、外周側の軸方向移動が外側シート93で規制されていることからテーパ状に弾性変形しながら、その内側にガイドディスク72を入り込ませる状態となる。よって、上記のようにピストン16に軸力が加わった状態で、ディスクバルブ73は、内側にあるガイドディスク72で内周側が拘束されて径方向の移動が規制された状態となる。
また、ピストン16に軸力が加わった状態で、付勢ディスク78は、内周側のベース板部231において軸方向にクランプされてバルブ本体71に対する軸方向の移動が規制された状態となる。また、この状態で、付勢ディスク78は、すべての当接板部233がディスクバルブ73の軸方向の内側シート241側の面の外周側に当接して、すべての脚板部232が弾性変形する。これにより、付勢ディスク78は、ディスクバルブ73の軸方向の内側シート241側の面の外周側に当接して、この外周側を外側シート93に向けて付勢するプリロードを発生させる。
このようにしてピストンロッド21に取り付けられた状態のピストン16は、その支持ディスク74の内側シート241と外側シート93との軸方向の最小距離が、ディスクバルブ73の軸方向厚さよりも短くなっている。このため、ディスクバルブ73は、上記のように変形しながらの内側シート241と外側シート93とに当接する。これにより、ディスクバルブ73は、その環状通路91側と下室18側とに圧力差がないとき、内周側が自身の弾性変形により生じるセット荷重をもって全周にわたって内側シート241に当接し、外周側が自身の弾性変形と付勢ディスク78の弾性変形とにより生じるセット荷重をもって全周にわたって外側シート93に当接する。これにより、環状通路91と下室18との連通を遮断する。
この状態から環状通路91の圧力がセット荷重分を超えて下室18の圧力よりも高くなると、ディスクバルブ73は、支持ディスク74の内側シート241を支点に撓んで外周側が付勢ディスク78を弾性変形させながら外側シート93から離れて開弁し、環状通路91と下室18とを連通させる。ディスクバルブ73は、このように環状通路91の油液の圧力を受けて開弁して減衰力を発生させる。その際に、ディスクバルブ73は、内周側が全周にわたって支持ディスク74の内側シート241に当接した状態のまま、内周縁部が、切欠101が周方向に断続的に複数形成されたガイドディスク72の外周部に案内されて径方向移動が抑制されながら支持ディスク74から離れる方向に移動する。
ディスクバルブ73は、このように、その内周側が、両面側からクランプされずに片面側のみ支持ディスク74に支持される単純支持構造となっている。
図2に示すように、ピストンロッド21に取り付けられた状態のピストン16は、ピストン本体41の当接シート62よりも外周側に円筒状の外周嵌合面67を有する嵌合部66と、バルブ本体71の円筒状の内周嵌合面107を有する筒部81とがシール部材77を介して嵌合されている。このとき、嵌合部66の外周嵌合面67と筒部81の内周嵌合面107とが軸方向位置を重ね合わせて径方向に対向しており、嵌合部66のシール溝68の軸方向の全長を筒部81の内周嵌合面107が軸方向に横断している。
ここで、筒部81の内周嵌合面107の内径は、嵌合部66の外周嵌合面67の外径よりも大きく、よって、筒部81と嵌合部66とが径方向に隙間をもって嵌合可能となっている。また、内周嵌合面107の内径は、シール溝68に配置されたシール部材77の筒部81への嵌合前の外径よりも小さくなっており、よって、シール溝68に配置されたシール部材77は外径が縮径した状態で筒部81に嵌合する。これにより、嵌合部66と筒部81とは、シール部材77を介して液密的に嵌合する。その結果、ピストン本体41とバルブ本体71との間の内部の中間通路108が、嵌合部66と筒部81との嵌合のための隙間を介して下室18に連通してしまうことを規制する。
また、ピストンロッド21に取り付けられた状態のピストン16は、そのバルブ本体71の筒部81が、ピストン本体41の装着ベース部65から軸方向に離間しており、筒部81のテーパ部95は複数の通路51の方向に向いている。
ピストン本体41の複数の通路51は、ピストン本体41の軸線方向における上室17側が径方向内側に、軸線方向における下室18側が径方向外側に、それぞれ開口している。そして、これらの通路51の上室17側を結ぶように環状通路53が形成されている。環状通路53の径方向両側のクランプシート56および当接シート57と、環状通路53を閉塞するようにクランプシート56および当接シート57に着座可能に載置されたディスクバルブ40とが減衰力発生機構111を構成している。減衰力発生機構111は、ピストン本体41の軸方向の一端側である上室17側に配置されて、ピストンロッド21に取り付けられている。
減衰力発生機構111は、上室17から環状通路53および複数の通路51を介する下室18側への油液の流れに対しては閉状態を維持する一方、下室18から複数の通路51および環状通路53を介する上室17側への油液の流れに対して開くものであり、よって、複数の通路51および環状通路53は、ピストンロッド21およびピストン16が縮み側に移動するときに油液が通過する縮み側の通路となっている。つまり、複数の通路51および環状通路53は、縮み行程でのピストン16の摺動により、下室18から上室17に向けて油液が流れ出す縮側通路117(通路)となっている。縮側通路117はピストン本体41の内部を軸方向に貫通している。そして、縮側通路117に対して設けられた減衰力発生機構111は、縮側通路117の油液の流れを抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体41の複数の通路52は、ピストン本体41の軸線方向における上室17側が径方向外側に、軸線方向における中間通路108側が径方向内側に、それぞれ開口している。そして、これらの通路52の中間通路108側を結ぶように環状通路54が形成されている。また、バルブ本体71の複数の通路86は中間通路108内に開口しており、バルブ本体71の複数の通路86を繋ぐ環状通路91は下室18側に配置されている。
環状通路54の径方向両側のクランプシート61および当接シート62と、環状通路54を閉塞するようにクランプシート61および当接シート62に着座可能に載置されたディスクバルブ42とが減衰バルブ113を構成しており、クランプシート61および当接シート62を含むピストン本体41がこの減衰バルブ113の本体部分となっている。減衰バルブ113は、ピストン本体41の軸方向の他端側である中間通路108側に配置されてピストンロッド21に取り付けられている。
環状通路91の径方向外側の外側シート93と、環状通路91を閉塞するように外側シート93に着座可能に載置されたディスクバルブ73と、環状通路91を閉塞するようにディスクバルブ73を着座させる支持ディスク74と、ディスクバルブ73を付勢する付勢ディスク78とが減衰バルブ114を構成しており、外側シート93を含むバルブ本体71がこの減衰バルブ114の本体部分となっている。減衰バルブ114は、バルブ本体71の軸方向のピストン本体41とは反対側である下室18側に配置されてピストンロッド21に取り付けられている。
そして、減衰バルブ113および減衰バルブ114が、減衰力発生機構115を構成している。
減衰力発生機構115の減衰バルブ113は、中間通路108から環状通路54および複数の通路52を介する上室17側への油液の流れに対しては閉状態を維持する一方、上室17から複数の通路52および環状通路54を介する中間通路108側への油液の流れに対して開くものである。減衰バルブ114は、中間通路108から複数の通路86および環状通路91を介する下室18側への油液の流れに対して開くものである。よって、複数の通路52、環状通路54、中間通路108、複数の通路86および環状通路91は、ピストンロッド21およびピストン16が伸び側に移動するときに油液が通過する伸び側の通路となっている。つまり、複数の通路52、環状通路54、中間通路108、複数の通路86および環状通路91は、伸び行程でのピストン16の摺動により、上室17から下室18に向けて油液が流れ出す伸側通路118(通路)となっている。伸側通路118はピストン本体41およびバルブ本体71の内部を軸方向に貫通している。バルブ本体71の環状の外側シート93は、伸側通路118の一端開口を囲んでいる。そして、伸側通路118に対して設けられた減衰力発生機構115は、伸側通路118の油液の流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構となっている。
複数の縮側通路117および伸側通路118は、いずれも、ピストン16の内筒3内での摺動により作動流体である油液が流れ出す通路であり、これら縮側通路117および伸側通路118の一部である伸側通路118に、伸側通路118の油液の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構115が設けられている。減衰力発生機構111,115を構成するピストン本体41には、伸側通路118の一部である複数の通路51および環状通路53が内部を軸方向に貫通して形成されており、減衰力発生機構115を構成するバルブ本体71には、伸側通路118の一部である複数の通路86および環状通路91が内部を軸方向に貫通して形成されている。上室17の油液が下室18に向けて流れ出す伸側通路118に減衰バルブ113と減衰バルブ114とが直列に設けられている。
図1に示すように、外筒4の底部材12と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、下室18とリザーバ室6とを仕切るベースバルブ部材131と、このベースバルブ部材131の下側つまりリザーバ室6側に設けられた減衰バルブ132と、ベースバルブ部材131の上側つまり下室18側に設けられたサクションバルブ133と、ベースバルブ部材131に減衰バルブ132およびサクションバルブ133を取り付ける取付ピン134とを有している。
ベースバルブ部材131は、円環状をなしており、内周側に取付ピン134が嵌合されている。ベースバルブ部材131には、下室18とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路135と、これら通路135の径方向の外側にて、下室18とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路136とが形成されている。リザーバ室6側の減衰バルブ132は、下室18から通路135を介するリザーバ室6への油液の流れを許容する一方でリザーバ室6から下室18への通路135を介する油液の流れを抑制する。サクションバルブ133は、リザーバ室6から通路136を介する下室18への油液の流れを許容する一方で下室18からリザーバ室6への通路136を介する油液の流れを抑制する。
減衰バルブ132は、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室18からリザーバ室6に油液を流すとともに減衰力を発生させる。サクションバルブ133は、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室18内に油液を流す。なお、サクションバルブ133は、主としてピストンロッド21の内筒3からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室18に実質的に減衰力を発生させることなく液を流す機能を果たす。
第1実施形態の緩衝器1において、伸び行程では、ピストン16の移動により上室17の圧力が高くなるとともに下室18の圧力が低くなり、上室17の油液が、伸側通路118を介して下室18側に流れようとする。ピストン16の移動速度であるピストン速度が極低速のとき、上室17の油液は、伸側通路118を構成する複数の通路52および環状通路54から、減衰バルブ113を構成するディスクバルブ42を当接シート62に当接させた状態のまま、ディスクバルブ42に形成された固定オリフィス63を流れ、伸側通路118を構成する中間通路108、複数の通路86および環状通路91を流れて、減衰バルブ114を構成するディスクバルブ73を外側シート93から離間させながらディスクバルブ73と外側シート93との隙間を介して下室18に流れる。これにより、減衰バルブ114のディスクバルブ73および外側シート93が伸側通路118の油液の流れを抑制してバルブ特性の減衰力を発生させる。このとき、ディスクバルブ73は、支持ディスク74の外周側の内側シート241を支点に撓んで外周側が、自身のバネ力および付勢ディスク78のバネ力に抗して変形して外側シート93から離れ、その際に、内周側が全周にわたって支持ディスク74の内側シート241に当接した状態のまま、内周縁部が、ガイドディスク72の外周部に案内されて径方向移動が抑制されながら支持ディスク74から離れる方向に移動する。
また、ピストン速度が上記よりも速くなると、上室17の油液は、複数の通路52および環状通路54から減衰バルブ113を構成するディスクバルブ42を当接シート62から離間させながら、ディスクバルブ42と当接シート62との隙間を介して中間通路108に流れ、中間通路108、複数の通路86および環状通路91を介して、減衰バルブ114を構成するディスクバルブ73を外側シート93から離間させながら、ディスクバルブ73と外側シート93との隙間を介して下室18に流れる。これにより、減衰バルブ113のディスクバルブ42および当接シート62と、減衰バルブ114のディスクバルブ73および外側シート93とが伸側通路118の油液の流れを抑制してバルブ特性の減衰力を発生させる。
縮み行程では、ピストン16の移動により下室18の圧力が高くなるとともに上室17の圧力が低くなり、下室18の油液が、縮側通路117を介して上室17側に流れる。ピストン速度が低速のとき、下室18の油液は、縮側通路117から、減衰力発生機構111を構成するディスクバルブ40を当接シート57に当接させた状態のまま、ディスクバルブ40に形成された固定オリフィス58を介して上室17側に流れ、減衰力発生機構111の固定オリフィス58が縮側通路117の油液の流れを抑制してオリフィス特性の減衰力を発生させる。また、ピストン速度が上昇すると、下室18から縮側通路117に導入された油液が、ディスクバルブ40を開きながらディスクバルブ40と当接シート57との間を通って上室17に流れ、減衰力発生機構111のディスクバルブ40および当接シート57が縮側通路117の油液の流れを抑制してバルブ特性の減衰力を発生させる。
上記した特許文献1には、伸側行程および縮側行程のどちらでも開く内外周単純支持のディスクバルブを用いた緩衝器が記載されている。このディスクバルブは、減衰力特性を容易にチューニングすることができない。
これに対して、第1実施形態の緩衝器1は、ディスクバルブ73の内側シート241側に、ディスクバルブ73の外周側を外側シート93に向けて付勢する付勢ディスク78が設けられているため、付勢ディスク78を設けない場合と比べて、減衰力をハードにすることができる。また、付勢ディスク78を剛性が異なりバネ特性が異なるものに変更することで、減衰力特性をさらに変更することができる。したがって、減衰力特性を容易にチューニングすることができる。例えば、伸側と縮側とで同じディスクバルブ73を用いた場合、付勢ディスク78を設けなければ、図5(a)に示すように伸圧比が同じとなり(A=B)、伸側のディスクバルブ73のみに付勢ディスク78を設けることで、図5(b)に示すように伸側の減衰力を縮側の減衰力もハードにするように伸圧比をチューニングすることができる(A’>A=B)。
また、ディスクバルブ73の外周側を外側シート93に向けて付勢する部材として、内周側がクランプされる板状の付勢ディスク78を用いるため、コスト増を抑制しつつ、付勢ディスク78により安定したバネ力でディスクバルブ73を付勢することができる。
ここで、第1実施形態において、上記とは逆に、バルブ本体71の筒部81に内周嵌合面107から径方向外方に凹む環状のシール溝を形成し、このシール溝にシール部材を配置して、これらにピストン本体41のシール溝のない嵌合部66を嵌合させても良い。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図6に示すように、第2実施形態では、ピストン16Aが第1実施形態のピストン16とは一部異なっている。ピストン16Aは、第1実施形態のピストン本体41をほぼ二分割した形状のいずれも金属製のピストン本体41Aとピストン本体41Bとを有している。つまり、ピストン16Aは、ピストン本体41Aと、ピストン本体41Bと、第1実施形態と同様のバルブ本体71とを有している。
ピストン16Aは、いずれも第1実施形態と同様の規制部材37、当接ディスク38、小径ディスク39およびディスクバルブ40を有しており、ディスクバルブ40にピストン本体41Aが重ねられ、ピストン本体41Aのディスクバルブ40とは反対側にピストン本体41Bが重ねられている。
ピストン本体41Aは、その径方向の中央に、ピストンロッド21の取付軸部32を嵌合させる嵌合孔50Aが軸方向に貫通するように形成されて円環状をなしている。また、ピストン本体41Aには、径方向の嵌合孔50Aよりも外側にて軸方向に延在する屈曲形状の通路51Aと、径方向の嵌合孔50Aよりも外側にて軸方向に延在する屈曲形状の通路52Aとが形成されている。図6では断面とした関係上一カ所のみ図示しているが、通路51Aおよび通路52Aは、いずれもピストン本体41Aに周方向に複数カ所形成されており、ピストン本体41Aの周方向に交互に配置されている。
また、ピストン本体41Aには、軸方向のディスクバルブ40側の端部に、複数の通路51Aを連通させる第1実施形態と同様の環状通路53と、その径方向内側のクランプシート56と、環状通路53の径方向外側の当接シート57とが形成されている。複数の通路52Aは、ディスクバルブ40側の開口部が、ディスクバルブ40とは反対側の開口部よりも径方向外側に位置しており、当接シート57よりも径方向外側に開口している。
また、ピストン本体41Aには、軸方向のディスクバルブ40とは反対側の端部で複数の通路52Aを繋ぐようにピストン本体41Aの全周にわたって環状をなす環状通路54Aが形成されている。環状通路54Aが形成されることで、ピストン本体41Aの軸方向のディスクバルブ40とは反対側の端部には、ピストン本体41Aの径方向において環状通路54Aよりも内側の内側当接部61Aと環状通路54Aよりも外側の外側当接部62Aとがいずれもピストン本体41Aの軸方向に突出して設けられている。複数の通路51Aは、ディスクバルブ40とは反対側の開口部が、ディスクバルブ40側の開口部よりも径方向外側に位置しており、外側当接部62Aよりも径方向外側に開口している。
ピストン本体41Aは、焼結により成形されるものであり、軸方向の中央に対して両側が同じ形状となっており、表裏の区別がない。つまり、軸方向のいずれの向きでもピストンロッド21に取り付けることができる。
ピストン本体41Bは、その径方向の中央に、ピストンロッド21の取付軸部32を嵌合させる嵌合孔50Bが軸方向に貫通するように形成されて円環状をなしている。また、ピストン本体41Bには、径方向の嵌合孔50Bよりも外側にて軸方向に延在する複数の通路51Bが周方向に等間隔で形成されている。
また、ピストン本体41Bには、軸方向のピストン本体41A側の端部で複数の通路51Bを繋ぐようにピストン本体41Bの全周にわたって環状をなす環状通路53Bが形成されている。環状通路53Bが形成されることで、ピストン本体41Bの軸方向のピストン本体41A側の端部には、ピストン本体41Bの径方向において環状通路53Bよりも内側の内側当接部56Bと環状通路53Bよりも外側の外側当接部57Bとが設けられている。
また、ピストン本体41Bには、軸方向のピストン本体41Aとは反対側の端部に、複数の通路51Bを連通させる第1実施形態と同様の環状通路54と、その径方向内側のクランプシート61と、環状通路54の径方向外側の当接シート62とが形成されている。
ピストン本体41Aには、その外周部に、摺接部材44が装着される第1実施形態と同様の装着ベース部65が形成されており、ピストン本体41Bには、その外周部に、外周嵌合面67と外周嵌合面67から径方向内方に凹むシール溝68とを有する第1実施形態と同様の嵌合部66が形成されている。嵌合部66は、その外周嵌合面67がピストン本体41Bの径方向における当接シート62よりも外周側に設けられている。嵌合部66のシール溝68には、第1実施形態と同様のシール部材77が配置されている。
ピストン16Aは、いずれも第1実施形態と同様のディスクバルブ42、小径ディスク43、バルブ本体71、ガイドディスク72、ディスクバルブ73、支持ディスク74、付勢ディスク78、当接ディスク75および規制部材76を有している。
ピストン16Aをピストンロッド21に組み付ける場合、ピストンロッド21には、取付軸部32をそれぞれの内側に挿通させた状態で、規制部材37と、当接ディスク38と、小径ディスク39と、ディスクバルブ40と、摺接部材44が設けられたピストン本体41Aと、シール部材77が設けられたピストン本体41Bと、ディスクバルブ42と、小径ディスク43と、バルブ本体71と、ガイドディスク72とが、この順に、軸段部33に重ねられる。その際に、ピストン本体41Aおよびピストン本体41Bは、内側当接部61Aと内側当接部56Bとを全周にわたって当接させ、外側当接部62Aと外側当接部57Bとを全周にわたって当接させることになる。この状態で、環状通路54Aと環状通路53Bとが連通する。また、この状態で、予めシール溝68にシール部材77が配置された状態のピストン本体41Bの嵌合部66にバルブ本体71の筒部81を嵌合させる。
また、取付軸部32を内側に挿通させた状態で、ディスクバルブ73がバルブ本体71の外側シート93に重ねられる。さらに、取付軸部32をそれぞれの内側に挿通させた状態で、支持ディスク74、付勢ディスク78、当接ディスク75、規制部材76が、ガイドディスク72およびディスクバルブ73に、この順に、重ねられる。
このように部品が配置された状態で、規制部材76よりも突出する取付軸部32のオネジ34にナット35が螺合される。これにより、規制部材37と、当接ディスク38と、小径ディスク39と、ディスクバルブ40と、摺接部材44が設けられたピストン本体41Aと、シール部材77が設けられたピストン本体41Bと、ディスクバルブ42と、小径ディスク43と、バルブ本体71と、ガイドディスク72と、支持ディスク74と、付勢ディスク78と、当接ディスク75と、規制部材76とは、それぞれ内周側または全部がピストンロッド21の軸段部33とナット35とに挟持されて軸方向にクランプされる。その際に、ディスクバルブ73は、軸方向にクランプされることはなく、支持ディスク74の内側シート241に当接し、支持ディスク74で押圧されて弾性変形して、その内側にガイドディスク72を嵌合させる。
このように軸方向にクランプされることで、ピストン本体41Aおよびピストン本体41Bは、内側当接部61Aと内側当接部56Bとが全周にわたって隙間なく密着し、外側当接部62Aと外側当接部57Bとが全周にわたって隙間なく密着することになる。言い換えれば、内側当接部61Aと内側当接部56Bとの間が全周にわたって密封され、外側当接部62Aと外側当接部57Bとの間が全周にわたって密封される。つまり、ピストン本体41Aおよびピストン本体41Bの環状通路54A,53Bからの油液の漏れが規制される。
このようにしてピストンロッド21に取り付けられた状態のピストン16Aは、嵌合部66と筒部81とが、シール部材77を介して液密的に嵌合し、嵌合部66と筒部81との隙間を介して、ピストン本体41Bとバルブ本体71との間の中間通路108が下室18に連通するのを規制する。また、バルブ本体71の筒部81のテーパ部95がピストン本体41Aの複数の通路51Aの方向に向いている。
ピストン本体41Aの複数の通路51Aおよび環状通路53が、ピストンロッド21およびピストン16が縮み側に移動するときに油液が通過する縮側通路117Aとなっており、この縮側通路117Aに減衰力発生機構111が設けられている。
複数の通路52A、環状通路54A、環状通路53B、複数の通路51B、環状通路54、中間通路108、複数の通路86および環状通路91が、ピストンロッド21およびピストン16が伸び側に移動するときに油液が通過する伸側通路118A(通路)となっており、この伸側通路118Aに減衰力発生機構115が設けられている。
ピストン本体41Aには、伸側通路118Aの一部である複数の通路52Aおよび環状通路54Aがその内部を軸方向に貫通して形成されており、ピストン本体41Bには、伸側通路118Aの一部である環状通路53B、複数の通路51B、環状通路54がその内部を軸方向に貫通して形成されている。
第2実施形態においても 伸び行程では、ピストン速度が極低速のとき、上室17の油液は、伸側通路118Aを構成する複数の通路52A、環状通路54A、環状通路53B、複数の通路51Bおよび環状通路54から、減衰バルブ113を構成するディスクバルブ42を当接シート62に当接させた状態のまま、ディスクバルブ42に形成された固定オリフィス63および伸側通路118Aを構成する中間通路108、複数の通路86および環状通路91を流れ、減衰バルブ114を構成するディスクバルブ73を自身のバネ力および付勢ディスク78のバネ力に抗して外側シート93から離間させながらディスクバルブ73と外側シート93との隙間を介して下室18に流れる。これにより、減衰バルブ114のディスクバルブ73および外側シート93が伸側通路118Aの油液の流れを抑制してバルブ特性の減衰力を発生させる。
また、ピストン速度が上記よりも速くなると、上室17の油液は、複数の通路52A、環状通路54A、環状通路53B、複数の通路51Bおよび環状通路54から、減衰バルブ113を構成するディスクバルブ42を当接シート62から離間させながら、ディスクバルブ42と当接シート62との隙間を介して中間通路108に流れ、中間通路108、複数の通路86および環状通路91から、減衰バルブ114を構成するディスクバルブ73を自身のバネ力および付勢ディスク78のバネ力に抗して外側シート93から離間させながらディスクバルブ73と外側シート93との隙間を介して下室18に流れる。これにより、減衰バルブ113のディスクバルブ42および当接シート62と減衰バルブ114のディスクバルブ73および外側シート93が伸側通路118Aの油液の流れを抑制してバルブ特性の減衰力を発生させる。
縮み行程では、下室18の油液が、縮側通路117Aを介して上室17側に流れる。ピストン速度が低速のとき、下室18の油液は、縮側通路117Aから減衰力発生機構111を構成するディスクバルブ40を当接シート57に当接させた状態のまま、ディスクバルブ40に形成された固定オリフィス58を介して上室17側に流れ、減衰力発生機構111の固定オリフィス58が縮側通路117Aの油液の流れを抑制してオリフィス特性の減衰力を発生させる。また、ピストン速度が上昇すると、下室18から縮側通路117Aに導入された油液が、ディスクバルブ40を開きながらディスクバルブ40と当接シート57との間を通って上室17に流れ、減衰力発生機構111のディスクバルブ40および当接シート57が縮側通路117Aの油液の流れを抑制してバルブ特性の減衰力を発生させる。
第2実施形態においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができ、加えて、一のピストン本体41Bを、通路51Bの断面積がこれとは異なる他のピストン本体41Bに交換するのみで、減衰バルブ114による減衰力特性を変更することができ、ピストン本体41Aは減衰力特性の変更時も共用できる。
「第3実施形態」
次に、第3実施形態を主に図7に基づいて第1,第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第2実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図7に示すように、第3実施形態のピストン16Cは、バルブ本体71Cを有している。バルブ本体71Cには、その径方向の中央に、ピストンロッド21の取付軸部32を嵌合させる嵌合孔85Cが軸方向に貫通するように形成されている。バルブ本体71Cは、ピストンロッド21の取付軸部32に嵌合されて軸段部33に当接している。バルブ本体71Cには、嵌合孔85Cよりも径方向外側に、軸方向に貫通する複数の通路86Cが形成されている。複数の通路86Cは、バルブ本体71Cにその周方向に等間隔で形成されている。バルブ本体71Cには、軸方向の軸段部33とは反対側に、複数の通路86Cを連通させるようにバルブ本体71Cの全周にわたって環状をなす環状通路91Cが形成されている。
環状通路91Cが形成されることで、バルブ本体71Cの軸方向の軸段部33とは反対側の端部に、第1実施形態と同様のクランプシート92および外側シート93が形成されている。また、バルブ本体71Cには、外側シート93の外周側に、第1実施形態と同様の拘束突起211が形成されており、拘束突起211と外側シート93との間に、第1実施形態と同様の凹部212が形成されている。
ピストン16Cには、第1実施形態と同様のガイドディスク72がバルブ本体71Cのクランプシート92に当接して設けられており、第1実施形態と同様の支持ディスク74がガイドディスク72に当接して設けられている。また、ピストン16Cには、第1実施形態と同様の付勢ディスク78がベース板部231において支持ディスク74に当接して設けられており、第1実施形態と同様の当接ディスク75が付勢ディスク78のベース板部231に当接して設けられている。また、ピストン16Cには、第1実施形態と同様のディスクバルブ73が、支持ディスク74とバルブ本体71Cとの間で、ガイドディスク72の径方向外側に配置されている。
第3実施形態においても、ディスクバルブ73は、変形しない自然状態にあるとき平板状であり、図8に示すようにピストン16Cに組み付けられた状態でテーパ状に弾性変形する。また、ピストン16Cに組み付けられた状態で、付勢ディスク78は、内周側のベース板部231において軸方向にクランプされ、すべての脚板部232が弾性変形して、すべての当接板部233がディスクバルブ73の外周側に当接する。これにより、付勢ディスク78は、ディスクバルブ73の軸方向の内側シート241側の面の外周側に当接して、この外周側を外側シート93に向けて付勢する。第3実施形態においても、ディスクバルブ73は、その内周側が、両面側からクランプされずに片面側のみ支持ディスク74に支持される単純支持構造となっている。
ピストン16Cは、当接ディスク75に当接する小径ディスク300と、小径ディスク300に当接し小径ディスク300とは反対側に径方向に延びる通路溝301が形成された通路形成部材302と、底部304および筒部305を有する有底筒状をなして底部304で通路形成部材302に当接し筒部305でバルブ本体71Cに嵌合するケース部材306と、バルブ本体71Cとケース部材306の筒部305との間をシールするシール部材308とを有している。ピストンロッド21の取付軸部32には、通路形成部材302の通路溝301に連通する通路穴310が形成されている。通路穴310および通路溝301で、バルブ本体71Cとケース部材306との間の室311が下室18に常時連通する。
ケース部材306の底部304には、いずれも第1実施形態と同様の規制部材37、当接ディスク38、小径ディスク39およびディスクバルブ40がこの順に重ねられ、ディスクバルブ40に、第2実施形態と同様のピストン本体41A、第1実施形態と同様のディスクバルブ42、第1実施形態と同様の小径ディスク43、当接ディスク313および第1実施形態と同様の規制部材76がこの順に重ねられている。そして、ピストンロッド21の取付軸部32の規制部材76よりも突出するオネジ34にナット35が螺合されている。ディスクバルブ42は、ピストン本体41Aの内側当接部61Aおよび外側当接部62Aに当接して環状通路54Aおよび通路52Aを閉塞する。
ピストン16Cをピストンロッド21に組み付ける場合、ピストンロッド21には、バルブ本体71Cと、ガイドディスク72とが、この順に、軸段部33に重ねられ、ディスクバルブ73がバルブ本体71Cの外側シート93にさらに重ねられる。加えて、支持ディスク74、付勢ディスク78、当接ディスク75、小径ディスク300、通路形成部材302が、ディスクバルブ73に、この順に重ねられる。そして、ケース部材306がその筒部305を、シール部材308を保持した状態のバルブ本体71Cに嵌合させて、底部304において通路形成部材302に重ねられる。さらに、ケース部材306の底部304に、規制部材37、当接ディスク38、小径ディスク39、ディスクバルブ40、ピストン本体41A、ディスクバルブ42、小径ディスク43、当接ディスク313および規制部材76がこの順に重ねられる。
このように部品が配置された状態で、規制部材76よりも突出する取付軸部32のオネジ34にナット35が螺合される。これにより、バルブ本体71C、ガイドディスク72、支持ディスク74、付勢ディスク78、当接ディスク75、小径ディスク300、通路形成部材302、ケース部材306の底部304、規制部材37、当接ディスク38、小径ディスク39、ディスクバルブ40、ピストン本体41A、ディスクバルブ42、小径ディスク43、当接ディスク313および規制部材76が、それぞれ内周側または全部がピストンロッド21の軸段部33とナット35とに挟持されて軸方向にクランプされる。その際に、ディスクバルブ73は、軸方向にクランプされることはなく、支持ディスク74の内側シート241で押圧されて弾性変形し、その内側にガイドディスク72を配置する状態となる。
第2実施形態と同様、ピストン本体41Aの複数の通路51Aおよび環状通路53が、ピストンロッド21およびピストン16Cが縮み側に移動するときに油液が通過する縮側通路117Aとなっており、この縮側通路117Aに減衰力発生機構111が設けられている。
複数の通路52Aおよび環状通路54Aが、ピストンロッド21およびピストン16Cが伸び側に移動するときに油液が通過する第1の伸側通路118Cとなっている。そして、環状通路54Aの径方向両側の内側当接部61Aおよび外側当接部62Aと、環状通路54Aを閉塞するように内側当接部61Aおよび外側当接部62Aに着座可能に載置されたディスクバルブ42とが、第1の伸側通路118Cを開閉する減衰バルブ113Cを構成している。
バルブ本体71Cの通路86Cおよび環状通路91C、室311、通路溝301および通路穴310が、ピストンロッド21およびピストン16Cが伸び側に移動するときに油液が通過する第2の伸側通路320(通路)となっている。そして、環状通路91Cの径方向外側の外側シート93と、環状通路91Cを閉塞するように外側シート93に着座可能に載置されたディスクバルブ73と、環状通路91Cを閉塞するようにディスクバルブ73に当接する支持ディスク74とが、第2の伸側通路320を開閉する減衰バルブ114Cを構成している。外側シート93を含むバルブ本体71Cがこの減衰バルブ114Cの本体部分となっている。そして、減衰バルブ113Cおよび減衰バルブ114Cが、伸び側の減衰力発生機構115Cを構成している。
上記実施形態は、複筒式の油圧緩衝器に本発明を用いた例を示したが、これに限らず、外筒をなくしシリンダ内の下室の上室とは反対側に摺動可能な区画体でガス室を形成するモノチューブ式の油圧緩衝器に用いてもよく、あらゆる緩衝器に用いることができる。勿論、上記した縮み側の減衰力発生機構111に本発明を適用したり、上記したベースバルブ25に本発明を適用することも可能である。また、シリンダ2の外部にシリンダ2内と連通する油通路を設け、この油通路に減衰力発生機構を設ける場合にも適用可能である。また、上記実施形態では、油圧緩衝器を例に示したが、流体として水や空気を用いることもできる。
以上に述べた実施形態は、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を区画するピストンと、前記ピストンに一端が接続され前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動により作動流体が流れる通路と、前記通路の一部に設けられ作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、を備え、前記減衰力発生機構は、前記通路がその内部を貫通するバルブ本体と、前記通路の一端開口を囲む環状の外側シートと、前記外側シートに一側面が着座可能に載置される環状のディスクバルブと、前記ディスクバルブの他側面に当接可能な前記外側シートよりも小径の内側シートと、を有し、前記ディスクバルブの前記他側面側には、該ディスクバルブの外周側を前記外側シートに向けて付勢する付勢手段が設けられている。このように、ディスクバルブの他側面側に、ディスクバルブの外周側を外側シートに向けて付勢する付勢手段が設けられているため、付勢手段を設けない場合と比べて、減衰力をハードにすることができる。また、付勢手段を特性が異なるものに変更することで、減衰力特性をさらに変更することができる。したがって、減衰力特性を容易にチューニングすることができる。
また、前記付勢手段は板状であって、内周側がクランプされているため、コスト増を抑制しつつ、付勢手段により安定したバネ力でディスクバルブを付勢することができる。
1 緩衝器
2 シリンダ
16 ピストン
21 ピストンロッド
71,71C バルブ本体
73 ディスクバルブ
78 付勢ディスク(付勢手段)
93 外側シート
115,115C 減衰力発生機構
118,118A,320 伸側通路(通路)
241 内側シート

Claims (2)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を区画するピストンと、
    前記ピストンに一端が接続され前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、
    前記ピストンの摺動により作動流体が流れる通路と、
    前記通路の一部に設けられ作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、
    を備え、
    前記減衰力発生機構は、
    前記通路がその内部を貫通すると共に、前記ロッドの軸方向に突出し、前記通路の一端開口を囲むように形成された環状の外側シートと、前記ロッドの軸方向に前記外側シートよりも小さく突出し、前記外側シートの径方向内側に形成された環状のクランプシートとを有するバルブ本体と、
    前記外径シートよりも小径に形成され、前記クランプシートの外径よりも大径に形成される支持ディスクと、
    外径側は、一端面が前記外側シートに離着座可能に載置され、内径側は、他端面のみが前記支持ディスク当接可能に載置される片側支持構造であると共に内径が前記支持ディスクの外径よりも小径の環状のディスクバルブと、
    前記ディスクバルブの前記他面側に設けられて、該ディスクバルブの外周側を前記外側シートに向けて付勢する付勢手段と、
    を備えたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記付勢手段は板状であって、内周側がクランプされていることを特徴とする請求項1記載の緩衝器。
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