JP6535264B2 - バルブ及び緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ及び緩衝器に関する。
従来、バルブは、車両の車体と車軸との間に介装される緩衝器等に利用されている。そして、このようなバルブの中には、ポート及び弁座を有するバルブシート部材と、このバルブシート部材に積層されるとともに、弁座に離着座して上記ポートを開閉するリーフバルブとを備えるとともに、リーフバルブと弁座との間にコンタミナントが挟み込まれるのを防止するための通路をバルブシート部材に設けたバルブがある(例えば、特許文献1)。
より詳しくは、上記バルブシート部材は、作動油が充填される二つの部屋を区画しており、上記ポートは、二つの部屋を連通する。そして、上記弁座は、環状のボス部と、このボス部に連なりポートの出口端の窓を取り囲む外周シート部とを有する。また、リーフバルブは、薄い環状板であり、その内周側がボス部に押し付けられて固定されるとともに、外周側は、弁座から離れる方向への撓みが許容された状態で外周シート部に着座する。さらに、上記二つの部屋の内、ポートの入口側の部屋を一方室、出口側の部屋を他方室とすると、上記通路は、弁座における窓よりもボス部側に開口するとともに、他方室に連通されている。当該構成によれば、一方室の圧力が上昇してリーフバルブの外周が撓み、上記ポートを開放すると、ポートを通過する作動油の流れによって通路を通過して他方室へ至る作動油の流れが生じる。
上記弁座における通路が開口する部分は、リーフバルブが大きく撓まない限りリーフバルブとの間に隙間ができない部分である。また、一方室の圧力が低下すると、リーフバルブは自身の持つ弾性により元の形状に戻ろうとする。よって、上記通路がない場合、弁座における窓よりもボス部側とリーフバルブとの間に一旦コンタミナントが挟まれると外れ難く、コンタミナントが挟み込まれた状態が持続されてしまう。
コンタミナントが挟み込まれていない通常の状態では、他方室の圧力が上昇すると、当該圧力はリーフバルブを閉じる方向に作用するのでリーフバルブが外周シート部に着座してポートの連通を遮断するが、前述のようにコンタミナントが挟み込まれた状態では、リーフバルブの外周が外周シート部から浮き上がる。すると、ポートを他方室から一方室へ向かって作動油が流れるとともに、浮き上がったリーフバルブの外周部が振動して大きな異音が発生する。
これに対して、上記通路を有するバルブでは、リーフバルブの外周が大きく撓む際、ポートを通過する作動油に紛れ込んだコンタミナントが弁座における窓よりもボス部側へ移動したとしても、当該コンタミナントが通路を通過する流れにより他方室へ排出される。このため、上記通路を有するバルブでは、弁座とリーフバルブとの間にコンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生を防止できる。
特許第5695507号公報
ここで、例えば、特許第5695507号公報に記載のバルブでは、コンタミナントを排出するための通路の入口を広げてコンタミナントを通路内に案内し易くするため、バルブシート部材に凹部を設けている。そして、当該凹部の底からバルブシート部材の他方室側端にかけて貫通孔を設け、当該貫通孔と凹部により形成される窓とを備えて通路が構成されている。しかしながら、このようにバルブシート部材に凹部と貫通孔の両方を形成するのは煩雑であり、コストがかかる。
そこで、本発明は、コンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生を防止したとしても、コストを安価にできるバルブ及び緩衝器の提供を目的とする。
上記課題を解決する請求項1に記載の発明は、バルブシート部材に設けられ、第一シート部と、前記第一シート部に連なりポートの出口端の窓を取り囲む第二シート部とを有する弁座と、前記弁座に着座する弁体に設けられ、前記弁座の前記窓よりも前記第一シート部側に対向するとともに、前記バルブシート部材との間に前記第二シート部の外側へ通じる空間を形成する凹部とを備え、前記弁体が前記弁座に着座した状態で前記空間が前記ポートと連通しない。このため、コンタミナントが弁体とバルブシート部材との間に挟み込まれるのを防止し、当該挟み込みによる異音の発生を防止できるとともに、弁体に凹部を形成するのが容易である。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の構成に加えて、前記弁体が貫通孔を有する孔開リーフバルブと、前記孔開リーフバルブに積層されるリーフバルブとを有し、前記凹部が前記貫通孔の周壁と、前記リーフバルブの前記貫通孔に対向する部分とを有して構成される。このため、弁体がリーフバルブを有して構成される場合であっても、凹部を容易に形成できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の構成に加えて、前記ポート及び前記窓が同一円周上に複数配置され、前記凹部が同一円周上に複数配置される。そして、複数の前記凹部の外周端をつなぐ第一の円の円周は、複数の前記窓の内周端をつなぐ第二の円の円周よりも小さく、前記第二の円の内側に位置する。このため、弁体が弁座に着座した状態で、凹部によりピストンとの間にできる空間がポートとは連通しない
請求項4に記載の発明は、アウターシェルと、前記アウターシェル内に軸方向に移動可能に挿入されるロッドと、前記請求項1から請求項3の何れか一項に記載のバルブとを備え、前記バルブは、前記アウターシェルと前記ロッドが相対移動する際に、移動する液体の流れに抵抗を与える。このため、緩衝器が所望の減衰力を発生できる。
本発明のバルブ及び緩衝器によれば、コンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生を防止したとしても、コストを安価にできる。
本発明の一実施の形態に係るバルブを備える緩衝器の一部を示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るバルブのピストンを図1中下側から見た状態を示す底面図である。 本発明の一実施の形態に係るバルブのピストンを図1中上側から見た状態を示す平面図である。 図1の一部を拡大して示す図である。 本発明の一実施の形態に係るバルブの孔開リーフバルブを図1中上側から見た状態を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るバルブのピストンに孔開リーフバルブを重ね、図1中上側から見た状態の右半分を拡大して示す底面図である。 本発明の一実施の形態に係るバルブの変形例を示し、当該バルブのピストンに孔開リーフバルブを重ね、図6と同方向から見た状態の右半分を拡大して示す底面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るバルブVは、緩衝器Aのピストン部に具現化されている。当該緩衝器Aの構成は周知であるので詳細な図示を省略する。緩衝器Aは、筒状のアウターシェル1と、このアウターシェル1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、一端がこのピストン2に連結されて他端がアウターシェル1外に延びるロッド3と、アウターシェル1の反ロッド側に摺動自在に挿入されるフリーピストン(図示せず)と、環状に形成されてロッド3の外周に摺接し、アウターシェル1の一端開口を塞ぐヘッド部材(図示せず)と、アウターシェル1の他端開口を塞ぐボトムキャップ(図示せず)とを備える。そして、アウターシェル1が車両の車体と車軸の一方に連結されるとともに、ロッド3が車体と車軸の他方に連結されるので、路面凹凸による衝撃が車輪に入力されると、ロッド3がアウターシェル1に出入りして緩衝器Aが伸縮作動する。
アウターシェル1の内部には、ピストン2で区画される伸側室L1と圧側室L2が形成されるとともに、当該圧側室L2と図示しないフリーピストンで区画される気室(図示せず)が形成されている。伸側室L1と圧側室L2には、作動油等の液体が満たされるとともに、気室には、気体が封入されている。当該気室は、フリーピストンの摺動により拡大したり縮小したりして、アウターシェル1内に出入りするロッド出没体積分のアウターシェル内容積変化と、温度変化による液体の体積変化を補償する。
つづいて、ピストン2は、バルブシート部材であり、ピストン2の軸方向の両側に伸側弁体4と圧側弁体5が積層されている。さらに、ピストン2の外周には、合成樹脂製のピストンリング20が装着されており、ピストン2は、このピストンリング20を介してアウターシェル1の内周に摺接し、アウターシェル1内を軸方向に円滑に移動できる。また、ピストン2は、中心に取付孔2aが形成される環状の本体部2bと、この本体部2bの外周から図1中下方へ延びる環状のスカート部2cと、本体部2bを軸方向に貫通する伸側ポート2d及び圧側ポート2eと、本体部2bの図1中下部であってスカート部2cの内側に設けられ、伸側弁体4が着座する伸側弁座2fと、本体部2bの図1中上部に設けられ圧側弁体5が着座する圧側弁座2gと、この圧側弁座2gとともに圧側弁体5を支える突起2hとを有する。
図2,3に示すように、伸側ポート2d及び圧側ポート2eは、四つずつ設けられ、伸側ポート2dと圧側ポート2eが周方向に交互に並ぶ。また、四つの伸側ポート2dと、四つの圧側ポート2eは、中心を同じにする二つの円の円周上にそれぞれ等間隔で配置され、伸側ポート2dは圧側ポート2eよりもピストン2の中心側に設けられる。
図1に示すように、上記各伸側ポート2dの出口端は広げられて窓となっている。当該窓は、隣り合う伸側ポート2dの窓に相互に通じるようになっており、全ての伸側ポート2dの窓が連通される。そして、図2に示すように、これらの窓を全体としてみると環状になっており、この全体として環状になる窓を符号2iで示している。また、伸側弁座2fは、取付孔2aを囲い上記窓2iの内周に沿う環状の第一シート部6と、上記窓2iの外周に沿い、当該窓2iを囲う環状の第二シート部7とを有して構成される。そして、伸側弁座2fに伸側弁体4を着座させると、当該伸側弁体4で窓2iに蓋をして、伸側ポート2dの連通を遮断する。圧側ポート2eの入口は、ピストン2におけるスカート部2cの内側であって、伸側弁座2fの第二シート部7よりも外周側に設けられるので、圧側室L2と常に連通された状態となる。
図1に示すように、上記伸側ポート2dと同様に、圧側ポート2eの出口端も広げられて窓2jとなっている。当該窓2jは、図3に示すように、ピストン2の外周側で広がるように扇状となっているが、隣り合う圧側ポート2eの窓2jとは連通されず、各圧側ポート2eの窓2jは独立している。このようなポートの様式を、一般に独立ポートという。また、圧側弁座2gは、取付孔2aを囲う環状の第一シート部8と、この第一シート部8に連なるとともに圧側ポート2eの窓2jを囲う第二シート部9とを有して構成される。この第二シート部9は、窓2j(圧側ポート2e)の数に合わせて四つ等間隔で周方向に並べて設けられ、全体として花弁状になっている。そして、圧側弁座2gに圧側弁体5を着座させると、当該圧側弁体5で全ての窓2jに蓋をして、圧側ポート2eの連通を遮断する。伸側ポート2dの入口は、それぞれ、第一シート部8の外側であって、隣り合う第二シート部9,9の間に設けられるので、伸側室L1と常に連通された状態となる。
さらに、隣り合う第二シート部9,9の間には、それぞれ突起2hが設けられ、当該突起2hで圧側弁座2gに着座する圧側弁体5を支え、当該圧側弁体5が伸側室L1の圧力(背圧)でピストン2側へ撓むのを防ぐ。突起2hと圧側弁座2gとの間には、充分な隙間が設けられ、突起2hが伸側室L1と伸側ポート2dとの連通の妨げにならないように配慮されている。
つづいて、伸側弁体4及び圧側弁体5は、ともに、積層された複数枚のリーフバルブを有して構成されており、各リーフバルブは、薄い環状板である。また、伸側弁体4はピストン2の圧側室L2側に設けられ、伸側弁体4の図1中下側には間座40が積層されている。他方の圧側弁体5はピストン2の伸側室L1側に設けられ、圧側弁体5の図1中上側には間座50とバルブストッパ51がこの順に積層されている。そして、ピストン2は、伸側弁体4、圧側弁体5、間座40,50及びバルブストッパ51とともに、ロッド3の取付部3a外周に装着され、ナット30で抜け止めされている。
より詳しくは、ロッド3の先端部には、他の部分よりも外径が小さい取付部3aが設けられており、当該取付部3aと他の部分との境界に環状の段差3bが形成されている。また、取付部3aの先端には、螺子溝が形成されており、ナット30を螺合できる。上記ピストン2、伸側弁体4、圧側弁体5、間座40,50及びバルブストッパ51は、全て環状であって中心部に取付孔が設けられている。このため、ロッド3の取付部3aをバルブストッパ51、間座50、圧側弁体5、ピストン2、伸側弁体4、間座40の各取付孔に前述の順に挿通し、間座40から突出させた取付部3aの先端にナット30を螺合すると、当該ナット30と段差3bとの間に前述のピストン2等を挟んで固定できる。
そして、このように固定された状態で、伸側弁体4は、その内周部を間座40と伸側弁座2fの第一シート部6とで挟まれて固定されるとともに、外周部を伸側弁座2fの第二シート部7に着座させて伸側ポート2dを閉じる。また、伸側弁体4の外径は間座40の外径よりも大きいので、伸側弁体4における間座40よりも外周側の図1中下方への撓みが許容されている。前述のように、伸側ポート2dの入口は常に伸側室L1と連通されているので、伸側室L1内の圧力が高まると、当該圧力が伸側ポート2dを介して伸側弁体4を図1中下方へ撓ませる方向に作用する。そして、伸側弁体4が図1中下方へ撓むと、その外周部と伸側弁座2fの第二シート部7との間に隙間ができるので、伸側室L1の液体が伸側ポート2dを通って圧側室L2へ流れる。つまり、伸側弁体4は、伸側室L1内の圧力を受けて開弁し、伸側ポート2dを伸側室L1から圧側室L2へ向かう液体の流れを許容する。反対に、圧側室L2の圧力が高まると、当該圧力は伸側弁体4を伸側弁座2fへ押し付ける方向に作用するので、伸側弁体4は伸側ポート2dを閉じた状態に維持される。
また、圧側弁体5は、その内周部を間座50と圧側弁座2gの第一シート部8とで挟まれて固定されるとともに、これよりも外周側を圧側弁座2gの四つの第二シート部9に着座させて圧側ポート2eを閉じる。また、圧側弁体5の外径は間座50の外径よりも大きいので、圧側弁体5における間座50よりも外周側の図1中上方への撓みが許容されている。前述のように、圧側ポート2eの入口は常に圧側室L2と連通されているので、圧側室L2内の圧力が高まると、当該圧力が圧側ポート2eを介して圧側弁体5を図1中上方へ撓ませる方向に作用する。そして、圧側弁体5が図2中上方へ撓むと、その外周部と圧側弁座2gの第二シート部9との間に隙間ができるので、圧側室L2の液体が圧側ポート2eを通って伸側室L1へ流れる。つまり、圧側弁体5は、圧側室L2内の圧力を受けて開弁し、圧側ポート2eを圧側室L2から伸側室L1へ向かう液体の流れを許容する。反対に、伸側室L1の圧力が高まると、当該圧力は圧側弁体5を圧側弁座2gへ押し付ける方向に作用するので、圧側弁体5は圧側ポート2eを閉じた状態に維持される。
さらに、圧側弁体5には当該圧側弁体5が大きく撓み、圧側弁座2gにおける窓2jよりも内周側と圧側弁体5の間に隙間ができて当該隙間にコンタミナントが入り込んだとしても、当該コンタミナントが圧側弁体5と圧側弁座2gとの間に挟み込まれるのを防止して、異音が発生するのを防止するための凹部52が設けられている。
より詳しくは、図4に示すように、圧側弁体5を構成する複数枚のリーフバルブの内、ピストン2側から一枚目のリーフバルブ5aは、当該リーフバルブ5aの肉厚を貫通する貫通孔5bを有する孔開リーフバルブであり、ピストン2側から二枚目のリーフバルブ5cは、上記貫通孔5bに図4中上側から蓋をする通常の孔のないリーフバルブである。そして、貫通孔5bの周壁52aと上記リーフバルブ5cにおける貫通孔5bに対向する部分52bとでピストン2側に開口する凹部52を構成する。
本実施の形態において、貫通孔5bは、図5に示すように、同一円周上に三つ並べて形成されており、各貫通孔5bが上記円周に沿う円弧状となっている。図6に示すように、三つの貫通孔5bの外周端をつなぐ第一の円r1の円周は、四つの窓2jの内周端をつなぐ第二の円r2の円周よりも若干小さい。よって、圧側弁座2gにおける第二シート部9の窓2jよりも内周側の図6中斜線を示した部分をそれぞれ部分Eとすると、貫通孔5bと第二シート部9とが周方向に重なった状態では、貫通孔5bは、上記部分Eに対向する。また、隣り合う貫通孔5b,5bの間の部分を橋部(符示せず)とすると、当該各橋部の周方向長さが各部分Eの周方向長さよりも短く、各貫通孔5bの周方向長さが各部分Eの周方向長さよりも長い。よって、一つの橋部の中心と一つの第二シート部9の中心が周方向に合ったり、一つの貫通孔5bの中心と一つの第二シート部9の中心が周方向に合ったりした場合であっても、凹部52が部分Eに対向するとともに、隣り合う第二シート部9,9の間の部分に対向する。つまり、凹部52によりピストン2との間にできる空間K(図4)は、圧側弁体5が閉じた状態では圧側ポート2eとは連通しないが、圧側弁座2gの窓2jよりも内側に対向するとともに第二シート部9の外側へ連通している。ピストン2における圧側弁座2gの第二シート部9の外側は、伸側ポート2dの入口が設けられる部分であり、伸側室L1と常に連通する。
以下、本実施の形態に係るバルブVの作用効果について説明する。
ロッド3がアウターシェル1から退出する緩衝器Aの伸長作動時には、ピストン2がアウターシェル1内を図1中上方へ移動して伸側室L1を圧縮する。すると、伸側室L1内の圧力が上昇して伸側室L1の液体が伸側弁体4を押し開き、伸側ポート2dを通って圧側室L2へ移動する。このような伸側ポート2dを通過する液体の流れに対して伸側弁体4で抵抗を与えるので、緩衝器Aは、伸長作動を抑制する伸側減衰力を発揮する。
反対に、ロッド3がアウターシェル1内へ侵入する緩衝器Aの収縮作動時には、ピストン2がアウターシェル1内を図1中下方へ移動して圧側室L2を圧縮する。すると、圧側室L2内の圧力が上昇し、圧側室L2の液体が圧側弁体5を押し開き、圧側ポート2eを通って伸側室L1へ移動する。このような圧側ポート2eを通過する液体の流れに対して圧側弁体5で抵抗を与えるので、緩衝器Aは、当該緩衝器Aの収縮作動を抑制する圧側減衰力を発揮する。
また、上記バルブVでは、緩衝器Aの収縮作動時に圧側弁体5が大きく撓み、圧側弁座2gの窓2jよりも内側と圧側弁体5との間に隙間ができて、当該隙間にコンタミナントが入り込んだとしても、圧側弁体5が圧側弁座2gに着座した状態でこれらの間に凹部52によって空間Kができるので、上記コンタミナントが空間Kに入る。つまり、コンタミナントが窓2jよりも内周側に移動したとしても、当該コンタミナントがピストン2と圧側弁体5との間に挟み込まれた状態にならないので、上記コンタミナントによって圧側弁体5の閉じ切りが阻害され、圧側弁体5の外周部が第二シート部9から浮き上がった状態にならない。
よって、緩衝器Aの伸長作動時に、伸側室L1の液体が第二シート部9と、当該第二シート部9から浮き上がった圧側弁体5の外周部との間を通って圧側室L2へ流れることにより、圧側弁体5の外周部が振動して異音が発生することがない。さらに、圧側弁体5に漏れが生じないので、緩衝器Aが所望の減衰力を発揮できる。また、圧側弁体5が閉じた状態であっても空間Kは伸側室L1に連通されているので、上記空間K内に入ったコンタミナントは、ピストン2の外側に排出される。
以下、本実施の形態におけるバルブV及び緩衝器Aの作用効果について説明する。
本実施の形態において、圧側ポート(ポート)2eは、同一円周上に四つ配置される。また、凹部52の数は貫通孔5bの数に等しく、凹部52は、同一円周上に三つ配置されている。このように、本実施の形態では、圧側ポート2eの数と、凹部52の数が複数であって、互いに素の関係にある。互に素とは、圧側ポート2eの数と凹部52の数が1又は−1以外の公約数をもたないことをいう。すると、ピストン2と圧側弁体5との周方向の位置合わせをしなくても、窓2jの内周側が凹部52と対向しない第二シート部9が発生したり、第二シート部9の外側へ連通しない空間Kが発生したりするのを極力抑え、位置関係のバラツキを抑えられる。
また、上記バルブVにおいて、一つの凹部52の中心と一つの第二シート部9の中心とを周方向に合わせた状態で、凹部52の少なくとも一部が第二シート部9から外側へはみ出すようになっている。このため、空間Kを第二シート部9の外側へ常に連通させられる。また、隣り合う凹部52,52の間の部分(橋部)の中心と一つの第二シート部9の中心とを周方向に合わせた状態で、凹部52の一部が第二シート部9に重なるようになっている。このため、第二シート部9を空間Kと常に対向させられる。そして、このように設定する上では、凹部52の数を圧側ポート2eの数よりも少なくするのが好ましい。
なお、圧側ポート2e及び凹部52の数及び形状は、適宜変更できる。例えば、ピストン2と圧側弁体5との周方向の位置合わせをする場合には、圧側ポート2eと凹部52が同数であってもよい。図7には、圧側ポート2eと凹部52が同数であって、ピストン2とリーフバルブ5aとの周方向の位置合わせをしたバルブを示している。当該バルブでは、凹部52の周方向長さを第二シート部9における窓2jよりも内周側の部分Eの周方向長さよりも大きく形成している。この場合、全ての凹部52の中心と、全ての第二シート部9の中心を周方向に合わせると、全ての凹部52の周方向の両端部が第二シート部9から外側にはみ出す。当該構成によれば、圧側弁座2gにおける窓2jよりも第一シート部8側で、空間Kに対向しない部分の面積をなるべく小さくできるのでコンタミナントの挟み込みを防止する効果が高く、異音の発生を確実に防止できる。さらに、空間Kのコンタミナントを第二シート部9の周方向の両側からバルブV外に排出できるので、コンタミナントを排出し易い。
また、本実施の形態において、圧側弁体5は、貫通孔5bを有するリーフバルブ(孔開リーフバルブ)5aと、このリーフバルブ5aに積層されて上記貫通孔5bの一端を塞ぐリーフバルブ5cとを有する。そして、上記凹部52は、上記貫通孔5bの周壁52aと、上記リーフバルブ5cの上記貫通孔5bに対向する部分52bとを有して構成される。このように、圧側弁体5が一又は複数枚のリーフバルブを有して構成される場合、リーフバルブ単体としての肉厚は非常に薄いので、一枚のリーフバルブ5aに凹部52を形成するのは難しい。これに対して、一枚のリーフバルブ5aの任意の位置に貫通孔5bを形成するのは極めて簡単であり、安価に実現できる。よって、上記したように、二枚のリーフバルブ5a,5cを利用して凹部52を形成するのが好ましい。しかし、前述のように、一枚のリーフバルブ5aに凹部52を形成してもよく、三枚以上のリーフバルブを利用して凹部52を形成してもよい。そして、このような変更は、圧側ポート2e及び凹部52の数によらず可能である。
また、本実施の形態において、バルブVは、圧側ポート(ポート)2eを有するピストン(バルブシート部材)2と、このピストン2に積層されて圧側ポート2eを開閉する圧側弁体(弁体)5と、上記ピストン2に設けられ、第一シート部8と、この第一シート部8に連なり上記圧側ポート2eの出口端の窓2jを取り囲む第二シート部9とを有し、上記圧側弁体5が着座する圧側弁座(弁座)2gと、上記圧側弁体5に設けられ、上記圧側弁座2gの上記窓2jよりも内周側(第一シート部8側)に対向するとともに、上記ピストン2との間に第二シート部9の外側へ通じる空間Kを形成する凹部52とを備える。
上記構成によれば、圧側弁体5が大きく開き、圧側ポート2eを通過する液体に紛れ込んだコンタミナントが圧側弁座2gの窓2jよりも内周側(第一シート部8側)に入り込んだ状態で圧側弁体5が閉じたとしても、上記コンタミナントを空間Kに収容するとともに、当該空間Kから第二シート部9の外方に排出できる。よって、コンタミナントが圧側弁体5と圧側弁座2gの窓2jよりも内周側との間に挟み込まれるのを防止して、当該挟み込みによる異音の発生を防止できる。
さらに、上記構成によれば、コンタミナントの挟み込みを防止して、異音の発生を防止する凹部52をバルブシート部材であるピストン2ではなく、弁体である圧側弁体5に形成している。このように圧側弁体5に凹部52を形成するのは、従来のように、ピストン等のバルブシート部材に凹部と貫通孔の両方を形成する場合と比較して極めて容易である。よって、コンタミナントの挟み込みを防止して異音の発生を防止したとしても、コストを安価にできる。
また、本実施の形態において、緩衝器Aは、アウターシェル1と、このアウターシェル1内に軸方向に移動可能に挿入されるロッド3と、上記バルブVとを備える。そして、上記バルブVは、上記アウターシェル1と上記ロッド3が相対移動する際に、移動する液体の流れに抵抗を与える。そして、前述のように、上記バルブVが凹部52を備え、当該凹部52を利用してコンタミナントが圧側弁体5と圧側弁座2gの窓2jよりも内周側との間に挟み込まれるのを防止できる。つまり、上記バルブVでは、コンタミナントの挟み込みにより圧側弁体5が圧側弁座2gから浮き上がり、当該部分から液体が漏れるのを防止できる。よって、上記緩衝器Aでは、上記バルブVの利用により、所望の減衰力を発生できる。
なお、バルブV及び緩衝器Aの構成は上記の限りではなく、適宜変更できる。例えば、上記バルブVでは、圧側ポート2eが独立ポートであるので、圧側ポート2eを開閉する圧側弁体5に凹部52を設けているが、伸側ポート2dが独立ポートである場合、当該伸側ポート2dを開閉する伸側弁体4に凹部52を設けるようにしてもよい。
また、上記バルブVを備える緩衝器Aは、ピストン2の一方側にロッド3が起立する片ロッド型の緩衝器であるが、ピストン2の両側にロッドが起立する両ロッド型の緩衝器であってもよい。さらに、上記緩衝器Aは、単筒型であり、緩衝器Aの最外側のチューブであるアウターシェル1の内周にピストンが摺接するが、アウターシェル1の内側に起立するシリンダの内周にピストンを摺接させる複筒型の緩衝器であってもよい。また、当該複筒型の緩衝器が、アウターシェル1とシリンダとの間にリザーバを形成するとともに、当該リザーバと圧側室L2とを連通する流路の途中にベースバルブを設ける場合には、当該ベースバルブ部に本発明を具現化してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形および変更が可能である。
A・・・緩衝器、K・・・空間、V・・・バルブ、1・・・アウターシェル、2・・・ピストン(バルブシート部材)、2e・・・圧側ポート(ポート)、2g・・・圧側弁座(弁座)、2j・・・窓、3・・・ロッド、5・・・圧側弁体(弁体)、5a・・・リーフバルブ(孔開リーフバルブ)、5b・・・貫通孔、5c・・・リーフバルブ、8・・・第一シート部、9・・・第二シート部、52・・・凹部、52a・・・周壁、52b・・・リーフバルブの貫通孔に対向する部分

Claims (4)

  1. ポートを有するバルブシート部材と、
    前記バルブシート部材に積層されて前記ポートを開閉する弁体と、
    前記バルブシート部材に設けられ、第一シート部と、前記第一シート部に連なり前記ポートの出口端の窓を取り囲む第二シート部とを有し、前記弁体が着座する弁座と、
    前記弁体に設けられ、前記弁座の前記窓よりも前記第一シート部側に対向するとともに、前記バルブシート部材との間に前記第二シート部の外側へ通じる空間を形成する凹部とを備え
    前記弁体が前記弁座に着座した状態では、前記空間は前記ポートと連通しない
    ことを特徴とするバルブ。
  2. 前記弁体は、貫通孔を有する孔開リーフバルブと、前記孔開リーフバルブに積層されるリーフバルブとを有し、
    前記凹部は、前記貫通孔の周壁と、前記リーフバルブの前記貫通孔に対向する部分とを有して構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記ポート及び前記窓は、同一円周上に複数配置され、
    前記凹部は、同一円周上に複数配置され、
    複数の前記凹部の外周端をつなぐ第一の円の円周は、複数の前記窓の内周端をつなぐ第二の円の円周よりも小さく、前記第二の円の内側に位置する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバルブ。
  4. アウターシェルと、
    前記アウターシェル内に軸方向に移動可能に挿入されるロッドと、
    前記請求項1から請求項3の何れか一項に記載のバルブとを備え、
    前記バルブは、前記アウターシェルと前記ロッドが相対移動する際に、移動する液体の流れに抵抗を与える
    ことを特徴とする緩衝器。
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