JP5307739B2 - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の油圧緩衝器のピストン部等に具現化され、緩衝器内に二つの圧力室を隔成するピストンと、当該ピストンに設けた伸側ポートの外周に配置される環状弁座に着座する環状の伸側のリーフバルブと、当該ピストンに設けた圧側ポートの外周に配置される環状弁座に着座する環状の圧側のリーフバルブとを備え、緩衝器の伸長時には伸側のリーフバルブで伸側ポートを通過する作動油の流れに抵抗を与えて伸側減衰力を発揮し、緩衝器の収縮時には圧側のリーフバルブで圧側ポートを通過する作動油の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するようになっている。
また、上記バルブ構造にあっては、伸側および圧側の環状弁座に設けた切欠或いはこれら環状弁座に当接する上記伸側および圧側の各リーフバルブの外周に設けた切欠によって形成されるオリフィスを備えており、各リーフバルブが環状弁座から離座する開弁圧に達するまでは、作動油にオリフィスを通過させるようにしている。
バルブ構造を上記のような構成とすることで、ピストン速度が低い場合には、減衰力が立ち上がるオリフィス特有の自乗特性となる減衰力特性(ピストン速度に対する減衰力変化の特性)を得るようにしているが、オリフィスは常に二つの圧力室を連通状態に保つので、緩衝器が伸長行程にあっても収縮行程にあっても、伸側および圧側の環状弁座或いは伸側および圧側の各リーフバルブに設けた双方のオリフィスを作動油が通過することになるので、ピストン速度が低い場合における減衰力特性が伸長行程時と収縮行程時で同じになってしまい個別に減衰力特性を設定することができない。
これを解消するため、リーフバルブを三つのディスクで構成し、真ん中のリーフバルブに外周から開口する切欠を設け、弁座側のリーフバルブに真ん中のリーフバルブに設けた切欠に通じる開口を設け、弁座側のリーフバルブとピストンとの間に開口を開閉するディスクを介装したバルブ構造が提案されるに至っている(たとえば、特許文献1,2参照)。
実公昭61−37881号公報 特開2004−125023号公報
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、上記ディスクの外径を弁座内径より小径に設定する必要があって、当該ディスクをリーフバルブとピストンとの間に介装する都合上、ピストンにおけるディスクの内周が着座する内周シート部より弁座をディスクの厚み分軸方向へ突出させるか、または、ディスクの外周にディスクによって調芯されて弁座に着座するリングを設けなくてはならない。
そして、内周シート部より弁座をディスクの厚み分軸方向へ突出させる場合には、内周シート部と弁座の軸方向高さ寸法を高精度に管理しなくてはならず、ピストンの加工が難しく、加工コストも嵩んでしまう。
また、ディスク外周にリングを設ける場合には、内周シート部と弁座の軸方向高さを同じにすることができるので、加工は容易となるものの、ディスクが撓んでリーフバルブの開口を開放するとリングはディスクによって調芯されないフリーな状態となるので、ディスクの戻り時にリングを噛みこんでディスクとリーフバルブとの間にリングが入り込んで開口を閉塞できなくなって設計通りの減衰力特性が発揮できなくなる可能性がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定できるとともに、設計通りの減衰力特性を恒久的に発揮でき、かつ、コストを低減することが可能な緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、緩衝器内に形成される一方室と他方室とを連通するポートと、ポートの出口端を囲む環状の弁座とを備えたバルブディスクと、バルブディスクに積層されてポートを開閉する環状のリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、環状であってC型切欠によって弁座内径より小径な外径を持つ内環と弁座に離着座する外環とが形成されたチェックバルブをリーフバルブとバルブディスクとの間に介装し、リーフバルブが上記チェックバルブに積層されて当該チェックバルブの内環によって開閉される透孔を備えるとともに外周部を上記外環に当接させた透孔リーフバルブと、透孔リーフバルブに積層されて上記透孔に連通される連通孔と外周から開口して連通孔に通じる切欠オリフィスとを備えた切欠リーフバルブと、切欠リーフバルブに積層されて少なくとも上記切欠リーフバルブの連通孔を蓋する蓋リーフバルブとを備えたことを特徴とする。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定でき、チェックバルブがC型の切欠を備えていて、当該切欠によって内環と外環とが形成されていて、外環に対して内環がリーフバルブの透孔を開閉する構成となっているので、バルブディスクの内周シート部と弁座の軸方向高さに差を持たせる必要は無く、バルブディスクの加工が容易となり、加工コストも低減される。
さらに、内環と外環は、別個独立した部品ではなく、一体とされているので、内環に対して外環が芯ずれするようなことはなく、内環が撓みを繰り返しても、外環を噛み込むことがなく、恒久的に設計通りの減衰力特性を発揮することができる。
さらに、本発明の緩衝器のバルブ構造にあっては、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定できるので、緩衝器に伸長行程と収縮行程にて適正な減衰力特性で減衰力を発揮させることができ、伸長行程と収縮行程で異なる減衰力特性が要求される用途に適し、特に、車両用緩衝器に最適となって、車両における乗り心地を向上することができる。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造におけるリーフバルブとチェックバルブの分解平面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器の減衰力特性を示した図である。
以下、本発明における緩衝器のバルブ構造を図に基づいて説明する。一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側および圧側の減衰バルブに具現化されており、緩衝器内に形成される一方室41と他方室42とを連通するポートとしての伸側ポート4および圧側ポート5と、伸側ポート4および圧側ポート5のそれぞれ出口端を囲む弁座としての環状の伸側弁座6と環状の圧側弁座7とを備えたバルブディスクとしてのピストン1と、ピストン1の他方室42側に積層されて伸側ポート4を開閉するリーフバルブとしての伸側リーフバルブ2と、ピストン1の一方室41側に積層されて圧側ポート5を開閉するリーフバルブとしての圧側リーフバルブ3と、伸側リーフバルブ2とピストン1との間に介装された圧側のチェックバルブ8と、圧側リーフバルブ3とピストン1との間に介装された伸側のチェックバルブ9とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド10と、シリンダ40内に摺動自在に挿入されてシリンダ40内を一方室41と他方室42とに区画するとともにピストンロッド10の先端10aに固定される区画部材としてのピストン1と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド10の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。なお、流体としては、作動油以外の液体や気体を利用することも可能である。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動する緩衝器の伸長行程では、圧縮される一方室41から他方室42へ伸側ポート4を介して作動油が移動する際に、その作動油の流れに対して伸側リーフバルブ2で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の伸側減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能し、また、シリンダ40に対してピストン1が図1中下方に移動する緩衝器の収縮行程では、圧縮される他方室42から一方室41へ圧側ポート5を介して作動油が移動する際に、その作動油の流れに対して圧側リーフバルブ3で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の圧側減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクとしてのピストン1は、環状に形成されていて、作動油が一方室41から他方室42へ通過することを許容して出口端が同一円周上に配置される複数の伸側ポート4と、逆に作動油が他方室42から一方室42へ通過することを許容して出口端が同一円周上に配置される圧側ポート5と、ピストン1の他方室42側を向く端部に形成されて各伸側ポート4の出口端に連なる環状窓としての伸側窓13と、ピストン1の一方室41側を向く端部に形成されて各圧側ポート5の出口端に連なる環状窓としての圧側窓14と、ピストン1の他方室42側を向く端部に形成されて伸側窓13より外周に配置されて各伸側ポート4の出口端の外周を囲む環状の伸側弁座6と、ピストン1の一方室41側を向く端部に形成されて圧側窓14より外周に配置されて各圧側ポート5の出口端の外周を囲む環状の圧側弁座7とを備えている。
なお、伸側ポート4の出口端が伸側窓13内に配置されていれば、必ずしも、これら出口端が同一円周上に配置されなくともよい。また、圧側ポート5の出口端についても同様に圧側窓14内に配置されていればよいので、これらが同一円周上に配置されずともよい。
さらに、この実施の形態の場合、伸側ポート4の開口端は、ピストン1の一方室41側に積層される圧側リーフバルブ3によって閉塞されないように上記圧側弁座7より外周側に配置されており、また、圧側ポート5の開口端は、ピストン1の他方室42側に積層される伸側リーフバルブ2によって閉塞されないように上記伸側弁座6より外周側に配置されている。この実施の形態の場合、伸側ポート4および圧側ポート5は、ピストン1の軸方向に対して傾斜姿勢で設けられているが、伸側ポート4が圧側のリーフバルブ3に閉塞されず、圧側ポート5が伸側リーフバルブ2に閉塞されなければ、その配置や形状について図示したものに限定されることはなく、また、伸側ポート4および圧側ポート5の設置数は、一つ以上であれば任意の数を設ければよい。
そして、上述のように、ピストン1の内周側には緩衝器のピストンロッド10の先端10aが挿通され、ピストンロッド10の先端10aはピストン1の図1中下方側に突出させてある。また、ピストンロッド10の先端10aの外径は、先端10aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端10aとの外径が異なる部分に段部10bが形成されている。
ピストン1の図1中下側となる他方室42側には、圧側のチェックバルブ8が積層され、このチェックバルブ8に伸側リーフバルブ2が積層されている。チェックバルブ8は、環状であってC型の切欠81を備えており、当該切欠81によって伸側弁座6の内径より小径な外径を持つ内環82と伸側弁座6に離着座する外環83とが形成されている。また、外環83は、伸側弁座6に着座した状態で積層され、内環82は、ピストン1の内周に設けた内周シート部1aに着座した状態で積層される。
そして、このチェックバルブ8は、ピストンロッド10の先端10aの外周に装着されていて、内周側がピストンロッド10に固定され、外周側の撓みが許容され、また、内環82は外環83との接続部84の周辺を除いて外環83とは独立して撓むことができるようになっている。また、内環82は、伸側窓13が設けられているので、図1中上方側へも自由に撓むことができるようになっている。
伸側リーフバルブ2は、図2に示すように、上記チェックバルブ8に積層されて当該チェックバルブ8の内環82によって開閉される透孔21aを備えるとともに外周部を上記外環83に当接させた透孔リーフバルブ21と、透孔リーフバルブ21に積層されて上記透孔21aに連通される連通孔22aと外周から開口して連通孔22aに通じる切欠オリフィス22bとを備えた切欠リーフバルブ22と、切欠リーフバルブ22に積層されて少なくとも上記切欠リーフバルブ22の連通孔22aを蓋する蓋リーフバルブ23とを備えている。具体的には、透孔リーフバルブ21の外径は、チェックバルブ8の外径以上に設定されていて、チェックバルブ8の外環82を伸側弁座6とともに挟持している。
上記透孔リーフバルブ21における透孔21aは、同一円周上に三つ設けられるとともに、周方向に倣う円弧状の長孔とされている。また、上記切欠オリフィス22における連通孔22aは、上記透孔21aが設けられる同一円周上に四つ設けられるとともに、周方向に倣う円弧状の長孔とされていて、透孔リーフバルブ21と切欠リーフバルブ22を重ねると、透孔21aと連通孔22aが同一円周上でラップして、そのラップ面積を大きく確保することができるようになっている。なお、透孔21aと連通孔22aの設置数は任意である。透孔21aと連通孔22aのラップ面積は、少なくとも切欠オリフィス22bの流路面積より大きくなるようにしてある。
また、この伸側リーフバルブ2は、チェックバルブ8と同様に、内周側がピストンロッド10の先端10aに固定されており、外周側の撓みが許容されるようになっている。
なお、伸側リーフバルブ2は、上記した各リーフバルブ21,22,23の他に、反ピストン側に積層されるサブリーフバルブ24を備えており、このサブリーフバルブ24で伸側リーフバルブ2の撓み剛性を調節することができるが、不用であれば、サブリーフバルブ24を省略してもよいし、サブリーフバルブ24を構成する各リーフバルブの外径の積層枚数および外径については任意に設定することができる。
そして、透孔リーフバルブ21、切欠オリフィス22および切欠リーフバルブ23をチェックバルブ8に積層すると、透孔リーフバルブ21の透孔21aと切欠リーフバブル22の連通孔22aとが対向して連通され、また、透孔リーフバルブ21と蓋リーフバルブ23とで切欠オリフィス22bにおける切欠オリフィス22の開口端のみを開放するようになっており、切欠オリフィス22b、連通孔22aおよび透孔21aで流路P1が形成されている。この流路P1を通過する流体は、切欠オリフィス22bによって抵抗を与えられるようになっている。
また、透孔リーフバルブ21のピストン1側面には、チェックバルブ8が積層されていて、当該チェックバルブ8の内環82が撓まないで透孔リーフバルブ21に当接した状態では、内環82が透孔リーフバルブ21の透孔21aに対向してこれを閉じ、内環82が流路P1側からの圧力を受けて撓むと上記透孔21aを開放することができるようになっている。
他方、ピストン1の図1中上側となる一方室41側には、伸側のチェックバルブ9が積層され、このチェックバルブ9に圧側リーフバルブ3が積層されている。チェックバルブ9は、環状であってC型の切欠91を備えており、当該切欠91によって圧側弁座7の内径より小径な外径を持つ内環92と圧側弁座7に離着座する外環93とが形成されている。また、外環93は、圧側弁座7に着座した状態で積層され、内環92は、ピストン1の内周に設けた内周シート部1bに着座した状態で積層される。
そして、このチェックバルブ9は、ピストンロッド10の先端10aの外周に装着されていて、内周側がピストンロッド10に固定され、外周側の撓みが許容され、また、内環92は外環93との接続部94の周辺を除いて外環93とは独立して撓むことができるようになっている。また、内環92は、圧側窓14が設けられているので、図1中下方側へも自由に撓むことができるようになっている。
圧側リーフバルブ3もまた、伸側リーフバルブ2と同様に、図2に示すように、上記チェックバルブ9に積層されて当該チェックバルブ9の内環92によって開閉される透孔31aを備えるとともに外周部を上記外環93に当接させた透孔リーフバルブ31と、透孔リーフバルブ31に積層されて上記透孔31aに連通される連通孔32aと外周から開口して連通孔32aに通じる切欠オリフィス32bとを備えた切欠リーフバルブ32と、切欠リーフバルブ32に積層されて少なくとも上記切欠リーフバルブ32の連通孔32aを蓋する蓋リーフバルブ33とを備えている。具体的には、透孔リーフバルブ31の外径は、チェックバルブ9の外径以上に設定されていて、チェックバルブ89の外環92を圧側弁座7とともに挟持している。
上記透孔リーフバルブ31における透孔31aは、同一円周上に三つ設けられるとともに、周方向に倣う円弧状の長孔とされている。また、上記切欠オリフィス32における連通孔32aは、上記透孔31aが設けられる同一円周上に四つ設けられるとともに、周方向に倣う円弧状の長孔とされていて、透孔リーフバルブ31と切欠リーフバルブ32を重ねると、透孔31aと連通孔32aが同一円周上でラップして、そのラップ面積を大きく確保することができるようになっている。なお、透孔31aと連通孔32aの設置数は任意である。透孔31aと連通孔32aのラップ面積は、少なくとも切欠オリフィス32bの流路面積より大きくなるようにしてある。
また、この圧側リーフバルブ3は、チェックバルブ9と同様に、内周側がピストンロッド10の先端10aに固定されており、外周側の撓みが許容されるようになっている。
なお、圧側リーフバルブ3は、上記した各リーフバルブ31,32,33の他に、反ピストン側に積層されるサブリーフバルブ34を備えており、このサブリーフバルブ34で圧側リーフバルブ3の撓み剛性を調節することができるが、不用であれば、サブリーフバルブ34を省略してもよいし、サブリーフバルブ34を構成する各リーフバルブの外径の積層枚数および外径については任意に設定することができる。
そして、透孔リーフバルブ31、切欠オリフィス32および切欠リーフバルブ33をチェックバルブ9に積層すると、透孔リーフバルブ31の透孔31aと切欠リーフバブル32の連通孔32aとが対向して連通され、また、透孔リーフバルブ31と蓋リーフバルブ33とで切欠オリフィス32bにおける切欠オリフィス32の開口端のみを開放するようになっており、切欠オリフィス32b、連通孔32aおよび透孔31aで流路P2が形成されている。この流路P2を通過する流体は、切欠オリフィス32bによって抵抗を与えられるようになっている。
また、透孔リーフバルブ31のピストン1側面には、チェックバルブ9が積層されていて、当該チェックバルブ9の内環92が撓まないで透孔リーフバルブ31に当接した状態では、内環92が透孔リーフバルブ31の透孔31aに対向してこれを閉じ、内環92が流路P2側からの圧力を受けて撓むと上記透孔31aを開放することができるようになっている。
そして、上述のように、ピストン1の一方室41側と他方室42側に、チェックバルブ8,9、伸側リーフバルブ2および圧側リーフバルブ3、サブリーフバルブ24,34を積層し、これら部材はピストンロッド10の先端10aに組付けられて、上記先端10aに設けた螺子溝10cに螺着されるピストンナット15とピストンロッド10の段部10bとで挟持されてピストンロッド10に固定される。
つづいて、上述のように構成されたバルブ構造の作用について説明する。まず、緩衝器が伸長行程にあり、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、一方室41内の圧力が高まり、一方室41内の作動油は他方室42内に移動しようとする。この場合、一方室41内の圧力が他方室42内の圧力を上回るので、この一方室41内の圧力が圧側リーフバルブ3に形成された流路P2を介して伸側のチェックバルブ9の内環92に作用し、これを図1中下方へ撓ませるので、流路P2が開放される。
また、ピストン速度が低速であって、伸側リーフバルブ2が撓まずに伸側ポート4を閉塞した状態に維持される場合、作動油は、流路P2と圧側ポート5を介して一方室41から他方室42へ移動し、この作動油の流れに対して切欠オリフィス32bが絞りとして機能して抵抗を与える。なお、圧側のチェックバルブ8は、伸側ポート4を介して作用する一方室41内の圧力によって伸側リーフバルブ2へ向けて附勢されて透孔21aを閉塞するので、流路P1は遮断された状態に維持される。また、このように、チェックバルブ8に圧力が作用しても伸側リーフバルブ2によってその全体が支持されるので、チェックバルブ8を薄くしても塑性変形するようなことがない。換言すれば、チェックバルブ8を薄くすることができるということであり、チェックバルブ8の開弁圧を小さく設定することができる。このことは、伸側のチェックバルブ9も同様であるので、チェックバルブ9の開弁圧を小さくすることができ、流路P2を通過する作動油の流れに余計な抵抗を与えないようにすることができる。
そして、緩衝器の伸長速度となるピストン速度が上昇して一方室41と他方室42の差圧が伸側リーフバルブ2の開弁圧に達すると、伸側リーフバルブ2が圧側のチェックバルブ8とともに撓んで伸側弁座6から離座し、作動油は、伸側リーフバルブ2と伸側弁座6と間の隙間をも通過するようになる。
そのため、緩衝器の伸長行程時の伸側リーフバルブ2が開弁するまでにおける伸側減衰力特性は、図3に示すように、圧側リーフバルブ3に設けた切欠オリフィス32bのみによって特徴付けられることになる。
反対に、緩衝器が収縮行程にあり、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方側に移動すると、他方室42内の圧力が高まり、他方室42内の作動油は一方室41内に移動しようとする。この場合、他方室42内の圧力が一方室41内の圧力を上回るので、この他方室42内の圧力が伸側リーフバルブ2に形成された流路P1を介して圧側のチェックバルブ8の内環82に作用し、これを図1中上方へ撓ませるので、流路P1が開放される。また、ピストン速度が低速であって、圧側リーフバルブ3が撓まずに圧側ポート5を閉塞した状態に維持される場合、作動油は、流路P1と伸側ポート4を介して他方室42から一方室41へ移動し、この作動油の流れに対して切欠オリフィス22bが絞りとして機能して抵抗を与える。なお、伸側のチェックバルブ9は、圧側ポート5を介して作用する他方室42内の圧力によって圧側リーフバルブ3へ向けて附勢されて、透孔31aを閉塞するので、流路P2は遮断された状態に維持される。
そして、緩衝器の伸長速度となるピストン速度が上昇して他方室42と一方室41の差圧が圧側リーフバルブ3の開弁圧に達すると、圧側リーフバルブ3が伸側のチェックバルブ9とともに撓んで圧側弁座7から離座し、作動油は、圧側リーフバルブ3と圧側弁座7と間の隙間をも通過するようになる。
そのため、緩衝器の収縮行程時の圧側リーフバルブ3が開弁するまでにおける伸側減衰力特性は、図3に示すように、伸側リーフバルブ2に設けた切欠オリフィス22bのみによって特徴付けられることになる。
なお、本実施の形態にあっては伸側リーフバルブ2と圧側リーフバルブ3の開弁圧が異なっており、開弁時の減衰力が伸圧で異なっているが、伸側リーフバルブ2と圧側リーフバルブ3の開弁圧はそれぞれ任意に設定すればよい。また、伸側リーフバルブ2と圧側リーフバルブ3の開弁時のピストン速度も同様に、本実施の形態のように、異なるように設定してもよいし、同じになるように設定してもよい。
このように本実施の形態における緩衝器のバルブ構造によれば、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定できるのである。そして、本実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、チェックバルブ8,9がC型の切欠81,91を備えていて、当該切欠81,91によって内環82,92と外環83,93とが形成されていて、外環83,93に対して内環82,92がリーフバルブ2,3に形成される流路P1,P2を開閉する構成となっているので、バルブディスクとしてのピストン1の内周シート部1a,1bと伸側と圧側の弁座6,7の軸方向高さに差を持たせる必要は無く、バルブディスクとしてのピストン1の加工が容易となり、加工コストも低減される。
さらに、内環82,92と外環83,93は、別個独立した部品ではなく、接続部84,94にて一体とされているので、内環82,92に対して外環83,93が芯ずれするようなことはなく、内環82,92が撓みを繰り返しても、外環83,93を噛み込むことがなく、恒久的に設計通りの減衰力特性を発揮することができる。
さらに、本実施の形態の緩衝器のバルブ構造にあっては、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定できるので、緩衝器に伸長行程と収縮行程にて適正な減衰力特性で減衰力を発揮させることができ、伸長行程と収縮行程で異なる減衰力特性が要求される用途に適し、特に、車両用緩衝器に最適となって、車両における乗り心地を向上することができる。
なお、上述したところでは、バルブ構造を伸圧両側の減衰バルブに具現化された場合を例に挙げて説明したが、バルブ構造が伸側のみ或いは圧側のみの減衰バルブに具現化されてもよい。というのは、たとえば、伸側の減衰バルブのみにバルブ構造が具現化された場合にあっても、緩衝器の伸長行程時には、流路P1がチェックバルブ8によって閉塞され、収縮行程時には、チェックバルブ8が開弁して流路P1を開放するので、切欠オリフィス22bの設定によって、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定できるのである。それゆえ、緩衝器のバルブ構造が伸側のみ或いは圧側のみの減衰バルブに具現化したとしても、減衰力特性を伸圧両側で別個に設定できる。
また、上記したところでは、緩衝器のピストン部の減衰バルブに具現化した例を用いて本発明のバルブ構造を説明しているが、緩衝器がリザーバをシリンダ外に備える複筒型の緩衝器に設定されてベースバルブを備えるような場合には、本発明のバルブ構造をベースバルブ部の減衰バルブに具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。すなわち、バルブ構造が、ベースバルブ部の減衰バルブに具現化される場合には、一方室をピストン側室あるいはリザーバ室の一方とし、他方室をピストン側室あるいはリザーバ室の他方とすればよい。またさらに、バルブ構造を緩衝器のピストン部の減衰バルブとベールバルブ部の減衰バルブの両方に具現化することも可能である。
以上で緩衝器のバルブ構造の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明は緩衝器のバルブに利用可能である。
1 バルブディスクとしてのピストン
1a,1b 内周シート部
2 リーフバルブとしての伸側リーフバルブ
21,31 透孔リーフバルブ
21a,31a 透孔
22,32 切欠リーフバルブ
22a,32a 連通孔
22b,32b 切欠オリフィス
23,33 蓋リーフバルブ
24,34 サブリーフバルブ
3 リーフバルブとしての圧側リーフバルブ
4 ポートとしての伸側ポート
5 ポートとしての圧側ポート
6 弁座としての伸側弁座
7 弁座としての圧側弁座
8,9 チェックバルブ
81,91 切欠
82,92 内環
83,93 外環
84,94 接続部
10 ピストンロッド
10a ピストンロッドの先端
10b ピストンロッドの段部
10c ピストンロッドの螺子部
13 環状窓としての伸側窓
14 環状窓としての圧側窓
15 ピストンナット
41 一方室
42 他方室
P1,P2 流路

Claims (2)

  1. 緩衝器内に形成される一方室と他方室とを連通するポートと、ポートの出口端を囲む環状の弁座とを備えたバルブディスクと、バルブディスクに積層されてポートを開閉する環状のリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、環状であってC型切欠によって弁座内径より小径な外径を持つ内環と弁座に離着座する外環とが形成されたチェックバルブをリーフバルブとバルブディスクとの間に介装し、リーフバルブが上記チェックバルブに積層されて当該チェックバルブの内環によって開閉される透孔を備えるとともに外周部を上記外環に当接させた透孔リーフバルブと、透孔リーフバルブに積層されて上記透孔に連通される連通孔と外周から開口して連通孔に通じる切欠オリフィスとを備えた切欠リーフバルブと、切欠リーフバルブに積層されて少なくとも上記切欠リーフバルブの連通孔を蓋する蓋リーフバルブとを備えたことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 上記透孔リーフバルブにおける透孔は、同一円周上に複数設けられるとともに、周方向に倣う円弧状の長孔とされ、上記切欠オリフィスにおける連通孔は、上記透孔が設けられる同一円周上に複数設けられるとともに、周方向に倣う円弧状の長孔とされたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
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