JP3827179B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、車両に搭載されて走行中の車両における車体振動の抑制に利用される油圧緩衝器の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
車両に搭載されて走行中の車両における車体振動の抑制に利用される油圧緩衝器としては、従来から種々の提案があるが、具体的には、油圧緩衝器の、たとえば、ピストン部における伸側の減衰力を制御するバルブ構造の改良として提案されることが多い。
【0003】
その場合に、油圧緩衝器に外部から取り付けるアクチュエータの駆動で、あるいは、内蔵する位置依存型や周波数依存型の調整機構の作動で、バルブに作用する作動油の流れや油量を変更したり、あるいは、バルブにおける撓み剛性を変更したりするものがあるが、総じてバルブ構造が複雑となるがゆえに、油圧緩衝器のコスト高を招き易くなる。
【0004】
そこで、組み付けられた状態のままで所定の減衰力を発生させるバルブ構造を有する油圧緩衝器が伝統的に提案されているが、たとえば、特開平2−93136号公報に開示の油圧緩衝器にあっては、以下のようなバルブ構造を有するとしている。
【0005】
すなわち、この従来例とされる油圧緩衝器のピストン部におけるバルブ構造にあっては、図10に示すように、シリンダ1内に摺動可能に収装されるピストン2に形成の伸側ポート2aの下流側に高さレベルの異なる、すなわち、内周側シート部2bと外周側シート部2cとで形成される二段のバルブシート面を直列に配置し、それぞれのバルブシート面に作動油の通過に伴って開く内周端固定の環状リーフバルブからなるサブバルブ3とメインバルブ4を隣接させている。
【0006】
そして、メインバルブ4の外周端が隣接する二段目のバルブシート面、すなわち、外周側シート部2cに打刻オリフィス2dを形成することで、作動油の流量が少ないピストン速度の微低速域では、伸側ポート2aからの作動油がサブバルブ3のみを初期撓み剛性力に抗して押し開くと共に打刻オリフィス2dを通過するようになり、サブバルブ3と打刻オリフィス2dとで所定の減衰力を立ち上げるとしている。
【0007】
また、作動油の流量が増える低速域以降では、打刻オリフィス2dの絞り効果によって、内周側シート部2bと外周側シート部2cとの間に形成の環状溝2eにおける油圧がメインバルブ4の初期撓み剛性力を超えることになる。
【0008】
その結果、このピストン速度の低速域以降では、伸側ポート2aからの作動油がサブバルブ3と共にメインバルブ4をも押し開くようになり、オリフィス特性を持たないリニアな特性の減衰力を発生させることになる。
【0009】
しかしながら、上記した従来例としての図10に示す油圧緩衝器にあっては、バルブ構造における耐久性を期待できなくなり、所期の目的たる車体振動の抑制を設定通りに実現し得なくなる危惧がある。
【0010】
すなわち、上記従来のものでは、サブバルブ3の撓みを保障するためにサブバルブ3とメインバルブ4との間に間座5を配在するとしているから、ピストン速度が低速域以上となるときのサブバルブ3の撓み量は、ピストン速度が微低速域にあるときの撓み量に比較して、極めて大きくなる。
【0011】
それゆえ、サブバルブ3に作用するいわゆる負荷が大きくなり、サブバルブ3が疲労し易くなり、したがって、サブバルブ3に耐久性、すなわち、このサブバルブ3を有するバルブ構造に耐久性を期待し得ないことになる。
【0012】
この発明は、上記した事情を鑑みて草案されたものであって、その目的とするところは、車体振動の抑制を可能にするのはもちろんのこと、バルブ構造における耐久性を持続できて、車両への搭載に最適となる油圧緩衝器を提供することである。
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、シリンダ内にピストンを介して上下二つの油室を区画し、これらの油室をピストンに形成したポートを介して連通させ、上記ピストンの一端側に上記ポートの出口端を囲む環状の内周側シート部と、この内周側シート部の外側に当該内周側シート部より座高が高い環状の外周側シート部とを起立させ、また上記内周側シート部と外周側シート部との間に環状溝部を形成し、上記内周側シート部に内周側を固定し且つ外周側を上記環状溝部まで延ばしたサブバルブを開閉自在に当接し、上記外周側シート部に内周側を固定したメインバルブを開閉自在に当接し、上記メインバルブの背面に当該メインバルブを閉じ方向に附勢するサポートを当接させている油圧緩衝器において、上記サブバルブと上記メインバルブとの間に内周を固定した支持バルブを積層させ、上記サブバルブに上記ポートに連通する開口を形成し、上記支持バルブに上記開口に連通させる共に上記サブバルブを介して上記環状溝部に開閉される他の開口を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
この場合、上記 サポートの外径を上記メインバルブの外径とほぼ同径に設定させてなると共に、上記メインバルブの外周端又は外周側シート部に上記環状溝部を下方油室に連通させる通路を形成させていても良い。
同じく、上記 サポートの外径をメインバルブの外径より小径に設定させていても良い。
【0015】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の油圧緩衝器は図10に示す従来例と同じく、シリンダ1内にピストン2を介して上下二つの油室R1 , R2を区画し、これらの油室R1 , R2をピストン2に形成した伸側ポート2aを介して連通させ、上記ピストン2の一端側たる下面側に上記伸側ポート2aの出口端を囲む環状の内周側シート部と2b、この内周側シート部2bの外側に当該内周側シート部2bより座高が高い環状の外周側シート部2cとを起立させ、また上記内周側シート部2bと外周側シート部2cとの間に環状溝部2eを形成し、上記内周側シート部2bに内周側を固定し且つ外周側を上記環状溝部2eまで延ばしたサブバルブ3を開閉自在に当接し、上記外周側シート部2cに内周側を固定したメインバルブ4を開閉自在に当接し、上記メインバルブ4の背面に当該メインバルブ4を閉じ方向に附勢するサポート8を当接させているものである。
そして、本発明は、上記サブバルブ3と上記メインバルブ4との間に内周を固定した支持バルブ6を積層させている。
更に、上記サブバルブ6に上記伸側ポート2aに連通する開口3dを形成し、上記支持バルブ6に上記開口3dに連通させる共に上記サブバルブ3を介して上記環状溝部2eに開閉される他の開口6aを形成している。
以下更に詳しく説明する。
【0016】
ただ、この実施の形態では、メインバルブ4は、サブバルブ3の下面に隣接された支持バルブ6の下面に隣接されるとしており、その限りでは、前記した図6に示す従来例のように、サブバルブ3との間に間座5を介在させて、両者間を空ける態様には設定されていない。
【0017】
一方、各バルブ3,4,6の構成態様であるが、メインバルブ4が上記した従来例におけるメインバルブ4と同様に、単なる環状リーフバルブからなるに対して、サブバルブ3は、上記した従来例における単なる環状リーフバルブからなるサブバルブ3とは異なり、この実施の形態による場合には、以下のような構成とされ、また、支持バルブ6も以下のような構成とされている。
【0018】
すなわち、まず、サブバルブ3は、図2にも示すように、環状に形成された内周側の固定部3aと、同じく環状に形成された外周側の作動部3bと、固定部3aに作動部3bを連設させる連結部3cとを有してなり、その結果として形成されるC字状の開口3dを有している。
【0019】
そして、このサブバルブ3は、図1に示すように、これが所定の状態に配在されるときに、開口3dを伸側ポート2aの下端開口に対向させる状態に維持される。
【0020】
つぎに、支持バルブ6は、図2にも示すように、サブバルブ3と同径の環状に形成された本体(符示せず)にサブバルブ3の開口3dに連通すると共にサブバルブ3の作動部3bで外周側のほぼ半分が上方から隠蔽される開口6aを適宜の間隔で複数(図示例では、四個)有している。
【0021】
この開口6aは、図示する実施の形態では、適宜の間隔で複数となる態様に現出されているが、要は、サブバルブ3の開口3dをメインバルブ4の上面に対向させて、メインバルブ4における必要な受圧面を確保させるためのものであり、したがって、その個数は任意とされて良く、さらには、大きさ、すなわち、広さも任意とされて良い。
【0022】
以上のように形成された各バルブ3,4,6は、それぞれ内周端固定で外周端自由の態様に配在されるもので、その限りでは、前記した従来例と同様と言えるが、サブバルブ3は、図示する実施の形態では、外周端ではなく外周側をピストン2の下面に形成の内周側シート部2bに離着座可能に隣接させている。
【0023】
支持バルブ6は、サブバルブ3の下面に隣接されていることは前述の通りであるが、上記したメインバルブ4における受圧面の確保の機能からすれば、その厚さが任意とされて良いから、ピストン2の下端面における内周側シート部2bと外周側シート部2cとの間の段差を一定に設定しておきながら、サブバルブ3の厚さを変更するときに、この支持バルブ6の厚さを変更することのみで対応できる効果を生むことになる。
【0024】
メインバルブ4は、支持バルブ6の下面に隣接されながら、外周端をピストン2の下面に形成の外周側シート部2cに離着座可能に隣接させると共に、外周端の下面に背後からのばね7で附勢されたサポート8を隣接させている。
【0025】
ちなみに、サポート8は、図示する実施の形態では、外径がメインバルブ4の外径とほぼ同径になるように設定されており、ばね7の下端は、ピストンロッド9の下端螺条部(符示せず)に螺着されて上端で間座10の配在下にメインバルブ4の内周端を支持バルブ6およびサブバルブ3の内周端と共にピストン2の内周側端の下面との間に挟持するピストンナット11に担持されており、また、ピストン2に形成の圧側ポート2gの上端開口は、ノンリタンバルブ12で開閉可能に閉塞されている。
【0026】
一方、外周側シート部2cには打刻溝からなる通路2fが形成されていて、内周側シート部2bと外周側シート部2cとの間に形成される環状溝2eをこの通路2fを介して下方油室R2に連通させており、サブバルブ3の外周端は、この環状溝2e内に臨在されるとしている。
【0027】
なお、通路2fについては、外周側シート部2cに打刻溝で形成されるのに代えて、図示しないが、メインバルブ4の外周端に形成される切欠溝からなるとしても良く、この場合には、所定の通路を形成するについて、ピストン2に打刻溝を形成することに比較して、作業が簡単になる点で有利となる。
【0028】
以上のように形成されたこの実施の形態による油圧緩衝器にあっては、ピストン2がシリンダ1内を上昇する伸側行程時には、以下のようにして所定の減衰作用をすることになる。
【0029】
まず、ピストン速度が微低速のときには、図3中に矢印aで示すように、ピストン2に形成の伸側ポート2aからの作動油がサブバルブ3の受圧面側に至ると共に、このサブバルブ3に形成の開口3dおよびこれに連通する支持バルブ6に形成の開口6aを介してメインバルブ4の受圧面に及ぶ。
【0030】
このとき、メインバルブ4の受圧面への油圧が低いから、メインバルブ4の外周端を撓ませるようなことはなく、支持バルブ6の開口6aからの作動油が内周側シート部2bを支点にしながらサブバルブ3の外周端を上方に持ち上げるように撓ませて環状溝2e内に流入する。
【0031】
そして、この環状溝2e内に流入した作動油は、外周側シート部2cに形成の通路2fを介して下方油室室R2に流出することになり、このとき、上記の内周側シート部2bを支点にするサブバルブ3の外周端の上方撓みによって所定の伸側減衰力が発生される。
【0032】
一方、ピストン速度が低速以上になると、外周側シート部2cに形成の通路2fにおける絞り効果で、支持バルブ6の開口6aにおける油圧が高くなり、したがって、メインバルブ4の外周端がばね7で附勢されたサポート8を押し下げるようにして下方に撓み、そこに形成される隙間を介して作動油が下方油室R2に流出することになり、このときのメインバルブ4の外周端の撓み作動で所定の伸側減衰力が発生されることになる。
【0033】
このとき、サブバルブ3は、メインバルブ4の作動に一切関与せず、したがって、外周端における撓み現象も発現されないことになる。
【0034】
その結果、この実施の形態では、ピストン速度の微低速域ではサブバルブ3によるバルブ特性の減衰力を、また、ピストン速度が低速域以上になると、メインバルブ4によるバルブ特性の減衰力をそれぞれ独立に、しかも、任意の大きさに発生させることが可能になる。
【0035】
そしてまた、この実施の形態では、メインバルブ4の作動時にサブバルブ3が一切作動しないから、サブバルブ3における撓み作動の繰り返しによるバルブ耐久力の早期の劣化が危惧されない、すなわち、バルブ構造における耐久性の低下を危惧しなくて済むことになる。
【0036】
以上のように、この実施の形態では、ピストン速度の微低速域では、サブバルブ3が外周端を上方に撓ませるようにして減衰作用し、ピストン速度の低速域以上では、メインバルブ4の外周端を下方に撓ませることで減衰作用をすることになるが、この減衰作用を前記した従来の場合と比較すると、従来の場合がサブバルブ3およびメインバルブ4が直列配置された状態での減衰力作用であるのに対して、この実施の形態による場合には、サブバルブ3およびメインバルブ4が並列配置された状態での減衰力作用である点で異なることになる。
【0037】
その結果、図5に示すように、たとえば、仮想線で示す特性が図10に示す従来の油圧緩衝器による場合と仮定するとき、破線で示す特性のように、ピストン速度の微低速域での減衰力の立ち上がりを良くしようとすると、ピストン速度の低速域以上での減衰力が異常に高くなり、仮に、操縦安定性が良くなっても、乗り心地が極めて悪化されることになる。
【0038】
それに対して、この実施の形態による場合には、各バルブ3,4が並列されていて、それぞれの発生減衰力を独立に設定できるから、ピストン速度の微低速域での減衰力の立ち上がりを良くする設定にしても、ピストン速度の低速域以上での減衰力が異常に高くなる危惧はなく、ピストン速度が微低速域にあるときの操縦安定性を向上させると共に、ピストン速度が低速域以上になるときの乗り心地の改善をも可能にすることになる。
【0039】
図6は、この発明の他の実施の形態による油圧緩衝器のピストン部におけるバルブ構造を示すものであるが、基本的には、前記した図1に示す実施の形態の場合と同様の構成となっている。
【0040】
したがって、その構成の同一なるところについては、要する場合を除いて、図中に同一の符号を付するのみとして、以下には、この実施の形態において特徴となるところを中心に説明する。
【0041】
すなわち、この実施の形態では、メインバルブ4の下面に隣接されるサポート8の外径がメインバルブ4の外径より小径に設定されており、サポート8の外周端がメインバルブ4の外周端ではなく、より内側となる外周側の下面に隣接するとしている。
【0042】
一方、この実施の形態では、メインバルブ4の外周端が離着座可能に隣接するピストン2の下面に形成の外周側シート部2cに打刻溝からなる通路2fが形成されていないとし、さらには、この通路2fに代わる切欠溝もメインバルブ4の外周端に形成されないとしている。
【0043】
それゆえ、この実施の形態にあっては、ピストン2がシリンダ1内を上昇する伸側行程時には、以下のようにして所定の減衰作用をすることになる。
【0044】
まず、ピストン速度が微低から低速域にあるときには、図7に示すように、伸側ポート2aからの作動油が内周側シート部2bを支点にしてサブバルブ3の外周端を上方に撓ませるようにして環状溝2e内に流入すると共に、この環状溝2e内の作動油が、外周側シート部2cに通路2f(図1参照)が形成されていないがゆえに、また、サポート8の外周端がメインバルブ4の外周側の下面に隣接して、すなわち、担持してメインバルブ4の外周端のサポート8を附勢するばね7のばね力に影響されない撓みを許容しているから、このメインバルブ4の外周端を撓ませるようにして下方油室R2へ流出することになる。
【0045】
そして、このときのサブバルブ3およびメインバルブ4におけるそれぞれの外周端の撓みで所定の伸側減衰力が発生されることになる。
【0046】
一方、ピストン速度が中速以上になると、支持バルブ6の開口6aにおける油圧が高くなり、したがって、図8に示すように、メインバルブ4がばね7で附勢されたサポート8を押し下げるようにして下方に撓み、そこに形成される隙間を介して下方油室R2に流出することになり、このときのメインバルブ4の撓み作動で所定の伸側減衰力が発生されることになる。
【0047】
このとき、サブバルブ3は、メインバルブ4の作動に一切関与せず、したがって、外周端における撓み現象も発現されないこともちろんである。
【0048】
したがって、この実施の形態にあっても、ピストン速度の微低速から低速域では、サブバルブ3およびメインバックル4によるバルブ特性の減衰力を、また、ピストン速度が中速域以上になると、メインバルブ4のみによるバルブ特性の減衰力をそれぞれ独立に発生させることが可能になる。
【0049】
そして、この実施の形態にあっても、メインバルブ4の作動時にはサブバルブ3が一切作動しないから、サブバルブ3における撓み作動の繰り返しによるバルブ耐久力の早期の劣化が危惧されないことになる。
【0050】
一方、上記したところに代えて、外周側シート部2cに通路2fが形成されてなるとする場合には、ピストン速度の微低速域時に、図9に示すように、支持バルブ6の開口6aからの作動油がサブバルブ3の外周端を上方に撓ませて環状溝2eに流出した後、通路2fを介して下方油室R2に流出することになり、このとき、図7に示す場合と異なり、メインバルブ4の外周端を撓ませないから、より低い伸側の減衰力発生に止まることになる。
【0051】
なお、この図9に示す実施の形態の場合に、ピストン速度が中速以上になるときには、前記した図8に示す場合と同様に、メインバルブ4がばね7で附勢されたサポート8を押し下げるようにして下方に撓むことになり、このときのメインバルブ4の撓み作動で所定の伸側減衰力が発生されることになる。
【0052】
前記したところは、各バルブ3,4,6がシリンダ1内のピストン2に配在されている場合を例にして説明したものであるが、この発明の意図するところからすれば、図示しないが、各バルブ3,4,6がシリンダ1内のベースバルブ部に配在されているとして、圧側減衰力の制御に利用されるとしても良く、その場合の作用効果も異ならないこともちろんである。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明にあっては、ピストン速度の微低速域時には、サブバルブの外周端がメインバルブに干渉することなく上方に撓んで所定の減衰作用をすると共に、ピストン速度が低速域以上になると、メインバルブがサブバルブに関与することなく下方に撓んで所定の減衰作用をすることになるから、この減衰作用を従来の場合と比較すると、従来の場合が各バルブが直列配置された状態での減衰作用であるのに対して、この発明では、各バルブが並列配置された状態での減衰作用となる。
【0054】
その結果、サブバルブとメインバルブによるそれぞれの発生減衰力を独立に設定することが可能になり、特に、微低速域での減衰力の立ち上がりを良くして操縦安定性を向上させながら、ピストン速度の低速域以上では、全体的に低い減衰力発生に抑えて乗り心地を改善することが可能になる。
【0055】
また、この発明にあっては、各バルブの作動領域が限定されるから、各バルブに設定通りの耐久性を期待できることになり、したがって、各バルブの耐久性が維持されることでバルブ構造全体の耐久性を持続できることになる。
【0056】
そして、この発明にあっては、各バルブの作動領域が限定されるから、各バルブの減衰特性を任意に設定し得ることになり、この場合に、サブバルブとメインバルブとの間に支持バルブを配在させる構成としたから、この支持バルブの構成を種々に設定することで、任意の減衰特性に設定できることになる。
【0057】
さらに、この発明にあっては、メインバルブを下方から担持するサポートの外径をメインバルブの外径より小さく設定することで、メインバルブの外周端をサポートを附勢するばねのばね力に影響されずに撓ませることが可能になり、ピストン速度の低速域に相応する低い減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0058】
その結果、この発明によれば、車体振動を抑制するについて、バルブ構造における耐久性を持続しながら好ましい減衰力の発生を期待できることになり、車両への搭載に最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による油圧緩衝器におけるピストン部の構造を示す部分縦断面図である。
【図2】ピストン部に配在されるサブバルブ,支持バルブおよびメインバルブの積層された状態を示す平面図である。
【図3】図1におけるピストン部でのサブバルブの作動状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図4】図1におけるピストン部でのメインバルブの作動状態を図3と同様に示す図である。
【図5】図1の油圧緩衝器によるピストン速度に対する伸側減衰力の特性を従来例としての油圧緩衝器による場合の特性との比較で示す図である。
【図6】この発明の他の実施の形態による油圧緩衝器におけるピストン部の構造を図1と同様に示す図である。
【図7】図6のピストン部におけるピストン速度の低速域でのバルブの作動状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図8】図6のピストン部におけるピストン速度の中速域でのバルブの作動状態を図7と同様に示す図である。
【図9】この発明のさらに他の実施の形態による油圧緩衝器におけるピストン部でのピストン速度の微低速域でのバルブの作動状態を図7と同様に示す図である。
【図10】従来例としての油圧緩衝器におけるピストン部の構造を図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
2 ピストン
2a 伸側ポート
2b 内周側シート部
2c 外周側シート部
2e 環状溝部
2f 通路
3 サブバルブ
3d,6a 開口
4 メインバルブ
6 支持バルブ
7 ばね
8 サポート
R1 上方油室
R2 下方油室

Claims (3)

  1. シリンダ内にピストンを介して上下二つの油室を区画し、これらの油室をピストンに形成したポートを介して連通させ、上記ピストンの一端側に上記ポートの出口端を囲む環状の内周側シート部と、この内周側シート部の外側に当該内周側シート部より座高が高い環状の外周側シート部とを起立させ、また上記内周側シート部と外周側シート部との間に環状溝部を形成し、上記内周側シート部に内周側を固定し且つ外周側を上記環状溝部まで延ばしたサブバルブを開閉自在に当接し、上記外周側シート部に内周側を固定したメインバルブを開閉自在に当接し、上記メインバルブの背面に当該メインバルブを閉じ方向に附勢するサポートを当接させている油圧緩衝器において、上記サブバルブと上記メインバルブとの間に内周を固定した支持バルブを積層させ、上記サブバルブに上記ポートに連通する開口を形成し、上記支持バルブに上記開口に連通させる共に上記サブバルブを介して上記環状溝部に開閉される他の開口を形成したことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. サポートの外径をメインバルブの外径とほぼ同径に設定させてなると共に、メインバルブの外周端又は外周側シート部に環状溝部を下方油室に連通させる通路を形成させてなる請求項1の油圧緩衝器
  3. サポートの外径をメインバルブの外径より小径に設定させてなる請求項1の油圧緩衝器
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