JP4733565B2 - ダンパ - Google Patents

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この発明は、ダンパに関し、特に、たとえば、自動二輪車の前輪側に架装されて自動二輪車における前輪の振れに対処するステアリングダンパとしての利用に向き、あるいは、小型船舶の操縦席に装備されて操縦席における上下動に対処するシートダンパとしての利用に向くダンパの改良に関する。
たとえば、自動二輪車の前輪側に架装されて自動二輪車における前輪の振れに対処するステアリングダンパとしての利用に向き、あるいは、小型船舶の操縦席に装備されて操縦席における上下動に対処するシートダンパとしての利用に向くダンパとしては、従来から種々の提案がある。
その中で、たとえば、特許文献1には、筒型に形成されたダンパであって、シリンダ体内の軸芯部に挿通されるロッド体の両端部がシリンダ体外に突出する両ロッド型に形成されると共に、シリンダ体内に位置決められるロッド体の中央部には減衰手段を有しながらシリンダ体内に同じ断面積となる一方の油室および他方の油室を画成するピストン体が保持されてなるとするものが開示されている。
そして、この特許文献1に開示のダンパにあって、ピストン体における減衰手段は、明細書の記載および図面に示すところでは、固定オリフィスからなるとし、明細書中への記載だけで図示などによる具体的な構成の開示はないが、発生する減衰力を可変にする構成とされるとしても良いとしている。
それゆえ、この特許文献1に開示のダンパにあっては、シリンダ体に対してロッド体が言わば出没するときに、広狭する両方の油室がピストン体に配設の減衰手段を介して連通し、このとき、減衰手段による減衰作用でシリンダ体とロッド体との間における相対移動が抑制される傾向になる。
その結果、このダンパが、たとえば、自動二輪車における前輪側に架装されるときには、すなわち、シリンダ体が自動二輪車における車体側に連結されると共にロッド体の一方が自動二輪車における前輪側に連結されるときには、シミーなどによる自動二輪車における前輪の振れを減衰手段で減衰する、すなわち、抑制することが可能になり、自動二輪車における乗り心地を改善し得ることになる。
実開平1‐78739号公報(実用新案登録請求の範囲(1),同(2),明細書第8頁第9行から同第13行,第1図,第2図)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、減衰手段が固定オリフィスを有してなるとするから、たとえば、自動二輪車における乗り心地の改善が思うに任せなくなると指摘される可能性がある。
すなわち、ピストン体に配設の減衰手段が固定オリフィスからなるときには、その機能する領域が限定されることになり、たとえば、ピストン速度が遅く作動油の通過量が少ない低速領域にあるときにオリフィスが機能するように設定すると、ピストン速度が高速領域になる場合には、オリフィスにおける作動油の通過量が多くなり、その分、オリフィスの絞り抵抗が大きくなり過ぎてダンパがロック状態に近い状態になり、好ましいダンパ機能の発揮を期待できなくすることになる。
そして、ピストン速度が高速領域になるときにオリフィスが機能するように設定すると、ピストン速度が低速領域にあるときは、オリフィスによる減衰作用が期待できなくなり、同じく好ましいダンパ機能の発揮を期待できなくすることになる。
その結果、上記した特許文献1に開示のダンパを自動二輪車の前輪側に架装して自動二輪車における前輪の振れを抑制するステアリングダンパに利用するとしても、たとえば、シミーなどによるピストン速度が遅い場合の振れを抑制できるとする場合には、キックバックなどによるピストン速度が速くなる場合の振れを抑制できなくなり、あるいは、逆に、キックバックなどを抑制できるとする場合には、シミーなどを抑制できなくなる不具合を招くことになる。
ちなみに、上記した特許文献1では、減衰手段が発生減衰力を可変にするとしても良い旨表明しているが、発生減衰力を可変にするための具体的な開示がなく、したがって、ピストンの速度領域が低速領域である場合と高速領域となる場合のいずれか一方に対処し得ないことは明らかである。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、たとえば、自動二輪車の前輪側に架装されて自動二輪車における前輪の振れに対処するステアリングダンパとしての利用に向き、あるいは、小型船舶の操縦席に装備されて操縦席における上下動に対処するシートダンパとしての利用に向くダンパを提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の手段は、シリンダ体内に摺動可能に収装されながらシリンダ体内に出没可能に挿通されるロッド体の外周に配設されてシリンダ体内に一方の油室と他方の油室を画成するピストン体を有すると共に、ピストン体が一方の油室と他方の油室との連通を許容する減衰手段を有してなるダンパにおいて、上記ピストン体を上記ロッド体の外周にあって上記ロッド体の軸線方向に移動可能に介装されながら一方の油室に端面を対向させる一方の分割ピストン体と他方の油室に端面を対向させる他方の分割ピストン体とで構成し、上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体の各外周と上記シリンダ体の内周との間に作動油の通過を許容する流路を形成し、さらに、上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体との間に両者を離す方向に附勢する附勢手段を設け、上記減衰手段が上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体とに亙って形成され、上記附勢手段によって上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体とが離されているときに上記一方の油室と上記他方の油室とが上記減衰手段と上記流路とを介して連通し、上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体とが上記附勢手段に抗して近接する時に上記流路を介して上記一方の油室と上記他方の油室との連通を許容しながら上記減衰手段による上記一方の油室と上記他方の油室との連通を遮断させることを特徴とするものである。
それゆえ、この発明のダンパにあって、相対的に看て、シリンダ体内でロッド体が移動するときには、基本的には、ロッド体の外周に配設されているピストン体たる両方の分割ピストン体がロッド体の移動に追随して移動するようになる。
そして、このときには、ロッド体が移動しようとする側の油室が高圧側になるから、基本的には、この高圧側となる油室に対向する端面を有する分割ピストン体がその高圧の影響を受けることになる。
そしてまた、この高圧が附勢手段の附勢力に優るとき、分割ピストン体が附勢手段の附勢力に抗していわゆる後退することになり、両方の分割ピストン体が近接する状況になると、減衰手段を介しての両方の油室における連通が阻止されて、シリンダ体に対するロッド体の移動が大きく抑制される傾向になる。
上記と逆に、高圧が附勢手段の附勢力に劣るとき、分割ピストン体は附勢手段の附勢力によっていわゆる静止状態におかれ、このとき、減衰手段を介しての両方の油室における連通が許容されて、シリンダ体に対するロッド体の移動が小さく抑制される傾向になる。
特に、減衰手段が閉鎖されて一方の油室と他方の油室における連通が阻止されるときにも各ピストン体の外周とシリンダの内周との間に流路が確保されているので、シリンダ体内にいわゆる完全なるオイルロック状態が発現されない。
従って、たとえば、シリンダ体とロッドとの間のシール部材の破損が回避され、ダンパの恒久的な利用が可能になるのはもちろんのこと、いわゆるゴツゴツ感を自動二輪車のライダーに体感させない。
減衰手段が開放されているか閉鎖されているかに拘わりなく、一方の油室あるいは他方の油室が高圧化されるときには、両方の油室が上記の隙間からなる流路を介して連通されることになる。
そして、減衰手段が開放されている場合には、減衰手段と流路の両方を作動油が通過することになり、いわゆる低い減衰力の発生状態下にシリンダ体に対するロッド体の移動が抑制される傾向になる。
減衰手段が閉鎖されている場合には、流路のみを作動油が通過することになり、いわゆる高い減衰力の発生状態下にシリンダ体に対するロッド体の移動が抑制される傾向になる。
以下本発明の実施の一例を図1に基づいて説明する。
各実施の形態に係わるダンパは、シリンダ体1内に摺動可能に収装されながらシリンダ体1内に出没可能に挿通されるロッド体2の外周に配設されてシリンダ体1内に一方の油室R1と他方の油室R2を画成するピストン体3を有すると共に、ピストン体3が一方の油室R1と他方の油室R2との連通を許容する減衰手段31a、32aを有している。
そして、上記ピストン体1を上記ロッド体2の外周にあって上記ロッド体2の軸線方向に移動可能に介装されながら一方の油室R1に端面を対向させる一方の分割ピストン体31と他方の油室R2に端面を対向させる他方の分割ピストン体32とで構成している。
また、上記一方の分割ピストン体31と上記他方の分割ピストン体32の各外周と上記シリンダ体1の内周との間に作動油の通過を許容する流路を形成している。
さらに、上記一方の分割ピストン体31と上記他方の分割ピストン体32との間に両者を離す方向に附勢する附勢手段4を設けている。
また、上記減衰手段31a,32aが上記一方の分割ピストン体31と上記他方の分割ピストン体32とに亙って形成されている。
これにより、上記附勢手段4によって上記一方の分割ピストン体31と上記他方の分割ピストン体32とが離されているときに上記一方の油室R1と上記他方の油室R2とが上記減衰手段31a、32aと上記流路とを介して連通し、上記一方の分割ピストン体31と上記他方の分割ピストン体32とが上記附勢手段4に抗して近接する時に上記流路を介して上記一方の油室R1と上記他方の油室R2との連通を許容しながら上記減衰手段31a、32aによる上記一方の油室R1と上記他方の油室R2との連通を遮断させるようになっている。
以下更に詳しく説明する。
図1に示すダンパは、たとえば、自動二輪車の前輪側に架装されて自動二輪車における前輪の振れに対処するステアリングダンパである。
すなわち、このダンパは、筒型のダンパとされ、しかも、シリンダ体1の両端部からロッド体2を軸受部材11およびシール部材12の摺接下にシリンダ体1の外部に突出させる両ロッド型に形成されてなるとしている。
ちなみに、このダンパが自動二輪車の前輪側に架装される際には、たとえば、シリンダ体1が自動二輪車における車体側に連結されるとき、ロッド体2の一方が自動二輪車における前輪側に連結されることになる。
そして、このダンパは、自動二輪車における前輪に入力されるシミーやキックバックなどによる振れを減衰手段で抑制して、自動二輪車における乗り心地を改善するとしている。
そのため、このダンパは、まず、シリンダ体1内に摺動可能に収装されながらシリンダ体1内に出没可能に挿通されるロッド体2の外周に配設されてシリンダ体1内に一方の油室R1と他方の油室R2を画成するピストン体3を有してなるとしている。
このとき、このダンパにあって、両方の油室R1,R2は、それぞれ軸芯部に同径となるロッド体2を挿通させることでそれぞれにおける断面積を同一にするとしており、したがって、減衰手段が同じであることを条件にするが、シリンダ体1に対してロッド体2が出没するときには、同じ減衰特性の具現化を可能にし得ることになる。
そして、このダンパにあって、ピストン体3は、ロッド体2の外周に単一の態様に配設されるのではなく、ロッド体2の外周にあってロッド体2の図中で左右方向となる軸線方向に移動可能に介装されながら一方の油室R1に端面を対向させる一方の分割ピストン体31と、他方の油室R2に端面を対向させる他方の分割ピストン体32とからなるとしている。
また、このダンパにあって、ピストン体3は、一方の分割ピストン体31と他方の分割ピストン体32との間に両者を離す方向に附勢する附勢手段を、すなわち、図示するところでは、バネ部材4を有してなるとしている。
ちなみに、附勢手段たるバネ部材4は、図示するところでは、円錐コイルバネ からなるとしているが、凡そ分割ピストン体31,32の近接時におけるいわゆる摺動ストロークを減殺しない限りにおいて自由な構成が選択されて良く、図示しないが、たとえば、皿バネからなるとしても良く、さらには、弾性に富むゴム材や合成樹脂材で形成される環状バネからなるとしても良い。
さらに、このダンパにあって、ピストン体3は、一方の油室R1と他方の油室R2との連通を許容する減衰手段を有してなるとしており、この減衰手段は、図示するところでは、ピストン体3が一方の分割ピストン体31と他方の分割ピストン体32とからなるから、両方の分割ピストン体31,32に亙って形成されてなるとし、それぞれの分割ピストン体31,32に開穿されたオリフィス31a,32aからなるとしている。
ちなみに、このオリフィス31a,32aについてだが、図示するところでは、固定オリフィスからなるとしており、また、その数について、図示するところでは、複数とされているが、これに代えて、図示しないが、単数とされるとしても良い。
そして、この減衰手段たるオリフィス31a,32aは、附勢手段の附勢力によって、すなわち、バネ部材4のバネ力によって両方の分割ピストン体31,32が離されているときに両方の油室R1,R2がこの減衰手段を介して連通することを許容するとしている(図2参照)。
そしてまた、この減衰手段たるオリフィス31a,32aは、たとえば、それぞれの端面を対向させる油室R1,R2における油圧の高圧化によって、すなわち、いずれか一方の油室R1,R2における油圧が高圧化されて、たとえば、図3に示すように、分割ピストン体31に作用する推力が附勢部材たるバネ部材4のバネ力に優ることになるとき、分割ピストン体31がバネ部材4のバネ力に抗して分割ピストン体32に近接するときにこの減衰手段を介しての両方の油室R1,R2の連通を阻止するとしている。
もっとも、油室R1あるいはR2が高圧化されるとしても、その高圧が附勢手段たるバネ部材4のバネ力にわずかに勝る程度で、したがって、両方の分割ピストン体31,32がわずかに後退する程度の場合には、上記した減衰手段たるオリフィス31a,32aは閉鎖されずして作動油の通過が許容される、すなわち、オリフィス31a,32aを介して両方の油室R1,R2が連通し得ることになるのはもちろんである。
ところで、図示するダンパにあっては、ピストン体3たる両方の分割ピストン体31,32の外周とシリンダ体1の内周との間に作動油の通過を許容する隙間からなる流路が形成されてなるとしている。
すなわち、図示する実施形態では、両方の分割ピストン体31,32がそれぞれの端面を対向させる油室R1,R2における油圧の高圧化によってバネ部材4のバネ力に抗していわゆる後退し、したっがて、減衰手段たるオリフィス31a,32aが閉鎖されて両方の油室R1,R2における連通が阻止されるときにも、上記の隙間からなる流路が確保されることで、シリンダ体1内にいわゆる完全なるオイルロック状態が発現されないようにしている。
このように、シリンダ体1内に完全なるオイルロック状態が発現されないようにすることで、たとえば、シール部材12の破損が回避され、したっがて、ダンパの恒久的な利用が可能になるのはもちろんのこと、いわゆるゴツゴツ感を自動二輪車のライダーにいたずらに体感させないようにすることが可能になる。
それゆえ、図示するダンパにあっては、減衰手段たるオリフィス31a,32aが開放されているか閉鎖されているかに拘わりなく、一方の油室R1あるいは他方の油室R2が高圧化されるときには、両方の油室R1,R2が上記の隙間からなる流路を介して連通されることになる。
そして、減衰手段たるオリフィス31a,32aが開放されている場合には、図2に示すように、オリフィス31a,32aと流路の両方を作動油が通過することになり、いわゆる低い減衰力の発生状態下にこのダンパにおいてシリンダ体1に対するロッド体2の移動が抑制される傾向になる。
そしてまた、減衰手段たるオリフィス31a,32aが閉鎖されている場合には、図3に示すように、流路のみを作動油が通過することになり、いわゆる高い減衰力の発生状態下にこのダンパにおいてシリンダ体1に対するロッド体2の移動が抑制される傾向になる。
ところで、上記したピストン体3にあって、両方の分割ピストン体31,32の間は、附勢部材の附勢力によって離されるとしているが、いわゆる無制限に離されるのではなく、減衰手段たるオリフィス31a,32aが機能し得る領域で、すなわち、両方の分割ピストン体31,32が近接してオリフィス31a,32aを閉鎖するとき、両方の分割ピストン体31,32がいたずらに摺動しなくても済む間隔に維持されるように設定されるとしている。
そして、そのために、図示するところでは、両方の分割ピストン体31,32におけるそれぞれの端面を対向させる油室R1,R2側への移動がロッド体2の外周に配設のストッパ手段たるストップリング5によって阻止されてなるとしている。
前記したところは、このダンパにあって、ピストン体3たる分割ピストン体31あるいは32が移動するのは、それぞれが対向することになる油室R1あるいはR2における油圧の高圧化、すなわち、ピストン速度に起因する。
それに対して、図4に示すところは、ピストン体3たる両方の分割ピストン体31,32が移動するのは、その移動位置に依存するとする場合の実施形態のダンパであって、以下には、これについて説明する。
ちなみに、この図4に示すところにあって、その構成が前記した図1に示すダンパにおける構成と同等となるところについては、要する場合を除き、図4中に同一の符号を附するのみとしてその詳しい説明を省略する。
すなわち、この図4に示すダンパにあっては、シリンダ体1,ロッド体2およびピストン体3の構成は、前記した実施形態の場合と同様であるが、一方の油室R1および他方の油室R1に規制手段としてのコイルスプリング6をそれぞれ有してなるとしている。
そして、このコイルスプリング6は、いわゆる基端がシリンダ体1の端部に担持されるに対して先端がピストン体3に対向するとしており、したがって、ロッド体2がシリンダ体1に対して大きいストロークで移動する場合には、たとえば、図5に示すように、他方の分割ピストン体32がコイルスプリング6の先端に衝突することになる。
そして、このときには、他方の分割ピストン体32が附勢手段たるバネ部材4のバネ力に抗していわゆる後退して一方の分割ピストン体31に近接することになり、したがって、ピストン体3に配設の減衰手段たるオリフィス31a,32aが閉鎖されることになる。
その結果、このダンパにあっては、シリンダ体1内でロッド体2が移動してピストン体3たる分割ピストン体31,32が規制手段たるコイルスプリング6に衝突することになるまでのストローク中には、減衰手段たるオリフィス31a,32aを介して両方の油室R1,R2が連通しているから、いわゆるソフトな減衰力発生によって自動二輪車の前輪に入力されるシミーなどの小さい振幅の振動を抑制することが可能になる。
そして、シリンダ体1内で移動するロッド体2が大きいストロークで移動する場合には、ピストン体3たる分割ピストン体31,32が規制手段たるコイルスプリング6に衝突するから、その結果として減衰手段たるオリフィス31a,32aが閉鎖されて両方の油室R1,R2の連通が阻止されるから、いわゆるハードな減衰力発生によって自動二輪車の前輪に入力されるキックバックなどの大きい振幅の振動を抑制することが可能になる。
以上からすれば、上記した規制手段は、たとえば、弾性に富むゴム材や合成樹脂材からなる筒状体に代えるとしても良く、また、筒状に形成されたエアバックなどからなるとしても良い。
ちなみに、上記した規制手段は、シリンダ体1内で浮動構造に配設されてなるとしても良いが、この規制手段が浮動することで、金属音の発生などが危惧される場合には、軽圧入などの方策でシリンダ体1に基端部が連結されてなるとするのが好ましいであろう。
図6に示すところは、この発明によるダンパが、詳しくは図示しないが、小型船舶の操縦席に装備されて操縦席における上下動に対処するシートダンパとされるものであって、基本的には、汎用されている単筒型もしくは複筒型の油圧緩衝器としての構成を備えてなるとしている。
そこで、以下には、この図6に示すダンパについて説明するが、その構成が前記した図1あるいは図4に示すダンパにおける構成と同等となるところについては、要する場合を除き、図6中に同一の符号を附するのみとしてその詳しい説明を省略する。
すなわち、この図6に示すダンパは、一方の油室R1がシリンダ体1内にピストン体3で画成されて図中で左側の油室となるピストン側油室とされると共に、他方の油室R2がシリンダ体内にピストン体3で画成されて図中で右側となるロッド側油室とされる片ロッド型とされてなる。
そして、このダンパにあっても、シリンダ体1内に摺動可能に収装されながらシリンダ体1内に出没可能に挿通されるロッド体2の外周に配設されてシリンダ体1内に一方の油室R1と他方の油室R2を画成するピストン体3を有すると共に、ピストン体3が一方の油室R1と他方の油室2との連通を許容する減衰手段を有してなるとしている。
そしてまた、このダンパにあっても、ピストン体3は、両方の分割ピストン体31,32からなり、この両方の分割ピストン体31,32は、それぞれ減衰手段とされるオリフィス31a,32aを有すると共に、両者間に附勢手段たるバネ部材4が配設されてなるとしている。
それゆえ、このダンパにあっては、たとえば、シリンダ体1が船体側に連結されて起立され、ロッド体2が操縦席に連結されとする場合に、操縦席の支持脚を構成しながら、たとえば、船舶が波によって上下動されるときに、操縦席にその影響を与えないようにして、操縦席における座り心地を改善することが可能になると言い得ることになる。
ちなみに、このダンパにあっても、これが伸縮作動するときのピストン速度が遅い場合には、いわゆるソフトな座り心地を発現させ、逆にピストン速度が速い場合には、いわゆるハードな減衰力の発生状態になって、操縦者の体がいたずらに沈み込むような不具合の招来を回避し得ることになる。
なお、このダンパにあっても、上記した速度依存とするのに代えて、ピストン側油室およびロッド側油室にそれぞれ規制手段としてのコイルスプリング6を有するとして位置依存とするとしても良いことはもちろんである。
前記したところは、この発明のダンパがステアリングダンパあるいはシートダンパとして具現化される場合を例にして説明したが、この発明が意図するところからすれば、凡そダンパ機能の発揮を期待する限りにはその具現化が可能になるのはもちろんである。
また、前記したところでは、油温補償機能について、説明しなかったが、凡そこの種のダンパが油温補償用のアキュムレータなどを有することは周知とされていることであり、この発明の具現化にあっても油温補償用のアキュムレータなどを有するのはもちろんである。
この発明の一実施形態によるダンパを一部破断して示す断面図である。 図1のダンパにおけるピストン体部分の一作動状態を拡大して示す部分半截断面図である。 同じく図1のダンパにおけるピストン体部分の他の作動状態を図2と同様に示す図である。 この発明の他の実施形態によるダンパを図1と同様に示す図である。 図4のダンパにおけるピストン体部分の一作動状態を図2と同様に示す図である。 この発明のさらに他の実施形態によるダンパの要部を示す部分拡大半截断面図である。
符号の説明
1 シリンダ体
2 ロッド体
3 ピストン体
4 附勢手段たるバネ部材
5 ストッパ手段たるストップリング
6 規制手段たるコイルスプリング
31 一方の分割ピストン体
31a,32a 減衰手段たるオリフィス
32 他方の分割ピストン体
R1 一方の油室
R2 他方の油室

Claims (8)

  1. シリンダ体内に摺動可能に収装されながらシリンダ体内に出没可能に挿通されるロッド体の外周に配設されてシリンダ体内に一方の油室と他方の油室を画成するピストン体を有すると共に、ピストン体が一方の油室と他方の油室との連通を許容する減衰手段を有してなるダンパにおいて、上記ピストン体を上記ロッド体の外周にあって上記ロッド体の軸線方向に移動可能に介装されながら一方の油室に端面を対向させる一方の分割ピストン体と他方の油室に端面を対向させる他方の分割ピストン体とで構成し、上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体の各外周と上記シリンダ体の内周との間に作動油の通過を許容する流路を形成し、さらに、上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体との間に両者を離す方向に附勢する附勢手段を設け、上記減衰手段が上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体とに亙って形成され、上記附勢手段によって上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体とが離されているときに上記一方の油室と上記他方の油室とが上記減衰手段と上記流路とを介して連通し、上記一方の分割ピストン体と上記他方の分割ピストン体とが上記附勢手段に抗して近接する時に上記流路を介して上記一方の油室と上記他方の油室との連通を許容しながら上記減衰手段による上記一方の油室と上記他方の油室との連通を遮断させることを特徴とするダンパ。
  2. 一方の分割ピストン体および他方の分割ピストン体におけるそれぞれの端面を対向させる油室側への移動がロッド体の外周に配設のストッパ手段によって阻止されてなる請求項1に記載のダンパ。
  3. 一方の分割ピストン体および他方の分割ピストン体が端面を対向させる油室における油圧の高圧化によって附勢手段に抗してのロッド体の外周での移動が許容されてなる請求項1又は2に記載のダンパ。
  4. 一方の分割ピストン体および他方の分割ピストン体が端面を対向させる油室に配設される規制手段による規制によって附勢手段に抗してのロッド体の外周での移動が許容されてなる請求項1、2又は3に記載のダンパ。
  5. 軸芯部にロッド体を挿通させる一方の油室および他方の油室における断面積を同一にする両ロッド型とされてなる請求項1、2、3又は4に記載のダンパ。
  6. 一方の油室がシリンダ体内にピストン体で画成されるピストン側油室とされると共に他方の油室がシリンダ体内にピストン体で画成されるロッド側油室とされる片ロッド型とされてなる請求項1、2、3、4又は5に記載のダンパ。
  7. 附勢手段がバネ部材からなる請求項1、2、3、4、5、又は6に記載のダンパ。
  8. 減衰手段が一方の分割ピストン体および他方の分割ピストン体に開穿された固定オリフィスからなる請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載のダンパ。
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