JP4958540B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンで仕切られたシリンダチューブ内の第1、第2油室間における作動油の流動に基づき、減衰力が発生するようにした油圧緩衝器に関するものである。
上記油圧緩衝器には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、緩衝器は車両の懸架装置に適用されている。この緩衝器は、シリンダチューブと、このシリンダチューブに軸方向に摺動可能となるよう嵌入されてこのシリンダチューブ内を第1、第2油室に仕切るピストンと、このピストンから上記第1油室を通りシリンダチューブの外部にまで延出するピストンロッドと、上記第1、第2油室の間で作動油を流動させることにより減衰力を発生可能とする減衰力発生部とを備えている。また、この減衰力発生部は、上記軸方向で上記ピストンを貫通する油路を開閉可能に弾性的に閉じるリーフ弁を備えている。
車両の走行時に、上記緩衝器にその軸方向から衝撃力が与えられると、上記緩衝器は伸長動作もしくは圧縮動作する。すると、上記第1油室もしくは第2油室のうち、上記ピストンにより加圧された一方の油室の作動油が上記減衰力発生部のリーフ弁の弾性力に対抗してこのリーフ弁を開弁させる。そして、上記作動油は、上記リーフ弁の弾性的な抵抗力に対抗しながら上記油路を通って他方の油室に向けて流動する。これにより減衰力が発生して、上記衝撃力が緩和される。
特開2004−232845号公報
ところで、車両の高、中速走行時であって、緩衝器が伸長動作や圧縮動作をする際の上記ピストンのピストンスピードが高、中速の時には、車両には、その乗り心地よりも、良好な操安性が一義的に求められる。そこで、この操安性を向上させるため、上記リーフ弁の弾性係数を大きく(硬く)するなどして高、中速走行時の減衰力を、より大きくさせることが考えられる。
一方、車両の低速走行時であって、上記ピストンスピードが低速の時には、通常、良好な操安性は比較的得易いため、この場合には、特に、良好な乗り心地が求められる。しかし、上記のように高、中速走行時の減衰力を大きくさせてあると、上記低速走行時に、減衰力を所望値にまで十分に低下させる、ということは通常困難になる。この結果、車両への乗り心地が硬いものとなり、つまり、良好な乗り心地が得られない、という不都合が生じがちとなる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、緩衝器におけるピストンのピストンスピードが高、中速である場合には、緩衝器が発生する減衰力を十分に大きくさせる一方、ピストンスピードが低速である場合には、上記減衰力を十分に低下させることができるようにすることである。
そして、例えば、この緩衝器を車両の懸架装置に適用することにより、車両の高、中速走行時には操安性を向上させる一方、低速走行時には車両への良好な乗り心地が得られるようにすることである。
請求項1の発明は、シリンダチューブ2と、このシリンダチューブ2に軸方向に摺動可能となるよう嵌入されてこのシリンダチューブ2内を第1、第2油室19,20に仕切るピストン18と、このピストン18から上記第1油室19を通りシリンダチューブ2の外部にまで延出するピストンロッド21と、上記第1、第2油室19,20の間で作動油14を流動させることにより減衰力を発生可能とする減衰力発生部26,30とを備えた油圧緩衝器において、
上記シリンダチューブ2の軸心3上で、上記第1、第2油室19,20のうち、少なくともいずれか一方に配置され、上記ピストン18と共に移動する弾性の円形板38を上記減衰力発生部26,30とは別体に設け、上記シリンダチューブ2の内周面と円形板38の外周縁との間に円環形状の間隙46を形成したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記シリンダチューブ2の内径をD、上記円形板38の最大外径をd1としたとき、0.99D>d1>0.93Dとなるようにしたものである。
請求項3の発明は、特に、図1−4,7に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記円形板38を上記第2油室20に配置したものである。
請求項4の発明は、特に、図6に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記円形板38を上記第1油室19に配置したものである。
請求項5の発明は、請求項1の発明に加えて、上記円形板38が、上記軸心3上で、互いに近接して並設される第1、第2円形板40,41を備え、上記第1円形板40の径方向外端側に上記軸方向に貫通する貫通孔44を形成し、上記軸方向に沿った視線でみて(図3)、この貫通孔44の少なくとも一部分に上記第2円形板41が重なるようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項5の発明に加えて、上記第2円形板41の外径d2を第1円形板40の外径d1よりも小さくしたものである。
請求項7の発明は、請求項5、もしくは6の発明に加えて、上記第1、第2円形板40,41の間に隙間42が生じるようこれら第1、第2円形板40,41の径方向内端部の間にスペーサ25を設けたものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、シリンダチューブと、このシリンダチューブに軸方向に摺動可能となるよう嵌入されてこのシリンダチューブ内を第1、第2油室に仕切るピストンと、このピストンから上記第1油室を通りシリンダチューブの外部にまで延出するピストンロッドと、上記第1、第2油室の間で作動油を流動させることにより減衰力を発生可能とする減衰力発生部とを備えた油圧緩衝器において、
上記シリンダチューブの軸心上で、上記第1、第2油室のうち、少なくともいずれか一方に配置され、上記ピストンと共に移動する弾性の円形板を上記減衰力発生部とは別体に設け、上記シリンダチューブの内周面と円形板の外周縁との間に円環形状の間隙を形成している。
このため、上記緩衝器に与えられる衝撃力により、この緩衝器が伸長動作や圧縮動作する時には、上記減衰力発生部を流動する作動油により主減衰力が発生する。また、上記円形板に係る間隙を流動する作動油により副減衰力が発生する。そして、これら主、副減衰力により、上記衝撃力が緩和される。
ここで、上記円形板に係る上記円環形状の間隙を作動油が流動して副減衰力が発生する場合の「減衰力特性」は、概ね、次のようなものとされる。即ち、上記緩衝器の伸長動作や圧縮動作時におけるピストンのピストンスピードが高速の時には、このピストンスピードの2/3乗に比例する副減衰力が発生する。また、ピストンスピードが中速の時には、このピストンスピードに比例する副減衰力が発生する。また、ピストンスピードが低速の時には、このピストンスピードの2乗に比例する副減衰力が発生する。
そして、上記ピストンスピードが高、中速の時には、上記減衰力発生部と円形板に係る上記間隙とをそれぞれ流動する作動油の単位時間当りの流量が多いことから、全体として大きい減衰力が発生しがちとなる。
しかし、この際発生する副減衰力は、上記したようにピストンスピードが高、中速の時の「減衰力特性」により、ピストンスピードの2/3乗に比例したり、単に比例したりするものである。このため、ピストンスピードが低速の時の「減衰力特性」のようにこのピストンスピードの2乗に比例した副減衰力を発生する、ということに比べ、上記のようにピストンスピードが高、中速であって大きい副減衰力を発生しがちであるとしても、この際発生する副減衰力は大きく増加しようとすることが抑制される。よって、緩衝器が発生する減衰力が過大になることが抑制され、つまり、適度に大きい減衰力が得られる。
よって、上記緩衝器を車両の懸架装置に適用すれば、ピストンスピードが高、中速になりがちな車両の高、中速走行時や荒地走行時には、緩衝器に与えられる衝撃力は上記した適度に大きい減衰力により十分に緩和されて、操安性が向上する。また、上記したように過大な減衰力の発生が抑制されるため、この減衰力の発生により車両の車体側に負荷される反力が過大になる、ということも抑制され、これは車両の耐久性上、有益である。
一方、上記ピストンスピードが低速の時には、上記のように流動する作動油の流量は、上記したピストンスピードの高、中速時に比べて少なくなり、全体として減衰力が低下しがちとなる。
ここで、この際発生する副減衰力は、上記したようにピストンスピードが低速の時の「減衰力特性」により、ピストンスピードの2乗に比例して大きくなろうとする。しかし、上記ピストンスピードの高、中速時における「減衰力特性」がピストンスピードの2/3乗に比例したり、単に比例したりする副減衰力を発生していた時に比べ、上記低速時のピストンスピードは大きく低下することから、このピストンスピードの低下に伴い、上記副減衰力は、より大きく十分に低下させられ、つまり、ほとんど発生しない状態となる。
よって、上記緩衝器を車両の懸架装置に適用すれば、ピストンスピードが低速になりがちな車両の低速走行時には、全体として減衰力はほとんど発生しないほど低下する。このため、この車両への乗り心地が軟らかくなり、つまり、良好な乗り心地が得られる。
また、上記した種々の作用効果は、構成が簡素な円形板を用いることにより達成される。このため、例えば、ピストン・ピストンバルブというような減衰力発生装置を別途に設けることに比べて、上記緩衝器の構成は簡単かつコンパクトであり、その形成作業も容易にできる。
請求項2の発明は、上記シリンダチューブの内径をD、上記円形板の最大外径をd1としたとき、0.99D>d1>0.93Dとなるようにしている。
ここで、上記円形板の外径を0.99D以上にすると、この円形板を設けたことにより発生する副減衰力が過大になるおそれがあり、また、シリンダチューブの内周面に、上記円形板が、その弾性変形時に接触するおそれを生じる。
一方、上記円形板の外径を0.93D以下にすると、上記間隙の面積が過大となって、上記副減衰力を十分には発生させることができなくなる。
そこで、上記のように構成したのであり、これによれば、所望の副減衰力を発生させることができる。
請求項3の発明は、上記円形板を上記第2油室に配置している。
ここで、上記ピストンロッドの延出端側であるシリンダチューブの端部とピストンとの間に十分の寸法を確保することが困難であって、例えば、緩衝器を適用した車両がリバウンドすることにより、上記緩衝器が伸長動作する場合に、この伸長動作をさせることが十分にはできないような時には、上記のように円形板を第2油室に配置すればよい。
このようにすれば、上記円形板に邪魔されることなく、上記シリンダチューブの端部とピストンとが互いにより接近するまで、緩衝器を十分に伸長動作させることができる。
請求項4の発明は、上記円形板を上記第1油室に配置している。
ここで、上記ピストンロッドの延出端とは反対側のシリンダチューブの他方の端部とピストンとの間に十分の寸法が確保することが困難であって、例えば、緩衝器を適用した車両がバウンドすることにより、上記緩衝器が圧縮動作する場合に、この圧縮動作を十分にさせることが十分にはできないような時には、上記のように円形板を第1油室に配置すればよい。
このようにすれば、上記円形板に邪魔されることなく、上記シリンダチューブの他方の端部とピストンとが、互いにより接近するまで、緩衝器を十分に圧縮動作させることができる。
請求項5の発明は、上記円形板が、上記軸心上で、互いに近接して並設される第1、第2円形板を備え、上記第1円形板の径方向外端側に上記軸方向に貫通する貫通孔を形成し、上記軸方向に沿った視線でみて、この貫通孔の少なくとも一部分に上記第2円形板が重なるようにしている。
このため、上記緩衝器が伸長動作や圧縮動作をする場合に、上記円形板により区画された作動油のうち、上記第2円形板側の作動油が第1円形板側に流動しようとする時には、上記作動油の油圧により、上記第2円形板は上記第1円形板に向けて弾性変形して、上記各貫通孔を閉じがちとなる。
これにより、上記作動油は、主に上記間隙を、より速い流速で流動する。よって、上記作動油は、上記円形板から、より大きい抵抗力を受けて副減衰力が大きくなる。
一方、上記円形板により区分された作動油のうち、上記第1円形板側の作動油が上記第2円形板側に流動しようとする時には、上記作動油は上記貫通孔と間隙とを通って上記第2円形板側に流動しようとする。この場合、上記貫通孔を通った後の作動油は、上記第2円形板に衝突するよう流動するため、この第2円形板は上記第1円形板から離れるよう弾性変形する。
このため、上記作動油は、上記貫通孔と間隙とをそれぞれ流動することにより、より遅い流速で流動する。よって、上記作動油が上記円形板から受ける抵抗力はより小さくされて、副減衰力が小さくなる。
即ち、上記緩衝器によれば、伸長動作時と圧縮動作時とで異なる減衰力を得ることができて、この緩衝器の適用範囲を拡げることができる。
請求項6の発明は、上記第2円形板の外径を第1円形板の外径よりも小さくしている。
このため、上記円形板により区画された作動油のうち、上記第1円形板側の作動油が上記貫通孔を通って上記第2円形板側に流動しようとする時、この第2円形板側に向かう作動油は、上記各貫通孔を通過した後、外径が小さくされた上記第2円形板の径方向外方域を円滑に通過して上記第2円形板側に向かわされる。よって、上記第1円形板側から第2円形板側への作動油の流動が円滑になされることにより、過大な副減衰力の発生を抑制できる。
請求項7の発明は、上記第1、第2円形板の間に隙間が生じるようこれら第1、第2円形板の径方向内端部の間にスペーサを設けている。
このため、上記円形板の第1円形板と第2円形板との間における隙間の存在により、上記第1円形板と第2円形板とが互いに面接触して互いに貼り付いてしまう、ということが防止される。よって、前記した伸長動作時と圧縮動作時とで異なる減衰力が得られる、ということがより確実に達成される。
本発明の油圧緩衝器に関し、緩衝器におけるピストンのピストンスピードが高、中速である場合には、緩衝器が発生する減衰力を十分に大きくさせる一方、ピストンスピードが低速である場合には、上記減衰力を十分に低下させることができるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、油圧緩衝器は、シリンダチューブと、このシリンダチューブに軸方向に摺動可能となるよう嵌入されてこのシリンダチューブ内を第1、第2油室に仕切るピストンと、このピストンから上記第1油室を通りシリンダチューブの外部にまで延出するピストンロッドと、上記第1、第2油室の間で作動油を流動させることにより減衰力を発生可能とする減衰力発生部とを備えている。
上記シリンダチューブの軸心上で、上記第1、第2油室のうち、少なくともいずれか一方に配置され、上記ピストンと共に移動する弾性の円形板が上記減衰力発生部とは別体に設けられる。上記シリンダチューブの内周面と円形板の外周縁との間に円環形状の間隙が形成されている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1−5に従って説明する。
図1−4において、符号1は液圧緩衝器である。この緩衝器1は、自動車や自動二輪車など車両の懸架装置やステアリングダンパなどに適用される。
上記緩衝器1は縦方向に延びるシリンダチューブ2を備えている。このシリンダチューブ2は、このシリンダチューブ2の軸心3上に位置して、その軸方向に延びるチューブ本体4と、このチューブ本体4の軸方向の一端部(下端部)5の開口を閉じるようこの一端部5に固着されるヘッドカバー6と、上記チューブ本体4の他端部(上端部)7の開口を閉じるようこの他端部7に固着され、上記軸心3上に貫通孔8が形成された固定ロッドガイド9と、この固定ロッドガイド9に取り付けられ、上記チューブ本体4の内部に向かって突出するバンプストッパ10とを備えている。
上記シリンダチューブ2に、軸方向に自由に摺動可能となるよう嵌入されるフリーピストン13が設けられている。このフリーピストン13は、上記シリンダチューブ2内を作動油14が充填される油室15と、高圧の窒素ガスが封入されるガス室16とに仕切っている。また、上記シリンダチューブ2の油室15に対し軸方向に摺動可能となるよう嵌入されるピストン18が設けられている。このピストン18は、上記軸心3上で、互いに近接して並設される一対のピストン部材18aを備え、上記油室15を第1油室19と第2油室20とに仕切っている。
上記軸心3上に位置し、上記ピストン18から上記第1油室19を通り、かつ、上記固定ロッドガイド9の貫通孔8を通り抜けてシリンダチューブ2の外部にまで延出するピストンロッド21が設けられている。このピストンロッド21の基端部22は、このピストンロッド21の他部(一般部)よりも径寸法が小さくされ、これらピストンロッド21の他部と基端部22との間に段差面21aが形成されている。上記基端部22は上記ピストン18の両ピストン部材18aを貫通し、これらピストン18と基端部22とは、互いに締結具23により固着されている。この締結具23は、上記ピストン18を貫通した上記ピストンロッド21の基端部22における突出端部に形成された雄ねじ23aと、この雄ねじ23aに螺合されるナット23bとを備えている。
上記軸心3上で、上記ピストン18の各ピストン部材18a、ピストンロッド21の段差面21a、および締結具23のナット23bの間には、それぞれ径大の円板形状のスペーサ24が介設されている。また、上記軸心3上で、上記締結具23側のスペーサ24と上記ナット23bとの間には、径小の円板形状で厚さの異なる他のスペーサ25が複数枚(5枚)介設されている。
上記緩衝器1が伸長動作Aした時、上記第1油室19から第2油室20に作動油14を流動させて主減衰力を発生する伸側減衰力発生部26が設けられている。この伸側減衰力発生部26は、上記第1油室19と第2油室20とを互いに連通させるよう上記ピストン18の各ピストン部材18aにそれぞれ形成される伸側油路27と、これら各伸側油路27を上記第2油室20側から弾性的に開閉可能に閉じる伸側減衰弁28とを備えている。これら各伸側減衰弁28は、円板形状のリーフ弁である。これら伸側減衰弁28は上記軸心3上で、その中心部が上記各ピストン部材18aとスペーサ24との間に挟み付けられて上記ピストン18に取り付けられ、径方向外端部側が上記伸側油路27を閉じている。
一方、上記緩衝器1が圧縮動作Bした時、上記第2油室20から第1油室19に作動油14を流動させて主減衰力を発生する圧側減衰力発生部30が設けられている。この圧側減衰力発生部30は、上記第1油室19と第2油室20とを互いに連通させるよう上記ピストン18の各ピストン部材18aにそれぞれ形成される圧側油路31と、これら各圧側油路31を上記第1油室19側から弾性的に開閉可能に閉じる圧側減衰弁32とを備えている。これら各圧側減衰弁32は、上記伸側減衰弁28と同形同大のリーフ弁であって,この伸側減衰弁28と同様に上記ピストン18に取り付けられている。
上記各スペーサ24は、上記伸側減衰力発生部26の各伸側減衰弁28と上記圧側減衰力発生部30の各圧側減衰弁32とがそれぞれ過大に開弁動作しようとするとき、この開弁動作を阻止する弁ストッパーとしても働く。これにより、上記各伸側減衰弁28と各圧側減衰弁32とのそれぞれの最大弁開度が定められ、少なくとも所定の主減衰力が発生することとされている。
記ピストンロッド21の延出端部の外周面には雄ねじ35が形成され、このピストンロッド21の延出端部は車体側に支持されている。一方、上記シリンダチューブ2のヘッドカバー6は車輪側に連結されている。上記緩衝器1を伸長動作Aさせるよう上記シリンダチューブ2を付勢するサスペンションばね34が設けられている。
上記構成の緩衝器1において、上記軸心3上で、上記第2油室20に配置され、上記ピストン18と共に移動する円形板38が設けられている。この円形板38は、金属ばね板材で形成され、その自由状態で、上記軸心3に直交する方向に平坦に延びている。上記円形板38の上記軸心3上に軸心孔39が形成され、この軸心孔39に上記ピストンロッド21の基端部22が挿通されている。そして、上記他のスペーサ25同士の間に上記円形板38の径方向内端部が挟み付けられて、この円形板38は上記ピストンロッド21に取り付けられている。
上記円形板38は、上記軸心3上で、互いに近接して並設される第1、第2円形板40,41を備えている。これら第1、第2円形板40,41の径方向内端部の間には上記他のスペーサ25のうち、特に厚さが小さい1枚の他のスペーサ25が介設されている。これにより、上記第1、第2円形板40,41の間には、全体的に幅の狭い隙間42が形成されている。
上記第1、第2円形板40,41のうち、上記シリンダチューブ2のチューブ本体4の一端部5側に位置する第1円形板40の径方向外端側には、上記軸方向に貫通する円形の貫通孔44が複数(8ヶ)形成されている。これら貫通孔44は互いに同径であって、上記軸心3を中心とする仮想円45上に周方向に等ピッチ位置に形成されている。
上記第1円形板40の外径d1よりも、上記第2円形板41の外径d2が小さくされている。また、上記シリンダチューブ2の内径Dよりも、上記円形板38の最大外径である第1円形板40の外径d1が、上記シリンダチューブ2の内径Dよりも小さくされている。この場合、0.99D>d1>0.93Dであることが好ましい。そして、上記シリンダチューブ2の内周面と円形板38の第1円形板40の外周縁との間には、円環形状の間隙46が形成されている。
上記軸心3に沿った視線でみて(図3)、上記他のスペーサ25は、その外周縁が上記貫通孔44群の内側に位置するよう形成されている。また、上記視線でみて、上記第2円形板41は、その少なくとも一部分が上記各貫通孔44と重なるよう形成されている。具体的には、上記第2円形板41は、その外周縁が上記貫通孔44群の外側に位置するよう形成され、つまり、上記第2円形板41により各貫通孔44は全体的に閉じられている。
車両の走行時に、上記緩衝器1にその軸方向の外部から衝撃力が与えられ、この緩衝器1がサスペンションばね34の付勢方向に伸長動作Aしたとする。すると、上記第1油室19の作動油14が上記伸側減衰力発生部26の伸側油路27を通って第2油室20に向けて流動しようとする。この際、上記伸側減衰弁28の弾性的な付勢力に勝る上記第1油室19内の作動油14の油圧により、上記伸側減衰弁28は弾性変形して開弁動作する。すると、このように開弁された伸側油路27を通り、作動油14が上記伸側減衰弁28からの弾性的な抵抗力を受けながら流動する。そして、この流動がより、主減衰力が発生して上記衝撃力が緩和される。
一方、上記衝撃力により緩衝器1がサスペンションばね34の付勢力に対抗して圧縮動作Bしたとする。すると、上記第2油室20の作動油14が上記圧側減衰力発生部30の圧側油路31を通って第1油室19に向け流動しようとする。この際、上記圧側減衰弁32の弾性的な付勢力に勝る上記第2油室20内の作動油14の油圧により、上記圧側減衰弁32は弾性変形して開弁動作する。すると、このように開弁された圧側油路31を通り、作動油14が上記圧側減衰弁32からの弾性的な抵抗力を受けながら流動する。そして、この流動により、主減衰力が発生して上記衝撃力が緩和される。
以下、上記緩衝器1の伸長動作Aと圧縮動作Bとが繰り返されることにより生じる上記各主減衰力によって、上記衝撃力が緩和される。なお、上記緩衝器1の伸長、圧縮動作A,Bに伴い、上記油室15に対しピストンロッド21が出入りする場合、上記油室15内の非圧縮性の作動油14の体積は一定なため、上記フリーピストン13が、上記のように油室15に対し出入りしたピストンロッド21の体積分だけ軸方向に摺動して、ガス室16のガスが膨張、圧縮させられ、これにより、上記油室15へのピストンロッド21の出入りが可能とされている。
また、上記したように、緩衝器1が伸長動作Aや圧縮動作Bした時、上記円形板38により区分された作動油14は、この円形板38の軸方向の一方側から他方側に向かって、上記各貫通孔44や間隙46を通り、上記円形板38からの抵抗力を受けながら流動する。そして、この流動により副減衰力が発生し、これによっても上記衝撃力が緩和される。
なお、上記したように、円形板38を設けて副減衰力を発生させるようにしたため、前記伸、圧側減衰力発生部26,30では、これらから発生する主減衰力が小さくなるよう設定されている。つまり、これら主、副減衰力の全体的な減衰力が過大にならないよう企図されている。
図5において、上記円形板38に係る上記円環形状の間隙46を作動油14が流動して副減衰力が発生する場合において、上記緩衝器1の伸長動作Aや圧縮動作Bにおけるピストン18の上記軸方向でのピストンスピード(m/s)と関連する「減衰力特性」は、概ね、次のようなものとされる。
即ち、上記ピストンスピードが高速Hの時には、上記「減衰力特性」の「第1特性」として、このピストンスピードの2/3乗に比例する副減衰力が発生する。また、ピストンスピードが中速Mの時には、上記「減衰力特性」の「第2特性」として、このピストンスピードに比例する副減衰力が発生する。また、ピストンスピードが低速Lの時には、上記「減衰力特性」の「第3特性」として、このピストンスピードの2乗に比例する副減衰力が発生する。
車両の高、中速走行時や荒地走行時など、緩衝器1が伸長動作Aや圧縮動作Bする際のピストン18のピストンスピード(m/s)が高、中速H,Mである時には、上記伸、圧側減衰力発生部26,30、円形板38に係る各貫通孔44、および間隙46を流動する作動油14の単位時間当りの流量が多くなる。このため、上記主、副減衰力により大きい減衰力が発生しがちとなる。
しかし、この際発生する副減衰力は、上記したようにピストンスピードが高、中速の時の「減衰力特性」である「第1、第2特性」により、ピストンスピードの2/3乗に比例したり、単に比例したりするものである。このため、ピストンスピードが低速の時の「減衰力特性」である「第3特性」のようにこのピストンスピードの2乗に比例した副減衰力を発生する、ということに比べ、上記のようにピストンスピードが高、中速H,Mであって大きい副減衰力を発生しがちであるとしても、この際発生する副減衰力は大きく増加しようとすることが抑制される。よって、緩衝器1が発生する減衰力が過大になることが抑制され、つまり、適度に大きい減衰力が得られる。
よって、上記ピストンスピードが高、中速H,Mになりがちな車両の高、中速走行時や荒地走行時には、緩衝器1に与えられる衝撃力は上記した適度に大きい減衰力により十分に緩和されて、操安性が向上する。また、上記したように過大な減衰力の発生が抑制されるため、この減衰力の発生により車両の車体側に負荷される反力が過大になる、ということも抑制され、これは車両の耐久性上、有益である。
一方、車両の低速走行時など、ピストンスピードが低速Lの時には、上記のように流動する作動油14の流量は、上記したピストンスピードの高、中速H,M時に比べて少なくなり、全体として減衰力が低下する。
ここで、この際発生する副減衰力は、上記したようにピストンスピードが低速Lの時の「減衰力特性」である「第3特性」により、発生する副減衰力はピストンスピードの2乗に比例して大きくなろうとする。しかし、上記ピストンスピードの高、中速H,M時における「減衰力特性」が「第1、第2特性」であって、ピストンスピードの2/3乗に比例したり、単に比例したりする副減衰力を発生していた時に比べ、上記低速L時のピストンスピードは大きく低下することから、このピストンスピードの低下に伴い、上記副減衰力は、より大きく十分に低下させられ、つまり、ほとんど発生しない状態となる。
よって、車両の低速走行時には、全体として減衰力はほとんど発生しないほど低下する。このため、この車両への乗り心地が軟らかくなり、つまり、良好な乗り心地が得られる。なお、車両の低速走行時には、上記車両は、主に上記サスペンションばね34と、上記伸側減衰力発生部26や圧側減衰力発生部30で発生する小さな主減衰力によって、緩衝器1に与えられる衝撃力が緩和され、車両の走行は支障なく行われる。
また、上記した種々の作用効果は、構成が簡素な円形板を用いることにより達成される。このため、例えば、ピストン・ピストンバルブというような減衰力発生装置を別途に設けることに比べて、上記緩衝器1の構成は簡単かつコンパクトであり、その形成作業も容易にできる。
図4の右半分を参照すれば、上記したように緩衝器1が伸長動作Aした時、上記円形板38により区分された作動油14のうち、上記第2円形板41側の作動油14が上記各貫通孔44と間隙46とを通って上記第1円形板40側に流動しようとする。この場合、上記作動油14の油圧により、上記第2円形板41は上記第1円形板40に向けて弾性変形して、上記各貫通孔44をほぼ全体的に閉じがちとなる(図4中一点鎖線)。
これにより、上記作動油14は、主に上記間隙46を、より速い流速で集中的に流動する。よって、上記作動油14は、上記円形板38から、より大きい抵抗力を受けて副減衰力が大きくなる。つまり、車両のリバウンド時における上記緩衝器1の伸長動作A時には、大きい副減衰力が発生する(図5の上半分)。
一方、図4の左半分を参照すれば、上記したように、緩衝器1が圧縮動作Bした時、上記円形板38により区分された作動油14のうち、上記第1円形板40側の作動油14が上記第2円形板41側に流動しようとする時には、上記作動油14は上記各貫通孔44と間隙46とを通って上記第2円形板41側に流動しようとする。この場合、上記貫通孔44を通った後の作動油14は、上記第2円形板41に衝突するよう流動するため、この第2円形板41は上記第1円形板40から離れるよう弾性変形する(図4中一点鎖線)。
このため、上記作動油14は、上記各貫通孔44と間隙46とをそれぞれ流動することにより、より遅い流速で流動する。よって、上記作動油14が上記円形板38から受ける抵抗力はより小さくされて、副減衰力が小さくなる。つまり、車両のバウンド時に、この車両が操向路面から大きい衝撃力を受けた時の緩衝器1の圧縮動作B時には、副減衰力は小さくなる(図5の下半分)。
よって、車両の走行時には、緩衝器1の各動作A,Bに応じて副減衰力の値が相違させられ、上記衝撃力が合理的に緩和される。この結果、車両における良好な操安性と車両への良好な乗り心地とが、それぞれより確実に得られる。
また、前記したように、シリンダチューブ2の内径をD、上記円形板38の最大外径をd1としたとき、0.99D>d1>0.93Dとなるようにしている。
ここで、上記円形板38の外径d1を0.99D以上にすると、この円形板38を設けたことにより発生する副減衰力が過大になるおそれがあり、また、シリンダチューブ2の内周面に、上記円形板38が、その弾性変形時に接触するおそれを生じる。
一方、上記円形板38の外径d1を0.93D以下にすると、上記間隙46の面積が過大となって、上記副減衰力を十分には発生させることができなくなる。
そこで、上記のように構成したのであり、これによれば、所望の副減衰力を発生させることができる。
また、前記したように、円形板38を上記第2油室20に配置している。
ここで、上記ピストンロッド21の延出端側であるシリンダチューブ2の他端部7と、ピストン18との間に十分の寸法を確保することが困難であって、車両がリバウンドすることにより、上記緩衝器1が伸長動作Aする場合に、この伸長動作Aをさせることが十分にはできないような時には、上記のように円形板38を第2油室20に配置すればよい。
このようにすれば、上記円形板38に邪魔されることなく、上記シリンダチューブ2の他端部7とピストン18とが互いに接近するまで、具体的には、上記ピストン18側が上記バンプストッパ10に当接するまで、緩衝器1を十分に伸長動作Aさせることができる(図2中一点鎖線)。
また、前記したように、第2円形板41の外径d2を第1円形板40の外径d1よりも小さくしている。
このため、上記円形板38により区画された作動油14のうち、上記第1円形板40側の作動油14が上記各貫通孔44を通って上記第2円形板41側に流動しようとする時、この第2円形板41側に向かう作動油14は、上記各貫通孔44を通過した後、外径d2が小さくされた上記第2円形板41の径方向外方域を円滑に通過して上記第2円形板41側に向かわされる。よって、上記第1円形板40側から第2円形板41側への作動油14の流動が円滑になされることにより、過大な副減衰力の発生を抑制できる。
また、前記したように、第1、第2円形板40,41の間に隙間42が生じるようこれら第1、第2円形板40,41の径方向内端部の間にスペーサ25を設けている。
このため、上記円形板38の第1円形板40と第2円形板41との間における隙間42の存在により、上記第1円形板40と第2円形板41とが互いに面接触して互いに貼り付いてしまう、ということが防止される。よって、前記した伸長動作A時と圧縮動作B時とで異なる減衰力が得られる、ということがより確実に達成される。
なお、以上は図示の例によるが、上記ピストン18のピストン部材18aは単一であってもよい。また、上記減衰力発生部は、上記シリンダチューブ2の外部側に設けられる固定オリフィスなどであってもよい。また、上記円形板38は単一板で構成してもよく、3枚以上の板で構成してもよい。また、円形板38は幾何学的に完全に円形なものでなくてもよい。また、上記円形板38の第2円形板41は、軸方向に沿った視線でみて、貫通孔44の一部のみを閉じるようにしてもよい。また、上記第1、第2円形板40,41の配置は、これを逆にしてもよい。
以下の図6,7は、実施例2,3を示している。これら各実施例は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図6に従って説明する。
図6において、上記円形板38は、上記軸心3上で、上記第1油室19に配置され上記ピストンロッド21に取り付けられている。また、上記円形板38よりも上記ピストンロッド21の突出端側で、上記第1油室19に配置され、上記ピストンロッド21の軸方向中途部に固着されるストッパ47が設けられている。
ここで、上記ピストンロッド21の延出端とは反対側のシリンダチューブ2の一端部5と、ピストン18との間に十分の寸法が確保することが困難であって、車両がバウンドすることにより、上記緩衝器1が圧縮動作Bする場合に、この圧縮動作Bを十分にさせることが十分にはできないような時には、上記のように円形板38を第1油室19に配置すればよい。
このようにすれば、上記円形板38に邪魔されることなく、上記シリンダチューブ2の一端部5とピストン18とが、互いにより接近するまで、具体的には、上記ピストン18が上記フリーピストン13に接近するまで、緩衝器1を十分に圧縮動作Bさせることができる(図6中実線)。
なお、図6中一点鎖線は、上記緩衝器1が伸長動作Aして、ストッパ47がバンプストッパ10に当接した状態を示している。これにより、上記円形板38がバンプストッパ10に接触して破損する、ということが防止されている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図7に従って説明する。
図7において、この実施例2の緩衝器1は、いわゆるスルーロッド(ダブルロッド)型といわれるものである。そして、この緩衝器1のピストン18は、その軸方向各面における各作動油14による油圧の受圧面積が互いにほぼ同じとされている。
具体的には、前記実施例1のフリーピストン13に代えて、軸心3上に貫通孔48が形成された可動ロッドガイド49が設けられている。この可動ロッドガイド49は、上記シリンダチューブ2のチューブ本体4に対し軸方向に自由に摺動可能となるよう嵌入されている。また、前記実施例1のガス室16に代えて、上記ヘッドカバー6に形成された連通孔52を通し大気側と連通する収容室53が形成されている。この収容室53は、上記チューブ本体4の一端部5とヘッドカバー6とにより形成されている。上記収容室53には、上記可動ロッドガイド49を油室15側に弾性的に押動するばね54が収容されている。そして、このばね54の付勢力により、油室15内の作動油14に、常時、所定圧が負荷されるようになっている。
上記可動ロッドガイド49とばね54との間には、軸心3上に貫通孔が形成された円柱形状の摺動体55が介設されている。この摺動体55は、上記チューブ本体4に軸方向に摺動可能にがたつきなく嵌入されている。上記摺動体55の軸方向の一端面(上端面)は、上記軸心3に直交するよう形成されて上記可動ロッドガイド49の軸方向の一端面(下端面)に面接触している。
このため、上記摺動体55の他端面(下端面)に圧接する上記ばね54の軸方向の一端面(上端面)が、このばね54の自由状態で、その軸心に対する直交面から多少傾斜しているとしても、このばね54の付勢力に影響されて上記摺動体55が上記軸心3に対し傾斜しようとすることは防止される。よって、上記摺動体55の一端面と面接触している上記可動ロッドガイド49も、上記ばね54の付勢力に影響されて上記軸心3に対し傾斜しようとすることは防止される。この結果、上記チューブ本体4に対する上記可動ロッドガイド49の円滑な摺動が確保される。
上記軸心3上に位置し、上記ピストン18から上記貫通孔48を通り抜けて上記収容室53まで延出する他のピストンロッド56が設けられている。この他のピストンロッド56は、上記ピストン18に固着された前記ピストンロッド21の基端部22と、上記ピストン18から第2油室20に突出した上記基端部22の突出端部に締結具57により固着されるロッド本体58とを備えている。つまり、上記基端部22は、上記両ピストンロッド21,56に兼用されている。上記両ピストンロッド21,56は互いにほぼ同径とされている。
そして、上記したように、ピストン18の軸方向各面からそれぞれ互いにほぼ同径のピストンロッド21,56が延出することによって、前記したように、ピストン18の軸方向各面における油圧の受圧面積が互いにほぼ同じとされている。これにより、上記ピストン18が上記ばね54から加圧反力を受ける、ということは抑制される。
実施例1を示し、図2の部分拡大詳細断面図である。 実施例1を示し、緩衝器の縦断面図である。 実施例1を示し、図1のIII−III線矢視断面図である。 実施例1を示し、図1の部分拡大作用説明図である。 実施例1を示し、ピストンスピードと円形板を設けたことによる副減衰力との関係を示すグラフ図である。 実施例2を示し、図2に相当する図である。 実施例3を示し、図2に相当する図である。
符号の説明
1 緩衝器
2 シリンダチューブ
3 軸心
4 チューブ本体
5 一端部
7 他端部
13 フリーピストン
14 作動油
15 油室
16 ガス室
18 ピストン
19 第1油室
20 第2油室
21 ピストンロッド
22 基端部
25 スペーサ
26 伸側減衰力発生部
30 圧側減衰力発生部
38 円形板
39 軸心孔
40 第1円形板
41 第2円形板
42 隙間
44 貫通孔
45 仮想円
46 間隙
48 貫通孔
49 可動ロッドガイド
56 ピストンロッド
A 伸長動作
B 圧縮動作
D 内径
d1 外径
d2 外径
H 高、中速
M 低速
L 低速

Claims (7)

  1. シリンダチューブと、このシリンダチューブに軸方向に摺動可能となるよう嵌入されてこのシリンダチューブ内を第1、第2油室に仕切るピストンと、このピストンから上記第1油室を通りシリンダチューブの外部にまで延出するピストンロッドと、上記第1、第2油室の間で作動油を流動させることにより減衰力を発生可能とする減衰力発生部とを備えた油圧緩衝器において、
    上記シリンダチューブの軸心上で、上記第1、第2油室のうち、少なくともいずれか一方に配置され、上記ピストンと共に移動する弾性の円形板を上記減衰力発生部とは別体に設け、上記シリンダチューブの内周面と円形板の外周縁との間に円環形状の間隙を形成したことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 上記シリンダチューブの内径をD、上記円形板の最大外径をd1としたとき、0.99D>d1>0.93Dとなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 上記円形板を上記第2油室に配置したことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
  4. 上記円形板を上記第1油室に配置したことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
  5. 上記円形板が、上記軸心上で、互いに近接して並設される第1、第2円形板を備え、上記第1円形板の径方向外端側に上記軸方向に貫通する貫通孔を形成し、上記軸方向に沿った視線でみて、この貫通孔の少なくとも一部分に上記第2円形板が重なるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
  6. 上記第2円形板の外径を第1円形板の外径よりも小さくしたことを特徴とする請求項5に記載の油圧緩衝器。
  7. 上記第1、第2円形板の間に隙間が生じるようこれら第1、第2円形板の径方向内端部の間にスペーサを設けたことを特徴とする請求項5、もしくは6に記載の油圧緩衝器。
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