JP5541652B2 - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクを吐出するためのノズルを備えた記録ヘッドを走査させて記録媒体に記録を行う記録装置及び記録方法に関する。
インクジェット記録装置では、インクを吐出する記録素子(ノズル)を複数備えた記録ヘッドを用い、当該記録ヘッドを記録媒体に対して移動させながらインクを吐出させる記録走査を繰り返すことにより、記録を行っている。複数の記録素子間においては、インクの吐出量や吐出方向にどうしてもある程度のばらつきが含まれ、このばらつきが原因で濃度むらやすじが画像内に発生してしまう場合がある。
このような濃度むらやすじを軽減するための方法として、従来では例えば特許文献1に開示されているようなマルチパス記録方式が知られている。マルチパス記録方式では、記録媒体の単位領域に記録すべき2値の画像データを複数回の記録走査夫々で記録する画像データに分割する。そして、搬送動作を介在させた複数回の記録走査によって上記分割した画像データを順次記録する。こうすることで、個々の記録素子の吐出特性にばらつきが含まれていたとしても、1つの記録素子によって記録されるドットが記録ヘッドの走査方向に連続することはなく、個々の記録素子の影響を広い範囲に分散されることが出来る。その結果、一様で滑らかな画像を得ることが可能となる。
以上説明したようなマルチパス記録を行う際、個々の記録走査に対して、2値の画像データを分割する必要が生じる。一般に、このような分割には、ドットの記録を許容する記録許容画素(1)とドットの記録を許容しない記録非許容画素(0)とが予め配列されたマスクパターンを用いることが多い。この場合、記録媒体の単位領域に記録すべき2値の画像データと上記マスクパターンとの間で論理積演算を行うことにより、2値の画像データが各記録走査で記録すべき2値の画像データに分割される。
マスクパターンにおいては、記録許容画素(1)の配置が、複数の記録走査の間で互いに補完の関係になるように定められているのが一般である。すなわち、2値の画像データで記録(1)と定められた画素には、いずれか1回の記録走査によって1つのドットが記録されるように構成されている。こうすることで、分割前の画像情報が分割後でも保存されるようになっている。
特開平5−31922号公報 特開2002−29097号公報 特開平10−81025号公報 特開2002−14552号公報
しかしながら、近年では、上記マルチパス記録を行うことによって、記録走査単位の記録位置(レジストレーション)のずれに起因する濃度変化が、新たに問題視されるようになって来ている。
図3は、4パスのマルチパス記録を行った場合の記録位置ずれの状態を概念的に説明するための図である。4パスのマルチパス記録を行う場合、記録媒体の単位領域は、4回の記録走査それぞれで複数のドットが記録される。このとき、各記録走査で記録される複数のドットは、図のように1つのプレーンに配置されたドット群として考えることが出来る。そして、記録走査単位の記録位置のずれとは、異なる記録走査で記録されるドット群間の相対的な記録位置ずれ、すなわちプレーン間のずれとみなすことが出来る。例えば、単位領域に対する1パス目と2パス目の間で搬送ずれが生じた場合には、1パス目に相当するプレーンのみが2〜3パス目のプレーンに対し相対的にずれて配置される結果となる。このような記録位置ずれは、記録媒体と吐出口面の距離(紙間)の変動や記録媒体の搬送量の変動などによって突発的に引き起こされる。
記録位置ずれが発生すると、上記マスクパターンによって異なる記録走査で異なる位置に記録されるように定められたドットが、互いに重なり合う箇所が随所に生じてくる。その結果、記録媒体に対するドットの被覆率(エリアファクター)が低下し、単位領域の濃度が低下してしまう。更に、このような記録位置ずれが発生した単位領域と記録位置ずれが発生しない単位領域が同じ記録媒体で混在した場合、上記現象は画像内の濃度むらとなって認知される。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。よって、その目的とするところは、マルチパス記録を実行する際に複数の記録走査間で記録位置ずれ、特に搬送動作に伴う突発的な記録位置ずれが発生しても、単位領域の濃度変動を抑え濃度むらの少ない画像を出力する記録装置および記録方法を提供することである。
そのために本発明においては、画像データに基づいて記録媒体に同色のドットを記録する記録ヘッド前記記録媒体の単位領域に対する2M回(Mは2以上の整数)の記録走査と、該2M回の記録走査のそれぞれの間に、前記記録走査の方向と交差する方向に前記記録媒体を前記単位領域の前記交差する方向の幅だけ搬送する搬送動作と、を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置であって、複数の同色のドットが重複して形成される重複ドットが記録される基本画素と、ドットが重複せずに形成される単独ドットが記録される基本画素を含む複数の基本画素で構成されるドット配置パターンを、画素が有する前記画像データのレベル値に応じて設定する設定手段と該設定手段によって設定された前記ドット配置パターンのドットを、前記2M回の記録走査に分割するための分割手段とを備え、前記設定手段は、等しい前記レベル値に対してドットの配置が互いに異なる複数の前記ドット配置パターンを、前記単位領域において前記重複ドットと前記単独ドットが所定の割合で混在するように選択的に配置し前記分割手段は、前記単位領域に対するM回目の記録走査とM+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数が、他の連続する記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多くなるように前記ドット配置パターンのドットを前記2M回の記録走査に分割することを特徴とする。
また、画像データに基づいて記録媒体に同色のドットを記録する記録ヘッド前記記録媒体の単位領域に対する2M回(Mは2以上の整数)の記録走査と、該2M回の記録走査のそれぞれの間に、前記記録走査の方向と交差する方向に前記記録媒体を前記単位領域の前記交差する方向の幅だけ搬送する搬送動作と、を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録する記録方法であって、複数の同色のドットが重複して形成される重複ドットが記録される基本画素と、ドットが重複せずに形成される単独ドットが記録される基本画素を含む複数の基本画素で構成されるドット配置パターンを、画素が有する前記画像データのレベル値に応じて設定する設定工程と該設定工程によって設定された前記ドット配置パターンのドットを、前記2M回の記録走査に分割するための分割工程とを有し、前記設定工程は、等しい前記レベル値に対してドットの配置が互いに異なる複数の前記ドット配置パターンを、前記単位領域において前記重複ドットと前記単独ドットが所定の割合で混在するように選択的に配置し前記分割工程は、前記単位領域に対するM回目の記録走査とM+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数が、他の連続する記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多くなるように前記ドット配置パターンのドットを前記2M回の記録走査に分割することを特徴とする。
本発明によれば、突発的な記録位置ずれが生じても、濃度変動を低く抑えた一様な画像を取得することが可能となる。
(a)および(b)は、全てのドットが単独ドットであった場合の記録位置ずれの濃度への影響を説明する図である。 (a)および(b)は、全てのドットが重複ドットであった場合の記録位置ずれの濃度への影響を説明する図である。 4パスのマルチパス記録を行った場合の記録位置ずれの状態を概念的に説明するための図である。 4パスのマルチパス記録を行った場合の濃度変動の程度を、単位領域ごとに比較するための模式図である。 各搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合を、従来法のマスクパターンと、本発明のマスクパターンとで比較して示した図である。 奇数カラムデータと偶数カラムデータの取り扱いを、図式的に説明したものである。 (a)および(b)は、従来法で作成したマスクパターンにおける重複ドットが記録される記録走査(パス)の組み合わせの割合を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態で作成したマスクパターンにおける重複ドットが記録される記録走査の組み合わせの割合を、従来法のマスクパターンと比較して説明するための図である。 本発明の実施形態におけるドット配置パターンを説明するための模式図である。 本発明の実施形態におけるブラックのノズル列と、当該ノズル列に対応するマスクパターンとの関係を説明するための図である。 本発明の実施形態におけるマスクパターンの作成手順を説明するための概念図である。 本発明の実施形態で使用するマスクパターンの作成工程を説明するためのフローチャートである。 マスクデータ移動処理の各工程を説明するためのフローチャートである 斥力ポテンシャルが近傍のエリアに作用する様子を示す図である。 マスクデータ移動処理の際に、注目する記録許容エリアの移動処理を行うか否かを判断するための方法を説明するための図である。 奇数パス目あるいは偶数パス目のどちらか一方の4つのマスクパターンの関係を説明するための概念図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の非使用状態の斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の使用状態の斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の内部機構を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の内部機構を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の内部機構を説明するための側断面図である。 本発明の実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。 メインPCB E0014の内部構成を示すブロック図である。 ASICの内部構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態で適用するヘッドカートリッジに対し、インクタンクを装着する様子を示した図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 第1の記録素子基板および第2の記録素子基板の構成を説明するための正面拡大図である。 本発明の実施形態における画像データ変換処理の流れを説明するためのブロック図である。
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態で適用するインクジェット記録装置の本体構成を説明する。
(機構部の構成)
本実施形態における記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、クリーニング部および外装部に分類することができる。以下、これらを項目別に概略を説明していく。
(A)給紙部
図17および図18は、本実施形態で適用する記録装置の斜視図であり、図17は記録装置の非使用状態、図18は記録装置M1の使用状態をそれぞれ示している。また、図19、図20および図21は、記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、図19は右上部からの斜視図、図20は左上部からの斜視図および図21は記録装置本体の側断面図をそれぞれ示したものである。
図17〜図21を参照する。給紙部は記録媒体を積載する圧板M2010、記録媒体を1枚ずつ給紙する給紙ローラM2080、記録媒体を分離する分離ローラM2041、記録媒体を積載位置に戻す為の戻しレバーM2020、等がベースM2000に取り付けられる構成となっている。
ベースM2000または外装には、積載された記録媒体を保持する為の給紙トレイM2060が取り付けられている。給紙トレイM2060は多段式で使用時は回転させて用いるものである。
給紙ローラM2080は、断面円弧の棒状をしている。用紙基準よりに1つの分離ローラゴムが設けられており、これによって記録媒体を給紙する。給紙ローラM2080の駆動力は、給紙部に設けられた専用ASFモータE0105から不図示の駆動伝達ギア、遊星ギアによって伝達される。
圧板M2010には可動サイドガイドM2030が移動可能に設けられて、記録媒体の積載位置を規制している。圧板M2010はベースM2000に結合された回転軸を中心に回転可能で、圧板ばねM2012により給紙ローラM2080に付勢される。給紙ローラM2080と対向する圧板M2010の部位には、枚数が残り少なくなった状態での記録媒体の重送を防止するために、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離シートM2013が設けられている。圧板M2010は、圧板カムによって、給紙ローラM2080に、当接、離間できるように構成されている。
ベースM2000には、記録媒体を一枚ずつ分離するための分離ローラM2041を取り付けた分離ローラホルダM2040が、ベースM2000に設けられた回転軸を中心に回転可能に設置されている。分離ローラホルダM2040は、不図示の分離ローラバネにより給紙ローラM2080に付勢されている。分離ローラM2041には、不図示のクラッチが取り付けられており、所定以上の負荷がかかると、分離ローラM2041が取り付けられた部分が、回転する構成になっている。分離ローラM2041は、分離ローラリリースシャフトM2044と不図示のコントロールカムによって、給紙ローラM2080に、当接、離間できるように構成されている。これら圧板M2010、戻しレバーM2020、および分離ローラM2041の位置は、オートシートフィードセンサ(以下ASFセンサと言う)E0009によって検知されている。
記録媒体を積載位置に戻す為の戻しレバーM2020は、回転可能にベースM2000に取り付けられており、解除方向に不図示の戻しレバーバネで付勢されている。記録媒体を戻す時は、コントロールカムによって回転するように構成されている。
以上の構成を用いて給紙する状態を以下に説明する。
通常の待機状態において、圧板M2010は圧板カムでリリースされ、分離ローラM2041はコントロールカムでリリースされている。また、戻しレバーM2020は記録媒体を戻し、積載状態の記録媒体が奥に入らないように、積載口を塞ぐような積載位置に設けられている。
給紙を行う際には、まずモータ駆動によって、分離ローラM2041が給紙ローラM2080に当接する。そして、戻しレバーM2020がリリースされて、圧板M2010が給紙ローラM2080に当接する。この状態で、記録媒体の給紙が開始される。記録媒体は、ベースM2000に設けられた不図示の前段分離部で制限され、記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。送られた記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。
記録媒体が、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070まで到達すると、圧板M2010は不図示の圧板カムによって、分離ローラM2041はコントロールカムによって、リリースされる。戻しレバーM2020は、コントロールカムによって積載位置に戻る。これにより、給紙ローラM2080と分離ローラM2041とから構成されるニップ部に到達していた記録媒体は積載位置まで戻される。
(B)用紙搬送部
曲げ起こした板金からなるシャーシM1010には、記録媒体を搬送する搬送ローラM3060とペーパエンドセンサ(以下PEセンサと称す)E0007が回動可能に取り付けられている。搬送ローラM3060は、金属軸の表面にセラミックの微小粒がコーティングされた構成となっており、両軸の金属部分を不図示の軸受けが受ける状態で、シャーシM1010に取り付けられている。軸受けと搬送ローラM3060との間には、不図示のローラテンションバネが設けられており、搬送ローラM3060を付勢することにより、回転時に適量の負荷を与えて安定した搬送が行えるようになっている。
搬送ローラM3060には、従動する複数のピンチローラM3070が当接して設けられている。ピンチローラM3070は、ピンチローラホルダM3000に保持されているが、不図示のピンチローラバネによって付勢されることで、搬送ローラM3060に圧接し、ここで記録媒体の搬送力を生み出している。この時、ピンチローラホルダM3000の回転軸は、シャーシM1010の軸受けに取り付けられ、この位置を中心に回転する。
記録媒体が搬送されてくる入口には、記録媒体をガイドするためのペーパガイドフラッパM3030およびプラテンM3040が配設されている。また、ピンチローラホルダM3000には、PEセンサレバーM3021が設けられており、PEセンサレバーM3021は、記録媒体の先端および後端の検出をPEセンサ−E0007に伝える役割を果たす。プラテンM3040は、シャーシM1010に取り付けられ、位置決めされている。ペーパガイドフラッパM3030は、不図示の軸受け部を中心に回転可能で、シャーシM1010に当接することで位置決めされる。また、軸受け部は、搬送ローラM3060と嵌合して摺動する。
搬送ローラM3060の記録媒体搬送方向における下流側には、後述する記録ヘッドH1001が設けられている。
上記構成における搬送の過程を説明する。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパガイドフラッパM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバーM3021が、記録媒体の先端を検知して、これにより記録媒体に対する記録位置が求められている。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。プラテンM3040には、搬送基準面となるリブが形成されており、このリブにより、記録ヘッドH1001と記録媒体表面との間のギャップが管理されている。また同時に、当該リブが、後述する排紙部と合わせて、記録媒体の波打ちを抑制する役割も果たしている。またプラテンM3040上には不図示のスポンジ部が設けられており、記録媒体の先端部、後端部の記録時には前記スポンジ部に対応する位置のノズルを使用して画像の形成を行う。
搬送ローラM3060が回転するための駆動力は、例えばDCモータからなるLFモータE0002の回転力が、不図示のタイミングベルトを介して、搬送ローラM3060の軸上に配設されたプーリM3061に伝達されることによって得られている。また、搬送ローラM3060の軸上には、搬送ローラM3060による搬送量を検出する為のコードホイールM3062が設けられている。さらに、隣接するシャーシM1010には、コードホイールM3062に形成されたマーキングを読み取るためのエンコードセンサM3090が配設されている。尚、コードホイールM3062に形成されたマーキングは、150〜300lpi(ライン/インチ;参考値)のピッチで形成されているものとする。
(C)排紙部
排紙部は、第1の排紙ローラM3100および第2の排紙ローラM3110、複数の拍車M3120およびギア列などから構成されている。
第1の排紙ローラM3100は、金属軸に複数のゴム部を設けて構成されている。第1の排紙ローラM3100の駆動は、搬送ローラM3060の駆動が、アイドラギアを介して第1の排紙ローラM3100まで伝達されることによって行われている。
第2の排紙ローラM3110は、樹脂の軸にエラストマの弾性体M3111を複数取り付けた構成になっている。第2の排紙ローラM3110の駆動は、第1の排紙ローラM3100の駆動が、アイドラギアを介して伝達すること行われる。
拍車M3120は、周囲に凸形状を複数設けた例えばSUSでなる円形の薄板を樹脂部と一体としたもので、拍車ホルダに複数取り付けられている。この取り付けは、コイルバネを棒状に設けた拍車バネによって行われているが、同時に拍車バネのばね力は、拍車M3120を排紙ローラM3100およびM3110に対し所定圧で当接させている。この構成によって拍車M3120は、2つの排紙ローラM3100およびM3110に従動して回転可能となっている。拍車M3120のいくつかは、第1の排紙ローラM3100のゴム部、あるいは第2の排紙ローラM3110の弾性体M3111の位置に設けられており、主に記録媒体の搬送力を生み出す役割を果たしている。また、その他のいくつかは、ゴム部あるいは弾性体部M3111が無い位置に設けられ、主に記録時の記録媒体の浮き上がりを抑える役割を果たしている。
また、ギア列は、搬送ローラM3060の駆動を排紙ローラM3100およびM3110に伝達する役割を果たしている。
第1の排紙ローラM3100と第2の排紙ローラM3110の間には、不図示の紙端サポートが設けられている。紙端サポートは、記録媒体の両端を持ち上げて、第1の排紙ローラM3100の先で記録媒体を保持することにより、記録媒体に成された記録を、キャリッジの擦過などから守る役割を果たしている。具体的には、先端に不図示のコロが設けられた樹脂部材が、不図示の紙端サポートバネによって付勢されて、所定の圧力でコロを記録媒体に押し付けることで、記録媒体の両端が持ち上げられ、こしを作り、所定の位置に保持できるように構成されている。
以上の構成によって、画像形成された記録媒体は、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。排紙トレイM3160は、複数に分割され、後述する下ケースM7080の下部に収納できる構成になっている。使用時は、引出して使用する。また、排紙トレイM3160は、先端に向けて高さが上がり、更にその両端は高い位置に保持されるよう設計されており、排出された記録媒体の積載性を向上し、記録面の擦れなどを防止している。
(D)キャリッジ部
キャリッジ部は、記録ヘッドH1001を取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持されている。ガイドシャフトM4020は、シャーシM1010に取り付けられており、記録媒体の搬送方向に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。ガイドレールM1011は、シャーシM1010に一体に形成されており、キャリッジM4000の後端を保持して記録ヘッドH1001と記録媒体との隙間を維持する役割を果たしている。また、ガイドレールM1011のキャリッジM4000との摺動側には、ステンレス等の薄板からなる摺動シートM4030が張設され、記録装置の摺動音の低減化を図っている。
キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。また、タイミングベルトM4041は、アイドルプーリM4042によって張設、支持されている。更に、タイミングベルトM4041は、キャリッジM4000とゴム等からなるキャリッジダンパーを介して結合されており、キャリッジモータE0001等の振動を減衰することで、記録される画像のむら等を低減している。
キャリッジM4000の位置を検出する為のエンコーダスケールE0005が、タイミングベルトM4041と平行に設けられている。エンコーダスケールE0005上には、150〜300lpiのピッチでマーキングが形成されている。そして、当該マーキングを読み取るためのエンコーダセンサE0004(図22について後述)が、キャリッジM4000に搭載されたキャリッジ基板E0013(図22について後述)に設けられている。キャリッジ基板E0013には、記録ヘッドH1001と電気的な接続を行う為のヘッドコンタクトE0101も設けられている。また、キャリッジM4000には、電気基板であるメインPCB E0014から記録ヘッドH1001へ、駆動信号を伝えるための不図示のフレキシブルケーブルE0012が接続されている。
記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に固定する為の構成として、記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に押し付けながら位置決めする為の突き当て部と、所定の位置に固定する為の不図示の押圧手段が、キャリッジM4000上に設けられている。押圧手段は、ヘッドセットレバーM4010に搭載され、記録ヘッドH1001をセットする際に、ヘッドセットレバーM4010を回転支点中心に回して、記録ヘッドH1001に作用する構成になっている。
さらに、キャリッジM4000には、CD−R等の特殊メディアへ記録を行う際や、記録結果や用紙端部等の位置検出用として、反射型の光センサからなる位置検出センサM4090が取り付けられている。位置検出センサM4090は、発光素子より発光し、その反射光を受光することで、キャリッジM4000の現在位置を検出することができる。
上記構成において記録媒体に画像形成する場合、行位置に対しては、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送して位置決めする。また、列位置に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドH1001を目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドH1001は、メインPCBE0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成および記録システムは後述するが、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する動作を記録走査と称す。また、搬送ローラM3060により記録媒体が上記記録走査とは交差する行方向に搬送される動作を副走査と称す。記録走査と副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
(E)クリ−ニング部
クリーニング部は、記録ヘッドH1001のクリーニングを行うためのポンプM5000、記録ヘッドH1001の乾燥を抑えるためのキャップM5010、記録ヘッドH1001の吐出口形成面をクリーニングするブレードM5020、などから構成されている。クリーニング部には、専用のクリーニングモータE0003が配されている。クリーニングモータE0003には、不図示のワンウェイクラッチが設けられており、一方向の回転でポンプが作動し、もう一方向の回転ではブレードM5020が動作すると同時にキャップM5010の昇降動作が作用するようになっている。
ポンプM5000では、不図示のポンプコロが2本の不図示のチューブをしごくことによって負圧が発生させるように構成されている。またキャップM5010は、不図示の弁などを介してポンプM5000に接続されている。キャップM5010を記録ヘッドH1001のインク吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作用させると、記録ヘッドH1001から不要なインク等が吸引されるようになっている。更にキャップM5010の内側部分には、吸引後のヘッドH1001のフェイス面に残るインクを削減する為に、キャップ吸収体M5011が設けられている。また、キャップM5010を開けた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないように配慮されている。なお、ポンプM5000で吸引されたインクは廃インクとなり、下ケースM7080に設けられた廃インク吸収体に吸収され、ここに保持される。
ブレードM5020の動作、キャップM5010の昇降、および弁の開閉など、連続して行われる一連の動作は、軸上に複数のカムを設けた不図示のメインカムによって制御される。それぞれの部位のカムやアームがメインカムに作用され、所定の動作を行うことが可能となっている。メインカムの位置は、フォトインタラプタ等の位置検出センサで検出することができる。キャップM5010の降時には、ブレードM5020がキャリッジM4000の走査方向に垂直に移動し、記録ヘッドH1001のフェイス面をクリーニングする構成となっている。ブレードM5020は、記録ヘッドH1001のノズル近傍をクリーニングするものと、フェイス面全体をクリーニングするものと、複数設けられている。そして、キャリッジM4000が、一番奥に移動した際には、ブレードクリーナーM5060に当接することにより、ブレードM5020自身へ付着したインクなども除去することができる構成になっている。
(F)外装部
(A)〜(E)で説明した各ユニットは、主にシャーシM1010に組み込まれ、記録装置の機構部分を形成している。外装は、その回りを覆うように取り付けられている。外装部は主に、下ケースM7080、上ケースM7040、アクセスカバーM7030、コネクタカバーおよびフロントカバーM7010から構成されている。
下ケースM7080の下部には、不図示の排紙トレイレールが設けられており、分割された排紙トレイM3160が収納可能に構成されている。また、フロントカバーM7010は、非使用時に排紙口を塞ぐ構成になっている。
上ケースM7040には、アクセスカバーM7030が取り付けられており、回動可能に構成されている。上ケースの上面の一部は開口部を有しており、この位置で、インクタンクH1900および記録ヘッドH1001が交換可能な様に構成されている。なお、本実施形態の記録装置においては、1色のインクを吐出可能な記録ヘッドを複数色分一体的に構成した記録ヘッドユニットに対し、インクタンクH1900が色毎に独立に着脱可能なヘッドカートリッジ構成となっている。更に、上ケースには、アクセスカバーの開閉を検知する為の不図示のドアスイッチレバー、LEDの光を伝達・表示するLEDガイドM7060、基板のスイッチ(SW)に作用するキースイッチM7070等が設けられている。また、多段式の給紙トレイM2060が回動可能に取り付けられており、給紙部が使われない時は、給紙トレイM2060を収納すれることにより、給紙部のカバーにもなるように構成されている。上ケースM7040と下ケースM7080は、弾性を持った勘合爪で取り付けられており、その間のコネクタ部分が設けられている部分を、不図示のコネクタカバーが覆っている。
(電気回路構成)
次に本実施形態における電気的回路の構成を説明する。
図22は、本発明の実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。
本実施形態で適用する記録装置では、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015、フロントパネルE0106等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4000に搭載されたプリント基板ユニットであり、ヘッドコネクタ E0101を通じて記録ヘッドH1001との信号の授受を行うインタフェイスとして機能する。また、キャリッジM4000の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づいて、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出する。更にその出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。キャリッジ基板E0013には、周囲温度を検出するためのサーミスタなどの温度センサや所要の光学センサが設けられている(以下、これらのセンサをOnCRセンサE0102として参照する)。OnCRセンサE0102により得られる情報は、記録ヘッドカートリッジH1000からのヘッド温度情報とともに、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力される。
メインPCB E0014は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットである。メインPCB E0014の上には、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、Automatic Sheet Feeder(ASF)センサE0009、カバーセンサE0022およびホストインタフェース(ホストI/F)E0017が配されている。また、キャリッジ走査の駆動源となるキャリッジモータE0001、記録媒体搬送の駆動源となるLFモータE0002、記録ヘッド回復動作の駆動源となるPGモータE0003、記録媒体給紙動作の駆動源となるASFモータE0105などと接続されている。そして、メインPCB E0014は、これら各機能の駆動を制御している。更に、メインPCB E0014は、インクエンプティセンサ、メディア(紙)判別センサ、キャリッジ位置(高さ)センサ、LFエンコーダセンサ、PGセンサなど各種オプションユニットの装着や動作状態を示すセンサからの信号E0104を受信している。そして、各種オプションユニットの駆動制御を行うために、オプション制御信号E0108を出力する。また、メインPCB E0014は、CRFFC E0012、電源ユニットE0015およびフロントパネルE0106とそれぞれ接続し、パネル信号E0107によって情報のやり取りを行うための、インタフェイスを有している。
フロントパネルE0106は、ユーザ操作の利便性のために、記録装置本体の正面に設けたユニットである。フロントパネルE0106には、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、さらにデジタルカメラ等の周辺デバイスとの接続に用いるデバイスI/F E0100が備えられている。
図23は、メインPCB E0014の内部構成を示すブロック図である。
図において、E1102はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。ASIC E1102は、制御バスE1014を通じてROM E1004に接続され、ROM E1004に格納されたプログラムに従って、各種制御を行っている。例えば、メインPCB E0014上の各センサ出力や、センサ信号E0104、CRPCB E0013上のOnCRセンサ信号E1105からの出力の状態を検出している。また、エンコーダ信号E1020、フロントパネルE0106上の電源キーE0018、リジュームキーE0019からの出力の状態も検出している。また、ホストI/F E0017、フロントパネル上のデバイスI/FE0100の接続およびデータ入力状態に応じて、各種論理演算や条件判断等を行い、各構成要素を制御し、インクジェット記録装置の駆動制御を司っている。更に、本実施形態で使用するドット配列パターンや特徴的なマスクパターンも、ROM E1004に格納されている。
E1103は、モータ電源(VM)E1040を駆動源とするドライバ・リセット回路である。ドライバ・リセット回路E1103は、ASIC E1102からのモータ制御信号E1106に従い、CRモータ駆動信号E1037、LFモータ駆動信号E1035、PGモータ駆動信号E1034、ASFモータ駆動信号E1104を生成する。そして、これらモータを駆動する。さらに、ドライバ・リセット回路E1103は、電源回路を有しており、メインPCB E0014、CRPCB E0013、フロントパネルE0106など各部に必要な電源を供給する。さらに、電源電圧の低下を検出して、リセット信号E1015を発生および初期化を行う。
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1102からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。ホストI/F E0017は、ASIC E1102からのホストI/F信号E1028を、外部に接続されるホストI/FケーブルE1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの信号をASIC E1102に伝達する。
一方、電源ユニットE0015からは、ヘッド電源(VH)E1039、モータ電源(VM)E1040、およびロジック電源(VDD)E1041が供給される。また、ASIC E1102からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入力され、それぞれヘッド電源E1039およびモータ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE0015から供給されたロジック電源(VDD)E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB E0014内外の各部へ供給される。
またヘッド電源信号E1039は、メインPCB E0014上で平滑化された後にCRFFC E0012へと送出され、記録ヘッドカートリッジH1000の駆動に用いられる。
ASIC E1102は1チップの演算処理装置内蔵半導体集積回路であり、前述したモータ制御信号E1106、オプション制御信号E0108、電源制御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、およびモータ電源ON信号E1023等を出力する。そして、ホストI/F E0017との信号の授受を行うとともに、パネル信号E0107を通じて、フロントパネル上のデバイスI/F E0100との信号の授受を行う。さらに、PEセンサE0007からのPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0009からのASF検出信号(ASFS)E1026、カバーセンサE0022からのカバー検出信号(COVS)E1042の状態を検知する。加えて、パネル信号E0107、センサ信号E0104、およびOnCRセンサ信号E1105の状態も検知する。そして、これら検知結果に応じてパネル信号E0107の駆動を制御してフロントパネル上のLEDE0020の点滅を行う。
さらにASIC E1102は、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH1000とのインタフェイスをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はCRFFC E0012を通じて入力されるCRエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013、およびヘッドコネクタE0101を経て記録ヘッドH1001に供給される。
図24は、ASIC E1102の内部構成例を示すブロック図である。なお、同図において、各ブロック間の接続については、記録データやモータ制御データ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示している。各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略している。
図中、E2107はクロック制御部であり、図示しないクロック発振回路からのクロック信号(CLK)E2031を入力とし、必要に応じ周波数を変換してASIC E1102内の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生する。
また、E2102は記録制御を含む記録装置全体をコントロールするためのCPUである。CPU E2102は、リセット信号E1015、ASIC内各ブロックから出力される割込み信号E2034、制御バスE1014からの制御信号により、以下に示す各ブロックに対するレジスタ読み書き等の制御を行う。また、一部ブロックへのクロックの供給、割り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)も行う。さらにCPU E2102は、内部にRAMを有し、外部デバイスからデバイスI/FE0100を通じて印刷ファイルを受信し、記録データに変換する処理も行う。
また、E2005はDRAMであり、記録用のデータバッファとして、受信バッファE2010、ワークバッファE2011、プリントバッファE2014、展開用データバッファE2016などの各領域を有する。さらに、モータ制御用としてモータ制御バッファE2023も有する。
また、DRAM E2005は、CPU E2102の動作に必要なワーク領域しても使用されている。すなわち、DRAM制御部E2004による制御の下、制御バスによるCPU E2102からDRAM E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E2003からDRAM E2005へのアクセスとを切り替える。これにより、DRAM E2005への読み書き動作を行っている。
DMA制御部E2003では、各ブロックからのリクエスト信号(図示せず)を受け付ける。そして、アドレス信号や制御信号(図示せず)とともに、書込み動作の場合には書込みデータE2038、E2041、E2042、およびE2044などをDRAM制御部に出力してDRAMアクセスを行う。また読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの読み出しデータE2040、E2043、E2045、E2051などを、リクエスト元のブロックに受け渡す。
E2007はUniversal Serial Bus(USB)デバイスであり、CPU E2102の制御により、ホストI/F E0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インタフェイスとなる。さらに、記録時にはホストI/F E0017からの受信データ(ホスト受信データE2037)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡す。
E2101はUSBホストであり、CPU E2102の制御により、デバイスI/F E0100を通じて、図示しない外部デバイス機器との双方向通信インタフェイスとなる。さらに、記録時にはデバイスI/F E0100からの受信データ(デバイス受信データE2108)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡す。
受信制御部E2008は、USBデバイスE2007もしくはUSBホストE2101のうちの選択されたI/Fからの受信データ(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込む。
E2009は圧縮・伸長DMAコントローラであり、CPU E2102の制御により、受信バッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出す。さらに、そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧縮・伸長する。得られた各記録コードは、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送順序に適するようなワークバッファE2011上のアドレスに並べ替えて転送され、記録コード列WDWK E2041としてワークバッファ領域に書込まれる。
E2013は記録バッファ転送DMAコントローラで、CPU E2102の制御により、ワークバッファE2011上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、プリントバッファE2014に転送(WDWP E2044)する。
E2012はワーククリアDMAコントローラであり、CPU E2102の制御の下、記録バッファ転送DMAコントローラ E2013による転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
E2015は記録データ展開DMAコントローラであり、CPU E2102の制御により、プリントバッファ上に書込まれた記録コードと展開用データバッファE2016上に書込まれた展開用データ(展開記録データRDHDG E2045)とを読み出す。このとき、ヘッド制御部E2018からのデータ展開タイミング信号E2050がトリガとなる。さらに、読み出したデータをカラムバッファ書込みデータ(WDHDG)E2047としてカラムバッファE2017に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録データ)を一時的に格納するSRAMである。カラムバッファE2017は、記録データ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって、両ブロックに共有管理されている。
E2018はヘッド制御部であり、CPU E2102の制御により、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH1000とのインタフェイスを行う。また、センサ信号処理部E2022からのヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開DMAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E2050の出力を行う。さらに、記録時には、ヘッド駆動タイミング信号E2049に従って、カラムバッファから展開記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカートリッジH1000に出力する。
E2022はセンサ信号処理部であり、センサ信号E0104、OnCRセンサ信号E1105、PE検出信号E1025、ASF検出信号E1026、カバー検出信号E1042、を受ける。そして、CPU E2102の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU E2102に伝達する。また、モータ制御部E2103に対してセンサ検出信号E2052を出力する。さらに、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E2102の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号E2049を出力する。さらにまた、エンコーダ信号E1020から得られるキャリッジM4001の位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E2102に提供する。CPU E2102はこの情報に基づき、CRモータE0001の制御における各種パラメータを決定する。同様に、センサ信号E0104を構成するLFエンコーダセンサ信号を受けて、紙送りの位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E2102に提供する。CPU E2102はこの情報に基づき、LFモータE0002の制御における各種パラメータを決定する。
E2104はA/Dコンバータであり、センサ信号E0104を構成するメディア判別センサ出力およびインクエンプティセンサ出力、OnCRセンサ信号E1105を構成する環境温度検出サーミスタ出力などのアナログ信号をデジタル値に変換する。また、反射型センサ出力、ヘッド温度検出出力などのアナログ信号もデジタル値に変換する。その後、CPU E2102の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ検出情報をCPU E2102に伝達する。
モータ制御部E2103は、CPU E2102の制御により、必要に応じてDRAM E2005上のモータ制御バッファE2023からモータ駆動テーブル(RDPM)E2051を読み出してモータ制御信号E1106を出力する。また、動作モードによっては各種センサ検出信号を制御のトリガとして、モータ制御信号E1106を出力する。
E2105はパネルI/F部であり、CPUE2102の制御により、パネル信号E0107を構成するLED制御信号を出力する。また、パネル信号を構成する電源キーおよびリジュームキーの状態出力信号を受けて、CPU E2102に伝達する。
E2029はポート制御部であり、CPU E2102の制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を出力する。
(記録ヘッド構成)
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。 本実施形態のヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段、およびインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図25は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、およびブルーの7色のインクによって画像を形成し、従ってインクタンクH1900も7色分が独立に用意されている。そして、図に示すように、それぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。尚、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
図26は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図である。図において、ヘッドカートリッジH1000は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、第2のプレートH1400を有している。また、電気配線基板H1300、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800なども有している。
第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAI等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路もまた、フォトリソ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図27は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101の構成を説明するための正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)である。第1の記録素子基板H1100には、シアンインクの供給されるノズル列H2000、マゼンタインクの供給されるノズル列H2100、およびイエローインクの供給されるノズル列H2200の3色分のノズル列が構成されている。第2の記録素子基板H1101には、ブラックインク用のノズル列H2300、レッドインク用のノズル列H2400、グリーンインク用のノズル列H2500、およびブルーインク用のノズル列H2600の4色分のノズル列が構成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズル吐出口における開口面積は、およそ100平方μmに設定されている。また、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されている。そして、ここには、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。
さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されている。この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持している。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものである。電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。外部信号入力端子H1301は、タンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
一方、インクタンクH1900を保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成している。
インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、タンクホルダー部と、記録ヘッド部H1001とを、接着等で結合することにより、ヘッドカートリッジH1000が構成されている。ここで、タンクホルダー部は、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されている。また、ヘッドカートリッジH1000は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成されている。図28は、本実施形態における画像データ変換処理の流れを説明するためのブロック図である。本実施形態で適用するインクジェット記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの基本色であるインクのほかに、レッド、グリーンおよびブルーによって記録を行うものであり、そのためにこれら7色のインクを吐出する記録ヘッドが用意されている。図28に示すように、ここに示す各処理は、記録装置とホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)によって構成されるものとする。
ホスト装置のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがあり、アプリケーションJ0001は記録装置で記録する画像データを作成する処理を実行する。実際の記録時にはアプリケーションで作成された画像データがプリンタドライバに渡される。
本実施形態におけるプリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、および印刷データ作成J0006を有するものとする。ここで、各処理を簡単に説明すると、前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。そして、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、記録装置によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的にはR、G、Bのそれぞれが8bitで表現されたデータを3次元のLUTを用いることにより、異なる内容のR、G、Bの8bitのデータに変換する。
後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した色分解データY、M、C、K、R、GおよびBを求める処理を行う。ここでは前段処理と同様に、3次元LUTにて補間演算を併用して行うものとする。
γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、記録装置の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データが記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。
ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、K、R、GおよびBそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを、6階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
プリンタドライバで行う処理の最後には、印刷データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする印刷イメージデータに印刷制御情報を加えた印刷データを作成する。
記録装置は、入力されてきた上記印刷データに対し、ドット配置パターン設定処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。
以下に本実施形態のドット配置パターン設定処理J0007について説明する。上述したハーフトーン処理では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を6値の階調値情報(4ビットデータ)までにレベル数を下げている。しかし、実際に本実施形態のインクジェット記録装置が記録できる情報は、インクを記録するか否かの2値情報である。ドット配置パターン設定処理では、0〜5の多値レベルをドットの有無を決定する2値レベルまで低減する役割を果たす。具体的には、ハーフトーン処理部から出力された4ビットデータで表現されるレベル0〜5の600dpiの画素データを、1または0の2値で表される1200dpiの画像データに変換する。
本実施形態では、4ビットデータで表現される各画素に対し階調値に対応したドット配置パターンを割当てることで、画素内の2×2の基本画素各々に同色のドットの記録・非記録すなわち「1」または「0」の吐出データ(2値データ)が定義される。本明細書において、画素とは、n個(nは0以上の整数)のドットにより、階調表現を行うことが出来る最小の領域を示す。一方、基本画素は上述の画素を区画して得られる領域であって、ドットの記録、非記録が定められる領域であり、以下エリアとも称する。
図9は、本実施形態のドット配置パターン設定処理で参照するドット配置パターンを説明するための模式図である。図の左側は、ホスト装置より入力される0〜5のレベル値を示し、その右側は各レベルに対応して用意されているドット配置パターンを4種類ずつ示している。個々のドット配置パターンは2×2の各エリアにドットの記録・非記録を定義するためにデータ上4カラム×2ラスタで構成されており、黒は記録媒体の該当するエリアにドットを記録(1)することを示し、白はドットを記録しない(0)ことを示している。レベル値が上昇するにつれ、ドットを記録するエリア(黒)が増えて行くのがわかる。
個々のレベルについて用意された4つのドット配置パターンは、主走査方向および副走査方向に代わる代わる使用され、同一のレベル値が連続する場合でも1つのパターンに偏らないように配慮されている。このような、複数のドット配置パターンは、記録装置のROM E1004に予め記憶されている。
本実施形態では、変換後の2値の画像データを4つの群に分割し、4回の記録走査によってこれらを記録媒体に記録する。このような画像データの分割を行うため、ドット配置パターン設定処理から出力された2値の画像データは、マスクデータ変換処理J0008が施される。
本実施形態のマスクデータ変換処理J0008では、ドット配置パターン設定処理J0007から出力された2値の画像データを奇数カラムデータと偶数カラムデータに分類し、それぞれのカラムデータと予め用意されたマスクパターンとの間で論理積を取る。そして、画像データが記録(1)でマスクパターンが記録を許容する(1)エリアのみドットが記録(1)されるような記録走査を、奇数カラムデータのためと偶数カラムデータのために交互に行う。このような記録を行うことによって、ドット配置パターン設定処理J0007から出力された2値の画像データを記録媒体で表現する。
図6は、奇数カラムデータと偶数カラムデータの取り扱いを、図式的に説明したものである。ここでは、ドット配置パターン設定処理J0007にレベル3の4ビットデータ601が入力された場合を例に示している。レベル3の4ビットデータ601は、図9に示したドット配置パターンを参照することによって、4カラム×2ラスタの領域を有するドット配置パターン602に変換される(図9参照)。
ここで、ドット配置パターン602は、奇数カラム(第1カラムと第3カラム)で構成される奇数カラムデータ603と、偶数カラム(第2カラムと第4カラム)で構成される偶数カラムデータ604に分類される。奇数カラムデータ603は、その後互いに補完の関係にある2種類のマスクパターンとの間で論理積が取られ、2つの記録走査に対応する画像データに分配される。一方偶数カラムデータ604も、互いに補完の関係にある2種類のマスクパターンとの間で論理積が取られ、2つの記録走査に対応する画像データに分配される。このような奇数カラムデータおよび偶数カラムデータそれぞれの各記録走査への分配は、以下で説明するマスクパターンを用いて実現することが出来る。
図10は、ある一色のノズル列1002と、ノズル列1002に対応する本実施形態のマスクパターン1001との関係を説明するための図である。マスクパターン1001は、ノズルの数758に対応した副走査方向のエリアと所定量の主走査方向のエリア(ここでは128エリア)を有し、各エリアはドットの記録を許容する(1)あるいは許容しない(0)が予め定められている。このようなマスクパターンは、記録ヘッドに備えられた複数のノズル列に共通して使用されても良いが、個々のノズル列に対応して複数用意されていても良い。
本実施形態のような4パスのマルチパス記録の場合、758のノズルは192ずつの4つのノズル群(第1〜第4ノズル群)に分割して考えることが出来る。そして、記録媒体は記録走査のたびに1つのノズル群に対応した距離(192ノズル分)だけ副走査方向に搬送される。このように、個々のノズル群の幅(192ノズル幅)に対応する記録媒体の領域を、以下単位領域と称する。各単位領域は、第1ノズル群による1パス目の記録走査から第4ノズル群による4パス目の記録走査までの4回の記録走査によって、ドットが記録されることになる。
個々のノズル群には、それぞれに対応するマスクパターンが宛がわれている。以下、第1ノズル群に宛がわれ、単位領域に対し1回目の記録走査(1パス目)で使用するマスクパターンを1パス目マスクパターンとする。同様にして、2回目の記録走査(2パス目)で使用する2パス目マスクパターン、3回目の記録走査(3パス目)で使用する3パス目マスクパターン、および4回目の記録走査(4パス目)で使用する4パス目マスクパターンが図のように定められる。ここで、1パス目マスクパターンと3パス目マスクパターンは互いに補完関係を有している。また2パス目マスクパターンと4パス目マスクパターンは互いに補完関係を有している。このようなマスクパターンを使用しながら、奇数カラムデータと偶数カラムデータの記録走査を交互に行うことにより、ドット配置パターン設定処理で記録(1)とされた画像データは、1パス目〜4パス目のいずれかによってドットが記録されるようになっている。例えば、1パス目および3パス目によって奇数カラムデータが記録される単位領域には、2パス目および4パス目によって偶数カラムデータが記録される。また、1パス目および3パス目によって偶数カラムデータが記録される単位領域には、2パス目および4パス目によって奇数カラムデータが記録される。このような、ドット配置パターン設定処理、処理後の2値データを奇数カラムデータと偶数カラムデータに分類したりするデコード処理については、特許文献3などに開示されている。また、奇数カラムデータと偶数カラムデータとで記録走査を異ならせて画像を記録する方法やデータ処理についても、特許文献2や特許文献3などに開示されている。
マスクデータ変換処理によって各記録走査で記録すべき2値データが決定されると、当該データはヘッド駆動回路J0009に送られる。記録ヘッドH1001は、ヘッド駆動回路J0009から入力される駆動信号に従ってインクを吐出し、記録媒体にドットを記録する。
本実施形態では、ドット配置パターンの奇数カラムデータと偶数カラムデータを異なる記録走査で記録しながら、それぞれのカラムデータに対応するドットを記録媒体で重複させるようにしている。具体的には、1カラム目と2カラム目のデータが互いに重複するように、また3カラム目と4カラム目のデータが互いに重複するように記録動作を行っている。
本実施形態においても、特許文献2と同様に、奇数カラムデータを記録する記録走査と偶数カラムデータを記録する記録走査とを交互に行うが、その奇数カラムデータと偶数カラムデータを記録媒体で重複させることに一つの特徴がある。例えば、図6の場合、奇数カラムデータ603と偶数カラムデータ604は同位置に記録され、記録媒体では、605のように左側の上下2つのエリアに2つずつのドットが重複して記録されるようになる。
ここでは、図6を用いレベル3の場合を例に説明したが、他のレベルおいても同様の方法でドットの記録が行われる。再度図9を参照して、各レベルでのドット重複状態を説明する。まず、レベル1については、全てのドットが互いに重複することなく、単独で記録される状態となる。以後、このように、記録媒体で重複せずに単独で記録されるドットを単独ドットと称する。これに対し、記録媒体で重複して記録されるドットを重複ドットと称する。
レベル2では、4種類のうち2種類のドット配置パターンで重複ドットが記録され、他の2種類では単独ドットのみが記録される。すなわち、単独ドットと重複ドットが約50%ずつ存在する状態になる。レベル3では、図6を用いて説明したように、記録される全てのドットが重複ドットとなる。更に、レベル4では単独ドットと重複ドットが約50%ずつ存在し、レベル5では全てのエリアに重複ドットが記録される状態となる。
一般に、同じ数のドットを記録しても、重複ドットで記録した場合は単独ドットで記録した場合よりも記録媒体に対する被覆率が小さくなる。従って、所定の領域で濃度表現をする場合、重複ドットの割合が多い方が、単独ドットの割合が多い場合よりも濃度が低くなる。本実施形態では、各レベルにおいてまた複数のレベル間において、重複ドットと単独ドットの割合を適切に調整し、入力レベルに対応付けた濃度表現が行われている。
また、単独ドットと重複ドットとでは、記録位置ずれが発生した場合の濃度変化の度合いも大きく異なっている。
図1(a)および(b)は、全てのドットが単独ドットであった場合の記録位置ずれの濃度への影響を説明する図である。黒く示したドットは第1の記録走査で記録される第1のドット群であり、白く示したドットは第1の記録走査とは異なる第2の記録走査で記録される第2のドット群とする。2つの記録走査の間に記録位置ずれが存在しない場合、ドットの配列は図1(a)のようになり、第1のドット群と第2のドット群は単独ドットの状態で、副走査方向において互いに補完するように配置する。しかし、2つの記録走査の間に副走査方向への記録位置ずれが発生した場合、第1のドット群に対し第2のドット群は副走査方向にずれ、ドットの補完関係が崩れる。結果、単独ドットが減少し重複ドットが増えることにより、図1(b)のように副走査方向において記録媒体がドットに被覆されない箇所が所々現れ、記録位置ずれが発生しない同図(a)の場合に比べて、濃度が低下する。
これに対し、図2(a)および(b)は、全てのドットが重複ドットであった場合の記録位置ずれの濃度への影響を説明する図である。第1の記録走査で記録される第1のドット群(黒ドット)の全てに、第2の記録走査で記録される白ドットが重複して記録されている。この場合、第1のドット群と第2のドット群が互いにずれたとしても、重複する2つのドットの組み合わせが副走査方向にシフトするだけであり、新たに重複ドットや単独ドットの数が増えたり減ったりすることはない。すなわち、記録位置ずれが発生しない同図(a)の場合に比べても、濃度が変化することはない。
このように、記録位置ずれの発生に伴う濃度の変動は、記録位置がずれた場合とずれなかった場合とで、記録媒体の被覆率が変化することによって引き起こされる。そして、この被覆率は単位領域における単独ドットと重複ドットの数や割合に影響を受けている。
図9で示したドット配置パターンを使用する場合には、例えばレベル3およびレベル5では、図2(a)および(b)で示した状態となり、副走査方向の記録位置ずれが起きても濃度変化は起こらない。また、レベル1の場合には、全てのドットが単独ドットであるが、これら単独ドットは十分に距離を置いて記録されるので、1エリア程度の記録位置ずれが発生しても単独ドットが重複ドットに変化する可能性は低く、濃度低下は起こり難い。
これに対し、レベル2およびレベル4のように、あるドットの僅かなずれ(移動)によって近傍に位置するドットとの重複や分離の関係が変化するレベルでは、記録位置ずれが発生した場合に濃度変動が起こり易い。これらレベルにおいて、全てのドットが単独ドットであると、記録位置ずれによって被覆率は下がり濃度は低下する。一方全てのドットが重複ドットであると、記録位置ずれによって全ての重複ドットが分離するので、被覆率は上がり濃度は上昇する。図9のように、重複ドットと単独ドットが混在している場合には、記録位置ずれが起きても2つの単独ドットが重なり合う箇所もあれば、重複ドットが分離する箇所もある。つまり、記録位置ずれが起きても、記録位置ずれが起きなかった場合に比べて被覆率が然程変化しなければ、大きな濃度変動は招致されない。
本発明者らは、以上の状況を鑑み、マルチパス記録を行う際に搬送動作に伴う突発的な記録位置ずれが発生した場合であっても、濃度変動を生じさせないためには、以下の2つの条件を揃えることが効果的であるという知見に至った。すなわち第1には、画像データ上において、重複ドットと単独ドットを予め一定の割合で混在させておくことである。また、第2には、記録位置ずれが発生した場合に上記一定の割合ひいては被覆率がある程度の範囲で保たれることである。
このうち、第1の条件については、既に図9および図6で説明したドット配置パターンを使用することによって満足させることが出来る。具体的には、濃度変動が懸念されるレベル2およびレベル4において、重複ドットと単独ドットを50%の割合で混在させている。なお、重複ドットと単独ドットを混在させるレベル値や混在の割合は、ドット配置パターンを様々に変えることにより調整することも出来る。一方、第2の条件については、マルチパス記録の際に使用するマスクパターンに特徴を持たせることによって、満足させることが出来る。以下、その根拠および方法について説明する。
マルチパス記録を行う場合、1つの単位領域に対する複数回の記録走査(1〜4パス目)のうちどの記録走査間(パス間)で記録位置ずれが発生したかによって、この単位領域の濃度変動の程度は異なる。
図4は、4パスのマルチパス記録を行った場合の濃度変動の程度を、単位領域ごとに比較するための模式図である。ここでは、ブラックのノズル列H2300に配列された768個のノズルを192ノズルずつの4つのノズル群に分割し、記録許容率が25%である4種類のマスクパターン1〜4を個々のノズル群に宛がっている場合を例に説明する。マスクパターン1〜4に従った記録走査と192ノズル分の搬送動作を繰り返すことにより、副走査方向に並ぶ複数の単位領域の記録が順次完成していくようになっている。図では、第1〜第8記録走査を行うことにより、記録媒体に一様なハーフトーン画像を記録する場合の、第1〜第5の単位領域と記録ヘッドの相対的な位置関係を示している。第1単位領域は第1〜第4記録走査によって、第2単位領域は第2〜第4記録走査によって画像が記録されるのが分かる。
ここで、第4記録走査と第5記録走査の間に行われる搬送動作に突発的なずれが発生した場合を考える。この場合、第1単位領域は、第1〜第4記録走査で画像が完成されているので、記録位置ずれの影響は受けず、濃度変動は招致されない。これに対し、第2〜第5記録走査で画像が完成される第2単位領域では、第2〜第4記録走査で記録される約75%のドット群に対し第5記録走査で記録される約25%のドット群がずれて記録される。また、第3〜第6記録走査で画像が完成される第3単位領域では、第3および第4記録走査で記録された約50%のドット群と第5および第6記録走査で記録された約50%のドット群とが互いにずれて記録される。さらに、第4〜第7記録走査で画像が完成される第3単位領域では、第4記録走査で記録される約25%のドット群に対し第5〜第7記録走査で記録される約75%のドット群がずれて記録される。第4単位領域は、第5〜第8記録走査で画像が完成されているので、第1単位領域と同様、記録位置ずれの影響は受けず、濃度変動は招致されない。
以上より、第4記録走査と第5記録走査の間の搬送動作にずれが発生した場合に濃度変動が発生するのは、第2〜第4の3つの単位領域であることが判る。更に、第2および第4の単位領域では75%のドット群に対し25%のドット群がずれているが、第3単位領域は50%ずつのドット群が互いにずれて記録されているので、第3の単位領域が最も記録位置ずれの影響を大きく受けることが判る。例えば、上記画像が、図1(a)および(b)で説明したように全て単独ドットで構成されている場合、第3の単位領域で最も濃度低下が激しく、ついで第2の単位領域と第4の単位領域の濃度が他の領域に対し濃度が低下することになる。
本実施形態のように重複ドットを含んでマルチパス記録を行った場合には、第3の単位領域であっても、単独ドットが重なる箇所もあれば重複ドットが分離する箇所もあるので、図1(b)のような著しい濃度低下は起こらない。しかし、このようなマルチパス記録を、従来の一般的なマスクパターンを用いて行った場合、2つの単独ドットが重複して被覆率を下げる度合いと重複ドットが分離して被覆率を上げる度合いは制御されておらず、両者は必ずしも一定に保たれてはいない。本発明者らの検討によれば、図9に示したようなドット配置パターンを用いた場合であっても、従来の一般的なマスクパターンを使用した状況においては、突発的な搬送ずれが発生すると、やはり第3の単位領域で濃度低下の現象が発生することが確認された。すなわち、最も濃度の低い単位領域(第3単位領域)を中心にその両側の単位領域(第2および第4単位領域)において徐々に濃度低下の程度が緩和される現象が確認された。
この場合、最も濃度低下が見られる単位領域では、記録位置ずれによって2つの単独ドットが重複して被覆率を下げる割合のほうが、重複ドットが分離して被覆率を上げる割合よりも大きいので、濃度の低下が招致されてしまったと考えることが出来る。従って、上記単位領域において、2つの単独ドットが重複して被覆率を下げる割合よりも、重複ドットが分離して被覆率を上げる割合を大きくすれば、濃度の低下を抑えることが期待出来る。
そのためには、記録位置ずれの際に最も濃度低下が大きい単位領域(第3単位領域)において、重複ドットを形成する2つのドットが、なるべく搬送ずれが起こった搬送動作を挟んだ2つの記録走査で記録されていることが求められる。具体的には、第3単位領域における重複ドットが、第3記録走査あるいは第4記録走査のどちらか一方と、第5記録走査あるいは第6記録走査のどちらか一方の組み合わせによって重複して記録される割合が高ければ良い。言い換えれば、単位領域が4回の記録走査で記録される4パスのマルチパス記録の場合、2パス目と3パス目の間(中央パス間)を挟んで記録される重複ドットが、他の連続する記録走査の間を挟んで記録される重複ドットよりも多くなるようにすれば良い。このようにすれば、どのタイミングで搬送ずれが発生しても、この搬送動作を2パス目と3パス目の間に持つ(中央パス間に持つ)最も濃度低下が懸念される単位領域において、濃度低下を緩和することが可能となる。
しかしながら、一般に従来法で作成したマスクパターンは、そのような特徴を持つものではない。
図7(a)および(b)は、従来法で作成した上記マスクパターンにおける重複ドットが記録される記録走査(パス)の組み合わせの割合を示す図である。一般に補完関係にある1パス目と3パス目では、50%ずつの記録許容率を有している。一方、1パス目で記録が許容されたエリアに重複してドットを記録できるのは2パス目と4パス目であり、従来のマスクパターンにおいては、これらも互いに半分の割合で記録許容エリアが設けられている。結果、1パス目と2パス目で記録が許容されるエリアは全体の25%(701)となり、同様に1パス目と4パス目で記録が許容されるエリアも全体の25%(702)となる。このようにして考えると、各パスの組み合わせにおける記録許容エリアの割合は、図7(a)に示したように全て25%となる。
図7(b)は、同図(a)の割合より、各パスの間に行われる搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合を示した図である。例えば、1パス目と2パス目の間の搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合は、1パス目と2パス目で記録される重複ドットの割合と1パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合の和であるから、25%+25%=50%となる。また、2パス目と3パス目の間の搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合は、1パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合と2パス目と3パス目で記録される重複ドットの割合の和であるから、やはり25%+25%=50%となる。更に、3パス目と4パス目の間の搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合についても、1パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合と3パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合の和であるから、同様に25%+25%=50%となる。以上から判るように、従来法に従って作成したマスクパターンにおいては、中央パス間の搬送動作を挟んでより多くの重複ドットが記録されるようにはなっていない。
図5は、図7(b)で説明した各パスの間に行われる搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合を、上述した従来法のマスクパターンと、以下で説明する本実施形態のマスクパターンとで比較して示した図である。破線が従来法のマスクパターンを示しており、いずれの搬送動作を挟んで記録される重複ドットの割合も均等に50%になっている。このような記録を行った場合には、2パス目と3パス目の間の搬送動作で搬送ずれが発生した単位領域において、濃度低下が懸念されることとなる。
これに対し、本実施形態では図5の実線で示したような割合を実現するようなマスクパターン、すなわち中央パス間を挟んで記録される重複ドットの割合が75%となるようなマスクパターンを作成し、これを使用する。このようなマスクパターンが使用されれば、2パス目と3パス目の間の搬送動作で搬送ずれが発生した単位領域において、濃度低下の緩和を期待することができる。以下、上記特徴を有するマスクパターンの作成方法を説明する。
図11は、本実施形態のマスクパターンの作成手順を説明するための概念図である。本実施形態のマスクパターンは、まず、1パス目のマスクパターンと2パス目のマスクパターンを完成させた後、これらと補完関係にある3パス目のマスクパターンと4パス目のマスクパターンを生成する。1パス目と2パス目については、従来の方法で作成した基本のマスクパターンに対し、エリアごとに記録の許容/非許容の確認を行い、本発明の特徴を有するように、必要に応じて記録許容エリアを移動する。
図12は、本実施形態で使用するマスクパターンの作成工程を説明するためのフローチャートである。まずステップS1では、1パス目と2パス目のためのマスクパターン領域の全エリアに50%デューティを与える。その後ステップS2において2値化処理を行い、全てのエリアに対し記録を許容するか(1)記録を許容しないか(0)を仮決定する。ステップ2で行う2値化処理は、本実施形態では、特許文献4に開示されている方法を採用する。具体的には、一つの記録許容エリアを定めた場合、図14で示すような斥力ポテンシャルが近傍のエリアに作用すると定義し、所定領域の斥力ポテンシャルをなるべく低く抑えるように個々の記録許容エリアの分布を定めていく。その結果、ステップ2では、記録許容画素が分散性の高い状態で配置されたマスクパターンが生成される。
続くステップS3では、マスクデータ移動処理を実行する。マスクデータ移動処理では、1パス目と2パス目のマスクパターンを参照することによって、2パス目と3パス目の間(中央パス間)の搬送動作を挟んで記録が許容されるエリアの数が所定範囲に収まるようにいくつかの記録許容エリアの移動処理を実行する。このマスクデータ移動処理によって、1パス目と2パス目のマスクパターンが決定する。マスクデータ移動処理の詳細については後述する。
ステップS4では、決定された1パス目と2パス目のマスクパターンを元に、これらと補完関係にある3パス目と4パス目のマスクパターンを作成する。すなわち、1パス目のマスクパターンにおける記録許容エリア(1)と記録非許容エリア(0)を逆転したものを3パス目のマスクパターンとする。同様に、2パス目のマスクパターンにおける記録許容エリア(1)と記録非許容エリア(0)を逆転したものを4パス目のマスクパターンとする。以上で本処理が終了する。
以下、ステップS3で実行するマスクデータ移動処理について説明する。
図15は、マスクデータ移動処理の際に、注目する記録許容エリアの移動処理を行うか否かを判断するための方法を説明するための図である。図では、1パス目〜4パス目のマスクパターンを重ね合わせた状態で示している。本実施形態では、1パス目と2パス目の記録許容エリアの位置を調べることによって、2パス目と3パス目の間(中央パス間)を挟んで記録される重複ドットの数をカウントする。例えば図の黒丸の位置において、1パスのデータが記録許容(1)であり、2パスのデータが非許容(0)であったとする。この場合、2パスと4パスのマスクデータは補完の関係にあるので、当該エリア(黒丸の位置)は1パスと4パスでドットが重複されて記録されることになる。すなわち、このエリアについては中央パス間を挟んで重複ドットが記録されるので、カウントの対象となる。一方、図の白丸の位置では、1パス目のデータも2パス目のデータも記録許容(1)であったとする。この場合、当該エリア(白丸の位置)は1パスと2パスでドットが重複されて記録されることになる。すなわち、このエリアについては中央パス間を挟んで重複ドットが記録されないので、カウントの対象とはならない。
また、図には示していないが、1パスのデータが記録非許容(0)であり、2パスのデータが記録許容(1)であったとする。この場合、1パスと3パスのマスクデータは補完の関係にあるので、当該エリアは2パスと3パスでドットが重複されて記録されることになる。すなわち、このエリアについては中央パス間を挟んで重複ドットが記録されるので、カウントの対象となる。さらに、1パス目のデータも2パス目のデータも記録非許容(0)であった場合、このエリアは3パスと4パスでドットが重複されて記録されることになる。すなわち、このエリアについては中央パス間を挟んで重複ドットが記録されないので、カウントの対象とはならない。以上の要領で求めたカウント値を利用してマスクデータ移動処理は行われる。
図13は、マスクデータ移動処理の各工程を説明するためのフローチャートである。本実施形態では、以下に説明する記録許容エリアの移動処理を、1パス分のマスクパターン領域(192エリア×128エリア)の全体に渡って複数回(ここではN回)繰り返すことにより、最終的なマスクパターンを決定する。よって、マスクパターン全体に渡る処理回数をN回までカウントするためのパラメータkを用意し、ステップS21ではまずこの値を1に設定する。
また、マスクパターン領域全体のエリア1つ1つに以下の処理を実行するため、注目エリアを指し示すためのパラメータeを用意し、ステップS22ではこの値を1に設定する。
続くステップS23では、注目エリアが1パス目のマスクパターンあるいは2パス目のマスクパターンで記録を許容(1)しているか否かを判断する。記録を許容している(1)と判断した場合は、ステップS24に進む。一方、注目画素が記録を許容していない(0)と判断した場合は次のエリアに注目するためにステップS30へジャンプする。
ステップS24では、注目エリアを中心とした4×4エリアについて上述した方法でカウント値を求め、当該カウント値と予め定められている目標値を比較する。目標値とは、4×4エリアの中で、重複ドットが中央パス間を挟んで記録されるエリアの理想数であり、例えば本実施形態では4×4エリアの75%に相当する12エリアとする。ステップS24では、この目標値と実測したカウント値との差分の絶対値を求め、これを重複ドット分布条件ずれ値D0とする。
すなわち、この重複ドット分布条件ずれ値D0が大きいほど、注目エリアを中心とした4×4エリアにおける中央パス間を挟んで記録されるエリアの数が目標値から離れていることになる。よって、本実施形態では、以下のステップによって、中央パス間を挟んで重複ドットが記録されるエリアを目標値に近づけるように、1パス目および2パス目のマスクパターンにおける記録許容エリアを注目エリアから他のエリアに移す作業を行う。
そのために、ステップS25では、上記4×4エリアの中で、記録非許容(0)から記録許容(1)に変更することによって、中央パス間を挟んで重複ドットが記録されるようになるエリアの候補をピックアップする。具体的には、例えば、1パス目の記録非許容(0)のエリアのうち、4パス目の同じエリアが記録許容(1)になっているエリアをピックアップする。また、2パス目の記録非許容(0)のエリアのうち、3パス目の同じエリアが記録許容(1)になっているエリアをピックアップする。
ステップS26では、1パス目のマスクパターンにおいて、上記候補の1つに記録許容エリアを移した場合の所定領域における斥力ポテンシャルの総和を、上記候補の1つずつについて計算する。また、2パス目のマスクパターンにおいても同様に、上記移動先の候補エリアの1つずつについて斥力ポテンシャルの総和を計算する。ここで、斥力ポテンシャルとは、ステップS2で説明した斥力ポテンシャルと同等であり、所定領域とは注目エリアと移動先のエリアのそれぞれから10×10エリアの範囲にあるエリア領域を示すものとする。
続くステップS27では、ステップS25でピックアップしたエリアに記録許容画素を移動した状態の重複ドット分布条件ずれ値D1を、候補のエリアそれぞれについて算出する。
更にステップS28では、ステップS24で算出された重複ドット分布条件ずれ値D0からステップS27で算出されたそれぞれの重複ドット分布条件ずれ値D1を引き、この値を差分値ΔDとする。
ステップS29では、ステップS25でピックアップした複数の移動候補エリアのうち、ステップS28で算出した差分値ΔDが正で、且つステップS26で算出したポテンシャルの総和が最も小さくなるようなエリアを選択し、これを移動先エリアとして決定する。
更に、ステップS30で注目エリアを次のエリアに移し、続くステップS31にて(e>E)であるか否か、すなわち最終の注目エリア(e=E)まで上記処理が終了したか否かを判断する。未だ処理すべきエリアが残っている場合(e≦E)は、ステップS23に戻る。
一方、全てのエリアについて上記処理が終了した場合(e>E)は、ステップS32に進み、上記処理がマスクパターン全体に渡ってN回行われたか否かを判断する。まだ、N回未満である(k<N)と判断した場合は、kをインクリメントした後、再びステップS22に戻り、改めて作成されたマスクパターンに対し、更なる移動処理を繰り返す。一方、(k=N)と判断した場合は、マスクデータ移動処理は完了したと判断し、図12のフローチャートに戻る。
以上、図12および図13で説明した工程に従ってマスクパターンを作成することにより、ドットの分散性を高い状態に保ちつつも、中央パス間を挟んで記録される重複ドットの割合を他のパス間を挟んで記録される重複ドットの割合よりも高めることが出来る。
図8(a)および(b)は、以上説明した方法に従って作成したマスクパターンにおける重複ドットが記録される記録走査の組み合わせの割合を、図7(a)および(b)に示した従来法のマスクパターンと比較して説明するための図である。本実施形態では、上述したマスクデータ移動処理を実行することにより、1パス目と2パス目で記録が許容されるエリアは全体の12.5%(801)となり、図7で示した従来法に比べて約半分に抑えられる。その分、1パス目と4パス目で記録が許容されるエリアは全体の37.5%(802)となり、従来法よりも増大される。同様に、2パス目と3パス目で記録が許容されるエリアは全体の35.5%と増大され、3パス目と4パス目で記録が許容されるエリアは全体の12.5%に削減される。
図8(b)は、同図(a)の割合より、各パスの間に行われる搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合を示した図である。図によれば、1パス目と2パス目の間の搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合は、1パス目と2パス目で記録される重複ドットの割合と1パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合の和であるから、12.5%+37.5%=50%となる。また、2パス目と3パス目の間の搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合は、1パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合と2パス目と3パス目で記録される重複ドットの割合の和であるから、37.5%+37.5%=75%となる。更に、3パス目と4パス目の間の搬送動作を挟んで重複ドットが記録される割合は、1パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合と3パス目と4パス目で記録される重複ドットの割合の和であるから、同様に37.5%+12.5%=50%となる。これにより、図5の実線で示した分布は達成され、中央パス間を挟んで記録される重複ドットの割合(75%)を、他の連続する記録走査の間を挟んで記録される重複ドットの割合(50%)よりも高く設定したマスクパターンが実現される。
すなわち、図9で示したドット配置パターンと上記説明した方法に従って作成したマスクパターンを用いて4パスのマルチパス記録を実行することにより、突発的な記録位置ずれが生じても、濃度変動を低く抑えた一様な画像を取得することが可能となる。
なお、以上では、注目エリアを中心とした4×4エリアについてカウント値を求め、斥力ポテンシャルの総和を算出するための所定領域を10×10エリアとしたが、無論これら値は、マスクパターンの大きさ等に応じて目標値と共に適宜調整することが出来る。
(その他の実施形態)
以上では4パスのマルチパス記録を例に説明したが、本発明はより多くのマルチパス数にも対応することが出来る。例えば8パスのマルチパス記録を行う場合、1パス目、3パス目、5パス目および7パス目の奇数パス目のマスクパターンは、記録許容率がそれぞれ約25%の互いに補完関係を有するマスクパターンにすればよい。また、2パス目、4パス目、6パス目および8パス目の偶数パス目のマスクパターンも、記録許容率がそれぞれ約25%の互いに補完関係を有するマスクパターンにすればよい。
このような場合でも、使用するマスクパターンは、図12および図13で説明したフローチャートに準じて作成することが出来る。但し、この場合、図12のステップS1では、1パス目と2パス目のみでなく、1、3、および5パス目と、2、4および6パス目のマスクパターン領域の全エリアに25%デューティを与えることになる。そして、ステップ2においては、1、3、および5パス目間では互いに排他になるように、且つ2、4、および6パス目間においても互いに排他になるように、それぞれ2値化処理を行う必要がある。
図16は、上記奇数パス目あるいは偶数パス目のどちらか一方の4つのマスクパターンの関係を説明するための概念図である。ステップS2では、2値化処理により、互いに排他の関係にある3パス分(上位3プレーン分)のマスクパターンを作成する。
その後、ステップ3のマスクデータ移動処理では、4パス目と5パス目の間を中央パス間とし、所定数のエリアがこの中央パス間を挟んで記録許容とされるように、上記実施形態に準じて記録許容エリアの移動処理を行う。そして、ステップS4によって、最後の1プレーン分(7パス目あるいは8パス目)のマスクデータを、他の3プレーンと補完の関係を有するように作成すればよい。
また、図12のステップS4のように補完関係を利用してマスクデータを生成する工程を必ずしも設ける必要はなく、全てのプレーンを斥力ポテンシャルの計算によって同時に求めることも出来る。この場合には、例えば、各パスのマスクパターン内で記録許容エリアを分散性の高い状態で配置するための斥力ポテンシャルの他に、各パスのマスクパターン間で記録許容エリアを排他的に配置するためのより強い斥力ポテンシャルを考慮すればよい。
いずれにしても、Mを2以上の整数とし、2Mパスのマルチパス記録を行う場合に、以下の条件が満足されるマスクパターンが使用されていればよい。すなわち、M回目の記録走査(Mパス目)とM+1回目の記録走査(M+1パス目)の間の中央パス間を挟んでの記録許容されるエリアが、他の連続する記録走査(パス)の間を挟んで記録許容されるエリアの数より多くなれば良い。
さらに、8パスのマルチパス記録の場合には、例えば図4と同様に単位領域毎の濃度変動の程度を考えると、最も濃度変動が激しい単位領域を中心に、その両側に配置する3つずつの単位領域、すなわち計7つの単位領域に濃度変動の影響が現れることになる。そして、中央の単位領域の濃度変動がもっとも大きく、ここからに離れるにつれ徐々に濃度変動の程度が緩やかになって行くことが予想される。
このような場合、中央パス間(Mパス目とM+1パス目の間)を挟んで記録許容とされるエリアの割合を最も高く設定しながらも、その両側のパス間においても、記録許容エリアの割合が中央から離れるにつれて徐々に低減するように設定されるのが好ましい。以下、このような状態を、2Mパスの(2M回の記録走査による)マルチパス記録を行う場合を例に、LをMよりも小さな整数としてM±L回目の記録走査(M±Lパス目)に注目して具体的に示す。単位領域に対するM−Lパス目とM−L+1パス目を挟む記録許容エリアの割合は、M−L+1パス目とM−L+2パス目を挟む記録許容エリアの割合よりも少なく、M−L−1パス目とM−Lパス目を挟む記録許容エリアの割合よりも多いことが好ましい。同時に、単位領域に対するM+Lパス目とM+L+1パス目を挟む記録許容エリアの割合は、M+L+1パス目とM+L+2パス目を挟む記録許容エリアの割合よりも多く、M+L−1パス目とM+Lパス目を挟む記録許容エリアの割合よりも少ないことが好ましい。
以上説明した実施形態において、中央パス間を挟んでの記録が許容されるエリアの割合は、マルチパス数や記録媒体の種類またインク色などに応じて調整されることが好ましい。例えば、上記実施形態のように特許文献4の方法を採用して作成したマスクパターンでは、記録許容エリアの分散性が高く、記録位置ずれが発生した場合に濃度が低下しやすいので、上記割合を高く設定することで濃度変動を抑えることが出来た。しかしながら、従来一般的に知られているマスクパターンは、このような分散性の高いマスクパターンばかりではなく、基本となるマスクパターンの種類によっては、記録位置ずれが発生した場合の濃度変動の度合いも様々である。どのようなマスクパターンであっても、記録位置ずれによって単独ドットが重複して被覆率が低下する度合いと、重複ドットが分離して被覆率が上昇する度合いがある程度安定するように、上記割合が定められていればよい。そして、そのようなマスクパターンの複数種類が記録装置のメモリに格納され、記録モード等に応じて選択され使用される構成であっても良い。
601 ドット配置パターン設定処理への4ビットデータ
602 ドット配置パターン
603 奇数カラムデータ
604 偶数カラムデータ
605 ドット記録状態
1001 マスクパターン
H1001 記録ヘッド
H2300 ブラックのノズル列
J0001 アプリケーション
J0002 前段
J0003 後段
J0004 γ補正
J0005 ハーフトーニング
J0006 印刷データの作成
J0007 ドット配置パターン設定処理
J0008 マスクデータ変換処理
J0009 ヘッド駆動回路

Claims (7)

  1. 画像データに基づいて記録媒体に同色のドットを記録する記録ヘッド前記記録媒体の単位領域に対する2M回(Mは2以上の整数)の記録走査と、該2M回の記録走査のそれぞれの間に、前記記録走査の方向と交差する方向に前記記録媒体を前記単位領域の前記交差する方向の幅だけ搬送する搬送動作と、を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置であって、
    複数の同色のドットが重複して形成される重複ドットが記録される基本画素と、ドットが重複せずに形成される単独ドットが記録される基本画素を含む複数の基本画素で構成されるドット配置パターンを、画素が有する前記画像データのレベル値に応じて設定する設定手段と
    該設定手段によって設定された前記ドット配置パターンのドットを、前記2M回の記録走査に分割するための分割手段と
    を備え、
    前記設定手段は、等しい前記レベル値に対してドットの配置が互いに異なる複数の前記ドット配置パターンを、前記単位領域において前記重複ドットと前記単独ドットが所定の割合で混在するように選択的に配置し
    前記分割手段は、前記単位領域に対するM回目の記録走査とM+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数が、他の連続する記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多くなるように前記ドット配置パターンのドットを前記2M回の記録走査に分割することを特徴とする記録装置。
  2. Mが3以上である場合において、
    前記分割手段は、前記単位領域に対するM−L回目(Lは1以上且つM−2以下の整数)の記録走査とM−L+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数は、前記単位領域に対するM−L+1回目の記録走査とM−L+2回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも少なく、前記単位領域に対するM−L−1回目の記録走査とM−L回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多く、且つ、
    前記単位領域に対するM+L回目の記録走査とM+L+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数は、前記単位領域に対するM+L+1回目の記録走査とM+L+2回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多く、前記単位領域に対するM+L−1回目の記録走査とM+L回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも少なくするように、前記ドット配置パターンのドットを前記2M回の記録走査に分割することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記ドット配置パターンにおいて、1つの前記基本画素に記録されるドットの数は、1組の奇数カラムデータと偶数カラムデータのそれぞれが示すドットの記録あるいは非記録によって定められ、前記ドット配置パターンは、前記複数の基本画素のそれぞれに対応する前記奇数カラムデータと前記偶数カラムデータの組で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録素子の複数を配列して構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の記録装置。
  5. 画像データに基づいて記録媒体に同色のドットを記録する記録ヘッド前記記録媒体の単位領域に対する2M回(Mは2以上の整数)の記録走査と、該2M回の記録走査のそれぞれの間に、前記記録走査の方向と交差する方向に前記記録媒体を前記単位領域の前記交差する方向の幅だけ搬送する搬送動作と、を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
    複数の同色のドットが重複して形成される重複ドットが記録される基本画素と、ドットが重複せずに形成される単独ドットが記録される基本画素を含む複数の基本画素で構成されるドット配置パターンを、画素が有する前記画像データのレベル値に応じて設定する設定工程と
    該設定工程によって設定された前記ドット配置パターンのドットを、前記2M回の記録走査に分割するための分割工程と
    を有し、
    前記設定工程は、等しい前記レベル値に対してドットの配置が互いに異なる複数の前記ドット配置パターンを、前記単位領域において前記重複ドットと前記単独ドットが所定の割合で混在するように選択的に配置し
    前記分割工程は、前記単位領域に対するM回目の記録走査とM+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数が、他の連続する記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多くなるように前記ドット配置パターンのドットを前記2M回の記録走査に分割することを特徴とする記録方法。
  6. Mが3以上である場合において、
    前記分割工程は、前記単位領域に対するM−L回目(Lは1以上且つM−2以下の整数)の記録走査とM−L+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数は、前記単位領域に対するM−L+1回目の記録走査とM−L+2回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも少なく、前記単位領域に対するM−L−1回目の記録走査とM−L回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多く、且つ、
    前記単位領域に対するM+L回目の記録走査とM+L+1回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数は、前記単位領域に対するM+L+1回目の記録走査とM+L+2回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも多く、前記単位領域に対するM+L−1回目の記録走査とM+L回目の記録走査の間を挟んで記録される前記重複ドットの数よりも少なくするように、前記ドット配置パターンのドットを前記2M回の記録走査に分割することを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  7. 前記ドット配置パターンにおいて、1つの前記基本画素に記録されるドットの数は、1組の奇数カラムデータと偶数カラムデータのそれぞれが示すドットの記録あるいは非記録によって定められ、前記ドット配置パターンは、前記複数の基本画素のそれぞれに対応する前記奇数カラムデータと前記偶数カラムデータの組で構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の記録方法。
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