JP4328580B2 - インクジェット記録方法、該方法を実施するためのプログラムおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法、該方法を実施するためのプログラムおよびインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録方法、該方法を実施するためのプログラムおよびインクジェット記録装置に関し、詳しくは減法混色の3原色の記録剤(インク)と、これらとは色相の異なる特色の記録剤(インク)とを用いるインクジェット記録装置を含むシステムに適用可能なものである。
プリント部たる記録ヘッドをプリント媒体上で走査させながらプリント動作を実行する所謂シリアル走査型の画像記録装置は、さまざまな画像形成に適用されている。特にインクジェット方式によるものは、近年高解像度化やカラー化が進み、画像品位が目覚しく向上したことから、急速に普及してきている。このような装置では、インクを例えば滴として吐出する吐出口を集積配置してなる所謂マルチノズルヘッドが用いられているが、現在では吐出口の集積密度を高めることで高解像度の画像形成が可能となってきている。
このような状況下、1回の主走査で記録媒体の単位面積あたりに付与されるインク滴の数が多いと、記録媒体上に形成されるインクドット間の滲みが生じやすくなるので、同一領域に対しては相補的な関係にあるドット配列に従った複数回の主走査にて記録媒体上に画像の形成を行う記録法が採用される場合がある。
かかる記録法を採用すると、1回の主走査で記録される画像データは適切に間引かれ、複数回の主走査で全画像データが形成されることになるので、1回の主走査で記録媒体の単位面積あたりに付与されるインク量も少なくなることから、インクの滲みが低減される。この効果は、同一記録領域に対する主走査回数(パス数)が多いほど高まることから、滲みの低減によって高画質化を図るためにはパス数を多くすることが好ましい。しかしパス数を多くすると、その分だけ全体のプリント時間が長くなってしまい、高速化の妨げとなる。このように高画質化と高速化とはトレードオフの関係にある。
このような高画質化と高速化とを両立させるための手法として、インク付与量に応じてパス数を変更するといった手法を採用するものがある(例えば特許文献1参照)。詳しくは、この特許文献1では、インク付与量が多い場合にインク滲みが発生し易いことから、パス数を比較的多くし、一方インク付与量が少ない場合はインク滲みが発生にくいことから、パス数を比較的少なく設定している。
一方、近年のカラーインクジェット記録装置の急速な普及に伴い、カラー画質のより一層の向上も求められるようになってきている。特に、記録装置が再現することのできる色領域を拡張させた鮮やかな出力画像が求められている。これに対し、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色のうち、各1色で再現できる色領域については、個々の記録剤(インク)の色材の発色特性や色材濃度を改善することによって色再現領域を拡張することが可能である。しかし、2色以上の記録剤で形成されるレッド、グリーンおよびブルーの領域で、特に彩度の高い色領域では、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、またはさらにブラックを加えた4色を用いるのみでは再現できる色領域に限りがあるので、より鮮やかな色再現が難しくなる。
そこで色再現域を拡張するために、イエロー、マゼンタおよびシアンの減法混色の3原色、またはさらにブラックを加えた4色のインクのほかに、色空間においてそれぞれの中間の色相角を有するレッド、グリーン、ブルー等の特色インクを用いることが知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、特色インクを用いることにより、色再現域の拡張に加え、インク滲みの低減をも図っている。すなわち、この特許文献2では、2次色(レッド、グリーン、ブルー)の領域を1次色(シアン、マゼンタ、イエロー)のインクの混合により表現するのではなく、特色のインクをそのまま用いて表現することで、単位面積あたりのインク付与量を減少させインク滲みを低減している。このように特色インクを使用すると、2次色の領域を形成する際のインク付与量が減少するのでインク滲みを低減できる。
特開平5−309874号公報 特開平8−244254号公報 特開2002−069348号公報 国際公開第00/4345号パンフレット
さて、上述したように特色インクを使用する場合は、特色インクを使用しない場合に比べ、2次色の領域を形成する際のインク付与量が少なくて済む。従って、特色インクを用いるシステムにおいて高画質化と高速化とを両立させようとする場合、上述した特許文献1に開示される技術水準に照らして考察すれば、インク付与量が少なくて済む特色インク使用時にはパス数を比較的少なくして記録の高速化を図る一方、インク付与量が多くなりがちな特色インク不使用時にはパス数を比較的多くするといった制御を行うことに想到し得る。言い換えれば、パス数が比較的少ないモードのときには特色インクを積極的に使用し、一方、パス数が比較的多いモードのときには特色インクを不使用とするといった手法が導かれる。
しかし、この手法を採用すると、パス数の低減による高速化およびインク滲みの低減による高画質化を両立する上では効果的であるが、特色インクを使用する本来的な目的の一つである「色再現域の拡張」による高画質化を達成する上では不十分である、ということを本発明者らは見出した。すなわち、色再現域の拡張にあたっては、特色インクにて表現される色域部分での発色性を向上させることが重要であるが、上記手法のようにパス数が比較的少ないモードにて特色インクを使用したとしても、記録媒体表面に多くの特色色材を残存させることはできず、特色インクにより表現される色域部分の発色性を十分なものにすることができないということ、換言すれば、特色インクを徒に消費するだけで色域拡大のために特色インクを使用する意味が滅却されてしまうということを本発明者は認識するに至ったのである。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録媒体上の同一記録領域に対する主走査回数(パス数)を変更可能に構成することで高速化を図りつつも、特色インクにて表現される色域部分での発色性を向上させて高画質化を図ることのできるインクジェット記録方法、当該記録方法を実現するためのプログラムおよびインクジェット記録装置を提供することにある。
そのために、本発明は、シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色のインクとは色相が異なる特色のインクを吐出可能な記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して相対的に走査させながら記録を行うインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードのうち、記録に使用する1つの記録モードを選択する選択工程と
前記選択工程において選択された1つの記録モードに従って、前記記録媒体に記録を行う記録工程とを具え、
前記第1の記録モードでは前記特色のインク使用は許容されず、前記第2の記録モードでは前記特色のインクの使用許容されることを特徴とする。
また、本発明は、シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色インクとは色相が異なる特色のインクを吐出するための記録ヘッドを前記記録媒体に対して走査させながら前記記録ヘッドから前記記録媒体へインクを吐出する走査動作と、前記記録媒体を前記走査の方向と交差する方向へ搬送させる搬送動作とを繰り返しながら、前記記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードのうち、記録に使用する1つの記録モードを選択する選択工程と、
当該選択した記録モードに従って前記記録媒体に記録を行う記録工程とを具え、
前記第1の記録モードでは前記特色のインク使用は許容されず、前記第2の記録モードでは前記特色のインクの使用許容されることを特徴とする。
さらに本発明は、シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色インクとは色相が異なる特色のインクを吐出するための記録ヘッドを前記記録媒体に対して走査させながら前記記録ヘッドから前記記録媒体へインクを吐出する走査動作と、前記記録媒体を前記走査の方向と交差する方向へ搬送させる搬送動作とを繰り返しながら、前記記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードのうち、記録に使用する1つの記録モードを選択する選択工程と、
前記選択工程において選択した記録モードで使用可能なインクの色データを生成する生成工程と、
前記生成工程において生成された色データに基づいて記録を行う工程とを具え、
前生成工程では、前記第1の記録モードが選択された場合、前記特色のインクの色データは生成せず、前記第2の記録モードが選択された場合、前記特色のインクの色データを生成することを特徴とする。
さらに、本発明は、シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色のインクとは色相が異なる特色のインクを吐出可能な記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して相対的に走査させながら記録を行うためのデータを生成する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって
前記処理は、
前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードを含む複数の記録モードのうち、選択された1つの記録モードに関する情報を取得する工程と、
当該取得した情報が前記第1の記録モードに関する情報の場合、前記特色のインクに対応したデータは生成せずに前記3色のインクに対応したデータを生成し、前記取得した情報が前記第2の記録モードに関する情報の場合、前記特色のインクおよび前記3色のインクに対応したデータを生成する工程と、
含むプログラムに存する。
加えて、本発明は、シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび前記3色のインクとは色相が異なる特色のインクを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の同一領域に対して相対的に走査させながら記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードを実行可能であり、
前記第1の記録モードにおいて前記特色のインクは使用できず、前記第2の記録モードにおいて前記特色のインク使用できることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体上の同一記録領域に対する主走査回数(パス数)を変更可能に構成することで高速化を図りつつも、特色インクにて表現される色域部分での発色性を向上させて高画質化を図ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本明細書において「特色」とは、広義には、基本色の記録剤であるイエロー、マゼンタ、シアンの色相とは異なる色のことを指す。また、狭義には、CIE−L色空間において、マゼンタ、イエロー、シアンの基本色記録剤のうちの任意の2つの記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い明度を表現でき、且つ上記任意の2つの記録剤の組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示す色のことを指すか、あるいは、CIE−L色空間において、マゼンタ、イエロー、シアンの基本色記録剤のうちの任意の2つの記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い明度および彩度を表現でき、且つ上記任意の2つの記録剤の組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示す色のことを指す。
本発明では、上述した狭義の意味の「特色」の記録剤を使用することが好ましいが、広義の意味の「特色」の記録剤を使用することもできる。
(本発明の前提)
本発明では、記録媒体の同一領域(1ラスターに対応する領域、あるいは、ある色のインクを吐出する記録ヘッドが1回の主走査で記録可能な副走査方向の幅に対応する領域)に対する記録ヘッドのパス数が比較的少ない記録モード(第1の記録モード)では特色インクを使用せずに記録を行うようにし、記録ヘッドのパス数が比較的多い記録モード(第2の記録モード)では特色インクを使用して記録を行うように制御している。
図1および図2を用いて、このような制御を行う理由を説明する。
まず、図1(a)に示すように、パス数が比較的少ない記録モードでは、1回の主走査で記録媒体の同一領域に同時に吐出されるインク滴数は比較的多くなる。そして、記録媒体に実質的に同時に着弾したそれらのインク滴はインク溶剤同士が合体して記録媒体に対し深く浸透し、同図(b)のように定着する。これは、インクの乾燥(インク溶剤成分の蒸発)は単位体積当たりのインク表面積が小さいほど進行が緩く、記録媒体へのインクの浸透は乾燥が進んでいないものほど強いと考えられるためと考えられる。
特色インクを使用することで、1回の主走査で記録媒体の単位面積あたりに付与されるインク量を少なくすることができると言っても、マルチパス記録法では同一記録領域に対しては相補的な関係にあるドット配列に従った複数回の主走査にて記録媒体上に画像の形成を行うものであるので、パス数が少なければその分同一の記録領域に同時に付与されるインク量が多くなり、インクが記録媒体に深く浸透してしまうことは避けられない。従って、同一領域に同時に吐出されるインク滴に特色インクのものが含まれていても、記録媒体表面に残存する特色インクの色材は少なくなってしまう。すると、特色インクにより表現される色域部分の発色性を十分なものにすることができず、徒に特色インクを消費するだけで特色インクの使用目的の最も重要な一つである「色再現域の拡張」による高画質化という効果を十分に引き出すことができない。よって本発明では、パス数が比較的少ない記録モード(第1の記録モード)では特色インクを使用せずに記録を行うようにしている。
また、パス数が比較的少ない記録モードの場合、所定の記録領域の記録を完成させるまでの主走査回数が少ない、すなわち短時間で記録が完成するため、そのデータの生成処理速度としてもある程度の速さが要求される。なぜなら、通常、ある領域の記録を行う場合、その領域のデータ生成処理が終了した後に記録動作を開始するので、仮にデータの生成処理速度が遅く、データ処理に要する時間が長くなると、データ処理が完成するまでの間は記録動作を開始できず、無駄な待ち時間が発生してしまい、パス数を少なくした意味がなくなってしまうからである。さて、特色インクを使用すると、使用する色の数が増え、それに伴って処理すべきデータ量が増える。すると、データ生成に要する処理時間が長くなり、データの生成処理速度が遅くなってしまう。従って、データの生成処理速度を考慮しても、パス数が比較的少ない記録モードの場合には、特色インクを使用しないようにすることは有効である。
以上に対し、パス数が比較的少ない記録モードでは、1回の主走査で記録媒体の同一領域に同時に吐出されるインク滴数は比較的少なくなり、図2(a)〜(d)に示すように同一領域に対しては異なる主走査で、すなわち時間をおいてインク滴が順次打ち込まれて行くことになる。ここで、各インク滴の単位体積当たりのインク表面積は比較的大となるので、インクの乾燥は速やかに進行し、従って、後のインク滴が吐出される際には、先のインク滴は既に記録媒体に対し比較的浅い位置に浸透・定着している。すなわち、同量のインクが同一領域に付与される場合でも、同時にインク滴を着弾させた図1(b)の場合に比べ、図2(e)に示すように各インクのドットは独立性を保ち、かつ浸透した深さも小さい。
よって、これらインク滴に特色インクのものが含まれていた場合、記録媒体表面に残存する特色インクの色材は多くなるので、特色インクにより表現される色域部分の発色性を十分なものにすることができ、特色インクの使用目的の最も重要な1つである「色再現域の拡張」による高画質化という効果を十分に引き出すこともできる。
なお、上述したように特色インクを使用すると、その分データの生成処理速度が遅くなってしまうが、パス数が比較的多いモードでは所定の記録領域を完成させるための記録動作時間に比べて、その領域のデータ処理時間が短くなるので、記録動作の無駄な遅延は生じさせずに済む。
以上のように本発明では、記録媒体の同一領域に対する記録ヘッドのパス数の多少に応じて特色インクの使用・不使用を切換えることで、高速化と高画質化を両立させている。詳しくは、データ生成処理速度としてそれ程速いレベルは要求されず、かつ特色インクにより表現される色域部分の発色性を十分なものにすることができる場合、すなわち、パス数が比較的多いモードの場合、特色インクを使用することで色再現域を拡張し高画質化を図り、その一方で、データ生成処理速度としてかなり速いレベルが要求される場合、すなわち、パス数が比較的少ないモードの場合、特色インクを不使用にすることで使用可能なインクの色の数を少なくして、データ処理速度を維持し高速化を図っているのである。
すなわち、本発明者らは、上述のような考察および検討を経て、特許文献1および2に開示された技術から導かれ得る上記手法とは全く異なる構成を採用するに至ったのである。
(プリントシステムの構成)
図3は、本発明の適用対象の一例であるプリントシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態に係るシステムは、概して、画像データの生成や、当該生成のためのUI(ユーザインタフェース)設定等を行うホスト装置1000と、その印刷データに基づいて画像をプリント媒体に形成するプリンタ(記録装置)2000とで構成される。
ホスト装置1000は、CPU1001、ROM1002、RAM1003、システムバス1004、種々の入出力機器のためのI/Oコントローラ(CRTC,HDC,FDCなど)1005、外部インタフェース(I/F)1006、ハードディスクドライブ(HDD)やフロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)などの外部記憶装置(HDD/FDD)1007、リアルタイムクロック(RTC)1008、CRT1009、およびキーボードやマウスなどの入力装置(KeyBoard/Mouse)1010等を備える。
CPU1001は、外部記憶装置1007等よりRAM1003に読み込んだアプリケーションプログラムや、通信プログラム、プリンタドライバ、オペレーティングシステム(OS)等に基づいて動作するが、電源投入時はROM1002によりブートし、外部記憶装置1007等からOSをRAM1003にロードした後、アプリケーションプログラムやドライバソフトウェア等も同様にロードすることでシステムとして機能する。外部I/F1006は、RAM1003や外部記憶装置1007(HDD)内にスプールした印刷データを順次プリンタ2000に送信する。入力装置1010は、I/Oコントローラ1005を介してユーザからの指示データをホストコンピュータ内に取り込む。RTC1008は、システム時間を計時するためのものであり、I/Oコントローラ1005を介して時間情報の取得や設定等を行う。CRT1009は表示装置であり、I/Oコントローラ1005内のCRTCにより制御される。これらのCRT1009および入力装置1010のブロックによりユーザインタフェースが構成される。
図4は本発明の適用対象の一例であるプリントシステムを画像データの流れに沿って示した機能ブロック図である。本実施形態のプリント装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーおよびブラックの7色のインクを用いて印刷を行うものであり、そのためにこれら7色のインクを吐出する記録ヘッドが用いられる。
ホスト装置1000のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーションJ0001はプリンタで印刷する画像データを作成する処理を実行する。この画像データもしくはその編集等がなされる前のデータは種々の媒体を介してPCに取り込むことができる。本実施形態のPCは、先ずデジタルカメラで撮像した例えばJPEG形式の画像データをCFカードによって取り込むことができる。また、スキャナで読み取った例えばTIFF形式の画像データやCD−ROMに格納される画像データをも取り込むことができる。さらには、インターネットを介してウエブ上のデータを取り込むことができる。これらの取り込まれたデータは、PCのモニタに表示されてアプリケーションJ0001を介した編集、加工等がなされ、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。そして、印刷の指示に応じてこの画像データがプリンタドライバに渡される。
本実施形態のプリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、および印刷データ作成J0006を有している。前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。本実施形態の前段処理J0002は、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、本プリントシステムのプリンタ2000によって再現される色域内に写像する関係を内容とする3次元LUTを用い、これに補間演算を併用して8ビットの画像データR、G、Bをプリンタの色域内のデータR、G、Bに変換するデータ変換を行う。後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせ、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、グリーンおよびブルーに対応した色分解データY、M、C、K、R、GおよびBを求める処理を行う。本実施形態では、この処理は前段処理と同様3次元LUTに補間演算を併用して行う。γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、本システムで用いるプリンタの各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、K、R、GおよびBそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて8ビットデータを4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。最後に、印刷データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする印刷イメージデータに印刷制御情報を加えた印刷データを作成する。なお、上述したアプリケーションおよびプリンタドライバの処理は、それらのプログラムに従ってCPUにより行われる。その際、プログラムはROMもしくはハードディスクから読み出されて用いられ、また、その処理実行に際してRAMがワークエリアとして用いられる。
記録装置は、データ処理に関してドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。ドット配置パターン化処理J0007は、実際の印刷画像に対応する画素ごとに、印刷イメージデータである4ビットのインデックスデータ(階調値情報)に対応したドット配置パターンに従ってドット配置を行う。このように、4ビットデータで表現される各画素に対し、その画素の階調値に対応したドット配置パターンを割当てることで、画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフが定義され、そして1画素内の各エリアごとに「1」または「0」の吐出データが配置される。このようにして得られる1ビットの吐出データはマスクデータ変換処理J0008によってマスク処理がなされる。すなわち、記録ヘッドによる所定幅の走査領域の記録を複数回の走査で完成するための各走査の吐出データを、それぞれの走査に対応したマスクを用いた処理によって生成する。走査ごとの吐出データY、M、C、K、R、GおよびBは、適切なタイミングでヘッド駆動回路J0009に送られ、これにより、記録へッドJ0010が駆動されて吐出データに従ってそれぞれのインクが吐出される。なお、記録装置における上述のドット配置パターン化処理やマスクデータ変換処理は、それらに専用のハードウエア回路を用い記録装置の制御部を構成するCPUの制御の下に実行される。なお、これらの処理がプログラムに従ってCPUにより行われてもよく、また、上記処理がPCにおける例えばプリンタドライバによって実行されるものでもよく、本発明を適用する上でこれら処理の形態が問われないことは以下の説明からも明らかである。
以上説明した本実施形態のプリンタは、特色としてレッド、グリーンおよびブルーを用いるものである。ここで特色とは、上述のようにこれら基本色インクであるイエロー、マゼンタ、シアンの3色とは異なる色相の色、特に3色のうちの2つの間の色相角を示す色を言うが、本実施形態ではさらに、当該混色で作られる2次色の同じ色相の色よりも彩度および明度が高い色を実現できるものを用いる。すなわち、本実施形態において「特色」とは、CIE−L色空間において、マゼンタ、イエロー、シアンの基本色記録剤のうちの任意の2つの記録剤の組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示すとともに、2記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い彩度および明度の色である。
また、特に本実施形態の特色インクレッドは、例えば、モニタなどのsRGB規格の入力画像データR、G,Bが再現できる色空間より高い彩度および明度を再現することを可能とするものである。
なお、本明細書では、記録剤であるインクについてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど片仮名表記で表し、色もしくはそのデータ、また色相をC、M、Y、Kなど英大文字の1字で表すものとする。すなわち、Cはシアン色またはそのデータないし色相を、Mはマゼンタ色またはそのデータないし色相を、Yはイエロー色またはそのデータないし色相を、Kはブラック色またはそのデータないし色相を、Rはレッド色またはそのデータないし色相を、Gはグリーン色またはそのデータないし色相を、Bはブルーまたはそのデータないし色相を、それぞれ表すものとする。
さらに、本明細書において「画素」とは、階調表現できる最小単位のことであり、複数ビットの多値データの画像処理(上記前段、後段、γ補正、ハーフトーニング等の処理)の対象となる最小単位である。なお、後述のようにハーフトーニング処理では、1つの画素はm×n(例えば4×2)のマスで構成されるパターンに対応し、この1画素内の各マスはエリアと定義する。この「エリア」はドットのオン・オフが定義される最小単位である。これに関連して、上記前段処理、後段処理、γ補正にいう「画像データ」は処理対象である画素の集合を表しており、各画素が本実施形態では8ビットの階調値を内容とするデータであり、ハーフトーニングにいう「画素データ」は処理対象である画素データそのものを表しており、本実施形態のハーフトーニングでは、上記の8ビットの階調値を内容とする画素データが4ビットの階調値を内容とする画素データ(インデックスデータ)に変換される。
(画像形成装置の機構部の概略構成)
本実施形態で画像形成装置として用いるインクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。本実施形態における記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部およびこれらを保護し、意匠性を持たす外装部から構成されている。以下、これらの概略を説明していく。
図5は、本実施形態で適用する記録装置の斜視図である。また、図6および図7は、記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、図6は右上部からの斜視図、図7は記録装置本体の側断面図をそれぞれ示したものである。
本実施形態で適用する記録装置において給紙を行う際には、まず給紙トレイM2060を含む給紙部において記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。送られた記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが用紙搬送部に搬送される。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
キャリッジ部は、記録ヘッドH1001を取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持されている。ガイドシャフトM4020は、シャーシM1010に取り付けられており、記録媒体の搬送方向に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。また、キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。更に、キャリッジM4000には、電気基板E0014から記録ヘッドH1001へ、駆動信号を伝えるための不図示のフレキシブルケーブルE0012が接続されている。このような構成において記録媒体に画像形成する場合、搬送方向(カラム方向)に対しては、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送して位置決めする。また、走査方向(ラスタ方向)に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドH1001(図8)を目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドH1001は、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成は後述するが、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が走査する記録主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
最後に画像形成された記録媒体は、排紙部で第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。
なお、クリーニング部において、画像記録前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする目的のために、キャップM5010を記録ヘッドH1001のインク吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作用させると、記録ヘッドH1001から不要なインク等が吸引されるようになっている。また、キャップM5010を開けた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないように配慮されている。
(記録ヘッド構成)
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。 本実施形態におけるヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段、およびインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図8は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、およびブルーの7色のインクによって画像を形成するものであり、従ってインクタンクH1900も7色分が独立に用意されている。そして、図に示すように、それぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。尚、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
図9は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図を示したものである。図において、ヘッドカートリッジH1000は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、第2のプレートH1400、電気配線基板H1300、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800などから構成されている。
第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路もまた、フォトリソグラフィ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図10は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101の構成を説明するための正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)であり、第1の記録素子基板H1100には、シアンインクの供給されるノズル列H2000、マゼンタインクの供給されるノズル列H2100、およびイエローインクの供給されるノズル列H2200の3色分のノズル列が構成されている。第2の記録素子基板H1101には、ブラックインクの供給されるノズル列H2300、レッドインクの供給されるノズル列H2400、グリーンインクの供給されるノズル列H2500、およびブルーインクの供給されるノズル列H2600の4色分のノズル列が構成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズル吐出口における開口面積は、およそ100平方μm2に設定されている。また、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。
さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持している。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。外部信号入力端子H1301は、タンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
一方、インクタンクH1900を保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成している。
インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録ヘッド部H1001とを、接着等で結合することにより、ヘッドカートリッジH1000が構成されている。
なお、記録ヘッドのインク吐出方式としては、例えば、インクを吐出するために利用されるエネルギとして、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いたものを挙げることができる。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましいと言える。
また、他の吐出方式による記録ヘッドの形態としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。
また、インクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクタンクとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。また、インクタンクとしてはヘッドに対し分離可能または分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して記録ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。さらに、記録ヘッドに対し好ましい負圧を作用させるための構成をインクタンクに設ける場合には、インクタンクのインク収納部に吸収体を配置した形態、あるいは可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などを採用することができる。
(第1の実施形態)
上述した7色のインクによる記録が可能な装置構成を用い、品位情報として「標準」および「きれい」の2種類の選択を可能とする。そして「標準」が選択された場合、4パスで特色(レッド、グリーンおよびブルー)を使用しない4色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)のモードとなり、これが第1の記録モードに相当するものとする。また、品位情報として「きれい」が選択された場合、8パスで特色も使用した7色のモードとなり、これが第2の記録モードに相当するものとする。このように本実施形態では、記録モードの選択がユーザによる品位情報の選択によりなされ、特許請求の範囲における「主走査の回数に対応した情報」とは、主走査の回数と対応づけられた品位情報のことである。そして本実施形態では、品位情報、パス数および特色使用の有無ないし使用可能なインク色とは表1のように対応づけられている。
Figure 0004328580
図11は本実施形態における記録処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS1では、例えばアプリケーションからの印刷指示に応じて起動されるプリンタドライバのプロパティ画面において、上記表1に示されるような主走査の回数に対応づけられた複数の品位情報の中から1つの品位情報が選択される。これによりプリンタドライバは、主走査の回数に関する情報を取得することになる。
図12は、品位情報を選択するためのプロパティ画面100の表示例である。本実施形態で設定可能な品位情報には、「標準」および「きれい」の2種類の選択肢が存在し、それぞれの機能に対してラジオボタン101および102を割り当てて構成し、この2つの中のいずれか一つが選択されるように排他制御を行うものである。
そして品位情報として「標準」が選択された場合、4パスで特色を使用しない4色の記録モード(第1の記録モード)に設定すべき旨の情報が取得される。また、品位情報として「きれい」が選択された場合、8パスで特色を使用する7色の記録モード(第2の記録モード)に設定すべき旨の情報が取得される。
上記品位情報の選択等が完了して印刷実行が指示されると、取得した主走査の回数に対応した情報(品位情報)に基づき、ステップS2にて、生成すべきインク色のデータを決定して記録が行われるよう分岐判断を行う。詳しくは、ステップS1にて取得した情報に対応する回数が第1の回数(ここでは4回)である場合、ステップS3へ進み、特色を不使用とした4色のデータの生成を決定し、一方、ステップS1にて取得した情報に対応する回数が第1の回数より多い第2の回数(ここでは8回)である場合、ステップS5へ進み、特色を使用する7色のデータの生成を決定する。つまり、ステップS1にて取得した品位情報が「標準」であれば、ステップS3へ進み、ステップS1にて取得した品位情報が「きれい」であれば、ステップS5へ進む。
ステップS3では、主走査の回数が第1の回数(ここでは4回)であるため、言い換えれば、主走査の回数が比較的少ない回数であるため、レッド、グリーンおよびブルーの特色インクは使用されず、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクが使用されるようにデータ生成を行う。詳しくは、図4に示される後段処理J0003にて、RGBの多値データがCMYKの4色に対応した多値データに変換される。これにより、パス数が比較的少ない第1の記録モードにて使用可能なインクの色に対応したデータ(CMYKデータ)の生成がなされる。その後、γ補正処理J0004、ハーフトーン処理J0005等を経て、CMYKの4色に対応した2値データが生成される。その後、ステップS4へ進む。
ステップS4では、CMYKの4色に対応した2値データに基づき、図13に示されるように記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを第1の回数(4回)だけ主走査させて記録媒体に記録を行う。
一方、ステップS5では、主走査の回数が第1の回数よりも多い第2回数(ここでは8回)であるため、言い換えれば、主走査の回数が比較的多い回数であるため、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクに加え、レッド、グリーンおよびブルーの特色インクも使用されるようにデータ生成を行う。詳しくは、図4に示される後段処理J0003にて、RGBの多値データがCMYKRGBの7色に対応した多値データに変換される。これにより、パス数が比較的多い第2の記録モードにて使用可能なインクの色に対応したデータ(CMYKRGBデータ)の生成がなされる。その後、γ補正処理J0004、ハーフトーン処理J0005等を経て、CMYKRGBの7色に対応した2値データが生成される。その後、ステップS6へ進む。
ステップS6では、CMYKRGBの7色に対応した2値データに基づき、図14に示されるように記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを第1の回数より多い第2の回数(8回)だけ主走査させて記録媒体に記録を行う。
図13および図14の例では、記録ヘッドを複数の吐出口の配列方向とは異なる方向(ラスター方向)Mに主走査させるとともに、各主走査間で複数の吐出口の配列幅未満の量(図13では配列幅の1/4、図14では配列幅の1/8)ずつ記録媒体を主走査方向と直交する副走査方向Sに相対的に搬送し、同一記録領域に対しては相補的な関係にあるドット配列に従った複数回(図13では第1パス〜第4パスの4回、図14では第1パス〜第8パスの8回)の主走査にて記録媒体上に画像の形成を行う、所謂マルチパス記録法が採用されている。かかる記録法は、1回の主走査で記録される画像データは適切に間引かれ、複数回の走査で全画像データが形成されることになるので、1回の主走査で記録媒体の単位面積あたりに付与されるインク量も少なくなることから、インクの滲みも低減される。また、吐出口単位の吐出性能のばらつきの影響が緩和され、画像の濃度むらが目立たなくなることから好ましい。しかし、インクの滲みの低減に着目した場合には、同一領域に対して使用する吐出口を各主走査間で必ずしも変更しない複数回の主走査にて記録を行うようにすることもできる。
なお、上述した記録媒体上の同一領域とは、図13や図14の符号Aで示される記録ヘッドの1つの吐出口が1回の主走査で記録可能な領域(1ラスターに対応する領域)であってもよいし、図13や図14の符号Bで示されるような、ある色のインクを吐出する記録ヘッドが1回の主走査で記録可能な副走査方向の幅に対応する領域であってもよい。
本実施形態によれば、品位情報と対応づけられたパス数(主走査の回数)の多少に応じて特色インクの使用・不使用を切換えることで、高速化と高画質化とを両立することができる。詳しくは、データ生成処理速度としてそれ程高いレベルは要求されず、かつ特色インクにより表現される色域部分の発色性を十分なものにすることができる場合、すなわち、パス数が比較的多いモードの場合、特色インクを使用することで色再現域を拡張し高画質化を達成し、その一方で、データ生成処理速度としてかなり高いレベルが要求される場合、すなわち、パス数が比較的少ないモードの場合、特色インクを不使用にすることで使用可能なインクの色の数を少なくして、データ処理速度を維持し高速化を達成しているのである。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態と同様、上述した7色のインクによる記録が可能な装置構成を用い、品位情報としては「標準」および「きれい」に加え、さらに「はやい」を含めた3種類の選択を可能とする。そして「標準」が選択された場合、および「きれい」が選択された場合のパス数および使用インク色は第1の実施形態と同様とする。また、「はやい」が選択された場合は、3パスで特色を使用しない4色の記録モードとする。すなわち、主走査の回数が所定の回数以下(3回、4回)の場合、特色インクは非使用とされ、主走査の回数が所定の回数より多い回数(8回)の場合、特色インクは使用されるものとなる。本実施形態でも「主走査の回数に対応した情報」とは、主走査の回数と対応づけられた品位情報のことである。そして本実施形態では、品位情報、パス数および特色使用の有無ないし使用可能なインク色とは表2のように対応づけられている。
Figure 0004328580
図15は本実施形態における記録処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS11では、例えばアプリケーションからの印刷指示に応じて起動されるプリンタドライバのプロパティ画面において、上記表2に示されるような主走査の回数に対応づけられた複数の品位情報の中から1つの品位情報が選択される。これによりプリンタドライバは、主走査の回数に関する情報を取得することになる。なお、かかる選択を行うためのプロパティ画面としては、図12に示したものに「はやい」の排他的選択を行うためのラジオボタンを付加したものとすることができる。
上記品位情報の選択等が完了して印刷実行が指示されると、ステップS12にて、取得した主走査の回数に対応した情報(品位情報)に基づき、生成すべきインク色のデータを決定して記録が行われるよう分岐判断を行う。詳しくは、ステップS11にて取得した情報に対応する回数が所定の回数(ここでは4回)以下である(すなわち4回または3回)場合、モードに応じてステップS13またはS17へ進み、特色を不使用とした4色のデータの生成を決定し、一方、ステップS11にて取得した情報に対応する回数が所定の回数より多い回数(ここでは8回)である場合、ステップS15へ進み、特色を使用する7色のデータの生成を決定する。つまり、ステップS11にて取得した品位情報が「はやい」あるいは「標準」であれば、ステップS17またはS13へ進み、ステップS11にて取得した品位情報が「きれい」であれば、ステップS15へ進むように分岐判断を行う。
品位情報が「標準」である場合のステップS13およびS14の処理は、上記第1実施形態のステップS3およびS4とそれぞれ同様である。また、品位情報が「きれい」である場合のステップS15およびS16の処理は、上記第1実施形態のステップS5およびS6とそれぞれ同様である。
品位情報が「はやい」である場合は、主走査の回数が所定の回数以下(ここでは3回)であるため、言い換えれば、主走査の回数が比較的少ない回数であるため、レッド・グリーン・ブルーの特色インクは使用されず、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのインクが使用されるようにデータ生成を行う(ステップS17)。詳しくは、図4に示される後段処理J0003にて、RGBの多値データがCMYKの4色に対応した多値データに変換される。これにより、パス数が比較的少ない第1の記録モードにて使用可能なインクの色に対応したデータ(CMYKデータ)の生成がなされる。その後、γ補正処理J0004、ハーフトーン処理J0005等を経て、CMYKの4色に対応した2値データが生成される。その後、ステップS18へ進む。
ステップS18では、CMYKの4色に対応した2値データに基づき、記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを上記取得した情報に対応した回数(3回)だけ主走査させて記録媒体に記録を行う。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加え、品位情報と対応づけられたパス数(主走査の回数)の多少にさらにきめ細かく対応することが可能となる。
(第3の実施形態)
上記第2の実施形態と同様、上述した7色のインクによる記録が可能な装置構成を用い、品位情報としても上記3種類のいずれかの選択を可能とし、当該選択に応じたパス数および使用インク色は第2の実施形態と同様とする。ただし、本実施形態では、記録媒体の種類に関する情報に応じて、選択できる品位情報の種類が変更されるようにする。本実施形態では「主走査の回数に対応した情報」とは、主走査の回数と対応づけられた品位情報および記録媒体の種類の情報のことである。そして本実施形態では、記録媒体、品位情報、パス数および特色使用の有無ないし使用可能なインク色とは表3のように対応づけられている。
Figure 0004328580
図16は本実施形態における記録処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS10およびS11では、例えばアプリケーションからの印刷指示に応じて起動されるプリンタドライバのプロパティ画面において、上記表3に示されるような記録媒体の種類および主走査の回数に対応づけられた複数の品位情報の種類の中から選択が行われる。これによりプリンタドライバは、記録対象となる記録媒体の種類と主走査の回数に関する情報とを取得することになる。
図17は、記録媒体および品位情報を選択するためのプロパティ画面の表示例である。本実施形態で例示される記録媒体の種類には、キヤノン株式会社製の「プロフォトペーパー」など発色性の良い「高品質紙」、オーバヘッドプロジェクタなどに使用される透明のプラスチックシートである「OHPシート」、および「インクジェット葉書」がある。品位情報には、「はやい」、「標準」および「きれい」の3種類の選択肢が存在するが、記録媒体の種類すなわち特性に応じて選択できる品位情報の種類は異なる。すなわち、「インクジェット葉書」が選択されたときには3種類の品位情報のいずれをも選択可能であるが、「高品質紙」が選択されたときには品位情報の「はやい」を、「OHPシート」が選択されたときには品位情報の「きれい」を、それぞれ選択できないようにする。このためには、例えば選択された記録媒体の情報に応じて、選択できない品位情報のラジオボタン等を淡色表示に切り替えるとともに、選択入力が受け付けられないようにすればよい。
これらのように記録媒体および品位が選択された以降の処理(ステップS12〜S18)は第2実施形態と同様である。また、本実施形態では上記第1および第2実施形態と同様の効果に加え、記録媒体の種類にも対応して、その特性に応じた適切な品位ないしパス数(主走査の回数)での記録を行うことが可能となる。
(第4の実施形態)
上述の第1〜第3の実施形態においては、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色に、特色であるレッド、グリーンおよびブルーの3色を加えた7色のインクを用いたシステムに本発明を適用した場合について例示した。これに対し、以下の実施形態ではシアン、マゼンタおよびイエローの3原色のインクに加え、ブラックのインク、淡シアン(シアンのインクと同系色であって、かつそれよりも濃度が低いインク)および淡マゼンタ(マゼンタのインクと同系色であって、かつそれよりも濃度が低いインク)、そしてさらに、特色インクとしてレッドのインクを用いたシステムに本発明を適用した場合について例示する。なお、淡シアンまたは淡マゼンタの色もしくはそのデータ、また色相をLcまたはLmとして表すものとする。
これらシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタおよびレッドの7色のインクを用いるためには、例えば図8〜図10に示したのと同様な記録へッドカートリッジ構成を採用することができる。しかしインクタンクや記録ヘッドの個数、配列順序などは適宜定め得るのは勿論である。
そして本実施形態では、第1の実施形態と同様、品位情報として「標準」および「きれい」の2種類の選択を可能とする。そして「標準」が選択された場合、4パスで特色(レッド)を使用しない6色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、淡シアンおよび淡マゼンタ)のモードとなり、これが第1の記録モードに相当するものとする。また、品位情報として「きれい」が選択された場合、8パスで特色(レッド)も使用した7色のモードとなり、これが第2の記録モードに相当するものとする。このように本実施形態では、記録モードの選択がユーザによる品位情報の選択によりなされ、「主走査の回数に対応した情報」とは、本実施形態でも主走査の回数と対応づけられた品位情報のことである。そして本実施形態では、品位情報、パス数および特色使用の有無ないし使用可能なインク色とは表4のように対応づけられている。
Figure 0004328580
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の図11に示したような処理手順およびプリンタドライバないし画像処理系を用いて制御を行うことができる。すなわち本実施形態の場合、図11のステップS2において、ステップS1で取得した主走査の回数に対応した情報(品位情報)に対応する回数が第1の回数(ここでは4回)である場合、ステップS3へ進み、特色を不使用とした6色のデータの生成を決定し、一方、ステップS1にて取得した情報に対応する回数が第1の回数より多い第2の回数(ここでは8回)である場合、ステップS5へ進み、特色を使用する7色のデータの生成を決定するようにすればよい。
すなわちステップS3では、主走査の回数が第1の回数(ここでは4回)であるため、言い換えれば、主走査の回数が比較的少ない回数であるため、レッドの特色インクは使用されず、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアンおよび淡マゼンタのインクが使用されるようにデータ生成を行えばよい。詳しくは、図4に示される後段処理J0003にて、RGBの多値データがCMYKLcLmの6色に対応した多値データに変換され、これにより、パス数が比較的少ない第1の記録モードにて使用可能なインクの色に対応したデータ(CMYKLcLmデータ)の生成がなされるようにする。その後、γ補正処理J0004、ハーフトーン処理J0005等を経て、CMYKLcLmの6色に対応した2値データが生成され、ステップS4にて、当該2値データに基づき、図13に示されるように記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを第1の回数(4回)だけ主走査させて記録媒体に記録を行うようにすればよい。
一方、ステップS5では、主走査の回数が第1の回数よりも多い第2回数(ここでは8回)であるため、言い換えれば、主走査の回数が比較的多い回数であるため、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアンおよび淡マゼンタのインクに加え、レッドの特色インクも使用されるようにデータ生成を行えばよい。詳しくは、図4に示される後段処理J0003にて、RGBの多値データがCMYKLcLmRの7色に対応した多値データに変換され、これにより、パス数が比較的多い第2の記録モードにて使用可能なインクの色に対応したデータ(CMYKLcLmRのデータ)の生成がなされる。その後、γ補正処理J0004、ハーフトーン処理J0005等を経て、CMYKRGBの7色に対応した2値データが生成され、ステップS6にて、当該2値データに基づき、図14に示されるように記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを第1の回数より多い第2の回数(8回)だけ主走査させて記録媒体に記録を行うようにすればよい。
このように、特色としてレッドのインクが使用される場合でも、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることが可能となる。
(第5の実施形態)
上記第4の実施形態と同様、上述した7色のインクによる記録が可能な装置構成を用い、品位情報としては第2の実施形態と同様、「標準」および「きれい」に加え、さらに「はやい」を含めた3種類の選択を可能とする。そして「標準」が選択された場合、および「きれい」が選択された場合のパス数および使用インク色は第4の実施形態と同様とする。また、「はやい」が選択された場合は、3パスで淡色および特色を使用しない4色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)の記録モードとする。本実施形態でも「主走査の回数に対応した情報」とは、主走査の回数と対応づけられた品位情報のことである。そして本実施形態では、品位情報、パス数および特色や淡色の使用の有無ないし使用可能なインク色とは表5のように対応づけられている。
Figure 0004328580
本実施形態においても、第2の実施形態と同様の図15に示したような処理手順およびプリンタドライバないし画像処理系を用いて制御を行うことができる。すなわち本実施形態の場合、図15のステップS12において、ステップS11で取得した主走査の回数に関する情報(品位情報)に基づき、生成すべきインク色のデータを決定して記録が行われるよう分岐判断を行う。詳しくは、ステップS11にて取得した情報に対応する回数が所定の回数(ここでは4回)以下である(すなわち4回または3回)場合、モードに応じてステップS13またはS17へ進み、特色を不使用とした6色のデータまたはさらに淡色をも不使用とした4色のデータをそれぞれの生成を決定し、一方、ステップS11にて取得した情報に対応する回数が所定の回数より多い回数(ここでは8回)である場合、ステップS15へ進み、特色を使用する7色のデータの生成を決定するようにすればよい。つまり、ステップS11にて取得した品位情報が「はやい」あるいは「標準」であれば、ステップS17またはS13へ進み、ステップS11にて取得した品位情報が「きれい」であれば、ステップS5へ進むように分岐判断を行うようにすればよい。
品位情報が「標準」である場合の処理および「きれい」である場合の処理は、上記第4実施形態とそれぞれ同様である。
品位情報が「はやい」である場合は、主走査の回数が所定の回数以下(ここでは3回)であるため、レッドの特色インクおよび淡色(淡シアンおよび淡マゼンタ)のインクは使用されず、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクが使用されるように、ステップS17にてデータ生成を行うようにすればよい。詳しくは、図4に示される後段処理J0003にて、RGBの多値データがCMYKの4色に対応した多値データに変換される。これにより、パス数が比較的少ない第1の記録モードにて使用可能なインクの色に対応したデータ(CMYKデータ)の生成がなされる。その後、γ補正処理J0004、ハーフトーン処理J0005等を経て、CMYKの4色に対応した2値データが生成され、ステップS18にて、当該値データに基づき、記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを上記取得した情報に対応した回数(3回)だけ主走査させて記録媒体に記録を行うようにすればよい。
本実施形態によれば、上記第2実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
上記第5の実施形態と同様、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタおよびレッドの7色のインクによる記録が可能な装置構成を用い、品位情報としても上記3種類のいずれかの選択を可能とし、当該選択に応じたパス数および使用インク色も第5の実施形態と同様とする。また第3の実施形態と同様に、記録媒体の種類に関する情報に応じて、選択できる品位情報の種類が変更されるようにする。本実施形態では「主走査の回数に対応した情報」とは、主走査の回数と対応づけられた品位情報および記録媒体の種類の情報のことである。そして本実施形態では、記録媒体、品位情報、パス数および特色使用の有無ないし使用可能なインク色とは表6のように対応づけられている。
Figure 0004328580
本実施形態においては、第3の実施形態とほぼ同様の図16に示したような処理手順およびプリンタドライバないし画像処理系を用いて制御を行うことができる。ここで本例の場合は、図16のステップS10において、プリンタドライバのプロパティ画面上で表6に示されるような記録媒体の種類選択のための表示が行われるようにすればよい。すなわちプロパティ画面は、選択可能な記録媒体の種類として、キヤノン株式会社製の「プロフォトペーパー」など発色性の良い「高品質紙A」、同じく「スーパーフォトペーパー」などの「高品質紙B」、オーバヘッドプロジェクタなどに使用される透明のプラスチックシートである「OHPシート」、および「インクジェット葉書」に対応したラジオボタンを表示するようにすればよい。記録媒体の種類すなわち特性に応じて選択できる品位情報の種類を表6のように異ならせることができることは第3の実施形態と同様である。
また、これらのように記録媒体および品位が選択された以降の処理は第5の実施形態とほぼ同様であるが、「はやい」が選択されている場合にはさらに、選択された記録媒体が「OHPシート」または「インクジェット葉書」であるか、「高品質紙B」であるかによって処理を分岐し、後者である場合には6色のインクを用いた3パス記録が行われるようにデータ生成等を行えばよい。
本実施形態によれば、上述の第3の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
上記第1〜第6の実施形態において「主走査の回数に対応した情報」とは、品位情報と記録媒体の種類の情報との少なくとも一方に関連して対応づけられる情報であるが、本発明はこれには限られず、主走査の回数を直接指示する情報(4回,8回のような数値情報)であってもよい。すなわち、本発明における「主走査の回数に関する情報」とは、主走査の回数を直接的に示す情報であっても、上述の実施形態のように間接的に示す情報のいずれであってもよいのである。
また、上記第1〜第6の実施形態では、主走査の回数の具体的数値として3回、4回および8回の場合を説明したが、これらの数値はあくまでも例示であって、これらの数値によって本発明が限定されることはないのは勿論である。また、同様に、記録モードの数も何ら限定されるものではなく、もっと多くの記録モードを設けても良い。また、上記第1〜第6の実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローの3原色のインク、ブラックインクおよび少なくとも1つの特色インクを備える構成について説明したが、ブラックインクを備えていなくとも良い。すなわち、シアン、マゼンタ、イエローの3原色のインクと少なくとも1つの特色インクを備えていれば足りる。
また、本発明において備えられる少なくとも1つの特色とは、基本的には減法混色の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色とは異なる色相の色であるが、好ましくは、図18に示すように、CIE−L色空間においてシアンの色相角とマゼンタの色相角との間の色相角を示すブルーのインク、シアンの色相角とイエローの色相角との間の色相角を示すグリーンのインク、および、イエローの色相角とマゼンタの色相角との間の色相角を示すレッドのインクのうちの少なくとも1つである。
さらに、上記第1〜第6の実施形態では、主走査の回数に関する情報である品位情報や記録媒体の種類に関する情報をプリンタドライバのプロパティ画面にて選択するものとしたが、本発明はこれには限られず、記録装置側でそのような選択を可能とする構成であってもよい。すなわち、例えば、上述のように直接または間接的に主走査回数(パス数)を選択するための入力手段を記録装置に設け、ユーザがこれを適宜操作して選択設定を行うようにすることもできる。これによれば、ホスト装置側にグラフィカル・ユーザインターフェース(GUI)機能を持たないシステムであっても、容易に同等の機能を実現できるものである。また、その処理を行うためのプログラムについても、必ずしもプリンタに予め組み込まれるものでなくてもよく、ホスト装置側のプリンタドライバより適宜供給されるものでもよい。
さらに、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアまたはプリンタドライバのプログラムコードを、記録装置を含む様々なデバイスが接続された機械またはシステム内のコンピュータに供給し、機械またはシステムのコンピュータに格納されたプログラムコードによって様々なデバイスを作動させることにより上述実施形態の機能を実現するようにしたプリントシステムも、本発明の範囲に含まれる。
この場合、プログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、および通信や記憶媒体などによりプログラムコードをコンピュータに供給する手段も、本発明の範囲に含まれる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROMのほか、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに加えて、プリントシステムの形態としては、パーソナルユースのものであるかあるいは業務ないし産業用のものであるかを問わず、コンピュータ,スキャナ,デジタルカメラ等の画像データ供給装置と、画像出力端末としてのプリント装置とを有するもののほか、例えばスキャナとプリント装置とが一体となった複写機、データ送受信装置とプリント装置とが一体となったファクシミリ装置、プリント装置を一体に有するワードプロセッサや電子タイプライタ、プリント装置を一体化したデジタルカメラなどの形態であってもよい。
(インク)
本発明の実施形態に好ましく適用できる基本色であるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのインクと、特色であるレッド、グリーンおよびブルーのインクについて例示する。それらのインクは、必須の構成要件として色材を含む。
本発明に用いられるインクの色材としては、一般的に用いられている染料や顔料などの公知の色材であっても、新規に合成された色材であっても、本発明の範囲内で適宜選択して用いることができる。
本実施形態において基本色(イエロー、マゼンタおよびシアンの三原色にブラックを加えたもの)のインクに用いる色材としては染料もしくは顔料を用いることができる。中でも、染料は明度の高い色の再現に優れるために好適に用いることができる。同じく特色(レッド、グリーンおよびブルー)のインクに用いる色材としても、染料もしくは顔料を用いることができる。中でも、染料は明度の高い色の再現に優れるために好適に用いることができる。
とりわけ、色材が記録媒体表面に凝集するインク(顔料系のインクはその傾向が強い)よりも、付着したインクが記録媒体に浸透して行くインク(染料系のインクはその傾向が強い)を用いることが強く好ましい。前者では入射光が後から付着した最上部のインク層でほとんど反射されてしまうのに対し、後者では入射光が記録媒体内部に形成される各色インク層で反射されるため、立体感および透明感を訴える効果が期待できるからである。さらに、フォト出力に多用される光沢紙や光沢フィルムなどの光沢媒体にインク液滴を付与した際に、色材がインク受容層内で定着し、媒体表面の印字部と非印字部の表面状態が維持されるために光沢感が失われず、銀塩写真に匹敵する高い質感を有する画像を形成することができるために好ましい。
さらに好ましい形態としては、本発明では基本色であるイエロー、マゼンタ、シアン用色材として染料、とりわけ酸性染料、直接染料を用いることが好ましい。とりわけ酸性染料、直接染料は、普通紙、あるいは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層あるいはインク受容層を有する特殊媒体等、各種の被記録媒体で良好な発色を得ることができるため、本発明に好適に用いることができるのである。
また、特色インクは、基本色の組み合わせにより表現される色再現領域よりも明度の高い色を表現できるインクを用いることにより、特色の追加によって色域拡大されたインパクトのある画像形成を効果的に表現できるために好ましい。
すなわち、例えばイエローのインク、マゼンタのインク、および特色インクを用いて画像を形成する場合において、CIE−L色空間上で特色インクで記録媒体上に表現される色が、少なくとも任意のイエローのインクとマゼンタのインクとの組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度が高く、かつ、特色インクで被記録媒体上に表現される色の色相角が、前記色再現領域内にあるようなレッドであることである。また、特色インクである当該レッドインクで記録媒体上に表現される色が、色再現領域よりも彩度が高い色であることが好ましい。
図19は、この条件を説明するために特色インクの色である当該レッド、イエローとマゼンタとの混色で形成される色、および、ポジティブフィルムで表現される色の、明度(L)と彩度(c;c=(a*2+b*21/2)との関係を模式的に示した図である。このように、明度の高い色を表現できるインクを用いることにより、オレンジないしレッド領域での色の鮮やかさが増し、記録画像の透明感や立体感を表現できるようになる。一方、明度が低い場合には、たとえオレンジないしレッド領域の彩度が広がったとしても、鮮やかさに欠け、コントラストや立体感に欠ける記録画像しか得られず、目標とするポジフィルムに匹敵する画像を出力することは困難となる。上記条件は、イエローのインクおよびシアンのインクとグリーンのインクとの関係、並びにマゼンタのインクおよびシアンのインクとブルーのインクとの関係においても同様である。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、グリーンおよびブルーのインクを用いる本実施形態において、これら基本色インクおよび特色インクの色材の具体例としては以下のものが挙げられ、上記条件に適合するものを選択することができる。
シアン色材
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、307
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、112、117、127、138、158、161、203、204、221、244
イエロー色材
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132、173
C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99
マゼンタ色材
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289
C.I.フードレッド:87、92、94
C.I.ダイレクトバイオレット107
この他に、特許文献3に記載されている構造の化合物等も用いることができる。
ブラック色材
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195
C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156
C.I.フードブラック1、2
カーボンブラック
この他に特許文献4に記載されている構造の化合物等も用いることができる。
レッド色材
C.I.アシッドオレンジ7、10、33、56、67、74、88、94、116、142
C.I.アシッドレッド111、114、266、374
C.I.ダイレクトオレンジ26、29、34、39、57、102、118
C.I.フードイエロー3
C.I.リアクティブオレンジ1、4、5、7、12、13、14、15、16、20、29、30、84
C.I.ディスパースオレンジ1、3、11、13、20、25、29、30、31、32、47、55、56
または、上記イエロー色材とマゼンタ色材を適切に混合したもの等も用いることができる。
グリーン色材
C.I.アシッドグリーン5、6、9、12、15、16、19、21、25、28、81、84
C.I.ダイレクトグリーン26、59、67
C.I.フードグリーン3
C.I.リアクティブグリーン5、6、12、19、21
C.I.ディスパースグリーン6、9
または、上記イエロー色材とシアン色材を適切に混合したもの等も用いることができる。
ブルー色材
C.I.アシッドブルー62、80、83、90、104、112、113、142、203、204、221、244
C.I.リアクティブブルー49
C.I.ピグメントブルー15:6
C.I.アシッドバイオレット19、48、49、54、129
C.I.ダイレクトバイオレット9、35、47、51、66、93、95、99
C.I.リアクティブバイオレット1、2、4、5、6、8、9、22、34、36
C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、28、31、33、35、38、48、56
または、上記マゼンタ色材とシアン色材を適切に混合したもの等も用いることができる。
インク中に含有させる上記色材の含有量としては、インク全質量に対して0.1〜15質量%とすることが好ましい。また、インク中に含有させる色材は単独でも、あるいは上述のように2種以上を混合して用いることも可能である。また、特色インクに用いる色材についても、単独の色材、類似の色相を持つ2種以上の色材を混合したもの、あるいはイエロー、マゼンタおよびシアンの色相を持つ色材を混合したもの等、本発明の範囲内で適宜選択して用いることができる。
さらに必要に応じて、例えばパーソナルユースのインクジェット記録装置で用いるインクでは、キャリア成分としての水のほか、信頼性の面から乾燥防止のための水溶性有機溶剤や保湿剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤などを含むものとすることができる。
この水溶性有機溶剤としては、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒、尿素類、糖類およびこれらの誘導体など、一般的にインクジェット用インクの溶剤として用いられているものであれば、問題なく使用することができる。これらの溶剤はインクの保湿性維持や色材の溶解性、分散性の向上、インクの記録紙への浸透剤などの用途として用いられる。また、これらの溶剤は単独でも複数を組み合わせて用いることもできる。
水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインク全体の1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜40質量%の範囲である。また、インク中の水の含有量は、染料の溶解性やインクの吐出安定性を良好に保つために、30〜95質量%の範囲が好ましい。
また、界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用できる。上記した中でも、特にアセチレンアルコール類や、アセチレングリコール類が普通紙への浸透性に優れた効果を発揮するために好適に用いることができる。その使用量は、界面活性剤の種類により異なるが、インク全量に対して、0.01〜5質量%が望ましい。この際、インクの25℃における表面張力は10mN/m(dyn/cm)以上が好ましく、より好ましくは20mN/m以上となるように、また表面張力が60mN/m以下となるように活性剤の添加する量を決定することが好ましい。なぜなら、本発明で使用するインクジェット記録方式においては、ノズル先端の濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のズレ)等の発生を有効に抑えることができるからである。
また、インクはインクジェット記録装置で良好な吐出特性を得るために、所望の粘度やpHを有するように調整することが好ましい。
(記録媒体)
本発明に用いることのできる記録媒体としては、普通紙、あるいは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層あるいはインク受容層を有する特殊媒体等、一般的に用いられている記録媒体を用いることができる。これらの中でも、より鮮やかさ、コントラスト、透明感の高い画像が得られる記録媒体の一例として、基材上に親水性の多孔質粒子層、多孔質高分子層等を有する特殊媒体を挙げることができる。本発明で用いられる記録媒体としての特殊媒体の例をさらに詳述すると、染料や顔料などの色材をインク受容層内の親水性多孔質構造を形成する微粒子に吸着させて、少なくともこの吸着した色材によって画像が形成される記録媒体であり、インクジェット法を利用する場合には特に好適である。このような記録媒体としては支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収するいわゆる吸収タイプであることが好ましい。
吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じてバインダーやその他の添加剤を含有する親水性多孔質層として構成される。微粒子の例としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナあるいはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの1種以上が使用される。
バインダーとして好適に使用されているものには水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、添加剤を使用することもでき、例えば、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用される。
なお、基材上にインク受容層を有さない記録媒体(例えば、普通紙)に対して特色インクを使用することも勿論可能であり、本発明ではこのような形態を排除するものではない。
(a)および(b)は、マルチパス記録法を採用した場合において、同一領域に対して行われる主走査の回数(パス数)が少ない場合のインクの浸透の状態を説明するための説明図である。 (a)〜(e)は、マルチパス記録法を採用した場合において、同一領域に対して行われる主走査の回数(パス数)が多い場合のインクの浸透の状態を説明するための説明図である。 本発明の適用対象の一例であるプリントシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の適用対象の一例であるプリントシステムを画像データの流れに沿って示した機能ブロック図である。 本発明の実施形態における記録装置の斜視図である。 本発明の実施形態における記録装置の機構部の斜視図である。 本発明の実施形態における記録装置の断面図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにインクタンクを装着する状態を示した斜視図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジの分解斜視図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態における記録処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態で用いられるプリンタドライバのプロパティ画面の表示例を示す説明図である。 マルチパス記録法を採用した場合において、記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを比較的少ない回数だけ主走査させて記録を行う場合の説明図である。 マルチパス記録法を採用した場合において、記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを比較的多い回数だけ主走査させて記録を行う場合の説明図である。 本発明の第2の実施形態における記録処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における記録処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態で用いられるプリンタドライバのプロパティ画面の表示例を示す説明図である。 本発明の実施形態で使用可能な特色を説明するための説明図である。 特色インクの色であるレッド、イエローとマゼンタとの混色で形成される色、および、ポジティブフィルムで表現される色の、明度と彩度との関係を模式的に示した図である。
符号の説明
1000 ホスト装置(コンピュータ)
2000 記録装置(プリント装置)
J0001 アプリケーション
J0002 前段処理
J0003 後段処理
J0004 γ補正
J0005 ハーフトーニング
J0006 印刷データの作成処理
J0007 ドット配置パターン化処理
J0008 マスクデータ変換処理
J0009 ヘッド駆動回路
J0010 記録へッド
M2041 分離ローラ
M2080 給紙ローラ
M3000 ピンチローラホルダ
M3040 プラテン
M3060 搬送ローラ
M3070 ピンチローラ
M3110 排紙ローラ
M3120 拍車
M3160 排紙トレイ
M4000 キャリッジ
M5000 ポンプ
M5010 キャップ
E0002 LFモータ
E0014 メイン基板
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H2000 シアンノズル例
H2100 マゼンタノズル列
H2200 イエローノズル列
H2300 ブラックノズル列
H2400 レッドノズル列
H2500 グリーンノズル列
H2600 ブルーノズル列

Claims (12)

  1. シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色のインクとは色相が異なる特色のインクを吐出可能な記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して相対的に走査させながら記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードのうち、記録に使用する1つの記録モードを選択する選択工程と
    前記選択工程において選択された1つの記録モードに従って、前記記録媒体に記録を行う記録工程とを具え、
    前記第1の記録モードでは前記特色のインク使用は許容されず、前記第2の記録モードでは前記特色のインクの使用許容されることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色インクとは色相が異なる特色のインクを吐出するための記録ヘッドを前記記録媒体に対して走査させながら前記記録ヘッドから前記記録媒体へインクを吐出する走査動作と、前記記録媒体を前記走査の方向と交差する方向へ搬送させる搬送動作とを繰り返しながら、前記記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードのうち、記録に使用する1つの記録モードを選択する選択工程と、
    当該選択した記録モードに従って前記記録媒体に記録を行う記録工程とを具え、
    前記第1の記録モードでは前記特色のインク使用は許容されず、前記第2の記録モードでは前記特色のインクの使用許容されることを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 前記記録ヘッドは、さらに、ブラックのインク、前記シアンのインクと同系色であって且つそれよりも濃度が低い淡シアンのインク、および前記マゼンタのインクと同系色であって且つそれよりも濃度が低い淡マゼンタのインクを吐出可能であり、
    前記第1の記録モードでは、前記シアン、前記マゼンタ、前記イエロー、前記ブラック、前記淡シアンおよび前記淡マゼンタのインクの使用が許容され
    前記第2の記録モードでは、前記シアン、前記マゼンタ、前記イエロー、前記ブラック、前記淡シアン、前記淡マゼンタのインクおよび前記特色のインクの使用が許容されることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法。
  4. シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色インクとは色相が異なる特色のインクを吐出するための記録ヘッドを前記記録媒体に対して走査させながら前記記録ヘッドから前記記録媒体へインクを吐出する走査動作と、前記記録媒体を前記走査の方向と交差する方向へ搬送させる搬送動作とを繰り返しながら、前記記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードのうち、記録に使用する1つの記録モードを選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択した記録モードで使用可能なインクの色データを生成する生成工程と、
    前記生成工程において生成された色データに基づいて記録を行う工程とを具え、
    前生成工程では、前記第1の記録モードが選択された場合、前記特色のインクの色データは生成せず、前記第2の記録モードが選択された場合、前記特色のインクの色データを生成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 前記生成工程では、RGBの多値データを、前記選択した記録モードで使用可能なインクの色の多値データに変換することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記選択工程では、画像の品位に関する情報および記録媒体の種類に関する情報の少なくとも1つに基づいて前記複数の記録モードの中から1つの記録モードが選択されることで実行されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記特色のインクは、CIE−L色空間において、前記3色のインクのうちの2色のインクの組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い明度を表現でき、且つ前記2色のインクの組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示すことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記特色のインクは、CIE−L 色空間において、シアンの色相角とマゼンタの色相角との間の色相角を示すブルーのインク、シアンの色相角とイエローの色相角との間の色相角を示すグリーンのインク、および、イエローの色相角とマゼンタの色相角との間の色相角を示すレッドのインクのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記同一領域とは、前記記録ヘッドの1つの吐出口が1回の走査で記録可能な領域であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記同一領域とは、前記記録ヘッドの同色のインクを吐出する複数の吐出口の全てが1回の走査で記録可能な領域であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  11. シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび該3色のインクとは色相が異なる特色のインクを吐出可能な記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して相対的に走査させながら記録を行うためのデータを生成する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって
    前記処理は、
    前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域にする記録を行う第2の記録モードを含む複数の記録モードのうち、選択された1つの記録モードに関する情報を取得する工程と、
    当該取得した情報が前記第1の記録モードに関する情報の場合、前記特色のインクに対応したデータは生成せずに前記3色のインクに対応したデータを生成し、前記取得した情報が前記第2の記録モードに関する情報の場合、前記特色のインクおよび前記3色のインクに対応したデータを生成する工程と、
    含むことを特徴とするプログラム。
  12. シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクおよび前記3色のインクとは色相が異なる特色のインクを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の同一領域に対して相対的に走査させながら記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを第1の回数だけ相対的に走査させて当該同一領域に対する記録を行う第1の記録モードと、前記記録媒体の同一領域に対し前記記録ヘッドを前記第1の回数よりも多い第2の回数だけ相対的に走査させて当該同一りょういきにする記録を行う第2の記録モードとを含む複数の記録モードを実行可能であり、
    前記第1の記録モードにおいて前記特色のインクは使用できず、前記第2の記録モードにおいて前記特色のインク使用できることを特徴とするインクジェット記録装置。
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