JP4328691B2 - 画像形成方法、画像形成装置、データ生成装置およびプログラム - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置、データ生成装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、減法混色の3原色の記録剤(例えば、インク)と、これらとは色相の異なる特色の記録剤とを用いる画像形成方法および画像形成装置、並びに画像形成に使用される画素データを生成するためのデータ生成装置および当該生成工程をコンピュータに実行させるためのプログラムに関し、詳しくは色再現性に優れ、しかも耐候性にも優れる画像形成を行うための画像形成方法、画像形成装置、データ生成装置およびプログラムに関するものである。
近年来のワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等の情報処理機器の普及に伴い、テキストや画像等の情報を記録媒体に記録する画像形成端末としての記録装置も急速に発展および普及してきた。記録装置には様々な方式のものがあるが、その中で記録媒体に記録剤を付与することでテキストや画像を形成する方式が一般的である。そしてその中でも、吐出口から記録剤であるインクを吐出させて紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなどの記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置は、低騒音のノンインパクト型の記録方式であること、高密度かつ高速な記録動作が可能であること、カラー記録にも容易に対応できること、低廉であることなど、極めて優れた特長を有しており、今やパーソナルユースの記録装置の主流となっている。
インクジェット記録装置においては、基本的には印刷の三原色であるイエロー、マゼンタおよびシアンのインクを用い、減法混色による色再現が行われていた。すなわち、例えばイエローとマゼンタとの混色によりオレンジないしレッド領域、イエローとシアンとの混色によりグリーン領域、マゼンタとシアンとの混色によりブルーないしバイオレット領域の画像を形成することが可能となるものである。また、上記三原色のインクに加えブラックのインクを用いる一方、イエロー、マゼンタおよびシアン各色のデータY、MおよびCから黒成分Kを抽出してブラックに置き換え、さらには置き換えた分のC,M,Yの色成分を除去するUCR処理を行うことにより、コントラスト性の向上ないし中性色の安定再現を図るものもある。これらの場合、入力画像データのR、GおよびBの3つの色成分を、イエロー、マゼンタおよびシアン各色のデータY、MおよびC、またはさらにブラックのデータKに変換することで、各色の記録剤(インク)によって画像形成が行われる。
また、近年のカラーインクジェット記録装置の急速な普及に伴い、画質のより一層の向上が求められるようになってきている。特に、記録装置が再現することのできる色領域を拡張させた鮮やかな出力画像が求められている。これに対し、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色のうち、各1色で再現できる色領域については、個々の記録剤(インク)の色材の発色特性や色材濃度を改善することによって色再現領域を拡張することが可能である。しかし、2色以上の記録剤で形成されるレッド、グリーンおよびブルーの領域で、特に彩度の高い色領域では、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、またはさらにブラックを加えた4色を用いるのみでは再現できる色領域に限りがあるので、より鮮やかな色再現が難しくなる。
この色再現領域の拡張に際し、特許文献1には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の基本色の記録剤に加えて、減法混色の3原色以外の高彩度な色、すなわちレッド(オレンジ)、グリーンおよびブルー(バイオレット)の3色の記録剤を特色の記録剤として追加し、画像形成を行う方法が開示されている。また、特許文献2には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の基本色の記録剤に加え、シアンおよびマゼンタに対してそれぞれ相対的に色材濃度の低いライトシアンおよびライトマゼンタの2色の記録剤を追加するとともに、さらにオレンジおよびグリーンの2色の記録剤を特色の記録剤として追加して、画像形成を行う方法が開示されている。これらのいずれにおいても、彩度の高い特色を用いることで、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のみでは再現できなかった鮮やかな色を再現しようとしているのである。
特開平6−57654号公報 特開2001−138552号公報 特開2002−069348号公報 国際公開第00/43451号パンフレット
しかしながら、上記特許文献1,2では、特色の記録剤を用いて形成される画像の耐候性については何ら検討されていない。そのため、特色の記録剤の用いて色再現範囲を拡大し発色性に優れた画像を形成できても、その画像の発色性を長期間保つことができないという問題がある。つまり、上記特許文献1,2では、特色を採用することの最大の利点である色再現性に優れた画像を長期間に渡って維持することができないのである。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、優れた発色性を有する特色の記録剤を用いた場合において、その高い色再現性を長期間に渡って維持することのできる画像形成方法、画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の形態に係る本発明は、CIE−L 色空間において、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の組み合わせにより表現可能な色再現領域内の色相を示す特色の記録剤を少なくとも付与して記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
前記特色の記録剤が付与される前記記録媒体上の画素に対し、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤を付与することを特徴とする。
の形態に係る本発明は、CIE−L 色空間において、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を少なくとも用いて記録媒体に画像形成する画像形成方法であって、
前記特色の記録剤を用いて表現される画素に対応した画素データを生成する生成工程を有し、
前記生成工程では、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるような前記画素データを生成することを特徴とする。
の形態に係る本発明は、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤と、CIE−L色空間において、前記3つの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の組み合わせにより表現可能な色再現領域内の色相を示す特色の記録剤とを付与するための付与手段を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
1画素に対応するRGBデータを、前記画像形成に使用される記録剤に対応した画素データに変換する変換工程と、
前記変換工程において変換された画素データに基づいて、前記付与手段より記録剤を付与する付与工程とを有し、
前記変換工程では、前記2つの基本色の記録剤の組み合わせにより表現される色再現領域内の色に対応した画素データに変換する場合、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの前記基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるように、前記RGBデータを前記画素データに変換することを特徴とする。
の形態に係る本発明は、CIE−L 色空間において、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を少なくとも付与して記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記特色の記録剤が付与される前記記録媒体上の画素に対し、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤を付与することを特徴とする
の形態に係る本発明は、画像形成に使用される画素データを生成するためのデータ生成装置であって、
シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を用いて表現される画素に対応した画素データを生成する場合、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるような前記画素データを生成することを特徴とする。
の形態に係る本発明は、画像形成に使用される画素データを生成する生成工程をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記生成工程は、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を用いて表現される画素に対応した画素データを生成するにあたり、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるような前記画素データを生成することを特徴とする。
なお、本明細書において「特色」とは、広義には、基本色の記録剤であるイエロー、マゼンタ、シアンの色相とは異なる色のことを指す。また、狭義には、CIE−L色空間において、マゼンタ、イエロー、シアンの基本色記録剤のうちの任意の2つの記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い明度および彩度の少なくとも一方を表現でき、且つ上記任意の2つの記録剤の組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示す色のことを指す。
本発明では、上述した狭義の意味の「特色」の記録剤を使用することが好ましいが、広義の意味の「特色」の記録剤を使用することもできる。
また、本発明においては、記録剤としてインクが好適に用いられるが、インク以外の記録剤(例えば、トナー)を用いることもできる。
本発明によれば、耐候性の劣る特色のインクと、当該特色インクよりも耐候性のよい少なくとも1つの他色のインクとを重ねて記録するので、特色の持つ発色性を高い水準で維持しながら耐候性を向上することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(プリントシステム概要)
以下においては、本発明の適用対象として、基本色であるシアン、マゼンタ、イエローレッド、グリーン、ブルーおよびブラックの7色のインクを用いるインクジェット方式のプリントシステムについて例示する。
図1は、本発明の適用対象の一例であるプリントシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置は、上記7色のインクによって印刷を行うものであり、そのためにこれら7色のインクを吐出する記録ヘッドが用いられる。図1に示すように、本実施形態のプリントシステムは、画像形成装置としての記録装置とホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)を有して構成されるものである。
ホスト装置のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーションJ0001はプリンタで印刷する画像データを作成する処理を実行する。この画像データもしくはその編集等がなされる前のデータは種々の媒体を介してPCに取り込むことができる。本実施形態のPCは、先ずデジタルカメラで撮像した例えばJPEG形式の画像データをCFカードによって取り込むことができる。また、スキャナで読み取った例えばTIFF形式の画像データやCD−ROMに格納される画像データをも取り込むことができる。さらには、インターネットを介してウエブ上のデータを取り込むことができる。これらの取り込まれたデータは、PCのモニタに表示されてアプリケーションJ0001を介した編集、加工等がなされ、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。そして、印刷の指示に応じてこの画像データがプリンタドライバに渡される。
本実施形態のプリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、および印刷データ作成J0006を有している。前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。本実施形態の前段処理J0002は、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、本プリントシステムのプリンタによって再現される色域内に写像する関係を内容とする3次元LUTを用い、これに補間演算を併用して8ビットの画像データR、G、Bをプリンタの色域内のデータR、G、Bに変換するデータ変換を行う。後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせ、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、グリーンおよびブルーに対応した色分解データY、M、C、K、R、GおよびBを求める処理を行う。本実施形態では、この処理は前段処理と同様3次元LUTに補間演算を併用して行う。γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、本システムで用いるプリンタの各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、K、R、GおよびBそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。最後に、印刷データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする印刷イメージデータに印刷制御情報を加えた印刷データを作成する。なお、上述したアプリケーションおよびプリンタドライバの処理は、それらのプログラムに従ってCPUにより行われる。その際、プログラムはROMもしくはハードディスクから読み出されて用いられ、また、その処理実行に際してRAMがワークエリアとして用いられる。
記録装置は、データ処理に関してドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。ドット配置パターン化処理J0007は、実際の印刷画像に対応する画素ごとに、印刷イメージデータである9階調の4ビットのインデックスデータ(階調値情報)に対応したドット配置パターンに従ってドット配置を行う。このように、9階調の4ビットデータで表現される各画素に対し、その画素の階調値に対応したドット配置パターンを割当てることで、画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフが定義され、そして1画素内の各エリアごとに「1」または「0」の吐出データが配置される。つまり、このドット配置パターン化処理は、4ビットデータを1ビットデータに変換する2値化処理である。このようにして得られる1ビットの吐出データはマスクデータ変換処理J0008によってマスク処理がなされる。すなわち、記録ヘッドによる所定幅の走査領域の記録を複数回の走査で完成するための各走査の吐出データを、それぞれの走査に対応したマスクを用いた処理によって生成する。走査ごとの吐出データY、M、C、K、R、GおよびBは、適切なタイミングでヘッド駆動回路J0009に送られ、これにより、記録へッドJ0010が駆動されて吐出データに従ってそれぞれのインクが吐出される。なお、記録装置における上述のドット配置パターン化処理やマスクデータ変換処理は、それらに専用のハードウエア回路を用い記録装置の制御部を構成するCPUの制御の下に実行される。なお、これらの処理がプログラムに従ってCPUにより行われてもよく、また、上記処理がPCにおける例えばプリンタドライバによって実行されるものでもよく、本発明を適用する上でこれら処理の形態が問われないことは以下の説明からも明らかである。
以上説明した本実施形態のプリンタは、特色としてレッド、グリーンおよびブルーを用いるものである。ここで特色とは、これら基本色インクであるイエロー、マゼンタ、シアンのうちの2つの混色で表現される色再現領域内の色相角を示す色を言うが、本実施形態ではさらに、当該混色で作られる2次色の同じ色相の色よりも彩度および明度が高い色を実現できるものを用いる。すなわち、本実施形態において「特色」とは、CIE−L色空間において、マゼンタ、イエロー、シアンの基本色インクのうちの任意の2つのインクの組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示すとともに、2つのインクの組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い彩度および明度を表現できる色である。
また、特に本実施形態の特色インクレッドは、例えば、モニタなどのsRGB規格の入力画像データR、G,Bが再現できる色空間より高い彩度および明度を再現することを可能とするものである。
なお、本明細書では、記録剤であるインクについてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど片仮名表記で表し、色もしくはそのデータ、また色相をC、M、Y、Kなど英大文字の1字もしくはそれと英小文字1字との組み合わせで表すものとする。すなわち、Cはシアン色またはそのデータないし色相を、Mはマゼンタ色またはそのデータないし色相を、Yはイエロー色またはそのデータないし色相を、Kはブラック色またはそのデータないし色相を、Rはレッド色またはそのデータないし色相を、Gはグリーン色またはそのデータないし色相を、Bはブルーまたはそのデータないし色相を、それぞれ表すものとする。
さらに、本明細書において「画素」とは、階調表現できる最小単位のことであり、複数ビットの多値データの画像処理(上記前段、後段、γ補正、ハーフトーニング等の処理)の対象となる最小単位である。1つの画素に対してはm×n(例えば4×2)のマスで構成されるドット配置パターンが対応付けられ、この1画素内の各マスはエリアと定義される。この「エリア」はドットのオン・オフが定義される最小単位である。これに関連して、上記前段処理、後段処理、γ補正にいう「画像データ」は処理対象である画素の集合を表しており、各画素が本実施形態では8ビットの階調値を内容とするデータである。ハーフトーニングにいう「画素データ」は処理対象である画素データそのものを表しており、本実施形態のハーフトーニングでは、上記の8ビットの階調値(256階調)を内容とする画素データが4ビットの階調値(9階調)を内容とする画素データ(インデックスデータ)に変換される。
(画像形成の概要)
本発明の画像形成方法では、基本色のシアン、マゼンタ、イエローの各有彩色インクと、これらとは色相の異なる少なくとも一つの有彩色のインクである特色インクを用い、そのインク液滴を画像データに応じて被記録媒体上に付与することで画像形成を行う際に、記録媒体上に特色インクが付与される領域に対してはその特色インクよりも耐候性の良いインクが重畳されるようにする処理を行う点に特徴がある。これによって、特色インク特有の高い色再現性が長期間に渡って維持される画像耐久性の高い記録物を提供することが可能となる。
本実施形態においては、後段処理J0003において、8ビットのRGBデータを8ビットの色分解データCMYKRGB(インク色に対応したCMYKRGBデータ)に変換するが、この際、特色インクが付与される画素に対し耐候性の良い基本色インクも付与されるように変換を行う。具体的には、後段処理では、RGBデータとインク色に対応したCMYKRGBデータとが1対1に対応付けられた3次元LUTおよび補間演算を用いることにより、RGBデータをインク色に対応したCMYKRGBデータに変換するが、変換前のRGBデータが表す色を再現するのに特色インクのみで足りる場合であっても、特色インクのデータのみに変換するのではなく、特色インクのデータと少なくとも1つの基本色インクのデータとに変換されるように上記3次元LUTを予め構成しておくのである。言い換えれば、8ビットのRGBデータを変換して8ビットのCMYKRGBデータを出力する際に、特色インクのデータが出力される場合には、特色インクのデータのみならず、基本色インクのデータのうちの少なくとも1つのデータも共に出力されるように、後段処理J0003における3次元LUTと補間演算を構成したのである。従って、特色インクのみで表現可能な色域であっても、その色域は特色インクのみで記録されるのではなく、耐候性の良い少なくとも1つの基本色が併用されて記録されることになる。
更には、特色インクのみで表現可能な色再現領域のみならず、3つの基本色のうち特色インクの色相角を挟む2つの基本色で表現される色再現領域の色を表現する場合には、特色の記録剤と、特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤とを併用するのが好ましい。すなわち、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤と、これら3つの基本色のうちの任意の2色の組み合わせにより表現される色再現領域内の色相角を示す特色の記録剤とを用いて画像形成を行うに際し、上記任意の2色の組み合わせにより表現される色再現領域内の色を含む画像を形成する場合には、特色の記録剤と、特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤とを用いるのが好ましい。
ここで、上記プリントシステムの構成において、特色であるレッドインクの耐候性が劣る場合の処理について例示する。
耐候性の比較的悪いレッドインクを用いる場合、レッドインクが付与される画素に、レッドインクよりも耐候性の良いイエローインクおよび/またはマゼンタインクが付与されるように処理を行う。具体的には、上述した通り、後段処理J0003において、8ビットのRGBデータを変換して8ビットのCMYKRGBデータを出力する際に、変換前のRGBデータが表す色を再現するのにレッドインクのみで足りる場合であっても、Rデータのみを出力するのではなく、Rデータに加えて、Yデータおよび/またはMデータも共に出力するように構成している。これにより、耐候性の比較的悪いレッドインクのみで表現可能な色域であっても、その色域はレッドインクのみで記録されるのではなく、耐候性の良いイエローインクおよび/またはマゼンタインクが併用されて記録されることになるため、レッドインクが使用される領域の画像の耐候性を向上させることができる。
ここで、レッドインクが使用される領域を色再現する場合の、後段処理の出力結果の一例を示す。図13は、ホワイト(W)からレッド(R)に至るR色相ラインを色再現する場合の例を示している。横軸は、8ビットのRGBデータの値であり、ここでは、(R、G、B)=(255、255、255)で示される白(W)から、(R、G、B)=(255、0、0)で示されるレッド(R)までの範囲を示している。一方、縦軸は、後段処理の出力結果に相当する8ビットのCMYKRGBデータの値であり、ここでは、Rデータ、Yデータ、Mデータが出力される。その出力値は0〜255の256段階となっており、出力値が大きい程、1画素へのインク打ち込み量が多くなる。
図13から明らかなように、R色相ラインを色再現する場合、Rデータのみならず、YデータとMデータも共に出力している。これにより、耐候性の悪いレッドインクと、耐候性の良いイエローおよびマゼンタインクを併用してR色相が再現されることになるため、R色相を示す領域の耐候性を向上させることができる。
また、この例では、濃度レベルが高くなるに従ってレッドインクの使用量が多くなると共に、当該レッドインクの使用量に対するイエローおよびマゼンタインクの使用量の比率が小さくなっている。つまり、高彩度(高濃度)側よりも低彩度(低濃度)側の方で、レッドインクの打ち込み量に対するイエローおよびマゼンタインクの打ち込み量の比率を高くしている。このような比率にすることによって、耐候性劣化が生じやすい低彩度(低濃度)側において耐候性の良いイエローおよびマゼンタインクが比較的多く使用されることになるため、低彩度(低濃度)側での耐候性を十分なものとすることができる。このことに加え、高彩度(高濃度)側ではイエローおよびマゼンタインクの使用比率が小さくなり、レッドインク単独で存在する画素の割合が増えるため、高発色性を示すレットインクの特性を十分に活かすことができる。なお、この図13で示した例はあくまでも好ましい一例に過ぎず、本発明における後段処理はこの例に限られるものではない。
なお、上記では、特色インクと耐候性の良い基本色インクとを重ねて(重畳して)記録すると説明したが、ここで、重畳とは、特色インクのドット位置に耐候性の良い基本色インクのドットが完全に重なっている状態以外にも、一部がオーバーラップしている状態も含んでいる。
図2は、1画素が2×4のエリアに対応し、その1画素内に特色のインクドットと基本色インクのドットが形成される場合を例示している。同図(a)は特色のインクドットの形成エリアに基本色のインクドットが完全に重畳されている状態、(b)は特色のインクドットの非形成エリアに基本色のインクドットが形成されることで特色および基本色のインクドットの一部がオーバーラップしている状態、(c)はあるエリアには基本色インクのドットが形成されず、隣のエリアに基本色のドットが存在している状態である。これらいずれの場合でも、特色インクのドットが紫外線などの光や大気中のガスなどにより侵されても、耐候性の良いインクが残留することによって、褪色試験後の画像全体の色味変化は小さくなり、画像保存性を高めることが可能となる。また、耐候性向上のメカニズムは明確ではないが、耐候性の良いインクと特色インクが同一領域に存在することで、耐候性の良いインクの色材が光やガスを吸収して特色インクの色材にアタックする光量やガス量が相対的に低下すると考えられる。そのことによって、特色インクの色材劣化が抑制されて、耐候性が向上するものと推測される。
なお、特色インクに重なる耐候性の良いインクは、記録媒体に対して特色インクよりも先に付与されてもよく、また後に付与されも良い。すなわち、記録媒体上において特色インクの上に耐候性の良いインクが重なる形態であってもよいし、耐候性の良いインクの上に特色インクが重なる形態であってもよいのである。いずれの形態であっても、特色インクが付与された画素の耐候性を向上させることができる。
また、本実施形態では、特色インクが付与される画素の全てに対して耐候性の良いインクを重ねることは必ずしも必須ではなく、特色インクが付与される全画素のうちの少なくとも一部に対し耐候性の良いインクが重なっていればよい。
例えば、後段処理J0003において、特色データと基本色データとを含む画素データが出力された場合であっても、その後のハーフトーニングJ0005を経ると、同一画素において特色インクと基本色インクが重畳しなくなることがある。これは、ハーフトーニングJ0005において各色毎に誤差拡散処理がなされる際に、各色毎で、注目画素の濃度レベル、その周辺画素の濃度レベル、注目画素に加算される誤差が異なることに起因する。従って、特色データと基本色データとを含む画素データが後段処理において出力されても、特色インクと基本色インクのいずれかがその画素に付与されなくなる場合があり、これにより、特色インクが付与される画素であっても基本色インクが付与されないことが起こり得るのである。しかし、特色インクのみが付与される画素の他に、特色インクと基本色インクとが共に付与される画素も多数存在し、数〜数十画素に対応するマクロ的な領域でみれば、同じ領域に対して特色インクと基本色インクとが共に付与されることになり、マクロ的な領域での耐候性は向上する。本実施形態では、このような形態も含むものである。
また、特色インクが付与される画素であっても耐候性の良いインクが重ならない画素を意図的に存在させる形態であってもよい。すなわち、特色インクの付与される全画素のうち、耐候性の良いインクを重ねる画素と耐候性の良いインクを重ねない画素とが発生するように後段処理J0003を構成してもよい。
要するに、本実施形態では、数〜数十画素に対応するマクロ的な領域での耐候性を向上させることができればよく、そのためには、そのようなマクロ的な領域において特色インクと基本色インクとが共に付与されていればよい。つまり、特色インクが付与される全画素のうちの少なくとも一部の画素に対し耐候性の良いインクが重なっていればよい。このように特色インクが付与される全画素のうちの一部に対し耐候性の良いインクが重なっていれば、特色インクのドットが紫外線などの光や大気中のガスなどにより侵されても、耐候性の良いインクが残留することによって、褪色試験後の画像全体の色味変化は小さくなり、画像保存性を高めることが可能となる。
次に、特色インクの耐候性をより効果的に改善するための方法について、後述する実施例の結果(図3、図4)を一例として用いて説明する。図3は特色インク(ここでは一例としてレッド色相のインクを使用)を単独で用いた場合(実線)および、特色インクより耐候性の良いイエローインクを特色インクに重畳(重ね打ち)させた場合の、特色インクの記録デューティと耐候性との関係を示したものである。この場合、図中のΔE(色差)が小さいほど耐候性が良いことを示している。また、重ね打ちの方法としては、特色インクの付与量と同量となるようにイエローインクを付与するパターン(細い破線)と、特色インクの記録デューティに応じて特色インクに対するイエローインクの付与比率を段階的に変えたパターン(太い破線)とについて行っている。また、図4は、それぞれのパターンでの特色インクの記録デューティと、特色インクに対するイエローインクの付与比率(Yduty/特色duty)とをグラフ化したものである。
図3に示すように、特色インク単独では低デューティ部において特に耐候性が劣ることがわかる。一方、上述したように、特色インクに対して耐候性の良いインクを重ね打ちすることによって、いずれのパターンでも耐候性が向上していることがわかる。さらに、高デューティ部よりも低デューティ部において、特色インクに対する耐候性の良いインクの付与比率を高めることにより、より効果的に耐候性のバランスを向上すると共に、高デューティ部で耐候性の良いインクの付与量を減らすことが可能となる。そのため高デューティ部で特色インクの付与量をさらに増やすことも可能になり、高発色性をより一層高めたり、インク使用量の多い高デューティ部で打込み量を抑制できるためにランニングコストを低減することが可能となる。
また、記録媒体上に付与される色材密度と耐候性との関係より、特色インクの付与される色材密度が平方インチ(参考値)あたり0.2mg以下の領域において特に耐候性が低下する傾向が見られ、この領域に耐候性の良いインクを付与することにより効果的に耐候性を改善することができる。その際の耐候性の良いインクの色材密度としては平方インチ(参考値)あたり0.05mg以上付与すると、より一層効果的に耐候性の改善が図られ好ましい。なお、ここで言う「色材密度」とは、記録剤中に含まれる染料や顔料などの着色剤の単位面積(平方インチ)あたりの質量を示すものである。
また、画像全体の耐候性をより効果的に向上するために、特色インクと共に同一画像領域に付与する耐候性の優れる基本色のインクは、特色インクとの関係で、下記式で示される特性を有することが好ましい。
ΔE2/ΔE1≦0.8
ΔE1:特色インクの褪色試験前後での色差
ΔE2:特色インクと共に同一画像領域に付与する耐候性の良いインク(ここでは、イエローインク)の褪色試験前後での色差
なお、ここで言う耐候性としては、紫外光等による光褪色に対するものと、大気中にあるオゾン等のガス成分によるガス劣化褪色に対するものとがあげられる。よって、ここでの褪色試験は、例えば光褪色については、キセノンランプを用い、槽内温度50℃、相対湿度70%、340nmにおける照射エネルギーが0.39W/mの条件下で、30時間曝露照射を行う試験があげられる。また、ガス劣化については、槽内温度40℃、相対湿度55%、3ppmのオゾン雰囲気下の条件で、2時間暴露する試験があげられる。いずれの場合も、記録媒体上に単位面積あたりのインク付与量が3.6±1.2mg/inchとなる均一なベタパターンを形成し、48時間以上室内暗所に放置して乾燥した後、上記褪色試験を行い、試験前後での発色特性をCIE−L表色系にて測色することで、ΔE1およびΔE2を求めることができる。
なお、上記後段処理J0003において、レッドインクのデータ(Rデータ)とイエローインクのデータ(Yデータ)とを含む画素データが出力されるようにするためには、例えば図3の細い破線で示したように特色インクの付与量と同量のイエローインクが付与されるように当該画素のデータ処理を行う、または、同図中太い破線で示したように特色インクの記録デューティに応じて付与比率を段階的に変えてイエローインクが付与されるように当該画素のデータ処理を行うためのテーブルを用意し、これを用いるようにすればよい。
ところで、上記図3および図4では、レッド色相の特色インクと共に使用するに耐候性の良い基本色インクとして、イエローインクを例に挙げて説明したが、イエローインクに代えて、もしくはこれとともに、レッドインクよりも耐候性が良いマゼンタインクが用いられるようにしてもよい。レッドはイエローおよびマゼンタの混色で表現される色再現領域内の色相角を持つことに鑑みれば、両者を用いたほうが色再現性の上で好ましい場合が多いと考えられる。イエローインクおよびマゼンタインクの両者を併用する場合、上述した図13で示されるような出力結果を得られるテーブルを後段処理で使用するのが好適である。
また、マゼンタよりも相対的に色材濃度の低いライトマゼンタのインクを用いる形態であれば、レッドインクよりも耐候性が良いライトマゼンタのインクを単独で、あるいはイエロー等の他のインクと併用されてレッドインクに対して付与されるようにしてもよい。例えば、レッドインクと共に使用する耐候性の良いインクとして、ライトマゼンタインク、イエローインクおよびマゼンタインクを併用する場合、ホワイト(W)からレッド(R)に至るR色相ラインを図14のように構成してもよい。なお、図14の横軸、縦軸は図13と同様である。図14に示されるように、R色相ラインを色再現する場合、Rデータのみならず、Lmデータ(ライトマゼンタのデータ)、Yデータ、Mデータも共に出力する。これによれば、耐候性の悪いレッドインクと、耐候性の良いライトマゼンタ、イエローおよびマゼンタインクを併用してR色相が色再現されることになるため、R色相を示す領域の耐候性を向上させることができる。また、この例では、低濃度領域(ハイライト領域)において粒状感の少ないイエローおよびライトマゼンタインクを多く使用しているため、粒状感が目立ちやすい低濃度領域(ハイライト領域)におけるドット粒状性を抑制することもできる。
さらに、以上のことはレッドのみならず、他の特色、例えばグリーンや、ブルー,バイオレットを用いる場合にあってこれらの耐候性に問題がある場合には、重ね打ちする基本色としてシアンやマゼンタ、あるいはイエローなどのインクを用いることもできるのは言うまでもない。例えば、耐候性が比較的悪いグリーンインクを用いるのであれば、グリーンインクのみで表現可能な領域であっても、その領域をグリーンインクのみで記録するのではなく、グリーンよりも耐候性に優れるインクを併用して記録するのが好ましく、特に、グリーンよりも耐候性に優れるシアンインクおよびイエローインクをグリーンインクと重ねて記録するのが好ましい。また、耐候性が比較的悪いブルーインクを用いるのであれば、ブルーインクのみで表現可能な領域であっても、その領域をブルーインクのみで記録するのではなく、ブルーよりも耐候性に優れるインクを併用して記録するのが好ましく、特に、ブルーよりも耐候性に優れるシアンインクおよびマゼンタインクをブルーインクと重ねるのが好ましい。
なお、特色インクに重なる耐候性の良いインクは、記録媒体に対して特色インクよりも先に付与されてもよく、また後に付与されても良い。すなわち、記録媒体上において特色インクの上に耐候性の良いインクが重なる形態であってもよいし、耐候性の良いインクの上に特色インクが重なる形態であってもよいのである。いずれの形態であっても、特色インクが付与された領域の画像の耐候性を向上させることができる。
(画像形成装置の機構部の概略構成)
本実施形態で画像形成装置として用いるインクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。本実施形態における記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部およびこれらを保護し、意匠性を持たす外装部から構成されている。以下、これらの概略を説明していく。
図5は、本実施形態で適用する記録装置の斜視図である。また、図6および図7は、記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、図6は右上部からの斜視図、図7は記録装置本体の側断面図をそれぞれ示したものである。
本実施形態で適用する記録装置において給紙を行う際には、まず給紙トレイM2060を含む給紙部において記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。送られた記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが用紙搬送部に搬送される。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
キャリッジ部は、記録ヘッドH1001を取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持されている。ガイドシャフトM4020は、シャーシM1010に取り付けられており、記録媒体の搬送方向に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。また、キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。更に、キャリッジM4000には、電気基板E0014から記録ヘッドH1001へ、駆動信号を伝えるための不図示のフレキシブルケーブルE0012が接続されている。このような構成において記録媒体に画像形成する場合、搬送方向(カラム方向)に対しては、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送して位置決めする。また、走査方向(ラスタ方向)に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドH1001(図8)を目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドH1001は、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成は後述するが、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が走査する記録主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
なお、本実施形態では、往方向および復方向の両方の主走査時にインクを吐出して記録を行う双方向記録の形態であってもよいし、また、往方向および復方向の一方の主走査時にのみインクを吐出して記録を行う片方向記録の形態であってもよい。図10に示される記録ヘッドを用いて双方向記録を行う場合は、特色インクの上に耐候性の良いインクが重なる第1の部分と、耐候性の良いインクの上に特色インクが重なる第2部分とが記録媒体上において混在することになり、また、片方向記録を行う場合は、記録媒体上において上記第1部分のみが存在するかあるいは上記第2部分のみが存在することになるが、いずれの形態でも、耐候性の向上効果を得ることができる。本発明は、この両方の形態を含むものである。
最後に画像形成された記録媒体は、排紙部で第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。
なお、クリーニング部において、画像記録前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする目的のために、キャップM5010を記録ヘッドH1001のインク吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作用させると、記録ヘッドH1001から不要なインク等が吸引されるようになっている。また、キャップM5010を開けた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないように配慮されている。
(記録ヘッド構成)
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。 本実施形態におけるヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段、およびインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図8は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、およびブルーの7色のインクによって画像を形成するものであり、インクタンクH1900も7色分が独立に用意されている。そして、図に示すように、それぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。尚、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
図9は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図を示したものである。図において、ヘッドカートリッジH1000は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、第2のプレートH1400、電気配線基板H1300、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800などから構成されている。
第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路もまた、フォトリソグラフィ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図10は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101の構成を説明するための正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)であり、第1の記録素子基板H1100には、シアンインクの供給されるノズル列H2000、マゼンタインクの供給されるノズル列H2100、およびイエローインクの供給されるノズル列H2200の3色分のノズル列が構成されている。第2の記録素子基板H1101には、ブラックインクの供給されるノズル列H2300、レッドインクの供給されるノズル列H2400、グリーンインクの供給されるノズル列H2500、およびブルーインクの供給されるノズル列H2600の4色分のノズル列が構成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズル吐出口における開口面積は、およそ100平方μmに設定されている。また、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。
さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持している。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。外部信号入力端子H1301は、タンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
一方、インクタンクH1900を保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成している。
インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録ヘッド部H1001とを、接着等で結合することにより、ヘッドカートリッジH1000が構成されている。
なお、記録ヘッドのインク吐出方式としては、例えば、インクを吐出するために利用されるエネルギとして、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いたものを挙げることができる。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましいと言える。
また、他の吐出方式による記録ヘッドの形態としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。
また、インクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクタンクとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。また、インクタンクとしてはヘッドに対し分離可能または分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して記録ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。さらに、記録ヘッドに対し好ましい負圧を作用させるための構成をインクタンクに設ける場合には、インクタンクのインク収納部に吸収体を配置した形態、あるいは可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などを採用することができる。
また、記録装置としては、上述のようにシリアル記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
(インク)
本発明の実施形態に好ましく適用できる基本色であるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのインクと、特色であるレッド、グリーンおよびブルーのインクとについて例示する。それらのインクは、必須の構成要件として色材を含む。
本発明に用いられるインクの色材としては、一般的に用いられている染料や顔料などの公知の色材であっても、新規に合成された色材であっても、本発明の範囲内で適宜選択して用いることができる。
本実施形態において基本色(イエロー、マゼンタおよびシアンの三原色にブラックを加えたもの)のインクに用いる色材としては染料もしくは顔料を用いることができる。中でも、染料は明度の高い色の再現に優れるために好適に用いることができる。同じく特色(レッド、グリーンおよびブルー)のインクに用いる色材としても、染料もしくは顔料を用いることができる。中でも、染料は明度の高い色の再現に優れるために好適に用いることができる。
とりわけ、色材が記録媒体表面に凝集するインク(顔料系のインクはその傾向が強い)よりも、付着したインクが記録媒体に浸透して行くインク(染料系のインクはその傾向が強い)を用いることが強く好ましい。前者では入射光が後から付着した最上部のインク層でほとんど反射されてしまうのに対し、後者では入射光が記録媒体内部に形成される各色インク層で反射されるため、立体感および透明感を訴える効果が期待できるからである。さらに、フォト出力に多用される光沢紙や光沢フィルムなどの光沢媒体にインク液滴を付与した際に、色材がインク受容層内で定着し、媒体表面の印字部と非印字部の表面状態が維持されるために光沢感が失われず、銀塩写真に匹敵する高い質感を有する画像を形成することができるために好ましい。
さらに好ましい形態としては、本発明では基本色であるイエロー、マゼンタ、シアン用色材として染料、とりわけ酸性染料、直接染料を用いることが好ましい。とりわけ酸性染料、直接染料は、普通紙、あるいは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層あるいはインク受容層を有する特殊媒体等、各種の被記録媒体で良好な発色を得ることができるため、本発明に好適に用いることができるのである。
また、特色インクとしては、基本色の組み合わせにより表現される色再現領域よりも明度の高い色を表現できるインクを用いることが好ましい。これにより、特色の追加によって色域拡大されたインパクトのある画像形成を効果的に表現できるために好ましい。例えば、特色インクとしてレッドインクを用いるのであれば、CIE−L色空間上において、イエローインクとマゼンタインクの組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも高い明度を表現でき、かつ、前記色再現領域内の色相角を示すようなレッドインクを用いることが好ましい。また、さらに特色インクである当該レッドインクで記録媒体上に表現される色が、色再現領域よりも彩度が高い色であることがより好ましい。
図11は、この条件を説明するために特色インクの色である当該レッド、イエローとマゼンタとの混色で形成される色、および、ポジティブフィルムで表現される色の、明度(L)と彩度(c;c=(a*2+b*21/2)との関係を模式的に示した図である。このように、明度の高い色を表現できるインクを用いることにより、オレンジないしレッド領域での色の鮮やかさが増し、記録画像の透明感や立体感を表現できるようになる。一方、明度が低い場合には、たとえオレンジないしレッド領域の彩度が広がったとしても、鮮やかさに欠け、コントラストや立体感に欠ける記録画像しか得られず、目標とするポジフィルムに匹敵する画像を出力することは困難となる。上記条件は、イエローのインクおよびシアンのインクとグリーンのインクとの関係、並びにマゼンタのインクおよびシアンのインクとブルーのインクとの関係においても同様である。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、グリーンおよびブルーのインクを用いる本実施形態において、これら基本色インクおよび特色インクの色材の具体例としては以下のものが挙げられ、上記条件に適合するものを選択することができる。
シアン色材
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、307
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、112、117、127、138、158、161、203、204、221、244
イエロー色材
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132、173
C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99
マゼンタ色材
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289
C.I.フードレッド:87、92、94
C.I.ダイレクトバイオレット107
この他に、特許文献3に記載されている構造の化合物等も用いることができる。
ブラック色材
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195
C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156
C.I.フードブラック1、2
カーボンブラック
この他に特許文献4に記載されている構造の化合物等も用いることができる。
レッド色材
C.I.アシッドオレンジ7、10、33、56、67、74、88、94、116、142
C.I.アシッドレッド111、114、266、374
C.I.ダイレクトオレンジ26、29、34、39、57、102、118
C.I.フードイエロー3
C.I.リアクティブオレンジ1、4、5、7、12、13、14、15、16、20、29、30、84
C.I.ディスパースオレンジ1、3、11、13、20、25、29、30、31、32、47、55、56
または、上記イエロー色材とマゼンタ色材を適切に混合したもの等も用いることができる。
グリーン色材
C.I.アシッドグリーン5、6、9、12、15、16、19、21、25、28、81、84
C.I.ダイレクトグリーン26、59、67
C.I.フードグリーン3
C.I.リアクティブグリーン5、6、12、19、21
C.I.ディスパースグリーン6、9
または、上記イエロー色材とシアン色材を適切に混合したもの等も用いることができる。
ブルー色材
C.I.アシッドブルー62、80、83、90、104、112、113、142、203、204、221、244
C.I.リアクティブブルー49
C.I.ピグメントブルー15:6
C.I.アシッドバイオレット19、48、49、54、129
C.I.ダイレクトバイオレット9、35、47、51、66、93、95、99
C.I.リアクティブバイオレット1、2、4、5、6、8、9、22、34、36
C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、28、31、33、35、38、48、56
または、上記マゼンタ色材とシアン色材を適切に混合したもの等も用いることができる。
インク中に含有させる上記色材の含有量としては、インク全質量に対して0.1〜15質量%とすることが好ましい。また、インク中に含有させる色材は単独でも、あるいは上述のように2種以上を混合して用いることも可能である。また、特色インクに用いる色材についても、単独の色材、類似の色相を持つ2種以上の色材を混合したもの、あるいはイエロー、マゼンタおよびシアンの色相を持つ色材を混合したもの等、本発明の範囲内で適宜選択して用いることができる。
さらに必要に応じて、例えばパーソナルユースのインクジェット記録装置で用いるインクでは、キャリア成分としての水のほか、信頼性の面から乾燥防止のための水溶性有機溶剤や保湿剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤などを含むものとすることができる。
この水溶性有機溶剤としては、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒、尿素類、糖類およびこれらの誘導体など、一般的にインクジェット用インクの溶剤として用いられているものであれば、問題なく使用することができる。これらの溶剤はインクの保湿性維持や色材の溶解性、分散性の向上、インクの記録紙への浸透剤などの用途として用いられる。また、これらの溶剤は単独でも複数を組み合わせて用いることもできる。
水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインク全体の1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜40質量%の範囲である。また、インク中の水の含有量は、染料の溶解性やインクの吐出安定性を良好に保つために、30〜95質量%の範囲が好ましい。
また、界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用できる。上記した中でも、特にアセチレンアルコール類や、アセチレングリコール類が普通紙への浸透性に優れた効果を発揮するために好適に用いることができる。その使用量は、界面活性剤の種類により異なるが、インク全量に対して、0.01〜5質量%が望ましい。この際、インクの25℃における表面張力は10mN/m(dyn/cm)以上が好ましく、より好ましくは20mN/m以上となるように、また表面張力が60mN/m以下となるように活性剤の添加する量を決定することが好ましい。なぜなら、本発明で使用するインクジェット記録方式においては、ノズル先端の濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のズレ)等の発生を有効に抑えることができるからである。
また、インクはインクジェット記録装置で良好な吐出特性を得るために、所望の粘度やpHを有するように調整することが好ましい。
(記録媒体)
本発明に用いることのできる記録媒体としては、普通紙、あるいは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層あるいはインク受容層を有する特殊媒体等、一般的に用いられている記録媒体を用いることができる。これらの中でも、より鮮やかさ、コントラスト、透明感の高い画像が得られる記録媒体の一例として、基材上に親水性の多孔質粒子層、多孔質高分子層等を有する特殊媒体を挙げることができる。
本発明で用いられる記録媒体としての特殊媒体の例をさらに詳述すると、染料や顔料などの色材をインク受容層内の親水性多孔質構造を形成する微粒子に吸着させて、少なくともこの吸着した色材によって画像が形成される記録媒体であり、インクジェット法を利用する場合には特に好適である。このような記録媒体としては支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収するいわゆる吸収タイプであることが好ましい。
吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じてバインダーやその他の添加剤を含有する親水性多孔質層として構成される。微粒子の例としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナあるいはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの1種以上が使用される。
バインダーとして好適に使用されているものには水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、添加剤を使用することもでき、例えば、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用される。
(その他)
上述した実施形態では、記録剤の一例としてインクを例に挙げ、画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例に挙げて説明しているが、本発明で使用可能な記録剤はインクに限定されるものではなく、また、本発明で使用可能な画像形成装置はインクジェット記録装置に限定されるものではない。例えば、記録剤はトナーであってもよく、また、画像形成装置は複写機であってもよい。
また、上述した実施形態では、使用するインクとして、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの7色のインクを用いる場合について主に説明したが、上述した通り、使用するインクはこの組合せに限定されるものではない。例えば、特色インクとしてレッド、グリーン、ブルーの3色以外の色を用いる形態でもよいし、レッド、グリーン、ブルーの3色のうちの少なくとも1色だけを用いる形態でもよい。また、特色インク以外のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)も上述した例に限定されるものではなく、例えば、ライトシアンやライトマゼンタを用いる形態であってもよく、また、ブラックを用いない形態であってもよい。
例えば、使用するインクとして、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、ブラックおよびレッド(特色)の7色を用いる場合には、レッドインクのみで表現可能な色域を、レッドインクよりも耐候性のよいマゼンタ、ライトマゼンタ、イエローの3色のうちの少なくとも1色とレッドインクとを併用して記録するのが好ましい。特に、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエローの3色を併用する場合は、上述した図14で示されるような出力結果を得られるテーブルを後段処理で使用するのが好適である。また、これら7色にグリーンを加えた場合、グリーンインクのみで表現可能な色域を、グリーンインクよりも耐候性のよいシアン、ライトシアン、イエローの3色のうちの少なくとも1色とグリーンインクとを併用して記録するのが好ましい。
また、上記実施形態では、特色インクと基本色インクとを同一画素に付与するため処理を、後段処理J0003の段階で行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、2値化処理からヘッド駆動までのいずれかの段階において、それぞれの特色インクのドットに耐候性のよい基本色インクのドットが重ねて記録されるようにインク吐出が行われるよう制御を行うものでもよい。具体的には、後段処理J0003やハーフトーニングJ0005を経て作成される基本色インクの2値データ(例えば、2値のYデータ)とは別に、特色インクの2値データ(例えば、2値のRデータ)に基づいて基本色インクの2値データ(例えば、2値のYデータ)を作成する手法がある。この構成によれば、特色インクが付与される全画素に対し基本色インクを確実に付与することもできるし、また、特色インクが付与される画素の一部に対してだけ基本色インクを付与するように制御することもできる。
さらに、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアまたはプリンタドライバのプログラムコードを、記録装置を含む様々なデバイスが接続された機械またはシステム内のコンピュータに供給し、機械またはシステムのコンピュータに格納されたプログラムコードによって様々なデバイスを作動させることにより上述実施形態の機能を実現するようにしたシステムも、本発明の範囲に含まれる。
この場合、プログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、および通信や記憶媒体などによりプログラムコードをコンピュータに供給する手段も、本発明の範囲に含まれる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROMのほか、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに加えて、プリントシステムの形態としては、パーソナルユースのものであるかあるいは業務ないし産業用のものであるかを問わず、コンピュータ,スキャナ,デジタルカメラ等の画像データ供給装置と、画像出力端末としてのプリント装置とを有するもののほか、例えばスキャナとプリント装置とが一体となった複写機、データ送受信装置とプリント装置とが一体となったファクシミリ装置、プリント装置を一体に有するワードプロセッサや電子タイプライタ、プリント装置を一体化したデジタルカメラなどの形態であってもよい。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。
なお、以下の記載で「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
下記表1に記載の染料を表中の所定量添加し、以下に示す組成の成分を添加し総量が100部になるように水を混合した後、十分に攪拌して溶解させた。その後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、基本色であるイエローおよび特色であるレッドのインクを調製した。
イエローおよびレッドのインク組成
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)製)
1部
染料 所定量部
水 残部
Figure 0004328691
上記イエローインクおよび特色インク、記録媒体としてPR101(キヤノン(株)製)、画像形成装置として、インクジェット式画像形成装置であるキヤノン(株)製PIXUS950i改造機を用いて画像を形成し、以下の評価を行った。画像のL、a、bの測定には、Gretag Macbeth社製Spectrolinoを用いた。測定条件は、観測光源:D50、観測視野:2度、濃度:ANSI A、白色基準:Abs、フィルタ:Noにて行った。
実施例では、上記インクセットのイエローインクおよびレッドインクのみでの、50%デューティのいわゆるベタ印字を行った。ここでの100%デューティとは2400dpi×1200dpiの解像度で全てのについて1ドット付与した場合を示し、50%デューティとは1200dpi×1200dpiの解像度で1ドットを付与した場合に相当する。本実施例では1ドットあたり2.5ng付与しており、50%デューティでは1平方インチの単位面積あたりの付与量に換算すると3.6mgとなる。
また、特色インクを単独で用いる場合と、特色インクにイエローインクを重ね打ちする場合とで、0〜100%デューティまで16階調のパッチパターンを形成した。この際、イエローインクを重ね打ちする階調パターンでは、特色インクの付与量と同量となるようにイエローインク付与したパターンと、特色インクの記録デューティに応じて特色インクに対するイエローインクの付与比率(イエローDuty/特色Duty)を段階的に変えたパターンとについて行った。
なお、ここではそれぞれの出力値に応じた特色インクおよびイエローインクのデータを同一画素内に含んだ画像データを後段処理J0003にて作成し、その後、前述のような画像処理(ハーフトン処理、ドットパターン配置化処理等)を経て上述の画像形成装置にて出力を行った。
図4は本実施例で行った各特色インクの記録デューティにおけるイエローと特色インクとの記録比率の関係である。それぞれの特色およびイエローインクの単色パッチと重ね打ちしたパッチパターンを印字後48時間室内暗所に放置し、下記条件にて光褪色試験を行った。
光褪色試験条件
インナー及びアウターフィルターとしてS−Typeボロシリケイトを装着したキセノンウェザオメーターCi4000(アトラス社製)にて、槽内温度50℃、相対湿度70%、340nmにおける照射エネルギーが0.39W/mの条件下で、30時間曝露照射した。試験前後の記録物は上記方法で測色を行い、色差ΔE(CIE−L)を求めた。
特色インクの50%デューティでのΔE1とイエローインクの50%デューティでのΔE2との比率ΔE2/ΔE1は0.27であった。これより、イエローインクは特色インクよりも十分に耐候性に優れていることがわかる。
また、特色インク単体および特色インクにイエローインクを重ね打ちした階調パターンの各記録デューティにおけるΔEを図3に示した。
以上の結果より、特色インクに耐候性の良いイエローインクを重ね打ちすることによって、耐候性が著しく向上することが分かる。また、高デューティ部から低デューティ部にかけて耐候性の良いイエローインクの付与比率を段階的に上げることによって、耐候性がさらに向上するとともに、記録付与量の多い高デューティ部において総インク使用量を減らすことができることがわかる。
(実施例2)
実施例1と同様のインク、記録媒体、画像処理方法および画像形成装置を用い、特色インク単体および特色インクにイエローインクを重ね打ちした0〜100%デューティまで16階調のパッチパターンを記録した。この際、イエローインクを重ね打ちする階調パターンでは、特色インクに対するイエローインクの付与色材密度が平方インチ(参考値)あたり0.05mgとなるパターンについて行った。それぞれのパッチパターンを記録後、48時間室内暗所に放置し、実施例1と同様の条件にて光褪色試験を行った。
図12はそれぞれのパターンでの記録媒体への特色インクの付与染料密度とΔEとの関係を示す。この結果より、特色インクを記録する領域に対して耐候性の良いイエローインク中に含まれる色材を付与する量が平方インチあたり0.05mgの場合においても、耐候性の向上効果が明確に認められる。
(実施例3)
次に、実施例1のイエローインクおよびレッドインクに、以下のシアン、マゼンタおよびブラックインクを追加し、フルカラー自然画として「1.夕焼けの景色」と「2.紅葉の景色」との2種類の画像を形成した。画像形成は、イエロー、マゼンタ、シアン、レッドおよびブラックを用いて行なった。この際、画素データ内にレッドインクのデータを含む際に、同時に少なくともイエローインクのデータを含む形態となるように、後段処理J0003における3次元LUTと補間演算を構成した。つまり、後段処理J0003において、8ビットのRGBデータを8ビットの色分解データ(CMYKRデータ)に変換するに際し、変換前のRGBデータが表す色を再現するのにレッドインクのみで足りる場合であっても、Rデータのみに変換するのではなく、RデータとYデータに変換するようにした。言い換えれば、8ビットのRGBデータを変換して8ビットの色分解データCMYKRを出力する際に、Rデータが出力される場合にはYデータも共に出力されるように、後段処理J0003における3次元LUTと補間演算を構成したのである。従って、レッドインクのみで表現可能な色域であっても、その色域はレッドインクのみで記録されるのではなく、少なくとも耐候性の良いイエローが併用されて記録されることになる。
上記画像形成に用いた被記録媒体にはPR101(キヤノン(株)製)、画像形成装置にはインクジェット式画像形成装置である、キヤノン(株)製ピクサス950i改造機を用いた。実施例のインクはそれぞれ、イエローインクタンク位置にイエローインク、マゼンタインクタンク位置にマゼンタインク、シアンインクタンク位置にシアンインク、フォトマゼンタインクタンク位置に特色インク、ブラックインクタンク位置にブラックインクを装着した。
シアンインク
グリセリン 10%
ジエチレングリコール 10%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)製)
1%
ダイレクトブルー199 3%
水 76%
マゼンタインク
グリセリン 10%
ジエチレングリコール 10%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)製)
1%
下記例示化合物 3%
水 76%
例示化合物
Figure 0004328691
ブラックインク
グリセリン 10%
ジエチレングリコール 10%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)製)
1%
フードブラック2 3%
水 76%
実施例3の画像評価は出力画像2種について「鮮やかさ」の観点で目視評価した。評価の比較対象として、上記インクセットのうちレッドインクを含まないイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックインクの4色にて同じ画像を出力し、その出力画像を基準として評価を行った。この結果、実施例3の出力画像2種はいずれも比較対象の4色画像に対して、出力画像が鮮やかで、立体感や透明感の点で優れた画像が得られることが確認された。
本発明の一実施形態に係るプリントシステムの構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、耐候性の劣る特色のインクドットに耐候性の良好な基本色のインクドットが重ね打ちされる態様の3例を示す説明図である。 特色インクを単独で用いた場合、および特色インクより耐候性の良い基本色インクを特色インクに重畳(重ね打ち)させた場合の、特色インクの記録デューティと耐候性との関係を示す図である。 図3に示すそれぞれのパターンでの特色インクの記録デューティと、特色インクに対する基本色インクの付与比率とをグラフ化した図である。 本発明の実施形態における記録装置の斜視図である。 本発明の実施形態における記録装置の機構部の斜視図である。 本発明の実施形態における記録装置の断面図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにインクタンクを装着する状態示した斜視図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジの分解斜視図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。 特色インクの色である当該レッド、イエローとマゼンタとの混色で形成される色、および、ポジティブフィルムで表現される色の、明度と彩度との関係を模式的に示した図である。 第3の実施例で行った記録のデューティとインクの色材濃度から換算された記録媒体への付与染料密度との関係を示す図である。 本発明の実施形態における後段処理の一例を説明するための図である。 本発明の実施形態における後段処理の他の例を説明するための図である。
符号の説明
J0001 アプリケーション
J0002 前段処理
J0003 後段処理
J0004 γ補正
J0005 ハーフトーニング
J0006 印刷データの作成処理
J0007 ドット配置パターン化処理
J0008 マスクデータ変換処理
J0009 ヘッド駆動回路
J0010 記録へッド
M2041 分離ローラ
M2080 給紙ローラ
M3000 ピンチローラホルダ
M3040 プラテン
M3060 搬送ローラ
M3070 ピンチローラ
M3110 排紙ローラ
M3120 拍車
M3160 排紙トレイ
M4000 キャリッジ
M5000 ポンプ
M5010 キャップ
E0002 LFモータ
E0014 メイン基板
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H2000 シアンノズル例
H2100 マゼンタノズル列
H2200 イエローノズル列
H2300 ブラックノズル列
H2400 レッドノズル列
H2500 グリーンノズル列
H2600 ブルーノズル列

Claims (15)

  1. CIE−L 色空間において、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の組み合わせにより表現可能な色再現領域内の色相を示す特色の記録剤を少なくとも付与して記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
    前記特色の記録剤が付与される前記記録媒体上の画素に対し、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤を付与することを特徴とする画像形成方法。
  2. CIE−L 色空間において、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を少なくとも用いて記録媒体に画像形成する画像形成方法であって、
    前記特色の記録剤を用いて表現される画素に対応した画素データを生成する生成工程を有し、
    前記生成工程では、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるような前記画素データを生成することを特徴とする画像形成方法。
  3. シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤と、CIE−L色空間において、前記3つの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の組み合わせにより表現可能な色再現領域内の色相を示す特色の記録剤とを付与するための付与手段を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
    1画素に対応するRGBデータを、前記画像形成に使用される記録剤に対応した画素データに変換する変換工程と、
    前記変換工程において変換された画素データに基づいて、前記付与手段より記録剤を付与する付与工程とを有し、
    前記変換工程では、前記2つの基本色の記録剤の組み合わせにより表現される色再現領域内の色に対応した画素データに変換する場合、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの前記基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるように、前記RGBデータを前記画素データに変換することを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記画素の濃度レベルが高くなるに従って、前記特色の記録剤の使用量が多くなると共に当該特色の記録剤の使用量に対する前記少なくとも1つの基本色の記録剤の使用量の比率が小さくなるように、前記画素の形成に使用される前記特色の記録剤と前記少なくとも1つの基本色の記録剤の比率を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記特色の記録剤および前記少なくとも1つの基本色の記録剤をそれぞれ用いて所定の画像を形成して得た記録物についての所定の褪色試験前後の色差をそれぞれΔE1およびΔE2とするとき、ΔE2/ΔE1≦0.8であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記特色の記録剤は、CIE−L色空間において、前記2つの基本色の記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現可能な色再現領域よりも高い明度および高い彩度の少なくとも一方を表現できことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記特色の記録剤はレッドの記録剤であり、
    前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、前記少なくとも1つの基本色の記録剤は、前記マゼンタの記録剤および前記イエローの記録剤の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 前記特色の記録剤はグリーンの記録剤であり、
    前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、前記少なくとも1つの基本色の記録剤は、前記シアンの記録剤および前記イエローの記録剤の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 前記特色の記録剤はブルーの記録剤であり、
    前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、前記少なくとも1つの基本色の記録剤は、前記マゼンタの記録剤および前記シアンの記録剤の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. CIE−L 色空間において、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を少なくとも付与して記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記特色の記録剤が付与される前記記録媒体上の画素に対し、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤を付与することを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記特色の記録剤は、CIE−L 色空間において、前記2つの基本色の記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現可能な色再現領域よりも高い明度および高い彩度の少なくとも一方を表現できることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置
  12. 画像形成に使用される画素データを生成するためのデータ生成装置であって、
    シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を用いて表現される画素に対応した画素データを生成する場合、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるような前記画素データを生成することを特徴とするデータ生成装置。
  13. 前記特色の記録剤は、CIE−L色空間において、前記2つの基本色の記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現可能な色再現領域よりも高い明度および高い彩度の少なくとも一方を表現できることを特徴とする請求項12に記載のデータ生成装置。
  14. 画像形成に使用される画素データを生成する生成工程をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記生成工程は、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色の記録剤のうちの2つの基本色の記録剤の色相の間の色相を示す特色の記録剤を用いて表現される画素に対応した画素データを生成するにあたり、前記特色の記録剤に対応したデータと、前記2つの基本色の記録剤のうちの、前記特色の記録剤よりも耐候性の良い、少なくとも1つの基本色の記録剤に対応したデータとが含まれるような前記画素データを生成することを特徴とするプログラム。
  15. 前記特色の記録剤は、CIE−L色空間において、前記2つの基本色の記録剤の組み合わせにより記録媒体上に表現可能な色再現領域よりも高い明度および高い彩度の少なくとも一方を表現できることを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
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