JP5009201B2 - 画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム - Google Patents

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本発明はインクジェット記録方式の画像形成装置該画像形成装置の画像形成方法及び画像形成プログラムに関わり、特にインクを吐出してドットを形成する複数のノズルが少なくとも一方向に配列され、前記一方向と直交する方向に画像を記録する記録ヘッドと、記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記一方向に相対的に移動する移動手段を備えたインクジェット記録装置当該インクジェット記録装置の画像形成方法及び画像形成プログラムに関わる。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴吐出ヘッドを記録ヘッドに用いたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク記録ヘッドから被記録媒体(記録媒体、用紙、転写紙などとも称され、紙に限定あされるものではなく、OHP用紙などを含み、インク(記録液)が付着可能なものの意味である。)にインクを吐出して記録を行うものであり、高精細なカラー画像を高速で記録することができる。
通常、インクジェット記録装置で使用される記録液としてのインクは、水を主成分とし、これに着色剤、及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有してものが一般的である。着色剤としては、染料と顔料があり、優れた発色性や安定性が得られる点から、カラー色部には染料系インクが用いられる場合が多い。
この染料系インクを用いて得られる画像の耐光性、耐水性等の堅牢性は、着色剤に顔料を使用したものに対して劣るものであり、特に耐水性については、インク吸収層を有するインクジェット専用記録紙を使用すればある程度の改善を図ることは可能となるが、普通紙を使用した場合には、満足を得られるものとはなっていない。
そこで、最近では普通紙を使用する場合の上記染料インクにおける問題点を改善するために着色剤として有機顔料、カーボンブラック等を用いる顔料系インクの使用が検討、あるいは実用化がされている。顔料は染料とは異なり、水への溶解性がないため、通常は顔料を分散剤とともに混合し、分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとして用いる。
インクジェット記録装置は、廉価な価格設定と専用紙を用いた場合の高画質特性を有することから、当初はパーソナル用途で急速に普及していったが、最近では、上述の様な顔料インクの研究開発が進められた成果として、従来は電子写真方式のレーザープリンタが主流であったオフィスの普通紙記録においても、カラー出力が可能な記録装置として使用されるようになっている。
このようなインクジェット記録装置のインク記録ヘッドにおいては、ノズル周辺の汚れの付着による吐出方向の曲がり、不吐出、ノズル付近のインクの乾燥による目詰まりによる不吐出を防ぐために定期的にクリーニング(メンテナンス)を行う必要があるため、多量の印字を連続して行う場合には、メンテナンスのためのダウンタイムとインクの消費が生じる。
また、長時間使用した場合には、前記クリーニングにより、ノズル周辺の撥水状態が劣化し、更に、インクの固形分がノズル周辺に徐々に固着する。従って、白筋の補正ができない印字方法では、白筋などの画質劣化が発生するため、画質を改善するためには記録ヘッドを交換しなければならない。
一方、上述の様な画像欠陥を防止する技術が提案されている(特許文献1〜4参照。)。
まず特許文献1に記載の技術では、不吐出ノズルを検出する検出装置を設けて、不吐出ノズルを検出し、不吐出ノズルが発生した場合には、不吐出ノズルに対応するデータを除いてプリントヘッドを主走査送りして印字するようになっている。その後、不吐出ノズルに対応する幅だけ副走査送りを行い、主走査の戻り走査時に、異常が発生していないノズルで補完印字を行う。また、補完ノズルの駆動回数の総和が所定の値を超えたら、補完のための副走査送り量を変更して、他のノズルを補完ノズルとして使用することが提案されている。
また、特許文献2に記載の技術では、特許文献1に記載の技術と同様に、不吐出ノズルを検出する検出装置を設けて、不吐出ノズルを検出し、不吐出ノズルが発生した場合には、不吐出ノズルに対応するデータを予め除去して前進印字する(このとき白筋が発生する)。また、後進印字に先立ち白筋と不吐出ノズルが重ならないように若干量の副走査送りを行い、健全なノズルに除去したデータを逆順に加えて戻り時に白筋部を補完するように補完印字を行うことが提案されている。
また、特許文献3に記載の技術では、不吐出ノズルを検出する装置を設け、不吐出ノズルを補完する場合、補完すべき別のノズルが吐出不良となった場合に、高画質モードでは印字パス数を増やすことで補完を行い、高速モードでは擬似的な補完を行うことが提案されている。
また、特許文献4に記載の技術では、不吐出ノズルを検出する検出装置を設けずに、記録ヘッドによって形成するドット数を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数された値が予め定められた閾値を超えた時に、前記記録ヘッドのノズル配列の両端部付近におけるノズル使用を制限するように前記記録ヘッドを制御すると共に、前記移動手段による移動量をノズルの使用制限に応じて変更するように前記移動手段を制御する制御手段を備えることで、ノズル配列の両端部付近における吐出の不良による白筋を防止することが提案されている。
このように、特許文献1や特許文献2、特許文献3、特許文献4のように処理をすることにより、白筋等の画質欠陥を防止することができる。
特開平11−77986号公報 特開平8−25700号公報 特開2006−159547号公報 特開2006−1073号公報
しかしながら、特許文献1〜3記載の技術では、何れも吐出不良ノズルを検出するための処理を行うための検出装置が必要であり、装置のコストアップとなってしまう、という問題があった。
また、特許文献4に記載の技術では、インクを加熱する加熱手段によってインクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドにおける、ノズル配列の両端部付近における吐出の不良の補完、に限定されるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、複雑で高価な検出装置を持つことなく、また、記録ヘッドの方式や吐出不良ノズルの位置を限定すること無く、吐出不良による画像劣化を防止することを可能とする画像形成装置画像処理方法及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 インクを吐出して被記録媒体上にドットを形成する複数のノズル(ノズル孔14n)が少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体(用紙3)上に画像を形成する記録ヘッド(記録ヘッド14)と、被記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段(搬送機構5)と、入力された画像データに基づいて前記記録ヘッドによって形成するドット数を計数するドット数計数手段と、前記記録ヘッドのメンテナンス回数を計測するメンテナンス回数計測手段と、前記記録ヘッドにおける直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数するドット非形成時間計数手段と、被記録媒体上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、前記記録ヘッドを1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、前記記録ヘッドを複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定する印写方法設定手段と、を備え、入力された画像データが黒画像以外の画像である場合(ステップ331のN)、前記印写方法設定手段は、前記ドット数計数手段で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値(閾値A)以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数手段で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測手段で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値(閾値B)以上であるときに(ステップ335のY)、マルチパス印写方法を設定し(ステップ336)、前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに(ステップ335のN)、1パス印写方法を設定する(ステップ337)ことを特徴とする画像形成装置(インクジェット記録装置、図1,図2,図13)。
〔2〕 力された画像データが黒画像である場合(ステップ331のY)、1パス印写方法を設定する(ステップ334)ことを特徴とする前記〔1〕に記載の画像形成装置(インクジェット記録装置、図1,図2,図13)。
〔3〕 前記印写方法設定手段は、印写ジョブ間、または印写ジョブ中のページ間に、印写方法を設定する前記〔1〕または[2]に記載の画像形成装置。
〔4〕 インクを吐出して被記録媒体上にドットを形成する複数のノズル(ノズル孔14n)が少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体(用紙3)上に画像を形成する記録ヘッド(記録ヘッド14)と、被記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段(搬送機構5)と、を備えた画像形成装置(インクジェット記録装置)における画像形成方法において、入力された画像データに基づいて前記記録ヘッドによって形成するドット数を計数するドット数計数工程と、前記記録ヘッドのメンテナンス回数を計数するメンテナンス回数計数工程と、前記記録ヘッドにおける直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数するドット非形成時間計数工程と、被記録媒体上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、前記記録ヘッドを1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、前記記録ヘッドを複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定する印写方法設定工程と、を備え、入力された画像データが黒画像以外の画像である場合(ステップ331のN)、前記印写方法設定工程では、前記ドット数計数工程で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値(閾値A)以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数工程で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測工程で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値(閾値B)以上であるときに(ステップ335のY)、マルチパス印写方法を設定し(ステップ336)、前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに(ステップ335のN)、1パス印写方法を設定する(ステップ337)ことが行なわれる画像形成方法(図13)
〔5〕 前記印写方法設定工程では、印写ジョブ間、または印写ジョブ中のページ間に、印写方法を設定することが行なわれる前記〔4〕に記載の画像形成方法。
〔6〕 インクを吐出して被記録媒体上にドットを形成する複数のノズルが少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体上に画像を形成する記録ヘッドと、被記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、を備えた画像形成装置に、入力された画像データに基づいて前記記録ヘッドによって形成するドット数を計数させるドット数計数処理と、前記記録ヘッドのメンテナンス回数を計数させるメンテナンス回数計数処理と、前記記録ヘッドにおける直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数させるドット非形成時間計数処理と、被記録媒体上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、前記記録ヘッドを1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、前記記録ヘッドを複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定させる印写方法設定処理と、を実行させ、入力された画像データが黒画像以外の画像である場合、前記印写方法設定処理では、前記ドット数計数処理で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数処理で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測処理で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値以上であるときに、マルチパス印写方法を設定させ、前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに、1パス印写方法を設定させる画像形成プログラム。
本発明によれば、高価な不吐出ノズルの検出装置を設けること無く、記録ヘッドの吐出不良による画像劣化を防ぐ場合にも、スループットの低下の機会を減らすことが可能となる。
まず、本発明を適用する双方向印刷可能な画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一例について図1乃至図4を参照して説明する。なお、図1は同記録装置の機構部全体の概略構成図、図2は同記録装置の要部平面説明図、図3は同記録装置のヘッド構成を説明する斜視説明図、図4は同記録装置の搬送ベルトの模式的断面説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1の内部に画像形成部2等を有し、装置本体1の下方側に多数枚の被記録媒体(以下「用紙」という。)3を積載可能な給紙トレイ4を備え、この給紙トレイ4から給紙される用紙3を取り込み、搬送機構5によって用紙3を搬送しながら画像形成部2によって所要の画像を記録した後、装置本体1の側方に装着された排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
また、このインクジェット記録装置は、装置本体1に対して着脱可能な両面ユニット7を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構5によって用紙3を逆方向に搬送しながら両面ユニット7内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
ここで、画像形成部2は、ガイドシャフト11,12にキャリッジ13を摺動可能に保持し、図示しない主走査モータでキャリッジ13を用紙3の搬送方向と直交する方向に移動(主走査)させる。このキャリッジ13には、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズル孔14n(図3参照)を配列した液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド14を搭載し、また、この記録ヘッド14に液体を供給するインクカートリッジ15を着脱自在に搭載している。なお、インクカートリッジ15に代えてヘッドタンクを搭載し、メインタンクからインクをヘッドタンクに補充供給する構成とすることもできる。
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドとしているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。なお、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
給紙トレイ4の用紙3は、給紙コロ(半月コロ)21と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体1内に給紙され、搬送機構5に送り込まれる。
搬送機構5は、給紙された用紙3をガイド面23aに沿って上方にガイドし、また両面ユニット7から送り込まれる用紙3をガイド面23bに沿ってガイドする搬送ガイド部23と、用紙3を搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24に対して用紙3を押し付ける加圧コロ25と、用紙3を反すローラ24側にガイドするガイド部材26と、両面印刷時に戻される用紙3を両面ユニット7に案内するガイド部材27と、搬送ローラ24から送り出す用紙3を押圧する押し付けコロ28とを有している。
さらに、搬送機構5は、記録ヘッド14で用紙3の平面性を維持したまま搬送するために、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に掛け渡した搬送ベルト33と、この搬送ベルト33を帯電させるための帯電ローラ34と、この帯電ローラ34に対向するガイドローラ35と、図示しないが、搬送ベルト33を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)と、搬送ベルト33に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31と従動ローラ(テンションローラ)32との間に掛け渡されて、図1の矢示方向(用紙搬送方向)に周回するように構成している。
この搬送ベルト33は、単層構成、又は図4に示すように第1層(最表層)33aと第2層(裏層)33bの2層構成あるいは3層以上の構成とすることができる。例えば、この搬送ベルト33は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏面(中抵抗層、アース層)とで構成する。
帯電ローラ34は、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置されている。この帯電ローラ34には図示しない高圧回路(高圧電源)から高電圧が所定のパターンで印加される。
また、搬送機構5から下流側には画像が記録された用紙3を排紙トレイ6に送り出すための排紙ローラ38を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト33は矢示方向に周回し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ34と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ34からは所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、所定の帯電ピッチで帯電させる。
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト33上に用紙3が給紙されると、用紙3内部が分極状態になり、搬送ベルト33上の電荷と逆極性の電荷が用紙3のベルト33と接触している面に誘電され、ベルト33上の電荷と搬送される用紙3上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙3は搬送ベルト33に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト33に強力に吸着した用紙3は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そこで、搬送ベルト33を周回させて用紙3を移動させた後、キャリッジ13を片方向又は双方向に移動走査しながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動し、図5(a)、(b)に示すように、記録ヘッド14から液滴14iを吐出(噴射)させて、停止している用紙3に液滴であるインク滴を着弾させてドットDiを形成することにより、1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。なお、図5(b)は図5(a)のドットDi形成部分を拡大したものである。
このようにして、画像が記録された用紙3は排紙ローラ38によって排紙トレイ6に排紙される。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部100は、装置全体の制御を司るCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリー(NVRAM)104と、各種信号処理、並び替えなどを行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。
また、この制御部100は、本発明に係るプリンタドライバを搭載可能なパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置であるホスト90側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F106と、記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部107及びヘッドドライバ108と、主走査モータ110を駆動するための主走査モータ駆動部111と、副走査モータ112を駆動するための副走査モータ駆動部113と、環境温度及び/又は環境湿度を検出する環境センサ118、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O116などを備えている。
また、この制御部110には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル117が接続されている。さらに、制御部100は、帯電ローラ34に対する高電圧を印加する高圧回路(高圧電源)114のオン/オフの切替え及び出力極性の切替え制御を行う。
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読取装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F106で受信する。なお、この制御部100に対する印刷データの生成出力は、ホスト90側のプリンタドライバ91によって行うようにしている。
そして、CPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にてデータの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するための印刷データのビットマップデータへの変換は、ホスト90側のプリンタドライバ91で画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしているが、例えばROM102にフォントデータを格納して行っても良い。
ヘッド駆動制御部107は、記録ヘッド14の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ108にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ108に送出する。
このヘッド駆動制御部107は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM102で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
また、ヘッドドライバ108は、ヘッド駆動制御部107からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をヘッド駆動制御部107からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド14のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動する。
次に、この画像形成装置によって画像を形成するために画像データを転送するホスト側となる本発明に係るプリンタドライバを含むデータ処理装置の構成の異なる例について図7及び図8を参照して説明する。
まず、図7に示す例では、データ処理装置のプリンタドライバ91は、アプリケーションソフトなどから与えた画像データ130をモニタ表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理部131、CMYの値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(Black Generation / Under Color Removal)処理部132、記録装置の特性やユーザーの嗜好を反映した入出力補正を行うγ補正部133、記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行うズーミング(Zooming)部134、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部135を含んでいる。
また、図8に示す例では、データ処理装置のプリンタドライバ91は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ130をモニタ表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理部131、CMYの値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(Black Generation / Under Color Removal)処理部132、記録装置の特性やユーザーの嗜好を反映した入出力補正を行うγ補正部133を含んでいる。
そして、この図8の構成の場合、画像形成装置側の制御部100では、γ補正処理を行った後の出力データを受信して、このデータに対して記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行うズーミング(Zooming)部134、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部135を含むことになる。
つまり、これらの図7及び図8において、コンピュータ上で処理された画像データは、モニタに表示する前提で色空間が形成されているために、RGB表色系のデータとなっているが、プリンタ(記録装置)で出力するためにはCMYK表色系のデータに変換する必要がある。そこで、CMM処理部131で、RGB→CMYの色空間の変換を行い、次のBG/UCR処理部132にて、CMYから黒のデータ「K」を作り出している。
また、γ補正部133によるγ補正は、CMYKのそれぞれのデータに対する微調整であり、プリンタの出力特性およびユーザーの設定を反映してデータのレベル調整を行う処理である。ズーミング(Zooming)処理部134は、一画素あたりの情報量がモニタより劣るプリンタで階調表現を行うために、モニタの一画素分のデータを更に細分化して解像度を上げることにより不足した情報をドットの密度で補うことが可能となる。
中間調処理部(多値、少値マトリクス)135は、モニタ表示用に作成された多値データ(m値)を、プリンタで出力可能な多値(n1値)もしくは少値データ(n2値)に置き換える閾値マトリクス処理(中間調処理)を行う(m>n1≧n2≧2)。この中間調処理部135で用いる多値、少値マトリクスは、例えば図9に示すような閾値マトリクスを用いた所謂ディザ処理や、図10に示すような所謂誤差拡散処理が適用され、元の多値データをドットのON/OFFで置き換える処理を行う。
図9に示す「ディザ処理」は、同図(a)に示すように入力された多値画像データに対して、同図(b)に示すような所定の方法で作成された閾値マトリクスであるディザマトリクスとの比較を行い、同図(c)に示すように、その閾値以上(あるいは以下)の値を示す画素のみをドットに置き換える手法である。なお、同図ではON/OFFのみの2値について示しているが、それ以上の組み合わせを持つ少値については、再現可能階調領域を例えば小ドット、中ドット、大ドットに区分し、それぞれのドットサイズに応じた閾値マトリクスを適用し、それぞれを入力画像データと比較することで対応したドットへの置き換えを行うことになる。
また、図10に示す誤差拡散処理は、ディザ処理と比べるとかなり複雑な処理となる。同図は2値誤差拡散の手順について示したものであるが、画素毎に閾値処理を行い、その際の誤差を保持しつつ後の計算に所定の比率で反映させている。これにより、ディザ処理では強制的に切り捨てられてしまう分の情報をも出力画像にフィードバックさせることができ、解像力等の面でディザ画像を上回る品質を得ることができる。
本発明に用いられる記録液は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
<顔料>
本発明の記録液に用いる顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンター内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
色別により具体的には以下のものが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同73、同74、同75、同83、同93、同95、同97、同98、同114、同128、同129、同151、同154等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同112、同123、同168、同184、同202等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:34、同16、同22、同60、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
又、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用記録液に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、などが挙げられる。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
このように樹脂被覆することによって顔料が印刷物にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
<染料>
本発明の記録液に用いられる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。これら
着色剤は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
(a)酸性染料及び食用染料として
C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フード・イエロー 3,4
C.I.フード・レッド 7,9,14
C.I.フード・ブラック 1,2
(b)直接染料として
C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171
(c)塩基性染料として
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック・ブラック 2,8
(d)反応性染料として
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
<染料・顔料共通の添加剤、物性>
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(I)〜(IV)で表されるものが好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
Figure 0005009201

(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、k:5〜20)
Figure 0005009201

(m、nは0〜40)
Figure 0005009201

(Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖、nは5〜20)
Figure 0005009201

(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m、nは20以下の数)
前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明の記録液の表面張力は、20〜60dyne/cmであることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは30〜50dyne/cmであることがさらに好ましい。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明の記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明の記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明の記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明の記録液は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
本発明の記録液はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
<記録ヘッドのメンテナンスに関する閾値による印写方法の設定>
次に、記録ヘッドの吐出不良を検出する手段の従来技術について説明する。図11(a)に示す例では、記録ヘッド14から吐出される、インク滴14jを、光源51で照らし、光センサ52で、明るさの変動を検出することで、記録ヘッドの目詰まりを検出している。また図11(b)に示す例では、用紙3に記録された、記録ヘッドの各ノズルの印写画像を画像センサで読み取ることにより、記録ヘッドの目詰まりを検出している。
これらに示す様に、従来の技術では高価な検出装置を必要とし、検出のためのダウンタイムが生じ、更に図11(b)に示す例では検出のために用紙を消耗する。また、不吐出の検出としては有効であるが、吐出方向の曲がり等については、検出が難しい。
また、検出装置を使わない記録ヘッドの目詰まりによる画像劣化を防止する従来技術の例を図12に示す。この技術では、総ドットカウントを取得して計数手段によって計数し(ステップ210)、記憶手段に記憶されたノズル制限を行うためのテーブルを読取り(ステップ212)、そして、計数手段によって計数された総ドット数を予め定められた閾値との比較を行い(ステップ214)、総ドット数が閾値よりも大きい場合(ステップ214のY)に、記憶手段に記憶されたテーブルに応じてインクジェット記録ヘッドのノズル配列の両端部付近のノズルの使用を制限する(ステップ220)とともに、使用するノズルに応じて記録紙の送り量を変更して(ステップ222)、記録を行うものである(ステップ224)。この例では、総ドットカウント数に依存する吐出不良、且つノズル列端部に発生する吐出不良のみについて有効であった。
これに対して、本発明に係る画像形成装置は、図1,図2に示すように、インクを吐出して用紙(被記録媒体)3上にドットを形成する複数のノズルが少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体上に画像を形成する記録ヘッド14と、被記録媒体と記録ヘッド14の位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、を備えた画像形成装置1において、入力された画像データに基づいて記録ヘッド14によって形成するドット数を計数するドット数計数手段と、記録ヘッド14のメンテナンス回数を計測するメンテナンス回数計測手段と、記録ヘッド14における直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数するドット非形成時間計数手段と、被記録媒体(用紙3)上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、記録ヘッド14を1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、記録ヘッド14を複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定する印写方法設定手段と、を備え、入力された画像データが黒画像以外の画像である場合、前記印写方法設定手段は、前記ドット数計数手段で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数手段で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測手段で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値以上であるときに、マルチパス印写方法を設定し、前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに、1パス印写方法を設定するものである。黒画像以外の画像、例えばカラー画像の形成の場合には、インクの吐出不良の画像劣化への影響が大きいために、印写方法の設定に関して多くの項目について厳格に判断する必要がある。
また、この構成の画像形成装置1において、被記録媒体(用紙3)上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、記録ヘッド14を1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、記録ヘッド14を複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定する印写方法設定手段を備え、黒画像の形成は、前記記録ヘッドがブラックインク、及び重ねられることにより擬似ブラックドットを形成する黒色以外の複数の色のインクそれぞれを吐出してそれぞれのドットを被記録媒体上の同じ位置に形成することによりなされるものであり、入力された画像データが黒画像である場合、前記印写方法設定手段は、1パス印写方法を設定するものである。
また、これらの画像形成装置1において、前記印写方法設定手段は、印写ジョブ間、または印写ジョブ中のページ間に、つぎの印写ジョブまたは当該印写ジョブ中のつぎのページ印刷の印写方法を設定するようにすることが好適である。なお、印写ジョブとは1つの印刷要求に対応して行われるひとまとまりの画像形成処理(あるいは一度の印刷要求で出力される印刷作業)のことであり、1枚のシート(1ページ)に画像形成する場合と、複数枚のシートを連続通紙して画像形成する場合とがある。
ここで、「1パス印写方法」は、記録ヘッド14が1回走査されて用紙3の所定領域に画像を形成する通常の印写方法である。また、「マルチパス印写方法」は、1パス印写方法により1回の記録ヘッド14の走査で形成される画像を、記録ヘッド14を複数回走査させて形成する印写方法である。すなわち、1回の記録ヘッド14の走査で形成される画像として、ある領域に最終的に形成される画像が、それを構成するドットを複数回の記録ヘッド14の走査用のそれぞれの画像を構成するドットに分割され、すなわち間引かれる画像処理が行なわれる。そして、記録ヘッド14の走査ごとに行われる用紙3の搬送の送り量が1パス印写方法の走査の際の形成される画像の幅よりも短い量に設定される。これにより、記録ヘッド14の1走査での画像形成領域に、用紙3の搬送方向に見て所定の幅だけ重なった領域に記録ヘッド14のつぎの走査で画像を形成し、それぞれの走査で形成される間引かれた画像を重ねて最終的な画像を形成するものである。
「メンテナンス回数計測手段」は、記録ヘッド14が新品に更新された時点からメンテナンス回数の計測を開始する。また、「ドット数計数手段」は、入力された画像データに関してCMM処理、γ補正処理、中間調処理を行なってラスタライズされた画像の総ドット数を計数して累計し、計数結果を出力するものである。本発明の場合、1ページ分の画像データの総ドット数、または1つの印写ジョブの全画像データの総ドット数が計数される。さらに、「ドット非形成時間計数手段」は、記録ヘッド14における直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数して出力するものである。
つぎに、本発明に係る画像形成方法として、この画像形成装置1における記録ヘッド14の吐出不良による画像劣化を防止する工程について、図13及び図14を参照して説明する。
印写ジョブ間または印写ジョブ中のページ間において(すなわち画像形成装置1に1つの印写ジョブとして画像データが入力された時、または1つの印写ジョブの中において1ページの印写が終わった時)、ドット数計数手段が、入力された画像データに関して印刷ジョブ分、またはつぎの1ページ分の総ドット数を計数する(ドット数計数工程、ステップ310)。つぎに、ドット非形成時間計数手段が、記録ヘッド14における直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数する(ドット非形成時間計数工程、ステップ311)。ついで、メンテナンス回数計測手段が、記録ヘッド14が新品に更新された時点からのメンテナンス回数を計測する(メンテナンス回数計測工程、ステップ312)。
つぎに、印写ジョブの印写条件のうち、マルチパス印写方法での記録であるか否かを判定する(ステップ330)。ここで、マルチパス印写方法での記録である場合(ステップ330のY)には、印写方法設定手段は、そのままの印写方法(マルチパス印写方法)を設定し(ステップ340)、ステップ324に進む。
マルチパス印写方法での記録でない場合(1パス印写方法での記録である場合、ステップ330のN)、画像形成装置1に設けられた画像データ判定手段が、入力された画像データ(印写ジョブ全体またはつぎの1ページ分)が黒画像のみであるか否かを判定する(ステップ331)。
黒画像である場合(ステップ331のY)、印写方法設定手段は、そのままの印写方法(1パス印写方法)を設定し(ステップ334)、ステップ324に進む。これは黒画像の形成方法が、記録ヘッド14がブラックインク、及び重ねられることにより擬似ブラックドットを形成する黒色以外の複数の色のインクそれぞれを吐出してそれぞれのドットを被記録媒体上の同じ位置に形成する方法であるからである。
つぎに、黒画像でない場合(ステップ331のN)、印写方法設定手段が、ドット数計数手段が計数した総ドット数と予め定められた第1の閾値である閾値Aとを比較し、さらに前記ドット非形成時間計数手段で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測手段で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値である閾値Bとを比較する(ステップ335)。このときの閾値Bについて、図14を用いて説明する。図14は、記録ヘッド14のメンテナンス回数とメンテナンス後の非吐出時間との関係において、吐出不良が発生する境界値を示している。ここで、図中の実線C上またはそれを超えるメンテナンス後の非吐出時間になると吐出不良が発生するものと判定できる。そこで、まず図14においてメンテナンス回数計測手段で計測されたメンテナンス回数(直近のメンテナンス回数)におけるメンテナンス後非吐出時間を求めてこれを閾値Bとし、該閾値Bとドット非形成時間計数手段で計数されたドット非形成時間とを比較するものである。
前記総ドット数が閾値A以上であり、かつ前記ドット非形成時間が閾値B以上である場合(ステップ335のY)、印写方法設定手段が1パス印写方法からマルチパス印写方法に変更して設定し(ステップ336)、ステップ324に進む。このように前記所定の条件でマルチパス印写方法に変更する構成とすることで、総ドットカウントに依存する劣化以外の記録ヘッド14の劣化(具体的にはメンテナンスによる劣化)による、不吐出、吐出曲がりによる画像劣化を防止することができる。また、1印写ジョブあたりのページ数が多い様な場合にも画像劣化を防止し、更にメンテナンスによるダウンタイムを軽減することが可能である。
また、前記総ドット数が閾値A未満、または前記ドット非形成時間が閾値B未満である場合(ステップ335のN)、印写方法設定手段がそのままの印写方法(1パス印写方法)を設定し(ステップ337)、ステップ324に進む。
ついで、設定された印写方法に応じた記録(画像形成)及び用紙送りが行なわれ(ステップ324)、印写ジョブとして予定された記録(画像形成)が終了していない場合(ステップ326のN)、ステップ310に戻る。また、印写ジョブとして予定された記録(画像形成)が終了した場合(ステップ326のY)、一連の画像形成処理が終了する(エンド)。
次に、本発明に係る画像処理方法及び画像形成装置において、前記黒画像形成の場合に適用するドット形成方法について説明する。
インクジェット記録装置は、前述したようにシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色、あるいは、より高画質を求めた場合には、フォトインクと呼ばれる濃度の低いインク、例えばフォトシアン(PC)、フォトマゼンタ(PM)などを併用した6〜7色にて色再現が行われる。
ここで、黒の再現には基本的に黒インク(ブラックインク)が使用されるが、図15(a)に従来技術の黒記録として示すように、シアンドット、マゼンタドット及びイエロードット(これらを総称して「CMYドット」とも表記する。)を組み合わせることによって、擬似的に黒を再現することが可能である。これは、色を重ねる毎に明度、彩度が減少していく減法混色法の特性によるものである。なお、CMYドットの組み合わせで(CMYの各インクを使用して)再現した黒を「コンポジットブラック」(擬似ブラック)といい、黒インクを使用した黒を「リアルブラック」という。また、図面ではコンポジットブラックは各色のドットを区別するための面塗りの組合せで表記し、リアルブラックは黒ぬりつぶしで表記しているだけ、これらの表記は濃度を示すものではない。
コンポジットブラック使用時に、CMYの各ドットの重なり具合によって、青みがかった黒や赤みがかった黒などに変化することになる。これは、CMYの3色のドットの重複によって発生するコンポジットブラックドット(以下「3Kドット」と称する。)が、色再現上好ましくない濁りとして画質に悪影響を及ぼす、あるいは、単独のCMYのドットよりも目につきやすい3Kドット(黒ドットを含む)が混じることによって粒状性が低下するのを防ぐ目的で、意図的にドット配置をずらしているためである。
具体的には、図16に示すように、CMY各色の中間調処理において、3Kドットが発生しにくいようにドット配置パターンが調整される。なお、図16では、単一のドット発生パターン(Bayer型)を色毎に適用する座標を変えることで、低階調レベルにおけるドットの重複を極力回避している。この他、発生パターンを回転させる、全く異なる発生パターンを適用するといった方法も良く利用されている。
また、誤差拡散処理の場合、たった一画素の違いでも発生するドット配置パターンは全く異なってくるため、乱数ノイズ重畳等の処理を加えることで、3Kドットの発生をある程度抑制することが可能となる。
更に、CMMやγ補正によって、たとえ「R=G=B」という入力データであっても、必ずしも「C=M=Y」という変換データになるとは限らないため、実際に発生する単位面積あたりのドット数が色毎に異なることも珍しくなく、このドット数の不均衡もグレーバランスが変動し画像品質を低下させる一因となっている。
また、モノクロ記録の様にグレーバランスの変動が許容されない場合は、通常リアルブラックのみによって階調が再現される。この場合カラーの記録ヘッドのノズルにおいては、ノズル付近のインクの乾燥が進み、目詰まりが発生しやすくなる。この目詰まりを防ぐため頻繁にメンテナンスを行う必要があり、メンテナンス動作により記録速度への影響が、また、メンテナンスによるインク消費により記録コストへの影響が大きくなっている。
更に、ブラックの記録ヘッドのノズルが目詰まりした場合には、黒画像に白スジが現れ、画像品質を劣化させる。
そこで、本発明に係る画像形成装置、画像処理方法では、この点に着目し、記録ヘッド14がブラックインク、及び重ねられることによりコンポジットブラックドット(擬似ブラックドット)を形成する黒色以外の複数の色のインクそれぞれを吐出してそれぞれのドットを用紙3上の同じ位置に形成することにより黒画像を形成するものである(図15(b))。このとき、前記黒画像形成で使用されるブラックインク及び黒色以外の複数の色のインクのうち、ブラックインクの単位面積あたりの使用量を、ブラックインク単色を使用し同濃度を記録する場合の20〜100%の量とし、ブラックインク以外の各色のインクの単位面積あたりの使用量を、ブラックインク単色を使用し同濃度を記録する場合の5〜35%の量とし、あるいは、前記黒画像形成で使用されるブラックインク及び黒色以外の複数の色のインクの単位面積あたりの合計使用量を、ブラックインク単色を使用し同濃度を記録する場合の80〜130%の量とする構成であることが好ましい。
この一例について、図17を参照して説明する。図17では、CMYKが重なった3Kドットのみで形成されているため、表現される黒はコンポジットブラックドットの色相に常に固定され、グレーバランスが階調レベル毎に変動することはなくなる。カラー画像中の黒画像の場合、実際には、CMMやγ補正を通ったデータであるため、コンポジットブラックCMYKが重なったドットにならずにCMYKの1次色ドット、あるいはRGBの2次色ドットになったものが混入する場合もあるが、元々が「R=G=B」のデータであるため、混入比率は非常に小さく、色相を左右するまでには至らない。なお、記録領域の面積率として、同図(a)は100%黒の例、同図(b)は75%黒の例、同図(c)は50%黒の例である。
このように、黒を再現する場合、黒インクと黒インク以外の色を混在させ、被記録媒体に画像を形成するとき、本発明の画像形成装置において、記録ヘッドがブラックインク、及び重ねられることにより擬似ブラックドットを形成する黒色以外の複数の色のインクそれぞれを吐出してそれぞれのドットを被記録媒体上の同じ位置に形成することにより黒画像を形成するものであって、前記黒画像形成で使用されるブラックインク及び黒色以外の複数の色のインクのうち、ブラックインクの単位面積あたりの使用量を、ブラックインク単色を使用し同濃度を記録する場合の20〜100%の量とし、ブラックインク以外の各色のインクの単位面積あたりの使用量を、ブラックインク単色を使用し同濃度を記録する場合の5〜35%の量とし、あるいは、前記黒画像形成で使用されるブラックインク及び黒色以外の複数の色のインクの単位面積あたりの合計使用量を、ブラックインク単色を使用し同濃度を記録する場合の80〜130%の量とする構成としたことで、ブラック単色を使用し記録した場合と同等の品質で記録可能であると共に、記録ヘッド14においてブラックインクのノズルが目詰まりした場合に、マルチパス以外の印写方法、例えば、前記記録ヘッド1回の走査で形成可能な記録領域内を、記録ヘッドの1回の走査で記録する印写方法で印写を行った場合にも、ブラックドットが形成されない位置に、CMYインクによるコンポジットブラックドット(擬似ブラックドット)が形成されるため、ブラックインク単色を使用して印写した場合に発生する白スジによる画像劣化を防止することができる。
カラー画像の場合について図18を参照して説明する。カラー画像においては、記録ヘッド14の1回の走査で形成可能な記録領域内を、記録ヘッド14の1回の走査で記録する印写方法で印写を行った場合に、カラーの記録ヘッドが目詰まりしたときには、白スジとなって画像を劣化させる(図18(a))ため、マルチパスを行い、連続したドットの抜けを発生させないことで画像の劣化を軽減することができる(図18(b))。或いは目詰まりしたノズルにて形成されないドットを別のノズルで形成することで完全に補完することができる(図18(c))。
ここで、図19は従来技術を、図20,図21は、図7又は図8に示した画像処理フローに対して本発明がどのように適用されるかを説明する説明図である。
まず、図19では、黒画像形成時にCMYKの各ドット形成位置を同じにしない一般的な従来技術の処理フローを示している。この場合には、入力データに対してCMM処理部131でCMM処理を施してシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)に変換してC、M、Y、Kそれぞれについてγ補正部133によってγ補正を行い、C、M、Y、Kそれぞれについて中間調処理部134によって中間調処理を行った後、出力データを出力する。このためC、M、Y、Kそれぞれに別の中間調処理をする必要がありメモリの負荷、データ処理の負荷が高くなる。
一方、図20では、中間調処理にディザ方法を使用した場合で各色のドット形成位置を同じにする処理フローを示している。ディザ法では、閾値マトリクスで規定された配置でドットが再現されるため、CMYKに共通のディザマスクを使用することで、自動的にCMYKが重なったドットが生成されることになる。つまり、この場合には、入力データに対してCMM処理部131でCMM処理を施してシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)に変換して、C、M、Y、Kそれぞれについてγ補正部133によってγ補正を行った後、C、M、Y、Kに共通のディザマトリクスを使用した中間調処理部134によって中間調処理を行った後、出力データを出力する。
また、図21では、中間調処理に誤差拡散法を使用した場合の処理フローを示している。誤差拡散の場合、たった一画素分のノイズが混じるだけで、形成されるドット配置パターンが異なるものになってしまうため、図21ではマゼンタのデータを代表値として処理(133,134)し、それをシアン、イエロー、ブラックにコピーすることでドット位置の整合をとっている。ブラックに関しては別の処理にて形成したドット配置パターンを上記のマゼンタのデータで処理されたブラックドット配置パターンに合成することでカラーに対して比率を高くしている。なお、図21の処理は誤差拡散法だけでなく、ディザ法の場合に適用することもできる。
つまり、この場合には、入力データに対してCMM処理部131でCMM処理を施してマゼンタ(M)およびブラック(K)に変換して(C、Yは省略)、Mについてγ補正部133によってγ補正を行い、Mについて中間調処理部134によって中間調処理を行った後、各色にコピーしてC、M、Y、Kのデータを生成してし、KについてKγ補正部133によってγ補正を行い、Kについて中間調処理部134によって中間調処理を行った後、上記のMについて処理されKデータとしてコピーされたKのデータと合成する。こうして生成されたC、M、Y、Kのデータを出力する。
つぎに、上述した本発明による黒画像の形成方法について図22を参照して説明する。
まず、カラー画像の場合、入力がR=G=Bか否かを判別し(ステップ410)、入力がR=G=Bでなければ(ステップ410のN)中間調処理1を行う(ステップ411)。この中間調処理1は、前述した図19で説明した処理と同様に、CMYKの各色を別々の中間調処理で処理する。
これに対して、入力がモノクロ画像、或いはカラー画像においてR=G=Bであれば(ステップ410のY)、中間調処理2を行う(ステップ442)。この中間調処理2は、前述した図20又は図21で説明したのと同様に、CMYKを重ねたドットを形成するための中間調処理である。
なお、以上の説明では、CMYKインクに普通紙最適化顔料インクの組合せについて述べてきたが、黒インクに顔料インク、CMYインクに染料インク、或いは黒インクに普通紙最適化顔料インク、CMYインクに専用紙(光沢紙含む)最適化顔料インクの組合せに置き換えても同様の効果を得られることは明白である。
本発明は、前述したように、インクの組成と特定の用紙の組合せにて条件を切替えることがより効果的であるので、事前にこの組合せが判明している場合、あるいは、記録装置に搭載された用紙種別判別手段により切替えが有効であると判別された場合に、自動的に切替えを行うことによって、ユーザーが一々設定する手間を省くことができる。
つまり、被記録媒体の種類及び画像形成方法に応じて決定する画像形成モードに連動して、黒を再現するときに、最適な画像処理が適用されることになり、また、ユーザーがわざわざ設定する手間を省くことができる。
一方で、ユーザーの好みは千差万別であり、ユーザーによっては本発明による画像処理ではなく、通常のコンポジットブラックを望む場合も存在する。そのため、本発明による画像処理を強制的に自動実行するだけでなく、ユーザーの指定によってON/OFFを切り替えられるようにする手段をも設けることで、幅広いニーズに対応することが可能となる。このユーザーの指定によってON/OFFを切り替えられるようにする手段は、画像形成装置側であれば例えば前述した操作パネル117に設けることができ、ホスト側(データ処理装置側)であればプリンタドライバによる印刷モードの設定画面でユーザーが設定できるようするなどを構成を採用することで対応する。
上述した画像処理方法は、例えば図7に示すように、全てをプログラム(プリンタドライバ)としてコンピュータ上で処理しても良く、また、図8に示すように、一部をプログラム化してコンピュータ上で処理し、残りをハードウェア化して画像形成装置側で処理しても良い。図示はしていないが、全ての処理をハードウェア化して、画像形成装置側で行う構成とすることもできる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。 記録ヘッドと被記録媒体との位置関係を示す概略図である。 記録ヘッドの構成を示す斜視図である。 搬送ベルトの構成を示す断面図である。 記録ヘッドから吐出されるインクとドットの関係を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明に係る画像形成装置におけるプリンタドライバを含むデータ処理プロセス(1)を示す図である。 本発明に係る画像形成装置におけるプリンタドライバを含むデータ処理プロセス(2)を示す図である。 閾値マトリクスを用いたディザ処理の構成を示す概念図である。 閾値マトリクスを用いた誤差拡散処理の構成を示す概念図である。 従来の記録ヘッドにおける不吐出ノズルの検知の例を示す概略図である。 従来の記録ヘッドの目詰まりによる画像劣化を防止する画像形成方法を示すフローチャートである。 本発明に係る画像形成方法の手順を示すフローチャートである。 記録ヘッドのメンテナンス回数とメンテナンス後の非吐出時間の関係を示す図である。 黒画像形成のドット配置パターンを示す図である。 CMY各色のドット配置パターン例を示す図である。 本発明における黒画像形成のドット配置パターンを示す図である。 カラー画像形成の際のマルチパスの様子を示すドット配置パターン図である。 黒画像形成時の画像処理フローを示す図である。 中間調処理にディザ法を使用し、各色ドット形成を同じ位置とする場合の画像処理フローを示す図である。 中間調処理に誤差拡散法を使用し、各色ドット形成を同じ位置とする場合の画像処理フローを示す図である。 本発明の画像形成方法において、入力画像データに対して行なわれる画像処理の手順を示す図である。
符号の説明
1 装置本体
2 画像形成部
3 用紙(被記録媒体)
4 給紙トレイ
5 搬送機構
6 排紙トレイ
7 両面ユニット
11,12 ガイドシャフト
13 キャリッジ
14 記録ヘッド
14i 液滴
14n ノズル孔
15 インクカートリッジ
21 給紙コロ
23 搬送ガイド部
23a,23b ガイド面
24 搬送ローラ
25 加圧コロ
26,27 ガイド部材
28 押し付けコロ
31 駆動ローラ
32 従動ローラ
33 搬送ベルト
33a 第1層
33b 第2層
34 帯電ローラ
35 ガイドローラ
38 排紙ローラ
90 ホスト
91 プリンタドライバ
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 不揮発メモリ
105 ASIC
106 I/F
107 ヘッド駆動制御部
108 ヘッドドライバ
110 主走査モータ
111 主走査モータ駆動部
112 副走査モータ
113 副走査モータ駆動部
114 高圧回路
116 I/O
117 操作パネル
118 環境センサ
130 画像データ
131 CMM処理部
132 BG/UCR処理部
133 γ補正部
134 ズーミング部
135 中間調処理部
Di ドット

Claims (6)

  1. インクを吐出して被記録媒体上にドットを形成する複数のノズルが少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体上に画像を形成する記録ヘッドと、
    被記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、
    入力された画像データに基づいて前記記録ヘッドによって形成するドット数を計数するドット数計数手段と、
    前記記録ヘッドのメンテナンス回数を計測するメンテナンス回数計測手段と、
    前記記録ヘッドにおける直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数するドット非形成時間計数手段と、
    被記録媒体上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、前記記録ヘッドを1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、前記記録ヘッドを複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定する印写方法設定手段と、を備え、
    入力された画像データが黒画像以外の画像である場合、
    前記印写方法設定手段は、
    前記ドット数計数手段で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数手段で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測手段で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値以上であるときに、マルチパス印写方法を設定し、
    前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに、1パス印写方法を設定する画像形成装置。
  2. 力された画像データが黒画像である場合、
    前記印写方法設定手段は、1パス印写方法を設定する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記印写方法設定手段は、印写ジョブ間、または印写ジョブ中のページ間に、印写方法を設定する請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. インクを吐出して被記録媒体上にドットを形成する複数のノズルが少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体上に画像を形成する記録ヘッドと、被記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、を備えた画像形成装置における画像形成方法において、
    入力された画像データに基づいて前記記録ヘッドによって形成するドット数を計数するドット数計数工程と、
    前記記録ヘッドのメンテナンス回数を計数するメンテナンス回数計数工程と、
    前記記録ヘッドにおける直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数するドット非形成時間計数工程と、
    被記録媒体上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、前記記録ヘッドを1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、前記記録ヘッドを複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定する印写方法設定工程と、を備え、
    入力された画像データが黒画像以外の画像である場合、
    前記印写方法設定工程では、
    前記ドット数計数工程で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数工程で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測工程で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値以上であるときに、マルチパス印写方法を設定し、
    前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに、1パス印写方法を設定することが行なわれる画像形成方法。
  5. 前記印写方法設定工程では、印写ジョブ間、または印写ジョブ中のページ間に、印写方法を設定することが行なわれる請求項4に記載の画像形成方法。
  6. インクを吐出して被記録媒体上にドットを形成する複数のノズルが少なくとも一方向(副走査方向)に配列され、該副走査方向と直交する方向(主走査方向)に走査して該被記録媒体上に画像を形成する記録ヘッドと、被記録媒体と前記記録ヘッドの位置を前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、を備えた画像形成装置に、
    入力された画像データに基づいて前記記録ヘッドによって形成するドット数を計数させるドット数計数処理と、
    前記記録ヘッドのメンテナンス回数を計数させるメンテナンス回数計数処理と、
    前記記録ヘッドにおける直近のメンテナンス後であって印写中のドットを形成していない時間の累積時間を計数させるドット非形成時間計数処理と、
    被記録媒体上の同じ画像形成領域に対する印写方法として、前記記録ヘッドを1回走査させて画像を形成する1パス印写方法と、前記記録ヘッドを複数回走査させて画像を形成するマルチパス印写方法とのいずれかを設定させる印写方法設定処理と、を実行させ、
    入力された画像データが黒画像以外の画像である場合、
    前記印写方法設定処理では、
    前記ドット数計数処理で計数されたドット数が予め定められた第1の閾値以上であり、かつ前記ドット非形成時間計数処理で計数されたドット非形成時間が前記メンテナンス回数計測処理で計測されたメンテナンス回数から求められる第2の閾値以上であるときに、マルチパス印写方法を設定させ、
    前記ドット数が第1の閾値未満、または前記算出結果が第2の閾値未満であるときに、1パス印写方法を設定させる画像形成プログラム。
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