JP2004025545A - 2種類のブラックインクを用いた印刷 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷媒体の種類に応じて適したブラックインクを用いて印刷を行う。
【解決手段】本発明の印刷ヘッドは、2種類の異なるブラックインクをそれぞれ吐出するための2つのブラックインク用ノズル群を備えている。2種類のインクとしては、インクの着色剤が比較的定着しやすい第1種の印刷媒体に適した第1のブラックインクと、インクの着色剤が比較的定着しにくい第2種の印刷媒体に適した第2のブラックインクとを用いる。印刷媒体の種類に応じて適したブラックインクを用いて印刷を行うことにより、印刷の高画質化を実現することができる。また、第1のブラックインクを吐出するノズル群のノズル数が、その他のノズル群のノズル数の2倍以上であることにより、第1種の印刷媒体を用いる場合には高速な印刷を行うことができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類のブラックインクを用いた印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インク滴を吐出することにより、印刷媒体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置(以下、インクジェット式印刷装置)が、画像の出力装置として広く使用されている。インクジェット式印刷装置に対しては、高画質化と高速化との2つの要求が存在し、これらの要求を満たすべく様々な技術が開発されている。例えば、インクを改良することにより高画質化を実現することが可能であり、ノズル数を増やすことにより高速化が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、印刷媒体の種類によって適したインクは異なる。従来のインクジェット式印刷装置では、印刷媒体の種類に応じて適したブラックインクを用いて印刷を行うことは考慮されていなかった。
【0004】
本発明は、従来技術における上述の問題を解決するためになされたものであり、印刷媒体の種類に応じて適したブラックインクを用いて印刷を行う技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は、印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、インクの着色剤が比較的定着しやすい第1種の印刷媒体に適した第1のブラックインクを吐出する第1のノズル群と、インクの着色剤が比較的定着しにくい第2種の印刷媒体に適した第2のブラックインクを吐出する第2のノズル群とを含む複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備え、印刷媒体の種類に応じて、前記第1のブラックインクと前記第2のブラックインクのいずれかを用いて印刷を実行することを特徴とする。
【0006】
これにより、印刷媒体の種類に応じて、インクカートリッジを交換することなくそれぞれの印刷媒体に適したブラックインクを用いて印刷を行うことができる。
【0007】
本発明の印刷装置は、さらに、前記第1のノズル群が前記第2のノズル群の少なくとも2倍の数のノズルを有していてもよい。
【0008】
これにより、印刷媒体の種類に応じて、インクカートリッジを交換することなくそれぞれの印刷媒体に適したブラックインクを用いて印刷を行うと共に、前記第1種の印刷媒体に対しては、より高速に印刷を行うことができる。
【0009】
上述の各印刷装置において、前記第1種の印刷媒体は、普通紙であってよい。また、前記第2種の印刷媒体は、レジンコート紙などの光沢紙であってよい。
【0010】
この場合に、前記第1のブラックインクとして普通紙に適したインクを用い、前記第2のブラックインクとして光沢紙に適したインクを用いるものとすれば、インクカートリッジを交換することなく両方の印刷媒体において高品位の印刷を行うことが可能である。
【0011】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B.第1実施例:
C.第2実施例:
D.第3実施例:
E.変形例:
【0013】
図1は、本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのプリンタ20と、を備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0014】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下でアプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。アプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示する。
【0015】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給するための印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、色変換テーブルLUTと、印刷モード選択部101と、が備えられている。
【0016】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタドライバ96が扱うことのできる解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3色からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとに、RGB画像データを、プリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0017】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、インクドットを分散して形成することにより、プリンタ20でこの階調値を表現するためのハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理された画像データは、ラスタライザ100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含んでいる。
【0018】
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0019】
図2は、プリンタ20の概略構成図である。プリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
【0020】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転を後述する給紙側副走査送り機構とプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と平行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
【0021】
なお、以下に説明する実施例では、印刷用紙Pとして普通紙と光沢紙とを用いるが、普通紙に代えてマット紙を、光沢紙に代えてOHPシートなどのフィルム系印刷用紙を用いてもよい。
【0022】
図3は、印刷ヘッドユニット60の斜視図である。印刷ヘッドユニット60は、インクカートリッジ装着部62と印刷ヘッド28とを備えている。インクカートリッジ装着部62には、5種類のインクカートリッジを装着することができる。インクカートリッジ171には、第1のブラックインクを収容する第1のブラックインクカートリッジと、第2のブラックインクを収容する第2のブラックインクカートリッジと、シアンインクを収容するシアンインクカートリッジと、マゼンタインクを収容するマゼンタインクカートリッジと、イエロインクを収容するイエロインクカートリッジと、がある。
【0023】
インクカートリッジ装着部62には、各インクカートリッジに挿入されてインク流路を形成するための5つの導入管72K1、72K2、72C、72M、72Yが立設されている。これらの導入管は、印刷ヘッドユニット60の下部に装備されている印刷ヘッド28が有する各ノズル群に接続されている。印刷ヘッド28の詳細については後述する。
【0024】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上に多色多階調の画像を形成する。
【0025】
B.第1実施例:
図4は、第1実施例における印刷ヘッド28の下面に配置されたノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、6つのノズル群N11〜N16が設けられている。各ノズル群を構成する複数のノズルNzは、180dpiの印刷解像度に相当するノズルピッチkで、副走査方向に沿ってそれぞれ整列している。ノズル群N11およびN12のノズルNzには、第1のブラックインクK1が供給される。その他のノズル群N13〜16のノズルNzには、第2のブラックインクK2、シアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクYがそれぞれ供給される。図4に示すように、第1ノズル群N1のみが、ノズルピッチkの1/2だけ他のノズル群から副走査方向にずれた位置に配置されている。それにより、第1のブラックインクK1を吐出するノズル群N11およびN12は、360dpiの印刷解像度に相当するノズルピッチでノズルNzが配列されたノズル群として機能する。
【0026】
図5は、第1のブラックインクK1として用いるブラックインクの組成を示している。第1のブラックインクK1は、水性顔料分散液を主成分としたものであり、普通紙に適したブラックインクである。
【0027】
第1のブラックインクK1に含まれる水性顔料分散液は、以下のようにして製造される。まず、市販の酸性カーボンブラックであるカラーブラックFW18(商品名;テグサ社製)(比表面積260m2/g)100gを水500gと混合して、ジルコニアビーズによるボールミルで粉砕する。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度12%)1500gを滴下し、10時間煮沸して湿式酸化を行う。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名;アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに、水で洗浄する。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩および精製し、さらに顔料濃度が10重量%になるまで濃縮して水性顔料分散液を調整する。このようにして、表面に親水性官能基を導入された表面改質カーボンブラックを含む水性顔料分散液が得られる。
【0028】
第1のブラックインクK1は、上で得られた水性顔料分散液を用いて以下のように製造される。まず、図5に従って、上述の製法に従って得られた水性顔料分散液20重量%と、保湿成分としてグリセリン5重量%および2−ピロリドン5重量%と、浸透促進成分としてエタノール4重量%とを混合して、100重量%となるよう超純水を加える。次いで、この混合液を2時間撹拌し、孔径約5μmのステンレス製フィルタでろ過して第1のブラックインクK1を得ることができる。
【0029】
このようにして得られた第1のブラックインクK1のカーボンブラックは、その表面に親水性官能基が導入されているため、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能である。その結果、インク組成物の粘度を大きく変化させることなく、高濃度のカーボンブラックをインク組成物中に安定的に存在させることができるため、高濃度の印刷画像を実現できる。
【0030】
この実施例では、第1のブラックインクK1として上述のブラックインクを用いるが、この組成、製法に限定されることなく、例えば、特開2000−319572または特開2000−319573に開示されている他のブラックインクを用いてもよいし、その他の適切なブラックインクを用いてもよい。但し、第1のブラックインクK1としては、水と、表面改質カーボンブラックとを有する水性顔料分散液を含み、前記表面改質カーボンブラックは、表面に親水性官能基が導入されていることにより分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な着色剤である、ブラックインクが好ましい。このようなブラックインクは、普通紙上においても顔料が定着しやすく印字濃度が高いので、普通紙用のブラックインクとして優れている。
【0031】
図6は、第2のブラックインクK2として用いるブラックインクの組成を示している。このブラックインクは、樹脂によって被覆された顔料を含む着色剤を用いており、レジンコート紙などの光沢系の用紙やOHPシートなどのフィルム系の用紙に定着しやすいという特徴を持つ。
【0032】
第2のブラックインクK2の製法について以下で説明する。第2のブラックインクK2は、図6に示した成分のうち着色剤以外の溶剤を撹拌して混合液を準備し、次いで、着色剤を撹拌しながら上記の混合液を滴下することによって得られる。
【0033】
図6中の着色剤の製法について以下で説明する。着色剤を調整するには、図7に示した成分を用いる。まず、カーボンブラックと分散樹脂溶液とを混合し、サンドミル中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍の重量)と共に2時間分散させる。その後、ガラスビーズを取り除き、他の成分を加えて常温で20分間撹拌した後に、5μmのメンブランフィルタでろ過する。次に、得られたろ物の溶剤を80℃常圧下で蒸留する。さらに、撹拌しながら1規定の塩酸溶液を滴下して、樹脂層を凝結する。これを水洗しながら吸引ろ過し、顔料の含水ケーキを得る。この含水ケーキを撹拌しながら、5%の水酸化カリウム水溶液を滴下し、液性をpH9±0.5に調整して、固形分が20%になるように超純水を加える。こうして、着色剤が得られる。
【0034】
図7中の分散樹脂溶液の製法について以下で説明する。まず、図8に示した成分を混合し、重合剤としてtert‐ブチルパーオキシオクトエートを加える。次に、図8の全成分と同じ重量のメチルエチルケトンを窒素雰囲気下で撹拌しながら75℃に保ち、上記の混合液を滴下する。さらに、75℃の撹拌状態で一定の時間反応を続け、反応合成物を25℃に自然冷却した後に、固形分が50%になるようにメチルエチルケトンを加えて希釈する。こうして、分散樹脂溶液が得られる。
【0035】
この実施例では、第2のブラックインクK2として上述のブラックインクを用いるが、この組成、製法に限定されることなく、その他の組成、製法に従った適切なブラックインクを用いてもよい。但し、第2のブラックインクK2としては、樹脂によって被覆された顔料を含む着色剤と、浸透剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含む、ブラックインクが好ましい。このようなブラックインクは、光沢紙上においても定着しやすいため、光沢紙用のブラックインクとして優れている。
【0036】
図9は、本発明の第1実施例の印刷装置を用いて普通紙または光沢紙に印刷を施す工程のフローチャートである。ステップS101では、ユーザがコンピュータ90に印刷を指示する。次に、ステップS102においてユーザは、用いる印刷媒体として普通紙もしくは光沢紙を選択する。ユーザは、その他にも様々なパラメータを設定することができるが、その選択については説明を省略する。
【0037】
ステップ102において普通紙が選択された場合、ステップS103において、印刷装置20は、普通紙に適した第1のブラックインクK1を用いて印刷を実行する。また、ステップS102において光沢紙が選択された場合、ステップS104において、印刷装置20は、光沢紙に適した第2のブラックインクK2を用いて印刷を実行する。
【0038】
このように、第1実施例では、用いられる印刷媒体に適したブラックインクを用いて印刷が実行されるため、印刷の高画質化を実現することができる。さらに、第1のブラックインクK1を吐出するノズル群N11およびN12のノズル数が、その他のインクを吐出するノズル群N13〜N16のノズル数の2倍であるため、印刷媒体として普通紙を選択した場合には、より高速にモノクロ印刷を行うことができる。
【0039】
C.第2実施例:
第2実施例は、印刷ヘッドの下面に配置されたノズル配列が異なる以外、第1実施例と同様の構成を有している。
【0040】
図10は、第2実施例における印刷ヘッド28aの下面に配置されたノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28aの下面には、6つのノズル群N21〜N26が設けられている。図4に示す第1実施例と異なり、6つのノズル群N21〜26は、交互にノズルピッチkの1/2だけ副走査方向にずらして配置されている(すなわち、千鳥状に配置されている)。
【0041】
第2実施例においても、図9のフローチャートに従って普通紙もしくは光沢紙に印刷を行う。第1実施例と同様に、用いられる印刷媒体に適したブラックインクを用いて印刷が実行されるため、印刷の高画質化を実現することができる。さらに、第1のブラックインクK1を吐出するノズル群N21およびN22のノズル数が、その他のインクを吐出するノズルN23〜N26の2倍であるため、印刷媒体として普通紙を選択した場合には、より高速に印刷を行うことができる。
【0042】
D.第3実施例:
第3実施例も、印刷ヘッドの下面に配置されたノズル配列が異なる以外、第1実施例および第2実施例と同様の構成を有している。
【0043】
図11は、第3実施例における印刷ヘッド28bの下面に配置されたノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28bの下面には、3つのノズル群N31〜N33が設けられている。ノズル群N31を構成する複数の第1のブラックノズル用ノズルNzK1は、360dpiの印刷解像度に相当するノズルピッチkで、副走査方向に沿って整列している。ノズル群N32を構成する第2のブラックインク用ノズルNzK2およびシアンインク用ノズルNzCは、180dpiの印刷解像度に相当するノズルピッチをそれぞれ有しており、副走査方向に沿って交互に配置されている。同様に、ノズル群N33を構成するマゼンタインク用ノズルNzMおよびイエロインク用ノズルNzYは、180dpiの印刷解像度に相当するノズルピッチをそれぞれ有しており、副走査方向に沿って交互に配置されている。
【0044】
第3実施例においても、図9のフローチャートに従って普通紙もしくは光沢紙に印刷を行う。第1実施例および第2実施例と同様に、用いられる印刷媒体に適したブラックインクを用いて印刷が実行されるため、印刷の高画質化を実現することができる。さらに、第1のブラックインクK1を吐出するノズルの数が、その他のインクを吐出するノズルの2倍であるため、印刷媒体として普通紙を選択した場合には、より高速に印刷を行うことができる。
【0045】
E.変形例:
なお、本発明は、上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0046】
E1.変形例1:
上記実施例では、第1のブラックインクK1を吐出するノズル群のノズル数は、その他のインクを吐出するノズル群のノズル数の2倍になっているが、同数である構成としてもよい。この変形例では、用いられる印刷媒体に適したブラックインクを用いて印刷が実行されるため、印刷の高画質化を実現することができる。また、第1のブラックインクK1を吐出するノズル群のノズル数を、その他のインクを吐出するノズル群のノズル数の3倍以上としてもよい。この変形例では、印刷の高画質化を実現すると共に、普通紙において上記の実施例よりも高速なモノクロ印刷を実現できる。但し、ブラックインクK1用のノズルの数は、その他のインク用のノズルの数の整数倍であることが好ましい。そうすれば、ブラックインクK1のノズル群を、その他のインクのノズル群と同一の配列のノズル群を組み合わせることによって構成できるので、印刷ヘッドの製造が容易になるという利点がある。
【0047】
E2.変形例2:
上記実施例では、プリンタドライバの初期設定(デフォルト設定)として、普通紙を使用するときには第1のブラックインクのみが使用可能なインクとして選択され、光沢紙を使用するときには第2のブラックインクのみが使用可能なインクとして選択されていたが、この代わりに、普通紙を使用するときに第1と第2のブラックインクの両方が使用可能なインクとして選択されるようにしてもよい。このとき、例えば、第2のブラックインクを、比較的明るい画像領域(すなわちハイライトに近い画像領域)において使用し、これ以外の画像領域では第1のブラックインクを使用することが好ましい。この理由は、普通紙上において第2のブラックインクで形成されるドットの濃度が、第1のブラックインクで形成されるドットの濃度よりも低いからである。比較的明るい画像領域において、第2のブラックインクで形成される低濃度のドットを用いるようにすれば、画像の粒状性を緩和することが可能である。
【0048】
以上の説明から理解できるように、第1のブラックインクに適した印刷媒体を使用するときには、第1のブラックインクのみを使用可能なインクとして選択してもよく、あるいは、第1と第2のブラックインクの両方を使用可能なインクとして選択してもよい。換言すれば、第1のブラックインクに適した印刷媒体を使用するときには、少なくとも第1のブラックインクを使用可能なインクとして選択すればよい。
【0049】
なお、第1のブラックインクが無くなってしまったときには、普通紙を使用する際に、第1のブラックインクの代わりに第2のブラックインクを用いるようにすることも可能である。また、プリンタドライバの詳細設定においては、印刷媒体によらず、任意の種類のブラックインクを使用可能なインクとして選択できるようにしてもよい。但し、詳細設定においても印刷媒体に応じて使用可能なインクを限定しておくようにすれば、誤って不適切なインクを選択してしまうことを防止できるという利点がある。
【0050】
なお、本明細書において、「詳細設定」とは、ユーザが手動で種々の印刷条件を設定できる印刷条件設定モードを意味する。これに対して、「初期設定」とは、プリンタドライバにおいて予め決められている印刷条件を意味する。例えば、印刷媒体が選択されたときの初期設定は、選択された印刷媒体に対する印刷条件としてプリンタドライバで予め決められている印刷条件を意味している。
【0051】
E3.変形例3:
上記実施例では、印刷媒体の種類は、印刷モードの選択によって特定されているが、印刷媒体の種類を自動的に特定する手段を印刷装置に装備するようにしてもよい。印刷媒体の種類を自動的に特定する手段としては、例えば、専用紙や普通紙の光反射率の相違に基づいて反射光を識別して特定を行う手段や、予め記録媒体やその包装材に付されたバーコードを読み取ることによって特定を行うバーコード読み取り手段、ICリーダーを用いて特定を行う手段がある。このような手段は、印刷媒体の種類の特定にユーザの操作を必要としないという利点があり、印刷モードの選択によって特定する手段を、簡易な構成で実現できるという利点がある。
【0052】
E4.変形例4:
本発明は、カラープリンタだけでなくモノクロプリンタにも適用できる。すなわち、印刷媒体の種類に応じて、異なるブラックインクを用いてモノクロ印刷を行うモノクロプリンタとして構成してもよい。また、本発明は、インクジェットプリンタのみでなく、一般に、複数のノズル列を有する記録ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行うドット記録装置に適用することができる。
【0053】
E5.変形例5:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1に示したプリンタドライバ96の機能の一部または全部を、プリンタ20内の制御回路40が実行するようにすることもできる。この場合には、印刷データを作成する印刷制御装置としてのコンピュータ90の機能の一部または全部が、プリンタ20の制御回路40によって実現される。
【0054】
本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】プリンタ20の概略構成図。
【図3】印刷ヘッドユニット60の斜視図。
【図4】本発明の第1実施例における印刷ヘッド28の下面のノズル配列を示す説明図。
【図5】第1のブラックインクK1の組成を示す図。
【図6】第2のブラックインクK2の組成を示す図。
【図7】第2のブラックインクK2に含まれる着色剤の成分を示す図。
【図8】第2のブラックインクK2の着色剤に含まれる分散樹脂溶液の成分を示す図。
【図9】印刷処理の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2実施例における印刷ヘッド28aの下面のノズル配列を示す説明図。
【図11】本発明の第3実施例における印刷ヘッド28bの下面のノズル配列を示す説明図。
【符号の説明】
20…プリンタ
21…CRT
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
28a…印刷ヘッド
28b…印刷ヘッド
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
62…インクカートリッジ装着部
72K1…導入管
72K2…導入管
72C…導入管
72M…導入管
72Y…導入管
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色変換モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザ
101…印刷モード選択部
171…インクカートリッジ
K1…第1のブラックインク
K2…第2のブラックインク
C…シアンインク
M…マゼンタインク
Y…イエロインク
k…ノズルピッチ
LUT 色変換テーブル
N11〜N16…ノズル群
N21〜N26…ノズル群
N31〜N33…ノズル群
Nz…ノズル
NzK1…第1のブラックインク用ノズル
NzK2…第2のブラックインク用ノズル
NzC…シアン用ノズル
NzM…マゼンタ用ノズル
NzY…イエロ用ノズル
P…印刷用紙
PD…印刷データ

Claims (8)

  1. 印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、
    インクの着色剤が比較的定着しやすい第1種の印刷媒体に適した第1のブラックインクを吐出する第1のノズル群と、インクの着色剤が比較的定着しにくい第2種の印刷媒体に適した第2のブラックインクを吐出する第2のノズル群とを含む複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備え、
    第1種の印刷媒体に対しては少なくとも第1のブラックインクを用い、第2種の印刷媒体に対しては第2のブラックインクを用いるように、印刷媒体に応じてインクが選択される、
    印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、前記第1のノズル群は、前記第2のノズル群の少なくとも2倍の数のノズルを有する、印刷装置。
  3. 請求項1または2記載の印刷装置であって、
    前記第1種の印刷媒体は、普通紙またはマット紙であり、
    前記第2種の印刷媒体は、光沢紙である、
    印刷装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のブラックインクは、水と、表面改質カーボンブラックとを有する水性顔料分散液を含み、前記表面改質カーボンブラックは、表面に親水性官能基が導入されていることにより分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な着色剤である、
    印刷装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第2のブラックインクは、樹脂によって被覆された顔料を含む着色剤と、浸透剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含む、
    印刷装置。
  6. 印刷媒体上に画像を印刷する印刷方法であって、
    インクの着色剤が比較的定着しやすい第1種の印刷媒体に適した第1のブラックインクを吐出する第1のノズル群と、インクの着色剤が比較的定着しにくい第2種の印刷媒体に適した第2のブラックインクを吐出する第2のノズル群とを含む複数のノズル群を有する印刷ヘッドを準備する工程と、
    印刷媒体の種類に応じて、前記第1のブラックインクと前記第2のブラックインクのいずれかを用いて印刷を実行する工程と、
    を含む、印刷方法。
  7. 印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置を用いて印刷を行うためのコンピュータプログラムであって、
    前記印刷装置は、
    インクの着色剤が比較的定着しやすい第1種の印刷媒体に適した第1のブラックインクを吐出する第1のノズル群と、インクの着色剤が比較的定着しにくい第2種の印刷媒体に適した第2のブラックインクを吐出する第2のノズル群とを含む複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備え、
    前記コンピュータプログラムは、
    印刷媒体の種類に応じて、前記第1のブラックインクと前記第2のブラックインクのいずれかを用いて印刷を実行するためのコンピュータプログラムを含む、コンピュータプログラム。
  8. 請求項7記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8304043B2 (en) 2007-03-16 2012-11-06 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink and recording media set, inkjet recording method, recorded matter and recording apparatus
CN111347777A (zh) * 2018-12-21 2020-06-30 深圳市汉森软件有限公司 打印控制方法、装置、打印机及计算机可读存储介质

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