JP7271282B2 - インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム - Google Patents

インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7271282B2
JP7271282B2 JP2019077301A JP2019077301A JP7271282B2 JP 7271282 B2 JP7271282 B2 JP 7271282B2 JP 2019077301 A JP2019077301 A JP 2019077301A JP 2019077301 A JP2019077301 A JP 2019077301A JP 7271282 B2 JP7271282 B2 JP 7271282B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
ink
metallic
coloring
dots
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019077301A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020175522A5 (ja
JP2020175522A (ja
Inventor
司 土井
裕充 山口
顕季 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019077301A priority Critical patent/JP7271282B2/ja
Priority to US16/838,259 priority patent/US11141992B2/en
Publication of JP2020175522A publication Critical patent/JP2020175522A/ja
Publication of JP2020175522A5 publication Critical patent/JP2020175522A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7271282B2 publication Critical patent/JP7271282B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2103Features not dealing with the colouring process per se, e.g. construction of printers or heads, driving circuit adaptations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing

Description

本発明は、インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラムに関する。
近年、金属粒子を含有し、インクジェット記録装置等で記録媒体上に記録することが可能なメタリックインクが現れている。メタリックインクを使うことで印刷物に金属光沢を付与することができる。特許文献1には、銀粒子を含有したメタリックインクを用いた印刷装置が記載されている。
特開2016-55463号公報
銀粒子を含有するメタリックインクは、液体の状態では、局在表面プラズモン共鳴による茶色味を呈する。このようなインクを用いてインクジェット方式によって記録媒体に記録を行うと、メタリックドットの外周では、銀粒子の密度が低く銀の融着が不十分になり、上述の茶色味が残ってしまう。これにより、銀粒子を含有するメタリックインクを用いて記録した領域が、全体的に茶色っぽく色付きして見えてしまう場合がある。また、本発明者らは、メタリックドットは、記録される記録媒体によって、色付きの程度が異なるという課題を見出した。
本発明は、銀粒子を含有するメタリックインクを用いて記録をした領域の色付きを低減させることを目的とする。
本発明の一態様に係るインクジェット記録装置は、銀粒子を含有するメタリックインクを吐出する記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドを用いてメタリック画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記メタリックインクを吐出することで形成されるメタリックドットの色付きを低減するように前記記録ヘッドからのインクの吐出を制御する低減手段と、前記低減手段が第一強度で前記色付きの低減をするように前記記録ヘッドからのインクの吐出を制御する第一記録モードと、前記低減手段が前記第一強度より低い第二強度で前記色付きの低減をするように前記記録ヘッドからのインクの吐出を制御する第二記録モードと、を含む複数の記録モードを設定可能な設定手段と、を備えることを特徴とする。

本発明によれば、銀粒子を含有するメタリックインクを用いて記録をした領域の色付きを低減させることができる。
記録システムの構成を示すブロック図。 記録部の構成を説明するための図。 ノズル列の配置を示す図。 銀粒子が融着膜を形成する過程を示した模式図。 銀粒子の接触している部分が融着膜を形成する過程を示した模式図。 Meインクを用いたグラデーション作成時の色付きの程度を示す図。 2ドット分の銀粒子が融着膜を形成する過程を示した模式図。 記録データの作成処理および記録動作を示したフローチャート。 メタリック画像データ生成例を説明する図。 記録動作を示した図。 Meドット形成の様子を示す図。 色付きの程度を比較した図。 他の記録方法を説明する図。 記録媒体によって色付きの程度が異なることを説明する図。 記録データの作成処理を示したフローチャート。 ドット重畳度が異なる記録処理を説明する図。 カラーインクを重ねることで色付きが低減することを説明する図。 記録データの作成処理および記録動作を示したフローチャート。 領域調色強度を導出するフローチャート。 領域調色強度の導出の具体例。 領域調色強度の値と調色インク量との関係の例を示す図。 記録データの作成処理および記録動作を示したフローチャート。 第二走査ドット配置の決定を説明する図。 第二走査ドット配置の決定を説明するフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等は、あくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<記録システムについて>
図1は、本実施形態における記録システムの一例を示す図である。記録システムは、インクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも言う)1と、画像処理装置2と、画像供給装置3とを有する。画像供給装置3は、画像データを画像処理装置2に供給する。画像処理装置2は、画像供給装置3から供給された画像データに所定の画像処理を施すことで記録データを作成し、作成した記録データを記録装置1に送信する。記録装置1は、画像処理装置2から送信された記録データに基づき、インクを用いて記録媒体に画像を記録する。
記録装置1の主制御部11は、CPU、ROM、RAM等によって構成され、記録装置1全体を統括的に制御する。例えば、主制御部11のCPUは、後述する図8のフローチャートに示す処理を実行する。データバッファ16は、インタフェース(I/F)15を通じて画像処理装置2から受信した画像データを一時的に格納する。記録部13に転送される記録データは、ラスターデータとして記録データバッファ12に一時的に格納される。操作部17は、ユーザがコマンド操作を行うための機構であり、タッチパネルおよび操作ボタン等を適用することができる。給排紙制御部14は、記録媒体の給紙及び排紙を制御する。
記録部13は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドは、インク滴を吐出可能な複数のノズルから成るノズル列を複数有する。記録部13は、記録データバッファ12に格納された記録データに基づき、各記録ノズルからインクを吐出することで、記録媒体に画像を記録する。本実施形態では、記録ヘッドが、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のカラーインクとメタリック(Me)インクとの計4つの記録ノズル列を有するケースを例に挙げて説明する。
なお、記録装置1は、画像処理装置2から供給された画像データのほか、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データまたはデジタルカメラからの画像データを直接受信して記録することもできる。
画像処理装置2の主制御部21は、画像供給装置3から供給された画像に対し様々な処理を行って記録装置1が記録可能な画像データを生成するためのものであり、CPU、ROM、RAM等を備えている。I/F22は、記録装置1との間でデータ信号の授受を行う。外部接続I/F24は、外部に接続された画像供給装置3との間で、画像データなどの送受信を行う。表示部23は、ユーザに対し様々な情報を表示するものであり、例えばLCDなどを適用することができる。操作部25は、ユーザがコマンド操作を行うための機構であり、例えばキーボードおよびマウスを適用することができる。
<記録装置の記録部について>
図2は、本実施形態における記録部13を構成する記録ヘッド130を説明する図である。記録ヘッド130は、キャリッジ131と、ノズル列132と、光学センサ133とを有する。4つのノズル列132と光学センサ133とを搭載したキャリッジ131は、ベルト134を介して伝達されるキャリッジモ-タの駆動力によって、図中x方向(所謂、主走査方向)に沿って往復移動可能である。キャリッジ131が記録媒体に対し相対的にx方向に移動する最中、ノズル列132の各ノズルカラーインクが記録データに基づいて重力方向(図中-z方向)に吐出される。これにより、プラテン135上に配された記録媒体に主走査1回分の画像が記録される。1回分の主走査が完了すると、記録媒体は主走査1回分の幅に対応する距離だけ搬送方向に沿って(図中-y方向に)搬送される。このような主走査と搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に徐々に画像が形成される。光学センサ133は、キャリッジ131とともに移動しながら検出動作を行うことにより、プラテン135上に記録媒体が存在するか判定する。
<記録ヘッドの説明>
図3は、記録ヘッド130を装置上面(z方向)から見た場合のノズル列の配置を示す図である。記録ヘッド130には、4つのノズル列が配置されている。即ち、Cインクに対応するノズル列132C、Mインクに対応するノズル列132M、Yインクに対応するノズル列132Y、Meインクに対応するノズル列132Meが、x方向における位置が異なるように配置されている。ノズル列132CのノズルからCインクが、ノズル列132MのノズルからMインクが、ノズル列132YのノズルからYインクが、ノズル列132MeからMeインクが、それぞれ吐出される。各ノズル列において、インク滴を吐出するための複数のノズルが所定のピッチでy方向に沿って配列されている。なお、各ノズル列に含まれるノズルの数は、一例に過ぎず、これに限られるものではない。
<銀ナノインクについて>
本実施形態で使用されるメタリックインク(Meインク)は、銀粒子を含有する。金属粒子の融点は、物質の種類と粒子のサイズとに依存しており、粒径が小さいほど、融点が低くなる。Meインクに含まれる数~数百nm程度の粒径の小さな銀粒子は、記録媒体の記録面に着弾した後、水分の減少とともに分散状態が破壊され、近くの銀粒子と融着し銀の融着膜を形成する。このように銀の融着膜が記録媒体上に形成されることで、光沢感を有する記録画像が形成される。
以下に、本実施形態で使用される銀粒子を含有したMeインクを構成する各成分について説明する。
<銀粒子>
本実施形態に用いられる銀粒子は、銀を主成分とする粒子であって、銀粒子における銀の純度は50質量%以上であればよい。例えば、副成分として、他の金属、酸素、硫黄、炭素等を含んでもよく、合金であってもよい。
銀粒子は、製造方法は特に限定されないが、銀粒子の粒径制御および分散安定性を考慮すると、水溶性銀塩から還元反応を利用した種種の合成方法により製造した銀粒子であることが好ましい。
本実施形態に用いられる銀粒子の平均粒子径は、インクの保存安定性と銀粒子により形成される画像の光沢性との観点から、1nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることが更に好ましい。
尚、具体的な平均粒子径の測定方法としては、レーザー光の散乱を利用した、FPAR-1000(大塚電子製、キュムラント法解析)、ナノトラックUPA150EX(日機装社製、体積平均粒径の50%の積算値を採用)等を使用して測定できる。
本実施形態においては、インク中の銀粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。含有量が2.0質量%未満である場合、画像の金属光沢性が低下する場合がある。また、含有量が15.0質量%を上回る場合、インクあふれを起こしやすく記録ヨレが発生する場合がある。
<分散剤>
銀粒子の分散方式は特に限定されない。例えば、界面活性剤により分散させた銀粒子または分散樹脂により分散させた樹脂分散銀粒子などを用いることができる。勿論、分散方式の異なる金属粒子を組み合わせて使用することも可能である。
界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩。ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両イオン性活性剤としては、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。
分散樹脂は、水溶性もしくは水分散性を有する樹脂であれば何れのものも用いることができるが、中でも特に、分散樹脂の重量平均分子量が1,000以上100,000以下、更には3,000以上50,000以下のものが好ましい。
分散樹脂は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。スチレン、ビニルナフタレン、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコ-ルエステル、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマ-ル酸、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド。又は、これらの誘導体等を単量体とするポリマー。尚、ポリマーを構成する単量体のうち1つ以上は親水性単量体であることが好ましく、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等を用いてもよい。又は、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂を用いることもできる。
本実施形態においては、水性インクに銀粒子を分散させるための分散剤が含まれ、分散剤の含有量(質量%)が、銀粒子の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.02倍以上3.00倍以下であることが好ましい。
質量比率が0.02倍未満である場合、銀粒子が分散不安定となり、記録ヘッド130の発熱部に付着する銀粒子の比率が高まることでより異常発泡を起こしやすく、インクあふれによる記録ヨレが発生する場合がある。また、質量比率が3.00倍を上回る場合、画像形成する際に分散剤が銀粒子の融着を阻害し、画像の金属光沢性が低下する場合がある。
<界面活性剤>
本実施形態に用いられる銀粒子含有インクは、よりバランスのよい吐出安定性を得るために、インク中に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤は、上述のアニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
中でもノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。ノニオン界面活性剤の中でもポリオキシエチレンアルキルエ-テル、アセチレングリコ-ルのエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。これらのノニオン系界面活性剤のHLB値(Hydrophile-Lipophile Balance)は、10以上である。こうして併用される界面活性剤の含有量は、好ましくはインク中に0.1質量%以上である。また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下である。
<水性媒体>
本実施形態に用いられる銀粒子含有インクには、水及び水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として10質量%以上50質量%以下、より好ましくは20質量%以上50質量%以下とする。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として50質量%以上88質量%以下とすることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。メタノ-ル、エタノ-ル、プロパノ-ル、プロパンジオ-ル、ブタノ-ル、ブタンジオ-ル、ペンタノ-ル、ペンタンジオ-ル、ヘキサノ-ル、ヘキサンジオ-ル、等のアルキルアルコ-ル類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン、ジアセトンアルコ-ル等のケトン又はケトアルコ-ル類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ-テル類。ポリエチレングリコ-ル、ポリプロピレングリコ-ル等の平均分子量200、300、400、600、及び1,000等のポリアルキレングリコ-ル類。エチレングリコ-ル、プロピレングリコ-ル、ブチレングリコ-ル、トリエチレングリコ-ル、1,2,6-ヘキサントリオ-ル、チオジグリコ-ル、ヘキシレングリコ-ル、ジエチレングリコ-ル等の炭素数2~6のアルキレン基を持つアルキレングリコ-ル類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ-ト等の低級アルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコ-ルモノメチル(又はエチル)エ-テル、ジエチレングリコ-ルメチル(又はエチル)エ-テル、トリエチレングリコ-ルモノメチル(又はエチル)エ-テル等の多価アルコ-ルの低級アルキルエ-テル類。また、水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。
<記録媒体>
本実施形態の記録媒体は、基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有している。本実施形態においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
<銀の記録領域が茶色く見えるメカニズム>
図4~図7を用いて銀の記録領域が茶色く見えるメカニズムを説明する。本実施形態で用いる銀粒子を含有するMeインク(銀インクと呼んでもよい)は茶色味を呈する液体である。これは、光の電界を受けた金属内部の自由電子の振動(プラズモン)と光の振動とが共鳴する局在表面プラズモン共鳴と呼ばれる現象により、光の特定波長の吸収が起こるためである。この局在表面プラズモン共鳴は、粒子の形状および大きさによって吸収波長が異なる。本実施形態で用いられる銀粒子では可視光域の低波長側に消光スペクトルのピークがあるため、Meインクは、局在表面プラズモン共鳴によって茶色味を呈する液体となる。
図4は、Meインクによるドットが茶色味を呈するメカニズムについて説明する図である。図4(a)は、Meインクが紙面に着弾した瞬間の断面を表した模式図である。Meインクの断面形状は、インクの表面張力によりド-ム状になる。また、このド-ム状のインクの内部には銀粒子が均等に分散している。
図4(b)は、Meインクの水性媒体が記録媒体に浸透し、銀粒子が記録媒体表面にトラップされている状態を示している。水性媒体の浸透前のインクがド-ム状であるため、記録媒体上の単位面積当たりの銀粒子は、ドットの中央部ほど多く、ドットの外周に近づくほど小さくなる。水性媒体が記録媒体に浸透すると、水性媒体に浮遊していた銀粒子は直下の記録媒体表面に着地するため、記録媒体表面の銀粒子はドットの中央部ほど密度が高く、ドットの外周に近づくほど密度が低くなる。
図4(c)は、記録媒体表面でトラップされた銀粒子が融着した状態を示す図である。銀粒子の融着は粒子同士の接触により起こるため、銀粒子密度の高い領域ほど融着が起こりやすい。そのため、ドットの外周に近づくほど銀粒子の密度が低く孤立した銀粒子が多いため、融着が起こる確率はドットの中央部より低くなる。
図5は、Meインク1ドットを記録媒体に記録した状態を示した模式図である。図5(a)は、水性溶媒の浸透後の銀粒子の密度の分布を示した模式図である。図5(b)は、銀粒子の接触している部分が融着し銀の膜を形成した状態を示した模式図である。ドットの外周には銀粒子同士が接触せずに融着していないものが存在している。本実施形態で用いるMeインクは、銀が融着せず粒子状の場合、前述の局在表面プラズモン共鳴による茶色味を呈する。そのため、融着が起こりにくいメタリックドット(Meドット)の外周には、局在表面プラズモン共鳴による茶色味が残ってしまうのである。以上が、Meドットが茶色味を呈するメカニズムの説明である。
図6は、Meインクを用いてグラデーションを作成した時の、茶色味の色付きの程度を示す図である。本説明のインクジェット記録装置の例では、通常、視覚的に粒状感を視認しにくくする。このため、できるだけブルーノイズ特性を持たせたドット配置にしてグラデーションを作成している。
また、記録媒体としては、クラフト紙などで用いられるマット系の紙(実線)、および、写真用紙などに用いられる光沢紙(破線)を用いている。
横軸は、Meインクの打ち込み量であり、600dpiに1ドットの割合で記録された状態を100%とする。縦軸は、Lab色空間上のMeインクの色付きがない状態の色であるa*、b*とのa*、b*平面上の距離であり、色付きの程度ΔEである。色付きがない状態の色とは、本説明では銀粒子が確実に融着するように十分にMeインクを打ち込んだ状態の銀のL*、a*、b*値と、紙白のL*、a*、b*値とをLab空間上で結んだ直線上のa*、b*値とする。十分にMeインクを打ち込んだ状態とは、例えば、600dpiの1画素あたりに、Meインク11ng程度である。
色付きの程度ΔEは、具体的には、十分にMeインクを打ち込んだ状態の銀、紙白、評価対象のL*、a*、b*値を、(Lm、am、bm)、(Lw、aw、bw)、(Le、ae、be)とすると、下式(1)のように計算される。
ΔE=[{a* m(Le)-ae2-{b* m(Le)-be20.5…(1)
ただし、
(a*に関する直線の式) a* m(L*)=aa×L*+ba
(傾き) aa=(am-aw)/(Lm-Lw
(切片) ba=aw-aa×Lw
(b*に関する直線の式) b* m(L*)=ab×L*+bb
(傾き) ab=(bm-bw)/(Lm-Lw
(切片) bb=bw-ab×Lw
図6を再度参照すると、マット紙および光沢紙共にグラデーションの中間の階調で色付きが強いことがわかる。これは、メタリックの階調表現をブルーノイズなどの分散したドット配置によってできるだけドットを分散させて記録しているため、孤立ドットが多く、外周が茶色味を呈するMeドットの割合が多くなるためである。グラデーションの濃度が高い領域で色付きが低減しているのは、茶色味を呈するドットの外周に、隣接する他のドットが重なり、他のドットのインク滴に含まれる銀粒子と融着する、または、他のドットの銀融着膜で茶色味が隠蔽されるためである。
すなわち、Meドットを並置または重ねて、孤立した1ドットを作らないようにすることで、銀粒子を含有するMeインクにおける色付きを低減することができる。以下に、2つのドットが重なることの色付き低減の効果を説明する。
図7は、Meドットを同一座標に2回記録させた場合のMeドットの状態を示した模式図である。図7を用いて、Meドットを同一座標に2回記録させた場合の効果を説明する。図7(a)は、水性溶媒の浸透後の銀粒子の密度の分布を示した図であり、図5(a)に比べて銀粒子の密度が高いことを示している。2ドットを重ねてもドット径がほぼ変わらないと仮定すると、ドット内部の銀粒子密度は2倍になる。図7(b)は、図7(a)の銀粒子の接触している部分が融着し膜を形成した状態を示した図である。図7(b)では、図5(b)よりもドットの外周まで銀融着膜が形成されていることがわかる。これによりドット外周部の色付きも低減させることができる。
以上のように、Meドットを異なる記録走査で同一座標に重ねて記録させることで、Meドットのサイズによらず、粒状感の悪化を抑えつつ、色付きを低減させることが可能となる。また、記録画素のサイズよりも大きいサイズのドットを隣接画素に並置し、ドットの外周を他のドットで重ねるようにしても、類似の効果を得ることができる。
尚、色付きの程度の評価値ΔEは、本説明の評価値に限定されない。例えば、単純にa* m(L*)、b* m(L*)の代わりに、a* m=0、b* m=0としてもよい。
<<第一の実施形態>>
上述の知見を踏まえ、第一の実施形態では、記録装置でMeインクを記録媒体上で重畳させる例について説明する。また、本発明者らの検討によって、銀インクの記録量が多くなるに連れて、色付き自体が低減される事が分かった。これは、図6の説明で前述した通り、記録領域のドットの密度が高くなると、茶色味を帯びたドットの外周に隣接する他のドットが重なり、他のドットのインク滴に含まれる銀粒子と融着する、または、他のドットの銀融着膜で茶色味が隠蔽されるためである。
そこで本実施形態では、ドットの重畳による色付き低減の効果を得つつ、さらに銀インクの使用量を抑える例を説明する。すなわち、Meインクの色付きの程度をメタリック画像の階調値から推定し、推定結果に応じて色付き低減処理を制御する形態を説明する。また、この色付き低減処理に際して、記録媒体の種類に応じて処理を切り替える形態を説明する。
<記録データ作成処理について>
図8は、本実施形態における、記録装置1の主制御部11によって実行される、画像データに基づき記録データを作成する処理(記録データ作成処理とする)および記録動作を説明するフローチャートである。記録装置1の主制御部11に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図8の各処理が実行される。あるいはまた、図8におけるステップの一部または全部の機能をASICおよび電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
S801において、主制御部11は、画像処理装置2から送信された、カラー画像データとメタリック画像データとを取得する。カラー画像データはカラー画像の階調を、メタリック画像データはメタリック画像の階調をそれぞれ表すものである。その後、カラー画像データとメタリック画像データとに対してそれぞれ処理が行われる。なお、図8においては理解を容易にするために、まとまった処理ごとに処理ブロックを配置している点に留意されたい。複数の矢印が入力される処理ブロック(例えばS805)は、それら矢印が出力されている各ブロックの処理が終了した場合に、処理が開始されるものである(以下、本明細書のフローチャートにおいて同様である)。図8のフローチャートでは、並列処理が行われてもよいし、カラー画像データとメタリック画像データとの処理を順次行ってもよい。
S822において、主制御部11は、S801で取得したカラー画像データを、記録装置1の色再現域に対応した画像データに変換する処理(色補正処理とする)を実行する。例えば、本ステップにより、各画素がRGBのチャンネル毎に8ビットの値を持つ画像データが、各画素がR´G´B´のチャンネル毎に12ビットの値を持つ画像データに変換される。本ステップにおける変換では、マトリクス演算処理、または、予めROM等に格納された3次元ルックアップテーブル(以下、3DLUT)を参照する等といった公知の手法を用いて良い。なお、S801で取得したメタリック画像データに対しては、記録装置1が8ビットで階調を表すグレースケール画像に対応するものとし、本ステップに相当する色補正処理を施さない。
S823において、主制御部11は、S822で導出した画像データを、インク色毎の画像データに分解する処理(インク色分解処理とする)を実行する。例えば、本ステップにより、各画素がR´G´B´のチャンネル毎に12ビットの値を持つ画像データが、記録装置1で用いるインク色毎の画像データ(即ち、C、M、Yそれぞれの16ビット階調データ)に分解される。尚、本ステップでもS822と同様に、予めROM等に格納された3次元ルックアップテーブル(以下、3DLUT)を参照する等といった公知の手法を用いて良い。なお、S801で取得したメタリック画像データに対しては、記録装置1が8ビットのグレースケール画像に対応するものとし、本ステップに相当する色分解処理を施さない。
S824において、主制御部11は、各インクに対応する階調データに対し所定の量子化処理を行うことで、階調データを1ビットの量子化データに変換する。具体的には、各インクの信号値を、単位面積辺りのインク吐出量を規定する吐出レベルに変換する。例えば、2値に量子化する場合、本ステップにより、C、M、Yそれぞれの階調データは、各画素が吐出レベル0若しくは1の何れかの値を持つ1ビットデータに変換される。
また、S804において、主制御部11は、メタリック画像データに対し所定の量子化処理を行うことで、該階調データを1ビットの量子化データに変換する。具体的には、各インクの信号値を、単位面積辺りのインク吐出量を規定する吐出レベルに変換する。例えば、2値に量子化する場合、本ステップにより、Meの階調データは、各画素が吐出レベル0若しくは1の何れかの値を持つ1ビットデータに変換される。
S803において主制御部11は、S801で取得したメタリック画像データから、第一走査用のメタリック画像データを生成する。同様に、S813において、S801で取得したメタリック画像データから、第二走査用のメタリック画像データを生成する。S803およびS813の処理は、並行して行われてもよいし、任意の順序で行われてもよい。
図9は、S803およびS813でのメタリック画像データ生成例を説明する図である。図9(a)の横軸は、S801で取得したメタリック画像データ濃度であり、縦軸は、生成される各走査でのメタリック画像データ濃度である。図9(a)中の破線901は、S803で生成される第一走査用のメタリック画像データであり、実線911はS813で生成される第二走査用のメタリック画像データである。本実施形態では、
第一走査の濃度 = 入力濃度
第二走査の濃度 = 入力濃度 (入力濃度<128の場合)
255-入力濃度 (入力濃度≧128の場合)
とすることで、入力濃度=128の時に最もMeインクの重畳が多くなり、入力濃度が128を超えてからは徐々にMeインクの重畳度は低くなり、入力濃度が最大の255となった場合には重畳度を0としている。ここで、Meインクの重畳度とは、所定の単位面積におけるMeドットが重畳される程度・比率を指す。例えば、重畳度(重畳比率)が0の場合には、所定の領域には、第一走査のみでMeドットが形成される。重畳度(重畳比率)が1の場合、所定の領域には、1回目の記録走査で用いたMeインクの濃度と同じ濃度で第二走査のMeインクのドットが記録されMe重畳ドットが形成される。重畳度(重畳比率)が0.5の場合、所定の領域には、1回目の記録走査で用いたMeインクの濃度の半分程度の濃度で第二走査のMeインクのドットが記録されMe重畳ドットが形成される。
また、S803およびS813での変換処理は上記の様に計算式で生成しても良いし、
第一走査の濃度 = 1次元テーブルA[入力濃度]
第二走査の濃度 = 1次元テーブルB[入力濃度]
という様にテーブル参照を行う形としても良い。
表1は、本実施形態における1次元テーブルA・Bの例を示す。なお、表1では、1次元テーブルA・Bのうちの一部を抜粋した図としている。
Figure 0007271282000001
S804において主制御部11は、S803で生成した第一走査用のメタリック画像データを量子化してMeインクの第一走査ドット配置を決定する。また、S814において主制御部11は、S813で生成した第二走査用のメタリック画像データを量子化してMeインクの第二走査ドット配置を決定する。本実施形態では、S804およびS814の量子化方法としては、ディザ方式を採用し、かつ両量子化におけるディザマトリクスは同一の物を用いる。こうすることで、図9(a)の破線901および実線911が重なっている入力濃度1~128において同じ位置にMeインクを形成して記録媒体上で重畳することができる。
図9(b)は、入力濃度とドット重畳比率との関係を示す図である。入力濃度1~128において、ドット重畳比率は1となりすべてのドットが重畳ドットとなる。また、入力濃度128~255では徐々に重畳ドットが減っていき入力濃度255で0となることがわかる。以上のように、入力濃度が増加するにつれ、銀ナノインクの色付きが低減していく現象に合わせて、重畳ドット比率を中間の階調から減らしていくことができるのである。
S824、S804、およびS814により、紙面上への最終的なドット配置先が決定され、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Me(メタリック)の各インクに対応する、ドットデータが作成される。例えば、記録ヘッド130が紙面上に600dpi×600dpiの解像度でドットを配置可能な場合、紙面を600dpi×600dpiの格子に区切った各座標に対し、ドットを配置するか否かが決定される。
S805において、主制御部11は、S804、S814、およびS824で作成した各インクに対応するドットデータから1走査分の記録データを生成する。そして、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Me(メタリック)の各ノズル列の所定領域へ配置する。次に、主制御部11はS806において、S805で生成した1走査分の記録データによる記録媒体への実記録を行う。また、最初の走査の記録前には不図示の記録媒体の給紙を行う。
主制御部11はS807において、記録媒体の搬送を行う。S805~S807における、ノズル列内で使用するノズル位置、搬送量などの具体的な内容は後述の<記録動作の説明>にて説明する。S808において、主制御部11は、全記録データの処理及び記録走査が完了したか否かの判定を行う。判定結果がYesの場合には不図示の記録媒体の排出等を行って、処理を終了する。記録データによる処理が全て終わっていない場合、S805に戻り処理を繰り返す。
尚、ここでは、図8の各処理を記録装置1の主制御部11が実行するものとして説明したが、本実施形態はこのような形態に限定されない。具体的には、図8の処理の全部または一部を、画像処理装置2の主制御部21が実行しても良い。以上が、本実施形態における記録データ作成処理および記録動作の内容である。
<記録動作の説明>
次に、本実施形態における具体的な記録動作の例を説明する。画像を形成する際、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら各インクを吐出させる。そして、1回分の主走査が完了した場合、記録媒体を副走査方向(-y方向)に沿って搬送する。このような記録ヘッド130による主走査と、記録媒体の搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体上に段階的に画像が形成されていく。
本実施形態では、メタリックカラー表現を実現するために、記録媒体の同一領域上にカラーインクとMeインクとを異なるタイミングで吐出する。また、そのタイミングに留意する。具体的には、Meインクを先に吐出し、その後、一定値以上の時間差を設けた上で、カラーインクを吐出する。このように時間差を設けることで、Meインクに含まれる水性溶媒の記録媒体への浸透および蒸発と銀粒子の融着とを確実に行い、そのようなMeインク上にカラーインクを重ねることで良好なメタリックカラーとなるのである。
図10は、本実施形態における具体的な記録動作を説明する図である。状態1001~1005は、順に、本実施形態における5回の記録走査における、ノズル列132C、132M、132Y、132Meの記録媒体上のy方向の相対的な位置関係を示している。なお、実際には、記録媒体が-y方向(搬送方向)に搬送されるものであるが、ここでは、理解を容易にするため、記録媒体をy方向において固定し、ノズル列を移動させた図としている。カラーのノズル列132C、132M、132Yのy方向のノズル位置は同じであるため、ノズル列132M、132Yは、記載を省略し、ノズル列132Cで代表した記載としている。図10において状態1001~1005の左側にノズル列132C、右側にノズル列132Meを示している。ノズル列132Cの網掛け部分およびノズル列132Meの斜線部分は、本実施形態におけるカラーのノズル列のノズル(カラーノズルという)およびメタリックのノズル(Meノズルという)の使用ノズル位置を示している。
図10の例において、ノズル列132Cは、-y方向の端部から5ノズルを使用し、ノズル列132Meは、y方向の端部から10ノズルを使用する。なお、各ノズル列において、中心よりy方向の端部側に存在するノズルを搬送方向上流側ノズルと呼ぶ(単純に上流側ノズルとも呼ぶ)。一方、中心より-y方向の端部側に存在するノズルを搬送方向下流側ノズルと呼ぶ(単純に下流側ノズルとも呼ぶ)。図10の例では、記録媒体の搬送量を5ノズル分とすることで、先にMeインクを吐出した後、カラーインクを吐出することを可能としている。
また、本実施形態では図10に示すように、Meインクを実際に吐出するノズル(下流側の10ノズル)と、カラーインクを実際に吐出するノズル(上流側の5ノズル)との間に5個のノズルが存在する。即ち、Meインクを実際に吐出するノズルと、カラーインクを実際に吐出するノズルとの間の5個のノズルが、インクを吐出しないよう制御される。このような、Meインクおよびカラーインクのどちらも吐出されない領域を「ブランクノズル領域」と呼ぶ。ブランクノズル領域を設けることで、Meインクとカラーインクとを十分な時間差をもって付与することができる。なお、このブランクノズル領域(インクを吐出しないように制御されるノズルの数)は、記録ヘッドの走査速度及び記録媒体の搬送速度等に応じて、適切な領域を適宜設定することができる。
図10に示すケースでは、Meインクを付与してからカラーインクを付与するまでの間に、少なくとも主走査1回分に相当する時間差が設けられることとなる。これにより、記録媒体上に付与されたMeインクの銀粒子が融着するのに充分な時間を確保することができる。この結果、記録媒体上にMeインク層とカラーインク層とを確実に形成し、光沢性と彩度とが良いメタリックカラー表現を実現することが可能となる。
図10の破線部1006を左から順に見ると、所定の領域が、4回の記録走査で記録されることがわかる。即ち、順にMeインク第一走査、Meインク第二走査、ブランク走査、カラーインク第一走査によって記録されることがわかる。ブランク走査は、実際にはインクが吐出されない走査である。つまり、Meインクに着目すると、所定の領域は、2回の記録走査で記録されている。この記録走査の回数をパスと称することもある。即ち、Meインクは、2パスで記録されているともいえる。
各走査の走査方向は、異なる走査間のドットの着弾ずれが少ない片方向記録が好ましい。生産性を優先する場合は往方向記録と復方向記録とを交互に行う双方向記録としてもよい。双方向記録を行う場合は、1ドット目と2ドット目との着弾ずれが起きやすく、ドットの外径が大きくなることで単位面積当たりの銀粒子密度が低下しやすい。そのため、色付きの低減効果は片方向記録に比べると低くなる。
図11は、S804で生成されたMeインクの記録データを上述の記録動作で記録した場合のMeドット形成の様子を示す図である。図11(a)は、メタリックのノズル列132Meによる3回の記録走査1101~1103と、それぞれの走査におけるノズル列132MeのMeノズルの使用領域に対応する記録データを示す。図11(b)は、図11(a)で示す記録データを順に記録する様子を示している。図11(b)では、左から順に、第一走査、第一走査+第二走査、第一走査+第二走査+第三走査とMeドットが重なっていく様子を示している。以下、簡単のため、Meの入力階調値が0~128の場合にはすべてのMeドットが2ドット重なるような記録動作について説明する。斜線で塗られたドットは1ドット、濃い網掛けで塗られたドットは2ドットが重なったドットを表している。図からわかるように、このような記録動作をすることで、すべてのMeドットを略同一座標(略同一画素位置)に2回重なるように記録することができる。
図12は、本実施形態における効果を示した図である。実線は、図6で説明したマット紙におけるグラデーションを記録させた場合の色付きの程度を示している。破線は、実線で示したマット紙におけるグラデーションのドットを前述の2回の記録走査により記録した場合の色付きの程度を示している。本実施形態では、Meインクの記録信号の入力諧調値が0~128までは、2ドット重ねて記録し、高諧調部では、徐々に重ねの割合を減らし、インク消費の増加を抑えている。図11の横軸は、1画素あたりの平均打ち込み量を示している。図からわかるように、1ドットで作成したグラデーション(実線)にくらべ、2ドット重ねで作成したグラデーション(破線)の方が色付きの程度が小さい。すなわち、本実施形態のようにMeを記録することで、インク使用量を抑えつつ、色付きを低減させることができる。
また、これまで本実施形態で説明してきた方法では、第一走査と第二走査とに対して、入力画像からそれぞれ画像データの生成および2値の量子化を行う例を説明した。しかしながら、この例は、入力メタリック画像データ濃度に従ってドットを重ねる割合を制御するための方法の一形態の例を示したにすぎない。
図13は、本実施形態と同様のドット重畳比率となるその他の記録方法について示した図である。S801で取得したメタリック画像をLv0からLv3の4レベルの多値に量子化し、それぞれのレベルに対応するドット配置を、第一走査と第二走査とに設定するようにする。図13(a)は、具体的な量子化値に対する第一走査と第二走査とに対応するドット配置を示す図である。図の実線の四角は量子化解像度300dpi、破線で区切られた四角はドット配置解像度600dpiである。このように、量子化レベルに応じてドット配置をあらかじめ設定しておく方法をインデックス展開と呼ぶ。
図13(b)は、入力メタリック画像データ濃度に対応する紙面上の各量子化レベルの割合を示す。図の系列1300から1303はそれぞれ、レベル0~レベル3に対応している。図13(c)は、入力メタリック画像データ濃度の所定の値における300dpiの2×2画素のドット配置を示している。図13(c)の黒塗りのドットは2ドットが重なった状態、斜線で塗られたドットは1ドットの状態を示す。例えば、ドット配置1311は、入力メタリック画像データ濃度64におけるドット配置である。図13(b)より入力メタリック画像データ濃度64のとき、紙面上のすべての画素がレベル1であることがわかる。すなわち、図13(a)のLv1の第一走査と第二走査とのドット配置が重なった状態となっている。
図13から、入力階調値1~128までは発生するメタリックドットのすべてが重複ドットとなることがわかる(ドット配置1310~1312参照)。また、入力メタリック画像データ濃度129から255にかけて、重複ドットが徐々に減り、並置のドット配置となっていくことがわかる。これにより、図9(b)と同様のドット重畳比率を実現することができる。
以上の説明のように、インデックス展開を用いても入力メタリック画像データ濃度に従ってドットを重ねる割合を制御することが可能である。
なお、本実施形態では2回の記録走査によって、Meドットを2ドット重ねるようにした説明をしたが、記録走査の回数および、Meドットの重ねドット数はこれに限定されるものではない。すなわち、2回以上の異なる記録走査においてMeインクを同一画素位置に対して吐出することで、重畳されたMeドットが形成されればよい。
<色付きの程度差とその理由>
図6を再度参照し、マット紙と光沢紙を比べると、マット紙の色付きの程度が光沢紙に比べて大きいことがわかる。
色付きの程度が異なる理由は様々であるが、例えば、記録媒体表面上の凹凸の差によって、色付きの程度に差が表れる。図14(a)および図14(b)を参照しながらその理由について説明する。図14(a)は、平滑な表面に液体が濡れ広がっている状態を示す模式図である。図14(b)は、凹凸のある表面に図14(a)と同量の液体が濡れ広がった状態を示す模式図である。液体の高さ1401と1402とを比べると、表面に凹凸がある場合の高さ1402の方が、表面積が大きくなっているので、表面の単位面積あたりの液体が薄くなることがわかる。すなわち、平滑な表面に比べて凹凸のある表面の方が、銀粒子の単位面積あたりの密度は低下し、銀粒子間の融着の効率が低くなるのである。
また、記録媒体の表面自由エネルギー(表面張力)が異なることでも、色付きの程度に差が表れる。図14(c)および図14(d)を参照しながらその理由について説明する。図14(c)および図14(d)は、それぞれ記録媒体表面の表面自由エネルギーが異なる場合の、インク滴の広がりと高さを示した模式図である。図14(c)は、記録媒体表面の表面張力が高いためインクは広がりやすく、図14(d)は、記録媒体表面の表面張力が低いためインクが広がりにくい状態を示している。図14(c)および図14(d)の記録媒体に同一量のインク滴が着弾すると、表面張力の低い方のインク高さ1422に比べて、表面張力の高い方のインク高さ1421の方が、インク高さが小さくなることがわかる。インク滴中の水性溶媒が記録媒体に浸透すると、図14(d)に比べてドットが広がる図14(c)の場合は、ドットの単位面積あたりの銀粒子の密度が低下し、銀粒子間の融着の効率が低くなるのである。
また、記録媒体の受容層に含まれる無機粒子の粒径の絶対値または分布が異なることでも色付きの程度に差が表れる。図14(e)および図14(f)を参照しながらその理由について説明する。図14(e)および図14(f)は、受容層の無機粒子径が異なる場合の、銀粒子の挙動を示した模式図である。図14(f)は、図14(e)に比べて、無機粒子の形成する細孔径が大きく、銀粒子が記録媒体内部に一部浸透してしまっている状態1441を示している。記録媒体内部の銀粒子の周囲は無機粒子で囲まれるため銀の融着がほとんど起こらない。すなわち、図14(f)のように、無機粒子により形成される細孔径が大きい場合、図14(e)に比べて記録媒体表面の銀粒子の絶対数が少なくなり、銀粒子の融着の効率が低くなるのである。
以上の説明のように、さまざまな要因により、記録媒体が異なることでMeインクの色付きの程度が変わってしまう。また、前述した実施形態のように、2ドットを重ねるようにして色付きを低減させる場合、1ドットあたりのドットパワーが強くなることで粒状感が悪化してしまうということが起こり得る。そこで、本実施形態では、記録媒体の色付きの程度に応じて、記録処理、すなわち2ドットの重ねの程度を切り替えることで、粒状感の悪化を最小限に抑えることが可能となることを説明する。
以下、本実施形態における、記録装置1の主制御部11によって実行される、記録処理を切り替える方法について、図15を用いて説明する。記録装置1の主制御部11に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図15の各処理が実行される。
S1501において主制御部11は、画像処理装置2から供給される印刷ジョブを受信する。
S1502において主制御部11は、S1501で受信したジョブの記録媒体がマット紙であるか、光沢紙であるかを判定する。判定は、印刷ジョブを作成したユーザによって設定された用紙設定情報、または、記録データバッファ12が保持する用紙設定情報を参照することで行われる。判定結果がマット紙であればS1503へ進み、光沢紙であればS1504へ進む。
なお、S1502においては、色付きの程度が大きい記録媒体としてマット紙の例を挙げ、色付きの程度が小さい記録媒体として光沢紙の例を挙げるが、記録媒体による切り替えの区分種類はこれに限られない。例えば、異なる光沢紙の種類によって記録処理を切り替えてもよい。また、本実施形態ではマット紙と光沢紙との2種類の判定であるが、色付きの程度が異なり、記録処理を切り替える必要がある場合は3種類以上の切り替えを行ってもよい。
印刷ジョブの用紙設定情報がマット紙である場合、S1503において主制御部11は、ドット重畳度の高い記録処理を行う設定を行う。また、印刷ジョブの用紙設定情報が光沢紙である場合、S1504において、ドット重畳度の低い記録処理を行う設定を行う。
次に、S1505において主制御部11は、ドット重畳度の高い記録処理または、ドット重畳度の低い記録処理の設定に応じて、異なる記録処理を実行する。具体的には、図8で説明した記録処理を行う。
図16は、ドット重畳度の高い記録処理と、ドット重畳度の低い記録処理との違いの例について説明する図である。図9(a)と同様に、図16(a)は、横軸がS801で取得したメタリック画像データ濃度、縦軸が生成される各走査でのメタリック画像データ濃度である。図16(a)中の破線1601は、ドット重畳度の高い記録処理と、ドット重畳度の低い記録処理に共通であり、S803で生成される第一走査用のメタリック画像データである。図16(a)中の実線1611は、ドット重畳度の高い記録処理の第二走査のメタリック画像データである。また、図16(a)中の一点鎖線1621は、ドット重畳度の低い記録処理の第二走査のメタリック画像データである。
このようにすることで、入力濃度1~128において、ドット重畳度の高い記録処理では、すべてのMeドットが重畳するように制御される。一方、ドット重畳度の低い記録処理では、第一の記録走査で記録されるMeドットのうち約半分のMeドットが重畳するように制御される。
図16(b)にドット重畳比率の差を示す。図16(b)中の実線1631は、ドット重畳度の高い記録処理のドット重畳比率を示している。図16(b)中の一点鎖線1641は、ドット重畳度の低い記録処理のドット重畳比率を示している。以上のようにドット重畳度を切り替えることで、ドット重畳比率を記録媒体の色付きの程度に合わせて異ならせることができるのである。
なお、本実施形態においては、ドット重畳度の高い記録処理と、ドット重畳度の低い記録処理共に入力濃度が128の時に重畳ドットが最大になるようにしたが、重畳ドットが最大になる入力階調値が異なっていてもよい。また、ドット重畳度の低い処理において、ドットの重畳を発生させないようにしてもよい。具体的には、図16(a)の一点鎖線1621の画像データ濃度をすべての入力に対して0と設定すればよい。
また、ドット重畳度の高い記録処理と、ドット重畳度の低い記録処理とで、記録走査方向の制限に差を設けてもよい。重畳ドットの記録走査方向を同一方向にすることで色付きが低減する効果については前述の通りである。即ち、色付きの程度が大きい記録媒体に対しては記録方向を合わせた片方向記録とし、色付きの程度が小さい記録媒体に対しては双方向記録にする、としてもよい。これにより、色付きの程度が小さい記録媒体では生産性を向上することができる。
また、色付きの程度が大きい記録媒体に対しては、ドット並置度を大きくし、色付きの程度が小さい記録媒体に対しては、ドット並置度を小さくするようにしてもよい。画素サイズよりも大きいドットを並置することによる色付きの低減効果については前述の通りである。具体的には、図8のS804およびS814におけるMeドットの量子化で用いるディザマトリクスの分散性を異ならせればよい。例えば、ドット並置度が小さいディザマトリクスは、ドットが1画素ずつ分散して発生するようにすればよい。ドット並置度が大きいディザマトリクスは、2×2の画素単位に必ず同一の閾値が含まれるようにして、ドットを4画素単位の集中型ドットで発生させるようにすればよい。
<<第二の実施形態>>
次に、色付き低減の異なる方法としてMeインクの色付きの色味と反対方向の色味のカラーインクを重ねて記録する例を説明する。そして、本実施形態では、Meインクの色付きの色味と反対方向の色味のカラーインクを重ねて記録してMeインクの色付きを低減する際に、記録媒体の種類に応じて処理を切り替える形態を説明する。
図17は、Meインクの色付きの色味と反対方向の色味のカラーインクを重ねて記録することでMeインクの色付きが低減される例を説明する図である。図17(a)は、Meインクを用いてグラデーションを作成した時の、色付きの色味の方向を示す図である。前述したように、本説明のインクジェット記録装置の例では、通常、視覚的に粒状感を視認しにくくする。このため、できるだけブルーノイズ特性を持たせたドット配置にしてグラデーションを作成している。また、記録媒体はクラフト紙などで用いられるマット系の紙を用いている。
図17(a)の丸で囲ったデータは、紙白のa*値、b*値である。実線は、紙白からMeインクを打ち込んでいったときのa**平面上での色味の変化を表している。破線は、紙白からCyanインクを打ち込んでいったときの色味の変化を表している。以上からわかるように、Meインクは、Cyanインクと凡そ逆方向の色味の変化であることがわかる。そのため、CyanインクによってMeインクの色付きの視認性を低減することができる。
図17(b)は、上述のMeインクのグラデーションについて、Cyanインクを用いて調色した場合の効果について説明する図である。実線は、図6と同様にMeインクのみでMeのグラデーションを記録した場合の色付きの程度を表している。また、調整に用いたCyanインクの打ち込み量を一点鎖線で示す。一点鎖線の縦軸は、図17(b)の右側の第二の縦軸であり、5.7ngのCyanインク1ドットの600dpi当たりの平均ドット数を示している。図17(b)の破線は、一点鎖線で示すようにCyanインクを用いて調色を行った場合のMeのグラデーションの色付きの程度を表している。図17(b)から、Cyanインクにより、Meのグラデーションの色付きの程度が低減していることがわかる。調色用に用いるCyanインクの量は推定されるMeインクの色づきの程度に応じて変化し、Meインクの色付きの程度と同様に、中間の階調でピークとなっている。
以上のように、CyanインクなどのMeインクの色付きと逆方向の色味を持つカラーインクを用いて、Meインクの色付きの程度に応じてカラーインク量を調整することで、適切な色付きの低減が可能となる。
以上の知見を踏まえ、第二の実施形態ではMeインクの色付きの程度に応じて、Meインクの色付きと逆向きの色相を持つCyanインクを用いて色付きを低減させる例について説明する。そして、その際に、記録媒体の種類に応じて処理を切り替える形態を説明する。
また、第一の実施形態ではMeインクの入力階調値によって色付きの程度を推定し、ドットの重畳度合いを決定していた。本実施形態では、メタリック画像のドットの最終的なドット配置に基づいて、その色付きの程度を推定し、調色インク量を決定する例を説明する。本実施形態によれば、高濃度部の端部や孤立点での色付きも低減することができる。
<記録データ作成処理について>
以下、第二の実施形態における主制御部11によって実行される記録データ作成処理を説明する。図18中のS1801、およびS1822~S1823はそれぞれ、図8中のS801、およびS822~S823と処理が同じである為、説明を省略する。
S1804において主制御部11は、S1801で取得したメタリック画像データを量子化してMeインクのドット配置を決定する。本実施形態では、Meインクは、S1804で量子化されたMeインクのドット配置に従って記録されることになる。
S1812において主制御部11は、S1804で決定したMeインクのドット配置に基づいて、処理領域の調色インク量を決定するための領域調色強度Me’を導出する。本実施形態では、4×4画素の領域を処理単位として調色処理を行う。即ち、本実施形態では、4×4画素(処理領域)のMeインクのドット配置から、その4×4画素(処理領域)のドット配置の色付きの程度を把握し、処理領域に対する調色インク量を決定する。すなわち、S1812において主制御部11は、S1804でドット配置が決定された4×4画素の処理領域におけるMeインクのドット配置に基づいて、その処理領域の調色インク量を決定するための領域調色強度Me’を導出する。S1812の処理は、全ての処理領域に対して順次行われる。
図19は、S1812における1つの処理領域に対する領域調色強度Me’を導出するフローチャートを示す。
S1911において主制御部11は、領域調色強度Me’を以下のように初期化する。
Me’=0
S1901において主制御部11は、隣接Me画素数を、以下のように初期化する。
ndot=0
以降の処理は、1つの処理領域における各画素を注目画素として行う処理である。なお、以下では、注目画素に隣接する画素について判定を行う処理が含まれている。ここで、処理領域の境界に注目画素が位置する場合には、隣接する他の処理領域の画素を参照して処理を行えばよい。
S1902において主制御部11は、注目画素[x][y]にMeインクの記録対象画素が存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS1913に進む。判定結果がYesの場合にS1903に進む。
S1903からS1910では、注目画素にMeインクの記録対象画素が存在する場合に、上下左右に隣接する画素のうち何画素にMeインクの記録対象画素が存在するかを判定する。
S1903において主制御部11は、上側の隣接画素[x][y-1]にMeインクの記録対象画素が存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS1905に進む。判定結果がYesの場合にS1904に進み、隣接Me記録対象画素数を1つ加算した後にS1905に進む。
S1905において主制御部11は、下側の隣接画素[x][y+1]にMeインクの記録対象画素が存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS1907に進む。判定結果がYesの場合にS1906に進み、隣接Me記録対象画素数を1つ加算した後にS1907に進む。
S1907において主制御部11は、左側の隣接画素[x-1][y]にMeインクの記録対象画素が存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS1909に進む。判定結果がYesの場合にS1908に進み、隣接Me記録対象画素数を1つ加算した後にS1909に進む。
S1909において主制御部11は、右側の隣接画素[x+1][y]にMeインクの記録対象画素が存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS1911に進む。判定結果がYesの場合にS1910に進み、隣接Me記録対象画素数を1つ加算した後にS1912に進む。
S1912において主制御部11は、注目画素[x][y]の、領域調色強度Me’への加算値を決定し、決定した値を領域調色強度Me’へ加算する。具体的には次の式(2)のようにする。
Me’=Me’+ndotMax-ndot (2)
ただし、ndotMaxは隣接画素数の最大値であり、本実施形態ではndotMax=4である。
以上のS1901からS1912の処理は、4×4画素の処理領域内の全画素に対して行われる。S1913において主制御部11は、処理領域内の全画素の処理が完了したかを判定する。Noであれば、S1901に進み、Yesであれば処理を終了する。
図20(a)~(e)は、具体的な領域調色強度Me’の導出例を示す図である。図20(a)~(e)は、それぞれ左側にS1804で得られるMeインクの記録対象画素を示している。太い線で囲まれた4×4画素の領域が処理領域である。また、図20(a)~(e)それぞれの中央部の図は、左側の図のMeインクの記録対象画素に対応する画素位置の、領域調色強度Me’への加算値を示した図である。図19のS1901からS1912の処理にて値は決定される。図20(a)~(e)それぞれの右側の図は、中央の図の加算値を合計した値であり、処理領域における領域調色強度Me’である。
図20(a)は、処理領域内に4つのMeインクの記録対象画素がある場合の例を示す。記録対象画素の各画素位置のMe’への加算値は、全て「4」であり、合計した領域調色強度Me’は「16」となる。
図20(b)は、処理領域内に4つMeインクの記録対象画素が2×2画素であり、並置されている場合の例を示す。記録対象画素の各画素位置の領域調色強度Me’への加算値は全て「2」となり、合計した領域調色強度Me’は「8」となる。
図20(a)と図20(b)とを比べると、4×4画素の処理領域内のドット数は4つで同じであるが、ドットが並置されている図20(b)の方が色付きは小さくなる。このため、領域調色強度Me’の値も小さくなる。ドットが並置されていることで、色付きが低減するメカニズムについては、前述の図6の説明の通りである。このように、本実施形態では、ドット数が同じでもその配置による色付きの程度差を調色インク量に反映させることができる。
図20(c)は、処理領域内に8つのMeインクの記録対象画素が千鳥状に配置されている場合の例を示す。記録対象画素の各画素位置の領域調色強度Me’への加算値は全て「4」となり、合計した領域調色強度Me’は「32」となる。
図20(a)と図20(c)とを比べると、隣接画素にMeインクの記録対象画素がない画素が4ドットから8ドットになっている。Meドットの外周が周囲のMeドットと重畳しにくく、色付きが増加するため、領域調色強度Me’の値も大きくなる。
図20(d)は、処理領域内のすべての画素にMeインクの記録対象画素が配置されている場合の例を示す。記録対象画素の各画素位置の領域調色強度Me’への加算値は全て「0」となり、合計した領域調色強度Me’は「0」となる。このように、記録対象画素が全画素に配置された状態では、領域調色強度Me’の強度は0になる。この状態ではドット並置による色付き低減の効果が最大になるため、領域調色強度Me’は0となるのである。
以上のように、Meインクのドットの最終的なドット配置から色付きの程度を推定し、調色インク量の強度を精度よく決定することができる。
以上の説明したS1812の処理を終えた状態で、各4×4画素の処理領域には、領域調色強度Me’が設定されている。
図18に戻り、S1813以降の処理を説明する。S1813において主制御部11は、S1812で導出した領域調色強度Me’の値に基づいて各画素の調色インク量を決定する。領域調色強度Me’の値は4×4画素の処理領域を単位として設定されている。この処理領域の各画素の調色インク量は、処理領域に対して決定されている領域調色強度Me’の値により決定する。
図21(a)は、領域調色強度Me’の値と調色インク量との関係の例を示す。本実施形態においては調色インクとしてCyanインクのみを用いる。無論、他のインクの色を用いてさらに色味の調整精度を向上することも可能である。横軸は領域調色強度Me’、縦軸は領域調色強度Me’の値に対応する調色Cyanインク量であり、5.7ngのCyanインク1ドットの600dpi当たりの平均ドット数である。
S1824において主制御部11は、S1823で得られたインク色毎の画像データに、S1823で決定した調色インク量を加算し、所定の量子化処理を行う。
S1805~S1808は、図8のS805~S808と処理が同じため説明を省略する。
ここまで説明してきた様に、銀インクのうち、端部や孤立している画素を検出して調色インク量の強度を決定する事によって、高精度に上記の色付きを低減することができる。
なお、本実施形態では上下左右の4画素のMeドットの数を参照して領域調色強度Me’の値を決定したが、上下左右斜めの8画素のMeドットの数で領域調色強度Me’の値を決定してもよい。
そして、本実施形態では、Cyanインクを重ねるようにして色付きを低減させる場合、前述の記録媒体の色付きの程度に応じて、調色インクの量を適切に切り替える処理を行う。本実施形態においても、第一の実施形態と同様に記録媒体に応じて処理を切り替える。
以下、本実施形態において調色インクの量を記録媒体の種類に応じて切り替える方法の例を具体的に説明する。
図21(b)は、図18のS1813における領域調色強度Me’の値と調色インク量との関係の例を示しており、色付きの程度の大きい場合と、色付きの程度の小さい場合の違いの例について説明する図である。実線は、色付きの程度の大きい場合の調色インク量を示しており、破線は色付きの程度の小さい場合の調色インク量を示している。図から、色付きの程度が大きい場合より、小さい場合の方が、調色インク量が少なくなっていることがわかる。従って、記録媒体の種類が色付きの程度の大きい媒体の場合、実線に対応した調色インク量が決定され、色付きの程度の小さい媒体の場合、破線に対応した調色インク量が決定されることになる。
以上のようにすることで、色付きの異なる記録媒体に対して、適切な調色インク量でメタリック画像を記録することができる。
なお、本実施形態においては調色インク量を所定の処理単位領域のMeドット配置から決定したが、第一の実施形態のようにMeインクの入力階調値によって決定することもできる。また、調色に用いるインクをCyanインクのみを例に挙げて説明したが、少なくとも1種類のカラーインクを調色に用いる際の調整度合い(調色に用いるインクの量)が制御できればよい。
<<第三の実施形態>>
第二の実施形態では、所定単位の処理領域においてMeインクの記録対象画素の周囲のMeインクの記録対象画素の数をカウントして、所定単位の処理領域の調色インク量を決定する例を説明した。本実施形態では、調色インクではなく、MeインクをMeインクの記録対象画素の画素配置に基づいて重畳ドットとする割合を変える形態を説明する。そして、記録媒体の種類に応じて、重畳ドットとする割合を変える形態を説明する。
つまり、メタリック画像を記録するための記録データに基づいて、Meインクの色付きの程度を推定する形態として、記録対象画素に隣接する画素の割合に応じてMeインクの色付きの程度を推定する形態を説明する。すなわち、メタリック画像の量子化後のデータにおける記録対象画素の配置情報に基づいてMeインクの色付きの程度を推定して、重畳ドットを決定する形態を説明する。
<記録データ作成処理について>
図22は、第三の実施形態における記録データ作成処理を示すフローチャートである。図22中のS2201、およびS2222~S2224はそれぞれ、図8中のS801、およびS822~S824と処理が同じである為、説明を省略する。
S2204において主制御部11は、S2201で取得したメタリック画像データを量子化してMeインクの第一走査ドット配置を決定する。
S2214において主制御部11は、S2204で生成したMeインクの第一走査ドット配置に基づいて、Meインクの第二走査ドット配置を決定する。
図23は、S2214におけるMeインクの第一走査ドット配置に基づくMeインクの第二走査ドット配置の決定を説明する図である。本実施形態においては、各画素を注目画素として、画素毎に処理が行われる。図23に示すように、注目画素にMeインクの第一走査ドットが存在する場合に、上下左右に隣接する画素のうち何画素Meインクの第一走査ドットが存在するかを判定する。本実施形態では上下左右の画素の内、1か所でも記録されない画素が有る場合にMeインクを重畳する。よって、注目画素の上下左右に隣接する画素で0~3画素にMeインクの第一走査ドットが存在する場合に第二走査ドットを形成する。つまり、注目画素の上下左右に隣接するいずれの画素にもMeインクの第一走査ドットが存在する場合、第二走査ドットは形成されない(重畳ドットとしない)。
図24は、S2214における各画素での詳細フローチャートを示す。図24の処理は、1つの注目画素に対する処理であり、図24の処理が全ての画素を注目画素とした処理が行われることになる。
S2401において主制御部11は、隣接Me記録対象画素数ndotを以下のように初期化する。
ndot=0
S2402において主制御部11は、当該注目画素[x][y]にMeインクの第一走査ドットが存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS2413に進む。判定結果がYesの場合にS2403に進む。
S2403において主制御部11は、上側の隣接画素[x][y-1]にMeインクの第一走査ドットが存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS2405に進む。判定結果がYesの場合にS2404に進み、隣接Me記録画素数を1加算した後にS2405に進む。
S2405において主制御部11は、下側の隣接画素[x][y+1]にMeインクの第一走査ドットが存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS2407に進む。判定結果がYesの場合にS2406に進み、隣接Me記録画素数を1加算した後にS2407に進む。
S2407において主制御部11は、左側の隣接画素[x-1][y]にMeインクの第一走査ドットが存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS2409に進む。判定結果がYesの場合にS2408に進み、隣接Me記録画素数を1加算した後にS2409に進む。
S2409において主制御部11は、右側の隣接画素[x+1][y]にMeインクの第一走査ドットが存在するかを判定する。判定結果がNoの場合にはS2411に進む。判定結果がYesの場合にS2410に進み、隣接Me記録画素数を1加算した後にS2411に進む。
主制御部11はS2411において、隣接Me記録画素数が所定の閾値以下であるかを判定する。本実施形態において所定の閾値ndotTh=3である。判定結果がNoの場合にはS2413に進む。判定結果がYesの場合にS2412に進む。
S2412において主制御部11は、注目画素[x][y]のMeインクの第二走査ドットを形成するように制御する。具体的には注目画素[x][y]に1を設定して当該画素の処理を終了する。
S2413において主制御部11は、注目画素[x][y]のMeインクの第二走査ドットを形成しないように制御する。具体的には注目画素[x][y]に0を設定して当該画素の処理を終了する。以上説明した処理が、図22のS2214の処理である。
S2205において主制御部11は、S2204、S2214、およびS2224で作成した各インクに対応するドットデータから1走査分の記録データを生成する。そして、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Me(メタリック)の各ノズル列の所定領域へ配置する。その後のS2206~S2208は、第一の実施形態のS806~S808と同様である。また、ノズル列内で使用するノズル位置、搬送量などの具体的な内容は、実施形態1に記載の<記録動作の説明>と同様である。本実施形態で異なるのは、破線部906内の第一走査と第二走査に割り当てられるMeドットのデータがS2204とS2214であり、それぞれに異なるデータが割り当てられるということである。
以上説明したように、本実施形態では、Meインクのうち、端部または孤立している画素を検出して重畳する。これにより、Meインクの使用量の増加を抑えつつ、高精度に上記の色付きを低減する事が出来る。
そして、本実施形態においては、前述の記録媒体の色付きの程度に応じて、ドットの重畳を判定する閾値を適切に切り替えることで、Meインクの消費を最小限に抑えることができる。具体的には、色付きの程度に応じて、本実施形態の閾値ndotThの値を切り替える。例えば、色付きの程度が大きい記録媒体の場合はndotTh=3とし、色付きの程度が小さい記録媒体の場合はndotTh=2とする。こうすることで、ndotThの値の小さい方が重畳ドットの発生する割合を減らし、インク使用量を抑えることができる。
なお、本実施形態では上下左右の4画素のMeドットの数を参照してドットの重畳を判定したが、上下左右斜めの8画素のMeドットの数でドットの重畳を判定してもよい。
また、記録媒体の種類に応じて、隣接画素として扱う画素の数(上下左右の4つまたは斜めも含めた8つ)および閾値ndotThの少なくとも一方を切り替えてもよい。
<<その他の実施形態>>
これまで説明してきたように、色付きに対する処理は様々である。例えば、ドットを重畳する、記録画素よりも大きいドットを並置する、重畳ドットの記録方向を合わせる、色付きと反対の色味のインクにより調色する、などである。表2は、色付きに対する処理の切り替えを説明した項目について整理しておく。無論これらの処理の切り替えは個別に設定可能なものは、記録媒体によって適切な手段を組み合わせて使用してもよい。
Figure 0007271282000002
表2は、例えばドット重畳度、ドット並置度、記録方向合わせ、および調色強度について、それぞれ複数の記録モードが設定可能である例を示している。そして、記録媒体の種類に応じて、記録媒体の色付きが大きい場合には、例えばドット重畳度が大きくなる記録モードが設定されることを示している。これらの切り替え項目と記録モードとは、適宜組み合わせて使用することができる。例えば、記録媒体の色付きが小さい場合に、調色強度を小さくする一方で、記録方向合わせを行う(即ち、片方向記録を行う)形態としてもよい。また、第一の実施形態で説明したように、記録モードの設定は、印刷ジョブに規定されている記録媒体の種類に応じて設定される。そして、上述した各実施形態で説明したように、切り替え項目に対応する処理において、色付き低減強度に対応する処理が行われる。
以上説明した各実施形態においては、各処理を記録装置1の主制御部11が実行するものとして説明したが、このような形態に限定されない。具体的には、各実施形態で説明した各処理の全部または一部を、画像処理装置2の主制御部21が実行しても良い。
また、カラーインクとしてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のカラーインクを用いる形態を例に挙げて説明したが、使用するカラーインクは、3色より少なくてもよく、多くてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
11 主制御部
13 記録部
130 記録ヘッド
132 ノズル列

Claims (20)

  1. 銀粒子を含有するメタリックインクを吐出する記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドを用いてメタリック画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記メタリックインクを吐出することで形成されるメタリックドットの色付きを低減するように前記記録ヘッドからのインクの吐出を制御する低減手段と、
    前記低減手段が第一強度で前記色付きの低減をするように前記記録ヘッドからのインクの吐出を制御する第一記録モードと、前記低減手段が前記第一強度より低い第二強度で前記色付きの低減をするように前記記録ヘッドからのインクの吐出を制御する第二記録モードと、を含む複数の記録モードを設定可能な設定手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記設定手段は、前記メタリックインクが吐出される記録媒体の種類に応じて前記記録モードを設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録媒体にメタリックインクが吐出された場合に前記記録媒体の表面上で形成されるメタリックドットの1ドットあたりの銀粒子密度が第一の密度の記録媒体の場合には前記第一記録モードを設定し、前記記録媒体の表面上で形成されるメタリックドットの1ドットあたりの銀粒子密度が前記第一の密度より大きい第二の密度の記録媒体には前記第二記録モードを設定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記設定手段は、前記記録媒体の表面の凹凸が第一の凹凸の記録媒体である場合には前記第一記録モードを設定し、前記凹凸が前記第一の凹凸よりも小さい第二の凹凸の記録媒体である場合には前記第二記録モードを設定することを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記設定手段は、前記記録媒体の表面の表面張力が第一の表面張力である記録媒体である場合には前記第一記録モードを設定し、前記表面張力が前記第一の表面張力より低い第二の表面張力の記録媒体の場合には前記第二記録モードを設定することを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記設定手段は、前記記録媒体の受容層の無機粒子径が第一の大きさの記録媒体である場合には前記第一記録モードを設定し、前記無機粒子径が前記第一の大きさより小さい第二の大きさの記録媒体の場合には前記第二記録モードを設定することを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記低減手段は、前記メタリックインクの色付きの程度を推定し、推定した結果に応じて前記記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記複数の記録モードは、前記低減手段による色付きを低減する処理を行わない記録モードを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記低減手段は、前記記録ヘッドに、メタリックドットの少なくとも一部を重畳させて記録することで前記色付きを低減し、
    前記色付き低減の強度は、前記メタリックドットの重畳の度合いに対応することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記メタリックドットの重畳の度合いは、メタリックインクの記録信号の入力階調値に基づいて制御される請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記メタリックドットの重畳の度合いは、メタリックドットが配置される画素の周囲に隣接する画素のメタリックドットの数に基づいて制御されることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記メタリックドットの重畳は、記録対象画素のサイズよりも大きいサイズのメタリックドットを並置することにより行われることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記記録ヘッドを走査しながら前記メタリックインクを吐出することでメタリック画像を記録し、
    前記第一記録モードが設定された場合、前記低減手段は、前記メタリックドットを同一の記録走査方向で記録する処理を行うことを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記記録ヘッドは、少なくとも1種類のカラーインクをさらに吐出することが可能であり、
    前記低減手段は、前記メタリックインクが記録される所定の領域に対する前記カラーインクの記録信号の信号値を、前記メタリックドットの色付きを低減するように調整し、
    前記色付き低減の強度は、前記カラーインクの記録信号の信号値を調整する調整度合いに対応することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記調整度合いは、メタリックインクの記録信号の入力階調値により推定される色付きの程度に基づいて制御されることを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記調整度合いは、メタリックドットが配置される画素の周囲に隣接する画素のメタリックドットの数に基づいて制御されることを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記調整度合いは、前記所定に領域に対する前記カラーインクの記録信号の信号値に加算される値に対応することを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記記録ヘッドは、少なくとも1種類のカラーインクをさらに吐出することが可能であり、
    前記メタリックインクが所定の画素位置に吐出されてから所定の時間差を設けて、前記カラーインクが前記所定の画素位置に吐出されることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  19. 銀粒子を含有するメタリックインクを吐出する記録ヘッドを用いてメタリック画像を記録する記録方法であって、
    前記メタリックインクを吐出することで形成されるメタリックドットの色付きを低減するように前記記録ヘッドからのインクを吐出して記録を行い、
    第一記録モードで記録を行う場合には第一強度で前記色付きの低減をするように前記記録ヘッドからインクの吐出し、第二記録モードで記録を行う場合には、第二強度で前記色付きを低減するように前記記録ヘッドからインクを吐出することを特徴とするインクジェット記録方法。
  20. コンピュータに、銀粒子を含有するメタリックインクを吐出する記録ヘッドを用いてメタリック画像を記録するインクジェット記録装置における制御方法を実行させるためのプログラムであって、
    前記制御方法は、前記メタリックインクを吐出することで形成されるメタリックドットの色付きを低減する強度を、第一強度を有する第一記録モードと、第一強度よりも小さい第二強度を有する第二記録モードと、を含む複数の記録モードの間で設定する工程と、
    前記設定された強度に応じて、前記メタリックインクを吐出することで形成されるメタリックドットの色付きを低減する工程と、
    を有することを特徴とするプログラム。
JP2019077301A 2019-04-15 2019-04-15 インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム Active JP7271282B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019077301A JP7271282B2 (ja) 2019-04-15 2019-04-15 インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム
US16/838,259 US11141992B2 (en) 2019-04-15 2020-04-02 Inkjet printing apparatus, printing method, and storage medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019077301A JP7271282B2 (ja) 2019-04-15 2019-04-15 インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020175522A JP2020175522A (ja) 2020-10-29
JP2020175522A5 JP2020175522A5 (ja) 2022-04-19
JP7271282B2 true JP7271282B2 (ja) 2023-05-11

Family

ID=72749283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019077301A Active JP7271282B2 (ja) 2019-04-15 2019-04-15 インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11141992B2 (ja)
JP (1) JP7271282B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012222501A (ja) 2011-04-06 2012-11-12 Seiko Epson Corp 画像処理装置、ルックアップテーブルの生成方法、印刷装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2013230586A (ja) 2012-04-27 2013-11-14 Seiko Epson Corp 印刷データ生成装置、印刷方法およびプログラム
JP2016000517A (ja) 2014-05-19 2016-01-07 株式会社ミマキエンジニアリング 印刷装置及び印刷方法
US20180209927A1 (en) 2017-01-23 2018-07-26 Winbond Electronics Corp. Reduction-oxidation sensor device and manufacturing method thereof
JP2019006095A (ja) 2017-06-28 2019-01-17 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびルックアップテーブルの作成方法
JP2019029826A (ja) 2017-07-31 2019-02-21 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

Family Cites Families (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3126277B2 (ja) 1993-09-08 2001-01-22 キヤノン株式会社 記録装置
JP3486482B2 (ja) 1994-07-29 2004-01-13 キヤノン株式会社 記録装置および記録装置の駆動方法
JP3391924B2 (ja) 1995-01-31 2003-03-31 キヤノン株式会社 画像記録装置
US6325479B1 (en) 1995-02-06 2001-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus, electronic apparatus using the same and change control method therefor
JP3376148B2 (ja) 1995-02-21 2003-02-10 キヤノン株式会社 画像読み取り機能を有する記録装置
US5847719A (en) 1995-02-21 1998-12-08 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus
JP2967052B2 (ja) 1995-09-08 1999-10-25 キヤノン株式会社 カラーフィルタの製造方法及び製造装置
JP3559633B2 (ja) 1995-12-05 2004-09-02 キヤノン株式会社 記録装置およびインクジェット記録方法
JP3245360B2 (ja) 1996-07-30 2002-01-15 キヤノン株式会社 画像記録装置
JP4065476B2 (ja) 1998-11-27 2008-03-26 キヤノン株式会社 カラーフィルタの製造方法及び表示装置の製造方法
US6612678B2 (en) 2000-09-04 2003-09-02 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing system and method
JP3487588B2 (ja) 2000-11-30 2004-01-19 キヤノン株式会社 記録ヘッドのバッファ室への気泡充填方法および記録装置
JP3950704B2 (ja) 2002-02-21 2007-08-01 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、印刷制御装置、印刷制御方法、プログラム
JP4307015B2 (ja) 2002-06-04 2009-08-05 キヤノン株式会社 プリント装置及びその制御方法
JP4027161B2 (ja) 2002-06-04 2007-12-26 キヤノン株式会社 プリンタ装置及びその制御方法
JP4208640B2 (ja) 2002-06-04 2009-01-14 キヤノン株式会社 印刷システムと印刷制御方法及び印刷装置とその制御方法
JP2004013349A (ja) 2002-06-04 2004-01-15 Canon Inc 撮像装置、記録システム及びその記録制御方法
JP4298486B2 (ja) 2003-12-03 2009-07-22 キヤノン株式会社 記録装置及びその記録方法並びにプログラム
JP4217651B2 (ja) 2004-03-31 2009-02-04 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
JP2005349660A (ja) 2004-06-09 2005-12-22 Canon Inc 記録装置及び記録方法
JP2006159697A (ja) 2004-12-08 2006-06-22 Canon Inc 記録方法、及び記録装置
JP2006159698A (ja) 2004-12-08 2006-06-22 Canon Inc 記録方法、及び記録装置
JP2006341406A (ja) 2005-06-07 2006-12-21 Canon Inc インクジェット記録システム
JP5105777B2 (ja) 2006-06-20 2012-12-26 キヤノン株式会社 画像処理方法およびインクジェット記録装置
JP4926680B2 (ja) 2006-12-11 2012-05-09 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
US8210638B2 (en) 2007-02-14 2012-07-03 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing apparatus and ink jet priting method
JP5004713B2 (ja) 2007-08-08 2012-08-22 キヤノン株式会社 画像処理装置、記録装置および画像処理方法
JP5388655B2 (ja) 2009-03-31 2014-01-15 キヤノン株式会社 記録装置及び記録方法
JP5541652B2 (ja) 2009-03-31 2014-07-09 キヤノン株式会社 記録装置及び記録方法
US20110019208A1 (en) 2009-07-23 2011-01-27 Canon Kabushiki Kaisha Image data generating apparatus, printing apparatus, and image data generation method
JP2011201151A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Seiko Epson Corp 印刷装置、印刷方法、印刷制御方法およびコンピュータープログラム
JP5473779B2 (ja) 2010-05-24 2014-04-16 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
US8711453B2 (en) 2010-05-24 2014-04-29 Canon Kabushiki Kaisha Data processing apparatus and data processing method for reducing an uneven color made up of two or more ink colors
JP5780734B2 (ja) 2010-10-05 2015-09-16 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP5780736B2 (ja) 2010-10-05 2015-09-16 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP5780735B2 (ja) 2010-10-05 2015-09-16 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP6112833B2 (ja) 2012-11-16 2017-04-12 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP6012425B2 (ja) 2012-11-16 2016-10-25 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP6021600B2 (ja) 2012-11-16 2016-11-09 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP6016588B2 (ja) 2012-11-16 2016-10-26 キヤノン株式会社 画像処理装置、記録装置および画像処理方法
JP6296726B2 (ja) 2012-11-16 2018-03-20 キヤノン株式会社 ディザパタン作成方法および画像処理装置
JP6401980B2 (ja) 2014-09-05 2018-10-10 株式会社ミマキエンジニアリング 印刷装置および印刷物の製造方法
EP3372413B1 (en) * 2017-03-10 2020-05-13 Ricoh Company, Ltd. Printer and printing method

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012222501A (ja) 2011-04-06 2012-11-12 Seiko Epson Corp 画像処理装置、ルックアップテーブルの生成方法、印刷装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2013230586A (ja) 2012-04-27 2013-11-14 Seiko Epson Corp 印刷データ生成装置、印刷方法およびプログラム
JP2016000517A (ja) 2014-05-19 2016-01-07 株式会社ミマキエンジニアリング 印刷装置及び印刷方法
US20180209927A1 (en) 2017-01-23 2018-07-26 Winbond Electronics Corp. Reduction-oxidation sensor device and manufacturing method thereof
JP2019006095A (ja) 2017-06-28 2019-01-17 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびルックアップテーブルの作成方法
JP2019029826A (ja) 2017-07-31 2019-02-21 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US11141992B2 (en) 2021-10-12
US20200324556A1 (en) 2020-10-15
JP2020175522A (ja) 2020-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020035367A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法、プログラム
US20120050362A1 (en) Inkjet printing apparatus and inkjet printing method
EP3282682A1 (en) Forming method, forming system, and forming apparatus
EP2107508B1 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP4293231B2 (ja) ドットの形成順序に基づくインク吐出量の制御
JP2008037009A (ja) 双方向印刷を行うための画像処理装置および印刷装置
JP7309427B2 (ja) インクジェット記録装置、記録方法、およびプログラム
US10875293B2 (en) Ink-jet printing apparatus, ink-jet printing method, and storage medium
US9132630B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP7271282B2 (ja) インクジェット記録装置、制御方法、およびプログラム
JP7301584B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP6991845B2 (ja) 記録装置、記録方法、およびプログラム
JP6358417B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2019198976A (ja) インクジェット記録装置、その制御方法、及びプログラム
JPWO2019012759A1 (ja) 画像処理装置及び方法、プログラム並びに画像記録装置
US8988734B2 (en) Image processing apparatus and control method configured to complement a recording amount assigned to defective nozzles
JP2020192732A (ja) 画像記録装置、画像記録方法及びプログラム
JP5832133B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2022188467A (ja) 画像記録装置、画像処理方法及びプログラム
JP6552249B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置
US10389910B2 (en) Image processing apparatus, image processing method, and storage medium
JP2009023130A (ja) ドットの形成順序に基づくインク吐出量の制御
JP2015212030A (ja) 画像記録装置、画像記録方法および画像処理装置
JP2018144342A (ja) 印刷装置、及び、印刷方法
US9139016B2 (en) Printing apparatus, printing method, and printing program

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220411

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230426

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7271282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151