JP2019198976A - インクジェット記録装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

インクジェット記録装置、その制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】カラーインクの他にメタリックインクを用いるインクジェット記録装置において、高質なメタリックカラー表現と、ノズル寿命の短縮抑制とを両立する。【解決手段】本発明は、メタリック(Me)インクを吐出するノズルが配列された第1ノズル列と、カラーインクを吐出するノズルが配列された第2ノズル列とを備えた記録ヘッドを有し、Meインクを記録媒体に付与し、該付与したMeインク上にカラーインクを付与するインクジェット記録装置が、第1ノズル列と第2ノズル列との夫々について、各ノズル列に含まれるノズルの内インクを吐出する吐出ノズルを設定する設定手段と、第1ノズル列と第2ノズル列との夫々に対する、吐出ノズルと不吐出ノズルとから成るノズルパターンに基づき、Meインクを付与した後、該付与したメタリックインク上に所定の時間差をおいてカラーインクを付与するよう前記記録ヘッドを制御する制御手段とを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット記録装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
近年、金属粒子を含有し、インクジェット記録装置で記録媒体に吐出可能なメタリックインクが出てきている。メタリックインクを用いた印刷では、印刷物に金属光沢を付与することができる。印刷物に金属光沢を付与することが可能になるに従い、画像における金属光沢感に関する要求が高まっている。そのような要求の1つとして、従来のカラーインクとメタリックインクとを組み合わせることで、金属光沢を伴う色を表現したいという要求がある。以下、このような表現を「メタリックカラー表現」と呼ぶ。
特許文献1は、記録ヘッドを主走査方向に移動させながらインクを吐出して記録媒体上に下地としてメタリックインクを付与し、その上にカラーインクを付与することでメタリックカラー表現を実現する手法を開示する。特許文献1では、副走査方向に沿って複数ノズルが配列されたメタリックインクノズル列とカラーインクノズル列とについて、各ノズル列で使用するノズルをずらす際にどちらのノズルも使用しない領域(いわゆるブランクノズル領域)を設定している。このような領域を設けることで、下地としてメタリックインクを記録してから、その上にカラーインクを記録するまでに十分な時間が得られる。これにより、メタリックインクが十分乾燥してからカラーインクが付与されるため、高質なカラーメタリック表現を実現することができる。
特開2016−55463号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いて特定のノズルだけを使い続けた場合、ノズルの使用頻度に偏りが生じる。その結果、使い続ける特定のノズルの寿命が、使わないノズルより早く尽きてしまうため、記録ヘッドの寿命が短縮してしまう。
そこで本発明は、上記の課題に鑑み、カラーインクの他にメタリックインクを用いるインクジェット記録装置において、高質なメタリックカラー表現と、ノズル寿命の短縮抑制とを両立することを目的とする。
本発明は、メタリックインクを吐出するノズルが配列された第1のノズル列と、カラーインクを吐出するノズルが配列された第2のノズル列とを備えた記録ヘッドを有し、前記メタリックインクを記録媒体に付与し、該付与したメタリックインクの上に前記カラーインクを付与するインクジェット記録装置であって、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのそれぞれについて、各ノズル列に含まれるノズルのうちインクを吐出する吐出ノズルを設定する設定手段と、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのそれぞれに対する、前記吐出ノズルとインクを吐出しない不吐出ノズルとから成るノズルパターンに基づいて、前記メタリックインクを付与した後、該付与したメタリックインクの上に所定の時間差をおいて前記カラーインクを付与するよう 前記記録ヘッドを制御する制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、カラーインクの他にメタリックインクを用いるインクジェット記録装置において、高質なメタリックカラー表現と、ノズル寿命の短縮抑制とを両立することが可能となる。
第1の実施形態における記録システムの構成を示すブロック図。 第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の記録部の構成を説明するための図。 第1の実施形態における記録ヘッドをノズル面側(下側)から見た図。 第1の実施形態で用いる画像データ。 第1の実施形態における記録データ作成処理のフローチャート。 第1の実施形態における、記録ヘッドの各インクの記録ノズルの配置、及び、実際にインクを吐出する記録ノズルを用いて記録動作を行っている様子、を模式的に示す図。 第1の実施形態における記録処理のフローチャート。 第1の実施形態における使用ノズル領域を模式的に示す図。 第1の実施形態で記録する画像。 第1の実施形態における記録動作を模式的に示す図。 第2の実施形態における記録処理のフローチャート。 第2の実施形態における使用ノズル領域を模式的に示す図。 第2の実施形態で記録する画像。 第2の実施形態における記録動作を模式的に示す図。 第3の実施形態における記録処理のフローチャート。 第4の実施形態における記録処理のフローチャート。 第4の実施形態における使用ノズル領域を模式的に示す図。 第5の実施形態における使用ノズル領域を模式的に示す図。 第5の実施形態における記録動作を模式的に示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、以下の実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決に必須のものとは限らない。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。また、以下に記載されている構成要素の相対配置、形状等は、あくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1の実施形態]
<記録システムについて>
以下、本実施形態における記録システムについて、図1を用いて説明する。記録システムは、インクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも言う)1と、画像処理装置2と、画像供給装置3とから構成される。画像供給装置3は、画像データを画像処理装置2に供給する。画像処理装置2は、画像供給装置3から供給された画像データに所定の画像処理を施すことで記録データを作成し、該作成した記録データを記録装置1に送信する。記録装置1は、画像処理装置2から送信された記録データに基づき、インクを用いて記録媒体に画像を記録する。
記録装置1の主制御部11は、CPU、ROM、RAM等によって構成され、記録装置1全体を統括的に制御する。例えば、主制御部11のCPUは、後述する図7のフローチャートに示す処理を実行する。記録部13に転送される記録データは、ラスターデータとして記録データバッファ12に一時的に格納される。
記録部13は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドは、インク滴を吐出可能な複数のノズルから成るノズル列を複数有する。記録部13は、記録データバッファ12に格納された記録データに基づき、各記録ノズルからインクを吐出することで、記録媒体に画像を記録する。以下、記録ヘッドが、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のカラーインクとメタリック(Me)インクとの計4つの記録ノズル列を有するケースを例に挙げて説明する。
<記録装置の記録部について>
図2は、本実施形態における記録部13を構成する記録ヘッド130を説明するための図である。記録ヘッド130は、キャリッジ131と、ノズル列132と、光学センサ133とを有する。4つのノズル列132と光学センサ133とを搭載したキャリッジ131は、ベルト134を介して伝達されるキャリッジモータの駆動力によって、図中X方向(所謂、主走査方向)に沿って往復移動可能である。キャリッジ131が記録媒体に対し相対的にX方向に移動する最中、ノズル列132の各ノズルからインクが記録データに基づいて重力方向(図中−z方向)に吐出される。これにより、プラテン135上に配された記録媒体に主走査1回分の画像が記録される。1回分の主走査が完了すると、記録媒体は主走査1回分の幅に対応する距離だけ搬送方向に沿って(図中−y方向に)搬送される。このような主走査と搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に徐々に画像が形成される。光学センサ133は、キャリッジ131とともに移動しながら検出動作を行うことにより、プラテン135上に記録媒体が存在するか判定する。
<記録ヘッドについて>
図3は、記録ヘッド130をノズル面側(つまり下側)から見た図である。記録ヘッド130には、4つのノズル列、即ち、Cインクに対応するノズル列132C、Mインクに対応するノズル列132M、Yインクに対応するノズル列132Y、Meインクに対応するノズル列132MeがX方向における位置が異なるように配置されている。ノズル列132CのノズルからCインクが、ノズル列132MのノズルからMインクが、ノズル列132YのノズルからYインクが、ノズル列132MeからMeインクが、それぞれ吐出される。各ノズル列において、インクを滴として吐出するための複数のノズルがY方向に沿って所定のピッチで配列されている。図3のケースでは、各ノズル列において、16個のノズルが1200dpiのピッチで配列されているものとする。
<画像データについて>
以下、本実施形態で用いる画像データについて、図4を用いて説明する。図4は、画像供給装置3が画像処理装置2に送信する画像データの一例を示す図である。
本実施形態では、画像処理装置2は、2種類の画像データを画像供給装置3から受信する。具体的には、図4に示すような、3色のカラーインク用の画像データ(カラー画像データと呼ぶ)と、メタリックインク用の画像データ(メタリック画像データと呼ぶ)である。カラー画像データは、sRGB等の規格化された色空間を表現するための複数の色成分の値を各画素が持つ画像であり、メタリック画像データは、カラー画像と同一サイズのグレースケール画像である。カラー画像とメタリック画像とが重なる領域(図4のケースでは、星型の領域3つ)が、メタリックカラーとして表現される領域である。以下、カラー画像データは、各画素が3チャンネルの値、具体的には、RGBのチャンネル毎に8bitの値を持つ画像であり、メタリック画像データは、各画素が8bitの値を持つ画像であるものとして説明する。
<記録データ作成処理について>
以下、本実施形態における、画像処理装置2の主制御部21によって実行される、画像データに基づき記録データを作成する処理(記録データ作成処理とする)について、図5を用いて説明する。画像処理装置2の主制御部21に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図5の各処理が実行される。
ステップS500において、主制御部21は、画像供給装置3から送信された、カラー画像データとメタリック画像データとを取得する。尚、以下では、「ステップS〜」を単純に「S〜」と略記する。
S501において、主制御部21は、S500で取得したカラー画像データを、記録装置1の色再現域に対応した画像データに変換する処理(色補正処理とする)を実行する。例えば、本ステップにより、各画素がRGBのチャンネル毎に8ビットの値を持つ画像データが、各画素がR´G´B´のチャンネル毎に12ビットの値を持つ画像データに変換される。本ステップにおける変換では、マトリクス演算処理や、予めROM等に格納された3次元ルックアップテーブル(以下、3DLUT)を参照する等といった公知の手法を用いて良い。尚、S500で取得したメタリック画像データに対しては、記録装置1が8ビットのグレースケール画像に対応するものとし、本ステップにおける色補正処理を施さない。
S502において、主制御部21は、S501で導出した画像データを、インク色毎の画像データに分解する処理(インク色分解処理とする)を実行する。例えば、本ステップにより、各画素がR´G´B´のチャンネル毎に12ビットの値を持つ画像データが、記録装置1で用いるインク色毎の画像データ(即ち、C、M、Yそれぞれの16ビット階調データ)に分解される。尚、本ステップでもS501と同様に、予めROM等に格納された3次元ルックアップテーブル(以下、3DLUT)を参照する等といった公知の手法を用いて良い。また、S500で取得したメタリック画像データに対しては、記録装置1が8ビットのグレースケール画像に対応するものとし、本ステップにおける色分解処理を施さない。
S503において、主制御部21は、各インクに対応する階調データに対し所定の量子化処理を行うことで、該階調データを数ビットの量子化データに変換する。具体的には、各インクの信号値を、単位面積辺りのインク吐出量を規定する吐出レベルに変換する。例えば、3値に量子化する場合、本ステップにより、C、M、Y、Meそれぞれの階調データは、各画素が吐出レベル0〜2の何れかの値を持つ2ビットデータに変換される。
S504において、主制御部21は、S503で導出した吐出レベルに基づくインデックス展開処理を実行する。インデックス展開処理とは例えば、600dpi×600dpiの画像における1画素を、2400dpi×2400dpiの画像における4×4画素のビットマップパターンに展開する処理である。具体的には、600dpi×600dpiの画像における1画素が持つ各インク色の吐出レベルの値に基づき、2400dpi×2400dpiの画像における4×4画素の画素値を決定することでビットマップパターンを作成する。本ステップの処理は、公知の手法を用いて実行して良い。例えば、吐出レベルに応じたドット配置をテーブルとして予め記憶しておき、S503で導出した吐出レベルに応じたテーブルを用いてドット配置を決定しても良い。本ステップにより、紙面上への最終的なドット配置先が決定され、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Me(メタリック)の各インクに対応する、ドットデータが作成される。例えば、記録ヘッド130が紙面上に2400dpi×2400dpiの解像度でドットを配置可能な場合、紙面を2400dpi×2400dpiの格子に区切った各座標に対し、ドットを配置するか否かが決定される。
S505において、Meインクの層の上に、C、M、Yのカラーインクのうち少なくとも1つの層が重なる領域を示すデータを作成する処理(重複領域データ作成処理とする)を実行する。具体的には、Meインクに対応するドットデータと、C、M、Yの各カラーインクに対応するドットデータとを用いて、メタリックインクとカラーインクとの両方でドットが配置される全ての画素を求める。本ステップにより、2値データである重複領域データ(つまり、重複する画素を1、重複しない画素を0で示す)が作成される。
主制御部21は、S504で作成した各インクに対応するドットデータと、S505で作成した重複領域データとを含む印刷ジョブを作成する。そして、主制御部21は、この印刷ジョブを、インターフェース(I/Fと略記する)22を介して記録装置1に送信する。
尚、ここでは、図5の各処理を画像処理装置2の主制御部21が実行するものとして説明したが、本実施形態はこのような形態に限定されない。具体的には、図5の処理の全部または一部を、記録装置1の主制御部11が実行しても良い。以上が、本実施形態における記録データ作成処理の内容である。
<記録動作について>
図6は、記録ヘッド130における各インクのノズル列の配置、及び、実際にインクを吐出するノズルにより記録動作が行われている様子を模式的に示す図である。本実施形態ではメタリックカラー表現を実現するために、記録媒体の同一領域上にカラーインクとメタリックインクとを異なるタイミングで吐出する必要があり、また、そのタイミングに留意する必要がある。具体的には、メタリックインクを先に吐出し、その後、一定値以上の時間差を設けた上で、カラーインクを吐出しなければならない。尚、ここでは、説明を簡単にするため、1パス(往路又は復路)で画像形成するケースを例に挙げて説明する。
画像を形成する際、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら各インクを吐出させる。そして、1回分の主走査が完了した場合、記録媒体を副走査方向に沿って搬送する。このような記録ヘッド130による主走査と、記録媒体の搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体上に段階的に画像が形成されていく。尚、主走査と搬送動作とを合わせて「記録走査」と呼ぶ。
このような画像形成の態様を踏まえ、本実施形態では、メタリックインクを吐出するノズルが副走査方向に沿って配列したノズル列132Meに含まれるノズルの中で実際にインクを吐出するものは、図中に黒塗りで示す先端の4ノズルとする。また、C、M、Yの各カラーインクに対応するノズル列132C、132M、132Yについて、それぞれに含まれるノズルの中で実際にインクを吐出するものは、斜線で示す後端の4ノズルとする。尚、各ノズル列において、中心より先端側に存在するノズルを搬送方向上流側ノズルと呼ぶ(単純に上流側ノズルとも呼ぶ)。一方、中心より後端側に存在するノズルを搬送方向下流側ノズルと呼ぶ(単純に下流側ノズルとも呼ぶ)。本実施形態では、記録媒体の搬送量を4ノズル分とすることで、先にメタリックインクを吐出した後、カラーインクを吐出することを可能としている。
図6において、記録媒体600上の黒塗りの部分は、メタリックインクで記録された領域を表す一方、斜線で示す部分は、メタリックインクで記録された後、カラーインクで記録された領域を表している。メタリックインクを先端ノズルから吐出させ、カラーインクを後端ノズルから吐出させることで、記録媒体600の同一領域上に異なるタイミングで2種類のインクを付与していることが分かる。
また、本実施形態では図6に示すように、メタリックインクを実際に吐出するノズル(先端の4ノズル)と、カラーインクを実際に吐出するノズル(後端の4ノズル)との間に存在する8個のノズルが、インクを吐出しないよう制御される。このような、メタリックインクとカラーインクとのどちらも吐出されない領域を「ブランクノズル領域」と呼ぶ。ブランクノズル領域を設けることで、メタリックインクとカラーインクとを十分な時間差をもって付与することができる。図6に示すケースでは、メタリックインクを付与してからカラーインクを付与するまでの間に、少なくとも主走査3回分に相当する時間差が設けられることとなる。これにより、記録媒体上に付与されたメタリックインクが乾燥するのに充分な時間を確保することができる。この結果、記録媒体上にメタリックインク層とカラーインク層とを確実に形成し、光沢性と彩度とが良いメタリックカラー表現を実現することが可能となる。
仮にメタリックインクの乾燥時間が不十分な場合、先に付与したメタリックインクの層が形成される前にカラーインクが付与されることになってしまう。その場合、メタリックインクとカラーインクとが混ざり合ったり、カラーインクがメタリックインクよりも下に浸透してしまったりすることで、光沢性と彩度に優れたメタリックカラー表現を実現できなくなってしまう。従って、メタリックカラー表現を実現するためには、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの間の時間差は、重要な要素である。
本実施形態ではシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクを使用しているが、メタリックインクと各カラーインクとの間に必要な時間差はカラーインクに依って異なる場合が多いため、一番長い時間差が必要なカラーインクに合わせることが望ましい。例えば、染料のマゼンタインクは一般的に凝集が起こりにくいことで知られており、メタリックインク層の上にマゼンタインクが析出しにくい。従って、本例では、メタリックインクとマゼンダインクとの間に必要な時間差を確保するように、使用するノズルの数を設定することで、どのカラーインクとメタリックインクとの組み合わせにおいても、高質なメタリックカラー表現を実現できるようになる。
尚、使用するノズルの数、搬送量は、前述のものに限られない。他の一例として、メタリックインクが速乾性のため、必要な時間差がより短い場合を考える。この場合、例えば、メタリックインクのノズル列においてメタリックインクを実際に吐出するノズルを先端の6ノズルと設定し、各カラーインクのノズル列において各カラーインクを実際に吐出するノズルを後端の6ノズルと設定しても良い。このとき、記録媒体の搬送量を6ノズル分とすることで、生産性を向上させることが可能である。
また、他の一例として、メタリックインクが遅乾性のため、必要な時間差がより長い場合を考える。この場合、例えば、メタリックインクのノズル列においてメタリックインクを実際に吐出するノズルを先端の3ノズルと設定し、各カラーインクのノズル列において各カラーインクを実際に吐出するノズルを後端の3ノズルと設定しても良い。このとき、記録媒体の搬送量を3ノズル分とすることで、時間差をより長くすることが可能となる。
他にも、メタリックインクのノズル列においてメタリックインクを実際に吐出するノズルを先端の3ノズルと設定し、各カラーインクのノズル列において各カラーインクを実際に吐出するノズルを後端の6ノズルと設定しても良い。このとき、記録媒体の搬送量を3ノズル分とすることで、吐出可能なカラーインクのノズルの走査回数を増やすことができ、同一領域により多くのカラーインクを吐出することが可能となる。
<記録処理について>
次に、本実施形態の重要な特徴である、メタリックインクとカラーインクとを十分な時間差をもって付与することを可能にする記録処理について説明する。この記録処理には、メタリックインクを付与するタイミングと、カラーインクを付与するタイミングとの間で必要な時間差を確保するための処理が含まれる。本実施形態では前述したように、各ノズル列における使用ノズル数を選択的に設定することで時間差を作り出すが、これに加え、別の時間差設定手段を用いて、必要な時間差に不足する分を補う。
図7は、本実施形態における記録処理のフローチャートである。記録装置1の主制御部11に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図7の各処理が実行される。
また、本実施形態における記録処理では、特定のノズルだけ使用頻度が高くなることに起因する一部ノズルの寿命短縮ひいては記録ヘッドの寿命短縮を抑制するため、印刷ジョブ毎に使用ノズル領域を変更する。印刷ジョブとは、記録媒体と印刷品位とに関する設定を同じとする、1または複数のページのデータで構成される印刷命令セットである。使用ノズル領域とは、実際にインクを吐出するノズルを設定するための領域であり、使用ノズル領域内に含まれるノズルが、実際にインクを吐出する。図8は、使用ノズル領域の例を模式的に示す図である。図中、ノズル列132Meにおいて、実際にインクを吐出するノズルは、黒塗りで示す4ノズルである一方、ノズル列132C、132M、132Yにおいて、実際にインクを吐出するノズルは、斜線で示す4ノズルである。
尚、ここでは、図8(a)と図8(b)とのどちらかのノズルパターンを用いて、記録処理を実行し、また、記録対象の画像データとして、図4で示したメタリック画像データとカラー画像データとを採用するものとする。ここでノズルパターンとは、実際にインクを吐出するノズル(吐出ノズルとする)と、インクを吐出しないノズル(不吐出ノズルとする)とから成るノズル列におけるパターンである。また、記録装置1のデータバッファ16には、高質なメタリックカラー表現を実現するために確保すべき、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの間の時間差の情報(時間差目標値Tmetaとする)が予め格納されている。時間差目標値Tmetaは、実験等により求められる。
S700において、主制御部11は、データバッファ16に格納されている印刷ジョブに含まれる1ページ分のデータを取得する。本ステップで取得するデータは、各インクに対応するドットデータと、重複領域データと、を含む。
S701において、主制御部11は、S700で取得した、各インクに対応するドットデータ、及び、重複領域データについて、それぞれの一部を記録データバッファ12に格納する。「一部」とは、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながらインクを吐出させる1回の記録走査で要するノズル分のデータと、その次の記録走査で要するノズル分のデータとの計2回分という意味である。尚、本実施形態では前述したように、図8(a)と図8(b)との何れかのパターンを用いて記録処理を実行しており、どちらのパターンを用いた場合であっても、1回の記録走査で用いるノズル数は4である。従って、本ステップでは、記録走査2回分のデータとして、8ノズル分に相当するデータを、記録データバッファ12に格納することになる。
S702において、主制御部11は、S701で記録データバッファ12に格納した重複領域データを用いて、メタリックインクとカラーインクの何れか(即ち、C、M、Yの何れか)とが重複する画素が存在するか判定する。本ステップの処理は、重複があるか否かを示す2値データである重複領域データのうち、最初の1回の記録走査で吐出を行うノズル分に対してのみ行う。本ステップの判定結果が偽の場合、S703に進む一方、該判定結果が真の場合、S704に進む。
S703において、主制御部11は、各インクのドットデータを用いて、主走査方向における左端の座標情報と右端の座標情報とを取得し、該取得したこれらの情報に基づき、主走査方向における画像幅を導出する。この画像幅を導出する処理は、2回の記録走査で吐出を行うノズル分のドットデータに対して行って良い。この場合、2回分の記録走査で記録する領域を考慮することになり、生産性が向上する。
S704において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本実施形態では、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では、図8(a)に示すノズルを使用し、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では、図8(b)に示すノズルを使用するといったように、2パターンを交互に使い分ける。尚、使用ノズル領域の設定は、パスマスクを用いること等により実施する。
S705において、主制御部11は、記録ヘッド130を走査させる幅(走査幅Wmetaとする)を導出する。具体的に、メタリックインクとカラーインクとが重複する画素が存在せず(S702でNO)、S703でドットデータの座標情報を取得している場合について考える。この場合、記録ヘッド130を往方向に移動するときはドットデータの右端の座標情報に基づき走査幅Wmetaを導出できる一方、記録ヘッド130を復方向に移動するときは左端の座標情報に基づき走査幅Wmetaを導出できる。これに対し、メタリックインクとカラーインクとが重複する画素が存在する場合(S702でYES)、記録媒体上の記録可能領域に対して、主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値を、走査幅Wmetaとして導出する。
S706において、主制御部11は、式(1)を用いて、S704における使用ノズル領域の結果生じる、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの間の時間差(T1とする)を導出する。
Figure 2019198976
尚、Nscanは、各ノズル列における記録走査1回あたりの使用ノズル数であり、Nblankは、ブランクノズル領域内のノズル数であり、Vcrは、記録時の記録ヘッド130の主走査方向における移動速度(いわゆる主走査速度)である。
S707において、主制御部11は、時間差目標値Tmeta、及び、S706で導出した時間差T1に基づき、式(2)及び式(3)を用いて、所定の時間差を設けるために記録走査1回あたりで調整すべき時間の値(時間差調整値Tscanとする)を導出する。
Figure 2019198976
尚、T2は、所定の時間差を設けるために時間差T1だけでは足りない分を示す値である。
Figure 2019198976
S708において、主制御部11は、S707で導出した時間差調整値Tscan分の時間差を更に設けるための処理を実行する。具体的には、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間として、S707で導出した時間差調整値Tscanを設定する。
S709において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S701で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。このとき、主制御部11は、記録ヘッド130が主走査方向に沿ってS705で導出した走査幅Wmetaだけ走査するよう制御する。
S710において、主制御部11は、S707で導出した時間差調整値Tscanだけ時間差調整を実行する。具体的には、この時間差調整値だけ記録ヘッドを休止させる。
S711において、主制御部11は、記録媒体を副走査方向に沿って所定の搬送量で搬送するよう、給排紙モータ制御部14に指示する。本実施形態において、所定の搬送量とは、1回の記録走査でインクを吐出するノズル数(例えば、図6のケースでは4)に対応する量である。
S712において、主制御部11は、記録ヘッド130の主走査方向における位置を示す座標情報を更新する。
S713において、主制御部11は、S700で取得した1ページ分のデータに対応する、S701〜S712の処理が完了したか判定する。S713の判定結果が真の場合、S714に進む一方、該判定結果が偽の場合、S701に戻る。
S714において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、一連の処理は終了する。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S700に戻り、次の1ページのデータを取得する。
尚、本実施形態では前述したように、ある印刷ジョブに対し図8(a)に示すパターンを用いて記録処理を実行した場合、その次の印刷ジョブに対しては図8(b)に示すパターンを用いて記録処理を実行する。前述のケースでは、図8(a)に示すパターンを用いて記録処理を実行しているので、次の印刷ジョブの記録処理では、図8(b)に示すパターンが用いられることになる。以上が、本実施形態における記録処理である。
また、前述のケースでは、使用ノズル領域を設定する際、図8(a)、図8(b)に示す2種類のパターンを、印刷ジョブ毎に交互に用いる。しかし、利用するパターンの数は2に限定されず、任意の数(3以上)のパターンを利用して良い。また、パターンを印刷ジョブ毎に切り替える場合、交互ではなくランダムに切り替えて良い。さらに、切り替えるタイミングも、印刷ジョブ毎に限定されない。印刷ジョブに含まれるページ単位で切り替えても良いし、ページ内の画像単位で切り替えても良い。所定期間が経過したタイミング、又は、ノズルの吐出回数が所定値に達したタイミングで切り替えることも可能である。
また、前述のケースでは、使用ノズル領域の設定(S704)だけでは必要な付与時間差を全て捻出できず、時間差調整手段を用いること(即ち、ヘッド休止)で不足分を補ったが(S708、S710)、本実施形態はこのような形態に限定されない。例えば、時間差目標値がもっと小さくなるようなインク又は記録媒体を用いたことで、使用ノズル領域を設定するだけで必要な付与時間差を捻出できるような場合が考えられる。この場合、時間差調整手段による調整は必要なくなる。或いは、ノズル列に含まれるノズル数が多く、ノズル列が十分な長さを有する場合も同様のことが言える。この場合も、ブランクノズル領域内のノズル数を多くできる等の理由により、使用ノズル領域を設定するだけで必要な付与時間差を捻出できるので、時間差調整手段による調整を必要としない可能性がある。
また、前述のケースでは、1回の走査でインクを付与し画像を形成する方式(いわゆるシングルパス方式)を採用しているが、本実施形態は、複数回の走査によりインクを付与し画像を形成する方式(いわゆるマルチパス方式)に適用することも可能である。
また、前述のケースでは、メタリックインクの使用ノズル領域とカラーインクの使用ノズル領域について、吐出ノズルが重ならないように設定している(図8参照)。「吐出ノズルが重ならないように」とは、メタリックインクのノズル列とカラーインクのノズル列とで、実際にインクを吐出するノズルの副走査方向における位置が異なるように、という意味である。本実施形態の効果を十分に得るためには、このように吐出ノズルが重ならないように使用ノズル領域を設定することが好ましいが、本実施形態はこのような形態に限定されない。一部のノズルが重なるように設定されていたとしても、高質なメタリックカラー表現を実現できるのであれば問題ない。尚、重なる部分に配されるノズルについては、付与するインクの量が少なくなるように調整する、例えば、該ノズルの吐出量を低減することが好ましい。
<本実施形態の具体例>
以下、本実施形態について、具体例を挙げて説明する。ここでは、図9に示す1ページ分の画像に対応するデータを含む第1の印刷ジョブに基づく記録処理が実行され、次いで、該画像と同一の画像に対応するデータを含む第2の印刷ジョブに基づく記録処理が実行される場合について説明する。
前述したように、本例では、図8(a)、図8(b)に示す2種類のパターンを、印刷ジョブ毎に交互に用いる。ここでは、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では図8(a)に示すパターンを用い、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では図8(b)に示すパターンを用いるものとする。また、時間差目標値Tmetaを2.0sec、記録ヘッド130の主走査速度Vcrを635.0mm/sec(=25.0inch/sec)、記録ヘッド130の主走査方向における走査幅の最大値を210.0mm、とする。
まず、S700において、主制御部11は、データバッファ16に格納されている第1の印刷ジョブに含まれる1ページ分のデータを取得する。
S701において、主制御部11は、S700で取得した、各インクに対応するドットデータ、及び、重複領域データについて、それぞれの一部を記録データバッファ12に格納する。
S702において、主制御部11は、S701で記録データバッファ12に格納した重複領域データを用いて、メタリックインクとカラーインクの何れか(即ち、C、M、Yの何れか)とが重複する画素が存在するか判定する。本例では、本ステップの判定結果は真となり、S704に進む。
S704において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本ステップにより、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では、図8(a)に示すノズル、即ち、メタリックインクのノズル列においては黒塗りで示す先端の4ノズル、カラーインクのノズル列においては斜線で示す後端の4ノズルが使用されることになる。
S705において、主制御部11は、記録ヘッド130の走査幅Wmetaを導出する。本例では、メタリックインクとカラーインクとが重複する画素が存在する(S702でYES)。従って、記録媒体上の記録可能領域に対して主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値が、走査幅Wmetaとして導出され、Wmeta=210.0mmとなる。
S706において、主制御部11は、式(1)を用いて、時間差T1を導出する。本例では、Wmeta=210.0mm、Vcr=635mm/sec、Nscan=4、Nblank=8であるから、T1=(210.0/635.0)×{(8/4)+1}=0.99secとなる。
S707において、主制御部11は、時間差目標値Tmeta及び時間差T1に基づき、式(2)及び式(3)を用いて、時間差調整値Tscanを導出する。本例では、Tmeta=2.0sec、T1=0.99secであるから、T2=2.0−0.99 =1.01secとなる。また、Nscan=4、Nblank=8であるから、Tscan=1.01/{(8/4)+1}=0.34secとなる。
S708において、主制御部11は、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間として、S707で導出した時間差調整値Tscan(=0.34sec)を設定する。
S709において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S701で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。本例では、主制御部11は、記録ヘッド130が主走査方向に沿って、走査幅Wmeta=210.0mmだけ走査するよう制御する。
S710において、主制御部11は、S708で設定した時間差調整値Tscan=0.34secだけ時間差調整を実行、具体的には、記録ヘッドを0.34sec休止させる。
S711において、主制御部11は、記録媒体を副走査方向に沿って搬送するよう、給排紙モータ制御部14に指示する。本ステップにより、記録媒体が副走査方向に沿って所定の搬送量だけ搬送される。本例では、所定の搬送量は、副走査方向に沿って配列するノズル4個分の長さに等しい。
S712において、主制御部11は、記録ヘッド130の主走査方向における位置を示す座標情報を更新する。
S713において、主制御部11は、S700で取得した1ページ分のデータに対応する、S701〜S712の処理が完了したか判定する。S713の判定結果が真の場合、S714に進む一方、該判定結果が偽の場合、S701に戻る。
S714において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。本例では、本ステップにより、印刷ジョブに含まれる1ページ分の処理が完了したとき、第1の印刷ジョブに基づく記録処理が終了する。
続いて、第2の印刷ジョブに基づく記録処理を開始する。第2の印刷ジョブに対するS700からS702の各処理は、第1の印刷ジョブに対するものと同様である。
S704において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本ステップにより、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では、図8(b)に示すノズルが使用されることになる。詳しくは、メタリックインクのノズル列においては、黒塗りで示す先端から5〜8つ目の4ノズル、カラーインクのノズル列においては斜線で示す先端から9つ目〜12つ目の4ノズルが使用される。
S705において、主制御部11は、記録ヘッド130の走査幅Wmetaを導出する。本例では、メタリックインクとカラーインクとが重複する画素が存在するため(S702でYES)、走査幅Wmeta=210.0mmとなる。
S706において、主制御部11は、式(1)を用いて、時間差T1を導出する。本例では、Wmeta=210.0mm、Vcr=635mm/sec、Nscan=4であり、また、図8(b)に示すようにNblank=0であるから、T1=(210.0/635.0)×{(0/4)+1}=0.33secとなる。これは、1回の主走査にかかる時間と等しい。
S707において、主制御部11は、時間差目標値Tmeta及び時間差T1に基づき、式(2)及び式(3)を用いて、時間差調整値Tscanを導出する。本例では、Tmeta=2.0sec、T1=0.33secであるから、T2=2.0−0.33=1.67secとなる。また、Nscan=4、Nblank=0であるから、Tscan=1.67/{(0/4)+1}=1.67secとなる。
S708において、主制御部11は、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間として、S707で導出した時間差調整値Tscan(=1.67sec)を設定する。
S709において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S701で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。本例では、主制御部11は、記録ヘッド130が主走査方向に沿って、走査幅Wmeta=210.0mmだけ走査するよう制御する。
S710において、主制御部11は、S708で設定した時間差調整値Tscan=1.67secだけ時間差調整を実行、具体的には、記録ヘッドを1.67sec休止させる。
S711において、主制御部11は、記録媒体を副走査方向に沿って搬送するよう、給排紙モータ制御部14に指示する。本ステップにより、記録媒体が副走査方向に沿って所定の搬送量だけ搬送される。本例では、所定の搬送量は、副走査方向に沿って配列するノズル4個分の長さに等しい。以降のS712からS714の各処理は、第1の印刷ジョブに対するものと同様である。
図10は、前述の具体例に係る記録動作を、模式的に示す図である。図10(a)は、前述の具体例のうち前半、即ち、第1の印刷ジョブに基づく記録動作を示す。図中の太線矢印は、メタリックカラー領域901に記録する際の、記録ヘッド130が走査する長さ(走査幅)を示す。前述した通り、このときの走査幅は、記録媒体上の記録可能領域に対して、主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値である。第1の印刷ジョブに対する記録処理では、図8(a)のように使用ノズル領域を設定することで、メタリックインクの使用ノズルとカラーインクの使用ノズルとの間に設けるブランクノズルの数(即ち8)が、使用ノズル数(即ち4)の2倍となるようにしている。これにより、メタリックインクを付与してからカラーインクを付与するまでの時間差が、少なくとも主走査3回分の時間以上となる。従って、使用ノズル領域の設定だけで、時間差目標値の約半分を捻出できるため、記録走査毎の休止時間を0.34secと短めに設定しても、全体として、必要な時間差目標値2.0secを確保できる。
図10(b)は、前述の具体例のうち後半、即ち、第2の印刷ジョブに基づく記録動作を示す。図中の太線矢印は、メタリックカラー領域901に記録する際の、記録ヘッド130が走査する長さ(走査幅)を示す。前述した通り、このときの走査幅は、記録媒体上の記録可能領域に対して、主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値である。第2の印刷ジョブに対する記録処理では、図8(b)のように使用ノズル領域を設定し、メタリックインクの使用ノズルとカラーインクの使用ノズルとの間にブランクノズル領域を設けない。従って、使用ノズル領域の設定だけでは、時間差目標値の大部分を捻出できない。そのため、記録走査毎の休止時間を1.67secと長めに設定することで、全体として、時間差目標値2.0secを確保している。
<本実施形態の効果、変形例について>
本実施形態によれば、使用ノズル領域を印刷ジョブ毎に変更した場合であっても、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの時間差(付与時間差とも言う)が所定の時間差目標値以上となるように制御できる。従って、メタリックインク層の上にカラーインク層を安定して形成できるため、高質なメタリックカラー表現を実現することが可能となる。また、使用ノズル領域を印刷ジョブ毎に変更することで、使用ノズル領域を変更しない場合(つまり特定のノズルだけで吐出を行う場合)に比べて、使用ノズルの寿命短縮を抑制することができる。このように本実施形態により、高質なメタリックカラー表現の実現と、使用ノズルの寿命短縮の抑制との両立が可能となる。
尚、前述のケースでは、メタリックインクとカラーインクとが重複する画素が存在する場合、走査幅Wmetaの値を、記録媒体上の記録可能領域に対して主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値にした(S702でYES→S705)。しかし、この場合の走査幅Wmetaの値は、前述のものに限定されない。重複する画素が存在しない場合、つまり、メタリックインクとカラーインクとの何れかを用いる記録時と同様に、画像幅と等しい値を走査幅Wmetaとして設定しても良い。但し、同一ページ内に複数の画像が存在し画像幅が領域によって異なる場合、該領域に依って必要な付与時間差が変化し、高質なメタリックカラー表現を実現できなくなってしまう虞がある。そのため、このような場合、記録走査1回あたりの時間差調整値Tscanとして式(3)で算出する値より大きい値を設定する等、時間差調整値Tscanを適宜設定して、時間差目標値Tmeta以上の時間差を常に確保する必要がある。
また、前述のケースでは、時間差を調整する手法として、記録走査間で記録ヘッドを一旦休止させる手法を採用したが(S710)、この手法に限らず、記録走査間で所定の時間差を設ける任意の手法を採用して良い。例えば、記録ヘッドの主走査速度を低下させる手法や、記録媒体の搬送速度を低下させる手法を採用できる。或いは、これらの手法を組み合わせて用いても良い。
[第2の実施形態]
本実施形態では、実施形態1と異なるノズルパターンを用いる。また、記録ヘッド130の走査幅を同一ページ内の画像に依って変更する点で、本実施形態は実施形態1と異なる。以下、本実施形態について、具体例を挙げて説明する。尚、以降では、既述の実施形態と異なる点について主に説明し、既述の実施形態と同様の内容については説明を適宜省略する。
図11は、本実施形態における記録処理のフローチャートである。主制御部11に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図11の各処理が実行される。
本例では、図12(a)、図12(b)に示す2種類のパターンを、印刷ジョブ毎に交互に用いる。ここでは、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では図12(a)に示すパターンを用い、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では図12(b)に示すパターンを用いるものとする。また、時間差目標値Tmetaを2.0sec、記録ヘッド130の主走査速度Vcrを635.0mm/sec(=25.0inch/sec)、とする。
まず、S1100において、主制御部11は、データバッファ16に格納されている第1の印刷ジョブに含まれる1ページ分のデータを取得する。
S1101において、主制御部11は、S1100で取得した、各インクに対応するドットデータ、及び、重複領域データについて、それぞれの一部を記録データバッファ12に格納する。
S1102において、主制御部11は、各インクのドットデータを用いて、主走査方向における左端の座標情報と右端の座標情報とを取得し、該取得したこれらの情報に基づき、主走査方向における画像幅を導出する。この画像幅を導出する処理は、2回の記録走査で吐出を行うノズル分のドットデータに対して行う。本実施形態は第1の実施形態と異なり、本ステップの処理は、重複画素が存在するかにかかわらず実行される(図7参照)。
S1103において、主制御部11は、S1102で導出した画像幅を用いて、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させる距離(走査幅)を導出する。同一ページ内であっても副走査方向位置に依って画像幅は異なってくるため、領域毎の走査幅を導出する点で、本実施形態は第1の実施形態と異なる。例えば、図13に示す画像を印刷する場合、メタリックカラー領域1301における走査幅(Wmeta1とする)と、メタリックカラー領域1302における走査幅(Wmeta2とする)とが導出される。ここでは一例として、Wmeta1=60.0mm、Wmeta2=140.0mm、とする。
S1104において、主制御部11は、S1101で記録データバッファ12に格納した重複領域データを用いて、メタリックインクとカラーインクの何れか(即ち、C、M、Yの何れか)とが重複する画素が存在するか判定する。本ステップの処理は、第1の実施形態のS702と同様である。本ステップの判定結果が偽の場合、S1105に進む一方、該判定結果が真の場合、S1106に進む。
S1105において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S1101で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。
S1106において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本ステップにより、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では、図12(a)に示すノズル、即ち、メタリックインクのノズル列においては黒塗りで示す先端の4ノズル、カラーインクのノズル列においては斜線で示す後端の4ノズルが使用されることとなる。
S1107において、主制御部11は、S1103で導出した走査幅に基づき、式(1)と同様の式を用いて、メタリックカラー領域1301における時間差(T11とする)と、メタリックカラー領域1302における時間差(T12とする)とを導出する。本例では、T11=(Wmeta1/Vcr)×{(Nblank/Nscan)+1}=(60.0/635.0)×{(8/4)+1}=0.28secと導出される。また、T12(Wmeta2/Vcr)×{(Nblank/Nscan)+1}=(140.0/635.0)×{(8/4)+1}=0.66secと導出される。
S1108において、主制御部11は、式(2)、(3)と同様の式を用いて、所定の時間差を設けるため記録走査1回あたりで調整すべき時間の値(時間差調整値)を導出する。
具体的には、メタリックカラー領域1301に対しては、T21=Tmeta−T11=2.0−0.28 =1.72sec、Tscan1=T21/{(Nblank/Nscan)+1}=1.72/{(8/4)+1}=0.57secと導出される。ここで、T21は、メタリックカラー領域1301における、所定の時間差を設けるために時間差T11だけでは足りない分を示す値であり、Tscan1は、メタリックカラー領域1301における時間差調整値である。
また、メタリックカラー領域1302に対しては、T22=Tmeta−T12=2.0−0.66=1.34sec、Tscan2=T22/{(Nblank/Nscan)+1}=1.34/{(8/4)+1}=0.45secと導出される。ここで、T22は、メタリックカラー領域1302における、所定の時間差を設けるために時間差T12だけでは足りない分を示す値であり、Tscan2は、メタリックカラー領域1302における時間差調整値である。
S1109において、主制御部11は、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間として、S1108で導出した時間差調整値を設定する。具体的には、メタリックカラー領域1301における休止時間をTscan1=0.57secとし、メタリックカラー領域1302における休止時間をTscan2=0.45secとする。
S1110において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S1101で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。本例では、本ステップにおいて、メタリックカラー領域1301では、記録ヘッド130が主走査方向に沿って走査幅Wmeta1=60.0mmだけ走査するよう制御される。また、メタリックカラー領域1302では、記録ヘッド130が主走査方向に沿って走査幅Wmeta2=140.0mmだけ走査するよう制御される。
S1111において、主制御部11は、S1109で設定した時間差調整値だけ時間差調整を実行する。本例では、メタリックカラー領域1301では記録ヘッドを0.57sec休止させ、メタリックカラー領域1302では記録ヘッドを0.45sec休止させる。
S1112において、主制御部11は、記録媒体を副走査方向に沿って搬送するよう、給排紙モータ制御部14に指示する。本ステップにより、記録媒体が副走査方向に沿って所定の搬送量だけ搬送される。本例では、所定の搬送量は、副走査方向に沿って配列するノズル4個分の長さに等しい。
S1113において、主制御部11は、記録ヘッド130の主走査方向における位置を示す座標情報を更新する。
S1114において、主制御部11は、S1100で取得した1ページ分のデータに対応する、S1101〜S1113の処理が完了したか判定する。S1114の判定結果が真の場合、S1115に進む一方、該判定結果が偽の場合、S1101に戻る。
S1115において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。本例では、本ステップにより、印刷ジョブに含まれる1ページ分の処理が完了したとき、第1の印刷ジョブに基づく記録処理が終了する。
続いて、第2の印刷ジョブに基づく記録処理を開始する。第2の印刷ジョブに対するS1100からS1104の各処理は、第1の印刷ジョブに対するものと同様である。
S1106において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本ステップにより、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では、図12(b)に示すノズル、即ち、メタリックインクのノズル列においては黒塗りで示す先端の8ノズル、カラーインクのノズル列においては斜線で示す後端の8ノズルが使用されることとなる。
S1107において、主制御部11は、S1103で導出した走査幅に基づき、式(1)と同様の式を用いて、メタリックカラー領域1301における時間差T11と、メタリックカラー領域1302における時間差T12とを導出する。本例では、T11=(60.0/635.0)×{(0/4)+1}=0.094sec、T12=(140.0/635.0)×{(0/4)+1}=0.22sec、と導出される。このように、ブランクノズル領域を設けないため(図12(b)参照)、主走査1回に要する時間がそのまま時間差となる。
S1108において、主制御部11は、式(2)、(3)と同様の式を用いて、時間差調整値を導出する。具体的には、メタリックカラー領域1301に対しては、T21=Tmeta−T11=2.0−0.094 =1.906sec、Tscan1=T21/{(Nblank/Nscan)+1}=1.906/{(0/4)+1}=1.906secと導出される。また、メタリックカラー領域1302に対しては、T22=Tmeta−T12=2.0−0.22 =1.78sec、Tscan2=T22/{(Nblank/Nscan)+1}=1.78/{(0/4)+1}=1.78secと導出される。
S1109において、主制御部11は、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間として、S1108で導出した時間差調整値を設定する。具体的には、メタリックカラー領域1301における休止時間をTscan1=1.906secとし、メタリックカラー領域1302における休止時間をTscan2=1.78secとする。
S1110において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S1101で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。本例では、本ステップにおいて、メタリックカラー領域1301では、記録ヘッド130が主走査方向に沿って走査幅Wmeta1=60.0mmだけ走査するよう制御される。また、メタリックカラー領域1302では、記録ヘッド130が主走査方向に沿って走査幅Wmeta2=140.0mmだけ走査するよう制御される。
S1111において、主制御部11は、S1108で導出した時間差調整値だけ時間差調整を実行する。本例では、メタリックカラー領域1301では記録ヘッドを1.906sec休止させ、メタリックカラー領域1302では記録ヘッドを1.78sec休止させる。
S1112において、主制御部11は、記録媒体を副走査方向に沿って搬送するよう、給排紙モータ制御部14に指示する。本ステップにより、記録媒体が副走査方向に沿って所定の搬送量だけ搬送される。本例では、所定の搬送量は、副走査方向に沿って配列するノズル8個分の長さに等しい。
以降のS1113からS1115の各処理は、第1の印刷ジョブに対するものと同様である。
図14は、本実施形態における記録動作を模式的に示す図である。図14(a)は、前述の記録処理の前半、即ち、第1の印刷ジョブに基づく記録動作を示す。図示するように、上方のメタリックカラー領域1301では、記録ヘッド130は、主走査方向に沿って、メタリックカラー領域1301における画像幅と等しい60.0mmだけ走査する。また、下方のメタリックカラー領域1302では、記録ヘッド130は、主走査方向に沿って、メタリックカラー領域1302における画像幅と等しい140.0mmだけ走査する。
第1の印刷ジョブに対する記録処理では、図12(a)のように使用ノズル領域を設定することで、メタリックインクの使用ノズルとカラーインクの使用ノズルとの間に設けるブランクノズルの数(即ち8)が、使用ノズル数(即ち4)の2倍となるようにしている。従って、メタリックカラー領域1301において、メタリックインクを付与してからカラーインクを付与するまでの時間差は、メタリックカラー領域1301内の画像幅(60.0mm)で記録ヘッド130が行う主走査3回分に相当する。また、メタリックカラー領域1302において、この時間差は、メタリックカラー領域1302内の画像幅(140.0mm)で記録ヘッド130が行う主走査3回分に相当する。
ところが、これらの時間差だけでは、高質なメタリックカラー表現の実現に必要な時間差目標値には不足している。そこで本実施形態では、記録走査毎の休止時間をメタリックカラー領域1301では0.57secに設定し、メタリックカラー領域1302では0.45secに設定している。これにより、メタリックカラー領域1301とメタリックカラー領域1302との何れにおいても、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの間の時間差が時間差目標値(2.0sec)となる。
図14(b)は、前述の記録処理の後半、即ち、第2の印刷ジョブに基づく記録動作を示す。図示するように、上方のメタリックカラー領域1301では、記録ヘッド130は、主走査方向に沿って、メタリックカラー領域1301における画像幅と等しい60.0mmだけ走査する。また、下方のメタリックカラー領域1302では、記録ヘッド130は、主走査方向に沿って、メタリックカラー領域1302における画像幅と等しい140.0mmだけ走査する。
第2の印刷ジョブに対する記録処理では、図12(b)のように使用ノズル領域を設定し、メタリックインクの使用ノズルとカラーインクの使用ノズルとの間にブランクノズル領域を設けない。従って、使用ノズル領域の設定だけでは、時間差目標値の大部分を捻出できない。そのため、記録走査毎の休止時間をメタリックカラー領域1301では1.906secに設定し、メタリックカラー領域1302では1.78secに設定している。これにより、メタリックカラー領域1301とメタリックカラー領域1302との何れにおいても、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの間の時間差が時間差目標値(2.0sec)となる。
<本実施形態の効果について>
本実施形態により、高質なメタリックカラー表現の実現と、使用ノズルの寿命短縮の抑制との両立が可能となる。
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、記録ヘッドを休止させることで時間差調整を行った。これに対し本実施形態では、記録ヘッドの主走査速度を遅くすることで時間差調整を行う。以下、本実施形態の具体例を、図15を用いて説明する。ここでは、第1の実施形態の具体例と同様、1ページ分の画像に対応するデータを含む第1の印刷ジョブに基づく記録処理が実行され、次いで、該画像と同一の画像に対応するデータを含む第2の印刷ジョブに基づく記録処理が実行される場合について説明する。
図15は、本実施形態における記録処理のフローチャートである。記録装置1の主制御部11に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図15の各処理が実行される。
本例では、図8(a)、図8(b)に示す2種類のパターンを、印刷ジョブ毎に交互に用いる。ここでは、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では図8(a)に示すパターンを用い、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では図8(b)に示すパターンを用いるものとする。また、時間差目標値Tmetaを2.0sec、記録ヘッド130の主走査速度の初期値を635.0mm/sec(=25.0inch/sec)、記録媒体に記録する際の記録ヘッド130の主走査方向における走査幅の最大値を210.0mm、とする。
本例では最初に、第1の印刷ジョブに対する記録処理を実行する。S1500からステップS1502までの各処理は、第1の実施形態におけるステップS700からステップS702の各処理と同様である。
重複画素が存在しない場合(S1502でNO)、S1503において、主制御部11は、各インクのドットデータを用いて、主走査方向における左端の座標情報と右端の座標情報とを取得し、該取得した情報に基づき、主走査方向における画像幅を導出する。本ステップは、第1の実施形態におけるS703と同様である。S1504において、主制御部11は、記録ヘッド130を走査させる距離(即ち、走査幅Wmeta)を導出する。具体的には、記録ヘッド130を往方向に移動して主走査を行うときは、記録ヘッド130の座標情報と、ドットデータの右端の座標情報とに基づき走査幅Wmetaを導出する。また、記録ヘッド130を復方向に移動して主走査を行うときは、記録ヘッド130の座標情報と、ドットデータの左端の座標情報とに基づき走査幅Wmetaを導出する。
一方、重複画素が存在する場合(S1502でYES)、S1505において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本例では、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では、図8(a)に示すパターンを用いる。
S1506において、主制御部11は、記録ヘッド130の走査幅Wmetaを導出する。具体的には、記録媒体上の記録可能領域に対して、主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値210.0mmを、走査幅Wmetaとして導出する。
S1507において、S1506で導出した走査幅Wmetaに基づき、式(4)を用いて、記録ヘッド130の主走査速度Vcrを導出する。
Figure 2019198976
本例では、図8(a)に示すパターンを用いることから、Vcr=(210.0/2.0)×{(8/4)+1}=315.0mm/sec(=12.4inch/sec)と導出される。尚、ここでは、所定の数式を用いて主走査速度を算出するケースを示したが、主走査速度を導出する手法は、これに限定されない。例えば、走査幅が最大値の半分のとき、主走査速度を該最大値に対応する値の半分とし、走査幅が最大値の4分の1のとき、主走査速度を該最大値に対応する値の1/4とする、といった手法を用いても良い。或いは、走査幅に対応づけられた主走査速度を保持するテーブルをデータバッファ16に予め格納し、該テーブルを用いることで主走査速度を導出しても良い。
S1508において、主制御部11は、記録ヘッド130の主走査速度を設定する。詳しくは、重複画素が存在する場合(S1502でYES)、主走査速度を、S1507で導出した値に設定する一方、重複画素が存在しない場合(S1502でNO)、主走査速度を、初期値(635.0mm/sec)に設定する。尚、本ステップで主走査速度を初期値から変更する際、ノズルからインク滴を吐出するタイミングも、変更した主走査速度に合わせて調整する必要がある。例えば、本ステップにより主走査速度が初期値の半分になった場合、インク滴の吐出を倍の間隔で行うことで、主走査速度の変更前後でインク滴の着弾位置にずれが生じないようにする。
S1509において、主制御部11は、記録ヘッド130を主走査方向に沿って走査させながら、S1501で記録データバッファ12に格納した各インクの2値データを用いて、各インクを吐出させる。本例では、重複画素が存在するので(S1502でYES→S1506)、主制御部11は、記録ヘッド130が主走査方向に沿って、走査幅Wmeta=210.0mmだけ走査するよう制御する。
S1510において、主制御部11は、記録媒体を副走査方向に沿って搬送するよう、給排紙モータ制御部14に指示する。本ステップにより、記録媒体が副走査方向に沿って所定の搬送量だけ搬送される。本例では、所定の搬送量は、副走査方向に沿って配列するノズル4個分の長さに等しい。
S1511において、主制御部11は、記録ヘッド130の主走査方向における位置を示す座標情報を更新する。
S1512において、主制御部11は、S1500で取得した1ページ分のデータに対応する、S1501〜S1511の処理が完了したか判定する。S1512の判定結果が真の場合、S1513に進む一方、該判定結果が偽の場合、S1501に戻る。
S1513において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。本例では、本ステップにより、第1の印刷ジョブに含まれる1ページ分のデータに対する処理が完了したとき、第1の印刷ジョブに基づく記録処理が終了する。
続いて、第2の印刷ジョブに基づく記録処理を開始する。第2の印刷ジョブに対するS1500からS1504の各処理は、第1の印刷ジョブに対するものと同様である。
S1505において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。本例では、本ステップにより、第2の印刷ジョブに基づく記録では、図8(b)に示すノズルが使用されることになる。詳しくは、メタリックインクのノズル列においては、黒塗りで示す先端から5つ目〜8つ目の4ノズルが使用され、カラーインクのノズル列においては斜線で示す先端から9つ目〜12つ目の4ノズルが使用される。
S1506において、主制御部11は、記録ヘッド130の走査幅Wmetaを導出する。具体的には、記録媒体上の記録可能領域に対して、主走査方向における最大幅までドットデータがあったときと同じ値210.0mmを、走査幅Wmetaとして導出する。
S1507において、S1506で導出した走査幅Wmetaに基づき、式(4)を用いて、記録ヘッド130の主走査速度Vcrを導出する。本例では、図8(b)に示すパターンを用いることから、Vcr=(210.0/2.0)×{(0/4)+1}=105.0mm/sec(=4.13inch/sec)と導出される。
以降のS1508からS1512の各処理は、第1の印刷ジョブに対するものと同様である。
S1513において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。本例では、本ステップにより、第2の印刷ジョブに含まれる1ページ分のデータに対する処理が完了したとき、第2の印刷ジョブに基づく記録処理が終了する。以上が、本実施形態における記録処理の内容である。
<本実施形態の効果について>
本実施形態により、高質なメタリックカラー表現の実現と、ノズル寿命の短縮抑制との両立が可能となる。
[第4の実施形態]
第1〜第3の実施形態では、印刷ジョブ毎に使用ノズルを変更したが、使用ノズルを変更するタイミングはこれに限らない。例えば、印刷ジョブに複数ページのデータが含まれる場合にページ毎に変更しても良いし、または、同一ページ内の画像毎に変更しても良い。本実施形態では、複数ページを印刷する印刷ジョブに基づく記録処理において、ページ毎に使用ノズルを変更するケースについて説明する。
図16は、本実施形態における記録処理のフローチャートである。主制御部11に搭載されたCPUが、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、該展開したプログラムを実行する。これにより、図16の各処理が実行される。
ここでは、ある1つの印刷ジョブに基づく記録処理を実行する際、該印刷ジョブに含まれるページ毎に、複数種類のパターンの何れかを順番に用いるケースを説明する。具体的には、1ページ目の記録処理では図17(a)のパターンを、2ページ目の記録処理では図17(b)のパターンを、3ページ目の記録処理では図17(c)のパターンを、4ページ目の記録処理では図17(d)のパターンを、夫々用いる。
また、時間差目標値Tmetaを2.0sec、記録ヘッド130の主走査速度Vcrを635.0mm/sec(=25.0inch/sec)、記録媒体に記録する際の記録ヘッド130の主走査方向における走査幅の最大値を210.0mm、とする。
以下、図16の各ステップについて説明する。S1600〜S1603の各処理は、第1の実施形態におけるS700〜S703の各処理と同様である(図7参照)。
S1604において、主制御部11は、データバッファ16に格納されている使用ノズル履歴情報を取得する。使用ノズル履歴情報とは、複数種類の使用ノズルパターンについて、各使用ノズルパターンの使用回数を示すパラメータから成る情報であり、本例では、使用ノズル履歴情報は、図17(a)〜(d)に示す各パターンの使用回数を示すパラメータ(4つ)を含む。
S1605において、主制御部11は、S1604で取得した使用ノズル履歴情報を用いて、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。詳しくは、ノズル履歴情報に含まれる各パターンの使用回数を示すパラメータの値の中で、最も小さい値に対応するパターンを用いる。ここでは、前述したように、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では、図17(a)に示すノズルが使用されるものとする。
以降のS1606〜S1614の各処理は、第1の実施形態におけるS705〜S713の各処理と同様である。
S1615において、主制御部11は、使用ノズル履歴情報を更新する。具体的には、使用ノズル履歴情報に含まれる図17(a)のパターンの使用回数を示すパラメータの値を、カウントアップする。
S1616において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。ここでは、未処理のページが存在するためS1600に戻り、次のページ(2ページ目)のデータが取得される。
以降、2ページ目のデータに対するS1600〜S1616の処理、3ページ目のデータに対するS1600〜S1616の処理、及び4ページ目のデータに対するS1600〜S1616の処理が、順次実行される。本例では、2ページ目の記録処理において図17(b)に示すパターンが用いられ、3ページ目の記録処理において図17(c)に示すパターンが用いられ、4ページ目の記録処理において図17(d)に示すパターンが用いられる。以上が、本実施形態における記録処理の内容である。
<本実施形態の効果について>
本実施形態により、高質なメタリックカラー表現の実現と、ノズル寿命の短縮抑制との両立が可能となる。
[第5の実施形態]
前述の実施形態では、メタリックインクとカラーインクとの使用ノズルを変更すると、メタリックインクを付与するタイミングとカラーインクを付与するタイミングとの間の時間差(付与時間差)が変化する場合について説明した。しかし、記録ヘッドの副走査方向長さが長く、ノズル列に含まれるノズルの数が多い場合、使用ノズルを変更しても常に一定の付与時間差が維持される場合がある。本実施形態では、このような記録ヘッドを採用する。以下、複数の印刷ジョブに基づく記録処理において、印刷ジョブ毎に使用ノズルを変更するケースを例に挙げて説明する。
以下、1ページ内かつ同一のメタリックカラー画像を印刷する4つの印刷ジョブの夫々に対し、図7に示したフローに従って記録処理を実行するケースを説明する。図18は、本実施形態で採用する記録ヘッド130における各ノズル列、及び、本実施形態で用いる使用ノズルパターンを模式的に示す図である。本例では、第1の印刷ジョブに対して図18(a)のパターン、第2の印刷ジョブに対して図18(b)のパターン、第3の印刷ジョブに対して図18(c)のパターン、第4の印刷ジョブに対して図18(d)のパターンを、夫々用いるものとする。
また、時間差目標値Tmetaを2.0sec、記録ヘッド130の主走査速度Vcrを635.0mm/sec(=25.0inch/sec)、記録媒体に記録する際の記録ヘッド130の主走査方向における走査幅の最大値を210.0mm、とする。
以下、図7の各ステップについて説明する。本例ではまず、第1の印刷ジョブに対して、S700〜S702の各処理が実行される結果、S704に進む。
S704において、主制御部11は、記録ヘッド130の各ノズル列における使用ノズル領域を設定する。前述したように、第1の印刷ジョブに基づく記録処理では、図18(a)に示すパターンを用いる。
S705において、主制御部11は、記録ヘッド130の走査幅Wmetaを導出する。本例では、走査幅Wmeta=210.0mmとなる。
S706において、主制御部11は、式(1)を用いて、時間差T1を導出する。本例では、Wmeta=210.0mm、Vcr=635mm/sec、Nscan=3、Nblank=9であるから、T1=(210.0/635.0)×{(9/3)+1}=1.32secとなる。
S707において、主制御部11は、時間差目標値Tmeta及び時間差T1に基づき、式(2)、(3)を用いて、時間差調整値Tscanを導出する。本例では、Tmeta=2.0sec、T1=1.32secであるから、T2=2.0−1.32 =0.68secとなる。また、Nscan=3、Nblank=9であるから、Tscan=0.68/{(9/3)+1}=0.17secとなる。
S708において、主制御部11は、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間として、S707で導出した時間差調整値Tscan(=0.17sec)を設定する。以降S709〜S713の各処理を行い、1ページ分の記録処理を完了する。
S714において、主制御部11は、印刷ジョブに含まれる全ページの処理が完了したか判定する。本例では、本ステップにより、印刷ジョブに含まれる1ページ分の処理が完了したとき、第1の印刷ジョブに基づく記録処理が終了する。
続いて、第2の印刷ジョブに基づく記録処理を開始し、第2の印刷ジョブについて、第1の印刷ジョブと同様の処理を行う。前述したように、第2の印刷ジョブに基づく記録処理では、図18(b)のパターンを用いる。この結果、第2の印刷ジョブに対して、T1=1.32sec、T2=0.68sec、Tscan=0.17sec、と第1の印刷ジョブの記録処理時に導出した各値と等しい値が導出される。これは、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブについても同様である。
図19は、前述した具体例における記録動作を模式的に示す図である。図19(a)は、第1の印刷ジョブに基づく記録動作を、図19(b)は、第2の印刷ジョブに基づく記録動作を、図19(c)は、第3の印刷ジョブに基づく記録動作を、図19(d)は、第4の印刷ジョブに基づく記録動作を、夫々示す。図示するように、記録走査1回あたりの記録ヘッド130の休止時間が、全ての印刷ジョブで同一の値(0.17sec)となっていることが分かる。
<本実施形態の効果、変形例について>
本実施形態により、高質なメタリックカラー表現の実現と、使用ノズルの寿命短縮の抑制との両立が可能となる。
尚、前述のケースでは、第1の実施形態等と同様、使用ノズル領域の設定だけでは時間差目標値に不足する分を、1回の記録走査あたりの記録ヘッド休止で補う場合について説明したが、本実施形態はこのような形態に限定されない。記録ヘッドがさらに長くノズル列に含まれるノズル数がさらに多いときや、用いる記録媒体やインクに依って時間差目標値がより小さいとき等、使用ノズル領域の設定だけで必要な付与時間差を捻出できる場合もある。このような場合に記録ヘッド休止による時間差捻出が必要ないことは言うまでもない。
[その他の実施形態]
前述の形態では、カラーインクとしてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色のインクを用いる場合を説明したが、カラーインクはこれらに限定されない。任意のカラーインクを用いて良く、例えば、K(ブラック)、Gy(グレー)、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンタ)等のインクを用いて良い。更に、特色としてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)等のインクを用いても良い。
また、前述の形態では、メタリックインク層の上にカラーインク層を形成することで、高質なメタリックカラー表現を実現する場合を説明したが、下地を形成するインクは、メタリックインクに限定されない。例えば、色のついた記録媒体や透過性の高い記録媒体に対してカラーインクを吐出する場合に、W(ホワイト)インクを下地として先に吐出し、時間差をおいてその上にカラーインクを吐出するような場合にも、本発明を適用できる。
また、前述の実施形態を適宜組み合わせても良い。
また、本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (15)

  1. メタリックインクを吐出するノズルが配列された第1のノズル列と、カラーインクを吐出するノズルが配列された第2のノズル列とを備えた記録ヘッドを有し、前記メタリックインクを記録媒体に付与し、該付与したメタリックインクの上に前記カラーインクを付与するインクジェット記録装置であって、
    前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのそれぞれについて、各ノズル列に含まれるノズルのうちインクを吐出する吐出ノズルを設定する設定手段と、
    前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのそれぞれに対する、前記吐出ノズルとインクを吐出しない不吐出ノズルとから成るノズルパターンに基づいて、前記メタリックインクを付与した後、該付与したメタリックインクの上に所定の時間差をおいて前記カラーインクを付与するよう前記記録ヘッドを制御する制御手段と
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記ノズルパターンと、前記記録ヘッドの主走査方向における走査幅とに基づき、前記所定の時間差を確保するために必要な時間差調整値を導出する導出手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記記録ヘッドを前記時間差調整値だけ記録走査毎に休止させることで、時間差調整を行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 同一ページ内の、前記メタリックインクの上に前記カラーインクを付与することで形成されるメタリックカラー画像の領域ごとに、前記走査幅を導出する導出手段を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録走査ごとの前記時間差調整値は、常に一定であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ノズルパターンと、前記記録ヘッドの主走査方向における走査幅とに基づき、前記記録ヘッドの主走査速度を導出する導出手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記記録ヘッドを前記主走査速度で主走査方向に沿って走査させることで、時間差調整を行うことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記設定手段は、前記第1のノズル列における吐出ノズルが前記第2のノズル列における吐出ノズルより前記記録媒体の搬送方向上流側となるように、吐出ノズルを設定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記第1のノズル列における不吐出ノズルの少なくとも一部と、前記第2のノズル列における不吐出ノズルの少なくとも一部とが、副走査方向位置を同じにすることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記設定手段が前記吐出ノズルを設定することで決定される、前記第1のノズル列に対するノズルパターンと前記第2のノズル列に対するノズルパターンとの組み合わせの数は、2以上の任意の1値であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記設定手段は、印刷ジョブごと、前記印刷ジョブに含まれるページごと、又は前記ページ内の画像ごとに、前記吐出ノズルを設定することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記所定の時間差は、メタリックカラー表現に必要な時間差目標値以上であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記設定手段は、前記ノズルパターンごとの使用回数をカウントするパラメータの値のうち最も小さいものに対応するノズルパターンとなるように、吐出ノズルを設定することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. メタリックインクを吐出するノズルが配列された第1のノズル列と、カラーインクを吐出するノズルが配列された第2のノズル列とを備えた記録ヘッドを有し、前記メタリックインクを記録媒体に付与し、該付与したメタリックインクの上に前記カラーインクを付与するインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのそれぞれについて、各ノズル列に含まれるノズルのうちインクを吐出する吐出ノズルを設定するステップと、
    前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのそれぞれに対する、前記吐出ノズルとインクを吐出しない不吐出ノズルとから成るノズルパターンに基づいて、前記メタリックインクを付与した後、該付与したメタリックインクの上に所定の時間差をおいて前記カラーインクを付与するよう前記記録ヘッドを制御するステップと
    を有することを特徴とする制御方法。
  15. コンピュータに請求項14に記載の方法を実行させるためのプログラム。
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