JP5459387B2 - エレベーター装置 - Google Patents
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Description
この図において、1はエレベーターの図示しない昇降路内に昇降自在に配置されたかご、2は昇降路内に昇降自在に配置され、このかご1と逆方向に移動する釣合い重り、3は昇降路の頂部等に設置され、かご1及び釣合い重り2の昇降を駆動するための巻上機からなる駆動装置、4はその一端がかご1の上部に連結され、その中間が駆動装置3の綱車5及びにそらせ車6巻き掛けられた上で、その他端が釣合い重り2の上部に連結されることにより、かご1及び釣合い重り2を昇降路内につるべ状に吊持する主ロープである。
また、駆動装置3には、綱車5の回転数を検出してパルスデータとして出力するエンコーダ8が設けられている。
ここで、制動装置の制動能力が小さくなると、非常停止時の制動距離が長くなり安全装置による異常検出時にかごを即座に停止することができなくなるおそれがある。この場合、例えば、エレベーターの扉が開いた状態でかごが走行してしまう、いわゆる戸開走行異常を検知した場合には、かごを非常停止させるまでの制動距離が法規により定められているが、この要件を満足することができなくなってしまう。
さらには、かごの停止時に正常にかごを静止保持することができなくなる可能性もある。
以上のような事情により、制動装置の制動能力は、適正な値に設定されるとともに、定期的な保守点検や検査時において制動能力の点検を実施し、経年変化等により制動能力が異常となっていないかを確認する必要がある。
また、演算により求めた制動能力を予め定めた基準値と比較して良好であるかどうかを判定するものであるため、制動装置の制動能力が実際に基準値を逸脱するまで制動能力の異常を検出することができず、制動能力が異常に至る兆候を検知することができないという課題があり、従って、実際に制動能力が異常に至った後、点検が行われる前の間に当該制動能力の異常に起因して危険動作が行われてしまうおそれがあるという課題がある。
また、第2の目的は、制動能力が異常に至る兆候を検知することができ、制動能力の異常に起因する危険動作を未然に防止することが可能であるエレベーター装置を得るものである。
図1から図3は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベーター装置の全体構成を示す図、図2はエレベーター装置の動作の流れを示すフロー図、図3はエレベーター装置の換算ブレーキトルクを用いた制動能力異常判断の要領を説明する図である。
図において1はエレベーターの図示しない昇降路内に昇降自在に配置されたかごであり、昇降路内にはこのかご1と逆方向に移動する釣合い重り2も昇降自在に配置されている。
ここで、釣合い重り2の重量は、例えば、かご1内に定格負荷の50%が積載されたときのかご1側の重量と釣り合うように設定されている。
また、駆動装置3には、綱車5の回転数を検出してパルスデータとして出力するエンコーダ8が設けられている。
この制御装置9には、かご位置データ9a、かご内負荷データ9b及びエンコーダパルスデータ9cが入力され、制御装置9はこれらのデータに基づいて駆動装置3及び制動装置7の制御を行う。
かご内負荷データ9bは、かご1内の負荷を示すもので、かご1に設けられた例えば図示しない秤装置等からなるかご内負荷検出装置により出力される。また、このかご内負荷検出装置はかご内の状況を撮影するカメラにより構成することもできる。
そして、エンコーダパルスデータ9cは、前述したエンコーダ8から出力されるもので、綱車5の回転数を示している。
これらの運転モードの切替は所定の運転モード移行条件が成立することにより、制御装置9の制御の下で行われる。この所定の運転モード移行条件として、例えば制動能力確認運転モードへの移行は予め設定された当該エレベーターの利用者が少ない時間帯に行われるように設定される。
このデータ記録演算部9dは、入力されたかご位置データ9a、かご内負荷データ9b及びエンコーダパルスデータ9cを用いて、当該エレベーターの運転モードに応じた所定のデータ記録処理や所定のデータ演算処理を実行する。
駆動制御指令部9eはデータ記録演算部9dからの演算結果に基づいて駆動装置3へと制御指令を出力し、駆動装置3はこの駆動制御指令部9eからの制御指令に従って動作する。また、ブレーキ制御指令部9fはデータ記録演算部9dからの演算結果に基づいて制動装置7へと制御指令を出力し、制動装置7はこのブレーキ制御指令部9fからの制御指令に従って動作する。
かご1が当該最上階の所定の停止位置を超えてさらに上方へと移動しようとするとこのリミットスイッチが作動し、リミットスイッチが作動すると安全装置が作動してかご1が非常停止されるように構成されている。
当該エレベーターが通常運転モードにあるときに(ステップS0)、前述した所定の運転モード移行条件、例えば予め設定された当該エレベーターの利用者が少ない時間帯になる、が成立すると、制御装置9は当該エレベーターの運転モードを制動能力確認運転モードへと移行させようとする(ステップS1)。
この確認において、かご1内に乗客がいない状態でない、すなわち、かご1内に乗客がいる状態であると判断された場合には、ステップS0へと戻り、制御装置9は当該エレベーターの運転モードを通常運転モードで継続させる。
まず、制御装置9の駆動制御指令部9eは駆動装置3へと制御指令を出力して駆動装置3を駆動させかご1を最上階へと走行させて、かご1が当該最上階に到着したならば、制御装置9のブレーキ制御指令部9fは制動装置7へと制御指令を出力して制動装置7を動作させて、この最上階においてかご1を停止させる。
そして、かご1が制動装置7により停止されている状態は、制動装置7による制動保持トルクがアンバランストルクTAを上回っている状態である。
そして、制動装置7による制動保持トルクがアンバランストルクTAと等しくなり釣り合い、この状態からさらにブレーキコイルへの吸引電流が大きくなり制動保持トルクがアンバランストルクTAを下回ると駆動装置3の綱車5が回転を始める。制御装置9のデータ記録演算部9dは、エンコーダ8からのエンコーダパルスデータ9cを監視することにより綱車5が回転し始める時を検知し、この綱車5が回転し始める時点において制動装置7のブレーキコイルへと供給している吸引電流値を測定してこれを記録する。
このブレーキコイルへの吸引電流値から制動装置7のブレーキ制動能力への換算は次のようにして行われる。
そして、ステップS4で得た吸引電流値におけるブレーキコイルの吸引力を、予め記憶していた吸引電流値と吸引力との対応関係から求め、こうして得た吸引力に、予め記憶していた摩擦係数及び回転半径を乗じることにより、換算ブレーキトルクTを算出する。
ブレーキコイルの吸引力はブレーキシューの押付力を弱める向きに作用するものであるから、吸引電流値が0のときの最大制動保持トルクから換算ブレーキトルクTを減じたものが綱車5が回転し始める時点における制動保持トルクであるということになる。換言すれば、綱車5が回転し始める時点における制動保持トルクはアンバランストルクTAにほぼ等しいため、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えたものが吸引電流値が0のときの最大制動保持トルクである。
この制動装置7の制動能力が予め設定した保守点検基準の範囲内であるか否かについての判断方法について、図3を参照しながら具体的に説明する。
そして、前述のようにブレーキコイルへと供給する吸引電流値を0から徐々に大きくしていき綱車5が回転し始める時点における制動保持トルクはほぼアンバランストルクTAに等しいので、データ記録演算部9dは、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えた値により、制動装置7の制動能力である最大制動保持トルクを評価する。
また、データ記録演算部9dは、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えた値が保守点検基準下限トルクTLより小さい場合、又は、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えた値が保守点検基準上限トルクTUより大きい場合には、制動装置7の制動能力は所定の保守点検基準の範囲外であって異常であると判断する。
このステップS7においては制御装置9は制動能力確認運転モードを終了し、続くステップS8で制御装置9は当該エレベーターの運転モードを通常運転モードへと移行させた後、一連の動作フローを終了する。
このステップS9においては、制御装置9は、制動装置7の制動能力は異常であると判断して当該エレベーターの運転を休止し、続くステップS10で制御装置9は図示しない発報装置を用いて制動装置7の制動能力が異常である旨を当該エレベーターの保守会社等の所定の場所へと発報した後、一連の動作フローを終了する。
このため、かごを停止したまま制動装置の制動能力の測定を行うことができる。
このため、制動能力の測定中に万一かごが移動した場合においても、かごは上方へと移動してリミットスイッチが作動してかごの移動を即座に停止させることができる。
図4は、この発明の実施の形態2に係るもので、エレベーター装置の動作の流れを示すフロー図である。
前述した実施の形態1は、吸引電流値から求めた換算ブレーキトルクに基づいて、制動装置の制動能力が予め設定した保守点検基準の範囲内であるか否かよって制動能力が正常であるか否かについて判断するものであったが、ここで説明する実施の形態2は、前回の制動能力確認運転モードにおいて測定・演算した制動装置の制動能力(換算ブレーキトルク)を記憶・蓄積しておき、今回と前回との制動能力の差分(変動量)を演算して、この制動能力の差分(変動量)が予め設定した保守点検変動量基準の範囲内であるか否かによって制動能力が正常であるか否かについて判断するようにしたものである。
当該エレベーターが通常運転モードにあるときに(ステップS20)、前述した所定の運転モード移行条件、例えば予め設定された当該エレベーターの利用者が少ない時間帯になる、が成立すると、制御装置9は当該エレベーターの運転モードを制動能力確認運転モードへと移行させようとする(ステップS21)。
この確認において、かご1内に乗客がいない状態でない、すなわち、かご1内に乗客がいる状態であると判断された場合には、ステップS20へと戻り、制御装置9は当該エレベーターの運転モードを通常運転モードで継続させる。
まず、制御装置9の駆動制御指令部9eは駆動装置3へと制御指令を出力して駆動装置3を駆動させかご1を最上階へと走行させて、かご1が当該最上階に到着したならば、制御装置9のブレーキ制御指令部9fは制動装置7へと制御指令を出力して制動装置7を動作させて、この最上階においてかご1を停止させる。
そして、制動装置7による制動保持トルクがアンバランストルクTAを下回ると駆動装置3の綱車5が回転を始める。制御装置9のデータ記録演算部9dは、エンコーダ8からのエンコーダパルスデータ9cを監視することにより綱車5が回転し始める時を検知し、この綱車5が回転し始める時点において制動装置7のブレーキコイルへと供給している吸引電流値を測定してこれを記録する。
具体的には、ステップS24で得た吸引電流値におけるブレーキコイルの吸引力を、予め記憶していた吸引電流値と吸引力との対応関係から求め、こうして得た吸引力に、予め記憶していた摩擦係数及び回転半径を乗じることにより、換算ブレーキトルクTを算出する。
また、データ記録演算部9dは、ステップS25で今回演算した換算ブレーキトルクTの値を記録する。
すなわち、制御装置9のデータ記録演算部9dには、0以上である所定の保守点検変動量基準トルクTDの値が予め記憶されており、データ記録演算部9dは、換算ブレーキトルクTの差分の絶対値が保守点検変動量基準トルクTD以下である場合には、制動装置7の制動能力は所定の保守点検変動量基準の範囲内であって正常であると判断する。
また、データ記録演算部9dは、換算ブレーキトルクTの差分の絶対値が保守点検変動量基準トルクTDより大きい場合には、制動装置7の制動能力は所定の保守点検変動量基準の範囲外であって異常に変動したと判断する。
このステップS28においては制御装置9は制動能力確認運転モードを終了し、続くステップS29で制御装置9は当該エレベーターの運転モードを通常運転モードへと移行させた後、一連の動作フローを終了する。
このステップS30においては、制御装置9は、制動装置7の制動能力は異常であると判断して当該エレベーターの運転を休止し、続くステップS31で制御装置9は図示しない発報装置を用いて制動装置7の制動能力が異常である旨を当該エレベーターの保守会社等の所定の場所へと発報した後、一連の動作フローを終了する。
なお、他の構成や動作については実施の形態1と同様である。
このため、制動能力が異常に至る兆候を検知することができ、制動能力の異常に起因する危険動作を未然に防止することが可能である。
このため、かごを停止したまま制動装置の制動能力が異常に至る兆候を検知することができる。
図5は、この発明の実施の形態3に係るもので、エレベーター装置の動作の流れを示すフロー図である。
前述した実施の形態1(又は実施の形態2)は、制動装置の備えるブレーキが1つであるいわゆるシングルブレーキであったが、ここで説明する実施の形態3は、制動装置に互いに独立して制動動作可能であるブレーキを2つ備えたいわゆるダブルブレーキとした場合である。
これらのブレーキはそれぞれがブレーキコイルを備えており、制御装置9のブレーキ制御指令部9fから出力される制御指令を介して、これらのブレーキコイルに供給する吸引電流のそれぞれを別個独立して制御することが可能である。
当該エレベーターが通常運転モードにあるときに(ステップS40)、前述した所定の運転モード移行条件、例えば予め設定された当該エレベーターの利用者が少ない時間帯になる、が成立すると、制御装置9は当該エレベーターの運転モードを制動能力確認運転モードへと移行させようとする(ステップS41)。
この確認において、かご1内に乗客がいない状態でない、すなわち、かご1内に乗客がいる状態であると判断された場合には、ステップS40へと戻り、制御装置9は当該エレベーターの運転モードを通常運転モードで継続させる。
まず、制御装置9の駆動制御指令部9eは駆動装置3へと制御指令を出力して駆動装置3を駆動させかご1を最上階へと走行させて、かご1が当該最上階に到着したならば、制御装置9のブレーキ制御指令部9fは制動装置7へと制御指令を出力して制動装置7を動作させて、この最上階においてかご1を停止させる。
次に、ブレーキ制御指令部9fは、制動装置7の備える2つのブレーキのうち一方のブレーキのブレーキコイルへと通電してこの一方のブレーキを完全に開放した状態にする。
そして、制動装置7の他方のブレーキによる制動保持トルクがアンバランストルクTAを下回ると駆動装置3の綱車5が回転を始める。制御装置9のデータ記録演算部9dは、エンコーダ8からのエンコーダパルスデータ9cを監視することにより綱車5が回転し始める時を検知し、この綱車5が回転し始める時点において制動装置7のブレーキコイルへと供給している吸引電流値を測定してこれを記録する。
具体的には、ステップS44で得た吸引電流値におけるブレーキコイルの吸引力を、予め記憶していた吸引電流値と吸引力との対応関係から求め、こうして得た吸引力に、予め記憶していた摩擦係数及び回転半径を乗じることにより、換算ブレーキトルクTを算出する。
この制動装置7の制動能力が予め設定した保守点検基準の範囲内であるか否かについての判断方法は、実施の形態1に係る図2のステップS6と同様であって、データ記録演算部9dは、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えた値が保守点検基準下限トルクTL以上かつ保守点検基準上限トルクTU以下である場合には、制動装置7の制動能力は所定の保守点検基準の範囲内であって正常であると判断し、また、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えた値が保守点検基準下限トルクTLより小さい場合、又は、アンバランストルクTAに換算ブレーキトルクTを加えた値が保守点検基準上限トルクTUより大きい場合には、制動装置7の制動能力は所定の保守点検基準の範囲外であって異常であると判断する。
このステップS47においては制御装置9は制動能力確認運転モードを終了し、続くステップS48で制御装置9は当該エレベーターの運転モードを通常運転モードへと移行させた後、一連の動作フローを終了する。
このステップS49においては、制御装置9は、制動装置7の(他方のブレーキの)制動能力は異常であると判断して当該エレベーターの運転を休止し、続くステップS50で制御装置9は図示しない発報装置を用いて制動装置7の(他方のブレーキの)制動能力が異常である旨を当該エレベーターの保守会社等の所定の場所へと発報した後、一連の動作フローを終了する。
この場合においては、
ステップS44において、制動装置7の備える2つのブレーキのうち先に制動能力の確認を行った方(上の説明中の「他方」)のブレーキのブレーキコイルへと通電して完全に開放した状態にした上で、まだ制動能力の確認を行っていない方(上の説明中の「一方」)のブレーキのブレーキコイルへと供給する吸引電流値を徐々に大きくしていくように制御してブレーキを徐々に開放し制動保持トルクを徐々に小さくしていくようにすればよい。
また、ここでは、実施の形態1においてダブルブレーキとした場合について説明したが、実施の形態2においてダブルブレーキとした場合についても同様にして構成することができる。
このため、いわゆるダブルブレーキの構成をもつ制動装置において、それぞれのブレーキの制動能力の確認を行うことが可能である。
2 釣合い重り
3 駆動装置
4 主ロープ
5 綱車
6 そらせ車
7 制動装置
8 エンコーダ
9 制御装置
9a かご位置データ
9b かご内負荷データ
9c エンコーダパルスデータ
9d データ記録演算部
9e 駆動制御指令部
9f ブレーキ制御指令部
Claims (7)
- エレベーターの昇降路内に昇降自在に配置されたかご及び釣合い重りと、前記かご及び前記釣合い重りの昇降を駆動する駆動装置と、前記駆動装置の綱車に巻き掛けられ、前記かご及び前記釣合い重りを前記昇降路内に吊持する主ロープと、前記駆動装置の前記綱車を制動する制動装置と、前記駆動装置及び前記制動装置の制御を行う制御装置と、を有するエレベーター装置において、
前記綱車の回転数を検出するエンコーダと、
前記制動装置に設けられ、電流により付勢されるとブレーキシューを吸引して制動を解除するブレーキコイルを有するブレーキと、を備え、
前記制御装置は、前記エレベーターの運転モードについて制動能力確認運転モードへの切替制御を行うとともに、前記エレベーターの運転モードが制動能力確認運転モードであるときに、前記かご側と前記釣合い重り側との間に重量の不均衡がある状態で前記制動装置により前記かごを停止させ、前記ブレーキコイルへの吸引電流を制御して前記制動装置による制動を徐々に開放し、前記エンコーダを介して前記かごの移動開始を検知し、前記かごの移動開始時点における前記吸引電流の値に基づいて、前記制動装置の制動能力を測定し、制動能力が所定の基準を外れた場合に、前記制動装置の制動能力が異常であると判断することを特徴とするエレベーター装置。 - 前記制御装置は、前記かご側と前記釣合い重り側との重量の不均衡から生じるアンバランストルクと、前記ブレーキコイルへの吸引電流を制御して前記制動装置による制動を徐々に開放し前記かごの移動開始時点での前記吸引電流における前記ブレーキコイルの吸引力のトルクとの和でもって、前記制動装置の制動能力を評価することを特徴とする請求項1に記載のエレベーター装置。
- エレベーターの昇降路内に昇降自在に配置されたかご及び釣合い重りと、前記かご及び前記釣合い重りの昇降を駆動する駆動装置と、前記駆動装置の綱車に巻き掛けられ、前記かご及び前記釣合い重りを前記昇降路内に吊持する主ロープと、前記駆動装置の前記綱車を制動する制動装置と、前記駆動装置及び前記制動装置の制御を行う制御装置と、を有するエレベーター装置において、
前記綱車の回転数を検出するエンコーダと、
前記制動装置に設けられ、電流により付勢されるとブレーキシューを吸引して制動を解除するブレーキコイルを有するブレーキと、を備え、
前記制御装置は、前記エレベーターの運転モードについて制動能力確認運転モードへの切替制御を行うとともに、前記エレベーターの運転モードが制動能力確認運転モードであるときに、前記かご側と前記釣合い重り側との間に重量の不均衡がある状態で前記制動装置により前記かごを停止させ、前記ブレーキコイルへの吸引電流を制御して前記制動装置による制動を徐々に開放し、前記エンコーダを介して前記かごの移動開始を検知し、前記かごの移動開始時点における前記吸引電流の値に基づいて、前記制動装置の制動能力を測定し、測定した制動能力の前回の測定時における制動能力からの変動量が所定の変動量基準を外れた場合に、前記制動装置の制動能力が異常であると判断することを特徴とするエレベーター装置。 - 前記制動装置は、互いに独立して制動動作可能な2つの前記ブレーキを有し、
前記制御装置は、一方の前記ブレーキを開放した上で、他方の前記ブレーキの前記ブレーキコイルへの吸引電流を制御して前記制動装置による制動を徐々に開放し、前記エンコーダを介して前記かごの移動開始を検知し、前記かごの移動開始時点における前記吸引電流の値に基づいて、前記制動装置の制動能力を評価することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエレベーター装置。 - 前記かご内の負荷を検出するかご内負荷検出装置をさらに備え、
前記制御装置は、かご内負荷検出装置の検出結果に基づき前記かご内が無負荷状態であるときに前記制動装置の制動能力の測定を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のエレベーター装置。 - 前記かごが停止する最上階における所定の停止位置を超えて前記かごがさらに上方へと移動することを規制するリミットスイッチをさらに備え、
前記釣合い重りの重量は、前記かご内が無負荷状態であるときの前記かご側の重量より重くなるように設定され、
前記制御装置は、前記かごを前記最上階の前記停止位置に停止させた状態において前記制動装置の制動能力の測定を行うことを特徴とする請求項5に記載のエレベーター装置。 - 前記制動装置の制動能力が異常であると判断した場合に、前記エレベーターの運転を休止するとともに、その旨を所定の場所に発報することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のエレベーター装置。
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