JP6193000B2 - エンコーダ異常検出装置及びエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置 - Google Patents

エンコーダ異常検出装置及びエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンコーダの異常を検出するエンコーダ異常検出装置及びエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置に関する。
電動機等の位置、速度を制御するときに用いられる正弦波エンコーダの異常を検出する異常検出装置として、被異常検出の対象物からの出力である正弦波の第1の信号及び該第1の信号に対してπ/2の位相差の対象物からの出力である第2の信号を発生するエンコーダと、該エンコーダから第1及び第2の各信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段の第1及び第2の各デジタル信号値を二乗してこの二乗値の和を演算する演算手段とを備え、演算手段の演算結果が正の正数1近くのエンコーダ、A/D変換手段の各精度によって生じる誤差の範囲から外れた場合にエンコーダの異常を検出するものが知られている(特許文献1参照)。
特開平1−80817号公報
ところで、エンコーダは、例えばエレベータ装置に適用され、巻上機のモータの回転速度の検出・制御を目的として取付けられている。すなわちエンコーダにより実速度検出を行い、電流指令との差分を巻上機のモータの出力するトルク指令に換算し、インバータの出力電流・電圧を制御する。しかし、このようにインバータと併設されるエンコーダにあっては、インバータノイズの影響を受け、その出力電圧にノイズが印加される傾向がある。そして、エンコーダの出力電圧にノイズが印加されると、エンコーダの出力信号に基づく機器制御にも影響があることから、ノイズを正確に検出することが望まれる。しかしながら、前述したものでは、エンコーダが出力する正弦波の2信号に基づき異常を検出するものであるが、これらの2信号にノイズが重複する状態までは判断することができないという課題があった。
すなわちノイズが、例えばθaで正弦波、及び余弦波に印加されても、これらのノイズが印加された信号値の二乗の和を演算したとき、正の正数1に近い範囲から外れない場合、例えばθnにおける値とみなしてしまい、ノイズを検出することができなかった。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、ノイズ重複を確実に検出することのできるエンコーダ異常検出装置及びエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、回転体の回転に応じた、プラス及びマイナスの両電圧極性を有し、又は一定のオフセットを有し、かつ互いに90度の位相差を有する正弦波及び余弦波の2相信号を出力する正弦波エンコーダの異常を検出するエンコーダ異常検出装置において、前記正弦波エンコーダが出力する前記正弦波をx軸上、前記余弦波をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、前記ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及び前記ベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを備え、前記比較部は、前記回転体の回転を止め、かつ、当該回転体に接続され、前記正弦波エンコーダの検出結果に応じて制御される回路に電流を導通させない状態で得られた第一のベクトル値を用いて異常なしと判断した場合、前記第一のベクトル値で定まるベクトルが予め定めた基準方向に対して成す角度を基準角度として保存し、前記回転体の回転を止め、かつ、前記回路に電流を導通させた状態で得られた第二のベクトル値について、当該第二のベクトル値の径方向の大きさが閾値を逸脱したとき、及び前記第二のベクトル値で定まるベクトルが前記基準方向に対して成す角度と前記基準角度との差が閾値を逸脱したときの少なくとも一方で、異常と判断することを特徴とする。
このような構成によれば、正弦波エンコーダの出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、装置の信頼性、及び安全性の向上を図ることができる。
また本発明は、電源に接続され、複数のスイッチング素子で構成されるインバータと、前記インバータに接続される巻上機のモータと、前記モータの回転に応じた、プラス及びマイナスの両電圧極性を有し、又は一定のオフセットを有し、かつ互いに90度の位相差を有する正弦波及び余弦波の2相信号を出力する正弦波エンコーダと、前記インバータ及び前記正弦波エンコーダに接続されて前記インバータを介して前記巻上機を制御すると共に、前記正弦波エンコーダの異常を検出するエンコーダ異常検出装置を構成した制御装置と、前記モータによって駆動される前記巻上機のシーブに巻き掛けられたロープを介して昇降するかご及びつり合いおもりと、前記シーブを制動する制動装置とを備えたエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置において、前記制御装置に構成したエンコーダ異常検出装置は、前記正弦波エンコーダが出力する前記正弦波をx軸上、前記余弦波をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、前記ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及び前記ベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを備え、前記比較部は、前記モータの回転を止め、かつ、前記インバータに調査電流を導通させない状態で得られた第一のベクトル値を用いて異常なしと判断した場合、前記第一のベクトル値で定まるべくトルが予め定めた基準方向に対して成す角度を基準角度として保存し、前記モータの回転を止め、かつ、前記インバータに前記調査電流を導通させた状態で得られた第二のベクトル値について、当該第二のベクトル値の径方向の大きさが閾値を逸脱したとき、及び前記第二のベクトル値で定まるベクトルが前記基準方向に対して成す角度と前記基準角度との差が閾値を逸脱したときの少なくとも一方で、異常と判断するエンコーダ異常検出装置を有したことを特徴とする。
このような構成によれば、巻上機を制御する制御装置に構成したエンコーダ異常検出装置によって、正弦波エンコーダの出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、エレベータ装置の信頼性、及び安全性の向上を図ることができる。
また本発明は、上述の構成に加えて、前記制御装置は、前記エンコーダ異常検出装置が前記調査電流を導通させた状態で前記正弦波エンコーダに異常がないと判断した場合、エレベータ起動補償制御を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、一般にエレベータの起動補償制御は、かご下に配置される荷重検出センサの荷重検出値に基づいて行っているが、荷重検出センサは、かご下の防振ゴムが積載量に応じた撓み量に応じて荷重検出値を出力するものであり、使用環境で防振ゴムの撓み量が変化し、正確な荷重検出が行うことが難しく、ひいては的確なエレベータの起動補償制御も困難であった。しかし、荷重検出センサに代わるものとして、正弦波エンコーダの出力信号に基づきエレベータの起動補償制御を行うことにより、正弦波エンコーダの出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、エレベータ装置の信頼性、及び安全性の向上を図りながら的確な起動補償を実現することができる。
さらに本発明は、上述の構成に加えて、前記制御装置は、前記エンコーダ異常検出装置が前記調査電流を導通させた状態で前記正弦波エンコーダに異常がないと判断し、かつ、調査電流指令とモータ電流検出値を比較し、前記調査電流指令と前記モータ電流検出値とが一致した場合、エレベータ起動補償制御を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、インバータに微小電流を流す調査電流導通時に、正弦波エンコーダの状態確認に留まらず、モータ、及びインバータの状態確認をまとめて行うことができ、制御のプロセスを低減し、応答性の高いエレベータ装置とすることができる。
本発明のエンコーダ異常検出装置によれば、正弦波エンコーダの出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、装置の信頼性、及び安全性の向上を図ることができる。
また本発明のエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置によれば、巻上機を制御する制御装置に構成したエンコーダ異常検出装置によって、正弦波エンコーダの出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、エレベータ装置の信頼性、及び安全性の向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態によるエンコーダ異常検出装置及びそれを用いたエレベータ装置を示す概略構成図である。 図1に示した正弦波エンコーダの出力信号を示す信号波形図である。 図2に示した正常な正弦波エンコーダの出力信号をx軸上、及びy軸上にプロットした座標図である。 図1に示した正弦波エンコーダの出力信号にノイズが印加された信号波形図である。 図4に示したノイズが印加された正弦波エンコーダの出力信号をx軸上、及びy軸上にプロットした座標図である。 図1に示したエンコーダ異常検出装置及びエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるエンコーダ異常検出装置及びエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置を示す概略構成図である。
エレベータ装置は、電源1と、電源1に接続された複数のスイッチング素子2aで構成されるインバータ2と、インバータ2に接続される巻上機3のモータ3aと、モータ3aに取付けられモータ3aの回転速度の検出・制御を行うための正弦波エンコーダ4と、マイコンが搭載され、インバータ2及び正弦波エンコーダ4に接続されると共に、その入力線に電流検出器5が設けられる制御基板6と、モータ3aによって駆動される巻上機3のシーブ3bと、シーブ3bに巻き掛けられたロープ7を介して昇降するかご8及びつり合いおもり9とを備えている。
エレベータ装置では、制御基板6は、正弦波エンコーダ4により実速度検出を行うと共に電流検出器5の出力信号を取込み、検出速度と指令速度とを比較し、その差分から巻上機3のモータ3aの出力するトルク指令及び電流指令に換算し、その電流指令と電流検出器5の出力信号との比較結果から、インバータ2の出力電流・電圧、つまりスイッチング素子2aをオン・オフ制御する。
正弦波エンコーダ4は、図2に示すように、プラス、及びマイナスの両電圧極性を有しかつ互いに90度の位相差を有する正弦波、すなわちA相信号、及び余弦波、すなわちB相信号の2相信号を出力するものである。また、エンコーダ一回転当たり2048C/T程度の出力を有するものであり、出力波形は正弦波状に電圧が変化し、この正弦波変化を信号取込回路基板のA/D変換器のビット精度(2の10乗)で取込むことで、2048C/Tの2の10乗倍の検出精度が得られ、パルス式エンコーダより検出精度は高いものとなる。このような正弦波エンコーダ4を用いて、本エレベータ装置は起動補償をも行うものである。すなわちエレベータ起動時、正弦波エンコーダ4によりモータ3aの回転角を高精度に検出し、この検出値に基づきモータ3aのトルク制御を行って、かご8及びつり合いおもり9のアンバランス力を補償し、ブレーキ解放直後の起動振動を低減するようにしている。
さらに、正弦波エンコーダ4の異常を確実に検出するために工夫がされている。具体的には、前述した制御基板6により、正弦波エンコーダ4が出力するA相信号をx軸上、B相信号をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及びベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを構成している。すなわち正弦波エンコーダ4が正常の場合、A相信号及びB相信号は、図2に示すような波形となり、これをx軸上、y軸上にベクトル値としてプロットとすると、図3に示すような円の軌跡となり、検出したベクトル値が、正常軌跡に誤差を加えた閾値を径方向において逸脱したときに異常と判断する。また、正弦波エンコーダ4が正常の場合、所定状態で検出したベクトル値は周方向において留まるものであるが、これが周方向において誤差を加えた閾値を逸脱したとき、すなわち周方向に閾値を越えて変動したとき異常と判断する。
次に、図6に示したフローチャートを用いて、正弦波エンコーダ4の異常判断を行うエンコーダ異常検出装置およびエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置の処理手順を説明する。
手順S1に示すように、ブレーキが作動してエレベータ装置が待機状態にあるときでも、制御基板6は、手順S2として、常時、正弦波エンコーダ4の出力信号を監視している。すなわち正弦波エンコーダ4が出力するA相信号をx軸上、B相信号をy軸上にベクトル値としてプロットし、ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したか、また、ベクトル値が周方向において閾値を逸脱したかどうかを判断している。エレベータ装置が待機状態でインバータ2が停止しているときに、正弦波エンコーダ4の出力信号が変動したことを制御基板6で検出された場合、手順S12として、エンコーダ回路故障、或いは接続異常と判断し、手順S13として、エレベータを停止する。
一方、制御基板6は、ブレーキが作動した状態で正弦波エンコーダ4の出力信号が許容範囲内であった場合、手順S3として、位相角度データθxを格納する。この後、手順S4としてかご呼び、及びホール呼びの一方により駆動可能かを判断し、駆動可能と判断すると、手順S5として、ブレーキが作動した状態で、インバータ2に微小電流を流す調査電流導通インバータ制御を行う。
これは、インバータ2は、ゼロ電流制御付近においてインバータノイズが発生しやすく、調査には適したものだからである。また、微小電流は、(モータ出力トルク≪ブレーキトルク)となる値に設定されており、調査電流導通でモータは基本的に回転しない。そして、制御基板6は、手順S6で、正弦波エンコーダ4の出力信号を監視し、異常がないかどうかを判断する。例えば正弦波エンコーダ4が正常の場合、A相信号及びB相信号は、図2に示すような波形となる。図2のA、A´に示す位相角度θのときのA相信号をx軸上、B相信号をy軸上にベクトル値としてプロットとすると、図3に示す矢印aとなる。ベクトル値の径方向の大きさはx 2+y 2の式で求められるものであり、矢印aの場合はx 2+y 2=l2となり、正常軌跡に誤差を加えた閾値sに合致するものとなる。
一方、例えば図4のB、B´に示すように位相角度θ1のとき正弦波エンコーダ4のA相信号にx2のノイズ、B相信号にy2のノイズが重複した状態を、A相信号をx軸上、B相信号をy軸上にベクトル値としてプロットすると、図5の矢印bとなる。ベクトル値の径方向の大きさはx 2+y 2の式で求められるものであり、矢印bの場合はx 2+y 2≫l2となり、正常軌跡に誤差を加えた閾値sを径方向において超えて逸脱し、異常と判断する。一方、検出したベクトル値がx 2+y 2≪l2となった場合も、すなわちベクトル値が正常軌跡に誤差を加えた閾値sに径方向において届かず逸脱した場合も異常と判断する。なお、図4のB、B´に示すようなノイズは、前述した公知のものにおいても検出可能なものである。
ところが、図4のC、C´に示すように、位相角度θ2のとき正弦波エンコーダ4のA相信号にx3のノイズ、B相信号にy3のノイズが重複した状態であると、前述した公知のものにあっては、信号値の二乗の和を演算したとき、正の正数1に近い範囲から外れない場合、例えば図4のθ3における値とみなしてしまい、ノイズを検出することができなかった。しかし、この状態のA相信号をx軸上、B相信号をy軸上にベクトル値としてプロットすると、図5の矢印dとなる。そこで、調査電流導通時の位相角度データθyを検出し、手順S3で格納した位相角度データθxと、この位相角度データθyを比較する。すなわち手順S3においてブレーキ作動状態で格納した位相角度データθ2に対し、調査電流導通に応じて検出したものが位相角度データθ3となった場合、θx(θ3)−θy(θ2)の差を演算し、図5の矢印eで示されるこの差分が許容範囲かどうかを見る。すなわちベクトル値が周方向において誤差を加えた閾値を越えて逸脱した場合、インバータノイズが重複している異常と判断する。
また、手順S6にあっては、ブレーキが作動した状態で、インバータ2に微小電流を流す調査電流導通時に、調査電流指令とモータ電流検出値を比較し、モータ、及びインバータ駆動状態確認も行う。調査電流指令とモータ電流検出値を比較した結果、これらが一致しない場合、例えばスイッチング素子の短絡故障による過電流、オープン故障による電流不足、インバータ制御回路の誤出力による過電流、電流不足、又はモータ地絡による過電流などの可能性があることから異常と判断する。手順S6で異常と判断されると、手順S10に移行し、調査電流導通インバータ制御を停止すると共に、調査トライ回数のカウントアップを行う。
次いで、手順S11としてトライ回数が規定値以内かどうかを判断する。これは、エンコーダ信号へのノイズ重複や、インバータ2の動作異常などは一過性であることが多いからである。手順S11でトライ回数が規定値に達していないことが判断されると、前述した手順を再び繰り返し、正弦波エンコーダ4、インバータ2、及びモータ3aの状態を判断する。前述のトライ回数は、異常検出レベルに応じて、例えば6回/10分や12回/10分を閾値として設けている。これにより、重篤な異常を確実に検出する一方、異常検出に応じてエレベータを即時停止とはせず、複数回調査をトライし、乗客を所望の目的階に移動させることを優先することができる。
一方、手順S6で異常がないと判断されると、手順S7に移行し、調査電流導通インバータ制御を終了し、手順S8で、エレベータ起動制御、すなわち起動補償制御を行う。これは、正弦波エンコーダ4によりモータ3aの回転角を高精度に検出し、この検出値に基づきモータ3aのトルク制御を行って、かご8及びつり合いおもり9のアンバランス力を補償するものである。この後、手順S9として、ブレーキを釈放してエレベータを走行させると共に、トライ回数のリセット、及び最大トライ回数のデータ格納を行う。なお、最大トライ回数のデータを格納するのは、保守時に、ノイズ重複の状況を確認できるようにするためである。
以上説明したように本発明は、回転体の回転によって、プラス及びマイナスの両電圧極性を有し、又は一定のオフセットを有し、かつ互いに90度の位相差を有する正弦波及び余弦波の2相信号を出力する正弦波エンコーダの異常を検出するエンコーダの異常検出装置において、前記正弦波エンコーダが出力する前記正弦波をx軸上、前記余弦波をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、前記ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及び前記ベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、正弦波エンコーダ4の出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、装置の信頼性、及び安全性の向上を図ることができる。
また本発明は、電源1に接続され、複数のスイッチング素子2aで構成されるインバータ2と、このインバータ2に接続される巻上機3のモータ3aと、このモータ3aの回転によって、プラス及びマイナスの両電圧極性を有し、又は一定のオフセットを有し、かつ互いに90度の位相差を有する正弦波及び余弦波の2相信号を出力する正弦波エンコーダ4と、インバータ2及び正弦波エンコーダ4に接続されてインバータ2を介して巻上機3を制御すると共に、正弦波エンコーダ4の異常を検出するエンコーダ異常検出装置を構成した制御装置と、モータ3aによって駆動される巻上機3のシーブ3bに巻き掛けられたロープ7を介して昇降するかご8及びつり合いおもり9と、シーブ3bを制動する制動装置とを備えたエレベータ装置において、制御装置に構成した前記エンコーダ異常検出装置は、正弦波エンコーダが出力する正弦波をx軸上、余弦波をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及びベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、巻上機3を制御する制御装置に構成したエンコーダ異常検出装置によって、正弦波エンコーダ4の出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、エレベータ装置の信頼性、及び安全性の向上を図ることができる。
また本発明は、上述の構成に加えて、制御装置は、制動装置が作動した状態でインバータ2に調査電流導通を行い、正弦波エンコーダ4の異常の有無を判断してエレベータ起動補償制御を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、一般にエレベータの起動補償制御は、かご下に配置される荷重検出センサの荷重検出値に基づいて行っているが、荷重検出センサは、かご下の防振ゴムが積載量に応じた撓み量に応じて荷重検出値を出力するものであり、使用環境で防振ゴムの撓み量が変化し、正確な荷重検出が行うことが難しく、ひいては的確なエレベータの起動補償制御も困難であった。しかし、荷重検出センサに代わるものとして、正弦波エンコーダ4の出力信号に基づきエレベータの起動補償制御を行うことにより、正弦波エンコーダ4の出力信号に印加されるノイズ重複を確実に検出することができ、これによって、装置の信頼性、及び安全性の向上を図りながら的確な起動補償を実現することができる。
さらに本発明は、上述の構成に加えて、制御装置は、制動装置が作動した状態でインバータ2に調査電流導通を行い、正弦波エンコーダ4の異常の有無を判断すると共に、調査電流指令とモータ電流検出値を比較し、モータ3a及びインバータ2の異常の有無を判断してエレベータ起動補償制御を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、インバータ2に微小電流を流す調査電流導通時に、正弦波エンコーダ4の状態確認に留まらず、モータ3a、及びインバータ2の状態確認をまとめて行うことができ、制御のプロセスを低減し、応答性の高いエレベータ装置とすることができる。
1 電源
2 インバータ
3 巻上機
3a モータ
4 正弦波エンコーダ
5 電流検出器
6 制御基板
7 ロープ
8 かご
9 つり合いおもり

Claims (4)

  1. 回転体の回転に応じた、プラス及びマイナスの両電圧極性を有し、又は一定のオフセットを有し、かつ互いに90度の位相差を有する正弦波及び余弦波の2相信号を出力する正弦波エンコーダの異常を検出するエンコーダ異常検出装置において、
    前記正弦波エンコーダが出力する前記正弦波をx軸上、前記余弦波をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、
    前記ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及び前記ベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを備え
    前記比較部は、
    前記回転体の回転を止め、かつ、当該回転体に接続され、前記正弦波エンコーダの検出結果に応じて制御される回路に電流を導通させない状態で得られた第一のベクトル値を用いて異常なしと判断した場合、
    前記第一のベクトル値で定まるベクトルが予め定めた基準方向に対して成す角度を基準角度として保存し、
    前記回転体の回転を止め、かつ、前記回路に電流を導通させた状態で得られた第二のベクトル値について、当該第二のベクトル値の径方向の大きさが閾値を逸脱したとき、及び前記第二のベクトル値で定まるベクトルが前記基準方向に対して成す角度と前記基準角度との差が閾値を逸脱したときの少なくとも一方で、異常と判断する
    ことを特徴とするエンコーダ異常検出装置。
  2. 電源に接続され、複数のスイッチング素子で構成されるインバータと、前記インバータに接続される巻上機のモータと、前記モータの回転に応じた、プラス及びマイナスの両電圧極性を有し、又は一定のオフセットを有し、かつ互いに90度の位相差を有する正弦波及び余弦波の2相信号を出力する正弦波エンコーダと、前記インバータ及び前記正弦波エンコーダに接続されて前記インバータを介して前記巻上機を制御すると共に、前記正弦波エンコーダの異常を検出するエンコーダ異常検出装置を構成した制御装置と、前記モータによって駆動される前記巻上機のシーブに巻き掛けられたロープを介して昇降するかご及びつり合いおもりと、前記シーブを制動する制動装置とを備えたエレベータ装置において、
    前記制御装置に構成した前記エンコーダ異常検出装置は、前記正弦波エンコーダが出力する前記正弦波をx軸上、前記余弦波をy軸上にベクトル値としてプロットする変換部と、前記ベクトル値が径方向において閾値を逸脱したとき、及び前記ベクトル値が周方向において閾値を逸脱したときの少なくとも一方で異常と判断する比較部とを備え
    前記比較部は、
    前記モータの回転を止め、かつ、前記インバータに調査電流を導通させない状態で得られた第一のベクトル値を用いて異常なしと判断した場合、
    前記第一のベクトル値で定まるベクトルが予め定めた基準方向に対して成す角度を基準角度として保存し、
    前記モータの回転を止め、かつ、前記インバータに前記調査電流を導通させた状態で得られた第二のベクトル値について、当該第二のベクトル値の径方向の大きさが閾値を逸脱したとき、及び前記第二のベクトル値で定まるベクトルが前記基準方向に対して成す角度と前記基準角度との差が閾値を逸脱したときの少なくとも一方で、異常と判断する
    ことを特徴とするエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置。
  3. 前記制御装置は、前記エンコーダ異常検出装置が前記調査電流を導通させた状態で前記正弦波エンコーダに異常がないと判断した場合、エレベータ起動補償制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置。
  4. 前記制御装置は、前記エンコーダ異常検出装置が前記調査電流を導通させた状態で前記正弦波エンコーダに異常がないと判断し、かつ、調査電流指令とモータ電流検出値を比較し、前記調査電流指令と前記モータ電流検出値とが一致した場合、エレベータ起動補償制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ異常検出装置を用いたエレベータ装置。
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