JP5458509B2 - 炭化珪素半導体基板 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素半導体基板およびその製造方法に関する。
炭化珪素(シリコンカーバイド、SiC)はシリコン(Si)に比べてバンドギャップが大きく、絶縁破壊電界が大きいことから、次世代の電力制御用の半導体装置(パワーデバイス)への応用が期待されている。炭化珪素には多くの結晶構造があることが知られているが、このうち実用的なパワーデバイスを作成するために用いられているのは、六方晶の4H−SiCおよび6H−SiCである。
パワーデバイスの多くは、半導体装置内に大きな電流を通電する必要があるために、デバイスの一方の表面と裏面にそれぞれ電極を設け、主たる電流が両者の間を流れるような構造をもつ。また、主たる電流が通電されている状態(オン状態)と主たる電流を遮断した状態(オフ状態)を実現する機能が必要である。オン状態では通電電流に発生する抵抗(オン抵抗)はより小さいことがデバイスの損失を減らす意味で重要であり、また、オフ状態では所定の印加電圧に対して漏れ電流を極力減らすことが求められる。
炭化珪素を用いて、前記のようなパワーデバイスの機能を生じさせるために、炭化珪素パワーデバイスは、低抵抗のn型炭化珪素単結晶のウエハを下地基板とし、その上にエピタキシャル成長によって所定の厚さとドナー濃度を有する単結晶の炭化珪素層を形成したものを用いることが一般的である.この炭化珪素エピタキシャル層の内部にpn接合などを初めとする半導体デバイスの基本構造を作り込む。エピタキシャル層は高抵抗であり、そのドナー濃度と厚さはデバイスの仕様である耐電圧値を満足し且つオン抵抗が極力小さくなるように最適に設計される。このように、デバイスの形成に炭化珪素単結晶のウエハ上に設けたエピタキシャル層を用いる理由は、必要とされる高抵抗炭化珪素層の厚さが数ミクロンから数十ミクロン程度で、従来のシリコンを用いたデバイスに必要な高抵抗層に比べて十分の一程度に薄いためである。
炭化珪素単結晶ウエハの開発において、大口径化及びウエハインゴットの長尺化を実現するために、その表面を{0001}結晶面にする必要があった。従来、{0001}結晶面上に炭化珪素単結晶層をエピタキシャル成長する際には、ウエハと異なる結晶型(ポリタイプ)の炭化珪素が混在してしまうことが問題であったが、エピタキシャル成長するウエハの表面を{0001}結晶面から数度傾けた面とすることによって、この問題は解決し、ウエハと同じポリタイプの炭化珪素単結晶層を容易に形成できるようになった。現在市販されている4H−SiCウエハは{0001}結晶面を4度あるいは8度傾斜させたものである。
大口径化の開発と共に、炭化珪素単結晶ウエハの品質を改善する試みも精力的に進められている。しかしながら、現在でも、炭化珪素単結晶ウエハ中には平方センチメートルあたり1000個から10000個の転位と呼ばれる線状の結晶構造欠陥が存在している。炭化珪素には3種類の転位が知られている。これらは、転位線の方向が{0001}結晶面に概ね垂直である貫通らせん転位と貫通刃状転位、および転位線の方向が{0001}結晶面に平行である基底面転位(ベーサルプレーン転位)である。一般に、結晶中の転位はバーガースベクトルと転位線の方向によって特定される。炭化珪素中の貫通刃状転位と基底面転位はバーガースベクトルが等しく、両者は転位線の方向の違いによって区別されるものである。
炭化珪素単結晶ウエハ中のこれらの転位は、転位線の一端がウエハの表面に露出していると、ウエハ上に炭化珪素単結晶層をエピタキシャル成長する際にエピタキシャル成長層に引き継がれる。ウエハ表面が{0001}結晶面に平行な場合には基底面転位はウエハの表面に露出することはなく、エピタキシャル成長層に引き継がれることはない。しかし、上述のように{0001}結晶面が傾斜している場合には、この面上にある基底面転位の一部はウエハ表面に露出してしまうので、その場合はエピタキシャル成長層に伝播してしまう。その際、伝播した基底面転位の多くは転位線の方向を{0001}結晶面に垂直な方向に変えて、エピタキシャル成長層中では貫通刃状転位となるが、ウエハの表面に露出した基底面転位の10〜20%ほどは、そのまま基底面転位としてエピタキシャル層中に引き継がれることが、ジャーナルオブクリスタルグロウス260巻の209頁から216頁(非特許文献1)に記載されている。逆に、ウエハの表面に露出した貫通刃状転位はほぼ100%貫通刃状転位としてエピタキシャル層に伝播し、貫通刃状転位から基底面転位への変換はほとんど生じないことも同誌に記載されている。
エピタキシャル成長した炭化珪素層中の転位が、デバイスの性能や信頼性に対して、どのような影響を及ぼすかについての研究が進められている。いまだ、すべてが解明されているわけではないが、エピタキシャル層中の基底面転位は、pn接合ダイオードを長時間通電した際にオン抵抗を増大させ、金属酸化膜半導体型の電界効果トランジスタ(MOSFET)のゲート酸化膜の信頼性を悪くする原因となることが明らかになっている。一方、貫通らせん転位の一部はデバイスに影響を与えるといわれているものの詳細は明らかではない。また、貫通刃状転位のデバイスへの影響は現時点では認められていない。従って、デバイスの諸構造が作りこまれるエピタキシャル層中では、少なくとも基底面転位は出来るだけ少ないこと、できれば皆無であることが望ましい。そのために、基板となる炭化珪素単結晶ウエハ中の基底面転位を著しく減らすことができればよいが、転位密度を減少させることはまだ目途がついていない。そこで、炭化珪素単結晶ウエハの表面に露出した基底面転位がエピタキシャル成長層に伝播する際に、そのまま基底面転位としてエピタキシャル層中に引き継がれるものの割合を低減すること、別の表現をすると、ウエハの基底面転位がエピタキシャル成長層に伝播する際に、貫通刃状転位に変換される変換効率を高めることが重要な技術となっている。
特表2007−506289 特開2003−318388号公報 ジャーナルオブクリスタルグロウス、260巻、209頁〜216頁 マテリアルズサイエンスフォーラム、527−529巻、243頁〜246頁 マテリアルズサイエンスフォーラム、527−529巻、1329頁〜1334頁 マテリアルズサイエンスフォーラム、482−485巻、89頁〜92頁 フィジカル・レヴュー・レターズ、91巻、226107頁
ウエハの基底面転位がエピタキシャル層で貫通刃状転位に変換される変換効率を高め、その結果、エピタキシャル層中の基底面転位密度を低減する手段として、例えば、特表2007−506289(特許文献1)に開示されているように、炭化珪素単結晶ウエハの表面に露出している基底面転位の部分に選択性エッチングを施して転位を中心とした凹部を形成し、そのようなウエハ上にエピタキシャル層を成長させるという方法がある。このように形成したエピタキシャル層では、マテリアルズサイエンスフォーラム、527−529巻の243頁から246頁(非特許文献2)に記載されているように、基底面転位密度は著しく減少している。
しかしながら、マテリアルズサイエンスフォーラム、527−529巻の1329頁から1334頁(非特許文献3)に記載されているように、そのようなエピタキシャル層に作りこまれたpn接合ダイオードでは、オン状態の特性の信頼性は基底面転位密度の減少によって確かに向上しているものの、オフ状態の特性は逆に悪化している。これは、凹みのあるウエハ上にエピタキシャル層を成長しているために、凹み部の周辺に別の結晶欠陥が発生したことによると考えられる。このように、炭化珪素単結晶ウエハの表面に露出している基底面転位の部分に選択性エッチングを施して凹部を形成し、そのようなウエハ上にエピタキシャル層を成長させるという方法は、基底面転位密度の減少には有効であるが、総合的に考えると、半導体装置を作り込むためのエピタキシャル層の形成方法としては適していない。エピタキシャル層の膜質になんら影響を及ぼさずに、エピタキシャル層中の基底面転位密度を減らす手段が必要である。
そこで、本願発明の目的は、炭化珪素半導体基板において、エピタキシャル層の膜質を損ねるなんら影響を及ぼさずに、エピタキシャル層中の基底面転位密度を減らす方法を提供することである。
図1は本願発明の実施例である炭化珪素半導体基板の断面の概略と構成する各層のドナー濃度の大小を模式的に示したものであるが、本願発明は必ずしもこれに限定されるものではない。本願発明は炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板11とその一方の表面上に形成された炭化珪素エピタキシャル成長層12によって構成される炭化珪素半導体基板であって、下地基板11とデバイスの構成要素が作り込まれる炭化珪素エピタキシャル層(これを以下ではドリフト層と呼ぶ)13の間に、炭化珪素単結晶ウエハ中の基底面転位がエピタキシャル成長層中に伝播する際に貫通刃状転位に変換される変換効率の高い炭化珪素からなるバッファ層(これを以下では転位変換層と呼ぶ)14をエピタキシャル成長によって設けることを特徴とする。
転位変換層を形成するための条件に関して、本願発明者らは基礎実験を行って、以下のような知見を得た。第1は、下地基板が低抵抗のn型、すなわち高ドナー濃度の炭化珪素単結晶ウエハである場合、エピタキシャル層のドナー濃度が小さいほど、ウエハの基底面転位がエピタキシャル層に伝播する際に、貫通刃状転位に変換される割合が大きいということである。第2は基底面転位から貫通刃状転位への変換は、下地基板とエピタキシャル成長層との界面付近で生じる現象でエピタキシャル成長中には変換は生じないということである。
高ドナー濃度の炭化珪素単結晶ウエハと低ドナー濃度のエピタキシャル層の界面で基底面転位が伝播する際に貫通刃状転位に変換され、その変換の割合がエピタキシャル層のドナー濃度の差が小さいほど大きくなるのは以下のような理由によると考えられる。n型のドーパントである窒素は炭化珪素中の炭素サイトに置換することによってドナーとなるが、炭素の四面体配位共有結合半径が0.077nmであるのに対して窒素のそれは0.070 nmと小さい。従って、窒素のドーピングに伴い炭化珪素の結晶は縮小することになる。下地基板のドナー濃度は通常1018cm−3台であるのに対してエピタキシャル層のそれは1014〜1017cm−3であるから、ドナー濃度の大きい基板の方が結晶は縮んでいることになり、基板との界面近くのエピタキシャル層には圧縮応力が働いている。基底面転位の貫通刃状転位への変換にはこの圧縮応力が影響すると考えられる。すなわち、エピタキシャル層中に圧縮応力が存在すると、基板から伝播してきた基底面転位はそのままでは伝わりにくく、折れ曲がって貫通刃状転位に変換されるような作用をエピタキシャル層から受けると考えられる。エピタキシャル層のドナー濃度が小さくなるほど基板とのドナー濃度差は大きくなるわけだから、従って、エピタキシャル層中の圧縮応力も大きくなる。これらのことより、エピタキシャル層のドナー濃度が小さいほど、ウエハの基底面転位がエピタキシャル層に伝播する際に、貫通刃状転位に変換される割合が大きいと考えられる。
以上は、炭化珪素エピタキシャル層を炭化珪素単結晶ウエハ上に形成した場合の、ウエハからエピタキシャル層への基底面転位の伝播についての知見と考察であるが、炭化珪素エピタキシャル層上にドナー濃度の異なる第2のエピタキシャル層を形成した場合についても同様であると考えられる。すなわち高ドナー濃度の炭化珪素エピタキシャル層上に低ドナー濃度のエピタキシャル層が形成されている場合、高ドナー濃度の炭化珪素エピタキシャル層側から低ドナー濃度のエピタキシャル層へ伝播される基底面転位は貫通刃状転位に変換され、両者のドナー濃度差が大きいほど変換の効率は大きいと推測される。
本願発明では、基底面転位から貫通刃状転位への変換の効率をより高めるために、転位変換層は少なくとも2層以上の炭化珪素層によって構成されること、そして各層間の界面、すなわち、ドリフト層と転位変換層を構成する炭化珪素層の界面、転位変換層内の炭化珪素層間の界面、転位変換層を構成する炭化珪素層と下地基板の界面において、ドナー濃度の段差が存在し、界面のドリフト層側は下地基板側よりも低いドナー濃度を有することを特徴とする。図1は転位変換層14が3層の炭化珪素層141、142、143によって構成されている例である。この場合、炭化珪素層141、142、143のドナー濃度はこの順で順次低くなっており、最もドリフト層側の炭化珪素層143は、接触するドリフト層13よりもドナー濃度は高く、最も下地基板側の炭化珪素層141は、接触する下地基板11よりもドナー濃度は低くなっている。その結果、図1では、下地基板11と転位変換層を構成する最も下地基板側の炭化珪素層141の界面15、転位変換層14内の炭化珪素層間の界面16、17、転位変換層を構成する最もドリフト層側の炭化珪素層とドリフト層の界面18においてドナー濃度の段差が存在し、界面のドリフト層側は下地基板側よりもドナー濃度は低くなっている。
本願発明の炭化珪素半導体基板では、下地基板と転位変換層を構成する炭化珪素層の界面、転位変換層内の炭化珪素層間の界面、転位変換層を構成する炭化珪素層とドリフト層の界面においてドナー濃度の段差が存在する。基底面転位は、これらの界面を通過して伝播する際に、この界面において貫通刃状転位に効率的に変換される.下地基板上にドリフト層が直接接して形成されている場合、このような界面は一つであるので変換は1回だけである。しかし、本発明では下地基板とドリフト層の間に2層以上の炭化珪素層を設けているので、下地基板からドリフト層に至る間に界面は3面以上あることになる。従って、基底面転位の貫通刃状転位への変換の機会は3回以上あることになり、変換効率は極めて高くなる。図1はこの界面が4枚ある例である。
本願発明の図1の実施例は、下地基板11とドリフト層13の間に、ドリフト層13よりも大きく、且つ、下地基板11よりも小さいドナー濃度を有し、下地基板側からドリフト層側へ順次ドナー濃度が低減される2層以上の炭化珪素層を設けるものだが、例えば、特開2003−318388号公報(特許文献2)に開示されているように、下地基板とドリフト層の間にドリフト層よりも大きく、且つ、下地基板よりも小さいドナー濃度を有する1層からなるバッファ層を設けるという技術がある.この技術の一例を図2に示す。同公報によると、このバッファ層23は、半導体装置がオフ状態の際に、ドリフト層22の上部から下部基板21の方向に伸びる空乏層が下地基板21にまで到達しにくくするという効果をねらったものとされているが、転位変換層としての機能も有している可能性がある。しかしながら、この場合、バッファ層23は1層であり、基底面転位が伝播する界面は24、25の2面であるため、基底面転位の貫通刃状転位への変換の機会は2回である。本発明では、この技術を改良し、基底面転位の貫通刃状転位への変換効率を高めている。
前述したように、高ドナー濃度の炭化珪素エピタキシャル層(あるいは炭化珪素単結晶ウエハ)から低ドナー濃度のエピタキシャル層に伝播される基底面転位の貫通刃状転位への変換は、両者のドナー濃度差が大きいほど変換の効率は大きいと考えられ、また、変換をもたらす界面の数が多いほど変換の機会は多くなる。そのため、転位変換層を構成する炭化珪素層において厚み方向にドナー濃度を一様にするのではなく、界面におけるドナー濃度差がより大きくなるように、炭化珪素層内の下部から上部にむけて徐々にドナー濃度が大きくなるような濃度勾配をもたせることは、変換効率を高めるためには有効と考えられる。そのような実施例を図3A及びBに示す。
図3Aでは、転位変換層33を構成する炭化珪素層は3層で図1の実施例と同じである。しかし、転位変換層33を構成する炭化珪素層331、332、333内のドナー濃度は各層内で厚み方向に一様ではなく、下地基板31側からドリフト層32側に向かって増大するような濃度勾配が設けられている。その結果、界面34、35、36、37におけるドナー濃度差は図1の実施例の場合よりも大きくなっている。
図3Bは、転位変換層303を構成する炭化珪素層は2層である。そして転位変換層303を構成する炭化珪素層3032内のドナー濃度は各層内で厚み方向に一様であるが、炭化珪素層3031内のドナー濃度は下地基板301側からドリフト層302側に向かって増大するような濃度勾配が設けられている。このように、転位変換層を構成する炭化珪素層内の厚み方向のドナー濃度を一様にする場合と勾配を設ける場合を適宜組み合わせることも可能である。
高ドナー濃度の炭化珪素エピタキシャル層(もしくは下地基板)から低ドナー濃度のエピタキシャル層に伝播される基底面転位の貫通刃状転位への変換は、両者のドナー濃度差が大きいほど変換の効率は大きいという知見を用いることによって、従来技術である図2の炭化珪素半導体基板に改良を加えることができる。図4は、そのような発明の実施例である。図4で、転位変換層43を構成する炭化珪素層は1層で図2の従来例と同じである。しかし、転位変換層43を構成する炭化珪素層内のドナー濃度は各層内で厚み方向に一様ではなく、下地基板41側からドリフト層42側に向かって増大するような濃度勾配が設けられている。その結果、界面44、45におけるドナー濃度差は図2の従来例の界面24、25よりもそれぞれ大きくなっている。このように、層構成は従来例と同じであっても、界面のドナー濃度差を大きくすることによって、ドリフト層内の基底面転位密度を従来例よりも低減することが可能となる。
本願発明において、2層以上の炭化珪素層によって構成される転位変換層およびドリフト層は炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板上に炭化珪素を、化学気相堆積(CVD)法や分子線エピタキシー(MBE)法を用いて順次エピタキシャル成長させることによって形成することができる。例えば、下地基板上に転位変換層内の第1炭化珪素層の成長を始め、所定の成長時間経過後に原料ガスの供給は止めないで、すなわち、成長を中断しないで、ドナーとなる窒素ガスの添加量をすばやく切り替え、転位変換層内の第2の炭化珪素層の成長を開始する、というように成長を止めずに成長条件を段階的に切り替えながら連続的に成長していくといった方法が考えられる。一方、下地基板上に転位変換層内の第1炭化珪素層となるエピタキシャル成長層が所望の厚さに達した後に成長を一旦中断し、原料ガスの供給を止めて、1400℃以上1600℃以下の雰囲気中に一時的に保持し、その後に第2の炭化珪素層となるエピタキシャル層の成長を開始し、このエピタキシャル成長層が所望の厚さに達した後に成長を再度中断する工程を繰り返すといった断続的な成長方法も可能である。この後者の断続的な成長方法は、次のエピタキシャル層が成長を始める前に高温雰囲気中に保持することによって既存のエピタキシャル層の表面が最適な状態に処理されるので、個々の界面における基底面転位の貫通刃状転位への変換をさらに高めることができる。この成長中断時の雰囲気条件としては、水素気流中が一般的であるが水素とプロパンなど炭化水素ガスの混合雰囲気も考えられる。
以上のように、本発明を用いると、ドリフト層に新たな欠陥を発生させることなく、ドリフト層内の基底面転位密度を低減することが可能となる。また、本発明を採用したエピタキシャル層付きの炭化珪素単結晶ウエハ(炭化珪素エピウエハ)は従来の炭化珪素エピウエハと全く同様にして、デバイス形成のために用いることができる。すなわち、本発明により基底面転位密度を著しく減少低減したドリフト層内にダイオードやトランジスタなどの半導体デバイスを作り込むことは可能である。
本発明の炭化珪素半導体基板のドリフト層の上部あるいはドリフト層内にp型の不純物を含むp型層を設け、このp型層に接触して設けられた上部電極と、下地基板に接触して設けられた下部電極とを備えていることにより、オフ状態の特性を損なわず、かつオン状態の信頼性の向上したpn接合ダイオードを実現することができる。
また、本発明の炭化珪素半導体基板のドリフト層の上部あるいはドリフト層内にp型の不純物を含むp型層を設け、このドリフト層及びp型層に接触して設けられた上部電極と、下地基板に接触して設けられた下部電極とを備えることにより、ショットキー障壁とpn接合の複合したダイオードの、オフ状態の特性を損なわずかつオン状態の信頼性を向上することができる。
また、本発明の炭化珪素半導体基板のドリフト層の上部あるいはドリフト層内にp型の不純物を含みチャネルとして機能するp型層を設け、このp型層の表面に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、p型層の上部あるいはp型層内に設けられドリフト層よりもドナー濃度の高いn型のソース層とソース層に接触して設けられたソース電極と、下地基板に接触して設けられたドレイン電極とを備えることにより、縦型構造のMOSFETの信頼性を向上することができる。
本願発明のひとつの形態によれば、炭化珪素半導体単結晶からなる下地基板に基底面転位密度の小さな半導体層を有する炭化珪素半導体基板を提供することができる。
さらに、前記炭化珪素半導体基板を用いることによって、基底面転位密度の小さなドリフト層を提供し、この層内に半導体デバイスを形成することができる。
以下に、実施例を図を用いて詳細に述べる。
本発明の第1の実施例として、図1で断面構造を示した炭化珪素半導体基板の製造方法について説明する。
図5A〜Eは、本実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。
まず、図5Aに示す工程で、炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板51を準備する。炭化珪素単結晶ウエハは、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCで、ドナー濃度は5×1018cm−3である。{0001}面の炭化珪素単結晶ウエハには面極性があり、一方は最表面がシリコン原子からなるSi面((0001)Si面と記す)であり、他方は最表面が炭素原子からなるC面((000−1)C面と記す)である。本実施例ではSi面側を用いる。C面側を用いる場合、成長条件が多少異なるものの、炭化珪素半導体基板の製造工程自体はSi面の場合と同様である。用いるウエハのSi面側の表面は、機械的に鏡面研磨した後にCMP処理が施されている。
なお、本実施例に用いた炭化珪素単結晶ウエハは上記のように、8度傾斜した{0001}結晶面を用いている。下地のウエハ基板の傾斜角を大きくすることは、表面状態の良好なエピタキシャル膜が得られ易いという長所があるが、反面、基板表面に露出する基底面転位を増やす欠点がある。これまでに{0001}結晶面を最大45度まで傾斜した基板面上へのエピタキシャル成長の実験例の報告がある(非特許文献4参照)。
しかし、表面自由エネルギーは傾斜が13から14度とした場合に極小となる結果が報告されている(非特許文献5参照)。よって、{0001}結晶面の傾斜を15度より小さく保つことが、良好なエピタキシャル膜が得られる条件となる。
次に、図5Bに示す工程で、図5Aの下地基板51をRCA洗浄した後、ホットウォール型CVD装置の反応炉内のサセプタに設置する。ついで、反応炉を3×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧する。ついで、ガス供給系より、キャリアガスである水素を20slmの流量で供給して反応炉の圧力を13.3kPaとする。水素ガスの流量を維持した状態で、高周波誘導加熱装置を用いて、サセプタを加熱する。
サセプタが1400℃に達したら、水素気流中、この温度で5分間保持する。5分経過後再びサセプタの温度を上げ、1500℃に達したらこの温度で保持する。ついで0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと10sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層531が下地基板51のSi面上にエピタキシャル成長する。事前に行われている予備実験の結果より、炭化珪素層531のドナー濃度は1×1018cm−3と予想される。
次に、図5Cに示す工程で、炭化珪素層531を成長させるための保持時間が経過したら即座に、窒素ガスの流量を1.5sccmとする。窒素ガス流量の変更に要する時間は1秒程度である。他の成長条件は変更しない。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層532が炭化珪素層531の上にエピタキシャル成長する。事前に行われている予備実験の結果より、炭化珪素層532のドナー濃度は1×1017cm−3と予想される。
次に、図5Dに示す工程で、炭化珪素層532を成長させるための保持時間が経過したら即座に、窒素ガスの流量を0.3sccmとする。窒素ガス流量の変更に要する時間は1秒程度である。他の成長条件は変更しない。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層533が炭化珪素層532の上にエピタキシャル成長する。事前に行われている予備実験の結果より、炭化珪素層533のドナー濃度は2×1016cm−3と予想される。炭化珪素層531、532、533は転位変換層53を構成する。
次に、図5Eに示す工程で、炭化珪素層533を成長させるための保持時間が経過したら即座に、モノシランの流量を6.0sccmに、プロパンの流量を2.4sccmに、窒素ガスの流量を1.0sccmにする。モノシランガス流量、プロパンガス流量および窒素ガス流量の変更に要する時間は1秒程度である。他の成長条件は変更しない。この状態で120分保持することにより、約20μmの厚さのドリフト層52が炭化珪素層533の上にエピタキシャル成長する。
ドリフト層を形成した後、モノシランガス及び窒素ガスの供給を止める.ついで、プロパンガスの供給を止める.ついで、高周波加熱も止め、水素気流中で冷却する.
サセプタの温度が、十分、下がった後、水素の供給を止め、反応炉内を排気した後、基板を取り出す。このドリフト層のドナー濃度は5×1015cm−3であった。
以上の工程により、本実施形態に係る炭化珪素半導体基板が形成された.この炭化珪素半導体基板を水酸化カリウム溶融液を用いてエッチピットを形成し、基底面転位密度を求めたところ、23cm−2であった。
本実施例の比較例として、転位変換層を設けずにドリフト層を形成した.これを比較例1とする。図6A〜Bは、比較例1の炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。
まず、図6Aに示す工程で、炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板61を準備する。炭化珪素単結晶ウエハは、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCで、ドナー濃度は5×1018cm−3である。このウエハのSi面側の表面は機械的に鏡面研磨した後に、CMP処理がされている。
次に、図6Bに示す工程で、図6Aの下地基板61をRCA洗浄した後、ホットウォール型CVD装置の反応炉内のサセプタに設置し、反応炉を3×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧する。ついで、ガス供給系より、キャリアガスである水素を20slmの流量で供給して反応炉の圧力を13.3kPaとする。水素ガスの流量を維持した状態で、高周波誘導加熱装置を用いて、サセプタを加熱する。
サセプタが1400℃に達したら、水素気流中、この温度で5分間保持する。サセプタが1500℃に達したら、この温度で保持し、2.4sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、6.0sccmのモノシランガスと1.0sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が始まる.この状態で120分保持することにより、約20μmの厚さのドリフト層62が下地基板61の上に形成される。
ドリフト層を形成した後、モノシランガス及び窒素ガスの供給を止める。ついで、プロパンガスの供給を止める。ついで、高周波加熱も止め、水素気流中で冷却する。
サセプタの温度が、十分、下がった後、水素の供給を止め、反応炉内を排気した後、基板を取り出す.このドリフト層のドナー濃度は5×1015cm−3であった.
以上の工程により、本実施形態に係る炭化珪素半導体基板の比較例1が形成された。この炭化珪素半導体基板を水酸化カリウム溶融液を用いてエッチピットを形成し、基底面転位密度を求めたところ、113cm−2であった。
本実施例の他の比較例として、1層からなる転位変換層の上にドリフト層を形成した。これを比較例2とする。図7A〜Cは、比較例2の炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。
まず、図7Aに示す工程で、炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板71を準備する。炭化珪素単結晶ウエハは、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCで、ドナー濃度は5×1018cm−3である。このウエハのSi面側の表面は機械的に鏡面研磨した後に、CMP処理がされている。
次に、図7Bに示す工程で、図7Aの下地基板71をRCA洗浄した後、ホットウォール型CVD装置の反応炉内のサセプタに設置し、反応炉を3×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧する。ついで、ガス供給系より、キャリアガスである水素を20slmの流量で供給して反応炉の圧力を13.3kPaとする。水素ガスの流量を維持した状態で、高周波誘導加熱装置を用いて、サセプタを加熱する。
サセプタが1400℃に達したら、水素気流中、この温度で5分間保持する。サセプタが1500℃に達したら、この温度で保持し、0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと10sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が始まる.この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの転位変換層73が下地基板71の上に形成される。
次に、図7Cに示す工程で、転位変換層73を成長させるための保持時間が経過したら即座に、モノシランの流量を6.0sccmに、プロパンの流量を2.4sccmに、窒素ガスの流量を1.0sccmにする。モノシランガス流量、プロパンガス流量および窒素ガス流量の変更に要する時間は1秒程度である。他の成長条件は変更しない。この状態で120分保持することにより、約20μmの厚さのドリフト層72が転位変換層73の上にエピタキシャル成長する。
ドリフト層を形成した後、モノシランガス及び窒素ガスの供給を止める。ついで、プロパンガスの供給を止める。ついで、高周波加熱も止め、水素気流中で冷却する。
サセプタの温度が、十分、下がった後、水素の供給を止め、反応炉内を排気した後、基板を取り出す.このドリフト層のドナー濃度は5×1015cm−3であった。
以上の工程により、本実施形態に係る炭化珪素半導体基板の比較例2が形成された。この炭化珪素半導体基板を水酸化カリウム溶融液を用いてエッチピットを形成し、基底面転位密度を求めたところ、87cm−2であった。
以上のように、本発明による図5A〜Eの転位変換層53を設けることによって、転位変換層を設けない場合および従来例のように一層からなる転位変換層(バッファ層)を設ける場合に比べて、ドリフト層の基底面転位密度を著しく低減することができる。
本発明の第2の実施例として、図1で断面構造を示した炭化珪素半導体基板の、実施例1とは異なる製造方法について説明する.
図8A〜Eは、本実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である.
まず、図8Aに示す工程で、炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板81を準備する。炭化珪素単結晶ウエハは、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCで、ドナー濃度は5×1018cm−3である。このウエハのSi面側の表面は機械的に鏡面研磨した後に、CMP処理がされている。
次に、図8Bに示す工程で、図8Aの下地基板81をRCA洗浄した後、ホットウォール型CVD装置の反応炉内のサセプタに設置する。ついで、反応炉を3×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧する。ついで、ガス供給系より、キャリアガスである水素を20slmの流量で供給して反応炉の圧力を13.3kPaとする。水素ガスの流量を維持した状態で、高周波誘導加熱装置を用いて、サセプタを加熱する。
サセプタが1400℃に達したら、水素気流中、この温度で5分間保持する。5分経過後再びサセプタの温度を上げ、1500℃に達したらこの温度で保持する。ついで0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと10sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層831が下地基板81のSi面上にエピタキシャル成長する。事前に行われている予備実験の結果より、炭化珪素層831のドナー濃度は1×1018cm−3と予想される。
次に、図8Cに示す工程で、炭化珪素層831を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持する。その後、0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3sccmのモノシランガスと1.5ccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層832が炭化珪素層831の上にエピタキシャル成長する。事前に行われている予備実験の結果より、炭化珪素層832のドナー濃度は1×1017cm−3と予想される。
次に、図8Dに示す工程で、炭化珪素層832を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持する。その後、0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと0.3sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層833が炭化珪素層832の上にエピタキシャル成長する。事前に行われている予備実験の結果より、炭化珪素層833のドナー濃度は2×1016cm−3と予想される。炭化珪素層831、832、833は転位変換層83を構成する。
次に、図8Eに示す工程で、炭化珪素層833を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持する。その後、2.4sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、6.0sccmのモノシランガスと1.0sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で120分保持することにより、約20μmの厚さのドリフト層82が炭化珪素層833の上にエピタキシャル成長する。
ドリフト層を形成した後、モノシランガス及び窒素ガスの供給を止める.ついで、プロパンガスの供給を止める.ついで、高周波加熱も止め、水素気流中で冷却する.
サセプタの温度が、十分、下がった後、水素の供給を止め、反応炉内を排気した後、基板を取り出す。このドリフト層のドナー濃度は5×1015cm−3であった。
以上の工程により、本実施形態に係る炭化珪素半導体基板が形成された.この炭化珪素半導体基板を水酸化カリウム溶融液を用いてエッチピットを形成し、基底面転位密度を求めたところ、11cm−2であった。
以上のように、本実施形態は、実施例1において、各層を連続的に成長するのではなく、成長を一旦中断し、成長層を水素雰囲気中で保持した後の次の層を成長するという方法を用いている。このような断続的な成長方法を用いることにより、ドリフト層の基底面転位密度をさらに低減することができる。
本発明の第3の実施例として、図3Aで断面構造を示した炭化珪素半導体基板の製造方法について説明する.
図9A〜Eは、本実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である.
まず、図9Aに示す工程で、炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板91を準備する。炭化珪素単結晶ウエハは、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCで、ドナー濃度は5×1018cm−3である。このウエハのSi面側の表面は機械的に鏡面研磨した後に、CMP処理がされている。
次に、図9Bに示す工程で、図9Aの下地基板91をRCA洗浄した後、ホットウォール型CVD装置の反応炉内のサセプタに設置する。ついで、反応炉を3×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧する。ついで、ガス供給系より、キャリアガスである水素を20slmの流量で供給して反応炉の圧力を13.3kPaとする。水素ガスの流量を維持した状態で、高周波誘導加熱装置を用いて、サセプタを加熱する。
サセプタが1400℃に達したら、水素気流中、この温度で5分間保持する。5分経過後再びサセプタの温度を上げ、1500℃に達したらこの温度で保持する。ついで0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと1.5sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層931が下地基板91のSi面上にエピタキシャル成長する。窒素ガスの供給量は供給開始時は1.5sccmであるが、時間の経過とともに一様に増大させ7分後には20sccmとなっているようにする。
次に、図7Cに示す工程で、炭化珪素層931を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持することでエピ成長を中断する。その後、0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと0.6sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層932が炭化珪素層931の上にエピタキシャル成長する。窒素ガスの供給量は供給開始時は0.6sccmであるが、時間の経過とともに一様に増大させ7分後には8sccmとなっているようにする。
次に、図9Dに示す工程で、炭化珪素層932を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持する。その後、0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと0.2sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの炭化珪素層933が炭化珪素層932の上にエピタキシャル成長する。窒素ガスの供給量は供給開始時は0.2sccmであるが、時間の経過とともに一様に増大させ7分後には3.5sccmとなっているようにする。炭化珪素層931、932、933は転位変換層93を構成する。
次に、図9Eに示す工程で、炭化珪素層933を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持する。その後、2.4sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、6.0sccmのモノシランガスと1.0sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で120分保持することにより、約20μmの厚さのドリフト層92が炭化珪素層933の上にエピタキシャル成長する。
ドリフト層を形成した後、モノシランガス及び窒素ガスの供給を止める.ついで、プロパンガスの供給を止める.ついで、高周波加熱も止め、水素気流中で冷却する.
サセプタの温度が、十分、下がった後、水素の供給を止め、反応炉内を排気した後、基板を取り出す。このドリフト層のドナー濃度は5×1015cm−3であった。
以上の工程により、本実施形態に係る炭化珪素半導体基板が形成された.この炭化珪素半導体基板の一部を水酸化カリウム溶融液を用いてエッチピットを形成し、基底面転位密度を求めたところ、6cm−2であった。
以上の工程による炭化珪素半導体基板の窒素濃度の厚み方向の変化を二次イオン質量分析法により測定した。その分析結果より求めたドナー濃度分布の概略図を図9Fに示す。この窒素濃度は室温における炭化珪素中のドナー濃度とほぼ等しいと考えられる。転位変換層93を構成する炭化珪素層931、932、933の各層内においてドリフト層側になるにつれてドナー濃度は増大している。その結果、各層の界面94、95、96、97におけるをドナー濃度差は実施例2の界面84、85、86、87におけるをドナー濃度差よりもそれぞれ大きくなっている。
以上のように、本実施形態では、実施例2と転位変換層を構成する炭化珪素層の数、すなわち、転位の変換が生じる界面の数は同一であるが、界面におけるドナー濃度差を大きくすることによって各界面における基底面転位の変換効率を高めることにより、ドリフト層の基底面転位密度をさらに低減することができる。
本発明の第4の実施例として、図4で断面構造を示した炭化珪素半導体基板の製造方法について説明する.
図10A〜Cは、本実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。
まず、図10Aに示す工程で、炭化珪素単結晶ウエハからなる下地基板101を準備する。炭化珪素単結晶ウエハは、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCで、ドナー濃度は5×1018cm−3である。このウエハのSi面側の表面は機械的に鏡面研磨した後に、CMP処理がされている。
次に、図10Bに示す工程で、図10Aの下地基板101をRCA洗浄した後、ホットウォール型CVD装置の反応炉内のサセプタに設置する。ついで、反応炉を3×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧する。ついで、ガス供給系より、キャリアガスである水素を20slmの流量で供給して反応炉の圧力を13.3kPaとする。水素ガスの流量を維持した状態で、高周波誘導加熱装置を用いて、サセプタを加熱する。
サセプタが1400℃に達したら、水素気流中、この温度で5分間保持する。5分経過後再びサセプタの温度を上げ、1500℃に達したらこの温度で保持する。ついで0.9sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、3.0sccmのモノシランガスと1.5sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が始まる。この状態で7分保持することにより、約0.5μmの厚さの転位変換層103が下地基板101のSi面上にエピタキシャル成長する。窒素ガスの供給量は供給開始時は1.5sccmであるが、時間の経過とともに一様に増大させ7分後には20sccmとなっているようにする。
次に、図10Cに示す工程で、炭化珪素層103を成長させるための保持時間が経過した後、モノシランガス、プロパンガス、窒素ガスの供給を止め、水素気流中、1500℃で30秒保持する。その後、2.4sccmのプロパンガスを反応炉に供給する。ついで、6.0sccmのモノシランガスと1.0sccmの窒素ガスを同時に反応炉に供給する。モノシランガスの供給により炭化珪素窒素エピタキシャル膜の成長が再び始まる。この状態で120分保持することにより、約20μmの厚さのドリフト層102が炭化珪素層103の上にエピタキシャル成長する。
ドリフト層を形成した後、モノシランガス及び窒素ガスの供給を止める.ついで、プロパンガスの供給を止める.ついで、高周波加熱も止め、水素気流中で冷却する.
サセプタの温度が、十分、下がった後、水素の供給を止め、反応炉内を排気した後、基板を取り出す。このドリフト層のドナー濃度は5×1015cm−3であった。
以上の工程により、本実施形態に係る炭化珪素半導体基板が形成された.この炭化珪素半導体基板の一部を水酸化カリウム溶融液を用いてエッチピットを形成し、基底面転位密度を求めたところ、45cm−2であった。
以上の工程による炭化珪素半導体基板の窒素濃度の厚み方向の変化を二次イオン質量分析法により測定した。その結果から求めたドナー濃度分布の概略図を図10Dに示す。この窒素濃度は室温における炭化珪素中のドナー濃度とほぼ等しいと考えられる。転位変換層103においてドリフト層側になるにつれてドナー濃度は増大している。その結果、各層の界面104、105におけるドナー濃度差は実施例1の従来例2の界面74、75におけるドナー濃度差よりも大きくなっている。
以上のように、本実施形態では、従来例2と転位変換層を構成する炭化珪素層の数、すなわち、転位の変換が生じる界面の数は同一であるが、界面におけるドナー濃度差を大きくすることによって各界面における基底面転位の変換効率を高めることにより、ドリフト層の基底面転位密度をさらに低減することができる。
本発明の実施例に係る炭化珪素半導体基板の構成を示す断面図とドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である。 公知の技術による炭化珪素半導体基板の構成を示す断面図とドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である。 本発明の実施例に係る炭化珪素半導体基板の構成を示す断面図とドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である。 本発明の実施例に係る炭化珪素半導体基板の構成を示す断面図とドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である。 本発明の実施例に係る炭化珪素半導体基板の構成を示す断面図とドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である 本発明の第1の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 比較例1に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 比較例1に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 比較例2に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 比較例2に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 比較例2に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る炭化珪素半導体基板のドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である。 本発明の第4の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第4の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第4の実施例に係る炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第4の実施例に係る炭化珪素半導体基板のドナー濃度の厚み方向の変化を示す概略図である。
符号の説明
11…下地基板、12…エピタキシャル成長層、13…ドリフト層、14…転位変換層、
141,142,143…転位変換層を構成する炭化珪素層、15,16,17,18…界面、
21…下地基板、22…ドリフト層、23…転位変換層、24,25…界面、
31…下地基板、32…ドリフト層、33…転位変換層、
331,332,333…転位変換層を構成する炭化珪素層、34,35,36,37…界面、
301…下地基板、302…ドリフト層、303…転位変換層、
3031、3032…転位変換層を構成する炭化珪素層、304,305,306…界面、
41…下地基板、42…ドリフト層、43…転位変換層、44,45…界面、
51…下地基板、52…ドリフト層、53…転位変換層、
531,532,533…転位変換層を構成する炭化珪素層、
61…下地基板、62…ドリフト層、
71…下地基板、72…ドリフト層、73…転位変換層、74、75…界面、
81…下地基板、82…ドリフト層、83…転位変換層、
831,832,333…転位変換層を構成する炭化珪素層、84,85,86,87…界面、
91…下地基板、92…ドリフト層、93…転位変換層、
931,932,933…転位変換層を構成する炭化珪素層、94,95,96,97…界面、
101…下地基板、102…ドリフト層、103…転位変換層、104,105…界面。

Claims (4)

  1. 炭化珪素単結晶からなる下地基板と該下地基板の一方の表面上に設けられた炭化珪素エピタキシャル成長層とを有し、
    前記炭化珪素エピタキシャル成長層が、第1のドナー濃度分布を有する第1の半導体層と、前記第1の半導体層と前記下地基板の間に設けられ第2のドナー濃度分布を有する第2の半導体層からなり、
    前記第2のドナー濃度分布は、前記第2の半導体層が前記第1の半導体層と接する第1の界面において前記第1の半導体層が有するドナー濃度より高く、前記第2の半導体層が前記下地基板と接する第2の界面において前記下地基板が有するドナー濃度より低く、前記第1の界面から前記第2の界面にかけてドナー濃度が単調減少し、
    前記第1の界面における前記第1の半導体層のドナー濃度は、前記第2の界面における前記下地基板のドナー濃度より低く設定されていることを特徴とする炭化珪素半導体基板。
  2. 炭化珪素単結晶からなる下地基板と該下地基板の一方の表面上に設けられた炭化珪素エピタキシャル成長層とを有し、
    前記炭化珪素エピタキシャル成長層が、第1の半導体層と、前記第1の半導体層と前記下地基板の間に設けられn(nは2以上の整数)層が順次積層されてなる第2の半導体層とを有し、
    前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層から前記下地基板に掛けて第iのドナー濃度分布を有する第i(iは2からnまでの整数)の層が、順次に積層され、
    第i界面における前記iの層のドナー濃度が、第i+1界面における前記i+1の層のドナー濃度より低く、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層が接する界面における前記第1の半導体層のドナー濃度が、前記下地基板と前記第nの層が接する界面における前記下地基板のドナー濃度より低く設定され、
    i−1の層と前記iの層が接する第i界面から前記第iの層と前記第i+1の層が接する第i+1界面にかけて前記第iのドナー濃度分布が単調減少することを特徴とする炭化珪素半導体基板。
  3. 炭化珪素単結晶からなる下地基板と該下地基板の一方の表面上に設けられた炭化珪素エピタキシャル成長層とを有し、
    前記炭化珪素エピタキシャル成長層が、第1の半導体層と、前記第1の半導体層と前記下地基板の間に設けられn(nは2以上の整数)層が順次積層されてなる第2の半導体層とを有し、
    前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層から前記下地基板に掛けて第iのドナー濃度分布を有する第i(iは2からnまでの整数)の層が、順次に積層され、
    第i界面における前記iの層のドナー濃度が、第i+1界面における前記i+1の層のドナー濃度より低く、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層が接する界面における前記第1の半導体層のドナー濃度が、前記下地基板と前記第nの層が接する界面における前記下地基板のドナー濃度より低く設定され、
    前記第i界面から前記第i+1界面にかけての前記第iのドナー濃度分布の少なくとも1つが一定であり、他が単調減少な濃度分布であることを特徴とする炭化珪素半導体基板。
  4. 前記下地基板の前記エピタキシャル成長層を形成する表面が、{0001}結晶面から最大15度傾斜しており、前記下地基板がn型であって、ドナー濃度が1×1018cm−3以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体基板。
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