JP5958949B2 - 炭化珪素基板、炭化珪素ウェハ、炭化珪素ウェハの製造方法及び炭化珪素半導体素子 - Google Patents

炭化珪素基板、炭化珪素ウェハ、炭化珪素ウェハの製造方法及び炭化珪素半導体素子 Download PDF

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本発明は、炭化珪素基板、炭化珪素ウェハ、炭化珪素ウェハの製造方法及び炭化珪素半導体素子に関し、特に基底面転位を貫通刃状転位に転換したものに関する。
炭化珪素(SiC)は、Siと比べてバンドギャップが約3倍、飽和ドリフト速度が約2倍、絶縁破壊電界強度が約10倍と優れた物性値を有し、大きな熱伝導率を有する半導体であることから、現在用いられているSi単結晶半導体の性能を大きく凌駕する次世代の高電圧・低損失半導体素子を実現する材料として期待されている。
現在、炭化珪素単結晶を製造する方法としては、昇華法やHTCVD法が知られている。これらの方法によれば、炭化珪素単結晶が円柱形のバルク状の単結晶として得られる。このバルク状の単結晶を通常300μm〜400μm程度の厚さにスライスすることにより、炭化珪素基板が製造される。この炭化珪素基板を用いて半導体素子を製造する場合には、その半導体素子の耐電圧等の要求仕様に基づいた所要の膜厚及びキャリヤ濃度を有する単結晶層を、基板表面からエピタキシャル成長させることにより製造する場合が多い。
炭化珪素基板は、以上のような方法で製造されているが、通常の圧力では液相を持たず、また、昇華温度が極めて高いこと等から、転位や積層欠陥等の結晶欠陥を含まないような高品質の結晶成長を行うことが困難である。
現在市販されている炭化珪素基板には、10cm−2〜10cm−2程度のc軸方向に伝播する貫通らせん転位、10cm−2〜10cm−2程度のc軸方向に伝播する貫通刃状転位、10cm−2〜10cm−2程度のc軸と垂直方向に伝播する転位(基底面転位)が存在している。これらの転位密度は、その基板の品質によって大きく異なる。
炭化珪素基板に内在しているこれらの転位は、基板上にエピタキシャル膜を成長させる際に、このエピタキシャル膜中に伝播する。このとき、一部の転位は、エピタキシャル膜中に伝播する際にその伸張方向(伝播方向)を変える場合もあることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、基底面転位(以下、BPD)は、基板の表面にその一端若しくは両端が現れている。その基板にエピタキシャル膜を結晶成長させると、基板内のBPDの多くは基板とエピタキシャル膜との界面近傍で貫通刃状転位(以下、TED)に転換され、BPDの一部はBPDのままエピタキシャル膜中に伝播する。
したがって、エピタキシャル膜中には、基板よりそのまま伝播したBPDに加えて、エピタキシャル成長時に導入されたTEDが含まれていることになる。これらの転位は、そのエピタキシャル膜を用いて形成した半導体素子の耐電圧や信頼性を低下させる。特に、エピタキシャル膜に含まれるBPDは、半導体素子の信頼性や性能を低下させる。一方、エピタキシャル膜に含まれるTEDは、半導体素子の信頼性や性能に与える悪影響は小さいとされている(例えば、非特許文献2参照)。
そこで、炭化珪素基板に含まれるBPDをTEDに転換し、TEDの割合を高める方法が検討されている。
(1)溶融KOHを用いて基板表面をエッチングする。このエッチングにより、基板表面におけるBPDの先端部が選択的に深くエッチングされ、エッチピットが生じる。その後、基板にエピタキシャル成長を行う。基板表面におけるBPDの先端部のエッチピットの存在により、基板内のBPDがTEDに転換される割合が高まる(例えば、特許文献1、非特許文献3及び非特許文献4参照)。
(2)リアクティブイオンエッチング(RIE)を用いて基板表面に六角形若しくはストライプ状の溝を形成し、その後、基板にエピタキシャル成長を行う。基板表面における角形若しくはストライプ状の溝の存在により、基板内のBPDがTEDに転換される割合が高まる(例えば、特許文献2、特許文献3及び非特許文献3参照)。
(3)基板表面に、化学機械研磨(CMP)と水素エッチングを行う。これにより基板表面におけるダメージ層が除去され、基板表面が平坦化される。その後に、基板表面に対してエピタキシャル成長を行う。これにより、基板内のBPDがTEDに転換される割合が高まる(例えば、特許文献4及び非特許文献5参照)。
(4)エピタキシャル成長を行う基板の主面を(000−1)C面とする。これにより、基板内のBPDがTEDに転換される割合が高まる(例えば、特許文献5及び非特許文献5参照)。
(5)エピタキシャル成長を行う基板の{0001}面からのオフ角度を8°から4°に低減する。これにより、基板内のBPDがTEDに転換される割合が高まる(例えば、非特許文献5及び非特許文献6参照)。
(6)基板表面にエピタキシャル成長を行う途中で、SiHやC等の原料ガスの供給を停止し、水素気流中でその温度を維持した状態にすることで、エピタキシャル成長を停止させる。一定時間経過後、二回目のエピタキシャル成長を行う。このとき、一回目のエピタキシャル成長時にエピタキシャル膜中に伝播したBPDの一部が、二回目のエピタキシャル成長時にTEDに転換される。このようなエピタキシャル成長の途中中断、再開を行うこと、又は途中中断と再開とを繰り返すことで、BPD密度の小さいエピタキシャル膜が得られる(例えば、非特許文献7参照)。
上述した(1)〜(3)の方法は、エピタキシャル成長を行う前に、基板表面にエッチングを必要とするものであり、製造工程が煩雑となる。(6)の方法は、エピタキシャル成長の途中中断と再開という工程を要するため、同様に、製造工程が煩雑となる。
(4)の方法では、(0001)Si面を利用することができない。(5)の方法は、8°のオフ角の基板を用いることができず、エピタキシャル成長の速度が制限されてしまう。
このように、従来技術では、製造工程が煩雑となるのでBPDが低減した炭化珪素単結晶層の形成に時間や手間が掛かってしまう。また、エピタキシャル成長を行う基板表面やオフ角が制約されてしまう。
米国特許第7279115号明細書 米国特許第7226805号明細書 米国特許第7109521号明細書 特開2005−311348号公報 特開2005−167035号公報
S. Ha, P. Mieszkowski, M. Skowronski, and L. B. Rowland: J.Cryst. Growth 244(2002)257. H.Lendenmann, F. Dahlquist, N. Johansson, R. Soderholm, P. A. Nilsson, J. P. Bergman, and P. Skytt: Mater. Sci. Forum 353-356(2001)727. J. J. Sumakeris, J. P. Bergman, M. K. Das, C. Hallin, B. A. Hull, E. Janzen, H. Lendenmann, M.J. O’Loughlin, M.J. Paisley, S. Ha, M. Skowronski, J.W. Palmour, and C.H. Carter, Jr.: Mater. Sci. Forum 527-529(2006)141. Z. Zhang and T.S. Sudarshan: Appl. Phys. Lett. 87(2005)151913. H. Tsuchida, T. Miyanagi, I. Kamata, T. Nakamura, K. Izumi, K. Nakayama, R. Ishii, K. Asano, and Y. Sugawara: Mater. Sci. Forum 483-485(2005)97. H. Tsuchida, M. Ito, I. Kamata, and M. Nagano: Phys. Status Solidi B 246(2009)1553 R. E. Stahlbush, B. L. VanMil, R. L. Myers-Ward, K-K. Lew, D. K. Gaskill, and C. R. Eddy, Jr.: Appl. Phys. Lett. 94(2009)041916.
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、製造工程の複雑化を防止し、炭化珪素基板の制約がなく、かつBPDをより確実にTEDに転換できる炭化珪素ウェハの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、製造工程の複雑化を防止し、炭化珪素基板の制約がなく、かつBPDをより確実にTEDに転換された炭化珪素ウェハ及びこれを用いた炭化珪素半導体素子を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、BPDがTEDに転換された炭化珪素基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、昇華法又はHTCVD法によって得られたバルク状の単結晶をスライスすることで製造された炭化珪素基板を、不活性ガス雰囲気において、1700℃〜2200℃で加熱処理することで、当該炭化珪素基板の内部において基底面転位の先端部を貫通刃状転位に転換し、当該炭化珪素基板上に、炭化珪素のエピタキシャル成長を行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第1の態様では、BPDを低減することで、高い耐電圧性や高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適な炭化珪素ウェハを製造することができる。また、従来技術のようなエッチング処理が不要であるので、炭化珪素基板の表面を平坦に保つことができる。また、エッチング処理及びこれに伴う平坦化処理が不要となり、製造工程を簡略化できる。さらに、炭化珪素基板のオフ角度や結晶面(Si面、C面)を限定する必要がなく、エピタキシャル膜を成長する際の条件に制約がない。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、炭化珪素のエピタキシャル成長及び加熱処理を、複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第2の態様では、エピタキシャル膜を形成するたびに加熱処理を行うので、エピタキシャル膜に伝播したBPDがTEDに転換される。これにより、極限までBPDが低減された炭化珪素ウェハを製造することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、前記エピタキシャル膜上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第3の態様では、加熱処理によりBPDをTEDに転換したエピタキシャル膜上に、さらなるエピタキシャル膜を形成することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか一つの態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、エピタキシャル成長を行った後に、前記炭化珪素基板を取り去ることを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第4の態様では、加熱処理によりBPDが低減したエピタキシャル膜を得た上で、BPDが高密度で存在する炭化珪素基板を取り去ることができる。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、前記炭化珪素基板を取り去ることで得られたエピタキシャル膜表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第5の態様では、加熱処理によりBPDが低減したエピタキシャル膜を得た上で、BPDが高密度で存在する炭化珪素基板を取り去ることで得られたエピタキシャル膜表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を一回又は複数回行うことができる。
本発明の第6の態様は、昇華法又はHTCVD法によって得られたバルク状の単結晶をスライスすることで製造された炭化珪素基板上に、炭化珪素からなるエピタキシャル膜を形成し、不活性ガス雰囲気において、前記エピタキシャル膜を1700℃〜2200℃で加熱処理することで、当該エピタキシャル膜の内部において基底面転位の先端部を貫通刃状転位に転換し、当該エピタキシャル膜上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を行うことで、基底面転位が低減したエピタキシャル膜を結晶成長させることを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第6の態様では、エピタキシャル膜内でBPDをTEDに転換することができる。これにより、高い耐電圧性や高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適な炭化珪素ウェハを製造することができる。また、従来技術のようなエッチング処理が不要であるので、炭化珪素基板の表面を平坦に保つことができる。また、エッチング処理及びこれに伴う平坦化処理が不要となり、製造工程を簡略化できる。さらに、炭化珪素基板のオフ角度や結晶面(Si面、C面)を限定する必要がなく、エピタキシャル膜を成長する際の条件に制約がない。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、炭化珪素のエピタキシャル成長及び加熱処理を、複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第7の態様では、エピタキシャル膜を形成するたびに加熱処理を行うので、エピタキシャル膜に伝播したBPDがTEDに転換される。これにより、極限までBPDが低減された炭化珪素ウェハを製造することができる。
本発明の第8の態様は、第6又は第7の態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、前記エピタキシャル膜上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第8の態様では、加熱処理によりBPDをTEDに転換したエピタキシャル膜上に、さらなるエピタキシャル膜を形成することができる。
本発明の第9の態様は、第1〜第の何れか一つの態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、前記エピタキシャル成長を行う際に、ドーパントを含むガスを用いて、エピタキシャル膜にドーパントを導入することを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
本発明の第10の態様は、第6〜第8の何れか一つの態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、前記エピタキシャル成長を行う際に、ドーパントを含むガスを用いて、エピタキシャル膜にドーパントを導入することを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第9及び第10の態様では、p型又はn型のドーパントを含む炭化珪素ウェハを製造することができる。
本発明の第11の態様は、第6〜第8、第10の何れか一つの態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、エピタキシャル成長を行った後に、前記炭化珪素基板を取り去り、又は、前記炭化珪素基板及び前記加熱処理を行ったエピタキシャル膜を取り去ることを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第11の態様では、加熱処理により基底面転位が低減したエピタキシャル膜を得た上で、基底面転位が高密度で存在する炭化珪素基板を取り去り、又は、炭化珪素基板及び加熱処理を行ったエピタキシャル膜を取り去ることができる。
本発明の第12の態様は、第11の態様に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、前記炭化珪素基板、又は、前記炭化珪素基板及び前記加熱処理を行ったエピタキシャル膜を取り去ることで得られたエピタキシャル膜表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
かかる第12の態様では、加熱処理により基底面転位が低減したエピタキシャル膜を得た上で、基底面転位が高密度で存在する炭化珪素基板を取り去り、又は、炭化珪素基板及び加熱処理を行ったエピタキシャル膜を取り去ることで得られたエピタキシャル膜表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を一回又は複数回行うことができる。
本発明の第13の態様は、バルク状の単結晶からなる炭化珪素基板であって、前記炭化珪素基板の表面から当該炭化珪素基板の内部に向かって0.1μm以上、10μm以内の領域において、基底面転位から転換された貫通刃状転位を備え、基底面転位から転換された貫通刃状転位は、全ての基底面転位のうちの20%以上であることを特徴とする炭化珪素基板にある。
かかる第13の態様では、高い耐電圧性が求められる半導体素子や、高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適である。
本発明の第14の態様は、炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル膜と、前記炭化珪素基板のうち、炭化珪素基板とエピタキシャル膜との界面から当該炭化珪素基板の内部に向かって0.1μm以上、10μm以内の領域において、基底面転位から転換された貫通刃状転位とを備え、基底面転位から転換された貫通刃状転位は、全ての基底面転位のうちの20%以上であることを特徴とする炭化珪素ウェハにある。
かかる第14の態様では、基底面転位が低減された炭化珪素ウェハが提供される。炭化珪素ウェハは高い耐電圧性が求められる半導体素子や、高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適なものとなる。また、炭化珪素ウェハは、炭化珪素基板のオフ角度や結晶面(Si面、C面)に限定はない。したがって、半導体素子の製造に適したオフ角度や結晶面を有する炭化珪素ウェハが提供される。
本発明の第15の態様は、炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板上に形成された第1のエピタキシャル膜、及び当該第1のエピタキシャル膜上に形成された第2のエピタキシャル膜と、前記第1のエピタキシャル膜の内部において、基底面転位から転換された貫通刃状転位とを備え、前記第2のエピタキシャル膜に含まれる基底面転位の密度前記第1のエピタキシャル膜に含まれる基底面転位の密度の80%以下であることを特徴とする炭化珪素ウェハにある。
かかる第15の態様では、基板表面側の第2のエピタキシャル膜に含まれる基底面転位が第1のエピタキシャル膜に含まれる基底面転位の80%以下である炭化珪素ウェハが提供される。
本発明の第16の態様は、第15の態様に記載する炭化珪素ウェハにおいて、前記第2のエピタキシャル膜に含まれるドーパント濃度前記第1のエピタキシャル膜に含まれるドーパント濃度よりも低いことを特徴とする炭化珪素ウェハにある。
かかる第16の態様では、p型又はn型のドーパントを含む炭化珪素ウェハを製造することができる。
本発明の第17の態様は、炭化珪素基板上に複数のエピタキシャル膜が形成され、当該複数のエピタキシャル膜のうちの隣接する2つのエピタキシャル膜であって、炭化珪素基板に近い側の第1のエピタキシャル膜及び遠い側の第2のエピタキシャル膜を有する炭化珪素ウェハであって、前記第1のエピタキシャル膜の内部で、20%以上の基底面転位が貫通刃状転位に転換され、前記第1のエピタキシャル膜内の厚さ方向2μm以内の領域で、基底面転位から貫通刃状転位への転換の60%以上が行われていることを特徴とする炭化珪素ウェハにある。
かかる第17の態様では、エピタキシャル膜の厚さ方向約2μm以内の領域で集中的に基底面転位貫通刃状転位に転換された炭化珪素ウェハが提供される。
本発明の第18の態様は、第17の態様に記載する炭化珪素ウェハにおいて、前記第1のエピタキシャル膜内の第2のエピタキシャル膜との界面から0.1μm以上、10μm以内の領域で、基底面転位から貫通刃状転位への転換の80%以上が行われていることを特徴とする炭化珪素ウェハにある。
かかる第18の態様では、界面から0.1μm以上、10μm以内の領域で集中的に基底面転位貫通刃状転位に転換された炭化珪素ウェハが提供される。
本発明の第19の態様は、第14〜第18の何れか一つの態様に記載する炭化珪素ウェハを具備する炭化珪素半導体素子にある。
かかる第19の態様では、基底面転位が低減した炭化珪素ウェハより作製されているので、信頼性や性能の低下が防止され、炭化珪素の優れた特性を活かした高性能な半導体素子が提供される。
本発明によれば、製造工程の複雑化を防止し、炭化珪素基板の制約がなく、かつBPDをより確実にTEDに転換できる炭化珪素ウェハの製造方法が提供される。
また、製造工程の複雑化を防止し、炭化珪素基板の制約がなく、かつBPDをより確実にTEDに転換された炭化珪素ウェハ及びこれを用いた炭化珪素半導体素子が提供される。
さらに、BPDがTEDに転換された炭化珪素基板が提供される。
実施形態1に係る炭化珪素ウェハの断面図である。 実施形態1に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 BPDがTEDに転換される原理を説明するための炭化珪素基板の断面図である。 実施形態2に係る炭化珪素ウェハの断面図である。 実施形態2に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態2に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態2に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態2に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態3に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。 実施形態4に係る炭化珪素ウェハの断面図である。 比較例に係るトポグラフィー像である。 比較例及び実施例に係るトポグラフィー像である。 エピタキシャル膜内で起きたBPDからTEDへの転換の度数を表す図である。
〈実施形態1〉
図1(a)は本実施形態に係る炭化珪素ウェハの断面図であり、図1(b)は本実施形態に係る炭化珪素基板の断面図である。
図1(a)に示すように、炭化珪素ウェハ(以下、ウェハ)10は、炭化珪素基板(以下、基板)1と、基板1上に設けられたエピタキシャル膜2とから構成されている。
基板1は、円柱形のバルク状の炭化珪素単結晶を300μm〜400μm程度の厚さにスライスして得られたものである。バルク状の炭化珪素単結晶は、昇華法やHTCVD法などにより作製されたものである。基板1は、基底面(0001)より0°〜10°の傾斜角(オフ角)を有する結晶成長面5(図2(a)参照)を有する。基板1のポリタイプは4Hが好ましいが、特に限定はない。
エピタキシャル膜2は、基板1に炭化珪素のエピタキシャル成長を行うことで形成された炭化珪素からなる薄膜である。
基板1には、複数の基底面転位(以下、BPD)20が存在する。同図には5つのBPD20が例示されている。基底面転位とは、c軸と垂直な結晶面(基底面)を伝播する転位であり、バーガーズベクトルがa/3<11−20>であるものをいう。
BPD20のうち3つのBPD20は、基板1内で貫通刃状転位(以下、TED)30に転換されている。貫通刃状転位とは、c軸とほぼ平行方向に伝播する転位であり、バーガーズベクトルがa/3<11−20>であるものをいう。BPD20からTED30への転換は、詳細は後述するが、基板1を不活性ガス中又は真空中で所定温度、所定時間加熱することで行われている。
エピタキシャル膜2には、基板1で転換された3つのTED30が伝播しており、また、基板1内でTED30に転換されなかった2つのBPD20が伝播している。
基板1のうち、基板1とエピタキシャル膜2との界面から0.1μm以上、10μm以内の部分を領域Rとする。基板1で行われたBPD20からTED30への転換は、領域Rで行われている。また、基板1に含まれるBPD20のうち20%以上がTED30に転換されている。図示した例では、5つのBPD20のうち3つがTEDに転換されているので、全BPD20のうち60%がTED30に転換されている。
なお、特に図示しないが、ウェハ10の上、すなわちエピタキシャル膜2の上に、さらに1層又は複数層のエピタキシャル膜が積層されていてもよい。
また、図1(b)には、上述したエピタキシャル膜2を形成する前の基板1が示されている。この基板1についても、上述したように領域RでBPD20からTED30への転換が行われ、基板1に含まれる全BPD20のうち20%以上がTED30に転換されている。
上述したように、ウェハ10は、基板1内でBPD20がTED30に転換されている。
非特許文献1や非特許文献7などの従来技術では、BPD20からTED30への転換は、基板1とエピタキシャル膜2との界面で行われる。
一方、本実施形態に係る炭化珪素ウェハでも、基板1とエピタキシャル膜2との界面でBPD20がTED30に転換される。さらに、それに加えて、基板1内の領域Rで、全BPD20のうち20%以上がTED30に転換される。したがって、本実施形態に係るウェハ10は、BPD20がより一層低減したものとなる。
このように、BPD20が低減されているので、本実施形態に係るウェハ10は、高い耐電圧性が求められる半導体素子や、高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適なものとなる。また、図1(b)に示した基板1も同様に高い耐電圧性が求められる半導体素子や、高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適である。さらに、BPD20からTED30への転換が、従来技術のように基板1とエピタキシャル膜2との界面で行われるのではなく、半導体素子の不活性領域となる基板1の内部で行われるため、高い信頼性の半導体素子を得るための材料として一層好適である。
また、ウェハ10は、基板1のオフ角度や結晶面(Si面、C面)に限定はない。したがって、半導体素子の製造に適したオフ角度や結晶面を有するウェハ10が提供される。
図2は、実施形態1に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。
図2(a)には、基板1の断面が示されている。基板1には、複数のBPD20が存在するが、同図には代表して一つのBPD20が示されている。BPD20は、基板1の断面には、一本の線として現れ、その線の先端部21が基板1の結晶成長面5(エピタキシャル成長が行われる面)に現れている。
次に、この基板1に加熱処理を行う。本発明に係る加熱処理とは、基板1を不活性ガス中、又は真空中で1700℃〜2200℃の温度で所定時間、加熱することをいう。
加熱処理は、特に図示しないが、例えば、基板1を収容可能な坩堝と、石英から形成された処理室と、処理室内に配置された坩堝を囲うグラファイトと、処理室の外側に配置されたコイルとを備えた装置を用いて行う。坩堝内に基板1を収容して蓋をし、当該坩堝を処理室内に配置し、坩堝の周囲にグラファイトを配置する。そして、処理室内に不活性ガスを供給し、又は処理室内を真空にし、コイルに高周波の電流を流す。これにより、坩堝内の基板1が加熱される。
加熱温度は、基板1を加熱する雰囲気の温度である。具体的な加熱温度は、1700℃〜2200℃であり、好ましくは1700℃〜2000℃である。このような温度になるように坩堝及び処理室等の構造やコイルに流す電流を調整する。なお、2200℃を超えると、基板1の炭化珪素が昇華してしまう。また、加熱時間に特に限定はないが、例えば、1〜120分が好ましい(詳細は後述する)。
不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N)ガス、ヘリウム(He)ガスを用いることができる。真空中で加熱処理を行う場合は、処理室内の気圧が100Pa以下となるようにすることが好ましい。
図2(b)に示すように、基板1に加熱処理を行うことで、基板1内でBPD20の先端部がTED30に転換される。BPD20がTED30に転換される原理については後述する。
そして、図2(c)に示すように、基板1の結晶成長面5に、炭化珪素のエピタキシャル成長を行うことで、基板1の結晶成長面5にエピタキシャル膜2を結晶成長させる。エピタキシャル膜2の結晶成長方法は、特に限定はないが、例えば、CVD法により行うことが好ましい。
エピタキシャル膜2の結晶成長の際、エピタキシャル膜2には、BPD20から転換されたTED30が基板1からそのまま伝播する。なお、特に図示しないが、基板1内で加熱処理によりTED30に転換されなかったBPDは、エピタキシャル膜2にそのままBPDとして伝播するか、一部は基板1とエピタキシャル膜2の界面でTEDに転換される。
このようにして、基板1とエピタキシャル膜2とからなるウェハ10が作製される。
非特許文献1や非特許文献7などの従来技術では、BPD20からTED30への転換は、基板1とエピタキシャル膜2との界面で行われる。
一方、本実施形態に係る炭化珪素ウェハの製造方法においても、基板1とエピタキシャル膜2との界面でBPD20からTED30への転換が起きうる。さらに、それに加えて、基板1内の領域RでBPD20がTED30に転換される。したがって、本製造方法によれば、BPD20がより一層低減したウェハ10を製造することができる。
このように、本製造方法は、BPD20を低減することで、高い耐電圧性や高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適なウェハ10を製造することができる。
また、従来技術では、BPDをTEDに変換するために、基板に溶融KOH、RIEなどのエッチング処理を行っていた。通常、エッチング処理を行うと、半導体素子を作製する際に表面を研磨して平坦化する処理が必要となる。しかしながら、本製造方法は、このようなエッチング処理が不要であるので、基板1の表面を平坦に保つことができる。また、エッチング処理及びこれに伴う平坦化処理が不要となり、製造工程を簡略化できる。
さらに、本製造方法は、基板1のオフ角度や結晶面(Si面、C面)を限定する必要なく適用することができ、エピタキシャル膜2を成長する際の条件に制約がない。
図3に示すように、上述したウェハ10のエピタキシャル膜2上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を行い、エピタキシャル膜2を複数形成してもよい。エピタキシャル膜2の膜厚やエピタキシャル成長を行う回数は特に限定されない。所望するウェハ10の膜厚や素子構造に応じて適宜設定すればよい。
複数のエピタキシャル膜2には、基板1でBPD20から転換したTED30がそのまま伝播するので、BPD20が低減された所望の膜厚のウェハ10を製造することができる。
図4(a)に示すように、ウェハ10を得た上で、BPD20が高密度で存在している基板1を除去してもよい。基板1の除去は、機械研磨や化学処理、イオンエッチングなど適切な方法で行えばよい。これにより、図4(b)に示すようなBPD密度が小さいエピタキシャル膜2単体によるウェハ11が得られる。
また、図4(c)に示すように、上述したウェハ11を得た上で、基板1が存在していた側の表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行い、非加熱エピタキシャル膜3を形成してもよい。非加熱エピタキシャル膜3の膜厚やエピタキシャル成長を行う回数は特に限定されない。所望するウェハの全体膜厚や素子構造に応じて適宜設定すればよい。これにより、BPD密度が小さく、基板1が存在していた側にも非加熱エピタキシャル膜3を有するウェハ12を得ることができる。
ここで、上述した加熱処理によりBPDがTEDに転換される原理を説明する。図5(a)は、BPDが成長する方向から見た断面図であり、図5(b)、(c)は、BPDが成長する方向に沿う断面図である。
図5(a)に示すように、BPD20には、その鏡像転位22との間に引力(鏡像力)が生じる。鏡像力fは、BPD20を基板1の表面(結晶成長面5)側に引きつける方向に作用する。鏡像力fの大きさ|f|は、次式で表される。
図5(b)に示すように、BPD20は、基板1の裏面(結晶成長面5の反対面)から結晶成長面5に向けて伝播しており、BPD20の先端部21が結晶成長面5に現れている。このようにBPD20は、先端部21に近くなるほど結晶成長面5との距離が短くなっている。したがって、数1の式より、BPD20は先端部21に近いほど鏡像力fの大きさは増大している。
そして、図5(c)に示すように、基板1に十分な熱エネルギーを与えると、BPD20は移動可能となり、BPD20の先端部21が鏡像力fを受けて結晶成長面5に向かって曲げられ、TED30に転換される。
このとき、先端部21側に近いほど大きな鏡像力fがかかっているので、BPD20の先端部21から徐々にTED30に変換されていく。加熱時間を長くすれば、TED30に転換されたBPD20の長さLを長くできる。したがって、上述した製造方法の加熱処理における加熱時間は、特に限定はなく、TED30の深さDが所望の深さとなるまで加熱するなど、適宜調整すればよい。このように加熱温度や加熱時間を最適化することで基板1のBPD20を極限まで低減することが可能である。
〈実施形態2〉
実施形態1では、基板1を、不活性ガス又は真空中において所定温度、所定時間で加熱することにより、基板1内のBPDをTEDに変換した。このような加熱処理は、基板1を対象とするものに限らず、基板に設けられたエピタキシャル膜を対象としてもよい。これにより、エピタキシャル膜中のBPDが、上述した原理と同様にしてTEDに転換される。
図6は、本実施形態に係るSiCウェハの断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し重複する説明は省略する。
図6(a)に示すように、ウェハ10は、基板1と、基板1上に設けられたエピタキシャル膜2と、エピタキシャル膜2上に設けられた非加熱エピタキシャル膜3とから構成されている。非加熱エピタキシャル膜3は、CVD法などで作製された炭化珪素からなる薄膜であり、不活性ガス中又は真空中での加熱処理が行われていないものである。なお、エピタキシャル膜2は、請求項16の第1のエピタキシャル膜に対応し、非加熱エピタキシャル膜3は請求項16の第2のエピタキシャル膜に対応する。
基板1には、複数のBPD20が存在する。同図には4つのBPD20が例示されている。
エピタキシャル膜2には、基板1から4つのBPD20がそのまま伝播し、そのうち3つのBPD20がTED30に転換されている。BPD20からTED30への転換は、詳細は後述するが、エピタキシャル膜2を不活性ガス中又は真空中で所定温度、所定時間加熱することで行われている。
非加熱エピタキシャル膜3には、エピタキシャル膜2で転換した3つのTED30がそのまま伝播し、エピタキシャル膜2で転換されなかった1つのBPD20がそのまま伝播している。
エピタキシャル膜2では、基板1から伝播したBPDの20%以上がTEDに転換されている。図示した例では、エピタキシャル膜2中の4つのBPD20のうち3つのBPD20がTED30に転換されているので、エピタキシャル膜2中の全BPD20のうち75%がTED30に転換されている。
エピタキシャル膜2のうち、厚さ方向に2μmの厚さを持つ部分を領域Rとする。エピタキシャル膜2で行われたBPDからTEDへの転換のうち60%以上が領域Rで行われている。図示した例では、エピタキシャル膜2中の3つのBPD20がTED30に転換されているが、そのうち、領域Rで2つのBPD20がTED30に転換されている。すなわち、エピタキシャル膜2中で行われるBPD20からTED30への転換のうち67%(2/3=0.666・・・)が領域Rで行われている。
厚さ2μm以内の領域Rで集中的にBPD20がTED30に転換されるのは、エピタキシャル膜2に後述するような加熱処理を行ったからである。すなわち、実施形態1の原理で述べたように、エピタキシャル膜2に対して加熱する温度・時間を適宜調整することで、TED30の深さを調整できるからである。なお、領域R以外で転換されたTEDは、エピタキシャル膜2の成長に伴い自然にBPDから転換されたものと考えられる。
領域Rの位置は、エピタキシャル膜2と非加熱エピタキシャル膜3との界面から所定の深さDに位置する。深さDは特に限定はないが、例えば、界面から0.1μm〜10μmである。この深さDは、加熱処理の温度と時間により制御できる。
また、エピタキシャル膜2でBPD20がTED30に転換されたウェハ10としては、図6(b)に示す態様のものがある。
図示するように、基板1上に非加熱エピタキシャル膜3を形成し、エピタキシャル膜2を形成し、当該エピタキシャル膜2に加熱処理を行い、さらに非加熱エピタキシャル膜3を形成することにより形成したウェハ10であってもよい。
この場合、請求項の第1のエピタキシャル膜はエピタキシャル膜2であり、請求項の第2のエピタキシャル膜は最上面の非加熱エピタキシャル膜3である。すなわち、第1のエピタキシャル膜と基板との間に、他のエピタキシャル膜が介在していてもよい。
このような場合であっても、エピタキシャル膜2(第1のエピタキシャル膜)に伝播したBPDの20%以上がTEDに転換され、かつ領域RでBPDからTEDへの転換の60%以上が行われている。
また、ウェハ10のエピタキシャル膜2及び非加熱エピタキシャル膜3に存在するBPD20には、次のような関係がある。
例えば、図6(a)に示したエピタキシャル膜2では、基板1から伝播したBPD20が加熱処理によりTED30に転換されている。非加熱エピタキシャル膜3には、エピタキシャル膜2で転換されたTED30と、エピタキシャル膜2ではTED30に転換されなかったBPD20とが伝播している。
非加熱エピタキシャル膜3に含まれるBPD20の密度は、エピタキシャル膜2に含まれるBPD20の密度の80%以下である。エピタキシャル膜2のBPD20の密度とは、エピタキシャル膜2に含まれるBPDの単位面積あたりの数である。非加熱エピタキシャル膜3のBPD20の密度についても同様である。
図6(a)に示す例では、エピタキシャル膜2には4つのBPD20(うち3つはTED30に転換されている)が含まれ、非加熱エピタキシャル膜3には1つのBPD20が含まれている。したがって、非加熱エピタキシャル膜3のBPD20の密度(1個/単位面積)は、エピタキシャル膜2のBPD20の密度(4個/単位面積)の80%以下である。
上述したように、ウェハ10は、エピタキシャル膜2内でBPD20がTED30に転換されている。
従来技術では、エピタキシャル膜2内では、成長に伴いごく一部のBPD20がTED30に転換される。このようなBPD20からTED30への転換は、エピタキシャル膜の深さ方向において不特定の場所で生じる。
一方、本実施形態に係るウェハ10では、従来技術同様に、エピタキシャル膜2でごく一部のBPD20がTEDに転換される。さらに、それに加えて、ウェハ10では、エピタキシャル膜2内でBPD20の20%以上がTED30に転換されている。したがって、本実施形態に係るウェハ10は、BPD20がより一層低減したものとなる。また、ウェハ10はエピタキシャル膜2の所定の深さでBPD20がTED30に転換される。
このように、BPD20が低減されているので、本実施形態に係るウェハ10は、高い耐電圧性が求められる半導体素子や、高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適なものとなる。また、ウェハ10は、基板1のオフ角度や結晶面(Si面、C面)に限定はない。したがって、半導体素子の製造に適したオフ角度や結晶面を有するウェハ10が提供される。
図7は、実施形態2に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。
図7(a)には、エピタキシャル膜2が形成された基板1の断面が示されている。基板1内には、複数のBPD20が存在するが、同図には代表して一つのBPD20が示されている。基板1のBPD20は、エピタキシャル膜2にそのまま伝播している。
次に、基板1のエピタキシャル膜2に、不活性ガス中、又は真空中で加熱処理を行う。加熱処理は基板1全体に行い、加熱の方法、雰囲気、温度、時間は実施形態1と同様にする。
図7(b)に示すように、加熱処理により、エピタキシャル膜2の内部でBPD20がTED30に転換される。
そして、図7(c)に示すように、BPD20から転換されたTED30を含むエピタキシャル膜2上に、炭化珪素のエピタキシャル成長を行う。
エピタキシャル成長を行うことで、エピタキシャル膜2上に、炭化珪素からなるエピタキシャル膜が結晶成長する。このエピタキシャル膜には、上述した加熱処理は行わないので、非加熱エピタキシャル膜3と称する。
非加熱エピタキシャル膜3の結晶成長の際、非加熱エピタキシャル膜3には、TED30がそのまま伝播する。また、特に図示しないが、エピタキシャル膜2で加熱処理によりTED30に転換されなかったBPDは、非加熱エピタキシャル膜3にそのままBPDとして伝播する。さらに、非加熱エピタキシャル膜3には、成長時に、ごく一部のBPD20が自然にTED30に転換されている。
このようにして、図6(a)に示したようなウェハ10が作製される。
なお、図7(d)に示すように、非加熱エピタキシャル膜3上に、さらにエピタキシャル成長を1回又は複数回行って、1層又は複数層の非加熱エピタキシャル膜3を形成してもよい。これにより、新たに形成した非加熱エピタキシャル膜3を含めたウェハ10を製造できる。
また、基板1上に1層または複数層の非加熱エピタキシャル膜3を形成し、その後、エピタキシャル膜2を形成して、加熱処理を行い、さらに非加熱エピタキシャル膜3を形成することで、図6(b)に例示したウェハ10を形成してもよい。
上述したように、エピタキシャル膜2内でBPD20がTED30に転換されたウェハ10が製造される。
従来技術では、エピタキシャル膜2内では、成長に伴いごく一部のBPD20がTED30に転換される。このようなBPDからTEDへの転換は、エピタキシャル膜の深さ方向において不特定の場所で生じる。
一方、本実施形態に係る炭化珪素ウェハの製造方法においては、BPDからTEDの転換位置は、加熱処理の温度と時間で決まる(実施形態1の、BPDからTEDへの転換の原理を参照。)。すなわち、BPDからTEDへの転換位置は、エピタキシャル膜2の表面から所定の深さに限定される。
したがって、本製造方法では、加熱処理の温度及び時間を適宜設定することで、エピタキシャル膜2の所定の深さでBPD20がTED30に転換したウェハ10を製造することができる。
また、実施形態1と同様に、本製造方法は、エピタキシャル膜2内でBPD20をTED30に転換することで、高い耐電圧性や高い信頼性が求められる半導体素子の材料として好適なウェハ10を製造することができる。他に、本製造方法は、従来技術のようなエッチング処理が不要であるので、基板1の表面を平坦に保つことができ、かつエッチング処理及びこれに伴う平坦化処理を省略することができる。さらに、本製造方法は、基板1のオフ角度や結晶面(Si面、C面)を限定する必要なく適用することができ、エピタキシャル膜2を成長する際の条件の制約がない。
上述したウェハ10を得た上で、BPD20が高密度で存在している基板1、もしくは基板1とエピタキシャル膜2の両方を除去してもよい。
図8(b)に示すウェハ13は、図8(a)に示すウェハ10から、基板1及びエピタキシャル膜2が完全に除去されたものである。
図8(c)に示すウェハ14は、図8(a)に示すウェハ10から、基板1と、エピタキシャル膜2の一部を除去したものである。エピタキシャル膜2では、BPD20がTED30に転換しているが、このBPD20が除去される程度にエピタキシャル膜2の一部が除去されている。
図8(d)に示すウェハ15は、図8(a)に示すウェハ10から、基板1を完全に除去したものである。
基板1及びエピタキシャル膜2の除去は、機械研磨や化学処理、イオンエッチングなど、適切な方法で行えばよい。これにより、BPD密度が小さいエピタキシャル膜2のみによるウェハ13を得ることができる。
図9(a)〜(c)に示すウェハ16〜ウェハ18は、それぞれ図8(b)〜(d)に示すウェハ13〜ウェハ15に非加熱エピタキシャル膜3を形成したものである。このように、上述したウェハ13〜ウェハ15を得た上で、基板1が存在していた側の表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行い、非加熱エピタキシャル膜3を形成してもよい。
加熱処理の対象をエピタキシャル膜とする製造方法としては、上述した態様に限らず、次のような態様を挙げることができる。
図10は、実施形態2に係る炭化珪素ウェハの製造方法を示す断面図である。図10(a)には、エピタキシャル膜2aが形成された基板1が示されている。基板1内には、複数のBPD20(同図には代表して3本、それぞれ20a、20b、20cと表示してある)が存在している。エピタキシャル膜2aには、エピタキシャル成長に伴い、3本のBPD20a〜20cが伝播している。
まず、エピタキシャル膜2aが形成された基板1に、不活性ガス中、又は真空中で加熱処理を行い、BPDをTEDに転換させる。加熱の方法、雰囲気、温度、時間は実施形態1と同様にする。
このとき、図10(b)に示すように、BPD20aは、エピタキシャル膜2aでTED30aに転換し、BPD20b、20cは転換しなかったとする。
次に、図10(c)に示すように、エピタキシャル膜2a上にエピタキシャル成長を行って、エピタキシャル膜2bを形成する。このエピタキシャル成長に伴い、エピタキシャル膜2bには、BPD20aから転換したTED30aが伝播し、BPD20b、20cが伝播する。
次に、図10(d)に示すように、エピタキシャル膜2bが形成された基板1に、加熱処理を行い、BPDをTEDに転換させる。このとき、BPD20bは、エピタキシャル膜2bでTED30bに転換し、BPD20cは転換しなかったとする。
次に、エピタキシャル膜2cについても同様とする。すなわち、エピタキシャル膜2b上にエピタキシャル成長を行ってエピタキシャル膜2cを形成し、加熱処理を行う。これにより、図10(e)に示すように、エピタキシャル膜2cに伝播したBPD20cはTED30cに転換される。
このようにして、基板1上に、3層のエピタキシャル膜2a〜2cが形成されたウェハ10が作製される。
上述した態様の本製造方法によれば、複数のエピタキシャル膜2a〜2cのそれぞれで加熱処理を行うことにより、各エピタキシャル膜2a〜2cのそれぞれでBPDからTEDへの転換が行われる。したがって、一層のエピタキシャル膜でBPD20をTED30に転換するよりも、より確実にBPDをTEDに転換することができる。
このように、複数回のエピタキシャル膜2a〜2cの製造及びこれらの各膜に対する加熱処理を繰り返すことで、BPDを極限まで低減したウェハ10を製造することができる。
なお、特に図示しないが、加熱処理を行ったエピタキシャル膜2cの上に、さらにエピタキシャル成長を行って非加熱エピタキシャル膜3を形成してもよい。
また、図10(e)には、3層のエピタキシャル膜2を例示したが、これに限らず、任意の数であってもよい。さらに、加熱処理を行ったエピタキシャル膜2上に、非加熱エピタキシャル膜3を形成し、その後、エピタキシャル膜2を形成して加熱処理を行ってもよい。何れの場合においても、複数のエピタキシャル膜2のそれぞれに加熱処理を行うので、BPDがより一層低減されたウェハ10を製造できる。
〈実施形態3〉
実施形態1では、基板1に加熱処理を行い、実施形態2では、エピタキシャル膜2に加熱処理を行ったが、基板1及びエピタキシャル膜2の双方に加熱処理を行っても良い。
図11を用いて、本実施形態に係るSiCウェハの製造方法を説明する。
図11(a)に示すように、基板1に、実施形態1と同様に、加熱処理を行う。これにより、基板1では、BPD20がTED30に転換される。また、一部のBPD20はそのまま存在している。
次に、図11(b)に示すように、基板1に炭化珪素のエピタキシャル成長を行い、エピタキシャル膜2を形成する。エピタキシャル膜2には、基板1からTED30とBPD20とが伝播している。
次に、図11(c)に示すように、エピタキシャル膜2に、実施形態2と同様に、加熱処理を行う。これにより、エピタキシャル膜2では、BPD20がTED30に転換される。
そして、図11(d)に示すように、エピタキシャル膜2上に、さらにエピタキシャル成長を行い、非加熱エピタキシャル膜3を形成することで、ウェハ10が製造される。
なお、エピタキシャル膜2は一層に限らず複数層であってもよい。また、非加熱エピタキシャル膜3も一層に限らず複数層であってもよい。また、複数層の非加熱エピタキシャル膜3を形成する場合、連続で行う必要はなく、間に非加熱エピタキシャル膜3を挟んでも良い。
このような本実施形態の製造方法によれば、基板1とエピタキシャル膜2とで、加熱処理によりBPDがTEDに転換されるので、極限までBPDが低減されたウェハ10を製造することができる。
〈実施形態4〉
実施形態2に説明したウェハ10のエピタキシャル膜2(第1のエピタキシャル膜)と非加熱エピタキシャル膜3(第2のエピタキシャル膜)とには、ドーパントが導入されていても良い。
図12は、本実施形態に係るウェハの断面図である。図示するように、ウェハ10は、基板1上に、エピタキシャル膜2が設けられ、その上に非加熱エピタキシャル膜3が設けられている。
エピタキシャル膜2及び非加熱エピタキシャル膜3には、例えばp型のドーパントが導入されている。エピタキシャル膜2のドーパント濃度は、相対的に高濃度(p)であり非加熱エピタキシャル膜3のドーパント濃度は、相対的に低濃度(p)である。もちろん、ドーパントはn型でもよく、エピタキシャル膜2のドーパント濃度は、相対的に高濃度(N)であり非加熱エピタキシャル膜3のドーパント濃度は、相対的に低濃度(N)であってもよい。p型ドーパントとしては、Al、Br、n型ドーパントとしてはNが挙げられる。
このようなウェハ10は、次のように製造することができる。すなわち、基板1上にエピタキシャル成長を行う際に、p型又はn型のドーパントを含むガスを用いる。これにより、p型又はn型のエピタキシャル膜2が形成される。そして、エピタキシャル膜2に加熱処理を行った後、非加熱エピタキシャル膜3を形成する。
このようにして製造されたウェハ10から、所望の濃度のドーパントを含むp型又はn型の炭化珪素半導体素子を製造することができる。上述したように、BPD20が低減されているので、高い耐電圧性が求められる炭化珪素半導体素子や、高い信頼性が求められる炭化珪素半導体素子の材料として好適なものとなる。また、BPD20からTED30への転換が、従来技術のようにエピタキシャル膜2と非加熱エピタキシャル膜3との界面で行われるのではなく、ドーパント濃度が高濃度になっていることから半導体素子の不活性領域となるエピタキシャル膜2の内部で行われるため、高い信頼性の半導体素子を得るための材料として一層好適となる。
〈他の実施形態〉
実施形態1〜4に説明したウェハ10〜18を用いて、種々の炭化珪素半導体素子を製造することができる。例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、JFET(Junction Field Effect Transistor)、BJT(Bipolar Junction Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GTO(Gate Turn-Off Thyristor)、GCTサイリスタ(Gate Commutated Turn-off Thyristor)、サイリスタ、ショーットキーダイオード、JBS(Junction Barrier Schottky)ダイオード、MPD(Merged pn ダイオード)、pnダイオードなどである。
実施形態1〜4に係るウェハ10は、BPD20が低減しているので、これらの半導体素子の信頼性や性能の低下が防止され、炭化珪素の優れた特性を活かした高性能な半導体素子が得られる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
[比較例]
〈11−20〉方向に8°のオフ角を有する4H−SiC基板上に、CVD法により結晶成長を行い、膜厚が約10μmのエピタキシャル膜を形成した。
[実施例]
比較例に係る基板について、後述の試験例に示す測定を行った後、加熱処理を行った。この加熱処理は、基板をグラファイト製の坩堝の中に入れ、高周波誘導加熱が行われるグラファイト円筒(ホットウォール)内に坩堝を配置した。坩堝内にアルゴンガスを供給し、1800℃で30分間加熱した。昇温速度は40℃/minとした。
[試験例1]
比較例、実施例に係る基板のそれぞれについて、エピタキシャル膜内の各種転位の分布を測定した。
まず、比較例に係る基板に対して、放射光反射トポグラフィー測定(SPring-8放射光施設)を行い、トポグラフィー像を得た。具体的には、比較例に係る基板に対して、放射光を単色化したX線(波長1.54Å)を約20°の入射角度で照射し、回折ベクトルg=11−28の条件を満たす反射光を原子核乾板に結像させてトポグラフィー像を得た。
比較例に係る基板の測定が終了した後、上述したような加熱処理を実施して、実施例に係る基板とした。そして、同様にしてトポグラフィー像を得た。
図13は、比較例のトポグラフィー像である。比較例に係る基板上に現れた線上の暗いコントラストはBPDであり、比較的小さな断片状(ドット状)のコントラストはTEDであり、比較的大きな円形のコントラストはTSD(貫通らせん転位)である。
図14(a)は、比較例のトポグラフィー像であり、図14(b)は、実施例のトポグラフィー像である。これらのトポグラフィー像は基板の同一領域を示しており、加熱処理により転位がどのように変化したかを確認した。
図14(a)中の○印に示すように、比較例に係る基板には、基板からエピタキシャル膜に伝播したBPDが8個現れていることが確認された。
図14(b)には、4つの○印に示されたBPDが加熱処理の前後で同一位置にあることが示されている。一方、破線の○印は、比較例ではBPDとしてエピタキシャル膜の表面に現れていたものが、加熱処理後には、TEDとしてエピタキシャル膜に現れていることを示している。このことは、加熱処理前の比較例では、線状のコントラストで現れていたものが、加熱処理後には、小さな断片上(ドット状)のコントラストに変化していることから判断される。
トポグラフィー像の観察結果より、比較例に示した基板の一領域には、合計8個のBPDがエピタキシャル膜表面に現れていたが、このうち4個のBPDが加熱処理によりエピタキシャル膜でTEDに転換されたことが分かる。
[試験例2]
比較例、実施例に関して、より広い領域で転位の分布を測定した。
より広い領域で比較例のBPDを計測したところ、エピタキシャル膜表面には114個のBPDが現れていた。一方、同一領域について実施例のBPDを計測したところ、114個のBPDのうち約20%に相当する23個がTEDに転換していた。また、同一の加熱処理を行った膜厚約20μmのエピタキシャル膜を有する別のサンプルにおいては、49のBPDのうち約47%に相当する23個がTEDに転換していた。
[試験例3]
比較例と同じ方法で得られた膜厚約10μmのエピタキシャル膜を有するサンプルに対して、試験例1と同様な方法でトポグラフィー像を得た。次に、このサンプルに対して、実施例と同一の加熱処理を行い、加熱処理後に同様にしてトポグラフィー像を得た。加熱処理後に得られたトポグラフィー像を調べたところ、合計で67個のBPDがエピタキシャル膜中でTEDに転換されていることが確認された。次に、加熱処理前に得たトポグラフィー像を調べたところ、エピタキシャル膜中でTEDに転換された67個のBPDの内の1個(約1.5%に相当)は、エピタキシャル成長時に自然に起きたものであることが確認された。すなわち、エピタキシャル膜中でTEDに転換された67個のBPDの内の約1.5%はエピタキシャル成長時にTEDに転換され、残りの98.5%は加熱処理により起きたものであることが分かった。同様な処理を行った膜厚約20μmのエピタキシャル膜を有する別なサンプルでは、エピタキシャル膜中でTEDに転換されたBPDの内の約12%はエピタキシャル成長時にTEDに転換され、残りの88%は加熱処理により起きたものであることが分かった。
[試験例4]
図15は、加熱処理により生じたBPDからTEDへの転換が、エピタキシャル膜内において膜表面からどの深さ方向で行われたものかを調べた結果である。図示したサンプルは、基板上にエピタキシャル膜を形成した後に、1800℃で加熱処理を行ったものである。加熱処理の時間は5分である。エピタキシャル膜の膜厚は、約10μmである。測定は、加熱処理前後において取得した放射光反射トポグラフィーを比較検査することで、加熱処理によってエピタキシャル膜内でBPDからTEDへの転換した度数を調べた。同時に、BPDからTEDへ転換したものの放射光トポグラフィー像において、基板のオフ傾斜と平行な方向におけるエピタキシャル膜内でのBPDの長さを調べることで、転換が起きたエピタキシャル膜表面からの距離を求めた。これにより、BPDからTEDへの転換について、エピタキシャル膜表面からの距離に対する度数を明らかにした。図15に示されるように、エピタキシャル膜の表面から5.5μm±1μmの領域(5.5μmが図6(a)のDに相当し、±1μm(2μm)が図6(a)のRに相当する)でBPDからTEDへの転換の68%以上が起きていることが確認された。
[試験例5]
エピタキシャル膜を作製する前の基板について、表面のBPDを測定した。測定は基板について試験例1と同様にトポグラフィー像を形成し、同トポグラフィー像に現れたBPDを数え、単位面積あたりのBPDを計算した。この結果、基板表面では、BPDの密度は約4000個/cmであった。
同基板に、エピタキシャル膜を形成し、加熱処理を行った実施例に係る基板について、トポグラフィー像を形成した。同トポグラフィー像に現れたBPD及びTEDを数えたところ、BPDの大半がTEDに転換されており、エピタキシャル膜でのBPDの密度は約5個/cmであった。
[試験例6]
高温熱処理温度として1500〜2200℃、熱処理時間として5〜240分の範囲で変化させて、同様な実験、分析を行った結果、1500〜1600℃ではBPDからTEDへの転換が確認されなかったが、1700℃以上においてはBPDからTEDへの転換が確認された。このBPDからTEDへの転換の確率は温度が高くなるにつれて増大したが、2000℃を超える温度領域ではSiC表面の昇華が加速され初め、2200℃以上では熱処理温度としては不適切であった。また熱処理時間が長くなるにつれて、BPDからTEDへの転換の確率が増大するものの、120分以上ではほぼ飽和した。なお、熱処理によるBPDからTEDへの転換が起きた位置は、高温熱処理の温度、もしくは時間の増加につれて、エピタキシャル膜表面から深い方向に移動したが、いずれの場合においても、ある深さより±1μmの範囲内でBPDからTEDへの転換の60%以上が行われていた。
本発明は、炭化珪素半導体素子を利用する産業分野で利用することができる。
1 炭化珪素基板
2、2a〜2c エピタキシャル膜
3 非加熱エピタキシャル膜
4 SiC層
5 結晶成長面
10 ウェハ
20 基底面転位(BPD)
21 先端部
22 鏡像転位
30 貫通刃状転位(TED)

Claims (19)

  1. 昇華法又はHTCVD法によって得られたバルク状の単結晶をスライスすることで製造された炭化珪素基板を、不活性ガス雰囲気において、1700℃〜2200℃で加熱処理することで、当該炭化珪素基板の内部において基底面転位の先端部を貫通刃状転位に転換し、
    当該炭化珪素基板上に、炭化珪素のエピタキシャル成長を行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  2. 請求項1に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    炭化珪素のエピタキシャル成長及び加熱処理を、複数回行う
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    前記エピタキシャル膜上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行う
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    エピタキシャル成長を行った後に、前記炭化珪素基板を取り去ることを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  5. 請求項4に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    前記炭化珪素基板を取り去ることで得られたエピタキシャル膜表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  6. 昇華法又はHTCVD法によって得られたバルク状の単結晶をスライスすることで製造された炭化珪素基板上に、炭化珪素からなるエピタキシャル膜を形成し、
    不活性ガス雰囲気において、前記エピタキシャル膜を1700℃〜2200℃で加熱処理することで、当該エピタキシャル膜の内部において基底面転位の先端部を貫通刃状転位に転換し、
    当該エピタキシャル膜上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を行うことで、基底面転位が低減したエピタキシャル膜を結晶成長させる
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  7. 請求項6に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    炭化珪素のエピタキシャル成長及び加熱処理を、複数回行う
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    前記エピタキシャル膜上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行う
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  9. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    前記エピタキシャル成長を行う際に、ドーパントを含むガスを用いて、エピタキシャル膜にドーパントを導入する
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  10. 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    前記エピタキシャル成長を行う際に、ドーパントを含むガスを用いて、エピタキシャル膜にドーパントを導入する
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  11. 請求項6〜請求項8、請求項10の何れか一項に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    エピタキシャル成長を行った後に、前記炭化珪素基板を取り去り、又は、前記炭化珪素基板及び前記加熱処理を行ったエピタキシャル膜を取り去る
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  12. 請求項11に記載する炭化珪素ウェハの製造方法において、
    前記炭化珪素基板、又は、前記炭化珪素基板及び前記加熱処理を行ったエピタキシャル膜を取り去ることで得られたエピタキシャル膜表面上に、さらに炭化珪素のエピタキシャル成長を1回又は複数回行うことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
  13. バルク状の単結晶からなる炭化珪素基板であって、
    前記炭化珪素基板の表面から当該炭化珪素基板の内部に向かって0.1μm以上、10μm以内の領域において、基底面転位から転換された貫通刃状転位を備え、
    基底面転位から転換された貫通刃状転位は、全ての基底面転位のうちの20%以上である
    ことを特徴とする炭化珪素基板。
  14. 炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル膜と、
    前記炭化珪素基板のうち、炭化珪素基板とエピタキシャル膜との界面から当該炭化珪素基板の内部に向かって0.1μm以上、10μm以内の領域において、基底面転位から転換された貫通刃状転位とを備え、
    基底面転位から転換された貫通刃状転位は、全ての基底面転位のうちの20%以上である
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハ。
  15. 炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板上に形成された第1のエピタキシャル膜、及び当該第1のエピタキシャル膜上に形成された第2のエピタキシャル膜と、
    前記第1のエピタキシャル膜の内部において、基底面転位から転換された貫通刃状転位とを備え、
    前記第2のエピタキシャル膜に含まれる基底面転位の密度は、前記第1のエピタキシャル膜に含まれる基底面転位の密度の80%以下である
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハ。
  16. 請求項15に記載する炭化珪素ウェハにおいて、
    前記第2のエピタキシャル膜に含まれるドーパント濃度は、前記第1のエピタキシャル膜に含まれるドーパント濃度よりも低い
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハ。
  17. 炭化珪素基板上に複数のエピタキシャル膜が形成され、
    当該複数のエピタキシャル膜のうちの隣接する2つのエピタキシャル膜であって、炭化珪素基板に近い側の第1のエピタキシャル膜及び遠い側の第2のエピタキシャル膜を有する炭化珪素ウェハであって、
    前記第1のエピタキシャル膜の内部で、20%以上の基底面転位が貫通刃状転位に転換され、
    前記第1のエピタキシャル膜内の厚さ方向2μm以内の領域で、基底面転位から貫通刃状転位への転換の60%以上が行われている
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハ。
  18. 請求項17に記載する炭化珪素ウェハにおいて、
    前記第1のエピタキシャル膜内の第2のエピタキシャル膜との界面から0.1μm以上、10μm以内の領域で、基底面転位から貫通刃状転位への転換の80%以上が行われている
    ことを特徴とする炭化珪素ウェハ。
  19. 請求項14〜請求項18の何れか一項に記載する炭化珪素ウェハを具備する炭化珪素半導体素子。
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