JP4442366B2 - エピタキシャルSiC膜とその製造方法およびSiC半導体デバイス - Google Patents

エピタキシャルSiC膜とその製造方法およびSiC半導体デバイス Download PDF

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本発明はSiCの単結晶エピタキシャル基板、その製造方法およびその上に作製された半導体デバイスに関する。
近年、炭化珪素(SiC、シリコンカーバイト)あるいは窒化ガリウム(GaN)等の軽元素の化合物からなる半導体(化合物半導体)の研究が盛んである。化合物半導体は、N,C等の軽元素の化合物であるため、Si半導体に比較して結合エネルギーが大変強い。そのため、エネルギーの禁制帯幅(バンドギャップ)、絶縁破壊電界、熱伝導度が大きいという長所、特徴を有している。特に、大きな禁制帯幅(ワイドバンドギャップ)を活かして、高効率・高耐圧の電子機器やその素子(パワーデバイス)、高周波パワーデバイス、高温動作デバイス、あるいは青色から紫外発光をするデバイス用の材料として注目を集めている。
かかる化合物半導体、例えばSiCを半導体デバイス(素子)として使用するためには、ある程度の大きさを有する高品質な単結晶を得る必要がある。しかしながら、前記のごとくSiC等の多くの化合物半導体は結合エネルギーが強い(Si−C間で、約4.5eV)ため、大気圧では高温でも融解せず、2000℃以上で昇華する。このため、シリコン(Si)等他の半導体材料で用いられるエキシマレーザで照射して溶融させ、融液が固化する際の再結晶化時に大きな単結晶を得る方法、即ち溶融液の再結晶化よるバルク結晶の育成が困難である。そこで従来は、SiC単結晶は、アチソン法と呼ばれる化学反応を利用する方法、レーリー法と呼ばれる昇華再結晶法を利用する方法により小片が得られていた。
最近は、これらの方法によって作製された炭化珪素の単結晶を基板として用い、この上に昇華再結晶化させる改良レーリー法によってSiCインゴットが育成され、この育成されたSiCインゴットをスライスし、スライス片を鏡面研磨してウエハ(ダイオード等を含む各種の半導体素子の基板)が製造されるようになった。さらにこのウエハ上に気相エピタキシャル成長法または液相エピタキシャル成長法によって目的規模のSiC単結晶を成長させ、この際に不純物密度と膜厚を制御した活性層を形成することが可能となっている。そして、このような方法で製造されたSiCを用いて、pn接合ダイオード、ショットキーダイオードや各種のトランジスタ等のSiC半導体デバイス(半導体素子)が作製されていた(非特許文献1)。
しかしながら、上記方法の内、アチソン法は珪石とコークスの混合物を電気炉で熱し、自然発生的な核形成によって結晶を析出させるので、不純物が多く、得られる結晶の形および結晶面の制御が困難である。またレーリー法では自然核発生的な核形成によって結晶が成長するので、結晶の形および結晶面の制御が困難である。
改良レーリー法では、例えば特公昭第59−48792号(特許文献1)の発明では、単一の結晶多形で成る大型のSiCインゴットが得られている。しかしマイクロパイプという大型の欠陥(<0001>軸方向に貫通する小孔)が、通常1〜50個cm−2(以下慣用に従って個の表示を省略する。)程度の密度で結晶に含まれている。また、C軸方向にバーガースベクトルを持つらせん転位が、10〜10cm−2程度存在する。
通常はSiC{0001}面、あるいはこの面から<11−20>方向、あるいは<1−100>方向に3〜8度のオフ角度を設けた基板がエピタキシャル成長に使われる。この時、基板に存在するマイクロパイプ欠陥やらせん転位の大半がSiCエピタキシャル成長層に貫通すること、およびエピタキシャル成長層を用いて作製したSiCデバイスがマイクロパイプ欠陥を含むとデバイス特性が著しく悪化することが知られている。
したがって、マイクロパイプ欠陥は、大容量(大電流、高耐圧)のSiC半導体デバイスを高い歩留まりで製造するときの最大の障壁となっている。
また、通常用いられるSiC{0001}面、あるいはこの面から<11−20>方向、あるいは<1−100>方向に数度のオフ角度(成長平面と基底面の軸との傾き角度)を有するSiCウエハを用いてSiCのホモエピタキシャル成長を行うと、結晶表面における原子ステップの集合合体(ステップバンチング)現象が起こり易い。
すなわち、このオフカットの<11−20>あるいは<1−100>方向は、六方晶系結晶の2つの代表的な劈開面に垂直な方向であり、これらの方向は結晶の結合が切断されやすい。このような結晶構造の特性を反映して、これらの方向にオフした基板上のエピタキシャル層は、オフ方向と垂直方向に表面の原子ステップが平行に整然とならぶ。そのため、ステップのスピードのばらつきが生じるとこれらのステップ同士がお互い合体して、高い段差のステップが発生しやすい。
このステップバンチングの度合いが大きくなるとSiCエピタキシャル成長層の表面粗さが増大し、金属−酸化膜−半導体(MOS)界面の平坦性が悪化するので、MOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)の反転層チャネル移動度が低下する。
また、pn接合、ショットキー障壁界面の平坦性が悪化して接合界面における電界集中が発生し、耐圧の低下、漏れ電流の増大などの問題を引き起こす。
SiCには多数の結晶多形(ポリタイプ)が存在するが、この中で4H型ポリタイプ(Ramsdellの表記法で「4H−SiC」と表記されるもの。Hは、六方晶であることを示し、数字は原子積層が記載された数字の数の層、例えば前記の場合は4層で、一周期となる結晶構造を示す。本発明の出願書類では、原則としてこの表記法を使用する)が高い移動度を有し、ドナーやアクセプタのイオン化エネルギーも小さいことから、SiC半導体デバイス作製に最適なSiCポリタイプであると考えられている。
しかしながら、4H−SiC{0001}面、あるいはこの面から<11−20>方向数度のオフ角度を設けた基板上のエピタキシャル成長層(特許文献2)、あるいは<1−100>方向に数度のオフ角度を設けた基板上のエピタキシャル成長層(特許文献3)を用いて反転型MOSFETを作製すると、チャネル移動度が1〜20cm/Vs程度と非常に小さく、高性能トランジスタを実現できない。
これらの問題を解決するために、特許文献4ではSiCの(0001)面以外の面、例えば(1−100)面等を持った種結晶を用いて改良レーリー法による成長を行うことで、マイクロパイプ数の少ないSiCインゴットを得ている。
しかしながら、SiC(1−100)面上にエピタキシャル成長を行うと、成長時に積層欠陥が発生しやすく、半導体デバイス作製に十分な高品質SiC単結晶を得るのが困難である。一方、SiC(11−20)基板を用いることでもマイクロパイプ欠陥が低減されることが知られているが、SiC(11−20)基板上に高品質のSiCエピタキシャル成長層を作製することは容易ではなく、エピタキシャル成長と基板の界面に不純物密度の差に起因する歪みが発生し、エピタキシャル成長層の結晶性に悪影響を与える。
また、従来は6H型ポリタイプの6H−SiC(11−20)面が研究されてきたが、この面の上にデバイスを作製すると、電子移動度の異方性が問題となる。すなわち、6H−SiC結晶中では、<0001>軸方向の電子移動度が<1−100>、<11−20>方向の移動度の20〜30%程度と小さい。このため、6H−SiC(11−20)面上のデバイスでは、面内の電気伝導に3〜5倍の異方性が生じてしまう。
特公昭59−48792号公報 米国特許第4912064号公報 特表2003−502857号公報 特許第2804860号公報 松波弘之 編著「半導体SiC技術と応用」日刊工業新聞社 2003年3月出版。第4章。
このため、ステップフロー成長が促進され、しかも基板にマイクロパイプやらせん転移が存在する場合でも、作製あるいは形成された成長膜ではそのような欠陥が消滅するSiC膜のエピタキシャル成長による製造方法の開発が望まれていた。
また、エピタキシャル成長表面の平坦性が著しく改善され、異種ポリタイプの混入が完全に抑制され、ステップバンチングが抑制され、さらに平坦なエピタキシャル成面の得られるSiC膜のエピタキシャル成長による製造方法の開発が望まれていた。
また、以上の結果、高品質かつ表面平坦性のよいエピタキシャルSiC膜やSiC膜の基板の実現が望まれていた。
また、さらに以上のSiC膜を使用した、異方性がなく、大電流に使用でき、高耐圧性に優れたウエハ(基板)やデバイスの実現が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、SiC基板として基板の<21−30>結晶方向に(0001)面から0.5°以上10°以下のオフカット角度を有する六方晶系SiC結晶基板のオフカット面上で成長させたエピタキシャルSiC(炭化珪素)膜を用いるものである。
また、基板とエピタキシャル層の不純物密度差に起因する格子不整合による歪みを緩和するために、バッファ層を形成するものである。
また、このバッファ層や、その上に形成するデバイス作製用の活性層の成長には、膜厚や不純物ドーピングの制御性、成長層の表面平坦性に優れた化学気相堆積法を用いるものである。
以下、各請求項の内容と効果等を示す。
請求項1に記載の発明は、六方晶系結晶構造を有するSiC基板のオフカット面上で成長させたエピタキシャルSiC膜であって、
前記SiC基板のオフカット面が、(0001)面から0.5°以上10°以下のオフカット角度を有し、
前記オフカット面の結晶方向が、前記SiC基板の12種の等価な<21−30>方向([21−30]、[−2−130]、[2−310]、[−23−10]、[12−30]、[−1−230]、[1−320]、[−13−20]、[−3120]、[3−1−20]、[−3210]および[3−2−10]方向)のいずれかの方向から±7.5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とするエピタキシャルSiC膜である。
本請求項の発明においては、SiC基板のオフカット面が(0001)面から0.5°以上10°以下のオフカット角度を有し、前記オフカット面の結晶方向が前記基板の12種の等価な<21−30>方向のいずれかから±7.5°以内に構成されているため、2次元のオフセット角の方向となり、ステップバンチングがなくなる。
また、このようなオフカット面上で成長させたエピタキシャルSiC膜を利用した半導体デバイスは、リーク電流が抑制され、またMOS界面の移動度が高くなる。
また、ステップフロー成長が促進されるため、SiC基板にマイクロパイプやらせん転移が存在していても、成長膜ではかかる欠陥が消滅する。
請求項2に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記SiC基板が、4H−SiCであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルSiC膜である。
前記SiC基板が4H−SiCであるため、エピタキシャル成長膜も4H−SiCとなる。このため、電子移動度、禁制帯幅や絶縁破壊電界が大きく、電気伝導の異方性が少なく、ドナーやアクセプタ準位が比較的浅い良質の単結晶ウエハが製造可能になり、優れた半導体デバイスの製造が可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記SiC基板が、6H−SiCであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルSiC膜である。
前記基板が6H−SiCであるため、エピタキシャル成長膜も6H−SiCとなる。
6H−SiCは、4H−SiCに比べてMOS界面の移動度(酸化膜−半導体界面での電子の移動度)が高いため、高性能MOS型トランジスタに優れている。
請求項4に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記オフカット面の結晶方向が、前記12種の等価な<21−30>方向のいずれかの方向から±5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜である。
オフカット面の結晶方向が、狭く選定されているため、高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
請求項5に記載は、前記のSiC膜であって、前記オフカット面の結晶方向が、前記12種の等価な<21−30>方向のいずれかの方向から±2.5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜である。
オフカット面の結晶方向がより狭く選定されているため、より高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記オフカット面の結晶方向が、前記12種の等価な<21−30>方向のいずれかの方向から±1.5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜である。
前記よりさらに高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記SiC基板が、マイクロパイ
プ欠陥、あるいはらせん転位を10cm−2以上有し、さらにエピタキシャルSiC膜が
、バッファ層と前記バッファ層の上に設けられた活性層を有し、
さらに前記バッファ層は、化学気相堆積法で成長させた、厚さが0.3〜15μmであ
り、内部でマイクロパイプ欠陥が前記SiC基板に比較して80%以下に減少させたバッ
ファ層であることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルSiC膜である。
前記バッファ層により、基板とエピタキシャル層の不純物密度の差に起因する格子不整合による歪みを緩和させることができる。
このことは、SiC基板に多少の欠陥があっても使用できるため、基板の入手の自由度が増すことにつながる。
また、エピタキシャル成長で形成されたSiC膜には、ステップバンチングがないため、リーク電流が抑制され、またMOS界面の移動度が高い半導体デバイスを提供することができる。
なお、バッファ層の厚さは、形成に要する時間、エネルギーとバッファ層の機能発揮を参酌して厚さを決めている。
請求項8に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記バッファ層は、窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子を含むバッファ層であることを特徴とする請求項7に記載のエピタキシャルSiC膜である。
バッファ層に不純物原子を含ませることにより、不純物濃度の高い基板との格子整合性を高めて、エピタキシャル膜と、基板との界面の歪みを少なくすることができるとともに、不純物添加により、基板のマイクロパイプの閉塞を促進することで、高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。このような不純物原子としては、窒素、リン、アルミニウム、ボロンが特に効果的である。
請求項9に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記バッファ層は、窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子を、2×1015〜3×1019cm−3の密度で含むバッファ層であることを特徴とする請求項8に記載のエピタキシャルSiC膜である。
前記バッファ層に、前記不純物原子を前記範囲の密度で含ませることにより、不純物濃度の高い基板との格子整合性を高めて、エピタキシャル膜と、基板との界面の歪みを少なくすることができるとともに、不純物添加により、基板のマイクロパイプの閉塞を促進することで、高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。不純物濃度が低いと上記の効果は発現せず、また濃度が高すぎると、結晶性が悪化するという問題が発生する。
請求項10に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記バッファ層は、その内部の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板中の不純物原子の密度より低いバッファ層であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のエピタキシャルSiC膜である。
これにより、SiC基板と、不純物濃度が低い活性層との間の格子不整合を緩和することができ高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
請求項11に記載の発明は、前記のSiC膜であって、前記バッファ層は、その内部の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板から前記活性層に向かって徐々に減少させたバッファ層であることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜である。
これにより、歪みが少なく、原子レベルで平坦な高品質のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
なお、エピタキシャル成長時に添加する不純物ガスの量を徐々に減少させることにより、不純物密度をSiC基板から活性層に向かって徐々に減少させることができる。
請求項12に記載の発明は、前記SiC基板および前記バッファ層が、4H−SiCであることを特徴とする請求項ないし請求項11のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜である。
これにより、移動度に異方性がなく、高いドリフト移動度が得られる4H型のエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
請求項13に記載の発明は、前記活性層が、化学気相堆積法で成長させた厚さ2μm以上の活性層であることを特徴とする請求項ないし請求項12のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜である。
これによりSi半導体デバイスを凌駕する耐圧と動作速度を有する高効率の半導体デバイスを実現することができるエピタキシャルSiC膜を得ることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜を有することを特徴とするSiCエピタキシャルウエハである。
このSiCエピタキシャルウエハを用いることにより、Si半導体デバイスを凌駕する耐圧と動作速度を有する高効率の半導体デバイスを提供することができる。
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜を用いて作製されたことを特徴とするSiC半導体デバイスである。
このようにして得られたSiC半導体デバイスは、耐圧特性と省エネ特性に優れたSiC半導体デバイスであり、高品質の半導体電子部品を提供することができる。
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載のSiCエピタキシャルウエハを用いて作製されたことを特徴とするSiC半導体デバイスである。
請求項17に記載の発明は、前記のSiC半導体デバイスにおいて、前記SiC半導体デバイスが、表面に金属/SiCのショットキー障壁を有することを特徴とする請求項15または請求項16に記載のSiC半導体デバイスである。
これにより、優れたショットキーダイオードが得られる。
請求項18に記載の発明は、前記SiC半導体デバイスが、エピタキシャル成長時に不純物原子を混入する、または不純物原子をイオン注入することによって形成されたpn接合部を有することを特徴とする請求項15ないし請求項17のいずれかに記載のSiC半導体デバイスである。
これにより、優れたSiC半導体デバイスが得られる。
なお、イオン注入は、電圧で加速して打ち込むイオンドーピング等が適している。
請求項19に記載の発明は、前記のSiC半導体デバイスにおいて、前記SiC半導体デバイスが、熱酸化または化学気相堆積法で形成された酸化膜をゲート絶縁膜として有するMOS型SiC半導体デバイスであることを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれかに記載のSiC半導体デバイスである。
これにより、優れたSiC半導体デバイスが得られる。
また、酸化膜であるため、コスト、対電圧性、耐腐食性、耐熱性等が優れ、製造の際しての廃棄物も問題が少ない。
請求項20に記載の発明は、前記のSiC半導体デバイスにおいて、前記SiC半導体デバイスが、熱酸化あるいは化学気相堆積法で形成された酸化膜を、表面保護膜またはその一部として有するものであることを特徴とする請求項15ないし請求項19のいずれかに記載のSiC半導体デバイスである。
これにより、素子が外力等から保護され、一層優れたSiC半導体デバイスとなる。
請求項21に記載の発明は、六方晶系結晶構造を有するSiC基板のオフカット面上で、エピタキシャルSiC膜を成長させることによりエピタキシャルSiC膜を製造するエピタキシャルSiC膜の製造方法であって、
前記SiC基板のオフカット面が、(0001)面から0.5°以上10°以下のオフカット角度を有するように選定し、
さらに前記オフカット面の結晶方向が、前記SiC基板の12種の等価な<21−30>方向([21−30]、[−2−130]、[2−310]、[−23−10]、[12−30]、[−1−230]、[1−320]、[−13−20]、[−3120]、[3−1−20]、[−3210]および[3−2−10]方向)のいずれかの方向から±7.5°以下のうちの1方向を向いているように選定する
オフカット面選定ステップを有することを特徴とするエピタキシャルSiC膜の製造方法である。
これにより、前記方向のオフ基板でステップフロー成長が促進され、このため基板にマイクロパイプやらせん転位が存在していても、これらの欠陥が消滅していく。
また、(0001)面の二つの代表的な劈開面の法線方向、例えば具体的な方向として[11−20]方向および[10−10]のその両ベクトルの合成ベクトルの[21−30]方向(等価的な表示では<21−30>方向)にオフするため、ステップのマクロなうねりが発生し、お互いが整然と平行に並ばないようになり、ステップバンチングが抑制され、平坦なエピタキシャル面が得られる。
また、各種の欠陥のない、そして優れた性質のエピタキシャルSiC膜が効率よく製造可能になる。
請求項22に記載の発明は、前記のSiC膜の製造方法であって、前記SiC基板として、マイクロパイプ欠陥、またはらせん転位を10cm−2以上有する基板を選定するSiC基板選定ステップと、
前記SiC基板の上に、厚さが0.3〜15μm、かつ前記SiC基板に比較してその内部でマイクロパイプ欠陥が80%以下に減少させたバッファ層を化学気相堆積法で成長させるバッファ層形成ステップと、
前記バッファ層の上に活性層を形成する活性層形成ステップとを有していることを特徴とする請求項21に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法である。
これにより、基板とエピタキシャル層の不純物密度の差に起因する格子不整合による歪みが緩和され、優れたエピタキシャルSiC膜が製造可能になる。
請求項23に記載の発明は、前記のSiC膜の製造方法であって、前記バッファ層に、窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子を含ませるドナー添加ステップを有することを特徴とする請求項21または請求項22に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法である。
請求項24に記載の発明は、前記のSiC膜の製造方法であって、前記ドナー添加ステップにより不純物原子を2×1015〜3×1019cm−3の密度で含ませることを特徴とする請求項23に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法である。
請求項25に記載の発明は、前記のSiC膜の製造方法であって、前記ドナー添加ステップは、前記バッファ層中の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板中の不純物密度より低くなるように制御して行う濃度制御型ドナー添加ステップであることを特徴とする請求項23または請求項24に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法である。
請求項26に記載の発明は、前記のSiC膜の製造方法であって、前記ドナー添加ステップは、前記バッファ層中の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板から前記活性層に向かって徐々に減少するように制御して行う濃度勾配制御型ドナー添加ステップであることを特徴とする請求項23ないし請求項25のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法である。
本発明によれば、従来の<11−20>方向及び<1−100>方向のオフ、即ち1次元(例えばX軸方向)のオフの方向のステップフローと異なり、これらの中間の方位であるためいわば2次元のオフの方向となり、ステップに沿って多数のキンクが形成され、2次元(すなわちX軸のみならず、Y軸方向)にもマイグレイションが促進され、低いオフ角においてもステップフロー成長を実現でき、平坦なエピタキシャル膜が得られる。
また、エピタキシャル成長表面にはステップバンチングがなく、成長表面の平坦性が著しく改善され、異種ポリタイプの混入も完全に抑制されるので、このSiC膜を使用して形成したデバイスは、pn接合やショットキー障壁界面での電界集中が大幅に低減され、デバイスの高耐圧化が容易となる。
また、リーク電流が抑制され、またMOS界面の移動度が高くなるので、高品質のSiC半導体デバイスとなる。
また、酸化膜/SiCのMOS界面における界面準位が低減されるので、高品質なMOS界面を作製でき、高性能MOS型トランジスタを実現できる。
即ち、高品質かつ表面平坦性のよいエピタキシャルSiC膜が作製でき、さらにこのSiC膜を用いることにより高性能パワーデバイス、高周波デバイス、高温デバイス等を作製することができる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
実施例1は、SiC基板からSiCエピタキシャル成長層へのマイクロパイプの貫通、および成長表面の平坦性を調べるために、<21−30>結晶方向に(0001)面から8°のオフカット角度を有する4H−SiC基板上に化学気相堆積(CVD)法によりn型SiC層を成長させたものである。
また、比較のために、4H−SiCの(0001)面から8°のオフカット角度を有する<11−20>方向および<1−100>方向のSiC基板にも同時にSiC層を成長させて評価した。
SiC基板は、改良レーリー法によって成長したインゴットをスライスし、鏡面研磨することによって作製した。SiC基板は全てn型であり、ショットキー障壁の容量−電圧特性から求めた実効ドナー密度は1〜3×1018cm−3であり、厚さは400μmである。これらのSiC基板を溶融水酸化カリウム(KOH)で500℃、10分の条件でエッチングした結果、いずれもマイクロパイプ密度10〜100cm−2、らせん転位密度5×10〜2×10cm−2程度の欠陥が存在することが判った。
次に、KOHエッチングを行ったSiC基板を再研磨し、鏡面仕上げをし、その表面にCVD成長を行った。これらの基板を有機溶媒、王水、フッ酸で洗浄した後、脱イオン水でリンスしてSiC膜で被覆されたグラファイト製サセプタに設置し、CVD成長装置にセットした。
CVD成長には水素(H)をキャリヤガスとする常圧の横形CVD装置を用い、サセプタの加熱は高周波誘導加熱により行った。SiC基板を反応炉内に設置した後、ガス置換と高真空排気を数回繰り返した後、Hキャリヤガスを導入してCVD成長プログラムに入った。
まず、1300℃でHCl/Hガスによる気相エッチングを行った後、1500℃に昇温し、原料ガス(シラン:SiH、プロパン:C 等)を導入して成長を開始した。CVD成長では、まず実効ドナー密度3〜4×1017cm−3のn型SiCバッファ層を2.6μm成長させた後、実効ドナー密度1〜2×1016cm−3のn型活性層を12μm成長させた。なお、成長中には、窒素ガスを添加してn型伝導性制御を行った。
このときのバッファ層と活性層の成長条件は、以下の通りであった。
バッファ層については、SiH流量は0.30sccm、C流量は0.20sccm、N流量は6×10−2sccm、H流量は3.0slm、基板温度は1500℃、成長時間は60分とした。
活性層については、SiH流量は0.50sccm、C流量は0.50sccm、N流量は2×10−2sccm、H流量は3.0slm、基板温度は1500℃、成長時間は180分とした。
以上の条件でエピタキシャル成長を行った試料表面を、微分干渉光学顕微鏡で観察した結果、いずれの面でも鏡面が得られているのが判った。しかし、<1−100>方向オフ基板では、部分的に<11−20>方向に走る筋状の凹凸や溝が観察された。この筋状の欠陥は、成長前の基板表面処理法の最適化や過飽和度の低い成長条件、例えば低い原料ガス流量でCVD成長を行えば、低減される。それでも、最適条件の範囲は狭かった。
次に、原子間力顕微鏡(AFM)によりその表面形状プロファイルを測定した結果を、図1に示す。左側の写真は、各試料の原子像である。右下は、表面粗さの基準濃度を示し、色の濃淡がない程、平坦性がよいことを示す。
<11−20>方向8°オフ面上では、原子ステップの集合合体(ステップバンチング)に起因する階段状の凹凸が存在することが判る。<1−100>方向8°オフ面上においても、鏡面が得られた部分においても、同じくステップバンチングが観察されたが、凹凸の程度は小さかった。
一方、<21−30>結晶方向に(0001)面から8°のオフカット角度を有する基板上では溝、ヒロック、ステップ等が全く観測されず、非常に平坦性のよい表面が得られた。
2μm×2μmの範囲をAFM観察したときの表面粗さの二乗平均(Rms)は、<11−20>方向8°オフ面では、0.24nmであり、<1−100>方向8°オフ面では、0.19nmであり、<21−30>方向8°オフ面では、0.17nmであった。このため、<21−30>方向8°オフの基板が、最も優れていた。
成長した試料を溶融KOHでエッチングして、成長層中の構造欠陥を調べた。
<11−20>方向8°オフ面上成長層では、マイクロパイプ密度が18cm−2、らせん転位密度8×10cm−2となり、成長前の基板の値とほぼ同じであり、エッチングにより生じたピットの位置も成長前とよく一致していた。
<1−100>方向8°オフ基板では、筋状の欠陥が見えた部分は筋状の欠陥がさらに深くなった。この筋状の溝は必ず<11−20>方向に伸びていることから、積層欠陥に起因すると考えられる。
一方、<21−30>結晶方向に(0001)面から8°のオフカット面上に成長した試料を溶融KOHでエッチングすると、転位を反映する多角形状ピットの密度が2×10cm−2程度、積層欠陥密度は10cm−1以下と小さかった。
また、この試料を斜め研磨した面をエッチングして見積もったマイクロパイプ密度は10cm−2未満であり、らせん転位密度も500cm−2未満であることが分かった。
すなわち、<21−30>結晶方向オフ基板に用いることによって、基板からのマイクロパイプ、らせん転位の貫通を抑制し、積層欠陥も極めて少ない高品質SiCエピタキシャル結晶の成長が可能となる。これは、<21−30>結晶方向は、ステップに沿って多数のキンクが形成され、2次元(すなわちX軸のみならず、Y軸方向)にもマイグレイションが促進され、安定したステップフロー成長を実現できるためである。
次に、等価的な方向でも同じ効果が得られるか否かを確認するため、<3−1−20>方向8°オフの基板を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。その結果、AFM観察した場合の表面粗さの二乗平均(Rms)は、0.18nmであった。この値は、<21−30>方向8°オフの時の表面粗さの二乗平均0.17nmと実質的に同じ平面粗さであり、<3−1−20>方向8°オフの基板でも本明細書記載の効果を有することが確認できた。
実施例2は、オフカット角度を除き、実施例1と同じ条件である。
オフカット角度を、8°から0.5°まで段階的に小さくしてエピタキシャル成長を行い、オフカット角度の変化によりどのように変化するかを調べた。
まず、(0001)面からいずれの方向にオフした場合もオフカット角度が4°程度までは肉眼レベルでは鏡面が得られていることを確認した。次に、オフカット角度を0.5°まで小さくして評価を行った。
具体的には、<21−30>結晶方向に(0001)面から0.5°のオフカット角度を有する基板上に化学気相堆積(CVD)法によりn型SiC層を成長させた。この結果、実施例1と同様、鏡面が得られた。
一方、比較のために、4H−SiC (0001)面<11−20>方向0.5°オフカット面および4H−SiC (0001)面<1−100>方向0.5°オフカット面にも同時に成長させた。しかし、鏡面は得られなかった。
これは、比較例では、オフカット方向が小さいとステップフロー成長が十分に実現できないことを示している。
実施例3は、オフカット面の方向が<21−30>結晶方向と等価方向から7.5°、5°、2.5°、及び1.5°ずれた方位にオフして実施例1と同様のエピタキシャル成長を行ったものである。
その結果、2μm×2μmの範囲をAFM観察したときの表面粗さの二乗平均(Rms)は、7.5°、5°、2.5°および1.5°で、それぞれ、0.23nm、0.20nm、0.18nm 及び0.17nmであり、<21−30>結晶方向からのずれが小さいほど表面が平坦であった。
実施例1のSiC膜について、原子間力顕微鏡(AFM)によりその表面形状プロファイルを測定した結果を示す図である。

Claims (26)

  1. 六方晶系結晶構造を有するSiC基板のオフカット面上で成長させたエピタキシャルSiC膜であって、
    前記SiC基板のオフカット面が、(0001)面から0.5°以上10°以下のオフカット角度を有し、
    前記オフカット面の結晶方向が、前記SiC基板の12種の等価な<21−30>方向([21−30]、[−2−130]、[2−310]、[−23−10]、[12−30]、[−1−230]、[1−320]、[−13−20]、[−3120]、[3−1−20]、[−3210]および[3−2−10]方向)のいずれかの方向から±7.5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とするエピタキシャルSiC膜。
  2. 前記SiC基板が、4H−SiCであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルSiC膜。
  3. 前記SiC基板が、6H−SiCであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルSiC膜。
  4. 前記オフカット面の結晶方向が、前記12種の等価な<21−30>方向のいずれかの方向から±5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜。
  5. 前記オフカット面の結晶方向が、前記12種の等価な<21−30>方向のいずれかの方向から±2.5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜。
  6. 前記オフカット面の結晶方向が、前記12種の等価な<21−30>方向のいずれかの方向から±1.5°以下のうちの1方向を向いていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜。
  7. 前記SiC基板が、マイクロパイプ欠陥、あるいはらせん転位を10cm−2以上有し

    さらにエピタキシャルSiC膜が、バッファ層と前記バッファ層の上に設けられた活性
    層を有し、
    さらに前記バッファ層は、化学気相堆積法で成長させた、厚さが0.3〜15μmであ
    り、内部でマイクロパイプ欠陥が前記SiC基板に比較して80%以下に減少させたバッ
    ファ層であることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルSiC膜。
  8. 前記バッファ層は、窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子
    を含むバッファ層であることを特徴とする請求項7に記載のエピタキシャルSiC膜。
  9. 前記バッファ層は、窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子を、2×1015〜3×1019cm−3の密度で含むバッファ層であることを特徴とする請求項8に記載のエピタキシャルSiC膜。
  10. 前記バッファ層は、その内部の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板中の不純物原子の密度より低いバッファ層であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のエピタキシャルSiC膜
  11. 前記バッファ層は、その内部の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板から前記活性層に向かって徐々に減少させたバッファ層であることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜。
  12. 前記SiC基板および前記バッファ層が、4H−SiCであることを特徴とする請求項ないし請求項11のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜。
  13. 前記活性層が、化学気相堆積法で成長させた厚さ2μm以上の活性層であることを特徴
    とする請求項ないし請求項12のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜を有することを特徴とするSiCエピタキシャルウエハ。
  15. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜を用いて作製されたことを特徴とするSiC半導体デバイス。
  16. 請求項14に記載のSiCエピタキシャルウエハを用いて作製されたことを特徴とするSiC半導体デバイス。
  17. 前記SiC半導体デバイスが、表面に金属/SiCのショットキー障壁を有することを特徴とする請求項15または請求項16に記載のSiC半導体デバイス。
  18. 前記SiC半導体デバイスが、エピタキシャル成長時に不純物原子を混入する、または不純物原子をイオン注入することによって形成されたpn接合部を有することを特徴とする請求項15ないし請求項17のいずれかに記載のSiC半導体デバイス。
  19. 前記SiC半導体デバイスが、熱酸化または化学気相堆積法で形成された酸化膜をゲート絶縁膜として有するMOS型SiC半導体デバイスであることを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれかに記載のSiC半導体デバイス。
  20. 前記SiC半導体デバイスが、熱酸化あるいは化学気相堆積法で形成された酸化膜を、表面保護膜またはその一部として有するものであることを特徴とする請求項15ないし請求項19のいずれかに記載のSiC半導体デバイス。
  21. 六方晶系結晶構造を有するSiC基板のオフカット面上で、エピタキシャルSiC膜を成長させることによりエピタキシャルSiC膜を製造するエピタキシャルSiC膜の製造方法であって、
    前記SiC基板のオフカット面が、(0001)面から0.5°以上10°以下のオフカット角度を有するように選定し、
    さらに前記オフカット面の結晶方向が、前記SiC基板の12種の等価な<21−30>方向([21−30]、[−2−130]、[2−310]、[−23−10]、[12−30]、[−1−230]、[1−320]、[−13−20]、[−3120]、[3−1−20]、[−3210]および[3−2−10]方向)のいずれかの方向から±7.5°以下のうちの1方向を向いているように選定する
    オフカット面選定ステップを有することを特徴とするエピタキシャルSiC膜の製造方法。
  22. 前記SiC基板として、マイクロパイプ欠陥、またはらせん転位を10cm−2以上有する基板を選定するSiC基板選定ステップと、
    前記SiC基板の上に、厚さが0.3〜15μm、かつ前記SiC基板に比較してその内部でマイクロパイプ欠陥が80%以下に減少させたバッファ層を化学気相堆積法で成長させるバッファ層形成ステップと、
    前記バッファ層の上に活性層を形成する活性層形成ステップとを有していることを特徴とする請求項21に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法。
  23. 前記バッファ層に、窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子を含ませるドナー添加ステップを有することを特徴とする請求項21または請求項22に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法。
  24. 前記ドナー添加ステップにより不純物原子を2×1015〜3×1019cm−3の密度で含ませることを特徴とする請求項23に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法。
  25. 前記ドナー添加ステップは、前記バッファ層中の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板中の不純物密度より低くなるように制御して行う濃度制御型ドナー添加ステップであることを特徴とする請求項23または請求項24に記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法。
  26. 前記ドナー添加ステップは、前記バッファ層中の窒素、リン、アルミニウム、ボロンの少なくとも1種の不純物原子の密度が、前記SiC基板から前記活性層に向かって徐々に減少するように制御して行う濃度勾配制御型ドナー添加ステップであることを特徴とする請求項23ないし請求項25のいずれかに記載のエピタキシャルSiC膜の製造方法。
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